(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】予測されるゲーミングアクティビティと観客特性に基づく仮想インフルエンサの動作に関する方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/86 20140101AFI20240115BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240115BHJP
A63F 13/54 20140101ALI20240115BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240115BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/35
A63F13/54
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2022550790
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(86)【国際出願番号】 US2021023970
(87)【国際公開番号】W WO2021202206
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-08-23
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】スタフォード、ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】アダムス、ジャスティス
(72)【発明者】
【氏名】サリア、ジュニア マリオ
(72)【発明者】
【氏名】アロジョ パラシオス、ホルヘ
(72)【発明者】
【氏名】ラージクマール、ニーマル
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、マイケル
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0001111(US,A1)
【文献】米国特許第09345966(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2019/0208284(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
プロセッサが、複数のゲームセッションにおけるゲームプレイアクティビティを監視することであって、
前記監視することは、各ゲームセッションについて、前記ゲームセッションにおける前記ゲームプレイアクティビティを分析
して、機械学習モデルを用いて、分析された前記ゲームプレイアクティビティから前記ゲームセッションにおける将来のゲームプレイアクティビティを予測することを含む、前記監視することと、
前記プロセッサが、仮想キャラクタと対話する複数の観客の1つ以上の特性を識別することであって、
前記特性を識別することが、前記観客の嗜好、前記観客の場所、前記観客の観戦履歴、前記観客のゲームプレイ履歴のうちの1つ以上を判定することを含み、前記仮想キャラクタと対話する前記観客の各々が、ネットワークを介して、前記仮想キャラクタのものであるチャンネルにアクセスする、前記識別することと、
前記プロセッサが、前記チャンネルを介して、前記予測された将来のゲームプレイアクティビティ
を識別された前記複数の観客の前記特性
に従って優先順位付けまたはフィルタリングすることにより選択された、前記複数のゲームセッションのうちの1つである選択されたゲームセッションを観戦するための前記観客へのアクセスを提供することと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記チャンネルが、ウェブサイト、ソーシャルメディアプラットフォーム、ゲーム観戦プラットフォーム、ビデオ共有プラットフォームによって規定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チャンネルが、前記仮想キャラクタに起因するか、または前記仮想キャラクタによってキュレートされているとして属性付けられたビデオコンテンツをストリーミングするために前記観客にアクセスを提供するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択されたゲームセッションを観戦するためにアクセスを提供することが、前記チャンネルを通じて前記仮想キャラクタが前記選択されたゲームセッションを観戦していることを示すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記選択されたゲームセッションを観戦することが、前記ネットワークを介して、前記選択されたゲームセッションのビデオを前記複数の観客に関連付けられた複数のクライアントデバイスにストリーミングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記選択されたゲームを観戦することが、前記ネットワークを介して、前記仮想キャラクタのものである前記選択されたゲームの音声ナレーションを提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ゲームセッションのうちの所与の1つにおいて前記ゲームプレイアクティビティを監視することが、前記ネットワークを介して、前記ゲームセッションのうちの前記所与の1つからゲームプレイメタデータを受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ゲームプレイメタデータが、仮想環境内のプレイヤーの場所、入力、またはゲームプレイイベントのうちの1つ以上を識別する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記観客の前記特性を識別することが
、前記観客の年
齢を判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
方法であって、
プロセッサが、複数のゲームセッションにおけるゲームプレイアクティビティを監視することであって、
前記監視することは、各ゲームセッションについて
、前記ゲームセッションにおける前記ゲームプレイアクティビティを分析
して、機械学習モデルを用いて、分析された前記ゲームプレイアクティビティから前記ゲームセッションにおける将来のゲームプレイアクティビティを予測することを含む、前記監視することと、
前記プロセッサが、ソーシャルプラットフォーム上の仮想キャラクタの複数のフォロワーの1つ以上の特性を識別することであって、
前記特性を識別することが、前記フォロワーの嗜好、前記フォロワーの場所、前記フォロワーの観戦履歴、前記フォロワーのゲームプレイ履歴のうちの1つ以上を判定することを含み、前記仮想キャラクタの前記フォロワーが、前記ソーシャルプラットフォーム上の前記仮想キャラクタの加入者になっている、前記識別することと、
前記プロセッサが、ネットワークを介して、前記複数のゲームセッションのうちの1つである選択されたゲームセッションを観戦するために前記仮想キャラクタの前記フォロワーにアクセスを提供することであって、前記選択されたゲームセッションが、前記予測された将来のゲームプレイアクティビティ
を識別された前記複数の
フォロワーの前記特性
に従って優先順位付けまたはフィルタリングすることにより選択されている、前記提供することと、
を含む、前記方法。
【請求項11】
前記ソーシャルプラットフォーム上の前記仮想キャラクタの加入者であることが、前記ソーシャルプラットフォーム上の前記仮想キャラクタからの更新の前記フォロワーによる受信を可能にする、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記仮想キャラクタからの更新の受信が、前記選択されたゲームセッションを観戦するためのアクセスを提供する前記仮想キャラクタのものである投稿の受信を含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記選択されたゲームを観戦することが、前記ネットワークを介して、前記仮想キャラクタのものである前記選択されたゲームの音声ナレーションを提供することを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項14】
前記ゲームセッションのうちの所与の1つにおける前記ゲームプレイアクティビティを監視することが、前記ネットワークを介して、前記ゲームセッションのうちの前記所与の1つからゲームプレイメタデータを受信することを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項15】
前記ゲームプレイメタデータが、仮想環境におけるプレイヤーの場所、入力、またはゲームプレイイベントのうちの1つ以上を識別する、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記フォロワーの前記特性を識別することが
、前記フォロワーの年
齢を判定することを含む、請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、予測されるゲーミングアクティビティ及び観客特性に基づいて仮想インフルエンサを動作させるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
ゲーミング業界の拡大領域は、ゲームプレイビデオの共有とゲームプレイの観戦の拡大領域である。現在、ユーザは、ウェブサイト、ソーシャルメディアなどを介して、ゲームプレイを記録及び共有することが可能である。さらに、ユーザはゲームプレイをライブストリーミングすることができ、実質的にリアルタイムで発生しているようにゲームプレイを見ることを他のユーザができるようになっている。
【0003】
ゲーミング業界における別の最近の傾向は、クラウドゲーミングへの移行である。クラウドゲーミングは、ビデオゲームのリソースが保証され得るデータセンタにおいて、ビデオゲームのリモート実行を可能にすることにより、エンドユーザに利点をもたらす。リモートで実行されるビデオゲームによって生成された動画は、ユーザの機器にストリーミングされ、ユーザからの入力はデータセンタに返送される。これにより、エンドユーザは、ゲーム自体を実行するために特定のハードウェアを所有する必要がなくなる。むしろ、エンドユーザはゲームプレイをストリーミングするのに十分なハードウェアを所有するだけでよく、高品質ゲーミング体験を楽しむことができる。さらに、理論的には、クラウドゲーミングは、ネットワーク接続が利用可能な任意の場所からのゲーミングを可能にする。
【0004】
ビデオゲーム業界の継続的な傾向は、グラフィックスの洗練化と、最新のゲームエンジンの要求を満たすためのコンピューティングリソースの可用性である。ビデオゲームが進化するにつれて、その解像度とフレームレートは増加し続け、非常にリアルで詳細な仮想環境のレンダリングが可能になる。さらに、クラウドゲーミングの人気は高まり続け、クラウドで実行されるビデオゲームへの移行が、高品質ゲーミング体験へのより多くのアクセスを可能にしている。
【0005】
本開示の実施形態が生じるのは、この文脈の範囲内にある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実装は、予測されるゲーミングアクティビティ及び観客特性に基づいて仮想インフルエンサを動作させるためのシステム及び方法を提供する。
【0007】
いくつかの実施態様では、方法が提供されており、本方法は、複数のゲームセッションにおけるゲームプレイアクティビティを監視する操作であって、各ゲームセッションについて、当該ゲームセッションにおける将来のゲームプレイアクティビティを予測するために、当該ゲームセッションにおけるゲームプレイアクティビティを分析することを含む、監視する操作と、仮想キャラクタ(仮想インフルエンサ)を見て、それらと対話する複数の観客の1つ以上の特性を識別する操作であって、仮想キャラクタの観客の各々が、ネットワークを介して、仮想キャラクタのものであるチャンネルにアクセスする、識別する操作と、チャンネルを介して、予測された将来のゲームプレイアクティビティに基づいて、かつ、複数の観客の特性に基づいて選択された、複数のゲームセッションのうちの1つである選択されたゲームセッションを観戦するための観客へのアクセスを提供する操作と、を含む。
【0008】
いくつかの実施態様では、チャンネルは、ウェブサイト、ソーシャルメディアプラットフォーム、ゲーム観戦プラットフォーム、ビデオ共有プラットフォームによって規定されている。
【0009】
いくつかの実施態様では、チャンネルは、仮想キャラクタに起因するか、または仮想キャラクタによってキュレートされているとして属性付けられたビデオコンテンツをストリーミングするために観客にアクセスを提供するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施態様では、選択されたゲームセッションを観戦するためにアクセスを提供することは、仮想キャラクタが選択されたゲームセッションを観戦していることをチャンネルを通じて示すことを含む。
【0011】
いくつかの実施態様では、選択されたゲームセッションを観戦することは、ネットワークを介して、複数の観客に関連付けられた複数のクライアントデバイスに選択されたゲームセッションのビデオをストリーミングすることを含む。
【0012】
いくつかの実施態様では、選択されたゲームを観戦することは、ネットワークを介して、仮想キャラクタのものである選択されたゲームの音声ナレーションを提供することを含む。
【0013】
いくつかの実施態様では、ゲームセッションのうちの所与の1つにおけるゲームプレイアクティビティを監視することは、ネットワークを介して、ゲームセッションのうちの所与の1つからゲームプレイメタデータを受信することを含む。
【0014】
いくつかの実施態様では、ゲームプレイメタデータは、仮想環境におけるプレイヤーの場所、入力、またはゲームプレイイベントのうちの1つ以上を識別する。
【0015】
いくつかの実施態様では、ゲームプレイアクティビティを分析することは、将来のゲームプレイアクティビティを予測するために機械学習モデルをゲームプレイアクティビティに適用することを含む。
【0016】
いくつかの実施態様では、観客の特性を識別することが、観客の嗜好、観客の場所、観客の年齢、観客の観戦履歴、観客のゲームプレイ履歴のうちの1つ以上を判定することを含む。
【0017】
いくつかの実施態様では、方法が提供されており、本方法は、複数のゲームセッションにおけるゲームプレイアクティビティを監視する操作であって、操作が、各ゲームセッションについて、当該ゲームセッションにおける将来のゲームプレイアクティビティを予測するために、当該ゲームセッションにおけるゲームプレイアクティビティを分析することを含む、監視する操作と、ソーシャルプラットフォーム上の仮想キャラクタの複数のフォロワーの1つ以上の特性を識別する操作であって、仮想キャラクタのフォロワーが、ソーシャルプラットフォーム上の仮想キャラクタの加入者になっている、識別する操作と、ネットワークを介して、複数のゲームセッションのうちの1つである選択されたゲームセッションを観戦するために仮想キャラクタのフォロワーにアクセスを提供する操作であって、選択されたゲームセッションが、予測された将来のゲームプレイアクティビティに基づいて、かつ、複数の観客の特性に基づいて選択されている、提供する操作と、を含む。
【0018】
いくつかの実施態様では、ソーシャルプラットフォーム上の仮想キャラクタの加入者であることが、ソーシャルプラットフォーム上の仮想キャラクタからの更新のフォロワーによる受信を可能にする。
【0019】
いくつかの実施態様では、仮想キャラクタからの更新の受信は、選択されたゲームセッションを観戦するためのアクセスを提供する仮想キャラクタのものである投稿の受信を含む。
【0020】
いくつかの実施態様では、選択されたゲームを観戦することは、ネットワークを介して、仮想キャラクタのものである選択されたゲームの音声ナレーションを提供することを含む。
【0021】
いくつかの実施態様では、ゲームセッションのうちの所与の1つにおけるゲームプレイアクティビティを監視することは、ネットワークを介して、ゲームセッションのうちの所与の1つからゲームプレイメタデータを受信することを含む。
【0022】
いくつかの実施態様では、ゲームプレイメタデータは、仮想環境におけるプレイヤーの場所、入力、またはゲームプレイイベントのうちの1つ以上を識別する。
【0023】
いくつかの実施態様では、ゲームプレイアクティビティを分析することは、将来のゲームプレイアクティビティを予測するために機械学習モデルをゲームプレイアクティビティに適用することを含む。
【0024】
いくつかの実施態様では、フォロワーの特性を識別することは、フォロワーの嗜好、フォロワーの場所、フォロワーの年齢、フォロワーの履歴を見ること、フォロワーのゲームプレイ履歴のうちの1つ以上を判定することを含む。
【0025】
本開示の他の態様及び利点は、本開示の原理を例示として図示する添付の図面と併せて、以下の発明を実施するための形態から明らかになるであろう。
【0026】
本開示は、そのさらなる利点とともに、添付の図面と併せて取られる以下の説明を参照することによって最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示の実施態様による、ゲームプレイアクティビティを予測するための機械学習(または人工知能(AI))モデルのトレーニング及び使用を概念的に示している。
【
図2】本開示の実施態様による、観客に観戦チャンネルを推奨するための方法を概念的に示している。
【
図3】本開示の実施態様による、興味深いイベントの予測が行われるビデオゲームのシーンまたは仮想環境を概念的に示している。
【
図4】本開示の実施態様による、観戦するための興味深いアクティビティに観客を誘導する目的でのビデオゲームのマップビューを概念的に示している。
【
図5A】本開示の実施態様による、ビデオゲームのライブゲームプレイを観戦するためのインターフェースを概念的に示している。
【
図5B】本開示の実施態様による、観客を様々なゲームプレイチャンネルに誘導する仮想キャラクタまたはインフルエンサを概念的に示している。
【
図6】本開示の実施態様による、観客にビデオゲームの仮想環境内の特定の場所を観戦させる仮想キャラクタを概念的に示している。
【
図7】本開示の実施態様による、プレイヤーのアクションを予測し、プレイヤーにフィードバックを提供するためのビデオゲームのプレイヤーのモデリングを概念的に示している。
【
図8】本開示の実施態様による、プレイヤーがゲームプレイに積極的に参加しているビデオゲームの仮想環境のプレイヤーのビューを概念的に示している。
【
図9】本開示の実施態様による、仮想キャラクタがビデオゲームの観客体験を向上させることを可能にするためのシステムを示している。
【
図10A】本開示の実施態様による、クラウドゲーミングサイトを通じて利用可能なゲームのゲームファイルをロードするために使用される例示的なシステムを示す。
【
図10B】本開示の実施態様による、クラウドビデオゲームをクライアントデバイスにストリーミングするために実行される様々な操作を概念的に示すフロー図である。
【
図11】本開示の実施態様による、情報サービスプロバイダアーキテクチャの実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の発明を実施するための形態では、本開示の完全な理解をもたらすために、いくつかの具体的な詳細が示されている。しかしながら、本開示がこれらの具体的な詳細の一部または全部を伴わずに実施され得ることは当業者には明らかであろう。他の事例では、本開示を曖昧にしないために、周知のプロセスステップは詳細に説明されていない。
【0029】
図1は、本開示の実施態様による、ゲームプレイアクティビティを予測するための機械学習(または人工知能(AI))モデルのトレーニング及び使用を概念的に示している。図示した実装では、プレイヤー100はビデオゲームのゲームプレイに従事し、一方で観客104はゲームプレイを観戦する。ビデオゲームの実行は、ゲームプレイアクティビティが発生するゲーミングセッション102を規定する。大まかに言えば、ゲームプレイアクティビティは、セッション102中に発生し、プレイヤーアクティビティによって引き起こされ得るゲームイベント108と同様に、プレイヤーアクティビティ106を含む。限定されない例として、プレイヤーアクティビティ106は、デバイス入力(コントローラ、キーボード、マウス、タッチパッドなど)、モーション入力、音声入力、テキスト入力、視線追跡入力、プレイヤー感情入力、プレイヤー生体入力、またはプレイヤー自身によって直接生成されたその他のアクティビティまたは入力などのプレイヤーによる任意のアクションを含むことができる。プレイヤーアクティビティ106は、プレイヤーに関連付けられたビデオゲームのAI(人工知能)(または他の自動プレイヤー支援またはプレイヤーアクティビティ生成プロセス)によってプレイヤーに代わって生成されたアクティビティをさらに含むことができる。限定されない例として、ゲームイベント108は、ビデオゲームセッションで生じるいずれかのイベントを含むことができ、例えば、仮想環境/空間における仮想オブジェクト(キャラクタ、車両など)の動き、仮想オブジェクト/スキル/リソース/通貨/等の実績、獲得または喪失、武器の発射、仮想オブジェクトもしくはスキルの使用、または移動、キル、プレイヤーの死亡、またはプレイヤー及び/または関連するAIによるゲームプレイから生じるその他のゲームイベントである。
【0030】
さらに、観客104がゲーミングセッション102を観戦するとき、観客は観客アクティビティ110を生成する。限定されない例として、観客アクティビティ110は、観戦のために仮想環境内の異なる場所への移動、どのプレイヤーをフォローするかを選択すること、コメント/反応、テキスト入力、絵文字入力、音声入力、視線追跡入力、デバイス入力を生成すること、特定のゲームセッションに参加または離脱すること、観客の感情、観客の数、観客が1つの特定のチャンネルに費やした時間、等といった観客104による任意のアクションを含むことができる。いくつかの実施態様では、観客は、ゲームの仮想環境内の要素を変更するなど(例えば、武器落下、ルートボックスの選択、仮想オブジェクトの配置、仮想オブジェクトの削除/変更など)、ゲームセッションに直接影響する方法で対話でき、これらの対話は、観客アクティビティ110の一部としてさらに含まれている。
【0031】
いくつかの実施態様では、観客アクティビティは、イベント/対戦/ゲームセッション後のコメントなどのイベント/対戦/ゲームセッション後のアクティビティ、イベント後のエンゲージメントの期間、などをさらに含む。イベント後のアクティビティは、実際のイベント中の観客参加を示し得ることが理解されよう。
【0032】
前述のプレイヤーアクティビティ106、ゲームイベント108、及び観客アクティビティ110を識別するメタデータは、トレーニングデータ112として保存され得、その後、機械学習/AIモデル116のトレーニング114を実行して、ゲームプレイアクティビティまたは他の関連情報を予測するために使用され得る。説明を容易にするために、本開示の目的のために、それらを単数の形式で説明するが、複数の機械学習モデルが存在し得ることが理解されよう。以下でさらに詳細に説明するように、トレーニングされた機械学習モデル116が、ゲームプレイアクティビティ及び関連するイベントのリアルタイム予測118を実行するために適用されることができ、これは、プレイヤー100及び観客104の体験を向上させるために使用され得る。
【0033】
いくつかの実施態様では、機械学習モデル116は、ゲームプレイオを使用してトレーニングされ得る。これは、ゲームプレイアクティビティを識別するゲームプレイメタデータの使用への追加であることも、その代わりであることもできる。機械学習モデル116は、ゲームプレイビデオ内の興味深いイベントを認識するようにトレーニングされることができる。
【0034】
いくつかの実施態様では、機械学習モデル116は、興味深いか、または一般的でない、あるいはそうでなければ注目に値するイベントがいつ発生しようとしているのかを予測するためにトレーニングされている。イベントの「興味深さ」または興味レベルは、トレーニングデータに含まれる要因に基づくことができ、それらは、観客の数、(例えば、セマンティック/感情分析、自然言語処理、等によって判定されるような)イベントを見た観客によるコメントの量と内容、他のタイプの観客の反応(例えば、録音されたオーディオ/スピーチ、いいねや絵文字応答などの観客の反応入力など)、イベントに関係するプレイヤーアクティビティの量及びタイプ(例えば、入力量、入力タイプ、プレイヤーの動作/動き、武器の使用法、スキルの使用法、等)などである。
【0035】
機械学習モデルは、興味深いイベントを構成するものを理解するためにトレーニングされることができ、興味深いイベントがいつ発生する可能性があるかを予測するためにトレーニングされることができる。この情報は、次いで、ゲームプレイセッション、及び興味深いイベントが活発に発生しているか、または近い将来(例えば、次の1、2、3、4、5分内など)に起こると予測される、そのようなセッション内の仮想場所を観戦するために観客104を誘導するために使用されることができる。このように、観客は、ビデオゲームセッションを観戦するときに何か興味深いことが起こるのを目撃する可能性が高くなる。
【0036】
いくつかの実施態様では、機械学習モデル116は、プレイヤーのアクティビティを予測するためにトレーニングされている。この情報は、所与のプレイヤーにヒントまたは「プレイ」を提案するために使用されることができ、それによって、観客が興味を有するゲームプレイアクティビティを実行するようにプレイヤーを誘導する。
【0037】
いくつかの実施態様では、AI/MLモデル116は、イベント/対戦/ゲームセッション後のコメント、イベント後のエンゲージメントの期間などを分析するように構成されている。
【0038】
いくつかの実施態様では、観客またはプレイヤーとのコミュニケーションは、仮想キャラクタ/インフルエンサを介して配信されるか、または前述の仮想キャラクタに帰属する。いくつかの実施態様では、仮想キャラクタは、推奨または他の情報を発声するように構成され得るか、またはプレイヤーまたは観客のビューでレンダリングされることができる(例えば、オーバーレイとしてレンダリングされるか、ビュー内の専用ウィンドウ/領域でレンダリングされる、など)。いくつかの実施態様では、仮想キャラクタは、プレイまたは観戦されているビデオゲームの仮想環境でレンダリングされる。
【0039】
本開示では、仮想キャラクタ及び仮想インフルエンサという用語は交換可能に使用される。大まかに言えば、仮想インフルエンサは、AIによって動作させられ得る個性を有する仮想キャラクタとして理解されている。仮想インフルエンサは、ソーシャルメディア上(例えば、Instagram(登録商標)、Twitter(登録商標)、Facebook(登録商標)など)に多くのフォロワーを有することができ、その投稿は、ソーシャルメディアプラットフォームで促進される数十万のいいね、共有、コメント、またはその他の対話を受け取ることができる。仮想インフルエンサは、ソーシャルメディアマーケティングで広く使用されており、推奨事項を提供し、その人気は高まっており、人間のインフルエンサの競合と見なされ得る。仮想インフルエンサの一例は、Lil Miquela(リル ミケーラ)であり、本開示の時点で、Instagram(登録商標)(https://www.instagram.com/lilmiquela/)上に200万人のフォロワーを有している。
【0040】
いくつかの実施態様では、人気のあるゲームキャラクタが仮想インフルエンサとして機能し、さらに観客のためにゲームを(オンラインまたはeスポーツイベントにおいて)ナレーションすることができる。仮想ゲームのインフルエンサは、観戦プラットフォーム(Twitch、Mixer、Youtube(登録商標)など)で視聴するのに最適なゲーム/プレイヤー/チャンネル/イベントについてフォロワー(観客)に推奨事項を提供することができる。いくつかの実施態様では、仮想インフルエンサ/ナレータは動作させられることができ、より多くの観客を引き付け、すでにフォローしている観客を維持し、より多くの観客を引き付けるため、などのために、その振舞いを適応することができる。
【0041】
図2は、本開示の実施態様による、観客に観戦チャンネルを推奨するための方法を概念的に示している。図示した実施態様では、観客200は、ビデオゲームのゲームプレイを観戦するための様々なゲームプレイチャンネル202から選択することができる。各ゲームプレイチャンネル204、206、208、等は、ビデオゲームのゲームプレイのライブビデオフィードを提供する。いくつかの実施態様では、ゲームプレイチャンネルは、ビデオゲームの特定のプレイヤーのゲームプレイのライブビデオフィードを提供し、これは、特定のプレイヤーのビューまたは関連するビュー(例えば、第1の人物のビューに対する肩越しのビュー)であり得る。一方で、いくつかの実施態様では、ゲームプレイチャンネルは、ビデオゲームのゲームプレイのライブビデオフィードを提供するが、必ずしも特定のプレイヤービューのライブビデオフィードを提供するわけではない。例えば、ライブビデオフィードは、ビデオゲームの仮想環境内の事前規定された場所からか、または観戦するときに観客によって制御可能な視点からのものであり得る。
【0042】
いくつかの実施態様では、チャンネルは、ゲームのライブビデオフィードの代わりに(またはそれに加えて)ゲーム状態データをストリーミングする。いくつかの実施態様では、ゲーム状態データは、観客がVR(仮想現実)内にいてゲームのアクションを観察し、移動して自由に環境を探索するのを容易にするために使用されている。いくつかの実施態様では、このことは、観客がゲームをローカルデバイスにインストールすることを必要とし、ローカルデバイスは、ゲーム状態データを処理してゲーム状態をクラウド実行と同期するが、観客にとっては、プレイヤーとは異なる視点を可能にする。
【0043】
いくつかの実施態様では、ゲームプレイチャンネルは、グラフィカルユーザインターフェースの選択可能なアイコンとして表示されるか、選択可能なアイコンを介してアクセスされる。これらのアイコンは、ゲームプレイからのスクリーンショットを含み得るか、選択用に小型化された形式のライブストリームで構成される場合がある。様々な実施態様において、ゲームプレイチャンネルは、ウェブサイト、ゲームコンソールインターフェース、モバイルデバイスもしくは他のコンピューティングデバイス上のアプリ、または観戦用のビデオゲームゲームプレイのライブストリーミングを配信することが可能な他のインターフェースもしくはアプリケーションを介して提示されることができる。いくつかの実施態様では、アイコンの選択は、ライブストリームの再生、及び/または拡張された形式でのライブストリームの表示をトリガーする。
【0044】
観客200は、例として、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、携帯電話、モバイルデバイス、ゲームコンソール、セットトップボックス、ストリーミングボックス/周辺機器、等を含むがこれらに限定されないハードウェアの任意の構成を使用してゲームプレイチャンネル202にアクセスできることが理解されるであろう。そのようなデバイスは、モニタ、テレビ、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、等のディスプレイに接続され得るか、またはそれらを含み得るか、またはそれらと統合され得ることが理解されるであろう。
【0045】
各ゲームプレイチャンネルは、ゲームプレイを実行し、かつゲームプレイチャンネルのビデオをレンダリングする、それぞれの実行中のゲームセッションから規定されている。図示した実施態様では、ゲームプレイチャンネル204は、ゲームセッション210から規定され、ゲームプレイチャンネル206は、ゲームセッション212から規定され、ゲームプレイチャンネル208は、ゲームセッション214から規定されている。各ゲームセッションが分析され得(参照番号216)、ゲームプレイで何が起こっているかを識別し、さらに、いつ、興味深いか、または異例なイベントが発生しているか、または発生しようとしているのかを識別及び/または予測することができる。いくつかの実施態様では、特定のゲームプレイセッションで興味深いイベントがいつ発生するか(及びビデオゲームの仮想環境のどこで発生するか)を予測するために、上述したような機械学習モデルが使用される。
【0046】
さらに、いくつかの実施態様では、開発者主導の予測が存在する可能性がある。例えば、ゲーム開発者は、ゲームタイトルからコンテンツを予測して推奨することができる。いくつかの実施態様では、ゲーム開発者は、AIまたは人間を利用して、予測及び推奨を実行することができる。本明細書に開示されるように、ゲームタイトルが発表される前、またはゲームのアルファ、ベータ、または発表前のウィンドウの間に、AIをトレーニングするためにそのような実装が開発者によって使用される場合があることを制限なく理解する必要がある。このことが、開発者が、ゲームタイトルが発表されたら、ライブトレーニングの前に開示されたシステムを事前トレーニングして事前調整し、プレイヤーがゲームを利用できる最初の日に興味深い予測と推奨事項を確実にすることを可能にする。
【0047】
興味深いイベントがいつ発生するかについてのそのような予測に基づいて、システムは、ゲームプレイチャンネル(参照番号218)を観客200に視聴のために推奨することができ、それにより、観客200を興味深いゲームプレイアクティビティに誘導し、観客がゲームプレイを観戦するために費やす時間の質を改善する。いくつかの実施態様では、システムは、チャンネルまたはその境界を特定の色、点滅またはアニメーションで照らすこと、チャンネルへの注意を喚起するインジケータを表示すること、または何かがすぐに発生すると予想されることを示すこと、等によってなど、1つ以上のゲームプレイチャンネル202を強調表示して、何か興味深いものが起きようとしていることを示すことができる。いくつかの実施態様では、仮想キャラクタは、ゲームプレイチャンネルをユーザに推奨するように構成されることができ、ゲームプレイで何が起こっているか、及び/または何が起こると予測されるかについてさらにコメントすることができる。
【0048】
いくつかの実施態様では、システムは、ゲームプレイチャンネルの1つを選択/推奨することによって、またはチャンネルを既存のゲームプレイチャンネルから別のものへ変更すること(それを奨励すること)によってなど、興味深いイベントが当該ゲームプレイチャンネルにおいて発生するであろうという予測に基づいて、観客200を所与のゲームプレイチャンネルに自動的に誘導(または推奨する)ことができる。いくつかの実施態様では、そのような切り替えは、仮想キャラクタがゲームプレイチャンネルを選択するか、またはチャンネルを変更するかを行うようにレンダリングすることによってなど、仮想キャラクタによって開始されているように観客にレンダリングすることができる。いくつかの実施態様では、仮想キャラクタは、観客のビューの事前規定されたウィンドウに示され、仮想キャラクタは、チャンネルを異なるゲームプレイチャンネルに変更することを観客に伝達するように構成されている。いくつかの実施態様では、仮想キャラクタは、仮想キャラクタがチャンネルを変更するか、またはチャンネルを選択することを望むかを観客に尋ねることができる。いくつかの実施態様では、これは、グラフィカルアイコン、テキスト対話、または会話音声の形式であり得ることが理解されよう。いくつかの実施態様では、仮想キャラクタ/インフルエンサはまた、当該チャンネルに最近参加した観客の友人に基づいて、チャンネルに行くことを推奨することもできる。
【0049】
いくつかの実施態様では、チャンネル推奨は、観客のプロファイル220に従って優先順位付けまたはフィルタリングされることができる。例えば、観客プロファイルは、観客の人口統計データ、年齢、性別、場所などの情報を含むことができ、同様に、ゲーム履歴、所有またはプレイされたゲーム、ゲームスキルレベル、ゲームの成果、ゲームのタイプの嗜好、以前の観戦履歴(例えば、観戦されたゲーム、観戦時のコメント/反応など)の他のタイプのデータ、または観客200のためのチャンネル推奨に優先順位を付けるかまたはフィルタリングするために使用できる他のタイプのプロファイル情報を含むことができる。
【0050】
さらに、ゲームで発生するアクションに加えて、観戦チャンネルまたは観客の間でも発生する可能性のある興味深いアクティビティまたはイベントが存在する可能性がある。いくつかの実施態様では、仮想インフルエンサは、チャンネルで何が起こっているかに基づいて、より多くの人々を観戦に招待することができる。
【0051】
図3は、本開示の実施態様による、興味深いイベントの予測が行われるビデオゲームのシーンまたは仮想環境を概念的に示している。図示したシーン300では、複数のプレイヤー(すなわち、プレイヤーによって制御されるキャラクタ)302、304、及び306が、家308に向かって移動している。複数の他のプレイヤー310、312、及び314が、家308の中にいる。いくつかの実施態様では、システムは、ビデオゲームで発生するそのようなアクティビティに基づいて、何らかの興味深いことが、すぐに発生する可能性があることを認識することができる。例えば、家308に向かうか、または家の中の他のプレイヤーに向かうプレイヤーの動きは、これから起きようとしている興味深いアクティビティを示している場合がある。いくつかの実施態様では、プレイヤー302、304、及び306は、同じチームのメンバーであり、一方で、プレイヤー310、312、及び312は、競合するチームのメンバーであり、互いの近接性または互いに向けての動きは、興味深いアクティビティが起きようとしていることを示している。
【0052】
この概念は、他のタイプの近接性及び動きに拡張できる。例えば、1人以上のノンプレイヤーキャラクタに向けての、またはその近くでの1人以上のプレイヤーの動き、例えば、ボスキャラクタに向かう動きは、観戦するための興味深いアクティビティを予測可能であり得る。武器の武装、軍隊/ノンプレイヤーキャラクタの配置、スキル/能力のアクティブ化などのようなプレイヤーによるアクションは、これらが、プレイヤーがいくつかの興味深いゲーミングアクティビティに従事する準備をしていることを示すことができるために、さらに予測可能であり得る。
【0053】
上述のように、機械学習モデルは、そのような状況とアクティビティを認識し、例えば、その後の事前規定された時間内に、興味深いアクティビティがいつ発生するかを予測するようにトレーニングされ得る。機械学習モデルは、高レベルのプレイヤーアクティビティ、プレイヤー間の対話、プレイヤー特性の変化、リソースレベルの変化、実績、プレイヤーのキル/死亡などによって規定される可能性がある興味深いアクティビティの前兆を特定するようにトレーニングされ得る。
【0054】
上述のように、システムは、一般(アルファ、ベータプレイヤー)への早期アクセスが可能になる前、または一般の人々がゲームをプレイする前に、ゲーム開発者によって実行される早期トレーニングを可能にすることができる。いくつかの実施態様では、開発者は、開示されたシステムの開発者に提供されているAPIまたはSDKまたはその他のメカニズムを使用して、ゲームのメタデータ及び/又はビデオストリームにタグ付けすることにより、AIシステムにアクティビティヒントを提供できる。このように、開発者は、ゲームタイトルの開発中にそのようなシステムのタグ付けプロセスを統合することができ、ゲームがライブ配信されるとき、または他の方法で一般にリリースされるときに、開示されたシステムでゲームが適切に実行されることを確実にすることができる。
【0055】
興味深いアクティビティが発生すると予測されたとき、観客は、例えば、仮想キャラクタまたは仮想インフルエンサによって通知されることができ、観客が、特定のゲームセッションの観戦に参加できるようになっている。いくつかの実施態様では、システムは、適切な視点から興味深いアクティビティの観戦が可能になるように、観客に関連するビューを提供するように構成されることができる。例えば、観客には、プレイヤー302、304、及び306のいずれかに続く仮想カメラ316からのビュー、またはプレイヤー310、312、及び314のいずれかに続く仮想カメラ320からのビュー、または興味深いアクティビティが起きると予測される周辺のビューを提供する仮想カメラ318からのビューが提供され得る。いくつかの実施態様では、観客には選択するためのビューの様々な選択肢が提供されている。このようにして、観客は、ビデオゲームで行われようとしている興味深いアクティビティについて知らされることができるが、関連する有利な観点からタイムリーに観戦することも可能になる。このことは、興味深いアクティビティが差し迫ってまたは近い将来に起こると予想されるために重要であり得、ビデオゲームの仮想環境で適切な視点に到達するのに時間がかかり過ぎる場合、観客はいくつかの興味深いアクションを見逃す可能性がある。
【0056】
機械学習モデルがまた、観戦するための提案された視点または仮想カメラの場所を決定するために使用され得ることが理解されることになる。例えば、以前の観客のゲームプレイのビューイングと観客の反応に基づいて最適な視点を発見するために機械学習モデルがトレーニングされ得る。例えば、観客のコメント/反応(例えば、コメント、いいね、等の量や内容)、所与の視点からの観客のビューイングの期間、視点の履歴的な人気、などの観客アクティビティから、またはゲームの開発者やプレリリースプレイヤーによる以前のトレーニングから測定されるように、観客に最高の体験を提供する視点を決定するために、機械学習モデルがトレーニングされることができる。次に、観客にとって最良の視点を予測するために機械学習モデルが適用されることができる。前述のように、そのような視点は、観客が選択するための選択肢として提示されることができる。
【0057】
いくつかの実施態様では、システムは、それが起こる前に予測されたイベントを示すビデオを生成することができる。観客は、興味深いイベントの予測されたビデオを見て、それが本当に興味深いと判断し、次いで、ライブゲームを見て、イベントが実際に起きるかどうかを確認するために、(例えば、仮想環境で適切に決定された視点を使用して)ビューが設定されることができる。いくつかの実施態様では、イベントが予測どおりに発生しなかったことを観客が確認した場合、システムを起動して異なる方法でイベントを再現することができる。これは、観客が見ているビデオストリームを変更するが、プレイされているライブゲームセッションは変更しないことを理解されたい。観客は、予測された興味深いアクションをソーシャルメディアに示し、仮想キャラクタ/インフルエンサによる解説をさらに含む可能性がある代替的バージョンを再放送/共有できるようにすることができる。
【0058】
図4は、本開示の実施に従って、観戦するための興味深いアクティビティに観客を誘導する目的でのビデオゲームのマップビューを概念的に示している。図示した実施態様では、マップビュー400は、ビデオゲームの仮想環境の概要(または「ゴッドモード」ビュー)を提供し、観客が仮想環境の様々な領域を一度に見ることを可能にする。このマップビューは、仮想環境自体の中で一人称タイプのビューである通常の観戦ビューとは区別される。いくつかの実施態様では、マップビューは、2D(または実質的に2D)のオーバーヘッドビュー、またはビデオゲームの仮想環境/仮想空間のズームアウトビューである。マップビューから、観客は観戦する場所を選択でき、例えば、選択した場所における仮想環境の一人称タイプビューにズームする。
【0059】
マップビュー400において、観客は、図示の実装における山岳領域402、森林領域404、及び水領域406などの仮想環境の異なる領域を見ることができる。仮想空間の様々な領域全体で生じるアクティビティがある可能性があり、山岳領域402のキャラクタ408、森林領域404のキャラクタ410、及び水領域406のボート412などの、キャラクタの場所及び注釈の対象が見られる。多くのアクティビティが発生する可能性があるため、観客が、仮想環境で何を観戦するかを判断するのは難しくなり得る。
【0060】
従って、いくつかの実施態様では、システムは、興味深いアクティビティが発生しているか、またはすぐに発生すると予想される関心のある場所を、例えば、説明されているように機械学習モデルを使用して、特定するように構成される。例えば、図示した実施態様では、場所414は、複数のプレイヤーを含み、システムが、いくつかの興味深いゲームプレイアクティビティを検出したか、またはいくつかの興味深いゲームプレイアクティビティがまもなく発生すると予測したので、関心領域として強調表示される。このように、場所414は、強調または強調表示されることができ、それにより矢印または他のインジケータでそれをフラグ付けすることによって、より目立つ色でそれを表示することなどによって、観客にもっと見えるようになっている。いくつかの実施態様では、通知、ポップアップメッセージ、またはその他のレンダリングが、場合によって仮想キャラクタまたは仮想インフルエンサから表示されることができる。いくつかの実施態様では、メッセージまたは通知は、強調表示された領域で発生しているアクティビティ、またはどのアクティビティが発生すると予測されるかを示すように構成されることができる。いくつかの実施態様では、メッセージ/通知は、仮想キャラクタによって話された音声の形態で提供される。
【0061】
そのような通知を通じて、観客には、場所414にズームインし、場所414で発生するアクティビティの拡大ビューもしくは一人称ビュー、または場所414の詳細なビューイングを提供する他のタイプのビューに変更する選択肢が提供され得る。
【0062】
図5Aは、本開示の実装に従って、ビデオゲームのライブゲームプレイを観戦するためのインターフェースを概念的に示している。チャンネル500、502、504、506などの様々なゲームプレイチャンネルが示されている。各チャンネルは、そのチャンネルのゲームプレイのライブビューイング/観戦を開始するために選択可能になっている。図示した実施態様では、チャンネルは、スクリーンショット、事前記録されたビデオクリップ(ループ可能)、またはライブビデオとしても表現/表示されることができる。各ゲームプレイチャンネルは、観客によって規定もしくは選択されたように、または場合によっては、仮想キャラクタまたはインフルエンサに関連付けられたように、例えば、特定のプレイヤーの観点からビデオゲームのライブゲームプレイを表示するように構成されている。
【0063】
いくつかの実施態様では、インターフェースは、単一のビデオゲームの様々なセッションを表示し、それらへのアクセスを提供するように構成されており、一方で、他の実施態様では、インターフェースは、異なるビデオゲームのセッションを表示し、それらへのアクセスを提供するように構成されている。様々な実施態様では、インターフェースは、ウェブページ、アプリ/アプリケーション、ゲームコンソールシステム環境、仮想現実(VR)インターフェース/環境、等を介して表示される。示されているように、各表示されたチャンネルは、チャンネルの名前/タイトル、現在チャンネルを観戦しているビューワー/観客の数、チャンネルがアクティブであった時間の長さ、チャンネルが関連付けられている(またはチャンネルを作成/所有している、またはゲームプレイがチャンネルに表示されている)プレイヤー/ユーザの名前、マルチプレイヤーゲームプレイに参加しているプレイヤーの数、等のような様々な関連情報を含むことができる。
【0064】
検索フィールド508は、ユーザが検索用語/タグを入力することを可能にし、それに従って、システムは、当該検索用語/タグが関連付けられているゲームプレイチャンネルをフィルタリング/表面化することができる。例えば、ユーザは、ビデオゲームの特定のキャラクタまたはシーンに関心を持つ場合があり、検索フィールド508を使用することによって、ユーザは、所望のキャラクタまたはシーンを特色とするゲームプレイチャンネルをより容易に見つけることができる。
【0065】
ソート機能510は、ユーザが、選択した基準及び順序に従って、例えば、ビューワーの数(高から低、または低から高)、最近に開始されたもの、推奨、等によって、ゲームプレイチャンネルをソートすることを可能にする。いくつかの実施態様では、ソートの基準は、現在のアクティビティを含むことができ、それにより、ゲームプレイチャンネルは、チャンネルのそれぞれのゲームプレイで現在発生しているアクティビティのレベルに従ってソートされる。アクティビティのレベルは、様々なチャンネルのゲームプレイを分析することに基づいて、かつ、プレイヤーのアクティビティ及び動きの量、プレイヤーコミュニケーション、武器の発射または攻撃、対話するプレイヤーの数などのファクタに基づいて判定され得ることが理解されよう。現在のアクティビティレベルに従ってソートすることによって、ユーザは、現時点でアクションを示しているゲームプレイチャンネルをより容易に見つけることが可能になり、すぐに魅力を感じることができる。
【0066】
いくつかの実施態様では、ソートの基準は、予測されたアクティビティを含むことができ、それにより、ゲームプレイチャンネルは、アクティビティの予測されたレベルに従ってソートされる。すなわち、近い将来に(例えば、事前規定されたその後の期間内に)発生すると予測されるアクティビティの量が判定され、チャンネルは、予想される将来のアクティビティに基づいてソートされることができる。説明したように、興味深いアクティビティは、様々なゲームプレイ関連ファクタに基づいて予測されることができ、機械学習モデルを採用することができる。いくつかの実施態様では、この予測は、ゲームプレイセッションでのアクティビティにおける傾向の予測を含むことができ、チャンネルは、これらの傾向に少なくとも部分的に基づいてソートすることができ、例えば、ゲームプレイアクティビティにおける予測された傾向が増加しているチャンネルを予測された傾向が減少しているチャンネルよりも優先する。このようにして、ユーザは、ゲームプレイが時間の経過とともに、そして近い将来、より興味深くなる可能性が高いチャンネルを観戦するように誘導されることができる。
【0067】
いくつかの実施態様では、特定のゲームプレイチャンネルを強調表示または注意喚起するために、仮想キャラクタが、インターフェースでレンダリングされることができる。例えば、仮想キャラクタ512は、ゲームプレイチャンネル504を強調表示して示され、ゲームプレイアクティビティがより激しくなっている(またはそうなると予測されている)ことを示している。
【0068】
説明したように、いくつかの実施態様では、仮想キャラクタは、ナレーション/解説を提供し、ゲームプレイセッションにおける観客の視点を誘導することができる。図示した実施態様では、仮想キャラクタ514は、ゲームプレイチャンネル506を観戦する際に仮想キャラクタに合流するようにユーザを招待するように示されている。従って、チャンネル506を観戦するとき、ユーザは、仮想キャラクタ514による解説/ナレーションを受け取り、仮想キャラクタによって誘導されるように仮想環境において視点を楽しみ、ビデオゲームの仮想環境でレンダリングされた仮想キャラクタ514を見るなどすることができる。
【0069】
ライブチャンネルに加えて、いくつかの実施態様では、リプレイビデオも提示されることができる。このようなリプレイはまた、仮想キャラクタによる解説/ナレーションを含むこともできる。
【0070】
いくつかの実施態様では、推奨されたチャンネル516のセクションが、インターフェースの一部として提供される。推奨されたチャンネル516は、他の方法で、インターフェースで特にプレビューまたは特色化されていないゲームプレイチャンネルへのリンクを含むことができる。このような推奨されたチャンネルは、観客の人気、評価、ユーザの観戦履歴/嗜好またはプロフィール、ユーザのプロフィールとの視聴類似性などに基づいて判定されることができる。推奨されたチャンネル516はさらに、例えば、様々なビデオゲームまたはビデオゲームのタイプ、様々なゲームプレイ設定、様々なゲームプレイスタイルなどを特徴とする、ユーザのための様々な観戦体験へのアクセスを提供するように構成されることができる。
【0071】
図5Bは、本開示の実施に従って、観客を様々なゲームプレイチャンネルに誘導する仮想キャラクタまたはインフルエンサを概念的に示している。いくつかの実施態様では、様々な観客520は、様々なゲームプレイチャンネルを視聴する際に仮想キャラクタ/インフルエンサ522をフォローし、これは、様々なプレイヤー524のゲームプレイを示すゲームプレイチャンネルであり得る。いくつかの実施態様では、仮想キャラクタ522は、どのゲームプレイチャンネルを視聴するかを自動的に選択するように構成され、観客は次いで、仮想キャラクタ522によって選択されたゲームプレイチャンネルを視聴するので、仮想キャラクタは、選択したゲームプレイチャンネルにおいて発生しているアクティビティの解説またはナレーションを提供することができる。仮想キャラクタ522によるゲームプレイチャンネルの選択は、観客の感情(例えば、観客が退屈していることが検出された場合にチャンネルを自動的に変更する)、観客プロフィール、及び嗜好、等に基づいた、前述のような興味深いアクティビティの予測によって動作させられ得ることが理解されよう。
【0072】
限定されない例として、観客520が仮想キャラクタ522をフォローし、仮想キャラクタ522がプレイヤーP1のゲームプレイチャンネルを選択するとき、観客は、事前規定されたウィンドウ528における仮想キャラクタの関連するビューとともに、プレイヤーP1のビデオゲームのゲームプレイのビュー526を有することができる。例えば、ウィンドウ528では、仮想キャラクタ522のレンダリングが示され、アニメーション化されて、その結果、仮想キャラクタ522がゲームプレイについてナレーションまたはコメントすることを示す。
【0073】
ある時点で、システムは、プレイヤーP3のゲームプレイで何らかの興味深いアクティビティが発生しようとしていることを検出/予測することができ、これに応答して、仮想キャラクタ522は、そのようにコミュニケーションを行い、ゲームプレイチャンネルをプレイヤーP3のためのゲームプレイチャンネルに変更するように進行する。次に、観客520には、プレイヤーP3のゲームプレイを表示するビュー530が提供される。この場合も、仮想キャラクタ522は、事前規定されたウィンドウ528にレンダリングされることができ、ここで、プレイヤーP3のゲームプレイに関する解説/ナレーションを提供する。事前規定されたウィンドウ528は、ゲームプレイチャンネルがあるチャンネルから別のチャンネルに変更されるとき永続的であることができる。
【0074】
いくつかの実施態様では、コミュニケーションプラットフォーム上のチャンネルは、ウェブサイト上、ソーシャルメディアプラットフォーム上、ゲーム観戦プラットフォーム上、ビデオ共有プラットフォーム上などのように、仮想キャラクタのものであることができる。また、コミュニケーションプラットフォーム上の仮想キャラクタチャンネルを介して、観客は、観戦のための選択したゲームセッションにアクセスすることができる。選択されたゲームセッションは、ゲームセッションにおいて予測された将来のアクティビティ、観客の特性などに基づいて選択されることができる。コミュニケーションプラットフォーム上の仮想キャラクタチャンネルを介して、仮想キャラクタが選択されたゲームセッションを観戦していることが示され得、観客も選択されたゲームセッションにアクセスして観戦するためにリンクが提供され得ることが理解されよう。
【0075】
いくつかの実施態様では、ソーシャルプラットフォーム上に仮想キャラクタのフォロワーが存在することがあり、仮想キャラクタのフォロワーが、ソーシャルプラットフォーム上の仮想キャラクタの加入者であるようになっている。ソーシャルプラットフォームを介して仮想キャラクタのフォロワーにアクセスが提供され、例えば、予測された将来のゲームプレイアクティビティに基づいて、かつ、複数の観客の特性に基づいて選択されたゲームセッションを観戦することができる。例えば、フォロワーは、ソーシャルフィードで仮想キャラクタから更新や投稿を受け取ることができ、更新/投稿は、選択したゲームセッションを観戦するためのアクセスを提供できる。
【0076】
図6は、本開示の実施態様による、観客にビデオゲームの仮想環境内の特定の場所を観戦させる仮想キャラクタを概念的に示している。図示した実施態様では、ビデオゲームのゲームプレイは仮想環境600で行われる。仮想キャラクタまたはインフルエンサ602は、観客604をビデオゲームに引き寄せてゲームプレイアクティビティを観戦するように構成されている。例えば、観客は、上述のように様々なゲームプレイチャンネルを表示するインターフェースを介してゲームプレイを観戦する際に仮想キャラクタ602に加わることができる。
【0077】
いくつかの実施態様では、仮想キャラクタ602は、仮想環境600の観客のビューでレンダリングされるので、仮想キャラクタ602は、仮想環境600にあるように見える。いくつかの実施態様では、仮想キャラクタ602のレンダリングは、仮想環境600の観客のビューへのオーバーレイとして実行される。様々な実施態様において、仮想キャラクタ602は、ビデオゲームのゲームプレイに参加している実際のプレイヤーに見え得るか、見え得ないことがあることが理解されよう。
【0078】
いくつかの実施態様では、観客604がゲームプレイを観戦する際に仮想キャラクタ602に参加するとき、観客には、自動的に生成され、仮想キャラクタに関連付けられた仮想環境600内の視点が提供され、その結果、ゲームプレイセッション中に生じる興味深いアクティビティのビューイングを提供する。いくつかの実施態様では、この視点は、仮想キャラクタ602の視点であり、すなわち、仮想環境における仮想キャラクタ(場所及び方向)の観点からの視点である。いくつかの実施態様では、視点は、興味深いアクティビティ、特定のプレイヤー、仮想キャラクタ602などを自動的に追跡するように構成されることができる。そのような実施態様では、この視点は、仮想キャラクタの視点として、仮想キャラクタ602のものであることができる。例えば、図示した実施態様では、仮想キャラクタ602は、最初にP0で発生するアクティビティを観戦しており、次に、仮想環境600内の位置P1までアクティビティ(参照番号608)へ追従するように進む。
【0079】
いくつかの実施態様では、最初の視点は、観客が参加するときに自動的に決定されるが、その後、視点は観客によって制御可能であり、観客が選択した場所及び方向で見ることができるようになっている。
【0080】
観客をゲームプレイに引き付けるために、仮想キャラクタ602は、ソーシャルメディアまたは他のコミュニケーションプラットフォームに投稿(参照番号606)するように構成されることができる。例えば、そのような投稿は、ゲームプレイまたは予測されるアクティビティを説明し、それが興味深いか、または刺激的であることを示し、ゲームプレイの観戦に参加するようにユーザを招待することができる。いくつかの実施態様では、そのような投稿は、ゲームプレイを観戦するためのリンク(例えば、観戦するためのウェブページまたはアプリ/アプリケーションへのリンク)を含むことができる。追加的な実施態様では、観客は、ビデオゲームのプレイに参加する選択肢を有し、従って、観戦からビデオゲームのプレイヤーになるように移行する。従って、本明細書で説明されるメカニズムは、仮想キャラクタ/インフルエンサが、ユーザを引き付けて、ゲームプレイを観戦するだけでなく、ビデオゲームのプレイに参加することを可能にするために実装されることができる。ゲームプレイが生じると、仮想キャラクタ602は、ゲームプレイアクティビティのナレーション610を提供するように構成され、それに応じて、さらにコメント612を提供することができる。そのようなコメントは、ビデオゲームのゲームプレイセッションに関連付けられたコメントのストリームに現れることができ、これらは、ビデオゲームの観客またはプレイヤーに可視化されていることが理解されよう。
【0081】
ビデオゲームの所与の領域で生じるアクティビティは、時間経過とともに次第に減少する場合がある。しかしながら、興味深いアクティビティは、仮想環境600内の別の場所で生じるように検出または予測(参照番号614)され得る。例示的な実施態様では、そのような興味深いアクティビティは、仮想環境600内の位置P2で発生することが検出または予測されている。従って、仮想キャラクタは、場所P2にジャンプし(参照番号616)、場所P2で生じるゲームプレイアクティビティを観戦開始する(そしてナレーション/コメントする)ように構成されることができる。仮想キャラクタ602をフォローしている観客は、仮想キャラクタ602と共に場所P2に自動的にジャンプするように構成されることができ、または場所P2にジャンプするか、または現在の場所に留まる選択肢を与えることができる。この場合も、仮想キャラクタ602は、位置P2でのゲームプレイアクティビティについての投稿606を生成し、ユーザを観戦に参加するように招待することができる。仮想キャラクタ602は、場所P2から場所P3までのゲームプレイアクティビティをフォローし(参照618)、途中で投稿、ナレーション、及び/または解説を生成することができる。
【0082】
従って、上記に従って、仮想キャラクタは、仮想環境内を移動し、フォロワーに興味深いイベントやアクティビティを観戦させることができる。仮想キャラクタによるナレーションは、AIモデルによって生成され、発声され得ることが理解されよう。このようなAI音声ナレーションは、限定されないが、例として、予測、プレイヤーのスポンサーシップ、コメント、観客データなどを含む、様々なタイプの情報を組み込むことができる。
【0083】
いくつかの実施態様では、AIナレーションは、本明細書で説明されているように、AI学習に基づくイベントまたはプレイヤーアクティビティの予測を組み込むことができる。すなわち、ナレーションは、生じると予測される興味深いアクティビティ、そのようなアクティビティが発生すると予測される場所、予測されたアクティビティでどのプレイヤーを見るかを説明することができる。このようにして、AIナレーションは、観客に事前情報を提供することができ、観客が興味深いアクティビティがあると予測される領域を観戦できるようにする。
【0084】
いくつかの実施態様では、AIナレーションは、プレイヤーのスポンサーシップ情報を組み込むことができる。例えば、AIナレーションは、ビデオゲームでのプレイヤーのアクティビティをナレーションするときに、所与のプレイヤーの企業スポンサー(または企業スポンサーが販売する製品やサービス)に言及するように構成され得る。企業スポンサーまたはその製品/サービスを示す語彙は、AIナレーション語彙に組み込まれ得る。これにより、製品/スポンサーシップの配置のためにナレーションを一時停止する必要がなく、ゲームプレイナレーションに組み込まれた自然なサウンドの広告を提供できる。例えば、仮想キャラクタは、靴会社Xがスポンサーとなっているプレイヤーによるキャラクタのジャンプについて、「新しいXの靴を履いているようにジャンプする!」とナレーションを付けることができる。
【0085】
いくつかの実施態様では、AIナレーションに、ビデオゲームの他の観客またはプレイヤーからのコメントを組み込むことができる。いくつかの実施態様では、AIナレーションはそのようなコメントに応答することができる。
【0086】
いくつかの実施態様では、AIナレーションは、ユーザプロファイル情報、人口統計情報(例えば、年齢、誕生日、性別、地理的場所など)、ユーザの観戦履歴などの観客データを組み込むように構成されることができる。例えば、AIのナレーションは、「トレドからジョンにお誕生日おめでとう」と言うことができ、観客の名前、誕生日、場所を認識していることを示す。
【0087】
いくつかの実施態様では、仮想インフルエンサは、ソーシャルメディア、ニュースなどの現在のトレンドトピックから情報を取得することができ、関連するコメントをナレーション/チャットコメントなどに挿入できる(例えば、ドレスの色に関するトレンドトピックに対して、仮想インフルエンサは、それが青と黒であるべきか、白と金であるべきかについてコメントすることができる)。そのような解説は、現実的な行動をしているように仮想インフルエンサの認識を向上させることがある。
【0088】
前述のように、仮想キャラクタは、コメントストリームに追加されるコメントを生成するように構成されることができる。仮想キャラクタにより生成され、仮想キャラクタのものであるコメントは、仮想キャラクタによるナレーションに関して説明されたものと同様の情報を組み込んだり、利用したりすることができる。さらに、システムは、観客からのコメントを分析し、観客の感情を検出するように構成されることができる。例えば、観客のコメントアクティビティが少ない場合、または観客の気分が沈着していると判断された場合、観客を刺激し、それによって観客の興奮を高め、より多くのコメントアクティビティを奨励するために、コメントが生成される場合がある。いくつかの実施態様では、コメントアクティビティが有毒または戦闘的/不健康であると判定された場合、件名を変更したり、状況を落ち着かせたりするために、コメントが生成されることがある。
【0089】
図7は、本開示の実施態様による、プレイヤーのアクションを予測し、プレイヤーにフィードバックを提供するためのビデオゲームのプレイヤーのモデリングを概念的に示している。大まかに言えば、AI/機械学習を適用して、プレイヤーの傾向を学習し、それによってビデオゲームセッションでのプレイヤーの将来の行動を予測することができる。いくつかの実施態様では、予測されたアクションに関する情報は、仮想キャラクタを使用して表面化され得る。
【0090】
図示した実施形態では、プレイヤー700は、ゲームセッション704として実行されるビデオゲームのゲームプレイに参加する。ゲームプレイ中に、プレイヤー700は、入力702(例えば、コントローラ入力、モーション入力、音声入力、ビュー方向入力など)を生成し、これらは、ビデオゲームのゲーム状態の更新、及びプレイヤー700によるビューイングのためのビデオフレームのレンダリングを含む、ゲームセッション704を動作させるために処理される。ゲームセッション704が実行されると、プレイヤーアクションデータ708が生成され、これは、ビデオゲームをプレイする過程中にプレイヤーによって行われたゲームアクションを説明するデータを含む。プレイヤーアクションデータ708は、そのようなシナリオに応答してプレイヤー700によって実行される特定のゲームアクションに加えて、ゲームプレイ中にプレイヤー700が遭遇するシナリオを識別するコンテキストデータをさらに含むことが理解されよう。限定されない例として、ゲームアクションの例には、動き、スキルの使用、武器の使用、仮想オブジェクトの取得/操作/使用、コマンド、展開、またはプレイヤーがビデオゲームのコンテキスト内で実行する可能性のある他のタイプのアクションが含まれる。限定されない例として、コンテキストデータの例には、シーン/レベル/チャプター、仮想環境/空間内の場所、他のプレイヤーによるアクション、ノンプレイヤーキャラクタ/エンティティによるアクションなどを説明または識別するデータが含まれる。
【0091】
プレイヤーアクションデータ708は、ゲームプレイ中のプレイヤー700の行動を予測するために、機械学習/AIモデルであり得るプレイヤーモデル710をトレーニングするために使用される。トレーニング中に、プレイヤーモデル710は、プレイヤー700のゲームプレイ傾向を学習する。いくつかの実施態様では、プレイヤーモデル710は、プレイヤー700の「プレイ」を学習し、これは、ビデオゲームの所与のシナリオに応答してプレイヤーがとる傾向がある一連のアクションである。このようにして、トレーニングされたプレイヤーモデル710は、プレイヤーの「演技」で構成されるプレイヤー700のための「プレイブック」を規定または具現化することができる。
【0092】
従って、いくつかの実施態様では、トレーニングされたプレイヤーモデル710は、プレイヤー700のゲーミングアクションを予測(参照番号716)するために使用され、予測されたアクションは、プレイヤー700にフィードバックを提供(参照番号718)するために使用され得る。いくつかの実施態様では、プレイヤーフィードバックは、本明細書で説明されるように、仮想キャラクタまたはインフルエンサによって提供され得る。いくつかの実施態様では、仮想キャラクタは、仮想キャラクタのものであるテキストフィードバックとともにプレイヤーのビューに表示され得る。いくつかの実施態様では、仮想キャラクタは、プレイヤーへのフィードバックを発声するように構成されており、プレイヤーのビュー内でフィードバック情報を話すようにアニメーション化され得る。
【0093】
いくつかの実施態様では、プレイヤー700へのフィードバックは、プレイヤーによって取られるべき特定のアクションまたは一連のアクションを提案するなど、プレイヤー700の予測されたアクションに基づいている。提案されたアクションは、プレイヤー700に関連付けられた既知の「プレイ」に基づくことができ、そのため、プレイヤーの傾向に従って予測される。いくつかの実施態様では、プレイヤー700は、これらの提案されたアクションに応答することができ、例えば、肯定的に応答して、提案されたアクションを実行することに同意することを示すか、または否定的に応答して、提案されたアクションを実行しないことを示す。いくつかの実施態様では、プレイヤー700は、そのような提案されたアクションに口頭で応答することができる。例えば、仮想キャラクタは、プレイヤーが特定の一連のアクションを実行したいかどうかを尋ねることができ、プレイヤーは「はい」または「いいえ」で応答できる。
【0094】
いくつかの実施態様では、プレイヤーモデル710は、プレイヤーのアクションに対する観客の反応(例えば、コメント、いいねなど)を組み込むように構成されることができ、その結果、トレーニングされたプレイヤーモデルは、どのアクションが、より多くの観客参加、またはより積極的な観客反応を生み出す可能性が高いかを予測できる。例えば、プレイヤーモデルは、プレイヤーによるどのアクションが観客によるコメントの増加につながる可能性が高いか、または具体的には、肯定的な感情を有するコメントの増加につながる可能性があるかを予測するためにトレーニングされることができる。従って、プレイヤーへのフィードバックは、観客の参加を高めると予測されるアクションを提案するように構成されることができる。
【0095】
図8は、本開示の実施態様による、プレイヤーがゲームプレイに積極的に参加しているビデオゲームの仮想環境のプレイヤーのビューを概念的に示している。限定されない例として、図示した実施態様において、プレイヤーのビューは、ゲームプレイが生じるシーン800のビューである。プレイヤーのビューで見えるものは、プレイヤーによって制御されるプレイヤーのキャラクタ802である。また、シーン800に存在するのは塔804である。
【0096】
上述のように、いくつかの実施態様では、プレイヤーのゲームプレイがトレーニング済みの機械学習/AIモデルを使用してモデル化及び予測され得る。シーン800に対してプレイヤーのゲームプレイアクションと傾向が予測されることができ、プレイヤーの「プレイブック」からの「プレイ」が、提案としてプレイヤーに表示され得る。いくつかの実施態様では、これは、プレイヤーが応答することができるタイル808及び812のようなプレイヤーに表示されるタイルまたはカードの形をとることができ、提案されたアクションに対する同意または不同意を示している。
【0097】
例えば、図示した実施態様では、タイル808は、プレイヤーが塔804に登る予定があるかどうかをプレイヤーに問い掛けており、タイル810は、プレイヤーが砦を建設する予定があるかどうかを尋ねている。いくつかの実施態様では、プレイヤーは、「はい」または「いいえ」と言うなどして、肯定的または否定的に話すことによって、所与のタイルに口頭で応答することができる。いくつかの実施態様では、プレイヤーは、(例えば、タッチインターフェース、検出されたジェスチャ、マウスなどを使用して)スワイプしてタイルを除き、提案されたアクションを実行する予定がないことを示すことができ、一方で、プレイヤーは、タイルを選択/タップして、提案されたアクションを行うことを計画していることを示すことができる。いくつかの実施態様では、(ボタンの押下、ジョイスティックの動き、視線追跡入力などの)他のタイプの入力が、提案されたアクションに対する同意または不同意を示すために利用され得る。
【0098】
いくつかの実施態様では、提案されたアクションは、仮想キャラクタ/インフルエンサ806によって、口頭で及び/または上述のタイルを介して提示されることができる。仮想キャラクタ806は、プレイヤーのビューに視覚的に表示されることができ、例えば、仮想キャラクタが、タイルの1つを読んだり、タイルの1つを指したりするなど、話したりジェスチャをしたりすることを示すためにアニメーション化されることができる。いくつかの実施態様では、仮想キャラクタのレンダリングもまた、生成され、提示されることもでき、例えば、仮想キャラクタがプレイヤーキャラクタであるかのように、ゲーム内のタイルアクションを示す。従って、レンダリングは、プレイヤーより前にアクションを実行する仮想キャラクタを示すことができ、プレイヤーの「ゴースト」として表示されるように、例えば、半透明/透明でレンダリングされ得る。
【0099】
いくつかの実施態様では、上述のように、プレイヤーへのフィードバックは、観客によって生成されたコメントの分析から判定され得るような観客の感情に基づくことができる。例えば、図示した実施形態では、タイル812は、観客が、プレイヤーがビデオゲームで特定の動きを行うのを見たいことを示したことをプレイヤーに示す。
【0100】
図9は、本開示の実施態様による、仮想キャラクタがビデオゲームの観客体験を向上させることを可能にするためのシステムを示している。図示した実施態様では、ビデオゲームのプレイヤーは、パーソナルコンピュータ、ゲームコンソール、モバイルデバイスなどのプレイヤークライアントデバイス900を操作する。いくつかの実施態様では、ビデオゲームは、1つ以上のプレイヤークライアントデバイス上で実行され、一方で、他の実施態様では、ビデオゲームは、クラウドゲーミングサービスのクラウドゲーミングマシンによって実行され、ゲームプレイは、クラウドゲーミングサービス906とプレイヤークライアントデバイス900との間のネットワーク904を介してストリーミングされる。クラウドゲーミングサービス906は、オンラインゲームストリーミングを提供するのに十分なハードウェア/ソフトウェアリソースを有する1つ以上のデータセンタに常駐することができることが理解されよう。
【0101】
ライブストリーミングサービス910は、ビデオゲームのゲームプレイの観客のビューイングを可能にするように構成される。いくつかの実施態様では、ライブストリーミングサービスは、プレイヤークライアントデバイス900か、またはクラウドゲーミングサービス906のいずれかからゲームプレイビデオを受信し、ネットワーク904を介して観客クライアントデバイス902にゲームプレイビデオを配信し、それを通じて、観客はゲームプレイビデオを見ることができる。いくつかの実施態様では、ライブストリーミングサービス及び/またはクラウドゲーミングサービスは、観客が仮想空間内で自分の場所及び/またはビュー方向を制御することを可能にすることなどによって、観客がビデオゲームの仮想空間内で自身の視点を制御することを可能にすることができる。このようにして、観客はビデオゲームの仮想空間の個別化されたビューを有することができる。いくつかの実施態様では、ライブストリーミングサービス910は、ゲーム状態またはその一部をクライアントデバイス902にストリーミングし、クライアントデバイス902は、受信したゲーム状態に基づいて観戦することを可能にするビデオゲームのコピーまたはバージョンを実行する。従って、ビデオゲームの観客ビューは、クライアントデバイスでレンダリングされるが、ライブストリーミングサービス910から受信したゲーム状態データを使用している。これにより、ユーザ規定の視点がさらに容易になり、上述のように、観客が自身のビューを制御できるようにする。いくつかの実施態様では、クライアントデバイスにおけるビデオゲームのコピーは、観戦目的のためにそのようなレンダリングを容易にする観戦モードを有するように構成される。
【0102】
いくつかの実施態様では、観客クライアントデバイスは、ライブストリーミングサービスからのビデオストリームを介して特定の品質レベルでゲームプレイを視聴することができるが、次いで、プレイ中のゲームを購入するかを決定し、次に、メタデータ(ゲームの状態など)を介して異なるモードのライブストリーミングサービスからゲームをストリーミングすることができる(例えば、メタデータ/ゲーム状態をストリーミングし、メタデータ/ゲーム状態を使用して、ローカルクライアントデバイスで購入及びダウンロードしたゲームを使用して、ビデオをローカルにレンダリングする)。これにより、観客はゲームを最高品質で見ることができるようになり、ライブストリーミングサービスからストリーミングするときに使用する可能性のあるネットワーク帯域幅を少なくし得る。
【0103】
図示した実施態様では、ライブストリーミングサービス910は、ビデオゲームを観戦するためのウェブサイトまたはウェブページを提供するウェブサーバ912を含む。いくつかの実施態様では、ビデオサーバ914は、所与の観客に観客ビューを提供するビデオの配信を処理するために提供される。いくつかの実施態様では、コメントサービス918は、コメントが観客から受け取られ、観客が見るために投稿されることを可能にするように構成される。
【0104】
ゲームプレイアナライザ916は、ビデオゲームセッションで生じるゲームプレイを分析するように構成され、その結果、ゲームプレイに基づいてイベント及び他の情報を識別する。いくつかの実施態様では、コメントアナライザ920は、観客によるコメントを分析し、それらの意味を理解するように構成される。
【0105】
仮想キャラクタロジック922は、上述のように、ゲームプレイの分析及びコメントに基づいているナレーション及びコメントを提供するなど、仮想キャラクタのものであるアクションを実行するように構成される。そのようなナレーション及びコメントは、ネットワーク904を介して観客クライアントデバイスに送信される。
【0106】
さらに、いくつかの実施態様では、仮想キャラクタロジック922は、例えば、仮想キャラクタがソーシャルメディアサービスに投稿することを可能にするために(すなわち、投稿は、仮想キャラクタのソーシャルメディアアカウントなどを介して、仮想キャラクタに代わって生成される)、ソーシャルメディアサービス924にアクセスすることができる。このような投稿は、ビデオゲームのゲームプレイを参照することができ、ゲームプレイの画像やビデオを含むことができ、ユーザがゲームプレイを観戦したり、プレイ中のゲームを購入したりできるサイトへのリンクを含むことができる。ソーシャルメディアへの投稿は、仮想キャラクタから発信されたものとして他のソーシャルメディアユーザに現れるように構成されていることが理解されよう。
【0107】
大まかに言えば、本開示の実施態様は、観客がネットワークを介してビデオゲームのゲームプレイを観戦するものとして説明されてきた。しかしながら、他の実施態様では、本開示の方法及びシステムは、アリーナまたはスタジアムなどの共通空間で観客によって観戦され、任意選択で共通ディスプレイを使用する電子スポーツ(eスポーツ)の文脈で適用されている。つまり、仮想キャラクタは、上述のようにビデオゲームの観戦ゲームプレイに関するナレーション及びコメントを実行するように構成することができるが、そのようなナレーション及びコメントは、観客が集まる共通空間で聴く/見るために(例えば、スピーカーを通じてナレーションを再生し、仮想キャラクタによるコメントを観客が共通で見るディスプレイ/画面に投影する)レンダリングされることができる。
【0108】
本開示の実施態様は、ゲームエンジンの一部として含まれ得る。大まかに言えば、ゲームエンジンは、ビデオゲームの効率的な開発を可能にする機能を提供するソフトウェア開発フレームワークである。ゲームエンジンは、ゲーム機能の様々な態様を処理するための再利用可能なモジュールを備えたソフトウェアライブラリを含むことができ、これらには、限定されない例として、グラフィックレンダリング(頂点処理、ポリゴン処理、シェーディング、照明、テクスチャリングなどを含む)、サウンド、物理的現象(衝突処理を含む)、アニメーション、スクリプティング、人工知能、ネットワーキング、ストリーミング、メモリ管理、スレッド化、ローカリゼーションサポート、シーングラフ、シネマティクスなどが含まれる。
【0109】
ゲームエンジンは、ゲームコンソール、モバイルデバイス、パーソナルコンピュータなど、様々なハードウェアプラットフォーム用に最適化され得る。限定されない例として、ゲームエンジンは、プラットフォームに応じてメモリ使用を最適化することができる(例えば、いかにしてグラフィックスパイプライン内の様々なタスクを優先付けるかなど)。いくつかの実施態様では、ハードウェアは、ゲームコンソールなどのいくつかの特定な処理エンティティのブレードバージョンであり得る。このように、ユーザは、特定のブレードに割り当てられ得、このことが、コンソールゲームが最適化されたのと同じハードウェアをもたらす。
【0110】
ストリーミング及び/または他のサービス(パケット化、符号化、サービス品質(QOS)監視、帯域幅テスト、ソーシャルネットワーク/友人へのアクセスなど)を提供するためのゲームサーバロジックもあり得ることが理解されよう。
【0111】
いくつかの実施態様では、クラウドインフラストラクチャが、ハイパーバイザーを実行することができ、ハイパーバイザーは、ハードウェアを抽象化し、オペレーティングシステム(OS)がロードされ得る仮想マシンフレームワークを提供する。従って、スタックは、基盤となるハードウェアにロードされるハイパーバイザーによってインスタンス化された仮想マシン(VM)にロードされる、OS上で実行されるアプリケーション/ビデオゲームを含むことができる。このように、アプリケーションの実行は、必ずしも特定のハードウェアに結合されていない。
【0112】
いくつかの実施態様では、アプリケーション/ビデオゲームは、コンテナ上で実行することができ、これは、アプリケーションレイヤーで抽象化され、コードと依存関係が一緒にパッケージ化されるため、OSやハードウェアプラットフォームに依存しないソフトウェア開発が可能になり、プラットフォーム間でのソフトウェアの移植性を容易にする。
【0113】
いくつかの実施態様では、ゲームエンジンの異なる部分が異なる計算エンティティによって処理されることができる分散型ゲームエンジンが採用されている。例えば、物理エンジン、レンダリングエンジン(2D/3Dグラフィックス)、サウンド、スクリプト、アニメーション、AI、ネットワーキング、ストリーミング(エンコーディング)、メモリ管理、スレッド化などのゲームエンジンの機能は、多くの異なる計算エンティティに分散されている異なる機能処理ブロック及び/またはサービスに分割されることができる。分散型ゲームエンジンの場合、レイテンシ問題を回避するために低レイテンシ通信が必要とされることが理解されよう。所望のフレームレートを維持するには、計算エンティティと通信の合計時間が特定の制約を満たす必要がある。従って、プロセスをより短い時間で完了することが可能かどうかに応じて、特定のタスクを分割することが効率的である場合とそうでない場合がある。
【0114】
分散ゲームエンジンを使用する利点は、必要に応じてコンピューティングリソースをスケールアップまたはスケールダウンできるエラスティックコンピューティングを利用することが可能であることである。例えば、従来は単一のハードウェアサーバで実行されていた大規模なマルチプレイヤーゲームでは、例えば約100人のプレイヤーが参加すると、ハードウェアリソースが制限され、それ以上のプレイヤーを追加できなくなる。ゲームは追加のプレイヤーをキューに入れることがあり、つまり、プレイヤーはゲームに参加するのを待つ必要がある。しかしながら、分散型ゲームエンジンでは、エラスティッククラウドコンピューティングリソースを使用することで、需要を満たすためにより多くの計算ノードが追加され得、従って、例えば数千人のプレイヤーが利用できる。ゲームは、もはや特定のハードウェアサーバの制限により制約されない。
【0115】
従って、クラウドゲームエンジンは、様々な処理エンティティに機能を分散させることができる。異なる機能が、異なるフレームワークで実行され得ることが理解されよう。例えば、いくつかの機能(例えば、ソーシャル)は、コンテナ内で実行する方がより容易な場合があるが、一方で、グラフィックスはGPUに接続されたVMを使用して実行する方が適切な場合がある。
【0116】
クラウドゲームエンジンの機能分配を容易にするために、分配/同期レイヤーは、例えば、ジョブの送信、データの受信、どのタスクがいつ実行されるかの識別、例えば、ジョブが必要以上に早く終了した場合のキューイングの処理など、ジョブの分配を管理できる。いくつかの実施態様では、所与のタスクが、必要に応じて動的に分割され得る。例えば、アニメーションは照明を有することができ、照明が特に複雑な場合、照明は3つの照明ジョブに分割され、コンピューティングのために送信され、戻ると、再構築され得る。従って、ゲームエンジン機能は、さらなる作業が必要な場合に細分化され得る。
【0117】
クラウドサービスプロバイダは、例えば、1秒あたりの入出力操作(「IOPS」)の特定のパフォーマンスレベルで計算エンティティを提供する。従って、ゲーミングプロバイダは、クラウドサービスプロバイダからVM、専用の処理能力、メモリ量などを指定することができ、クラウドサービスプロバイダのシステムを使用して分配されたクラウドゲームエンジンをインスタンス化する。
【0118】
いくつかの実施態様では、ライブラリモジュールと更新ハンドラは、ゲームエンジンの1つ以上のコンポーネントまたはモジュールであることができる。いくつかの実施態様では、ライブラリモジュールと更新ハンドラは、別個コンポーネントであることができるか、統合されることもできる。いくつかの実施態様では、ライブラリモジュール及び更新ハンドラは、ゲームエンジンへの追加として動作することができる。いくつかの実施態様では、ゲームエンジンは、上述のように分配されたゲームエンジンであり得る。
【0119】
前述のように、本開示の実施態様は、クラウドゲーミングシステムに適用することができる。クラウドゲームシステムの一例は、Playstation(登録商標)Nowクラウドゲームシステムである。そのようなシステムでは、クライアントデバイスは、Playstation(登録商標)4ゲームコンソールなどのゲームコンソールであることができる、またはパーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、携帯電話、モバイルデバイスなどの別のデバイスであり得る。
【0120】
大まかに言えば、クラウドゲームを有効にするために、ゲームタイトルに対してユーザリクエストを受信すると、クラウドゲーミングサイトに関連付けられたデータセンタ内の1つ以上のサーバによっていくつかの操作が実行される。クラウドゲーミングサイトがユーザリクエストを受信するとき、選択されたゲームタイトルに対応付けられたゲームをホストするデータセンタが識別され、選択されたゲームタイトルのゲームをインスタンス化するために、識別されたデータセンタにリクエストが送信される。リクエストに応じて、データセンタのサーバは、ゲームコンテンツをユーザに提示する準備として、ゲームコードを識別し、識別したゲームコードをロードし、ゲームコードに関連するファイルを初期化する。ゲームに関連付けられたゲームデータは、一般的なゲームデータと、ユーザ固有のゲームデータとを含み得る。従って、ファイルを初期化することは、一般的なゲームデータ及びユーザ固有のゲームデータの両方を識別し、ロードし、初期化することを含み得る。一般的なゲームデータを初期化することは、グラフィックスエンジンを初期化すること、グラフィックスデータをインストールすること、サウンドファイルを初期化すること、アートワークをインストールすることなどを含み得る。ユーザ固有データを初期化することは、ユーザデータ、ユーザ履歴、ゲーム履歴などを検索すること、転送すること、及びインストールすることを含み得る。
【0121】
一般的なゲームデータがロード及び初期化されている間、クライアントデバイスでレンダリングするための「スプラッシュ」画面が提供され得る。スプラッシュ画面は、ロードされているゲームの代表的な画像を提供するように設計されてよく、ロードされているゲームの種類をユーザがプレビューするのを可能にする。一般的なゲームデータがロードされると、特定の初期コンテンツがレンダリングされ得、ユーザの選択とカスタマイズのために選択/ナビゲーション画面が表示され得る。選択/ナビゲーション画面で提供されるユーザ選択入力には、ゲームレベル選択、ゲームアイコン(複数可)選択、ゲームモード選択、ゲーム賞金、及び追加のゲームコンテンツのアップロードを必要とし得る他のユーザ関連データが含まれ得る。いくつかの実施形態では、ゲームコンテンツは、ビューイング及び対話のためにゲームクラウドシステムからユーザのコンピューティングデバイスにゲームコンテンツをストリーミングすることによって利用可能になっている。いくつかの実施態様では、ユーザ固有のデータをロードした後、ゲームコンテンツがゲームプレイに利用可能になる。
【0122】
図10Aは、クラウドゲーミングサイトを通じて利用可能なゲームのゲームファイルをロードするために使用される例示的なシステムを示す。システムは、ネットワーク1002を介してクラウドゲーミングサイト1004に通信可能に接続された複数のクライアントデバイス1000を含み、ネットワーク1002は、LAN、有線、無線、セルラー(例えば、4G、5Gなど)、またはインターネットを含む任意の他のタイプのデータネットワークを含むことができる。クラウドゲーミングサイト1004にアクセスするリクエストがクライアントデバイス1000から受信されると、クラウドゲーミングサイト1004は、ユーザデータストア1008に格納されたユーザアカウント情報1006にアクセスして、クライアントデバイスに関連付けられたユーザを識別し、これを通じてリクエストが開始される。いくつかの実施形態では、クラウドゲーミングサイトはまた、ユーザが閲覧/プレイすることを許可されているすべてのゲームを判定するために、識別されたユーザを検証することができる。ユーザアカウントの識別/検証に続いて、クラウドゲーミングサイトは、ゲームタイトルデータストア1010にアクセスして、リクエストを開始するユーザアカウントのためにゲームクラウドサイトで利用可能なゲームタイトルを識別する。次に、ゲームタイトルデータストア1010は、ゲームデータベース1012と相互作用して、クラウドゲーミングサイトで利用可能なすべてのゲームのゲームタイトルを取得する。新しいゲームが導入されると、ゲームデータベース1012はゲームコードで更新され、ゲームタイトルデータストア1010には、新しく導入されたゲームのゲームタイトル情報が提供される。リクエストが開始されたクライアントデバイスは、リクエストが開始されたときにクラウドゲーミングサイトに登録されている場合とされていない場合がある。リクエストを開始するクライアントデバイスのユーザが登録ユーザでない場合、クラウドゲーミングサイトは、そのユーザを新しいユーザとして識別して、新規ユーザに適切なゲームタイトル(例えば、ゲームタイトルのデフォルトのセット)を選択することができる。識別されたゲームタイトルは、
図10Aに示されるように、ディスプレイ画面1000-aに提示するためにクライアントデバイスに返される。
【0123】
クライアントデバイスでレンダリングされたゲームタイトルの1つでのユーザインタラクションが検出され、信号がクラウドゲーミングサイトに送信される。信号は、ユーザインタラクションが検出され、ユーザインタラクションがゲームタイトルに登録されたゲームタイトル情報を含む。クライアントデバイスから受信した信号に応じて、クラウドゲーミングサイトは積極的に、ゲームがホストされているデータセンタを特定し、特定したデータセンタに信号を送信して、ユーザインタラクションが検出されたゲームタイトルに対応付けられたゲームをロードする。一部の実施形態では、複数のデータセンタが、ゲームをホストしている場合がある。このような実施形態では、クラウドゲーミングサイトは、リクエストを開始したクライアントデバイスの地理的位置を判断し、クライアントデバイスに地理的に近いデータセンタを識別し、データセンタにゲームをプリロードするように信号を送信してよい。ユーザの地理的位置は、いくつかの例を挙げると、クライアントデバイス内の全地球測位システム(GPS)メカニズム、クライアントのIPアドレス、クライアントのping情報を使用して、決定されてよい。当然ながら、ユーザの地理的位置を検出する前述の方法は例示的であってよく、他の種類のメカニズムまたはツールを使用して、ユーザの地理的位置を判定してもよい。クライアントデバイスに近いデータセンタを識別することにより、ユーザがゲームと対話中、レイテンシを最小限にすることができる。一部の実施形態では、識別されたデータセンタは、ゲームをホストするのに必要な帯域幅/能力を有さない場合がある、または過使用されている場合がある。これらの実施形態では、クラウドゲーミングサイトは、クライアントデバイスに地理的に近い第2のデータセンタを識別してよい。ゲームをロードすることは、ゲームコードをロードすることと、ゲームのインスタンスを実行することとを含む。
【0124】
クラウドゲーミングサイトからの信号の受信に応答して、識別されたデータセンタは、サーバ上でゲームをインスタンス化するために、データセンタでサーバを選択することができる。サーバは、利用可能なハードウェア/ソフトウェアの能力とゲーム要件とに基づいて選択される。サーバは、複数のゲームコンソールを含んでよく、サーバは、ゲームをロードするのに、複数のゲームコンソールのうちのどのゲームコンソールを使用するかを決定してよい。ゲームコンソールは、独立したゲームコンソールに類似し得る、またはラックマウントサーバもしくはブレードサーバであってよい。ブレードサーバは、次に、複数のサーバブレードを含んでよく、各ブレードは、ゲームなどの単一の専用アプリケーションをインスタンス化するのに必要な回路を有する。当然、上記のゲームコンソールは例示的なものであり、限定的であるとみなされるべきではない。ゲームステーションなどを含む他の種類のゲームコンソール、及び他の形態のブレードサーバも、識別されたゲームをホストするために用いられてよい。
【0125】
ゲームコンソールが識別されると、ゲームのための一般的なゲーム関連コードがゲームコンソールにロードされ、ゲームがインスタンス化されるゲームコンソールを識別するネットワークを介して、信号がクラウドゲーミングサイトを介してクライアントデバイスに返される。従って、ロードされたゲームはユーザが利用できるようになる。
【0126】
図10Bは、本開示の実施態様による、クラウドビデオゲームをクライアントデバイスにストリーミングするために実行される様々な操作を概念的に示すフロー図である。ゲームシステム1018は、ビデオゲームを実行し、生の(非圧縮の)ビデオ1020及びオーディオ1022を生成する。示された図内の参照番号1024に示されているように、ビデオ1020及びオーディオ1022は、ストリーミング目的でキャプチャされ符号化される。符号化は、ビデオ及びオーディオストリームの圧縮を提供して、帯域幅の使用量を低減し、ゲーム体験を最適化することができる。符号化形式の例には、H.265/MPEG-H、H.264/MPEG-4、H.263/MPEG-4、H.262/MPEG-2、WMV、VP6/7/8/9、等が含まれる。
【0127】
符号化されたオーディオ1026及び符号化されたビデオ1028は、インターネットなどのネットワークを介して送信する目的で、参照番号1032に示されるように、ネットワークパケットにさらにパケット化される。ネットワークパケットエンコーディングプロセスは、データ暗号化プロセスを採用することもでき、それにより、強化されたデータセキュリティをもたらす。図示した実施態様では、オーディオパケット1034及びビデオパケット1036が、参照番号1040に示されるように、ネットワークを介した転送用に生成される。
【0128】
ゲームシステム1018はさらに、触覚フィードバックデータ1030を生成し、これもまた、ネットワーク送信のためにネットワークパケットにパケット化される。図示した実施態様では、触覚フィードバックパケット1038は、参照番号1040でさらに示されるように、ネットワークを介した転送のために生成されている。
【0129】
生のビデオ及びオーディオ及び触覚フィードバックデータを生成し、ビデオ及びオーディオを符号化し、転送用の符号化されたオーディオ/ビデオ及び触覚フィードバックデータをパケット化する前述の操作は、クラウドゲーミングサービス/システムを集合的に規定する1つ以上のサーバ上で実行される。参考番号1040に示されているように、オーディオ、ビデオ、及び触覚フィードバックパケットは、インターネットなどの、及び/またはインターネットを含むネットワークを介して転送される。参照番号1042に示されるように、オーディオパケット1034、ビデオパケット1036、及び触覚フィードバックパケット1038は、クライアントデバイスによって復号化/再構築されてクライアントデバイスにおいて符号化オーディオ1046、符号化ビデオ1048、及び触覚フィードバックデータ1050を規定する。データが暗号化されている場合、ネットワークパケットも復号化される。次に、符号化されたオーディオ1046及び符号化されたビデオ1048は、参照番号1044に示されるように、クライアントデバイスによって復号化され、ディスプレイデバイス1052上でレンダリングするためのクライアント側の生のオーディオ及びビデオデータを生成する。触覚フィードバックデータ1050は、触覚効果をレンダリングすることができるコントローラデバイス1056または他のインターフェースデバイスで触覚フィードバック効果を生成するために処理/通信することができる。触覚効果の一例は、コントローラデバイス1056のバイブレーションまたはランブルである。
【0130】
ビデオゲームはユーザ入力に応答し、その結果、ユーザ入力の送信及び処理について上述した同様の手順フローを実行できるが、クライアントデバイスからサーバへの逆方向で実行され得ることが理解されよう。図示されるように、コントローラデバイス1056を操作するユーザは、入力データ1058を生成することができる。この入力データ1058は、ネットワークを介してクラウドゲーミングシステムに転送するために、クライアントデバイスでパケット化される。入力データパケット1060は、クラウドゲーミングサーバによってパケット解除及び再構築されて、サーバ側で入力データ1062を規定する。入力データ1062は、ゲームシステム1018に供給され、ゲームシステム1018は、ビデオゲームのゲーム状態を更新するために入力データ1062を処理する。
【0131】
オーディオパケット1034、ビデオパケット1036、及び触覚フィードバックパケット1038の転送中(参照番号1040)に、クラウドゲームストリームのサービス品質を保証するために、ネットワークを介したデータの送信が監視され得る。例えば、参照番号1064によって示されるように、アップストリーム及びダウンストリームの両方のネットワーク帯域幅を含むネットワーク状態が監視されることができ、ゲームストリーミングは、利用可能な帯域幅の変化に応じて調整されることができる。すなわち、ネットワークパケットの符号化及び復号化は、参照番号1066によって示されるように、現在のネットワーク状態に基づいて制御されることができる。
【0132】
図11は、情報サービスプロバイダアーキテクチャの実施形態を示している。情報サービスプロバイダ(ISP)1170は、地理的に分散し、ネットワーク1186を介して接続されたユーザ1182に多数の情報サービスを提供する。ISPは、株価の更新などの1種類だけのサービス、または放送メディア、ニュース、スポーツ、ゲーミングなどの様々なサービスを送達できる。さらに、各ISPによって提供されるサービスは動的であり、つまり、サービスはどの時点でも追加または削除できる。従って、特定の個人に特定の種類のサービスを提供するISPは、時間の経過と共に変化し得る。例えば、ユーザが地元にいる間は、ユーザの付近のISPによりユーザはサービスを受けてよく、ユーザが別の町に移動した時は、異なるISPによりユーザはサービスを受けてよい。地元のISPは、必要な情報及びデータを新しいISPに転送し、これにより、ユーザ情報は新しい町までユーザに「追従」し、データはユーザにより近くなり、アクセスしやすくなる。別の実施形態では、ユーザの情報を管理するマスタISPと、マスタISPの制御下でユーザと直接インターフェースするサーバISPとの間に、マスターサーバ関係が確立されてよい。別の実施形態では、クライアントが世界中を移動すると、データが一方のISPから別のISPに転送され、ISPをこれらのサービスを提供することになるユーザにサービス提供するためのより良い位置にする。
【0133】
ISP1170は、アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)1172を含み、これは、ネットワークを介して顧客にコンピュータベースのサービス(例えば、限定されるものではないが、任意の有線または無線ネットワーク、LAN、WAN、WiFi(登録商標)、ブロードバンド、ケーブル、光ファイバ、衛星、セルラー(例えば、4G、5Gなど)、インターネット、等を含む)を提供する。ASPモデルを使用して提供されるソフトウェアは、オンデマンドソフトウェアまたはサービスとしてのソフトウェア(SaaS)とも称されることもある。特定のアプリケーションプログラム(顧客関係管理など)へのアクセスを提供する簡単な形式には、HTTPなどの標準プロトコルが使用される。アプリケーションソフトウェアは、ベンダのシステムに常駐し、HTMLを使用するウェブブラウザを通して、ベンダが提供する専用クライアントソフトウェア、またはシンクライアントなどの他のリモートインタフェースによって、ユーザによりアクセスされる。
【0134】
広い地理的領域で提供されるサービスは、多くの場合、クラウドコンピューティングを使用する。クラウドコンピューティングは、動的にスケーラブルで、多くの場合、仮想化されたリソースがインターネットを介してサービスとして提供されるコンピューティングのスタイルである。ユーザは、ユーザをサポートする「クラウド」における技術インフラストラクチャの専門家である必要はない。クラウドコンピューティングは、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、及びサービスとしてのソフトウエア(SaaS)などの様々なサービスに分けることができる。クラウドコンピューティングサービスは、多くの場合、ウェブブラウザからアクセスされる一般的なビジネスアプリケーションをオンラインで提供し、一方で、ソフトウェア及びデータはサーバに格納されている。クラウドという用語は、インターネットが、どのようにコンピュータネットワーク図に描かれているか、かつ、秘匿する複雑なインフラストラクチャの抽象化であるかに基づいて、(例えば、サーバ、ストレージ、ロジックなどを使用して)インターネットのメタファーとして使用される。
【0135】
さらに、ISP1170は、シングルビデオゲーム及びマルチプレイヤービデオゲームをプレイするためにゲームクライアントによって使用されているゲーム処理サーバ(GPS)1174を含む。インターネットを介してプレイされるほとんどのビデオゲームは、ゲームサーバへの接続を介して操作する。通常、ゲームはプレイヤーからのデータを収集し、それを他のプレイヤーに配信する専用サーバアプリケーションを使用する。これは、ピアツーピア構成よりも効率的且つ効果的であるが、サーバアプリケーションをホストするために別個のサーバを必要とする。別の実施形態では、GPSは、プレイヤーと中央化されたGPSに依存することなく、情報交換するそれぞれのゲームプレイデバイスとの間に通信を確立する。
【0136】
専用GPSは、クライアントとは独立して動作するサーバである。このようなサーバは、通常、データセンタに配置された専用ハードウェア上で実行し、より多くの帯域幅及び専用処理能力を提供する。専用サーバは、大部分のPCベースのマルチプレイヤーゲームのためのゲームサーバをホスティングするのに好ましい方法である。大規模なマルチプレイヤオンラインゲームは、通常、ゲームタイトルを所有しているソフトウェア会社がホストする専用サーバで実行され、コンテンツの制御及び更新をできるようにする。
【0137】
ブロードキャスト処理サーバ(BPS)1176は、視聴者にオーディオ信号またはビデオ信号を配信する。非常に狭い範囲の視聴者へのブロードキャストは、ナローキャスティングと呼ばれることがある。ブロードキャスト配信の最終工程は、信号が聴取者または視聴者にどのように達するかであり、ラジオ局またはテレビ局と同様にアンテナ及び受信機に無線で到来し得るか、または局を介してもしくはネットワークから直接、ケーブルテレビもしくはケーブルラジオ(もしくは「無線ケーブル」)を通して到来し得る。インターネットはまた、特に、信号と帯域幅を共有できるようにするマルチキャストを使用して、ラジオまたはテレビのいずれかを受信者に提供することができる。歴史的に、ブロードキャストは、全国放送や地域放送などの地理的領域によって区切られてきた。しかしながら、高速インターネットの急増に伴い、コンテンツが世界中のほぼすべての国に届くことができるように、ブロードキャストは地理によって規定されていない。
【0138】
ストレージサービスプロバイダ(SSP)1178は、コンピュータストレージ空間及び関連する管理サービスを提供する。SSPはまた、定期的なバックアップとアーカイブも提供する。サービスとしてストレージを提供することによって、ユーザは、必要に応じてより多くのストレージを注文することができる。別の大きな利点として、SSPはバックアップサービスを含み、コンピュータのハードドライブに障害が発生しても、ユーザがユーザのすべてのデータを失うことはない。さらに、複数のSSPは、ユーザデータの全体的または部分的なコピーを有することができ、これにより、ユーザの位置、またはデータアクセスに使用されているデバイスとは無関係に、ユーザは効率的な方法でデータにアクセスすることができる。例えば、ユーザは、ホームコンピュータ内の個人ファイルにアクセスでき、同様に、ユーザが移動している間に携帯電話内の個人ファイルにアクセスできる。
【0139】
通信プロバイダ1180は、ユーザに接続性を提供する。通信プロバイダの一種は、インターネットへのアクセスを提供するインターネットサービスプロバイダ(ISP)である。ISPは、ダイヤルアップ、DSL、ケーブルモデム、ファイバ、無線、または専用の高速相互接続など、インターネットプロトコルデータグラムの配信に適したデータ伝送技術を使用して、顧客を接続する。通信プロバイダは、電子メール、インスタントメッセージ、及びSMSテキストなどのメッセージサービスも提供することができる。通信プロバイダの別の種類は、インターネットへの直接のバックボーンアクセスを提供することにより帯域幅またはネットワークアクセスを販売するネットワークサービスプロバイダ(NSP)である。ネットワークサービスプロバイダは、電気通信会社、データキャリア、ワイヤレス通信プロバイダ、インターネットサービスプロバイダ、高速インターネットアクセスを提供するケーブルテレビ事業者などで構成され得る。
【0140】
データ交換1188は、ISP1170内のいくつかのモジュールを相互接続し、ネットワーク1186を介してこれらのモジュールをユーザ1182に接続する。データ交換1188は、ISP1170のすべてのモジュールが近接している小さな領域をカバーできるか、または異なるモジュールが地理的に分散しているときに、広い地理的領域をカバーできる。例えば、データ交換1188は、データセンタのキャビネット内の高速ギガビットイーサネット(登録商標)(もしくは、それよりも高速)または大陸間仮想エリアネットワーク(VLAN)を含むことができる。
【0141】
ユーザ1182は、少なくともCPU、メモリ、ディスプレイ、及びI/Oを含むクライアントデバイス1184を用いてリモートサービスにアクセスする。クライアントデバイスは、PC、携帯電話、ネットブック、タブレット、ゲーミングシステム、PDAなどであり得る。一実施形態では、ISP1170は、クライアントによって使用されるデバイスのタイプを認識し、使用される通信方法を調整する。その他の場合、クライアントデバイスは、htmlなどの標準的な通信方法を使用してISP1170にアクセスする。
【0142】
本開示の実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家庭用電化製品、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成で実施されることができる。本開示は、有線ベースまたは無線ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散型コンピューティング環境でも実施できる。
【0143】
いくつかの実施形態では、通信は、無線技術を使用して促進され得る。そのような技術には、例えば、5G無線通信技術が含まれ得る。5Gは、第5世代のセルラーネットワーク技術である。5Gネットワークは、デジタルセルラーネットワークであり、そこでは、プロバイダによって網羅されるサービスエリアが、セルと呼ばれる小さな地理的領域に分割されている。音と画像を表すアナログ信号は、電話でデジタル化され、アナログ-デジタルコンバータによって変換され、ビットのストリームとして送信される。セル内のすべての5G無線デバイスは、他のセルで再利用される周波数のプールからトランシーバによって割り当てられた周波数チャンネルを介して、セル内のローカルアンテナアレイ及び低電力自動トランシーバ(送信機及び受信機)を用いて電波で通信する。ローカルアンテナは、高帯域幅の光ファイバまたは無線バックホール接続によって電話網及びインターネットに接続される。他のセルネットワークと同様に、1つのセルから別のセルに移動するモバイルデバイスは、新しいセルに自動的に転送される。5Gネットワークは、通信ネットワークの単なる一例示的タイプであり、本開示の実施形態は、5Gに続く後続世代の有線技術または無線技術と同様に、前世代の無線通信または有線通信を利用することができることを理解されたい。
【0144】
上述の実施形態を念頭に置いて、本開示は、コンピュータシステムに格納されたデータを含む様々なコンピュータ実装操作を採用できることを理解されるべきである。これらの動作は、物理量の物理的操作を要する動作である。本開示の一部を形成する本明細書で説明される動作のいずれも、有用なマシン動作である。本開示はまた、これらの動作を実行するためのデバイスまたは装置に関する。装置は、必要な目的のために特別に構築されることができる、または装置は、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムにより選択的に起動または構成される汎用コンピュータであることができる。特に、様々な汎用マシンは、本明細書の教示に従って書かれたコンピュータプログラムと共に使用されることができ、または、必要な動作を行うためにさらに特化した装置を構築するほうがより好都合な場合がある。
【0145】
本開示はまた、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして具現化されることができる。あるいは、コンピュータ可読コードは、前述のデータ交換相互接続を使用して、サーバからダウンロードされてよい。コンピュータ可読媒体は、データを格納することができる任意のデータ格納装置であり、これは、その後、コンピュータシステムによって読み取られることができる。コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットクワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、並びに他の光学及び非光学データストレージデバイスを含む。コンピュータ可読媒体は、ネットワーク結合コンピュータシステム上に分散されたコンピュータ可読有形媒体を含むことができ、コンピュータ可読コードが分散方式で格納及び実行されるようになっている。
【0146】
本方法の操作は特定の順序で説明されているが、他のハウスキーピング操作が、操作の間に実行され得、もしくは、操作が、わずかに異なる時間に発生するように調整されることができるか、またはシステムに分散されることができ、このことが、重複操作の処理が所望の方法で実行される限り、処理に関連する様々な間隔での処理操作の発生を可能とすることが理解されるべきである。
【0147】
前述の開示は、理解を明確にする目的で、ある程度詳細に説明されてきたが、特定の変更及び修正は、添付の特許請求の範囲内で実施されることができることは明らかであろう。従って、本実施形態は、限定ではなく例示としてみなされるべきであり、本開示は、本明細書に記載される詳細に限定されるべきではなく、説明された実施形態の均等物の範囲内で変更されてよい。