(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法
(51)【国際特許分類】
B01J 20/16 20060101AFI20240115BHJP
C09D 1/00 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
B01J20/16
C09D1/00
(21)【出願番号】P 2022552496
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 CN2021125031
(87)【国際公開番号】W WO2023000523
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】202110823277.4
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519434695
【氏名又は名称】西安向陽航天材料股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】許龍龍
(72)【発明者】
【氏名】張振国
(72)【発明者】
【氏名】趙少丹
(72)【発明者】
【氏名】黄迪
(72)【発明者】
【氏名】王文幼
(72)【発明者】
【氏名】薛春珍
(72)【発明者】
【氏名】呂克
(72)【発明者】
【氏名】羅円
【審査官】伊藤 真明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0361302(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106311354(CN,A)
【文献】特表2009-541025(JP,A)
【文献】特開昭61-209043(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109107363(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112934197(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112191227(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106311279(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109894130(CN,A)
【文献】国際公開第2017/214531(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/045599(WO,A2)
【文献】欧州特許出願公開第00586196(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第112108108(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 20/00-20/34
B01D 15/00-15/42
B01D 53/14-53/18
C09D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のステップ
、
ステップ1 アルミナ水和物と有機酸を混合させて混合溶液Aを取得する
、
ステップ2
前記のステップ1で取得した混合溶液Aにテトラアルキルシロキサンを入れ、気密状態でかき回し、噴霧水を吹き入れ、続いてかき回してから水銀除去剤キャリアを取得する
、
を含むことを特徴とする銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法。
【請求項2】
前記のステップ1でアルミナ水和物と有機酸を-10℃~40℃で混合させることを特徴とする請求項1に記載の銅ベースの硫化
物を用いる水銀除去剤キャリアの調製
方法。
【請求項3】
前記のステップ1で取得した混合溶液Aで有機酸の質量がアルミナ水和物の質量の1%~10%に当たることを特徴とする請求項1に記載の銅ベースの硫化
物を用いる水銀除去剤キャリアの調製
方法。
【請求項4】
前記のステップ1で取得した混合溶液Aで有機酸の質量がアルミナ水和物の質量の6%に当たることを特徴とする請求項
3に記載の銅ベースの硫化
物を用いる水銀除去剤キャリアの調製
方法。
【請求項5】
前記のステップ1における有機酸がシュウ酸、エチレンジアミン四酢酸またはクエン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の銅ベースの硫化
物を用いる水銀除去剤キャリアの調製
方法。
【請求項6】
前記のステップ2で入れられるテトラアルキルシロキサンの質量が
前記のステップ1
のアルミナ水和物の質量の3%~15%に当たることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の銅ベースの硫化
物を用いる水銀除去剤キャリアの調製
方法。
【請求項7】
前記のテトラアルキルシロキサンがテトラメチルシロキサンまたはテトラエチルシロキサンであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の銅ベースの硫化
物を用いる水銀除去剤キャリアの調製
方法。
【請求項8】
前記のステップ2で吹き入れられる噴霧水の質量がテトラアルキルシロキサンの質量の3~8倍に当たることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の銅ベースの硫化
物を用いる水銀除去剤キャリアの調製
方法。
【請求項9】
前記のステップ2で噴霧水を吹き入れてから続いて1~24時間にかき回してから水銀除去剤キャリアを取得することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の銅ベースの硫化
物を用いる水銀除去剤キャリアの調製
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水銀除去剤調製方法の技術分野に属し、銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
天然ガスの開発によると、殆どの天然ガス田に微量の水銀がある。水銀は高揮発性、高毒性及び腐食性があるので、環境及び機器に対する重大な危害につながり、直接に水銀を含有する天然ガスの開発及び利用の安全性に影響を及ぼすものである。天然ガスの液化及び天然ガス液の回収などの装置で大量のアルミ製プレートフィン熱交換器が用いられていて、水銀が熱交換器に凝縮して集中し、アルミとアマルガムを形成し、アルミの表にある緻密酸化アルミ皮膜が落ちるようにし、機器の腐食及び穿孔につながるので、天然ガスの液化及び液回収装置で、一般的に、原料ガスの水銀含量が0.01μg/m3以下にあることが求められる。中国では、天然ガス田の水銀含量は1~200μg/m3 にあるのが普通であり、2000μg/m3に達するものさえもあり、ガス田の開発に伴って、水銀含量に向上するトレンドが示されている。中国では、社会や経済の途切れない成長に伴って、環境課題が日増しに大切にされていて、どのように効果的に水銀を除去するかということが解決に緊迫な課題となっている。
【0003】
現在、水銀除去技術はポイントが高効果の水銀除去剤の開発にある。その中、銅ベースの硫化物を始めとする金属硫化物は優れた水銀除去効果を示している。銅ベースの硫化物は水銀除去の過程にHg
0がHgSの形式で固定するようにすることができ、結合力が強く、水銀除去の精度が高く、水銀除去に関する反応機構が下式のとおりである。
【0004】
従来、銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤に関する研究のポイントが活性成分硫化銅の改質及び負荷プロセスに集中するのが普通であり、キャリア改質に関する研究が少ないが、キャリアが同様に水銀除去剤の水銀除去効果に非常に重要な役に立つものであり、水銀除去効果のいい水銀除去剤を調製する場合に適当なキャリアが必要である。また、アルミナ水和物をキャリアにする水銀除去剤使用または保管中に水銀容量が絶えずに低下する短所を克服しなければいけない。よって、高水銀容量、高精度の金属硫化物系水銀除去剤を調製する場合、適当なキャリアの開発は技術のキーである上、中国で水銀除去技術の成長を制約するボトルネックでもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は目的1がアルミナ水和物を素材にし、酸改質及びシリコン添加剤添加により高水銀容量の水銀除去剤を調製できる銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法を提供することにある。
【0006】
本発明は目的2が銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
目的1に達成するために、本発明に用いられるソリューションは下記のステップを含む銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法である。
【0008】
ステップ1 アルミナ水和物と有機酸を混合させて混合溶液Aを取得する。
【0009】
ステップ2 ステップ 1で取得した混合溶液Aにテトラアルキルシロキサンを入れ、気密状態でかき回し、噴霧水を吹き入れ、続いてかき回してから水銀除去剤キャリアを取得する。
【0010】
実施形態として、前記のステップ1で-10℃~40℃でアルミナ水和物と有機酸を混合させる。
【0011】
実施形態として、前記のステップ1で取得した混合溶液Aで有機酸は質量がアルミナ水和物の質量の1%~10%に当たる。
【0012】
実施形態として、前記のステップ1で取得した混合溶液Aで有機酸は質量がアルミナ水和物の質量の6%に当たる。
【0013】
実施形態として、前記のステップ1における有機酸がシュウ酸、エチレンジアミン四酢酸またはクエン酸のいずれかである。
【0014】
実施形態として、ステップ2に入れられるテトラアルキルシロキサンは質量がアルミナ水和物の質量の3%~15%に当たる。
【0015】
実施形態として、前記のテトラアルキルシロキサンはテトラメチルシロキサンまたはテトラエチルシロキサンである。
【0016】
実施形態として、前記のステップ2で吹き入れられる噴霧水は質量がテトラアルキルシロキサンの質量の3~8倍に当たる。
【0017】
実施形態として、ステップ2で噴霧水を吹き入れてから続いて1~24時間にかき回して水銀除去剤キャリアを取得する。
【0018】
目的2に達成するために、本発明に用いられるソリューションは上記の手段による調製で銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアを取得することである。
【発明の効果】
【0019】
本発明による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製手段は下記の有益な効果がある。
【0020】
1.従来の技術と比べてみると、本発明による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアで調製された水銀除去剤は同一の調製方法及び活性硫化銅含量の場合に水銀除去力少なくとも10%以上で向上する。
【0021】
2.本発明による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアで調製された水銀除去剤は使用または保管中に水銀除去力が降下しなく、長期間に保管できる。
【0022】
3.本発明は原理が使用中の水和酸化物キャリアの架橋を避けることにある。本発明による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアはアルミナ水和物を基本素材にし、調製の過程にそれに対する改質を行う。先ず、有機酸を入れて有効にアルミナ水和物の脱水を抑制できる。その次、シリコン添加剤テトラアルキルシロキサンを入れてキャリアの表面に保護膜を形成し、アルミナ水和物顆粒間の項目接触を少なくし、脱水の進捗を緩くすることができる。
【0023】
4.有機酸にあるグループは水銀に対する決まった錯吸着力があり、水銀の表面吸着の過程を速め、水銀容量の増加を促すことができるので、本発明による銅ベースの硫化水物を用いる銀除去剤キャリアの水銀容量を増加できる。
【0024】
5.本発明による水銀除去剤キャリアは調製ステップが簡単であり、コストが低い。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に具体的な実施形態と結びあわせて本発明について詳細な説明を行う。
【0026】
本発明の実例による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法は下記のステップを含む。
【0027】
ステップ1 -10℃~40℃でアルミナ水和物と有機酸を混合させて混合溶液Aを取得する。その中、有機酸の添加量はアルミナ水和物の質量の1%~10%にあたり、有機酸はシュウ酸、エチレンジアミン四酢酸またはクエン酸のいずれかである。
【0028】
ステップ2 ステップ1で取得した混合溶液Aに質量がアルミナ水和物の質量3%~15%に当たるテトラアルキルシロキサンを入れ、テトラアルキルシロキサンがテトラメチルシロキサンまたはテトラエチルシロキサンである。気密状態で絶えずにかき回し、噴霧水を吹き入れ、噴霧水の利用量がテトラアルキルシロキサンの質量の3~8倍にあたり、続いて1~24時間にかき回してから水銀除去剤キャリアを取得する。
【0029】
本発明の実例による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアは調製の方法やステップが簡単であり、コストが低い。
【0030】
比較例
【0031】
市販品のρ-アルミナ粉末の場合
【実施例1】
【0032】
本発明の実例による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法は下記のステップを含む。
【0033】
ステップ1 40℃で10分にρ-アルミナ粉末100gとシュウ酸1gに対して機械的混合を行う。
【0034】
ステップ2 続いてテトラメチルシロキサン3gを入れる。
【0035】
ステップ3 気密状態で絶えずに上記の材料をかき回し、噴霧水24gを吹き入れ、続いて5時間にかき回してから水銀除去剤キャリアを取得する。
【実施例2】
【0036】
本発明の実例による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法は下記のステップを含む。
【0037】
ステップ1 30℃で20分に水酸化アルミニウム100gとエチレンジアミン四酢酸5gに対して機械的混合を行う。
【0038】
ステップ2 続いてテトラエチルシロキサン5gを入れる。
【0039】
ステップ3 気密状態で絶えずに上記の材料をかき回し、噴霧水15gを吹き入れ、続いて1時間にかき回してから水銀除去剤キャリアを取得する。
【実施例3】
【0040】
本発明の実例による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法は下記のステップを含む。
【0041】
ステップ1 0℃で20分にρ-アルミナ粉末100gとクエン酸10gに対して機械的混合を行う。
【0042】
ステップ2 続いてテトラエチルシロキサン10gを入れる。
【0043】
ステップ3 気密状態で絶えずに上記の材料をかき回し、噴霧水40gを吹き入れ、続いて24時間にかき回してから水銀除去剤キャリアを取得する。
【実施例4】
【0044】
本発明の実例による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法は下記のステップを含む。
【0045】
ステップ1 -10℃で30分に疑似ベーマイト100gとクエン酸6gに対して機械的混合を行う。
【0046】
ステップ2 続いてテトラエチルシロキサン6gを入れる。
【0047】
ステップ3 気密状態で絶えずに上記の材料をかき回し、噴霧水30gを吹き入れ、続いて12時間にかき回してから水銀除去剤キャリアを取得する。
【実施例5】
【0048】
本発明の実例による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法は下記のステップを含む。
【0049】
ステップ1 25℃で30分にρ-アルミナ粉末100gとクエン酸6gに対して機械的混合を行う。
【0050】
ステップ2 続いてテトラエチルシロキサン6gを入れる。
【0051】
ステップ3 気密状態で絶えずに上記の材料をかき回し、噴霧水30gを吹き入れ、続いて12時間にかき回してから水銀除去剤キャリアを取得する。
【0052】
比較例及び実施例1~5を水銀除去剤キャリアにし、本分野の普通の成形技術で金属硫化物水銀除去剤を調製し、完成品にある金属硫化物の含量が35%となるようにする。金属硫化物水銀除去剤を調製する技術が従来の技術であるので、ここでは贅言しない。水銀除去剤を調製してから1日まで、3ヶ月及び6ヶ月に放置してから各々性能試験(試験条件:内容量:0.1ml、粒度:0.25~0.45mm、圧力:常圧、反応温度:50℃、室内温度:30℃、空間速度:1.5×105h-1、原料ガス成分:1:2のメタンガスと窒素ガス、水銀含量:20~25mg/m3)を行う。入気と排気の含量について「GB/T16781.2-1997天然ガスの水銀含量測定に関する冷原子蛍光分光光度法」に従って測定を行う。出口における水銀濃度が3回に連続する測定で2mg/m3以上にある場合、貫通とする。水銀除去剤を取り出してから「GB/T17136-1997土壌質量総水銀測定に関する冷原子吸收分光光度法」に従って測定を行う。成績は表1に示す。
【0053】
【0054】
水銀除去剤活性に対する測定成績によると、本発明による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法で調製したキャリアを金属硫化物水銀除去剤の調製に用いる場合、完成品水銀除去剤に高い水銀容量があり、改質されていないキャリアと比べて水銀容量が少なくとも10%以上に向上するようにすることができる上、長期に渡って放置されてから、水銀容量に顕著な低下がないが、改質されていないキャリアを利用する場合、放置の過程にその水銀容量が絶えずに低下することが認められる。よると、本発明によるキャリアは金属硫化物水銀除去剤に対して非常に良好な改善効果がある。
【実施例6】
【0055】
本発明の実例による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法は下記のステップを含む。
【0056】
ステップ1 -10℃でアルミナ水和物とシュウ酸を混合させて混合溶液Aを取得する。その中、有機酸の添加量はアルミナ水和物の質量の1%に当たる。
【0057】
ステップ2 ステップ1で取得した混合溶液Aにアルミナ水和物質量の3%に当たるテトラメチルシロキサンを入れ、気密状態で絶えずにかき回し、噴霧水を吹き入れ、噴霧水の利用量がテトラアルキルシロキサンの質量の3倍に当たる。続いて1時間にかき回してから水銀除去剤キャリアを取得する。
【実施例7】
【0058】
本発明の実例による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法は下記のステップを含む。
【0059】
ステップ1 20℃でアルミナ水和物とエチレンジアミン四酢酸を混合させて混合溶液Aを取得する。その中、有機酸の添加量がアルミナ水和物の質量の6%に当たる。
【0060】
ステップ2 ステップ1で取得した混合溶液Aにアルミナ水和物質量の9%に当たるテトラエチルシロキサンを入れ、気密状態で絶えずにかき回し、噴霧水を吹き入れ、噴霧水の利用量がテトラアルキルシロキサンの質量の5倍に当たる。続いて15時間にかき回してから水銀除去剤キャリアを取得する。
【実施例8】
【0061】
本発明の実例による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアの調製方法は下記のステップを含む。
【0062】
ステップ1 40℃でアルミナ水和物とクエン酸を混合させて混合溶液Aを取得する。その中、クエン酸の添加量がアルミナ水和物の質量の10%に当たる。
【0063】
ステップ2 ステップ1で取得した混合溶液にアルミナ水和物の質量の15%に当たるテトラエチルシロキサンを入れ、気密状態で絶えずにかき回し、噴霧水を吹き入れ、噴霧水の利用量がテトラアルキルシロキサンの質量の8倍に当たる。続いて24時間にかき回してから水銀除去剤キャリアを取得する。
【0064】
本発明は原理が使用中の水和酸化物キャリアの架橋を避けることにある。水銀除去剤の研究によると、金属硫化物の活性成分はアルミとナ水和物キャリアを混合させて成形してから、同一の質量の金属硫化物による水銀除去力が重大に降下した。例えば、原料硫化銅は水銀除去力がとても強く、質量で計算されると、硫化銅水銀の1分の除去力により水銀の0.6分以上を吸収できるが、荷重成形の後に、硫化銅の1分により水銀を0.4分までしか吸収できない上、放置期間がながければ長いほどサンプルによる水銀除去力が弱くなる。その原因は成形に用いられるアルミナ水和物キャリアはρ-アルミナ粉末または疑似ベーマイトであり、乾燥されてから完成品を取得することにある。但し、アルミナ水和物は使用または放置中に続いて脱水して架橋構成を形成し、細孔容積を引き起こし、チャネルの構成が持続して変わり、水銀の拡散が更に難しくなるようにする上、硫化銅が更に緊密に包まれるようにし、そして脱離した水が製品の内部を逃れがたく、水銀と硫化銅との接触が同様に阻止されている。よって、水銀除去剤は使用または保管の過程に水銀容量が降下する。本発明による銅ベースの硫化物を用いる水銀除去剤キャリアはアルミナ水和物を基本素材にし、調製の過程にそれに対する改質を行う。先ず、有機酸を入れて有効にアルミナ水和物の脱水を抑制できる。その次、シリコン添加剤テトラアルキルシロキサンを入れてキャリアの表面に保護膜を形成し、アルミナ水和物顆粒間の項目接触を少なくし、脱水の進捗を緩くすることができる。また、有機酸にあるグループは水銀に対する決まった錯吸着力があり、水銀の表面吸着過程を速めたり、キャリアの水銀容量の増加を促したりすることができる。
【0065】
上記の実施形態は本発明の望ましい実施形態だけであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本分野の技術者が本発明に基づいて行うすべての非実質的変更及び交換が本発明の請求項にある。