(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】情報提供ソフトウェア及び通信機能を有する端末
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20240116BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06F13/00
(21)【出願番号】P 2019070213
(22)【出願日】2019-03-14
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】520061114
【氏名又は名称】株式会社Swap
(73)【特許権者】
【識別番号】519117031
【氏名又は名称】飛澤 直哉
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 勇輔
(72)【発明者】
【氏名】田島 精一郎
(72)【発明者】
【氏名】丸山 央里絵
(72)【発明者】
【氏名】柿本 泰人
(72)【発明者】
【氏名】飛澤 直哉
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-142777(JP,A)
【文献】特開2008-171210(JP,A)
【文献】特開2014-170516(JP,A)
【文献】特開2013-102407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のユーザに利用される第一の通信端末と、第二のユーザに利用される第二の通信端末と、ネットワークを介して前記第一の通信端末または前記第二の通信端末と通信されるサーバとを備える情報提供システムであって、
前記サーバは、
前記第一の通信端末から前記第一のユーザによって予め指定された第一のユーザ指定情報及び該第一の通信端末に設けられた該第一の通信端末の位置情報を取得する手段によって取得された第一の位置情報と、前記第二の通信端末から該第二の通信端末に設けられた該第二の通信端末の位置情報を取得する手段によって取得された第二の位置情報と、を受信し、
前記第一の位置情報と前記第二の位置情報とに基づいて前記第一の通信端末と前記第二の通信端末とが所定範囲に存在することが特定された場合には、
前記第一の通信端末から、前記第一のユーザが前記第一のユーザ指定情報を送信することを許可する旨の第一の情報を受信した後に、前記第一のユーザ指定情報の一部または全部を加工した加工情報と、前記第一のユーザ指定情報を送信することが許可された日時の情報と、を生成し、
前記加工情報を前記第二の通信端末に送信し、
前記第二の通信端末から、前記第二のユーザが前記第一のユーザ指定情報を受信することを許可する旨の第二の情報を受信した後に、前記第一のユーザと前記第二のユーザとが対面したことを示す対面情報を生成し、
前記第二の通信端末に対して、前記対面情報もしくは前記日時の情報のいずれか一つ以上と、前記第一のユーザ指定情報と、を送信すること
を特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供システムにおいて、
前記対面情報には、さらに、前記第一の位置情報、または、前記第二の位置情報を含むこと
を特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報提供システムにおいて、
前記サーバに前記日時の情報が生成された時間よりも過去に生成された前記第一のユーザと前記第二のユーザが対面したことを示す過去に対面した日時の情報が記憶されている場合には、
前記サーバは、前記第二の通信端末に、前記過去に対面した日時の情報が生成された時間から前記日時の情報が生成された時間の間に、前記第一のユーザによって指定された他のユーザ指定情報を送信すること
を特徴とする情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一のユーザから他のユーザへ情報を提供する情報提供ソフトウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報社会の進展に伴い、人々のコミュニケーションは多様性を有するようになった。電話に限らず、動画を用いた通話、メールを始めとするメッセージ機能等、様々な電気通信回線を用いたヴァーチャルなコミュニケーションツールが浸透している。このような状況下において、ヴァーチャルなコミュニケーションツールの利便性が向上することで、より人々が直接会うリアルなコミュニケーションの価値が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
このようなリアルなコミュニケーションの重要性を鑑み、特許文献1(特開2006-172333号公報)には、「マッチングシステムに所定時間毎に位置情報を算出するGPS測位部102と、携帯通信端末100間で近距離通信を行い、相手の識別情報を取得する近距離通信部108と、通信状態からマッチングモードへ移行する所定空間を保持するマッチングモード移行条件保存部110Aと、携帯通信端末の位置情報が所定空間に位置する場合にはマッチングモードへの移行と判定し、近距離通信部を起動し相手の識別情報、自己の識別情報を情報サーバに送信するマッチングモード移行制御部111Bと、携帯通信端末から送信されたプロフィール情報、マッチング条件を識別情報毎に保持するデータベースと、データベースを参照し相手のプロフィール情報に対する自己のマッチング条件に一致するマッチング度を判定し返信するマッチング判定部203とを備える。」ことが開示されている(要約参照)。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、携帯通信端末間で近距離通信を行いマッチングモードへ移行した後に、近距離通信を用いて相手と自己の識別情報を情報サーバに送信し、自己のマッチング条件に一致するかを判定し、マッチング判定結果を自己の携帯通信端末に送信するものである。
つまり、自己の携帯通信端末の所定範囲内に存する不特定多数のユーザと通信を行い、自己のマッチング条件に一致するユーザを判定する。自己のマッチング条件に一致するユーザを特定することが目的であり、特定されたユーザとの関係をどのように築き上げるかについては考慮されていない。リアルなコミュニケーションにおいて、単に自己のマッチング条件に合うだけではコミュニケーションを築くのは困難であり、自己の一方的なマッチング条件に一致した相手のマッチング相手とのコミュニケーションを取ることは容易でない。
すなわち、特許文献1の従来技術は、自己のマッチング条件に一致する相手を見つけることが目的とされており、マッチングした相手とのリアルなコミュニケーションや会った後のことが考慮されていない。
本発明は、ユーザ同士が直接会った後のユーザ間のコミュケーションを高める手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報提供ソフトウェアの一例を挙げるならば、所定の情報が記憶された記憶部と、記憶部に記憶された情報を他のソフトウェアへ提供する制御部とを有する情報提供ソフトウェアであって、制御部は、第一のユーザによって指定された第一のユーザ指定情報を記憶部にユーザ指定情報記憶工程と、第一のユーザの所定範囲にいる第二のユーザを特定するユーザ特定工程と、特定された第二のユーザに対して第一のユーザ指定情報を送信することを第一のユーザに確認する確認工程と、確認工程で第一のユーザ指定情報を送信することが確認された場合に、第一のユーザと第二のユーザとが対面したことを示す情報と、第一のユーザ指定情報が送信される日時の情報と、を含む対面情報を記憶部に記憶する対面情報記憶工程と、特定された第二のユーザに対して第一のユーザ指定情報と対面情報とを送信する送信工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザ同士が直接会った後のユーザ間のコミュケーションを高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の情報提供ソフトウェアが携帯電話通信網を用いてサーバと通信する関係を示す図である。
【
図2】本発明の情報提供ソフトウェアのユーザインターフェースの一例を示す図である。
【
図3】本発明の情報提供ソフトウェアのユーザインターフェースの一例を示す図である。
【
図4】本発明の情報提供ソフトウェアのユーザインターフェースの一例を示す図である。
【
図5】本発明の情報提供ソフトウェアのユーザインターフェースの一例を示す図である。
【
図6】本発明の情報提供ソフトウェアのユーザインターフェースの一例を示す図である。
【
図7】本発明の情報提供ソフトウェアのユーザインターフェースの一例を示す図である。
【
図8】本発明の情報提供ソフトウェアとサーバ間の通信手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以降、図面を用いて実施の形態及び実施例について説明するが、異なる図で同一の符号を用いる場合には同一の構成であるため説明を省略する。
図1を用いて本発明の実施の形態を説明する。サーバ100sと、本発明の情報提供ソフトウェア(以下、情報提供アプリケーションとも呼ぶ。)が利用可能な通信端末100aと、情報提供ソフトウェアがインストールされた通信端末100bとが携帯電話通信網100zを介して相互に接続されている。ネットワーク100zは携帯電話網や無線通信等を介してインターネットに接続されるものであれば実施できる。情報提供ソフトウェアは通信端末100a、100bにインストールまたはwebブラウザを介してアクセス可能であれば実施できる。これらの実施方法に限らず、その他実施できる形態であればよい。
【実施例1】
【0010】
図2から
図4を用いて本発明の情報提供ソフトウェアのうちユーザ情報を送信する機能について、
図5から7を用いて情報提供ソフトウェアのうちユーザ情報を受信する機能について以下実施例を説明する。
図2は、
図1の通信端末100aにインストールされた情報提供ソフトウェア120aのユーザインターフェースを示す図である。つまり、通信端末100aの表示部に表示される情報提供ソフトウェア120aの入力及び出力画面を示す。通信端末100a、100bには、それぞれタッチパネル式の表示部が設けられており、当該タッチパネルは入力部でもあり、画像や文字列等を表示する出力部でもあるため、本明細書において、以下、単に、ユーザインターフェース、表示部、入力部または出力部とも呼ぶことがある。また、第一のユーザをユーザA、第二のユーザをユーザBとも呼ぶ。
【0011】
情報提供ソフトウェア120aを利用するユーザAの情報を示す第一の利用ユーザ情報210aと利用するユーザと情報を交換したユーザの情報を示す第二の利用ユーザ情報210bと第三の利用ユーザ情報210cが示される。さらに、第一の利用ユーザと情報交換したユーザ数が多い場合はさらに下部に他のユーザが表示され、スクロール等して他のユーザ情報を確認することができる。このとき、第二の利用ユーザ情報210bのうち左側に示される写真やアイコンをタップすると拡大した写真やアイコンを表示することができる。また、「ユーザB」や「……」の項目をタップするとそれぞれ、ユーザBの詳細情報やユーザBが予め設定したコメント等を詳細表示することができる。
【0012】
機能欄220には、3つのアイコンが示されており、左側にある人のアイコンをタップすると、
図2に示されるユーザ情報を表示する。また、中央のマップアイコンをタップすると、
図4を用いて説明するが、
図4に示す地図機能を表示する。また、右側のその他の機能を有するアイコンを配置することができる。
ユーザAが第一の利用ユーザ情報210aをタップすることで、
図3の画面に遷移することができる。
図3は、ユーザAが本発明の情報提供ソフトウェアを利用する他のユーザへ送信した情報を設定するユーザインターフェースを示す図である。
【0013】
図3には、ユーザAが他のユーザへ送信を希望する第一のユーザ指定情報320a,320b,320cが示される。また、これらの第一のユーザ指定情報320a,320b,320cを指定した日である第一のユーザ指定情報を指定した日時情報310aが示される。次に、
図3下部には、過去にユーザAが他のユーザへ送信を希望する過去の第一のユーザ指定情報320dを指定した過去に指定した日時情報310bが示される。
【0014】
また、第一のユーザ指定情報320a,320b,320cはそれぞれ、写真、グリーティングカード、webのURLとその一部のスクリーンショットまたはURLのアクセス先のwebコンテンツの一部を表示したものである。これらに例に限らず、動画、音声やテキストデータ等の電子化された情報であれば指定することができる。これら第一のユーザ指定情報320a,320b,320cは、ユーザAが指定した日時情報310aに示される日時に伝えたいことを予め登録されたものである。他のユーザに直接会った際に、ユーザAがこれらの情報を他のユーザに提供することで、ユーザAと会った他者がこれらのコンテンツを話題とすることができ、実際に会った後のコミュニケーションを高めることができる。
【0015】
上記の構成を言い換えると、ユーザAが他者へ伝えたい第一のユーザ指定情報320a,320b,320cを登録し、その登録日として第一のユーザ指定情報指定した日時情報310aがまとめて表示されている。また、過去の情報は過去に指定した日時情報310bの欄に表示されている。ユーザAが今伝えたいことが日時情報310aの欄に、過去伝えたかったことが過去に指定した日時情報310bの欄に表示されることから、ユーザAはこれから他のユーザに話したいこと、過去に話したことまたは話したかったことがまとめて表示できることとなり、ユーザAがから他のユーザに向けたコミュニケーションを活性化させることができる。また、過去に話した情報をまとめて表示することで、過去に話した話題を重複して提供することを防止できるため、さらにユーザAと他のユーザとのコミュニケーション効率が向上する。
【0016】
次に、
図4を用いてユーザBの位置を検出する方法を説明する。
図4は、
図2に示されるマップアイコンをタップした際に遷移される画面である。また、マップアイコンをタッチせずとも、
図1に示される通信端末100a、100bがそれぞれ位置情報を取得できる端末であって、一方の通信端末の所定範囲内に他方の通信端末が存する場合には、他の画面から割り込むように
図4に示される画面を表示することができる。
図4には上部側には十字路の地
図400が示される。地
図400条には、ユーザAの位置を示すピンのアイコン410aとピンのアイコン410aから所定の距離を示す破線420と破線420内に位置するユーザBの位置を示すピンのアイコン410bが示される。破線420は、情報提供ソフトウェア120aを利用するユーザAの所定範囲内にユーザBがいることが示されている。
【0017】
位置情報の特定誤差を考慮しつつ破線420の所定範囲を小さく設定するとユーザAとユーザBは直接対面して会っている状態を示す。このとき、ユーザAはユーザBに対して、
図3で指定した第一のユーザ指定情報320a,320b,320cを送信することを送信確認部430で送信を許可することができる。
ユーザAの送信確認部430の「YES」ボタンをタップすることで、ユーザAから所定範囲にいるユーザBへ第一のユーザ指定情報320a等を送信する。これによって、ユーザAが直接会ったユーザBへ、ユーザAが今伝えたいことを送信し、受信したユーザBからその話題の質問をすることができるため、円滑なコミュニケーションを図ることができる。詳細な通信処理の一例は
図8を用いて後述する。
【0018】
次に、
図5は、ユーザBが利用する情報提供ソフトウェア120bについて説明する。情報提供ソフトウェア120bは
図2から
図4で説明した機能も有するが、ユーザBがユーザAから第一のユーザ指定情報320a,320b,320cを受信する処理について
図5を用いて説明する。
情報提供ソフトウェア120bを利用するユーザBの情報が510bに示される。この画面は
図4で説明したようにユーザAとユーザBが所定範囲内にいるときに表示されるものである。また、ユーザ指定情報受信インターフェースである受信確認部530には、ユーザAのアイコン、ユーザAの氏名や名称、ユーザAのコメントが示される。
【0019】
さらに、ユーザAから送信されようとしている第一のユーザ指定情報を受信するか否かを確認する受信確認部530が表示され、「YES」をタップすることで、ユーザBは第一のユーザ指定情報210aを受信することができる。
【0020】
このとき、詳細は
図8を用いて説明するが、単に第一のユーザ指定情報320a,320b,320cだけでなく、ユーザAとユーザBが対面したことを示す日時の情報と、第一のユーザ指定情報320a,320b,320cが送信される日時の情報を併せて受信する。対面したことを示す日時の情報と、送信される日時の情報をまとめて対面情報と呼ぶ。
【0021】
ユーザAの情報提供ソフトウェア120aは、ユーザBが受信確認部530の「YES」ボタンをタップした後に、そのタップした情報を受信し、対面情報を生成し、ユーザBの情報提供ソフトウェア120bに対して予め指定された第一のユーザ指定情報320a、320b、320cと、生成された対面情報とを送信する。
【0022】
受信確認部530の「YES」または「NO」をユーザBがタップする確認処理によって、ユーザAと他のユーザを間違わないようにすることができる。つまり、ユーザBは直接対面しているユーザAの情報であることを確認することができ、誤って第三者の情報を受け取らないようにすることができる。これにより悪意あるユーザが無差別に第三者に画像やURLを送信し、他のユーザが受信することを防止できる。
【0023】
次に、
図6を用いてユーザBが受信した対面情報と、第一のユーザ指定情報320a、320b、320cを表示する画面について説明する。
図6には、上から順に、ユーザBが使用する情報提供ソフトウェア120bの上部にはユーザBに関する第二の利用ユーザ情報210b、ユーザAに関する第一の利用ユーザ情報210a、対面した日時の情報を含む対面情報315f、第一のユーザ指定情報320a,320b,320cが表示されている。
【0024】
この画面はユーザBが
図5に示す受信確認部530の「YES」をタップした後に、ユーザAが使用する情報提供ソフトウェア120aから送信された情報である。つまり、受信確認部530の「YES」の確認作業により、ユーザAが伝えたいと思っていることまたはユーザBと話したいことをユーザBが利用する情報提供ソフトウェア120b上に配信されるということである。
【0025】
ここで、第一のユーザ指定情報320a,320b,320cと併せて対面情報315fが表示されている。この対面情報315fは、対面したことを示す日時の情報と、送信される日時の情報を総称するものであるが、いずれか一方の日時の情報が示されていればよい。
【0026】
対面したことを示す情報は受信確認部530の「YES」をタップした情報を情報提供ソフトウェア120aが受信した場合を基準として生成してもよい。この場合は、情報を受信する側を基準として会ったことを確認したといえる。また、送信される日時であれば、ユーザAが送信を希望または実際に送信するときを基準に送信される日時の情報を生成することができる。この場合は、送信側を基準とした時間設定が可能であるため、送信を失敗した場合であっても、送信側には送信しようとした時間が残っているため、追って第一のユーザ指定情報320a等を送信したとしても送信を失敗した日時情報を読み込むことで、ユーザAとユーザBが会った日時を特定することができる。
【0027】
これにより、ユーザAが話したいコンテンツとユーザAから情報を直接受け取った日時情報についてユーザBが使用する情報提供ソフトウェア120bに記憶され表示される。よって、ユーザBはユーザAが話したことを知ることができ、ユーザBとユーザAが直接対面する際に、これらのコンテンツ320a、320b、320cをきっかけにコミュニケーションを向上させることができる。
【0028】
他には、次回会う際に、ユーザBは対面情報315fを確認してからユーザAに会うことで、過去に会った日時とユーザAと話した内容を思い出すことが可能となり、前回会った話を簡単に話すことができる。また、過去に会った際に話した内容を予め確認できるため、重複した話をすることなく、他の話題から話を始めることができるため、効率的にコミュニケーションを取ることが可能となる。
【0029】
次に、
図7を用いてユーザAがユーザCと直接対面したことを確認するユーザインターフェースについて説明する。
図7には、情報提供ソフトウェア120aが示され、第一の利用ユーザ情報210aの下欄に第三の利用ユーザ情報210cが表示されている。
【0030】
第三の利用ユーザ情報210cの下部には、対面情報315gと併せて第一のユーザ指定情報320dが表示されている。この対面情報315gは前回ユーザAとユーザCが直接会った日を示しており、第一のユーザ指定情報320dは対面情報315gに示される日以前にユーザAがユーザCへ伝えたいコンテンツを指定していたことを示すものである。また、更に下部には、対面情報315hと併せて第一のユーザ指定情報320eが表示されている。この対面情報315hは対面情報315gに示される日以前にユーザAとユーザCが会った日を示しており、第一のユーザ指定情報320eは対面情報315hの日以前にユーザAがユーザCへ伝えたいコンテンツを指定していたことを示すものである。
【0031】
さらに、変形例として、日時の情報よりも過去に第一のユーザと第二のユーザが対面したことを示す過去の日時の情報が該情報提供ソフトウェアの記憶部に記憶されている場合には、過去の日時の情報が有する日時から日時の情報が有する日時までに第一のユーザによって指定された他のユーザ指定情報を併せて送信することもできる。この場合は、対面情報315g、315hとは異なる表示で、第一のユーザが伝えたいことがあったことを示すこともできる。つまり、過去に対面した日と今対面した日との間に第一のユーザが伝えたい情報を指定していた場合にはその情報を対面した日とは別の表現で、第二のユーザの情報提供ソフトウェア120bに表示できるということである。これは、会っていない日に第一のユーザが伝えたかった話題を第二のユーザが知ることができ、コミュニケーションの活性化が図れる。
【0032】
これらの対面情報315g、315hと併せて第一のユーザ指定情報320d、320eを表示することにより、ユーザAはユーザCに過去に会った際の話題を確認することが可能となる。先に述べたように前回会った際の話題からコミュニケーションを取ることも可能であり、また、過去の話題と重複しないようにコミュニケーションを取ることが可能となる。また、リアルなコミュニケーションをさらに効率よく自己またはコミュニケーション相手の双方が過去に会った情報を持つことで、前回会ったこと、話したことそのもの記録または話した内容を記憶から呼び覚ますことが可能となる。これにより、本発明に係る情報提供ソフトの利用者はこれまでにない円滑なコミュニケーションを図ることができる。ひいては、従来にない新しいコミュニケーションの形を実現することができる。
【0033】
次に、
図8を用いて第一の情報提供ソフトウェア120aがサーバ100zを介して第二の情報提供ソフトウェア120bと通信する手順について説明する。矢印の根本部分が送信元であり、矢印の先の部分が受信元であることを示す。図面の説明は送信元と他の構成の符号について省略して記載しているため、以下、送信元と符号を追加して補足して説明する。
【0034】
予め、第一の情報提供ソフトウェア120aはユーザAに設定された第一のユーザ指定情報(320a等)をサーバ100zへ送信する(S1010)。次に、第一の情報提供ソフトウェア120aに紐付けられた通信端末100aの位置情報をサーバ100zへ送信する(S1020)。このとき、位置情報は通信端末100aのGPS(Global Positioning System)、GNSS(Global Navigation Satellite System)、携帯電話通信網の基地局との無線通信等の当該通信端末100aの位置情報を特定または別途入力手段によって入力できるものであればよい。また、これらの組み合わせであってもよい。第二の情報提供ソフトウェア120bに紐付けられた第二の通信端末100bの位置情報をサーバ100zへ送信する(S1030)。なお、S1020とS1030は順序が逆でも実施でき、次の工程のS1040以前に第一の情報提供ソフトウェア120aと第二の情報提供ソフトウェア120bが搭載された通信端末100a、100bの位置が特定されていればよい。
【0035】
次に、サーバ100zは、第二の通信端末100bが第一の通信端末100aの所定範囲にあることを第一の情報提供ソフトウェア120aに送信する(S1040)。サーバ100zは、第一の情報提供ソフトウェア120aのリクエストを受けて第一の情報提供ソフトウェア100aの通信端末100aの所定範囲内に情報提供ソフトウェア120bの通信端末100bが存在することを通知してもよい。つまり、プル型の情報配信を行うことができる。これにより、第一の情報提供ソフトウェア100aのユーザAは第二の情報提供ソフトウェア100aのユーザBと直接対面したこととなり、ユーザAは直接対面するユーザBへ第一の指定情報320a等を送信することが可能となる。また、情報提供ソフトウェア120aのリクエストがなくとも、通信端末100aと通信端末100bの位置情報をサーバ側で有している場合には、いずれか一方を基準として他方が所定範囲内に存在する場合には、プッシュ型の情報配信を行うこともできる。
【0036】
ユーザAが直接対面するユーザBへ第一のユーザ指定情報320a等の送信を希望する情報をサーバへ送信する(S1050)。直接対面することで、ユーザAが伝えたいまたは話したいと思っているwebの情報や写真等を眼の前の相手に送信することができるため、誤送信を防止できる。
【0037】
次に、ユーザAがユーザBへ第一のユーザ指定情報320a等の送信を希望している情報を第二の情報提供ソフトウェアへ送信する(S1060)。すなわち、ユーザBにユーザAの情報を受信するか否かを確認する工程である。確認を行うことにより、誤送信を防止することができる。この工程は、
図5に示す受信確認部530の「YES」または「NO」のボタンである。このとき、受信確認部530は、webの一部や写真の一部またはぼかし等の加工を行ったものを見せることで、ユーザBが受信すべきか否かを判断する機会を提供することができる。この場合は、サーバ100z内に事前に第一の指定情報320a等を予め保存しておき部でぼかし等の加工を行うことで実施できる。
【0038】
その後、ユーザBが第一のユーザ指定情報320a等の受信を希望する情報をサーバ100zへ送信する(S1070)。つまり、ユーザAの送信要求に対して、ユーザBが受信を許可する情報を返す工程である。
【0039】
そして、サーバ100zはユーザBが第一のユーザ指定情報320a等の受信を希望する情報を情報提供ソフトウェア120aへ送信する(S1080)。
【0040】
ユーザBが第一のユーザ指定情報320a等の受信を希望する情報を受信した情報提供ソフトウェア120aは、
図6で示す対面情報315fを生成する。生成された対面情報315fと、第一のユーザ指定情報320a等が送信される日時と、送信すべき第一のユーザ指定情報320a等を特定する情報をサーバ100zへ送信する(S1090)。
【0041】
なお、S1010で事前に第一のユーザ指定情報320a等を情報提供ソフトウェア100aがサーバ100zへ送信し、サーバ100zに第一のユーザ指定情報320a等が記憶されている場合には、後述するS1090にて、情報提供00aは第一のユーザ指定情報320a等をサーバ100zへの送信が不要とすることができる。つまり、情報提供ソフトウェア100aはサーバ100zに対して、情報提供ソフトウェア100bへ送信すべき第一の情報提供ソフトウェア320aを送信する指示を送るだけで、S1100にて送信すべき対象の情報を送信することができる。
【0042】
この場合は、S1090の工程で送信する情報量が小さくなるため、通信エラーを防止することができる。また、処理速度を向上させることができるだけでなく送信待ちの時間も小さくすることができるため、ユーザBがユーザAの情報をより早く知ることができる。ひいては、ユーザ間のコミュニケーションをより活発にするこができる。
【0043】
つまり、上記説明した工程とインターフェースの動作をまとめると、情報提供ソフトウェアの制御部は、第一のユーザによって指定された第一のユーザ指定情報を記憶部に記憶するユーザ指定情報記憶工程と、第一のユーザの所定範囲にいる第二のユーザを特定するユーザ特定工程と、特定された第二のユーザに対して第一のユーザ指定情報を送信することを第一のユーザに確認する確認工程と、確認工程で第一のユーザ指定情報を送信することが確認された場合に、第一のユーザと第二のユーザとが対面したことを示す情報と、第一のユーザ指定情報が送信される日時の情報と、を含む対面情報を記憶部に記憶する対面情報記憶工程と、特定された第二のユーザに対して第一のユーザ指定情報と対面情報とを送信する送信工程と、を行うものである。
【0044】
コミュニケーションとは、当事者の一方のみが他方へ情報開示する、または、一方のみが他方の情報を取得するものではなく、双方が互いに自己の情報を開示することによって成立するものである。そのため、自己が開示した情報を他者へ開示することが重要である。しかし、従来技術は他者の情報を一方的に自己が取得することが考えられていた。一方、本発明は、相互に自己を開示することで従来技術とは異なる情報開示手段を提供するものである。これにより、リアルなコミュニケーションを取ることができ、他者との信頼関係を構築できる。つまり、従来技術ではなし得なかったリアルなコミュニケーションを加速または強化させることが可能となる。
【実施例2】
【0045】
情報提供ソフトウェア120aがインストールされた通信端末100aを利用する第一のユーザが、情報提供ソフトウェア120bがインストールされた通信端末100bを利用する第二のユーザへ対して、第一のユーザ指定情報320a等を送信する際の実施例について説明する。
【0046】
上記説明した実施例は、ユーザAを代表例とする第一のユーザからユーザBを代表例とする第二のユーザへ第一のユーザ指定情報320aを送信することについて説明したが、S1050からS1100を情報提供ソフトウェア120bから情報提供ソフトウェア120aへ送信する工程を行うことで、情報を送信することとなり、結果、情報を交換することができる。
【0047】
また、S1050からS1100において、第一のユーザから第二のユーザへ送信するだけでなく、相互に情報を交換するように読み替えることができる。この場合は、送信工程を2回繰り返すことなく、情報を交換することについて第二のユーザが確認した後に、S1100にて、サーバ100zが情報提供ソフトウェア120aに第二のユーザ指定情報(図示なし)を、情報提供ソフトウェア120bに第一のユーザ指定情報320a等を相互に送信することで情報交換が可能となる。この場合は、確認工程が1回となるため、コミュニケーションが容易となる。
【0048】
実施例1では、通信端末100aと100bの位置情報や2次元コードを使用する方法について説明したが、さらに直接対面したことを確認しつつ、予期しない第三者へ情報を送信しないようにする実施例について説明する。
【0049】
位置情報や2次元コードの読み込み等のいずれか一方を利用する方法では、例えば、位置情報の偽装や二次元コードをメールやメッセージ交換アプリケーション等を用いて直接対面していないユーザ間で情報を送信することができる場合がある。
【0050】
位置情報の所定範囲内でかつ2次元コードの読み込み等の物理的に近づいて通信する手段を用いることにより、第三者との通信や不特定多数、所定範囲該外のユーザとの通信を防止することができる。
【実施例3】
【0051】
実施例3は第一のユーザを自然人ではなく、ビーコンのような所定期間内に情報を配信することができる機能について説明する。ここで、第一のユーザ指定情報を、例えば、ビーコンの周囲で行われるイベントの情報や、周囲の環境の情報またはクーポン券のような情報を予め指定することができる。この場合、
図8に示したS1050の第一のユーザ指定情報を所定範囲内の第二のユーザに自動的に配信を希望することができる。これにより、イベントや店舗等に近づいた第二のユーザに対して、情報を提供することができる。
【0052】
上記した実施例の各構成は本発明の一例であり、相互に一部を変更した場合であっても、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で実施することができる。
【符号の説明】
120a、120b…情報提供ソフトウェア、210a…第一の利用ユーザ情報、210b…第二の利用ユーザ情報、210c…第三の利用ユーザ情報、310a…日時情報、320a…過去に指定した日時情報、320a、320b、320c…第一のユーザ指定情報