(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240116BHJP
A63F 13/216 20140101ALI20240116BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20240116BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20240116BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20240116BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F13/216
A63F13/30
A63F13/795
G06Q10/00
(21)【出願番号】P 2019218693
(22)【出願日】2019-12-03
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 太樹
【審査官】山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-002890(JP,A)
【文献】国際公開第2014/027680(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/054125(WO,A1)
【文献】特開2010-117241(JP,A)
【文献】特開2018-206112(JP,A)
【文献】特開2013-161328(JP,A)
【文献】特開2013-207762(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101902685(CN,A)
【文献】西垣 弘二 外4名,コンテキストに基づいたグループ形成とグループ通信機能を提供する携帯電話向けミドルウェア,情報処理学会論文誌,日本,2004年12月,Vol.45,No.12,p.2666-2677
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A63F 9/24
13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報を利用する処理を実行する情報処理装置であって、
複数のユーザを含むグループを管理する管理部と、
前記グループに含まれる前記複数のユーザの各々が利用するユーザ端末の中から選択される一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて、前記グループで行う処理を実行する処理部と、
を有
し、
前記処理は、前記一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて前記グループで行うゲームに関する処理を含み、
前記処理部は、前記ゲームにおいて、前記一部のユーザ端末が1台である場合、前記グループが作成された時点の各ユーザ端末の位置情報を記憶し、前記一部のユーザ端末が移動した方向及び距離と同一の方向及び距離を各ユーザ端末も移動したものとみなす、
情報処理装置。
【請求項2】
前記一部のユーザ端末の選択は、所定時間ごとに繰り返し行われ、
前記所定時間の長さは、前記一部のユーザ端末のバッテリー残量に応じて変更される、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記複数のユーザが前記グループを組んだ後であっても、特定のイベントが起動される場合においては、前記複数のユーザのそれぞれのユーザ端末で取得される位置情報を用いてゲームに関する処理を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
位置情報を利用する処理を実行する情報処理装置が行う情報処理方法であって、
複数のユーザを含むグループを管理するステップと、
前記グループに含まれる前記複数のユーザの各々が利用するユーザ端末の中から選択される一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて、前記グループで行う処理を実行するステップと、
を有
し、
前記処理は、前記一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて前記グループで行うゲームに関する処理を含み、
前記処理を実行するステップでは、前記ゲームにおいて、前記一部のユーザ端末が1台である場合、前記グループが作成された時点の各ユーザ端末の位置情報を記憶し、前記一部のユーザ端末が移動した方向及び距離と同一の方向及び距離を各ユーザ端末も移動したものとみなす、
情報処理方法。
【請求項5】
位置情報を利用する処理を実行するコンピュータに、
複数のユーザを含むグループを管理するステップと、
前記グループに含まれる前記複数のユーザの各々が利用するユーザ端末の中から選択される一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて、前記グループで行う処理を実行するステップと、
を実行させ
、
前記処理は、前記一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて前記グループで行うゲームに関する処理を含み、
前記処理を実行するステップでは、前記ゲームにおいて、前記一部のユーザ端末が1台である場合、前記グループが作成された時点の各ユーザ端末の位置情報を記憶し、前記一部のユーザ端末が移動した方向及び距離と同一の方向及び距離を各ユーザ端末も移動したものとみなす、
プログラム。
【請求項6】
位置情報を利用する処理を実行するサーバとユーザ端末とを含むシステムであって、
前記サーバは、
複数のユーザを含むグループを管理する管理部と、
前記グループに含まれる前記複数のユーザの各々が利用するユーザ端末の中から選択される一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて、前記グループで行う処理を実行する処理部と、
を有し、
前記処理は、前記一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて前記グループで行うゲームに関する処理を含み、
前記処理部は、前記ゲームにおいて、前記一部のユーザ端末が1台である場合、前記グループが作成された時点の各ユーザ端末の位置情報を記憶し、前記一部のユーザ端末が移動した方向及び距離と同一の方向及び距離を各ユーザ端末も移動したものとみなす、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、位置情報を用いたゲームが知られている。例えば、特許文献1には、プレイヤ端末の位置情報を利用したゲームについて、ゲームの戦略性を向上させることが可能な技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
位置情報を利用するゲームの場合、ゲームに参加する各端末が、GPS等を用いて位置情報を取得し続ける必要がある。しかしながら、バッテリーの残量が少ない端末の場合、位置情報を取得し続けることで、バッテリー切れによりゲームの参加が困難になる可能性がある。同様の課題は、ゲームに限らず、位置情報を利用する処理全般に生じ得る。
【0005】
そこで、本発明は、位置情報を利用する処理において、端末の消費電力を削減することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、位置情報を利用する処理を実行する情報処理装置であって、複数のユーザを含むグループを管理する管理部と、前記グループに含まれる前記複数のユーザの各々が利用するユーザ端末の中から選択される一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて、前記グループで行う処理を実行する処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、位置情報を利用する処理において、端末の消費電力を削減することが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図3】サーバ及び端末のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】サーバの機能ブロック構成例を示す図である。
【
図5】ユーザ管理DB及び予想者管理DBの一例を示す。
【
図7】ゲームシステムが行う処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。以下の説明では、本実施形態を、位置情報を利用するゲームに適用する前提で説明するが、本実施形態の適用対象がゲームに限定されることを意図しているのではない。本実施形態は、SNS、メッセンジャー、グループチャット、地図上での位置表示など、位置情報を利用する処理であれば、あらゆる処理に適用することができる。
【0010】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示すゲームシステム1は、サーバ10と、1以上の端末20とを備える。サーバ10及び端末20は、インターネットやイントラネット、無線LAN、移動通信等の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。サーバ10及び端末20は、情報処理装置と称されてもよい。
【0011】
サーバ10は、1又は複数の物理的なサーバ等から構成されていてもよいし、ハイパーバイザー(hypervisor)上で動作する仮想的なサーバを用いて構成されていてもよいし、クラウドサーバを用いて構成されていてもよい。
【0012】
端末20(ユーザ端末)は、ユーザが利用する端末であり、ユーザは、端末20を操作することでゲームをプレイすることができる。端末20は、例えば、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。以下の説明において、ユーザの位置とは、ユーザが利用する端末20の位置を意味する。
【0013】
図2は、サーバ10が提供するゲームの一例を示す図である。サーバ10は、位置情報を利用し、複数のユーザがグループを組んでプレイすることができるゲームを提供する。サーバ10が提供するゲームはどのようなゲームであってもよい。例えば、現在位置が近いユーザ同士でグループを組み、グループでモンスターと戦うゲームや、特定の位置で発生するイベントをグループでクリアするゲーム等が考えられる。
図2は、ユーザU03が、ユーザU03の近くにいるユーザU01及びユーザU02とグループを組んで、ボス(Boss)キャラクターと対戦するゲームのイメージを示している。
【0014】
本実施形態では、サーバ10は、グループで行う処理(例えば上述のボスキャラクターとの対戦等)を実行する場合、グループに含まれる複数のユーザの端末20の中から選択される一部の端末20(以下、「位置通知端末」と言う。)により取得された位置情報を用いて処理を実行する。これにより、一部の端末20以外の端末20は、位置情報を取得してサーバ10に通知する必要がないため、端末20の消費電力を削減することが可能になる。
【0015】
<ハードウェア構成>
図3は、サーバ10及び端末20のハードウェア構成例を示す図である。サーバ10及び端末20は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサ11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカ等である。
【0016】
<機能ブロック構成>
図4は、サーバ10の機能ブロック構成例を示す図である。サーバ10は、記憶部100と、管理部101と、選択部102と、出力部103と、ゲーム処理部104とを含む。記憶部100は、サーバ10が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、管理部101と、選択部102と、出力部103と、ゲーム処理部104とは、サーバ10のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0017】
記憶部100は、ユーザに関する各種情報を管理するユーザ管理DB100aと、グループに関する各種情報を管理するグループ管理DB100bとを記憶する。
【0018】
図5のAにユーザ管理DB100aの一例を示し、
図5のBにグループ管理DB100bの一例を示す。ユーザ管理DB100aの「ユーザID」には、サーバ10内でユーザを一意に識別するための識別子が格納される。「ニックネーム」には、ユーザ登録時にユーザが入力したニックネームが格納される。「位置情報」には、ユーザが利用する端末20から通知された位置情報が格納される。
【0019】
グループ管理DB100bの「グループID」には、サーバ10内でグループを一意に識別するための識別子が格納される。「参加ユーザ」には、グループに含まれるユーザのユーザIDが格納される。「ホストユーザ」には、グループへの参加を募集したユーザのユーザIDが格納される。「位置情報通知ユーザ」には、位置通知端末を利用するユーザのユーザIDが格納される。「位置情報通知ユーザ」には、複数のユーザIDが格納されてもよい。
【0020】
管理部101は、複数のユーザを含むグループの作成及び管理を行う。例えば、管理部101は、グループに参加するユーザをグループ管理DB100bに格納し、グループから抜けるユーザをグループ管理DB100bから削除することで、グループを管理する。また、管理部101は、選択部102にて、位置通知端末が選択された際、グループ管理DB100bの「位置情報通知ユーザ」に、位置通知端末を利用するユーザのユーザIDを格納する。
【0021】
選択部102は、同一グループに含まれる複数のユーザの端末20の中から、所定アルゴリズムに従って、位置通知端末を選択する。選択部102は、位置通知端末を自ら選択するようにしてもよいし、端末20から位置通知端末を選択した結果の通知を受けることで、端末20と連携して位置通知端末を選択するようにしてもよい。
【0022】
出力部103は、ゲームに関する各種の画面を、端末20の画面に表示させるための情報を出力する。また、出力部103は、グループに含まれる各ユーザの位置を地図上に重ねた画像を、端末20の画面に表示させるための情報を出力する。
【0023】
ゲーム処理部104は、ゲームの実行に関する各種の処理のうちサーバ10側で行うべき処理を行う。また、ゲーム処理部104は、グループに含まれる各ユーザが利用するユーザ端末の中から選択される一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて、グループで行う処理(所定処理)を実行する。
【0024】
また、ゲーム処理部104は、複数のユーザがグループを組んでいない場合、当該複数のユーザが利用する端末20の各々で取得された位置情報を用いて、グループで行う処理を実行するようにしてもよい。また、ゲーム処理部104は、複数のユーザがグループを組んだ場合、グループ内の一部のユーザの端末20により取得された位置情報を用いて、グループで行う処理を実行するようにしてもよい。また、ゲーム処理部104は、複数のユーザがグループを組んだ後であっても、所定の条件を満たす場合(特定のイベントが起動される場合等)は、グループを組んだ各ユーザの端末20により取得された位置情報を用いて、グループで行う処理を実行するようにしてもよい。
【0025】
図6は、端末20の機能ブロック構成例を示す図である。端末20は、ゲーム処理部201と、選択部202と、位置取得部203とを含む。ゲーム処理部201と、選択部202と、位置取得部203とは、端末20のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0026】
ゲーム処理部201は、ゲームの実行に関する各種の処理のうち、端末20側で実行すべき処理を行う。また、ゲーム処理部201は、位置取得部203で取得された端末20の現在位置を示す位置情報をサーバ10に送信する。
【0027】
選択部202は、グループに含まれる複数のユーザの端末20の中から位置通知端末を選択する。また、選択部202は、ユーザから、位置情報を通知するユーザの指定を受け付けることで、位置通知端末を選択するようにしてもよい。また、位置通知端末の選択をサーバ10側で行う場合、端末20に選択部202は実装されていなくてもよい。
【0028】
位置取得部203は、GPS等を利用し、端末20の現在位置を取得する。
【0029】
<処理手順>
図7は、ゲームシステム1が行う処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図7において、ユーザU01、ユーザU02及びユーザU03が利用する端末20を、それぞれ、端末20-1、端末20-2及び端末20-3と記載する。
【0030】
以下、ゲームに参加する複数のユーザのうち、ユーザU01、ユーザU02及びユーザU03のユーザがグループを組んだ後、これらのユーザの端末20の中から位置通知端末の選択が行われ、選択された位置通知端末が、サーバ10に位置情報を通知するまでの一連の処理を説明する。
【0031】
ステップS100~ステップS102で、端末20-1、端末20-2及び端末20-3は、GPS等を用いて現在位置を測定し、所定の周期等のタイミングで現在位置を示す情報をサーバ10に送信する。
【0032】
ステップS103で、ゲームに参加する複数のユーザの間でグループの作成が行われる。グループの作成は、グループへの参加を募集したユーザ(以下、「ホストユーザ」と言う。)を中心とした所定範囲に存在するユーザが、グループへの参加を承諾することで行われることとしてもよい。つまり、サーバ10の管理部101は、ホストユーザ以外のユーザの位置が、ホストユーザの位置から所定範囲に含まれる場合に、ホストユーザ以外のユーザとホストユーザとを含むグループを作成することとしてもよい。
【0033】
図2を用いて具体例を説明する。
図2の例では、ユーザU03を中心とした所定範囲(点線で囲まれた円の中)にユーザU01及びユーザU02が存在する。この状況において、端末20-3のゲーム処理部201は、ユーザU03の画面操作により、グループへの参加を募集することの指示を受けたことをサーバ10に通知する。サーバ10の管理部101は、ユーザ管理DB100aの「位置情報」を検索することで、ユーザU03を中心とした所定範囲に存在するユーザを特定する。また、管理部101は、特定したユーザU01の端末20-1及びユーザU02の端末20-2の画面に、グループへの参加を承諾するか否かの選択を受け付ける画面を表示させる。端末20-1及び端末20-2のゲーム処理部201は、ユーザU01及びユーザU02から、グループへの参加を承諾するとの選択を受け付けると、グループへの参加を承諾することを示すメッセージをサーバ10に送信する。サーバ10の管理部101は、グループへの参加を承諾したユーザのユーザIDを、グループ管理DBの「参加ユーザ」に格納する。なお、管理部101は、ホストユーザを中心とした所定範囲に存在し、かつホストユーザが指定したユーザが、グループへの参加を承諾した場合に、ホストユーザと当該グループへの参加を承諾したユーザとを含むグループを作成することとしてもよい。
図7に戻り説明を続ける。
【0034】
ステップS104で、サーバ10の選択部102は、グループに含まれる複数のユーザの中から、位置通知端末を選択する。また、選択部102は、選択された位置通知端末に対し、位置通知端末として選択されたことを通知する。
【0035】
ここで、選択された位置通知端末は、複数のユーザの各々が利用する端末20の中で、バッテリー残量が最も多い端末20から順に所定数の端末20を含んでいてもよい。所定数は特に限定されないが、例えば「1」でもよいし「2」でもよい。
【0036】
また、位置通知端末は、複数のユーザの各々が利用する端末20のうちバッテリー残量が所定量以上である端末を含んでいてもよい。例えば、端末20-1、端末20-2及び端末20-3のうち端末20-1のバッテリー残量のみが所定量以上である場合、選択部102は、端末20-1を位置通知端末として選択する。
【0037】
また、位置通知端末は、ホストユーザの端末20を含むようにしてもよい。
【0038】
また、位置通知端末の選択は、所定時間ごとに繰り返し行われるようにしてもよい。例えば、バッテリー残量が所定量以上である端末20を位置通知端末として選択する場合、サーバ10の選択部102は、所定時間ごとに各端末20からバッテリー残量を報告させ、報告されたバッテリー残量に基づいて位置通知端末を更新するようにしてもよい。これにより、位置通知端末の切り替えが行われることから、グループ内の各端末20のバッテリー残量を平均化することができる。
【0039】
また、位置通知端末の選択を所定時間ごとに繰り返し行う場合、選択部102は、位置通知端末のバッテリー残量に応じて所定時間の長さを変更するようにしてもよい。例えば、グループ内の他の端末20よりもバッテリー残量が少しだけ多い端末20が位置通知端末である場合と、グループ内の他の端末20よりもバッテリー残量が大幅に多い端末20が位置通知端末である場合とでは、後者の方が、所定時間が長くなるようにしてもよい。位置通知端末の選択処理を行う頻度が減るため、端末20及びサーバ10の消費電力を削減することができる。
【0040】
ステップS105で、サーバ10のゲーム処理部104と、端末20-1、端末20-2及び端末20-3のゲーム処理部201とが連携して、グループで行うゲームに関する処理を開始する。なお、ステップS104の処理手順では、端末20-2が、位置通知端末として選択されたものとする。
【0041】
ステップS106で、グループによるゲームが実行されている間、端末20-2の位置取得部203は、GPS等を用いて現在位置を測定し、所定の周期等のタイミングで現在位置を示す情報をサーバ10に送信する。
【0042】
ステップS107及びステップS108で、サーバ10のゲーム処理部104は、グループ内で現在位置を共有する必要がある場合、端末20-2から通知された現在位置を端末20-1及び端末20-3に通知するようにしてもよい。なお、ステップS107及びステップS108の処理手順は、サーバ10を介さずに端末20間で直接行われるようにしてもよい。例えば、グループを作成する際に、端末20-1、端末20-2及び端末20-3の間で、近距離通信を用いたコネクションを確立しておくようにしてもよい。また、端末20-2は、取得した現在位置を、当該コネクションを用いて端末20-1及び端末20-3に通知するようにしてもよい。
【0043】
サーバ10のゲーム処理部104は、ステップS107の処理手順で端末20-2から通知された位置情報を用いて、グループで行うゲームに関する処理を実行する。
【0044】
ここで、グループで行うゲームにおいて、ゲーム処理部104は、位置通知端末から通知された現在位置を、グループに含まれる各端末20の現在位置(以下、「グループの位置」と言う。)とみなすようにしてもよい。すなわち、グループに含まれる各端末20の現在位置は同一であるとしてもよい。この場合において、位置通知端末として複数の端末20が選択されている場合、ゲーム処理部104は、各位置通知端末から通知された複数の現在位置の中心点を、グループの位置とみなすようにしてもよい。中心点の位置は、例えば、各位置通知端末から通知された緯度の合計値及び経度の合計値を、位置通知端末の台数で割ることで算出することができる。
【0045】
また、ゲーム処理部104は、位置通知端末が1台である場合、グループが作成された時点の各端末20の位置情報を記憶しておき、位置通知端末が移動した方向及び距離と同一の方向及び距離を各端末も移動したものとみなすようにしてもよい。すなわち、位置通知端末の移動に伴い、グループ内の各端末20が、グループが作成された時点の位置関係を保ったまま平行移動することとしてもよい。
【0046】
ゲーム実行中、サーバ10の出力部103は、各端末20の現在位置を示す地図を、各端末20の画面に表示させるようにしてもよい。例えば、出力部103は、複数のユーザがグループを組んでいない場合、地図上に表示する複数のユーザの各々の位置を、複数の端末20の各々で取得された位置情報に基づき決定するようにしてもよい。
図8に地図の表示例を示す。
図8の左は、グループを組む前の地図の表示例である。
図8の左に示すように、グループを組む前は、ユーザU01~U03の位置を示すアイコンは、端末20-1~20-3の現在位置に表示される。また、出力部103は、複数のユーザがグループを組んだ場合、複数のユーザの各々の位置を、位置取得端末により取得された位置情報に基づき決定するようにしてもよい。
図8の右は、グループを組んだ後、位置通知端末から通知された現在位置をグループの位置とみなす場合における地図の表示例である。グループを組んだ後、ユーザU01~U03の位置を示すアイコンは、端末20-2の現在位置に重ねて表示される。
図7に戻り説明を続ける。
【0047】
位置情報を用いたゲームには、グループに含まれる各ユーザの位置情報が所定の範囲に含まれる場合に実行可能なゲーム(以下、「位置限定ゲーム」と言う。)が含まれていてもよい。この場合、ゲーム処理部104は、位置通知端末により取得された位置情報が当該所定の範囲に含まれる場合に、グループに対し又はグループに含まれる各端末20に対し、位置限定ゲームの実行を許可するようにしてもよい。これにより、グループに含まれる各ユーザは、位置通知端末が所定の範囲に存在する限り、位置限定ゲームをプレイすることができる。
【0048】
また、ゲーム処理部104は、位置通知端末が選択された後であっても、例外的に、グループに含まれる各ユーザの端末20に現在位置を取得させ、各端末20に取得させた各位置情報が当該所定の範囲に含まれる場合に、グループに対し又はグループに含まれる各端末20に対し、位置限定ゲームの実行を許可するようにしてもよい。例えば、ゲーム処理部104は、位置通知端末が所定の範囲に存在することを確認した場合、グループに含まれる位置通知端末以外の端末20に、位置情報を通知するように指示する。また、当該指示を受けた端末20は、現在位置を取得してサーバ10に通知する。これにより、グループに含まれる各ユーザが位置限定ゲームをプレイするためには、各ユーザの端末20が所定の範囲に存在する必要があることから、位置限定ゲームの起動判定を、より厳密に行うことができる。
【0049】
管理部101は、グループが作成されてから所定時間が経過した後、グループに含まれる位置通知端末以外の端末20に、現在位置を通知するように指示するようにしてもよい。管理部101は、当該指示によりグループに含まれる各端末20から取得した位置情報が、グループの位置から所定範囲に含まれない場合、位置情報が所定範囲に含まれない端末20のユーザを、グループから除外するようにしてもよい。
【0050】
<まとめ>
以上説明した実施形態によれば、グループに含まれる複数のユーザの端末20のうち、一部の端末20に位置情報を取得させ、取得した位置情報をグループ内で共有するようにした。これにより、位置情報を利用する処理において、端末の消費電力を削減することが可能になる。
【0051】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0052】
<付記>
<付記1>
位置情報を利用する処理を実行する情報処理装置であって、
複数のユーザを含むグループを管理する管理部と、
前記グループに含まれる前記複数のユーザの各々が利用するユーザ端末の中から選択される一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて、前記グループで行う処理を実行する処理部と、
を有する情報処理装置。
【0053】
付記1によれば、位置情報を用いてグループで行う処理を実行する場合、端末の消費電力を削減することが可能になる。
【0054】
<付記2>
前記処理部は、
前記複数のユーザが前記グループを組んでいない場合、前記複数のユーザが利用するユーザ端末の各々で取得された位置情報を用いて、所定処理を実行し、
前記複数のユーザが前記グループを組んだ場合、前記一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて、前記グループで行う処理を実行する、
付記1に記載の情報処理装置。
【0055】
付記2によれば、グループを組んだ後で位置情報を用いてグループで行う処理を実行する場合、端末の消費電力を削減することが可能になる。
【0056】
<付記3>
前記一部のユーザ端末は、前記複数のユーザの各々が利用するユーザ端末の中で、バッテリー残量が最も多いユーザ端末から順に所定数のユーザ端末を含む、
付記1又は2に記載の情報処理装置。
【0057】
付記3によれば、バッテリー残量が少ない端末の電力消費を抑制することが可能になる。
【0058】
<付記4>
前記一部のユーザ端末は、前記複数のユーザの各々が利用するユーザ端末のうちバッテリー残量が所定量以上であるユーザ端末を含む、
付記1又は2に記載の情報処理装置。
【0059】
付記4によれば、バッテリー残量が少ない端末の電力消費を抑制することが可能になる。
【0060】
<付記5>
前記一部のユーザ端末の選択は、所定時間ごとに繰り返し行われる、
付記1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0061】
付記5によれば、各端末20のバッテリー消費量を平均化することが可能になる。
【0062】
<付記6>
前記一部のユーザ端末は、前記複数のユーザの各々が利用するユーザ端末の中で、前記グループへの参加を募集したホストユーザのユーザ端末を含む、
付記1又は2のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0063】
付記6によれば、グループを組むことを提案したユーザの端末20以外の各端末20のバッテリー消費量を削減することが可能になる。
【0064】
<付記7>
前記管理部は、前記ホストユーザ以外のユーザの位置が、前記ホストユーザの位置から所定範囲に含まれる場合に、前記グループを作成する、
付記6に記載の情報処理装置。
【0065】
付記7によれば、位置が近いユーザ同士でグループを組むことが可能になる。
【0066】
<付記8>
前記管理部は、所定時間が経過した後、前記複数のユーザが利用するユーザ端末の各々から取得した位置情報が、前記グループの位置から所定範囲に含まれない場合、位置情報が前記所定範囲に含まれないユーザ端末のユーザを、前記グループから除外する、
付記1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0067】
付記8によれば、グループを組むことが可能な範囲から遠ざかったユーザについては、グループから除外されることから、グループ内における各端末の位置情報の精度を担保することが可能になる。
【0068】
<付記9>
前記処理部は、前記一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて前記グループで行うゲームに関する処理を実行する、
付記1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0069】
付記9によれば、位置情報を用いてグループで行うゲームを実行することが可能になる。
【0070】
<付記10>
前記ゲームは、複数のユーザからなるグループにおける該複数のユーザの各々の位置情報が、所定の範囲に含まれる場合に実行可能な位置限定ゲームを含み、
前記処理部は、前記グループに含まれる前記複数のユーザの各々により取得された複数の位置情報の各々が前記所定の範囲に含まれる場合、前記グループに対し、前記位置限定ゲームの実行を許可する、
付記9に記載の情報処理装置。
【0071】
付記10によれば、グループ内の各ユーザの端末20が位置限定ゲームを実行可能な範囲に位置する場合に、位置限定ゲームの実行が許可されることから、位置限定ゲームの実行可否を判定する際の判定精度を高めることが可能になる。
【0072】
<付記11>
前記ゲームは、複数のユーザからなるグループにおける該複数のユーザの各々の位置情報が、所定の範囲に含まれる場合に実行可能な位置限定ゲームを含み、
前記処理部は、前記一部のユーザ端末により取得された位置情報が前記所定の範囲に含まれる場合、前記グループに対し、前記位置限定ゲームの実行を許可する、
付記9に記載の情報処理装置。
【0073】
付記11によれば、グループ内の各ユーザの端末20うち一部のユーザの端末20が位置限定ゲームを実行可能な範囲に存在しているか否かにより位置限定ゲームの実行可否を判定するので、端末20の消費電力を削減しつつ、位置限定ゲームの実行可否を判定することが可能になる。
【0074】
<付記12>
前記グループに含まれる前記複数のユーザの各々の位置を地図上に重ねた画像を表示させるための情報を出力する出力部、を有し、
前記出力部は、
前記複数のユーザが前記グループを組んでいない場合、前記複数のユーザの各々の位置を、前記複数のユーザが利用するユーザ端末の各々で取得された位置情報に基づき決定し、
前記複数のユーザが前記グループを組んだ場合、前記複数のユーザの各々の位置を、前記一部のユーザ端末により取得された位置情報に基づき決定する、
付記1~11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0075】
付記12によれば、各ユーザの位置を地図に表示する際、グループ内の一部のユーザの端末20から取得した位置情報を利用するので、端末20の消費電力を削減しつつ、各ユーザの位置を地図に表示することが可能になる。
【0076】
<付記13>
位置情報を利用する処理を実行する情報処理装置が行う情報処理方法であって、
複数のユーザを含むグループを管理するステップと、
前記グループに含まれる前記複数のユーザの各々が利用するユーザ端末の中から選択される一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて、前記グループで行う処理を実行するステップと、
を有する情報処理方法。
【0077】
付記13によれば、位置情報を用いてグループで行う処理を実行する場合、端末の消費電力を削減することが可能になる。
【0078】
<付記14>
位置情報を利用する処理を実行するコンピュータに、
複数のユーザを含むグループを管理するステップと、
前記グループに含まれる前記複数のユーザの各々が利用するユーザ端末の中から選択される一部のユーザ端末により取得された位置情報を用いて、前記グループで行う処理を実行するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【0079】
付記14によれば、位置情報を用いてグループで行う処理を実行する場合、端末の消費電力を削減することが可能になる。
【符号の説明】
【0080】
1…ゲームシステム、10…サーバ、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…端末、100…記憶部、100a…ユーザ管理DB、100b…グループ管理DB、101…管理部、102…選択部、103…出力部、104…ゲーム処理部、201…ゲーム処理部、202…選択部、203…位置取得部