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特許7419663音量制御装置、音量制御システム、音量制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】音量制御装置、音量制御システム、音量制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20240116BHJP
   H04R 3/04 20060101ALI20240116BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20240116BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
H04R3/00 310
H04R3/04
G10K15/04 302F
B60R11/02 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019055296
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020156049
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-10-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】宮森 祐之
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-163713(JP,A)
【文献】特開2005-280425(JP,A)
【文献】特開平05-305847(JP,A)
【文献】特開2002-344268(JP,A)
【文献】特開2007-234151(JP,A)
【文献】特開平05-198036(JP,A)
【文献】特開2005-280580(JP,A)
【文献】特開2000-047671(JP,A)
【文献】特開2011-097268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00- 3/14
G10K 15/04
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置情報と現在時刻情報とを取得する位置時刻情報取得部と、
車両の周囲の音を収音する収音部と、
前記現在位置情報に基づいて前記車両の現在位置がオーディオ装置の音量を制御すべき場所であるか否か、または前記現在時刻情報に基づいて現在時刻が前記オーディオ装置の音量を制御すべき時間帯であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって、前記車両の現在位置が前記オーディオ装置の音量を制御すべき場所または時間帯であると判定された場合に、前記オーディオ装置が出力する音の周波数帯域の内、車両周囲音とは異なる周波数帯域の音量を下げる音量制御部と、
を備える、音量制御装置。
【請求項2】
前記車両の車両情報を取得する車両情報取得部を備え、
前記音量制御部は、前記車両情報取得部によって、前記車両の窓が開けられたことを示す情報が取得された場合に、前記オーディオ装置の音量を制御する、
請求項1に記載の音量制御装置。
【請求項3】
前記音量制御部は、前記オーディオ装置の音量を所定の音量まで徐々に低下させる、
請求項1または2に記載の音量制御装置。
【請求項4】
前記音量制御部は、前記オーディオ装置が再生する音のうち、高音の帯域よりも低音の帯域の音の音量をさらに低下させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の音量制御装置。
【請求項5】
放送音声の音声データを記憶する記憶部をさらに備え、
前記オーディオ装置が放送音声を出力し、かつ前記音量制御部によって前記オーディオ装置の出力がミュートされた場合に、前記放送音声の音声データを前記記憶部に記憶する記憶制御部と、
前記オーディオ装置の出力のミュートが解除された場合に、前記オーディオ装置の出力がミュートされていた間に前記記憶部に記憶された前記音声データを再生する再生制御部と、を備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の音量制御装置。
【請求項6】
前記オーディオ装置が記憶媒体に記録された楽曲を出力し、かつ前記音量制御部によって前記オーディオ装置の出力がミュートされた場合、
前記再生制御部は、前記オーディオ装置の出力のミュートが解除された場合に、前記楽曲の最初から再生を開始する、
請求項5に記載の音量制御装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の音量制御装置と、
前記オーディオ装置と、
を含む、音量制御システム。
【請求項8】
車両の現在位置情報と現在時刻情報とを取得する位置時刻情報取得ステップと、
車両の周囲の音を吸音する吸音ステップと、
前記現在位置情報に基づいて前記車両の現在位置がオーディオ装置の音量を制御すべき場所であるか否か、または前記現在時刻情報に基づいて現在時刻が前記オーディオ装置の音量を制御すべき時間帯であるか否かを判定する判定ステップと、
前記車両の現在位置が前記オーディオ装置の音量を制御すべき場所または時間帯であると判定された場合に、前記オーディオ装置が出力する音の周波数帯域の内、車両周囲音とは異なる周波数帯域の音量を下げる音量制御ステップと、
を含む、音量制御方法。
【請求項9】
車両の現在位置情報と現在時刻情報とを取得する位置時刻情報取得ステップと、
車両の周囲の音を吸音する吸音ステップと、
前記現在位置情報に基づいて前記車両の現在位置がオーディオ装置の音量を制御すべき
場所であるか否か、または前記現在時刻情報に基づいて現在時刻が前記オーディオ装置の音量を制御すべき時間帯であるか否かを判定する判定ステップと、
前記車両の現在位置が前記オーディオ装置の音量を制御すべき場所または時間帯であると判定された場合に、前記オーディオ装置が出力する音の周波数帯域の内、車両周囲音とは異なる周波数帯域の音量を下げる音量制御ステップと、
を音量制御装置として動作するコンピュータに実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音量制御装置、音量制御システム、音量制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車載用のオーディオ装置において、音量を自動制御する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ドライブスルーを利用する際に、車載用オーディオ装置の音量を減衰またはゼロにする音量制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-340871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車載用のオーディオ装置で音楽などを再生している際に、車内の音が車外に漏れて迷惑をかけるおそれがある。また、迷惑をかける度合いは場所や時間帯によって異なる。そのため、場所や時間帯に応じてオーディオ装置の音量を適切に自動制御することが望まれる。
【0006】
本発明は、場所や時間帯に応じてオーディオ装置の音量を自動制御することができる音量制御装置、音量制御システム、音量制御方法、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の音量制御装置は、車両の現在位置情報と現在時刻情報とを取得する位置時刻情報取得部と、前記現在位置情報に基づいて前記車両の現在位置がオーディオ装置の音量を制御すべき場所であるか否か、または前記現在時刻情報に基づいて現在時刻が前記オーディオ装置の音量を制御すべき時間帯であるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって、前記車両の現在位置が前記オーディオ装置の音量を制御すべき場所または時間帯であると判定された場合に、前記オーディオ装置の音量を制御する音量制御部と、を備える。
【0008】
本発明の音量制御システムは、本発明の音量制御装置と、前記オーディオ装置と、を含む。
【0009】
本発明の音量制御方法は、車両の現在位置情報と現在時刻情報とを取得する位置時刻情報取得ステップと、前記現在位置情報に基づいて前記車両の現在位置がオーディオ装置の音量を制御すべき場所であるか否か、または前記現在時刻情報に基づいて現在時刻が前記オーディオ装置の音量を制御すべき時間帯であるか否かを判定する判定ステップと、前記車両の現在位置が前記オーディオ装置の音量を制御すべき場所または時間帯であると判定された場合に、前記オーディオ装置の音量を制御する音量制御ステップと、を含む。
【0010】
本発明のプログラムは、車両の現在位置情報と現在時刻情報とを取得する位置時刻情報取得ステップと、前記現在位置情報に基づいて前記車両の現在位置がオーディオ装置の音量を制御すべき場所であるか否か、または前記現在時刻情報に基づいて現在時刻が前記オーディオ装置の音量を制御すべき時間帯であるか否かを判定する判定ステップと、前記車両の現在位置が前記オーディオ装置の音量を制御すべき場所または時間帯であると判定された場合に、前記オーディオ装置の音量を制御する音量制御ステップと、を音量制御装置として動作するコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、場所や時間帯に応じてオーディオ装置の音量を自動制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施形態に係る音量制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る音量制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本発明の実施形態に係る音量制御処理の第一変形例の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施形態に係る音量制御処理の第二変形例の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の実施形態に係る音量制御処理の第三変形例の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施形態に係る音声記録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施形態に係る楽曲再生処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。
【0014】
[第一実施形態]
図1を用いて、本発明の実施形態に係る音量制御システム1の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る音量制御システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
音量制御システム1は、GPS(Global Positioning System)受信部10と、オーディオ装置20と、記憶部30と、制御部(音量制御装置)40とを備える。音量制御システム1は、車両に搭載され、車両用のオーディオ装置の音量を制御する。
【0016】
GPS受信部10は、GPS受信回路、GPS受信アンテナなどから構成されており、GPS信号を受信する。GPS受信部10は、受信したGPS信号を位置時刻情報取得部41に出力する。
【0017】
オーディオ装置20は、車両用のオーディオ装置である。オーディオ装置20は、記憶媒体に記憶された楽曲、ラジオの音声などをオーディオ用のスピーカから出力する。
【0018】
記憶部30は、種々のデータを記憶する。記憶部30は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)などで構成されている。記憶部30は、その他の半導体メモリなどで構成されてもよい。記憶部30は、例えば地図情報31と、音声データ32とを記憶する。記憶部30は、例えば制御部40が各機能を実行するためのプログラムを記憶してもよい。
【0019】
地図情報31は、各種の情報を含む地図データである。地図情報31には、例えば車両から外部にオーディオ装置20の音が漏れた場合に、迷惑がかかるおそれのある場所に関する情報が含まれる。このような場所は、例えば住宅街である。地図情報31には、例えばドライブスルー、ガソリンスタンド、有人料金所などのオーディオ装置20から音が出力されていると、スタッフの声が聞きづらくなる場所に関する情報が含まれる。
【0020】
音声データ32は、記憶制御部45によって一時的に記録された音声データである。音声データ32は、例えばオーディオ装置20の出力がミュートされていた間のラジオおよびテレビなどの放送音声の音声データである。
【0021】
制御部40は、各種の処理を実行する。制御部40は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM、ROMなどで構成されている。この場合、ROMには、CPUが各種の機能を実行するためのプログラムが格納されている。CPUは、ROMに格納されたプログラムを読み出し、RAMにデータ領域を確保して実行することで、各種の機能を実行する。制御部40は、位置時刻情報取得部41と、判定部42と、車両情報取得部43と、音量制御部44と、記憶制御部45と、再生制御部46とを備える。
【0022】
位置時刻情報取得部41は、車両の現在位置を示す位置情報と現在時刻を示す時刻情報を取得する。位置時刻情報取得部41は、例えばGPS受信部10からのGPS信号に基づいて位置情報を取得する。位置時刻情報取得部41は、取得した位置情報を判定部42に出力する。
【0023】
判定部42は、位置時刻情報取得部41から受けた位置情報に基づいて、車両の現在位置がオーディオ装置20の音量を制御すべき場所であるか否かを判定する。具体的には、判定部42は、地図情報31を参照し、現在位置と地図情報31とに基づいて、現在位置から特定場所までの距離を算出する。特定場所とは、オーディオ装置20の音が車外に漏れると迷惑がかかる恐れがあるため、オーディオ装置20の音量を制御する必要のある場所のことをいう。例えば、特定場所は、住宅街、ドライブスルー、ガソリンスタンド、有人料金所である。このような特定場所は、記憶部30が記憶している地図情報31に予め関連付けられている。判定部42は、例えば現在位置から特定場所までの距離に基づいて、現在位置がオーディオ装置20の音量を制御すべき場所であるか否かを判定する。例えば、判定部42は、現在位置が住宅街、ドライブスルー、ガソリンスタンド、有人料金所などから所定距離以内(例えば、数十から数百メートル)である場合などに、オーディオ装置20の音量を制御すべき場所であると判定する。
【0024】
判定部42は、位置時刻情報取得部41から受けた時刻情報に基づいて、車両の現在位置における現在時刻がオーディオ装置20の音量を制御すべき時間帯であるか否かを判定する。例えば、判定部42は、現在が夜間である場合に、オーディオ装置20の音量を制御すべき時間帯であると判定する。
【0025】
判定部42は、車両情報取得部43からの車両情報に基づいて、オーディオ装置20の音量を制御すべきか否かを判定してもよい。例えば、判定部42は、オーディオ再生中に窓が開かれた情報を受けた場合に、オーディオ装置20の音量を制御すべきと判定する。
【0026】
判定部42は、判定結果を音量制御部44に出力する。
【0027】
車両情報取得部43は、車両に関する各種の車両情報を取得する。本実施形態では、車両情報取得部43は、車両情報として、例えばオーディオ再生中の窓の開閉動作に関する情報を取得する。車両情報取得部43は、車両情報として、車両の速度、ブレーキ操作、ステアリング操作などを取得してもよい。車両情報取得部43は、例えばCAN(Controller Area Network)を介して、図示しないECU(Electronic Control Unit)から車両情報を取得する。車両情報取得部43は、取得した車両情報を判定部42に出力する。
【0028】
音量制御部44は、判定部42による判定結果に基づいて、オーディオ装置20の音量を制御する。音量制御部44は、例えば判定部42によってオーディオ装置20の音量を制御すべきと判定された場合に、オーディオ装置20の音量を低下させる。この際、音量制御部44は、現在位置から特定場所に近づくに連れて、音量を徐々に低下させることが好ましい。音量制御部44は、例えば現在位置が住宅街であり、かつ時間帯が深夜などの場合にはオーディオ装置20の出力をミュートして音量を0にしてもよい。
【0029】
音量制御部44は、オーディオ装置20が出力する音の周波数帯域によって、音量を下げる度合いを変更してもよい。音量制御部44は、ユーザがオーディオ装置20で音楽を聴いている場合には、例えば高音の帯域の音よりも低音の帯域の音の音量の下げる度合いを大きくしてもよい。
【0030】
音量制御部44は、車両の周囲の雑音に応じて、音の音量を下げる周波数帯域を変更してもよい。例えば、音量制御システム1が図示しないマイクロフォンなどで車両の周囲のノイズを検出した場合、音量制御部44は、検出したノイズとは異なる周波数帯域の音の音量を下げてもよい。
【0031】
記憶制御部45は、オーディオ装置20から出力された音声を記憶部30に記憶する。具体的には、記憶制御部45は、例えばオーディオ装置20でラジオを聴いていた際に、オーディオ装置20の出力が音量制御部44によってミュートされた時に、ミュートされている間のラジオの音声を音声データ32として記憶部30に記憶する記憶処理を開始する。この場合、記憶制御部45は、オーディオ装置20の出力のミュートが解除されると、記憶部30への記憶処理を停止する。
【0032】
再生制御部46は、記憶部30に記憶されている音声データ32を再生する。再生制御部46は、例えばオーディオ装置20の出力のミュートが解除された際に音声データ32を再生する。再生制御部46は、音声データ32を再生した後、その音声データ32を削除してもよい。
【0033】
[音量制御処理]
図2を用いて、本実施形態に係る音量制御処理について説明する。図2は、音量制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0034】
まず、制御部40は、現在位置の位置情報を取得する(ステップS101)。ステップS101においては、GPS受信部10の信号を用いて、現在位置の位置情報の取得処理が開始される。そして、ステップS102に進む。
【0035】
制御部40は、現在位置が特定場所から所定距離以内であるか否かを判定する(ステップS102)。現在位置が特定場所から所定距離以内であると判定された場合(ステップS102のYes)、制御部40は、ステップS103に進む。現在位置が特定場所から所定距離以内でないと判定された場合(ステップS102のNo)、制御部40は、ステップS101に進み上述の処理を実行する。
【0036】
ステップS103において、制御部40は、現在位置から特定場所に近づくに連れてオーディオ装置20の音量を徐々に低下させる(ステップS103)。具体的には、制御部40は、オーディオ装置20の音量を所定の音量まで徐々に低下させる。所定の音量とは、オーディオ装置20の音が車外に漏れない、または漏れたとしても迷惑のかからない音量のことをいう。音量を下げる速度は特に制限はなく、特定場所に到達するまでに下がっていればよい。例えば、制御部40は、車両の速度に応じて、音量を下げる速度を変更してもよい。また、ステップS103においては、制御部40は、音量を所定の音量まで一気に低下させてもよい。そして、ステップS104に進む。
【0037】
制御部40は、オーディオ装置20の音量を下げた後、現在位置の位置情報を取得する(ステップS104)。そして、ステップS105に進む。
【0038】
制御部40は、現在位置が特定場所から所定距離以上であるか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、制御部40は、音量を下げた後、特定場所から離れたか否かを判定する。現在位置が特定場所から所定距離以上であると判定された場合(ステップS105のYes)、制御部40は、ステップS106に進む。現在位置が特定場所から所定距離以上でないと判定された場合(ステップS105のNo)、制御部40は、ステップS104に進み上述の処理を実行する。
【0039】
ステップS106において、制御部40は、オーディオ装置20の音量を元の音量に戻す(ステップS106)。具体的には、制御部40は、オーディオ装置20の音量を、音量を低下させる直前の音量に戻す。この時、制御部40は、徐々に音量を上げてもよいし、一気に音量を上げてもよい。そして、図2の処理は終了する。
【0040】
[第一変形例]
図3を用いて、本実施形態に係る音量制御処理の第一変形例について説明する。図3は、音量制御処理の第一変形例の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0041】
例えば、図3に示すように、特定場所で一時停止する場合などにおいては、オーディオ装置20の出力をミュートして音量を0としてもよい。
【0042】
ステップS201からステップS203と、ステップS208と、ステップS209とについては、それぞれ、図2に図示のステップS101からステップS103と、ステップS104と、ステップS105と同様なので、説明は省略する。
【0043】
オーディオ装置20の音量を低下した後、制御部40は、車両の停止を検出する(ステップS204)。具体的には、制御部40は、CANを介して取得した車両情報などから車両の停止を検出する。そして、ステップS205に進む。
【0044】
制御部40は、オーディオ装置20の出力をミュートする(ステップS205)。そして、ステップS206に進む。
【0045】
制御部40は、車両が発進したか否かを判定する(ステップS206)。具体的には、制御部40は、CANを介して取得した車両情報などから車両の発進を検出する。車両が発進したと判定された場合(ステップS206のYes)、制御部40は、ステップS207に進む。車両が発進していないと判定された場合(ステップS206のNo)、制御部40は、ステップS206の処理を繰り返す。
【0046】
ステップS207において、制御部40は、オーディオ装置20の出力のミュートを解除する(ステップS207)。ステップS207では、オーディオ装置20に音量は、ステップS203で低下させる前の元の音量に戻る。
【0047】
[第二変形例]
図4を用いて、本実施形態に係る音量制御処理の第二変形例について説明する。図4は、音量制御処理の第二変形例の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0048】
例えば、図4に示すように、特定場所と現在時刻とに基づいてオーディオ装置20の音量を制御してもよい。
【0049】
ステップS301からステップS303と、ステップS306と、ステップS307とについては、それぞれ、図2に図示のステップS101からステップS103と、ステップS104と、ステップS105と同様なので、説明は省略する。
【0050】
ステップS302において、特定場所から所定距離以内であると判定された場合(ステップS302のYes)、制御部40は、ステップS303に進み、現在時刻が所定時刻であるか否かを判定する(ステップS303)。所定時刻とは、早朝や深夜などの、車外にオーディオ装置20の音量が漏れるとより迷惑がかかるおそれがある時間帯のことをいう。現在時刻が所定時刻であると判定された場合(ステップS303のYes)、制御部40は、ステップS304に進む。現在時刻が所定時刻でないと判定された場合(ステップS303のNo)、制御部40は、ステップS305に進む。
【0051】
ステップS304において、制御部40は、オーディオ装置20の出力をミュートする(ステップS304)。そして、ステップS306に進む。
【0052】
ステップS305において、制御部40は、オーディオ装置20の音量を徐々に低下させる(ステップS305)。そして、ステップS306に進む。
【0053】
[第三変形例]
図5を用いて、本実施形態に係る音量制御処理の第三変形例について説明する。図5は、音量制御処理の第三変形例の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0054】
例えば、図5に示すように、車両の窓の状態に基づいてオーディオ装置20の音量を制御してもよい。
【0055】
制御部40は、オーディオ装置20から音が出力されている状況で、車両の窓が開けられたか否かを判定する(ステップS401)。具体的には、制御部40は、CANを介して取得した車両情報に基づいて、車両の窓が開けられたか否かを判定する。窓が開けられたと判定された場合(ステップS401のYes)、制御部40は、ステップS402に進む。窓が開けられていないと判定された場合(ステップS401のNo)、制御部40は、ステップS401の処理を繰り返す。
【0056】
ステップS402において、制御部40は、オーディオ装置20の音量を徐々に低下させる(ステップS402)。そして、ステップS403に進む。
【0057】
制御部40は、窓が閉じられたか否かを判定する(ステップS403)。具体的には、制御部40は、CANを介して取得した車両情報に基づいて、車両の窓が閉じられたか否かを判定する。窓が閉じられたと判定された場合(ステップS403のYes)、制御部40は、ステップS404に進む。
【0058】
制御部40は、オーディオ装置20の音量を元の音量に戻す(ステップS404)。具体的には、制御部40は、オーディオ装置20の音量を、音量を低下させる直前の音量に戻す。
【0059】
[音声記録処理]
図6を用いて、実施形態に係る音声記録処理について説明する。図6は、実施形態に係る音声記録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0060】
図6は、オーディオ装置20でラジオ放送を聴いている時に、オーディオ装置20の出力がミュートされた場合に、ミュートされていた間のラジオの音声を記憶して、ミュートの解除後に記憶されたラジオの音声を再生する処理を示している。
【0061】
制御部40は、オーディオ装置20の出力をミュートする(ステップS501)。そして、ステップS502に進む。
【0062】
制御部40は、ラジオの音声データの記憶を開始し、記憶部30に音声データ32として記憶する(ステップS502)。そして、ステップS503に進む。
【0063】
制御部40は、現在位置が特定場所から所定距離以上であるか否かを判定する(ステップS503)。現在位置が特定場所から所定距離以上であると判定された場合(ステップS503のYes)、制御部40は、ステップS504に進む。現在位置が特定場所から所定距離以上でないと判定された場合(ステップS503のNo)、制御部40は、ステップS503の処理を繰り返す。
【0064】
ステップS504において、制御部40は、ラジオの音声データの記憶部30への記憶を終了する(ステップS504)。そして、ステップS505に進む。
【0065】
制御部40は、記憶部30の音声データ32を再生する(ステップS505)。具体的には、制御部40は、オーディオ装置20の出力がミュートされていた間の、ラジオの音声データを再生する。例えば、ステップS505においては、制御部40は、現在流れているラジオの本放送に追いつくように、音声データ32の再生速度を速めてもよい。そして、制御部40は、ステップS506に進む。
【0066】
制御部40は、音声データ32を再生した後、音声データ32を削除する(ステップS506)。そして、図6の処理は終了する。
【0067】
なお、制御部40は、ステップS504からステップS506の処理を、追っかけ再生に変更してもよい。具体的には、制御部40は、ステップS504の処理を省略し、現在位置が特定場所から所定距離以上となった場合に、音声データ32を倍速など再生速度を速めて再生する。すなわち、制御部40は、音声データ32の再生を開始した時点ではラジオの音声データの記憶を継続する。そして、制御部40は、現在流れているラジオの本放送に追いついた場合にラジオの音声データの記憶と再生とを終了する。制御部40は、ラジオの音声データの記憶と再生とを終了するとともに、音声データ32を削除してもよい。
【0068】
[楽曲再生処理]
図7を用いて、実施形態に係る楽曲再生処理について説明する。図7は、実施形態に係る楽曲再生処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0069】
図7は、オーディオ装置20で記憶媒体に記憶された楽曲を聴いている時に、オーディオ装置20の出力がミュートされて、ミュートが解除された後の楽曲の再生処理を示している。
【0070】
制御部40は、オーディオ装置20の出力をミュートする(ステップS601)。そして、ステップS602に進む。
【0071】
制御部40は、再生されていた楽曲を一時停止する(ステップS602)。そして、ステップS603に進む。
【0072】
制御部40は、現在位置が特定場所から所定距離以上であるか否かを判定する(ステップS603)。現在位置が特定場所から所定距離以上であると判定された場合(ステップ603のYes)、制御部40は、ステップS604に進む。現在位置が特定場所から所定距離以上でないと判定された場合(ステップS603のNo)、制御部40は、ステップS603の処理を繰り返す。
【0073】
ステップS604において、制御部40は、楽曲が停止されたタイミングは所定のタイミングであるか否かを判定する(ステップS604)。所定のタイミングとは、例えばイントロおよびアウトロではないことをいう。例えば、制御部40は、楽曲が停止されたタイミングが楽曲の総再生時間の50%未満である場合に所定のタイミングで停止されたとしてもよい。所定のタイミングを楽曲の総再生時間のパーセンテージで定義する場合、その値はユーザの任意で設定してよい。所定のタイミングで停止されたと判定された場合(ステップS604のYes)、制御部40は、ステップS605に進む。所定のタイミングで停止していないと判定された場合(ステップS604のNo)、制御部40は、ステップS606に進む。
【0074】
ステップS605において、制御部40は、ステップS602で一時停止された楽曲を最初から再生する(ステップS605)。すなわち、ステップS605において、楽曲は停止したタイミングからは再生されず、楽曲の頭から再生する。なお、制御部40は、一時停止されたタイミングが楽曲の終盤(例えば、アウトロ)である場合には、その楽曲をとばして、次の楽曲を再生してもよい。そして、図7の処理を終了する。
【0075】
ステップS606において、制御部40は、ステップS602で一時停止された楽曲を、一時停止された所から再生する(ステップS606)。そして、図7の処理を終了する。
【0076】
上述のとおり、本実施形態は、車両が特定の場所に位置した場合や、特定の時間帯などのオーディオ装置20の音量が車外に漏れた場合に迷惑のかかる状況下において、オーディオ装置20の音量を自動で制御することができる。その結果、自動で音量を低下させることができるので、周囲への迷惑を防止することができる。
【0077】
また、本実施形態では、音量を制御すべき場所において、一時停止する場合や時間帯が深夜である場合などには、オーディオ装置20の出力を自動でミュートに制御することができる。
【0078】
また、本実施形態では自動で音量が低下するので、車両の周囲の音を聞きやすくなる。その結果、本実施形態は、例えば車両に近づいてきた緊急車両のサイレンを聞きやすくなる。
【0079】
本発明に係る音量制御システム1について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0080】
図示した音量制御システム1の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0081】
音量制御システム1の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0082】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0083】
1 音量制御システム
10 GPS受信部
20 オーディオ装置
30 記憶部
31 地図情報
32 音声データ
40 制御部(音量制御装置)
41 位置時刻情報取得部
42 判定部
43 車両情報取得部
44 音量制御部
45 記憶制御部
46 再生制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7