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特許7419686電子デバイス、管理システム、及び表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】電子デバイス、管理システム、及び表示方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240116BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20240116BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20240116BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G09G5/00 555D
G06K19/077 112
G06K19/07 230
G09G5/00 550X
G09G5/02 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019126018
(22)【出願日】2019-07-05
(65)【公開番号】P2021012278
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】仁瓶 広誉
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-010019(JP,A)
【文献】特開2016-171744(JP,A)
【文献】特開平08-033012(JP,A)
【文献】特開2015-104821(JP,A)
【文献】特開2006-030559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
G06K 19/077
G06K 19/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発なメモリ性を有し、3色以上の複数色の表示を行う表示部と、
前記表示部に表示可能であり、1画素を2値情報として表した画像データを記憶する画像記憶部と、
無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部が前記無線通信により前記上位装置から受信した表示要求であって、前記画像記憶部が記憶する前記画像データを指定する画像指定情報と、前記2値情報に対応する色を示す色情報と、画像数と、前記画像を前記表示部に表示する位置を示す表示位置情報とを含む表示要求に応じて、前記画像指定情報に基づいて指定された前記画像データを前記画像記憶部から取得し、取得した前記画像データを、前記色情報に基づく色で、前記表示部に表示させる処理部と
を備え、
前記表示要求は、前記表示部の表示において優先して表示する階層を示すレイヤー情報を含み、
前記処理部は、前記表示部の前記レイヤー情報に応じた前記階層に、前記色情報に基づく色で前記画像データを表示させる
ことを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の電子デバイスと、
工程ごとに配置され、前記電子デバイスが前記工程を通過する際に、前記表示要求を送信して、前記表示部の表示を前記工程に応じて変更させる前記上位装置である複数のリーダライタ装置と
を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項3】
不揮発なメモリ性を有し、3色以上の複数色の表示を行う表示部と、前記表示部に表示可能であり、1画素を2値情報として表した画像データを記憶する画像記憶部と、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部とを備える電子デバイスの表示方法であって、
前記無線通信部が、前記無線通信により前記上位装置から受信した表示要求であって、前記画像記憶部が記憶する前記画像データを指定する画像指定情報と、前記2値情報に対応する色を示す色情報と、画像数と、前記画像を前記表示部に表示する位置を示す表示位置情報とを含む表示要求を、前記無線通信により前記上位装置から受信する受信ステップと、
処理部が、前記受信ステップによって受信した前記表示要求に応じて、前記画像指定情報に基づいて指定された前記画像データを前記画像記憶部から取得し、取得した前記画像データを、前記色情報に基づく色で、前記表示部に表示させる処理ステップと
を含み、
前記表示要求は、前記表示部の表示において優先して表示する階層を示すレイヤー情報を含み、
前記処理ステップにおいて、前記処理部が、前記表示部の前記レイヤー情報に応じた前記階層に、前記色情報に基づく色で前記画像データを表示させる
ことを特徴とする表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイス、管理システム、及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)を用いた電子デバイスが広く使用されている(例えば、特許文献1を参照)。また、このような電子デバイスには、電子ペーパーなどの表示部に、白黒の2色表示の他に、例えば、赤色や黄色などを加えた3色以上の複数色を表示可能なものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-215837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した電子デバイスでは、文字や画像を表示部に表示させる際に、例えば、上位装置からの表示要求に応じて、予め記憶している画像データを読み出して表示部に表示する。しかしながら、上述した電子デバイスでは、3色以上の複数色の表示に対応すると、予め記憶しておく画像データの情報量が増大するため、画像データを記憶するために大容量の記憶部を必要とし、表示できる画像が制限される場合があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、画像データを記憶するための情報量を低減し、表示可能な画像の制限を低減することができる電子デバイス、管理システム、及び表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、不揮発なメモリ性を有し、3色以上の複数色の表示を行う表示部と、前記表示部に表示可能であり、1画素を2値情報として表した画像データを記憶する画像記憶部と、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、前記無線通信部が前記無線通信により前記上位装置から受信した表示要求であって、前記画像記憶部が記憶する前記画像データを指定する画像指定情報と、前記2値情報に対応する色を示す色情報と、画像数と、前記画像を前記表示部に表示する位置を示す表示位置情報とを含む表示要求に応じて、前記画像指定情報に基づいて指定された前記画像データを前記画像記憶部から取得し、取得した前記画像データを、前記色情報に基づく色で、前記表示部に表示させる処理部とを備え、前記表示要求は、前記表示部の表示において優先して表示する階層を示すレイヤー情報を含み、前記処理部は、前記表示部の前記レイヤー情報に応じた前記階層に、前記色情報に基づく色で前記画像データを表示させることを特徴とする電子デバイスである。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記に記載の電子デバイスと、工程ごとに配置され、前記電子デバイスが前記工程を通過する際に、前記表示要求を送信して、前記表示部の表示を前記工程に応じて変更させる前記上位装置である複数のリーダライタ装置とを備えることを特徴とする管理システムである。
【0008】
また、本発明の一態様は、不揮発なメモリ性を有し、3色以上の複数色の表示を行う表示部と、前記表示部に表示可能であり、1画素を2値情報として表した画像データを記憶する画像記憶部と、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部とを備える電子デバイスの表示方法であって、前記無線通信部が、前記無線通信により前記上位装置から受信した表示要求であって、前記画像記憶部が記憶する前記画像データを指定する画像指定情報と、前記2値情報に対応する色を示す色情報と、画像数と、前記画像を前記表示部に表示する位置を示す表示位置情報とを含む表示要求を、前記無線通信により前記上位装置から受信する受信ステップと、処理部が、前記受信ステップによって受信した前記表示要求に応じて、前記画像指定情報に基づいて指定された前記画像データを前記画像記憶部から取得し、取得した前記画像データを、前記色情報に基づく色で、前記表示部に表示させる処理ステップとを含み、前記表示要求は、前記表示部の表示において優先して表示する階層を示すレイヤー情報を含み、前記処理ステップにおいて、前記処理部が、前記表示部の前記レイヤー情報に応じた前記階層に、前記色情報に基づく色で前記画像データを表示させることを特徴とする表示方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像データを記憶するための情報量を低減し、表示可能な画像の制限を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態による電子デバイスの一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態における画像記憶部のデータ例を示す図である。
図3】第1の実施形態における色情報のデータ例を示す図である。
図4】第1の実施形態による電子デバイスの表示コマンドの処理の一例を示すフローチャートである。
図5】第1の実施形態における表示部への表示処理の一例を示す第1の図である。
図6図5に示す表示処理の一例による表示部への表示例を示す図である。
図7】第1の実施形態における表示部への表示処理の一例を示す第2の図である。
図8図7に示す表示処理の一例による表示部への表示例を示す図である。
図9】第2の実施形態による電子デバイスの一例を示すブロック図である。
図10】第2の実施形態におけるレイヤー情報のデータ例を示す図である。
図11】第2の実施形態による電子デバイスの表示コマンドの処理の一例を示すフローチャートである。
図12】第2の実施形態における表示部への表示処理の一例を示す図である。
図13】第3の実施形態による生産管理システムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態による電子デバイス、管理システム、及び表示方法について、図面を参照して説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態による電子デバイス1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、電子デバイス1は、無線通信部11と、表示部12と、記憶部13と、制御部14とを備える。
【0013】
電子デバイス1は、例えば、RFIDタグやコンタクトレスICカード、エッジデバイスなどの電子機器であり、例えば、リーダライタ2からが送信したコマンド(処理要求)を、無線通信部11を介して受信し、受信したコマンドに応じた処理(コマンド処理)を実行する。そして、電子デバイス1は、コマンド処理の実行結果であるレスポンス(処理応答)を、無線通信部11を介してリーダライタ2に送信(返信)する。
【0014】
リーダライタ2は、上位装置の一例であり、不図示の無線通信部を備え、無線通信により、コマンドを送信し、コマンドに応じた処理を電子デバイス1に実行させる。リーダライタ2は、例えば、表示コマンドを電子デバイス1に送信し、電子デバイス1の表示部12に各種画像を表示させる。
【0015】
無線通信部11は、例えば、NFC(Near Field Communication)などの無線通信によってリーダライタ2(上位装置)との間で通信を行う。無線通信部11は、リーダライタ2から各種コマンドを無線通信によって受信し、受信したコマンドを後述する制御部14に出力する。また、無線通信部11は、制御部14によって処理された各種コマンド処理のレスポンスを、無線通信によってリーダライタ2に送信する。なお、無線通信部11は、リーダライタ2から無線給電により電子デバイス1を動作させる電力を受電するものであってもよい。
【0016】
表示部12は、例えば、電子ペーパーなどであり、不揮発なメモリ性を有する表示を行う。表示部12は、例えば、白黒の2色の他に、赤色や黄色などの色を表示可能である。すなわち、表示部12は、3色以上の複数色の表示に対応する電子ペーパーである。なお、表示部12は、電子ペーパーに文字や画像などの表示データを書き込むドライバ部(不図示)及び表示パネル(不図示)を含むものとする。
【0017】
記憶部13は、電子デバイス1が利用する各種情報を記憶する。記憶部13は、例えば、画像記憶部131を備える。
画像記憶部131は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性メモリで構成され、表示部12に表示可能な画像データを予め記憶する。なお、画像データは、1画素(1ドット(dot))を2値情報(例えば、1ビットの情報)として表したものである。ここで、図2を参照して、本実施形態における画像記憶部131のデータ例について説明する。
【0018】
図2は、本実施形態における画像記憶部131のデータ例を示す図である。
図2に示すように、画像記憶部131は、「画像識別情報」と、「サイズ情報」と、「画像データ」とを対応付けて予め記憶している。ここで、「画像識別情報」は、画像を識別する16進数(ヘキサデシマル)の画像IDを示し、「サイズ情報」は、画像の「横サイズ」及び「縦サイズ」を示している。また、「画像データ」は、表示部12に表示可能な画像のデータであり、1画素(1ドット)を、例えば、“0”又は“1”の2値情報として表現した画像データを示している。
【0019】
例えば、図2に示す例では、「画像識別情報」が“01”に対応する画像の「サイズ情報」は、「横サイズ」が“288”ドットであり、「縦サイズ」が“48”ドットであることを示している。また、「画像識別情報」が“01”に対応する「画像データ」として、“画像Aの画像データ”が画像記憶部131に記憶されていることを示している。
【0020】
図1の説明に戻り、制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、電子デバイス1を統括的に制御する。制御部14は、コマンド処理部141と、表示制御部142とを備える。
【0021】
コマンド処理部141(処理部の一例)は、無線通信部11が無線通信によりリーダライタ2から受信したコマンド(処理要求)を取得し、コマンドに応じた各種コマンド処理を実行する。また、コマンド処理部141は、コマンド処理の実行結果であるレスポンス(処理応答)を、無線通信部11に対して、リーダライタ2に送信(返信)させる。
【0022】
例えば、コマンド処理部141は、無線通信部11が、表示コマンド(表示要求)を無線通信によりリーダライタ2から受信した場合に、表示部12に指定された画像を表示させるコマンド処理を実行する。ここで、表示コマンドには、表示部12への表示位置を示す表示位置情報と、上述した画像指定情報及び色情報とが含まれる。
【0023】
色情報は、上述した1画素(1ドット(dot))を表現する2値情報に対応する色を示す情報で、表示色の種類を指定する情報である。色情報は、例えば、図3に示すように予め設定されているものとする。
【0024】
図3は、本実施形態における色情報のデータ例を示す図である。
図3に示すように、「色情報」と「表示色」とは、予め対応付けられており、例えば、「色情報」が“0x0”である場合に、「表示色」に“白黒”が指定されることを示している。また、「色情報」が“0x1”である場合に、「表示色」に“白赤”が指定されることを示している。ここで、先頭に“0x”が付与された文字列は、16進数(ヘキサデシマル)の表記であることを示す。また、ここでは、「色情報」を4ビットの情報として表す。
【0025】
再び、図1の説明に戻り、コマンド処理部141は、表示位置情報、画像指定情報、及び色情報を含む表示コマンドを受信した場合に、表示コマンドに応じて、まず、画像指定情報に基づいて指定された画像データを画像記憶部131から取得する。すなわち、コマンド処理部141は、受信した画像指定情報に対応する画像データを、画像記憶部131から検索し、画像指定情報に対応する画像データを読み出す。例えば、画像指定情報が“0x01”である場合に、コマンド処理部141は、画像Aのサイズ情報及び画像データを画像記憶部131から読み出す。
【0026】
また、コマンド処理部141は、取得した画像データを、色情報に基づく色で、表示部12に表示させる。コマンド処理部141は、例えば、図3により予め定められた設定に基づいて、色情報に対応する表示色を決定し、当該表示色で、受信した表示位置情報に対応する表示部12の位置に、画像記憶部131から取得した画像データを表示させる。
【0027】
例えば、色情報が、“0x0”である場合に、コマンド処理部141は、表示色を“白黒”で、画像記憶部131から取得した画像データを、受信した表示位置情報に対応する表示部12の位置に表示するように、表示制御部142に依頼する。
【0028】
表示制御部142は、表示部12への表示を制御する。表示制御部142は、例えば、コマンド処理部141からの依頼に基づいて、コマンド処理部141から供給された画像データを指定された表示開始位置から指定された表示色(例えば、白黒、白赤など)で表示させる。
なお、本実施形態において、表示制御部142は、画像データの表示位置が重なった箇所には、後からの表示依頼(表示コマンド)に対応する画像を優先させて表示させる。
【0029】
次に、図面を参照して、本実施形態による電子デバイス1の動作について説明する。
図4は、本実施形態による電子デバイス1の表示コマンドの処理の一例を示すフローチャートである。
【0030】
図4に示すように、電子デバイス1は、まず、コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。すなわち、電子デバイス1の制御部14は、無線通信部11がリーダライタ2からコマンドを受信したか否かを判定する。制御部14は、無線通信部11がコマンドを受信した場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS102に進める。また、制御部14は、無線通信部11がコマンドを受信していない場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS101に戻す。
【0031】
なお、ここでのコマンドを受信した場合とは、1回の電文受信、又はチェイニング(連鎖)による複数回の電文受信により、各コマンドの全電文データを受信しているものとする。
また、表示コマンドは、1回のコマンド処理において、複数の画像を指定して表示可能であり、表示コマンドの電文には、表示コマンドコードと、画像数と、各画像の情報(表示位置情報、画像指定情報、及び色情報)と、表示コマンド終了情報とが含まれるものとする。
【0032】
ステップS102において、制御部14のコマンド処理部141は、リーダライタ2から受信したコマンドが表示コマンドであるか否かを判定する。コマンド処理部141は、リーダライタ2から受信したコマンドが表示コマンドである場合(ステップS102:YES)に、処理をステップS103に進める。また、コマンド処理部141は、リーダライタ2から受信したコマンドが表示コマンドでない(表示コマンド以外のコマンドである)場合(ステップS102:NO)に、処理をステップS110に進める。
【0033】
ステップS103において、コマンド処理部141は、画像のカウント値nに“1”を設定する。
次に、コマンド処理部141は、画像指定情報で指定された画像データを画像記憶部131から画像データを読み出す(ステップS104)。コマンド処理部141は、表示コマンドに含まれるn番目の画像の画像指定情報を画像IDとして、画像IDに対応する画像データを画像記憶部131から検索し、画像IDに対応する画像データ及びサイズ情報を画像記憶部131から読み出す。
【0034】
次に、コマンド処理部141は、画像データを指定された表示部の位置に、色情報で指定された色で表示させる画面データを生成する(ステップS105)。コマンド処理部141は、表示コマンドに含まれるn番目の画像の表示遺著情報に基づく表示位置に、表示コマンドに含まれるn番目の画像の色情報に対応する表示色で(例えば、図3参照)、画像記憶部131から読み出したサイズ情報の示すサイズの画像データを表示するように、表示部12の画面データを生成する。
【0035】
次に、コマンド処理部141は、カウント値nに“1”を加算する(ステップS106)。すなわち、コマンド処理部141は、画像のカウント値nに(n+1)の値を設定する。
【0036】
次に、コマンド処理部141は、カウント値nが、表示コマンドに含まれる画像数より大きいか否かを判定する(ステップS107)。コマンド処理部141は、カウント値nが、画像数より大きい場合(ステップS107:YES)に、処理をステップS108に進める。また、コマンド処理部141は、カウント値nが、画像数以下である場合(ステップS107:NO)に、処理をステップS104に戻し、ステップS104からステップS107の処理を繰り返す。
【0037】
ステップS108において、コマンド処理部141は、生成した画面データを表示部12に表示する。すなわち、生成した画面データを表示部12に表示するように、表示制御部142に依頼し、この依頼に応じて、表示制御部142が、表示部12に、表示コマンドで指定された画像データを含む表示画面を表示させる。これにより、表示部12には、表示コマンドで指定された画像データが指定され色で表示される。
【0038】
次に、コマンド処理部141は、レスポンスを送信する(ステップS109)。コマンド処理部141は、コマンド処理の結果として、各種コマンド処理に応じたレスポンスを、無線通信部11を介してリーダライタ2に送信する。ステップS109の処理後に、制御部14は、処理をステップS101に戻す。
【0039】
また、ステップS110において、コマンド処理部141は、他のコマンド処理(表示コマンド以外のコマンド処理)を実行する。ステップS110の処理後に、コマンド処理部141は、処理をステップS109に進めて、他のコマンド処理の結果として、レスポンスを送信する。
【0040】
次に、図5図8を参照して、本実施形態における表示部12への表示処理について説明する。
図5は、本実施形態における表示部12への表示処理の一例を示す第1の図である。また、図6は、図5に示す表示処理の一例による表示部12への表示例を示す図である。
図5では、図6に示す画像SG1~画像SG4を表示部12に表示する場合の一例について説明する。なお、ここでは、R(ACK)のブロック電文(アクノリッジ電文)を利用して、4回の電文に分割して表示コマンドを送信する例を説明する。
【0041】
図5に示すように、リーダライタ2は、まず、表示コマンドコード、画像数、画像Aの情報(表示位置情報、画像Aの画像指定情報、及び色情報(0x0))含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1に送信する(ステップS201)。なお、この例では、画像数は、“4”である。
次に、電子デバイス1は、ステップS201の電文に対するR(ACK)をリーダライタ2に送信する(ステップS202)。
【0042】
次に、リーダライタ2は、画像Bの情報(表示位置情報、画像Bの画像指定情報、及び色情報(0x0))を含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1に送信する(ステップS203)。
次に、電子デバイス1は、ステップS203の電文に対するR(ACK)をリーダライタ2に送信する(ステップS204)。
【0043】
次に、リーダライタ2は、画像Cの情報(表示位置情報、画像Cの画像指定情報、及び色情報(0x1))を含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1に送信する(ステップS205)。
次に、電子デバイス1は、ステップS205の電文に対するR(ACK)をリーダライタ2に送信する(ステップS206)。
【0044】
次に、リーダライタ2は、画像Dの情報(表示位置情報、画像Dの画像指定情報、及び色情報(0x1))と、表示コマンド終了情報とを含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1に送信する(ステップS207)。
【0045】
次に、電子デバイス1は、表示コマンドに応じて、画像A及び画像Bを白黒で、画像C及び画像Dを白赤で、表示部12に表示させる(ステップS208)。ここで、電子デバイス1は、図6の画像SG1に示すように、表示位置情報で指定された表示部12の表示位置に、画像Aを白黒で表示させ、図6の画像SG2に示すように、表示位置情報で指定された表示部12の表示位置に、画像Bを白黒で表示させる。
【0046】
また、電子デバイス1は、図6の画像SG3に示すように、表示位置情報で指定された表示部12の表示位置に、画像Cを白赤で表示させる。なお、画像SG3の一部は、画像SG1の一部及び画像SG2の一部に重なるため、表示制御部142は、表示位置が重なった箇所には、後から入力された画像Cを優先させて表示する。また、電子デバイス1は、図6の画像SG4に示すように、表示位置情報で指定された表示部12の表示位置に、画像Dを白赤で表示させる。
次に、電子デバイス1は、表示コマンドに対するレスポンスをリーダライタ2に送信する(ステップS209)。
【0047】
このように、電子デバイス1は、画像SG1→画像SG2→画像SG3→画像SG4の順に表示色を変更して、表示画面G1に示すように、画像記憶部131が記憶する画像A~画像Dを表示する。
【0048】
また、図7は、本実施形態における表示部12への表示処理の一例を示す第2の図である。また、図8は、図7に示す表示処理の一例による表示部12への表示例を示す図である。
図7では、図8に示す画像SG5~画像SG8を表示部12に表示する場合の一例について説明する。なお、図8に示す表示画面G2は、上述した図6に示す表示画面G1とは、表示色が異なっている。また、ここでは、上述した図5に示す例と同様に、R(ACK)のブロック電文(アクノリッジ電文)を利用して、4回の電文に分割して表示コマンドを送信する例を説明する。
【0049】
図7に示すように、リーダライタ2は、まず、表示コマンドコード、画像数、画像Aの情報(表示位置情報、画像Aの画像指定情報、及び色情報(0x1))を含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1に送信する(ステップS301)。なお、この例では、画像数は、“4”である。
次に、電子デバイス1は、ステップS201の電文に対するR(ACK)をリーダライタ2に送信する(ステップS302)。
【0050】
次に、リーダライタ2は、画像Bの情報(表示位置情報、画像Bの画像指定情報、及び色情報(0x1))を含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1に送信する(ステップS303)。
次に、電子デバイス1は、ステップS203の電文に対するR(ACK)をリーダライタ2に送信する(ステップS304)。
【0051】
次に、リーダライタ2は、画像Cの情報(表示位置情報、画像Cの画像指定情報、及び色情報(0x0))を含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1に送信する(ステップS305)。
次に、電子デバイス1は、ステップS205の電文に対するR(ACK)をリーダライタ2に送信する(ステップS306)。
【0052】
次に、リーダライタ2は、画像Cの情報(表示位置情報、画像Dの画像指定情報、及び色情報(0x0))と、表示コマンド終了情報とを含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1に送信する(ステップS307)。
次に、電子デバイス1は、表示コマンドに応じて、画像A及び画像Bを白赤で、画像C及び画像Dを白黒で、表示部12に表示させる(ステップS308)。ここで、電子デバイス1は、図8の画像SG5に示すように、表示位置情報で指定された表示部12の表示位置に、画像Aを白赤で表示させ、図8の画像SG6に示すように、表示位置情報で指定された表示部12の表示位置に、画像Bを白赤で表示させる。
【0053】
また、電子デバイス1は、図8の画像SG7に示すように、表示位置情報で指定された表示部12の表示位置に、画像Cを白黒で表示させる。なお、画像SG7の一部は、画像SG5の一部及び画像SG6の一部に重なるため、表示制御部142は、表示位置が重なった箇所には、後から入力された画像Cを優先させて表示する。また、電子デバイス1は、図8の画像SG8に示すように、表示位置情報で指定された表示部12の表示位置に、画像Dを白黒で表示させる。
次に、電子デバイス1は、表示コマンドに対するレスポンスをリーダライタ2に送信する(ステップS309)。
【0054】
このように、電子デバイス1は、画像SG5→画像SG6→画像SG7→画像SG8の順に表示色を変更して、表示画面G2に示すように、画像記憶部131が記憶する画像A~画像Dを表示する。
なお、電子デバイス1は、上述した表示コマンドの他に、画像記憶部131に画像データを書き込む(登録する)書き込みコマンドを備えるようにしてもよい。すなわち、コマンド処理部141は、無線通信部11が無線通信によりリーダライタ2から受信した画像データを画像記憶部131に書き込む書き込みコマンドに応じて、表示部12に表示可能な画像データを画像記憶部131に記憶させるようにしてもよい。
また、上述した図5及び図7に示す例では、表示コマンドを4分割して電子デバイス1に送信する例を説明したが、表示コマンドの電文長が最大送信データ長以内であれば、分割を行わずに1回の電文で電子デバイス1に送信するようにしてもよい。また、上述した例では、画像数は、“4”として表示コマンドで4つの画像の情報を送信する例を説明したが、画像数を“1”として、4回の表示コマンドの処理に分割して処理するようにしてもよい。
【0055】
以上説明したように、本実施形態による電子デバイス1は、表示部12と、画像記憶部131と、無線通信部11と、コマンド処理部141(処理部)とを備える。表示部12は、不揮発なメモリ性を有する表示を行う。画像記憶部131は、表示部12に表示可能であり、1画素を2値情報として表した画像データを記憶する。コマンド処理部141は、無線通信部11が無線通信によりリーダライタ2から受信した表示コマンド(表示要求)であって、画像記憶部131が記憶する画像データを指定する画像指定情報と、2値情報に対応する色を示す色情報とを含む表示コマンドに応じて、画像指定情報に基づいて指定された画像データを画像記憶部131から取得する。コマンド処理部141は、取得した画像データを、色情報に基づく色で、表示部12に表示させる。
【0056】
これにより、本実施形態による電子デバイス1は、1画素を2値情報として表した画像データを画像記憶部131に記憶させて、表示コマンドにより、色情報に対応する色で、画像記憶部131が記憶する画像データを表示部12に表示するようにしたため、例えば、3色以上の複数色の表示する場合であっても、画像データを記憶するための情報量を低減することができる。また、本実施形態による電子デバイス1は、より多くの画像データを画像記憶部131に記憶することが可能になるため、表示可能な画像の制限を低減することができる。
【0057】
例えば、従来技術では、3色以上の複数色の表示する場合、画像データは、1画素を2ビット以上(例えば、3色又は4色なら2ビット、5色~8色なら3ビット)の情報で表す必要があった。これに対して、本実施形態による電子デバイス1では、画像データの1画素を1ビットの情報(2値情報)として表すため、従来技術に比べて、画像データの情報量を1/2以下に低減することができる。
【0058】
また、本実施形態による電子デバイス1では、リーダライタ2が、画像データを登録する際に、画像データの情報量が低減されるため、画像データを電子デバイス1に送信する情報量が低減され、無線通信部11による無線通信のトラフィックを低減することができる。
また、本実施形態による電子デバイス1では、画像データと色情報との組み合わせにより、様々な表示パターンを表示可能であり、自由度の高い柔軟な表示を行うことができる。
【0059】
また、本実施形態による表示方法は、上述した電子デバイス1の表示方法であって、受信ステップと、処理ステップとを含む。受信ステップにおいて、無線通信部11が、画像記憶部131が記憶する画像データを指定する画像指定情報と、2値情報に対応する色を示す色情報とを含む表示コマンド(表示要求)を、無線通信によりリーダライタ2から受信する。処理ステップにおいて、コマンド処理部141が、受信ステップによって受信した表示コマンドに応じて、画像指定情報に基づいて指定された画像データを画像記憶部131から取得し、取得した画像データを、色情報に基づく色で、表示部12に表示させる。
これにより、本実施形態による表示方法は、上述した電子デバイス1と同様の効果を奏し、画像データを記憶するための情報量を低減し、表示可能な画像の制限を低減することができる。
【0060】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して。第2の実施形態による電子デバイス1aについて説明する。
本実施形態では、上述した第1の実施形態の表示コマンドに、レイヤー情報を追加し、レイヤー情報に対応した表示上の階層に、指定した表示色で表示させる変形例について説明する。
【0061】
図9は、本実施形態による電子デバイス1aの一例を示すブロック図である。
図9に示すように、電子デバイス1aは、無線通信部11と、表示部12と、記憶部13と、制御部14aとを備える。
なお、図9において、図1と同一の構成には、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
【0062】
制御部14aは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、電子デバイス1aを統括的に制御する。制御部14aは、コマンド処理部141aと、表示制御部142aとを備える。
【0063】
コマンド処理部141a(処理部の一例)は、基本的な機能は、上述した第1の実施形態のコマンド処理部141と同様であり、無線通信部11が無線通信によりリーダライタ2から受信したコマンド(処理要求)を取得し、コマンドに応じた各種コマンド処理を実行する。また、コマンド処理部141aは、コマンド処理の実行結果であるレスポンス(処理応答)を、無線通信部11に対して、リーダライタ2に送信(返信)させる。
【0064】
例えば、コマンド処理部141aは、無線通信部11が、表示コマンド(表示要求)を無線通信によりリーダライタ2から受信した場合に、表示部12に指定された画像を表示させるコマンド処理を実行する。なお、本実施形態のコマンド処理部141aでは、表示コマンドには、表示位置情報、画像指定情報、及び色情報と、レイヤー情報が含まれる。
【0065】
ここで、レイヤー情報は、表示部12の表示において優先して表示する階層を示し、表示画面を平面視した場合に、表示の前後(前面/背面)の階層を示す情報である。レイヤー情報は、例えば、図10に示すように予め設定されているものとする。
【0066】
図10は、本実施形態におけるレイヤー情報のデータ例を示す図である。
図10に示すように、「レイヤー情報」と「表示の階層」とは、予め対応付けられており、例えば、「レイヤー情報」が“0x0”である場合に、「表示の階層」に“第1階層(最前面)”が指定されることを示している。また、「レイヤー情報」が“0x1”である場合に、「表示の階層」に“第2階層”が指定されることを示している。
【0067】
なお、本実施形態では、「レイヤー情報」を4ビットの情報として表し、0x0~0xFの16段階の階層を持たせることが可能である。
また、本実施形態では、上述した「レイヤー情報」を上位4ビット、「色情報」を下位4ビットとする1バイトの情報を付加情報とする。
【0068】
再び、図9の説明に戻り、コマンド処理部141aは、表示位置情報、画像指定情報、色情報、及びレイヤー情報を含む表示コマンドを受信した場合に、表示コマンドに応じて、まず、画像指定情報に基づいて指定された画像データを画像記憶部131から取得する。また、コマンド処理部141aは、取得した画像データを、色情報に基づく色で、表示部12のレイヤー情報に応じた階層に、画像データを表示させる。
【0069】
コマンド処理部141aは、例えば、図3により予め定められた設定に基づいて、色情報に対応する表示色を決定するとともに、図10により予め定められた設定に基づいて、レイヤー情報に対応する階層を決定する。コマンド処理部141aは、当該表示色で、且つ、当該階層の表示位置情報に対応する表示部12の位置に、画像記憶部131から取得した画像データを表示させる。
例えば、レイヤー情報が、“0x0”である場合に、コマンド処理部141aは、表示の階層を“第1階層(最前面)”で、画像記憶部131から取得した画像データを表示するように、表示制御部142aに依頼する。
【0070】
表示制御部142aは、表示部12への表示を制御する。表示制御部142aは、例えば、コマンド処理部141aからの依頼に基づいて、コマンド処理部141aから供給された画像データを指定された表示開始位置から指定された表示色(例えば、白黒、白赤など)で、且つ指定された表示の階層(例えば、第1階層(最前面)、第2階層(背面)など)に表示させる。
【0071】
次に、図面を参照して、本実施形態による電子デバイス1aの動作について説明する。
図11は、本実施形態による電子デバイス1aの表示コマンドの処理の一例を示すフローチャートである。
【0072】
図11において、ステップS401からステップS404までの処理は、上述した図4に示すステップS101からステップS104までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
なお、ステップS402において、コマンド処理部141aは、リーダライタ2から受信したコマンドが表示コマンドでない(表示コマンド以外のコマンドである)場合(ステップS402:NO)に、処理をステップS410に進める。
【0073】
また、ステップS405において、コマンド処理部141aは、画像データを指定された表示部12の位置に、色情報で指定された色で、且つレイヤー情報で指定された階層で表示させる画面データを生成する。コマンド処理部141aは、表示コマンドに含まれる表示遺著情報に基づく表示位置に、表示コマンドに含まれる色情報に対応する表示色で(例えば、図3参照)、且つ、レイヤー情報に対応する階層で(例えば、図10参照)、画像記憶部131から読み出したサイズ情報の示すサイズの画像データを表示するように、表示部12の画面データを生成する。
【0074】
次に、コマンド処理部141aは、カウント値nに“1”を加算する(ステップS406)。すなわち、コマンド処理部141aは、画像のカウント値nに(n+1)の値を設定する。
【0075】
次に、コマンド処理部141aは、カウント値nが、表示コマンドに含まれる画像数より大きいか否かを判定する(ステップS407)。コマンド処理部141aは、カウント値nが、画像数より大きい場合(ステップS407:YES)に、処理をステップS108に進める。また、コマンド処理部141aは、カウント値nが、画像数以下である場合(ステップS407:NO)に、処理をステップS404に戻し、ステップS404からステップS407の処理を繰り返す。
【0076】
ステップS408において、コマンド処理部141aは、生成した画面データを表示部12に表示する。すなわち、生成した画面データを表示部12に表示するように、表示制御部142に依頼し、この依頼に応じて、表示制御部142が、表示部12に、表示コマンドで指定された画像データを含む表示画面を表示させる。これにより、表示部12には、表示コマンドで指定された画像データが指定され色及び表示の階層で表示される。
【0077】
次に、コマンド処理部141aは、レスポンスを送信する(ステップS409)。コマンド処理部141aは、コマンド処理の結果として、各種コマンド処理に応じたレスポンスを、無線通信部11を介してリーダライタ2に送信する。ステップS409の処理後に、制御部14aは、処理をステップS401に戻す。
【0078】
また、ステップS410において、コマンド処理部141aは、他のコマンド処理(表示コマンド以外のコマンド処理)を実行する。ステップS410の処理後に、コマンド処理部141aは、処理をステップS409に進めて、他のコマンド処理の結果として、レスポンスを送信する。
【0079】
次に、図12を参照して、本実施形態における表示部12への表示処理について説明する。
図12は、本実施形態における表示部12への表示処理の一例を示す図である。なお、図12では、上述した図6に示す画像SG1~画像SG4を表示部12に表示する場合の一例について説明する。また、ここでは、上述した図5及び図7に示す例と同様に、R(ACK)のブロック電文(アクノリッジ電文)を利用して、4回の電文に分割して表示コマンドを送信する例を説明する。
【0080】
図12に示すように、リーダライタ2は、まず、表示コマンドコード、画像数、画像Aの情報(表示位置情報、画像Aの画像指定情報、及び色情報(0x1))を含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1aに送信する(ステップS501)。なお、この例では、画像数は、“4”である。
次に、電子デバイス1aは、ステップS501の電文に対するR(ACK)をリーダライタ2に送信する(ステップS502)。
【0081】
次に、リーダライタ2は、画像Cの情報(表示位置情報、画像Cの画像指定情報、及び付加情報(0x01))を含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1aに送信する(ステップS503)。ここで、付加情報(0x01)は、色情報(0x1)及びレイヤー情報(0x0)に対応する。
次に、電子デバイス1aは、ステップS503の電文に対するR(ACK)をリーダライタ2に送信する(ステップS504)。
【0082】
次に、リーダライタ2は、画像Bの情報(表示位置情報、画像Bの画像指定情報、及び付加情報(0x10))を含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1aに送信する(ステップS505)。ここで、付加情報(0x10)は、色情報(0x0)及びレイヤー情報(0x1)に対応する。
次に、電子デバイス1aは、ステップS505の電文に対するR(ACK)をリーダライタ2に送信する(ステップS506)。
【0083】
次に、リーダライタ2は、画像Dの情報(表示位置情報、画像Dの画像指定情報、及び付加情報(0x01))と、表示コマンド終了情報とを含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1aに送信する(ステップS507)。ここで、付加情報(0x01)は、色情報(0x1)及びレイヤー情報(0x0)に対応する。
【0084】
次に、電子デバイス1aは、表示コマンドに応じて、画像A及び画像Bを白黒、且つ第2階層で、画像C及び画像Dを白赤、且つ第1階層で、表示部12に表示させる(ステップS508)。ここで、電子デバイス1aは、図6の画像SG1に示すように、表示位置情報で指定された表示部12の表示位置に、画像Aを白黒、且つ第2階層で表示させ、図6の画像SG3に示すように、表示位置情報で指定された表示部12の表示位置に、画像Cを白赤、且つ第1階層で表示させる。なお、表示制御部142aは、画像Cを優先させて表示し、画像SG1の前面に、画像SG3を表示する。
【0085】
また、電子デバイス1aは、図6の画像SG2に示すように、表示位置情報で指定された表示部12の表示位置に、画像Bを白黒、且つ第2階層で表示させる。ここで、表示制御部142aは、画像SG3の背面(第2階層)に、画像B(画像SG2)を表示する。また、電子デバイス1aは、図6の画像SG4に示すように、表示位置情報で指定された表示部12の表示位置に、画像Dを白赤、且つ第1階層で表示させる。
次に、電子デバイス1aは、表示コマンドに対するレスポンスをリーダライタ2に送信する(ステップS509)。
【0086】
このように、電子デバイス1aは、画像SG1→画像SG3→画像SG2→画像SG4の順に表示色及び表示の階層を変更して、表示画面G1に示すように、画像記憶部131が記憶する画像A~画像Dを表示する。
【0087】
以上説明したように、本実施形態による電子デバイス1aは、表示部12と、画像記憶部131と、無線通信部11と、コマンド処理部141a(処理部)とを備える。コマンド処理部141aは、無線通信部11が無線通信によりリーダライタ2から受信した表示コマンド(表示要求)であって、画像記憶部131が記憶する画像データを指定する画像指定情報と、2値情報に対応する色を示す色情報とを含む表示コマンドに応じて、画像指定情報に基づいて指定された画像データを画像記憶部131から取得する。コマンド処理部141aは、取得した画像データを、色情報に基づく色で、表示部12に表示させる。
これにより、本実施形態による電子デバイス1aは、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏し、画像データを記憶するための情報量を低減し、表示可能な画像の制限を低減することができる。
【0088】
また、本実施形態では、表示コマンドには、表示部12の表示において優先して表示する階層を示すレイヤー情報を含む。コマンド処理部141aは、表示部12のレイヤー情報に応じた階層に、画像データを表示させる。
これにより、本実施形態による電子デバイス1aは、表示の階層を指定して、表示部12に画像を表示することができるため、さらに自由度の高い柔軟な表示を行うことができる。
【0089】
[第3の実施形態]
次に、図面を参照して、第3の実施形態として、上述した電子デバイス1(1a)を使用した生産管理システム100について説明する。
【0090】
図13は、本実施形態による生産管理システム100の一例を示すブロック図である。
図13に示すように、生産管理システム100は、電子デバイス1(1a)と、複数のリーダライタ2(2-1、2-2、2-3、・・・)と、管理装置3とを備える。
【0091】
電子デバイス1(1a)は、上述した第1又は第2の実施形態で説明した構成と同一であるため、ここではその説明を省略する。電子デバイス1(1a)は、例えば、生産管理システム100によって管理される各種製品のロット情報や製品コード、仕掛数、良品/不良品の数などを含む管理票や工程票などを表示部12に表示するIFIDタグであり、各種製品や部品などを運ぶ通函4に備え付けられている。電子デバイス1(1a)は、例えば、生産管理のためのバーコードやQRコード(登録商標)などの2次元コードを表示部12に表示するようにしてもよい。
【0092】
通函4は、例えば、製品を入れて生産現場の各生産工程(例えば、生産工程PS1~生産工程PS3)を移動させる通い函である。
なお、図13に示す例では、説明の都合上、1組の電子デバイス1(1a)と通函4とを記載しているが、生産管理システム100は、複数組の電子デバイス1(1a)と通函4とを管理するようにしてもよい。
【0093】
リーダライタ2(上位装置の一例)は、上述した第1の実施形態で説明した構成と同一であるため、ここではその説明を省略する。なお、リーダライタ2-1、リーダライタ2-2、リーダライタ2-3、・・・のそれぞれは、同一の構成であり、生産管理システム100が備える任意のリーダライタを示す場合、又は特に区別しない場合には、リーダライタ2として説明する。
【0094】
リーダライタ2は、生産工程(工程の一例)ごとに配置され、電子デバイス1(1a)が生産工程を通過する際に、表示コマンドを送信して、表示部12の表示を生産工程に応じて変更させる。ここで、図13に示す例では、リーダライタ2-1は、生産工程PS1に配置され、リーダライタ2-2は、生産工程PS2に配置されている。また、リーダライタ2-3は、生産工程PS3に配置されている。
生産工程PS1~生産工程PS3は、例えば、製品の製造、検査、保管、出荷などの工程である。
【0095】
管理装置3は、複数のリーダライタ2を制御して、生産管理システム100の全体を管理する。管理装置3は、各生産工程の内容、結果、等に応じて、リーダライタ2を介して電子デバイス1(1a)の表示部12を変更するともに、電子デバイス1(1a)が付与された通函4に入れられた、例えば、製品、部品などを管理する。
【0096】
以上説明したように、本実施形態による生産管理システム100(管理システムの一例)は、上述した電子デバイス1(1a)と、複数のリーダライタ2(リーダライタ装置)とを備える。リーダライタ2は、工程ごとに配置され、電子デバイス1(1a)が工程を通過する際に、表示コマンド(表示要求)を送信して、表示部12の表示を工程に応じて変更させる上位装置である。
これにより、本実施形態による生産管理システム100では、電子デバイス1(1a)が、画像データを記憶するための情報量を低減し、表示可能な画像の制限を低減することができるため、効率よく工程を管理することができる。
【0097】
例えば、生産工程にある大量の電子デバイス1(1a)の表示を変更する場合には、通信トラフィックの占有率や通信コスト、管理の面などから、リーダライタ2から各電子デバイス1(1a)に送信する情報量及び各電子デバイス1(1a)が記憶する情報量を極力少なく抑える必要がある。本実施形態による生産管理システム100では、このよな場合であっても、リーダライタ2から送信する情報量及び各電子デバイス1(1a)が記憶する情報量を低減することができるため効率よく工程を管理することができる。
【0098】
また、例えば、生産現場が、クリーンルームなどの場合、塵埃が発生するため通常の紙での管理票や工程票を使用することができない場合がある。これに対して、本実施形態による生産管理システム100では、紙の管理票や工程票の代わりに、電子デバイス1(1a)を用いることで、塵埃の発生を抑えるとともに、紙による印刷及び管理の手間を省くことができ、効率よく工程を管理することができる。
【0099】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、電子デバイス1(1a)は、一例として、RFIDタグやコンタクトレスICカード、エッジデバイスなどである例を説明したが、これに限定されるものではなく、無線通信利用してIoT(Internet of Things)ネットワークに接続されるIoT機器などの他の電子機器であってもよい。
【0100】
また、上記の各実施形態において、電子デバイス1(1a)が、無線通信の一例として、NFCを利用する例を説明したが、これに限定されるものではない。電子デバイス1(1a)は、NFCの代わりに、例えば、Bluetooth(登録商標)、LPWA(Low Power Wide Area)などの特定小電力の無線通信、無線LAN(Local Area Network)などの他の無線通信を用いるようにしてもよい。
【0101】
また、上記の各実施形態において、画像指定情報の一例として、画像データに割り当てられた画像ID(画像識別子)を使用する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、画像記憶部131に画像データを記憶する先頭アドレスや画像名、画像のファイル名などを用いてもよい。
【0102】
また、上記の各実施形態において、色情報は、図3に示す表示色との対応付けを用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の表示色との対応付けを用いてもよい。
また、上記の第2の実施形態において、レイヤー情報は、図10に示す表示の階層との対応付けを用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の表示の階層との対応付けを用いてもよい。
【0103】
また、上記の第2の実施形態において、レイヤー情報及び色情報を1バイトの付加情報として指定する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、レイヤー情報と色情報とをそれぞれ1バイトの個別の情報として指定するようにしてもよい。
【0104】
また、上記の第3の実施形態において、管理システムの一例として、生産管理システム100である例を説明したが、これに限定されるものではない。本発明の管理システムは、例えば、在庫管理システムや物流管理システムなどの他の管理システムに適当してもよい。
【0105】
なお、上述した生産管理システム100が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した生産管理システム100が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した生産管理システム100が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0106】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に生産管理システム100が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0107】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1、1a 電子デバイス
2、2-1、2-2、2-3 リーダライタ
3 管理装置
4 通函
11 無線通信部
12 表示部
13 記憶部
14、14a 制御部
100 生産管理システム
131 画像記憶部
141、141a コマンド処理部
142、142a 表示制御部
PS1、PS2、PS3 生産工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13