(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240116BHJP
G07D 7/0047 20160101ALI20240116BHJP
G06F 21/44 20130101ALI20240116BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20240116BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07D7/0047
G06F21/44
G06F21/31
(21)【出願番号】P 2019165912
(22)【出願日】2019-09-12
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 健介
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-148611(JP,A)
【文献】特開2008-112309(JP,A)
【文献】特開2005-250905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07D 7/0047
G06F 21/44
G06F 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の装置識別情報を予め記憶する記憶手段と、
有効化を行おうとする印刷物の表面の一部の領域から取得されたランダムパターンと、当該印刷物を個別に識別可能な印刷物識別情報と、前記ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報とを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された装置識別情報が前記記憶手段に記憶されたいずれかの装置識別情報と一致する場合、前記受信手段により受信されたランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
ランダムパターンが前記記憶手段に記憶された印刷物を利用可能なように有効化する有効化手段と、
を備え、
前記受信手段は、登録しようとする印刷物のランダムパターンを2回受信し、
前記制御手段は、受信した2つのランダムパターンが一致した場合に、当該ランダムパターンを前記記憶手段に記憶するよう制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報と、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報とが同一である場合に、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行う請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報と、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報とがいずれも予め前記記憶手段に記憶されたものである場合に、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行う請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の位置情報と、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の位置情報とが予め設定された距離以内である場合に、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行う請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項5】
端末装置を操作する操作者を認証する認証手段をさらに備え、
前記制御手段は、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の操作者と、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の操作者とが同一人である場合に、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行う請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項6】
印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の装置識別情報を予め記憶する記憶手段と、
有効化を行おうとする印刷物の表面の一部の領域から取得されたランダムパターンと、当該印刷物を個別に識別可能な印刷物識別情報と、前記ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報とを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された装置識別情報が前記記憶手段に記憶されたいずれかの装置識別情報と一致する場合、前記受信手段により受信されたランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
ランダムパターンが前記記憶手段に記憶された印刷物を利用可能なように有効化する有効化手段と、を備え、
前記受信手段は、有効化された印刷物を利用しようとする際に、当該印刷物のランダムパターンおよび印刷物識別情報を受信し、
当該印刷物から取得されたランダムパターンおよび印刷物識別情報と、前記記憶手段に記憶されているランダムパターンおよび印刷物識別情報とが一致した場合に、前記印刷物の利用を許可する許可手段をさらに備え、
前記記憶手段は、ランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて記憶する際に、当該ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報も合わせて記憶し、
前記受信手段は、有効化された印刷物を利用しようとする際に、当該印刷物からランダムパターンを取得する際に使用した端末装置の装置識別情報を受信し、
前記許可手段は、前記受信手段により受信された装置識別情報が、前記記憶手段において利用しようとする印刷物の印刷物識別情報およびランダムパターンと対応付けて記憶されている装置識別情報と一致する場合に、前記印刷物の利用を許可する
、
情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、印刷物を印刷するための印刷データを送信した端末装置の装置識別情報を、印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の装置識別情報として記憶する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記印刷物が、有価証券、前払い式証票、入場券、身分証明書のうちのいずれかである請求項1から
7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の装置識別情報を予め記憶する記憶ステップと、
有効化を行おうとする印刷物の表面の一部の領域から取得されたランダムパターンと、当該印刷物を個別に識別可能な印刷物識別情報と、前記ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報とを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信された装置識別情報が前記記憶ステップにおいて記憶されたいずれかの装置識別情報と一致する場合、前記受信ステップにおいて受信されたランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて記憶するよう制御する制御ステップと、
ランダムパターンを記憶した印刷物を利用可能なように有効化する有効化ステップと、
をコンピュータに実行させる際に、
前記受信ステップでは、登録しようとする印刷物のランダムパターンを2回受信し、
前記制御ステップでは、受信した2つのランダムパターンが一致した場合に、当該ランダムパターンを記憶するよう制御する、
プログラム。
【請求項10】
印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の装置識別情報を予め記憶する記憶ステップと、
有効化を行おうとする印刷物の表面の一部の領域から取得されたランダムパターンと、当該印刷物を個別に識別可能な印刷物識別情報と、前記ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報とを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信された装置識別情報が前記記憶ステップにおいて記憶されたいずれかの装置識別情報と一致する場合、前記受信ステップにおいて受信されたランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて記憶するよう制御する制御ステップと、
ランダムパターンを記憶した印刷物を利用可能なように有効化する有効化ステップと、
をコンピュータに実行させる際に、
前記受信ステップでは、有効化された印刷物を利用しようとする際に、当該印刷物のランダムパターンおよび印刷物識別情報を受信し、
当該印刷物から取得されたランダムパターンおよび印刷物識別情報と、前記記憶ステップにおいて記憶されたランダムパターンおよび印刷物識別情報とが一致した場合に、前記印刷物の利用を許可する許可ステップをさらにコンピュータに実行させ、
前記記憶ステップでは、ランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて記憶する際に、当該ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報も合わせて記憶し、
前記受信ステップでは、有効化された印刷物を利用しようとする際に、当該印刷物からランダムパターンを取得する際に使用した端末装置の装置識別情報を受信し、
前記許可ステップでは、前記受信ステップにおいて受信された装置識別情報が、前記記憶ステップにおいて利用しようとする印刷物の印刷物識別情報およびランダムパターンと対応付けて記憶した装置識別情報と一致する場合に、前記印刷物の利用を許可する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、正規の印刷物の印刷画像からランダムパターンの特徴を抽出して特徴ベクトルとして記憶しておき、原本確認を行う確認対象の印刷物の印刷画像からランダムパターンの特徴を抽出して特徴ベクトルを算出して、算出した特徴ベクトルと記憶されている特徴ベクトルとの類似度に応じて、確認対象の印刷物が原本であるか否かを判定するようにした書類確認方法が開示されている。
【0003】
特許文献2には、物品の任意の部位を特定して印字した識別マークの画像を、その物品の個別物品識別符号と対応付けて記憶しておき、ある物品から読み取られた個別物品識別符号と識別マークの画像を、記憶されている情報とそれぞれ照合して、それらの照合結果に基づいてその物品の真贋判定を行うようにした物品の真贋判定方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-153405号公報
【文献】特許第5071592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
有価証券やチケット等の印刷物には容易に複製することができないようにする偽造防止が求められる。そのため、このような偽造防止が求められる印刷物には、ホログラムや微細印刷、特殊な用紙やインク等の高度な偽造防止技術が用いられている。
【0006】
しかし、このような高度な偽造防止技術を用いた印刷物は、特殊なプリンタが供えられた特定の印刷所でしか作成することができない。そのため、高コストとなり、またある程度の作成時間を必要とするため即時発行が困難であるという問題点がある。特殊な印刷用紙を事前に用意しておいて、この印刷用紙上に印刷する方法もあるが、この特殊な印刷用紙を管理するために管理コストがかかるという問題がある。
【0007】
そのため、このような印刷物を一般的なプリンタで印刷したいという要望がある。例えば、個人の自宅のプリンタで上記のような印刷物を印刷したり、コンビニエンスストア(以下コンビニと略す場合がある。)等に設置されたプリンタでコンサート等の入場チケットを印刷したいという要望がある。また、コンビニでは、予め印刷されたプリペイドカードやチケット等を扱うようにして、その都度印刷しないようにして印刷機の設置や消耗品の管理等にかかるコストを削減したいという要望がある。
【0008】
しかし、一般的な印刷用紙に一般的なインク等を用いた印刷した印刷物は、容易に複製されてしまうため、例えばコンサートの入場チケットをこのような印刷方法で印刷した場合、同じ入場チケットが複数出回ってしまいどの入場チケットが正規に発行されたものであるのかが分からなくなってしまう。
【0009】
本発明の目的は、複雑な偽造防止技術を用いていない印刷物を利用可能なように有効化する際に、少なくとも撮影機能と通信機能を備えた端末装置によって有効化することが可能な情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[情報処理装置]
請求項1に係る本発明は、印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の装置識別情報を予め記憶する記憶手段と、
有効化を行おうとする印刷物の表面の一部の領域から取得されたランダムパターンと、当該印刷物を個別に識別可能な印刷物識別情報と、前記ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報とを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された装置識別情報が前記記憶手段に記憶されたいずれかの装置識別情報と一致する場合、前記受信手段により受信されたランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
ランダムパターンが前記記憶手段に記憶された印刷物を利用可能なように有効化する有効化手段とを備え、
前記受信手段は、登録しようとする印刷物のランダムパターンを2回受信し、
前記制御手段は、受信した2つのランダムパターンが一致した場合に、当該ランダムパターンを前記記憶手段に記憶するよう制御する、情報処理装置である。
【0012】
請求項2に係る本発明は、前記制御手段が、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報と、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報とが同一である場合に、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行う請求項1記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項3に係る本発明は、前記制御手段が、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報と、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報とがいずれも予め前記記憶手段に記憶されたものである場合に、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行う請求項1記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項4に係る本発明は、前記制御手段が、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の位置情報と、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の位置情報とが予め設定された距離以内である場合に、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行う請求項1記載の情報処理装置である。
【0015】
請求項5に係る本発明は、端末装置を操作する操作者を認証する認証手段をさらに備え、
前記制御手段は、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の操作者と、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の操作者とが同一人である場合に、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行う請求項1記載の情報処理装置である。
【0017】
請求項6に係る本発明は、印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の装置識別情報を予め記憶する記憶手段と、
有効化を行おうとする印刷物の表面の一部の領域から取得されたランダムパターンと、当該印刷物を個別に識別可能な印刷物識別情報と、前記ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報とを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された装置識別情報が前記記憶手段に記憶されたいずれかの装置識別情報と一致する場合、前記受信手段により受信されたランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
ランダムパターンが前記記憶手段に記憶された印刷物を利用可能なように有効化する有効化手段と、を備え、
前記受信手段は、有効化された印刷物を利用しようとする際に、当該印刷物のランダムパターンおよび印刷物識別情報を受信し、
当該印刷物から取得されたランダムパターンおよび印刷物識別情報と、前記記憶手段に記憶されているランダムパターンおよび印刷物識別情報とが一致した場合に、前記印刷物の利用を許可する許可手段をさらに備え、
前記記憶手段は、ランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて記憶する際に、当該ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報も合わせて記憶し、
前記受信手段は、有効化された印刷物を利用しようとする際に、当該印刷物からランダムパターンを取得する際に使用した端末装置の装置識別情報を受信し、
前記許可手段は、前記受信手段により受信された装置識別情報が、前記記憶手段において利用しようとする印刷物の印刷物識別情報およびランダムパターンと対応付けて記憶されている装置識別情報と一致する場合に、前記印刷物の利用を許可する情報処理装置である。
【0018】
請求項7に係る本発明は、前記記憶手段が、印刷物を印刷するための印刷データを送信した端末装置の装置識別情報を、印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の装置識別情報として記憶する請求項1記載の情報処理装置である。
【0019】
請求項8に係る本発明は、前記印刷物が、有価証券、前払い式証票、入場券、身分証明書のうちのいずれかである請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0020】
[プログラム]
請求項9に係る本発明は、印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の装置識別情報を予め記憶する記憶ステップと、
有効化を行おうとする印刷物の表面の一部の領域から取得されたランダムパターンと、当該印刷物を個別に識別可能な印刷物識別情報と、前記ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報とを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信された装置識別情報が前記記憶ステップにおいて記憶されたいずれかの装置識別情報と一致する場合、前記受信ステップにおいて受信されたランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて記憶するよう制御する制御ステップと、
ランダムパターンを記憶した印刷物を利用可能なように有効化する有効化ステップと、をコンピュータに実行させる際に、
前記受信ステップでは、登録しようとする印刷物のランダムパターンを2回受信し、
前記制御ステップでは、受信した2つのランダムパターンが一致した場合に、当該ランダムパターンを記憶するよう制御する、プログラムである。
請求項10に係る本発明は、印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の装置識別情報を予め記憶する記憶ステップと、
有効化を行おうとする印刷物の表面の一部の領域から取得されたランダムパターンと、当該印刷物を個別に識別可能な印刷物識別情報と、前記ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報とを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信された装置識別情報が前記記憶ステップにおいて記憶されたいずれかの装置識別情報と一致する場合、前記受信ステップにおいて受信されたランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて記憶するよう制御する制御ステップと、
ランダムパターンを記憶した印刷物を利用可能なように有効化する有効化ステップと、をコンピュータに実行させる際に、
前記受信ステップでは、有効化された印刷物を利用しようとする際に、当該印刷物のランダムパターンおよび印刷物識別情報を受信し、
当該印刷物から取得されたランダムパターンおよび印刷物識別情報と、前記記憶ステップにおいて記憶されたランダムパターンおよび印刷物識別情報とが一致した場合に、前記印刷物の利用を許可する許可ステップをさらにコンピュータに実行させ、
前記記憶ステップでは、ランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて記憶する際に、当該ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報も合わせて記憶し、
前記受信ステップでは、有効化された印刷物を利用しようとする際に、当該印刷物からランダムパターンを取得する際に使用した端末装置の装置識別情報を受信し、
前記許可ステップでは、前記受信ステップにおいて受信された装置識別情報が、前記記憶ステップにおいて利用しようとする印刷物の印刷物識別情報およびランダムパターンと対応付けて記憶した装置識別情報と一致する場合に、前記印刷物の利用を許可する、プログラムである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係る本発明によれば、複雑な偽造防止技術を用いていない印刷物を利用可能なように有効化する際に、少なくとも撮影機能と通信機能を備えた端末装置によって有効化することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0022】
また、請求項1に係る本発明によれば、印刷物からランダムパターンを1回だけ取得して登録する場合と比較して、登録されるランダムパターンの精度を向上することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0023】
請求項2に係る本発明によれば、印刷物からランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報の一致を確認しない場合と比較して、登録されるランダムパターンの精度を向上することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0024】
請求項3に係る本発明によれば、印刷物から取得したランダムパターンの不正登録を防ぐことが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0025】
請求項4に係る本発明によれば、印刷物からランダムパターンを取得した端末装置の位置情報を確認しない場合と比較して、印刷物から取得したランダムパターンが不正登録される可能性を抑制することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0026】
請求項5に係る本発明によれば、印刷物からランダムパターンを取得した端末装置の操作者の一致を確認しない場合と比較して、印刷物から取得したランダムパターンが不正登録される可能性を抑制することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0028】
請求項6に係る本発明によれば、複雑な偽造防止技術を用いていない印刷物を利用可能なように有効化する際に、少なくとも撮影機能と通信機能を備えた端末装置によって有効化することが可能な情報処理装置を提供することができる。
また、請求項6に係る本発明によれば、有効化された印刷物が不正使用されることを防ぐことが可能な情報処理装置を提供することができる。
さらに、請求項6に係る本発明によれば、有効化された印刷物を使用可能な端末装置を、その印刷物のランダムパターンを登録した際の端末装置に限定することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0029】
請求項7に係る本発明によれば、有効化された印刷物を使用可能な端末装置を、その印刷物の印刷を行った端末装置に限定することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0030】
請求項8に係る本発明によれば、複雑な偽造防止技術を用いていない有価証券、前払い式証票、入場券、身分証明書等の印刷物を利用可能なように有効化する際に、少なくとも撮影機能と通信機能を備えた端末装置によって有効化することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0031】
請求項9に係る本発明によれば、複雑な偽造防止技術を用いていない印刷物を利用可能なように有効化する際に、少なくとも撮影機能と通信機能を備えた端末装置によって有効化することが可能なプログラムを提供することができる。
また、請求項9に係る本発明によれば、印刷物からランダムパターンを1回だけ取得して登録する場合と比較して、登録されるランダムパターンの精度を向上することが可能なプログラムを提供することができる。
請求項10に係る本発明によれば、複雑な偽造防止技術を用いていない印刷物を利用可能なように有効化する際に、少なくとも撮影機能と通信機能を備えた端末装置によって有効化することが可能なプログラムを提供することができる。
また、請求項10に係る本発明によれば、有効化された印刷物が不正使用されることを防ぐことが可能なプログラムを提供することができる。
さらに、請求項10に係る本発明によれば、有効化された印刷物を使用可能な端末装置を、その印刷物のランダムパターンを登録した際の端末装置に限定することが可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の第1の実施形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態の情報処理システムにおいて有効化する入場チケット例を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態の情報処理システムにおいて有効化するプリペイドカード例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態における管理サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態における管理サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】管理テーブル記憶部35に記憶される許可端末管理テーブルの一例を示す図である。
【
図7】管理テーブル記憶部35に記憶されるランダムパターン管理テーブルの一例を示す図である。
【
図8】管理テーブル記憶部35に記憶される入場チケット管理テーブルの一例を示す図である。
【
図9】端末装置20と管理サーバ10との間において、入場チケットの有効化処理を行う際の動作を説明するためのシーケンスチャートである。
【
図10】2つのランダムパターンが一致するか否かを判定する様子を説明するための図である。
【
図11】入場チケット管理テーブルにおけるシリアルID「10123456」を「無効」から「有効」に変更する様子を説明するための図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態の情報処理システムにおいて使用するペーパーウォレットの一例を示す図である。
【
図14】ペーパーウォレットの読取エリア51からランダムパターンを読み取る際に使用するアダプタ70を示す図である。
【
図15】アダプタ70を用いてランダムパターンを読み取る際の様子を示す図である。
【
図16】ペーパーウォレットを用いて送金処理を行う際の動作を説明するためのシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【0035】
本発明の第1の実施形態の情報処理システムは、
図1に示されるように、管理サーバ10と、コンビニエンスストア(以下コンビニと略す。)内に設置された複数の端末装置20とがネットワーク30により相互に接続された構成となっている。複数の端末装置20は、それぞれ、コンビニ内のカウンターに設置されている。
【0036】
本実施形態の情報処理システムでは、
図2に示すような入場チケットや
図3に示すようなプリペイドカードを、端末装置20により有効化処理を行う場合について説明する。
【0037】
ここで、有効化処理とは、入場チケットやプリペイドカード等の印刷物を使用可能な状態とする処理のことを意味する。このような印刷物は有効化処理が行われない状態では使用することができず、有効化処理が行われて初めて使用することができるようになる。
【0038】
そのため、コンビニでは、有効化処理前のプリペイドカードを店頭に並べて販売するような場合でも、盗難の心配をしなくて済むようになる。つまり、このプリペイドカードを使用可能にするためには、カウンターで規定の料金を支払って店員に有効化処理をしてもらう必要があるからである。そのため、店頭に並べてあるプリペイドカードが万引きされた場合でも、そのプリペイドカードを使用することができないため、万引きを防ぐことができるようになる。
【0039】
なお、本実施形態における入場チケットやプリペイドカードには、
図2、
図3に示されるように、ランダムパターン41を読み取るための読取エリア51が設けられ、それぞれの印刷物毎に設けられたシリアルID52が印刷されている。なお、シリアルID52は、人間が可読可能な状態で文字情報として印刷されているとともに同じ情報が1次元コードであるバーコードにより印刷されている。
【0040】
ここで、ランダムパターンとは、物体の表面における濃淡または凹凸による微細な印影により作られる特徴パターンであり、それぞれの物体に特有な特徴パターンとなっている。
【0041】
例えば、紙、金属、樹脂等の様々な物体の表面には、人体の指紋、静脈パターン、虹彩パターン等と同じように一意性のあるランダムパターンが存在する。そのため、物体の表面に存在するランダムパターンの一部の画像を取得して登録しておき、再度物体の同じ場所から撮影したランダムパターンと、予め登録しておいたランダムパターンと比較することにより同一物体であるか否かを判定することができる。
【0042】
特に、紙は植物繊維が複雑に絡み合ってできており、紙の一部の画像を撮影することによりランダムパターンを取得することができる。そして、紙に含まれる植物繊維等のランダムパターンを、それぞれの紙を識別する「指紋」として用いることをPFP(Paper Finger Print)技術という。なお、このPFP技術は、紙だけでなく、物体表面にランダムパターンを有する物体、例えばブラスト処理された金属板や銀塗装された樹脂板等の物体にも適用可能である。
【0043】
なお、本実施形態では、読取エリア51内に黒色の同一濃度によるベタ印刷を行って、この黒色のベタ印刷からランダムパターン41を取得する場合を用いて説明するが、この読取エリア51内を無印刷として印刷用紙表面のランダムパターンを取得するようにしても良い。
【0044】
ここで、各コンビニのカウンターに設置されている端末装置20は、このランダムパターンを取得するためのカメラ等の撮像装置を備えている。
【0045】
次に、本実施形態の情報処理システムにおける管理サーバ10のハードウェア構成を
図4に示す。
【0046】
管理サーバ10は、
図4に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UIと略す。)装置15を有する。これらの構成要素は、制御バス16を介して互いに接続されている。
【0047】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、管理サーバ10の動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明するが、当該プログラムをCD-ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0048】
図5は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される管理サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【0049】
本実施形態の管理サーバ10は、
図5に示されるように、認証部31と、データ送受信部32と、制御部33と、有効化処理部34と、管理テーブル記憶部35とを備えている。
【0050】
認証部31は、端末装置を操作する操作者を認証する。
【0051】
データ送受信部32は、有効化を行おうとする印刷物の表面の一部の領域から取得されたランダムパターンと、この印刷物を個別に識別可能な印刷物識別情報と、ランダムパターンを取得した端末装置の装置識別情報である端末IDとを受信する。
【0052】
管理テーブル記憶部35は、印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の端末IDを予め記憶する。
【0053】
制御部33は、データ送受信部32により受信された端末IDが管理テーブル記憶部35に記憶されたいずれかの端末IDと一致する場合、データ送受信部32により受信されたランダムパターンと印刷物識別情報とを対応付けて管理テーブル記憶部35に記憶するような制御を行う。
【0054】
有効化処理部34は、ランダムパターンが管理テーブル記憶部35に記憶された印刷物を利用可能なように有効化する。
【0055】
なお、以下の説明においては説明を簡単にするために
図2に示したような入場チケットをコンビニのカウンターにおいて有効化する場合について説明する。
【0056】
なお、本実施形態の情報処理システムにおいて有効化の対象となる印刷物としては、入場チケット(または入場券)以外の有価証券、前払い式証票、身分証明書等の各種印刷物が適用可能である。
【0057】
この管理テーブル記憶部35に記憶される許可端末管理テーブルの一例を
図6に示す。
【0058】
図6に示す許可端末管理テーブルでは、印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の装置識別情報である端末IDが予め記憶されている。なお、本実施形態では、端末装置20を識別するための端末IDとして、MAC(Media Access Control)アドレスを用いる場合について説明するが、端末装置20を識別可能であれば他の情報を端末IDとして用いるようにしても良い。
【0059】
本実施形態においては、各コンビニのカウンターに設置されている端末装置20のMACアドレスが
図6に示した許可端末管理テーブルに予め登録されている。
【0060】
また、管理テーブル記憶部35に記憶されるランダムパターン管理テーブルの一例を
図7に示す。
【0061】
図7に示すランダムパターン管理テーブルでは、登録日と、入場チケットの印刷物識別情報であるシリアルIDと、その入場チケットから取得されたランダムパターンと、このランダムパターンの登録を行った登録端末の端末IDとが対応付けて記憶されている。
【0062】
また、管理テーブル記憶部35に記憶される入場チケット管理テーブルの一例を
図8に示す。
【0063】
図8に示す入場チケット管理テーブルでは、入場チケットのシリアルID毎に、その入場チケットが、有効であるのか無効であるのかが登録されている。
図8の入場チケット管理テーブルでは、シリアルID「10123456」の入場チケットは無効であり利用可能でない状態となっているのが分かる。
【0064】
次に、本実施形態の情報処理システムの動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0065】
先ずは、
図9のシーケンスチャートを参照して、端末装置20と管理サーバ10との間において、入場チケットの有効化処理を行う際の動作について説明する。
【0066】
ある入場チケットの有効化処理を行う場合、端末装置20は、ステップS101において、その入場チケットのランダムパターン、シリアルIDを取得して、自装置のMACアドレスとともに管理サーバ10に送信する。
【0067】
すると、管理サーバ10では、ステップS102において、端末装置20から受信したMACアドレスが許可端末管理テーブルに登録されていることを確認した後に、ランダムパターンの再読み取りを端末装置20に要求する。
【0068】
すると、端末装置20は、ステップS103において、有効化処理を行おうとする入場チケットからランダムパターンとシリアルIDを再度取得して、自装置のMACアドレスとともに管理サーバ10に送信する。
【0069】
この2回分のランダムパターンを受信した管理サーバ10は、ステップS104において、2つのランダムパターンが一致するか否かを確認する照合処理を実行する。
【0070】
例えば、管理サーバ10は、
図10に示されるように、2つのランダムパターンのそれぞれの画素毎に濃度値の相関演算を行って相関係数(または相関値、類似度)を算出して、この相関係数が予め設定された以上である場合に2つのランダムパターンが一致していると判定する。
【0071】
そして、2つのランダムパターンが一致すると判定された場合、管理サーバ10は、ステップS105において、1回目に受信したランダムパターンと、シリアルIDおよびMACアドレスをランダムパターン管理テーブルに登録する。
【0072】
そして、管理サーバ10は、ステップS106において、このシリアルIDの入場チケットの有効化処理を実行する。具体的には、管理サーバ10は、
図11に示すように、管理テーブル記憶部35に記憶されている入場チケット管理テーブルにおけるシリアルID「10123456」を「無効」から「有効」に変更することにより、シリアルIDが「10123456」の入場チケットが有効化されたことになる。
【0073】
なお、本実施形態では、管理サーバ10において入場チケットの有効/無効管理を行う場合の構成を用いて説明したが、入場チケットの有効/無効管理を行うサーバが別に存在するような構成とすることも可能である。
【0074】
最後に、管理サーバ10は、ステップS107において、入場チケットの有効化処理が正常に行われた旨を端末装置20に通知する。
【0075】
このようにして入場チケットは、有効化されて利用可能になるとともに、取得されたランダムパターンがシリアルIDとともにランダムパターン管理テーブルに登録されたことになる。そのため、この入場チケットが違法に複製された場合でも、どの入場チケットが正規に発行されたものであるのかを確認することが可能となる。
【0076】
つまり、判定対象の入場チケットから取得したランダムパターンが、管理サーバ10内に記憶されているランダムパターン管理テーブルに登録されているランダムパターンと一致する入場チケットが正規に発行されたものであると判定することができる。
【0077】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の情報処理システムについて説明する。
【0078】
図12は本発明の第2の実施形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【0079】
本発明の第2の実施形態の情報処理システムは、
図12に示されるように、管理サーバ10と、スマートフォン等の移動可能な端末装置20と、仮想通貨取引所サーバ40とがネットワーク30により相互に接続された構成となっている。なお、端末装置20は、無線LANターミナル50を介することによりネットワーク30に接続するような構成となっている。
【0080】
本実施形態の情報処理システムは、仮想通貨(または暗号資産とも呼ばれる。)における送金処理を行うための機能を提供する。
【0081】
仮想通貨では、仮想通貨アドレス(以下単にアドレスと表現する。)と秘密鍵によって送金処理や残高の管理が行われている。ここで、仮想通貨におけるアドレスとは、銀行預金における口座番号に該当する。そして、秘密鍵は、このアドレスに登録されている仮想通貨を他のアドレスに送金するための情報である。つまり、第三者であってもアドレスと秘密鍵とが分かれば、このアドレスに登録されている仮想通貨を他のアドレスに勝手に送金することができてしまう。
【0082】
そのため、このアドレスと秘密鍵の情報を厳重に管理する必要がある。このようなアドレスと秘密鍵の管理方法はウォレットと呼ばれ様々な方法が用いられる。
【0083】
このウォレットの1つにコールドウォレットと呼ばれる管理方法がある。コールドウォレットとはインターネットと完全に切り離された環境において、仮想通貨のアドレスと秘密鍵とを管理するウォレットのことを意味する。このようなコールドウォレットを利用することにより仮想通貨の安全な管理を行うことが可能となる。ここで、コールドウォレットの種類としては、秘密鍵を紙に記載したペーパーウォレットと、金属やコインまたは安全な専用デバイスなどで秘密鍵を管理するハードウェアウォレットがある。
【0084】
本実施形態では、このようなペーパーウォレットを用いて仮想通貨の送金処理を行う場合について説明する。
【0085】
ペーパーウォレットは物理的な印刷用紙上に仮想通貨アドレスの情報と秘密鍵の情報を印刷して管理するものである。そのため、個人であっても自宅に一般的なプリンタさえあればペーパーウォレットを作成することが可能である。しかし、このようなペーパーウォレットは一般的な印刷用紙に印刷されただけであるため、容易にコピーできてしまい偽造対向性はない。
【0086】
そこで、本実施形態の情報処理システムでは、ペーパーウォレットが悪意のある第三者に勝手にコピーされた場合でも、その第三者による違法な送金を防ぐようにしている。
【0087】
本実施形態において使用するペーパーウォレットの一例を
図13に示す。
【0088】
図13に示したペーパーウォレットには、ランダムパターン41を読み取るための読取エリア51と、シリアルID52、および仮想通貨におけるアドレス情報と秘密鍵とを符号化した2次元コード53が印刷されている。
【0089】
なお、本実施形態の情報処理システムにおいて、
図13に示したようなペーパーウォレットのランダムパターン41、シリアルID52およびMACアドレスを対応付けて登録する処理については、上記で説明した第1の実施形態の場合と同様であるためその説明は省略する。
【0090】
次に、このペーパーウォレットの読取エリア51からランダムパターンを読み取る際に使用するアダプタ70について
図14を参照して説明する。
【0091】
アダプタ70は、
図14に示すように、スマートフォン等の端末装置60により読取エリア51からランダムパターンを取得する際に使用するものである。
【0092】
このアダプタ70を用いてランダムパターンを読み取る際の様子を
図15に示す。端末装置60に備えられているカメラにより読取エリア51のランダムパターンを撮影する際にアダプタ70を用いることにより、撮影場所の位置決めと、カメラと読取エリア51との距離を一定にすることができる。つまり、アダプタ70を用いてランダムパターンを取得することにより安定したランダムパターンの画像を取得することができるようになる。
【0093】
そして、本実施形態におけるデータ送受信部32は、上記のようなペーパーウォレットを有効化する際に、登録しようとする印刷物のランダムパターンを2回受信する。
【0094】
そして、制御部33は、受信した2つのランダムパターンが一致した場合に、そのランダムパターンを管理テーブル記憶部35のランダムパターン管理テーブルに記憶するような制御を行う。
【0095】
また、制御部33は、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の端末IDと、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の端末IDとが同一である場合に、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行う。つまり、制御部33は、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の端末IDと、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の端末IDとが異なる場合には、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行わない。
【0096】
そして、制御部33は、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の端末IDと、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の端末IDとがいずれも予め管理テーブル記憶部35の許可端末管理テーブルに記憶されたものである場合に、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行う。
【0097】
なお、制御部33は、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の位置情報と、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の位置情報とが予め設定された距離以内である場合に、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行うようにしても良い。
【0098】
さらに、制御部33は、認証部31により端末装置の操作者を認証して、1回目にランダムパターンを取得した端末装置の操作者と、2回目にランダムパターンを取得した端末装置の操作者とが同一人である場合に、受信した2つのランダムパターンが一致するか否かの判定を行うようにしても良い。
【0099】
なお、データ送受信部32は、有効化された印刷物を利用しようとする際に、その印刷物のランダムパターンおよびシリアルIDを受信するようにして、制御部33は、印刷物から取得されたランダムパターンおよびシリアルIDと、管理テーブル記憶部35のランダムパターン管理テーブルに記憶されているランダムパターンおよびシリアルIDとが一致した場合に、その印刷物の利用を許可する。
【0100】
なお、管理テーブル記憶部35は、ランダムパターンとシリアルIDとを対応付けて記憶する際に、そのランダムパターンを取得した端末装置の端末IDも合わせて記憶する。
【0101】
さらに、データ送受信部32は、有効化された印刷物を利用しようとする際に、その印刷物からランダムパターンを取得する際に使用した端末装置の端末IDを仮想通貨取引所サーバ40から受信する。そして、制御部33は、データ送受信部32により受信された端末IDが、管理テーブル記憶部35において利用しようとする印刷物のシリアルIDおよびランダムパターンと対応付けて記憶されている端末IDと一致する場合に、その印刷物の利用を許可する。
【0102】
なお、管理テーブル記憶部35は、印刷物を印刷するための印刷データを送信した端末装置の端末IDを、印刷物の有効化を行うことが認められた端末装置の端末IDとして許可端末管理テーブルに記憶するようにしても良い。
【0103】
次に、
図13に示したようなペーパーウォレットを用いて送金処理を行う際の動作を
図16のシーケンスチャートを参照して説明する。
【0104】
まず、端末装置60は、ステップS201において、ペーパーウォレットから読み取った秘密鍵、仮想通貨アドレス、ランダムパターン、シリアルIDとともに自装置のMACアドレスを仮想通貨取引所サーバ40に送信して送金要求を行う。
【0105】
すると、この端末装置60からの送金要求を受けた仮想通貨取引所サーバ40は、ステップS202において、受信した送金要求に含まれるランダムパターン、シリアルID、MACアドレスの情報を管理サーバ10に送信して、このランダムパターン等の情報が登録されたものであるか否かを問い合わせる。
【0106】
管理サーバ10では、この問い合わせを受けると、ステップS203において、管理テーブル記憶部35内に記憶されているランダムパターン管理テーブルに、問い合わせを受けたランダムパターンが登録されているか否かを確認する。この登録確認処理の際には、ランダムパターン、シリアルID、MACアドレスの3つの組み合わせが全て登録されている情報と一致しない限り、登録されているとの判定がされない。
【0107】
そして、このような登録確認処理が完了すると、管理サーバ10は、ステップS204において、仮想通貨取引所サーバ40に対して確認結果を通知する。
【0108】
ここで、問い合わせを受けたランダムパターンが登録されている情報と一致した旨の確認結果であった場合、仮想通貨取引所サーバ40は、ステップS201の送金要求において指定された金額を指定された仮想通貨アドレスに対して送金する処理を実行する。
【0109】
最後に、仮想通貨取引所サーバ40は、ステップS206において、実行した送金処理の結果を端末装置60に報告して処理を終了する。
【符号の説明】
【0110】
10 管理サーバ
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース
15 ユーザインタフェース装置
16 制御バス
20 端末装置
30 ネットワーク
31 認証部
32 データ送受信部
33 制御部
34 有効化処理部
35 管理テーブル記憶部
40 仮想通貨取引所サーバ
41 ランダムパターン
50 無線LANターミナル
51 読取エリア
52 シリアルID
53 2次元コード
60 端末装置
70 アダプタ