(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/14 20120101AFI20240116BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20240116BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240116BHJP
【FI】
G06Q20/14
G06Q10/10
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019172115
(22)【出願日】2019-09-20
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 大偉
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-174839(JP,A)
【文献】特開2015-162077(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0041296(US,A1)
【文献】特開2006-332965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料の画像処理で用いられた画像を取得する取得部と、
取得した前記画像を解析して、得られた解析結果により該画像の利用目的を判定する判定部と、
判定された前記利用目的により前記画像処理の費用が精算対象である、と判定される場合に、当該費用の精算に用いられる精算情報を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、文字認識又は図形認識の技術を用いて前記画像を解析し、得られた前記解析結果が精算条件を満たす場合に、前記利用目的が、費用が精算対象である画像処理のものであると判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記精算条件は、前記費用の精算先毎に定められている
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記精算先を識別する識別情報を含む前記精算情報を出力する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力部は、満たされた前記精算条件について定められている前記精算先に対応付けられた宛先に前記精算情報を出力する
請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記画像処理の利用者を認証する認証部を備え、
前記出力部は、前記認証がされた画像処理と前記認証がされない画像処理とで異なる前記精算条件を前記解析結果が満たす場合に、前記精算情報を出力する
請求項2から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記認証がされた利用者毎に異なる前記精算条件を前記解析結果が満たす場合に、前記精算情報を出力する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力部は、前記費用の精算業務の担当者に対応付けられた宛先に、前記画像処理が行われた画像を含む前記精算情報を出力する
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記出力部は、前記画像処理が行われた画像に非表示条件を満たす部分が含まれている場合は当該部分を不可視にした画像を含む前記精算情報を出力する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記出力部は、前記精算に関する処理を行うシステムと前記費用の精算業務の担当者に対応付けられた宛先とに、それぞれ内容が異なる前記精算情報を出力する
請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記出力部は、前記システムには、前記画像を含まない前記精算情報を出力し、前記宛先には、前記画像を含む前記精算情報を出力する
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記出力部は、前記画像処理の提供者への支払いに関する情報を出力する装置に、前記精算条件を満たさない解析結果が得られた画像に関する情報を含む前記精算情報を出力し、前記費用の精算業務の担当者に対応付けられた宛先に、前記精算条件を満たさない解析結果が得られた画像に関する情報を含まない前記精算情報を出力する
請求項2から
7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、出力指定された文書データに含まれるテキストデータから文書用途の確率を算出し、算出した確率に従い選択された文書用途に登録されている機器制御コード及び印刷形式設定値を用いて文書を出力する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コピーやFAXなどの有料の画像処理のサービスを利用する際、業務に関係する利用と個人的な利用とが混在したとしても、通常の領収書では利用の目的を見分ける情報が含まれていないので、業務に関係する利用にかかった費用を立替金として精算することが難しい。
そこで、本発明は、利用目的を見分ける情報が含まれていない通常の領収書を用いて精算を行う場合に比べて、有料の画像処理の利用に対する精算を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、有料の画像処理で用いられた画像を取得する取得部と、取得した前記画像を解析して、得られた解析結果により該画像の利用目的を判定する判定部と、判定された前記利用目的により前記画像処理の費用が精算対象である、と判定される場合に、当該費用の精算に用いられる精算情報を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る情報処理装置は、請求項1に記載の態様において、前記判定部は、文字認識又は図形認識の技術を用いて前記画像を解析し、得られた前記解析結果が精算条件を満たす場合に、前記利用目的が、費用が精算対象である画像処理のものであると判定することを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項3に係る情報処理装置は、請求項2に記載の態様において、前記精算条件は、前記費用の精算先毎に定められていることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項4に係る情報処理装置は、請求項3に記載の態様において、前記出力部は、前記精算先を識別する識別情報を含む前記精算情報を出力することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項5に係る情報処理装置は、請求項3又は4に記載の態様において、前記出力部は、満たされた前記精算条件について定められている前記精算先に対応付けられた宛先に前記精算情報を出力することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項6に係る情報処理装置は、請求項2から5のいずれか1項に記載の態様において、前記画像処理の利用者を認証する認証部を備え、前記出力部は、前記認証がされた画像処理と前記認証がされない画像処理とで異なる前記精算条件を前記解析結果が満たす場合に、前記精算情報を出力することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項7に係る情報処理装置は、請求項6に記載の態様において、前記出力部は、前記認証がされた利用者毎に異なる前記精算条件を前記画像が満たす場合に、前記精算情報を出力することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項8に係る情報処理装置は、請求項1から7のいずれか1項に記載の態様において、前記出力部は、前記費用の精算業務の担当者に対応付けられた宛先に、前記画像処理が行われた画像を含む前記精算情報を出力することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項9に係る情報処理装置は、請求項8に記載の態様において、前記出力部は、前記画像処理が行われた画像に非表示条件を満たす部分が含まれている場合は当該部分を不可視にした画像を含む前記精算情報を出力することを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項10に係る情報処理装置は、請求項1から9のいずれか1項に記載の態様において、前記出力部は、前記費用の前記精算における支払いに関する処理を行うシステムと前記費用の精算業務の担当者に対応付けられた宛先とに、それぞれ内容が異なる前記精算情報を出力することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項11に係る情報処理装置は、請求項10に記載の態様において、前記出力部は、前記システムには、前記画像を含まない前記精算情報を出力し、前記宛先には、前記画像を含む前記精算情報を出力することを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項12に係る情報処理装置は、請求項2から7のいずれか1項に記載の態様において、前記出力部は、前記画像処理の提供者への支払いに関する情報を出力する装置に、前記精算条件を満たさない解析結果が得られた画像に関する情報を含む前記精算情報を出力し、前記費用の精算業務の担当者に対応付けられた宛先に、前記精算条件を満たさない解析結果が得られた画像に関する情報を含まない前記精算情報を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、利用目的を見分ける情報が含まれていない通常の領収書を用いて精算を行う場合に比べて、有料の画像処理の利用に対する精算を容易にすることができる。
請求項2に係る発明によれば、文字認識又は図形認識の技術を用いて画像を解析することによってこの画像に用いられた画像処理の利用目的を判定することができる。
請求項3に係る発明によれば、精算先に関係なく精算条件が一律の場合に比べて、精算対象か否かの判断の精度を高めることができる。
請求項4に係る発明によれば、精算先の識別情報が示されない場合に比べて、精算先を間違えにくくすることができる。
請求項5に係る発明によれば、精算先に精算情報を予め伝達しておくことができる。
請求項6に係る発明によれば、認証の有無に関係なく精算条件が一律の場合に比べて、精算対象か否かの判断の精度を高めることができる。
請求項7に係る発明によれば、利用者に関係なく精算条件が一律の場合に比べて、精算対象か否かの判断の精度を高めることができる。
請求項8に係る発明によれば、精算業務の担当者が画像処理サービスで処理された画像を見て精算対象であるか否かを確認することができる。
請求項9に係る発明によれば、精算業務の担当者にも開示すべきでない情報をその担当者に見せないようにすることができる。
請求項10に係る発明によれば、システムへの出力がされない場合に比べて、精算業務の担当者による入力作業の手間を軽減することができる。
請求項11に係る発明によれば、常に画像を含む精算情報を出力する場合に比べてシステムとの通信の負荷を減少させることができると共に、常に画像を含まない精算情報を出力する場合に比べて精算業務の担当者が精算すべき費用か否かを判断しやすいようにすることができる。
請求項12に係る発明によれば、画像処理の利用者が精算対象でない費用についても確認できると共に、精算条件を満たさない画像に関する情報が常に含まれる場合に比べて、精算業務の担当者が確認する情報を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例に係る画像処理装置のハードウェア構成を表す図
【
図5】精算支援システム1において実現される機能構成を表す図
【
図8】利用目的の判定処理の動作手順の一例を表す図
【
図12】領収書出力処理における動作手順の一例を表す図
【
図13】立替金情報出力処理における動作手順の一例を表す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
[1]実施例
図1は実施例に係る精算支援システム1の全体構成を表す。精算支援システム1は、法人等の団体の構成員(社員等)が業務に関連して支払った料金(いわゆる立替金)の精算業務を支援するシステムであり、本実施例では、法人の社員が支払った料金に対する精算業務を支援する。精算支援システム1は、通信回線2と、サーバ装置10と、画像処理装置20と、業務端末30とを備える。
【0019】
通信回線2は、移動体通信網及びインターネット等を含む通信システムであり、自システムと通信する装置等(=装置、端末及びシステム等)同士のデータのやり取りを中継する。通信回線2には、サーバ装置10、画像処理装置20及び業務端末30がそれぞれ有線通信で接続している。なお、各装置と通信回線2との通信は、有線通信及び無線通信のどちらでもよい。
【0020】
画像処理装置20は、画像データのプリント、コピー、スキャン及びファクシミリ等の画像処理を伴うサービス(以下「画像処理サービス」と言う)を有料で自装置の利用者(例えば前述した団体の構成員)に提供する。サーバ装置10は、画像処理サービスの利用料金の精算を支援する処理を行う装置であり、本発明の「情報処理装置」の一例である。業務端末30は、法人等の団体において精算業務を担当する担当者が利用する端末であり、精算金額の確認及び確定等のために用いられる。
【0021】
図2はサーバ装置10のハードウェア構成を表す。サーバ装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信装置14とを備えるコンピュータである。プロセッサ11は、例えば、CPU(=Central Processing Unit)等の演算装置、レジスタ及び周辺回路等を有する。メモリ12は、プロセッサ11が読み取り可能な記録媒体であり、RAM(=Random Access Memory)及びROM(=Read Only Memory)等を有する。
【0022】
ストレージ13は、プロセッサ11が読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリ等を有する。プロセッサ11は、RAMをワークエリアとして用いてROMやストレージ13に記憶されているプログラムを実行することで各ハードウェアの動作を制御する。通信装置14は、アンテナ及び通信回路等を有し、通信回線2を介した通信を行う通信手段である。
【0023】
図3は画像処理装置20のハードウェア構成を表す。画像処理装置20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信装置24と、UI(=User Interface)装置25と、画像読取装置26と、画像形成装置27と、支払い装置28とを備えるコンピュータである。プロセッサ21から通信装置24までは、
図2に表すプロセッサ11から通信装置14までと同種のハードウェアである。
【0024】
UI装置25は、自装置を利用するユーザに対して提供されるインターフェースである。UI装置25は、例えば、表示手段であるディスプレイと、ディスプレイの表面に設けられたタッチパネルとを有するタッチスクリーンを有し、画像を表示するとともに、ユーザからの操作を受け付ける。また、UI装置25は、タッチスクリーン以外にも、キーボード等の操作子を有し、それらの操作子への操作を受け付ける。
【0025】
画像読取装置26は、用紙等の媒体に表されている画像を読み取るハードウェア(いわゆるスキャナ)であり、自装置にセットされた媒体から画像を読み取る画像読取手段である。画像形成装置27は、用紙等の媒体に画像を形成するいわゆるプリンタであり、自装置にセットされた媒体を搬送しながら例えば電子写真方式で画像を転写して定着させることでその媒体に画像を形成する画像形成手段である。支払い装置28は、自装置が提供する有料の画像処理サービスの利用に対して利用者が支払った金銭を収納する。
【0026】
図4は業務端末30のハードウェア構成を表す。業務端末30は、プロセッサ31と、メモリ32と、ストレージ33と、通信装置34と、UI装置35とを備えるコンピュータである。プロセッサ31からUI装置35までは、
図3に表すプロセッサ21からUI装置25までと同種のハードウェアである。
【0027】
精算支援システム1においては、上記の各装置のプロセッサがプログラムを実行して各部を制御することで、以下に述べる各機能が実現される。各機能が行う動作は、その機能を実現する装置のプロセッサが行う動作としても表される。
【0028】
図5は精算支援システム1において実現される機能構成を表す。サーバ装置10は、利用情報取得部101と、利用目的判定部102と、関連情報記憶部103と、領収書情報出力部104と、立替金情報出力部105とを備える。画像処理装置20は、操作受付部201と、課金処理部202と、画像取得部203と、画像処理部204と、利用情報送信部205と、領収書出力部206とを備える。業務端末30は、立替金情報表示部301を備える。
【0029】
操作受付部201は、自装置の利用者が上記の有料の画像処理サービスを利用する際に行う操作を受け付ける。操作受付部201は、例えば、自装置のディスプレイに画像処理サービスの利用を開始するための利用開始ボタンを表示させる。操作受付部201は、利用開始ボタンが操作されると、画像処理サービスの一覧をディスプレイに表示させ、利用する画像処理サービスを選択する操作を受け付ける。
【0030】
操作受付部201は、選択された画像処理サービスに応じた設定用画面を表示させ、利用者による設定の操作を受け付ける。設定には、例えば画像を形成する媒体の種類、サイズ、枚数、カラーモードの選択、画像の解像度の選択、画像の保存先の指定及びファクシミリの送信先番号の指定等が含まれる。操作受付部201は、設定の操作を受け付けると、設定の内容を課金処理部202に通知する。
【0031】
課金処理部202は、設定された内容で自装置の画像処理サービスが利用された場合の課金に関する処理を行う。課金処理部202は、まず、通知された設定の内容で画像処理サービスが利用された場合の料金を算出し、算出した料金をディスプレイに表示させる。そして、利用者が支払い装置28に料金を支払うと、課金処理部202は、支払われた金額を計上し、算出した料金に達すると、画像処理サービスの利用に必要な料金が支払われた旨を操作受付部201に通知する。
【0032】
操作受付部201は、上記通知を受け取ると、画像処理サービスによる画像処理等を開始させるための処理開始ボタンを表示させる。利用者が処理開始ボタンを操作すると、操作受付部201は、設定内容を画像取得部203及び画像処理部204に供給する。画像取得部203は、自装置の画像処理サービスで用いられる画像(つまり処理される画像)を取得する。画像取得部203は、利用される画像処理サービスがコピー、スキャン及びファクシミリであれば、自装置にセットされた媒体を搬送して画像読取装置26により画像を読み取る処理を行う。
【0033】
画像取得部203は、利用される画像処理サービスがプリントであれば、設定された画像の保存場所から画像を読み出す処理を行う。画像取得部203は、1以上の画像を有する文書を単位として画像を取得する。文書には、例えば、法人の業務で用いられる提案書、仕様書、取扱説明書及び契約書等が含まれ、また、個人が用いるチケット及び予約状等も含まれる。画像取得部203は、取得した画像を画像処理部204に供給する。
【0034】
画像処理部204は、供給された画像に対して、利用される画像処理サービスに応じた処理を行う。画像処理部204は、利用される画像処理サービスがプリント又はコピーであれば、画像形成装置27に画像を媒体に形成させる処理を行う。また、画像処理部204は、利用される画像処理サービスがスキャンであれば、設定された保存場所に画像を保存する処理を行う。また、画像処理部204は、利用される画像処理サービスがファクシミリであれば、設定された送り先に画像を送信する処理を行う。
【0035】
画像処理部204は、実行した画像処理で用いた設定を示す設定情報と、処理した画像とを利用情報送信部205に供給する。利用者が画像処理サービスを利用した中に業務での利用が含まれている場合には、精算の際に料金を証明するために領収書が必要になる。操作受付部201は、自装置の利用を終了して領収書を発行するための領収書発行ボタンを表示させる。
【0036】
利用者が領収書発行ボタンを操作すると、操作受付部201は、利用開始ボタンが操作された利用開始時刻と領収書発行ボタンが操作された利用終了時刻とを利用情報送信部205に通知する。利用情報送信部205は、利用者による画像処理サービスの利用に関する利用情報を生成し、生成した利用情報と、この利用の料金の支払いに対する領収書の内容を示す領収書情報の要求とを示す要求データをサーバ装置10に送信する。
【0037】
図6は利用情報の一例を表す。
図6の例では、利用情報送信部205は、プリント又はコピーの画像処理サービスが利用された場合の利用情報として、領収書ID(=Identification)と、利用日時と、利用場所と、画像の頁数と、印刷された頁数と、印刷設定と、利用料金と、支払方法と、画像(
図6ではファイル名で示されている)とを対応付けた利用情報を生成している。なお、
図6の例では、利用場所として店舗名が表されているが、利用情報には、店舗名、店舗の住所及び店舗の電話番号が含まれているものとする。
【0038】
利用情報送信部205は、利用開始時刻から利用終了時刻までの画像処理サービスの利用に対して領収書IDを発行して割り当てる。また、利用情報送信部205は、例えば利用開始時刻を利用日時として、予め記憶されている自装置の設置場所の店舗を利用場所として利用情報に含める。また、利用情報送信部205は、各画像処理サービスの利用料金及び支払方法(本実施例では「現金」のみ)を課金処理部202に問い合わせて利用情報に含める。
【0039】
また、利用情報送信部205は、画像処理部204から供給された画像データを利用情報に含める。利用情報送信部205は、
図6に表すように生成した利用情報を示す要求データをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10の利用情報取得部101は、送信されてきた要求データが示す利用情報を取得する。取得された利用情報には画像処理で用いられた画像が含まれている。利用情報取得部101は本発明の「取得部」の一例である。
【0040】
利用情報取得部101は、取得した利用情報を利用目的判定部102及び関連情報記憶部103に供給する。利用目的判定部102は、取得された利用情報に基づいて、利用者による画像処理サービスの利用の目的を判定する。利用の目的には、大きく分けて、法人利用と、非法人利用とがある。法人利用とは、利用者が所属する法人の業務のための利用であり、例えば、提案書や見積書の印刷、社内資料の印刷、注文内容のファクシミリ送信などである。
【0041】
非法人利用とは、法人利用以外の利用、すなわち利用者の個人的な目的のための利用であり、例えば、購入したレシピや楽譜の印刷、チケットの印刷、予約先へのファクシミリ送信などである。利用目的判定部102は、取得された利用情報に含まれる画像、すなわち利用者が画像処理サービスを利用する際に用いた文書の画像(以下「利用画像」と言う)を解析して利用目的を判定する。
【0042】
具体的には、利用目的判定部102は、画像の特徴から文書の種類を特定し、特定した文書の種類に基づいて利用目的を判定する。利用目的判定部102は、文書の種類と画像の特徴とを対応付けた特徴テーブルを記憶する。
図7は特徴テーブルの一例を表す。
図7の例では、例えば、「法人利用の外部資料」という文書の種類に、「「xxx株式会社御中」、「株式会社xxx御中」、「xxx提案書」という文字列(「xxx」は任意)を含む。」という画像の特徴が対応付けられている。
【0043】
また、「法人利用の内部資料」という文書の種類には、「「xxx設計資料」、「xxx仕様書」という文字列(「xxx」は任意)を含む。」という画像の特徴が対応付けられている。また、「法人利用のその他資料」という文書の種類には、「「開示範囲」、「極秘」、「作成責任者」という文字列を含む。」という画像の特徴が対応付けられている。また、「非法人利用」という文書の種類には、「「予約」、「レシピ」、「楽譜」、「番組表」という文字列を含む。」という画像の特徴が対応付けられている。
【0044】
図7に表す文字列は、対応する文書の種類ではよく使われるが、他の種類の文書ではあまり使われない言葉を表している。なお、
図7に表す文字列は一例であり、対応する文書の種類ではよく使われ他の種類の文書ではあまり使われない言葉を表すものであれば、他の文字列が追加で又は代替で用いられてもよい。利用目的判定部102は、OCR(=Optical Character Recognition)で用いられる文字認識技術等を用いて利用画像から文字列を認識する。
【0045】
利用目的判定部102は、認識した文字列が特徴テーブルに含まれる文字列と一致するか否かによって利用目的を判定する。利用目的の判定における動作手順について、フロー図を用いて説明する。
図8は利用目的の判定処理の動作手順の一例を表す。
図8に表す動作手順は、利用情報に含まれる利用画像毎(すなわち文書毎)に行われる。
【0046】
利用目的判定部102は、まず、利用画像から文字列を認識する(ステップS11)。次に、利用目的判定部102は、認識した文字列に、特徴テーブルにおいて「法人利用の外部資料」に対応付けられた文字列が含まれているか否か、すなわち、法人利用の外部資料の特徴があるか否かを判断する(ステップS12)。利用目的判定部102は、ステップS12において特徴がある(YES)と判断した場合は、判定対象の利用画像が法人利用の文書の画像であると判断し(ステップS16)、この動作手順を終了する。
【0047】
利用目的判定部102は、ステップS12において特徴がない(NO)と判断した場合は、続いて、認識した文字列に、特徴テーブルにおいて「法人利用の内部資料」に対応付けられた文字列が含まれているか否か、すなわち、法人利用の内部資料の特徴があるか否かを判断する(ステップS13)。利用目的判定部102は、ステップS13において特徴がある(YES)と判断した場合は、判定対象の利用画像が法人利用の文書の画像であると判断し(ステップS16)、この動作手順を終了する。
【0048】
利用目的判定部102は、ステップS13において特徴がない(NO)と判断した場合は、次に、認識した文字列に、特徴テーブルにおいて「法人利用のその他資料」に対応付けられた文字列が含まれているか否か、すなわち、法人利用のその他資料の特徴があるか否かを判断する(ステップS14)。利用目的判定部102は、ステップS14において特徴がある(YES)と判断した場合は、判定対象の利用画像が法人利用の文書の画像であると判断し(ステップS16)、この動作手順を終了する。
【0049】
利用目的判定部102は、ステップS14において特徴がない(NO)と判断した場合は、続いて、認識した文字列に、特徴テーブルにおいて「非法人利用」に対応付けられた文字列が含まれているか否か、すなわち、非法人利用の特徴があるか否かを判断する(ステップS15)。利用目的判定部102は、ステップS15において特徴がある(YES)と判断した場合は、判定対象の利用画像が非法人利用の文書の画像であると判断し(ステップS17)、この動作手順を終了する。
【0050】
利用目的判定部102は、ステップS15においても特徴がない(NO)と判断した場合は、判定対象の利用画像の利用目的が不明であると判定し(ステップS18)、この動作手順を終了する。利用目的が法人利用で支払った料金は、精算の対象となる費用である。つまり、利用目的判定部102は、画像処理サービスの利用に要した費用(利用者が支払った料金)が精算対象か否かを示す精算条件を利用画像が満たす場合に、その利用画像の利用目的が法人利用であると判定する。
【0051】
ここでいう精算条件とは、本実施例では、ステップS12、S13、S14で用いた判定条件(利用画像に、外部資料の特徴があるか否か、内部資料の特徴があるか否か、その他の資料の特徴があるか否かという条件)である。利用目的判定部102は、以上で述べた利用目的の判定に加え、文書名の特定も行う。利用目的判定部102は、例えば、利用画像から認識した文字列のうち文書の冒頭に位置する文字列を文書名として特定する。利用目的判定部102は、利用目的の判定結果及び特定した文書名を関連情報記憶部103に供給する。
【0052】
関連情報記憶部103は、画像処理装置20が提供する画像処理サービスの利用に関連する関連情報を記憶する。
図9は関連情報の一例を表す。
図9の例では、関連情報記憶部103は、利用情報取得部101から供給された
図6に表す利用情報と、利用目的判定部102から供給された文書名及び利用目的とを関連情報として記憶している。
【0053】
利用情報取得部101は、画像処理装置20から送信されてきた要求データを受け取ると、領収書情報が要求された旨を領収書情報出力部104に通知する。領収書情報出力部104は、この通知を受け取ると、関連情報記憶部103に記憶されている関連情報を参照し、要求された領収書の内容を示す領収書情報を生成して、生成した領収書情報を要求元の画像処理装置20に対して出力する。
【0054】
領収書情報出力部104は、本実施例では、領収書の内容を画像で示す領収書情報を生成して出力する。
図10は領収書情報の一例を表す。
図10の例では、領収書情報出力部104は、「領収書」という文字列の下に、店舗の名称、住所、電話番号と、利用日時と、領収書IDと、利用料金の合計と、利用料金の内訳(=利用画像毎の利用目的及び料金)とを示す領収書情報を生成している。
【0055】
店舗の名称、住所、電話番号、利用日時、領収書ID、利用料金の合計及び利用料金の内訳は、いずれも関連情報に含まれる情報である。利用目的として「法人利用」が含まれているということは、その法人利用の費用は精算の対象となるから、その法人利用を目的として利用された画像処理サービスで用いられた利用画像は、精算条件を満たしたことを意味する。
【0056】
つまり、領収書情報出力部104は、利用画像が精算条件を満たした場合に、その利用画像を用いた画像処理サービスの利用に要する費用の精算に用いられる精算情報として、その費用に対する領収書の内容を示す領収書情報を生成して出力する。領収書情報出力部104は本発明の「出力部」の一例である。画像処理装置20の領収書出力部206は、出力されてきた領収書情報が示す領収書を、領収書用の紙媒体に出力する。
【0057】
画像処理サービスを利用した利用者は、出力された領収書を用いて、業務のために立て替えた支払いを精算する精算手続きを行う。利用者は、例えば社内の精算システムに対して立替金額等を入力する操作と、
図10に表す領収書の精算業務部門への送付とを精算手続きとして行う。
図10に表す領収書が出力された場合であれば、内訳が「法人利用」となっている「50円」は、基本的に無条件で精算対象として扱われる。そのため、利用者が自分の立て替えた支払いを覚えていなくても、内訳が「法人利用」となっている料金については精算されることになる。
【0058】
また、利用者は、内訳が「目的不明」となっている料金についても実際は法人目的であったことを覚えている場合には、その料金も合わせて精算手続きを行えばよい。精算業務部門の担当者は、送付されてきた領収書を用いて精算業務を行う。精算業務の担当者は、内訳が「法人利用」となっている料金の精算については、基本的に無条件で精算対象であることを認めて精算処理を行う。
【0059】
精算処理とは、例えば立替金を支払った社員の給与に精算した金額を加えて給料日に振り込む処理(精算した金額を単独で随時振り込む処理でもよい)である。そうすることで、支払った内容を都度確認する場合に比べて精算業務が迅速に行われるようになる。また、担当者は、内訳が「目的不明」となっている料金の精算については、業務端末30を用いて支払いの内容を確認する。
【0060】
業務端末30の立替金情報表示部301は、精算手続きが行われた立替金に関する立替金情報をディスプレイに表示させる。立替金情報表示部301は、立替金に関する操作を受け付けるための画面をディスプレイに表示させ、担当者が領収書IDを入力して該当する立替金情報の表示を指示する操作を行うと、立替金情報を要求する要求データをサーバ装置10に送信する。
【0061】
サーバ装置10の立替金情報出力部105は、送信されてきた要求データによって要求された領収書IDに対応付けられた立替金情報を業務端末30に対して出力する。立替金情報出力部105は、関連情報記憶部103を参照し、要求データが示す領収書IDに対応付けて記憶されている関連情報を読み出し、読み出した関連情報を立替金情報として業務端末30に対して出力する。
【0062】
立替金情報表示部301は、出力されてきた立替金情報をディスプレイに表示させる。
図11は表示された立替金情報の一例を表す。
図11の例では、立替金情報表示部301は、「立替金情報の確認画面」に、領収書ID、利用日時及び利用場所と、利用詳細として
図9の例で表した文書名、頁数、印刷頁数、印刷設定、料金、支払方法及び利用目的とを表示させている。
【0063】
また、立替金情報表示部301は、各文書の画像を表示させるためのイメージボタンB1を表示している。担当者が「目的不明」の文書の横に表示されたイメージボタンB1を操作すると、立替金情報表示部301は、該当する文書の画像を表示させる。このように、領収書情報出力部104は、業務端末30に、利用画像を含む領収書情報を精算情報として出力している。業務端末30は、画像処理サービスの費用の精算業務の担当者に対応付けられた宛先である。
【0064】
これにより、利用者が利用したプリントの画像処理サービスにより実際に印刷された文書の画像が表示されるので、精算業務の担当者は、表示された画像を見て、業務用に印刷された画像であるか否か、すなわち、画像処理サービスの費用が精算対象であるか否かを確認することになる。
【0065】
精算支援システム1が備える各装置は、上記の構成により、立替金の精算業務を支援する精算支援処理を行う。精算支援処理には、利用目的が表された領収書を出力する領収書出力処理と、立替金情報を出力する立替金情報出力処理とがある。
図12は領収書出力処理における動作手順の一例を表す。まず、画像処理装置20(操作受付部201)が、画像処理サービスを利用するための操作を受け付ける(ステップS21)。
【0066】
次に、画像処理装置20(課金処理部202)が、画像処理サービスの利用料金の支払いを受け取る(ステップS22)。続いて、画像処理装置20(画像取得部203及び画像処理部204)が、画像処理サービスに関する画像の処理(例えばコピーの画像処理サービスであれば画像読取処理及び画像形成処理等)を行う(ステップS23)。次に、画像処理装置20(利用情報送信部205)は、利用者による画像処理サービスの利用に関する利用情報を生成し(ステップS24)、生成した利用情報をサーバ装置10に送信する(ステップS25)。
【0067】
サーバ装置10(利用情報取得部101)は、送信されてきた利用情報を取得する(ステップS31)。次に、サーバ装置10(利用目的判定部102)は、
図8で説明した利用目的の判定処理を行う(ステップS32)。続いて、サーバ装置10(関連情報記憶部103)は、取得された利用情報と判定処理の結果とを含む関連情報を記憶する(ステップS33)。
【0068】
次に、サーバ装置10(領収書情報出力部104)は、記憶された関連情報を参照して
図10に表すような領収書情報を生成し(ステップS34)、画像処理サービスが利用された画像処理装置20に対して生成した領収書情報を出力する(ステップS35)。画像処理装置20(領収書出力部206)は、出力されてきた領収書情報が示す領収書を紙媒体に出力する(ステップS36)。
【0069】
図13は立替金情報出力処理における動作手順の一例を表す。
図13に表す動作手順は、
図12のステップS33でサーバ装置10(関連情報記憶部103)が関連情報を記憶した後に行われる。まず、業務端末30(立替金情報表示部301)は、立替金に関する操作を受け付けるための画面をディスプレイに表示させて立替金情報を要求する操作を受け付け(ステップS41)、立替金情報を要求する要求データをサーバ装置10に送信する(ステップS42)。
【0070】
サーバ装置10(立替金情報出力部105)は、送信されてきた要求データによって要求された立替金情報を生成し(ステップS43)、生成した立替金情報を業務端末30に対して出力する(ステップS44)。業務端末30(立替金情報表示部301)は、出力されてきた
図11に表すような立替金情報をディスプレイに表示させる(ステップS45)。また、イメージボタンB1が操作されると、業務端末30(立替金情報表示部301)は、該当する文書の利用画像をディスプレイに表示させる(ステップS46)。
【0071】
本実施例では、以上のとおり、領収書情報出力部104が、利用画像が精算条件を満たした場合に、その利用画像を用いた画像処理サービスの利用に要する費用の精算に用いられる精算情報として、
図10に表すように利用目的と費用とを対応付けて表した領収書情報を出力する。これにより、利用目的を見分ける情報が含まれていない通常の領収書を用いて精算を行う場合に比べて、有料の画像処理の利用に対する精算が容易になる。
【0072】
[2]変形例
上述した実施例は本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、実施例及び各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
【0073】
[2-1]領収書情報
領収書情報出力部104は、実施例では、領収書の内容を示す領収書情報として、領収書の内容を示す画像を出力したが、領収書の内容を示すテキストを出力してもよいし、画像とテキストとが混在する情報を出力してもよい。テキストが用いられる場合は、画像処理装置20の領収書出力部206が、領収書の画像を生成して媒体に出力すればよい。
【0074】
[2-2]精算条件
利用目的判定部102は、実施例では、利用画像に特定の文字列(例えば
図7に表す文字列)が含まれるか否かという条件を精算条件として用いたが、それとは異なる精算条件を用いてもよい。利用目的判定部102は、例えば、会社名、会社のロゴ、会社の住所、事業所名、電話番号、FAX番号又は会社特有の文書のフォーマット等が利用画像に含まれるか否かという条件を精算条件として用いてもよい。会社のロゴ及び文書のフォーマット等については、文字認識ではなく、図形認識の技術が用いられればよい。
【0075】
[2-3]利用者の認証
画像処理装置20は、認証された利用者に対して画像処理サービスを提供してもよい。本変形例では、精算支援システム1において画像処理サービスを利用する利用者の識別情報(=ユーザID等)が予め登録されており、登録された識別情報で認証を行う認証サーバが設けられているものとする。
【0076】
そして、画像処理装置20の操作受付部201が、識別情報の入力(手入力でも近距離無線通信による入力でもよい)を受け付け、前述した認証サーバと通信して、画像処理サービスの利用者を認証する。本変形例の操作受付部201は本発明の「認証部」の一例である。なお、認証方法としては、どのような方法が用いられてもよい。また、認証を行う機能がサーバ装置10に別途設けられていてもよい。
【0077】
画像処理装置20は、認証された利用者だけに対して画像処理サービスを提供してもよいし、認証された利用者だけでなく、認証されていない利用者にも画像処理サービスを提供してもよい。後者のように認証の有無にかかわらず画像処理サービスが提供される場合に、利用目的判定部102は、認証がされた画像処理サービスと認証がされない画像処理サービスとで異なる条件を精算条件として用いて、利用目的を判定してもよい。
【0078】
図14は本変形例の精算条件の一例を表す。
図14の例は、ファクシミリの画像処理サービスが利用される場合の精算条件が表されている。具体的には、認証が「あり」の場合、「xx-xxxx-xxxx」又は「yy-yyyy-yyyy」というFAX番号を含む利用画像は法人利用と判定され、「zz-zzzz-zzzz」というFAX番号を含む利用画像は非法人利用と判定される精算条件が表されている。
【0079】
一方、認証が「なし」の場合は、「xx-xxxx-xxxx」というFAX番号を含む利用画像は法人利用と判定され、「yy-yyyy-yyyy」又は「zz-zzzz-zzzz」というFAX番号を含む利用画像は非法人利用と判定される精算条件が表されている。つまり、「yy-yyyy-yyyy」というFAX番号へのファクシミリの費用は、認証がされている場合は精算対象になるが、認証がされていない場合は精算対象にならない。
【0080】
以上のとおり判定が行われることで、領収書情報出力部104は、認証がされた画像処理サービスと認証がされない画像処理サービスとで異なる精算条件を利用画像が満たす場合に、その画像処理サービスの費用の精算に用いられる精算情報として、領収書情報を出力する。
【0081】
「yy-yyyy-yyyy」というFAX番号は、例えばヘルプデスク等のFAX番号であり、法人の業務において用いられる場合もあれば、一般の人が私用で用いる場合もある。一方、認証の作業は少しの手間ではあるが面倒には違いないので、業務で画像処理サービスを利用する場合は多少面倒でも認証作業を行うが、私用で画像処理サービスを利用する際は認証作業を行わないということが起こり得る。
【0082】
つまり、認証がある場合とない場合とを比べると、認証がある場合の方が法人利用である可能性が高いので、「yy-yyyy-yyyy」というFAX番号を利用した画像処理サービスの費用を認証がある場合には精算対象にして、認証がない場合には精算対象にしていない。これにより、認証の有無に関係なく精算条件が一律の場合に比べて、精算対象か否かの判断の精度が高まる。
【0083】
[2-4]利用者の区別
上記の認証が行われる場合は、各利用者の区別が可能になる。そこで、利用目的判定部102は、認証がされた画像処理サービスと認証がされない画像処理サービスとで異なり、且つ、認証がされた利用者毎に異なる条件を精算条件として用いて、利用目的を判定してもよい。
【0084】
図15は本変形例の精算条件の一例を表す。
図15の例は、
図14と同様にファクシミリの画像処理サービスが利用される場合の精算条件が表されている。具体的には、利用者が「利用者A」の場合は
図14の例と同じ精算条件が用いられる。つまり、「yy-yyyy-yyyy」というFAX番号へのファクシミリの費用が、認証がされている場合は精算対象になるが、認証がされていない場合は精算対象にならない精算条件が用いられる。
【0085】
一方、利用者が「利用者B」の場合は、「yy-yyyy-yyyy」ではなく「xx-xxxx-xxxx」というFAX番号へのファクシミリの費用が、認証がされている場合は精算対象になるが、認証がされていない場合は精算対象にならない精算条件が用いられる。以上のとおり判定が行われることで、領収書情報出力部104は、認証がされた画像処理サービスと認証がされない画像処理サービスとで異なり、且つ、認証がされた利用者毎に異なる精算条件を利用画像が満たす場合に、その画像処理サービスの費用の精算に用いられる精算情報として、領収書情報を出力する。
【0086】
図15の例は、例えば、利用者Aが、「xx-xxxx-xxxx」は担当している顧客のFAX番号であり業務以外で用いる可能性が低いが、「yy-yyyy-yyyy」は直接の担当でない顧客のFAX番号なので私用でも用いる可能性があり、利用者Bが、「yy-yyyy-yyyy」は担当している顧客のFAX番号であり業務以外で用いる可能性が低いが、「xx-xxxx-xxxx」は直接の担当でない顧客のFAX番号なので私用でも用いる可能性がある場合に適用されるとよい。本変形例によれば、利用者に関係なく精算条件が一律の場合に比べて、精算対象か否かの判断の精度が高まる。
【0087】
[2-5]精算先
立替金を精算する精算先(費用を受け持つ団体又は組織等)は、法人に限らず、経済活動を行う団体であればよい。また、同じ団体でも、利用者が所属する部門毎又はプロジェクト毎に精算用の予算を有している場合には、利用者によって精算先が異なったり、画像処理サービスを利用する業務によって精算先が異なったりする。
【0088】
そのように精算先が複数存在する場合には、精算条件が、画像処理サービスの費用の精算先毎に定められていてもよい。
図16は本変形例の精算条件の一例を表す。
図16の例では、精算先が「部門C」である場合は、「会社α」の名称、略称、ロゴ、部門名及び製品名等が含まれているか否かという精算条件を用いて、精算先が「部門D」である場合は、「会社β」の名称、略称、ロゴ、部門名及び製品名等が含まれているか否かという精算条件を用いる。
【0089】
なお、「会社α」は、部門Cが担当する顧客であり、「会社β」は、部門Dが担当する顧客であるものとする。このように、精算先毎の精算条件としては、精算先に対応する業務で用いられる文書に頻出する特徴が利用画像に現れているか否かという条件が用いられるとよい。これにより、精算先に関係なく精算条件が一律の場合に比べて、精算対象か否かの判断の精度が高まる。
【0090】
なお、利用目的判定部102は、例えば、利用者と精算先とを対応付けた精算先テーブルを記憶しておき、上述した認証が行われて利用者が判明した場合に、その利用者に対応付けられている精算条件を、精算先毎に定められた精算条件として用いて利用目的を判定する。また、利用者が画像処理サービスを利用する際に精算先を指定する操作を行うことで、精算先毎に定められた精算条件が用いられてもよい。
【0091】
[2-6]精算情報
領収書情報出力部104は、実施例では、画像処理サービスの費用の精算に用いられる精算情報として領収書情報を出力したが、これに限らず、例えば精算に必要な情報(利用日時、料金及び利用目的)を含む一覧表を精算情報として出力してもよい。要するに、精算業務で立替金を証明する文書として認められるものであれば、どのような精算情報が出力されてもよい。
【0092】
また、領収書情報出力部104は、上記のように精算先が複数ある場合に、精算先を識別する識別情報を含む情報を精算情報として出力してもよい。精算先を識別する識別情報とは、例えば、精算先が特定の部門であれば部門名又は部門コード等である。また、精算先が特定のプロジェクトであれば、プロジェクト名又はプロジェクトコード等である。
【0093】
本変形例では、
図16の例のように、精算条件が、画像処理サービスの費用の精算先毎に定められているものとする。領収書情報出力部104は、それらの精算条件のうちのいずれかを満たす利用画像がある場合に、その利用画像を用いた画像処理サービスの費用と、満たされた精算条件が定められている精算先の識別情報とを対応付けて示した領収書情報を、精算情報として生成して出力する。
【0094】
図17は本変形例の領収書情報の一例を表す。
図17の例では、利用料金の内訳(利用画像毎の利用目的及び料金)として、法人利用の「70円」という料金とその請求先である「部門C」とを並べ、法人利用の「100円」という料金とその請求先である「部門E」とを並べることで料金と請求先とを対応付けて示した領収書情報が出力されている。これにより、利用者は、精算先を間違えずに精算手続きをすることになる。
【0095】
なお、利用画像の特徴によっては、異なる精算条件が同時に満たされる場合がある。その場合、領収書情報出力部104は、満たされた複数の精算条件がそれぞれ定められている複数の精算先の識別情報(部門名等)を共に示す領収書情報を精算情報として生成して出力すればよい。その場合、利用者は、例えば領収書情報に示された複数の部門名から精算先として適切な方を選択して精算手続きを行えばよい。その場合でも、精算情報において精算先の識別情報が示されない場合に比べて、精算先が絞り込まれている分だけ精算先を間違えにくくなる。
【0096】
[2-7]立替金情報の出力
立替金情報出力部105は、実施例では、立替金情報を要求してきた業務端末30に対して立替金情報を出力したが、立替金情報の出力先の決め方はこれに限らない。例えば、本変形例でも、
図16の例のように、精算条件が、画像処理サービスの費用の精算先毎に定められているものとする。
【0097】
また、複数の精算先について、複数の精算業務の担当者がそれぞれ定められており、各担当者はそれぞれ業務端末30を利用しているものとする。サーバ装置10は、精算先と、その精算先の精算業務を担当する担当者の宛先とを対応付けた宛先テーブルを記憶しておく。担当者の宛先は、例えば、担当者の電子メールアドレス又は担当者が利用する業務端末30のIP(=Internet Protocol)アドレス等で表される。
【0098】
なお、精算先と宛先とは、1対1で対応付けられていてもよいし、1対N(Nは自然数)又はN対1で対応付けられていてもよい。立替金情報出力部105は、複数の精算条件のうちのいずれかを満たす利用画像がある場合に、満たされた精算条件について定められた精算先に対応付けられた宛先に立替金情報を出力する。本変形例の立替金情報出力部105は本発明の「出力部」の一例である。
【0099】
領収書情報が利用者側で費用の精算に用いられる精算情報であるのに対して、立替金情報は、精算業務の担当者側で費用の精算に用いられる精算情報である。例えば部門C、D、Eについてそれぞれ精算条件が定められ、且つ、それぞれ精算業務の担当者c、d、eの宛先が対応付けられているとする。その場合、立替金情報出力部105は、部門Cについて定められた精算条件が満たされた場合は、担当者cの宛先に立替金情報を出力する。
【0100】
また、立替金情報出力部105は、部門Dについて定められた精算条件が満たされた場合は、担当者dの宛先に立替金情報を出力し、部門Eについて定められた精算条件が満たされた場合は、担当者eの宛先に立替金情報を出力する。本変形例では、利用画像が満たした精算条件に応じた宛先に立替金情報を出力するので、業務端末30から立替金情報が要求されるよりも前に、精算先に精算情報が予め伝達される。
【0101】
[2-8]非表示
精算業務の担当者の宛先に対して出力される立替金情報には、画像処理サービスを利用した利用者の部門及びそれに関連する部門等の一部の社員を除き、同じ会社の社員にも開示すべきでない情報が含まれている場合がある。開示すべきでない情報とは、例えば、利用画像に含まれた顧客向けの提示価格、契約条件及び顧客の社内情報等である。
【0102】
そこで、立替金情報出力部105は、画像処理サービスにおける画像処理が行われた利用画像に非表示条件を満たす部分が含まれている場合はその部分を不可視にした画像を出力してもよい。非表示条件とは、上述した開示すべきでない情報が満たす条件であり、言い換えると、立替金情報に含めて表示することを禁止すべき(つまり非表示にすべき)情報が満たす条件である。
【0103】
立替金情報出力部105は、非表示にすべき情報を表す画像の特徴を記憶しておき、利用画像においてその特徴を示す部分を特定する。立替金情報出力部105は、例えば、金額を表す画像(「円」及び「¥」等)、電話番号等を表す画像、住所(地図で示す場合を含む)を表す画像及び契約書でよく用いられる文言(「契約」、「甲」、「乙」、「締結」、「捺印」等)を表す画像の特徴を有する部分を特定する。
【0104】
立替金情報出力部105は、利用画像のうち特定した部分を不可視にする処理(以下「不可視処理」と言う)を行う。不可視処理とは、例えば、黒い長方形の画像を特定した部分に重複させて見えなくする処理である。また、特定した部分を含むページを削除する処理又は特定した部分にモザイクを掛ける処理が不可視処理として行われてもよい。立替金情報出力部105は、不可視処理を行った利用画像を含む立替金情報を出力する。これにより、精算業務の担当者にも開示すべきでない情報をその担当者が見ることがなくなる。
【0105】
[2-9]立替金の支払いシステム
精算業務の担当者が行う精算処理(人が行う事務的な処理を意味する)には、立替金の利用者への支払いに関する電子的な処理(利用者の口座への振込処理等)を行う精算システムが用いられる場合がある。その場合、担当者は、立替金の支払いに必要な情報(立替金の金額及び社員ID等)を精算システムに入力する作業を行う。
【0106】
これに対し、本変形例では、立替金情報出力部105が、精算システムへ立替金情報を直接出力する。精算には立替金を支払った社員を識別することが必要なので、本変形例では、上述した認証が行われ、利用者が識別される状態で画像処理サービスが利用されるものとする。立替金情報出力部105は、例えば、立替金の金額と認証に用いられた個人を識別する情報(例えば社員ID)とを含む立替金情報を精算システムに出力する。
【0107】
精算システムは、出力されてきた立替金情報を用いて利用者への立替金の振込処理等を行う。これにより、精算システムへの出力がされない場合に比べて、担当者による入力作業の手間が軽減される。なお、立替金情報出力部105は、本変形例において、精算業務の担当者に対応付けられた宛先にも立替金情報を出力してもよい。立替金情報出力部105は、例えば、関連情報に法人利用の利用料金だけが含まれている場合には、精算システムへの出力だけを行う。
【0108】
しかし、立替金情報出力部105は、関連情報に法人利用の利用料金及び目的不明の利用料金が含まれている場合には、目的不明の利用料金を精算すべきか否かが分からないため、精算システム及び精算業務の担当者に対応付けられた宛先の両方への出力を行う。その場合、立替金情報出力部105は、精算システムと担当者に対応付けられた宛先とで、それぞれ内容が異なる立替金情報を出力する。
【0109】
具体的には、立替金情報出力部105は、精算システムに対しては、立替金の支払い処理に必要な最小限の情報を含む立替金情報を出力し、担当者の宛先に対しては、目的不明の利用画像が利用料金を精算すべき内容か否かを判断させるために必要な情報を含む立替金情報を出力する。この判断に必要な情報とは、例えば、利用日時、利用場所、文書名及び利用画像そのもの等である。
【0110】
特に、立替金情報出力部105は、精算システムにはデータ量が大きい利用画像を含まない立替金情報を出力しつつ、担当者の宛先には利用目的の判断に役立てやすい利用画像を含む立替金情報を出力する。これにより、常に利用画像を含む立替金情報を出力する場合に比べて精算システムとの通信の負荷が減少すると共に、常に利用画像を含まない立替金情報を出力する場合に比べて精算業務の担当者が精算すべき利用料金を判断しやすくなる。
【0111】
[2-10]精算条件を満たさない画像
精算条件を満たさない画像、すなわち、私用で利用した画像処理サービスで処理された画像等に関する情報(例えば精算対象外の費用等)を精算情報に含ませるか否かを、精算情報の出力先に応じて異ならせてもよい。本変形例では、精算情報の出力先が2つある。
【0112】
1つ目は、画像処理のサービス提供者への支払いに関する情報を出力する装置であり、例えば画像処理装置20である。支払いに関する情報とは、例えば領収書に含まれている店舗名、店舗の住所、電話番号、利用日時、領収書ID及び利用料金等である。この画像処理装置20に対しては、領収書情報出力部104が、精算条件を満たさない画像に関する情報を含む精算情報として、例えば実施例で述べた領収書情報を出力する。
【0113】
2つ目は、上記の変形例で述べた精算業務の担当者に対応付けられた宛先である。この宛先に対しては、立替金情報出力部105が、精算条件を満たさない画像に関する情報を含まない精算情報を出力する。精算条件を満たさない画像に関する情報とは、例えば、
図11に表された非法人利用の料金である。なお、目的不明の料金については、該当する画像が精算条件を満たさないか否かが確定していないため、精算条件を満たさない画像に関する情報に含めてもよいし、含めなくてもよい。
【0114】
本変形例では、領収書情報出力部104及び立替金情報出力部105が協働して本発明の「出力部」の一例として機能する。1つ目の出力先に精算条件を満たさない画像に関する情報を含む精算情報が出力されることで、画像処理サービスの利用者によって精算対象でない費用についても確認される。また、2つ目の出力先に精算条件を満たさない画像に関する情報を含まない精算情報が出力されることで、精算条件を満たさない画像に関する情報が常に含まれる場合に比べて、精算業務の担当者が確認する情報が少なくなる。
【0115】
[2-11]各部を実現する装置
図5に表す各機能を実現する装置は、図中に表された装置に限らない。例えばサーバ装置10が実現する機能を2以上の情報処理装置又はクラウドサービスで提供されるコンピュータリソースが実現してもよい。また、例えば、実施例では利用目的判定部102が法人利用の判定と非法人利用の判定という2つの動作を行ったが、これら2つの動作を別々の機能が行ってもよい。また、領収書情報出力部104及び立替金情報出力部105が行う動作を、領収書情報及び立替金情報をいずれも精算情報として出力する1つの機能が行ってもよい。要するに、画像読取システム全体として
図5に表された機能が実現されていれば、装置毎の機能分担及び各機能が行う動作の範囲は自由に定められてよい。
【0116】
[2-12]プロセッサ
上記各実施例において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0117】
また上記各実施例におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0118】
[2-13]発明のカテゴリ
本発明は、サーバ装置、画像処理装置及び業務端末等の情報処理装置の他、各情報処理装置を備える情報処理システムとしても捉えられる。また、本発明は、各情報処理装置が実施する処理を実現するための情報処理方法としても捉えられるし、各情報処理装置を制御するコンピュータを機能させるためのプログラムとしても捉えられる。このプログラムは、それを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されてもよいし、インターネット等の通信回線を介してコンピュータにダウンロードさせ、それをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0119】
1…精算支援システム、10…サーバ装置、20…画像処理装置、30…業務端末、101…利用情報取得部、102…利用目的判定部、103…関連情報記憶部、104…領収書情報出力部、105…立替金情報出力部、201…操作受付部、202…課金処理部、203…画像取得部、204…画像処理部、205…利用情報送信部、206…領収書出力部、301…立替金情報表示部。