(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、管理装置、情報処理プログラム、管理プログラム、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240116BHJP
H04L 67/10 20220101ALI20240116BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20240116BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
H04L67/10
H04L67/00
(21)【出願番号】P 2019184122
(22)【出願日】2019-10-04
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】泉澤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】松尾 紘太
(72)【発明者】
【氏名】横橋 麻美
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-215594(JP,A)
【文献】特開2002-262106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04L 67/00
H04L 67/10
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
繰り返し実行する特定の処理毎に、管理装置で管理される前記特定の処理に関する情報を生成し、
前記管理装置で既に管理されている情報を表す管理情報を参照して、前記生成した情報のうち、前記管理装置で管理されていない情報を出力する
通信回線に接続されていない情報処理装置。
【請求項2】
前記管理情報が、前記プロセッサで最後に生成した前記特定の処理に関する情報に更新される
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、更新した前記管理情報によって表される前記管理装置で管理されている
最新の情報の
生成日時が、更新前の前記管理情報によって表される前記管理装置で管理されている
最新の情報の
生成日時よりも
前である場合、警告を出力する
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記管理情報が、最後に前記プロセッサによって生成された情報の生成日時で表された
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記管理情報に含まれる情報の生成日時を参照し、参照した生成日時よりも後に生成した情報を出力する
請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
特定の処理毎に前記特定の処理に関する情報を繰り返し生成する、通信回線に接続されていない情報処理装置とデータを授受する場合、前記通信回線で接続された仲介装置を経由して、管理対象となっている前記特定の処理に関する情報の範囲を表す管理情報を前記情報処理装置に通知し、
前記情報処理装置に通知した前記管理情報に対して、前記仲介装置を経由して前記情報処理装置から受信した情報のうち、まだ管理対象となっていない情報を取得して新たに管理を行い、
新たに管理を始めた情報が管理対象に含まれるように前記管理情報を更新する
管理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記管理情報を用いて、前記情報処理装置から受け付けた情報のうち管理対象となっていない情報を特定する
請求項6記載の管理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記情報処理装置に繰り返し送信する定期情報と共に更新した前記管理情報を前記情報処理装置に通知する
請求項6または請求項7記載の管理装置。
【請求項9】
前記定期情報は、前記情報処理装置で情報を繰り返し生成するアプリケーションの有効期限を表す情報である
請求項8記載の管理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記情報処理装置が生成した情報を受け付ける前に、情報の送信元である前記情報処理装置が管理対象の前記情報処理装置であるか否かを認証する認証情報を受け付け、
前記認証情報と同じ認証情報が登録済みである場合に、前記情報処理装置から受け付けた情報のうち、管理対象となっていない情報を取得して新たに管理を行う
請求項6~請求項9の何れか1項に記載の管理装置。
【請求項11】
前記認証情報が前記情報処理装置に対して一意に割り当てられた装置識別子、または前記仲介装置を操作して前記情報処理装置で生成された情報を送信するユーザに対して一意に割り当てられたユーザ識別子である
請求項10記載の管理装置。
【請求項12】
前記管理情報は、管理対象となっている情報のうち、前記情報処理装置における前記特定の処理によって最後に生成された情報の生成日時であり、
前記プロセッサは、前記管理情報で表される情報の生成日時が、新たに管理を始めた情報のうち、前記情報処理装置によって最後に生成された情報の生成日時になるように前記管理情報を更新する
請求項6~請求項11の何れか1項に記載の管理装置。
【請求項13】
通信回線に接続されていないコンピュータに、
繰り返し実行する特定の処理毎に、管理装置で管理される前記特定の処理に関する情報を生成し、前記管理装置で既に管理されている情報を表す管理情報を参照して、前記生成した情報のうち、前記管理装置で管理されていない情報を出力させるための情報処理プログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
特定の処理毎に前記特定の処理に関する情報を繰り返し生成する、通信回線で接続されていない情報処理装置とデータを授受する場合、通信回線で接続された仲介装置を経由して、管理対象となっている前記特定の処理に関する情報の範囲を表す管理情報を前記情報処理装置に通知し、
前記情報処理装置に通知した前記管理情報に対して、前記仲介装置を経由して前記情報処理装置から受信した情報のうち、まだ管理対象となっていない情報を取得して新たに管理を行い、
新たに管理を始めた情報が管理対象に含まれるように前記管理情報を更新させるための管理プログラム。
【請求項15】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
繰り返し実行する色評価処理毎に、管理装置で管理される前記色評価処理に関する情報を生成し、
前記管理装置で既に管理されている情報を表す管理情報を参照して、前記生成した情報のうち、前記管理装置で管理されていない情報を出力する
通信回線に接続されていない画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、管理装置、情報処理プログラム、管理プログラム、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クラウドと、前記クラウドと接続され前記クラウドとの間で情報の連携を行う通信端末と、を含むクラウドシステムであって、前記クラウドに格納されているフォルダの中から、前記接続が切断状態であっても、前記通信端末に対して提供する必要がある情報が格納されたフォルダを指定する指定手段と、前記指定されたフォルダの中から、前記通信端末が必要とする情報が格納されたフォルダを選択する選択手段と、前記選択されたフォルダを、前記通信端末に所定期間保存する保存手段と、を含むことを特徴とするクラウドシステムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、ネットワーク上のストレージ装置を複数の情報処理端末で共有し、前記ストレージ装置及び各端末間でデータを同期させる情報処理システムの各情報処理端末において、データと、当該データが前記ストレージ装置と同期後に更新されたか否かを示す更新情報とを対応付けて記憶する第1記憶部と、前記第1記憶部に記憶されるデータと、前記ストレージ装置に記憶されるデータとを同期させた最新の日時とを記憶する第2記憶部と、前記ストレージ装置とデータを同期させる場合に、前記ストレージ装置が何れかの情報処理端末と同期した最新の日時を、前記ストレージ装置から取得する取得部と、前記取得部によって取得された最新の日時と、前記第2記憶部に記憶される最新の日時とが一致する場合に、前記更新情報が更新済みのデータを前記ストレージ装置に同期させ、前記取得部によって取得された最新の日時と前記第2記憶部に記憶される最新の日時とが一致しない場合、かつ、前記更新済みのデータが存在する場合、前記更新済みのデータを前記第1記憶部から他の記憶部に退避させた後、前記ストレージ装置に保存されるデータと前記第1記憶部に記憶されるデータとを同期させる同期実行部とを有することを特徴とする情報処理端末が開示されている。
【0004】
特許文献3には、サーバと情報処理端末とがネットワークを介して接続されたファイル自動更新システムであって、前記サーバは、前記情報処理端末からの要求に応じて、自身が格納する任意のファイルを要求元の情報処理端末へ送信する手段と、前記情報処理端末からの要求に応じて、自身が格納する任意のファイルの最後に更新された時刻を示す最終更新日時情報を要求元の情報処理端末へ送信する手段とを有し、前記情報処理端末は、前記サーバから任意のファイルを取得した際に、そのファイルの最終更新日時情報の送信を前記サーバへ要求する手段と、前記サーバから取得した任意のファイルと、そのファイルの最終更新日時情報とを関連づけて格納手段に格納する手段と、前記サーバから取得した任意のファイルを使用または実行する際に、そのファイルの最終更新日時情報を前記サーバへ要求する手段と、前記使用または実行するファイルに関連づけられている最終更新日時情報と、新たに取得した最終更新日時情報とを比較し、前記使用または実行するファイルが最新のファイルであるか否か判断する判断手段と、前記判断手段が、最新のファイルではないと判断した場合に、前記使用または実行するファイルの送信を前記サーバへ要求する自動更新手段と、を有することを特徴とするファイル自動更新システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-182292号公報
【文献】特許第6086124号公報
【文献】特開2007-305064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通信回線に接続されていない情報処理装置から、通信回線に接続されている管理装置に情報を送信したいことがある。この場合、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体に情報処理装置の情報を記憶させ、記憶媒体を介して通信回線に接続されている仲介装置に情報を移動させて、仲介装置から管理装置に情報処理装置の情報を送信する形態が取られる。しかしながら、通信回線に接続されていない情報処理装置からすると、管理装置と通信回線で接続されていないために、管理装置と通信を行い、送信する情報が既に管理装置に送信した送信済みの情報であるか否かを判断することができない。
【0007】
したがって、管理装置に送信する情報の抜け漏れを防ぐためには、例えば情報処理装置は、情報処理装置で生成した情報を、すべて管理装置に送信すればよいことになる。しかしながら、この場合、送信の度に既に送信済みの情報も一緒に管理装置に送信することになるため、管理装置に送信する情報量が大きくなる。本発明は、生成した情報を漏れなく管理装置に送信する場合であっても、管理装置に送信する情報量を抑制することができる情報処理装置、管理装置、情報処理プログラム、及び管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様に係る通信回線に接続されていない情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、繰り返し実行する特定の処理毎に、管理装置で管理される前記特定の処理に関する情報を生成し、前記管理装置で既に管理されている情報を表す管理情報を参照して、前記生成した情報のうち、前記管理装置で管理されていない情報を出力する。
【0009】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記管理情報が、前記プロセッサで最後に生成した前記特定の処理に関する情報に更新される。
【0010】
第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、更新した前記管理情報によって表される前記管理装置で管理されている情報の範囲が、更新前の前記管理情報によって表される前記管理装置で管理されている情報の範囲よりも狭くなった場合、警告を出力する。
【0011】
第4態様に係る情報処理装置は、第1態様~第3態様の何れかの態様に係る情報処理装置において、前記管理情報が、最後に前記プロセッサによって生成された情報の生成日時で表される。
【0012】
第5態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記管理情報に含まれる情報の生成日時を参照し、参照した生成日時よりも後に生成した情報を出力する。
【0013】
第6態様に係る管理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、特定の処理毎に前記特定の処理に関する情報を繰り返し生成する、通信回線に接続されていない情報処理装置とデータを授受する場合、前記通信回線で接続された仲介装置を経由して、管理対象となっている前記特定の処理に関する情報の範囲を表す管理情報を前記情報処理装置に通知し、前記情報処理装置に通知した前記管理情報に対して、前記仲介装置を経由して前記情報処理装置から受信した情報のうち、まだ管理対象となっていない情報を取得して新たに管理を行い、新たに管理を始めた情報が管理対象に含まれるように前記管理情報を更新する。
【0014】
第7態様に係る管理装置は、第6態様に係る管理装置において、前記プロセッサは、前記管理情報を用いて、前記情報処理装置から受け付けた情報のうち管理対象となっていない情報を特定する。
【0015】
第8態様に係る管理装置は、第6態様または第7態様に係る管理装置において、前記プロセッサは、前記情報処理装置に繰り返し送信する定期情報と共に更新した前記管理情報を前記情報処理装置に通知する。
【0016】
第9態様に係る管理装置は、第8態様に係る管理装置において、前記定期情報は、前記情報処理装置で情報を繰り返し生成するアプリケーションの有効期限を表す情報である。
【0017】
第10態様に係る管理装置は、第6態様~第9態様の何れかの態様に係る管理装置において、前記プロセッサは、前記情報処理装置が生成した情報を受け付ける前に、情報の送信元である前記情報処理装置が管理対象の前記情報処理装置であるか否かを認証する認証情報を受け付け、前記認証情報と同じ認証情報が登録済みである場合に、前記情報処理装置から受け付けた情報のうち、管理対象となっていない情報を取得して新たに管理を行う。
【0018】
第11態様に係る管理装置は、第10態様に係る管理装置において、前記認証情報が前記情報処理装置に対して一意に割り当てられた装置識別子、または前記仲介装置を操作して前記情報処理装置で生成された情報を送信するユーザに対して一意に割り当てられたユーザ識別子である。
【0019】
第12態様に係る管理装置は、第6態様~第11態様の何れかの態様に係る管理装置において、前記管理情報は、管理対象となっている情報のうち、前記情報処理装置における前記特定の処理によって最後に生成された情報の生成日時であり、前記プロセッサは、前記管理情報で表される情報の生成日時が、新たに管理を始めた情報のうち、前記情報処理装置によって最後に生成された情報の生成日時になるように前記管理情報を更新する。
【0020】
第13態様に係る情報処理プログラムは、通信回線に接続されていないコンピュータに、繰り返し実行する特定の処理毎に、管理装置で管理される前記特定の処理に関する情報を生成し、前記管理装置で既に管理されている情報を表す管理情報を参照して、前記生成した情報のうち、前記管理装置で管理されていない情報を出力させるためのプログラムである。
【0021】
第14態様に係る管理プログラムは、コンピュータに、特定の処理毎に前記特定の処理に関する情報を繰り返し生成する、通信回線で接続されていない情報処理装置とデータを授受する場合、通信回線で接続された仲介装置を経由して、管理対象となっている前記特定の処理に関する情報の範囲を表す管理情報を前記情報処理装置に通知し、前記情報処理装置に通知した前記管理情報に対して、前記仲介装置を経由して前記情報処理装置から受信した情報のうち、まだ管理対象となっていない情報を取得して新たに管理を行い、新たに管理を始めた情報が管理対象に含まれるように前記管理情報を更新させるためのプログラムである。
【0022】
第15態様に係る通信回線に接続されていない画像形成装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、繰り返し実行する色評価処理毎に、管理装置で管理される前記色評価処理に関する情報を生成し、前記管理装置で既に管理されている情報を表す管理情報を参照して、前記生成した情報のうち、前記管理装置で管理されていない情報を出力する。
【発明の効果】
【0023】
第1態様、第6態様、第13態様、第14態様、及び第15態様によれば、生成した情報を漏れなく管理装置に送信する場合であっても、管理装置に送信する情報量を抑制することができる、という効果を有する。
【0024】
第2態様によれば、管理情報を参照すれば、管理装置で管理されていない情報を特定することができる、という効果を有する。
【0025】
第3態様によれば、情報の管理に異常が発生したことをユーザに通知することができる、という効果を有する。
【0026】
第4態様によれば、情報の生成順を特定することができる、という効果を有する。
【0027】
第5態様によれば、管理装置で管理されていない情報を特定することができる、という効果を有する。
【0028】
第7態様によれば、管理装置で管理している情報を特定することができる、という効果を有する。
【0029】
第8態様によれば、情報処理装置に管理情報と定期情報を個別に送信する場合と比較して、管理装置及び情報処理装置の負荷を低減することができる、という効果を有する。
【0030】
第9態様によれば、アプリケーションの有効期限の更新時期にあわせて、管理情報を情報処理装置に通知することができる、という効果を有する。
【0031】
第10態様によれば、管理対象となっていない情報処理装置からの不正な接続要求を遮断することができる、という効果を有する。
【0032】
第11態様によれば、情報処理装置の装置識別子がわからない場合であっても、ユーザ識別子を用いて管理装置に情報処理装置が生成した情報を出力することができる、という効果を有する。
【0033】
第12態様によれば、管理情報を参照することで管理対象となっている情報の範囲を特定することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】情報処理システムのシステム構成例を示す図である。
【
図2】情報処理システムにおける情報の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図3】情報処理装置における電気系統の要部構成例を示す図である。
【
図4】管理サーバにおける電気系統の要部構成例を示す図である。
【
図5】情報処理装置によって実行される出力処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】管理サーバによって実行される管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】管理サーバによって実行されるライセンス発行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】色評価ファイルの管理状況例を示す図である。
【
図9】ライセンス発行要求が行われなかった場合における色評価ファイルの管理状況例を示す図である。
【
図10】ユーザが管理サーバに色評価ファイルを送信し忘れた場合における色評価ファイルの管理状況例を示す図である。
【
図11】ユーザが管理サーバに色評価ファイルを送信し忘れた後に、ライセンス発行要求が行われた場合における色評価ファイルの管理状況例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素及び同じ処理には全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する。
【0036】
図1は本実施の形態に係る情報処理システム1のシステム構成例を示す図であり、情報処理システム1は情報処理装置10、仲介装置20、管理サーバ30、及び認証サーバ40を含む。
【0037】
情報処理装置10及び仲介装置20は、例えば情報処理装置10を利用するユーザが操作する装置である。管理サーバ30及び認証サーバ40は、例えば情報処理装置10を管理し、情報処理装置10を通じてユーザに何らかのサービスを提供する管理者が操作する装置である。
【0038】
情報処理装置10、仲介装置20、管理サーバ30、及び認証サーバ40のそれぞれの設置場所に制約はないが、例えば情報処理装置10及び仲介装置20は同じ建物内に設置され、管理サーバ30及び認証サーバ40は情報処理装置10及び仲介装置20が設置される建物とは異なる場所、具体的にはデータセンター等に設置されているものとする。また、離れた場所にある仲介装置20と管理サーバ30は、例えばインターネットのように不特定多数の装置が接続される通信回線の一例である公衆回線3で接続されている。
【0039】
情報処理装置10は、ユーザの指示に応じたサービスを提供する装置である。ユーザにサービスを提供する装置であれば情報処理装置10の種類に制約はないが、例えば情報処理装置10は、ユーザが指定した画像を用紙等の記録媒体に形成する画像形成サービスを提供する画像形成装置であるものとする。
【0040】
情報処理装置10が提供するサービスを実行するためには、サービスに対応した処理を規定したアプリケーションが必要である。このアプリケーションは後述するように、管理サーバ30からライセンス認証を受けることで実行が許可される。具体的には、アプリケーションは、管理サーバ30から受け付けたライセンスに示される有効期限の間だけ実行することが許可され、有効期限が経過した以降は、情報処理装置10でアプリケーションを実行しようとしてもアプリケーションが起動しないように制御される。したがって、アプリケーションの有効期限が切れた後にアプリケーションを利用するためには、情報処理装置10は管理サーバ30に対して有効期限を更新した新たなライセンスの発行を要求する。アプリケーションの有効期限は一例として1か月に設定されるが、当然のことながら、アプリケーションの有効期限が1か月以外の期間に設定されてもよい。
【0041】
一方、情報処理装置10は外部からの不正なアクセスによる情報漏えい及びデータの改ざん等が行われないように、不特定多数の装置が接続される公衆回線3に接続せず、例えばユーザが所属する組織が管理している装置のように、特定の装置だけが接続されるような内部回線2に接続される。すなわち、内部回線2は、例えば社内LAN(Local Area Network)またはイントラネットのように、特定の組織内で閉じた通信回線であり、組織外の装置からは接続が許可されない通信回線である。したがって、情報処理装置10が管理サーバ30と情報を送受信する場合には、仲介装置20を経由して管理サーバ30と情報の送受信を行うことになる。
【0042】
仲介装置20は、情報処理装置10と管理サーバ30との情報の送受信を仲介する装置である。仲介装置20が情報処理装置10と管理サーバ30との情報の送受信を仲介する場合には、ユーザによる仲介装置20の操作が必要となる。具体的には、ユーザが情報処理装置10の情報を管理サーバ30に送信する場合、ユーザが仲介装置20を操作して管理サーバ30に対する認証画面を表示し、ユーザが認証画面に登録済みの認証情報を入力することで、管理サーバ30で管理している情報処理装置10を利用するユーザからの接続要求であることを管理サーバ30に通知する。管理サーバ30でユーザの認証が完了した後、ユーザは内部回線2を通じて情報処理装置10から仲介装置20に送信された情報の中から、管理サーバ30に送信したい情報を選択し、送信画面に表示される送信ボタンを押下して選択した情報を管理サーバ30に送信する。一方、ユーザが管理サーバ30から受信した情報を情報処理装置10に引き渡す場合、ユーザが仲介装置20を操作して情報処理装置10に引き渡したい情報を選択した後、受信画面に表示される転送ボタンを押下して、選択した情報を、内部回線2を通じて情報処理装置10に転送する。
【0043】
以降では、情報処理装置10が仲介装置20と内部回線2で接続される例について説明するが、情報処理装置10を内部回線2にも接続せずに、何れの通信回線とも接続されていない単独状態(「スタンドアローン」という)で利用してもよい。この場合、ユーザは例えばUSBメモリやメモリカード等の可搬型の半導体メモリを用いて、人手で情報処理装置10と仲介装置20の間で情報の授受を行えばよい。
【0044】
このように、内部回線2に接続されていたとしても、不特定多数の装置が接続される公衆回線3に接続された装置と情報の送受信を行う場合に、仲介装置20でユーザの操作が必要となるような情報処理装置10を、「通信回線に接続されていない情報処理装置10」という。また、通信回線に接続されていない状態を「オフライン状態」ということがある。
【0045】
図1に示す情報処理システム1の例では、情報処理システム1に情報処理装置10と仲介装置20の組み合わせが1組しか含まれていないが、情報処理装置10と仲介装置20の組み合わせはアプリケーションを利用するユーザが存在する地点毎に複数設置され、それぞれの仲介装置20が公衆回線3で管理サーバ30と接続される。
【0046】
管理サーバ30は、情報処理装置10で実行されるアプリケーションのライセンスを管理すると共に、情報処理装置10でアプリケーションが実行されている期間の間、アプリケーションによって繰り返し実行される特定の処理(以降、「特定処理」という)の処理結果を管理する管理装置の一例である。
【0047】
情報処理装置10が画像形成装置の場合、情報処理装置10は、記録媒体に形成される画像の色相、明度、及び彩度が、それぞれ指定の色相、明度、及び彩度からどの程度ずれているかを評価する色評価処理を、画像を形成するためのアプリケーションが実行されている期間の間、繰り返し実行する。管理サーバ30は、情報処理装置10での色評価処理の結果である色評価結果を管理し、情報処理装置10で記録媒体に形成される画像の色が指定した色に近づくように補正した補正情報を情報処理装置10に送信する。ここで、色の補正を行うのは、管理サーバ30でも情報処理装置10でもよい。
【0048】
なお、収集する色評価結果の数が多いほど、情報処理装置10における色ずれの傾向が特定しやすくなるため、補正情報の精度が向上する。したがって、管理サーバ30では、情報処理装置10が生成したすべての色評価結果を管理する。
【0049】
本実施の形態に係る色評価処理は特定処理の一例であり、色評価処理によって出力される色評価結果は情報処理装置10が生成する情報の一例であると共に、特定処理に関する情報の一例である。色評価結果は予め定めたフォーマットに従ったファイルとして生成されることから、以降では「色評価ファイル」ということにする。
【0050】
認証サーバ40は、例えば管理サーバ30を管理する管理者が属する組織内で閉じた通信回線である内部回線4で管理サーバ30と接続される。認証サーバ40には認証情報が登録されており、認証サーバ40は、管理サーバ30から受け付けた認証情報が、登録済みの認証情報と一致するか否かを表す認証結果を管理サーバ30に出力する。認証情報が一致するということは、管理サーバ30が、管理サーバ30でアプリケーションのライセンスを管理している情報処理装置10のユーザから、公衆回線3を通じて接続要求を受け付けたことを示している。
【0051】
図2は、情報処理システム1において、情報処理装置10がアプリケーションを利用する場合に行われる情報の基本的な授受の一例を示したシーケンス図である。
【0052】
情報処理装置10はアプリケーションを利用するため、例えばライセンスの有効期限が切れる前に、ライセンスの有効期限にあわせて管理サーバ30に対して新たなライセンスを要求する。そのため、情報処理装置10は内部回線2を通じて仲介装置20にライセンス発行要求を送信する(
図2のシーケンスF1参照)。
【0053】
情報処理装置10からライセンス発行要求を受け付けた仲介装置20は、ユーザの操作に従い、ユーザの認証情報とライセンス発行要求を管理サーバ30に転送する(
図2のシーケンスF2参照)。
【0054】
認証情報を受け付けた管理サーバ30は内部回線4を通じて、受け付けた認証情報を認証サーバ40に転送する(
図2のシーケンスF3参照)。
【0055】
認証サーバ40は、管理サーバ30から受け付けた認証情報に対する認証結果を、内部回線4を通じて管理サーバ30に送信する(
図2のシーケンスF4参照)。
【0056】
認証結果を受け付けた管理サーバ30は、認証結果によって、仲介装置20から受け付けたライセンス発行要求が、管理サーバ30で管理している情報処理装置10からのライセンス発行要求であると確認した場合に、アプリケーションの有効期限を設定したライセンスを生成し、生成したライセンスを、公衆回線3を通じて仲介装置20に送信する(
図2のシーケンスF5参照)。
【0057】
なお、管理サーバ30はライセンスを生成する場合、管理サーバ30で管理している、ライセンスの発行対象となっている情報処理装置10から受け付けた既に管理済みの色評価ファイルのうち、情報処理装置10で最後に生成された色評価ファイル、すなわち、管理サーバ30で管理している最新の色評価ファイルの生成日時もライセンスに設定する。色評価ファイルの生成日時は、色評価ファイルが生成された年月日に加え、時分秒の情報で構成される。
【0058】
以降では、管理サーバ30で管理済みの色評価ファイルのうち、最新の色評価ファイルを「基準色評価ファイル」といい、基準色評価ファイルが情報処理装置10によって生成された生成日時を「基準生成日時」ということにする。管理サーバ30で既に管理されている色評価ファイルの範囲を表す基準生成日時は本実施の形態に係る管理情報の一例である。なお、管理サーバ30におけるライセンス発行処理については後ほど詳細に説明する。
【0059】
ライセンスを受け付けた仲介装置20は、ユーザの操作に従い、受け付けたライセンスを情報処理装置10に転送する(
図2のシーケンスF6参照)。
【0060】
ライセンスを受け付けた情報処理装置10は、ライセンスに含まれるアプリケーションの有効期限を設定する。情報処理装置10にアプリケーションの有効期限を設定することを「ライセンス登録」と呼び、ライセンス登録を行うことで、情報処理装置10でアプリケーションの実行が許可される。
【0061】
上述したように、情報処理装置10でアプリケーションを実行している期間は色評価処理が繰り返し実行されるため、情報処理装置10はユーザが指示したタイミングで、それまでに色評価処理によって生成された色評価ファイルを、内部回線2を通じて仲介装置20に送信する(
図2のシーケンスF7参照)。なお、情報処理装置10では、ライセンスによって通知された基準生成日時を参照して、仲介装置20に送信する色評価ファイルを選択するが、情報処理装置10における色評価ファイルの出力処理については後ほど詳細に説明する。
【0062】
情報処理装置10から色評価ファイルを受け付けた仲介装置20は、ユーザの操作に従い、色評価ファイルを管理サーバ30に転送する(
図2のシーケンスF8参照)。
【0063】
色評価ファイルを受け付けた管理サーバ30は、受け付けた色評価ファイルを管理する。管理サーバ30は、管理した色評価ファイルから設定した色の補正情報を、予め定めたタイミングで仲介装置20を経由して情報処理装置10に送信する。情報処理装置10は管理サーバ30から受け付けた色の補正情報に従って、記録媒体に形成される画像の色補正を行う。これにより、例えば異なる情報処理装置10であっても、同じ画像が形成される場合には同じ色相、明度、及び彩度の画像が記録媒体に形成されるようになる。ここで、色の補正を行うのは、管理サーバ30でも情報処理装置10でもよい。
【0064】
なお、管理サーバ30において色評価ファイルを管理するために実行する管理処理については後ほど詳細に説明する。
【0065】
図3は、情報処理装置10における電気系統の要部構成例を示す図である。情報処理装置10は例えばコンピュータ50を用いて構成される。
【0066】
コンピュータ50は、情報処理装置10に係る各機能を担うプロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)50A、コンピュータ50を情報処理装置10として機能させる情報処理プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)50B、CPU50Aの一時的な作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)50C、不揮発性メモリ50D、及び入出力インターフェース(I/O)50Eを備える。そして、CPU50A、ROM50B、RAM50C、不揮発性メモリ50D、及びI/O50Eがバス50Fを介して各々接続されている。
【0067】
不揮発性メモリ50Dは、不揮発性メモリ50Dに供給される電力が遮断されても、記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。不揮発性メモリ50Dは、必ずしもコンピュータ50に内蔵されている必要はなく、例えばUSBメモリやメモリカードのようにコンピュータ50に着脱される可搬型の記憶媒体であってもよい。
【0068】
I/O50Eには、例えば通信ユニット52、操作ユニット54、表示ユニット56、及び画像形成ユニット58が接続される。
【0069】
通信ユニット52は内部回線2に接続され、仲介装置20との間でデータ通信を行う通信プロトコルを備える。
【0070】
操作ユニット54は、ユーザからの指示を受け付けてCPU50Aに通知するユニットであり、例えばボタン、タッチパネル、キーボード、及びマウス等が用いられる。指示が音声で行われる場合、操作ユニット54としてマイクが用いられることがある。
【0071】
表示ユニット56は、CPU50Aによって処理された情報を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイ及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。
【0072】
画像形成ユニット58は、アプリケーションを実行するCPU50Aの指示に従って、ユーザが指定した画像を記録媒体に形成するユニットである。画像形成ユニット58における画像形成方式はどのような方式であってもよく、例えば電子写真方式またはインクジェット方式が用いられる。
【0073】
図4は、管理サーバ30における電気系統の要部構成例を示す図である。管理サーバ30は例えばコンピュータ60を用いて構成される。
【0074】
コンピュータ60は、管理サーバ30に係る各機能を担うプロセッサの一例であるCPU60A、コンピュータ60を管理サーバ30として機能させる管理プログラムを記憶するROM60B、CPU60Aの一時的な作業領域として使用されるRAM60C、不揮発性メモリ60D、及びI/O60Eを備える。そして、CPU60A、ROM60B、RAM60C、不揮発性メモリ60D、及びI/O60Eがバス60Fを介して各々接続されている。
【0075】
I/O60Eには、例えば通信ユニット62、操作ユニット64、及び表示ユニット66が接続される。
【0076】
通信ユニット62は公衆回線3及び内部回線4に接続され、仲介装置20及び認証サーバ40との間でデータ通信を行う通信プロトコルを備える。
【0077】
操作ユニット64は、管理者からの指示を受け付けてCPU60Aに通知するユニットであり、例えばボタン、タッチパネル、キーボード、及びマウス等が用いられる。指示が音声で行われる場合、操作ユニット64としてマイクが用いられることがある。
【0078】
表示ユニット66は、CPU60Aによって処理された情報を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイ等が用いられる。
【0079】
なお、仲介装置20及び認証サーバ40における電気系統の要部構成例は、
図4に示した管理サーバ30における電気系統の要部構成例と同じ構成となるため説明を省略する。
【0080】
次に、情報処理装置10の動作について説明する。
【0081】
図5は、情報処理装置10のCPU50Aによって実行される色評価ファイルの出力処理の流れの一例を示すフローチャートである。出力処理を規定する情報処理プログラムは、例えば情報処理装置10のROM50Bに予め記憶されている。情報処理装置10のCPU50Aは、ROM50Bに記憶される情報処理プログラムを読み込み、出力処理を実行する。CPU50Aは、
図5に示す出力処理を何れのタイミングで実行してもよく、例えば操作ユニット54を通じてユーザから指示が行われた場合に実行するものとする。
【0082】
なお、情報処理装置10には管理サーバ30からのライセンスの発行により基準生成日時が通知されているものとし、不揮発性メモリ50Dには、情報処理装置10が繰り返し実行するそれぞれの色評価処理で生成された複数の色評価ファイルが記憶されているものとする。
【0083】
ステップS10において、CPU50Aは、管理サーバ30から受信した最新のライセンスに設定されている基準生成日時を取得する。
【0084】
ステップS20において、CPU50Aは、これまでに生成した色評価ファイルの中から何れか1つの色評価ファイルを選択する。
【0085】
ステップS30において、CPU50Aは、ステップS20で選択した色評価ファイルの生成日時がステップS10で取得した基準生成日時より後であるか否かを判定する。選択した色評価ファイルの生成日時が基準生成日時より後であれば、選択した色評価ファイルは、基準生成日時より後に生成された色評価ファイルということになる。すなわち、選択した色評価ファイルは、管理サーバ30ではまだ管理されていない色評価ファイルということになる。したがって、ステップS40に移行し、ステップS40において、CPU50Aは選択した色評価ファイルを抽出し、例えばRAM50Cに記憶する。
【0086】
一方、ステップS30の判定処理で、選択した色評価ファイルの生成日時が基準生成日時以前であると判定された場合には、ステップS40の処理を実行することなくステップS50に移行する。すなわち、CPU50Aは、これまでに生成した色評価ファイルのうち、既に管理サーバ30で管理されている色評価ファイルを抽出しないようにする。
【0087】
ステップS50において、CPU50Aは、不揮発性メモリ50Dにまだ選択されていない未選択の色評価ファイルが存在するか否かを判定する。未選択の色評価ファイルが存在する場合にはステップS20に移行し、ステップS20において、未選択の色評価ファイルの中から何れか1つの色評価ファイルを選択する。ステップS50の判定処理において未選択の色評価ファイルは存在しないと判定されるまでステップS20~S50の処理を繰り返し実行することで、色評価処理毎に生成した複数の色評価ファイルの中から、生成日時が基準生成日時より後の色評価ファイルだけがステップS40で抽出され、RAM50Cに記憶されることになる。
【0088】
一方、ステップS50の判定処理で、不揮発性メモリ50Dにはもう未選択の色評価ファイルは存在しないと判定された場合、ステップS60に移行する。
【0089】
ステップS60において、CPU50Aは通信ユニット52を制御して、ステップS40でRAM50Cに抽出した色評価ファイルを管理サーバ30に送信し、
図5に示す出力処理を終了する。
【0090】
なお、情報処理装置10がスタンドアローン状態の場合には、CPU50Aは、例えばユーザが情報処理装置10の図示しない外部端子に装着した可搬型の半導体メモリにステップS40でRAM50Cに抽出した色評価ファイルを出力し、ユーザが色評価ファイルの記憶された半導体メモリを仲介装置20の図示しない外部端子に装着して、情報処理装置10が出力した色評価ファイルを仲介装置20に移動させればよい。
【0091】
色評価ファイルを受信した仲介装置20では、既に説明したように、ユーザ認証を行った後、ユーザが色評価ファイルを管理サーバ30に送信する操作を行い、情報処理装置10が出力した色評価ファイルを管理サーバ30に送信する。
【0092】
一方、
図6は、仲介装置20が色評価ファイルの送信を行うためにユーザ認証を要求してきた場合に、管理サーバ30のCPU60Aによって実行される管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。管理処理を規定する管理プログラムは、例えば管理サーバ30のROM60Bに予め記憶されている。管理サーバ30のCPU60Aは、ROM60Bに記憶される管理プログラムを読み込み、管理処理を実行する。
【0093】
なお、管理サーバ30の不揮発性メモリ60Dには、色評価ファイルを送信してきた情報処理装置10に対して送信した直近のライセンスに含まれる、管理サーバ30で既に管理されている色評価ファイルの基準生成日時が記憶されているものとする。
【0094】
ステップS100において、CPU60Aは通信ユニット62を制御して、仲介装置20から受け付けた認証情報を認証サーバ40に送信して、情報処理装置10の認証を行う。
【0095】
認証情報には、例えば情報処理装置10の製造番号のように、情報処理装置10に対して一意に割り当てられた装置識別子、または例えば、ユーザID(Identification)のように、仲介装置20を操作して色評価ファイルを送信するユーザに対して一意に割り当てられたユーザ識別子が用いられる。
【0096】
ステップS110において、CPU60Aは、認証サーバ40から受け付けた認証結果が正常でない場合、すなわち、仲介装置20から受け付けた認証情報が認証サーバ40に登録済みの認証情報と一致しない場合には、管理サーバ30で管理対象となっている情報処理装置10のユーザとは異なる他のユーザからの接続要求が行われたと判定し、
図6に示す管理処理を終了する。すなわち、CPU60Aは、管理サーバ30で管理対象となっていない情報処理装置10のユーザから接続要求が行われた場合、接続を拒否する。
【0097】
一方、認証サーバ40から受け付けた認証結果が正常である場合、すなわち、仲介装置20から受け付けた認証情報が認証サーバ40に登録済みの認証情報と一致する場合には、ユーザからの接続要求を受け付けてステップS120に移行する。
【0098】
管理サーバ30でユーザの認証が完了した後、ステップS120において、CPU60Aは管理サーバ30で既に管理している管理済みの色評価ファイルの基準生成日時を取得する。その上で、CPU60Aは取得した基準生成日時を用いて、新たに情報処理装置10から受け付けた色評価ファイルのうち、まだ管理対象となっていない色評価ファイルを特定する。
【0099】
具体的には、ステップS130において、CPU60Aは新たに情報処理装置10から受け付けた色評価ファイルの中から何れか1つの色評価ファイルを選択する。
【0100】
ステップS140において、CPU60Aは、ステップS130で選択した色評価ファイルの生成日時がステップS120で取得した基準生成日時より後であるか否かを判定する。
【0101】
選択した色評価ファイルの生成日時が基準生成日時より後であるということは、選択した色評価ファイルは、管理サーバ30でまだ管理されていない色評価ファイルということになる。したがって、ステップS150に移行する。
【0102】
ステップS150において、CPU60Aは、生成日時が基準生成日時より後であると判定された色評価ファイルを不揮発性メモリ60Dに記憶し、選択した色評価ファイルを管理する。
【0103】
一方、ステップS140の判定処理で、選択した色評価ファイルの生成日時が基準生成日時以前であると判定された場合には、選択した色評価ファイルは既に管理サーバ30で管理されている色評価ファイルということになるため、ステップS150の処理を実行することなくステップS160に移行する。
【0104】
ステップS160において、CPU60Aは、新たに情報処理装置10から受け付けた色評価ファイルの中に、まだ選択されていない未選択の色評価ファイルが存在するか否かを判定する。未選択の色評価ファイルが存在する場合にはステップS130に移行し、ステップS130において、未選択の色評価ファイルの中から何れか1つの色評価ファイルを選択する。ステップS160の判定処理において未選択の色評価ファイルは存在しないと判定されるまでステップS130~S160の処理を繰り返し実行することで、新たに情報処理装置10から受け付けた色評価ファイルの中から、管理サーバ30でまだ管理されていない色評価ファイルだけが抽出されて不揮発性メモリ60Dに記憶され、管理サーバ30で新たに管理が始められることになる。
【0105】
一方、ステップS160の判定処理で、新たに情報処理装置10から受け付けた色評価ファイルに未選択の色評価ファイルは存在しないと判定された場合には、ステップS170に移行する。
【0106】
ステップS170において、CPU60Aは、新たに管理を始めた色評価ファイルのうち、情報処理装置10で最後に生成された色評価ファイルの生成日時を新たな基準生成日時とする基準生成日時の更新を行い、
図6に示す管理処理を終了する。
【0107】
一方、
図7は、情報処理装置10から仲介装置20を経由してライセンス発行要求を受け付けた場合に、管理サーバ30のCPU60Aによって実行されるライセンス発行処理の流れの一例を示すフローチャートである。ライセンス発行処理を規定する管理プログラムは、例えば管理サーバ30のROM60Bに予め記憶されている。管理サーバ30のCPU60Aは、ROM60Bに記憶される管理プログラムを読み込み、ライセンス発行処理を実行する。
【0108】
ステップS200において、CPU60Aは通信ユニット62を制御して、仲介装置20から受け付けた認証情報を認証サーバ40に送信して、情報を送信しようとする情報処理装置10の認証を行う。
【0109】
ステップS210において、CPU60Aは、認証サーバ40から受け付けた認証結果が正常であるか否かを判定する。認証結果が正常でない場合には、管理サーバ30で管理対象となっている情報処理装置10のユーザとは異なる他のユーザからの接続要求が行われたと判定し、
図7に示すライセンス発行処理を終了する。
【0110】
一方、認証サーバ40から受け付けた認証結果が正常である場合には、ユーザからの接続要求を受け付けてステップS220に移行する。
【0111】
ステップS220において、CPU60Aは、ライセンス発行要求を行った情報処理装置10に対応付けられている色評価ファイルの基準生成日時を取得する。
【0112】
ステップS230において、CPU60Aは、ステップS220で取得した基準生成日時と、ライセンス発行要求を送信してきた情報処理装置10にインストールされているアプリケーションの新たな有効期限を設定したライセンスを生成する。
【0113】
ステップS240において、CPU60Aは、ステップS230で生成したライセンスを仲介装置20に送信することで、ライセンス発行要求を送信してきた情報処理装置10に仲介装置20を経由してライセンスを通知し、
図7に示すライセンス発行処理を終了する。
【0114】
これにより、情報処理装置10では、管理サーバ30から通知されたライセンスに含まれるアプリケーションの新たな有効期限まで、アプリケーションの利用が延長される。
【0115】
ライセンスに設定されるアプリケーションの有効期限が例えば1か月であれば、情報処理装置10は引き続きアプリケーションを利用するため1か月毎にライセンス発行要求を管理サーバ30に送信することから、ライセンスも1か月毎に情報処理装置10に送信されることになる。すなわち、基準生成日時は、管理サーバ30から情報処理装置10に定期的に通知される定期情報と共に送信されるため、管理サーバ30が基準生成日時とライセンスを別々に情報処理装置10に送信する場合と比較して、情報処理装置10及び管理サーバ30の負荷、並びに、内部回線2及び公衆回線3におけるトラフィック量が低減される。
【0116】
なお、管理サーバ30から通知された新たなライセンスに含まれる基準生成日時が、新たなライセンスを受け付ける前まで情報処理装置10に設定されていた基準生成日時より前の日時である場合、すなわち、管理サーバ30で管理されている色評価ファイルの範囲が、前回ライセンスを受け付けた時点の範囲よりも狭くなった場合には、管理サーバ30における色評価ファイルの管理に異常が発生していると考えられる。したがって、この場合には情報処理装置10は警告を出力してもよい。
【0117】
警告の出力形態に制約はなく、例えば情報処理装置10の表示ユニット56に警告を表示する形態の他、音声で警告を出力してもよい。また、情報処理装置10は、画像形成ユニット58で記録媒体に警告文を形成して出力してもよい。
【0118】
図8~
図11は、上述した情報処理システム1において実施される色評価ファイルの管理状況の一例を示す図である。
【0119】
図8は、情報処理装置10がアプリケーションを実行中に、
図5に示した出力処理を2回実施し、管理サーバ30に対してライセンス発行要求を送信して新たなライセンスを取得した後に、更に
図5に示した出力処理を1回実施した場合の色評価ファイルの管理状況例を示している。
【0120】
具体的には、1回目の出力処理を行う時点で、情報処理装置10に設定されている基準生成日時が「2019/9/3 10:00」で、基準生成日時より後に実施された色評価処理によって生成された3つの色評価ファイルの生成日時がそれぞれ「2019/9/4 10:00」、「2019/9/5 10:00」、及び「2019/9/6 10:00」であるとする。この場合、3つの色評価ファイルの生成日時は基準生成日時より後であるため、3つすべての色評価ファイルが出力対象として抽出され、仲介装置20から管理サーバ30に送信される。
【0121】
色評価ファイルを受け付けた管理サーバ30は、
図6に示した管理処理を実行するが、管理サーバ30に設定されている基準生成日時も「2019/9/3 10:00」であることから、受け付けた3つすべての色評価ファイルを管理対象とする。この場合、
図6のステップS170によって、管理サーバ30は新たに管理を始めた色評価ファイルのうち、情報処理装置10で最後に生成された色評価ファイルの生成日時を新たな基準生成日時とするため、管理サーバ30では「2019/9/6 10:00」が新たな基準生成日時として設定される。
【0122】
しかしながら、管理サーバ30で基準生成日時が更新された後に情報処理装置10からライセンス発行要求が行われていないため、更新後の基準生成日時は情報処理装置10に通知されず、情報処理装置10では「2019/9/3 10:00」が基準生成日時として設定されたままになっている。
【0123】
2回目の出力処理を行う前に、更に情報処理装置10で「2019/9/7 10:00」及び「2019/9/8 10:00」の生成日時が設定された色評価ファイルが生成されているとする。この状態で情報処理装置10が2回目の出力処理を実施した場合、1回目の出力処理で抽出した3つの色評価ファイルに加え、「2019/9/7 10:00」及び「2019/9/8 10:00」の生成日時が設定された色評価ファイルが出力対象として抽出され、仲介装置20から管理サーバ30に送信される。
【0124】
一方、色評価ファイルを受け付けた管理サーバ30は、管理サーバ30に設定されている基準生成日時が「2019/9/6 10:00」であることから、受け付けた色評価ファイルのうち、「2019/9/7 10:00」及び「2019/9/8 10:00」の生成日時が設定された色評価ファイルだけを抽出して管理対象に加える。その上で、管理サーバ30では「2019/9/8 10:00」を新たな基準生成日時に設定する。
【0125】
この後、情報処理装置10がライセンス発行要求を管理サーバ30に送信すると、管理サーバ30で
図7に示したライセンス発行処理が実施される。したがって、情報処理装置10に新たなライセンスが通知され、情報処理装置10に設定される基準生成日時が、管理サーバ30に設定されている基準生成日時と同じ「2019/9/8 10:00」に更新されることになる。
【0126】
3回目の出力処理を行う前に、更に情報処理装置10で「2019/9/8 17:00」、「2019/9/9 13:00」、及び「2019/9/9 17:00」の生成日時が設定された色評価ファイルが生成されているとする。この状態で情報処理装置10が3回目の出力処理を実施した場合、今度は基準生成日時が「2019/9/8 10:00」に設定されていることから、「2019/9/8 17:00」、「2019/9/9 13:00」、及び「2019/9/9 17:00」の生成日時が設定された色評価ファイルだけが出力対象として抽出され、仲介装置20から管理サーバ30に送信される。
【0127】
管理サーバ30に設定されている基準生成日時も「2019/9/8 10:00」であることから、管理サーバ30は、受け付けた3つすべての色評価ファイルを管理対象とした後、基準生成日時を「2019/9/9 17:00」に更新する。
【0128】
図8では、情報処理装置10の2回目の出力処理と3回目の出力処理の間でライセンス発行要求が行われた場合の色評価ファイルの管理状況例を示したが、
図9は、ライセンス発行要求が行われることなく、情報処理装置10で3回目の出力処理が実施された場合の色評価ファイルの管理状況例を示した図である。
【0129】
2回目の出力処理の後にライセンス発行要求が行われていないため、3回目の出力処理を行う時点で情報処理装置10に設定されている基準生成日時は「2019/9/3 10:00」のままである。
【0130】
したがって、この状態で情報処理装置10が3回目の出力処理を実施した場合、1回目及び2回目の出力処理で抽出した色評価ファイルに加え、「2019/9/8 17:00」、「2019/9/9 13:00」、及び「2019/9/9 17:00」の生成日時が設定された色評価ファイルが出力対象として抽出され、仲介装置20から管理サーバ30に送信される。
【0131】
一方、色評価ファイルを受け付けた管理サーバ30は、管理サーバ30に設定されている基準生成日時は「2019/9/8 10:00」であることから、受け付けた色評価ファイルのうち、「2019/9/8 17:00」、「2019/9/9 13:00」、及び「2019/9/9 17:00」の生成日時が設定された色評価ファイルだけを抽出して管理対象に加える。その上で、管理サーバ30では「2019/9/9 17:00」を新たな基準生成日時に設定する。
【0132】
図10は、
図8に示した色評価ファイルの管理状況例において、情報処理装置10で1回目の出力処理が実施された場合に、ユーザが情報処理装置10から出力された色評価ファイルを、仲介装置20から管理サーバ30に送信し忘れた状況を示した図である。したがって、
図10の1回目の出力処理において仲介装置20が出力した色評価ファイルの生成日時欄には、何も対象となる色評価ファイルが存在しないことを表す記号「-」が設定されている。
【0133】
1回目の出力処理では管理サーバ30に色評価ファイルが送信されていないことから、1回目の出力処理が終了した後も管理サーバ30に設定されている基準生成日時は情報処理装置10に設定されている基準生成日時と同じく「2019/9/3 10:00」のままである。
【0134】
この状況で情報処理装置10が2回目の出力処理を実施した場合、1回目の出力処理で抽出した3つの色評価ファイルに加え、「2019/9/7 10:00」及び「2019/9/8 10:00」の生成日時が設定された色評価ファイルが出力対象として抽出され、仲介装置20から管理サーバ30に送信される。
【0135】
一方、色評価ファイルを受け付けた管理サーバ30は、管理サーバ30に設定されている基準生成日時が「2019/9/3 10:00」であることから、受け付けたすべての色評価ファイルを抽出して管理対象に加える。その上で、管理サーバ30では「2019/9/8 10:00」を新たな基準生成日時に設定することになる。
【0136】
図11は、
図10に示した色評価ファイルの管理状況例において、情報処理装置10が1回目の出力処理と2回目の出力処理の間で、ライセンス発行要求を行った場合の色評価ファイルの管理状況例を示した図である。
【0137】
1回目の出力処理によって情報処理装置10から出力された色評価ファイルを、仲介装置20から管理サーバ30に送信し忘れた後に、情報処理装置10がライセンス発行要求を管理サーバ30に送信したとしても、管理サーバ30で基準生成日時が更新されていないため、新たなライセンスに設定される基準生成日時は「2019/9/3 10:00」となり、情報処理装置10に設定される基準生成日時も「2019/9/3 10:00」のままとなる。
【0138】
したがって、2回目の出力処理では、
図10における2回目の出力処理と同じ処理が実施され、2回目の出力処理で出力したすべての色評価ファイルが新たな管理対象として管理サーバ30で管理されることになる。
【0139】
このように、情報処理装置10は、アプリケーションで繰り返し生成した色評価ファイルのうち、最後に受け付けた直近のライセンスに設定された基準生成日時より後に生成した色評価ファイルだけを出力し、ユーザは、情報処理装置10が出力した色評価ファイルを仲介装置20から管理サーバ30に送信する。
【0140】
一方、管理サーバ30は、仲介装置20を経由して情報処理装置10から受け付けた色評価ファイルの中から、基準生成日時より後の生成日時が設定されている色評価ファイルを抽出し、抽出した色評価ファイルのうち、情報処理装置10で最後に生成された色評価ファイルの生成日時を新たな基準生成日時に設定した上で、抽出した色評価ファイルを不揮発性メモリ60Dに記憶して色評価ファイルの管理を行う。
【0141】
したがって、情報処理装置10は、ユーザによって色評価ファイルの送信が指示された場合、それまでに生成したすべての色評価ファイルを仲介装置20に送信しなくても、基準生成日時より後の生成日時が設定された色評価ファイルを送信すれば、情報処理装置10で生成したすべての色評価ファイルが、管理サーバ30で漏れなく、しかも重複することなく管理されることになる。
【0142】
なお、上述した実施の形態では、ユーザから指示が行われた場合に情報処理装置10が出力処理を実施する例について説明したが、情報処理装置10はライセンス発行要求の送信にあわせて出力処理を実施し、ライセンス発行要求と共に色評価ファイルを出力してもよい。ライセンス発行要求と色評価ファイルをまとめることで、情報処理装置10がライセンス発行要求と色評価ファイルを別々に出力する場合と比較して、情報処理装置10及び管理サーバ30の負荷、並びに、内部回線2及び公衆回線3におけるトラフィック量が低減される。
【0143】
また、本実施の形態では色評価ファイルの生成日時を参照して、情報処理装置10から出力する色評価ファイル、及び管理サーバ30で管理する色評価ファイルを抽出するようにしたが、この場合に参照する情報は色評価ファイルの生成日時に限られない。どの範囲までの色評価ファイルが管理サーバ30で管理されているのかを特定することのできる情報であればどのような情報であってもよく、例えば生成順に連続した番号が設定される色評価ファイルの生成番号を参照してもよい。例えばライセンスに設定される色評価ファイルの生成番号が“10”であれば、生成番号が“10”までの色評価ファイルが管理サーバ30で管理されていることがわかるため、情報処理装置10は生成番号が“11”以降の色評価ファイルを出力すればよいことになる。
【0144】
更に、本実施の形態では、情報処理装置10が画像形成装置である場合に、繰り返し実行される色評価処理によって生成される色評価ファイルを管理サーバ30で管理する例について説明した。しかしながら、上述したように情報処理装置10はユーザにサービスを提供する装置であればどのような種類の装置であってもよく、例えば工場等で製造した製品を検査する検査装置であってもよい。検査装置は各々の製品に対して繰り返し検査を行うことから、製品に対して検査を行う検査処理が特定処理の一例となる。また、検査処理によって生成される各々の製品の検査データが特定処理に関する情報の一例となる。
【0145】
各々の製品の検査データを管理する管理サーバ30と情報処理装置10の一例である検査装置を含む情報処理システム1に対して、
図5に示した出力処理、
図6に示した管理処理、及び
図7に示したライセンス発行処理を適用すれば、検査装置で検査したすべての製品の検査データを管理サーバ30に毎回出力しなくても、検査装置で生成されたすべての製品の検査データが漏れなく、しかも重複することなく管理サーバ30で一元的に管理されることになる。
【0146】
情報処理装置10は、お客様が購入した商品の精算を行うレジであってもよい。レジは1日の売上高を出力する勘定処理を毎日実行することから、勘定処理が特定処理の一例となる。また、勘定処理によって出力される売上高データが特定処理に関する情報の一例となる。
【0147】
日々の売上高データを管理する管理サーバ30と情報処理装置10の一例であるレジを含む情報処理システム1に対して、
図5に示した出力処理、
図6に示した管理処理、及び
図7に示したライセンス発行処理を適用すれば、レジに蓄積されたすべての売上高データを管理サーバ30に毎回出力しなくても、レジで生成されたすべての売上高データが漏れなく、しかも重複することなく管理サーバ30で一元的に管理されることになる。
【0148】
以上、実施の形態を用いて本発明について説明したが、本発明は実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で処理の順序を変更してもよい。
【0149】
本実施の形態では、一例として出力処理、管理処理、及びライセンス発行処理をソフトウェアで実現する形態について説明したが、
図5~
図7に示した各フローチャートと同等の処理を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはPLD(Programmable Logic Device)に実装し、ハードウェアで処理させるようにしてもよい。この場合、各々の処理をソフトウェアで実現した場合と比較して、処理の高速化が図られる。
【0150】
このように、CPU50A及びCPU60Aの少なくとも一方を、例えばASIC、FPGA、PLD、GPU(Graphics Processing Unit)、及びFPU(Floating Point Unit)といった特定の処理に特化した専用のプロセッサに置き換えてもよい。
【0151】
実施形態におけるCPU50A及びCPU60Aの動作は、それぞれ1つのCPU50A及びCPU60Aによって実現される形態の他、それぞれ複数のCPU50A及びCPU60Aによって実現されてもよい。更に、実施形態におけるCPU50A及びCPU60Aの動作は、それぞれ物理的に離れた位置に存在する複数のコンピュータ50におけるCPU50Aの協働、及び複数のコンピュータ60におけるCPU60Aの協働によって実現されるものであってもよい。
【0152】
また、上述した実施の形態では、情報処理プログラムがROM50Bにインストールされ、管理プログラムがROM60Bにインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る各々のプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば、本発明に係る各々のプログラムを、CD(Compact Disc)-ROM、またはDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、本発明に係る各々のプログラムを半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。
【0153】
更に、情報処理装置10は内部回線2に接続された他の装置、または仲介装置20を経由して公衆回線3に接続された他の装置から本発明に係る情報処理プログラムを取得するようにしてもよい。また、管理サーバ30は内部回線4に接続された他の装置、または公衆回線3に接続された他の装置から本発明に係る管理プログラムを取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0154】
1 情報処理システム、2(4) 内部回線、3 公衆回線、10 情報処理装置、20 仲介装置、30 管理サーバ、40 認証サーバ、50(60) コンピュータ、50A(60A) CPU、50B(60B) ROM、50C(60C) RAM、50D(60D) 不揮発性メモリ、50E(60E) I/O、50F(60F) バス、52(62) 通信ユニット、54(64) 操作ユニット、56(66) 表示ユニット、58 画像形成ユニット、F1~F8 シーケンス