(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
H04N1/00 C
(21)【出願番号】P 2019184359
(22)【出願日】2019-10-07
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕介
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-057015(JP,A)
【文献】特開2002-169900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得手段と、
前記第1の識別情報と人に関する情報を関連付けて取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段によって取得された第1の識別情報と前記第1の取得手段によって取得された第1の識別情報が一致する場合、前記第2の取得手段によって取得された、前記第1の識別情報と人に関する情報を、前記第1の取得手段の取得先に送信する送信手段と、
前記第2の取得手段によって取得された第1の識別情報と前記第1の取得手段によって取得された第1の識別情報が一致しない場合、前記第2の取得手段によって取得された、前記第1の識別情報と人に関する情報を、保持する保持手段
を有
し、
前記送信手段は、前記第2の取得手段が、同一の人を識別する識別情報を取得した回数に応じて、前記識別情報に関する処理を異ならせる、
情報処理システム。
【請求項2】
人を識別する第2の識別情報を発行する発行手段を有し、
前記保持手段は、前記第2の識別情報と人に関する情報を関連付けて保持し、
さらに前記第2の識別情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記第2の識別情報の入力を受け付けた場合、前記第2の識別情報に関連付けられた前記人に関する情報を出力する出力手段
をさらに有する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第2の識別情報と、前記第2の取得手段が取得した第1の識別情報の少なくとも一部を印刷する印刷手段
をさらに有する請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2の取得手段が取得した第1の識別情報には前記人の名前の画像を含み、前記印刷手段は、少なくとも前記第1の識別情報として前記人の名前の画像を印刷する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記送信手段は、前記保持手段によって保持されている識別情報を予め定められた回数取得した場合は、該識別情報を、前記取得先に送信し、該識別情報を前記取得先に保持させる、
請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記送信手段は、前記第2の取得手段が、前記保持手段によって保持されていない識別情報を取得した場合、該識別情報を前記取得先に送信しない、
請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
コンピュータを、
人を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得手段と、
前記第1の識別情報と人に関する情報を関連付けて取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段によって取得された第1の識別情報と前記第1の取得手段によって取得された第1の識別情報が一致する場合、前記第2の取得手段によって取得された、前記第1の識別情報と人に関する情報を、前記第1の取得手段の取得先に送信する送信手段と、
前記第2の取得手段によって取得された第1の識別情報と前記第1の取得手段によって取得された第1の識別情報が一致しない場合、前記第2の取得手段によって取得された、前記第1の識別情報と人に関する情報を、保持する保持手段
として機能させ
、
前記送信手段は、前記第2の取得手段が、同一の人を識別する識別情報を取得した回数に応じて、前記識別情報に関する処理を異ならせる、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、解答用紙のフォームデータに各学生の学籍番号をそれぞれ埋め込むことで各学生用の解答用紙データを生成する生成手段と、各学生に対する解答用紙データの送信先が指定された送信先情報を記憶する送信先情報記憶手段と、前記生成手段により生成された各解答用紙データを、解答用紙を用いて実施される授業の開始前までに、前記送信先情報記憶手段に記憶された送信先情報から特定できる各学生宛に配信する配信手段と、前記配信手段により配布された解答用紙データが印刷されることで作成された解答用紙であって、学生により授業中に記入された解答に対して評価者により評価が書き込まれた解答用紙を読み取る読取手段と、前記読取手段による読取により生成された解答用紙データの中から、当該解答用紙データに埋め込まれていた学籍番号を少なくとも抽出する抽出手段と、抽出された学籍番号に、少なくとも前記読取手段による読取により生成された当該学生の解答用紙データを関連付けして解答用紙情報記憶手段に登録する登録手段と、を有し、前記抽出手段は、解答用紙に設けられている学籍番号記入欄に学籍番号が記入されていた場合、その学籍番号を前記読取手段による読取により生成された解答用紙データの中から抽出し、前記登録手段は、埋め込まれていた学籍番号に代えて、抽出された学籍番号に当該解答用紙データを関連付けして前記解答用紙情報記憶手段に登録することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人を識別する識別情報と該人に関する情報を取得し、関連付けて送信し、送信先で処理することが行われている。この場合、その送信先では、人を識別する識別情報があらかじめ管理されていることが前提となっている。
つまり送信先で管理していない識別情報を取得して送信先に送信しても、送信先は、その識別情報と人に関する情報を処理することができない。一方で、送信先で管理していない識別情報を取得した場合に一意にエラーとするには問題がある場合がある。
そこで本発明は、送信先で管理していない識別情報を取得した場合であっても、送信先の管理情報を変更することなく、人を識別する識別情報と該人に関する情報に基づく処理を行うことができる情報処理システム及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。なお、以下の「請求項」とあるのは、出願当初の請求項である。
請求項1の発明は、人を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得手段と、前記第1の識別情報と人に関する情報を関連付けて取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段によって取得された第1の識別情報と前記第1の取得手段によって取得された第1の識別情報が一致する場合、前記第2の取得手段によって取得された、前記第1の識別情報と人に関する情報を、前記第1の取得手段の取得先に送信する送信手段と、前記第2の取得手段によって取得された第1の識別情報と前記第1の取得手段によって取得された第1の識別情報が一致しない場合、前記第2の取得手段によって取得された、前記第1の識別情報と人に関する情報を、保持する保持手段を有する情報処理システムである。
【0006】
請求項2の発明は、人を識別する第2の識別情報を発行する発行手段を有し、前記保持手段は、前記第2の識別情報と人に関する情報を関連付けて保持し、さらに前記第2の識別情報の入力を受け付ける受付手段と、前記第2の識別情報の入力を受け付けた場合、前記第2の識別情報に関連付けられた前記人に関する情報を出力する出力手段をさらに有する請求項1に記載の情報処理システムである。
【0007】
請求項3の発明は、前記第2の識別情報と、前記第2の取得手段が取得した第1の識別情報の少なくとも一部を印刷する印刷手段をさらに有する請求項2に記載の情報処理システムである。
【0008】
請求項4の発明は、前記第2の取得手段が取得した第1の識別情報には前記人の名前の画像を含み、前記印刷手段は、少なくとも前記第1の識別情報として前記人の名前の画像を印刷する、請求項3に記載の情報処理システムである。
【0009】
請求項5の発明は、第1の識別情報を取得する第3の取得手段を有し、前記送信手段は、前記第2の取得手段が取得した第2の識別情報が、前記第1の取得手段によって取得された第1の識別情報と一致せず、前記第3の取得手段によって取得された第1の識別情報と一致した場合、前記第2の識別情報を前記第1の取得手段によって取得された第1の取得情報とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
【0010】
請求項6の発明は、前記発行手段は、前記第2の取得手段によって取得された第1の識別情報と前記保持手段に保持されている第1の識別情報が一致する場合、第2の識別情報を発行しない、請求項2に記載の情報処理システムである。
【0011】
請求項7の発明は、前記送信手段は、前記第2の取得手段が、同一の人を識別する識別情報を取得した回数に応じて、前記識別情報に関する処理を異ならせる、請求項1又は2に記載の情報処理システムである。
【0012】
請求項8の発明は、前記送信手段は、前記保持手段によって保持されている識別情報を予め定められた回数取得した場合は、該識別情報を、前記取得先に送信し、該識別情報を前記取得先に保持させる、請求項7に記載の情報処理システムである。
【0013】
請求項9の発明は、前記送信手段は、前記第2の取得手段が、前記保持手段によって保持されていない識別情報を取得した場合、該識別情報を前記取得先に送信しない、請求項7に記載の情報処理システムである。
【0014】
請求項10の発明は、人を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得手段と、前記第1の識別情報と人に関する情報を関連付けて取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段によって取得された第1の識別情報と前記第1の取得手段によって取得された第1の識別情報が一致する場合、前記第2の取得手段によって取得された、前記第1の識別情報と人に関する情報を、前記第1の取得手段の取得先に送信する送信手段と、前記第2の取得手段が第1の識別情報を取得できなかった場合、人を識別する第2の識別情報を発行し、前記第2の取得手段によって取得された、人に関する情報を、保持する保持手段を有する情報処理システムである。
【0015】
請求項11の発明は、コンピュータを、人を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得手段と、前記第1の識別情報と人に関する情報を関連付けて取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段によって取得された第1の識別情報と前記第1の取得手段によって取得された第1の識別情報が一致する場合、前記第2の取得手段によって取得された、前記第1の識別情報と人に関する情報を、前記第1の取得手段の取得先に送信する送信手段と、前記第2の取得手段によって取得された第1の識別情報と前記第1の取得手段によって取得された第1の識別情報が一致しない場合、前記第2の取得手段によって取得された、前記第1の識別情報と人に関する情報を、保持する保持手段として機能させるための情報処理プログラムである。
【0016】
請求項12の発明は、コンピュータを、人を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得手段と、前記第1の識別情報と人に関する情報を関連付けて取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段によって取得された第1の識別情報と前記第1の取得手段によって取得された第1の識別情報が一致する場合、前記第2の取得手段によって取得された、前記第1の識別情報と人に関する情報を、前記第1の取得手段の取得先に送信する送信手段と、前記第2の取得手段が第1の識別情報を取得できなかった場合、人を識別する第2の識別情報を発行し、前記第2の取得手段によって取得された、人に関する情報を、保持する保持手段として機能させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の情報処理システムによれば、送信先で管理していない識別情報を取得した場合であっても、送信先の管理情報を変更することなく、人を識別する識別情報と該人に関する情報に基づく処理を行うことができる。
【0018】
請求項2の情報処理システムによれば、送信先で管理していない識別情報を取得した場合であっても、人を識別する第2の識別情報を用いて、該人に関する情報についての処理を行うことができる。
【0019】
請求項3の情報処理システムによれば、第2の識別情報と、第2の取得手段が取得した第1の識別情報の少なくとも一部を印刷することができる。
【0020】
請求項4の情報処理システムによれば、少なくとも第1の識別情報として人の名前の画像を印刷することができる。
【0021】
請求項5の情報処理システムによれば、第2の識別情報が、第1の取得手段によって取得された第1の識別情報と一致せず、第3の取得手段によって取得された第1の識別情報と一致した場合、第2の識別情報を第1の取得手段によって取得された第1の取得情報として処理することができる。
【0022】
請求項6の情報処理システムによれば、第2の取得手段によって取得された第1の識別情報と保持手段に保持されている第1の識別情報が一致する場合、第2の識別情報を発行させないことができる。
【0023】
請求項7の情報処理システムによれば、同一の人を識別する識別情報を取得した回数に応じて、識別情報に関する処理を異ならせることができる。
【0024】
請求項8の情報処理システムによれば、保持手段によって保持されている識別情報を予め定められた回数取得した場合は、該識別情報を取得先に保持させることができる。
【0025】
請求項9の情報処理システムによれば、保持手段によって保持されていない識別情報を取得した場合、該識別情報を取得先に送信しないようにすることができる。
【0026】
請求項10の情報処理システムによれば、送信先で管理している識別情報を取得できなかった場合であっても、送信先の管理情報を変更することなく、人を識別する識別情報と該人に関する情報に基づく処理を行うことができる。
【0027】
請求項11の情報処理プログラムによれば、送信先で管理していない識別情報を取得した場合であっても、送信先の管理情報を変更することなく、人を識別する識別情報と該人に関する情報に基づく処理を行うことができる。
【0028】
請求項12の情報処理プログラムによれば、送信先で管理している識別情報を取得できなかった場合であっても、送信先の管理情報を変更することなく、人を識別する識別情報と該人に関する情報に基づく処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【
図2】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
【
図3】本実施の形態を、教育における講義の受講者に関する処理に利用したシステム構成例を示す説明図である。
【
図4】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図5】受講者IDリストのデータ構造例を示す説明図である。
【
図6】講義・出席者管理テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図7】学生管理テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図8】答案・得点管理テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図9】仮ID管理テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図10】答案・得点管理テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図11】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図12】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図13】本実施の形態によって印刷される案内書面の例を示す説明図である。
【
図14】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図15A】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図15B】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図16A】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図16B】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図17】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(「ソフトウェア」の解釈として、コンピュータ・プログラムを含む)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(例えば、コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(例えば、データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(「2以上の値」には、もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(「ネットワーク」には、一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(つまり、社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスクドライブ、RAM(Random Access Memoryの略)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unitの略)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0031】
本実施の形態である情報処理システム100は、
図1の例に示すように、取得(A)モジュール105、取得(B)モジュール110、取得(C)モジュール120、送信モジュール125、受付モジュール130、出力モジュール135、処理モジュール145、保持モジュール155を有している。
ユーザー管理システム180は、ユーザー、そのユーザーに対応する人に関する情報を管理、処理している。ここで、ユーザー管理システム180における管理とは、ユーザーの識別情報と人に関する情報を対応させて記憶し、処理を行うことをいう。また、ユーザー管理システム180における処理とは、その人に関する情報を、あるアルゴリズムにしたがって加工、通信を行うことである。特に、ユーザー管理システム180は、管理の一例として、正式なユーザーを登録している。例えば、後述するように、大学等における講義の正規な受講者を登録している。ただし、その講義への出席には、ユーザー管理システム180に登録されている正規な受講者だけでなく、ユーザー管理システム180に登録されていない受講者を認めている場合がある。情報処理システム100は、ユーザー管理システム180に登録されている受講者であれば、その講義で行った試験の答案の得点等(得点は、人に関する情報の一例である)を、ユーザー管理システム180に送信する。ユーザー管理システム180は、受講者に関する情報の処理の一環として、その得点を受講者に通知すること、その得点の平均点、最高点、最低点等の計算等を行う。一方、ユーザー管理システム180に登録されていない受講者であれば、情報処理システム100がその受講者、得点等を管理し、その受講者に対して得点を通知することを行う。
【0032】
取得(A)モジュール105は、処理モジュール145と接続されており、また、通信回線を介してユーザー管理システム180と接続されている。取得(A)モジュール105は、人を識別する第1の識別情報を取得する。例えば、取得(A)モジュール105は、ユーザー管理システム180と通信を行って、前述したように、ユーザー管理システム180から講義の正規な受講者の識別情報のリストを取得するようにしてもよい。
【0033】
取得(B)モジュール110は、画像取得モジュール115を有しており、処理モジュール145と接続されている。取得(B)モジュール110は、第1の識別情報と人に関する情報を関連付けて取得する。例えば、画像取得モジュール115が取得した画像から第1の識別情報と人に関する情報を関連付けて取得するようにしてもよい。
画像取得モジュール115は、用紙から第1の識別情報と人に関する情報を関連付けて取得する。例えば、用紙の画像から文字認識を用いて、第1の識別情報と人に関する情報を読み取るようにしてもよい。ここでの「人に関する情報」とは、その用紙に記載された情報であって、その人に関連する情報である。ただし、その人の識別情報以外の情報である。より具体的には、答案用紙の画像を受け取り、その答案用紙の画像から識別番号、名前、得点等(「得点」は、「人に関する情報」の一例)を、文字認識によって読み取るようにしてもよい。
送信モジュール125は、処理モジュール145と接続されており、また、通信回線を介してユーザー管理システム180と接続されている。送信モジュール125は、取得(B)モジュール110によって取得された第1の識別情報と取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が一致する場合、取得(B)モジュール110によって取得された、第1の識別情報と人に関する情報を、取得(A)モジュール105の取得先であるユーザー管理システム180に送信する。
【0034】
保持モジュール155は、処理モジュール145と接続されている。保持モジュール155は、取得(B)モジュール110によって取得された第1の識別情報と取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が一致しない場合、取得(B)モジュール110によって取得された、第1の識別情報と人に関する情報を、保持して、管理する。
なお、以下、管理として、人を識別する第2の識別情報とその人に関する情報を関連付けて記憶し、他のモジュールに対して、その記憶した情報を提供するように制御することをいう。例えば、他のモジュールからの要請に応じて、第2の識別情報から得点を抽出する、第2の識別情報から出席日数を算出する等の処理が該当する。
また、保持モジュール155は、取得(B)モジュール110が第1の識別情報を取得できなかった場合、人を識別する第2の識別情報を発行し、取得(B)モジュール110によって取得された、人に関する情報を、保持して、管理するようにしてもよい。例えば、「第1の識別情報を取得できなかった場合」として、文字認識対象としている欄が空白である場合等が該当する。具体例として、答案用紙に識別番号が記載されていなかった場合等が該当する。
【0035】
処理モジュール145は、ID発行モジュール150を有しており、取得(A)モジュール105、取得(B)モジュール110、取得(C)モジュール120、送信モジュール125、受付モジュール130、出力モジュール135、保持モジュール155と接続されている。処理モジュール145は、情報処理システム100内の各モジュールを制御する。
処理モジュール145は、取得(B)モジュール110によって取得された第1の識別情報と取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が一致する場合、送信モジュール125を制御して、取得(B)モジュール110によって取得された、第1の識別情報と人に関する情報を、取得(A)モジュール105の取得先であるユーザー管理システム180に送信させる。
処理モジュール145は、取得(B)モジュール110によって取得された第1の識別情報と取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が一致しない場合、保持モジュール155を制御して、取得(B)モジュール110によって取得された、第1の識別情報と人に関する情報を、保持させる。
処理モジュール145は、取得(B)モジュール110が第1の識別情報を取得できなかった場合、ID発行モジュール150を制御して、人を識別する第2の識別情報を発行し、保持モジュール155を制御して、取得(B)モジュール110によって取得された、人に関する情報を、保持させる。
【0036】
ID発行モジュール150は、人を識別する第2の識別情報を発行する。第2の識別情報は、取得(B)モジュール110によって取得された第1の識別情報と取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が一致しない場合に、発行されるものである。つまり、第2の識別情報は、ユーザー管理システム180に正式に登録されている人ではなく、一時的に処理の対象とする人に対して付与されるものである。
【0037】
ID発行モジュール150が行う第2の識別情報の発行は、人を識別する情報であればいかなる方法で生成してもよい。例えば、シーケンシャルな番号を生成してもよいし、その人の名前そのもの、名前に符号等を付加してもよいし、メールアドレス、メールアドレスのハッシュ値等を用いてもよい。以下、第2の識別情報を例示する場合は、仮IDと称する。
【0038】
保持モジュール155は、ID発行モジュール150によって発行された第2の識別情報と人に関する情報を関連付けて保持して、管理する。
【0039】
受付モジュール130は、処理モジュール145と接続されている。受付モジュール130は、第2の識別情報の入力を受け付ける。
【0040】
出力モジュール135は、印刷モジュール140を有しており、処理モジュール145と接続されている。出力モジュール135は、受付モジュール130によって第2の識別情報の入力を受け付けた場合、保持モジュール155に保持された第2の識別情報に関連付けられた人に関する情報を出力する。出力先として、例えば、情報処理システム100に具備されている液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置であってもよいし、通信回線を介して第2の識別情報の入力を行った端末であってもよいし、第2の識別情報に対応する人への電子メール等を用いた通知であってもよい。
出力モジュール135の処理として、例えば、受講者の操作によって仮IDが入力され、その仮IDに関連付けられた人に関する情報を出力する。より具体的には、後述するように、仮IDが付与された受講者の試験の得点等を、その受講者に提示することを行う。
【0041】
印刷モジュール140は、ID発行モジュール150が発行した第2の識別情報が、どの第1の識別情報と対応づいた第2の識別情報なのかがわかるような用紙を印刷する。具体的には、第2の識別情報と、取得(B)モジュール110が取得した第1の識別情報の少なくとも一部を印刷する。
印刷された書面は、第2の識別情報の人に渡される。
印刷する情報として、「第2の識別情報と、第2の取得手段が取得した第1の識別情報の少なくとも一部」の他に、「第2の識別情報と、第2の取得手段が取得した第1の識別情報」又は「第2の識別情報と、第2の取得手段が取得した人に関する情報」のいずれか一方としてもよい。
また、取得(B)モジュール110が取得した第1の識別情報に人の名前の画像を含まれている場合は、印刷モジュール140は、少なくとも第1の識別情報として人の名前の画像を印刷するようにしてもよいし、第1の識別情報に答案用紙に記載された識別番号の画像が含まれている場合は、識別番号の画像を印刷してもよい。また、人の名前の画像や識別番号の画像に対し、文字認識を行い、その結果を印刷するようにしてもいい。
【0042】
取得(C)モジュール120は、処理モジュール145と接続されており、また、通信回線を介してユーザー管理システム180と接続されている。取得(C)モジュール120は、第1の識別情報を取得する。
この場合、送信モジュール125は、取得(B)モジュール110が取得した第2の識別情報が、取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報と一致せず、取得(C)モジュール120によって取得された第1の識別情報と一致した場合、第2の識別情報を取得(A)モジュール105によって取得された第1の取得情報とするようにしてもよい。
例えば、第1の識別情報である受講者リストには登録されていないが、学校全体の名簿(取得(C)モジュール120によって取得される第1の識別情報の一例)には名前がある(すなわち、対象となっている講義の正式な受講者ではないが、その講義を行う学校の学生である)場合、そのまま学籍番号を仮IDとすることが該当する。
【0043】
また、ID発行モジュール150は、取得(B)モジュール110によって取得された第1の識別情報と保持モジュール155に保持されている第1の識別情報が一致する場合、第2の識別情報を発行しないようにしてもよい。つまり、既に、第2の識別情報が発行されており、その発行された第2の識別情報は保持モジュール155に保持されている。今回は、その発行された第2の識別情報を利用すればよいからである。
【0044】
また、送信モジュール125は、同一の人を識別する識別情報を取得した回数に応じて、識別情報に関する処理を異ならせるようにしてもよい。さらに、同一の人を識別する識別情報を取得した回数に応じて、人に関する情報の保持領域を異ならせるようにしてもよい。
ここで「同一の人を識別する識別情報」とは、対象となる同一の人に対して、付与された複数の識別情報である。本実施例においては、仮IDが発行される前に答案に記載された識別情報や、仮IDなど、同一の人に付与された識別情報が該当する。具体的には、仮IDが発行された後は、最初に答案に記載された識別情報であってもよいし、仮IDであってもよい。つまり、仮IDが発行された後は、2回目の答案において、最初に記載された識別情報ではなく、仮IDが記載されている場合もあり得ることに対応できるようにしている。
送信モジュール125は、例えば、保持モジュール155によって保持されている識別情報を予め定められた回数取得した場合は、その識別情報を、取得(A)モジュール105の取得先であるユーザー管理システム180に送信し、その識別情報をユーザー管理システム180に保持させるようにしてもよい。なお、ここでの識別情報として「第1の識別情報」としてもよい。具体的には、保持モジュール155によって保持されている仮IDが予め定められた回数用いられた場合、その仮IDに対応する受講者をユーザー管理システム180に正式な受講者として登録させるようにしたものである。
また、講義における全授業数のうち予め定められた閾値(例えば、50%等)以上出席した場合に、ユーザー管理システム180に登録させるようにしてもよい。
また、送信モジュール125は、取得(B)モジュール110が、保持モジュール155によって保持されていない識別情報を取得した場合、その識別情報を取得先であるユーザー管理システム180に送信しないようにしてもよい。ここで「保持モジュール155によって保持されていない識別情報」とは、本情報処理システム100が初めて取得した識別情報である。保持モジュール155には過去に取得した識別情報が保持されているが、もちろんのことながら、最初に出現した識別情報は保持されていないからである。つまり、本来正式な受講者ではない者を間違えてユーザー管理システム180に登録させることを防ぐため、初めて取得した識別情報はユーザー管理システム180に保持させないようにしてもよい。
【0045】
また、送信モジュール125は、取得(B)モジュール110によって取得された第1の識別情報と取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が一致し、取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が既に保持モジュール155に保持されている場合は、取得(B)モジュール110によって取得された、関連付けられた第1の識別情報と人に関する情報を、取得(A)モジュール105の取得先であるユーザー管理システム180に送信し、さらに、保持モジュール155によって保持されている関連付けられたその第1の識別情報と人に関する情報を、取得(A)モジュール105の取得先であるユーザー管理システム180に送信するようにしてもよい。
なお、前述の「取得(B)モジュール110によって取得された第1の識別情報と取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が一致し、取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が既に保持モジュール155に保持されている場合」の条件を「前回は取得(B)モジュール110によって取得された第1の識別情報と取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が一致しなかったが、今回は取得(B)モジュール110によって取得された第1の識別情報と取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が一致する場合」としてもよい。
既に1回以上の送信が行われている場合にあって、前回では、「取得(B)モジュール110によって取得された第1の識別情報と取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が一致しない場合」に該当するが、今回は、「取得(B)モジュール110によって取得された第1の識別情報と取得(A)モジュール105によって取得された第1の識別情報が一致する場合」に該当する場合がある。このような場合に、前回、保持モジュール155に保持した「関連付けられた第1の識別情報と人に関する情報」を、ユーザー管理システム180に送信できるようにしている。例えば、前回の時点では、ユーザー管理システム180に登録されていない受講者であったが、今回の時点では、ユーザー管理システム180に登録されている受講者である場合が該当する。つまり、前回と今回との間で、ユーザー管理システム180における登録者が変更された場合が前提となる。ここでの「変更」は、受講者の追加である。このような事態が発生するのは、例えば、(1)ユーザー管理システム180による受講者の登録のタイムラグ、つまり、受講者は正式にユーザー管理システム180に登録することを申請したが、その登録が行われる前に1回目を受講して、その後にその登録が行われ、2回目を受講した場合、(2)受講者が試しに講義の1回目を受講し、その後にユーザー管理システム180に正式に受講者として登録した場合等があるからである。
【0046】
また、送信モジュール125は、保持モジュール155が保持している第1の識別情報に対応する人から送信依頼があった場合は、その第1の識別情報に対応する人に、その第1の識別情報に関連付けられた人に関する情報を送信するようにしてもよい。例えば、受講者から得点の閲覧要求が送信された場合、情報処理システム100が、その受講者に試験の得点等を送信することが該当する。
そして、その送信依頼は、第1の識別情報から生成された保持モジュール155の保持位置へのアクセスとしてもよい。
また、「第1の識別情報から生成された保持モジュール155の保持位置」を、バーコード、QRコード(登録商標)等の情報画像によって記載されたURLとした場合は、そのURLへのアクセスによって、送信依頼であるとみなして、第1の識別情報に関連付けられた人に関する情報を送信する。なお、この場合、印刷モジュール140は、前述の情報画像を印刷する。そして、その印刷した用紙は、第1の識別情報に対応する人に渡される。
【0047】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
情報処理システム100、ユーザー管理システム180、画像処理装置210、ユーザー端末250A、ユーザー端末250Bは、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。また、情報処理システム100による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。
情報処理システム100の取得(A)モジュール105は、ユーザー管理システム180から第1の識別情報のリストを取得する。情報処理システム100の取得(B)モジュール110は、画像処理装置210から、画像処理装置210が読み込んだ画像を取得して、その画像内から文字認識を用いて、第1の識別情報と人に関する情報を関連付けて取得する。
そして、情報処理システム100は、画像を文字認識して取得した第1の識別情報が、ユーザー管理システム180から取得した第1の識別情報のリスト内にある場合は、画像を文字認識して取得した第1の識別情報と人に関する情報を関連付けて、ユーザー管理システム180に登録する。一方、情報処理システム100は、画像を文字認識して取得した第1の識別情報が、ユーザー管理システム180から取得した第1の識別情報のリスト内にない場合は、画像を文字認識して取得した第1の識別情報を、情報処理システム100に記憶させる。
【0048】
図3は、本実施の形態を、教育における講義の受講者に関する処理に利用したシステム構成例を示す説明図である。
授業支援システム300、画像処理システム310、メールサーバー320、認証サーバー330、教員作業用PC340、学生作業用PC350、授業管理システム380は、通信回線390を介してそれぞれ接続されている。授業支援システム300は情報処理システム100の一例であり、授業管理システム380はユーザー管理システム180の一例であり、画像処理システム310は画像処理装置210の一例であり、教員作業用PC340、学生作業用PC350はユーザー端末250の一例である。
授業支援システム300、画像処理システム310、授業管理システム380によって構成されるシステムは、講義の受講者に関する処理を行う。教員作業用PC340を用いる教員は、講義、講義において行った試験の答案用紙の採点等を行う、また、学生作業用PC350を用いる学生は、講義の受講生である。その教員、学生等に対して、授業管理システム380又は授業支援システム300が電子メールを送信する際に、メールサーバー320が用いられる。また、その教員、学生等が、授業管理システム380又は授業支援システム300にアクセスする場合に、認証サーバー330が用いられる。
なお、画像処理システム310、授業支援システム300、教員作業用PC340、学生作業用PC350等は、各1つずつの例を示したが、複数あってもよい。また、授業支援システム300は、複数の画像処理システム310を管理対象としてもよい。
【0049】
図3の例に示したシステム構成での、教育における講義の受講者に関する処理のうち、一般的な処理を、
図4の例を用いて説明する。
図4は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
教員405Aは、学生435に対して講義を行う。そして、その講義において試験を行う。つまり、学生435は、答案用紙に回答を記載する。教員405Aは、その答案用紙の採点を行う。その結果、採点済み回答用紙410には、学生435の学籍ID、名前、採点結果である得点が記載されることになる。
なお、
図4に示す処理例は、講義の出席者の全てが、授業管理システム380に正式に登録された受講者である場合の例である。
【0050】
Step402では、教員405Aが、採点済み回答用紙410を画像処理システム310でスキャンする。
Step404では、画像処理システム310は、授業支援システム300へ、スキャン画像415を転送する。
【0051】
Step406では、授業支援システム300は、採点結果の集計を行う。具体的には、スキャン画像415に記載された学籍ID、名前、得点を文字認識し、学籍IDと得点との対応付けを行って、得点一覧420を生成する。さらに、得点に関しての処理、例えば、平均値、最高点、最低点、最頻値、中央値等の算出、順位付け等を行うようにしてもよい。
Step408では、授業支援システム300は、授業管理システム380に対して、処理の結果である処理データ425をアップロードする。
【0052】
Step410では、授業支援システム300は、処理の結果である処理データ425をメール430で、教員405Aに通知する。
Step412では、教員405Aは、教員作業用PC340Aを用いて、処理の結果である処理データ425をダウンロードする。
【0053】
Step414では、教員405Aは、教員作業用PC340Aを操作して、授業管理システム380に対して、訂正と公開を行う。具体的には、得点一覧420とスキャン画像415を比較して、文字認識の誤りが無いことを確認する。誤りがある場合は、授業管理システム380内の得点一覧420の訂正を行う。そして、各学生435に、各自の得点と採点済み回答用紙410のスキャン画像415を公開する設定を行う。
Step416では、各学生435は、授業管理システム380に対して、採点結果を確認する。つまり、各学生435は、学生作業用PC350を操作して、授業管理システム380で公開された得点と採点済み回答用紙410のスキャン画像415にアクセスして、自分の得点を確認する。
【0054】
この例では、学生は学籍番号が用意され、授業管理システム380に対象としている講義の受講者としてその学籍番号が登録されていることを前提としている。したがって、事前に授業管理システム380に登録されていない学生が受講した場合は、授業管理システム380は、その学生に採点結果を通知することができないこととなってしまう。
例えば、近年では学校組織外より受講者が参加する合同セミナーという形態の講義が行われるようになってきた。セキュリティ上の観点から学校組織外の受講者に学籍番号を付与するのが難しいため、答案等の提出物は人の手により返却・配送等の処理が必要となる。
そこで、本実施の形態である授業支援システム300は、授業管理システム380で管理していない識別情報をスキャン画像415から取得した場合であっても、授業管理システム380の管理情報を変更することなく、人を識別する識別情報と、その人に関する情報に基づく処理を行うようにしている。具体的には、授業支援システム300では、答案用紙に記入された受講者IDが授業管理システム380に対象としている講座の受講者として登録されていない場合、暫定の仮IDを発行し、その出席者は、授業管理システム380を経由せずに授業支援システム300を介して答案用紙の画像、得点の閲覧ができるようにしている。
なお、授業管理システム380に登録されていないが、講義を受講した者として、例えば、前述の学校組織外の受講者、授業管理システム380への登録の事務手続き等が遅れてしまった学生、短期留学生等が該当する。
【0055】
授業管理システム380は、例えば、受講者に関するデータを、受講者IDリスト500を用いて管理している。そして、授業管理システム380から授業支援システム300に受講者IDリスト500を送信する。受講者IDリスト500は、情報処理システム100の取得(A)モジュール105が取得する第1の識別情報の一例である。
図5は、受講者IDリスト500のデータ構造例を示す説明図である。受講者IDリスト500は、講義ID欄505、担当教員ID欄510、受講者数欄515、受講者ID欄520を有している。講義ID欄505は、本実施の形態において、講義を一意に識別するための情報(具体的には、講義ID:IDentification)を記憶している。担当教員ID欄510は、本実施の形態において、その講義を担当する教員を一意に識別するための情報(具体的には、教員ID)を記憶している。受講者数欄515は、その講義を受講する受講者数を記憶している。受講者ID欄520は、本実施の形態において、その講義を受講する受講者を一意に識別するための情報(具体的には、受講者ID)を記憶している。受講者ID欄520は、受講者数欄515内の数だけ、受講者IDを記憶している。なお、受講者ID欄520内の受講者は、その講義に対して正式に登録された者である。
【0056】
また、授業支援システム300は、例えば、実際に講義が行われた場合の情報を講義・出席者管理テーブル600を用いて管理している。
図6は、講義・出席者管理テーブル600のデータ構造例を示す説明図である。講義・出席者管理テーブル600は、講義日付欄605、講義ID欄610、講義名欄615、担当教員ID欄620、出席者数欄625、出席者ID欄630を有している。講義日付欄605は、講義の日付を記憶している。講義ID欄610は、講義IDを記憶している。講義名欄615は、その講義の講義名を記憶している。担当教員ID欄620は、その講義を担当した教員の教員IDを記憶している。出席者数欄625は、その講義の出席者数を記憶している。出席者ID欄630は、出席者IDを記憶している。出席者ID欄630は、出席者数欄625内の数だけ、出席者IDを記憶している。なお、出席者ID欄630内の出席者は、その講義に実際に出席した者である。したがって、受講者IDリスト500の受講者ID欄520に記憶された受講者の他に、他の出席者もあり得る。
【0057】
授業管理システム380は、例えば、学生に関する情報を、学生管理テーブル700を用いて管理している。
図7は、学生管理テーブル700のデータ構造例を示す説明図である。学生管理テーブル700は、学籍ID欄705、名前欄710、メールアドレス欄715等を記憶している。学籍ID欄705は、本実施の形態において、学生を一意に識別するための情報(具体的には、学籍ID)を記憶している。名前欄710は、その学生の名前を記憶している。メールアドレス欄715は、その学生のメールアドレスを記憶している。このメールアドレスを用いて、答案の採点結果等を通知することができる。
【0058】
また、授業支援システム300は、例えば、採点済み回答用紙410のスキャン画像415に対して、文字認識を行って答案・得点管理テーブル800を生成する。この答案・得点管理テーブル800は、授業支援システム300から授業管理システム380に送信される。
図8は、答案・得点管理テーブル800のデータ構造例を示す説明図である。答案・得点管理テーブル800は、講義ID欄805、答案ID欄810、担当教員ID欄815、受講者ID欄820、名前欄825、得点欄830、答案用紙画像欄835、名前画像欄840、得点画像欄845を有している。講義ID欄805は、講義IDを記憶している。答案ID欄810は、本実施の形態において、答案を一意に識別するための情報(具体的には、答案ID)を記憶している。担当教員ID欄815は、担当した教員の教員IDを記憶している。受講者ID欄820は、受講者IDを記憶している。名前欄825は、受講者の名前を記憶している。得点欄830は、その答案での得点を記憶している。答案用紙画像欄835は、採点済み回答用紙410のスキャン画像415を記憶している。画像自体を記憶していてもよいし、その答案用紙の画像を記憶している場所(例えば、URL:Uniform Resource Locator等)を記憶していてもよい。名前画像欄840は、その答案用紙に記載された名前の部分の画像を記憶している。得点画像欄845は、その答案用紙に記載された得点の画像を記憶している。なお、受講者ID欄820、名前欄825、得点欄830は、スキャン画像415に対しての文字認識結果を記憶している。
【0059】
授業支援システム300は、例えば、受講者IDリスト500の受講者ID欄520内にいない出席者に対して、仮IDを生成し、仮ID管理テーブル900を生成する。
図9は、仮ID管理テーブル900のデータ構造例を示す説明図である。仮ID管理テーブル900は、仮ID欄905、名前欄910、メールアドレス欄915等を記憶している。仮ID欄905は、仮IDを記憶している。名前欄910は、名前を記憶している。ここでの名前は、採点済み回答用紙410のスキャン画像415の文字認識を利用してもよい。メールアドレス欄915は、メールアドレスを記憶している。なお、メールアドレスは、その出席者に入力させてもよいし、採点済み回答用紙410に記載させ、それを文字認識してもよい。
【0060】
授業支援システム300は、例えば、受講者IDリスト500の受講者ID欄520内にいない出席者に対して、答案・得点管理テーブル1000を生成する。
図10は、答案・得点管理テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。答案・得点管理テーブル1000は、講義ID欄1005、答案ID欄1010、担当教員ID欄1015、仮ID欄1020、記入ID欄1025、名前欄1030、得点欄1035、答案用紙画像欄1040、名前画像欄1045、得点画像欄1050を有している。答案・得点管理テーブル1000は、
図8の例に示した答案・得点管理テーブル800の受講者ID欄820を、仮ID欄1020、記入ID欄1025としたものである。講義ID欄1005は、講義IDを記憶している。答案ID欄1010は、答案IDを記憶している。担当教員ID欄1015は、担当した教員の教員IDを記憶している。仮ID欄1020は、仮IDを記憶している。記入ID欄1025は、採点済み回答用紙410に記入されたID(受講者を識別するID)を記憶している。つまり、採点済み回答用紙410内に記載されたIDを文字認識した結果を記憶している。名前欄1030は、出席者の名前を記憶している。得点欄1035は、得点を記憶している。答案用紙画像欄1040は、答案用紙画像を記憶している。名前画像欄1045は、名前画像を記憶している。得点画像欄1050は、得点画像を記憶している。
【0061】
図11は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。この処理例は、講義の出席者である学生435Aが、授業管理システム380に正式に登録された受講者である場合の例を示している。
【0062】
採点済み回答用紙410には、受講者ID欄1182、名前欄1186、得点欄1184がある。受講者ID欄1182、名前欄1186は、学生435Aによって記載され、得点欄1184は、教員405によって記載される。
【0063】
Step1102では、教員405の操作にしたがって、採点済み回答用紙410を画像処理システム310でスキャンし、スキャン画像415を生成する。
Step1104では、画像処理システム310は、スキャン画像415を授業支援システム300に転送する。
【0064】
Step1106では、授業支援システム300は、授業管理システム380より、その講義の受講者IDリスト500を取得する。
Step1108では、授業支援システム300は、スキャン画像415の受講者ID(受講者ID欄1182)、得点(得点欄1184)を文字認識する。例えば、スキャン画像415内の受講者ID欄1182、得点欄1184の位置は予め定められており、その位置にある画像を文字認識の対象としてもよいし、受講者ID欄1182、得点欄1184をスキャン画像415内から探索し、文字認識の対象としてもよい。さらに、名前欄1186を文字認識の対象としてもよい。
【0065】
Step1110では、授業支援システム300は、文字認識した受講者IDを、Step1106で取得した受講者IDリスト500と比較する。この例では、文字認識した受講者IDは、受講者IDリスト500に含まれていたとする。そして、講義・出席者管理テーブル600、答案・得点管理テーブル800を生成する。
Step1112では、授業支援システム300は、スキャン画像415と得点一覧420を授業管理システム380にアップロードする。例えば、授業支援システム300は、授業管理システム380に答案・得点管理テーブル800を送信する。
【0066】
Step1114では、授業管理システム380に正式に受講登録済みの学生435Aは、授業管理システム380より答案を返却される。例えば、授業管理システム380は、学生435Aに対して、学生管理テーブル700を用いて電子メールを送信し、学生435A用のホームページを用意する。学生435Aは、学生作業用PC350Aを操作して、電子メールを受信して、学生435A用のホームページを閲覧する。そのホームページで、学生435Aは、採点結果である得点、採点済み回答用紙410のスキャン画像415等を閲覧することができる。
【0067】
図12は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。この処理例は、講義の出席者である学生435Xは、授業管理システム380に登録されていない受講者である場合の例を示している。
【0068】
採点済み回答用紙410には、受講者ID欄1182、名前欄1186、得点欄1184がある。受講者ID欄1182、名前欄1186は、学生435Xによって記載され、得点欄1184は、教員405によって記載される。なお、受講者ID欄1182への記載は、例えば、この講義の学校に在学している学生であるならば学籍番号が記載され、この講義の学校に在学していない者であれば、空白、又は、予め定められた番号等が記載される。
【0069】
Step1202では、教員405Aの操作にしたがって、採点済み回答用紙410を画像処理システム310でスキャンし、スキャン画像415を生成する。
Step1204では、画像処理システム310は、スキャン画像415を授業支援システム300に転送する。
【0070】
Step1206では、授業支援システム300は、授業管理システム380より、その講義の受講者IDリスト500を取得する。
Step1208では、授業支援システム300は、スキャン画像415の受講者ID(受講者ID欄1182)、得点(得点欄1184)を文字認識する。
【0071】
Step1210では、授業支援システム300は、文字認識した受講者IDを、Step1206で取得した受講者IDリスト500と比較する。この例では、文字認識した受講者IDは、受講者IDリスト500に含まれていない。
Step1212では、授業支援システム300は、仮IDを発行し、仮ID管理テーブル900、答案・得点管理テーブル1000を生成する。授業支援システム300の保持モジュール155に、その仮ID管理テーブル900、答案・得点管理テーブル1000を蓄積する。
【0072】
Step1214では、仮IDと学生の識別情報を発行した学生435Xへの案内を印刷する。例えば、案内書面1300を印刷する。
図13は、本実施の形態によって印刷される案内書面1300の例を示す説明図である。
案内書面1300は、授業管理システム380に登録されていなかった出席者(
図12の例では、学生435X)に渡されるものである。授業支援システム300による印刷指示にしたがって、案内書面1300を画像処理システム310が印刷する。印刷された案内書面1300を教員405Aが受け取って、該当する出席者に渡すようにする。
案内書面1300内には、名前欄1305、日付欄1310、講義名欄1315、仮ID欄1320の記載がある。なお、名前欄1305は、名前(画像)欄1305A,名前(文字認識結果)欄1305Bの2つに分かれている。名前(画像)欄1305Aには、採点済み回答用紙410の名前欄1186内の画像の全部、又は、一部を記載する。ここで「名前欄1186内の画像の一部」として、例えば、姓のみの部分の画像、名のみの部分の画像等としてもよい。名前(文字認識結果)欄1305Bには、採点済み回答用紙410の名前欄1186内の画像の文字認識結果を記載する。
そして、案内書面1300内に、例えば、以下のように記載している。
「名前欄1305様
日付欄1310に受講した講義名欄1315についての採点済答案は、以下のURL、仮IDでアクセスすることができます。
URL:・・・・・
仮ID:仮ID欄1320」
名前欄1305の内容は、仮ID管理テーブル900の名前欄910から抽出し、日付欄1310の内容は、講義・出席者管理テーブル600の講義日付欄605から抽出し、講義名欄1315の内容は、講義・出席者管理テーブル600の講義名欄615から抽出し、仮ID欄1320の内容は、仮ID管理テーブル900の仮ID欄905から抽出すればよい。
案内書面1300を受け取った出席者は、案内書面1300に記載されたURLにアクセスすることによって、得点、採点済答案のスキャン画像等を閲覧することができる。ここでのURLは、授業支援システム300によって管理されているものであって、例えば、授業支援システム300内の保持モジュール155を指すものである。なお、前述したように、URLの記載として、文字列としてのURLではなく、バーコード、QRコード等の情報画像で記載してもよい。
【0073】
Step1216では、教員405Aは印刷された案内書面1300を該当の学生435Xに配布する。
Step1218では、授業管理システム380には受講登録がされていない学生435Xは、仮IDを利用し、授業支援システム300より答案を返却される。ここでの返却とは、例えば、案内書面1300のURLにアクセスすることによって、学生435Xが得点等を閲覧できるようにすることである。
【0074】
図14は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。教員405の操作、授業支援システム300、授業管理システム380の処理内容を示している。
ステップS1402では、教員405は、画像処理システム310で答案用紙をスキャンする。
ステップS1404では、授業支援システム300は、答案用紙を読み取り、画像を生成する。
【0075】
ステップS1406では、授業支援システム300は、授業管理システム380より受講者IDリストを取得する。
ステップS1408では、授業管理システム380は、授業支援システム300に対して、受講者IDリストを返却する。
【0076】
ステップS1410では、授業支援システム300は、画像から名前の画像、学籍IDの画像、得点の画像をそれぞれ切り出す。
ステップS1412では、授業支援システム300は、学籍IDと得点を文字列に変換(文字認識)する。
【0077】
ステップS1414では、授業支援システム300は、読み取った学籍IDを一つ取り出す。
ステップS1416では、授業支援システム300は、認識した学籍IDが受講者IDリストに含まれているか否かを判断し、含まれている場合はステップS1418へ進み、それ以外の場合はステップS1422へ進む。
【0078】
ステップS1418では、授業支援システム300は、読み取り画像と得点を授業管理システム380に送信する。
ステップS1420では、授業管理システム380は、画像と得点を当該受講者に返却する。なお、ここでの返却とは、
図4の例に示すStep416に該当する。
【0079】
ステップS1422では、授業支援システム300は、認識した学籍IDが蓄積文書に含まれるか否かを判断し、含まれる場合はステップS1428へ進み、それ以外の場合はステップS1424へ進む。
ステップS1422の「NO」となる場合として、受講者ID欄1182が空白である場合、受講者ID欄1182を文字認識した結果が仮ID管理テーブル900の仮ID欄905にない場合が該当する。
ステップS1424では、授業支援システム300は、仮IDを発行する。
【0080】
ステップS1426では、授業支援システム300は、(1)仮ID、(2)名前の画像、文字認識結果、(3)授業支援システム300へのアクセス方法が含まれる案内を印刷する。
ステップS1428では、授業支援システム300は、仮IDに関連付けて、名前、学籍ID、得点、答案用紙の画像、文字認識結果を保存する。
【0081】
ステップS1430では、授業支援システム300は、読み取った全ての学籍IDについて処理を実施したか否かを判断し、実施した場合はステップS1432へ進み、それ以外の場合はステップS1414へ戻る。
ステップS1432では、授業支援システム300は、仮IDの受講者への案内を印刷するよう画像処理システム310に指示する。
【0082】
ステップS1434では、教員405は、印刷された案内を受領する。
ステップS1436では、教員405は、仮IDが発行された受講者に案内を配布する。
【0083】
図15は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。教員405の操作、授業支援システム300、授業管理システム380の処理内容を示している。
授業管理システム380に正式には登録されていない受講者が、X回同じ講義に出席した場合は、授業支援システム300が授業管理システム380に正式な受講者として登録するように依頼するものである。
図15の例に示すフローチャートは、
図14の例に示すフローチャートのステップS1428とステップS1430の間に、ステップS1530~ステップS1534を加えたものである。
【0084】
ステップS1502では、教員405は、答案用紙をスキャンする。
ステップS1504では、授業支援システム300は、答案用紙を読み取り、画像を生成する。
【0085】
ステップS1506では、授業支援システム300は、授業管理システム380より受講者IDリストを取得する。
ステップS1508では、授業管理システム380は、授業支援システム300に対して、受講者IDリストを返却する。
【0086】
ステップS1510では、授業支援システム300は、画像から名前の画像、学籍IDの画像、得点の画像をそれぞれ切り出す。
ステップS1512では、授業支援システム300は、学籍IDと得点を文字列に変換(文字認識)する。
【0087】
ステップS1514では、授業支援システム300は、読み取った学籍IDを一つ取り出す。
ステップS1516では、授業支援システム300は、認識した学籍IDが受講者IDリストに含まれているか否かを判断し、含まれている場合はステップS1518へ進み、それ以外の場合はステップS1522へ進む。
【0088】
ステップS1518では、授業支援システム300は、読み取り画像と得点を授業管理システム380に送信する。
ステップS1520では、授業管理システム380は、画像と得点を当該受講者に返却する。なお、ここでの返却とは、
図4の例に示すStep416に該当する。
【0089】
ステップS1522では、授業支援システム300は、認識した学籍IDが蓄積文書に含まれるか否かを判断し、含まれる場合はステップS1528へ進み、それ以外の場合はステップS1524へ進む。
ステップS1522の「NO」となる場合として、受講者ID欄1182が空白である場合、受講者ID欄1182を文字認識した結果が仮ID管理テーブル900の仮ID欄905にない場合が該当する。
【0090】
ステップS1524では、授業支援システム300は、仮IDを発行する。
ステップS1526では、授業支援システム300は、(1)仮ID、(2)名前の画像、文字認識結果、(3)授業支援システム300へのアクセス方法が含まれる案内を印刷する。
【0091】
ステップS1528では、授業支援システム300は、仮IDに関連付けて、名前、学籍ID、得点、答案用紙の画像、文字認識結果を保存する。
ステップS1530では、授業支援システム300は、仮IDの使用はX回であるか否かを判断し、X回の場合はステップS1532へ進み、それ以外の場合はステップS1536へ進む。
【0092】
ステップS1532では、授業支援システム300は、仮IDに該当する受講者の登録を授業管理システム380に依頼する。
ステップS1534では、授業管理システム380は、仮IDに該当する受講者を受講者IDリストに追加する。
【0093】
ステップS1536では、授業支援システム300は、読み取った全ての学籍IDについて処理を実施したか否かを判断し、実施した場合はステップS1538へ進み、それ以外の場合はステップS1514へ戻る。
ステップS1538では、授業支援システム300は、仮IDの受講者への案内を印刷するよう画像処理システム310に指示する。
【0094】
ステップS1540では、教員405は、印刷された案内を受領する。
ステップS1542では、教員405は、仮IDが発行された受講者に案内を配布する。
【0095】
図16は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。教員405の操作、授業支援システム300、授業管理システム380の処理内容を示している。
前回は授業管理システム380に正式には登録されていない受講者であったが、今回の受講前に、授業管理システム380に正式に登録された受講者となった場合に、前回以前の採点結果(具体的には、答案・得点管理テーブル1000)を、授業管理システム380に送信して登録させるようにしたものである。
図16の例に示すフローチャートは、
図14の例に示すフローチャートのステップS1416とステップS1418の間に、ステップS1618~ステップS1622を加えたものである。
【0096】
ステップS1602では、教員405は、答案用紙をスキャンする。
ステップS1604では、授業支援システム300は、答案用紙を読み取り、画像を生成する。
【0097】
ステップS1606では、授業支援システム300は、授業管理システム380より受講者IDリストを取得する。
ステップS1608では、授業管理システム380は、授業支援システム300に対して、受講者IDリストを返却する。
【0098】
ステップS1610では、授業支援システム300は、画像から名前の画像、学籍IDの画像、得点の画像をそれぞれ切り出す。
ステップS1612では、授業支援システム300は、学籍IDと得点を文字列に変換(文字認識)する。
【0099】
ステップS1614では、授業支援システム300は、読み取った学籍IDを一つ取り出す。
ステップS1616では、授業支援システム300は、認識した学籍IDが受講者IDリストに含まれているか否かを判断し、含まれている場合はステップS1618へ進み、それ以外の場合はステップS1628へ進む。
【0100】
ステップS1618では、授業支援システム300は、認識した学籍IDが蓄積文書に含まれるか否かを判断し、含まれる場合はステップS1620へ進み、それ以外の場合はステップS1624へ進む。
ステップS1620では、授業支援システム300は、仮IDに関連付けられた、過去の名前、学籍ID、得点、答案用紙の画像、文字認識結果、そして、今回の読み取り画像と得点を授業管理システム380へ送信する。
【0101】
ステップS1622では、授業管理システム380は、過去の名前、学籍ID、得点、答案用紙の画像、文字認識結果を登録し、ステップS1626へ進む。
ステップS1624では、授業支援システム300は、読み取り画像と得点を授業管理システム380に送信する。
【0102】
ステップS1626では、授業管理システム380は、画像と得点を当該受講者に返却する。なお、ここでの返却とは、
図4の例に示すStep416に該当する。
ステップS1628では、授業支援システム300は、認識した学籍IDが蓄積文書に含まれるか否かを判断し、含まれる場合はステップS1634へ進み、それ以外の場合はステップS1630へ進む。
ステップS1628の「NO」となる場合として、受講者ID欄1182が空白である場合、受講者ID欄1182を文字認識した結果が仮ID管理テーブル900の仮ID欄905にない場合が該当する。
【0103】
ステップS1630では、授業支援システム300は、仮IDを発行する。
ステップS1632では、授業支援システム300は、(1)仮ID、(2)名前の画像、文字認識結果、(3)授業支援システム300へのアクセス方法が含まれる案内を印刷する。
【0104】
ステップS1634では、授業支援システム300は、仮IDに関連付けて、名前、学籍ID、得点、答案用紙の画像、文字認識結果を保存する。
ステップS1636では、授業支援システム300は、読み取った全ての学籍IDについて処理を実施したか否かを判断し、実施した場合はステップS1638へ進み、それ以外の場合はステップS1614へ戻る。
【0105】
ステップS1638では、授業支援システム300は、仮IDの受講者への案内を印刷するよう画像処理システム310に指示する。
ステップS1640では、教員405は、印刷された案内を受領する。
ステップS1642では、教員405は、仮IDが発行された受講者に案内を配布する。
【0106】
図17を参照して、本実施の形態の情報処理システム100、ユーザー管理システム180、画像処理装置210、ユーザー端末250、授業支援システム300、画像処理システム310、メールサーバー320、認証サーバー330、教員作業用PC340、学生作業用PC350、授業管理システム380のハードウェア構成例について説明する。
図17に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ等によって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部1717と、プリンタ等のデータ出力部1718を備えたハードウェア構成例を示している。
【0107】
CPU(Central Processing Unitの略)1701は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、取得(A)モジュール105、取得(B)モジュール110、画像取得モジュール115、取得(C)モジュール120、送信モジュール125、受付モジュール130、出力モジュール135、印刷モジュール140、処理モジュール145、ID発行モジュール150等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0108】
ROM(Read Only Memoryの略)1702は、CPU1701が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memoryの略)1703は、CPU1701の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス1704により相互に接続されている。
【0109】
ホストバス1704は、ブリッジ1705を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interfaceの略)バス等の外部バス1706に接続されている。
【0110】
キーボード1708、マウス等のポインティングデバイス1709は、操作者により操作されるデバイスである。ディスプレイ1710は、液晶表示装置、有機ELディスプレイ又はCRT(Cathode Ray Tubeの略)等があり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。また、ポインティングデバイス1709とディスプレイ1710の両方の機能を備えているタッチスクリーン等であってもよい。その場合、キーボードの機能の実現について、キーボード1708のように物理的に接続しなくても、画面(例えば、タッチスクリーン)上にソフトウェアでキーボード(いわゆるソフトウェアキーボード、スクリーンキーボード等ともいわれる)を描画して、キーボードの機能を実現するようにしてもよい。
【0111】
HDD(Hard Disk Driveの略)1711は、ハードディスク(ハードディスク以外に、フラッシュ・メモリ等であってもよい)を内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1701によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。HDD1711は、保持モジュール155等としての機能を実現させる。さらに、その他の各種データ、各種コンピュータ・プログラム等が格納される。
【0112】
ドライブ1712は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1713に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1707、外部バス1706、ブリッジ1705、及びホストバス1704を介して接続されているRAM1703に供給する。なお、リムーバブル記録媒体1713も、データ記録領域として利用可能である。
【0113】
接続ポート1714は、外部接続機器1715を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1714は、インタフェース1707、及び外部バス1706、ブリッジ1705、ホストバス1704等を介してCPU1701等に接続されている。通信部1716は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1717は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1718は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0114】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、
図17に示す情報処理システム100等のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図17に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、プロセッサーとして、GPU(Graphics Processing Unitの略、GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Unitsの略)を含む)を用いてもよいし、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(具体例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略)等がある)や再構成可能な集積回路(具体例として、FPGA(Field-Programmable Gate Arrayの略)等がある)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに
図17に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯情報通信機器として、携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(複合機とは、スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)等に組み込まれていてもよい。
【0115】
また、前述の実施の形態の説明内での比較処理において、「以上」、「以下」、「より大きい」、「より小さい(未満)」としたものは、例示であって、その組み合わせに矛盾が生じない限り、それぞれ「より大きい」、「より小さい(未満)」、「以上」、「以下」としてもよい。
【0116】
また、ID発行モジュール150による仮IDの発行については、以下のようにしてもよい。
実際に利用されている識別情報と類似したものを仮IDとしてしまうと、たとえ現在使用されていなくても将来の入学者と被ってしまうおそれがある。したがって、既にある識別情報とは桁数が異なるものや、使われるはずの無い文字を含めるようにしてもよい。例えば、後者にあっては、数字のみの識別情報に対して、アルファベットを含むものにする等がある。
また、仮IDは、文字認識で誤りが発生しにくい文字列で発行するようにしてもよい。文字認識の精度を向上させるためである。例えば、間違えやすい文字列は避ける。具体的には、以下の組み合わせ([]内が間違えやすい組み合わせ)が仮ID内に含まれないようにしてもよい。
[1 7 i I(アイ) l(エル)]、[2 z Z]、[5 s S]、[6 b]、[8 B]、[9 q g]、[0(ゼロ) O(オー)]、[a d]、[c C]、[k K]、[u U v V]、[w W]、[x X]、[z Z]
元の学籍番号で用いていない特徴的な文字列を先頭の文字(この先頭の文字は、1文字であってもよいし、複数文字であってもよい)として、次に「2 3 4 5 6 8 9 0」の組み合わせの文字列で、仮IDを発行してもよい。
【0117】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digitalの略)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0118】
100…情報処理システム
105…取得(A)モジュール
110…取得(B)モジュール
115…画像取得モジュール
120…取得(C)モジュール
125…送信モジュール
130…受付モジュール
135…出力モジュール
140…印刷モジュール
145…処理モジュール
150…ID発行モジュール
155…保持モジュール
180…ユーザー管理システム
210…画像処理装置
250…ユーザー端末
290…通信回線
300…授業支援システム
310…画像処理システム
320…メールサーバー
330…認証サーバー
340…教員作業用PC
350…学生作業用PC
380…授業管理システム
390…通信回線