(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240116BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240116BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
H04N1/00 885
G03G21/00 398
B41J29/38 104
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2019227980
(22)【出願日】2019-12-18
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 友佑
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-153225(JP,A)
【文献】特開2012-118253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 21/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知対象を検知する検知部と、
ユーザーの操作を受け付ける受付処理部と、
前記ユーザーの操作が行われない無操作時間を計測する計時部と、
前記無操作時間が予め設定された設定時間に達した場合に電力消費部の動作モードを通常モードから前記通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードに切り替え、前記検知部が前記検知対象を検知した場合に前記動作モードを前記省電力モードから前記通常モードに切り替える切替処理部と、
前記設定時間が長い程、前記省電力モードにおける前記検知部の検知感度を低く設定する設定処理部と、
を備え
、
前記省電力モードは、第1省電力モードと前記第1省電力モードよりも消費電力の小さい第2省電力モードとを含み、
前記切替処理部は、前記無操作時間が第1設定時間に達した場合に前記通常モードを前記第1省電力モードに切り替え、前記無操作時間が前記第1設定時間よりも長い第2設定時間に達した場合に前記第1省電力モードを前記第2省電力モードに切り替え、
前記設定処理部は、前記第1設定時間が長い程、前記第1省電力モードにおける前記検知感度を低く設定し、前記第2設定時間が長い程、前記第2省電力モードにおける前記検知感度を低く設定する、画像形成装置。
【請求項2】
前記設定処理部は、前記第2省電力モードにおける前記検知感度を、前記第1省電力モードにおける前記検知感度よりも低く設定する、
請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記計時部は、前記第1省電力モードに対応する前記無操作時間を計測する第1計時部と、前記第2省電力モードに対応する前記無操作時間を計測する第2計時部とを備える、
請求項
1又は
2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検知感度は、前記検知部の検知範囲を示す距離に対応する値である、
請求項1~
3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
検知対象を検知する検知部と、
ユーザーの操作を受け付ける受付処理部と、
前記ユーザーの操作が行われない無操作時間を計測する計時部と、
前記無操作時間が前記ユーザーの操作に応じて
予め設定された設定時間に達した場合に電力消費部の動作モードを通常モードから前記通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードに切り替え、前記検知部が前記検知対象を検知した場合に前記動作モードを前記省電力モードから前記通常モードに切り替える切替処理部と、
前記設定時間が長い程、前記省電力モードにおける前記検知部の検知感度を低く設定する設定処理部と、
を備える画像形成装置。
【請求項6】
検知対象を検知する検知部と、
ユーザーの操作を受け付ける受付処理部と、
前記ユーザーの操作が行われない無操作時間を計測する計時部と、
前記無操作時間が予め設定された設定時間に達した場合に電力消費部の動作モードを通常モードから前記通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードに切り替え、前記検知部が前記検知対象を検知した場合に前記動作モードを前記省電力モードから前記通常モードに切り替える切替処理部と、
前記設定時間が長い程、前記省電力モードにおける前記検知部の検知感度を低く設定する設定処理部と、
を備え、
前記設定処理部は、前記ユーザーから前記検知感度の変更操作を受け付け可能である
、画像形成装置。
【請求項7】
検知部に検知対象を検知させる検知ステップと、
ユーザーの操作を受け付ける受付ステップと、
前記ユーザーの操作が行われない無操作時間を計測する計時ステップと、
前記無操作時間が予め設定された設定時間に達した場合に電力消費部の動作モードを通常モードから前記通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードに切り替え、前記検知ステップにより前記検知対象を検知した場合に前記動作モードを前記省電力モードから前記通常モードに切り替える切替ステップと、
前記設定時間が長い程、前記省電力モードにおける前記検知部の検知感度を低く設定する設定ステップと、
を
含み、
前記省電力モードは、第1省電力モードと前記第1省電力モードよりも消費電力の小さい第2省電力モードとを含み、
前記切替ステップにおいて、前記無操作時間が第1設定時間に達した場合に前記通常モードを前記第1省電力モードに切り替え、前記無操作時間が前記第1設定時間よりも長い第2設定時間に達した場合に前記第1省電力モードを前記第2省電力モードに切り替え、
前記設定ステップにおいて、前記第1設定時間が長い程、前記第1省電力モードにおける前記検知感度を低く設定し、前記第2設定時間が長い程、前記第2省電力モードにおける前記検知感度を低く設定する、画像形成方法。
【請求項8】
検知部に検知対象を検知させる検知ステップと、
ユーザーの操作を受け付ける受付ステップと、
前記ユーザーの操作が行われない無操作時間を計測する計時ステップと、
前記無操作時間が前記ユーザーの操作に応じて予め設定された設定時間に達した場合に電力消費部の動作モードを通常モードから前記通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードに切り替え、前記検知ステップにより前記検知対象を検知した場合に前記動作モードを前記省電力モードから前記通常モードに切り替える切替ステップと、
前記設定時間が長い程、前記省電力モードにおける前記検知部の検知感度を低く設定する設定ステップと、
を含む画像形成方法。
【請求項9】
検知部に検知対象を検知させる検知ステップと、
ユーザーの操作を受け付ける受付ステップと、
前記ユーザーの操作が行われない無操作時間を計測する計時ステップと、
前記無操作時間が予め設定された設定時間に達した場合に電力消費部の動作モードを通常モードから前記通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードに切り替え、前記検知ステップにより前記検知対象を検知した場合に前記動作モードを前記省電力モードから前記通常モードに切り替える切替ステップと、
前記設定時間が長い程、前記省電力モードにおける前記検知部の検知感度を低く設定する設定ステップと、
を含み、
前記設定ステップにおいて、前記ユーザーから前記検知感度の変更操作を受け付け可能である、画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、消費電力の低減のために、ユーザーの操作が行われない無操作時間が所定の設定時間に達した場合に一部の電力消費部の動作モードを通常モードから消費電力の小さい省電力モードに切り替える機能を有することがある。前記画像形成装置では、例えば省電力モードにおいて人感センサーがユーザーを検知した場合に通常モードに復帰する。ここで、省電力モードの種類に応じて人感センサーの最長検出距離を変更することによって、ユーザーが画像形成装置の操作を開始するまでに確実にメインコントローラを起動させる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記画像形成装置では、前記設定時間を任意に設定することが可能である。例えば前記設定時間を長時間に設定すると、前記画像形成装置を使用する意思のない人(通行人)を検知した場合に以下の問題が生じる場合がある。すなわち、前記通行人を検知した場合には、前記省電力モードを維持したくても前記通常モードに切り替わってしまい、また前記通常モードに切り替わってから再び前記省電力モードに戻るまでに長時間かかってしまうという問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、消費電力の低減及びユーザーの利便性の向上を図ることが可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、検知部と、受付処理部と、計時部と、切替処理部と、設定処理部とを備える。前記検知部は、検知対象を検知する。前記受付処理部は、ユーザーの操作を受け付ける。前記計時部は、前記ユーザーの操作が行われない無操作時間を計測する。前記切替処理部は、前記無操作時間が予め設定された設定時間に達した場合に電力消費部の動作モードを通常モードから前記通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードに切り替え、前記検知部が前記検知対象を検知した場合に前記動作モードを前記省電力モードから前記通常モードに切り替える。前記設定処理部は、前記設定時間が長い程、前記省電力モードにおける前記検知部の検知感度を低く設定する。
【0007】
本発明の他の局面に係る画像形成方法は、検知ステップと、受付ステップと、計時ステップと、切替ステップと、設定ステップとを備える。前記検知ステップでは、検知部に検知対象を検知させる。前記受付ステップでは、ユーザーの操作を受け付ける。前記計時ステップでは、前記ユーザーの操作が行われない無操作時間を計測する。前記切替ステップでは、前記無操作時間が予め設定された設定時間に達した場合に電力消費部の動作モードを通常モードから前記通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードに切り替え、前記検知ステップにより前記検知対象を検知した場合に前記動作モードを前記省電力モードから前記通常モードに切り替える。前記設定ステップでは、前記設定時間が長い程、前記省電力モードにおける前記検知部の検知感度を低く設定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、消費電力の低減及びユーザーの利便性の向上を図ることが可能な画像形成装置及び画像形成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる感度設定情報の一例を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の実施形態に係る画像形成装置において人を検知する様子を示す模式図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の実施形態に係る画像形成装置において人を検知する様子を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置における感度レベル設定画面の一例を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置における感度レベル設定画面の一例を模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置において実行される動作モード切替処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置で用いられる感度設定情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置において実行される動作モード切替処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
図1及び
図2に示すように、画像形成装置100は、画像読取部1、ADF2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、操作表示部6、排出部7、記憶部8、人感センサー9、タイマー10、及び電源部11などを備える。画像形成装置100は、原稿から画像データを読み取るスキャン機能、画像データに基づいて画像を形成する印刷機能、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像形成装置100は、コピー機であってもよい。画像形成装置100は、本発明の画像形成装置の一例である。
【0012】
画像読取部1は、コンタクトガラス、読取ユニット、ミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)などを備える画像読取部である。
【0013】
ADF2は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備え、画像読取部1によって読み取られる原稿を搬送する。
【0014】
画像形成部3は、画像読取部1で読み取られた画像データに基づいて、電子写真方式で用紙に画像を形成することが可能である。また、画像形成部3は、外部の情報処理装置(例えばユーザー端末)から入力された画像データに基づいて、用紙に画像を形成することも可能である。具体的に、画像形成部3は、感光体ドラム、帯電装置、光走査装置(LSU)、現像装置、転写ローラー、クリーニング装置、定着ローラー、及び加圧ローラーを備える。なお、画像形成部3は、インクジェット方式などの他の画像形成方式により画像を形成するものであってもよい。また画像形成部3は、画像を形成した用紙(印刷用紙)を排出部7に搬送する。
【0015】
給紙部4は、用紙収容部、及び複数の搬送ローラーを備え、画像形成部3に用紙を供給する。給紙部4は、制御部5によって制御されることにより、用紙収容部41に収容された用紙を画像形成部3に搬送する。また給紙部4は、ユーザーが手動(手差し)により用紙をセットする手差しトレイ42を含む。給紙部4は、制御部5によって制御されることにより、手差しトレイ42にセットされた用紙を画像形成部3に搬送する。本実施形態では、用紙収容部41は、画像形成装置100の正面に向かって下側に設けられており、手差しトレイ42は、画像形成装置100の正面に向かって右側に設けられている。
【0016】
排出部7は、画像形成部3により画像が形成された印刷用紙を排出する。排出部7は、1又は複数の排出トレイ71を備える。排出トレイ71が複数設けられる場合、複数の排出トレイ71のそれぞれは、画像形成装置100の設置面(床面)からの高さが互いに異なる位置に設けられる。排出部7は、制御部5によって制御されることにより、前記印刷用紙を所定の排出トレイ71に排出する。排出部7は、制御部5の命令に従って、決定された排出トレイ71に前記印刷用紙を排出する。本実施形態では、排出トレイ71は、画像形成装置100の正面に向かって左側に設けられている。
【0017】
操作表示部6は、制御部5の命令に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。給紙部4、排出部7、及び操作表示部6は、ユーザーが操作可能な構成要素である。
【0018】
人感センサー9は、画像形成装置100の筐体の正面側における人(検知対象)の存否を検知可能である。例えば、人感センサー9は、人体から発せられる赤外線の検出の有無に基づいて、予め定められた検知範囲における人の存否を検知する焦電型の赤外線センサーである。人感センサー9は、光が遮光されたか否かに基づいて人の存否を検知する光センサーであってもよい。人感センサー9は、本発明の検知部の一例である。
【0019】
タイマー10は、時間を計測する。具体的には、タイマー10は、制御部5の命令に従って、時間の計測を開始及び終了したり、計測した時間をリセットしたりする。例えば、タイマー10は、ユーザーの操作が行われない無操作時間を計測する。タイマー10は、本発明の計時部の一例である。
【0020】
電源部11は、画像形成装置100を構成する各部(電力消費部)の少なくとも一部に電力を供給する。画像形成装置100は、画像形成装置100を構成する各部に電力を供給する通常の動作モード(以下、「通常モード」という。)と、一部に電力を供給しない動作モード(以下、「省電力モード」という。)とを有する。電源部11は、制御部5からの命令(モード切替指示)に従って、動作モードを通常モード又は省電力モードに設定する。例えば、電源部11が通常モードに設定されている場合において、画像形成装置100においてユーザーの操作が行われない無操作時間が所定の設定時間に達した場合に、制御部5が通常モードを省電力モードに切り替えるモード切替指示を電源部11に出力することにより、動作モードが省電力モードに切り替わる。また例えば、電源部11が省電力モードに設定されている場合において、画像形成装置100において人感センサー9がユーザーを検知した場合に、制御部5が省電力モードを通常モードに切り替えるモード切替指示を電源部11に出力することにより、動作モードが通常モードに切り替わる(復帰する)。
【0021】
記憶部8は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部8は、フラッシュメモリー、及びEEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリー、SSD(ソリッドステートドライブ)、並びにHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。記憶部8には、制御部5に後述の動作モード切替処理(
図7参照)を実行させるためのモード切替プログラムなどの各種の制御プログラム、及び各種のデータなどが記憶される。
【0022】
また記憶部8は、感度設定情報D1などのデータを含む。
図3は、感度設定情報D1の一例を示す図である。感度設定情報D1には、動作モード種別、使用タイマー、設定時間、人感センサー9の感度レベルなどの情報が互いに関連付けられて登録される。例えば、前記動作モード種別には、「省電力モード」が登録される。前記使用タイマーには、「省電力タイマー」が登録される。省電力タイマーは、通常モードから省電力モードに切り替わる際に使用されるタイマーであり、タイマー10の一例である。
【0023】
前記設定時間には、所定間隔で分けられた複数の時間帯が登録される。例えば
図3に示すように、前記設定時間には、30分間隔で分けられた、「1分~30分」、「31分~60分」、「61分~90分」、「91分~120分」の4つの時間帯が登録される。ここで、ユーザー(例えば管理者)は、後述する感度レベル設定画面P1(
図5参照)において、前記設定時間を予め設定することが可能である。前記設定時間は、通常モードを省電力モードに切り替えるための判定に利用される。例えば、制御部5は、ユーザーの操作が行われない無操作時間が前記設定時間に達した場合に動作モードを通常モードから省電力モードに切り替える。ユーザーは、前記設定時間を設定可能範囲(例えば0~120分)内の任意の時間に設定可能である。
【0024】
前記感度レベルは、人感センサー9の検知感度(検知精度)に対応する情報である。前記検知感度は、例えば、人感センサー9の検知範囲を示す距離、角度に対応する値である。ここでは、前記感度レベルの値が高い程、検知感度が高い(検知範囲が広い)ことを示している。例えば、前記感度レベルは、「1」~「10」の10段階で調整可能であり、前記感度レベルが「10」に設定された場合に人感センサー9の前記検知感度が最も高くなり、前記感度レベルが「1」に設定された場合に人感センサー9の前記検知感度が最も低くなる。
【0025】
また、感度設定情報D1において、前記感度レベルは、前記設定時間に対応付けて登録される。前記設定時間が複数段階に分類される場合(
図3参照)、前記感度レベルは前記設定時間の各段階に対応して登録される。ここで、感度設定情報D1において、前記感度レベルは、前記設定時間が長い程、低く設定される。例えば、前記設定時間「1分~30分」に対して前記感度レベル「10」が登録され、前記設定時間「31分~60分」に対して前記感度レベル「9」が登録され、前記設定時間「61分~90分」に対して前記感度レベル「8」が登録され、前記設定時間「91分~120分」に対して前記感度レベル「7」が登録される。
【0026】
前記設定時間及び前記感度レベルの対応関係は、
図3に示す例に限定されない。例えば、前記設定時間及び前記感度レベルが1分ごとに設定されてもよいし、前記設定時間及び前記感度レベルが1時間ごとに設定されてもよい。また、前記設定時間の各段階の時間幅(
図3では「30分」)が、各段階で互いに異なってもよい。
【0027】
制御部5は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性又は不揮発性の記憶部である。
【0028】
ところで、従来の画像形成装置では、例えば前記設定時間を長時間に設定すると、前記画像形成装置を使用する意思のない人(通行人)を検知した場合に以下の問題が生じる場合がある。すなわち、前記通行人を検知した場合には、前記省電力モードを維持したくても前記通常モードに切り替わってしまい、また前記通常モードに切り替わってから再び前記省電力モードに戻るまでに長時間かかってしまうという問題が生じる。これに対して、本実施形態に係る画像形成装置100では、消費電力の低減及びユーザーの利便性の向上を図ることが可能である。
【0029】
具体的に、
図2に示されるように、制御部5は、受付処理部51、検知処理部52、計時処理部53、切替処理部54、設定処理部55を含む。制御部5は、前記ROMに記憶されているプログラムに従った処理を前記CPUで実行することにより、受付処理部51、検知処理部52、計時処理部53、切替処理部54、設定処理部55として機能する。なお、受付処理部51、検知処理部52、計時処理部53、切替処理部54、設定処理部55のいずれか一又は複数がASICなどの電子回路であってもよい。
【0030】
受付処理部51は、ユーザーから各種操作を受け付ける。受付処理部51は、本発明の受付処理部の一例である。具体的には、受付処理部51は、操作表示部6に対するユーザーの操作を受け付ける。例えば、ユーザーが操作キー又はタッチパネルなどを押下(タッチ)した場合に、当該操作を受け付ける。また例えば、ユーザーが操作表示部6において原稿の読取指示を行った場合に、受付処理部51は当該読取指示を受け付ける。また、ユーザーが操作表示部6において画像データの印刷指示を行った場合に、受付処理部51は当該印刷指示を受け付ける。また、受付処理部51は、操作表示部6の設定画面におけるユーザーの各種設定操作を受け付ける。例えば、受付処理部51は、感度レベル設定画面P1(
図5参照)において、前記設定時間などの設定操作を受け付ける。
【0031】
検知処理部52は、画像形成装置100の前に存在する人を検知する検知処理を実行する。例えば、検知処理部52は、人感センサー9を用いて前記人を検知する。具体的には、人感センサー9は、人感センサー9に設定される前記感度レベル(
図3参照)に対応する検知範囲DAに人が進入した場合に検知信号を出力する。検知処理部52は、人感センサー9から前記検知信号を取得することにより人を検知する。
【0032】
ここで、検知処理部52は、前記動作モードが前記省電力モードに設定されている場合に前記検知処理を実行する。例えば
図4A及び
図4Bに示すように、画像形成装置100の前記動作モードが前記省電力モードである場合に、検知処理部52は、前記検知処理を実行し、ユーザーAが画像形成装置100に近付いて人感センサー9の検知範囲DAに進入するとユーザーAを検知する。
【0033】
なお、本発明の検知部は、カメラでもよい。例えば前記カメラは、画像形成装置100において、自装置の前方側を撮像可能に設けられる。この場合、検知処理部52は、前記カメラを用いて、自装置の前に存在する人を検知してもよい。
【0034】
計時処理部53は、タイマー10に時間の計測を指示する。具体的には、計時処理部53は、タイマー10に、ユーザーの操作が行われない無操作時間の計測を指示する。例えば、計時処理部53は、画像形成装置100においてユーザーの操作が行われなくなった場合にタイマー10に時間の計測を開始させる。また、計時処理部53は、タイマー10が時間の計測を開始してからユーザーの操作が行われた場合に、タイマー10に計測時間をリセットさせる。このように、計時処理部53は、受付処理部51がユーザーから操作を受け付けるごとに、タイマー10に時間の計測を指示する。タイマー10は、計時処理部53から前記指示を取得するごとに計測時間をリセットして時間の計測を繰り返す。
【0035】
切替処理部54は、電源部11の動作モードを前記通常モード又は前記省電力モードに切り替える。具体的には、切替処理部54は、前記無操作時間が前記設定時間に達した場合に前記動作モードを前記通常モードから前記省電力モードに切り替える。前記動作モードが前記省電力モードに切り替えられた場合、制御部5は、例えば操作表示部6を消灯する(
図4A参照)。
【0036】
前記設定時間は、ユーザー(例えば管理者)の操作に応じて設定される。例えば、画像形成装置100の管理者は、
図5に示す感度レベル設定画面P1において、タイマー設定時間を「35分」に設定し、人感センサーON/OFF設定を「ON」に設定し、感度レベルを「オート」(自動設定)に設定する。この場合、前記動作モードが通常モードである場合に前記無操作時間が「35分」に達すると、切替処理部54は、前記動作モードを前記通常モードから前記省電力モードに切り替える。なお、感度レベル設定画面P1は、操作表示部6に表示されてもよいし、画像形成装置100にネットワークを介して接続された機器(例えばパーソナルコンピュータ)に表示されてもよい。
【0037】
また、切替処理部54は、前記動作モードが前記省電力モードである場合に、人感センサー9が人を検知すると前記動作モードを前記省電力モードから前記通常モードに切り替える。前記動作モードが前記通常モードに切り替えられた場合、制御部5は、例えば操作表示部6を点灯する(
図4B参照)。
【0038】
設定処理部55は、前記設定時間に応じて、前記省電力モードにおける人感センサー9の感度レベルを設定する。具体的には、設定処理部55は、感度設定情報D1(
図3参照)に基づいて、前記設定時間に対応する感度レベルを特定し、人感センサー9を当該感度レベルに調整(設定)する。ここで、感度設定情報D1において、前記感度レベルは前記設定時間が長い程、低い値に設定されるため、設定処理部55は、ユーザーにより設定される前記設定時間(
図5参照)が長い程、感度レベルが低くなるように設定する。例えば、感度レベル設定画面P1において、管理者が前記設定時間を「35分」(本発明の第1設定時間の一例)に設定した場合、設定処理部55は感度レベルを「9」(本発明の第1検知感度の一例)に設定し、管理者が前記設定時間を「80分」(本発明の第2設定時間の一例)に設定した場合、設定処理部55は感度レベルを「8」(本発明の第2検知感度の一例)に設定する。
【0039】
なお、設定処理部55は、ユーザーから感度レベルの変更操作を受け付け可能であってもよい。例えば、
図6に示すように、感度レベル設定画面P1において、管理者が人感センサーの感度レベルを「強」に設定(マニュアル設定)した場合、設定処理部55は、前記設定時間に依存せず、前記感度レベルを「強」に対応する所定の検知感度に設定する。この場合、設定処理部55は、マニュアル設定された前記感度レベルに対応して前記設定時間を変更する処理は行わない。また、設定処理部55は、前記マニュアル設定された場合に、感度レベル設定画面P1に、前記感度レベルがマニュアル設定の設定モードに変更されたことを示すメッセージを表示させてもよい(
図6参照)。
【0040】
[動作モード切替処理]
以下、
図7のフローチャートを参照しつつ、画像形成装置100において制御部5が実行する動作モード切替処理の手順の一例について説明する。なお、制御部5によって実行される各処理工程をステップS11、S12、・・・と称する。なお、ここで説明する前記動作モード切替処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記動作モード切替処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは画像形成装置100の制御部5によって前記動作モード切替処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、他の複数のプロセッサーによって前記動作モード切替処理における各ステップが分散して実行されてもよい。なお、本発明は、前記動作モード切替処理に含まれる一又は複数のステップを実行する動作モード切替方法(本発明の画像形成方法の一例)の発明として捉えることができる。
【0041】
ここで、例えば管理者は、予め感度レベル設定画面P1(
図5参照)において、前記設定時間を設定する操作を行う。制御部5は、感度設定情報D1(
図3参照)に基づいて、管理者により設定される前記設定時間に対応する感度レベルを特定する。また、設定済みの前記設定時間が管理者により変更された場合には、制御部5は、変更後の前記設定時間に対応する感度レベルを特定する。
【0042】
図7に示すフローチャートでは、前記動作モードが前記通常モードに設定されているものとする。
【0043】
ステップS11において、制御部5は、ユーザーから何らかの操作を受け付けたか否かを判定する。ユーザーから前記操作を受け付けていないと判定された場合(S11:No)、処理はステップS12に移行する。ユーザーから前記操作を受け付けている間は、ステップS11の処理を繰り返す(S11:Yes)。ステップS11は、本発明の受付ステップの一例である。
【0044】
ステップS12において、制御部5は、タイマー10に時間の計測を開始させる。すなわち、制御部5は、画像形成装置100がユーザーにより操作されない無操作時間の計測をタイマー10に開始させる。ステップS12は、本発明の計時ステップの一例である。
【0045】
ステップS13において、制御部5は、タイマー10の計測時間が前記設定時間に達したか否かを判定する。前記計測時間が前記設定時間に達したと判定された場合(S13:Yes)、処理はステップS16に移行する。前記計測時間が前記設定時間に達していないと判定された場合(S13:No)、処理はステップS14に移行する。
【0046】
ステップS14において、制御部5は、ユーザーから何らかの操作を受け付けたか否かを判定する。ユーザーから前記操作を受け付けていないと判定された場合(S14:No)、処理はステップS13に移行する。ユーザーから前記操作を受け付けたと判定された場合(S14:Yes)、処理はステップS15に移行する。
【0047】
ステップS15において、制御部5は、前記計測時間をリセットする。その後、処理はステップS11に戻る。
【0048】
すなわち、制御部5は、タイマー10による無操作時間の計測が開始されてから前記設定時間に達する前にユーザー操作を受け付けた場合には、前記計測時間をリセットして、前記無操作時間の計測処理をやり直す。また、制御部5は、タイマー10による無操作時間の計測が開始されてから前記設定時間に達するまでの間にユーザー操作を受け付けなかった場合には、処理をステップS16に移行する。
【0049】
ステップS16において、制御部5は、前記動作モードを前記通常モードから前記省電力モードに切り替える。これにより、画像形成装置100は、前記省電力モードに移行する。ステップS16は、本発明の切替ステップの一例である。
【0050】
ステップS17において、制御部5は、感度設定情報D1(
図3参照)に基づいて特定した前記設定時間に対応する前記感度レベルを、人感センサー9に設定する。例えば前記設定時間が「35分」に設定された場合、制御部5は、前記感度レベルを「9」に設定し、前記設定時間が「80分」に設定された場合、制御部5は、前記感度レベルを「8」に設定する。ステップS17は、本発明の設定ステップの一例である。
【0051】
ステップS18において、制御部5は、人感センサー9を用いて、人感センサー9に設定された前記感度レベルに対応する検知範囲DAに人を検知したか否かを判定する。人を検知したと判定された場合(S18:Yes)、処理はステップS19に移行する。人を検知したと判定されるまでの間、ステップS18の処理を繰り返す(S18:No)。ステップS18は、本発明の検知ステップの一例である。
【0052】
ステップS19において、制御部5は、前記動作モードを前記省電力モードから前記通常モードに切り替える。これにより、画像形成装置100は、前記通常モードに移行する。その後、処理はステップS11に戻り、上述の処理を繰り返す。以上のようにして、前記動作モード切替処理が実行される。
【0053】
ここで、管理者は、前記通常モードの状態において前記設定時間を変更する操作を行ってもよいし、前記省電力モードの状態において前記設定時間を変更する操作を行ってもよい。管理者が前記通常モードの状態において前記設定時間を変更した場合、制御部5は、感度設定情報D1(
図3参照)に基づいて、変更後の前記設定時間に対応する感度レベルを特定する。そして、制御部5は、ステップS17において、前記特定した感度レベルを人感センサー9に設定する。
【0054】
一方、管理者が前記省電力モードの状態において前記設定時間を変更した場合、制御部5は、前記動作モードを前記通常モードに切り替えずに(前記省電力モードを維持して)、感度設定情報D1(
図3参照)に基づいて、変更後の前記設定時間に対応する感度レベルを特定する。そして、制御部5は、ステップS17において、前記特定した感度レベルを人感センサー9に設定する。例えば、管理者は、画像形成装置100にネットワークを介して接続された機器(例えばパーソナルコンピュータ)において前記設定時間を変更することが考えられる。この場合、画像形成装置100は、前記省電力モードを維持しつつ、CPUのみ復帰させて前記感度レベルを設定する。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置100は、ユーザーにより設定される前記設定時間が長い程、前記省電力モードにおける人感センサー9の検知感度を低く設定する。これにより、例えば前記通常モードが前記省電力モードに切り替わるまでに必要な無操作時間が長い場合、すなわち前記設定時間が長い場合には、人感センサー9の検知範囲が狭くなる(検知感度が弱くなる)。このため、画像形成装置100を使用する意思のない人(通行人)などを検知し難くすることができる。よって、前記通行人を検知することにより前記省電力モードが前記通常モードに切り替わり、再び前記省電力モードに戻るまでに長時間かかってしまうという問題を抑制することができる。
【0056】
一方、例えば前記通常モードが前記省電力モードに切り替わるまでに必要な無操作時間が短い場合、すなわち前記設定時間が短い場合には、人感センサー9の検知範囲が広くなる(検知感度が高くなる)。このため、画像形成装置100を使用する意思のない人(通行人)を検知したとしても、短時間で再び前記省電力モードに戻すことができる。
【0057】
よって、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、消費電力の低減及びユーザーの利便性の向上を図ることが可能である。
【0058】
[他の実施形態]
本発明は上述の実施形態に限定されず、以下に示す実施形態であってもよい。
【0059】
他の実施形態に係る画像形成装置100では、前記省電力モードが複数の省電力モードを含んでもよい。例えば、前記省電力モードが、低電力モードと、当該低電力モードによりも消費電力の小さいスリープモードとを含む。低電力モードは本発明の第1省電力モードの一例であり、スリープモードは本発明の第2省電力モードの一例である。前記省電力モードの数は限定されず、3つ以上であってもよい。
【0060】
他の実施形態に係る画像形成装置100では、感度設定情報D1において、省電力モードごとに、使用タイマー、設定時間、人感センサー9の感度レベルなどの情報が互いに関連付けられて登録される。例えば
図8に示すように、前記動作モード種別には、「低電力モード」及び「スリープモード」が登録される。また前記使用タイマーには、「低電力タイマー」及び「スリープタイマー」が登録される。低電力タイマーは、通常モードから低電力モードに切り替わる際に使用されるタイマーであり、スリープタイマーは、通常モードからスリープモードに切り替わる際に使用されるタイマーであり、それぞれタイマー10の一例である。前記低電力タイマー及び前記スリープタイマーは、それぞれ別個独立して画像形成装置100に内蔵されてもよい。低電力タイマーは本発明の第1計時部の一例であり、スリープタイマーは本発明の第2計時部の一例である。
【0061】
前記設定時間は、前記低電力タイマー及び前記スリープタイマーのそれぞれに対応して、所定間隔で分けられた複数の時間帯が登録される。例えば
図8に示すように、前記設定時間には、30分間隔で分けられた、「1分~30分」、「31分~60分」、「61分~90分」、「91分~120分」の4つの時間帯が登録される。
【0062】
ここで、ユーザー(例えば管理者)は、感度レベル設定画面P1において、前記低電力タイマー及び前記スリープタイマーのそれぞれに対応する前記設定時間を予め設定することが可能である。前記設定時間は、通常モードを低電力モードに切り替えるための判定、通常モードをスリープモードに切り替えるための判定に利用される。例えば、切替処理部54は、ユーザーの操作が行われない無操作時間が低電力モードの前記設定時間(第1設定時間)に達した場合に動作モードを通常モードから低電力モードに切り替える。また例えば、切替処理部54は、前記無操作時間がスリープモードの前記設定時間(第2設定時間)に達した場合に動作モードを通常モードからスリープモードに切り替える。前記第1設定時間及び前記第2設定時間は、それぞれ任意の時間に設定可能であるが、前記第2設定時間は前記第1設定時間よりも長い時間に設定される。
【0063】
感度設定情報D1において、前記低電力モードの感度レベル(第1感度レベル)は、前記第1設定時間が長い程、低い値に設定され、前記スリープモードの感度レベル(第2感度レベル)は、前記第2設定時間が長い程、低い値に設定される。また、前記第2感度レベルは、前記第1感度レベルよりも低い値に設定される。
【0064】
例えば、前記低電力モードでは、前記第1設定時間「1分~30分」に対して前記第1感度レベル「10」が登録され、前記第1設定時間「31分~60分」に対して前記第1感度レベル「9」が登録され、前記第1設定時間「61分~90分」に対して前記第1感度レベル「8」が登録され、前記第1設定時間「91分~120分」に対して前記第1感度レベル「7」が登録される。
【0065】
これに対して、前記スリープモードでは、前記第2設定時間「1分~30分」に対して前記第2感度レベル「7」が登録され、前記第2設定時間「31分~60分」に対して前記第2感度レベル「6」が登録され、前記第2設定時間「61分~90分」に対して前記第2感度レベル「4」が登録され、前記第2設定時間「91分~120分」に対して前記第2感度レベル「3」が登録される。
【0066】
ここで、例えば管理者は、各省電力モードに対する設定時間を個別に設定する。例えば管理者は、感度レベル設定画面P1において、前記低電力モードに対する前記第1設定時間を「40分」に設定し、前記スリープモードに対する前記第2設定時間を「70分」に設定する。
【0067】
設定処理部55は、前記設定時間に応じて、前記省電力モードにおける人感センサー9の感度レベルを設定する。具体的には、設定処理部55は、前記第1設定時間が長い程、前記低電力モードにおける前記検知感度を低く設定し、前記第2設定時間が長い程、前記スリープモードにおける前記検知感度を低く設定する。例えば、設定処理部55は、感度設定情報D1(
図8参照)に基づいて、前記低電力モードに対応する人感センサー9の第1感度レベルを「9」に設定し、前記スリープモードに対応する人感センサー9の第2感度レベルを「4」に設定する。このように、設定処理部55は、前記スリープモードにおける前記検知感度を、前記低電力モードにおける前記検知感度よりも低く設定する。
【0068】
[動作モード切替処理]
図9は、前記他の実施形態に係る画像形成装置100において制御部5が実行する動作モード切替処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0069】
図9に示すステップS11~S19は、
図7に示すステップS11~S19と同一である。但し、ステップS12において、制御部5は、前記低電力タイマー及び前記スリープタイマーのそれぞれに時間の計測を開始させる。前記低電力タイマーの計測時間が前記第1設定時間に達した場合(S13:Yes)、ステップS16において、制御部5は、前記動作モードを前記通常モードから前記低電力モードに切り替える。ステップS17では、制御部5は、感度設定情報D1(
図8参照)に基づいて特定した前記第1設定時間に対応する前記第1感度レベルを、人感センサー9に設定する。例えば前記第1設定時間が「40分」に設定された場合、制御部5は、前記第1感度レベルを「9」に設定する。
【0070】
ステップS18において、制御部5は、人感センサー9を用いて、人感センサー9に設定される前記第1感度レベルに対応する検知範囲DAに人を検知したか否かを判定する。人を検知したと判定された場合(S18:Yes)、処理はステップS19に移行する。人を検知しない場合(S18:No)、かつ前記スリープタイマーの計測時間が前記第2設定時間に達した場合(S21:Yes)、ステップS22において、制御部5は、前記動作モードを前記低電力モードから前記スリープモードに切り替える。ステップS23では、制御部5は、感度設定情報D1(
図8参照)に基づいて特定した前記第2設定時間に対応する前記第2感度レベルを、人感センサー9に設定する。例えば前記第2設定時間が「70分」に設定された場合、制御部5は、前記第2感度レベルを「4」に設定する。
【0071】
なお、前記スリープタイマーの計測時間が前記第2設定時間に達する前に人を検知したと判定された場合(S18:Yes)、処理はステップS19に移行する。
【0072】
ステップS24では、制御部5は、人感センサー9を用いて、人感センサー9に設定される前記第2感度レベルに対応する検知範囲DAに人を検知したか否かを判定する。人を検知したと判定された場合(S24:Yes)、処理はステップS19に移行する。人を検知したと判定されるまでの間、ステップS24の処理を繰り返す(S24:No)。
【0073】
ステップS19において、制御部5は、前記動作モードを前記スリープモードから前記通常モードに切り替える。その後、処理はステップS11に戻り、上述の処理を繰り返す。以上のようにして、前記動作モード切替処理が実行される。
【0074】
上述の他の実施形態に係る画像形成装置100によれば、前記無操作時間が長くなると、省電力モードが低電力モードからより消費電力の小さいスリープモードに切り替わり、かつ人感センサー9の検知感度が低くなる。これにより、前記無操作時間が長くなる程、画像形成装置100を使用する意思のない人(通行人)などを検知し難くすることができる。
【符号の説明】
【0075】
5 :制御部
6 :操作表示部
8 :記憶部
9 :人感センサー
10 :タイマー
11 :電源部
51 :受付処理部
52 :検知処理部
53 :計時処理部
54 :切替処理部
55 :設定処理部
100 :画像形成装置