(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 7/00 20060101AFI20240116BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20240116BHJP
A47B 13/02 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A47B7/00 A
A47B13/00 Z
A47B13/02
(21)【出願番号】P 2019234736
(22)【出願日】2019-12-25
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】江島 尚
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-072374(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00628735(EP,A1)
【文献】実開昭50-146803(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 7/00
A47B 13/00-13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステー取付部を有する脚支柱と、複数のビーム連結箇所を有し前記脚支柱のステー取付部に取付けられたステーと、このステーのいずれかのビーム連結箇所
の両側に対称に取り付けられた
対をなすビーム連結具とを備えた中間脚ユニットを具備し、その中間脚ユニットによって天板の一部を支持しているテーブルであって、
前記脚支柱が、少なくとも2種類の脚支柱から選ばれた特定のものであ
ると共に、前記ステーが、少なくとも2種類のステーから選ばれた特定のものであり、前記脚支柱は、それぞれ前記ステーを取り付けることができるステー取付部を備えたものであるテーブル。
【請求項2】
端部脚と前記中間脚ユニットとがビームにより連結されており、前記端部脚、前記ビーム、及び前記中間脚ユニットにより前記天板を支持している請求項1記載のテーブル。
【請求項3】
前記脚支柱が、上端に凹状のステー取付部を備えたものであり、前記ステーが、前記ステー取付部に上から嵌合される角柱パイプ状のものである請求項1又は2記載のテーブル。
【請求項4】
前記脚支柱が、配線容量、デザイン、又は高さ寸法の異なる複数種類の脚支柱から選ばれた特定のものである請求項1、2又は3記載のテーブル。
【請求項5】
前記ビームが、少なくとも2種類のビームから選ばれた特定のものである請求項2記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等で好適に使用されるテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、働き方改革の一環として、例えば、時間と場所を自由に選択できる働き方を提唱するいわゆるABW等が広まりつつある。このような働き方や空間ニーズの多様化の中では、テーブル等のオフィス家具についても多品種小ロット化が避けられないものとなっている。
【0003】
ところで、従来のテーブルは、端部脚に支持された端部ステーと、中間脚柱に支持された中間ステーとをビームにより連結し、これらのステーやビームにより天板を支持しているものが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0004】
ところが、従来のテーブルは、それぞれが種々の用途に合わせて各別に作られた専用設計品であり、脚支柱、ステー、あるいはビームの架設位置などはそれぞれ独自にデザインされ製造されている。そのため、多品種小ロット生産が強いられた場合、部品の種類が多いことに起因して、生産性を向上させるのが難しいという課題がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】“SAIBI”,コクヨ総合カタログ2019年版ファニチャー編,コクヨ株式会社,平成30年12月,pp.360-361
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、多品種小ロット化生産が強いられた場合に生産性を向上させるのが難しいという課題を解消するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係るテーブルは、ステー取付部を有する脚支柱と、複数のビーム連結箇所を有し前記脚支柱のステー取付部に取付けられたステーと、このステーのいずれかのビーム連結箇所の両側に対称に取り付けられた対をなすビーム連結具とを備えた中間脚ユニットを具備し、その中間脚ユニットによって天板の一部を支持しているテーブルであって、前記脚支柱が、少なくとも2種類の脚支柱から選ばれた特定のものであると共に、前記ステーが、少なくとも2種類のステーから選ばれた特定のものであり、前記脚支柱は、それぞれ前記ステーを取り付けることができるステー取付部を備えたものである。
【0008】
請求項2記載の発明に係るテーブルは、請求項1記載のものであって、端部脚と前記中間脚ユニットとがビームにより連結されており、前記端部脚、前記ビーム、及び前記中間脚ユニットにより前記天板を支持している。
【0009】
請求項3記載の発明に係るテーブルは、請求項1又は2記載のものであって、前記脚支柱が、上端に凹状のステー取付部を備えたものであり、前記ステーが、前記ステー取付部に上から嵌合される角柱パイプ状のものである。
【0010】
請求項4記載の発明に係るテーブルは、請求項1、2又は3記載のものであって、前記脚支柱が、配線容量、デザイン、又は高さ寸法の異なる複数種類の脚支柱から選ばれた特定のものである。
【0012】
請求項5記載の発明に係るテーブルは、請求項2記載のものであって、前記ビームが、少なくとも2種類のビームから選ばれた特定のものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、部品の種類を最小限に留めることができるので、多品種小ロット化生産が強いられた場合でも生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るテーブルを示す上方からの斜視図。
【
図2】同実施形態に係るテーブルを示す下方からの斜視図。
【
図6】同実施形態に係るテーブルの天板を外した状態を示す斜視図。
【
図10】同実施形態に係る中間脚ユニットを示す上方からの斜視図。
【
図11】同実施形態に係る中間脚ユニットを示す分解斜視図。
【
図12】同実施形態に係るステーへのビームの接続態様を示す下方からの斜視図。
【
図13】同実施形態に係るステーへのビームの接続態様を示す上方からの斜視図。
【
図14】同実施形態に係るステーへのビームの接続部位を示す拡大斜視図。
【
図15】同実施形態に係る一方のビーム連結具を示す図。
【
図17】同実施形態に係るテーブルを構成可能なステーの例を示す図。
【
図18】同実施形態に係るテーブルを構成可能な脚支柱の例を示す図。
【
図19】本発明の他の実施形態に係る中間脚ユニットを示す上方からの斜視図。
【
図20】本発明の他の実施形態に係る端部脚の例を示す図。
【
図21】本発明の他の実施形態に係る端部脚の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について
図1~
図18を参照しつつ述べる。
【0016】
本実施形態は、会議用テーブルに本発明を適用した場合のものである。このテーブルTは、
図1~
図5に示すように、天板1を中間脚ユニット2とこの中間脚ユニット2にビーム3を介して連結される端部脚4とによって支持させたものである。
【0017】
天板1は、一端を中間脚ユニット2に支持させるとともに他端を端部脚4に支持させた平面視長方形状のもので、下面に取付用の図示しないナットが埋設されている。この実施形態では、配線挿通用の隙間SSを介して対面配置された対をなす天板1が中間脚ユニット2の両側にそれぞれ配されている。
【0018】
すなわちこのテーブルTは、
図2、
図4及び
図5に示すように、ステー取付部50を有する脚支柱5と、複数のビーム連結箇所6xを有し脚支柱5のステー取付部50に取付けられたステー6と、このステー6のいずれかのビーム連結箇所6xに選択的に取り付けられたビーム連結具7A、7Bとを備えた中間脚ユニット2を具備し、その中間脚ユニット2によって天板1の一部を支持しているものである。脚支柱5は、少なくとも2種類、本実施形態では
図18に示すような6種類の脚支柱5A~5Fから選ばれた特定のものであり、これらの脚支柱5A~5Fは、それぞれステー6を取り付けることができるステー取付部50を備えたものであり、配線容量、デザイン、又は高さ寸法がそれぞれ異なる。具体的には、この実施形態の場合、
図18(b)に示された脚支柱5B(以下脚支柱5と称する)を選択して使用している。
【0019】
詳述すれば、中間脚ユニット2は、
図6、
図10及び
図11に示すように、上端に凹状、より具体的には樋状のステー取付部50を備えた脚支柱5と、ステー取付部50に上から嵌合される角柱パイプ状のステー6と、このステー6のいずれかのビーム連結箇所6xに選択的に取り付けられた対をなすビーム連結具7A、7Bとを備えたものである。
【0020】
脚支柱5は、
図6、
図10、
図11及び
図18に示すように、下端にアジャスタ53を有するとともに内部に一側方に開口した配線収納空間を有する支柱本体51と、この支柱本体51の開口を閉塞するカバー52と、支柱本体51の上方に設けられたステー取付部50とを備えている。支柱本体51は、内部に配線収納空間SCを有した中空体状のもので、床から天板1上に導かれる配線類を案内する役割をも備えている。すなわち、配線収納空間SC内の配線類はカバー52の上縁近傍に形成された上導出入口52aから天板1上に導かれるようになっており、カバー52を支柱本体51から取り外すことにより配線収納空間SCを一時的に外部に開放することができるように構成されている。また、支柱本体51の下端部には配線収納空間SCと外部とを連通させる下導出入口51aが設けられている。ステー取付部50は、前述したように樋状をなすもので、上縁に天板1にねじ止めするためのフランジ501が設けられている。なお、このステー取付部50には、
図17に示すような5種類のステー6A~6Eのいずれかを装着し得るようになっている。換言すれば、これらのステー6A~6Eは、いずれもステー取付部50に装着し得るような寸法形状に設定されている。この実施形態の場合、
図17(e)に示されたステー6E(以下ステー6と称する)を選択してステー取付部50に装着している。すなわち、この実施形態のステー6は、少なくとも2種類、より具体的には5種類のステー6A~6Eから選ばれた特定のものである。
【0021】
このステー6は、
図8、
図9及び
図12に示すように、上向きチャンネル状の下チャンネル材61と、この下チャンネル材61の外側に外嵌させた下向きチャンネル状の上チャンネル材62とを備えたもので、側壁6aは二重壁構造をなしている。そしてこのステー6には、
図8、
図10及び
図11に示すように、長手方向中央を挟んで両側に複数、具体的には4つずつビーム連結箇所6xが設定されており、これらビーム連結箇所6xのいずれかに対をなすビーム連結具7A、7Bが選択的に固定されるようになっている。各ビーム連結箇所6xには、両ビーム連結具7A、7Bを掛け止めするための掛止部であるスリット状をなす上下の凹所6x1、6x2と、両ビーム連結具7A、7Bをこのステー6に固定するためのボルト8が貫通する貫通孔6x3とが設けられている。すなわち、各ビーム連結箇所6xにおける一方の側壁6aには、一対の上凹所6x1と一対の下凹所6x2とが貫通孔6x3を挟むようにして形成されており、これら上下の凹所6x1、6x2を利用して一方のビーム連結具7Aが取り付けられるようになっている。また、他方の側壁6aには、一対の上凹所6x1と一対の下凹所6x2とが貫通孔6x3を挟むようにして形成されており、これら上下の凹所6x1、6x2を利用して他方のビーム連結具7Bが取り付けられるようになっている。
【0022】
ここで、
図9及び
図12に示すように、一方のビーム連結具7Aは、ボルト8を挿通させるためのねじ挿通孔71を有したものであるとともに、他方のビーム連結具7Bが雌ねじ孔72を有したものであり、一方のビーム連結具7Aのねじ挿通孔71から挿入したボルト8をステー6を貫通させて他方のビーム連結具7Bの雌ねじ孔72に螺着することによって両ビーム連結具7A、7Bをステー6にそれぞれ固定している。
【0023】
一方のビーム連結具7Aについて詳述すれば、このビーム連結具7Aは、
図9及び
図12~
図15に示すように、一端に掛止突起761、762を有する中空体である連結具本体73と、この連結具本体73の他端側に一部を延出させて当該連結具本体73内に固設された位置決め部材74と、連結具本体73内に配されたナット75とを備えたものである。なお、
図15は、一方のビーム連結具7Aを示すもので、ナット75は省略して示している。具体的には、連結具本体73は、天壁731と、この天壁731の両側縁から垂下させた側壁732と、天壁731の一端から垂下させた端壁733とを備えた板金製一体品であり、側壁732の一端には下方に屈曲する爪状をなす上下の掛止突起761、762が一体に形成されている。また、端壁733には、前述したねじ挿通孔71が設けられている。なお、両側壁732には、後述するナット保持孔77が形成されており、これらのナット保持孔77を利用して当該連結具本体73内にナット75が保持されている。
【0024】
このナット75の保持構造を詳述すれば、中空体である連結具本体73の対向する壁部すなわち両側壁732にそれぞれナット保持孔77を設けておき、連結具本体73内に配されるナット75の両端部をこれらナット保持孔77にそれぞれ保持させているものである。
【0025】
ナット75は、対向する2平面75a、75bを備えた角柱状をなし、連結具本体73内に位置する部位に前記2平面75a、75bに直交するねじ孔75xを有したものである。
【0026】
ナット保持孔77は、
図13~
図16に示すように、ナット75の端部外周に嵌合して当該ナット75の回転を防止する角孔部77aと、この角孔部77aの一部分を凹陥させてナット75の端部外周との間に隙間S1、S2を形成する凹陥部77bとを備えたものである。なお、
図15は、前述したようにナット75を省略した一方のビーム連結具7Aを示すもので、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図、同図(d)は底面図、同図(e)は(a)における中央側断面図である。また、
図16(a)は、
図15(c)におけるナット保持孔77のみを拡大して示すものであり、
図16(b)は、そのナット保持孔77の角孔部77aにナット75を保持させた状態を拡大して示すものである。
【0027】
また、連結具本体73には、
図10及び
図12~
図14に示すように、ナット75の抜出防止と端部隠蔽を兼ねる蓋部材78を設けている。蓋部材78は、
図12及び
図13に示すように、ナット75の端面及びナット保持孔77を覆った状態で連結具本体73の外面に添接される蓋本体781と、この蓋本体781をナット保持孔77を利用して連結具本体73に止着する止着部である位置決め用の突起782及び抜止用の突起783とを備えている。蓋部材78は、ナット保持孔77の凹陥部77bによりナット75との間に形成される
図16(b)に示すような隙間S1、S2を利用して連結具本体73に取り付けられている。位置決め用の突起782及び抜止用の突起783は、いずれも蓋本体781の内面に突設されている。位置決め用の突起782は、隙間S1に挿入されて連結具本体73に対するナット75の遊動を抑制する機能を有する。抜止用の突起783は、隙間S2に挿入されて蓋本体734が連結具本体73から離間するのを防止する機能を有する。より具体的には、位置決め用の突起782は平板状のもので、隙間S1に密に挿入される。抜止用の突起783は基端を蓋本体781に支持された弾性変形可能なU字状のものであり、その先端部にナット保持孔77の内面側開口端面に係合する爪784を備えている。蓋部材78は、ナット75の両端にそれぞれ配されたものであり、例えば合成樹脂により一体に成形されている。
【0028】
他方のビーム連結具7Bは、一方のビーム連結具7Aに準じた構成をなしているが、端壁733の内面には、雌ねじ孔72を有する固定用ナット70が固着されている。なお、
図11及び
図12では、固定用ナット70を本来の固設位置とは異なった位置に描いて当該固定用ナット70の存在を明確にしている。また、一方のビーム連結具7Aにおけるものに対応する各部位には同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】
以上説明した各ビーム連結具7A、7Bには、ビーム3の内方端部がそれぞれ接続されている。すなわち、各ビーム3は、ビーム連結具7A、7Bの連結具本体73に外面が連続しうるように寸法設定された角柱パイプ状のものであり、ビーム連結具7A、7Bの位置決め部材74に外嵌させた状態で連結具本体73の端面に衝き合わせてある。そして、このビーム3をビーム連結具7A、7Bに斜め連結ボルト9を用いて連結している。ビーム3とビーム連結具7A、7Bとの接続は、ボルト8を利用したステー6と両ビーム連結具7A、7Bとの接続の後に行うようになっている。なお、3xはビーム3の下面に設けられ下方から斜め連結ボルト9を通過させるための窓である。
【0030】
詳述すれば、ビーム3の内方端部近傍には、ビーム連結具7A、7Bに設けられたナット75に対応させてねじ挿通孔31xを有するボルト受け具31が設けてあり、そのボルト受け具31のねじ挿通孔31xに挿通させた斜め連結ボルト9をナット75のねじ孔75xに螺着することによって、ビーム3をビーム連結具7A、7Bに連結するようにしている。具体的には、ナット75のねじ孔75xの軸心は、外方に向かって漸次降下するように傾斜させてあり、ボルト受け具31のねじ挿通孔31xの軸心はねじ孔75xの軸心に一致させてある。ボルト受け具31は、ナット75に準じた角柱状のもので、両端部をビーム3に設けた受け具保持孔32に保持させている。受け具保持孔32は、
図13に示すように、ボルト保持孔77に準じた形状をなすもので、ボルト受け具31の端部外周に嵌合して当該ボルト受け具31の回転を防止する角孔部32aと、この角孔部32aの一部分を凹陥させてボルト受け具31の端部外周との間に前述した隙間S1、S2に準じた隙間を形成する凹陥部32bとを備えたものである。この受け具保持孔32には、ボルト受け具31の抜出防止と端部隠蔽を兼ねる蓋部材33が装着されるようになっている。蓋部材33は、
図12及び
図13に示すように、ボルト受け具31の端面及び受け具保持孔32を覆った状態でビーム3の外面に添接される蓋本体331と、この蓋本体331を受け具保持孔32を利用してビーム3に止着する止着部である位置決め用の突起332及び抜止用の突起333とを備えている。蓋部材33は、受け具保持孔32の凹陥部32bによりボルト受け具31との間に形成される、前述した隙間S1、S2に準じた隙間を利用してビーム3に取り付けられている。位置決め用の突起332及び抜止用の突起333は、いずれも蓋本体781の内面に突設されている。位置決め用の突起332は、隙間S1に準じた隙間に挿入されてビーム3に対するボルト受け具31の遊動を抑制する機能を有する。抜止用の突起333は、隙間S2に準じた隙間に挿入されてボルト受け具31がビーム3から離間するのを防止する機能を有し、先端部に受け具保持孔32の内面側開口端面に係合する爪334を備えている。
【0031】
また、このビーム3には、天板1にねじ止めするためのねじ挿通孔3aが設けられており、ねじ挿通孔3aに対応する部位には圧壊防止用のスペーサ34が収容されている。そして、このビーム3の外方端部は、端部用ビーム連結具7Cを介して端部脚4に接続されている。
【0032】
端部脚4は、端部ステー41に両端に端部脚支柱42の上端を接続してなる門形のもので、
図2、
図5及び
図6に示すように、端部ステー41の中間部2カ所に端部用ビーム連結具7Cが設けられている。端部用ビーム接続具7Cは前述したビーム連結具7A、7Bに準じた構成のものであり、対応する部位には同一の符号を付して説明を省略する。端部用ビーム接続具7Cがビーム連結具7A、7Bと異なっている点としては、端部ステー41に溶接等により固設されている点と、側壁732の形状が異なっている点とを挙げることができる。この端部用ビーム連結具7Cを介したビーム3と端部脚4との連結態様は、前述したステー6とビーム3との連結態様に準じた斜め連結ボルト9を利用する
図7に示すようなものであるので詳細な説明は省略する。なお、43は、天板1の端部を端部脚4に支持させるべく端部脚4を天板1に取り付けるための天板受けブラケットである。
【0033】
このような構成のものであれば、脚支柱5を予め設計しておいた標準品の内から選択採用するとともに、ステー6に対するビーム連結具7A、7Bの取付け位置を適宜選ぶことによって、さまざまな仕様に対応し得る中間脚ユニット2を構成することができる。しかも、ステー6も複数種類準備しておけば、その中間脚ユニット2の種類をさらに多様化することができる。そのため、限られた数の標準部品を準備しておくだけで、ビーム3の架設位置や、脚支柱5の配線容量、デザインあるいは高さ寸法などの異なった各種テーブルに最適な中間脚ユニット2を迅速に構成することが可能になる。したがって、多品種少量生産を強いられる環境下においても、生産性を向上させることが可能となる。なお、脚支柱及びステーの準備は、複数種類を実際に製造する必要はなく、複数種類の脚支柱又はステーを設計して製造可能な状態とすればよい。
【0034】
また、本実施形態では、ビーム3の外面とビーム連結具7A、7Bの外面とが連続しうるようにビーム連結具7A、7Bの寸法を設定しているので、見栄えを良好なものにすることができる。特にこの実施形態では、ナット75やボルト受け具31の端部を蓋部材78、33により閉塞するようにしているので、その連結部分の外観をシンプルなものにすることができる。
【0035】
さらに、
図18に示すような配線容量、デザイン、又は高さ寸法の異なる複数種類の脚支柱5A~5Fを用意しておけば、種々の要求に応じた中間脚ユニットを簡単に形成することができる。加えて、
図17に示すような複数種類のビーム6A~6Eを用意しておけば、より柔軟に種々の要求に対応することができる。一例として、
図18(a)に示す脚支柱5Aと
図17(d)に示すステー6Dとを組み合わせることにより、前述した中間脚ユニット2と異なる構成の中間脚ユニット2Xを形成することができるが、
図18に示す脚支柱5A~5Fと
図17に示すステー6A~6Eを組み合わせるだけでも30通りの中間脚ユニットを形成することができる。
【0036】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0037】
例えば、脚支柱及びステーは、
図17及び
図18に挙げたもの以外を標準品として用意するようにしておき、それらの中から特定の脚支柱及びステーを選択し採用するようにしても、もちろんよい。
【0038】
また、端部脚の構成も、前記実施形態のものに限らず、例えば
図20や
図21に示すような端部脚4X、4Y等を採用してもよい。
図20に示す端部脚4Xは、端部脚支柱42の上端に、ステー41用の連結具43aとビーム3用の連結具43bとを一体化した接続ブロック43を設けておき、ステー41用の連結具43aにステー41を嵌合させてねじ止めするとともに、ビーム3用の連結具43bにビーム3を嵌合させてねじ止めしたものである。
図21に示す端部脚4Yは、端部脚支柱42の上端に端部用ビーム連結具7Cを介してビーム3を直接連結させたものである。この場合には、ビーム3同士をステー41Yにより剛結してある。
【0039】
加えて、会議用のテーブルに限らず、他の用途に用いられるテーブルに本発明を適用してもよく、中間脚ユニットを複数有するテーブルの各中間脚ユニットに本発明を適用してもよい。
【0040】
ステーに対するビーム連結具の取付構造や、ビーム連結具に対するビームの取付構造も前記実施形態に係るものに限らない。さらに、端部脚に対するビームの取付構造も前述したものに限らず、端部脚を有しないテーブル、すなわち中間脚ユニットとビームとのみにより天板を支持するテーブルに本発明を適用してもよい。
【0041】
そして、ステー取付部は前述した樋状のものに限らずその他の凹状のもの等他の形状のものであってもよく、ステーもステー取付部に上から嵌合される角柱パイプ状のものに限らない。すなわち、ステー取付部及びステーの形状は任意のものを採用してよく、ステー取付部へのステーの取付態様も任意のものを採用してよい。
【0042】
さらに、上述した実施形態では、脚支柱及びステーを、少なくとも2種類から選ばれた特定のものとしているが、長手寸法が異なるテーブルに対応させるべく、ビームも、長さ等が異なる少なくとも2種類のビームから選ばれた特定のものとしてもよい。逆に、1種類のステーのみを用意する態様であってもよい。
【0043】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0044】
T…テーブル
1…天板
2…中間脚ユニット
3…ビーム
4…端部脚
5、5A~5F…脚支柱
50…ステー取付部
6、6A~6E…ステー
6x…ビーム連結箇所
7A、7B…ビーム連結具