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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】照明制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/175 20200101AFI20240116BHJP
   H05B 47/185 20200101ALN20240116BHJP
【FI】
H05B47/175
H05B47/185
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020018784
(22)【出願日】2020-02-06
(65)【公開番号】P2021125393
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】野坂 哲郎
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-093249(JP,A)
【文献】特開2011-002874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/10-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも照明制御端末と、前記照明制御端末以外の端末と、を含む複数の種類の端末の複数のファームウェアを保持し、前記複数のファームウェアのうち更新ファームウェアのバージョンを示すバージョン情報と、前記更新ファームウェアを適用する端末の種類を示す端末情報と、を送信する照明コントローラと、
前記端末情報および前記バージョン情報を受信すると、前記端末の種類が自己の端末の種類と同じであり、かつ、自己のファームウェアのバージョンと前記更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、前記照明コントローラに不一致応答を送信する端末と、
を備え、
前記照明コントローラは、前記不一致応答を受信すると前記端末に前記更新ファームウェアを送信し、
前記不一致応答を送信した端末は、前記自己のファームウェアを前記更新ファームウェアに更新することを特徴とする照明制御システム
【請求項2】
前記端末を複数備え、
前記照明コントローラは、前記複数の端末の何れかから前記不一致応答を受信すると、前記更新ファームウェアを前記複数の端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記複数の端末の各々は、前記更新ファームウェアを受信すると、前記自己のファームウェアのバージョンと前記更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、前記自己のファームウェアを前記更新ファームウェアに更新することを特徴とする請求項に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記複数の端末の各々は、前記端末情報および前記更新ファームウェアを受信すると、前記端末の種類が自己の端末の種類と同じであり、かつ、前記自己のファームウェアのバージョンと前記更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、前記自己のファームウェアを前記更新ファームウェアに更新することを特徴とする請求項またはに記載の照明制御システム。
【請求項5】
端末と、
少なくとも照明制御端末と、前記照明制御端末以外の端末と、を含む複数の種類の端末の複数のファームウェアを保持し、前記端末に前記複数のファームウェアのうち更新ファームウェアと、前記更新ファームウェアのバージョンを示すバージョン情報と、前記更新ファームウェアを適用する端末の種類を示す端末情報と、を送信する照明コントローラと、
を備え、
前記端末は、前記端末情報および前記バージョン情報を受信すると、前記端末の種類が自己の端末の種類と同じであり、かつ、自己のファームウェアのバージョンと前記更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、前記自己のファームウェアを前記更新ファームウェアに更新することを特徴とする照明制御システム。
【請求項6】
自己のファームウェアとともに前記自己のファームウェアを示すバージョン情報を保存する端末と、
少なくとも照明制御端末と、前記照明制御端末以外の端末と、を含む複数の種類の端末の複数のファームウェアを保持し、前記複数のファームウェアのうち更新ファームウェアとともに前記更新ファームウェアのバージョンを示すバージョン情報が保存される保存部と、
を備え、
前記端末は、前記更新ファームウェアを適用する端末の種類が自己の端末の種類と同じであり、かつ、前記自己のファームウェアのバージョンと前記更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、前記自己のファームウェアを前記更新ファームウェアに更新することを特徴とする照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、制御機から伝送線を介して照明器具を照明制御する照明制御システムが開示されている。制御機は、照明器具のファームウェアの更新に関するファームウェア更新情報が入力される入力部と、ファームウェア更新情報に基づいてファームウェア更新データを生成するデータ生成部と、ファームウェア更新データを伝送線に送出する通信部を備える。また、照明器具は、伝送線に通信可能に接続された受信部と、受信されたデータからファームウェア更新データを抽出するデータ抽出部と、抽出されたファームウェア更新データに従ってファームウェアを更新するファームウェア更新部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-99692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明制御システムを構成する端末は、生産時期によりファームウェアのバージョンが異なることがある。このため、照明システムを構築した際に、様々なファームウェアのバージョンの端末が混在する可能性がある。ファームウェアは、バージョンによって、不具合対応または機能の追加が行われることがある。このため、意図しないバージョンの組み合わせによって、照明制御システムが正しく動作しないおそれがある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、適切にファームウェアを更新できる照明制御システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明制御システムは、少なくとも照明制御端末と、該照明制御端末以外の端末と、を含む複数の種類の端末の複数のファームウェアを保持し、該複数のファームウェアのうち更新ファームウェアのバージョンを示すバージョン情報と、該更新ファームウェアを適用する端末の種類を示す端末情報と、を送信する照明コントローラと、該端末情報および該バージョン情報を受信すると、該端末の種類が自己の端末の種類と同じであり、かつ、自己のファームウェアのバージョンと該更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、該照明コントローラに不一致応答を送信する端末と、を備え、該照明コントローラは、該不一致応答を受信すると該端末に該更新ファームウェアを送信し、該不一致応答を送信した端末は、該自己のファームウェアを該更新ファームウェアに更新する。
【0007】
本開示に係る照明制御システムは、端末と、少なくとも照明制御端末と、該照明制御端末以外の端末と、を含む複数の種類の端末の複数のファームウェアを保持し、該端末に該複数のファームウェアのうち更新ファームウェアと、該更新ファームウェアのバージョンを示すバージョン情報と、該更新ファームウェアを適用する端末の種類を示す端末情報と、を送信する照明コントローラと、を備え、該端末は、該端末情報および該バージョン情報を受信すると、該端末の種類が自己の端末の種類と同じであり、かつ、自己のファームウェアのバージョンと該更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、該自己のファームウェアを該更新ファームウェアに更新する。
本開示に係る照明制御システムは、自己のファームウェアとともに該自己のファームウェアを示すバージョン情報を保存する端末と、少なくとも照明制御端末と、該照明制御端末以外の端末と、を含む複数の種類の端末の複数のファームウェアを保持し、該複数のファームウェアのうち更新ファームウェアとともに該更新ファームウェアのバージョンを示すバージョン情報が保存される保存部と、を備え、該端末は、該更新ファームウェアを適用する端末の種類が自己の端末の種類と同じであり、かつ、該自己のファームウェアのバージョンと該更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、該自己のファームウェアを該更新ファームウェアに更新する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る照明制御システムでは、端末はバージョン情報に応じて、自己のファームウェアのバージョンと更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に不一致応答を送信する。照明コントローラは、不一致応答に応じて端末に更新ファームウェアを送信する。このため、適切にファームウェアを更新できる。
本開示に係る照明制御システムでは、端末は自己のファームウェアのバージョンと更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、ファームウェアを更新ファームウェアに更新する。このため、適切にファームウェアを更新できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る照明制御システムの構成を説明するブロック図である。
図2】実施の形態1に係る照明コントローラの構成を説明するブロック図である。
図3】実施の形態1に係る端末の構成を説明するブロック図である。
図4】実施の形態1に係るファームウェアの更新手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態に係る照明制御システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明制御システム1の構成を説明するブロック図である。照明制御システム1は、照明コントローラ2と、複数の端末10を備える。複数の端末10は、例えば複数のリレー制御端末3、複数の照明制御端末4、複数のセンサ5、複数の壁スイッチ6を含む。
【0012】
照明コントローラ2は、操作器7からの信号に応じて、端末10を制御する。操作器7は例えばパソコンである。リレー制御端末3は、他の端末10のオン、オフを切り替える。照明制御端末4には光源を点灯させる点灯装置が接続される。照明制御端末4は、照明コントローラ2からの信号に応じて、光源の点灯状態を制御する。
【0013】
センサ5は、例えば人感センサ、照度センサまたは温度センサである。センサ5は、検出情報を照明コントローラ2に送信する。照明コントローラ2は、センサ5の検出情報に基づき、照明制御端末4を制御しても良い。壁スイッチ6は、光源の点灯、消灯を切り替える。壁スイッチ6は、光源の調光率を変更しても良い。
【0014】
図1に示される照明制御システム1の構成は一例である。複数の端末10の一部は、用途に応じて設けられなくても良い。また、照明制御システム1は他の種類の端末10を含んでも良い。照明制御システム1は、端末10を1つ以上備えれば良い。
【0015】
照明コントローラ2は、操作器7と通信線11によって接続される。照明コントローラ2と各端末10は通信線12によって接続される。通信線11、12による通信方式は、規格化された通信方式でも独自の通信方式でも良い。規格化された通信方式は、例えばRS485またはETHERNET(登録商標)である。また、通信線11、12による通信は、通信と同時に電力搬送が可能であっても良い。
【0016】
照明コントローラ2は、通信線12を介して端末10と双方向通信を行う。双方向通信は、例えばデジタル信号により行う。双方向通信では、例えば端末10のオンオフ信号、光源の調光信号、端末10の設定情報を送受信する。
【0017】
操作器7は、通信線11を介して照明コントローラ2と双方向通信を行う。双方向通信は、例えばデジタル信号により行う。双方向通信では、例えば端末10のオンオフ信号、光源の調光信号、端末10の設定情報を送受信する。
【0018】
端末10は、照明コントローラ2からオンオフ信号、調光信号、設定情報等を受信する。端末10は、照明コントローラ2から受信した信号に応じて、端末10のオンオフ制御、調光制御または端末10の設定を行う。
【0019】
図2は、実施の形態1に係る照明コントローラ2の構成を説明するブロック図である。照明コントローラ2は、通信部21、制御部22、保存部23を備える。通信部21、制御部22、保存部23は相互に接続されている。
【0020】
通信部21は、操作器7と通信する部分と、端末10と通信する部分を有する。操作器7と通信する部分には、操作器7から制御信号が入力される。端末10と通信する部分は、端末10に制御信号を出力する。制御信号は、端末10のオンオフ信号、光源の調光信号または端末10の設定情報を含む。
【0021】
保存部23は照明制御システム1の制御に用いられる各種データを記憶する。保存部23は例えば不揮発性メモリである。保存部23は、照明コントローラ2のファームウェア232と、複数の端末10のファームウェア230を保存している。複数の端末10のファームウェア230は、リレー制御端末3のファームウェア233、照明制御端末4のファームウェア234、センサ5のファームウェア235、壁スイッチ6のファームウェア236を含む。各ファームウェアには、ファームウェアのバージョン情報が含まれる。
【0022】
照明コントローラ2は、起動時に保存部23に保存した照明コントローラ2のファームウェア232を読み込む。照明コントローラ2は、ファームウェア232に従って動作する。ファームウェア232は、照明コントローラ2の生産時に保存部23に保存される。照明コントローラ2は、ファームウェア232を保存した状態で出荷される。
【0023】
保存部23に保存されたファームウェア232は、操作器7から通信線11を介して更新することができる。また、保存部23に保存された端末10のファームウェア230についても、操作器7から通信線11を介して更新することができる。照明コントローラ2は、端末10のファームウェア230を、通信線12を介して各端末10に送信することができる。
【0024】
図3は、実施の形態1に係る端末10の構成を説明するブロック図である。端末10は、通信部101、制御部102、保存部103を備える。通信部101、制御部102、保存部103は相互に接続されている。
【0025】
保存部103は端末10の制御に用いられる各種データを記憶する。保存部103は例えば不揮発性メモリである。保存部103には、自身の端末10のファームウェア230aが保存されている。端末10は起動時に保存部103に保存されたファームウェア230aを読み込む。端末10は、ファームウェア230aに従って動作する。
【0026】
照明コントローラ2が端末10にファームウェア230を送信したとする。以降、照明コントローラ2から端末10に送信されるファームウェア230を更新ファームウェアと呼ぶ。更新ファームウェアは例えば最新のファームウェアである。端末10は、保存部103に保存したファームウェア230aのバージョンと更新ファームウェアのバージョンが異なる場合に、ファームウェア230aを更新ファームウェアに更新する。つまり、端末10は、保存部103に保存されたファームウェア230aを更新ファームウェアに書き換える。
【0027】
また、照明コントローラ2は、更新ファームウェアとともに更新ファームウェアを適用する端末10の種類を示す端末情報を送信する。端末10は、端末情報と更新ファームウェアを受信すると、端末10の種類が自己と同じであり、かつ、自己のファームウェア230aのバージョンと更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、自己のファームウェア230aを更新ファームウェアに更新する。
【0028】
つまり、端末10は、更新ファームウェアが自身と同じ種類の端末宛てで、かつ、ファームウェアのバージョンが不一致だった場合に、更新ファームウェアに更新を行う。それ以外の場合は、端末10は受信した更新ファームウェアを破棄する。
【0029】
また、端末10は、ファームウェア230aを2重に保存している。ファームウェア230aの更新中も、2重に保存されたファームウェア230aの一方は正常に保存されている。このため、ファームウェア230aの更新中に端末10の電源がオフされた場合にも、ファームウェア230aを維持できる。
【0030】
図4は、実施の形態1に係るファームウェアの更新手順を示すシーケンス図である。ここでは一例として、複数の照明制御端末4のファームウェアを更新する手順について説明する。複数の照明制御端末4は照明制御端末4a、4b、4cを含む。
【0031】
まず、照明コントローラ2は操作器7からファームウェアの更新指示を受信する。照明コントローラ2は更新指示に応じて、照明制御端末4a、4b、4cのファームウェアのバージョン確認を行う。バージョン確認では、照明コントローラ2は、照明制御端末4a、4b、4cに対して、照明コントローラ2が保存部23に保存している更新ファームウェアのバージョン情報を送信する。バージョン情報は、更新ファームウェアのバージョンを示す情報である。バージョン情報は、照明制御端末4a、4b、4cにブロードキャストで同時に送信される。
【0032】
ここでは一例として、更新ファームウェアのバージョンは2であるものとする。また、照明制御端末4a、4cが保存するファームウェアのバージョンは2であり、照明制御端末4cが保存するファームウェアのバージョンは1であるものとする。
【0033】
また、照明コントローラ2は、バージョン情報とともに更新ファームウェアを適用する端末10の種類を示す端末情報を送信する。
【0034】
照明制御端末4a、4b、4cの各々は、端末情報とバージョン情報を受信する。照明制御端末4a、4b、4cの各々は、更新ファームウェアを適用する端末10の種類が自己と同じであり、かつ、自己が保存するファームウェアのバージョンと更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、不一致応答を送信する。
【0035】
このとき、照明制御端末4a、4cは、自己が保存するファームウェアのバージョンと更新ファームウェアのバージョンとが一致するため、照明コントローラ2に対して不一致応答を送信しない。これに対し、照明制御端末4bは、更新ファームウェアが自身と同じ種類の端末宛てであり、かつ、ファームウェアのバージョンが不一致であるため、照明コントローラ2に対して不一致応答を送信する。
【0036】
なお、バージョン確認において、照明コントローラ2は図1に示される照明制御端末4以外の端末10にも、バージョン情報を送信しても良い。照明制御端末4以外の端末10は、更新ファームウェアを適用する端末10の種類が自己と異なるため、不一致応答を送信しない。
【0037】
照明コントローラ2は、複数の端末10の何れかから不一致応答を受信すると、更新ファームウェアを複数の端末10に送信する。ここでは、照明コントローラ2は、照明制御端末4bから不一致応答を受信する。このため、照明制御端末4用の更新ファームウェアを照明制御端末4a~4cに送信する。また、照明コントローラ2は更新ファームウェアとともに、更新ファームウェアを適用する端末の種類を示す端末情報を送信する。
【0038】
照明制御端末4a~4cの各々は、端末情報と更新ファームウェアを受信する。照明制御端末4a~4cの各々は、更新ファームウェアを適用する端末10の種類が自己と同じであり、かつ、自己のファームウェアのバージョンと更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、自己のファームウェアを更新ファームウェアに更新する。つまり、不一致応答を送信した端末が、自己のファームウェアを更新ファームウェアに更新する。
【0039】
このとき、照明制御端末4a、4cは、自己のファームウェアのバージョンと更新ファームウェアのバージョンとが一致するため、ファームウェアを更新しない。これに対し、照明制御端末4bは、更新ファームウェアを適用する端末10の種類が自己と同じであり、かつ、自己のファームウェアのバージョンと更新ファームウェアのバージョンとが異なるため、ファームウェアを更新する。これにより、照明制御端末4bのファームウェアのバージョンは2となる。
【0040】
なお、照明コントローラ2は、図1に示される照明制御端末4以外の端末10にも、ファームウェアを送信しても良い。このとき、照明制御端末4以外の端末10は、更新ファームウェアを適用する端末10の種類が自己と異なるため、更新ファームウェアを受信してもファームウェアを更新しない。
【0041】
照明コントローラ2は更新ファームウェアの送信後、予め定められた時間だけ待機する。予め定められた時間は、ファームウェアの更新のための時間である。その後、照明コントローラ2は、再度、バージョン確認を行う。つまり、照明コントローラ2は、更新ファームウェアのバージョン情報を複数の端末10にブロードキャストで送信する。
【0042】
照明制御端末4a、4b、4cは、自己のファームウェアのバージョンと更新ファームウェアのバージョンとが一致するため、照明コントローラ2に不一致応答を送信しない。また、照明制御端末4a、4b、4c以外の端末10も、更新ファームウェアを適用する端末10の種類が自己と異なるため、不一致応答を送信しない。
【0043】
照明コントローラ2は、不一致応答がないため、照明制御端末4のバージョン更新が完了したと判定する。このため、照明コントローラ2は更新ファームウェアを送信しない。また、照明制御端末4以外に端末10がある場合は、各種類の端末10についてファームウェアの更新を同様に実施する。全ての端末10の更新が完了した場合、照明コントローラ2は、操作器7に更新完了を通知する。
【0044】
一般に、照明コントローラおよび端末は、生産時期によりファームウェアのバージョンが異なる場合がある。このため、照明システムを構築すると、様々なバージョンのファームウェアが適用された照明コントローラおよび端末が混在する場合がある。このとき、バージョンの不適切な組み合わせによる不具合が発生するおそれがある。
【0045】
特に、ファームウェアの更新では、不具合への対応または機能追加のために、照明コントローラと端末との間で送受信されるデータが追加される場合がある。このとき、照明コントローラと端末の一方でファームウェアが更新されておらず、追加されたデータに対応していないと、通信できない等の不具合が発生することとなる。
【0046】
また、ファームウェアの更新において、複数の種類の端末が共通で使用するデータが追加される場合がある。この場合、複数の種類の端末のファームウェアのバージョンを組み合わせて考慮する必要がある。
【0047】
照明制御システムにおいて、パソコン等から作業者がファームウェアを入力して、ファームウェアを更新することが考えられる。この場合、端末の種類ごとに入力が必要となり、作業者の負担が大きくなるおそれがある。また、作業者が手作業で照明コントローラおよび端末の種類ごとにファームウェアを更新すると、バージョンを間違える可能性がある。また、更新を忘れる可能性がある。これにより、バージョンの不適切な組み合わせによる不具合が発生するおそれがある。
【0048】
これに対し、本実施の形態では、照明コントローラ2が各端末10のファームウェアを保存する。これにより、作業者が操作器7から更新指示を行うことで、照明コントローラ2が自動で端末10のファームウェアを更新する。特に、照明制御システム1が複数の種類の端末10を備える場合に、照明コントローラ2は端末10の種類毎に、全ての種類の端末10のファームウェアを自動で更新する。これにより、作業者の負担を軽減できる。また、作業ミス等により、端末10が意図しないバージョンのファームウェアで動作することを防止できる。
【0049】
また、本実施の形態では照明コントローラ2のバージョン確認および端末10の不一致応答により、全ての端末10に対して確実に適切なバージョンのファームウェアを適用できる。従って、適切にファームウェアを更新でき、ファームウェアのバージョンの不適切な組み合わせによる不具合を防止できる。
【0050】
また、各端末10は更新ファームウェアを受信すると、自己のファームウェアのバージョンと更新ファームウェアのバージョンとが異なるか否かを判定し、異なる場合に更新ファームウェアへ更新を行う。これにより、各端末10に対して確実に適切なバージョンのファームウェアを適用できる。
【0051】
本実施の形態では、照明コントローラ2は、バージョン情報とともに更新ファームウェアを適用する端末の種類を示す端末情報を送信する。この変形例として、照明コントローラ2は端末情報を送信しなくても良い。例えば、端末10の種類が1つである場合は、端末情報は送らなくても良い。また、図4に示されるバージョン確認において、照明コントローラ2は更新を行う種類の端末10にのみバージョン情報を送信しても良い。例えば、照明コントローラ2は端末10のうち複数の照明制御端末4にのみバージョン情報を送信しても良い。この場合も、端末情報を送信する必要はない。
【0052】
この場合、端末10は、バージョン確認に応じて、更新ファームウェアを適用する端末10の種類が自己と同じであるかは確認しなくても良い。つまり、端末10は、バージョン情報を受信すると、ファームウェアのバージョンと更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、照明コントローラ2に不一致応答を送信すれば良い。
【0053】
また、本実施の形態の照明コントローラ2は、更新ファームウェアとともに更新ファームウェアを適用する端末の種類を示す端末情報を送信する。この変形例として、照明コントローラ2は更新ファームウェアとともに端末情報を送信しなくても良い。例えば、端末10の種類が1つである場合は、照明コントローラ2は端末情報を送らなくても良い。また、図4に示される更新ファームウェアの送信の際に、照明コントローラ2は、更新ファームウェアを適用する種類の端末10にのみ、更新ファームウェアを送信しても良い。また、照明コントローラ2は不一致応答があった種類の端末10にのみ、更新ファームウェアを送信しても良い。例えば、照明コントローラ2は端末10のうち複数の照明制御端末4にのみ更新ファームウェアを送信しても良い。この場合も、照明コントローラ2は端末情報を送信する必要はない。
【0054】
この場合、更新ファームウェアを受信した端末10は、更新ファームウェアを適用する端末10の種類が自己と同じであるかを確認しなくても良い。つまり、複数の端末10の各々は、更新ファームウェアを受信すると、自己のファームウェアのバージョンと更新ファームウェアのバージョンとが異なる場合に、自己のファームウェアを更新ファームウェアに更新すれば良い。
【0055】
また、照明コントローラ2から端末10へのバージョン確認または更新ファームウェアの送信は、ブロードキャストではなく、ユニキャストで実施されても良い。つまり、照明コントローラ2は、特定の端末10宛てに、更新ファームウェアのバージョン情報をユニキャストで送信しても良い。この場合、端末10は、バージョン確認に応じて更新ファームウェアを適用する端末の種類が自己と同じであるかを確認しなくても良い。また、照明コントローラ2は、1つの端末10から不一致応答を受信すると、その端末10のアドレス宛てに更新ファームウェアをユニキャストで送信しても良い。この場合、更新ファームウェアを受信した端末10は、更新ファームウェアを適用する端末10の種類および更新ファームウェアのバージョンを判定せずに、ファームウェアを更新しても良い。
【0056】
また、バージョン確認および不一致応答の送信は省いても良い。この場合、照明コントローラ2は、バージョン確認をせずに更新ファームウェアを端末10に送信する。端末10は、自己のファームウェアのバージョンと更新ファームウェアのバージョンが異なる場合に、ファームウェアを更新ファームウェアに更新する。この場合も、更新が必要な端末10に対して確実に更新ファームウェアを適用できる。
【0057】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 照明制御システム、2 照明コントローラ、3 リレー制御端末、4、4a、4b、4c 照明制御端末、5 センサ、6 壁スイッチ、7 操作器、10 端末、11、12 通信線、21 通信部、22 制御部、23 保存部、101 通信部、102 制御部、103 保存部、230、230a、232、233、234、235、236 ファームウェア
図1
図2
図3
図4