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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20240116BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240116BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20240116BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240116BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06F3/01 515
A61B5/16 110
H04N1/00 350
G03G21/00 380
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020021861
(22)【出願日】2020-02-12
(65)【公開番号】P2021128466
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠田 周平
(72)【発明者】
【氏名】三觜 裕之
(72)【発明者】
【氏名】田口 裕介
(72)【発明者】
【氏名】槇野 洋平
(72)【発明者】
【氏名】石井 彰弘
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-186050(JP,A)
【文献】国際公開第2018/037446(WO,A1)
【文献】特開2017-181607(JP,A)
【文献】特開2017-170647(JP,A)
【文献】特開2012-061767(JP,A)
【文献】特開2016-225700(JP,A)
【文献】特開2011-178079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
A61B 5/06-5/22
H04N 1/00
G03G 21/00
B41J 29/00-29/70
G06F 3/09-3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
処理に関する操作が行われている間に利用者の生体情報を取得し、
前記生体情報が余裕のある心理状態を示す場合には、前記処理の設定を提案する情報を出力し、
前記処理は、画像処理装置の機能を実現する処理であり、
前記情報は、前記画像処理装置の機能を実現する前記処理に要する費用が削減され、又は当該処理の出力結果の品質が向上する設定を提案する情報である
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
処理に関する操作が行われている間に利用者の生体情報を取得し、
前記生体情報が余裕のある心理状態を示す場合には、前記処理の設定を提案する情報を出力し、
前記情報を示す画面を表示部に表示し、
前記画面には、前記設定により得られる効果を示す効果情報が含まれる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記処理には、複数の設定があり、
前記プロセッサは、前記複数の設定の中から、前記利用者の利用頻度が低い設定を提案する情報を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記複数の設定の中から、他の利用者の利用頻度が高い設定を提案する情報を出力する
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理には、複数の設定があり、
前記プロセッサは、前記複数の設定のうち、前記利用者の操作に応じて前記処理について既に行われた設定以外の設定を提案する情報を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理には、複数の設定があり、
前記プロセッサは、前記複数の設定のうち、前記処理について新たに追加された設定を提案する情報を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記情報を示す画面を表示部に表示し、
前記画面には、前記設定を行う操作に用いられる操作画像が含まれる
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記効果情報は、前記設定により削減される費用を示す
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記処理は、画像を生成する処理であり、
前記効果情報は、前記設定が行われなかったときに前記処理により生成された第1画像と、前記設定が行われたときに前記処理により生成された第2画像とを含む
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
処理に関する操作が行われている間に利用者の生体情報を取得するステップと、
前記生体情報が余裕のある心理状態を示す場合には、前記処理の設定を提案する情報を出力するステップとを実行させ
前記処理は、画像処理装置の機能を実現する処理であり、
前記情報は、前記画像処理装置の機能を実現する前記処理に要する費用が削減され、又は当該処理の出力結果の品質が向上する設定を提案する情報である
プログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
処理に関する操作が行われている間に利用者の生体情報を取得するステップと、
前記生体情報が余裕のある心理状態を示す場合には、前記処理の設定を提案する情報を出力するステップと、
前記情報を示す画面を表示部に表示するステップとを実行させ、
前記画面には、前記設定により得られる効果を示す効果情報が含まれる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の状態に応じた情報を提供する技術が知られている。例えば特許文献1には、ユーザの生体情報を参照して特定の生体状態が継続したという条件を満たすか否かを判定し、この条件を満たすと判定された場合には、その条件に関連付けられたコンテンツを配信することが記載されている。特許文献2には、送信ジョブの実行に際して、ユーザの生体情報に基づいてユーザの状態を判定し、ユーザの状態が非正常状態である場合に、その送信ジョブに関する確認をユーザに対して要求する確認要求処理を実行することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第17/94177号
【文献】特開2017-229035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、処理を実行する際に、利用者が処理を設定する操作を行う場合がある。近年、処理の設定は多様化する傾向にあることから、処理の設定の中には、利用者が知らない有益な設定が存在する場合がある。このような設定を利用者が知ることができれば、利用者はこの設定を使用することができる。しかし、利用者が急いでいるときに設定の提案をする等、利用者の心理状況に関係なく常にこのような設定の提案が行われると煩わしい場合がある。
本発明は、利用者の心理状態に関係なく設定の提案が行われる場合に比して、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、処理に関する操作が行われている間に利用者の生体情報を取得し、前記生体情報が余裕のある心理状態を示す場合には、前記処理の設定を提案する情報を出力し、前記処理は、画像処理装置の機能を実現する処理であり、前記情報は、前記画像処理装置の機能を実現する前記処理に要する費用が削減され、又は当該処理の出力結果の品質が向上する設定を提案する情報であること
を特徴とする情報処理装置である。
請求項2に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、処理に関する操作が行われている間に利用者の生体情報を取得し、前記生体情報が余裕のある心理状態を示す場合には、前記処理の設定を提案する情報を出力し、前記情報を示す画面を表示部に表示し、前記画面には、前記設定により得られる効果を示す効果情報が含まれることを特徴とする情報処理装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の情報処理装置において、前記処理には、複数の設定があり、前記プロセッサは、前記複数の設定の中から、前記利用者の利用頻度が低い設定を提案する情報を出力することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記複数の設定の中から、他の利用者の利用頻度が高い設定を提案する情報を出力することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1又は2に記載の情報処理装置において、前記処理には、複数の設定があり、前記プロセッサは、前記複数の設定のうち、前記利用者の操作に応じて前記処理について既に行われた設定以外の設定を提案する情報を出力することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1又は2に記載の情報処理装置において、前記処理には、複数の設定があり、前記プロセッサは、前記複数の設定のうち、前記処理について新たに追加された設定を提案する情報を出力することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記情報を示す画面を表示部に表示し、前記画面には、前記設定を行う操作に用いられる操作画像が含まれることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記効果情報は、前記設定により削減される費用を示すことを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記処理は、画像を生成する処理であり、前記効果情報は、前記設定が行われなかったときに前記処理により生成された第1画像と、前記設定が行われたときに前記処理により生成された第2画像とを含むことを特徴とする。
請求項10に係る発明は、コンピュータに、処理に関する操作が行われている間に利用者の生体情報を取得するステップと、前記生体情報が余裕のある心理状態を示す場合には、前記処理の設定を提案する情報を出力するステップとを実行させ、前記処理は、画像処理装置の機能を実現する処理であり、前記情報は、前記画像処理装置の機能を実現する前記処理に要する費用が削減され、又は当該処理の出力結果の品質が向上する設定を提案する情報であるプログラムである。
請求項11に係る発明は、コンピュータに、処理に関する操作が行われている間に利用者の生体情報を取得するステップと、前記生体情報が余裕のある心理状態を示す場合には、前記処理の設定を提案する情報を出力するステップと、前記情報を示す画面を表示部に表示するステップとを実行させ、前記画面には、前記設定により得られる効果を示す効果情報が含まれるプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、利用者の心理状態に関係なく設定の提案が行われる場合に比して、ユーザの利便性が向上する。
請求項に係る発明によれば、利用者があまり利用していない設定を知ることができる。
請求項に係る発明によれば、他の利用者がよく利用している設定を知ることができる。
請求項に係る発明によれば、利用者により処理について既に行われた設定が利用者に提案されるのを防ぐことができる。
請求項に係る発明によれば、新たに追加された設定を利用者に提案することができる。
請求項に係る発明によれば、設定を行う操作に用いられる操作画像が表示されない場合に比べて、提案された設定を容易に行うことができる。
請求項2及び11に係る発明によれば、設定により得られる効果が分かる。
請求項8に係る発明によれば、設定により削減される費用が分かる。
請求項9に係る発明によれば、設定により得られる画像の違いが分かる。
請求項10に係る発明によれば、利用者の心理状態に関係なく設定の提案が行われる場合に比して、ユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る画像処理システム100の構成の一例を示す図である。
図2】画像処理装置120の構成の一例を示す図である。
図3】画像処理システム100が行う動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図4】メニュー画面130の一例を示す図である。
図5】対象処理がコピー処理である場合の画面遷移の一例を示す図である。
図6】対象処理がスキャン処理である場合の画面遷移の一例を示す図である。
図7】対象処理がファクシミリ処理である場合の画面遷移の一例を示す図である。
図8】問合せ画面170の一例を示す図である。
図9】問合せ画面175の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.構成
図1は、本実施形態に係る画像処理システム100の構成の一例を示す図である。画像処理システム100は、利用者が余裕のある心理状態である場合には、利用者に処理の設定を提案する。この余裕のある心理状態とは、精神的にゆとりがある状態をいう。例えば余裕のある心理状態には、時間に余裕がある状態、急いでいない状態、緊急な用事がない状態、安定した状態、不安を感じていない状態、リラックスしている状態が含まれてもよい。余裕のある心理状態は、処理の設定が案内されても構わないような心理状態であれば、どのような心理状態であってもよい。画像処理システム100は、ウェアラブル端末110と、画像処理装置120とを備える。画像処理装置120は、本発明に係る情報処理装置の一例である。
【0018】
ウェアラブル端末110は、利用者に装着され、利用者の生体情報を計測する。生体情報は、利用者が余裕のある心理状態であるか否かを示す。ウェアラブル端末110は、図1に示すように例えば腕に装着するリストバンド型の形状を有する。ただし、ウェアラブル端末110の形状はリストバンド型に限定されない。例えばウェアラブル端末110の形状は、指に装着する指輪型、衣服に付けるクリップ型、頭部に装着する眼鏡型又はヘッドマウンド型等、どのような形状であってもよい。ウェアラブル端末110は、生体情報を計測する一又は複数のセンサ(図示せず)を有する。この生体情報には、例えば心拍数又は血圧が含まれる。例えば生体情報に心拍数が含まれる場合、ウェアラブル端末110は心拍数を計測する心拍計を有する。生体情報に血圧が含まれる場合、ウェアラブル端末110は血圧を計測する血圧計を有する。また、ウェアラブル端末110は、通信部(図示せず)を有する。通信部は、例えばBluetooth(登録商標)に従って他の装置とデータ通信を行う。ただし、通信部が従う通信規格は、Bluetooth(登録商標)に限定されず、他の通信規格であってもよい。例えばウェアラブル端末110は、通信部から画像処理装置120に生体情報を送信する。
【0019】
図2は、画像処理装置120の構成の一例を示す図である。画像処理装置120は、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等の画像を処理する複数の機能を有する。画像処理装置120は、これらの機能を実現する処理を行う。この処理には、画像を生成する処理が含まれる。各処理には、複数の設定がある。画像処理装置120は、プロセッサ121と、メモリ122と、通信部123と、操作部124と、表示部125と、画像読取部126と、画像形成部127とを備える。これらの部位はバス128を介して接続されている。
【0020】
プロセッサ121は、プログラムを実行することにより、画像処理装置120の各部を制御し又は各種の処理を行う。プロセッサ121には、例えばCPU(Central Processing Unit)が用いられる。メモリ122には、プロセッサ121により実行されるプログラムが記憶される。メモリ122には、例えばROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)が用いられる。また、メモリ122には、ROM及びRAMに加えて、例えばハードディスクドライブ又はSSD(Solid State Drive)が用いられてもよい。メモリ122には、画像処理装置120が有する複数の機能をそれぞれ実現するための複数のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」という。)が記憶されている。この複数のアプリには、例えばコピー機能を実現するためのコピーアプリ、スキャン機能を実現するためのスキャンアプリ、及びファクシミリ機能を実現するためのファクシミリアプリが含まれる。通信部123は、通信回線を介して接続された他の装置とデータ通信を行う。この通信回線は、有線の通信回線であってもよいし、無線の通信回線であってもよい。通信部123が従う通信規格には、例えばBluetooth(登録商標)が含まれる。操作部124は、利用者による画像処理装置120の操作に用いられる。操作部124には、例えばタッチパネルとボタンとが用いられる。表示部125は、各種の情報を表示する。表示部125には、例えば液晶ディスプレイが用いられる。画像読取部126は、画像を読み取って画像データに変換する。画像読取部126には、例えばイメージスキャナが用いられる。画像形成部127は、画像データに応じた画像を用紙等の媒体上に形成する。画像形成部127には、例えばプリンターが用いられる。
【0021】
2.動作
以下の説明において、プロセッサ121を処理の主体として記載する場合、これは、それぞれメモリ122に記憶されたプログラムと、このプログラムを実行するプロセッサ121との協働により、プロセッサ121が演算を行い又は他のハードウェア要素の動作を制御することにより、処理が行われることを意味する。
【0022】
図3は、画像処理システム100が行う動作の一例を示すシーケンスチャートである。この動作は、利用者が画像処理装置120を利用するときに行われる。ステップS11において、利用者は画像処理装置120にログインする。画像処理装置120のプロセッサ121は、ログインした利用者の認証を行う。利用者は、操作部124を用いて自分のユーザ名とパスワードを入力する操作を行う。プロセッサ121は、利用者により入力されたユーザIDとパスワードを用いて利用者の認証を行う。利用者の認証に成功すると、処理はステップS12に進む。なお、利用者の認証に失敗した場合には処理は終了する。
【0023】
ステップS12において、プロセッサ121は、利用者のウェアラブル端末110とペアリングを行う。このとき、まず利用者のウェアラブル端末110が特定される。例えば利用者のユーザIDには、予め利用者のウェアラブル端末110の端末IDが対応付けられており、ステップS11において入力されたユーザIDに対応付けられた端末IDが特定され、特定された端末IDに対応するウェアラブル端末110が利用者のウェアラブル端末110として特定される。続いて、特定されたウェアラブル端末110とBluetooth(登録商標)に従ってペアリングが行われる。これにより、画像処理装置120と利用者のウェアラブル端末110とが無線で接続される。なお、画像処理装置120が一のウェアラブル端末110とペアリングを行っている間は、他のウェアラブル端末110とのペアリングは行われない。
【0024】
上述したステップS11において利用者が画像処理装置120にログインすると、メニュー画面130が表示部125に表示される。図4は、メニュー画面130の一例を示す図である。メニュー画面130は、利用者が画像処理装置120の複数の機能の中から所望の機能を選択する操作に用いられる。メニュー画面130には、それぞれ画像処理装置120が有するコピー機能、スキャン機能、ファクシミリ機能を選択する操作に用いられる選択ボタン131~133が含まれる。利用者により選択ボタン131~133のいずれかを押す操作が行われると、その選択ボタンに対応する機能が選択され、選択された機能に対応するアプリが起動される。例えば利用者がコピー機能を利用する場合には、コピー機能に対応する選択ボタン131を押す操作を行う。この操作に応じて、コピー機能が選択され、コピーアプリが起動される。なお、以下の説明では、選択された機能を実現する処理を「対象処理」という。
【0025】
ステップS13において、プロセッサ121は、アプリが起動されると、ウェアラブル端末110から生体情報の取得を開始する。例えばプロセッサ121は、ステップS12においてペアリングを行ったウェアラブル端末110に生体情報の取得要求を通信部123から送信する。ウェアラブル端末110は、この取得要求に応じて利用者から計測した生体情報を画像処理装置120に送信する。ウェアラブル端末110は、ウェアラブル端末110から送信された生体情報を通信部123にて受信する。この生体情報の取得は、アプリが起動されたことを契機に開始され、利用者が対象処理に関する操作を行っている間に、予め定められた時間間隔で繰り返し行われる。すなわち、利用者により対象処理に関する操作が行われている間に利用者の生体情報が取得される。この処理に関する操作には、例えば処理を選択する操作や処理の設定を行う操作が含まれる。
【0026】
ステップS14において、プロセッサ121は、ウェアラブル端末110から取得された生体情報を分析して、利用者の心理状態が余裕のある心理状態であるか否かを判定する。この判定は、生体情報により利用者が余裕のある心理状態であることが示されるか否かによって行われる。例えば生体情報に心拍数又は血圧が含まれる場合において、定められた期間継続して心拍数又は血圧が閾値以下であるときは、利用者が余裕のある心理状態であると判定される。この閾値は、例えば人が余裕のある心理状態であるときに計測される最大の心拍数又は血圧に予め設定される。利用者の心理状態が余裕のある心理状態であると判定された場合、ステップS14の判定がYESになり、処理はステップS15に進む。
【0027】
ステップS15において、プロセッサ121は、対象処理の設定を提案する情報を示すレコメンド画面を表示部125に表示する。レコメンド画面においては、対象処理によって異なる設定が提案される。すなわち、表示部125に表示されている画面によって異なる設定が提案される。例えば対象処理がコピー処理である場合には、コピー処理の設定が提案される。対象処理がスキャン処理である場合には、スキャン処理の設定が提案される。対象処理がファクシミリ処理である場合には、ファクシミリ処理の設定が提案される。レコメンド画面においては、例えば利用者に有益な設定が提案される。
【0028】
図5は、対象処理がコピー処理である場合の画面遷移の一例を示す図である。図4に示すメニュー画面130においてコピー機能に対応する選択ボタン131が押されると、コピーアプリが起動され、図5に示すコピー画面140が表示部125に表示される。ここで、ステップS14において利用者の心理状態が余裕のある心理状態であると判定されると、図5に示されるように、コピー画面140上にレコメンド画面145が表示される。このレコメンド画面145は、例えばダイアログボックスである。
【0029】
対象処理がコピー処理である場合、コピー処理に要する費用が削減されるような設定が提案される。ここでは、コピー処理の設定の一つであるNアップが提案されるものとする。Nアップとは、複数ページの画像を一枚にまとめてコピーする設定をいう。Nアップには、2ページの画像を一枚にまとめてコピーする2アップ及び4ページの画像を一枚にまとめてコピーする4アップが含まれる。Nアップの設定を行うとコピー枚数が減るため、コピー処理に要する費用が削減される点で利点がある。ただし、Nアップでコピーをするとレイアウトが変わるため、例えば事前に出力結果の確認が必要となり、設定に時間がかかってしまう。
【0030】
レコメンド画面145には、Nアップを提案するメッセージ146が含まれる。このメッセージ146には、Nアップにより得られる効果を示す効果情報が含まれる。図5に示す例では、メッセージ146には、Nアップにより削減される費用「○○円」が効果情報として含まれる。この削減される費用は、例えばNアップの設定を行わなかったときにコピー処理に要する第1費用から、Nアップの設定を行ったときにコピー処理に要する第2費用を減ずることにより得られる。この第1費用は、例えばNアップの設定を行わなかった場合のコピー枚数と、コピー処理に要する1枚当たりの費用とを用いて求められる。この第2費用は、例えばNアップの設定を行った場合のコピー枚数と、コピー処理に要する1枚当たりの費用とを用いて求められる。
【0031】
また、レコメンド画面145には、2アップと4アップのいずれかを選択する操作に用いられる操作画像147が含まれる。さらに、レコメンド画面145には、詳細設定ボタン148が含まれる。詳細設定ボタン148が押されると、詳細設定画面が表示される。利用者は、この詳細設定画面を用いて、Nアップに関する詳細な設定を行うことができる。さらに、レコメンド画面145には、Nアップの設定を行う操作に用いられる操作画像149a及び149bが含まれる。この操作画像149a及び149bは、Nアップのレイアウト図を兼ねている。操作画像149aは、縦向きのレイアウト図を示す。操作画像149bは、横向きのレイアウト図を示す。2アップが選択された場合、操作画像149a及び149bは2アップ用のレイアウト図を示す。一方、4アップが選択された場合、操作画像149a及び149bは4アップ用のレイアウト図を示す。このように、操作画像149a及び149bによりNアップの設定を行った場合のレイアウト図が利用者に提示されるため、利用者はNアップの設定が行われた後にレイアウトがどのように変わるのかが分かる。例えば横向きの2アップの設定を行う場合、利用者は操作画像147を用いて2アップを選択する操作を行った後、操作画像149bを押す操作を行う。これにより、横向きの2アップの設定が行われる。
【0032】
図6は、対象処理がスキャン処理である場合の画面遷移の一例を示す図である。図4に示すメニュー画面130においてスキャン機能に対応する選択ボタン132が押されると、スキャンアプリが起動され、図6に示すスキャン画面150が表示部125に表示される。ここで、ステップS14において利用者の心理状態が余裕のある心理状態であると判定されると、図6に示されるように、スキャン画面150上にレコメンド画面155が表示される。このレコメンド画面155は、例えばダイアログボックスである。
【0033】
対象処理がスキャン処理である場合、スキャン処理の出力結果の品質が向上するような設定が提案される。ここでは、スキャン処理の設定の一つである高画質の設定が提案されるものとする。高画質の設定とは、通常よりも画質が高くなるようにスキャンする設定をいう。高画質の設定を行うと、スキャンにより得られる画像の画質が高くなる点で利点がある。特に写真等の高画質が要求される画像をスキャンする場合には有用である。ただし、高画質の設定に従ってスキャン処理を行う場合には、例えば解像度を上げてスキャン処理を行ったり、画像処理装置120と通信回線を介して接続された外部のサーバ装置(図示せず)において高精度な画像処理を施したりするため、スキャン処理に時間がかかってしまう。レコメンド画面155には、高画質の設定を提案するメッセージ156が含まれる。このメッセージ156には、高画質の設定に従ってスキャン処理を行うときに、スキャン処理に要する時間「○○秒」が含まれる。この時間は、例えばスキャン枚数と、高画質の設定を行ったときにスキャン処理に要する1枚当たりの時間とを用いて求められる。
【0034】
また、レコメンド画面155には、高画質の設定により得られる効果を示す効果情報が含まれる。図6に示す例では、レコメンド画面155には、高画質の設定が行われなかったときにスキャン処理により得られる画像を示すサムネイル157aと、高画質の設定が行われたときにスキャン処理により得られる画像を示すサムネイル157bとが効果情報として含まれる。サムネイル157aが示す画像、サムネイル157bが示す画像は、それぞれ本発明に係る第1画像、第2画像の一例である。サムネイル157a及び157bにより、利用者は、高画質の設定を行った場合の画質の変化を予め確認し得る。さらに、レコメンド画面155には、高画質の設定を行う操作に用いられる設定ボタン158が含まれる。この設定ボタン158は、本発明に係る操作画像の一例である。例えば高画質の設定を行う場合、利用者は設定ボタン158を押す操作を行う。これにより、高画質の設定が行われる。
【0035】
図7は、対象処理がファクシミリ処理である場合の画面遷移の一例を示す図である。図4に示すメニュー画面130においてファクシミリ機能に対応する選択ボタン133が押されると、ファクシミリアプリが起動され、図7に示すファクシミリ画面160が表示部125に表示される。ここで、ステップS14において利用者の心理状態が余裕のある心理状態であると判定されると、図7に示されるように、ファクシミリ画面160上にレコメンド画面165が表示される。このレコメンド画面165は、例えばダイアログボックスである。
【0036】
対象処理がファクシミリ処理である場合、ファクシミリ処理に要する通信費用が削減されるような設定が提案される。ここでは、ファクシミリ処理の設定の一つである時刻指定送信が提案されるものとする。時刻指定送信とは、指定された時刻にファクシミリをまとめて送信する設定をいう。一般的に、昼間よりも深夜の方が通信費用が安くなる。従って、例えば深夜の時刻を指定して時刻指定送信の設定を行うと、深夜にファクシミリがまとめて送信されるため、ファクシミリ処理に要する通信費用が削減される点で利点がある。ただし、指定された時刻になるまではファクシミリが送信されないため、ファクシミリが送信されるまでに時間がかかってしまう。
【0037】
レコメンド画面165には、時刻指定送信を提案するメッセージ166が含まれる。このメッセージ166には、時刻指定送信により得られる効果を示す効果情報が含まれる。図7に示す例では、メッセージ166には、時刻指定送信により削減される費用「○○円」が効果情報として含まれる。この削減される費用は、例えば時刻指定送信の設定を行わなかったときにファクシミリ処理に要する第1通信費用から、時刻指定送信の設定を行ったときにファクシミリ処理に要する第2通信費用を減ずることにより得られる。この第1通信費用は、例えばファクシミリ枚数と、現在時刻にファクシミリを送信した場合に要する1枚当たりの通信費用とを用いて求められる。この第2通信費用は、例えばファクシミリ枚数と、指定された時刻にファクシミリを送信した場合に要する1枚当たりの通信費用とを用いて求められる。
【0038】
また、レコメンド画面165には、時刻を指定する操作に用いられるテキストボックス167と、時刻指定送信の設定を行う操作に用いられる設定ボタン168とが含まれる。このテキストボックス167及び設定ボタン168は、本発明に係る操作画像の一例である。例えば午前2時30分にファクシミリをまとめて送信する場合、利用者はテキストボックス167に午前2時30分という時刻を入力する操作を行った後、設定ボタン168を押す操作を行う。これにより、午前2時30分を指定時刻とする時刻指定送信の設定が行われる。
【0039】
ステップS16において、プロセッサ121は、ステップS15において表示されたレコメンド画面により提案された設定に変更されたか否かを判定する。例えば図5に示すレコメンド画面145においてNアップの設定が行われた場合には、レコメンド画面により提案された設定に変更されたと判定される。同様に、図6に示すレコメンド画面155において高画質の設定が行われた場合、又は図7に示すレコメンド画面165において時刻指定送信の設定が行われた場合にも、レコメンド画面により提案された設定に変更されたと判定される。この場合、ステップS16の判定がYESとなり、ステップS17の処理に進む。
【0040】
ステップS17において、プロセッサ121は、レコメンド画面において行われた操作に応じて設定を変更する。例えば図5に示すレコメンド画面145においてNアップの設定が行われた場合には、Nアップが行われるようにコピー処理の設定が変更される。図6に示すレコメンド画面155において高画質の設定が行われた場合には、高画質でスキャンされるようにスキャン処理の設定が変更される。図7に示すレコメンド画面165において時刻指定送信の設定が行われた場合には、指定された時刻にファクシミリが送信されるようにファクシミリ処理の設定が変更される。
【0041】
ステップS18において、プロセッサ121は、今後、ステップS17において変更された設定を初期設定にするかを問い合わせる問合せ画面170を表示部125に表示する。図8は、問合せ画面170の一例を示す図である。この問合せ画面170は、図5~7に示すコピー画面140、スキャン画面150、又はファクシミリ画面160の上に表示されてもよいし、処理の設定の確認に用いられる確認画面が表示されている場合には、確認画面の上に表示されてもよい。問合せ画面170は、例えばダイアログボックスである。
【0042】
問合せ画面170には、変更後の設定を初期設定にするかを問い合わせるメッセージが含まれる。また、問合せ画面170には、「はい」ボタン171と「いいえ」ボタン172とが含まれる。「はい」ボタン171は、変更後の設定を初期設定にすることを許可する操作に用いられる。「いいえ」ボタン172は、変更後の設定を初期設定にすることを拒否する操作に用いられる。例えば利用者が変更後の設定を初期設定にしたい場合には、「はい」ボタン171を押す操作を行う。「はい」ボタン171が押されると、変更後の設定が利用者のユーザIDと関連付けてメモリ122に記憶される。そして、次回以降、この利用者が画像処理装置120を利用する場合には、変更後の設定が初期設定として用いられる。
【0043】
一方、上述したステップS16において、ステップS15において表示されたレコメンド画面により提案された設定に変更されなかったと判定された場合には、ステップS16の判定がNOになり、ステップS19の処理に進む。ステップS19において、プロセッサ121は、今後、レコメンド画面の表示を禁止するか否かを問い合わせる問合せ画面175を表示部125に表示する。これは、利用者によっては処理の設定の提案を望まない場合があるため、レコメンド画面の表示の有無を利用者が選択できるようにするためである。図9は、問合せ画面175の一例を示す図である。この問合せ画面175は、例えば図5~7に示すコピー画面140、スキャン画面150、又はファクシミリ画面160の上に表示される。問合せ画面175は、例えばダイアログボックスである。
【0044】
問合せ画面175には、今後、レコメンド画面の表示を禁止するかを問い合わせるメッセージが含まれる。また、問合せ画面175には、「はい」ボタン176と「いいえ」ボタン177とが含まれる。「はい」ボタン176は、今後はレコメンド画面を禁止する操作に用いられる。「いいえ」ボタン177は、今後もレコメンド画面の表示を許可する操作にもちられる。例えば利用者が今後はレコメンド画面の表示を禁止したい場合には、「はい」ボタン176を押す操作を行う。「はい」ボタン176が押されると、次回以降はステップS14の判定がYESになっても、レコメンド画面の表示は行われない。
【0045】
ステップS20において、プロセッサ121は、処理の開始が指示されると、設定に従って処理を実行する。例えば図5に示されるように、レコメンド画面145には、コピー処理の開始を指示する操作に用いられる開始ボタン141が含まれる。例えば図5に示すレコメンド画面145において2アップの設定が行われた後、開始ボタン141を押す操作が行われると、画像読取部126及び画像形成部127により2ページの画像を一枚にまとめてコピーが行われる。
【0046】
なお、上述したステップS14において利用者が余裕のある心理状態ではないと判定された場合には、ステップS14の判定がNOになり、ステップS15~S18の処理を飛ばしてステップS20の処理に進む。この場合、処理の設定の提案は行われないため、利用者は自ら考えた設定を行う。そして、ステップS20では、この設定に従って処理が実行される。同様に、上述したステップS16において提案された設定に変更されなかったと判定された場合にも、処理の設定の提案は行われないため、利用者が自ら考えた設定に従って処理が実行される。
【0047】
ステップS21において、プロセッサ121は、アプリが終了されると、生体情報の取得を終了する。図5に示す例では、コピー画面140には閉じるボタン142が含まれる。コピー処理が完了すると、利用者は、閉じるボタン142を押す操作を行う。閉じるボタン142を押す操作が行われると、コピーアプリが終了され、図4に示すメニュー画面130に戻る。コピーアプリが終了されたことを契機に、生体情報の取得が終了される。ステップS22において、利用者が画像処理装置120からログアウトすると、ステップS23において、プロセッサ121は、ウェアラブル端末110とのペアリングを解除する。
【0048】
以上説明した実施形態によれば、利用者が余裕のある心理状態のときに、レコメンド画面において対象処理の設定が提案されるため、利用者の心理状態に関係なく設定の提案が行われる場合に比して、ユーザの利便性が向上する。レコメンド画面により利用者は知らない設定を知ることができるため、より適した設定で処理を実行することができる。また、レコメンド画像は利用者が余裕のある心理状態であるときに表示されるため、レコメンド画像により提案される設定が処理が完了するまでに時間がかかる設定であっても、利用者が使用する可能性が高まる。さらに、仮に利用者が余裕のない心理状態のときにレコメンド画面が表示されると、利用者が煩わしさを感じ、ユーザビリティが低下する恐れがある。しかし、本実施形態では、利用者が余裕のない心理状態であるときはレコメンド画面が表示されないため、ユーザビリティが低下するのを防ぐことができる。
【0049】
また、レコメンド画面145、155、及び165には設定を行う操作に用いられる操作画像が含まれるため、設定を行う操作に用いられる操作画像が表示されない場合に比べて、提案された設定を容易に行うことができる。さらに、レコメンド画面145、155、及び165には効果情報が含まれるため、設定により得られる効果が分かる。さらに、レコメンド画面145及び165には設定により削減される費用が表示されるため、設定により削減される費用が分かる。さらに、レコメンド画面155には、高画質の設定が行われなかったときにスキャン処理により得られる画像を示すサムネイル157aと、高画質の設定が行われたときにスキャン処理により得られる画像を示すサムネイル157bとが含まれるため、設定により得られる画像の違いが分かる。
【0050】
3.変形例
上述した実施形態は、本発明の一例である。本発明は、上述した実施形態に限定されない。また、上述した実施形態が以下の例のように変形して実施されてもよい。このとき、以下の2以上の変形例が組み合わせて用いられてもよい。
【0051】
上述した実施形態において、レコメンド画面において、対象処理について利用者の利用頻度が低い設定が提案されてもよい。この場合、プロセッサ121は、利用者の操作に応じて行われた処理の設定履歴をメモリ122に記憶する。プロセッサ121は、メモリ122から取得された設定履歴を用いて、対象処理の複数の設定の中から利用者の利用頻度が閾値以下の設定を選択する。そして、選択された設定がレコメンド画面において提案される。例えば設定履歴に含まれない設定は、利用者が使用したことがない設定であるため、このような設定が選択されレコメンド画面において提案されてもよい。この変形例によれば、利用者があまり利用していない設定を知ることができる。他の例において、設定履歴から利用者の利用傾向を分析し、利用者が使用したことがない設定であっても利用者の利用傾向から外れる設定については、利用者が今後も利用しないと考えられるため、利用者に提案する候補から除外されてもよい。
【0052】
上述した実施形態において、レコメンド画面において、利用者の利用頻度が低く、且つ他の利用者の利用頻度が高い設定が提案されてもよい。この場合、プロセッサ121は、利用者の操作に応じて行われた処理の設定履歴である第1設定履歴と、他の利用者の操作に応じて行われた処理の設定履歴である第2設定履歴とをメモリ122に記憶する。プロセッサ121は、メモリ122から取得された第1設定履歴及び第2設定履歴を用いて、対象処理の複数の設定の中から利用者の利用頻度が第1閾値以下であり、且つ他の利用者の利用頻度が第2閾値以上の設定を選択する。そして、選択された設定がレコメンド画面において提案される。例えば第1設定履歴に含まれず、且つ第2設定履歴に最も多く含まれる設定は、利用者が使用したことがなく、且つ他の利用者がよく使用している設定であるため、このような設定が選択されレコメンド画面において提案されてもよい。この変形例によれば、他の利用者がよく利用している設定を知ることができる。
【0053】
上述した実施形態において、レコメンド画面において、利用者の操作に応じて対象処理について既に行われた設定以外の設定が提案されてもよい。すなわち、利用者の操作に応じて対象処理について既に行われた設定については提案されなくてもよい。例えばコピー処理に関して利用者が2アップの設定を行った場合には、2アップを含むNアップの設定は提案されない。また、コピー処理に関して利用者がカラーコピーの設定を行った場合には、カラーコピーの設定は提案されない。この場合、カラーコピーと関連する白黒コピーの設定も提案されない。この変形例によれば、利用者により処理について既に行われた設定が利用者に提案されるのを防ぐことができる。
【0054】
上述した実施形態において、レコメンド画面において、対象処理について新たに追加された設定が提案されてもよい。例えば画像処理装置120には、新しい設定を実現するためのプログラムがダウンロードされる場合がある。この場合、新たにダウンロードされたプログラムにより実現される設定が提案されてもよい。この変形例によれば、新たに追加された設定を利用者に提案することができる。
【0055】
上述した実施形態において、レコメンド画面において、他の装置と連携して実現される設定については優先して提案されてもよい。例えばウェアラブル端末110やユーザが使用するユーザ端末と連携して或る設定が実現される場合がある。この場合、この設定が提案されてもよい。また、他の装置と連携する場合、その連携に関して初期設定が要求される場合がある。例えば他の装置と初めてペアリングする場合には、ペアリングに関する初期設定が要求される場合がある。この場合、レコメンド画面には、初期設定を行うための操作に用いられる操作画像が含まれてもよい。利用者は、この操作画像を用いて初期設定を行う。
【0056】
上述した実施形態において、レコメンド画面において提案される設定は、費用が削減される設定又は出力結果の品質が向上する設定に限定されない。例えば対象処理が通信を伴う処理である場合には、情報セキュリティが向上するような設定が提案されてもよい。また、対象処理がコピー処理、スキャン処理、又はファクシミリ処理である場合に提案される設定は、上述した実施形態の例に限定されない。例えば対象処理がコピー処理である場合に提案される設定は、両面コピーや白黒コピーの設定であってもよい。すなわち、レコメンド画面において提案される設定は、対象処理に関する設定であれば、どのような設定であってもよい。また、レコメンド画面において提案される設定の数は一つに限定されず、複数であってもよい。
【0057】
上述した実施形態では、次回、変更後の設定を容易に行えるように、変更後の設定を初期設定にしていたが、変更後の設定を容易に行えるにする方法はこの例に限定されない。例えば変更後の設定のショートカットが作成され、メニュー画面130に表示されてもよい。この場合、利用者は、画像処理装置120を次回利用するときに、ショートカットを用いて、変更後の設定を容易に行うことができる。
【0058】
上述した実施形態において、生体情報は必ずしも複数回取得されなくてもよい。例えばアプリが起動されたときに取得された生体情報に基づいて、利用者が余裕のある心理状態であるか否かが判定されてもよい。また、レコメンド画面が表示された後に取得された生体情報が余裕のない心理状態に変化したことを示す場合には、レコメンド画面を非表示にしてもよい。
【0059】
上述した実施形態において、画像処理装置120の管理者により、生体情報の取得の有無が設定されてもよい。生体情報が取得されない場合、レコメンド画面の表示は行われない。また、上述した実施形態において、特定のアプリ以外のアプリが起動された場合には、生体情報が取得されず、レコメンド画面も表示されなくてもよい。例えば通信の設定を実現するためのアプリが起動された場合には、生体情報が取得されず、レコメンド画面も表示されなくてもよい。
【0060】
上述した実施形態において、対象処理の設定を提案する情報は必ずしも表示部125に表示されなくてもよい。対象処理の設定を提案する情報は出力されればよい。例えばレコメンド画面に含まれる情報がウェアラブル端末110やユーザが使用する他の端末に送信されてもよい。
【0061】
上述した実施形態において、生体情報の取得は、必ずしもアプリの起動を契機として開始されなくてもよい。例えば、利用者が画像処理装置120にログインしたことを契機に生体情報の取得が開始されてもよい。
【0062】
上述した実施形態において、画像処理装置120において利用者の認証が行われない場合、プロセッサ121は、利用者が画像処理装置120を使用するタイミングで画像処理装置120に最も近いウェアラブル端末110を検出し、検出したウェアラブル端末110とペアリングを行ってもよい。このタイミングは、例えば画像処理装置120が節電モードを有する場合には節電モードから復帰した時点であってもよいし、画像処理装置120の起動時であってもよい。また、この場合、プロセッサ121は、利用者が画像処理装置120を使用しなくなるタイミングでウェアラブル端末110とのペアリングを解除してもよい。このタイミングは、例えば画像処理装置120が節電モードを有する場合には節電モードに移行した時点であってもよい。
【0063】
上述した実施形態において、画像処理装置120に代えて他の情報処理装置が用いられてもよい。例えば情報処置装置には、家電、オーディオ機器、コンピュータ等のあらゆる情報処理装置が含まれてもよい。また、情報処理装置により行われる処理は、画像を用いた処理に限定されない。情報処理装置により行われる処理は、利用者の操作に応じて行われた設定に従って行われる処理であれば、どのような処理であってもよい。
【0064】
上述した実施形態における画像処理システム100の処理の主体は例示であり、この例に限定されない。例えば画像処理装置120において行われる処理の少なくとも一部が他の装置において行われてもよい。また、上述した実施形態における画像処理システム100の処理は例示であり、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。
【0065】
上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0066】
また上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0067】
本発明は、画像処理装置120及びウェアラブル端末110のそれぞれにおいて実行されるプログラムとして提供されてもよい。なお、画像処理装置120及びウェアラブル端末110は、それぞれ本発明に係るコンピュータの一例である。このプログラムは、インターネットなどの通信回線を介してダウンロードされてもよいし、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
100:画像処理システム、110:ウェアラブル端末、120:画像処理装置、121:プロセッサ、122:メモリ、123:通信部、124:操作部、125:表示部、126:画像読取部、127:画像形成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9