(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/185 20200101AFI20240116BHJP
【FI】
H05B47/185
(21)【出願番号】P 2020058912
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 靖弘
(72)【発明者】
【氏名】井上 優
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊也
(72)【発明者】
【氏名】石川 琢視
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-186089(JP,A)
【文献】特開2006-164619(JP,A)
【文献】特開2015-119329(JP,A)
【文献】特開2017-054166(JP,A)
【文献】特表2017-508244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定規格の電力を供給可能であり、かつ信号を送受信可能な通信ケーブルを介して対象装置に接続される制御装置であって、
前記対象装置に対する操作を受け付けるスイッチ部と;
前記対象装置のIPアドレスを記憶する記憶部と;
前記通信ケーブルを介して接続される管理装置から前記IPアドレスの指定を受け付ける受信部と;
前記スイッチ部が操作された場合に、前記IPアドレスを指定した制御信号を出力する制御部と;
を具備
し、
前記スイッチ部は、信号線によって前記制御部に接続される、制御装置。
【請求項2】
前記対象装置は、照明装置である
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記スイッチ部が操作された場合に、前記対象装置をONまたはOFFに切り替える前記制御信号を出力する
請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記スイッチ部の操作履歴、および前記対象装置のON/OFF状態の少なくとも一方を記憶する
請求項1~3のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記スイッチ部が操作された場合に、前記スイッチ部の操作結果に関する信号を、前記対象装置を制御可能な他の制御装置に出力する
請求項1~
4のいずれか1つに記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力を供給可能な通信ケーブル(いわゆるPoEケーブル;Power over Ethernet;登録商標)を介して、対象装置である照明装置を接続することによって、通信環境および電源の双方を確保できる技術が種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、対象装置に対する制御が管理装置によって行われる。そのため、対象装置に対して管理装置が離れた位置にある場合、例えば、対象装置が設けられた箇所から離れた管理室に管理装置が設けられている場合には、対象装置の近傍において対象装置の操作ができず、対象装置に対する操作方法について改善の余地があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、対象装置の操作を容易に行うことができる制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る制御装置は、所定規格の電力を供給可能であり、かつ信号を送受信可能な通信ケーブルを介して対象装置に接続される。また、制御装置は、スイッチ部と、記憶部と、受信部と、制御部とを具備する。スイッチ部は、対象装置に対する操作を受け付ける。記憶部は、対象装置のIPアドレスを記憶する。受信部は、通信ケーブルを介して接続される管理装置からIPアドレスの指定を受け付ける。制御部は、スイッチ部が操作された場合に、IPアドレスを指定した制御信号を出力する。スイッチ部は、信号線によって制御部に接続される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、対象装置の操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る操作装置を含む照明システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る照明装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る操作装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る操作処理を説明するフローチャートである。
【
図5】
図5は、変形例に係る照明システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施形態に係る制御装置(操作装置5)は、所定規格の電力を供給可能であり、かつ信号を送受信可能な通信ケーブル7aを介して対象装置(照明装置4)に接続される。また、制御装置は、スイッチ部32と、記憶部34と、制御部35とを具備する。スイッチ部32は、対象装置に対する操作を受け付ける。記憶部34は、対象装置のIPアドレスを記憶する。制御部35は、スイッチ部32が操作された場合に、IPアドレスを指定した制御信号を出力する。
【0010】
また、以下に説明する実施形態に係る対象装置は、照明装置4である。
【0011】
また、以下に説明する実施形態に係る制御部35は、スイッチ部32が操作された場合に、対象装置(照明装置4)をONまたはOFFに切り替える制御信号を出力する。
【0012】
また、以下に説明する実施形態に係る記憶部34は、スイッチ部32の操作履歴、および対象装置(照明装置4)のON/OFF状態の少なくとも一方を記憶する。
【0013】
また、以下に説明する実施形態に係る制御装置(操作装置5)は、受信部40を具備する。受信部40は、通信ケーブル7aを介して接続される管理装置2からIPアドレスの指定を受け付ける。
【0014】
また、以下に説明する実施形態に係る制御部35は、スイッチ部32が操作された場合に、スイッチ部32の操作結果に関する信号を、対象装置(照明装置4)を制御可能な他の操作装置5bに出力する。
【0015】
以下、図面を参照して、実施形態に係る制御装置について説明する。制御装置は、照明装置4を制御可能な操作装置5である。
【0016】
まず、
図1を用いて実施形態に係る操作装置5を含む照明システム1の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る操作装置5を含む照明システム1の構成例を示す図である。
【0017】
照明システム1は、管理装置2と、給電装置3と、照明装置4と、操作装置5とを有する。
図1では、照明システム1は、3つの照明装置4を有する一例を示すが、照明装置4の数は、これに限られることはない。照明装置4の数は、1つ、または2つでもよく、4つ以上であってもよい。なお、以下では、3つの照明装置4を区別するため、照明装置4A~4Cと記載する場合がある。また、以下では、照明装置4Aに対応する操作装置5を一例として説明するが、照明システム1は、照明装置4B、4Cに対応する操作装置5を有してもよい。
【0018】
管理装置2は、照明装置4の動作状況等を管理する情報処理装置である。管理装置2は、例えば照明装置4等を管理する管理者によって利用される。なお、管理装置2としては、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC、スマートフォン、タブレット型端末などを用いることができるが、これらに限られない。
【0019】
給電装置3は、系統電源に接続され、系統電源から供給される電力を所定規格の電力に変換することができる。ここで、所定規格とは、例えば直流電圧を指すが、これに限定されるものではない。
【0020】
照明装置4は、所定範囲を照明することができる。なお、照明装置4は、例えば天井に設置されるベースライトやスポットライトなどであるが、これらに限定されるものではない。照明装置4は、詳しくは後述するがカメラ部20(
図2参照)によって照明装置4の周囲を撮影することができる。
【0021】
給電装置3と管理装置2とは、例えば各種の情報を示す信号を送受信可能な信号線6を介して接続される。上記した各種の情報としては、例えば、管理装置2から給電装置3や照明装置4へ送信される動作指示情報、照明装置4から給電装置3を介して管理装置2へ送信される動作状況情報や画像情報などであるが、これらに限られない。なお、給電装置3と管理装置2とは、有線通信であっても、無線通信であってもよく、また、ネットワークを介した通信であってもよい。
【0022】
給電装置3と操作装置5とは、通信ケーブル7aを介して接続される。給電装置3と照明装置4Aとは、通信ケーブル7bを介して接続される。照明装置4Aと照明装置4Bとは、通信ケーブル7cを介して接続される。照明装置4Bと照明装置4Cとは、通信ケーブル7dを介して接続される。
【0023】
なお、
図1等では、信号線を破線で示し、通信ケーブルを太い実線で示し、また後述する電力線を細い実線で示す場合がある。
【0024】
通信ケーブル7a~7dは、所定規格の電力を供給可能で、かつ、信号を送受信可能である。詳しくは、通信ケーブル7a~7dは、信号を送受信するLAN(Local Area Network)ケーブルとしての機能に加え、電力を供給する電源ケーブルとしても機能するケーブルである。通信ケーブル7a~7dは、いわゆるPoEケーブルである。
【0025】
従って、給電装置3は、所定規格の電力を、通信ケーブル7aを介して操作装置5に供給することができる。また、給電装置3は、所定規格の電力を、通信ケーブル7b~7dを介して照明装置4A~4Cに供給することができる。
【0026】
照明システム1では、複数の照明装置4A~4Cが通信ケーブル7c、7dによって接続される。複数の照明装置4A~4Cは、例えば、直列に接続される。なお、複数の照明装置4A~4Cは、並列に接続されてもよい。例えば、複数の照明装置4A~4Cは、給電装置3に並列に接続されてもよい。また、複数の照明装置4A~4Cは、直列、および並列を組み合わせて接続されてもよい。
【0027】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る照明装置4について説明する。
図2は、実施形態に係る照明装置4Aの構成例を示す図である。
図2では、照明装置4Aを一例として説明する。
【0028】
照明装置4Aは、第1受電部10と、第2受電部11と、電流バランス部12と、DC/DCコンバータ13と、L3スイッチ14と、電力制御部15と、照明電源16と、照明部17と、第1再構成部18と、第2再構成部19と、カメラ部20とを有する。
【0029】
第1受電部10は、一次側に供給される電力を受電する。例えば、第1受電部10は、一次側に接続された通信ケーブル7bから電力(直流電力)を受電する。第1受電部10は、一次側に接続された通信ケーブル7bから供給される電力、および信号を電力線と信号線とに分岐させて二次側に出力する。第1受電部10から分岐された電力線は、電流バランス部12に接続される。第1受電部10から分岐された信号線は、L3スイッチ14に接続される。
【0030】
第2受電部11は、一次側に供給される電力を受電する。例えば、第2受電部11は、系統電源から電力(交流電力)を受電する。第2受電部11は、例えば、AC/DCコンバータであり、交流電力を直流電力に変換し、直流電力の電力線を二次側に出力する。第2受電部11から出力される電力線は、電流バランス部12に接続される。なお、第2受電部11は、通信ケーブルを介して電力を受電してもよい。
【0031】
なお、
図2では、照明装置4Aは、2つの受電部10、11を有する一例を示したが、これに限られず、例えば、3つ以上の受電部を有してもよい。また、照明装置4Aは、第2受電部11を有さずに、第1受電部10のみを有してもよい。
【0032】
電流バランス部12は、第1受電部10、および第2受電部11から出力される電流同士をバランスさせる。電流バランス部12は、第1受電部10、および第2受電部11からの電力同士を加えて、二次側から電力を、照明電源16、およびDC/DCコンバータ13に出力する。
【0033】
DC/DCコンバータ13は、電流バランス部12から出力される電力(直流電力)をL3スイッチ14、および電力制御部15に適した電力(直流電力)に変換し、L3スイッチ14、および電力制御部15に出力する。例えば、DC/DCコンバータ13は、電流バランス部12から出力される電力を降圧させて、L3スイッチ14、および電力制御部15に出力する。
【0034】
L3スイッチ14は、信号線によって送信される制御信号を、指定されたIPアドレスに基づいて転送する。L3スイッチ14は、IPアドレスを用いて、信号線を、電力制御部15、第1再構成部18、および第2再構成部19に接続させることができる。
【0035】
電力制御部15は、IPアドレスが割り当てられており、割り当てられたIPアドレスが指定された制御信号を受信し、制御信号に基づいて照明電源16を制御する。電力制御部15は、制御信号に基づいて照明部17をONまたはOFFに切り替える。また、照明部17が、制御信号によって照明態様を変化させるような構成である場合、電力制御部15は、例えば、照明部17へのPWM(Pulse Width Modulation)波形の電流を入力して照明部17における調光率などを変更する。ここで、照明態様とは、例えば、照明部17における調光率、照度、点滅などを含む概念である。
【0036】
なお、電力制御部15は、通信部を有し、通信部を介した無線通信によって照明電源16を制御する制御信号を受信可能であってもよい。
【0037】
照明部17は、照明電源16を介して電力が供給されて点灯する。例えば、照明部17は、LED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子を有する光源である。なお、照明部17は、電力の供給のみが行われて点灯する構成であってもよいし、照明態様を変化させるような構成であってもよい。
【0038】
第1再構成部18は、第1受電部10によって分岐された信号線と電力線とを再度重畳させて電力および信号をカメラ部20に出力する。具体的には、第1再構成部18は、通信ケーブル22を介してカメラ部20に接続される。
【0039】
カメラ部20は、撮影機能を有する。カメラ部20は、例えば、レンズや撮像素子を有し、照明装置4の周囲の所定範囲を撮影することができる。カメラ部20には、IPアドレスが割り当てられており、割り当てられたIPアドレスが指定された制御信号を受信し、制御信号に基づいて撮影を行う。また、カメラ部20は、撮影した画像に関する画像情報を、通信ケーブル22、第1再構成部18、L3スイッチ14、第1受電部10、通信ケーブル7b、給電装置3、および信号線6(
図1参照)を介して管理装置2(
図1参照)へ送信することができる。
【0040】
第2再構成部19は、第1受電部10によって分岐された信号線と電力線とを再度重畳させて電力および信号を、後段の照明装置4Bに出力する。具体的には、第2再構成部19は、通信ケーブル7cを介して照明装置4Bに接続される。第2再構成部19は、例えば、通信ケーブル7cによって後段の照明装置4Bの第1受電部10に接続される。
【0041】
照明装置4B、4Cの構成は、上記した照明装置4Aの構成と同様であり、詳しい説明は省略する。照明装置4Bの第2再構成部19は、通信ケーブル7dを介して照明装置4Cの第1受電部10に接続される。複数の照明装置4A~4Cうち少なくとも1つは、第2受電部11、および電流バランス部12を有さない構成であってもよい。
【0042】
次に、
図3を用いて、実施形態に係る操作装置5について説明する。
図3は、実施形態に係る操作装置5の構成例を示す図である。
【0043】
操作装置5は、対象装置である照明装置4AをONまたはOFFに切り替え可能なスイッチである。操作装置5は、例えば、管理装置2よりも照明装置4Aの近傍に設けられる。操作装置5は、照明装置4Aが設けられる天井に接続する壁などに設けられる。操作装置5は、受電部30と、DC/DCコンバータ31と、スイッチ部32と、通信部33と、記憶部34と、制御部35とを有する。
【0044】
受電部30は、一次側に供給される電力を受電する。例えば、受電部30は、一次側に接続された通信ケーブル7aから電力(直流電力)を受電する。受電部30は、一次側に接続された通信ケーブル7aから供給される電力、および信号を電力線と信号線とに分岐させて二次側に出力する。
【0045】
DC/DCコンバータ31は、受電部30から出力される電力を制御部35、および通信部33に適した電力に変換し、制御部35、および通信部33に出力する。例えば、DC/DCコンバータ31は、受電部30から出力される電力を降圧させて、制御部35、および通信部33に出力する。
【0046】
スイッチ部32は、照明装置4に対する操作を受け付ける。スイッチ部32は、照明装置4をONまたはOFFに切り替えるためのユーザの操作を受け付ける。ユーザによって操作された場合に、スイッチ部32は、ユーザの操作に対する操作信号を制御部35に出力する。なお、スイッチ部32は、照明装置4の照明態様を変更する操作を受け付けてもよい。スイッチ部32は、他の構成、例えば、制御部35や、受電部30などから離れた箇所に設けられてもよい。すなわち、操作装置5は、スイッチ部32と、他の構成とを別体として設けてもよい。
【0047】
通信部33は、制御部35によって出力される照明装置4の制御信号を無線通信によって照明装置4に出力可能である。なお、操作装置5は、通信部33を有さない構成であってもよい。
【0048】
記憶部34は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部34は、各種プログラムを記憶する。記憶部34は、操作装置5が操作可能な照明装置4Aに割り当てられたIPアドレスを記憶する。
【0049】
記憶部34は、操作装置5に割り当てられたIPアドレスを記憶する。記憶部34は、スイッチ部32の操作履歴を記憶する。記憶部34は、照明装置4Aの状態、例えば、ON/OFF状態を記憶してもよい。記憶部34は、スイッチ部32の操作履歴、および照明装置4Aの状態の少なくとも一方を記憶する。
【0050】
制御部35は、コントローラであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部メモリに記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部35は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。
【0051】
制御部35は、受信部40と、判定部41と、生成部42と、送信部43とを有する。
【0052】
受信部40は、スイッチ部32から出力されたスイッチ部32に対するユーザの操作信号を受信する。受信部40は、管理装置2によって照明装置4Aの状態、例えば、ON/OFF状態が変更された場合に、照明装置4Aの制御信号を受信する。受信部40は、管理装置2から、照明装置4Aに割り当てられたIPアドレスを受信する。操作装置5に割り当てられたIPアドレスが指定された信号を受信する。
【0053】
判定部41は、受信部40によって操作信号が受信されたか否かを判定する。判定部41は、記憶部34に記憶されている照明装置4Aの状態に応じてスイッチ部32におけるユーザの操作が照明装置4AをON状態にするON操作であるか、照明装置4AをOFF状態にするOFF操作であるか否かを判定する。判定部41は、記憶部34に記憶された照明装置4Aの状態がOFF状態であり、ユーザによってスイッチ部32が操作された場合には、ユーザの操作がON操作であると判定する。判定部41は、記憶部34に記憶された照明装置4Aの状態がON状態であり、ユーザによってスイッチ部32が操作された場合には、ユーザの操作がOFF操作であると判定する。
【0054】
生成部42は、受信部40によって操作信号が受信された場合に、判定部41による判定結果に基づいて、操作信号に対する照明装置4Aの制御信号を生成する。生成部42は、ユーザの操作がON操作である場合には、照明装置4AをON状態にする制御信号(以下、「ON信号」と称する場合がある。)を生成する。生成部42は、ユーザの操作がOFF操作である場合には、照明装置4AをOFF状態にする制御信号(以下、「OFF信号」と称する場合がある。)を生成する。生成部42は、照明装置4AのIPアドレスを指定した制御信号を生成する。
【0055】
送信部43は、生成部42によって生成された制御信号を、受電部30を介して照明装置4Aに送信する。具体的には、制御信号は、受電部30、通信ケーブル7a、給電装置3、通信ケーブル7bを介して照明装置4Aに出力される。
【0056】
送信部43は、判定部41による判定結果に基づいて記憶部34に記憶されている照明装置4Aの状態を更新する。ユーザの操作がON操作である場合には、記憶部34に記憶されている照明装置4Aの状態がOFF状態からON状態に変更される。ユーザの操作がOFF操作である場合には、記憶部34に記憶されている照明装置4Aの状態がON状態からOFF状態に変更される。
【0057】
なお、受信部40によって管理装置2から照明装置4Aの状態に関する信号を受信した場合には、同様に、記憶部34に記憶されている照明装置4Aの状態が更新される。
【0058】
次に、
図4を用いて、実施形態に係る操作処理について説明する。
図4は、実施形態に係る操作処理を説明するフローチャートである。
【0059】
制御部35は、ユーザによってスイッチ部32が操作されたか否かを判定する(S100)。具体器には、制御部35は、操作信号を受信したか否かを判定する。制御部35は、ユーザによってスイッチ部32が操作されていない場合には(S100:No)、今回の処理を終了する。
【0060】
制御部35は、ユーザによってスイッチ部32がされた場合には(S100:Yes)、ユーザによる操作がON操作であるか否かを判定する(S101)。制御部35は、ユーザによる操作がON操作である場合には(S101:Yes)、ON信号を生成し(S102)、ON信号を照明装置4Aに出力する(S103)。制御部35は、通信ケーブル7aなどを介してON信号を照明装置4Aに出力する。
【0061】
制御部35は、ユーザによる操作がOFF操作である場合には(S101:No)、OFF信号を生成し(S104)、OFF信号を照明装置4Aに出力する(S105)。制御部35は、通信ケーブル7aなどを介してOFF信号を照明装置4Aに出力する。
【0062】
制御部35は、ユーザによる操作の判定結果に基づいて照明装置4Aの状態を記憶させる(S106)。すなわち、制御部35は、記憶部34に記憶されている照明装置4Aの状態を、ユーザによる操作の判定結果に基づいて更新する。
【0063】
操作装置5は、所定規格の電力を供給可能であり、かつ信号を送受信可能な通信ケーブル7aを介して照明装置4Aに接続される。また、操作装置5は、スイッチ部32と、記憶部34と、制御部35とを具備する。スイッチ部32は、照明装置4Aに対する操作を受け付ける。記憶部34は、照明装置4AのIPアドレスを記憶する。制御部35は、スイッチ部32が操作された場合に、IPアドレスを指定した制御信号を出力する。
【0064】
これにより、操作装置5は、照明装置4Aを管理する管理装置2とは別の場所から照明装置4Aを制御することができる。例えば、管理装置2が照明装置4Aから離れた管理室に設けられている場合であっても、管理装置2よりも照明装置4Aに近い場所から操作装置5によって照明装置4Aを制御することができる。そのため、ユーザは、照明装置4Aの操作を容易に行うことができる。
【0065】
また、操作装置5を施工する際に、電気工事士の施工が不要となり、工事コストを削減することができ、操作装置5の拡張が容易となる。
【0066】
また、操作装置5は、照明装置4Aに対するユーザの操作のみを受け付け、例えば、照明装置4Aのカメラ部20によって撮影された画像に関する画像情報を受信することはできない。そのため、通信ケーブル7aを用いて、操作装置5と照明装置4Aとを接続した場合であっても、カメラ部20によって撮影された画像に関する画像情報が不当に取得されることを抑制することができる。
【0067】
操作装置5は、スイッチ部32が操作された場合に、照明装置4AをONまたはOFFに切り替える制御信号を出力する。
【0068】
これにより、ユーザは、照明装置4AをONまたはOFFに切り替える場合に、例えば、管理装置2を介さずに操作装置5によって照明装置4AをONまたはOFFに切り替えることができる。
【0069】
記憶部34は、スイッチ部32の操作履歴、および照明装置4AのON/OFF状態の少なくとも一方を記憶する。
【0070】
これにより、スイッチ部32の操作履歴や、照明装置4Aの点灯および消灯に関するデータが蓄積される。蓄積されたデータは、省エネルギーの効果検証などに用いることができる。
【0071】
操作装置5は、受信部40を具備する。受信部40は、通信ケーブル7aを介して接続される管理装置2からIPアドレスの指定を受け付ける。
【0072】
これにより、管理装置2によって操作装置5の設定を容易に行うことができる。また、管理装置2によって、操作装置5と照明装置4Aとの設定を変更することができる。
【0073】
変形例に係る照明システム1は、
図5に示すように、1つの照明装置4Aに対して、複数の操作装置5a、5bが対応するものであってよい。
図5は、変形例に係る照明システム1の構成例を示す図である。複数の操作装置5a、5bは、例えば、2つの操作装置5a、5bによって1つの照明装置4Aを操作することができる3路スイッチである。
【0074】
例えば、一方の操作装置5aがユーザによって操作された場合に、操作装置5aは、他方の操作装置5bのIPアドレスを指定して制御信号を出力する。他方の操作装置5bは、一方の操作装置5aから出力された制御信号を、通信ケーブル7a、給電装置3、および通信ケーブル7eを介して受信し、記憶部34に記憶されている照明装置4Aの状態を更新する。
【0075】
これにより、複数の操作装置5a、5bは、1つの照明装置4Aの状態を正確に記憶することができ、1つの照明装置4Aを操作することができる。
【0076】
変形例に係る照明システム1は、ユーザの端末装置による操作を操作装置5が受信し、照明装置4Aを操作可能であってもよい。例えば、操作装置5は、端末装置から通信部33を介して操作信号を受信部40によって受信する。そして、操作装置5は、受信した操作信号に基づいて照明装置4Aの制御信号を出力する。
【0077】
変形例に係る照明システム1は、ユーザの端末装置の位置情報に基づいて操作装置5から照明装置4Aの制御信号を出力してもよい。例えば、変形例に係る照明システム1は、操作装置5に対するユーザの端末装置の距離に基づいて、照明装置4の制御信号を出力してもよい。例えば、操作装置5に対する端末装置の距離が所定距離以下になると、操作装置5は、ON信号を出力する。また、例えば、操作装置5に対する端末装置の距離が所定距離よりも長くなると、操作装置5は、OFF信号を出力する。
【0078】
変形例に係る照明システム1は、操作装置5によってカメラ部20を制御してもよい。すなわち、対象装置は、カメラ部20であってもよい。
【0079】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0080】
1 照明システム
2 管理装置
3 給電装置
4 照明装置
5 操作装置
7a~7e 通信ケーブル
30 受電部
32 スイッチ部
33 通信部
34 記憶部
35 制御部
40 受信部
41 判定部
42 生成部
43 送信部