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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20240116BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240116BHJP
   G06F 40/174 20200101ALI20240116BHJP
【FI】
H04N1/387 110
H04N1/00 E
H04N1/00 350
G06F40/174
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020069858
(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公開番号】P2021166365
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】スターラ・ジェーン・ファートン
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-011587(JP,A)
【文献】特開2019-068323(JP,A)
【文献】特開2015-227013(JP,A)
【文献】特開2018-045402(JP,A)
【文献】特開2019-079488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/38 - 1/393
H04N 1/00
G06V 30/14
G06V 30/14 -30/168
30/224
30/40 -30/416
G06F 40/00 -40/197
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
ユーザーにより操作される操作部と、
原稿画像を解析して、当該原稿画像に含まれる各項目及び各項目に対応付けられた各記入欄を検出し、当該原稿画像を前記表示部に表示させ、前記操作部の操作により指定された、当該原稿画像に含まれる前記項目に対応付けられた記入欄の文字列を抽出し、予め定められたドキュメントに含まれる項目に、当該抽出した文字列を挿入する制御部と、を備える画像処理装置。
【請求項2】
データを記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記解析により、前記原稿画像に含まれる各項目とそのサイズ及び位置、更に当該各項目に対応付けられた記入欄とそのサイズ及び位置を検出し、検出した当該各項目とそのサイズ及び位置と、更に当該各項目に対応付けられた記入欄とそのサイズ及び位置とを示すデータからなるレイアウトデータを生成し、前記記憶部に記憶させる請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記原稿画像から、前記記憶部に記憶されているレイアウトデータが示す項目及び当該項目に対応付けられた記入欄を検出し、当該検出した項目に対応付けられた記入欄の文字列を抽出して、当該抽出した文字列を、当該レイアウトデータに対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記ドキュメントに含まれる項目であって、前記検出された項目の文字列と同一の文字列を有する項目に対応付けられた記入欄の文字列として前記ドキュメントに挿入する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記原稿画像を解析して前記項目及びこれに対応付けられた記入欄を検出し、前記項目を示す文字列を認識して、この文字列に一致する文字列を有する項目を、ユーザーによる前記操作部の操作で指定された、前記記憶部に記憶されているドキュメントから検索し、当該検索した項目に対応付けられている記入欄の文字列を当該ドキュメントから読み取って、この読み取った文字列を示す文字列画像を生成して、当該文字列画像を、前記原稿画像における、前記文字列が一致する項目に対応付けられている記入欄内に合成する、請求項2又は請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置と、
記録媒体に画像を形成する画像形成部とを備え、
前記制御部が、前記合成を行った前記原稿画像を、前記画像形成部により画像形成させる画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像形成装置に関し、特に、原稿上の画像から必要な文字列を抽出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置では、画像読取部により原稿の画像を読取って、画像形成部により原稿の画像を記録紙に形成するものがある。また、特許文献1に記載の画像処理装置では、原稿の画像に対するマークの記入領域の設定を受け付け、このマークの記入領域に対してマーク認識処理を施して、このマーク認識処理の結果を示すオブジェクト(例えばマークの記入領域と同じサイズの矩形で透明色の領域)を生成し、この生成されたオブジェクトをそのマークの記入領域に重ね合わせて表示させている。これにより、ユーザーが記入したマークの確認作業が軽減されると共に、オペレータによる訂正作業が容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-012223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、原稿に記載されている内容として、項目名(例えば氏名や住所)が記入された項目欄とその項目名に対応する具体的な内容が記入される記入欄とを並設したレイアウトのものがある。このような原稿の多くは、記入欄に記入されている具体的な内容を認識して抽出する作業を人手に頼っているために長い時間を要する。このため、そのような作業の自動化が望まれている。
【0005】
上記特許文献1では、マークの記入領域に対してマーク認識処理を施して、このマーク認識処理の結果を示すオブジェクトをそのマークの記入領域に重ね合わせて表示させることにより、マークの確認作業が軽減されるようにしているが、上記のような記入欄に記入されている文字列を組み入れた他のドキュメントを作成することはできない。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、原稿の画像に含まれる項目の記入欄に記載された文字列を組み入れた他のドキュメントを作成可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面にかかる画像処理装置は、表示部と、ユーザーにより操作される操作部と、原稿画像を解析して、当該原稿画像に含まれる各項目及び各項目に対応付けられた各記入欄を検出し、当該原稿画像を前記表示部に表示させ、前記操作部の操作により指定された、当該原稿画像に含まれる前記項目に対応付けられた記入欄の文字列を抽出し、予め定められたドキュメントに含まれる項目に、当該抽出した文字列を挿入する制御部と、を備えるものである。
【0008】
また、本発明の一局面にかかる画像形成装置は、上記画像処理装置と、記録媒体に画像を形成する画像形成部とを備え、前記制御部が、前記合成を行った前記原稿画像を、前記画像形成部により画像形成させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、原稿の画像に含まれる項目の記入欄に記載された文字列を組み入れた他のドキュメントを作成可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る画像処理装置の一実施形態である画像形成装置を示す断面図である。
図2】画像形成装置の主要内部構成を示す機能ブロック図である。
図3】原稿に記載されている画像のレイアウトを例示する図である。
図4】文字列抽出モード実行時の処理を示すフローチャートである。
図5】原稿画像のレイアウトが新規又は既存のいずれかを指示するための選択画面を示す図である。
図6】表示部に表示された原稿画像を示す図である。
図7】表示部に表示された原稿画像における項目及び記入欄をハイライト表示した状態を示す図である。
図8】文字列の保存、レイアウトの保存、及び、文字列とレイアウトの保存、のいずれかを選択して指示するための別の選択画面を示す図である。
図9】(A)はCSVファイルを例示する図であり、(B)は更新されたCSVファイルを例示する図である。
図10】レイアウトデータが示す情報に基づいて構成した各項目及び記入欄の配置を概念的に示す図である。
図11】表示部に表示された、異なるレイアウトからなる原稿画像を示す図ある。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態にかかる画像処理装置を適用した画像形成装置を示す断面図である。図1に示すように本実施形態の画像形成装置10は、例えばコピー機能、プリンター機能、ファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えたMFP(複合機)である。この画像形成装置10は、画像読取部11と、画像形成部12とを備えている。
【0013】
画像読取部11は、原稿MSの画像を光学的に読み取る撮像素子を有しており、この撮像素子のアナログ出力がデジタル信号に変換されて、原稿MSの画像を示す画像データが生成される。
【0014】
画像形成部12は、上記画像データによって示される画像を記録紙に形成するものであり、マゼンタ用の画像形成ユニット3M、シアン用の画像形成ユニット3C、イエロー用の画像形成ユニット3Y、及びブラック用の画像形成ユニット3Bkを備えている。各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkのいずれにおいても、感光体ドラム4の表面を均一帯電させ、感光体ドラム4の表面を露光して、感光体ドラム4の表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム4の表面の静電潜像をトナー像に現像して、感光体ドラム4の表面のトナー像を中間転写ベルト5に1次転写する。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト5上に形成される。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト5と2次転写ローラー6の間のニップ域Nにおいて給紙部14から搬送路8を通じて搬送されてきた記録紙Pに2次転写される。
【0015】
この後、定着装置15で記録紙Pが加熱及び加圧されて、記録紙P上のトナー像が熱圧着により定着され、更に記録紙Pが排出ローラー16を通じて排出トレイ17に排出される。
【0016】
次に、図2は、本実施形態の画像形成装置10の主要内部構成を示すブロック図である。図2に示すように本実施形態の画像形成装置10は、画像読取部11と、画像形成部12と、表示部21と、操作部22と、タッチパネル23と、ネットワーク通信部(NW通信部)25と、画像メモリー27と、記憶部28と、制御ユニット29とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0017】
表示部21は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどから構成される。
【0018】
操作部22は、テンキー、決定キー、スタートキーなどの物理キーを備え、当該各キーのユーザーによる操作に基づいて各種の指示を受け付ける。
【0019】
表示部21の画面には、タッチパネル23が配置されている。タッチパネル23は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルであって、タッチパネル23に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置とともに検知して、その接触位置の座標を示す検知信号を制御ユニット29の後述する制御部31などに出力する。このタッチパネル23は、操作部22と共に表示部21の画面に対するユーザー操作が入力される操作部としての役割を果たす。
【0020】
画像メモリー27には、画像読取部11により読取られた原稿MSの画像を示す画像データが記憶される。
【0021】
記憶部28は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0022】
制御ユニット29は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット29は、上記のROM又は記憶部28に記憶された制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部31として機能する。
【0023】
制御ユニット29は、画像形成装置10を統括的に制御する。制御ユニット29は、画像読取部11、画像形成部12、表示部21、操作部22、タッチパネル23、ネットワーク通信部25、画像メモリー27、及び記憶部28などと接続されており、これらの構成要素の動作制御や、該各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0024】
制御部31は、画像形成装置10による画像形成に必要な各種の処理などを実行する処理部としての役割を果たす。また、制御部31は、タッチパネル23から出力される検知信号あるいは操作部22の物理キーの操作に基づき、ユーザーにより入力された操作指示を受け付ける。更に、制御部31は、表示部21の表示動作を制御する機能、ネットワーク通信部25の通信動作を制御する機能を有する。また、制御部31は、画像メモリー27に記憶されている画像データに対して処理を施す。
【0025】
このような構成の画像形成装置10において、例えば、ユーザーが、原稿MSを画像読取部11にセットし、操作部22を操作して、コピージョブの実行指示を入力すると、制御部31は、操作部22に受け付けられた当該実行指示に従って、画像読取部11により原稿MSの画像を読取らせる。更に、制御部31は、この画像を示す画像データを画像メモリー27に一旦記憶させ、この画像データを画像形成部12に入力させて、この画像データによって示される画像を画像形成部12により記録紙に印刷させる。
【0026】
また、画像形成装置10では、文字列抽出モードを備えている。制御部31は、操作部22に入力されたユーザーからのモード設定指示に従って、画像形成装置10を当該文字列抽出モードに設定する。画像形成装置10が文字列抽出モードに設定されたとき、制御部31は、画像読取部11による原稿の読取で得られた原稿画像に基づいて、当該原稿画像を構成する文字画像及び罫線画像等に基づいて、各項目及びその記入欄を検出して、当該項目の記入欄に含まれる文字列を抽出し、他のドキュメントにおいて含まれる項目に、当該抽出した文字列を挿入する処理を行う。
【0027】
文字列抽出モードの実行時に、例えば、図3に示すような原稿MS上に形成されている原稿画像D1が画像読取部11により読み取られる場合を説明する。この図3に示す原稿画像D1は、項目名(例えば氏名や住所)が記入される各項目ICと、その項目に対応する具体的な内容が記入されるそれぞれの記入欄ECとを並設したレイアウト(文書構成)を有する。制御部31は、既知のOCR技術等を用いて原稿画像D1の構成を解析して、各項目ICと各記入欄ECを判定する。例えば、制御部31は、原稿画像D1と、OCR技術により原稿画像D1がキャラクター化されてなる文字列とから、予め定められた項目名としての文字列、例えば、「申請年月日」、「氏名」、「性別」、「年齢」、「住所」、又は「電話番号」等と、当該項目名としての文字列が罫線で囲まれた領域とを項目ICとして判定する。また、制御部31は、項目ICに隣接して罫線で囲まれた例えば矩形領域を当該項目ICに対応付けられた記入欄ECとして判定する。制御部31は、原稿画像D1を表示部21の画面に表示させる。
【0028】
続いて、制御部31は、ユーザーによる表示部21の表示画面へのタッチ操作によりタッチパネル23を介して入力された指示により指定された、当該表示画面上の原稿画像D1における各項目ICに対応付けられている各記入欄EC内の位置に記載されているそれぞれの文字列を抽出する。なお、制御部31は、異なるレイアウトを有する別の原稿が画像読取部11により読み取られた場合も、この読取で得られた原稿画像に基づいて、同様に、ユーザーにより指定された記入欄ECに記載されている文字列を抽出する。
【0029】
次に、そのような文字列抽出モード実行時の処理を図4に示すフローチャートなどを参照して詳しく説明する。
【0030】
ユーザーが、例えば表示部21の画面に表示されているGUI(例えば初期設定画面)に対する操作によりタッチパネル23を介して文字列抽出モードの設定指示を入力すると、制御部31は、当該設定指示に応じて、文字列抽出モードを設定する(S101)。そして、制御部31は、図5に例を示すような選択画面G1を表示部21に表示させる(S102)。この図5に示す選択画面G1には、原稿のレイアウトが新規のものであることを示す情報を入力するための新規キーK11、及び原稿のレイアウトが新規のものでなく既存のものであることを示す情報を入力するための既存キーK12が配置されている。
【0031】
ユーザーが、選択画面G1における新規キーK11又は既存キーK12のいずれかに対してタッチ操作すると、制御部31は、タッチ操作された方のキーに対応して入力される情報に基づいて、原稿のレイアウトが新規のものか又は既存のものであるかの選択を受け付ける(S103)。
【0032】
続いて、ユーザーは、原稿MSを画像読取部11にセットして、操作部22のスタートキーを操作する。制御部31は、当該スタートキーの操作により入力される文字列抽出指示に従って、原稿MSを画像読取部11により読み取らせ、当該読取で得られた原稿画像を表示部21の画面に表示させる(S104)。例えば、図6に例を示すように原稿画像D1が表示部21の画面に表示される。制御部31は、当該原稿画像を画像メモリー27に記憶させる(S105)。
【0033】
図6に示す表示部21の画面に、制御部31は、原稿画像D1の他に、OKキーK21、及び終了キーK22を表示させる。なお、表示部21の画面に原稿画像D1の全体を表示できない場合は、制御部31は、タッチパネル23を介して入力される、表示部21の画面に対するスワイプ操作などに応じて、表示部21の画面上で原稿画像D1をスクロール表示させる。
【0034】
例えば、制御部31は、S103で原稿のレイアウトを新規のものとして指定を受け付けた場合(S106「新規」)、既知のOCR(Optical Character Recognition)技術等により、画像メモリー27内の上記原稿画像のレイアウトを解析して、原稿画像において各項目IC及びそのサイズと位置、更に、各項目ICに対応するそれぞれの記入欄EC及びそのサイズと位置を検出する(S107)。
【0035】
ここで、ユーザーが、表示部21の画面上で各項目ICのうち任意の項目ICに対してタッチ操作し、更にOKキーK21にタッチ操作したものとする。制御部31は、上記各タッチ操作に基づいてタッチパネル23に入力される指示に基づいて、タッチ操作された項目IC、及び当該項目ICに隣接する記入欄ECを当該項目ICに対応付けられた記入欄ECとして、上記検出したサイズ及び位置に基づいて検出し、表示部21の画面上で当該検出した項目ICを強調表示(例えばイエローでハイライト表示)させると共に、その検出した記入欄ECを強調表示(例えばブルーでハイライト表示)させる(S108)。制御部31は、上記タッチ操作に基づいて複数の項目IC及びこれに対応付けられた記入欄ECを検出した場合は、検出した全ての項目IC及び記入欄ECについて強調表示させる。
【0036】
更に、制御部31は、上記のように検出された各項目ICのサイズと位置、該選択した項目ICの項目名、及び、当該各項目ICに対応付けられたそれぞれの記入欄ECのサイズと位置を示すレイアウトデータを生成する(S109)。
【0037】
また、ユーザーが図7に示す表示画面に表示されている終了キーK22にタッチ操作すると、制御部31は、タッチパネル23を通じて、データを保存する方法を選択するための選択画面の表示指示を受け付け、図8に例を示すような選択画面G2を表示部21に表示させる(S110)。この図8に示す選択画面G2に、制御部31は、S108で検出された各項目IC及び対応付けられた各記入欄ECに記載されている文字列を抽出して保存する文字列保存指示を入力するための文字列保存キーK31、S109で生成したレイアウトデータを保存するレイアウトデータ保存指示を入力するためのレイアウト保存キーK32、当該文字列保存指示及び当該レイアウトデータ保存指示の両方を入力するための文字列レイアウト保存キーK33を表示させる。
【0038】
例えば、ユーザーが図8に示す選択画面G2における文字列保存キーK31にタッチ操作すると、制御部31は、タッチパネル23を通じて、文字列保存指示を受け付け(S111「文字列」)、S109でレイアウトデータとして取得した各項目ICのサイズと位置及びこれに対応付けられたそれぞれの記入欄ECのサイズと位置に基づき、S108で検出した各項目IC及びこれらに対応付けられた各記入欄ECを判定し、当該各記入欄ECに記入されているそれぞれの文字列を、原稿画像D1から抽出して、これらの文字列を含むドキュメント、例えばCSVファイル(ワードプロセッサー用形式のファイル、又は表計算ソフト用形式のファイル等、更新可能なタッチパネルの形式のファイルでもよい)を作成し、S109で生成したレイアウトデータに対応付けて、このCSVファイルを記憶部28に保存させる(S112)。
【0039】
図9(A)は、CSVファイルを例示する図である。この図9(A)に示すCSVファイルにおいて、第1行には、S108で検出した各項目ICを示す文字列(項目名)、例としてここでは「申請年月日」、「氏名」、「性別」、「年齢」、「住所」、「電話番号」が「,」で区切られて順次配列される。また、第2行には、該各項目ICに対応付けられているそれぞれの記入欄ECに記載された文字列、ここでは「令和元年1月1日」、「○○○太郎」、「男」、「30」、「大阪府△△△」、「*******」が「,」で区切られて、対応する項目と同じ配列で順次配列される。
【0040】
また、ユーザーが図8に示す選択画面G2におけるレイアウト保存キーK32にタッチ操作して、制御部31が、タッチパネル23を通じて、S109で生成したレイアウトデータを保存するレイアウトデータ保存指示を受け付けると(S111「レイアウト」)、制御部31は、S109で生成したレイアウトデータを記憶部28に保存させる(S113)。
【0041】
上述のようにレイアウトデータは、原稿画像D1におけるS108で選択された各項目ICのサイズと位置、該選択された各項目ICの項目名、及びS108で選択された各記入欄ECのサイズと位置を示すが、例えば、原稿画像D1についてのレイアウトデータが示す情報に基づいて構成した各項目及び記入欄の配置は、図10に示すものとなる。
【0042】
また、ユーザーが、図8に示す選択画面G2における文字列レイアウト保存キーK33にタッチ操作すると、制御部31は、タッチパネル23を通じて、上記文字列保存指示及び上記レイアウトデータ保存指示の両方を受け付ける(S111「両者」)。制御部31は、S112と同様に、各項目IC及び対応付けられた各記入欄ECに記入されているそれぞれの文字列から上記のようなCSVファイルを作成して、このCSVファイルを記憶部28に保存させると共に、S113と同様にレイアウトデータを記憶部28に保存させる(S114)。
【0043】
一方、S106において、制御部31は、S102で図5に示す選択画面G1における既存キーK12がタッチ操作された場合(S106「既存」)、S104で画像読取部11により読み取られて画像メモリー27に記憶された原稿画像D1を既知のOCR技術等により解析し、記憶部28に記憶されている既存のレイアウトデータであって、ユーザーによる操作部22の操作で指定されたレイアウトデータに基づいて、原稿画像D1から、各項目IC及び対応付けられた各記入欄ECを検出する(S115)。そして、制御部31は、当該各記入欄ECに記載されているそれぞれの文字列を抽出し、当該レイアウトデータに対応付けられたCSVファイルに含まれる対応する各項目にそれぞれの各文字列を書き込んで、当該CSVファイルを更新する(S116)。
【0044】
これにより、記憶部28に複数のレイアウトデータが記憶されている場合に、いずれかのレイアウトデータAが示す各項目のサイズと位置及び該各記入欄のサイズと位置に一致する、各項目のサイズと位置及び該各記入欄のサイズと位置を有する原稿MSの原稿画像における各項目に対応付けられた各記入欄の文字列を、当該レイアウトデータAに対応付けられたCSVファイルに、迅速に追加して更新することができる。
【0045】
例えば、図9(B)に示すように第3行に、制御部31は、原稿画像D1と同一レイアウトを有する別原稿の原稿画像における各記入欄ECの「令和元年2月2日」、「○○○花子」、「女」、「27」、「京都府×××」、「*******」を追加して、対応する各項目の順に順次配列して更新する。
【0046】
このように本実施形態では、文字列抽出モードが設定された状態で、原稿MSの原稿画像が画像読取部11により読み取られ、当該原稿画像の各項目ICと各記入欄ECが判定されると共に、当該原稿画像が表示部21の画面に表示され、ユーザーにより指定された、当該原稿画像における各項目ICに対応付けられている記入欄ECに記載されているそれぞれの文字列が抽出され、予め定められたドキュメントとしてのCSVファイルに含まれる各項目に、上記抽出したそれぞれの対応文字列が挿入される。
【0047】
また、別の実施形態として、S106で「既存」となり、制御部31が、記憶部28に記憶されている既存のレイアウトデータAを用いて原稿MSの原稿画像から各項目IC及び対応付けられた各記入欄ECを検出する場合、これに代えて、制御部31は、原稿MSの原稿画像を解析して各項目及び対応付けられた各記入欄、更に当該各項目の文字列を検出し、当該各項目及び各記入欄のサイズ及び位置に関係なく、当該検出した項目を示す文字列が、レイアウトデータAに含まれる項目を示す文字列に一致する場合、レイアウトデータAに対応付けられたCSVファイルに記憶されている当該項目に対応する文字列として、上記原稿画像から検出された上記項目ICに対応付けられた記入欄ECに記載された文字列を、CSVファイルに挿入して更新するようにしてもよい。この場合、制御部31は、CSVファイルに、図9(B)に示しように新たな行を作成して、当該文字列の挿入及び更新を行う。
【0048】
更に別の実施形態として、CSVファイルに項目IC毎に書き込まれている文字列を、当該CSVファイルに対応付けられたレイアウトデータが示すレイアウトとは異なる別のレイアウトからなる原稿画像に書き込むことも可能である。例えば、図11に示すような別のレイアウトの原稿の原稿画像D2が画像読取部11により読取られて画像メモリー27に記憶されたものとする。この原稿画像D2は、「申請年月日」、「氏名」、「性別」、「年齢」、「電話番号」が項目名して記入された各項目ICと、該各項目に対応するそれぞれの具体的な内容が記入される各記入欄ECとを並設したレイアウトを有している。
【0049】
制御部31は、原稿画像D2のレイアウトを解析して、各項目ICと各記入欄ECを検出し、各項目IC別に項目ICの文字列を認識して、この文字列に一致する文字列を有する項目を、ユーザーによる操作部22の操作で指定された、記憶部28に記憶されているCSVファイルから検索し、この検索した項目についての文字列を読み取って、この読み取った文字列を示す文字列画像を生成し、当該文字列画像を、原稿画像D2における、文字列が一致する項目ICに対応付けられている記入欄EC内に合成する。制御部31は、当該原稿画像D2を、記憶部28に記憶させる、又は、画像形成部12により記録紙P上に画像形成させる。これにより、例えば、原稿画像D1の記入欄ECの文字列を、CSVファイルを介して、原稿画像D2に転載することが可能になる。
【0050】
なお、上記実施形態では、制御部31による上記解析の対象とする原稿画像を、画像読取部11による原稿MSの読取で取得しているが、ドキュメントを図略のUSBインターフェイスを介してUSBメモリーから読み取る、又は、ネットワーク上のストレージからネットワーク通信部25を通じて受信する、等により取得してもよい。
【0051】
また、図1乃至図11を用いて説明した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0052】
10 画像形成装置
11 画像読取部
12 画像形成部
21 表示部
22 操作部
23 タッチパネル
25 ネットワーク通信部
27 画像メモリー
28 記憶部
29 制御ユニット
31 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11