(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240116BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 H
(21)【出願番号】P 2020139249
(22)【出願日】2020-08-20
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】野尻 祥太
(72)【発明者】
【氏名】白土 敏治
(72)【発明者】
【氏名】間根山 しおり
(72)【発明者】
【氏名】小島 一輝
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-233770(JP,A)
【文献】特開2008-9941(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0041819(US,A1)
【文献】特開2017-182588(JP,A)
【文献】国際公開第2019/098323(WO,A1)
【文献】特開2019-86784(JP,A)
【文献】特開2019-36826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
H04N 7/18
B60R 1/00 - 1/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両に搭載されたセンサによる検出結果に基づいて前記自車両の周囲の状況を示す周囲画像を生成し、運転者の視認可能な位置に設けられた表示領域に前記周囲画像を表示させるように構成された表示部(S102,S105,S202,S204,S207,S303,S306,S402,S404,S502,S504)と、
前記自車両の周囲において、障害物に遮蔽されることにより前記センサによって検出できない検出不能領域があるかを判定するように構成された領域判定部(S101)と、
を備え、
前記表示部は、前記領域判定部によって前記検出不能領域があると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示を前記周囲画像上に表示させ、
前記検出不能領域に進入することにより前記周囲画像上から消滅する車両の表示の消え方と、前記周囲画像の表示範囲外に出ることにより前記周囲画像上から消滅する車両の表示の消え方とを異ならせ、前記検出不能領域に進入することにより前記周囲画像上から消滅する前記車両の表示を、前記周囲画像の前記表示範囲外に出ることにより前記周囲画像上から消滅する前記車両の表示よりも長い時間をかけて消滅させる、
表示制御装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記検出不能領域から退出することにより前記周囲画像上に出現する車両の表示の現れ方と、前記周囲画像の表示範囲内に入ることにより前記周囲画像上に出現する車両の表示の現れ方とを異ならせる、請求項
1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記検出不能領域から退出することにより前記周囲画像上に出現する前記車両を、前記周囲画像の前記表示範囲内に入ることにより前記周囲画像上に出現する前記車両よりも長い時間をかけて出現させる、請求項
2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
自車両に搭載されたセンサによる検出結果に基づいて前記自車両の周囲の状況を示す周囲画像を生成し、運転者の視認可能な位置に設けられた表示領域に前記周囲画像を表示させるように構成された表示部(S102,S105,S202,S204,S207,S303,S306,S402,S404,S502,S504)と、
前記自車両の周囲において、障害物に遮蔽されることにより前記センサによって検出できない検出不能領域があるかを判定するように構成された領域判定部(S101)と、
を備え、
前記表示部は、前記領域判定部によって前記検出不能領域があると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示を前記周囲画像上に表示させ、
前記検出不能領域から退出することにより前記周囲画像上に出現する車両の表示の現れ方と、前記周囲画像の表示範囲内に入ることにより前記周囲画像上に出現する車両の表示の現れ方とを異ならせ、前記検出不能領域から退出することにより前記周囲画像上に出現する前記車両を、前記周囲画像の前記表示範囲内に入ることにより前記周囲画像上に出現する前記車両よりも長い時間をかけて出現させる、
表示制御装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記検出不能領域に進入することにより前記周囲画像上から消滅する車両の表示の消え方と、前記周囲画像の表示範囲外に出ることにより前記周囲画像上から消滅する車両の表示の消え方とを異ならせる、請求項
4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記検出不能領域に進入することにより前記周囲画像上から消滅する車両の表示が消滅するのにかかる時間を、前記検出不能領域から退出することにより前記周囲画像上に出現する車両の表示が出現するのにかかる時間よりも長くする、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
自車両に搭載されたセンサによる検出結果に基づいて前記自車両の周囲の状況を示す周囲画像を生成し、運転者の視認可能な位置に設けられた表示領域に前記周囲画像を表示させるように構成された表示部(S102,S105,S202,S204,S207,S303,S306,S402,S404,S502,S504)と、
前記自車両の周囲において、障害物に遮蔽されることにより前記センサによって検出できない検出不能領域があるかを判定するように構成された領域判定部(S101)と、
を備え、
前記表示部は、前記領域判定部によって前記検出不能領域があると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示を前記周囲画像上に表示させ、
前記検出不能領域に進入することにより前記周囲画像上から消滅する車両の表示が消滅するのにかかる時間を、前記検出不能領域から退出することにより前記周囲画像上に出現する車両の表示が出現するのにかかる時間よりも長くする、
表示制御装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記検出不能領域に進入することにより前記周囲画像上から消滅する車両の表示の消え方と、前記周囲画像の表示範囲外に出ることにより前記周囲画像上から消滅する車両の表示の消え方とを異ならせる、請求項
7に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記検出不能領域から退出することにより前記周囲画像上に出現する車両の表示の現れ方と、前記周囲画像の表示範囲内に入ることにより前記周囲画像上に出現する車両の表示の現れ方とを異ならせる、請求項
7又は請求項
8に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記自車両の車速が所定の車速閾値以下であるかを判定するように構成された車速判定
部(S301,S304)を更に備え、
前記表示部は、前記車速判定部によって前記自車両の車速が前記所定の車速閾値以下であると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示の表示態様を、前記自車両の車速が前記所定の車速閾値以下でない場合よりも目立たない表示態様に変更する、請求項1~請求項
9のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記自車両の車速が所定の車速閾値以下であるかを判定するように構成された車速判定部(S301,S304)を更に備え、
前記表示部は、前記車速判定部によって前記自車両の車速が前記所定の車速閾値以下であると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示を前記周囲画像上に表示させた後に前記領域判定部によって前記検出不能領域がないと判定されたことにより前記検出不能領域を示す表示が前記周囲画像上から消滅するまでの時間を、前記自車両の車速が前記所定の車速閾値以下でない場合よりも長くなるように変更する、請求項1~請求項
9のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項12】
自車両に搭載されたセンサによる検出結果に基づいて前記自車両の周囲の状況を示す周囲画像を生成し、運転者の視認可能な位置に設けられた表示領域に前記周囲画像を表示させるように構成された表示部(S102,S105,S202,S204,S207,S303,S306,S402,S404,S502,S504)と、
前記自車両の周囲において、障害物に遮蔽されることにより前記センサによって検出できない検出不能領域があるかを判定するように構成された領域判定部(S101)と、
前記自車両の車速が所定の車速閾値以下であるかを判定するように構成された車速判定部(S301,S304)と、
を備え、
前記表示部は、前記領域判定部によって前記検出不能領域があると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示を前記周囲画像上に表示させ、
前記車速判定部によって前記自車両の車速が前記所定の車速閾値以下であると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示を前記周囲画像上に表示させた後に前記領域判定部によって前記検出不能領域がないと判定されたことにより前記検出不能領域を示す表示が前記周囲画像上から消滅するまでの時間を、前記自車両の車速が前記所定の車速閾値以下でない場合よりも長くなるように変更する、
表示制御装置。
【請求項13】
前記表示部は、前記検出不能領域に進入することにより前記周囲画像上から消滅する車両の表示の消え方と、前記周囲画像の表示範囲外に出ることにより前記周囲画像上から消滅する車両の表示の消え方とを異ならせる、請求項
12に記載の表示制御装置。
【請求項14】
前記表示部は、前記検出不能領域から退出することにより前記周囲画像上に出現する車両の表示の現れ方と、前記周囲画像の表示範囲内に入ることにより前記周囲画像上に出現する車両の表示の現れ方とを異ならせる、請求項
12又は請求項
13に記載の表示制御装置。
【請求項15】
前記自車両の周囲における車両密度が所定の密度閾値以上であるかを判定するように構成された車両密度判定部(S302,S305)を更に備え、
前記表示部は、前記車両密度判定部によって前記車両密度が前記所定の密度閾値以上であると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示の表示態様を、前記車両密度が前記所定の密度閾値以上でない場合よりも目立たない表示態様に変更する、請求項1~請求項
14のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項16】
前記自車両の周囲における車両密度が所定の密度閾値以上であるかを判定するように構成された車両密度判定部(S302,S305)を更に備え、
前記表示部は、前記車両密度判定部によって前記車両密度が前記所定の密度閾値以上であると判定された場合に、前記検出不能領域を前記周囲画像上に表示させた後に前記領域判定部によって前記検出不能領域がないと判定されることにより前記検出不能領域を示す表示が前記周囲画像上から消滅するまでの時間を、前記車両密度が前記所定の密度閾値以上でない場合よりも長くなるように変更する、請求項1~請求項
14のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項17】
自車両に搭載されたセンサによる検出結果に基づいて前記自車両の周囲の状況を示す周囲画像を生成し、運転者の視認可能な位置に設けられた表示領域に前記周囲画像を表示させるように構成された表示部(S102,S105,S202,S204,S207,S303,S306,S402,S404,S502,S504)と、
前記自車両の周囲において、障害物に遮蔽されることにより前記センサによって検出できない検出不能領域があるかを判定するように構成された領域判定部(S101)と、
前記自車両の周囲における車両密度が所定の密度閾値以上であるかを判定するように構成された車両密度判定部(S302,S305)と、
を備え、
前記表示部は、前記領域判定部によって前記検出不能領域があると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示を前記周囲画像上に表示させ、
前記表示部は、前記車両密度判定部によって前記車両密度が前記所定の密度閾値以上であると判定された場合に、前記検出不能領域を前記周囲画像上に表示させた後に前記領域判定部によって前記検出不能領域がないと判定されることにより前記検出不能領域を示す表示が前記周囲画像上から消滅するまでの時間を、前記車両密度が前記所定の密度閾値以上でない場合よりも長くなるように変更する、
表示制御装置。
【請求項18】
前記表示部は、前記検出不能領域に進入することにより前記周囲画像上から消滅する車両の表示の消え方と、前記周囲画像の表示範囲外に出ることにより前記周囲画像上から消滅する車両の表示の消え方とを異ならせる、請求項
17に記載の表示制御装置。
【請求項19】
前記表示部は、前記検出不能領域から退出することにより前記周囲画像上に出現する車両の表示の現れ方と、前記周囲画像の表示範囲内に入ることにより前記周囲画像上に出現する車両の表示の現れ方とを異ならせる、請求項
17又は請求項
18に記載の表示制御装置。
【請求項20】
前記自車両の車速が所定の車速閾値以下であるかを判定するように構成された車速判定
部(S301,S304)を更に備え、
前記表示部は、前記車速判定部によって前記自車両の車速が前記所定の車速閾値以下であると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示の表示態様を、前記自車両の車速が前記所定の車速閾値以下でない場合よりも目立たない表示態様に変更する、請求項
17~請求項
19のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項21】
前記検出不能領域に進入する車両があるかを判定するように構成された進入判定部(S201)を更に備え、
前記表示部は、前記進入判定部によって前記検出不能領域に進入する前記車両があると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示の表示態様を、前記進入判定部によって前記検出不能領域に進入する前記車両があると判定される前の表示態様と異なる表示態様に変更する、請求項1~請求項
20のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項22】
前記検出不能領域に進入する車両があるかを判定するように構成された進入判定部(S201)を更に備え、
前記表示部は、前記領域判定部によって前記検出不能領域があると判定され、かつ、前記進入判定部によって前記検出不能領域に進入する前記車両があると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示を前記周囲画像上に表示させる、請求項1~請求項
20のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項23】
前記検出不能領域側の車線への前記自車両による車線変更の要求があるかを判定するように構成された車線変更判定部(S401)を更に備え、
前記表示部は、前記車線変更判定部によって前記車線変更の要求があると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示の表示態様を、前記車線変更の要求があると判定される前の表示態様よりも強調された表示態様に変更する、請求項1~請求項
22のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項24】
前記検出不能領域側の車線への前記自車両による車線変更の要求があるかを判定するように構成された車線変更判定部(S401)を更に備え、
前記表示部は、前記領域判定部によって前記検出不能領域があると判定され、かつ、前記車線変更判定部によって前記車線変更の要求があると判定された場合に、前記検出不能領域を示す表示を前記周囲画像上に表示させる、請求項1~請求項
22のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項25】
前記表示部は、前記周囲画像を、前記自車両の後方から俯瞰した俯瞰画像として生成し、
前記検出不能領域を示す表示の少なくとも一部が、前記自車両の後方側において前記周囲画像の表示範囲外に位置しているかを判定するように構成された位置判定部(S501)を更に備え、
前記表示部は、前記位置判定部によって前記検出不能領域を示す表示の少なくとも一部が前記自車両の後方側において前記周囲画像の表示範囲外に位置していると判定された場合に、前記周囲画像における下側に表示されていた前記自車両の表示の前記周囲画像上における位置が、前記検出不能領域を示す表示の少なくとも一部が前記自車両の後方側において前記周囲画像の表示範囲外に位置していない場合の位置よりも上側となるように、前記俯瞰画像の仮想的な視点位置を変更する、請求項1~請求項
24のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自車両の周囲の状況を運転者が認識できるように、自車両の周囲の状況を表示する表示装置がある。例えば、特許文献1には、自車両を表す表示を画面中央の下端部近傍に固定表示して自車両の周囲の状況を表す表示装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、以下の課題が見出された。すなわち、特許文献1に記載の車両用表示装置では、そもそも自車両が自車両の周囲の状況をどの程度認識できているのかといったことを運転者は把握しにくい。一般に、自車両の周囲の状況を認識するために、複数のセンサから他車両の存在等の情報が検出される。ここで、例えば、自車両の周囲を走行する他車両等の障害物に遮蔽されることにより、センサの検出範囲内であっても正確に検出できていない領域が一時的に生じることがある。その結果、自車両の周囲のうち当該領域内に他車両が存在している可能性があるのにもかかわらず、表示装置上では適切に表示されない可能性がある。
【0005】
本開示の一局面は、障害物に遮蔽されることにより正確に検出できない領域について運転者に把握させやすくする表示制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、表示制御装置であって、表示部(S102,S105,S202,S204,S207,S303,S306,S402,S404,S502,S504)と、領域判定部(S101)と、を備える。表示部は、自車両に搭載されたセンサによる検出結果に基づいて自車両の周囲の状況を示す周囲画像を生成し、運転者の視認可能な位置に設けられた表示領域に周囲画像を表示させるように構成される。領域判定部は、自車両の周囲において、障害物に遮蔽されることによりセンサによって検出できない検出不能領域があるかを判定するように構成される。表示部は、領域判定部によって検出不能領域があると判定された場合に、検出不能領域を示す表示を周囲画像上に表示させる。
【0007】
このような構成によれば,障害物に遮蔽されることにより正確に検出できない領域について運転者に把握させやすくする表示制御装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】車載システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】検出不能領域表示処理を示すフローチャートである。
【
図3】検出不能領域が生じている場面を道路の上方から見た図である。
【
図4】
図3に示す場面において表示される周囲画像の一例である。
【
図5】
図3に示す場面において、自車両の周囲にトラックの代わりにバイクが存在する場合に表示される周囲画像の一例である。
【
図7】
図7A、
図7B及び
図7Cは、検出不能領域に他車両が進入した後、検出不能領域から当該他車両が退出する場面を、道路の上方から見た図である。
【
図9】
図9A及び
図9Bは、周囲画像の表示範囲外に出ることにより周囲画像上から消滅する他車両の消え方を表す図である。
【
図10】周囲画像の表示範囲外に出ることにより周囲画像上から消滅する他車両の表示態様の変化を表す図である。
【
図11】
図7A、
図7B及び
図7Cに示す場面において、検出不能領域に進入する他車両の表示態様の変化の一例を表す図である。
【
図12】
図7A、
図7B及び
図7Cに示す場面において、検出不能領域に進入する他車両の表示態様の変化の他の例を表す図である。
【
図14】通常時における検出不能領域の表示態様の変化を表す図である。
【
図15】自車両の車速が所定の車速閾値V以上又は車両密度が所定の密度閾値K以上である場合における、検出不能領域の表示態様の変化を表す図である。
【
図17】検出不能領域側の車線への自車両による車線変更の要求があった場面において表示される周囲画像の一例である。
【
図19】自車線の隣接車線を走行する他車両が自車両よりも比較的後方に位置する場面を、道路の上方から見た図である。
【
図20】
図19に示す場面において表示される周囲画像の一例である。
【
図21】
図19に示す場面において表示される周囲画像の他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.構成]
図1に示す車載システム100は、自動車等の車両に搭載される。車載システム100は、前方カメラ2aと、後方カメラ2bと、左カメラ2cと、右カメラ2dと、前方測距センサ3aと、後方測距センサ3bと、左測距センサ3cと、右測距センサ3dと、車車間通信装置4と、ナビゲーション装置5と、表示装置6と、車両制御ECU30と、自動運転ECU40と、HCU50を備える。これらは、例えば車内LANに接続されている。なお、ECUは、Electronic Control Unitの略である。また、HCUは、Human Machine Interface Control Unitの略である。以下、車載システム100が搭載される車両を自車両という。
【0010】
前方カメラ2aは、自車両の前方における所定の前方撮像領域を撮像するための画像センサである。後方カメラ2bは、自車両の後方における所定の後方撮像領域を撮像するための画像センサである。左カメラ2cは、自車両の左側方における所定の左側方撮像領域を撮像するための画像センサである。右カメラ2dは、自車両の右側方における所定の右側方撮像領域を撮像するための画像センサである。
【0011】
各カメラ2a~2dは、撮像した各撮像画像をそれぞれ車内LANへ出力する。各撮像画像は、他車両及び道路区画線等の路面標示を検出する処理等に用いられる。
前方測距センサ3aは、自車両の前方における所定の前方測距領域に存在する物体の、自車両を基準とした相対位置を検出するためのセンサである。後方測距センサ3bは、自車両の後方における所定の後方測距領域に存在する物体の、自車両を基準とした相対位置を検出するためのセンサである。左測距センサ3cは、自車両の左側方における所定の左側方測距領域に存在する物体の、自車両を基準とした相対位置を検出するためのセンサである。右測距センサ3dは、自車両の右側方における所定の右側方測距領域に存在する物体の、自車両を基準とした相対位置を検出するためのセンサである。
【0012】
本実施形態では、各測距センサ3a~3dとしてミリ波レーダが用いられる。ミリ波レーダは、各測距領域へミリ波を送信し、各測距領域に存在する物体からの反射波を受信する。ミリ波レーダは、受信結果に基づき各測距領域に存在する物体の相対位置及び相対速度を検出する。なお、ミリ波レーダに代えて、又はミリ波レーダとともに、例えばソナーやLIDAR等が用いられてもよい。なお、LIDARとは、Light Detection and Rangingの略である。
【0013】
各測距センサ3a~3dは、検出した各測距情報をそれぞれ車内LANへ出力する。各測距情報は、他車両の相対位置を検出する処理等に用いられる。
車車間通信装置4は、自車両以外の他車両との間で無線通信を行うための通信装置である。車車間通信装置4は、自車両の周辺に存在する複数の他車両と無線で車車間通信を行う。具体的には、車車間通信装置4は、複数の他車両のそれぞれから、他車両の状況情報を受信するとともに、自車両の状況情報をブロードキャストで送信する。状況情報とは、現在位置、走行速度及び走行方向等の、送信元の車両における走行状況を表す情報である。状況情報には、例えば他にも、車幅、車長等が含まれていてもよい。
【0014】
車車間通信装置4は、受信した状況情報について、自車両の周辺の領域うちいずれの領域に存在する他車両から受信した状況情報であるかを判定する。具体的には、車車間通信装置4は、状況情報に含まれる現在位置の情報に基づき、自車両の前方における所定の前方通信領域、自車両の後方における所定の後方通信領域、自車両の左側方における所定の左側方通信領域、及び自車両の右側方における所定の右側方通信領域のうち、いずれの通信領域に存在する他車両から状況情報を受信したのかを判定する。
【0015】
車車間通信装置4は、いずれの通信領域に存在する他車両から受信したのかを示すデータを付した各状況情報を車内LANへ出力する。各状況情報は、他車両の走行経路を予測する処理等に用いられる。
【0016】
ナビゲーション装置5は、GPSアンテナを介して受信したGPS信号等に基づき緯度経度で特定される自車両の位置を検出する。また、ナビゲーション装置5には地図データが記録されている。地図データには、自車両の位置に基づき道路におけるいずれの車線に自車両が位置しているのかを特定できる程度に詳細な道路情報及び地図表示に必要な各種データ等が含まれている。なお、GPSはGlobal Positioning Systemの略である。
【0017】
ナビゲーション装置5は、検出した自車両の位置及び必要な地図データを車内LANへ出力する。
表示装置6は、画像を表示するためのディスプレイであり、自車両の運転者が視認可能な位置に設けられている。本実施形態では、表示装置6としてスピードメータの液晶ディスプレイが用いられる。スピードメータの液晶ディスプレイは、例えば運転者と対向する位置に設置される。表示装置6は、後述する周囲画像を表示する。なお、表示装置6として、CID、ヘッドアップディスプレイ等が用いられてもよい。CIDは、Center Information Displayの略である。
【0018】
車両制御ECU30は、自車両の加減速制御、及び操舵制御を行う電子制御装置である。車両制御ECU30としては、例えば、ステアリング等の操舵系の動作を制御する操舵系ECU、ブレーキ等の制動系を制御する制動系ECU、エンジン等の駆動系を制御する駆動系ECU等が挙げられる。車両制御ECU30は、自車両に搭載されたアクセルポジションセンサ、ブレーキ踏力センサ、舵角センサ、車輪速センサ等の各種センサから出力される検出信号を取得し、パワーステアリングモータ、ブレーキアクチュエータ、電子制御スロットル等の各走行制御装置へ制御信号を出力する。
【0019】
自動運転ECU40は、車両制御ECU30を制御することにより、運転者に代わって運転操作を実行可能な自動運転機能を実現する。なお、ここでいう自動運転とは、運転操作が運転者に代わって実行される自動運転に限らず、加減速操作、操舵操作等の一部の運転操作のみが運転者に代わって実行される自動運転も含む。
【0020】
自動運転ECU40は、各カメラ2a~2dにより出力された各撮像画像と、各測距センサ3a~3dにより出力された各測距情報と、車車間通信装置4により出力された各状況情報と、ナビゲーション装置5により出力された自車両の位置及び地図データとに基づき、自車両の走行環境を認識する。例えば、自動運転ECU40は、自車両周辺の物体の形状及び移動状態を認識したり、自車両周辺の路面標示の形状を認識したりする。そして、自車両の車両位置及び地図データと組み合わせることで、実際の走行環境を三次元で再現した仮想空間を生成する。また、自動運転ECU40は、認識した走行環境に基づき、自動運転機能によって自車両を自動走行させるための走行計画を生成する。当該走行計画に基づき、車線追従及び車線変更のための操舵、速度調整のための加減速、並びに衝突回避のための急制動等の実行が決定される。
【0021】
HCU50は、自車両の周囲の状況を示す周囲画像を生成し、周囲画像を表示装置6に表示させる表示制御処理を実行する。HCU50は、CPU、ROM、ROM、フラッシュメモリ等を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。なお、HCU50は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。HCU50は、非遷移的実体的記録媒体であるROMに格納されたプログラムを実行する。当該プログラムが実行されることで、当該プログラムに対応する方法が実行される。
【0022】
HCU50は、自動運転ECU40により認識された走行環境と、当該走行環境の認識に用いられた情報、例えば、各カメラ2a~2d及び各測距センサ3a~3dの検出結果、車車間通信装置4により出力された各状況情報、ナビゲーション装置5により出力された自車両の位置及び地図データ等に基づき、周囲画像を生成する。周囲画像には、後述するように、自車両の周囲の道路形状を示す地図背景、自車両の表示、他車両の表示等が含まれる。周囲画像は、仮想的な視点、例えば自車両の後方から俯瞰した俯瞰画像として生成される。当該画像の範囲は、各種センサ類の検出範囲を目安に設定されている。
【0023】
[2.処理]
以下、HCU50が実行する表示制御処理について説明する。表示制御処理には、以下の検出不能領域表示処理、及び第1処理~第4処理が含まれる。
【0024】
[2-1.検出不能領域表示処理]
図2に示す検出不能領域表示処理は、自車両のイグニッションスイッチがオンされている間、所定の周期で繰り返し実行される。
【0025】
まず、S101で、HCU50は、自車両の周囲において、障害物に遮蔽されることによりセンサによって検出できない検出不能領域があるか否かを判定する。例えば、
図3に示す場面では、自車両10における右側方測距領域において、自車両10が走行する自車線の隣接車線を走行する他車両11に遮蔽されることにより、自車線の2つ隣の車線上に検出不能領域20が生じている。ここでいう検出不能領域とは、センサによって所望の検出精度が保証できない領域である。
【0026】
HCU50は、S101で検出不能領域がないと判定した場合には、S101に戻る。
一方、HCU50は、S101で検出不能領域があると判定した場合には、S102へ移行し、検出不能領域を示す表示を周囲画像上に表示させる。例えば、
図3に示す場面では、
図4に示すように、自車両の表示10a、他車両の表示11a及び道路形状がすでに表示されている周囲画像上に、検出不能領域を示す表示20aを新たに出現させる。検出不能領域を示す表示20aは、具体的には、周囲画像上において検出不能領域と対応する部分に表示される。検出不能領域を示す表示20aは、例えば、
図4に示すように、自車線の2つ隣の車線上において、車線の幅方向における中央部分に表示される。検出不能領域を示す表示20aは、他車両の存在が曖昧であることを運転者が直感的に把握しやすい模様、例えば、モヤのように薄いグレーに塗りつぶされ輪郭がおぼろげな模様である。なお、検出不能領域を示す表示の表示態様は、これに限定されない。例えば、検出不能領域を示す表示の色がグレーでなくてもよく、輪郭がはっきりしていてもよい。
【0027】
また、検出不能領域を示す表示は、検出不能領域の大きさを運転者が直感的に把握しやすいように、障害物となる他車両の大きさに応じて変更してもよい。例えば、
図4に示すように他車両11がトラックである場合には、検出不能領域を示す表示20aを比較的大きく表示し、
図5に示すように他車両11がトラックよりも小さいバイクである場合には、検出不能領域を示す表示20aを比較的小さく表示してもよい。
【0028】
続いて、S103で、HCU50は、後述する第1処理~第4処理の開始を要求する。
続いて、S104で、HCU50は、検出不能領域が消滅したか否かを判定する。例えば、
図3に示す場面から、他車両11が自車両10から大きく離れることにより、自車両10の周囲において他車両11に遮蔽されることによりセンサによって検出できない領域がなくなった場合には、検出不能領域20が消滅したと判定される。
【0029】
HCU50は、S104で検出不能領域が消滅していないと判定した場合には、S104に戻る。
一方、HCU50は、S104で検出不能領域が消滅したと判定した場合には、S105へ移行し、検出不能領域を示す表示を周囲画像上から消滅させる。
【0030】
続いて、HCU50は、S106で、S103で開始を要求した第1処理~第4処理の終了を要求した後、
図2の検出不能領域表示処理を終了する。
以下、
図2の検出不能領域表示処理におけるS103で開始される第1処理~第4処理について順に説明する。
【0031】
[2-2.第1処理]
まず、第1処理について、
図6のフローチャートを用いて説明する。第1処理は、
図2の検出不能領域表示処理において開始が要求される度に実行される。
【0032】
まず、S201で、HCU50は、検出不能領域に進入する他車両があるか否かを判定する。
HCU50は、S201で検出不能領域に進入する他車両があると判定した場合には、S202へ移行し、検出不能領域に進入する他車両を周囲画像上から消滅させる。
【0033】
図7Aに示すように、自車線の2つ隣の車線上を走行する他車両12が検出不能領域20よりも後方に存在している場合には、センサによって他車両12が検出できるため、
図8Aに示すように、周囲画像上に他車両の表示12aが表示される。しかし、
図7Bに示すように、他車両12が検出不能領域20に進入すると、センサによって他車両12が検出できなくなる。そのため、
図8Bに示すように、周囲画像上に他車両の表示12aを表示することができなくなる。
【0034】
このとき、HCU50は、検出不能領域に進入することにより周囲画像上から消滅する他車両の表示の消え方と、周囲画像の表示範囲外に出ることにより周囲画像上から消滅する他車両の表示の消え方とを異ならせる。
【0035】
具体的には、HCU50は、
図9A及び
図9Bに示すように、周囲画像の表示範囲外に出ることにより周囲画像上から消滅する他車両の表示13aを、表示範囲外となるとともに瞬時に消滅させる。すなわち、HCU50は、
図10に示すように、時刻t1で他車両の表示13aが表示範囲外と判定されると同時に他車両の表示13aを消滅させる。
【0036】
これに対し、検出不能領域に進入することにより周囲画像上から消滅する他車両の表示については、HCU50は、
図11に示すように、時刻t2で他車両が検出不能領域に進入すると判定された後、一定の時間T1をかけてゆっくり周囲画像上からフェードアウトさせる。
【0037】
このように、HCU50は、検出不能領域に進入することにより周囲画像上から消滅する他車両の表示を、周囲画像の表示範囲外に出ることにより周囲画像上から消滅する他車両の表示よりも長い時間をかけて消滅させる。そのため、検出不能領域に進入することにより周囲画像上から消滅する他車両は周囲画像上から消滅するまでの過程が長く、当該他車両の存在について運転者に注意を促すことができる。
【0038】
なお、検出不能領域に進入することにより周囲画像上から消滅する他車両の消え方は、上記したものに限定されない。例えば、他車両が点滅しながら消滅してもよく、他車両の表示12aが、
図8Aに示す場面において検出不能領域を示す表示20a側である上側から徐々に消滅してもよく、他車両の表示12aの外枠以外がフェードアウトした後に外枠が消滅してもよい。
【0039】
図6のフローチャートに戻り、HCU50はまた、S202で、
図8A及び
図8Bに示すように検出不能領域を示す表示の表示態様を変更する。具体的には、検出不能領域を示す表示20aを通常時のグレーのモヤから赤色のモヤに変更する。
【0040】
このように、HCU50は、検出不能領域を示す表示の表示態様を、他車両が存在していることが分かる態様、具体的には、検出不能領域に進入する他車両があると判定される前の表示態様よりも強調された表示態様に変更する。そのため、検出不能領域に他車両が存在している可能性が高いことを、運転者が把握することができる。
【0041】
なお、検出不能領域を示す表示の変更後の表示態様は上記したものに限定されない。例えば、検出不能領域を示す表示をゆっくりと点滅させた状態が維持されてもよく、他車両を表す表示の外枠のみが検出不能領域内の任意の位置に表示されてもよい。
【0042】
続いて、S203で、HCU50は、検出不能領域に進入した他車両が検出不能領域から退出したか否かを判定する。
HCU50は、S203で他車両が検出不能領域から退出したと判定した場合には、S204へ移行し、検出不能領域から退出した他車両の表示を周囲画像上に出現させる。すなわち、
図7Cに示すように自車線の2つ隣の車線上を走行する他車両12が検出不能領域20よりも前方に出てきた場合には、センサによって他車両12が検出できるようになるため、
図8Cに示すように周囲画像上に他車両12の表示12aを表示する。
【0043】
このとき、HCU50は、検出不能領域から退出することにより周囲画像上に出現する他車両の表示の現れ方と、周囲画像の表示範囲内に入ることにより周囲画像上に出現する他車両の表示の現れ方とを異ならせる。
【0044】
具体的には、HCU50は、周囲画像の表示範囲内に入ることにより周囲画像上に出現する他車両の表示を、周囲画像の表示範囲外に出ることにより周囲画像上から消滅する他車両の表示の消え方と同様に、表示範囲内となるとともに瞬時に出現させる。
【0045】
これに対し、検出不能領域から退出することにより周囲画像上に出現する他車両の表示については、HCU50は、
図11に示すように、時刻t3で他車両が検出不能領域から退出すると判定された後、一定の時間T2をかけてゆっくり周囲画像上にフェードインさせる。
【0046】
また、HCU50は、検出不能領域に進入することにより周囲画像上から消滅する他車両の表示が消滅するのにかかる時間T1を、検出不能領域から退出することにより周囲画像上に出現する他車両の表示が出現するのにかかる時間T2よりも長くする。検出不能領域から退出することにより周囲画像上に出現する他車両の表示については、他車両の存在を運転者に早く知らせるために素早く出現することが好ましいためである。なお、検出不能領域から退出することにより周囲画像上に出現する他車両の表示は、
図12に示すよう、時刻t3で他車両が検出不能領域から退出すると判定されると同時に出現してもよい。
【0047】
なお、検出不能領域から退出することにより周囲画像上に出現する他車両の現れ方は、上記したものに限定されない。例えば、他車両が点滅しながら出現してもよく、他車両の表示12aが、
図8Cに示す場面において検出不能領域を示す表示20a側である下側から徐々に出現してもよく、他車両の表示12aの外枠が出現した後に外枠以外がフェードインしてもよい。
【0048】
図6のフローチャートに戻り、HCU50はまた、S204で、検出不能領域を示す表示の表示態様を変更する。具体的には、
図8B及び
図8Cに示すように、検出不能領域を示す表示20aを赤色のモヤから通常時のグレーのモヤに戻す。
【0049】
一方、HCU50は、S203で他車両が検出不能領域から退出していないと判定した場合には、S205へ移行し、第1処理の終了要求がなされたか否かを判定する。
HCU50は、S205で第1処理の終了要求がなされていないと判定した場合には、S203へ戻る。
【0050】
一方、HCU50は、S205で第1処理の終了要求がなされたと判定した場合には、
図6の第1処理を終了する。
S201に戻り、HCU50は、S201で検出不能領域に進入する他車両がないと判定した場合には、S206へ移行し、検出不能領域から退出する他車両があるか否かを判定する。
【0051】
HCU50は、S206で検出不能領域から退出する他車両があると判定した場合には、S207へ移行し、検出不能領域から退出する他車両を周囲画像上に出現させ、S208へ移行する。
【0052】
一方、HCU50は、S206で検出不能領域から退出する他車両がないと判定した場合には、そのままS208へ移行する。
続いて、HCU50は、S208で、第1処理の終了要求がなされたか否かを判定する。
【0053】
HCU50は、S208で第1処理の終了要求がなされていないと判定した場合には、S201に戻る。
一方、HCU50は、S208で第1処理の終了要求がなされたと判定した場合には、
図6の第1処理を終了する。
【0054】
[2-3.第2処理]
次に、第2処理について、
図13のフローチャートを用いて説明する。第2処理も、第1処理と同様に、
図2の検出不能領域表示処理において開始が要求される度に実行される。
【0055】
まず、S301で、HCU50は、自車両の車速が所定の車速閾値V以下であるか否かを判定する。
HCU50は、S301で自車両の車速が所定の車速閾値V以下でないと判定した場合には、S302へ移行し、自車両の周囲における車両密度が所定の密度閾値K以上であるか否かを判定する。具体的には、HCU50は、自車線及び自車線の隣接車線の車両密度が所定の密度閾値K以上であるか否かを判定する。
【0056】
HCU50は、S302で車両密度が所定の密度閾値K以上でないと判定した場合には、S308へ移行する。
一方、HCU50は、S301で自車両の車速が所定の車速閾値V以下であると判定した場合、及びS302で車両密度が所定の密度閾値K以上であると判定した場合には、S303へ移行する。S303で、HCU50は、検出不能領域を示す表示の表示継続時間を変更する。具体的には、HCU50は、検出不能領域を示す表示を周囲画像上に表示させた後に検出不能領域がないと判定されたことにより、検出不能領域を示す表示が周囲画像上から消滅するまでの時間を、自車両の車速が所定の車速閾値V以下でなく、かつ、車両密度が所定の密度閾値K以上でない場合よりも、長くなるように変更する。
【0057】
具体的には、自車両の車速が所定の車速閾値V以下でなく、かつ、車両密度が所定の密度閾値K以上でない通常時には、
図14に示すように、時刻t4及びt6で検出不能領域があると判定されると、HCU50は、一定の時間T3をかけて検出不能領域を示す表示を周囲画像上に出現させる。その後、時刻t5及びt7で検出不能領域が消滅したと判定されると、HCU50は、一定の時間T4をかけて検出不能領域を示す表示を周囲画像上から消滅させる。
【0058】
これに対し、HCU50は、自車両の車速が所定の車速閾値V以下であると判定した場合、又は、車両密度が所定の密度閾値K以上であると判定した場合には、
図15に示すように、時刻t5及びt7で検出不能領域が消滅したと判定された後、検出不能領域を示す表示を周囲画像上から消滅させるのにかける時間を、一定の時間T4よりも長い一定の時間T5に変更する。
【0059】
自車両の車速が所定の車速閾値V以下である場合には、例えば、高速道路においては渋滞又は混雑していることが想定される。また、一般道においては、渋滞又は混雑していること、並びに信号待ち等で自車両が停車していることが想定される。また、車両密度が所定の密度閾値K以上である場合には、高速道路及び一般道問わず、道路が渋滞又は混雑していることが想定される。
【0060】
このような場合において、自車両の周囲を他車両が頻繁に通過すると、検出不能領域が頻繁に出現と消滅とが繰り返され、運転者がわずらわしいと感じる可能性がある。
よって、このような場合に検出不能領域の表示継続時間を上記のように長くすることにより、検出不能領域の出現と消滅との繰り返しが目立たなくなり、わずらわしさが低減される。
【0061】
なお、車速閾値V及び密度閾値Kは、自車両が走行する道路が高速道路である場合と、一般道である場合とで、値が異なっていてもよい。
あるいは、HCU50は、S303で検出不能領域を示す表示の表示継続時間を変更する代わりに、検出不能領域を示す表示の表示態様を、通常時のグレーのモヤから、通常時よりも目立たない表示態様、例えば、通常時よりも透明度を増したグレーのモヤに変更してもよい。
【0062】
図13のフローチャートに戻り、続いて、HCU50は、S304で自車両の車速が所定の車速閾値V以下であるか否かを判定する。
HCU50は、S304で自車両の車速が所定の車速閾値V以下でないと判定した場合には、S305へ移行し、自車両の周囲における車両密度が所定の密度閾値K以上であるか否かを判定する。
【0063】
HCU50は、S305で車両密度が所定の密度閾値K以上でないと判定した場合には、S306へ移行し、S303で検出不能領域を示す表示の表示継続時間を変更した場合には、表示継続時間を元に戻すように変更する。一方、HCU50は、S303で検出不能領域を示す表示の表示態様を変更した場合には、検出不能領域を示す表示態様を元の表示態様に戻すように変更する。その後、HCU50は、S308へ移行する。
【0064】
一方、HCU50は、S304で自車両の車速が所定の車速閾値V以下であると判定した場合、及びS305で車両密度が所定の密度閾値K以上であると判定した場合には、S307へ移行し、第2処理の終了要求がなされたか否かを判定する。
【0065】
HCU50は、S307で第2処理の終了要求がなされていないと判定した場合には、S304に戻る。
一方、HCU50は、S307で第2処理の終了要求がなされたと判定した場合には、
図13の第2処理を終了する。
【0066】
S308に戻り、HCU50は、第2処理の終了要求がなされたか否かを判定する。
HCU50は、S308で第2処理の終了要求がなされていないと判定した場合には、S301に戻る。
【0067】
一方、HCU50は、S307で第2処理の終了要求がなされたと判定した場合には、
図13の第2処理を終了する。
[2-4.第3処理]
次に、第3処理について、
図16のフローチャートを用いて説明する。第3処理も、第1処理及び第2処理と同様に、
図2の検出不能領域表示処理において開始が要求される度に実行される。
【0068】
まず、S401で、HCU50は検出不能領域側の車線への自車両による車線変更の要求があるか否かを判定する。例えば
図3に示す場面では、HCU50は、検出不能領域20が存在する右側方測距領域側への自車両10の車線変更の要求があるか否かを判定する。
【0069】
HCU50は、S401で車線変更の要求がないと判定した場合には、S406へ移行する。
一方、HCU50は、S401で車線変更の要求があると判定した場合には、S402へ移行し、検出不能領域を示す表示の表示態様を、車線変更の要求があると判定される前の表示態様よりも強調された表示態様に変更する。具体的には、HCU50は、
図17に示すように、検出不能領域を示す表示20aを点滅させる。これにより、自車両が車線変更しようとする側の検出不能領域に他車両が存在している可能性があることを運転者に知らせて、運転者に注意を促すことができる。
【0070】
なお、検出不能領域を示す表示の変更後の表示態様は上記したものに限定されない。例えば、検出不能領域を示す表示を別の強調された色に変更してもよい。
続いて、HCU50は、S403で車線変更の要求が終了したか否かを判定する。例えば、HCU50は、車線変更が行われず車線変更の要求が撤回された場合、車線変更が行われ車線変更が完了した場合等に、車線変更の要求が終了したと判定する。
【0071】
HCU50は、S403で車線変更の要求が終了したと判定した場合には、S404へ移行し、検出不能領域を示す表示の表示態様を元の表示態様に戻すように変更した後、S406へ移行する。具体的には、HCU50は、S404で検出不能領域を示す表示の点滅を終了する。
【0072】
一方、HCU50は、S403で車線変更の要求が終了していないと判定した場合には、S405へ移行し、第3処理の終了要求がなされたか否かを判定する。
HCU50は、S405で第3処理の終了要求がなされていないと判定した場合には、S403に戻る。
【0073】
一方、HCU50は、S405で第3処理の終了要求がなされたと判定した場合には、
図16の第3処理を終了する。
S406に戻り、HCU50は、第3処理の終了要求がなされたか否かを判定する。
【0074】
HCU50は、S406で、第3処理の終了要求がなされていないと判定した場合には、S401に戻る。
一方、HCU50は、S406で、第3処理の終了要求がなされたと判定した場合には、
図16の第3処理を終了する。
【0075】
[2-5.第4処理]
次に、第4処理について、
図18のフローチャートを用いて説明する。第4処理も、第1処理~第3処理と同様に、
図2の検出不能領域表示処理において開始が要求される度に実行される。
【0076】
まず、S501で、HCU50は、検出不能領域を示す表示の少なくとも一部が、自車両の後方側において周囲画像の表示範囲外に位置しているか否かを判定する。
ここで、通常時は、
図4に示すように、自車両の進行方向側である前方側の状況を把握しやすくするため、自車両の表示10aが周囲画像における下側に位置するように俯瞰画像の仮想的な視点位置が固定されている。
【0077】
そして、例えば
図19に示すように、自車線の隣接車線を走行する他車両11が自車両10よりも比較的後方に位置する場合には、検出不能領域20の後方側の部分が自車両10の後方の離れた位置に存在する。この場合には、
図20に示すように、検出不能領域を示す表示20aの少なくとも一部である後方側の部分が周囲画像の表示範囲外に位置する。
【0078】
HCU50は、S501で検出不能領域を示す表示の少なくとも一部が、自車両の後方側において周囲画像の表示範囲外に位置していると判定した場合には、S502へ移行し、俯瞰画像の仮想的な視点位置を変更する。具体的には、HCU50は、
図21に示すように、自車両の表示10aの周囲画像上における位置が、検出不能領域を示す表示20aの少なくとも一部が自車両の後方側において周囲画像の表示範囲外に位置していない場合の位置よりも上側、例えば中央付近となるように、俯瞰画像の仮想的な視点位置を後方にずらす。これにより、検出不能領域を示す表示20aが周囲画像の表示範囲内に収まり、自車両の後方にある検出不能領域の存在を運転者が容易に把握できる。
【0079】
続いて、HCU50は、S503で俯瞰画像の仮想的な視点位置の変更を終了するか否かを判定する。具体的には、HCU50は、俯瞰画像の仮想的な視点位置を元に戻しても、検出不能領域を示す表示が周囲画像の表示範囲内におさまるか否かに基づき、俯瞰画像の仮想的な視点位置の変更を終了するか否かを判定する。
【0080】
HCU50は、S503で俯瞰画像の仮想的な視点位置の変更を終了すると判定した場合には、S504へ移行し、俯瞰画像の仮想的な視点位置の変更を元に戻した後、S507へ移行する。
【0081】
一方、HCU50は、S503で俯瞰画像の仮想的な視点位置の変更を終了しないと判定した場合には、S505へ移行し、第4処理の終了要求がなされたか否かを判定する。
HCU50は、S505で第4処理の終了要求がなされていないと判定した場合には、S503に戻る。
【0082】
一方、HCU50は、S505で第4処理の終了要求がなされていると判定した場合には、S506へ移行し、俯瞰画像の仮想的な視点位置の変更を元に戻した後、
図18の第4処理を終了する。
【0083】
S501に戻り、HCU50は、S501で検出不能領域を示す表示の少なくとも一部が、自車両の後方側において周囲画像の表示範囲外に位置していないと判定した場合には、S502~S504をスキップしてS507へ移行する。
【0084】
S507で、HCU50は、第4処理の終了要求がなされたか否かを判定する。
HCU50は、S507で第4処理の終了要求がなされていないと判定した場合には、S501に戻る。
【0085】
一方、HCU50は、S507で第4処理の終了要求がなされたと判定した場合には、
図18の第4処理を終了する。
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0086】
(3a)HCU50は、障害物に遮蔽されることによりセンサによって検出できない検出不能領域があると判定された場合に、検出不能領域を示す表示を周囲画像上に表示させる。そのため、障害物に遮蔽されることにより正確に検出できない領域について運転者が把握することができる。
【0087】
(3b)HCU50は、検出不能領域に進入することにより周囲画像上から消滅する車両の表示の消え方と、周囲画像の表示範囲外に出ることにより周囲画像上から消滅する車両の表示の消え方とを異ならせる。そのため、消滅する車両が、運転者が注意すべき、検出不能領域に進入することにより周囲画像上から消滅する車両なのか、運転者が注意しなくてもよい、周囲画像の表示範囲外に出ることにより周囲画像上から消滅する車両なのかを運転者が直感的に区別することができる。
【0088】
(3c)HCU50は、検出不能領域に進入することにより周囲画像上から消滅する車両の表示を、周囲画像の表示範囲外に出ることにより周囲画像上から消滅する車両の表示よりも長い時間をかけて消滅させる。そのため、検出不能領域に進入することにより周囲画像上から消滅する車両について、周囲画像上から消滅するまでの過程が長く、当該車両の存在について運転者に注意を促すことができる。
【0089】
(3d)HCU50は、検出不能領域から退出することにより周囲画像上に出現する車両の表示の現れ方と、周囲画像の表示範囲内に入ることにより周囲画像上に出現する車両の表示の現れ方とを異ならせる。そのため、出現する車両が、検出不能領域から退出したものなのか、周囲画像の表示範囲内に入ることにより周囲画像上に出現したものなのか、運転者が直感的に区別することができる。
【0090】
(3e)HCU50は、検出不能領域から退出することにより周囲画像上に出現する車両を、周囲画像の表示範囲内に入ることにより周囲画像上に出現する車両よりも長い時間をかけて出現させる。そのため、検出不能領域に退出することにより周囲画像上に出現する車両について、周囲画像上に出現するまでの過程が長く、当該車両の存在について運転者に注意を促すことができる。
【0091】
(3f)HCU50は、検出不能領域に進入することにより周囲画像上から消滅する車両の表示が消滅するのにかかる時間を、検出不能領域から退出することにより周囲画像上に出現する車両の表示が出現するのにかかる時間よりも長くする。検出不能領域に進入することにより周囲画像上から消滅する車両については、その存在について運転者に注意を促すために比較的長い時間をかけて消滅することが好ましいのに対し、検出不能領域から退出することにより周囲画像上に出現する車両は、その存在を運転者に早く知らせるために素早く出現することが好ましいためである。
【0092】
(3g)HCU50は、検出不能領域に進入する車両があると判定された場合に、検出不能領域を示す表示の表示態様を、検出不能領域に進入する車両があると判定される前の表示態様と異なる表示態様に変更する。そのため、検出不能領域に他車両が存在している可能性が高いことを、運転者が把握することができる。
【0093】
(3h)HCU50は、自車両の車速が所定の車速閾値以下であると判定された場合に、検出不能領域を示す表示を周囲画像上に表示させた後に検出不能領域がないと判定されたことにより検出不能領域を示す表示が周囲画像上から消滅するまでの時間を、自車両の車速が所定の車速閾値以下でない場合よりも長くなるように変更する。あるいは、HCU50は、自車両の車速が所定の車速閾値以下であると判定された場合に、検出不能領域を示す表示の表示態様を、自車両の車速が所定の車速閾値以下でない場合よりも目立たない表示態様に変更する。そのため、例えば、渋滞又は混雑している場面において、自車両の周囲を他車両が頻繁に通過することにより検出不能領域の出現と消滅とが頻繁に繰り返されていたとしても、検出不能領域が目立たないためわずらわしさが低減される。
【0094】
(3i)HCU50は、車両密度が所定の密度閾値以上であると判定された場合に、検出不能領域を周囲画像上に表示させた後に検出不能領域がないと判定されることにより検出不能領域を示す表示が周囲画像上から消滅するまでの時間を、車両密度が所定の密度閾値以上でない場合よりも長くなるように変更する。あるいは、HCU50は、車両密度が所定の密度閾値以上であると判定された場合に、検出不能領域を示す表示の表示態様を、車両密度が所定の密度閾値以上でない場合よりも目立たない表示態様に変更する。そのため、上記(3h)と同様に、検出不能領域の出現と消滅とが頻繁に繰り返されていたとしても、検出不能領域が目立たないためわずらわしさが低減される。
【0095】
(3j)HCU50は、検出不能領域側の車線への自車両による車線変更の要求があると判定された場合に、検出不能領域を示す表示の表示態様を、車線変更の要求があると判定される前の表示態様よりも強調された表示態様に変更する。そのため、自車両が車線変更しようとする側の検出不能領域に他車両が存在している可能性があることを運転者に知らせて、運転者に注意を促すことができる。
【0096】
(3k)HCU50は、検出不能領域を示す表示の少なくとも一部が自車両の後方側において周囲画像の表示範囲外に位置していると判定された場合に、周囲画像における下側に表示されていた自車両の表示の周囲画像上における位置が、検出不能領域を示す表示の少なくとも一部が自車両の後方側において周囲画像の表示範囲外に位置していない場合の位置よりも上側となるように、前記俯瞰画像の仮想的な視点位置を変更する。そのため、検出不能領域が自車両の後方にあったとしても、検出不能領域の存在を周囲画像上で運転者が容易に把握できる。
【0097】
なお、本実施形態では、HCU50が表示制御装置に相当する。また、S102,S105,S202,S204,S207,S303,S306,S402,S404,S502,S504,S506が表示部としての処理に相当する。また、S101が領域判定部としての処理に相当し、S201が進入判定部としての処理に相当し、S301,S304が車速判定部としての処理に相当し、S302,S305が車両密度判定部としての処理に相当し、S401が車線変更判定部としての処理に相当し、S501が位置判定部としての処理に相当する。
【0098】
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0099】
(4a)上記実施形態では、HCU50が、検出不能領域があると判定された場合に、検出不能領域を示す表示を周囲画像上に表示させた。しかし、HCU50は、検出不能領域があると判定され、かつ、検出不能領域に進入する車両があると判定された場合に、検出不能領域を示す表示を周囲画像上に表示させてもよい。また、HCU50は、検出不能領域があると判定され、かつ、検出不能領域側の車線への自車両による車線変更の要求があると判定された場合に、検出不能領域を示す表示を周囲画像上に表示させてもよい。
【0100】
(4b)上記実施形態では、HCU50が、検出不能領域を示す表示の少なくとも一部が、自車両の後方側において周囲画像の表示範囲外に位置していると判定した場合に、俯瞰画像の仮想的な視点位置を、検出不能領域を示す表示20aのすべてが周囲画像の表示範囲内に収まるように、後方にずらした。しかし、HCU50は、検出不能領域を示す表示20aのすべてではなく一部が周囲画像の表示範囲内に収まるように、俯瞰画像の仮想的な視点位置をずらしてもよい。
【0101】
(4c)上記実施形態において更に、HCU50は、自車両の車速が所定の車速閾値V以下であると判定した場合又は車両密度が所定の密度閾値K以上であると判定した場合の少なくとも一つの場合において、自車両の周囲の一定の範囲、例えば同一車線上に複数の検出不能領域がある場合には、当該複数の検出不能領域を統合して表示してもよい。すなわち、道路が渋滞又は混雑している場合等には、障害物としての他車両が道路上で連なって存在していることが想定される。このような場合には、HCU50は、連なっている複数の車両ごとに対応する複数の検出不能領域を統合して、周囲画像上に表示してもよい。
(4d)上記実施形態では、HCU50は、自車両の周囲を、前方、後方、左側方、及び右側方の4つの領域に区分し、その4つの領域に対応する各センサから検出結果を取得した。しかし、センサによる検出範囲の区分は、これに限定されるものではない。例えば、HCU50は、自車両の周囲を2つに区分し、その2つの領域からに対応する各センサから検出結果を取得してもよい。
【0102】
(4e)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【0103】
(4f)本開示は、上記した表示制御装置の他、当該表示制御装置を構成要素とするシステム、当該表示制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した非遷移的実体的記録媒体、表示制御方法等、種々の形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0104】
6…表示装置、10…自車両、10a…自車両の表示、11,12…他車両、11a,12a…他車両の表示、20…検出不能領域、20a…検出不能領域を示す表示、50…HCU。