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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】自動試料注入システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/24 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
G01N30/24 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020174370
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2022065722
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100205981
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】福島 大貴
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3188929(JP,U)
【文献】特開平3-245059(JP,A)
【文献】特開平10-213567(JP,A)
【文献】特開平9-096641(JP,A)
【文献】米国特許第05721384(US,A)
【文献】特開平6-273403(JP,A)
【文献】特開平10-104241(JP,A)
【文献】特開平10-170520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00-30/96
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置に対する試料注入動作を行なうインジェクタを少なくとも備えた自動試料注入システムであって、
前記インジェクタが、
サイズが互いに異なる複数種類のバイアルのそれぞれを受けるためにバイアルの各種類に対応して設けられた複数のバイアル受け穴が上面において同一円周上に設けられており、前記複数のバイアル受け穴がそれぞれ円周軌道を描いて移動するように回転するターレットと、
前記ターレットの動作を制御する制御部であって、前記インジェクタへバイアルを供給するサンプラが設けられている場合に、前記サンプラから前記インジェクタへバイアルが供給される際に、供給対象のバイアルのサイズを認識し、前記供給対象のバイアルに対応する前記バイアル受け穴を前記円周軌道上に設定された受渡し位置に配置するように構成された制御部と、を備えている、自動試料注入システム。
【請求項2】
前記インジェクタの側方に配置され、バイアルを前記インジェクタへ供給するサンプラをさらに備え、
前記サンプラは、前記インジェクタへバイアルを供給する際に、供給対象のバイアルのサイズに関するバイアル情報を出力するとともに、前記供給対象のバイアルを前記受渡し位置へ搬送するように構成されており、
前記インジェクタの前記制御部は、前記サンプラから出力された前記バイアル情報に基づいて前記供給対象のバイアルのサイズを認識し、前記供給対象のバイアルに対応する前記バイアル受け穴を前記受渡し位置に配置するように構成されている、請求項1に記載の自動試料注入システム。
【請求項3】
前記インジェクタは、前記サンプラから前記インジェクタへ前記供給対象のバイアルが供給される前に、前記供給対象のバイアルに対応する前記バイアル受け穴が空いているか否かを検知するように構成されたバイアル検知部をさらに備えている、請求項1又は2に記載の自動試料注入システム。
【請求項4】
前記供給対象のバイアルに対応する前記バイアル受け穴が空いていないことを前記バイアル検知部が検知したときに、前記サンプラが、前記供給対象のバイアルを前記インジェクタへ供給することをキャンセルするように構成されている、請求項3に記載の自動試料注入システム。
【請求項5】
前記バイアル受け穴の縁はテーパ形状となっている、請求項1から4のいずれか一項に記載の自動試料注入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスクロマトグラフィ分析用の自動試料注入システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスクロマトグラフィ分析装置に試料を自動注入する自動試料注入装置(以下、インジェクタと称する)が知られている(特許文献1参照)。インジェクタは、試料を収容した複数のバイアルがセットされる移動式のターレットと、ターレットにセットされたバイアルから試料を吸入するためのシリンジと、を備えている。ガスクロマトグラフへ試料を注入する際、ターレットが移動することによって目的の試料を収容したバイアルが所定位置に配置され、所定位置に配置されたバイアルの試料がシリンジによって吸入されて分析装置へ注入される。
【0003】
また、インジェクタのターレットにセット可能なバイアルの数には限界があり、試料の数が多い場合には、すべての試料をインジェクタにセットすることができない。そのため、試料を収容したバイアルをインジェクタへ供給するサンプラがインジェクタと併用されることがある。その場合、インジェクタのターレットには、サンプラから供給されるバイアルを受けて保持するためのバイアル受け穴が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-325153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バイアルには複数の種類が存在し、その種類によってバイアルのサイズが異なっている。サンプラに搭載するバイアルの種類を変更した場合、サンプラからインジェクタへ供給されるバイアルの種類が変更されるため、そのままでは、サンプラから供給されるバイアルのサイズとターレットのバイアル受け穴のサイズが合わず、バイアルが落下するなどの問題が生じる。そのため、サンプラからインジェクタへ供給されるバイアルの種類に応じて、ターレットを交換するか、ターレットのバイアル受け部の部品を交換するなどして、ターレットのバイアル受け穴のサイズを変更する必要がある。しかし、ターレットのバイアル受け穴を変更すると、ティーチングを実施してターレットを所望の位置へ正確に位置決めするための基準位置をインジェクタに覚え込ませる必要が生じ、ユーザに多大な作業負担を強いることになる。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、バイアルの種類に関係なく、サンプラからインジェクタへのバイアルの供給が正常になされるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る自動試料注入システムは、分析装置に対する試料注入動作を行なうインジェクタを少なくとも備えた自動試料注入システムであって、前記インジェクタが、サイズが互いに異なる複数種類のバイアルのそれぞれを受けるためにバイアルの各種類に対応して設けられた複数のバイアル受け穴が上面において同一円周上に設けられており、前記複数のバイアル受け穴がそれぞれ円周軌道を描いて移動するように回転するターレットと、前記ターレットの動作を制御する制御部であって、前記インジェクタへバイアルを供給するサンプラが設けられている場合に、前記サンプラから前記インジェクタへバイアルが供給される際に、供給対象のバイアルのサイズを認識し、前記供給対象のバイアルに対応する前記バイアル受け穴を前記円周軌道上に設定された受渡し位置に配置するように構成された制御部と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る自動試料注入システムによれば、インジェクタのターレットに、複数種類のバイアルのそれぞれに対応する複数のバイアル受け穴が設けられ、サンプラからインジェクタにバイアルが供給される際に、供給対象のバイアルに対応するバイアル受け穴が所定の受渡し位置に配置されるように構成されているので、サンプラからインジェクタへ供給されるバイアルの種類に関係なく、サンプラからインジェクタへのバイアルの供給が正常になされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】自動試料注入システムの一実施例を概略的に示す図である。
図2】同実施例において、サンプラからインジェクタへバイアルが供給される際の状態を示す図である。
図3】サンプラに搭載されるバイアルラックの種類の例を示す平面図である。
図4】インジェクタのターレットの一例を示す平面図である。
図5】同実施例の制御系統の一例を示すブロック図である。
図6】同実施例においてサンプラからインジェクタへバイアルが供給される際の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る自動試料注入システムの一実施例について説明する。
【0011】
図1に示されているように、自動試料注入システム1は、インジェクタ2、サンプラ4及び管理装置6を備えている。
【0012】
インジェクタ2は、ガスクロマトグラフィ分析装置上に配置され、ガスクロマトグラフィ分析装置の上面に設けられている注入ポートへ試料を注入する装置である。
【0013】
サンプラ4は、試料、溶媒、洗浄液などの液体を収容するバイアルVを必要に応じてインジェクタ2へ供給するための装置であって、インジェクタ2の側方に追加的に設けられる。
【0014】
管理装置6は、インジェクタ2及びサンプラ4を含む自動試料注入システム1全体の動作管理を行なうためのものであって、CPU及び情報記憶装置を備えた汎用のパーソナルコンピュータ又は専用のコンピュータによって実現される。ユーザは、管理装置6に対して、自動試料注入システム1の動作条件を設定する。
【0015】
インジェクタ2は、サンプリング機構8及びターレット10を備えている。ターレット10はステッピングモータによって回転する円形の回転テーブルである。ターレット10の上面には、複数のバイアルVが同一円周上に配列された状態でセットされるようになっており、それらのバイアルVがターレット10の回転に伴って円周軌道を描いて移動する。サンプリング機構8はシリンジ12を備えている。シリンジ12は、液体の吸入及び吐出を行なう先端が鉛直下方を向いた状態で上下動可能に設けられている。ターレット10は、搭載されている任意のバイアルVをシリンジ12の直下に配置することができる。
【0016】
サンプラ4は、搬送アーム14及びバイアルホルダ16を備えている。バイアルホルダ16は、インジェクタ2へ供給すべき複数のバイアルVをセットすることができる円形テーブルである。搬送アーム14はバイアルホルダ16上において水平方向へ伸びるように設けられており、搬送アーム14の先端部に、バイアルVを把持するための複数の爪20を有するグリッパ18が設けられている。搬送アーム14は、バイアルホルダ16の中心を回転中心とした水平面内での回転と軸方向へのスライドにより、バイアルホルダ16にセットされている任意のバイアルVをグリッパ18で把持し、インジェクタ2のターレット10へ搬送して供給することができる。
【0017】
図2に示されているように、インジェクタ2及びサンプラ4はそれぞれ、制御部22、24を備えている。インジェクタ2の制御部22は、サンプリング機構8及びターレット10の動作を制御する。サンプラ4の制御部24は、搬送アーム14の動作を制御する。制御部22及び24は、CPU及び情報記憶メモリ等を備えたコンピュータ回路によって実現されるものであり、管理装置6と通信可能に接続されている。管理装置6は、ユーザによって設定された動作条件に基づく制御情報を制御部22及び24へ出力し、制御部22及び24は管理装置6から提供された制御情報に基づく動作制御を行なう。
【0018】
図3に示されているように、サンプラ4のバイアルホルダ16には、互いにサイズの異なる複数種類のバイアルVをセットすることができる。各種類のバイアルは、種類ごとに用意されたバイアルラック(単にラックともいう)に搭載された状態でバイアルホルダ16にセットされる。図3の例では、小サイズのバイアル用のラックとそれよりも大きい大サイズのバイアル用のラックを用いてバイアルホルダ16にバイアルVがセットされる様子が示されている。なお、図3では、バイアルホルダ16の全面にサイズの均一なバイアルVがセットされている様子が示されているが、互いに異なるサイズのバイアルVを同時にバイアルホルダ16にセットすることもできる。
【0019】
サンプラ4のバイアルホルダ16にどのような種類(サイズ)のバイアルがセットされているか、すなわち、バイアルホルダ16にセットされている各バイアルがどのようなものであるかは、ユーザが管理装置6に対して設定する。管理装置6はバイアルホルダ16にセットされているバイアルに関するバイアル情報をサンプラ4の制御部24へ提供する。サンプラ4の制御部24は、管理装置6から提供されたバイアル情報を保持し、そのバイアル情報に基づいて搬送アーム14の動作を制御する。
【0020】
図4に示されているように、インジェクタ2のターレット10には、ユーザによってセットされるバイアルを保持するためのバイアル受け穴28とは別に、サンプラ4のバイアルホルダ16から供給されるバイアルを保持するための複数のバイアル受け穴30を備えている。バイアル受け穴30は、サンプラ4から供給される各種類のバイアルをそれぞれ受けるために各種類のバイアルのサイズに対応して設けられている。図4の例では、小サイズのバイアルを受けるための3つのバイアル受け穴30Sと、大サイズのバイアルを受けるための1つのバイアル受け穴30Lとが設けられている。各バイアル受け穴30の縁はテーパ形状になっており、サンプラ4からインジェクタ2へバイアルが供給される際に、各バイアル受け穴30に対する搬送アーム14の位置決めが僅かにずれても許容されるようになっている。
【0021】
図5に示されているように、インジェクタ2とサンプラ4との間でバイアルを受け渡すための受渡し位置Pは、ターレット10の回転に伴って各バイアル受け穴30が描く円周軌道上に設定されている。この受渡し位置Pは、この自動試料注入システム1の据え付け時などに実施されるティーチングの際に設定され、インジェクタ2の制御部22及びサンプラ4の制御部24がそれぞれ、受渡し位置Pの位置座標を記憶している。サンプラ4からインジェクタ2へバイアルが供給される際、サンプラ4の制御部24は、管理装置6を介して、自身が認識している供給対象のバイアルのサイズ情報をサンプラ4へ提供する。インジェクタ2の制御部22は、提供されたバイアルのサイズ情報に基づき、そのバイアルに対応するバイアル受け穴30が受渡し位置Pに位置するようにターレット10を制御する。例えば、供給対象のバイアルが小サイズのバイアルである場合、小サイズのバイアル用のバイアル受け穴30Sのうち、空いている(未だバイアルがセットされていない)バイアル受け穴30Sのうちのいずれかを受渡し位置Pに配置する。空いているバイアル受け穴30Sが複数存在する場合、いずれのバイアル受け穴30Sを受渡し位置Pに配置するかは、予め設定された優先順位に基づいて決定することができる。
【0022】
ここで、制御部22には、各バイアル受け穴30におけるバイアルの存在の有無を検知するように構成されたバイアル検知部26が設けられている(図2参照)。バイアル検知部26は、CPUが所定のプログラムを実行することによって実現される機能である。各バイアル受け穴30にバイアルがすでにセットされているか否かは、インジェクタ2とサンプラ6との間のバイアルVの受渡しの履歴を参照することによって検知することができる。バイアル検知部26は、供給対象のバイアルに対応するバイアル受け部30に空きがないことを検知した場合、バイアル受け部30に空きがないことを示す信号を管理装置6に対して出力する。管理装置6は、サンプラ4の制御部24に対してバイアルの供給をキャンセルするように指示を送信し、実施しようとしているバイアルの供給をキャンセルさせる。
【0023】
サンプラ4からインジェクタ2へのバイアルの供給に関する動作の一例について、図1及び図2とともに図6のフローチャートを用いて説明する。
【0024】
例えば、予め設定されたシーケンスにおいてサンプラ4からインジェクタ2へバイアルを供給すべきタイミングとなったときに、管理装置6はサンプラ4の制御部24に対して所望されているバイアルの供給指示を送信する。サンプラ4の制御部24は、管理装置6を介して、供給対象のバイアルのサイズ情報をインジェクタ2の制御部22へ提供する。インジェクタ2の制御部22は、提供された情報によって供給対象のバイアルのサイズを認識し(ステップ101)、そのバイアルに対応するバイアル受け穴30におけるバイアルの存在の有無を検知する(ステップ102)。
【0025】
供給対象のバイアルに対応するバイアル受け穴30が空いている場合(ステップ103:Yes)、インジェクタ2の制御部22は、ターレット10を制御し、供給対象のバイアルに対応するバイアル受け穴30を受渡し位置Pに配置する(ステップ104)。サンプラ4の制御部24は、搬送アーム14を制御し、供給対象のバイアルを受渡し位置Pに搬送し、受渡し位置Pに配置されているバイアル受け部30へそのバイアルを受け渡す(ステップ105)。
【0026】
一方、供給対象のバイアルに対応するバイアル受け穴30が空いていない場合(ステップ103:No)、サンプラ4は、インジェクタ2に対するバイアルの供給をキャンセルする(ステップ106)。このとき、管理装置6は、液晶ディスプレイなどの情報表示装置(図示は省略)にバイアルの供給がキャンセルされたことを示す情報を表示するように構成されていてもよい。
【0027】
以上において説明した実施例は、本発明に係る自動試料注入システムの実施形態の一例を示したに過ぎない。本発明に係る自動試料注入システムの実施形態は以下に示すとおりである。
【0028】
本発明に係る自動試料注入システムの一実施形態では、分析装置に対する試料注入動作を行なうインジェクタを少なくとも備えた自動試料注入システムであって、前記インジェクタが、サイズが互いに異なる複数種類のバイアルのそれぞれを受けるためにバイアルの各種類に対応して設けられた複数のバイアル受け穴が上面において同一円周上に設けられており、前記複数のバイアル受け穴がそれぞれ円周軌道を描いて移動するように回転するターレットと、前記ターレットの動作を制御する制御部であって、前記インジェクタへバイアルを供給するサンプラが設けられている場合に、前記サンプラから前記インジェクタへバイアルが供給される際に、供給対象のバイアルのサイズを認識し、前記供給対象のバイアルに対応する前記バイアル受け穴を前記円周軌道上に設定された受渡し位置に配置するように構成された制御部と、を備えている。
【0029】
上記一実施形態の第1態様では、前記インジェクタの側方に配置され、バイアルを前記インジェクタへ供給するサンプラをさらに備え、前記サンプラは、前記インジェクタへバイアルを供給する際に、供給対象のバイアルのサイズに関するバイアル情報を出力するとともに、前記供給対象のバイアルを前記受渡し位置へ搬送するように構成されており、前記インジェクタ(2)の前記制御部は、前記サンプラから出力された前記バイアル情報に基づいて前記供給対象のバイアルのサイズを認識し、前記供給対象のバイアルに対応する前記バイアル受け穴を前記受渡し位置に配置するように構成されている。
【0030】
上記一実施形態の第2態様では、前記インジェクタが、前記サンプラから前記インジェクタへ前記供給対象のバイアルが供給される前に、前記供給対象のバイアルに対応する前記バイアル受け穴が空いているか否かを検知するように構成されたバイアル検知部をさらに備えている。このような態様により、サンプラからインジェクタへバイアルが搬送される前に、そのバイアルを受け入れるためのバイアル受け穴に空きがあるか否かを検知することができ、インジェクタ側のバイアル受け穴に空きがない状態でサンプラからバイアルが供給されることを防止できる。この第2態様は、上記第1態様と組み合わせることができる。
【0031】
上記第2態様において、前記供給対象のバイアルに対応する前記バイアル受け穴が空いていないことを前記バイアル検知部が検知したときに、前記サンプラが、前記供給対象のバイアルを前記インジェクタへ供給することをキャンセルするように構成することができる。これにより、インジェクタ側のバイアル受け穴に空きがない状態でサンプラからバイアルが供給されることを確実に防止できる。
【0032】
上記一実施形態の第3態様では、前記バイアル受け穴の縁はテーパ形状となっている。これにより、サンプラからインジェクタにバイアルが供給される際のバイアル受け穴に対するバイアルの位置決めのずれをある程度許容することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 自動試料注入システム
2 インジェクタ
4 サンプラ
6 管理装置
8 サンプリング機構
10 ターレット
12 シリンジ
14 搬送アーム
16 バイアルホルダ
18 グリッパ
20 爪
22 インジェクタの制御部
24 サンプラの制御部
26 バイアル検知部
28,30 バイアル受け穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6