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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】センサユニット
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
B60S1/62 120C
B60S1/62 110A
B60S1/62 110B
B60S1/62 110C
B60S1/62 110D
B60S1/62 120B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020192576
(22)【出願日】2020-11-19
(65)【公開番号】P2022081188
(43)【公開日】2022-05-31
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】清野 光宏
(72)【発明者】
【氏名】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】大林 弘典
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111152757(CN,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0354659(KR,Y1)
【文献】実開昭60-37463(JP,U)
【文献】特開2015-104933(JP,A)
【文献】特開2018-203074(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0094086(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(2)において外界の情報を取得する外界センサ(40a)のセンシング領域(Rs)が、当該外界に露出する露出面(330a)を通して設定されるセンサユニット(1)であって、
前記露出面を洗浄するために、前記露出面へ向けて洗浄流体を噴射する洗浄ノズル(51a,5051a,7051a)と、
前記車両の走行に伴って走行風(W)が流入することにより発生する気流(F)を前記露出面へ向かって案内する案内流路(340,2340,3340,4340,5340,6340)を、形成する流路形成構造(34,2034,3034,4034,5034,6034)と、を備え
前記外界センサの前記センシング領域は、前記露出面を通して前記車両のピッチ軸方向(Y)における側方に設定され、
前記案内流路は、前記車両の走行方向(X)において前記走行風が流入する前方から、後方の前記露出面へ向かって前記気流を案内するセンサユニット。
【請求項2】
前記流路形成構造は、前記案内流路を絞ることにより前記気流としての噴流を発生させる絞り部(343,2343,4343,6343)を、有する請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項3】
前記案内流路(340,3340,5340)は、前記走行方向において前方から後方の前記露出面へ向かうほど前記車両のヨー軸方向(Z)に狭められる請求項1又は2に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記案内流路(2340,4340,6340)は、前記走行方向において前方から後方の前記露出面へ向かうほど前記ピッチ軸方向に狭められる請求項1又は2に記載のセンサユニット。
【請求項5】
前記案内流路(3340,4340)は、前記走行方向において前方から後方の前記露出面へ向かうほど前記車両のヨー軸方向(Z)における下方へ向かうように、前記気流を案内し、
前記洗浄ノズル(51a,7051a)から前記車両のヨー軸方向(Z)における下方の前記露出面へ向かって前記洗浄流体が噴射される噴射軸方向(An)は、前記気流と交差する方向に設定される請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサユニット。
【請求項6】
前記案内流路(5340,6340)は、前記走行方向において前方から後方の前記露出面へ向かうほど前記車両のヨー軸方向(Z)における上方へ向かうように、前記気流を案内し、
前記走行方向における前記露出面の中心部よりも後方に偏って配置される前記洗浄ノズル(5051a)から、前記車両のヨー軸方向(Z)における下方の前記露出面へ向かって前記洗浄流体が噴射される噴射軸方向(An)は、前記気流と対抗する方向に設定される請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサユニット。
【請求項7】
前記流路形成構造は、前記走行方向において前方から後方の前記露出面へ向かうほど前記車両のヨー軸方向(Z)における上方へ向かうように、前記気流を案内する案内傾斜部(5346)を、前記車両のヨー軸方向(Z)における前記露出面の上方に有する請求項に記載のセンサユニット。
【請求項8】
前記走行方向において複数並ぶ前記外界センサの前記ピッチ軸方向における側方に前記センシング領域が設定される前記露出面は、前記走行方向に沿う単一仮想平面(S)上に形成される請求項1~7のいずれか一項に記載のセンサユニット。
【請求項9】
前記洗浄ノズル(7051a)は、前記走行方向における前記露出面の中心部よりも前方に偏って配置される請求項1~8のいずれか一項に記載のセンサユニット。
【請求項10】
前記洗浄流体は、洗浄液であり、
前記案内流路は、前記車両のヨー軸方向(Z)における前記露出面の下方にて開放される請求項1~のいずれか一項に記載のセンサユニット。
【請求項11】
前記流路形成構造を含んで構成され、前記車両のルーフ上において前記外界センサを収容するためのハウジング(3)を、備える請求項1~10のいずれか一項に記載のセンサユニット。
【請求項12】
自動運転制御モードの前記車両における前記センシング領域が、前記露出面を通して設定される請求項1~11のいずれか一項に記載のセンサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両において外界の情報を取得する外界センサのセンシング領域が、当該外界に露出する露出面を通して設定されるセンサユニットは、広く知られている。例えば特許文献1の開示技術では、車両の側方にセンシング領域が設定される外界センサの露出面として窓の外面には、洗浄ノズルから洗浄流体が噴射されることで、当該外面が洗浄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第10099630号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の開示技術では、洗浄ノズルからの洗浄流体の噴射量によっては、窓の外面に洗浄流体が行き渡り難くなる。その結果、露出面の洗浄不良を招くおそれがある。特に近年、自動運転制御モードの車両において露出面の洗浄不良は、センシング性能の変動、ひいては自動運転制御の精度低下に繋がる懸念があるため、望ましくない。
【0005】
本開示の課題は、外界センサの露出面に対する洗浄不良を抑制するセンサユニットを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
本開示の一態様は、
車両(2)において外界の情報を取得する外界センサ(40a)のセンシング領域(Rs)が、当該外界に露出する露出面(330a)を通して設定されるセンサユニット(1)であって、
露出面を洗浄するために、露出面へ向けて洗浄流体を噴射する洗浄ノズル(51a,5051a,7051a)と、
車両の走行に伴って走行風(W)が流入することにより発生する気流(F)を露出面へ向かって案内する案内流路(340,2340,3340,4340,5340,6340)を、形成する流路形成構造(34,2034,3034,4034,5034,6034)と、を備え
外界センサのセンシング領域は、露出面を通して車両のピッチ軸方向(Y)における側方に設定され、
案内流路は、車両の走行方向(X)において走行風が流入する前方から、後方の露出面へ向かって気流を案内する。
【0008】
本開示の一態様において流路形成構造の形成する案内流路によると、車両の走行に伴う走行風の流入により発生する気流は、外界センサの露出面へ向かって案内される。このとき、洗浄ノズルから露出面へ向けて噴射される洗浄流体は、案内流路の気流と衝突することで、拡散され得る。故に、露出面に洗浄流体を行き渡らせて、露出面に対する洗浄不良を抑制することが、可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一実施形態によるセンサユニットの車両への搭載状態を示す横断面図である。
図2】第一実施形態によるセンサユニットの特性を説明するための横断面図である。
図3】第一実施形態によるセンサユニットの詳細構造を示す側面図である。
図4図3のIV-IV線断面図である。
図5図3のV-V線断面図である。
図6】第一実施形態によるセンサユニットの特性を説明するための側面図である。
図7】第二実施形態によるセンサユニットの詳細構造を示す側面図である。
図8図7のVIII-VIII線断面図である。
図9図7のIX-IX線断面図である。
図10】第二実施形態によるセンサユニットの特性を説明するための側面図である。
図11】第三実施形態によるセンサユニットの詳細構造を示す側面図である。
図12】第三実施形態によるセンサユニットの特性を説明するための側面図である。
図13】第四実施形態によるセンサユニットの詳細構造を示す側面図である。
図14】第四実施形態によるセンサユニットの特性を説明するための側面図である。
図15】第五実施形態によるセンサユニットの詳細構造を示す側面図である。
図16】第五実施形態によるセンサユニットの特性を説明するための側面図である。
図17】第六実施形態によるセンサユニットの詳細構造を示す側面図である。
図18】第六実施形態によるセンサユニットの特性を説明するための側面図である。
図19】第七実施形態によるセンサユニットの詳細構造を示す側面図である。
図20】第一実施形態の変形例によるセンサユニットの詳細構造を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、複数の実施形態を図面に基づき説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことで、重複する説明を省略する場合がある。また、各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。さらに、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
【0011】
(第一実施形態)
図1に示すように第一実施形態のセンサユニット1は、車両2に搭載される。車両2は、自動運転制御モードにおいて定常的又は一時的に自動走行可能となっている。ここで自動運転制御モードは、条件付運転自動化、高度運転自動化、又は完全運転自動化といった、作動時のシステムが全ての運行タスクを実行する自律運転制御により、実現されてもよい。自動運転制御モードは、運転支援、又は部分運転自動化といった、乗員が一部又は全ての運転タスクを実行する高度運転支援制御において、実現されてもよい。自動運転制御モードは、それら自律運転制御と高度運転支援制御との組み合わせ又は切り替えにより、実現されてもよい。
【0012】
まず、第一実施形態によるセンサユニット1の基本構造を、説明する。センサユニット1は、ハウジング3、センサ系4、洗浄系5、及び制御系6を備えている。以下、センサユニット1の方向に関する説明は、水平面上の車両2を基準に説明される。ここで車両2には、ロール軸方向に沿った走行方向Xと、ピッチ軸方向Yと、ヨー軸方向Zとが、定義されている。この定義の下、特に走行方向Xの前方及び後方は、走行方向Xの切り替えに拘らず固定されてもよいし、走行方向Xの切り替えに応じて逆転してもよい。
【0013】
ハウジング3は、例えば樹脂、金属又はそれらの組み合わせにより中空扁平状の矩形箱形等に、形成されている。ハウジング3は、車両2のルーフ20上に設置される。ハウジング3は、走行方向Xの前側及び後側並びにピッチ軸方向Yの左側及び右側に、それぞれルーフ20の四辺に沿って立設される外壁部31を、有している。各外壁部31には、センサ窓32が複数ずつ開口している。各センサ窓32は、それぞれ板状の透明カバー33により覆われている。各透明カバー33の外面は、車両2の外界に露出する露出面330を、それぞれ構成している。
【0014】
センサ系4は、複数の外界センサ40を含んで構成されている。各外界センサ40は、それぞれ個別の露出面330に対応して、ハウジング3の内部に保持されている。これによりハウジング3は、車両2のルーフ20上において外界センサ40を複数収容するための機能を、果たすようになっている。
【0015】
各外界センサ40は、例えばカメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging / Laser Imaging Detection and Ranging)、レーダ、及びソナー等のうち、それぞれ個別の一種類により構成される。ここで、種類とは構造の違いを含めて区別されるとすると、外界センサ40のうち少なくとも二つ同士が同一の種類であってもよいし、外界センサ40の全てが相異なる種類であってもよい。こうした各外界センサ40には、対応する露出面330を通して車両2の外界をセンシングするセンシング領域Rsが、図2に示すように設定されている。各外界センサ40は、外界のセンシング領域Rsに存在する物体の情報を、センシング情報として取得する。尚、図2及び後述の図3~5は、ピッチ軸方向Yの側方を向く露出面330aを通して当該側方にセンシング領域Rsが設定される外界センサ40aの例を、代表的に示している。
【0016】
図1に示すように洗浄系5は、複数の洗浄モジュール50を含んで構成されている。各洗浄モジュール50は、それぞれ個別の露出面330に対応して、ハウジング3の内外に跨って保持されている。これにより各洗浄モジュール50は、それぞれ個別の外界センサ40にも対応している。各洗浄モジュール50は、対応する外界センサ40のセンシング領域Rsに位置する露出面330を、洗浄対象とする。
【0017】
図3~5に示すように各洗浄モジュール50は、洗浄対象の露出面330へ向かって洗浄流体を噴射する洗浄ノズル51を、少なくとも一つずつ有している。ここで、各洗浄モジュール50において洗浄ノズル51から噴射されて露出面330を洗浄するための洗浄流体は、例えばエア等の洗浄ガスであってもよいし、洗浄液であってもよい。さらに各洗浄モジュール50は、洗浄ノズル51以外にも、洗浄対象の露出面330を払拭する洗浄ワイパを、少なくとも一つずつ有していてもよい。尚、図3~5は、上述の如き側方用の外界センサ40aに対応した洗浄ノズル51aの例を、代表的に示している。
【0018】
図1に示すように制御系6は、ハウジング3の内部に保持されている。制御系6は、少なくとも一つの専用コンピュータを主体に構成される。制御系6は、例えばLAN(Local Area Network)、被覆配線、ワイヤハーネス、及び内部バス等のうち少なくとも一種類を介して、センサユニット1のセンサ系4及び洗浄系5と、車両2内部の制御系とに接続される。制御系6は、センサ系4における少なくとも外界センサ40のセンシング情報に基づくことで、洗浄系5における少なくとも洗浄ノズル51の作動を制御する。制御系6は、センサ系4における少なくとも外界センサ40のセンシング情報に基づくことで、自動運転制御モードを含む制御モードを、車両2内部の制御系と共同して実現する。
【0019】
(詳細構造)
次に、第一実施形態によるハウジング3及び洗浄ノズル51aの詳細構造を、図2~6基づき説明する。尚、詳細構造の説明において走行方向Xの前方及び後方は、説明の便宜上、走行方向Xの切り替えに拘らず固定されているものとする。
【0020】
図2~5に示すようにハウジング3は、ピッチ軸方向Yの側方を向く露出面330aを通して当該側方にセンシング領域Rsが設定される外界センサ40aを、走行方向Xに複数並べて収容している。ハウジング3において、これらの外界センサ40aに対応する側方用の各露出面330aをピッチ軸方向Yの側方外界へと向かって露出させている側方外壁部31aは、車両2のルーフ20上ではピッチ軸方向Yの両側に配置される。ハウジング3は、このような各側方外壁部31aにそれぞれ個別に設けられてルーフ20上に案内流路340を構築するための流路形成構造34を、含んで構成されている。そこで以下では、走行方向Xの前方へ向かって走行する車両2においてピッチ軸方向Yの左側に配置される流路形成構造34につき、代表的に説明する。
【0021】
図3~5に示すように流路形成構造34は、案内面341を有している。案内面341は、走行方向X及びヨー軸方向Zに沿って広がり且つピッチ軸方向Yに実質垂直な仮想平面Sにおいて、平面状に形成されている。案内面341は、側方用の各露出面330aと実質面一に接続されている。これにより各露出面330aは、単一仮想平面S上に形成且つ配置されている。
【0022】
流路形成構造34は、一対の案内突体342を有している。各案内突体342は、案内面341においてヨー軸方向Zの上縁部及び下縁部から、それぞれピッチ軸方向Yの側方外界へと向かって突出している。ヨー軸方向Zにおける案内突体342間には、案内面341及び各露出面330aに沿って案内流路340が形成されている。このように第一実施形態では、各案内突体342が案内面341及び各露出面330aと共同して、案内流路340を形成している。これにより各露出面330aは、案内流路340を通して側方外界に露出している。
【0023】
図3,4,6に示すように、各案内突体342において走行方向Xの前側部分342aは、同方向Xの前方から後方へ向かうほど、ヨー軸方向Zでは互いに接近するように、例えば平面状又は湾曲面状に傾斜している。これら各案内突体342の前側部分342aは、案内流路340を絞る絞り部343を、共同して構築している。ここで絞り部343は、いずれの露出面330aよりも走行方向Xの前方に配置されている。これにより絞り部343は、走行方向Xにおいて前方から後方の各露出面330aへ向かうほど、ヨー軸方向Zにおける案内流路340の幅δzを狭めている。
【0024】
絞り部343は、走行方向Xの前方外界に対して、案内流路340を開放している。これにより図6に二点鎖線矢印で模式的に示すように、車両2の走行に伴って発生する走行風Wは、絞り部343の開放端から流路形成構造34内に取り込まれることで、案内流路340へ流入する。その結果、案内流路340に発生する気流Fは、絞り部343により絞られた状態で、各露出面330aへと向かって案内される。
【0025】
図3,5,6に示すように、各案内突体342において前側部分342aよりも走行方向Xの後側部分342bは、同方向Xの前方から後方へ向かうほど、ヨー軸方向Zでは互いに離間するように、例えば平面状又は湾曲面状に傾斜している。こうした各案内突体342の後側部分342bは、案内流路340を拡大する拡大部344を、共同して構築している。ここで拡大部344は、ヨー軸方向Zにおいて各露出面330aの上下に距離を空けて、配置されている。これにより拡大部344は、走行方向Xにおいて前方の絞り部343から後方の各露出面330aへ向かうほど、ヨー軸方向Zにおける案内流路340の幅δzを拡げている。
【0026】
拡大部344は、走行方向Xの後方外界に対して、案内流路340を開放している。これにより図6に二点鎖線矢印で模式的に示すように、車両2の走行に伴う走行風Wの流入によって案内流路340に発生した気流Fは、絞り部343による絞り作用を受けてから、拡大部344により拡散されることで、噴流の状態で各露出面330aに案内される。
【0027】
図3~6に示すように流路形成構造34は、各露出面330aにそれぞれ個別に対応した複数の洗浄ノズル51aを、保持している。各洗浄ノズル51aは、対応する露出面330aを洗浄するために、走行方向Xにおいて当該対応露出面330aの中心部に位置合わせして、配置されている。
【0028】
図3,5に示すように各洗浄ノズル51aは、ヨー軸方向Zの上方から下方の対応露出面330aへと向けて洗浄流体を噴射する噴射口510aを、少なくとも一つずつ形成している。それぞれ筒状外形を呈する各洗浄ノズル51aの中心軸方向は、図3,6に示す噴射軸方向Anとして、定義されている。ここで例えば、各洗浄ノズル51aに単一の噴射口510aが設けられる構成等では、当該単一噴射口510aの中心軸方向が噴射軸方向Anと実質一致していてもよい。また、特に第一実施形態における各洗浄ノズル51aの噴射軸方向Anは、ヨー軸方向Zに沿って上方から下方へ向かう方向に、設定されている。これにより各洗浄ノズル51aの噴射軸方向Anは、図6に二点鎖線矢印で模式的に示すように、案内流路340を案内される気流Fの流動方向に対し、走行方向Xの前側において鋭角以上の角度で交差する。
【0029】
(作用効果)
以上説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
【0030】
第一実施形態において流路形成構造34の形成する案内流路340によると、車両2の走行に伴う走行風Wの流入により発生する気流Fは、外界センサ40aの露出面330aへ向かって案内される。このとき、洗浄ノズル51aから露出面330aへ向けて噴射される洗浄流体は、案内流路340の気流Fと衝突することで、拡散され得る。故に、露出面330aに洗浄流体を行き渡らせて、露出面330aに対する洗浄不良を抑制することが、可能となる。
【0031】
第一実施形態による流路形成構造34では、絞り部343が案内流路340を絞ることで、案内流路340により案内される気流Fとして、噴流が発生する。これによれば、洗浄ノズル51aから露出面330aへと向けて噴射される洗浄流体は、案内流路340の噴流と衝突することで、広範囲に拡散され得る。故に、比較的大型の外界センサ40aに合わせた広面積の露出面330aであっても、洗浄流体を行き渡らせることで、露出面330aに対する洗浄不良を抑制することが、可能となる。
【0032】
第一実施形態による外界センサ40aでは、センシング領域Rsが車両2のピッチ軸方向Yにおける側方に露出面330aを通して設定される。そこで案内流路340は、車両2の走行方向Xにおいて走行風Wの流入する前方から、後方の露出面330aへと向かって気流Fを案内することで、洗浄ノズル51aからの洗浄流体に対して気流Fを露出面330aの側方で衝突並びに拡散させることができる。故に、側方をセンシングする外界センサ40aの露出面330aに対して、洗浄不良を抑制することが可能となる。
【0033】
第一実施形態による案内流路340は、走行方向Xにおいて前方から後方の露出面330aへ向かうほど車両2のヨー軸方向Zに狭められることで、露出面330に案内される気流Fとしての噴流を発生させることができる。これによれば、洗浄ノズル51aから露出面330aへと向けて噴射される洗浄流体は、案内流路340の噴流と衝突することで、広範囲に拡散され得る。故に、比較的大型の外界センサ40aに合わせた広面積の露出面330aであっても、洗浄流体を行き渡らせることで、露出面330aに対する洗浄不良を抑制することが、可能となる。
【0034】
第一実施形態によると、走行方向Xにおいて複数並ぶ外界センサ40aのピッチ軸方向Yにおける側方にセンシング領域Rsが設定される露出面330aは、走行方向Xに沿う単一仮想平面S上に形成される。これによれば、走行方向Xにおいて走行風Wの流入する前方から、後方にある各外界センサ40aの露出面330aへ気流Fが案内されることで、洗浄ノズル41aからの洗浄流体に対して気流Fを、当該露出面330aの側方で衝突並びに拡散させることができる。故に、側方をセンシングする複数外界センサ40aの露出面330aに対して、洗浄不良を抑制することが可能となる。
【0035】
第一実施形態によると、車両2のルーフ20上において外界センサ40aを収容するためのハウジング3は、上述の原理により露出面330aに洗浄流体を行き渡らせるための流路形成構造34を、含んで構成される。これによれば、洗浄不良の抑制効果が与えられる露出面330aを通して、外界センサ40aにより外界をセンシングするセンサユニット1を、車両2のルーフ20上に容易に搭載することが可能となる。
【0036】
第一実施形態によると、自動運転制御モードの車両2における外界センサ40aのセンシング領域Rsは、露出面330aを通して設定される。ここで特に第一実施形態では、露出面330aに対する洗浄不良を上述の原理により抑制して、外界センサ40aのセンシング精度を確保することで、自動運転制御の精度を高めることが可能となる。
【0037】
(第二実施形態)
図7~10に示すように第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。
【0038】
第二実施形態の流路形成構造2034は、一対の案内突体342に代えて、図7,8に示すように案内トンネル体2342を有している。案内トンネル体2342は、案内面341からピッチ軸方向Yへアーチ状に突出している。案内トンネル体2342が走行方向Xに沿ってストレートに形成する内周孔は、案内面341及び各露出面330aに沿う案内流路2340の一部を、構成している。このように第二実施形態では、案内トンネル体2342が案内面341及び各露出面330aと共同して、案内流路2340を形成している。これにより各露出面330aは、案内流路2340を通して側方外界に露出している。
【0039】
図7,8,10に示すように、案内トンネル体2342においてピッチ軸方向Yに案内流路2340を挟んで案内面341と対向する対向部分2342aは、走行方向Xに沿って前方から後方へ向かうほど、ピッチ軸方向Yでは案内面341と接近するように、例えば平面状又は湾曲面状に傾斜している。こうした対向部分2342aは、案内面341と共同して絞り部2343を構築している。ここで絞り部2343は、いずれの露出面330aよりも走行方向Xの前方に配置されている。これにより絞り部2343は、走行方向Xに沿って前方から後方の各露出面330aへと向かうほど、ピッチ軸方向Yにおける案内流路340の幅δyを狭めている。
【0040】
絞り部2343は、走行方向Xの前方外界に対して、案内流路2340を開放している。これにより図10に二点鎖線矢印で模式的に示すように、車両2の走行に伴って発生する走行風Wは、絞り部2343の開放端から流路形成構造2034内に取り込まれることで、案内流路2340へ流入する。その結果、案内流路2340に発生する気流Fは、絞り部2343により絞られた状態で、各露出面330aへと向かって案内される。
【0041】
図7~10に示すように、走行方向Xにおいて絞り部2343よりも後方では、ヨー軸方向Zの上方外界及び下方外界並びに走行方向Xの後方外界に対して、案内流路2340が開放されている。これにより図10に二点鎖線矢印で模式的に示すように、車両2の走行に伴う走行風Wの流入によって案内流路2340に発生した気流Fは、絞り部2343による絞り作用を受けてから、ピッチ軸方向Yにおいて幅δyの拡大される案内流路2340では拡散されることで、噴流の状態で各露出面330aに案内される。
【0042】
このように第二実施形態による案内流路2340は、走行方向Xにおいて前方から後方の露出面330aへ向かうほどピッチ軸方向Yに狭められることで、露出面330aに案内される気流Fとしての噴流を発生させることができる。これによれば、洗浄ノズル51aから露出面330aへと向けて噴射される洗浄流体は、案内流路2340の噴流と衝突することで、広範囲に拡散され得る。故に、比較的大型の外界センサ40aに合わせた広面積の露出面330aであっても、洗浄流体を行き渡らせることで、露出面330aに対する洗浄不良を抑制することが、可能となる。
【0043】
(第三実施形態)
図11,12に示すように第三実施形態は、第一実施形態の変形例である。
【0044】
第三実施形態の流路形成構造3034において各案内突体3342の後側部分3342bは、いずれの露出面330aよりも走行方向Xの前方に配置され、共同して拡大部344を構築している。これにより案内流路3340は、各露出面330aのヨー軸方向Zにおける下方外界にも上方外界にも、開放されている。
【0045】
各案内突体3342は、それぞれ走行方向Xにおいて前側部分342aと後側部分3342bとの間の中間部分3342cにより、強制部3345を共同して構築している。ここで各案内突体3342の中間部分3342cは、走行方向Xの前方から後方へ向かうほど、ヨー軸方向Zの下方へと向かって、例えば平面状又は湾曲面状に傾斜している。こうして中間部分3342cから構成される強制部3345は、走行方向Xにおいて前方の絞り部343から後方の拡大部344へ向かうほど、案内流路3340を所定幅δzにてヨー軸方向Zの下方へと向かう方向Ddに、傾斜させている。
【0046】
以上の構成から図12に二点鎖線矢印で模式的に示すように、車両2の走行に伴う走行風Wの流入によって案内流路3340に発生した気流Fは、絞り部343による絞り作用を受けてから、拡大部344による拡散作用を受けて噴流となる前に、強制部3345によって流動方向を強制案内される。この強制案内作用を受けた気流Fの流動方向は、走行方向Xにおいて前方から後方の各露出面330aへ向かうほど、ヨー軸方向Zの下方へ向かうように設定されることで、各洗浄ノズル51aの噴射軸方向Anとは走行方向Xの前側において鋭角に交差する。
【0047】
このように第三実施形態による案内流路3340は、走行方向Xにおいて前方から後方の露出面330aへ向かうほど、ヨー軸方向Zにおける下方へ向かうように、気流Fを案内する。そこで、洗浄ノズル51aからヨー軸方向Zにおける下方の露出面330aへと向かって洗浄流体が噴射される噴射軸方向Anは、気流Fと交差する方向に設定されることで、洗浄流体と気流Fの衝突箇所に渦流が発生して当該洗浄流体が拡散し易くなる。故に、露出面330aに洗浄流体を行き渡らせる作用を高めて、露出面330aに対する洗浄不良の抑制効果を担保することが、可能となる。
【0048】
さらに第三実施形態による案内流路3340は、ヨー軸方向Zにおける露出面330aの下方にて開放される。これによれば、走行方向Xの前方から後方の露出面330aへと向かって案内された気流Fに対して、洗浄ノズル51aからの噴射により衝突した洗浄液の場合の洗浄流体は、露出面330aでの拡散洗浄後、下方における案内流路3340の開放箇所から外界へ排出され得る。これによれば、露出面330aに対する洗浄不良の抑制効果に応じて汚れを含み易くなる洗浄液の排出性を、高めることが可能となる。
【0049】
(第四実施形態)
図13,14に示すように第四実施形態は、第二実施形態の変形例である。
【0050】
第四実施形態の流路形成構造4034において、案内トンネル体4342が案内流路4340の一部を形成する内周孔は、走行方向Xの前方から後方へ向かうほどピッチ軸方向Yの下方へと向かって傾斜する傾斜方向Ddに沿って、ストレートに形成されている。こうした案内トンネル体4342は、ピッチ軸方向Yに案内流路4340を挟んで案内面341と対向する対向部分4342aにより、第三実施形態に準ずる強制案内作用の付加された絞り部4343を、構築している。ここで案内トンネル体4342の対向部分4342aは、上述の傾斜方向Ddに沿って走行方向Xの前方から後方へ向かうほど、ピッチ軸方向Yでは案内面341と接近するように、例えば平面状又は湾曲面状に傾斜している。これにより絞り部4343は、傾斜方向Ddに沿って走行方向Xの前方から後方の各露出面330aへ向かうほど、案内流路4340の幅δy(図示省略)を狭めている。
【0051】
以上の構成から図14に二点鎖線矢印で模式的に示すように、車両2の走行に伴う走行風Wの流入によって案内流路4340に発生した気流Fは、幅δyの拡大による拡散作用を受けて噴流となる前に、絞り作用と同時に流動方向の強制案内作用を絞り部4343から受ける。この強制案内作用を受けた気流Fの流動方向は、走行方向Xにおいて前方から後方の各露出面330aへ向かうほど、ヨー軸方向Zの下方へ向かう方向となることで、各洗浄ノズル51aの噴射軸方向Anとは走行方向Xの前側において鋭角に交差する。
【0052】
このような第四実施形態では特に、第二及び第三実施形態に準ずる作用効果を発揮することが、可能である。
【0053】
(第五実施形態)
図15,16に示すように第五実施形態は、第一実施形態の変形例である。
【0054】
第五実施形態において、各露出面330aにそれぞれ対応する洗浄ノズル5051aは、走行方向Xにおいて当該対応露出面330aの中心部よりも後方に偏って、配置されている。これら各洗浄ノズル5051aの噴射軸方向Anは、ヨー軸方向Zの上方から下方へ向かうほど、走行方向Xの後方から前方へ向かって傾斜している。換言すれば、各洗浄ノズル5051aの噴射軸方向Anは、走行方向Xの後方から前方へ向かうほど、ヨー軸方向Zの上方から下方へ向かって傾斜している
【0055】
第五実施形態の流路形成構造5034においてヨー軸方向Zの下側案内突体5342の後側部分5342bは、いずれの露出面330aよりも走行方向Xの前方に配置されている。これにより案内流路5340は、各露出面330aのヨー軸方向Zにおける下方外界に対して、開放されている。一方、流路形成構造5034においてヨー軸方向Zの上側案内突体5342の後側部分342bは、第一実施形態と同様、各露出面330aのヨー軸方向Zにおける上方に距離を空けて配置されている。これにより上側案内突体5342の後側部分342bは、いずれの露出面330aよりも前方では下側案内突体5342の後側部分5342bを共同して拡大部344を構築している一方、それら各露出面330aの上方では案内傾斜部5346を単独で構築している。
【0056】
各案内突体5342は、それぞれ走行方向Xにおいて前側部分342aと後側部分5342bとの間の中間部分5342cにより、強制部5345を共同して構築している。ここで各案内突体5342の中間部分5342cは、走行方向Xの前方から後方へ向かうほど、ヨー軸方向Zの上方へと向かって、例えば平面状又は湾曲面状に傾斜している。こうして中間部分5342cから構成される強制部5345は、走行方向Xにおいて前方の絞り部343から後方の拡大部344へ向かうほど、案内流路5340を所定幅δzにてヨー軸方向Zの上方へと向かう方向Duに、傾斜させている。
【0057】
以上の構成から図16に二点鎖線矢印で模式的に示すように、車両2の走行に伴う走行風Wの流入によって案内流路5340に発生した気流Fは、絞り部343による絞り作用を受けてから、拡大部344による拡散作用を受けて噴流となる前に、強制部5345によって流動方向を強制案内される。この強制案内作用を受けた気流Fの流動方向は、走行方向Xにおいて前方から後方の各露出面330aへ向かうほど、ヨー軸方向Zの上方へ向かうように設定されることで、各洗浄ノズル5051aの噴射軸方向Anとは対抗する。ここで対抗とは、気流Fの流動方向が噴射軸方向Anの実質真逆となる状態は勿論、気流Fの流動方向が走行方向Xの後側において比較的小さな鋭角に噴射軸方向Anと交差する状態も、含む。また、そうした流動方向の気流Fは、ヨー軸方向Zにおいて露出面330aの上方に位置した案内傾斜部5346によっても、走行方向Xにおける前方から後方の各露出面330aへ向かうほど、ヨー軸方向Zの上方へ向かって案内される。
【0058】
このように第五実施形態による案内流路5340は、走行方向Xにおいて前方から後方の露出面330aへ向かうほど、ヨー軸方向Zにおける上方へ向かうように、気流Fを案内する。そこで、走行方向Xにおける露出面330aの中心部よりも後方に偏って配置の洗浄ノズル5051aから、ヨー軸方向Zにおける下方の露出面330aへ向かって洗浄流体が噴射される噴射軸方向Anは、気流Fと対抗する方向に設定されることで、洗浄流体と気流Fの衝突箇所に渦流が発生して当該洗浄流体が拡散し易くなる。故に、露出面330aに洗浄流体を行き渡らせる作用を高めて、露出面330aに対する洗浄不良の抑制効果を担保することが、可能となる。
【0059】
さらに第五実施形態の流路形成構造5034によると、走行方向Xにおいて前方から後方の露出面330aへ向かうほどヨー軸方向Zでは上方へと向かうように、露出面330aの上方の案内傾斜部5346によっても案内され得る。これによれば、洗浄流体と気流Fとの衝突箇所での渦流発生による当該洗浄流体の拡散性を、複数の露出面330aに対して確保して、それら露出面330aに対する洗浄不良の抑制効果を担保することが、可能となる。
【0060】
しかも第五実施形態による案内流路5340は、ヨー軸方向Zにおける露出面330aの下方にて開放される。故に、第三実施形態と同様の原理により、露出面330aに対する洗浄不良の抑制効果に応じて汚れを含み易くなる洗浄液の排出性を、高めることが可能となる。
【0061】
(第六実施形態)
図17,18に示すように第六実施形態は、第二実施形態の変形例である。
【0062】
第六実施形態では、第五実施形態の洗浄ノズル5051aが、各露出面330aにそれぞれ対応して配置されている。
【0063】
第六実施形態の流路形成構造6034において、案内トンネル体6342が案内流路6340の一部を形成する内周孔は、走行方向Xの前方から後方へ向かうほどピッチ軸方向Yの上方へと向かって傾斜する傾斜方向Duに沿って、ストレートに形成されている。こうした案内トンネル体6342は、ピッチ軸方向Yに案内流路4340を挟んで案内面341と対向する対向部分6342aにより、第五実施形態に準ずる強制案内作用の付加された絞り部6343を、構築している。ここで案内トンネル体6342の対向部分6342aは、上述の傾斜方向Duに沿って走行方向Xの前方から後方へ向かうほど、ピッチ軸方向Yでは案内面341と接近するように、例えば平面状又は湾曲面状に傾斜している。これにより絞り部6343は、傾斜方向Duに沿って走行方向Xの前方から後方の各露出面330aへ向かうほど、案内流路6340の幅δy(図示省略)を狭めている。
【0064】
以上の構成から図18に二点鎖線矢印で模式的に示すように、車両2の走行に伴う走行風Wの流入によって案内流路6340に発生した気流Fは、幅δyの拡大による拡散作用を受けて噴流となる前に、絞り作用と同時に流動方向の強制案内作用を絞り部6343から受ける。この強制案内作用を受けた気流Fの流動方向は、走行方向Xにおいて前方から後方の各露出面330aへ向かうほど、ヨー軸方向Zの上方へ向かう方向となることで、各洗浄ノズル5051aの噴射軸方向Anとは対抗する。ここでの対抗も、第五実施形態の場合と同様である。
【0065】
このような第六実施形態では特に、第二及び第五実施形態に準ずる作用効果を発揮することが、可能である。
【0066】
(第七実施形態)
図19に示すように第七実施形態は、第一実施形態の変形例である。
【0067】
第七実施形態において、各露出面330aにそれぞれ対応する洗浄ノズル7051aは、走行方向Xにおいて当該対応露出面330aの中心部よりも前方に偏って、配置されている。これら各洗浄ノズル7051aの噴射軸方向Anは、第一実施形態と同様、ヨー軸方向Zに沿って上方から下方へ向かう方向に、設定されている。
【0068】
このような第七実施形態の走行方向Xでは、前方から後方の露出面330aへ向かって案内された気流Fにより、洗浄ノズル7051aからの洗浄流体が露出面330aの中心部よりも前方から後方へと吹き流されても、当該吹き流しを逆に利用して洗浄流体を露出面330aに行き渡らせることができる。故に、露出面330aに対する洗浄不良の抑制効果を担保することが、可能となる。
【0069】
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0070】
図20に示すように第一~第七実施形態の変形例では、複数の外界センサ40,40aに対して共通の露出面330aが、単一仮想平面S上に設けられていてもよい。尚、図20は、第一実施形態の変形例を代表的に示している。
【0071】
第一~第七実施形態の変形例では、走行方向Xの前方及び後方の少なくとも一方にセンシング領域Rsが設定される外界センサ40の露出面330に関して、流路形成構造34,2034,3034,4034,5034,6034が構築されていてもよい。第一~第七実施形態の変形例において露出面330,330aを形成する透明カバー33は、外界センサ40,40a自体に設けられていてもよい。第一~第七実施形態の変形例において露出面330,330aは、外界センサ40,40aにおける例えばレンズ等の光学部材により、形成されていてもよい。
【0072】
第一~第七実施形態の変形例では、露出面330aと案内面341とがピッチ軸方向Yにずれることで、段差状に接続されていてもよい。第二~第七実施形態の変形例では、第七実施形態による洗浄ノズル7051aの偏り配置構成が組み合わされていてもよい。第五及び第六実施形態では、第一実施形態による洗浄ノズル51aの中心部配置構成が組み合わされていてもよい。
【0073】
第一及び第七実施形態の変形例においてヨー軸方向Zの各案内突体342の後側部分342bは、第三実施形態に準じて、ヨー軸方向Zにおける露出面330aの上下外界に開放されていてもよい。第三実施形態の変形例において各案内突体3342の後側部分3342bは、第一実施形態に準じて、ヨー軸方向Zにおける露出面330aの上下に距離を空けて配置されていてもよい。第五実施形態の変形例においてヨー軸方向Zの下側案内突体5342の後側部分5342bは、第一実施形態に準じて、ヨー軸方向Zにおける露出面330aの下方に距離を空けて配置されていてもよい。第五実施形態の変形例においてヨー軸方向Zの上側案内突体5342の後側部分5342bは、第三実施形態に準じて、ヨー軸方向Zにおける露出面330aの上方外界に開放されることで、案内傾斜部5346を構築していなくてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1:センサユニット、2:車両、3:ハウジング、34,2034,3034,4034,5034,6034:流路形成構造、40,40a:外界センサ、51,51a,5051a,7051a:洗浄ノズル、330,330a:露出面、340,2340,3340,4340,5340,6340:案内流路、343,2343,4343,6343:絞り部、5346 案内傾斜部、An:噴射軸方向、F:気流、Rs:センシング領域、S:仮想平面、W:走行風、X:走行方向、Y:ピッチ軸方向、Z:ヨー軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20