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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】買い物かご洗浄機
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20240116BHJP
   B08B 9/093 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B08B3/02 B
B08B9/093
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020219602
(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公開番号】P2022104404
(43)【公開日】2022-07-08
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西濱 淳盛
(72)【発明者】
【氏名】福井 健太
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-177586(JP,U)
【文献】特開平07-218843(JP,A)
【文献】特開2017-223662(JP,A)
【文献】特許第6321243(JP,B1)
【文献】特開2005-276901(JP,A)
【文献】特開2006-075768(JP,A)
【文献】特開平11-047703(JP,A)
【文献】特開2004-024994(JP,A)
【文献】特開2013-107037(JP,A)
【文献】特開2003-273142(JP,A)
【文献】特開平03-087786(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/025759(US,A1)
【文献】国際公開第2016/130067(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/02
B08B 9/093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、該筐体の内部に設けられ、買い物かごを回動させ、また、該買い物かごを洗浄する洗浄槽とを備え、
前記洗浄槽は、ある回転軸回りに、前記買い物かごを回動させる回動機構を備え、
前記回動機構は、前記買い物かごの取手を、前記買い物かごの容器部から上方に回動させた吊り下げ位置に固定する取手固定部材を備え、
前記洗浄槽において一度に洗浄される前記買い物かごが単一である買い物かご洗浄機。
【請求項2】
前記洗浄槽において洗浄される前記買い物かごの底部の法線方向と、前記回転軸の軸方向とが、45度以上の角度をなす状態において、前記洗浄槽が、前記買い物かごを洗浄する請求項1に記載の買い物かご洗浄機。
【請求項3】
前記回動機構は、
前記回転軸に拘束され、該回転軸を挟んで両側に延伸し、該回転軸回りに回動可能なアームと、
該アームの一端側に拘束され、前記買い物かごが載置されるテーブルと、
該テーブルに載置された前記買い物かごを、前記テーブルに対し固定する固定部材と、
前記アームの、前記回転軸に対し前記テーブルと反対の側である他端側に拘束されたカウンターウエイトと、
を備えた請求項1または2に記載の買い物かご洗浄機。
【請求項4】
前記回動機構は、前記アームの、前記テーブル側の端部と前記カウンターウエイト側の端部とを接続し、前記回転軸の軸方向からみて、前記回転軸を中心とした円形状を有するフレームをさらに備えた請求項3に記載の買い物かご洗浄機。
【請求項5】
前記洗浄槽が、さらに、前記回転軸に対し固定され、液剤を噴射するノズルを備えた請求項1から4の何れか1項に記載の買い物かご洗浄機。
【請求項6】
前記洗浄槽は、さらに、前記回転軸に対し固定され、液剤を噴射するノズルを備え、
前記回動機構は、
前記回転軸に拘束され、該回転軸を挟んで両側に延伸し、該回転軸回りに回動可能なアームと、
該アームの一端側に拘束され、前記買い物かごが載置されるテーブルと、を備え、
前記取手固定部材は、前記回転軸に対して前記テーブルの反対側に位置している、請求項1に記載の買い物かご洗浄機。
【請求項7】
前記洗浄槽が、さらに、前記回転軸に対し固定され、液剤を噴射するノズルを備え、
前記洗浄槽は、前記ノズルからの前記液剤の噴射を停止した状態において、前記買い物かごを、前記回転軸回りに、第1回転速度において回転させる第1動作と、前記ノズルから前記液剤を噴射させた状態において、前記買い物かごを、前記回転軸回りに、前記第1回転速度よりも速い第2回転速度において回転させる第2動作とにより、前記買い物かごを洗浄する請求項2に記載の買い物かご洗浄機。
【請求項8】
前記筐体に設けられ、前記筐体の外部と前記洗浄槽の内部とを連通し、前記買い物かごの通過を可能とする、単一の開口部と、
該開口部を開閉するシャッタとをさらに備えた請求項1からの何れか1項に記載の買い物かご洗浄機。
【請求項9】
前記筐体は、前記開口部側の側面に、人体を感知する人感センサと、前記人感センサによる人体の感知の有無に応じて、前記シャッタの開閉を制御する制御部とをさらに備えた請求項に記載の買い物かご洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、買い物かごの洗浄を行う買い物かご洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、買い物かごを含む用具を洗浄する装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-54816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1が開示する洗浄車は、例えば、スーパーマーケット等を含む、店舗の内部に載置することが困難であり、店舗に来場した買い物かごの利用者が、手軽に買い物かごを洗浄することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る買い物かご洗浄機は、筐体と、該筐体の内部に設けられ、買い物かごを回動させ、また、該買い物かごを洗浄する洗浄槽とを備え、前記洗浄槽は、ある回転軸回りに、前記買い物かごを回動させる回動機構を備え、前記洗浄槽において一度に洗浄される前記買い物かごが単一である買い物かご洗浄機。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、店舗内部を含む屋内への載置がより容易な買い物かご洗浄機を実現でき、買い物かごの利用者が、より手軽に買い物かごの洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1に係る買い物かご洗浄機の、正面視における、筐体内部の概略透過図である。
図2】実施形態1に係る買い物かご洗浄機の斜視図である。
図3】実施形態1に係る買い物かご洗浄機の、側面視における、筐体内部の概略透過図である。
図4】実施形態1に係る買い物かご洗浄機により洗浄される買い物かごの概略正面図および概略側面図である。
図5】実施形態1に係る買い物かご洗浄機の洗浄槽内部に、買い物かごを設置した状態における、当該買い物かご洗浄機の、正面視における、筐体内部の概略透過図である。
図6】実施形態1に係る買い物かご洗浄機の洗浄槽内部に、買い物かごを設置した状態における、当該買い物かご洗浄機の、側面視における、筐体内部の概略透過図である。
図7】実施形態1に係る買い物かご洗浄機による買い物かごの回動の様子の一例を示す、当該買い物かご洗浄機の、正面視における、筐体内部の概略透過図である。
図8】実施形態1に係る買い物かご洗浄機の使用例を説明する工程斜視図である。
図9】実施形態2に係る買い物かご洗浄機の斜視図である。
図10】実施形態2に係る買い物かご洗浄機の、側面視における、筐体内部の概略透過図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施形態1〕
<買い物かご洗浄機の概要>
図2は、本実施形態に係る買い物かご洗浄機2を示す斜視図である。図2に示すように、本実施形態に係る買い物かご洗浄機2は、筐体4を備える。特に、筐体4は、買い物かご洗浄機2の下部側の筐体底部4Bと、買い物かご洗浄機2の上部側の筐体天井部4Tと、当該筐体底部4Bおよび筐体天井部4Tの間に立設する側壁とを備える。また、筐体4は、側壁として、少なくとも、買い物かご洗浄機2の正面側に位置する正面側壁4Fと、買い物かご洗浄機2の正面に向かって左右に位置する左右側壁4Sとを備える。
【0009】
買い物かご洗浄機2は、さらに、正面側壁4Fの開口である、単一の開口部6と、当該開口部6を開閉するシャッタ8と、開口部6の周囲側に配置された人感センサ10とを、正面側壁4Fに備える。図2においては、シャッタ8が開口部6を遮蔽した状態を示している。
【0010】
開口部6は、後に詳説する、筐体4の内部に位置する、買い物かごを洗浄する洗浄槽の内部と、筐体4の外部とを連通する、筐体4の開口である。開口部6は、シャッタ8の動作により開放された状態において、後に詳説する、買い物かごの通過を可能とし、筐体4の外部から洗浄槽の内部への買い物かごの載置を可能とする。
【0011】
シャッタ8は、例えば、図2に示すように、複数のプレートにより、開口部6を遮蔽し、当該プレートのそれぞれを筐体4の上部に格納することにより、開口部6を開放する。シャッタ8の各プレートの少なくとも一部は、例えば、可視光を透過してもよい。この場合、買い物かご洗浄機2の使用者は、筐体4の外部から、シャッタ8を介して、上記洗浄槽の内部を視認可能である。シャッタ8は、図2に示すように、3枚のプレートにより、開口部6を遮蔽してもよく、2枚以下、または、4枚以上のプレートにより、開口部6を遮蔽してもよい。シャッタ8の動作については後に詳説する。
【0012】
買い物かご洗浄機2は、単一の開口部6を備える。換言すれば、買い物かご洗浄機2は、買い物かごを買い物かご洗浄機2へ投入するための投入口と、買い物かごが買い物かご洗浄機2から払い出される払出口とを、共通の開口部6に備える。したがって、上記構成により、買い物かご洗浄機2は、利用者に対し、買い物かごをどの位置から投入し、また、買い物かごがどの位置から払い出されるかについて、混乱を与えにくい。
【0013】
人感センサ10は、筐体4の正面側壁4Fの前方における、人体の有無を感知して、シャッタ8の開閉を制御する。例えば、人感センサ10は、人体から放射される赤外線の強度を測定する赤外線センサであってもよい。
【0014】
買い物かご洗浄機2は、例えば、人感センサ10により、筐体4の正面側に人体を感知した場合に、買い物かご洗浄機2の利用者が当該買い物かご洗浄機2に接近したとみなし、シャッタ8を不図示の動力部により動作させて、開口部6を開放してもよい。また、買い物かご洗浄機2は、例えば、人感センサ10により、一度感知した筐体4の正面側の人体を感知しなくなった場合に、当該利用者が当該買い物かご洗浄機2の利用を終了したとみなし、シャッタ8を動作させて、開口部6を遮蔽してもよい。
【0015】
上記動作により、買い物かご洗浄機2は、利用者が必要とする場合にのみ、開口部6を開放することができる。したがって、上記構成により、買い物かご洗浄機2は、洗浄槽の内部が筐体4の外部と常に連通している状態と比較して、洗浄槽内部への埃等を含む異物の混入を低減し、洗浄槽内部をより清潔に保つ。
【0016】
<筐体内部の概要>
本実施形態に係る買い物かご洗浄機2の、筐体4の内部について、図1および図3を参照して詳細に説明する。図1は、買い物かご洗浄機2を、筐体4の正面視において、正面側壁4Fを透過して示す概略透過図である。図3は、買い物かご洗浄機2を、筐体4の側面視において、左右側壁4Sを透過して示す概略透過図である。
【0017】
なお、図1においては、正面側壁4Fを透過して示すものの、正面側壁4Fに形成された、開口部6および人感センサ10の外形のみを点線にて示す。また、シャッタ8を格納する空間であり、後に詳説する、シャッタ格納部62についても、その外形を点線にて示す。
【0018】
さらに、図3においては、筐体4の左右側壁4Sのうち、図1の紙面に向かって右側に位置する左右側壁4Sを透過し、当該左右側壁4Sの正面視における透過図を示す。加えて、図3においては、筐体4の内部に位置する各部材の位置関係をより詳細に示すため、後に詳説する隔壁14およびフレーム42のそれぞれを、一部透過して示す。
【0019】
買い物かご洗浄機2は、筐体4の内部に設けられた、洗浄槽12を備える。洗浄槽12は、筐体4の内部の隔壁14によって区画された、筐体4の内部空間の一部に規定される。買い物かご洗浄機2は、洗浄槽12において、後述する買い物かごを回動させ、また、当該買い物かごを洗浄する。また、買い物かご洗浄機2は、洗浄槽12において、一度に単一の買い物かごを洗浄する。
【0020】
<回動機構>
洗浄槽12は、買い物かごを回動させるための回動機構16を備える。回動機構16は、回転軸18回りに買い物かごを回動させる機構である。例えば、回転軸18は、図3に示すように、正面側壁4Fの法線方向と略一致する方向に、軸方向18Sを有する。本実施形態において、正面側壁4Fは、水平面と略直交する方向に立設するため、軸方向18Sは、水平面と略同一平面上に延伸する。
【0021】
回動機構16は、アーム20と、回動部22とを含む。特に、回動部22は、不図示の動力部により、回転軸18回りに回動する。また、例えば、アーム20を回動部22に対し締め付けて固定するボルトおよびナットを含む、アーム固定部材24によって、アーム20は回動部22に固定される。このため、回動部22の回転軸18回りの回動に伴い、アーム20は回転軸18回りに回動する。
【0022】
アーム20は、例えば、回転軸18を挟んで両側に延伸し、かつ、回転軸18の軸方向18Sと直交する方向に延伸する形状を有する。このため、アーム20は、一端側の端部に位置する第1端部20Aと、該第1端部20Aとは、回転軸18に対し反対の側の、他端側の端部に位置する第2端部20Bとを有する。
【0023】
なお、回動部22には、補助アーム26がさらに固定されていてもよい。例えば、補助アーム26は、回転軸18を挟んで両側に延伸し、かつ、アーム20の延伸方向と略直交する方向に延伸する形状を有していてもよい。また、補助アーム26は、アーム20と一体であってもよい。
【0024】
回動機構16は、さらに、アーム20の第1端部20A側に拘束された、テーブル28を備える。テーブル28は、洗浄槽12による買い物かごの洗浄の間、当該買い物かごが載置される部材である。テーブル28は、例えば、買い物かごの底部を支持する載置部30と、載置部30の周囲端部の一部から立設し、買い物かごの側面を支持することにより、載置部30からの買い物かごの離脱を防止するストッパ32とを備える。なお、載置部30は、例えば、その法線方向が、アーム20の回転軸18の回動によらず、常に回転軸18の軸方向18Sと略直交する方向となるように、アーム20に対し固定される。
【0025】
回動機構16は、さらに、テーブル28に載置された買い物かごを、テーブル28に対し固定するための固定部材として、第1固定ピン34と、取手固定ピン36とを備える。第1固定ピン34は、例えば、補助アーム26から、軸方向18Sと略同一方向に立設する。また、取手固定ピン36は、例えば、アーム20から、軸方向18Sと略同一方向に立設する。回動機構16が備える固定部材により、買い物かごをテーブル28に対して固定する方法に関しては、後に詳説する。
【0026】
回動機構16は、さらに、アーム20の第2端部20B側に拘束されたカウンターウエイト38を備える。例えば、カウンターウエイト38をアーム20の第2端部20B側に対し締め付けて固定するボルトおよびナットを含む、ウエイト固定部材40により、カウンターウエイト38はアーム20の第2端部20B側に固定される。
【0027】
カウンターウエイト38は、テーブル28に対し買い物かごを載置した状態において、アーム20および補助アーム26を、回転軸18回りに回動させた場合、回動機構16全体の角運動量のバランスをより均一とする機能を有する。例えば、上記状態において、回動機構16の、回転軸18よりも第1端部20A側と、回転軸18よりも第2端部20B側との、それぞれの角運動量が略一致するように、カウンターウエイト38の形状および質量が決定されてもよい。
【0028】
回動機構16は、買い物かごを載置した際に増加する、アーム20の第1端部20A側の角運動量に対し、カウンターウエイト38により、アーム20の第2端部20B側の角運動量を増加させ、回動機構16全体の角運動量のバランスを改善する。したがって、回動機構16は、カウンターウエイト38により、回動機構16による買い物かごの回動に伴う、回動機構16の搖動を低減する。
【0029】
回動機構16は、さらに、フレーム42を備える。フレーム42は、例えば、回転軸18を中心軸とした円筒形状を有する。このため、フレーム42は、回転軸18の軸方向からみて、回転軸18を中心とした円形状を有する。フレーム42は、アーム20および補助アーム26の、回転軸18に対するそれぞれの周囲端部を接続する。具体的には、フレーム42は、少なくとも、アーム20の第1端部20Aと第2端部20Bとを接続する。さらに、フレーム42は、補助アーム26の、回転軸18に対する周囲端部のそれぞれと接続してもよい。
【0030】
回動機構16は、回転軸18回りに回動する部材の周囲端部同士が、フレーム42によって接続されている。これにより、フレーム42は、アーム20および補助アーム26を含む、回動機構16の各部材の強度を向上させて、回動機構16による買い物かごの回動の際の、アーム20および補助アーム26等の湾曲を低減する。
【0031】
さらに、フレーム42は、回転軸18の軸方向18Sからみて、回転軸18を中心とした円形状を有する。このため、フレーム42は、回動機構16全体の角運動量のバランスに与える影響を低減しつつ、回動機構16の各部材の強度を向上させることができる。
【0032】
なお、フレーム42からは、水平方向と平行、かつ、フレーム42から回転軸18に向かう方向に延伸する、第2固定ピン44が立設していてもよい。第2固定ピン44は、テーブル28に載置された買い物かごを、テーブル28に対し固定する機能を有し、回動機構16が備える固定部材に含まれる。
【0033】
なお、図1および図3においては、回動機構16が初期位置にある状態を示す。例えば、回動機構16の初期位置は、図1および図3に示すように、載置部30が、回転軸18の下側に位置する状態としてもよい。回動機構16が初期位置にある場合、載置部30の法線方向は、鉛直方向と略同一の方向であってもよい。
【0034】
<ノズル>
洗浄槽12は、さらに、液剤を噴射するノズル46を備える。ノズル46は、例えば、回転軸18の軸方向18Sと略同一方向に延伸し、かつ、回転軸18よりも筐体4の上下方向上側において、回転軸18から延伸する、ノズル固定軸18Aに固定されている。このため、ノズル46は、アーム20等の回転軸18回りの回動によらず、回転軸18に対し固定されている。なお、本実施形態において、ノズル46は、回転軸18から延伸するノズル固定軸18Aに直接固定されているが、これに限られない。例えば、ノズル46は、回転軸18回りの回動によらず、回転軸18に対し固定されていればよく、洗浄槽12の内部に形成され、かつ、回動機構16の動作によらず固定された部材に固定されていてもよい。
【0035】
ノズル46は、例えば、筐体4の内部、かつ、洗浄槽12の外部に形成されたポンプ48から、噴射する液剤を供給されてもよい。ポンプ48は、ノズル46に対し、市水を含む水、または、洗剤等を含む洗浄液等を供給してもよく、ノズル46に供給する液剤を選択可能であってもよい。
【0036】
回転軸18、およびノズル固定軸18Aは、回転軸18からノズル固定軸18Aを介して、ノズル46へ液剤を供給できるように、互いに連通する空洞を有していてもよい。また、ノズル46は、ノズル固定軸18Aが有する上記空洞から供給された液剤を噴射してもよい。加えて、回転軸18の上記空洞は、ポンプ48と連通する配液管50と連通していてもよい。配液管50は、洗浄槽12の隔壁14を貫通し、隔壁14の外側から内側に、液剤を供給する。これにより、ポンプ48から、配液管50、回転軸18、およびノズル固定軸18Aを介して、ノズル46に液剤が供給される。
【0037】
ノズル46は、例えば、ノズル固定軸18Aに複数形成されていてもよい。また、ノズル46は、当該ノズル46の噴射口が鉛直方向下側に向けられていてもよい。加えて、ノズル46は、噴射口を頂点とした円錐状に液剤を噴射してもよい。例えば、ノズル46は、図1および図3に点線にて示す、噴射範囲46Rの内側に向かって、液剤を噴射してもよい。これにより、ノズル46は、ノズル46よりも鉛直方向下側の広範囲に液剤を噴射できる。
【0038】
上記構成により、洗浄槽12は、アーム20の回転軸18回りの回動により、ノズル46の下方にテーブル28を通過させることにより、ノズル46からの液剤を、テーブル28およびその周囲に吹き付けることができる。したがって、洗浄槽12は、ノズル46を利用して、テーブル28に対し固定された買い物かごの洗浄をより効率的に実行できる。また、洗浄槽12は、ノズル46を回転軸18に対し固定したまま、回動機構16により、買い物かごを回動させつつ、当該買い物かごを洗浄できる。このため、洗浄槽12は、ノズル46を回動させる機構を備えていなくとも、テーブル28に対し固定された買い物かごのより広範囲の洗浄を行える。
【0039】
洗浄槽12は、ノズル46から供給された液剤を含む、洗浄槽12内の液体を、買い物かご洗浄機2の外部に排出するための排液溝52を備える。排液溝52は、例えば、洗浄槽12の下方に位置し、不図示の下水管等と連通することにより、洗浄槽12内の液体を、買い物かご洗浄機2の外部に排出する。排液溝52には、買い物かごから離脱した汚れまたはゴミ等をろ過により取り除くためのフィルタパンが形成されていてもよい。
【0040】
<ブロア>
洗浄槽12は、さらに、回動機構16に対し送風するエアノズル54を備える。エアノズル54は、例えば、例えば、筐体4の内部、かつ、洗浄槽12の外部に形成されたブロア56と、隔壁14を貫通する送風管58を介して連通していてもよい。ブロア56は、送風管58を介して、エアノズル54に対し送風してもよい。エアノズル54は、室温よりも高温の温風を送風してもよい。
【0041】
<制御部>
買い物かご洗浄機2は、さらに、筐体4の内部、かつ、洗浄槽12の外部に形成された制御部60を備える。制御部60は、シャッタ8、回動機構16、ポンプ48、およびブロア56のそれぞれの動作を制御する。
【0042】
例えば、制御部60は、人感センサ10による、筐体4の正面側における、人体の感知の有無に応じて、シャッタ8の開閉を制御する。ここで、シャッタ8は、各プレートが、不図示の動力部によって、筐体4の上下方向上側に移動することにより、開口部6を開閉してもよい。また、シャッタ8が開口部6を開放する場合、シャッタ8の各プレートは、筐体4の内部の、正面側壁4F側、かつ、筐体4の上下方向上側に形成された、シャッタ格納部62の内部に格納されてもよい。
【0043】
また、制御部60は、例えば、回動機構16による、アーム20および補助アーム26の、回転軸18周りの回転方向、および回転速度を制御する。さらに、制御部60は、ポンプ48による、ノズル46への液剤の供給の実行および停止を制御することにより、ノズル46からの液剤の供給の実行および停止を制御する。加えて、制御部60は、ブロア56による、エアノズル54への送風の実行および停止を制御することにより、エアノズル54からの送風の実行および停止を制御する。
【0044】
<買い物かご>
次に、本実施形態に係る買い物かご洗浄機2によって洗浄される買い物かごについて、図4を参照して説明する。図4は、買い物かご64を示す概略側面図である。図4は、後述する長辺側壁68の一方を、紙面に向かって手前側に配置して示す側面図と、後述する短辺側壁70の一方を、紙面に向かって手前側に配置して示す側面図とを、それぞれ示している。
【0045】
買い物かご64は、例えば、略平面の底部66を備える。底部66は、例えば、長辺と短辺とを有する略長方形状を有する。底部66の上記長辺側の周囲端部からは、長辺側壁68が立設し、底部66の上記短辺側の周囲端部からは、短辺側壁70が立設する。長辺側壁68と短辺側壁70とには、長穴形状を有する開口が複数形成されていてもよい。
【0046】
長辺側壁68と短辺側壁70とは、それぞれが接続することにより、買い物かご64の平面視において、底部66を囲うように形成される。これにより、買い物かご64は、底部66、長辺側壁68、および短辺側壁70により形成された容器部を備える。また、長辺側壁68、および短辺側壁70の、底部66とは反対の側の端部には、当該容器部の開口となる、買い物かご開口部72が形成される。このため、買い物かご64は、容器部の内外に、買い物かご開口部72を介して、物品を出し入れすることが可能な構造を有する。
【0047】
買い物かご64は、さらに、買い物かご64の容器部の上端に、取手74を備える。取手74は、長辺側壁68の、底部66とは反対の側の端部に形成された、取手軸受76を介して、買い物かご64の容器部の上端に取り付けられる。また、取手74は、取手軸受76回りに回動可能に、買い物かご64の容器部の上部に取り付けられる。
【0048】
また、取手74は、買い物かご64の容器部の上端に、2つ形成され、それぞれ、買い物かご64の容器部の上端の一方の短辺側壁70側と、他方の短辺側壁70側とに形成された、複数の取手軸受76に拘束される。それぞれの取手74は、図4に2点鎖線にて示す吊り下げ位置74Aまで回動する。それぞれの取手74が吊り下げ位置74Aにある場合に、当該取手74をまとめて把持することにより、買い物かご64の容器部を、買い物かご開口部72を上方として吊り下げて保持することができる。
【0049】
なお、買い物かご64の底部66の法線方向は、図4に示す法線方向66Nとなる。取手74の把持により、買い物かご64の容器部を吊り下げて保持した場合、買い物かご64の容器部は、法線方向66Nを鉛直方向と略同一として吊り下げられる。
【0050】
<買い物かごの設置>
上記買い物かご64を、買い物かご洗浄機2に配置した様子を、図5から図7の参照により説明する。
【0051】
図5は、買い物かご64を、買い物かご洗浄機2に配置した状態における買い物かご洗浄機2を、筐体4の正面視において、正面側壁4Fを透過して示す概略透過図である。図6は、買い物かご64を、買い物かご洗浄機2に配置した状態における買い物かご洗浄機2を、筐体4の側面視において、左右側壁4Sを透過して示す概略透過図である。換言すれば、図5および図6のそれぞれは、図1および図3のそれぞれに示す買い物かご洗浄機2の、買い物かご64を配置した状態を示す。
【0052】
図7は、買い物かご64を、買い物かご洗浄機2に配置し、さらに、回動機構16により、アーム20を、回動機構16の初期位置から半回転させた状態における買い物かご洗浄機2を、筐体4の正面視において、正面側壁4Fを透過して示す概略透過図である。換言すれば、図7は、図5に示す買い物かご洗浄機2のアーム20を、回転軸18回りに半回転させた状態を示す。
【0053】
買い物かご洗浄機2の使用者は、シャッタ8が開口部6を開放した状態において、筐体4の外部から、洗浄槽12の内部へ、買い物かご64を投入し、テーブル28の載置部30の上に載置することにより、買い物かご64を買い物かご洗浄機2に配置する。図5および図6に示すように、買い物かご洗浄機2の洗浄槽12の内部には、一度に単一の買い物かご64が載置される。
【0054】
なお、本実施形態において、回動機構16が初期位置にある場合、買い物かご64は、買い物かご開口部72が、鉛直方向上側となるように配置する。これにより、回動機構16によるアーム20の回動の際、テーブル28がノズル46の鉛直方向下側と通過した場合に、ノズル46からの液剤を買い物かご64の容器部の内側に噴射することができる。また、本実施形態において、買い物かご64は、長辺側壁68の一方が、筐体4の正面側に位置するように、テーブル28に載置される。
【0055】
ここで、第1固定ピン34と、第2固定ピン44とは、載置部30に載置された買い物かご64の、買い物かご開口部72側の上端を押さえ付けることにより、買い物かご64を載置部30に対して固定する。ここで、買い物かご64の底部66の法線方向66Nは、載置部30の法線方向と略一致する方向となる。さらに、載置部30の法線方向は、回転軸18の軸方向18Sと略直交する方向である。したがって、洗浄槽12は、法線方向66Nと、回転軸18の軸方向18Sとのなす角度が、略90度となる方向に、買い物かご64を、回動機構16により保持しつつ、買い物かご64の洗浄を行う。
【0056】
また、取手固定ピン36は、載置部30に載置された買い物かご64の取手74を押さえ付けることにより、買い物かご64の取手74を、載置部30、および買い物かご64の容器部に対して固定する。ここで、取手固定ピン36は、取手74が吊り下げ位置74Aまで回動した状態において、当該取手74を固定する。買い物かご64を載置部30に載置し、かつ、取手74を吊り下げ位置74Aまで回動させた場合、例えば、図5および図6に示すように、取手74の、取手軸受76とは反対の側の端部が、回転軸18よりも上方に位置する。
【0057】
このため、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64は、第1固定ピン34と、第2固定ピン44とにより、載置部30に対し固定されている。このため、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64は、アーム20の回転軸18回りの回動角度によらず、載置部30に固定された状態となる。したがって、図7に示すように、アーム20を、回動機構16の初期位置から回転軸18回りに半回転させた場合、買い物かご64は、載置部30に対し押し付けられた状態のまま、回転軸18よりも上側に移動する。
【0058】
ここで、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64を、回転軸18回りに半回転させた場合、取手74の、取手軸受76とは反対の側の端部は、回転軸18およびノズル46よりも下方側に位置する。換言すれば、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64を、回転軸18回りに回転させた場合、取手74に対しても、ノズル46からの液剤が噴射される。
【0059】
上述の通り、洗浄槽12は、買い物かご64の取手74を吊り下げ位置74Aに固定した状態において、当該買い物かご64を洗浄する。このため、買い物かご64の利用者が直接触れる蓋然性が高い取手74を、より確実に洗浄することができる。
【0060】
<買い物かごの洗浄および乾燥>
買い物かご洗浄機2による、買い物かご64の洗浄および乾燥の方法の一例について説明する。はじめに、買い物かご洗浄機2は、不図示のセンサが、載置部30上に載置された買い物かご64を感知し、かつ、シャッタ8が開口部6を遮蔽したことを感知した場合に、買い物かご64の洗浄を開始する。
【0061】
買い物かご64の洗浄工程においては、はじめに、買い物かご洗浄機2は、第1回転速度において、回動機構16のアーム20および補助アーム26を、回転軸18回りの何れか一方の方向に回転させる、第1動作を実行する。第1動作においては、ノズル46からの液剤の噴射を停止する。第1動作により、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64は、第1回転速度にて、回転軸18回りに回転する。
【0062】
ここで、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64の底部66の法線方向66Nは、載置部30の法線方向と略一致する。このため、回転軸18の軸方向18Sは、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64の底部66の法線方向66Nと直交する。このため、アーム20が回転軸18回りに回転した場合、当該回転中において、買い物かご64の底部66から買い物かご開口部72への方向が、鉛直方向下側となる期間が存在する。ここで、第1動作においては、買い物かご64の底部66から買い物かご開口部72への方向が、鉛直方向下側となる時間が十分に長くなるように、第1回転速度を設定する。
【0063】
上記構成により、買い物かご64の容器部の内部に、ゴミ等の異物が含まれている場合、当該ゴミは、第1動作の最中に、重力にしたがって、洗浄槽12の鉛直方向下方に落下する。第1動作により、ノズル46による液剤の噴射等を利用せずとも、買い物かご64から取り除くことができる異物を、より効率的に取り除くことができる。本実施形態においては、洗浄槽12の鉛直方向下方に不図示のフィルタを形成することにより、洗浄槽12の鉛直方向下方に落下した異物を受け止めて、当該異物の排液溝52への侵入を防止してもよい。
【0064】
第1動作の完了に次いで、買い物かご洗浄機2は、第1回転速度よりも速い第2回転速度において、回動機構16のアーム20および補助アーム26を、回転軸18回りの何れか一方の方向に回転させる、第2動作を実行する。第2動作においては、ノズル46からの液剤を噴射する。第2動作により、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64は、第2回転速度にて、回転軸18回りに回転する。
【0065】
第2動作により、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64には、ノズル46から液剤が噴射される。第2動作において、買い物かご64は、回転軸18回りに回転し、特に、第2動作において、取手74を含む買い物かご64の各部は、ノズル46の鉛直方向下側を通過する。このため、ノズル46からの液剤は、買い物かご64の広範囲に噴射される。したがって、第2動作により、買い物かご64は、より効率的に液剤により洗浄される。なお、第2回転速度は、第1回転速度よりも速いため、第2動作における、買い物かご64の洗浄が、より高速に実行できる。
【0066】
第2動作の完了に次いで、買い物かご洗浄機2は、第2回転速度よりもさらに速い第3回転速度において、回動機構16のアーム20および補助アーム26を、回転軸18回りの何れか一方の方向に回転させる、第3動作を実行する。第3動作においては、ノズル46からの液剤の噴射を再び停止し、ブロア56により、エアノズル54からの送風を実行する。第3動作により、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64は、第3回転速度にて、回転軸18回りに回転する。
【0067】
第3動作により、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64には、エアノズル54から、温風を含む気流を吹き付けられる。また、第3動作において、買い物かご64は、回転軸18回りに回転する。このため、ノズル46からの気流は、買い物かご64の広範囲に吹き付けられる。さらに、第3回転速度は、第2回転速度よりもさらに早いため、第2動作により買い物かご64に付着した液体を、より効率的に吹き飛ばすことができる。したがって、第2動作により、買い物かご64は、より効率的、かつ、よい高速に乾燥される。
【0068】
以上、第1動作、第2動作、および第3動作の完了に伴い、買い物かご洗浄機2は、回動機構16の各部を初期位置に戻した状態において、シャッタ8をシャッタ格納部62に格納して、開口部6を開放する。これにより、買い物かご64の利用者は、洗浄槽12の内部の買い物かご64を、筐体4の外部に取り出すことができる。買い物かご洗浄機2は、買い物かご64が、洗浄槽12から、筐体4の外部に取り出されたことを、不図示のセンサにより検出した場合に、シャッタ8によって、開口部6を遮蔽してもよい。
【0069】
第1動作においては、アーム20が少なくとも1回転以上、一方方向に回転してもよい。あるいは、第1動作においては、アーム20が少なくとも半回転以上、一方方向に回転した後、反対方向にて回転して、アーム20を初期位置に戻してもよい。第2動作および第3動作においては、各動作の間に、アーム20の、一方方向への回転と、当該一方方向とは反対への方向への回転とを繰り返してもよい。
【0070】
本実施形態においては、回転軸18の軸方向18Sが、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64の底部66の法線方向66Nと直交する例を説明したが、これに限られない。例えば、本実施形態において、洗浄槽12は、回転軸18の軸方向18Sと、買い物かご洗浄機2に配置された買い物かご64の底部66の法線方向66Nとが、45度以上の角度をなす状態において、買い物かご64を洗浄してもよい。
【0071】
上記構成により、アーム20が回転軸18回りに回転した場合、当該回転中において、買い物かご64の底部66から買い物かご開口部72への方向が、略水平方向、あるいは、鉛直方向下側となる瞬間が存在する。これにより、上述した第1動作等により、より効率的に異物を買い物かご64から除去し、より効率的に買い物かご64を洗浄できる。
【0072】
<複数の買い物かご洗浄機の使用例>
買い物かご64の利用者による、複数の買い物かご洗浄機2の利用方法の例を、図8を参照して説明する。図8は、複数の買い物かご洗浄機2により、買い物かご64の利用者が、買い物かご64を洗浄する様子を示す工程斜視図である。図8においては、スーパーマーケット等の、本実施形態に係る買い物かご洗浄機2が載置された店舗に来場した、買い物かご64の利用者が、当該買い物かご64を買い物かご洗浄機2により洗浄し、洗浄済の買い物かご64を得る方法の例について説明する。本実施形態においては、洗浄前の買い物かご64を有する、買い物かご洗浄機2の利用者に対し、洗浄後の買い物かご64を、図8に示す2台の買い物かご洗浄機2により提供する方法を説明する。
【0073】
図8は、本実施形態に係る買い物かご洗浄機2と同一の構成を有する、第1買い物かご洗浄機2Aと、第2買い物かご洗浄機2Bとを示す。第1買い物かご洗浄機2Aは、開口部6、シャッタ8、および人感センサ10とそれぞれ同一の構成を有する、第1開口部6A、第1シャッタ8A、および第1人感センサ10Aを備える。また、第2買い物かご洗浄機2Bは、開口部6、シャッタ8、および人感センサ10とそれぞれ同一の構成を有する、第2開口部6B、第2シャッタ8B、および第2人感センサ10Bを備える。
【0074】
図8においては、洗浄前の第1買い物かご64Aを有する利用者が、当該第1買い物かご64を第1買い物かご洗浄機2Aに投入し、第2買い物かご洗浄機2Bから、洗浄後の第2買い物かご64Bを取得する方法の一例を示す。第1買い物かご64Aと、第2買い物かご64Bとは、何れも、買い物かご64と同一の構成を備える。
【0075】
買い物かご洗浄機2の利用方法においては、はじめに、ステップS2に示すように、第1買い物かご洗浄機2Aの第1開口部6Aと、第2買い物かご洗浄機2Bの第2開口部6Bとが、それぞれ、第1シャッタ8Aと、第2シャッタ8Bとにより遮蔽されている。ここで、ステップS2においては、第1買い物かご洗浄機2Aには、何れの買い物かご64も載置されておらず、第2買い物かご洗浄機2Bに、洗浄済かつ乾燥済の第2買い物かご64Bが載置されているとする。
【0076】
ここで、第1買い物かご洗浄機2Aの第1人感センサ10Aと、第2買い物かご洗浄機2Bの第2人感センサ10Bとの何れかが、洗浄前の第1買い物かご64Aを有する利用者を感知したとする。この場合、第1買い物かご洗浄機2Aは、第1シャッタ8Aを動作させて、第1開口部6Aを開放する(ステップS4)。第2人感センサ10Bのみが利用者を感知した場合、第2買い物かご洗浄機2Bは、第2人感センサ10Bによる利用者の感知に関するデータを、不図示の通信手段により、第1買い物かご洗浄機2Aに送信することにより、ステップS4を実現してもよい。
【0077】
第1開口部6Aの開放を確認した、第1買い物かご64Aを有する利用者は、第1買い物かご64Aを、第1開口部6Aを介して、第1買い物かご洗浄機2Aの第1洗浄槽12Aの内部に配置する(ステップS6)。第1洗浄槽12Aは、上述した洗浄槽12と同一の構成を備える。なお、第1買い物かご洗浄機2Aは、利用者に対し、第1買い物かご64Aを、第1洗浄槽12Aの内部に配置するよう、不図示の表示装置による表示、あるいは、不図示のスピーカからの音声等により案内してもよい。
【0078】
次いで、不図示のセンサが、第1洗浄槽12Aへの第1買い物かご64Aの配置を感知すると、第1買い物かご洗浄機2Aは、第1シャッタ8Aを動作させて、第1開口部6Aを遮蔽し、第1買い物かご64Aの洗浄および乾燥を開始する(ステップS8)。第1買い物かご洗浄機2Aによる、第1買い物かご64Aの洗浄および乾燥は、上述した、第1動作、第2動作、および第3動作により実行してもよい。
【0079】
ここで、ステップS8における、第1買い物かご洗浄機2Aは、第1買い物かご64Aの洗浄および乾燥の開始に関するデータを、例えば、不図示の通信手段により、第2買い物かご洗浄機2Bに送信する。当該データを受信した第2買い物かご洗浄機2Bは、第2シャッタ8Bを動作させて、第2開口部6Bを開放する。
【0080】
これにより、利用者は、第2買い物かご洗浄機2Bが備えた第2洗浄槽12Bの内部に、第2買い物かご64Bが載置されていることを確認する。第2洗浄槽12Bは、上述した洗浄槽12と同一の構成を備える。なお、第2買い物かご洗浄機2Bは、第2洗浄槽12B内部の第2買い物かご64Bが洗浄および乾燥済であることを、利用者に案内してもよい。
【0081】
次いで、利用者が、当該第2買い物かご64Bを第2洗浄槽12Bから取り出す(ステップS10)ことにより、利用者は、洗浄後の第2買い物かご64Bを利用することができる。次いで、不図示のセンサが、第2洗浄槽12Bからの第2買い物かご64Bの取出しを感知すると、第2買い物かご洗浄機2Bは、第2シャッタ8Bを動作させて、第2開口部6Bを遮蔽する(ステップS12)。
【0082】
この後、第1買い物かご洗浄機2Aと、第2買い物かご洗浄機2Bとは、第1買い物かご洗浄機2Aによる、第1買い物かご64Aの洗浄および乾燥が完了した状態において待機する。第2買い物かご洗浄機2Bは、次いで、新たな利用者から投入された、洗浄前の買い物かご64に対する洗浄および乾燥を実行してもよい。また、第1買い物かご洗浄機2Aは、第1洗浄槽12Aの内部の、洗浄済および乾燥済の第1買い物かご64Aを、上記新たな利用者に対し提供する動作を実行してもよい。これにより、第1買い物かご洗浄機2Aと、第2買い物かご洗浄機2Bとは、断続的に、複数の利用者の個々に、洗浄済および乾燥済の買い物かご64を提供することができる。
【0083】
上記方法により、例えば、洗浄前の第1買い物かご64Aを、第1買い物かご洗浄機2Aに投入した利用者は、ほとんど待機することなく、第2買い物かご洗浄機2Bから、洗浄済および乾燥済の第2買い物かご64Bを受け取ることができる。したがって、上記方法により、利用者は、洗浄前の買い物かご64の、買い物かご洗浄機2への投入から、当該買い物かご64の洗浄および乾燥を待機することなく、洗浄済および乾燥済の他の買い物かご64を利用することができる。ゆえに、上記方法により、第1買い物かご洗浄機2Aおよび第2買い物かご洗浄機2Bの利用者に生じる待機時間をより効率的に短縮できる。
【0084】
上記では、2台の買い物かご洗浄機2を利用して、洗浄済および乾燥済の買い物かご64を、利用者に対し断続的に提供する方法について説明した。しかしながら、これに限られず、3台以上の買い物かご洗浄機2を利用して、洗浄済および乾燥済の買い物かご64を、利用者に対し断続的に提供してもよい。これにより、2台の買い物かご洗浄機2が何れも買い物かご64の洗浄中であった場合でも、残る他の買い物かご洗浄機2の何れかに洗浄済および乾燥済の買い物かご64が載置されている場合、利用者へ当該買い物かご64を提供できる。
【0085】
なお、図8においては、店舗に来場した買い物かご64の利用者が、買い物かご洗浄機2を利用する方法の例について説明した。しかしながら、これに限られず、買い物かご洗浄機2は、買い物かご64の利用者が店舗から退場する際に使用されてもよい。例えば、買い物かご64の利用者は、退店の際に、使用した買い物かご64を買い物かご洗浄機2に投入して、買い物かご64の洗浄を行ってもよい。
【0086】
<本実施形態のまとめ>
本実施形態に係る買い物かご洗浄機2は、買い物かご64を回動機構16により回動させつつ洗浄する洗浄槽12を備える。上記構成により、買い物かご洗浄機2は、買い物かご64を平行移動させる機構を備える場合と比較して、より小型に形成できる。また、買い物かご洗浄機2は、洗浄槽12において、一度に単一の買い物かご64を洗浄する。上記構成により、買い物かご洗浄機2は、買い物かご64を一度に複数洗浄する場合と比較して、洗浄槽12をより小型に形成できる。
【0087】
したがって、買い物かご洗浄機2は、店舗内部を含む屋内への載置をより容易とする。屋内に買い物かご洗浄機2が載置されることにより、買い物かご64の利用者は、より手軽に買い物かご洗浄機2を利用して、買い物かご64の洗浄を行うことができ、より手軽に清潔な買い物かご64を利用できる。
【0088】
買い物かご洗浄機2は、飲料等を販売する自動販売機程度の大きさの筐体4を備えていてもよい。スーパーマーケット等を含む店舗は、自動販売機を載置した上で、来場客の動線を確保できるよう、間取りが設計されている場合がある。このため、買い物かご洗浄機2の筐体4を、自動販売機程度の大きさまで小型化することにより、既存の店舗が新たに買い物かご洗浄機2を導入する際の、当該店舗の来場客の動線への影響を低減できる。
【0089】
〔実施形態2〕
<回動機構の傾斜>
図9は、本実施形態に係る買い物かご洗浄機78を示す斜視図である。なお、本明細書において、同一の機能を有する各部材には、互いに異なる実施形態においても同一の名称および参照符号を付し、構成の差異がない限り、同じ説明は繰り返さない。
【0090】
本実施形態に係る買い物かご洗浄機78は、前実施形態に係る買い物かご洗浄機2と比較して、筐体4の形状が異なっている。特に、本実施形態に係る筐体4は、正面側壁4Fの、開口部6の下端から、筐体天井部4T側の端部までにおいて、鉛直方向に対し傾斜している。特に、正面側壁4Fは、筐体天井部4T側の端部が、筐体底部4B側の端部よりも、筐体4の背面側に位置している。これに伴い、開口部6、シャッタ8、および人感センサ10についても、正面側壁4Fの傾斜に合わせて傾斜している。
【0091】
図10は、買い物かご洗浄機78を、筐体4の側面視において、左右側壁4Sを透過して示す概略透過図であり、前実施形態における図3と対応する概略透過図である。
【0092】
図10に示すように、本実施形態に係る買い物かご洗浄機78は、前実施形態に係る買い物かご洗浄機2と比較して、回動機構16に代えて、回動機構16Aを備えている。なお、本実施形態において、特に記載しない限り、回動機構16Aの各部は、前実施形態に係る回動機構16の各部と、配置位置および配置方向を除いて、同一の構成を備えているものとする。
【0093】
回動機構16Aは、前実施形態に係る回動機構16と比較して、洗浄槽12内部における配置方向が異なっている。特に、回動機構16Aは、回転軸18の軸方向18Sが、水平方向HPよりも、筐体4の正面側が、鉛直方向上側となるように傾斜している。例えば、回転軸18の軸方向18Sの、水平方向HPからの傾きを、仰角θとすると、θは、30度であってもよい。
【0094】
また、回動機構16Aは、テーブル28に代えて、テーブル28Aを備える。テーブル28Aは、前実施形態において説明した、載置部30およびストッパ32に加えて、載置部30から立設し、ストッパ32の筐体4の背面側の端部と接続する、背部ストッパ80をさらに含む。背部ストッパ80は、筐体4の正面側の表面が、テーブル28に買い物かご64を載置した際に、買い物かご64の、筐体4の背面側の長辺側壁68と係合する形状を有する。
【0095】
さらに、テーブル28Aの載置部30は、回動機構16Aの傾斜に伴い、筐体4の正面側が鉛直方向上側となるように傾斜する。このため、テーブル28Aに買い物かご64を載置した際に、買い物かご64の底部66の法線方向66Nは、鉛直方向から、筐体4の背面側に傾斜する。
【0096】
なお、図10に示すように、シャッタ8の傾斜に伴い、シャッタ格納部62についても、前実施形態に係るシャッタ格納部62と形状が異なっていてもよい。ただし、本実施形態に係るシャッタ格納部62は、シャッタ8の格納が可能である限り、前実施形態に係るシャッタ格納部62と同一の機能を有していてもよい。
【0097】
以上を除き、本実施形態に係る買い物かご洗浄機78は、前実施形態に係る買い物かご洗浄機2と比較して、同一の構成を備えている。換言すれば、本実施形態に係る買い物かご洗浄機78は、単一の買い物かご64を、回動機構16により回動させ、また、洗浄槽12において洗浄する。したがって、本実施形態に係る買い物かご洗浄機78は、より小型に設計することができ、店舗内部を含む屋内への載置がより容易となる。
【0098】
さらに、本実施形態に係る買い物かご洗浄機78は、正面側壁4Fの、開口部6が形成される領域が、鉛直方向と比較して、上端側が筐体4の背面側に位置するように傾斜している。これにより、開口部6が、筐体4の正面側において、鉛直方向上側に向けられるため、買い物かご洗浄機78の利用者が、より容易に、開口部6を介して、買い物かご64の洗浄槽12の内部へ載置できる。
【0099】
加えて、本実施形態に係る買い物かご洗浄機78は、回動機構16Aの傾斜に伴い、テーブル28Aの載置部30の、筐体4の正面側が鉛直方向上側となるように傾斜する。また、テーブル28Aは、買い物かご64が載置された際に、買い物かご64と係合する背部ストッパ80を備える。
【0100】
したがって、本実施形態に係る買い物かご洗浄機78は、テーブル28Aに買い物かご64が載置された際、当該買い物かご64が載置部30上を、筐体4の背面側に滑り、背部ストッパ80と係合させることができる。ゆえに、本実施形態に係る買い物かご洗浄機78は、買い物かご64の利用者が、テーブル28Aのより適切な位置に買い物かご64を載置することを、より効率的に実現する。
【0101】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
2、78 買い物かご洗浄機、4 筐体、6 開口部、8 シャッタ、10 人感センサ、12 洗浄槽、14 隔壁、16、16A 回動機構、18 回転軸、18S 軸方向、20 アーム、28、28A テーブル、34 第1固定ピン、36 取手固定ピン、38 カウンターウエイト、42 フレーム、44 第2固定ピン、46 ノズル、56 ブロア、60 制御部、62 シャッタ格納部、64 買い物かご。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10