(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】投票券処理装置、投票券処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20240116BHJP
G07C 13/00 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G06Q50/34
G07C13/00 A
(21)【出願番号】P 2021100745
(22)【出願日】2021-06-17
【審査請求日】2021-06-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】平岡 応治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慎一郎
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-087064(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0163269(US,A1)
【文献】特開2021-039397(JP,A)
【文献】特開2002-123642(JP,A)
【文献】国際公開第2021/065108(WO,A1)
【文献】特開2009-045354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投票券を購入する購入者の顔画像を取得する顔画像取得手段と、
前記顔画像の取得に基づいて初回の前記投票券の購入の処理であるかを判定する購入回数判定手段と、
前記投票券の初回の購入時において当該購入に関する上限金額の指定を受け付ける指定受付手段と、
前記投票券の当せん結果と前記上限金額とを前記顔画像に応じて生成された識別情報に紐づけて
前記購入者の情報を記憶するデータベースに記録する記録手段と、
前記当せん結果が前記投票券の当せんを示す場合に、当該当せん結果に基
づく過去の投票対象の当せん金額の合計を算出
し、当該当せん金額の合計に基づいて、前記指定を受け付けた上限金額を超える新たな上限金額を特定し、前記指定を受け付けた上限金額を、前記特定した新たな上限金額に変更する上限金額変更手段と、
を備える投票券処理装置。
【請求項2】
前記上限金額変更手段は、前記当せん結果が前記投票券の当せんを示す場合に前記上限金額を変更するか否かを判定し、変更すると判定した場合に、前記上限金額を変更する
請求項1に記載の投票券処理装置。
【請求項3】
前記指定受付手段は、単位期間に複数回販売される異なる投票対象それぞれの前記投票券の初回の購入時において当該購入に関する上限金額の指定を受け付ける
請求項1または請求項2に記載の投票券処理装置。
【請求項4】
前記購入回数判定手段は、前記投票券の購入時において取得した前記顔画像に基づいて当該顔画像に対応する購入者の識別情報を特定し、
前記記録手段は、その特定した識別情報に、前記当せん券の当せん結果と前記上限金額とを紐づけて記録する
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の投票券処理装置。
【請求項5】
前記記録手段は、前記新たな上限金額と前記購入者の識別情報とを紐づけて記録する
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の投票券処理装置。
【請求項6】
前記上限金額変更手段は、前記当せん結果が示す当せん金額を用いて前記新たな上限金額を算出する
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の投票券処理装置。
【請求項7】
前記上限金額変更手段は、前記購入者の端末から取得した変更許可の情報に基づいて前記上限金額を変更すると判定する
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の投票券処理装置。
【請求項8】
投票券処理装置が、
投票券を購入する購入者の顔画像を取得し、
前記顔画像の取得に基づいて初回の前記投票券の購入の処理であるかを判定し、
前記投票券の初回の購入時において当該購入に関する上限金額の指定を受け付け、
前記投票券の当せん結果と前記上限金額とを前記顔画像に応じて生成された識別情報に紐づけて
前記購入者の情報を記憶するデータベースに記録し、
前記当せん結果が前記投票券の当せんを示す場合に、当該当せん結果に基
づく過去の投票対象の当せん金額の合計を算出
し、当該当せん金額の合計に基づいて、前記指定を受け付けた上限金額を超える新たな上限金額を特定し、前記指定を受け付けた上限金額を、前記特定した新たな上限金額に変更する
投票券処理方法。
【請求項9】
投票券処理装置のコンピュータを、
投票券を購入する購入者の顔画像を取得する顔画像取得手段、
前記顔画像の取得に基づいて初回の前記投票券の購入の処理であるかを判定する購入回数判定手段、
前記投票券の初回の購入時において当該購入に関する上限金額の指定を受け付ける指定受付手段、
前記投票券の当せん結果と前記上限金額とを前記顔画像に応じて生成された識別情報に紐づけて
前記購入者の情報を記憶するデータベースに記録する記録手段、
前記当せん結果が前記投票券の当せんを示す場合に、当該当せん結果に基
づく過去の投票対象の当せん金額の合計を算出
し、当該当せん金額の合計に基づいて、前記指定を受け付けた上限金額を超える新たな上限金額を特定し、前記指定を受け付けた上限金額を、前記特定した新たな上限金額に変更する上限金額変更手段
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投票券処理装置、投票券処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
競馬や競艇などで開催されるレースの投票券は特に金額の上限無く購入することができる。このような金額の上限を変更する技術が特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0003】
特許文献1の段落0026には、勝馬投票による的中金をレースごとに一時会員管理ファイルに記録し、プリペイドカードが投票専用端末へ挿入されたときには、的中金があるか否かを一時会員管理ファイルで調べ、的中金があればその金額をプリペイドカードに書き込み、その払戻金が加わった購入限度額とする技術が開示されている。
【0004】
特許文献2の段落0066には、プレイヤの属性情報に基づいて、電子マネー決済の与信枠の大きさを設定する技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-141293号公報
【文献】特開2018-171432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、勝馬投票券などの投票券の購入では、会員登録することなく、またプリペイドカード等用いずに、購入者が投票券を購入する場合もある。従って、そのような購入者が会員登録せず、またプリペイドカードを所持しない場合でも、投票券の購入と自身に設定した上限金額の変更を行う技術が求められていた。
【0007】
そこでこの発明は、上述の課題を解決する投票券処理装置、投票券処理方法、プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様によれば、投票券処理装置が、投票券を購入する購入者の顔画像を取得する顔画像取得手段と、前記顔画像の取得に基づいて初回の前記投票券の購入の処理であるかを判定する購入回数判定手段と、前記投票券の初回の購入時において当該購入に関する上限金額の指定を受け付ける指定受付手段と、前記投票券の当せん結果と前記上限金額とを前記顔画像に応じて生成された識別情報に紐づけて記録する記録手段と、前記当せん結果が前記投票券の当せんを示す場合に前記上限金額を変更する上限金額変更手段と、を備える。
【0009】
本発明の第二の態様によれば、投票券処理方法は、投票券を購入する購入者の顔画像を取得し、前記顔画像の取得に基づいて初回の前記投票券の購入の処理であるかを判定し、前記投票券の初回の購入時において当該購入に関する上限金額の指定を受け付け、前記投票券の当せん結果と前記上限金額とを前記顔画像に応じて生成された識別情報に紐づけて記録し、前記当せん結果が前記投票券の当せんを示す場合に前記上限金額を変更する。
【0010】
本発明の第三の態様によれば、プログラムは、投票券処理装置のコンピュータを、投票券を購入する購入者の顔画像を取得する顔画像取得手段、前記顔画像の取得に基づいて初回の前記投票券の購入の処理であるかを判定する購入回数判定手段、前記投票券の初回の購入時において当該購入に関する上限金額の指定を受け付ける指定受付手段、前記投票券の当せん結果と前記上限金額とを前記顔画像に応じて生成された識別情報に紐づけて記録する記録手段、前記当せん結果が前記投票券の当せんを示す場合に前記上限金額を変更する上限金額変更手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、購入者が会員登録せず、またプリペイドカードを所持しない場合でも、投票券の購入と自身に設定した上限金額の変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態による投票券処理システムの概略構成図である。
【
図2】本実施形態による投票券販売端末のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態による投票券処理装置の機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態による投票券販売端末の機能ブロック図である。
【
図5】本実施形態による管理テーブルのデータ例を示す図である。
【
図6】本実施形態による投票券処理装置の処理フローを示す図である。
【
図7】本実施形態による投票券処理装置の最小構成を示す図である。
【
図8】本実施形態の最小構成の投票券処理装置による処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態による投票券処理装置を図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による投票券処理システムの概略構成図である。
この図で示すように、投票券販売システム100は、投票券販売端末1と投票券処理装置2とが通信接続して構成される。投票券販売システム100は、複数の投票券販売端末1と投票券処理装置2とが通信接続して構成されてよい。
【0014】
投票券販売端末1は、購入者からの投票券購入のための貨幣の入金処理、投票券の販売処理などを行う。投票券販売端末1と投票券処理装置2とは、処理を連携することにより販売する投票券の金額と入金された貨幣の金額とを用いた決済処理などを行う。また投票券販売端末1は、カメラ14を備えており購入者の顔を撮影して顔画像を生成する。
【0015】
投票券処理装置2は、投票券を購入する購入者の顔画像を取得し、投票券の初回の購入時において当該購入に関する上限金額の指定を受け付ける。また投票券処理装置2は、投票券の当せん結果と上限金額とを顔画像に応じて生成された識別情報に紐づけてデータベースに記録する。投票券処理装置2は、当せん結果に基づいて上限金額を変更するか否かを判定する。
【0016】
図2は本実施形態による投票券販売端末のハードウェア構成図である。
図2が示すように投票券販売端末1は、ボタン部11、ディスプレイ12、スピーカ13、カメラ14、紙幣ユニット15、硬貨ユニット16、マークカードリーダ17、投票券プリンタ18、制御部19を備える。
ボタン部11は、ユーザが投票券を購入するために操作する複数のボタンを備える。
ディスプレイ12は、一例としてタッチパネルディスプレイで構成され、投票券を購入する際の各画面情報の表示と、ユーザからの操作を受け付ける入力装置として機能してよい。
スピーカ13は、購入者が投票券販売端末1を操作している際に当該装置が発する音や音声を発する出力装置である。
カメラ14は、購入者の顔を撮影して顔画像を生成する。
紙幣ユニット15は、投票券の購入のための紙幣の出し入れをする機構部である。
硬貨ユニット16は、投票券の購入のための硬貨の出し入れをする機構部である。
マークカードリーダ17は、投票券を購入するための購入情報に印が付されたマークシートを読み取る機構部である。
投票券プリンタ18は、投票券の購入情報を印字した用紙を出力する。
制御部19は、CPU(Central Processing Unit)のプログラムの実行により備わる機能部である。投票券販売端末1は、その他の構成として、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、通信モジュール、データベース等の各ハードウェアを備えたコンピュータである。
【0017】
図3は本実施形態による投票券処理装置の機能ブロック図である。
投票券処理装置2は、投票券処理プログラムを実行する。これにより投票券処理装置2は、制御部91、顔画像取得部92、購入回数判定部93、指定受付部94、記録部95、上限金額変更部96、販売処理部97の各機能を発揮する。
【0018】
制御部91は、投票券処理装置2の各機能部を制御する。
顔画像取得部92は、投票券を購入する購入者の顔画像を投票券販売端末1から取得する。
購入回数判定部93は、顔画像の取得に基づいて初回の投票券の購入の処理であるかを判定する。
指定受付部94は、投票券の初回の購入時において当該購入に関する上限金額の指定を受け付ける。
記録部95は、投票券の当せん結果と上限金額とを顔画像に応じて生成された識別情報に紐づけて記録する。
上限金額変更部96は、当せん結果に基づいて上限金額を変更するか否かを判定する。
販売処理部97は、投票券の購入情報に基づいて投票券の販売処理を行う。
【0019】
図4は本実施形態による投票券販売端末の機能ブロック図である。
投票券販売端末1は、販売管理プログラムを実行する。これにより投票券販売端末1は制御部191、販売管理部192の機能を発揮する。
制御部191は、投票券販売端末1の各機能を制御する。
販売管理部192は、投票券の販売に関する管理処理を行う。
【0020】
図5は本実施形態による管理テーブルのデータ例を示す図である。
投票券処理装置2は、購入者のID、購入者の顔画像から生成した顔の特徴情報、初回購入時刻、投票券の購入情報、当せん結果、当せん金額、投票券の購入の上限金額の各情報を紐づけた、管理テーブルを記憶する。
【0021】
図6は本実施形態による投票券処理装置の処理フローを示す図である。
次に投票券処理装置2の処理フローを、順を追って説明する。
本実施形態の投票券販売システム100は、一例として競馬の投票券(勝馬投票券)を販売するための情報処理システムである。投票券販売端末1は競馬場の投票券売り場に設置される。購入者は投票券を購入する際に、投票券販売端末1を用いることができる。投票券販売端末1には入力装置として機能するタッチパネルディスプレイが設けられている。購入者は、投票券販売端末1のタッチパネルディスプレイに表示される購入画面において購入ボタンが示す領域を指でタッチする。これにより、投票券販売端末1の販売管理部192は、投票券の販売の処理を開始する。
【0022】
販売管理部192は、タッチパネルディスプレイの購入者の操作に基づいて、場名、レース番号、式別、レース番号、先着順ごとの馬番号などの、投票券の購入情報を取得する。販売管理部192は販売処理部97の販売処理と並行してカメラ14を起動し撮影を行う。カメラ14は購入者の顔を撮影する。カメラ14は購入者の顔画像を生成する。販売管理部192はカメラ14から顔画像を取得して、投票券処理装置2へ送信する。
【0023】
投票券処理装置2の顔画像取得部92は、顔画像を取得する(ステップS101)。顔画像取得部92は顔画像に写る顔の特徴情報を生成する。顔画像取得部92は購入者の顔の特徴情報を購入回数判定部93へ出力する。
【0024】
購入回数判定部93は、取得した顔の特徴情報に基づいて、当該特徴情報に対応する特徴情報が管理テーブルに記録されているかを判定する(ステップS102)。購入回数判定部93は、取得した顔の特徴情報に対応する特徴情報が管理テーブルに記録されていない場合、購入者による初回の投票券の購入の処理であると判定する(ステップS103)。購入回数判定部93は、取得した顔の特徴情報に対応する特徴情報が管理テーブルに記録されている場合、購入者による二回目以降の投票券の購入の処理であると判定する(ステップS104)。なお取得した顔の特徴情報に対応する特徴情報が管理テーブルに記録されているか否かの判定は、従来の認証技術を用いてよい。つまり購入回数判定部93は、公知の技術を用いて、取得した顔の特徴情報に一致または高い類似度となる特徴情報を管理テーブルにおいて検出し、この場合、取得した顔の特徴情報に対応する特徴情報が管理テーブルに記録されていると判定する。
【0025】
購入回数判定部93は初回の投票券の購入の処理であると判定すると、投票券の購入者に対して付与するIDを生成する(ステップS105)。購入回数判定部93は、生成したIDと初回の購入であることを示す情報とを含む判定結果の情報を、投票券販売端末1へ送信する(ステップS106)。
【0026】
投票券販売端末1の販売管理部192は、判定結果の情報を取得する。販売管理部192は、判定結果が初回を示すか二回目以降を示すかを判定する。販売管理部192は、判定結果が初回の投票券の購入の処理であると判定すると、上限金額設定画面をタッチパネルディスプレイに表示する。購入者は当該画面において上限金額を入力する。販売管理部192は上限金額の情報を取得する。販売管理部192は購入者に付与されたIDと、上限金額とを含む上限金額指定情報を投票券処理装置2へ送信する。投票券処理装置2は上限金額指定情報を受信する。投票券処理装置2の指定受付部94は、上限金額指定情報に基づいて、購入者に付与したID、当該購入者の顔の特徴情報、上限金額を紐づけて、管理テーブルに記録するよう記録部95に指示する(ステップS107)。記録部95はそれらの情報を紐づけて管理テーブルに記録する。この指定受付部94の処理は、単位期間に複数回販売される異なる投票対象それぞれの投票券の初回の購入時において当該購入に関する上限金額の指定を受け付ける処理の一態様である。投票券処理装置2の記録部95は、記録完了を示す情報を投票券販売端末1へ送信する。
【0027】
投票券販売端末1の販売管理部192は、記録完了の情報の受信を検知すると、購入者のIDに紐づいて管理テーブルに記録されている上限金額を投票券処理装置2から取得する。販売管理部192は、その上限金額の範囲の購入情報の投票券の販売処理を行う。販売処理は従来の技術を用いてよい。投票券販売端末1の販売管理部192は、購入情報に基づいて投票券を生成する。販売管理部192は、投票券の発行制御を行う。購入者は発券された投票券を受け取る。販売管理部192は、購入者のIDと購入情報とを含む購入履歴記録要求を投票券処理装置2へ送信する。投票券処理装置2の記録部95は、購入者のIDと購入情報とを紐づけて管理テーブルに記録する(ステップS108)。投票券処理装置2の記録部95は、記録完了を示す情報を投票券販売端末1へ送信する。
【0028】
ステップS104において投票券処理装置2の購入回数判定部93が二回目以降の投票券の購入の処理であると判定すると、取得した顔の特徴情報に対応する特徴情報に紐づくIDを、管理テーブルから取得する(ステップS109)。購入回数判定部93は、生成したIDと二回目以降の購入であることを示す情報とを含む判定結果の情報を、投票券販売端末1へ送信する(ステップS110)。
【0029】
投票券販売端末1の販売管理部192は、判定結果の情報を取得し、判定結果が二回目以降を示す場合、判定結果から購入者のIDを取得する。そして販売管理部192は、購入者のIDに紐づいて管理テーブルに記録されている上限金額を投票券処理装置2から取得する。販売管理部192は、その上限金額の範囲の購入情報の投票券の販売処理を行う。販売処理は従来の技術を用いてよい。投票券販売端末1の販売管理部192は、購入情報に基づいて投票券を生成する。販売管理部192は、投票券の発行制御を行う。購入者は発券された投票券を受け取る。販売管理部192は、購入者のIDと購入情報とを含む購入履歴記録要求を投票券処理装置2へ送信する。投票券処理装置2の記録部95は、購入者のIDと二回目以降のレースの投票券の購入情報とを紐づけて管理テーブルに記録する(ステップS111)。投票券処理装置2の記録部95は、記録完了を示す情報を投票券販売端末1へ送信する。
【0030】
投票券処理装置2の販売処理部97は、レースの結果情報を取得したかを判定する(ステップS201)。レース結果の情報は、例えば、競馬場などのレースを管理するコンピュータ装置から取得してよい。投票券処理装置2の販売処理部97は、レース結果の情報を取得すると、全ての購入者の購入情報に基づいて、それぞれの購入情報に対応する当せん結果を生成する(ステップS202)。当せん結果は、購入情報に基づいて当せんしたか否かを示す当せん情報、当せん金額、投票券の購入金額、当せん金の払い出し有無、などの情報を含む。投票券処理装置2の販売処理部97は、管理テーブルに記録されるIDに対応する購入情報に基づいて、終了したレースの当せん結果を算出する。記録部95は、その当せん結果を購入者のIDに紐づけて管理テーブルに記録する(ステップS203)。また投票券処理装置2の販売処理部97は、過去のレースの当せん金額の合計を算出する。記録部95は当せん金額の合計を購入者のIDに紐づけて管理テーブルに記録する(ステップS204)。投票券処理装置2の上限金額変更部96は、当せん金額の合計に基づいて、購入者の設定した上限金額を変更する(ステップS205)。つまり、上限金額変更部96が、当せん結果が当せんを示す場合に、当該当せん結果に基づいて算出した上限金額を超える新たな上限金額を特定し、記録部95が新たな上限金額と購入者のIDとを紐づけて記録するようにする。制御部91は処理を終了するかを判定する(ステップS206)。制御部91は処理を終了しない場合には、ステップS101からの処理を繰り返す。この処理は当せん結果が投票券の当せんを示す場合に上限金額を変更する処理の一態様である。
【0031】
一例として投票券処理装置2の上限金額変更部96は、当せん金額の合計に基づいて算出した加算金額を、購入者の設定した上限金額に加えた新たな上限金額を算出し、その新たな上限金額を、管理テーブルの当該IDに紐づく上限金額の情報として更新する。上限金額変更部96は、上限金額を変更する場合、当該上限金額の情報を含む、上限金額の承認要求を、購入者のIDに紐づけて記録する購入者の携帯端末のアドレスに送信してよい。上限金額変更部96は、その結果、購入者の携帯端末から承認完了を示す情報を受信した場合に、上限金額を更新するようにしてよい。新たな上限金額を算出するための加算金額は、当せん金額の合計の情報を用いてどの様に算出してもよい。例えば上限金額変更部96は、当せん金額の合計の全額を加算金額としてもよいし、当せん金額の合計の所定割合を加算金額としてもよい。これらの処理は、当せん結果が示す当せん金額を用いて新たな上限金額を算出する処理の一態様である。
【0032】
または上限金額変更部96は、当せん金額の合計を上限とする加算金額の指定を購入者の携帯端末から受け付けて、その加算金額を用いて新たな上限金額を算出してもよい。この上限金額変更部96の処理は、購入者の端末から取得した変更許可の情報に基づいて上限金額を変更すると判定する処理の一態様である。
【0033】
ここで、上述の管理テーブルで記憶する上限金額は、1レースで購入できる金額の上限金額でもよいし、1日で購入できる金額の上限金額であってもよい。1レースや1日は単位期間の一例を示す。1日で購入できる金額の上限金額の場合には、上限金額変更部96は、過去の購入情報から算出した購入合計金額を、初回の購入時に購入者が設定した上限金額から減じて、更新金額を算出してその更新金額を新たな上限金額として更新してよい。また上限金額変更部96は、その更新金額に、当せん結果に応じて算出した加算金額を加算して、新たな上限金額を算出してもよい。
【0034】
以上の処理によれば、投票券処理装置2は、会員登録せずに、またプリペイドカードなどの記録媒体を所持しないような状態で、購入者は投票券の購入と、投票券が当せんした結果の当せん金額の増加に応じた上限金額の変更を行うことができる。
【0035】
なお初回の投票券の購入時の設定において、購入者は自由に上限金額の設定を行うことができてよい。そして当せんによって当せん金額が増加した場合には、所定のルールに従って、自由に当せん金額に応じた上限金額の変更ができてよい。投票券の購入者は上限金額の設定により自己の投票券の購入に利用する金額に制限を設けることができると共に、当せんの結果に応じて上限金額を変更してその制限を緩やかにすることのできるサービスを提供することができる。
【0036】
図7は本実施形態による投票券処理装置の最小構成を示す図である。
図8は本実施形態の最小構成の投票券処理装置による処理フローを示す図である。
投票券処理装置2は、少なくとも、顔画像取得手段71、購入回数判定手段72、指定受付手段73、記録手段74、上限金額変更手段75を備える。
顔画像取得手段71は、投票券を購入する購入者の顔画像を取得する(ステップS801)。
購入回数判定手段72は、顔画像の取得に基づいて初回の投票券の購入の処理であるか、二回目以降の投票券の購入の処理であるかを判定する(ステップS802)。
指定受付手段73は、投票券の初回の購入時において当該購入に関する上限金額の指定を受け付ける(ステップS803)。
記録手段74は、投票券の当せん結果と上限金額とを顔画像に応じて生成された識別情報に紐づけて記録する(ステップS804)。
上限金額変更手段75は、当せん結果が投票券の当せんを示す場合に上限金額を変更する(ステップS805)。
【0037】
上述の各装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0038】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0039】
1・・・投票券販売端末
2・・・投票券処理装置
91・・・制御部
92・・・顔画像取得部
93・・・購入回数判定部
94・・・指定受付部
95・・・記録部
96・・・上限金額変更部
97・・・販売処理部
100・・・投票券販売システム