(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】トルク検出装置
(51)【国際特許分類】
G01L 3/10 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
G01L3/10 305
(21)【出願番号】P 2021164348
(22)【出願日】2021-10-05
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥井 陽一
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-12077(JP,A)
【文献】特開2016-121882(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0214648(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0090051(US,A1)
【文献】中国実用新案第203323936(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/00- 3/26
G01D 5/00- 5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象に発生するトルクを検出するトルク検出装置であって、
磁界を発生させつつ前記検出対象とともに回転する磁石(30)と、
軸方向(Da)に延びる軸を中心として前記検出対象とともに回転する環状の回転体(35)と、
前記回転体とともに回転する環状の環状部(370、380)と、前記環状部から前記軸方向に向かって突出していることで前記軸方向と直交する方向に前記磁石と対向しつつ前記環状部とともに回転することにより前記磁石にて発生した磁界を変化させる爪部(372、382)と、を有するヨーク(361、362)と、
前記トルクに対応し、前記爪部が回転することにより変化する磁界の強さを検出する磁気検出部(600)と、
前記磁気検出部を収容しているセンサケース(75)と、
前記センサケースの前記軸方向を向く面(761、762)に接続されているセンサカバー部(851、861)と、前記センサカバー部と接続されているとともに前記回転体が前記軸方向に挿入されている回転体カバー部(852、862)と、を有するカバー(85、86)と、
を備え、
前記回転体カバー部は、前記軸方向と直交する方向における前記センサケースに対する前記回転体の相対移動を規制するトルク検出装置。
【請求項2】
前記回転体カバー部は、前記環状部と前記軸方向に対向していることにより、前記軸方向における前記センサケースに対する前記環状部の相対移動を規制する請求項1に記載のトルク検出装置。
【請求項3】
前記磁気検出部を実装しているとともに前記センサケースに収容されている基板(60)をさらに備え、
前記基板は、接続部(601)を有し、
前記接続部は、前記磁気検出部と接続されているとともに前記センサケースから露出しており、
前記センサカバー部は、前記接続部を覆っている請求項1または2に記載のトルク検出装置。
【請求項4】
前記環状部と前記カバーとが前記軸方向に重なる前記接続部の部位から前記カバーと前記接続部とが前記軸方向に重なる前記環状部の部位までの距離(L1)は、前記環状部と前記カバーとが前記軸方向に重なる前記接続部の部位から前記環状部と前記接続部とが前記軸方向に重なる前記カバーの部位までの距離(L2)よりも小さい請求項3に記載のトルク検出装置。
【請求項5】
検出対象に発生するトルクを検出するトルク検出装置であって、
磁界を発生させつつ前記検出対象とともに回転する磁石(30)と、
軸方向(Da)に延びる軸を中心として前記検出対象とともに回転する環状の回転体(35)と、
前記回転体とともに回転する環状の環状部(370、380)と、前記環状部から前記軸方向に向かって突出していることで前記軸方向と直交する方向に前記磁石と対向しつつ前記環状部とともに回転することにより前記磁石にて発生した磁界を変化させる爪部(372、382)と、を有するヨーク(361、362)と、
前記トルクに対応し、前記爪部が回転することにより変化する磁界の強さを検出する磁気検出部(600)と、
前記磁気検出部を収容しているセンサケース(75)と、
前記軸方向と直交する方向において前記センサケースとで前記回転体を囲うことにより、前記軸方向と直交する方向における前記センサケースに対する前記回転体の相対移動を規制する保持部材(90)と、
を備えるトルク検出装置。
【請求項6】
前記保持部材は、前記環状部と前記軸方向に対向していることにより、前記軸方向における前記センサケースに対する前記環状部の相対移動を規制する請求項5に記載のトルク検出装置。
【請求項7】
検出対象に発生するトルクを検出するトルク検出装置であって、
磁界を発生させつつ前記検出対象とともに回転する磁石(30)と、
軸方向(Da)に延びる軸を中心として前記検出対象とともに回転する環状の回転体(35)と、
前記回転体とともに回転する環状の環状部(370、380)と、前記環状部から前記軸方向に向かって突出していることで前記軸方向と直交する方向に前記磁石と対向しつつ前記環状部とともに回転することにより前記磁石にて発生した磁界を変化させる爪部(372、382)と、を有するヨーク(361、362)と、
前記トルクに対応し、前記爪部が回転することにより変化する磁界の強さを検出する磁気検出部(600)と、
環状に形成されていることにより前記回転体が前記軸方向に挿入されている規制部(755)と、前記規制部に接続されているとともに前記磁気検出部を収容している収容部(751)と、を有するセンサケース(75)と、
を備え、
前記規制部は、前記軸方向と直交する方向における前記センサケースに対する前記回転体の相対移動を規制するトルク検出装置。
【請求項8】
前記規制部は、前記環状部と前記軸方向に対向していることにより、前記軸方向における前記センサケースに対する前記環状部の相対移動を規制する請求項7に記載のトルク検出装置。
【請求項9】
前記爪部が回転することにより変化する磁界を前記磁気検出部に誘導する誘導部材(71、72)をさらに備える請求項1ないし8のいずれか1つに記載のトルク検出装置。
【請求項10】
前記回転体とともに回転する従動回転体(31、32)と、
磁界を発生させつつ前記従動回転体とともに回転する角度用磁石(51、52)と、
前記検出対象の回転角度に対応し、前記従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(611、622)と、
をさらに備える請求項1ないし9のいずれか1つに記載のトルク検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トルク検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、車両のステアリングホイールに接続されているステアリングシャフトにかかるトルクを検出するセンサ装置が知られている。このセンサ装置は、磁石と、磁気ヨークと、センサモジュールと、センサハウジングと、ステアリングギアハウジングと、を備える。磁気ヨークは、磁石によって発生する磁界を変化させる。センサモジュールは、磁気ヨークにより変化する磁界の強さを検出することにより、ステアリングホイールにかかるトルクを検出する。センサハウジングは、センサモジュールを収容している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者の検討によれば、特許文献1に記載されたセンサ装置では、このセンサモジュールを収容したセンサハウジングがステアリングシャフトの軸と直交する方向にステアリングギアハウジングへ挿入される。その後、磁気ヨークがステアリングシャフトの軸方向にステアリングギアハウジングへ挿入されることにより、センサハウジングと磁気ヨークとがステアリングギアハウジングに収容される。したがって、このセンサ装置を製造するとき、ステアリングシャフトの軸と直交する方向およびステアリングシャフトの軸方向の2方向に部品がそれぞれ挿入されるため、製造工程が煩雑になる。
【0005】
本開示は、製造工程を簡素にさせるトルク検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、検出対象に発生するトルクを検出するトルク検出装置であって、磁界を発生させつつ検出対象とともに回転する磁石(30)と、軸方向(Da)に延びる軸を中心として検出対象とともに回転する環状の回転体(35)と、回転体とともに回転する環状の環状部(370、380)と、環状部から軸方向に向かって突出していることで軸方向と直交する方向に磁石と対向しつつ環状部とともに回転することにより磁石にて発生した磁界を変化させる爪部(372、382)と、を有するヨーク(361、362)と、トルクに対応し、爪部が回転することにより変化する磁界の強さを検出する磁気検出部(600)と、磁気検出部を収容しているセンサケース(75)と、センサケースの軸方向を向く面(761、762)に接続されているセンサカバー部(851、861)と、センサカバー部と接続されているとともに回転体が軸方向に挿入されている回転体カバー部(852、862)と、を有するカバー(85、86)と、を備え、回転体カバー部は、軸方向と直交する方向におけるセンサケースに対する回転体の相対移動を規制するトルク検出装置である。
【0007】
また、請求項5に記載の発明は、検出対象に発生するトルクを検出するトルク検出装置であって、磁界を発生させつつ検出対象とともに回転する磁石(30)と、軸方向(Da)に延びる軸を中心として検出対象とともに回転する環状の回転体(35)と、回転体とともに回転する環状の環状部(370、380)と、環状部から軸方向に向かって突出していることで軸方向と直交する方向に磁石と対向しつつ環状部とともに回転することにより磁石にて発生した磁界を変化させる爪部(372、382)と、を有するヨーク(361、362)と、トルクに対応し、爪部が回転することにより変化する磁界の強さを検出する磁気検出部(600)と、磁気検出部を収容しているセンサケース(75)と、軸方向と直交する方向においてセンサケースとで回転体を囲うことにより、軸方向と直交する方向におけるセンサケースに対する回転体の相対移動を規制する保持部材(90)と、を備えるトルク検出装置である。
【0008】
さらに、請求項7に記載の発明は、検出対象に発生するトルクを検出するトルク検出装置であって、磁界を発生させつつ検出対象とともに回転する磁石(30)と、軸方向(Da)に延びる軸を中心として検出対象とともに回転する環状の回転体(35)と、回転体とともに回転する環状の環状部(370、380)と、環状部から軸方向に向かって突出していることで軸方向と直交する方向に磁石と対向しつつ環状部とともに回転することにより磁石にて発生した磁界を変化させる爪部(372、382)と、を有するヨーク(361、362)と、トルクに対応し、爪部が回転することにより変化する磁界の強さを検出する磁気検出部(600)と、環状に形成されていることにより回転体が軸方向に挿入されている規制部(755)と、規制部に接続されているとともに磁気検出部を収容している収容部(751)と、を有するセンサケース(75)と、を備え、規制部は、軸方向と直交する方向におけるセンサケースに対する回転体の相対移動を規制するトルク検出装置である。
【0009】
これにより、軸方向と直交する方向におけるセンサケースに対する回転体の相対移動が規制される。したがって、トルク検出装置では、軸方向のみの挿入で組み付けられることから、軸方向および軸方向と直交する方向の2方向の挿入で組み付けられるときと比較して、製造工程が簡素になる。
【0010】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態のトルク検出装置が用いられるステアリングシステムの構成図。
【
図7】トルクセンサの磁石、第1ヨークおよび第2ヨークの中立状態を示す側面図。
【
図8】ステアリングシステムのステアリングホイールが回転したときにおけるトルクセンサの磁石、第1ヨークおよび第2ヨークの側面図。
【
図9】ステアリングホイールが回転したときにおけるトルクセンサの磁石、第1ヨークおよび第2ヨークの側面図。
【
図44】第10実施形態のトルク検出装置の斜視図。
【
図48】第11実施形態のトルク検出装置の斜視図。
【
図53】第12実施形態のトルク検出装置の斜視図。
【
図57】第13実施形態のトルク検出装置の斜視図。
【
図61】第14実施形態のトルク検出装置の斜視図。
【
図65】第15実施形態のトルク検出装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0013】
(第1実施形態)
本実施形態のトルク検出装置は、例えば、車両に搭載されるステアリングシステム1に用いられる。まず、このステアリングシステム1について説明する。
【0014】
ステアリングシステム1は、車輪17の向きを変更するための操舵を補助する。具体的には、ステアリングシステム1は、
図1および
図2に示すように、ステアリングホイール5、第1ステアリングシャフト11、トーションバー13および第2ステアリングシャフト12を備える。また、ステアリングシステム1は、シャフトピン14、ピニオンギア15、ラック軸16、車輪17、トルクセンサ25、モータ制御装置18、モータ19および減速ギア20を備える。
【0015】
ステアリングホイール5は、
図1に示すように、車両の運転者や自動運転等により操舵されることによって回転する。
【0016】
第1ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール5に接続されている。このため、第1ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール5とともに回転する。
【0017】
トーションバー13は、第1ステアリングシャフト11に接続されている。このため、トーションバー13は、ステアリングホイール5および第1ステアリングシャフト11とともに回転する。
【0018】
第2ステアリングシャフト12は、トーションバー13に接続されている。このため、トーションバー13は、ステアリングホイール5、第1ステアリングシャフト11およびトーションバー13とともに回転する。
【0019】
シャフトピン14は、
図2に示すように、第1ステアリングシャフト11に形成されている穴およびその第1ステアリングシャフト11の穴に対応するトーションバー13の穴に挿入されている。これにより、第1ステアリングシャフト11とトーションバー13とが固定されている。また、シャフトピン14は、第2ステアリングシャフト12に形成されている穴およびその第2ステアリングシャフト12の穴に対応するトーションバー13の穴に挿入されている。これにより、第2ステアリングシャフト12とトーションバー13とが固定されている。
【0020】
ピニオンギア15は、
図1に示すように、第2ステアリングシャフト12に接続されている。また、ピニオンギア15は、後述のラック軸16に噛み合っている。さらに、ピニオンギア15は、第2ステアリングシャフト12の回転運動をラック軸16の直線運動に変換する。
【0021】
ラック軸16は、図示しないタイロッド等を介して、車輪17に接続されている。また、ラック軸16は、直線運動することによって車輪17の向きを変更する。
【0022】
トルクセンサ25には、トーションバー13の一部が挿入されている。また、トルクセンサ25は、トルク検出装置に対応しており、ステアリングホイール5の回転によってトーションバー13に発生する捩りトルクに応じた信号を検出する。これにより、トルクセンサ25は、操舵トルクを検出する。さらに、トルクセンサ25は、この検出した操舵トルクに応じた信号を、後述のモータ制御装置18に出力する。このトルクセンサ25の詳細については、後述する。なお、操舵トルクは、ステアリングホイール5が回転するときにかかるトルクである。
【0023】
モータ制御装置18は、マイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、フラッシュメモリ、RAM、I/O、駆動回路およびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。また、モータ制御装置18は、ROMに記憶されているプログラムを実行する。これにより、モータ制御装置18は、後述のモータ19の回転角度を演算する。さらに、モータ制御装置18は、トルクセンサ25からの操舵トルクに応じた信号に基づいて、操舵トルクを演算する。また、モータ制御装置18は、この演算したモータ19の回転角度および操舵トルク等に基づいて、後述のモータ19の回転を制御する。
【0024】
モータ19は、モータ制御装置18からの出力に基づいて回転する。これにより、モータ19は、トルクを発生させる。
【0025】
減速ギア20は、モータ19および第2ステアリングシャフト12に接続されている。また、減速ギア20は、モータ19の回転を減速させるとともに、モータ19によって発生したトルクを第2ステアリングシャフト12に伝達する。これにより、車輪17の向きを変更するための操舵が補助される。
【0026】
以上のように、ステアリングシステム1は、構成されている。次に、トルクセンサ25の構成について説明する。
【0027】
トルクセンサ25は、
図2~
図6に示すように、磁石30、回転体35、第1ヨーク361、第2ヨーク362および固定用カラー354を備えている。また、トルクセンサ25は、基板60、磁気検出部600、第1磁気誘導部材71、第2磁気誘導部材72、センサケース75、ターミナル80およびカバー85を備えている。
【0028】
磁石30は、
図2に示すように、円環状に形成されている。また、磁石30は、第1ステアリングシャフト11の端部に接続されている。さらに、磁石30の穴には、トーションバー13の一部が挿入されている。また、磁石30の軸は、トーションバー13の軸と同一軸上に位置している。このため、磁石30は、第1ステアリングシャフト11とともにトーションバー13の軸周りに回転する。さらに、磁石30は、磁石30の回転方向において交互に磁極が反転するように着磁されている。
【0029】
回転体35は、
図3~
図6に示すように、円筒状に形成されている。また、回転体35の軸は、磁石30の軸と同一軸上に位置している。このため、回転体35の軸と、磁石30の軸と、トーションバー13の軸とは同一軸となっている。
【0030】
ここで、以下では、便宜的に、回転体35の径方向を、単に径方向と記載する。また、回転体35の軸方向Daを、単に軸方向Daと記載する。さらに、回転体35の軸を中心とする周方向を、単に周方向と記載する。
【0031】
第1ヨーク361は、
図2および
図3に示すように、筒状に軟磁性体で形成されている。また、第1ヨーク361は、第1ヨーク環状部370および複数の第1ヨーク爪部372を含む。
【0032】
第1ヨーク環状部370は、円環状に形成されている。また、第1ヨーク環状部370の一部は、径方向に延びる回転体35の穴に挿入されている。
【0033】
第1ヨーク爪部372は、第1ヨーク環状部370の内側から軸方向Daに突出している。また、第1ヨーク爪部372は、第1ヨーク環状部370の内側から先端側に向かって幅が小さくなる先細り形状に形成されている。さらに、第1ヨーク爪部372は、回転体35の内側面と接続されている。また、第1ヨーク爪部372は、磁石30の外側面と径方向に対向している。さらに、回転体35の穴が周方向に所定の間隔で形成されていることから、第1ヨーク爪部372は、周方向に所定の間隔で形成されている。
【0034】
第2ヨーク362は、第1ヨーク361と同様に、環状に軟磁性体で形成されている。また、第2ヨーク362は、回転体35および第1ヨーク361と、例えば、一体成形されている。さらに、第2ヨーク362は、第2ヨーク環状部380および複数の第2ヨーク爪部382を含む。
【0035】
第2ヨーク環状部380は、円環状に形成されている。また、第2ヨーク環状部380の一部は、径方向に延びる回転体35の穴に挿入されている。
【0036】
第2ヨーク爪部382は、第2ヨーク環状部380の内側から軸方向Daに突出している。また、第2ヨーク爪部382は、第2ヨーク環状部380の内側から先端側に向かって幅が小さくなる先細り形状に形成されている。さらに、第2ヨーク爪部382は、回転体35の内側面と接続されている。また、第2ヨーク爪部382は、磁石30の外側面と径方向に対向している。さらに、回転体35の穴が周方向に所定の間隔で形成されていることから、第2ヨーク爪部382は、周方向に所定の間隔で形成されている。また、第2ヨーク爪部382は、互いに隣り合う第1ヨーク爪部372同士の間に配置されている。このため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、周方向において交互に配置されている。なお、
図3~
図6において、煩雑さを避けるため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、一部省略されている。
【0037】
固定用カラー354は、筒状に形成されている。また、固定用カラー354は、回転体35の内側面に接続されている。さらに、固定用カラー354は、第2ステアリングシャフト12に接続されている。このため、回転体35は、第2ステアリングシャフト12とともに回転する。
【0038】
基板60は、プリント基板である。また、基板60は、接続部601を有する。この接続部601は、後述の磁気検出部600と接続されているともに、後述のセンサケース75から露出している。
【0039】
磁気検出部600は、基板60のうち後述の第2磁気誘導部材72側に実装されている。また、磁気検出部600は、例えば、図示しないホール素子、MR素子を有する。これらの素子により、磁気検出部600は、磁気検出部600にかかる軸方向Daの磁界の強さを検出する。さらに、磁気検出部600は、この検出した磁界の強さに応じた信号を、モータ制御装置18に出力する。なお、MRは、Magneto Resistiveの略である。
【0040】
第1磁気誘導部材71は、軟磁性体で径方向に延びる板状に形成されている。また、第1磁気誘導部材71は、第1ヨーク環状部370を軸方向Daに投影したときに、投影した第1ヨーク環状部370と重なる。さらに、第1磁気誘導部材71は、磁気検出部600を軸方向Daに投影したときに、投影した磁気検出部600と重なる。
【0041】
第2磁気誘導部材72は、軟磁性体で径方向に延びる板状に形成されている。また、第2磁気誘導部材72は、第2ヨーク環状部380を軸方向Daに投影したときに、投影した第2ヨーク環状部380と重なる。さらに、第2磁気誘導部材72は、磁気検出部600を軸方向Daに投影したときに、投影した磁気検出部600と重なる。
【0042】
センサケース75は、樹脂等で径方向に延びる板状に形成されている。また、センサケース75は、第1収容部751および第2収容部752を有する。
【0043】
第1収容部751は、先端面753を含む。第1収容部751の先端面753は、円弧状に形成されている。また、先端面753は、回転体側面350と径方向に対向している。さらに、先端面753および回転体側面350の間には空間754が形成されている。また、第1収容部751は、有底筒状に形成されていることにより、磁気検出部600および後述のターミナル80の第1ターミナル81を収容している。さらに、第1収容部751は、基板60の一部が露出するように基板60を収容している。また、第1収容部751は、第1基面761、第1凹部771、第2基面762および第2凹部772を含む。
【0044】
第1基面761は、第1収容部751のうち軸方向Daの一方側を向く面である。第1凹部771は、第1基面761から軸方向Daに凹む部位である。この第1凹部771には、第1磁気誘導部材71の一部が嵌め込まれていることにより、センサケース75に第1磁気誘導部材71が取り付けられている。
【0045】
第2基面762は、第1収容部751のうち軸方向Daの他方側を向く面である。第2凹部772は、第2基面762から軸方向Daに凹む部位である。この第2凹部772には、第2磁気誘導部材72の一部が嵌め込まれていることにより、センサケース75に第2磁気誘導部材72が取り付けられている。
【0046】
第2収容部752は、有底筒状に形成されている。また、第2収容部752は、径方向に第1収容部751と接続されている。さらに、第2収容部752は、後述のターミナル80の第2ターミナル82を収容している。
【0047】
ターミナル80は、第1ターミナル81および第2ターミナル82を有する。第1ターミナル81は、軸方向Daに延びている。また、第1ターミナル81の一部は、基板60の穴に挿入されている。さらに、第1ターミナル81は、基板60とはんだ付けされていることにより、基板60と接続されている。第2ターミナル82は、第1ターミナル81と接続されているとともに、径方向に延びている。また、第2ターミナル82は、モータ制御装置18に接続されている。したがって、磁気検出部600からの信号は、ターミナル80を介して、モータ制御装置18に出力される。
【0048】
カバー85は、樹脂等で形成されている。また、カバー85は、センサカバー部851および回転体カバー部852を有する。
【0049】
センサカバー部851は、溶着や接着等により、第1基面761の一部と接続されている。また、センサカバー部851は、第1磁気誘導部材71、基板60および第1ターミナル81のうちセンサケース75から露出している部分を覆っている。
【0050】
回転体カバー部852は、センサカバー部851に接続されている。また、回転体カバー部852は、センサケース75の第1収容部751とで第1ヨーク環状部370を覆っている。さらに、回転体カバー部852は、円環状に形成されており、カバー穴853を含む。このカバー穴853には、回転体35の一部が軸方向Daに挿入されている。これにより、回転体35の径方向の移動が規制される。また、回転体カバー部852は、軸方向Daに第1ヨーク環状部370と対向している。このため、第1ヨーク環状部370の軸方向Daの移動が規制されるとともに回転体35の軸方向Daの移動が規制される。
【0051】
ここで、第1ヨーク環状部370とカバー85とが軸方向Daに重なる接続部601の部位からカバー85と接続部601とが軸方向Daに重なる第1ヨーク環状部370の部位までの距離を第1距離L1とする。また、第1ヨーク環状部370とカバー85とが軸方向Daに重なる接続部601の部位から第1ヨーク環状部370と接続部601とが軸方向Daに重なるカバー85の部位までの距離を第2距離L2とする。そして、第1距離L1は、第2距離L2よりも小さい。
【0052】
以上のように、トルクセンサ25は、構成されている。次に、トルクセンサ25による操舵トルクの検出について説明する。
【0053】
ステアリングホイール5が回転していないことにより操舵トルクが発生していないとする。この場合、
図7に示すように、磁石30、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、周方向について中立状態に位相合わせされている。この中立状態では、周方向において、全ての第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382の中心位置が磁石30のN極とS極との境界とが一致する。このとき、磁石30のN極から第1ヨーク爪部372を通過する磁力線の数と、磁石30のN極から第2ヨーク爪部382を通過する磁力線の数とが同じになる。このため、第1ヨーク361および第2ヨーク362の間において磁束密度が発生しない。
【0054】
そして、ステアリングホイール5が回転するとき、操舵トルクが発生することにより、ステアリングホイール5に接続されている第1ステアリングシャフト11が回転する。また、シャフトピン14により第1ステアリングシャフト11に固定されているトーションバー13が回転する。さらに、シャフトピン14によりトーションバー13に固定されている第2ステアリングシャフト12が回転する。また、第2ステアリングシャフト12が固定用カラー354に接続されている。このため、回転体35は、回転する。これにより、回転体35と一体となっている第1ヨーク361および第2ヨーク362が、磁石30に対して相対回転する。
【0055】
この場合において、
図8に示すように、磁石30のN極と第1ヨーク爪部372とが軸方向Daと直交する方向に重なる部分が増加する。また、磁石30のS極と第2ヨーク爪部382とが軸方向Daと直交する方向に重なる部分が増加する。このとき、磁石30のN極から第1ヨーク爪部372に向かう磁力線が増加するとともに、第2ヨーク爪部382から磁石30のS極に向かう磁力線が増加する。このため、第1ヨーク361および第2ヨーク362の間において磁束密度が発生する。
【0056】
ここで、上記したように、第1磁気誘導部材71は、軟磁性体で形成されているとともに、第1ヨーク環状部370と、磁気検出部600とに軸方向Daに対向している。また、上記したように、第2磁気誘導部材72は、軟磁性体で形成されているとともに、磁気検出部600と、第2ヨーク環状部380とに軸方向Daに対向している。
【0057】
したがって、このとき、磁石30のN極から、第1ヨーク環状部370および第1磁気誘導部材71を経由して、磁気検出部600を通過する磁力線が増加する。さらに、磁気検出部600を通過した磁力線は、第2磁気誘導部材72および第2ヨーク環状部380を経由して、磁石30のS極を通過する。
【0058】
よって、磁気検出部600は、軸方向Daのうち一方向の磁界の強さを検出する。これにより、磁気検出部600は、操舵トルクを検出する。また、磁気検出部600は、この検出した磁界の強さに応じた信号を、ターミナル80を経由して、モータ制御装置18に出力する。モータ制御装置18は、この磁気検出部600からの信号に基づいて、操舵トルクを演算する。
【0059】
また、
図8の場合とは逆向きの操舵トルクが発生した場合において、
図9に示すように、磁石30のS極と第1ヨーク爪部372とが軸方向Daと直交する方向に重なる部分が増加する。また、磁石30のN極と第2ヨーク爪部382とが軸方向Daと直交する方向に重なる部分が増加する。このとき、磁石30のN極から第2ヨーク爪部382に向かう磁力線が増加するとともに、第1ヨーク爪部372から磁石30のS極に向かう磁力線が増加する。このため、第1ヨーク361および第2ヨーク362の間において磁束密度が発生する。
【0060】
したがって、このとき、磁石30のN極から、第2ヨーク環状部380および第2磁気誘導部材72を経由して、磁気検出部600を通過する磁力線が増加する。さらに、磁気検出部600を通過した磁力線は、第1磁気誘導部材71および第1ヨーク環状部370を経由して、磁石30のS極を通過する。
【0061】
よって、磁気検出部600は、軸方向Daのうち他方向の磁界の強さを検出する。これにより、磁気検出部600は、操舵トルクを検出する。また、磁気検出部600は、この検出した磁界の強さに応じた信号を、ターミナル80を経由して、モータ制御装置18に出力する。モータ制御装置18は、この磁気検出部600からの信号に基づいて、操舵トルクを演算する。
【0062】
以上のように、トルクセンサ25は、操舵トルクを検出する。次に、トルクセンサ25の製造工程が簡素になることについて説明する。
【0063】
トルクセンサ25は、磁石30と、回転体35と、第1ヨーク361と、第2ヨーク362と、磁気検出部600と、センサケース75と、カバー85と、を備える。磁石30は、磁界を発生させつつステアリングホイール5とともに回転する。回転体35は、環状に形成されており、軸方向Daに延びる軸を中心としてステアリングホイール5とともに回転する。第1ヨーク361は、第1ヨーク環状部370と、第1ヨーク爪部372と、を有する。第1ヨーク環状部370は、環状に形成されており、回転体35とともに回転する。第1ヨーク爪部372は、第1ヨーク環状部370から軸方向Daに向かって突出していることで径方向に磁石30と対向しつつ第1ヨーク環状部370とともに回転することにより磁石30にて発生した磁界を変化させる。第2ヨーク362は、第2ヨーク環状部380と、第2ヨーク爪部382と、を有する。第2ヨーク環状部380は、環状に形成されており、回転体35とともに回転する。第2ヨーク爪部382は、第2ヨーク環状部380から軸方向Daに向かって突出していることで径方向に磁石30と対向しつつ第2ヨーク環状部380とともに回転することにより磁石30にて発生した磁界を変化させる。磁気検出部600は、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382が回転することにより変化する磁界の強さを検出する。この磁界の強さは、操舵トルクに対応する。センサケース75は、磁気検出部600を収容している。カバー85は、センサカバー部851と、回転体カバー部852と、を有する。センサカバー部851は、第1基面761に接続されている。回転体カバー部852は、センサカバー部851と接続されているとともに回転体35が軸方向Daに挿入されている。また、回転体カバー部852は、径方向におけるセンサケース75に対する回転体35の相対移動を規制する。なお、ステアリングホイール5は、検出対象に対応する。操舵トルクは、検出対象のトルクに対応する。第1ヨーク361および第2ヨーク362は、ヨークに対応する。第1ヨーク環状部370および第2ヨーク環状部380は、環状部に対応する。第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、爪部に対応する。径方向は、軸方向Daと直交する方向に対応する。
【0064】
回転体カバー部852には回転体35が軸方向Daに挿入されているとともに、回転体カバー部852がセンサカバー部851と接続されている。これにより、径方向におけるセンサケース75に対する回転体35の相対移動が規制される。したがって、トルクセンサ25では、軸方向Daのみの挿入で組み付けられることから、軸方向Daおよび径方向の2方向の挿入で組み付けられるときと比較して、製造工程が簡素になる。
【0065】
また、第1実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0066】
[1-1]回転体カバー部852は、第1ヨーク環状部370と軸方向Daに対向していることにより、軸方向Daにおけるセンサケース75に対する第1ヨーク環状部370の相対移動を規制する。
【0067】
これにより、軸方向Daにおける第1ヨーク環状部370の移動が規制されることから、第1ヨーク環状部370および第1ヨーク環状部370と軸方向Daに対向する第1磁気誘導部材71の間の軸方向Daの距離のバラつきが抑制される。このため、第1ヨーク環状部370から第1磁気誘導部材71を経由して磁気検出部600を通過する磁界の強さのバラつきが抑制される。したがって、磁気検出部600の感度のバラつきが抑制される。
【0068】
[1-2]トルクセンサ25は、基板60をさらに備える。基板60は、磁気検出部600を実装しているとともにセンサケース75に収容されている。また、基板60は、接続部601を有する。接続部601は、磁気検出部600と接続されているとともにセンサケース75から露出している。そして、センサカバー部851は、接続部601を覆っている。
【0069】
これにより、基板60に実装されている磁気検出部600等が異物から保護されることにより、トルクセンサ25の防塵性および防水性が向上する。
【0070】
[1-3]第1距離L1は、第2距離L2よりも小さい。なお、第1距離L1は、第1ヨーク環状部370とカバー85とが軸方向Daに重なる接続部601の部位からカバー85と接続部601とが軸方向Daに重なる第1ヨーク環状部370の部位までの距離に対応する。また、第2距離L2は、第1ヨーク環状部370とカバー85とが軸方向Daに重なる接続部601の部位から第1ヨーク環状部370と接続部601とが軸方向Daに重なるカバー85の部位までの距離に対応する。
【0071】
ここで、第1ヨーク環状部370および接続部601の間にセンサカバー部851が位置した場合、センサカバー部851の大きさ分、第1ヨーク環状部370および接続部601の間の距離が大きくなる。これに対して、トルクセンサ25では、第1距離L1が第2距離L2よりも小さいことにより、センサカバー部851および接続部601の間に第1ヨーク環状部370が位置する。このため、第1ヨーク環状部370および接続部601の間にセンサカバー部851が位置しないことから、第1ヨーク環状部370および接続部601の間の距離をセンサカバー部851の大きさ分、小さくすることができる。これにより、第1ヨーク環状部370から磁気検出部600を通過する磁界の減衰が抑制されるため、磁気検出部600の感度が向上する。
【0072】
(第2実施形態)
第2実施形態では、
図10~
図13に示すように、センサケース75およびカバー85の形態が第1実施形態と異なる。これら以外は、第1実施形態と同様である。なお、
図10~
図13において、煩雑さを避けるため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、一部省略されている。
【0073】
センサケース75は、カバー用ピン758をさらに有する。カバー用ピン758は、第1基面761から軸方向Daに突出している。
【0074】
カバー85のセンサカバー部851は、ピン用穴854をさらに有する。ピン用穴854には、カバー用ピン758の一部が挿入されている。これにより、カバー85がセンサケース75から外れにくくなっている。また、センサカバー部851とカバー用ピン758とが熱かしめ等されていることにより、熱かしめ等されていない場合と比較して、カバー85がセンサケース75から外れにくくなっている。なお、センサカバー部851がカバー用ピン758を有し、センサケース75の第1基面761にピン用穴854が形成されてもよい。
【0075】
以上のように、第2実施形態は、構成されている。第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0076】
(第3実施形態)
第3実施形態では、
図14~
図18に示すように、センサケース75、基板60およびカバー85の形態が第1実施形態と異なる。また、回転体35の形態が第1実施形態と異なる。さらに、トルクセンサ25は、第1従動回転体31、第2従動回転体32、角度用第1磁気誘導部材711、角度用第1磁石51、角度用第2磁気誘導部材722、角度用第2磁石52、角度用第1磁気検出部611および角度用第2磁気検出部622を備えている。これら以外は、第1実施形態と同様である。なお、
図14~
図18において、煩雑さを避けるため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、一部省略されている。
【0077】
センサケース75は、円弧状に形成されている。このため、センサケース75に収容される基板60は、円弧状に形成されている。また、センサケース75は、上記したカバー用ピン758をさらに有する。
【0078】
センサカバー部851は、円弧状に形成されている。また、カバー85のセンサカバー部851は、上記したピン用穴854をさらに有する。
【0079】
回転体35は、歯車部355をさらに有する。歯車部355は、円環部356および複数の回転体歯部357を含む。円環部356は、円環状に形成されている。回転体歯部357は、円環部356から軸方向Daに突出している。
【0080】
第1従動回転体31は、樹脂等で形成されている。また、第1従動回転体31は、センサケース75の第1収容部751に収容されている。さらに、第1従動回転体31は、第1収容部751とセンサカバー部851とで覆われている。また、第1従動回転体31の軸は、回転体35の軸と平行になっている。さらに、第1従動回転体31は、第1円筒部313および複数の第1従動歯部314を含む。
【0081】
第1円筒部313は、円筒状に形成されている。第1従動歯部314は、第1円筒部313から径方向外側に向かって突出している。また、1つの第1従動歯部314の一部は、互いに隣り合う回転体歯部357同士の間に位置する。したがって、第1従動回転体31は、回転体35と噛み合っている。さらに、ここでは、第1従動回転体31の歯数に対応する第1従動歯部314の数は、回転体35の歯数に対応する回転体歯部357の数と異なっている。
【0082】
第2従動回転体32は、第1従動回転体31と同様に、樹脂等で形成されている。また、第2従動回転体32は、センサケース75の第1収容部751に収容されている。さらに、第2従動回転体32は、第1収容部751とセンサカバー部851とで覆われている。また、第2従動回転体32の軸は、回転体35の軸および第1従動回転体31の軸と平行になっている。さらに、第2従動回転体32は、第2円筒部323および複数の第2従動歯部324を含む。
【0083】
第2円筒部323は、円筒状に形成されている。第2従動歯部324は、第2円筒部323から径方向外側に向かって突出している。また、1つの第2従動歯部324の一部は、互いに隣り合う回転体歯部357同士の間に位置する。したがって、第2従動回転体32は、回転体35と噛み合っている。さらに、ここでは、第2従動回転体32の歯数に対応する第2従動歯部324の数は、回転体35の歯数に対応する回転体歯部357の数と異なっている。
【0084】
角度用第1磁気誘導部材711は、第1円筒部313に取り付けられている。また、角度用第1磁気誘導部材711は、後述の角度用第1磁石51によって発生する磁界を後述の角度用第1磁気検出部611に誘導する。
【0085】
角度用第1磁石51は、第1円筒部313に挿入されている。このため、第1従動回転体31が回転するとき、角度用第1磁石51は、第1従動回転体31とともに回転する。また、角度用第1磁石51は、軸方向Daおよび軸方向Daと直交する方向に角度用第1磁気誘導部材711と対向している。さらに、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度用第1磁石51のうち第1方向D1の一方側は、例えば、N極に着磁されている。また、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度用第1磁石51のうち第1方向D1の他方側は、例えば、S極に着磁されている。なお、第1方向D1は、回転体35の軸と第1従動回転体31の軸とを結ぶ直線のうち軸方向Daに直交する直線の方向である。
【0086】
角度用第2磁気誘導部材722は、第2円筒部323に取り付けられている。また、角度用第2磁気誘導部材722は、後述の角度用第2磁石52によって発生する磁界を後述の角度用第2磁気検出部622に誘導する。
【0087】
角度用第2磁石52は、第2円筒部323に挿入されているとともに、このため、第2従動回転体32が回転するとき、角度用第2磁石52は、第2従動回転体32とともに回転する。また、角度用第2磁石52は、軸方向Daおよび軸方向Daと直交する方向に角度用第2磁気誘導部材722と対向している。さらに、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度用第2磁石52のうち第2方向D2の一方側は、例えば、N極に着磁されている。また、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度用第2磁石52のうち第2方向D2の他方側は、例えば、S極に着磁されている。なお、第2方向D2は、回転体35の軸と第2従動回転体32の軸とを結ぶ直線のうち軸方向Daに直交する直線の方向である。
【0088】
角度用第1磁気検出部611は、基板60に実装されている。また、角度用第1磁気検出部611は、角度用第1磁気誘導部材711と軸方向Daに対向している。これにより、角度用第1磁気検出部611には、角度用第1磁石51のN極からの磁力線が角度用第1磁気誘導部材711を経由して通過する。さらに、角度用第1磁気検出部611は、図示しない第1素子および第2素子を有する。この第1素子および第2素子は、例えば、ホール素子、MR素子である。また、角度用第1磁気検出部611の第1素子は、角度用第1磁気検出部611を通過する磁界のうち一方向の磁界の強さを検出する。さらに、角度用第1磁気検出部611の第2素子は、角度用第1磁気検出部611の第1素子によって検出される磁界の方向と直交する方向の磁界の強さを検出する。また、角度用第1磁気検出部611は、これらの検出した磁界の強さに応じた信号を、ターミナル80を経由してモータ制御装置18に出力する。
【0089】
角度用第2磁気検出部622は、基板60に実装されている。また、角度用第2磁気検出部622は、角度用第2磁気誘導部材722と軸方向Daに対向している。これにより、角度用第2磁気検出部622には、角度用第2磁石52のN極からの磁力線が角度用第2磁気誘導部材722を経由して通過する。さらに、角度用第2磁気検出部622は、図示しない第1素子および第2素子を有する。この第1素子および第2素子は、例えば、ホール素子、MR素子である。また、角度用第2磁気検出部622の第1素子は、角度用第2磁気検出部622を通過する磁界のうち一方向の磁界の強さを検出する。さらに、角度用第2磁気検出部622の第2素子は、角度用第2磁気検出部622の第1素子によって検出される磁界の方向と直交する方向の磁界の強さを検出する。また、角度用第2磁気検出部622は、これらの検出した磁界の強さに応じた信号を、ターミナル80を経由してモータ制御装置18に出力する。
【0090】
以上のように、第3実施形態は、構成されている。このトルクセンサ25は、操舵トルクを加えて、ステアリングホイール5の操舵角度を検出する。次に、トルクセンサ25による操舵角度の検出について説明する。
【0091】
ステアリングホイール5が回転するとき、ステアリングホイール5に接続されている第1ステアリングシャフト11が回転する。また、シャフトピン14により第1ステアリングシャフト11に固定されているトーションバー13が回転する。さらに、シャフトピン14によりトーションバー13に固定されている第2ステアリングシャフト12が回転する。また、第2ステアリングシャフト12が回転体35の固定用カラー354に接続されている。このため、回転体35は、回転する。したがって、この回転体35と噛み合っている第1従動回転体31および第2従動回転体32が回転する。
【0092】
このとき、第1従動回転体31に取り付けられている角度用第1磁石51が回転する。このため、角度用第1磁石51のN極から、角度用第1磁気誘導部材711、角度用第1磁気検出部611、角度用第1磁気誘導部材711および角度用第1磁石51のS極を通過する磁力線が周期的に変化する。これにより、角度用第1磁気検出部611にかかる一方向の磁界の強さが周期的に変化する。
【0093】
ここで、上記したように、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度用第1磁石51のうち第1方向D1の一方側は、N極に着磁されている。さらに、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度用第1磁石51の第1方向D1の他方側は、S極に着磁されている。このため、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度用第1磁気検出部611にかかる第1方向D1の磁界の強さは、所定の値となる。
【0094】
したがって、操舵角度が変化するとき、第1方向D1の磁界の強さを検出する角度用第1磁気検出部611の第1素子の出力波形は、余弦波となる。よって、このとき、角度用第1磁気検出部611の第1素子は、第1従動回転体31の回転角度および操舵角度に対応する余弦波からなる信号をモータ制御装置18に出力する。また、操舵角度が変化するとき、第1方向D1と直交する方向の磁界の強さを検出する角度用第1磁気検出部611の第2素子の出力波形は、正弦波となる。したがって、このとき、角度用第1磁気検出部611の第2素子は、第1従動回転体31の回転角度および操舵角度に対応する正弦波からなる信号をモータ制御装置18に出力する。
【0095】
また、第2従動回転体32に取り付けられている角度用第2磁石52が回転する。このため、角度用第2磁石52のN極から、角度用第2磁気誘導部材722、角度用第2磁気検出部622、角度用第2磁気誘導部材722および角度用第2磁石52のS極を通過する磁力線が周期的に変化する。これにより、角度用第2磁気検出部622にかかる第2方向D2の磁界の強さが周期的に変化する。
【0096】
ここで、上記したように、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度用第2磁石52のうち第2方向D2の一方側は、N極に着磁されている。さらに、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度用第2磁石52のうち第2方向D2の他方側は、S極に着磁されている。このため、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度用第2磁気検出部622にかかる第2方向D2の磁界の強さは、所定の値となる。
【0097】
したがって、操舵角度が変化するとき、第2方向D2の磁界の強さを検出する角度用第2磁気検出部622の第1素子の出力波形は、余弦波となる。よって、このとき、角度用第2磁気検出部622の第1素子は、第2従動回転体32の回転角度および操舵角度に対応する余弦波からなる信号をモータ制御装置18に出力する。また、操舵角度が変化するとき、第2方向D2と直交する方向の磁界の強さを検出する角度用第2磁気検出部622の第2素子の出力波形は、正弦波となる。したがって、このとき、角度用第2磁気検出部622の第2素子は、第2従動回転体32の回転角度および操舵角度に対応する正弦波からなる信号をモータ制御装置18に出力する。
【0098】
そして、モータ制御装置18は、角度用第1磁気検出部611の第1素子および第2素子からの信号と、角度用第2磁気検出部622の第1素子および第2素子からの信号とに基づいて、操舵角度に関する値を演算する。
【0099】
例えば、モータ制御装置18は、角度用第1磁気検出部611の第2素子の正弦波からなる信号の値を、角度用第1磁気検出部611の第1素子の余弦波からなる信号の値で除算する。これにより、モータ制御装置18は、第1従動回転体31の回転角度に対応するタンジェントの値を演算することで第1従動回転体31の回転角度を演算する。また、モータ制御装置18は、角度用第2磁気検出部622の第2素子の正弦波からなる信号の値を、角度用第2磁気検出部622の第1素子の余弦波からなる信号の値で除算する。これにより、モータ制御装置18は、第2従動回転体32の回転角度に対応するタンジェントの値を演算することで第2従動回転体32の回転角度を演算する。
【0100】
ここで、第2従動回転体32の歯数に対応する第2従動歯部324の数は、第1従動回転体31の歯数に対応する第1従動歯部314の数と異なっている。このため、角度用第1磁気検出部611の第1素子および第2素子の出力波形の周期と、角度用第2磁気検出部622の第1素子および第2素子の出力波形の周期とは異なる。さらに、角度用第1磁気検出部611の第1素子および第2素子の出力および角度用第2磁気検出部622の第1素子および第2素子の出力は、それぞれ操舵角度に対応する。このため、第1従動回転体31の回転角度と第2従動回転体32の回転角度との差は、操舵角度に対応する。
【0101】
よって、モータ制御装置18は、第1従動回転体31の回転角度と第2従動回転体32の回転角度との差を演算して、この演算した差から操舵角度を演算する。
【0102】
以上のように、トルクセンサ25は、操舵角度を検出する。この第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第3実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0103】
[2]トルクセンサ25は、第1従動回転体31と、第2従動回転体32と、角度用第1磁石51と、角度用第2磁石52と、角度用第1磁気検出部611と、角度用第2磁気検出部622と、をさらに備える。第1従動回転体31および第2従動回転体32は、回転体35とともに回転する。角度用第1磁石51は、磁界を発生させつつ第1従動回転体31とともに回転する。角度用第2磁石52は、磁界を発生させつつ第2従動回転体32とともに回転する。角度用第1磁気検出部611は、操舵角度に対応し、第1従動回転体31が回転することにより変化する磁界の強さを検出する。角度用第2磁気検出部622は、操舵角度に対応し、第2従動回転体32が回転することにより変化する磁界の強さを検出する。なお、角度用第1磁石51および角度用第2磁石52は、角度用磁石に対応する。角度用第1磁気検出部611および角度用第2磁気検出部622は、角度検出部に対応する。操舵角度は、検出対象の回転角度に対応する。
【0104】
これにより、トルクセンサ25は、操舵トルクに加えて、操舵角度を検出することができる。このため、トルクセンサ25は、トルクアングルセンサとして機能する。
【0105】
(第4実施形態)
第4実施形態では、トルクセンサ25は、
図19~
図22に示すように、第1カバー85および第2カバー86をさらに備える。これ以外は、第1実施形態と同様である。なお、
図19~
図22において、煩雑さを避けるため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、一部省略されている。
【0106】
第1カバー85は、上記したカバー85に対応する。第2カバー86は、樹脂等で形成されている。また、第2カバー86は、第2センサカバー部861および第2回転体カバー部862を有する。
【0107】
第2センサカバー部861は、溶着や接着等により、第2基面762の一部と接続されている。また、第2センサカバー部861は、外部に露出している第2磁気誘導部材72および磁気検出部600を覆っている。
【0108】
第2回転体カバー部862は、第2センサカバー部861に接続されている。また、第2回転体カバー部862は、円環状に形成されており、第2カバー穴863を含む。この第2カバー穴863は、円形状に形成されている。これにより、第2カバー穴863には、回転体35の一部が軸方向Daに挿入されている。
【0109】
以上のように、トルクセンサ25は、構成されている。第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0110】
(第5実施形態)
第5実施形態では、
図23~
図26に示すように、センサケース75およびカバー85の形態が第4実施形態と異なる。これら以外は、第4実施形態と同様である。なお、
図23~
図26において、煩雑さを避けるため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、一部省略されている。
【0111】
センサケース75は、第1ピン791および第2ピン792をさらに有する。第1ピン791は、第1基面761から軸方向Daに突出している。第2ピン792は、第2基面762から軸方向Daに突出している。
【0112】
カバー85のセンサカバー部851は、第1ピン用穴854をさらに有する。第1ピン用穴854は、上記ピン用穴854に対応する。第1ピン用穴854には、第1ピン791の一部が挿入されている。これにより、カバー85がセンサケース75から外れにくくなっている。また、センサカバー部851と第1ピン791とが熱かしめ等されていることにより、熱かしめ等されていない場合と比較して、カバー85がセンサケース75から外れにくくなっている。なお、センサカバー部851が第1ピン791を有し、センサケース75の第1基面761に第1ピン用穴854が形成されてもよい。
【0113】
また、第2カバー86の第2センサカバー部861は、第2ピン用穴855をさらに有する。第2ピン用穴855には、第2ピン792の一部が挿入されている。このため、第2カバー86がセンサケース75から外れにくくなっている。さらに、第2センサカバー部861と第2ピン792とが熱かしめ等されていることにより、熱かしめ等されていない場合と比較して、第2カバー86がセンサケース75から外れにくくなっている。なお、第2センサカバー部861が第2ピン792を有し、センサケース75の第2基面762に第2ピン用穴855が形成されてもよい。
【0114】
以上のように、第5実施形態は、構成されている。第5実施形態においても、第4実施形態と同様の効果を奏する。
【0115】
(第6実施形態)
第6実施形態では、
図27~
図30に示すように、センサケース75の形態が第1実施形態と異なる。また、トルクセンサ25は、第1磁気誘導部材71、第2磁気誘導部材72およびカバー85を備えていないで、磁気検出部600を2つ備え、保持部材90をさらに備える。これら以外は、第1実施形態と同様である。なお、
図27~
図30において、煩雑さを避けるため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、一部省略されている。
【0116】
センサケース75は、ケース側面781およびガイド面782を含む。ケース側面781は、第1基面761と接続されているとともに、ケース側面781と第1基面761との境界部から軸方向Daに延びている。ガイド面782は、ケース側面781のうち第1基面761とは反対側と接続されているとともに、ガイド面782とケース側面781との境界部から径方向に延びている。
【0117】
また、トルクセンサ25は、2つの磁気検出部600を備える。これにより、1つの磁気検出部600が故障した場合、トルクセンサ25は、もう1つの磁気検出部600を用いて、操舵トルクを検出できる。
【0118】
保持部材90は、U字状に形成されている。また、保持部材90は、湾曲部900および直線部910を有する。
【0119】
湾曲部900は、円弧状に形成されている。また、湾曲部900は、回転体側面350と径方向に対向している。さらに、湾曲部900および回転体側面350の間には空間が形成されている。また、湾曲部900は、軸方向Daにおいて、第1ヨーク環状部370および第2ヨーク環状部380の間に位置している。これにより、湾曲部900は、第1ヨーク環状部370および第2ヨーク環状部380と軸方向Daに対向している。このため、第1ヨーク環状部370および第2ヨーク環状部380の軸方向Daの移動が規制される。
【0120】
直線部910は、湾曲部900に接続されているとともに、湾曲部900から径方向に延びている。また、直線部910は、溶着や接着等により、ケース側面781およびガイド面782と接続されている。したがって、回転体35は、径方向において、保持部材90およびセンサケース75に囲まれている。これにより、回転体35の径方向の移動が規制される。
【0121】
以上のように、トルクセンサ25は、構成されている。次に、第6実施形態においても、トルクセンサ25の製造工程が簡素になることについて説明する。
【0122】
[3-1]トルクセンサ25は、磁石30と、回転体35と、第1ヨーク361と、第2ヨーク362と、磁気検出部600と、センサケース75と、保持部材90と、を備える。磁石30は、磁界を発生させつつステアリングホイール5とともに回転する。回転体35は、環状に形成されており、軸方向Daに延びる軸を中心としてステアリングホイール5とともに回転する。第1ヨーク361は、第1ヨーク環状部370と、第1ヨーク爪部372と、を有する。第1ヨーク環状部370は、環状に形成されており、回転体35とともに回転する。第1ヨーク爪部372は、第1ヨーク環状部370から軸方向Daに向かって突出していることで径方向に磁石30と対向しつつ第1ヨーク環状部370とともに回転することにより磁石30にて発生した磁界を変化させる。第2ヨーク362は、第2ヨーク環状部380と、第2ヨーク爪部382と、を有する。第2ヨーク環状部380は、環状に形成されており、回転体35とともに回転する。第2ヨーク爪部382は、第2ヨーク環状部380から軸方向Daに向かって突出していることで径方向に磁石30と対向しつつ第2ヨーク環状部380とともに回転することにより磁石30にて発生した磁界を変化させる。磁気検出部600は、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382が回転することにより変化する磁界の強さを検出する。この磁界の強さは、操舵トルクに対応する。センサケース75は、磁気検出部600を収容している。保持部材90は、径方向においてセンサケース75とで回転体35を囲うことにより、径方向におけるセンサケース75に対する回転体35の相対移動を規制する。
【0123】
このトルクセンサ25では、例えば、保持部材90を径方向にのみ移動させることで、保持部材90は、センサケース75とで回転体35を囲う。これにより、径方向におけるセンサケース75に対する回転体35の相対移動が規制される。したがって、トルクセンサ25では、1方向のみの移動で組み付けられることから、軸方向Daおよび径方向の2方向の挿入で組み付けられるときと比較して、製造工程が簡素になる。
【0124】
また、第6実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0125】
[3-2]保持部材90は、第1ヨーク環状部370と軸方向Daに対向していることにより、軸方向Daにおけるセンサケース75に対する第1ヨーク環状部370の相対移動を規制する。
【0126】
これにより、軸方向Daにおける第1ヨーク環状部370の移動が規制されることから、第1ヨーク環状部370および第1ヨーク環状部370と軸方向Daに対向する第1磁気誘導部材71の間の軸方向Daの距離のバラつきが抑制される。このため、第1ヨーク環状部370から第1磁気誘導部材71を経由して磁気検出部600を通過する磁界の強さのバラつきが抑制される。したがって、磁気検出部600の感度のバラつきが抑制される。
【0127】
(第7実施形態)
第7実施形態では、トルクセンサ25は、
図31~
図34に示すように、センサカバー95をさらに備える。これ以外は、第3実施形態と同様である。なお、
図31~
図34において、煩雑さを避けるため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、一部省略されている。
【0128】
センサカバー95は、基板60のうちセンサケース75から露出している部分をセンサケース75の第1収容部751とで覆っている。これにより、基板60に実装されている磁気検出部600等が異物から保護されることにより、トルクセンサ25の防塵性および防水性が向上する。
【0129】
このように、第7実施形態は、構成されている。第7実施形態においても、第6実施形態と同様の効果を奏する。
【0130】
(第8実施形態)
第8実施形態では、
図35~
図39に示すように、センサケース75、基板60、センサカバー95および保持部材90の形態が第7実施形態と異なる。また、回転体35の形態が第1実施形態と異なる。さらに、トルクセンサ25は、第1従動回転体31、第2従動回転体32、角度用第1磁気誘導部材711、角度用第1磁石51、角度用第2磁気誘導部材722、角度用第2磁石52、角度用第1磁気検出部611および角度用第2磁気検出部622を備えている。これら以外は、第6実施形態と同様である。なお、
図35~
図39において、煩雑さを避けるため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、一部省略されている。
【0131】
センサケース75は、円弧状に形成されている。このため、センサケース75に収容される基板60は、円弧状に形成されている。また、センサケース75は、上記したカバー用ピン758をさらに有する。カバー用ピン758は、センサカバー95は、上記したピン用穴854をさらに有する。
【0132】
保持部材90は、湾曲部900および直線部910を有する。湾曲部900は、円弧状に形成されている。また、湾曲部900は、軸方向Daにおいて、第1ヨーク環状部370および第2ヨーク環状部380の間に位置している。さらに、湾曲部900と第1ヨーク環状部370および第2ヨーク環状部380との間には空間が形成されている。また、湾曲部900は、回転体側面350と径方向に対向している。さらに、湾曲部900および回転体側面350の間には空間が形成されている。
【0133】
直線部910は、湾曲部900に接続されているとともに、湾曲部900から径方向に延びている。また、直線部910は、溶着や接着等により、ケース側面781と接続されている。したがって、回転体35は、径方向において、保持部材90およびセンサケース75に囲まれている。
【0134】
回転体35は、第3実施形態と同様に形成されている。第1従動回転体31、第2従動回転体32、角度用第1磁気誘導部材711、角度用第1磁石51は、第3実施形態と同様に形成されているところ、第1収容部751とセンサカバー95とで覆われていることが第3実施形態と異なる。角度用第2磁気誘導部材722、角度用第2磁石52、角度用第1磁気検出部611、角度用第2磁気検出部622は、第3実施形態と同様に形成されているところ、第1収容部751とセンサカバー95とで覆われていることが第3実施形態と異なる。
【0135】
このように、第8実施形態は、構成されている。第8実施形態においても、第7実施形態と同様の効果を奏する。また、第8実施形態では、操舵トルクに加えて操舵角度を検出することができる。
【0136】
(第9実施形態)
第9実施形態では、
図40~
図43に示すように、回転体35の形態が第1実施形態と異なる。また、センサケース75の形態が異なる。さらに、トルクセンサ25は、第1磁気誘導部材71、第2磁気誘導部材72、固定用カラー354およびカバー85を備えていない。また、トルクセンサ25は、2つの磁気検出部600を備える。さらに、トルクセンサ25は、第1固定部材921および第2固定部材922をさらに備える。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0137】
回転体35は、筒状部351およびヨーク保持部352を有する。筒状部351は、円筒状に形成されている。ヨーク保持部352は、第1ヨーク用窪み391および第2ヨーク用窪み392を含む。第1ヨーク用窪み391は、第1ヨーク爪部372に対応する形状に形成されている。このため、第1ヨーク爪部372が第1ヨーク用窪み391に挿入されていることにより、ヨーク保持部352は、第1ヨーク361を保持する。第2ヨーク用窪み392は、第2ヨーク爪部382に対応する形状に形成されている。したがって、第2ヨーク爪部382が第2ヨーク用窪み392に挿入されていることにより、ヨーク保持部352は、第2ヨーク362を保持する。
【0138】
センサケース75は、第1収容部751および第2収容部752に加えて、規制部755を有する。
【0139】
規制部755は、第1収容部751に接続されている。また、規制部755は、円環状に形成されており、回転体用穴756を含む。この回転体用穴756には、ヨーク保持部352の一部が軸方向Daに挿入されている。これにより、回転体35の径方向の移動が規制される。また、規制部755は、軸方向Daにおいて、第1ヨーク環状部370および第2ヨーク環状部380の間に位置しており、第1ヨーク環状部370および第2ヨーク環状部380と軸方向Daに対向している。このため、第1ヨーク環状部370および第2ヨーク環状部380の軸方向Daの移動が規制される。
【0140】
第1固定部材921は、円環状に形成されている。また、第1固定部材921は、ヨーク保持部352とで第1ヨーク環状部370を軸方向Daに挟む。これにより、第1ヨーク361がヨーク保持部352から外れないようになっている。
【0141】
第2固定部材922は、円環状に形成されている。また、第2固定部材922は、ヨーク保持部352とで第2ヨーク環状部380を軸方向Daに挟む。これにより、第2ヨーク362がヨーク保持部352から外れないようになっている。
【0142】
以上のように、トルクセンサ25は、構成されている。次に、第9実施形態においても、トルクセンサ25の製造工程が簡素になることについて説明する。
【0143】
[4-1]トルクセンサ25は、磁石30と、回転体35と、第1ヨーク361と、第2ヨーク362と、磁気検出部600と、センサケース75と、を備える。磁石30は、磁界を発生させつつステアリングホイール5とともに回転する。回転体35は、環状に形成されており、軸方向Daに延びる軸を中心としてステアリングホイール5とともに回転する。第1ヨーク361は、第1ヨーク環状部370と、第1ヨーク爪部372と、を有する。第1ヨーク環状部370は、環状に形成されており、回転体35とともに回転する。第1ヨーク爪部372は、第1ヨーク環状部370から軸方向Daに向かって突出していることで径方向に磁石30と対向しつつ第1ヨーク環状部370とともに回転することにより磁石30にて発生した磁界を変化させる。第2ヨーク362は、第2ヨーク環状部380と、第2ヨーク爪部382と、を有する。第2ヨーク環状部380は、環状に形成されており、回転体35とともに回転する。第2ヨーク爪部382は、第2ヨーク環状部380から軸方向Daに向かって突出していることで径方向に磁石30と対向しつつ第2ヨーク環状部380とともに回転することにより磁石30にて発生した磁界を変化させる。磁気検出部600は、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382が回転することにより変化する磁界の強さを検出する。この磁界の強さは、操舵トルクに対応する。センサケース75は、規制部755と、第1収容部751と、を有する。規制部755は、環状に形成されている。さらに、規制部755には、回転体35が軸方向Daに挿入されている。第1収容部751は、規制部755に接続されているとともに磁気検出部600を収容している。また、規制部755は、径方向におけるセンサケース75に対する回転体35の相対移動を規制する。
【0144】
規制部755には回転体35が軸方向Daに挿入されているとともに、規制部755が第1収容部751と接続されている。これにより、径方向におけるセンサケース75に対する回転体35の相対移動が規制される。したがって、トルクセンサ25では、軸方向Daのみの挿入で組み付けられることから、軸方向Daおよび径方向の2方向の挿入で組み付けられるときと比較して、製造工程が簡素になる。
【0145】
また、第9実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0146】
[4-2]規制部755は、第1ヨーク環状部370と軸方向Daに対向していることにより、軸方向Daにおけるセンサケース75に対する第1ヨーク環状部370の相対移動を規制する。
【0147】
これにより、軸方向Daにおける第1ヨーク環状部370の移動が規制されることから、第1ヨーク環状部370および第1ヨーク環状部370と軸方向Daに対向する第1磁気誘導部材71の間の軸方向Daの距離のバラつきが抑制される。このため、第1ヨーク環状部370から第1磁気誘導部材71を経由して磁気検出部600を通過する磁界の強さのバラつきが抑制される。したがって、磁気検出部600の感度のバラつきが抑制される。
【0148】
(第10実施形態)
第10実施形態では、トルクセンサ25は、
図44~
図47に示すように、第1磁気誘導部材71、第2磁気誘導部材72およびセンサカバー95をさらに備える。これ以外は、第9実施形態と同様である。
【0149】
第1磁気誘導部材71および第2磁気誘導部材72は、上記第1実施形態と同様に、形成されている。
【0150】
センサカバー95は、基板60のうちセンサケース75から露出している部分をセンサケース75の第1収容部751とで覆っている。これにより、基板60に実装されている磁気検出部600等が異物から保護されることにより、トルクセンサ25の防塵性および防水性が向上する。
【0151】
このように、第10実施形態は、構成されている。第10実施形態においても、第9実施形態と同様の効果を奏する。
【0152】
(第11実施形態)
第11実施形態では、
図48~
図52に示すように、センサケース75、基板60およびセンサカバー95の形態が第10実施形態と異なる。さらに、回転体35の形態が第1実施形態と異なる。また、トルクセンサ25は、第1従動回転体31、第2従動回転体32、角度用第1磁気誘導部材711、角度用第1磁石51、角度用第2磁気誘導部材722、角度用第2磁石52、角度用第1磁気検出部611および角度用第2磁気検出部622を備えている。さらに、トルクセンサ25は、第2固定部材922を備えていない。これら以外は、第9実施形態と同様である。
【0153】
センサケース75は、円弧状に形成されている。このため、センサケース75に収容される基板60は、円弧状に形成されている。また、センサケース75は、上記したカバー用ピン758をさらに有する。センサカバー95は、上記したピン用穴854をさらに有する。
【0154】
回転体35の歯車部355における円環部356は、円環状に形成されている。また、円環部356は、ヨーク保持部352とで第2ヨーク環状部380を軸方向Daに挟む。これにより、第2ヨーク362がヨーク保持部352から外れないようになっている。これ以外は、第3実施形態と同様である。第3実施形態と同様に形成されている。第1従動回転体31、第2従動回転体32、角度用第1磁気誘導部材711、角度用第1磁石51は、第3実施形態と同様に形成されているところ、第1収容部751とセンサカバー95とで覆われていることが第3実施形態と異なる。角度用第2磁気誘導部材722、角度用第2磁石52、角度用第1磁気検出部611、角度用第2磁気検出部622は、第3実施形態と同様に形成されているところ、第1収容部751とセンサカバー95とで覆われていることが第3実施形態と異なる。
【0155】
このように、第11実施形態は、構成されている。第11実施形態においても、第10実施形態と同様の効果を奏する。また、第11実施形態では、操舵トルクに加えて操舵角度を検出することができる。
【0156】
(第12実施形態)
第12実施形態では、
図53~
図56に示すように、センサケース75の第1収容部751の先端面753の形態が第1実施形態と異なる。また、トルクセンサ25は、カバー85を備えていない。これら以外は、第1実施形態と同様である。なお、
図53~
図56において、煩雑さを避けるため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、一部省略されている。
【0157】
先端面753は、回転体側面350の形状に対応する円弧状に形成されている。そして、先端面753が回転体側面350と接触していることにより、径方向においてセンサケース75に対する回転体35の相対移動が規制される。
【0158】
このように、第12実施形態は、構成されている。第12実施形態においても、上記[1-1]~[1-3]を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0159】
(第13実施形態)
第13実施形態では、トルクセンサ25は、
図57~
図60に示すように、第1磁気誘導部材71、第2磁気誘導部材72およびセンサカバー95をさらに備える。これ以外は、第12実施形態と同様である。なお、
図57~
図60において、煩雑さを避けるため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、一部省略されている。
【0160】
第1磁気誘導部材71および第2磁気誘導部材72は、上記第1実施形態と同様に、形成されている。
【0161】
センサカバー95は、基板60のうちセンサケース75から露出している部分をセンサケース75の第1収容部751とで覆っている。これにより、基板60に実装されている磁気検出部600等が異物から保護されることにより、トルクセンサ25の防塵性および防水性が向上する。
【0162】
このように、第13実施形態は、構成されている。第13実施形態においても、第12実施形態と同様の効果を奏する。
【0163】
(第14実施形態)
第14実施形態では、トルクセンサ25は、
図61~
図64に示すように、仮固定部材93をさらに備える。これ以外は、第1実施形態と同様である。なお、
図61~
図64において、煩雑さを避けるため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、一部省略されている。
【0164】
仮固定部材93は、第1板部931、第2板部932、第3板部933および第4板部934を有する。
【0165】
第1板部931は、軸方向Daに延びる板状に形成されている。また、第1板部931は、回転体35の内側面と接触している。第2板部932は、第1板部931に接続されている。さらに、第2板部932は、周方向に延びる板状に形成されている。また、第2板部932は、回転体35のうち軸方向Daを向く面と接触している。第3板部933は、第2板部932のうち第1板部931とは反対側と接続されている。さらに、第3板部933は、第2板部932から径方向外側に延びている。第4板部934は、第3板部933のうち第2板部932とは反対側と接続されている。また、第4板部934は、第3板部933から軸方向Daに延びている。さらに、第4板部934は、第1基面761と接触している。したがって、第1板部931、第2板部932および第4板部934により、センサケース75と回転体35との相対位置が固定される。これにより、仮固定部材93は、径方向および軸方向Daにおいてセンサケース75に対する回転体35の相対移動を規制する。なお、この仮固定部材93によりセンサケース75と回転体35との相対位置が固定された状態で、回転体35およびセンサケース75にカバー85が取り付けられてもよい。また、カバー85が取り付けられた後、回転体35およびセンサケース75から仮固定部材93が外されてもよい。これにより、回転体35およびセンサケース75にカバー85が取り付けることが容易になる。
【0166】
このように、第14実施形態は、構成されている。第14実施形態においても、上記[1-1]~[1-3]を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0167】
(第15実施形態)
第15実施形態では、トルクセンサ25は、
図65~
図68に示すように、第1磁気誘導部材71、第2磁気誘導部材72およびセンサカバー95をさらに備える。これ以外は、第14実施形態と同様である。なお、
図65~
図68において、煩雑さを避けるため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、一部省略されている。
【0168】
第1磁気誘導部材71および第2磁気誘導部材72は、上記第1実施形態と同様に、形成されている。
【0169】
センサカバー95は、基板60のうちセンサケース75から露出している部分および第1磁気誘導部材71をセンサケース75の第1収容部751とで覆っている。これにより、基板60に実装されている磁気検出部600等が異物から保護されることにより、トルクセンサ25の防塵性および防水性が向上する。
【0170】
このように、第15実施形態は、構成されている。第15実施形態においても、第14実施形態と同様の効果を奏する。
【0171】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0172】
上記実施形態では、回転体35は、円筒状に形成されている。これに対して、回転体35は、円筒状に形成されていることに限定されない。例えば、回転体35は、多角筒状および楕円筒状等に形成されてもよい。
【0173】
上記実施形態では、第1ヨーク環状部370および第2ヨーク環状部380は、円環状に形成されている。これに対して、第1ヨーク環状部370および第2ヨーク環状部380は、円環状に形成されていることに限定されない。例えば、第1ヨーク環状部370および第2ヨーク環状部380は、多角形環状等に形成されてもよい。
【0174】
上記実施形態では、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、先細り形状になっている。これに対して、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、先細り形状になっていることに限定されない。例えば、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、長方形状等であってもよい。
【0175】
上記実施形態では、固定用カラー354は、第2ステアリングシャフト12に接続されているとともに、磁石30が第1ステアリングシャフト11に接続されている。これに対して、固定用カラー354は、第2ステアリングシャフト12に接続されているとともに、磁石30が第1ステアリングシャフト11に接続されていることに限定されない。例えば、固定用カラー354は、第1ステアリングシャフト11に接続されているとともに、磁石30が第2ステアリングシャフト12に接続されてもよい。
【0176】
上記実施形態では、トルクセンサ25は、第1磁気誘導部材71および第2磁気誘導部材72を備えている。これに対して、トルクセンサ25は、第1磁気誘導部材71および第2磁気誘導部材72を備えていることに限定されないで、第1磁気誘導部材71および第2磁気誘導部材72を備えていなくてもよい。
【0177】
上記実施形態では、第1磁気誘導部材71は、第1ヨーク環状部370と軸方向Daに対向する。これに対して、第1磁気誘導部材71は、第1ヨーク環状部370と軸方向Daに対向することに限定されないで、第1ヨーク環状部370と径方向に対向してもよい。この場合において、トルクセンサ25では、径方向における回転体35の移動が規制されることから、第1ヨーク環状部370の移動が規制される。このため、第1ヨーク環状部370および第1磁気誘導部材71の間の径方向の距離のバラつきが抑制される。このため、第1ヨーク環状部370から第1磁気誘導部材71を経由して磁気検出部600を通過する磁界の強さのバラつきが抑制される。したがって、磁気検出部600の感度のバラつきが抑制される。同様に、第2磁気誘導部材72は、第2ヨーク環状部380と軸方向Daに対向する。これに対して、第2磁気誘導部材72は、第2ヨーク環状部380と軸方向Daに対向することに限定されないで、第2ヨーク環状部380と径方向に対向してもよい。
【0178】
上記実施形態では、トルクセンサ25は、1つまたは2つの磁気検出部600を備える。これに対して、磁気検出部600の数は、1または2であることに限定されないで、3以上であってもよい。
【0179】
上記実施形態では、モータ制御装置18は、角度用第1磁気検出部611および角度用第2磁気検出部622からの信号に基づいて操舵角度を演算する。これに対して、モータ制御装置18は、角度用第1磁気検出部611および角度用第2磁気検出部622からの信号に基づいて操舵角度を演算することに限定されない。モータ制御装置18は、角度用第1磁気検出部611からの信号のみを用いて、操舵角度を演算してもよい。また、モータ制御装置18は、角度用第2磁気検出部622からの信号のみを用いて、操舵角度を演算してもよい。さらに、基板60に実装された演算部が、モータ制御装置18に代えて、操舵角度を演算してもよい。
【0180】
上記実施形態は、適宜組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0181】
30 磁石
35 回転体
361 第1ヨーク
362 第2ヨーク
600 磁気検出部
75 センサケース
755 規制部
85 第1カバー
86 第2カバー
90 保持部材