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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】打込機
(51)【国際特許分類】
   B25C 1/00 20060101AFI20240116BHJP
   B25C 1/04 20060101ALI20240116BHJP
   B25C 1/06 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B25C1/00 A
B25C1/04
B25C1/06
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021561247
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(86)【国際出願番号】 JP2020040885
(87)【国際公開番号】W WO2021106496
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】P 2019215327
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019225006
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相澤 宗太郎
(72)【発明者】
【氏名】大塚 和弘
(72)【発明者】
【氏名】駒崎 義一
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/198672(WO,A1)
【文献】特開2006-130592(JP,A)
【文献】実開昭61-151877(JP,U)
【文献】特開平11-179678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 1/00 - 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出路を形成するノーズ部を備えるハウジングと、
前記射出路に供給された止具を打撃するブレードと、
前記ハウジングに装着された電池を電源とする電動モータと、
前記電動モータの駆動を制御する制御部と、
ロール状に巻かれた連結止具を収容するマガジンと、
前記マガジンに収容されている連結止具を前記射出路に順次供給する供給機構と、を有し、
前記供給機構は、前記射出路に近づく第1方向と前記射出路から離れる第2方向とに往復動可能なフィーダと、
前記フィーダを前記第1方向に付勢する付勢機構と、
前記フィーダの位置を前記付勢機構の付勢に抗して保持するストッパと、
前記電池を電源とし、前記制御部の制御に基づいて駆動されて前記ストッパを制御するアクチュエータと、
を有し、
前記フィーダは、前記電動モータの駆動により前記第2方向に動作し、前記第2方向に動作した前記フィーダの位置が前記ストッパにより保持され、
前記アクチュエータの動作により前記ストッパによる前記フィーダの位置の保持が解除されると、前記フィーダは、前記付勢機構により前記第1方向に動作し、
前記制御部は、前記電動モータの駆動と前記アクチュエータの駆動とを、それぞれ独立して制御可能である、打込機。
【請求項2】
前記電動モータによって回転駆動される回転体と、前記ブレードを前記回転体に圧接させる押付ローラと、前記ブレードを付勢するバネと、を含み、
前記押付ローラによって前記ブレードが前記回転体に圧接されると、前記バネの付勢に抗して前記ブレードが打込み方向に駆動され、
前記押付ローラによる前記ブレードの前記回転体に対する圧接が解除されると、前記バネの付勢によって前記ブレードが反打込み方向に駆動される、請求項1記載の打込機。
【請求項3】
前記電動モータによって回転駆動される回転体と、前記回転体に設けられた複数の第1係合部と、前記ブレードに設けられた複数の第2係合部と、前記ブレードを打込み方向に付勢するバネと、を含み、
前記回転体が回転すると、複数の前記第1係合部と複数の前記第2係合部とが順次係合し、前記ブレードが前記バネの付勢に抗して反打込み方向に駆動され、
前記第1係合部と前記第2係合部との係合が解除されると、前記バネの付勢によって前記ブレードが打込み方向に駆動される、請求項1記載の打込機。
【請求項4】
前記フィーダに当該フィーダを前記第2方向に移動させる駆動力を与える動力機構を有し、
前記動力機構は、作動位置と、待機位置とに変位可能な可動部材を含み、
前記可動部材が前記作動位置に変位すると、前記回転体の回転力が前記フィーダに伝達され、前記付勢機構の付勢に抗して前記フィーダが前記第2方向に移動し、
前記可動部材が前記待機位置に変位すると、前記可動部材と前記ストッパとの係合が解除されるとともに、前記回転体の回転力が前記フィーダに伝達されなくなり、前記付勢機構の付勢によって前記フィーダが前記第1方向に移動する、請求項2又は3記載の打込機。
【請求項5】
前記動力機構は、前記可動部材を前記作動位置と前記待機位置とに変位させる前記アクチュエータと、
前記フィーダに当接する第1ローラと、
前記可動部材の前記作動位置への変位に伴って前記回転体および前記第1ローラの双方に当接して前記回転体の回転力を前記第1ローラに伝達する第2ローラと、を含む、請求項4記載の打込機。
【請求項6】
前記アクチュエータが前記可動部材を直動させるソレノイドアクチュエータである、請求項5記載の打込機。
【請求項7】
前記アクチュエータが前記可動部材を回動させる第2の電動モータである、請求項5記載の打込機。
【請求項8】
前記回転体の回転に伴って回転して、前記アクチュエータを冷却する冷却風を発生させるファン又はフィンを有する、請求項5~7のいずれか一項記載の打込機。
【請求項9】
気体が充填された気体室を有し、
前記ブレードは、打込み方向、及び前記打込み方向とは逆の反打込み方向に作動可能であり、
前記電動モータは、前記ブレードを前記気体室の圧力に抗して前記打込み方向に作動させることにより、前記気体室の圧力を上昇させ、
前記フィーダは、前記気体室の圧力で前記第1方向に動作する、請求項1記載の打込機。
【請求項10】
前記フィーダは、前記ブレードが前記反打込み方向に作動されて前記気体室の圧力が上昇すると前記第1方向に作動する、請求項9記載の打込機。
【請求項11】
前記ストッパは、前記フィーダに係合及び解放され、
前記フィーダは、前記ストッパが係合されていると前記第1方向に作動することが阻止され、
前記フィーダは、前記ストッパが解放されていると前記第1方向に作動することができる、請求項9または10記載の打込機。
【請求項12】
前記フィーダは、前記第1方向に対して交差する方向に突出された突起部を有し、
前記ストッパは、前記第1方向に対して交差する方向に作動可能であり、
前記ストッパの作動位置は、
前記突起部に係合される第1位置と、
前記突起部から解放される第2位置と、を含む、請求項11記載の打込機。
【請求項13】
前記ストッパを前記第1位置から前記第2位置へ作動させる第2アクチュエータが更に設けられている、請求項12記載の打込機。
【請求項14】
前記フィーダに前記第2方向の付勢力を付加する第1付勢部が、更に設けられ、
前記フィーダは、前記ストッパが前記第2位置へ作動されると、前記第1付勢部の付勢力に抗して前記ノーズへ前記止具を供給する、請求項13記載の打込機。
【請求項15】
前記ストッパを前記第2位置から前記第1位置へ作動させる付勢力を、前記ストッパに付加する第2付勢部が、更に設けられ、
前記第2アクチュエータは、電力が供給されると前記ストッパを前記第2付勢部の力に抗して前記第1位置から前記第2位置へ作動させ、
前記ストッパが前記第2位置へ作動され、かつ、前記第2アクチュエータに対する電力の供給が遮断され、前記ストッパが前記フィーダに接触した状態であると、前記フィーダは、前記第1方向に作動可能であり、
前記第2アクチュエータに対する電力の供給が停止され、かつ、前記ストッパが前記第1位置へ作動されると、前記フィーダは前記第1方向に作動することが阻止される、請求項14記載の打込機。
【請求項16】
前記アクチュエータは、ソレノイドアクチュエータであり
前記ソレノイドアクチュエータにより前記ストッパの前記保持が解除される、請求項1記載の打込機。
【請求項17】
射出路を形成するノーズ部を備えるハウジングと、
前記射出路に供給された止具を打撃するブレードと、
前記ハウジングに装着された電池を電源とする電動モータと、
業者が操作可能な操作部と、
前記操作部の操作により前記電動モータの駆動を制御する制御部と、
ロール状に巻かれた連結止具を収容するマガジンと、
前記マガジンに収容されている連結止具を前記射出路に順次供給する供給機構と、を有し、
前記供給機構は、前記射出路に近づく第1方向と前記射出路から離れる第2方向とに往復動可能なフィーダと、
前記フィーダを前記第1方向に付勢する付勢機構と、
前記フィーダの位置を前記付勢機構の付勢に抗して保持するストッパと、
前記電池を電源とし、前記制御部の制御に基づいて駆動されるソレノイドアクチュエータと、を有し、
前記フィーダは、前記電動モータの駆動により前記第2方向に動作し、前記第2方向に動作した前記フィーダの位置が前記ストッパにより保持され、
前記制御部は、前記操作部が操作されてから前記ブレードが打込み方向への移動を開始する前に、前記ソレノイドアクチュエータを動作させて前記ストッパの前記保持を解除することにより、前記フィーダを前記第1方向に移動させて前記止具を前記射出路に供給
前記制御部は、前記電動モータの駆動と前記ソレノイドアクチュエータの駆動とを、それぞれ独立して制御可能である、打込機。
【請求項18】
射出路を形成するノーズ部を備えるハウジングと、
前記射出路に供給された止具を打撃するブレードと、
前記ハウジングに装着された電池を電源とする第1の駆動源と、
前記第1の駆動源の駆動を制御する制御部と、
ロール状に巻かれた連結止具を収容するマガジンと、
前記マガジンに収容されている連結止具を前記射出路に順次供給する供給機構と、を有し、
前記供給機構は、前記射出路に近づく第1方向と前記射出路から離れる第2方向とに往復動可能なフィーダと、
前記フィーダを前記第1方向に付勢する付勢機構と、
前記フィーダの位置を前記付勢機構の付勢に抗して保持するストッパと、
前記電池を電源とし、前記制御部の制御に基づいて駆動されて前記ストッパを制御する第2の駆動源と、
を有し、
前記フィーダは、前記第1の駆動源の駆動力により前記第2方向に動作し、前記第2方向に動作した前記フィーダの位置が前記ストッパにより保持され、
前記第2の駆動源の動作により前記ストッパによる前記フィーダの位置の保持が前記制御部の制御に基づいて解除されると、前記フィーダは、前記付勢機構により前記第1方向に動作し、
前記制御部は、前記第1の駆動源の駆動と前記第2の駆動源の駆動とを、それぞれ独立して制御可能である、打込機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は打込機に関するものであり、特に、射出路に釘やネジ等の止具を供給する供給機構を備える打込機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
木材や石膏ボード等に釘を打込む打込機(「釘打機」と呼ばれることもある。)が知られている。打込機は、複数本の釘が互いに連結された連結釘を収容するマガジンと、マガジンに収容されている連結釘を射出路に順次供給する供給機構と、射出路に供給された釘を打撃して木材や石膏ボード等に打込むブレード(「ドライバブレード」と呼ばれることもある。)と、を備えている。
【0003】
ここで、打込機は、耐圧ホース等を介して接続されたエアコンプレッサから供給される圧縮空気によってブレードを駆動するコード式打込機と、電動モータやバネ(空気バネを含む)等の内蔵された駆動源によってブレードを駆動するコードレス式打込機と、に大別される。
【0004】
供給機構を備える従来のコードレス式打込機の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている打込機は、電動モータ,ピンホイール,ドライバブレード及びフィーダを有する。
【0005】
ピンホイールには複数のピニオンピンが設けられており、ドライバブレードには複数の凸部が設けられている。また、ピンホイールには、ピニオンピンとは別に複数のピンが設けられている。
【0006】
電動モータによってピンホイールが回転駆動されると、複数のピニオンピンと凸部とが順次係合し、ドライバブレードが上昇する。同時に、ピンホイールの回転力が回転軸に伝達され、当該回転軸が回転する。回転軸は、ピンホイールが備える複数のピンと係合する複数のピンが設けられたフランジ及びカムを備えており、ピンホイールが備えるピンとフランジが備えるピンとの係合によってピンホイールの回転力が回転軸に伝達される。
【0007】
回転軸が回転すると、カムがフィーダに係合し、フィーダをスプリングの付勢に抗して射出路から離れる方向に移動させる。回転軸がさらに回転すると、カムとフィーダとの係合が解除され、フィーダがスプリングの付勢によって射出路に近づく方向に移動する。フィーダは、スプリングの付勢によって射出路に近づく方向に移動するときに、連結釘の先頭に位置している釘を射出路に送り込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開2018/198672号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載されている打込機では、ピンホイールが備えるピンと回転軸が備えるピンとが常に係合している。よって、ピンホイールが回転すると、必然的に回転軸(カム)も回転する。そして、カムが一回転する度に、フィーダは釘の送り出し動作を実行する。つまり、フィーダの駆動タイミングは、ピンホイールの駆動タイミングに依存する。しかし、ピンホイールは、フィーダの駆動だけでなく、ドライバブレードの駆動も担っている。よって、ピンホイールの駆動タイミングをフィーダの駆動タイミングの観点のみから最適化することはできず、ドライバブレードの駆動タイミングの観点のみから最適化することもできない。言い換えれば、ピンホイールの駆動タイミングをフィーダの駆動タイミングを優先して最適化した場合、ドライバブレードが最適なタイミングで駆動されなくなる虞がある。また、ピンホイールの駆動タイミングをドライバブレードの駆動タイミングを優先して最適化した場合、フィーダが最適なタイミングで駆動されなくなる虞がある。
【0010】
本発明の目的は、ブレード及びフィーダの駆動タイミングをそれぞれ独立して制御可能な打込機を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の打込機は、射出路を形成するノーズ部を備えるハウジングと、前記射出路に供給された釘を打撃するブレードと、前記ハウジングに装着された電池を電源とする電動モータと、前記電動モータの駆動を制御する制御部と、ロール状に巻かれた連結釘を収容するマガジンと、前記マガジンに収容されている連結釘を前記射出路に順次供給する供給機構と、を有する。前記供給機構は、前記射出路に近づく第1方向と前記射出路から離れる第2方向とに往復動可能なフィーダと、前記フィーダを前記第1方向に付勢する付勢機構と、前記第2方向に移動された前記フィーダの位置を前記付勢機構の付勢に抗して保持するストッパと、を有する。そして、前記ストッパによる前記フィーダの位置の保持が前記制御部の制御に基づいて解除される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ブレード及びフィーダの駆動タイミングをそれぞれ独立して制御可能な打込機が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る打込機の全体構成を示す概略図である。
図2図1に示されるA-A線に沿った断面図である。
図3】第1実施形態に係る打込機の制御システムを示すブロック図である。
図4】(a)は第1実施形態に係る打込機が実行する打込動作および供給動作の一工程を示す説明図であり、(b)は他の一工程を示す説明図である。
図5】(a)は第1実施形態に係る打込機が実行する打込動作および供給動作の一工程を示す説明図であり、(b)は他の一工程を示す説明図である。
図6】(a)は第1実施形態に係る打込機が実行する打込動作および供給動作の一工程を示す説明図であり、(b)は他の一工程を示す説明図である。
図7】第2実施形態に係る打込機の全体構成を示す概略図である。
図8】(a)は第2実施形態に係る打込機が実行する打込動作および供給動作の一工程を示す説明図であり、(b)は他の一工程を示す説明図である。
図9】(a)は第2実施形態に係る打込機が実行する打込動作および供給動作の一工程を示す説明図であり、(b)は他の一工程を示す説明図である。
図10】(a)は第2実施形態に係る打込機が実行する打込動作および供給動作の一工程を示す説明図であり、(b)は他の一工程を示す説明図である。
図11】(a)は第2実施形態に係る打込機が実行する打込動作および供給動作の一工程を示す説明図であり、(b)は他の一工程を示す説明図である。
図12】(a)は第2実施形態に係る打込機が実行する打込動作および供給動作の一工程を示す説明図であり、(b)は他の一工程を示す説明図である。
図13】本発明の打込機の実施形態の他の一例を示す概略図であって、可動部材が待機位置にある状態の概略図である。
図14】本発明の打込機の実施形態の他の一例を示す概略図であって、可動部材が作動位置にある状態の概略図である。
図15】本発明の打込機の実施形態のさらに他の一例を示す概略図である。
図16】第3実施形態に係る打込機の全体を示す側面断面図である。
図17】第3実施形態に係る打込機の打撃部が待機位置にある状態の側面断面図である。
図18】第3実施形態に係る打込機が有するモータケースの内部構造を示す側面断面図である。
図19】第3実施形態に係る打込機のマガジンにおける釘の収容状態を示す模式図である。
図20】第3実施形態に係る打込機の制御系統を示すブロック図である。
図21】第3実施形態に係る打込機の打撃部が上死点にある状態の側面断面図である。
図22】第3実施形態に係る打込機の打撃部が下死点にある状態の側面断面図である。
図23図17のVIII-VIII線に沿った平面断面内で、フィードピストンが初期位置で停止されている状態を示す図である。
図24図21のIX-IX線に沿った平面断面内で、フィードピストンが初期位置から作動位置へ作動した状態を示す図である。
図25図24のフィードピストンが作動して、フィーダの送り爪が釘に乗り上げた状態を示す図である。
図26図25のフィードピストンが作動して、フィーダの送り爪が釘を乗り越えた状態を示す図である。
図27】打込機の作動状態を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態) 以下、本発明が適用された打込機の一例について図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示される打込機1Aは、ハウジング10と、ハウジング10に収容された各種の機構と、マガジン20と、を有する。ハウジング10は、概ね筒状のケース11と、ケース11の側面から図1の紙面左側に向かって延びるハンドル12と、を含んでいる。以下の説明では、図1の紙面左右方向を「前後方向」、図1の紙面上下方向を「上下方向」、前後方向および上下方向と直交する方向を「左右方向」と定義する。かかる定義に基づいてハンドル12についてより詳細に説明すると、ハンドル12は、ケース11の側面から後方に向かって斜め上向きに延びるグリップ部12aと、グリップ部12aの後端から下向きに延びる連結部12bと、を有する。
【0015】
図1図2に示されるように、マガジン20は全体として略円筒形の形状を有する。マガジン20の後部はハンドル12(連結部12b)に連接し、マガジン20の前部はノーズ部113に連接している。マガジン20にはロール状に巻かれた連結止具(連結釘21)が収容される。連結釘21は、複数本の止具(釘21a)が針金やプラスチックシート等の連結部材によって互いに連結され、一体化された止具(釘21a)の集合体である。
【0016】
図1に示されるように、連結釘21に含まれるそれぞれの釘21aは、供給機構50によってノーズ部113が形成する射出路14に順次供給される。供給機構50は、射出路14内の釘21a(供給方向において先頭に位置している釘21a)が射出口14aから打ち出されると、次の釘21a(2番目の釘21a)を第1方向(前方)に送り出して射出路14に供給する。その後、2番目の釘21aが射出口14aから打ち出されると、さらに次の釘21a(3番目の釘21a)を前方に送り出して射出路14に供給する。このように、供給機構50は釘21aを射出路14に順次供給する。供給機構50の詳細については後述する。
【0017】
図1に示されるように、ハンドル12の後部には電源装着部15が設けられている。電源装着部15は、ハンドル12のグリップ部12a及び連結部12bに跨って形成されており、電源装着部15には、電池としてのバッテリ16(例えば、リチウムイオン電池)が装着される。
【0018】
ケース11には、供給機構50によって射出路14に供給された釘21aを打撃するブレード30aと、ブレード30aを駆動するブレード駆動機構30と、が収容されている。ブレード駆動機構30は、バッテリ16を電源とする電動モータ17によって回転駆動される回転体18の回転力を利用してブレード30aを上下に往復動させる。つまり、電動モータ17は、ブレード30aを動作させる駆動力を出力する駆動源である。もっとも、電動モータ17から出力される駆動力は、ブレード30aを動作させるためだでなく、供給機構50を動作させるためにも利用される。要するに、電動モータ17は、ブレード駆動機構30及び供給機構50の共通の駆動源である。
【0019】
ブレード駆動機構30は、第1のアクチュエータ31,押付ローラ32及びバネ33を含んでいる。第1のアクチュエータ31は、ハンドル12の内部に設けられている制御部19の制御に基づいて作動するソレノイドアクチュエータである。押付ローラ32は、ブレード30aを挟んで回転体18と対向している。バネ33はコイルスプリングであって、ブレード30aの周囲に配置されている。以下の説明では、第1のアクチュエータ31を「第1ソレノイド31」、制御部19を「コントローラ19」、回転体18を「フライホイール18」、バネ33を「第1スプリング33」と呼ぶ。
【0020】
押付ローラ32は、可動プレート34によって回転自在に支持されている。押付ローラ32を回転自在に支持している可動プレート34は、ケース11の内面から突出している支持プレート35に連結されるとともに、第1ソレノイド31の可動鉄心(ロッド)の先端に設けられている連結プレート36にも連結されている。可動プレート34には、押付ローラ32の回転軸に加えて第1連結ピン34a及び第2連結ピン34bが設けられている。第1連結ピン34a,第2連結ピン34b及び回転軸は互いに平行であって、かつ、前後に並んでいる。第1連結ピン34a,第2連結ピン34b及び回転軸は、前方から後方に向かってこの順で並んでいる。
【0021】
可動プレート34に設けられている第1連結ピン34aは、支持プレート35に形成されている長孔(第1長孔35a)に挿通され、可動プレート34に設けられている第2連結ピン34bは、連結プレート36に形成されている長孔(第2長孔36a)に挿通されている。言い換えれば、第1連結ピン34aは支持プレート35を貫通している一方、第2連結ピン34bは連結プレート36を貫通している。
【0022】
ここで、支持プレート35に形成されている第1長孔35aは前後方向に延びており、連結プレート36に形成されている第2長孔36aは第1長孔35aに対して交差する方向に斜め延びている。第1連結ピン34aが前後方向に延びる第1長孔35aに挿通され、第2連結ピン34bが第2長孔36aに挿通されている結果、可動プレート34は、前後には移動可能である一方、上下には移動不能である。
【0023】
コントローラ19の指令に基づいて第1ソレノイド31に電流が供給されると、ロッドが電磁力によって引き上げられ、連結プレート36が上昇する。すると、可動プレート34に設けられている第2連結ピン34bが連結プレート36に形成されている第2長孔36aの内周面によって後方に押される。この結果、可動プレート34が後方に移動する。このようにして可動プレート34が後退すると、押付ローラ32が後方に移動し、ブレード30aに近接する。
【0024】
第1ソレノイド31のロッドの引き上げ量が所定量に達すると、つまり連結プレート36が所定位置まで上昇すると、押付ローラ32はブレード30aに接触し、回転駆動されているフライホイール18にブレード30aを圧接させる。フライホイール18は、図1の紙面内において時計回りに回転駆動される。よって、ブレード30aが押付ローラ32によってフライホイール18に圧接されると、ブレード30aが第1スプリング33の付勢に抗して下方(打込み方向)に駆動され、射出路14内の釘21aを打撃する。言い換えれば、ブレード30aは、第1スプリング33を圧縮しながら降下して釘21aを打撃する。
【0025】
一方、コントローラ19の指令に基づいて第1ソレノイド31に対する電流の供給が停止されると、ロッドが当該ロッドの周囲に設けられているスプリングの復元力によって押し下げられ、連結プレート36が降下する。すると、可動プレート34に設けられている第2連結ピン34bが連結プレート36に形成されている第2長孔36aの内周面によって前方に押される。この結果、可動プレート34が前方に移動する。このようにして可動プレート34が前進すると、押付ローラ32が前方に移動し、ブレード30aから離間する。つまり、押付ローラ32によるブレード30aのフライホイール18に対する圧接が解除される。すると、ブレード30aが第1スプリング33の付勢によって上方(反打込み方向)に駆動され、射出路14から退避する。言い換えれば、ブレード30aは、第1スプリング33の弾性復元力によって上昇する。
【0026】
図1に示されているコントローラ19は、所定条件が満たされるとブレード30aを上記のように昇降させる。図3を参照する。コントローラ19は、トリガTGの操作に伴ってON/OFFされるトリガスイッチや、プッシュレバPLの操作に伴ってON/OFFされるプッシュレバスイッチと接続されている。そして、不図示のメインスイッチがONされた状態の下でプッシュレバPLが押し上げられると、プッシュレバスイッチから出力されたON信号(プッシュレバON信号)がコントローラ19に入力される。また、不図示のメインスイッチがONされた状態の下でトリガTGが操作されると、トリガスイッチから出力されたON信号(トリガON信号)がコントローラ19に入力される。コントローラ19は、プッシュレバON信号の入力に続いてトリガON信号が入力されると、第1ソレノイド31に対する電流の供給および停止を一回だけ実行する(単発打ち/トリガ打ち)。また、コントローラ19は、トリガON信号が入力されている状態でプッシュレバON信号が断続的に入力されると、プッシュレバON信号が入力される度に第1ソレノイド31に対する電流の供給および停止を実行する(連発打ち/プッシュ打ち)。尚、コントローラ19は、所定のタイミングで電動モータ17に電流を供給してフライホイール18を回転させる。例えば、コントローラ19は、メインスイッチがONされると、インバータ回路を介して電動モータ17に電流を供給し、フライホイール18を回転させる。この場合、メインスイッチがONされている間、フライホイール18は回転し続ける。もっとも、プッシュレバON信号やトリガON信号の入力状況に応じて電動モータ17に電流を供給してフライホイール18を回転させてもよい。要するに、図1に示される第1ソレノイド31が作動してブレード30aがフライホイール18に圧接されたときにフライホイール18が所定の回転速度で回転している状態が実現されるように、コントローラ19によって電動モータ17の駆動が制御されればよい。また、図3に示されるように、本実施形態に係る打込機1Aは、ブレード30aの位置を検出する位置検出センサを備えている。コントローラ19は、位置検出センサの検出結果に基づいてブレード30aの位置を把握する。
【0027】
次に、図1に示されている供給機構50の詳細について説明する。供給機構50は、射出路14に近づく第1方向(前方)と射出路14から離れる第2方向(後方)とに往復動可能なフィーダ60を有する。つまり、供給機構50に含まれるフィーダ60は前後に往復移動可能である。供給機構50は、作動位置と待機位置とに変位可能な可動部材71を含む動力機構70と、フィーダ60を前方に向かって付勢する付勢部材(付勢機構)80と、可動部材71と係合して第2方向に移動されたフィーダ60の位置を付勢部材80の付勢に抗して保持するストッパ81と、をさらに有する。
【0028】
供給機構50に含まれる動力機構70は、可動部材71に加えて、第2のアクチュエータ72,第1ローラ73及び第2ローラ74を有する。第2のアクチュエータ72は、コントローラ19の制御に基づいて作動するソレノイドアクチュエータであって、可動部材71を作動位置と待機位置とに変位させる。尚、図1に示されている可動部材71は待機位置に位置している。以下の説明では、第2のアクチュエータ72を「第2ソレノイド72」と呼ぶ。
【0029】
可動部材71は、第2ソレノイド72の可動鉄心(ロッド)の先端に設けられており、ロッドの伸縮に伴って作動位置と待機位置とに変位する。第1ローラ73は回転自在に支持されており、フィーダ60に常に当接している。第2ローラ74は回転自在に支持されており、かつ、フライホイール18,可動部材71及び第1ローラ73の三者の間に配置されている。さらに、第2ローラ74を回転自在に支持している支持軸は、前後にスライド可能である。つまり、第2ローラ74は、回転可能であり、かつ、前後に移動可能である。
【0030】
可動部材71は、第2ローラ74の支持軸に当接する斜めの押圧面71a(図4)を備えている。第2ソレノイド72のロッドが伸びて可動部材71が降下すると、押圧面71aによって第2ローラ74の支持軸が前方に押し出され、第2ローラ74が前方に移動する。一方、第2ソレノイド72のロッドが縮んで可動部材71が上昇すると、第2ローラ74の支持軸は元の位置に復帰し、第2ローラ74は後方に移動する。つまり、第2ローラ74は、可動部材71の降下に伴って前進し、可動部材71の上昇に伴って後退する。
【0031】
図3に示されるように、第2ソレノイド72はコントローラ19の制御下にある。図1に示されている第2ソレノイド72がコントローラ19の制御に基づいて可動部材71を上下動させることにより、つまり可動部材71が作動位置から待機位置へ移動し、また、可動部材71が待機位置から作動位置に移動することにより、フィーダ60に当該フィーダ60を後方に移動させる駆動力が与えられる状態と、フィーダ60に当該フィーダ60を後方に移動させる駆動力が与えられない状態と、が実現される。以下、図1に示されるコントローラ19によって統括的に制御されるブレード駆動機構30及び供給機構50の動作について具体的に説明する。
【0032】
図4(a)は、ブレード駆動機構30及び供給機構50の初期状態を示している。初期状態では、フライホイール18は回転している一方、ブレード駆動機構30の押付ローラ32はブレード30aから離間しており、ブレード30aはフライホイール18に圧接されていない。つまり、図2に示されている第1ソレノイド31のロッドは伸びており、連結プレート36は降下している。また、供給機構50(動力機構70)の第2ソレノイド72のロッドは縮んでおり、可動部材71は待機位置にある。このとき、第2ローラ74は、フライホイール18及び第1ローラ73の何れにも当接していない。さらに、ストッパ81は、スプリング81aの付勢によって上方に向かって回動されており、ストッパ81の先端はフィーダ60の上方に突出している。
【0033】
その後、所定条件が満たされると、図4(b)に示されるように、押付ローラ32が後方(紙面左側)に移動し、ブレード30aをフライホイール18に圧接させる。具体的には、図1図3に示されているコントローラ19の指令に基づいて第1ソレノイド31に電流が供給され、第1ソレノイド31が作動する。すると、図1に示されている第1ソレノイド31のロッドが縮み、連結プレート36が上昇する。この結果、図4(b)に示されるように、フライホイール18の回転力がブレード30aに伝達され、ブレード30aが打込み方向に駆動される。打込み方向に駆動されたブレード30aは、射出路14内で待機している釘21aを打撃する。
【0034】
然る後、図5(a)に示されるように、第2ソレノイド72のロッドが伸びて可動部材71が待機位置から作動位置に変位する。具体的には、図1図3に示されているコントローラ19の指令に基づいて第2ソレノイド72に電流が供給され、第2ソレノイド72が作動する。図5(a)に示されるように、第2ローラ74は、可動部材71が待機位置から作動位置に変位する過程で可動部材71の押圧面71aに押し出されて前方(紙面右側)に移動する。そして、可動部材71が作動位置に到達すると、第2ローラ74は、フライホイール18及び第1ローラ73の双方に当接する位置まで前進する。
【0035】
可動部材71が作動位置に到達し、第2ローラ74がフライホイール18及び第1ローラ73の双方に当接すると、フライホイール18の回転力が第2ローラ74を介して第1ローラ73に伝達され、フィーダ60に当接している第1ローラ73が時計回りに回転する。言い換えれば、フライホイール18の回転力が第2ローラ74及び第1ローラ73を介してフィーダ60に伝達される。
【0036】
上記のようにしてフィーダ60に伝達されるフライホイール18の回転力は、フィーダ60に当該フィーダ60を後方に移動させる駆動力として作用する。したがって、図5(b)に示されるように、フライホイール18の回転力が伝達されたフィーダ60は、付勢部材80の付勢に抗して後方に移動する。尚、本実施形態における付勢部材80はコイルスプリングである。フィーダ60の後退に伴って、フィーダ60と一体化されているストッパ81も後方に移動する。このとき、ストッパ81の先端は、ストッパ81が後方に移動する過程で可動部材71の押圧面71aに当接する。フィーダ60がさらに後方に移動すると、ストッパ81は、押圧面71aの傾斜に沿って回動する。具体的には、ストッパ81は、スプリング81aを圧縮しながら時計回りに回動する。
【0037】
図6(a)に示されるように、フィーダ60がさらに後方に移動すると、ストッパ81は、可動部材71の下を潜って当該可動部材71の背後に至る。可動部材71の背後に至ったストッパ81は、スプリング81aの付勢によって反時計回りに回動する。この結果、ストッパ81の先端がフィーダ60の上方に再び突出する。フィーダ60の上方に再び突出したストッパ81は、可動部材71の背面(押圧面71aと反対側の面)に当接し、付勢部材80の付勢によってフィーダ60が前方に移動することを規制する。つまり、可動部材71を通過したストッパ81によってフィーダ60の前方への移動が一時的に規制され、フィーダ60の位置が保持される。
【0038】
ストッパ81が可動部材71を通過するのと同時、又はストッパ81が可動部材71を通過してから所定時間が経過した後、図1図3に示されるコントローラ19の指令に基づいて第1ソレノイド31に対する電流の供給が停止される。すると、第1ソレノイド31のロッドが伸び、連結プレート36が降下する。この結果、図6(a)に示されるように、押付ローラ32がブレード30aから離間し、押付ローラ32によるブレード30aのフライホイール18に対する圧接が解除される。フライホイール18に対する圧接が解除されたブレード30aは、第1スプリング33(図1)の付勢によって反打込み方向に駆動される。
【0039】
ブレード30aが射出路14内の釘21aが供給される領域よりも上方に移動した後、図6(b)に示されるように、可動部材71が待機位置に変位する。具体的には、図1図3に示されるコントローラ19の指令に基づいて第2ソレノイド72が作動する。より具体的には、第2ソレノイド72のロッドが引き戻され、可動部材71が上昇する。この結果、図6(b)に示されるように、第2ローラ74が後方に移動し、フライホイール18及び第1ローラ73から離間する。第2ローラ74がフライホイール18及び第1ローラ73から離間すると、フィーダ60にフライホイール18の回転力が伝達されなくなる。また、可動部材71の上昇に伴って、ストッパ81によるフィーダ60の前方への移動規制も解除される。つまり、ストッパ81によるフィーダ60の位置の保持が解除される。すると、付勢部材80の付勢によってフィーダ60が前方に移動し、釘21aが射出路14に送り出される。このようにして一連の打込動作及び供給動作が終了し、ブレード駆動機構30及び供給機構50は初期状態に戻る。
【0040】
本実施形態に係る打込機1Aは、電動モータ17から出力される駆動力がブレード30aに伝達される状態と伝達されない状態とを実現する第1ソレノイド31と、電動モータ17から出力される駆動力がフィーダ60に伝達される状態と伝達されない状態とを実現する第2ソレノイド72と、を備えている。さらに、第1ソレノイド31及び第2ソレノイド72は、それぞれ独立して動作可能である。よって、第1ソレノイド31及び第2ソレノイド72のそれぞれを最適なタイミングで作動させることができる。つまり、ブレード30a及びフィーダ60のそれぞれを最適化なタイミングで駆動することができる。
【0041】
加えて、本実施形態に係る打込機1Aでは、ブレード30a及びフィーダ60が共通の駆動源(電動モータ17)によって駆動される。よって、部品点数の増加やハウジングの大型化が回避される。
【0042】
(第2実施形態) 以下、本発明が適用された打込機の他の一例について図面を参照しながら詳細に説明する。図7は、本実施形態に係る打込機1Bの全体構成を示す概略図である。本実施形態に係る打込機1Bは、第1実施形態に係る打込機1A(図1)と同一の基本構造を有し、打込機1Aと同様に動作する。そこで、既に説明した構成や動作と同一又は実質的に同一の構成や動作についての説明は省略する。また、既に説明した構成と同一又は実質的に同一の構成については同一の符号を用いる。
【0043】
図7に示されるように、本実施形態に係る打込機1Bは、ブレード駆動機構30を有する。打込機1Bが有するブレード駆動機構30は、打込機1Aが有するブレード駆動機構30(図1)と同一の構造を有し、打込機1Aが有するブレード駆動機構30と同様に動作する。
【0044】
図7に示されるように、本実施形態に係る打込機1Bは、動力機構70を含む供給機構50を有する。打込機1Bが有する供給機構50及び動力機構70は、打込機1Aが有する供給機構50(図1)及び動力機構70(図1)と実質的に同一の構造を有し、打込機1Aが有する供給機構50及び動力機構70と実質的に同一の動作をする。つまり、打込機1Bが有する供給機構50に含まれる動力機構70は、コントローラ19の制御下にある第2ソレノイド72によって作動位置と待機位置とに変位される可動部材71を備えている。そして、可動部材71が待機位置から作動位置に変位すると、第2ローラ74がフライホイール18及び第1ローラ73の双方に当接し、フライホイール18の回転力がフィーダ60に伝達される。一方、可動部材71が作動位置から待機位置に変位すると、第2ローラ74がフライホイール18及び第1ローラ73から離間し、フライホイール18の回転力がフィーダ60に伝達されなくなる。
【0045】
但し、本実施形態に係る打込機1Bと第1実施形態に係る打込機1Aとは、動力機構70を構成する可動部材71に関して若干相違している。以下、本実施形態に係る打込機1Bにおける可動部材71について説明した上で、本実施形態に係る打込機1Bが有する供給機構50の動作について具体的に説明する。
【0046】
図7に示されるように、本実施形態に係る打込機1Bにおける可動部材71は、上下に細長い板状である。可動部材71の上端は第2ソレノイド72のロッドに連結されており、可動部材71の下端には鉤状の係合部75が設けられている。また、可動部材71には、連結プレート36に形成されている第2長孔36aと逆傾斜の長孔(第3長孔71b)が形成されている。そして、第2ローラ74を回転自在に支持している支持軸が可動部材71に形成されている第3長孔71bに挿通されている。
【0047】
図8(a)は、ブレード駆動機構30及び供給機構50の初期状態を示している。初期状態では、フライホイール18は回転している一方、ブレード駆動機構30の押付ローラ32はブレード30aから離間しており、ブレード30aはフライホイール18に圧接されていない。このとき、ストッパ81は、スプリング81aの付勢によって下方に向かって回動されており、ストッパ81の先端はフィーダ60の下方に突出している。尚、第1実施形態では、初期状態におけるストッパ81はスプリング81aの付勢によって上方に向かって回動されており、ストッパ81の先端はフィーダ60の上方に突出していた。
【0048】
その後、所定条件が満たされると、図8(b)に示されるように、ブレード30aが押付ローラ32によってフライホイール18に圧接される。すると、図9(a)に示されように、フライホイール18の回転力によってブレード30aが打込み方向に駆動される。
【0049】
然る後、図9(b)に示されるように、可動部材71が待機位置から作動位置に変位する。具体的には、供給機構50(動力機構70)の第2ソレノイド72のロッドが縮んで可動部材71が引き上げられる。第2ローラ74の支持軸は、可動部材71が待機位置から作動位置に変位する過程で第3長孔71bの内周面によって前方(紙面右側)に押される。この結果、第2ローラ74が前方に押し出される。そして、可動部材71が作動位置に到達すると、第2ローラ74は、フライホイール18及び第1ローラ73の双方に当接する位置まで前進する。尚、第1実施形態における可動部材71は、下方への移動によって待機位置から作動位置に変位したが、本実施形態における可動部材71は、上方への移動によって待機位置から作動位置に変位する。
【0050】
可動部材71が作動位置に到達し、第2ローラ74がフライホイール18及び第1ローラ73の双方に当接すると、フライホイール18の回転力が第2ローラ74及び第1ローラ73を介してフィーダ60に伝達される。尚、フィーダ60に伝達されるフライホイール18の回転力がフィーダ60を後方に移動させる駆動力として作用することは第1実施形態と同様である。
【0051】
図10(a)に示されるように、フライホイール18の回転力が伝達されたフィーダ60は、付勢部材80の付勢に抗して後方に移動する。同時に、フィーダ60と一体化されているストッパ81も後方に移動する。このとき、ストッパ81の先端は、ストッパ81が後方に移動する過程で係合部75の傾斜した前面75aに当接する。フィーダ60がさらに後方に移動すると、ストッパ81は、前面75aの傾斜に沿って回動する。具体的には、ストッパ81は、スプリング81aを圧縮しながら反時計回りに回動する。
【0052】
図10(b)に示されるように、フィーダ60がさらに後方に移動すると、ストッパ81は、可動部材71(係合部75)を乗り越えて可動部材71の背後に至る。可動部材71の背後に至ったストッパ81は、スプリング81aの付勢によって時計回りに回動する。この結果、ストッパ81の先端がフィーダ60の下方に再び突出する。フィーダ60の下方に再び突出したストッパ81は、可動部材71の係合部75の背面(前面75aと反対側の面)に当接し、付勢部材80の付勢によってフィーダ60が前方に移動することを規制する。つまり、可動部材71を通過したストッパ81によってフィーダ60の前方への移動が一時的に規制され、フィーダ60の位置が保持される。
【0053】
図11(a)に示されるように、ストッパ81が可動部材71を通過するのと同時、又はストッパ81が可動部材71を通過してから所定時間が経過した後、押付ローラ32がブレード30aから離間する。この結果、押付ローラ32によるブレード30aのフライホイール18に対する圧接が解除される。すると、図11(b)に示されるように、ブレード30aが不図示の第1スプリングの付勢によって反打込み方向に駆動される。
【0054】
その後、図12(a)に示されるように、可動部材71が作動位置から待機位置に変位する。具体的には、供給機構50(動力機構70)の第2ソレノイド72のロッドが伸びて可動部材71が押し下げられる。第2ローラ74の支持軸は、可動部材71が作動位置から待機位置に変位する過程で第3長孔71bの内周面によって後方(紙面左側)に押される。この結果、第2ローラ74が後方に引き戻される。同時に、可動部材71が下がることによって、可動部材71(係合部75)とストッパ81との係合が解除される。尚、第1実施形態における可動部材71は、上方への移動によって作動位置から待機位置に変位したが、本実施形態における可動部材71は、下方への移動によって作動位置から待機位置に変位する。
【0055】
第2ローラ74がフライホイール18及び第1ローラ73から離間すると、フィーダ60にフライホイール18の回転力が伝達されなくなる。また、可動部材71(係合部75)とストッパ81との係合が解除されると、ストッパ81によるフィーダ60の前方への移動規制も解除される。つまり、ストッパ81によるフィーダ60の位置の保持が解除される。すると、付勢部材80の付勢によってフィーダ60が前方に移動し、釘21aが射出路14に送り出される。このようにして一連の打込動作及び供給動作が終了し、ブレード駆動機構30及び供給機構50は初期状態に戻る。
【0056】
本実施形態に係る打込機1Bにおいても、ブレード30a及びフィーダ60のそれぞれを最適化なタイミングで駆動することができる。また、ブレード30a及びフィーダ60が共通の駆動源(電動モータ17)によって駆動されるので、部品点数の増加やハウジングの大型化が回避される。
【0057】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、第1実施形態および第2実施形態では、動力機構70に含まれる可動部材71を作動位置と待機位置とに変位させるアクチュエータとしてソレノイドアクチュエータ(第2ソレノイド72)が用いられていた。また、第1実施形態および第2実施形態における第2ソレノイド72は、可動部材71を直動(上下動)させるものであった。しかし、動力機構を構成する可動部材を作動位置と待機位置とに変位させるアクチュエータはソレノイドアクチュエータに限られない。本発明の打込機には、可動部材を作動位置と待機位置とに変位させるアクチュエータとして電動モータを用いた打込機も含まれる。例えば、図13図14に示されている打込機1Cは、電動モータ17とは別の第2の電動モータ90を備え、当該第2の電動モータ90によって可動部材71を変位させる。図13図14に示されている打込機1Cが備える第2の電動モータ90は、コントローラ19によって制御されるサーボモータである。サーボモータ90は、コントローラ19の制御に従って可動部材71を待機位置(図13)から作動位置(図14)に変位(回動)させ、また、可動部材71を作動位置(図14)から待機位置(図13)に変位(回動)させる。尚、可動部材71の変位(回動)に伴う第2ローラ74の動きは第1実施形態や第2実施形態と同一である。
【0058】
上記各実施形態に係る打込機1A,1B,1Cでは、ブレード30a及びフィーダ60が共通の駆動源(電動モータ17)によって駆動された。しかし、本発明の打込機には、ブレード用の駆動源とフィーダ用の駆動源とを別々に備える打込機も含まれる。例えば、図15に示される打込機1Dは、上記各実施形態における第1ローラ73及び第2ローラ74を備えていない。図15に示されている打込機1Dは、第2実施形態に係る打込機1Bが第2ローラ74(図7)を往復動させる原理と同様の原理によってフィーダ60を直接往復動させる。具体的には、図15に示されている打込機1Dでは、可動部材71に形成された第3長孔71bに、フィーダ60に設けられたピン60aが挿通されている。よって、第2ソレノイド72によって可動部材71が引き上げられると(待機位置から作動位置に変位されると、)、フィーダ60に設けられているピン60aが後方に押され、フィーダ60が付勢部材80の付勢に抗して後退する。言い換えれば、可動部材71の待機位置から作動位置への変位に伴って第2ソレノイド72の駆動力が直接的にフィーダ60に伝達される。一方、第2ソレノイド72によって可動部材71が押し下げられると(作動位置から待機位置に変位されると、)、第2ソレノイド72の駆動力がフィーダ60に伝達されなくなるとともに、可動部材71とストッパ81との係合が解除される。この結果、フィーダ60が付勢部材80の付勢によって前進する。
【0059】
このように、図15に示されている打込機1Dでは、電動モータ17から出力される駆動力はブレード30aの駆動にのみ利用され、供給機構50の駆動には利用されない。図15に示されている打込機1Dでは、電動モータ17とは別の駆動源である第2ソレノイド72から出力される駆動力によってフィーダ60が駆動される。よって、打込機1Dにおいても、ブレード30a及びフィーダ60のそれぞれを最適化なタイミングで駆動することができる。
【0060】
上記各実施形態に係る打込機1A~1Dは、回転体の回転力を利用してブレードを駆動するフライホイール式打込機であった。しかし、本発明の打込機には、フライホイール式打込機以外の打込機も含まれる。例えば、本発明の打込機には、電動モータによって回転駆動される回転体と、回転体に設けられた複数の第1係合部と、ブレードに設けられた複数の第2係合部と、ブレードを打込み方向に付勢するバネ(空気バネを含む)と、を有する巻上げ式打込機も含まれる。複数の第1係合部は、例えば、回転体に当該回転体の回転方向に沿って設けられた複数のピンなどによって実現される。また、複数の第2係合部は、例えば、ブレードに当該ブレードの長手方向に沿って設けられた複数の溝などによって実現される。そして、電動モータによって回転体が回転駆動されると、回転体に設けられている複数の第1係合部とブレードに設けられている複数の第2係合部とが順次係合し、ブレードがバネの付勢に抗して反打込み方向に駆動される。その後、第1係合部と第2係合部との係合が解除されると、バネの付勢によってブレードが打込み方向に駆動される。つまり、巻上げ式打込機が有する回転体は、上記各実施形態におけるフライホイール18に相当する。よって、巻上げ式打込機が有する回転体の回転力を上記各実施形態における動力機構70と同一又は実質的に同一の機構を介してフィーダに伝達してフィーダを往復動させることもできる。
【0061】
回転体の回転に伴って回転し、アクチュエータ(例えば、第1ソレノイド31,第2ソレノイド72,サーボモータ90等)を冷却する冷却風を発生させるファンやフィンを設けてもよい。例えば、回転体や回転体の回転軸に、複数枚のフィンを有するファンを装着してもよい。また、回転体の表面に複数枚のフィンを形成してもよい。
【0062】
上記各実施形態における打込機では、フィーダを第2方向に移動させる駆動力が何らかの部材(例えば、アクチュエータによって駆動される可動部材)を介してフィーダに与えられた。しかし、本発明の打込機には、フィーダを第2方向に移動させる駆動力がフィーダに直に与えられる打込機も含まれる。例えば、本発明の打込機には、フィーダが動力機構としてのソレノイドアクチュエータによって直接第2方向に移動される打込機も含まれる。
【0063】
(第3実施形態) 以下、本発明が適用された打込機の他の一例について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係る打込機110は、第1実施形態に係る打込機1A(図1)と同一の基本構成を有し、打込機1Aと同様に動作する。そこで、既に説明した構成や動作と同一又は実質的に同一の構成や動作についての説明は省略し、換言すると、特に記載のない事項については第1実施形態に係る打込機1Aと同一である。図16に示す打込機110は釘打機であり、打込機110は、ハウジング111、打撃部112、ノーズ部113、電源部114、電動モータ115、減速機構116、変換部117、蓄圧容器118及び供給機構119を有する。ハウジング111は、シリンダケース120と、シリンダケース120に接続されたハンドル121と、シリンダケース120に接続されたモータケース122と、ハンドル121及びモータケース122に接続された装着部123と、を有する。
【0064】
蓄圧容器118は、ハウジング111に固定されている。蓄圧容器118は、ヘッドカバー124と、ヘッドカバー124が取り付けられるホルダ125と、を有する。ヘッドカバー124及びホルダ125は、共に金属製、例えば、アルムミニウム製または鉄製である。
【0065】
シリンダ126がシリンダケース120内に収容されている。シリンダ126は金属製、例えば、アルミニウム製または鉄製である。ホルダ125は環状であり、ホルダ125は、シリンダ126の外周面に取り付けられている。蓄圧室127が、蓄圧容器118内及びシリンダ126内に亘って形成される。蓄圧室127に圧縮流体が充填されている。圧縮流体は、空気または不活性ガスを用いることができる。不活性ガスは、一例として、窒素ガス、希ガスを含む。本開示では、蓄圧室127に空気が大気圧よりも高圧で充填されている例を説明する。
【0066】
打撃部112は、ハウジング111の内部から外部に亘って配置されている。打撃部112は、ピストン128及びドライバブレード129を有する。ピストン128は、シリンダ126内で仮想線A1に沿った方向に往復作動可能である。仮想線A1は、シリンダ126の中心に位置する直線である。図17のように、ピストン128の外周面にシール部材130が取り付けられている。シール部材130の外周面は、シリンダ126の内周面に接触してシール面を形成する。
【0067】
ドライバブレード129は、金属製である。ピストン128とドライバブレード129とが別部材で設けられ、ピストン128とドライバブレード129とが接続されている。打撃部112は、仮想線A1に沿った方向に作動可能である。打撃部112は、蓄圧室127の圧力で第1方向D1に付勢される。第1方向D1は、仮想線A1に沿った方向である。
【0068】
ノーズ部113は、シリンダケース120の内外に亘って配置されている。ノーズ部113は、図18のように、バンパ支持部131、ホイールケース132及び射出部133を有する。バンパ支持部131は筒形状であり、バンパ支持部131は、図17のように荷重受け部134を有する。バンパ135が、バンパ支持部131内に設けられている。バンパ135は合成ゴム製、シリコンゴム製の何れでもよい。バンパ135は環状であり、バンパ135はガイド孔136を有する。ガイド孔136は仮想線A1を中心として設けられている。
【0069】
ホイールケース132は筒形状であり、ホイールケース132はバンパ支持部131につながっている。射出部133は、荷重受け部134につながっており、射出部133は、射出路137を有する。射出路137は、ガイド孔136につながっている。射出路137は、仮想線A1に沿った方向に設けられた空間または通路である。さらに、射出部133は、打撃領域138を有する。打撃領域138は、射出路137につながる空間または通路である。
【0070】
ドライバブレード129は、射出路137及び打撃領域138で仮想線A1に沿った方向に作動可能である。射出部133は、ドライバブレード129が、仮想線A1に対して交差する方向に移動することを抑制するガイドである。
【0071】
電動モータ115は、図18のようにモータケース122内に配置されている。電動モータ115は、ロータ139及びステータ140を有する。ステータ140は、モータケース122に取り付けられている。ロータ139はロータ軸141に取り付けられている。電動モータ115は、例えばブラシレスモータであり、ロータ139は正回転及び逆回転可能である。
【0072】
減速機構116は、モータケース122内に設けられている。減速機構116は、入力要素142、出力要素143、複数組のプラネタリギヤ機構144を備えている。入力要素142は、ロータ軸141に連結されている。電動モータ115の回転力は、減速機構116の入力要素142を経由して出力要素143に伝達される。
【0073】
変換部117は、ホイールケース132内に設けられている。変換部117は、出力要素143の回転力を打撃部112の作動力に変換する。変換部117は、回転軸145及びピンホイール146を有する。回転軸145は、出力要素143に接続されている。回転軸145は、軸受180によって回転可能に支持されている。電動モータ115のロータ軸141、減速機構116の入力要素142及び出力要素143、回転軸145は、仮想線A2を中心として同心状に配置されている。仮想線A2は、ロータ軸141の中心を通る直線である。打込機110の側面視で、仮想線A1と仮想線A2とが交差している。ピンホイール146は、回転軸145に固定されており、複数のピン147が、ピンホイール146の回転方向に間隔をおいて、ピンホイール146に設けられている。
【0074】
ドライバブレード129は、複数の突起148を有する。複数の突起148は、打撃部112の作動方向に間隔をおいて設けられている。各ピン147は、各突起148に対してそれぞれ単独で係合及び解放が可能である。ピン147及び突起148は、ラック・アンド・ピニオン機構を構成している。
【0075】
打撃部112は、蓄圧室127の圧力で常に第1方向D1で付勢されている。電動モータ115の回転力がピンホイール146に伝達され、かつ、ピン147が突起148に係合されていると、打撃部112は、蓄圧室127の圧力に抗して第2方向D2で作動される。第2方向D2は、仮想線A1に沿った方向である。第1方向D1と第2方向D2とは、逆向きである。全てのピン147が突起148から解放されていると、ピンホイール146の回転力は打撃部112に伝達されない。打撃部112が蓄圧室127の圧力により第1方向D1で作動されることを下降と定義する。打撃部112が図16で第2方向D2で作動されることを上昇と定義する。
【0076】
回転規制機構149が、ホイールケース132内に設けられている。回転規制機構149は、“電動モータ115の回転力で回転軸145が回転すること”を可能にする。回転規制機構149は、“打撃部112の第1方向D1の力がピンホイール146に伝達されて回転軸145が回転されること”を阻止する。
【0077】
図16に示すように、トリガ150及びトリガスイッチ151が、ハンドル121に設けられている。トリガスイッチ151は、トリガ150に加わる操作力の有無を検出し、かつ、検出結果に応じた信号を出力する。
【0078】
電源部114は、収容ケースと、収容ケース内に収容した複数の電池セルとを有する。電池セルは、充電及び放電が可能な二次電池であり、電池セルは、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケルカドミウム電池等、公知の電池セルを任意に用いることができる。
【0079】
また、図16のように、マガジン152が設けられ、マガジン152は、射出部133及び装着部123により支持されている。マガジン152は、一例として合成樹脂製であり、かつ、筒形状のケーシングを有する。マガジン152は、図19のように針金153によって互いに接続された複数の釘154を、ロール状に巻かれた状態でケーシング内に収容できる。釘154は、例えば、金属製であり、かつ、軸形状である。さらに、供給機構119は、射出部133と、マガジン152のケーシングとの間に設けられている。供給機構119は、マガジン152内の釘154を射出部133へ送るものである。プッシュレバ155が射出部133に取り付けられている。プッシュレバ155は、射出部133に対して仮想線A1に沿った方向の所定範囲内で作動可能である。
【0080】
図20に示す制御回路156が、装着部123及びモータケース122内に亘って設けられている。制御回路156は、入出力インタフェース、制御回路、演算処理部及び記憶部を有するマイクロコンピュータである。また、インバータ回路157がモータケース122内に設けられている。インバータ回路157は、電動モータ115のステータ140と、電源部114とを接続及び遮断する。インバータ回路157は、複数のスイッチング素子を備え、複数のスイッチング素子は単独でオン・オフが可能である。
【0081】
また、プッシュレバスイッチ158、ホイール位置検出センサ159及びロータ位置検出センサ160が、ハウジング111に設けられている。プッシュレバスイッチ158は、プッシュレバ155が相手材W1に押し付けられているか否かを検出して信号を出力する。相手材W1は、床、壁、天井等のうちの何れでもよい。ホイール位置検出センサ159は、ピンホイール146の回転方向における位置を検出して信号を出力する。ロータ位置検出センサ160は、ロータ139の回転方向における位置を検出して信号を出力する。
【0082】
プッシュレバスイッチ158の信号、トリガスイッチ151の信号、ホイール位置検出センサ159の信号、ロータ位置検出センサ160の信号は、制御回路156に入力される。制御回路156は、ホイール位置検出センサ159の信号を処理して、仮想線A1に沿った方向における打撃部112の位置を推定する。制御回路156は、インバータ回路157を制御することにより、電動モータ115の回転及び停止、電動モータ115の回転速度、電動モータ115の回転方向を制御する。
【0083】
次に、打込機110の使用例を説明する。制御回路156は、トリガ150に操作力が加えられていないこと、またはプッシュレバ155が相手材W1に押し付けられていないこと、のうち、少なくとも一方を検出すると、インバータ回路157を制御して、電動モータ115に対する電力の供給を停止させる。電動モータ115が停止されていると、打撃部112は待機位置で停止されている。ここでは、図17のように、ピストン128がバンパ135から離間されている打撃部112の中間位置を、打撃部112の待機位置の一例として説明する。
【0084】
蓄圧室127の圧力は、常に打撃部112に付加されている。しかし、打撃部112は、次の作用で待機位置に停止されている。何れかのピン147と突起148とが係合され、打撃部112が蓄圧室127から受ける付勢力は、ピンホイール146に伝達される。回転規制機構149は、回転軸145の回転を阻止し、打撃部112は待機位置で停止されている。
【0085】
制御回路156は、トリガ150に操作力が加えられていること、及びプッシュレバ155が相手材W1に押し付けられていること、を検出すると、インバータ回路157を制御して電源部114の電力を電動モータ115に供給させる。電動モータ115が回転されると、電動モータ115の回転力は、減速機構116を経由して回転軸145に伝達される。すると、ピンホイール146が回転し、打撃部112は、蓄圧室127の圧力に抗して上昇する。このため、蓄圧室127の圧力が上昇する。
【0086】
打撃部112が、図21のように上死点に到達すると、全てのピン147が突起148から解放される。すると、打撃部112は、蓄圧室127の圧力で下降する。打撃部112が下降すると、蓄圧室127の圧力は低下する。打撃部112が下降すると、ドライバブレード129は、打撃領域138へ送られている1本の釘154を打撃する。打撃された釘154は、相手材W1へ打ち込まれる。
【0087】
また、ピストン128は、釘154が相手材W1へ打ち込まれた後、図22のようにバンパ135に衝突する。バンパ135は荷重を受けて弾性変形し、バンパ135は打撃部112の運動エネルギの一部を吸収する。ピストン128がバンパに衝突した状態は、打撃部112の下死点である。
【0088】
ドライバブレード129が釘154を相手材W1に打ち込むと、プッシュレバ155は反動で相手材W1から離間される。しかし、制御回路156は、電動モータ115の回転を継続させる。このため、ピン147が突起148に係合され、打撃部112は下死点から上昇される。制御回路156は、ホイール位置検出センサ159の信号を処理して、仮想線A1方向における打撃部112の位置を検出している。制御回路156は、打撃部112が待機位置に到達すると、電動モータ115を停止させる。
【0089】
供給機構119の構成及び作動を説明する。供給機構119は、図23に示すフィードピストン161、フィーダアーム162、フィーダ163及びソレノイド164を有する。また、筒形状のホルダ165が、モータケース122またはマガジン152に固定されている。フィードピストン161は、ホルダ165に対して往復作動可能である。仮想線A1に対して垂直な平面断面である図23において、仮想線B1は、フィードピストン161の作動方向を表す直線である。フィードピストン161は、フランジ174を有する。フランジ174は、フィードピストン161の外周面から突出されている。
【0090】
さらに、射出部133は、ストッパ176及び開閉可能な射出部カバー166を有する。射出部カバー166は、釘154の供給路167を形成する。供給路167は、マガジン152内と打撃領域138とを接続する。釘154は、供給路167内で送り方向D4に沿って送られる。ホルダ165内にスプリング168が設けられている。補助蓄圧室169が、ホルダ165内に設けられている。補助蓄圧室169は、空気が流入する空間である。補助蓄圧室169は、通路185,186,178を介して蓄圧室127につながっている。射出部133に通路形成部材173が取り付けられ、通路185は、通路形成部材173に設けられている。通路186は、バンパ支持部131に設けられ、通路178は、シリンダ126に設けられている。通路178は、シリンダ126を仮想線A1に沿った方向に貫通している。
【0091】
フィードピストン161は、補助蓄圧室169の圧力で図23に示す送り方向D3で付勢される。送り方向D3,D4は、共に仮想線B1に沿った方向である。フィードピストン161は、スプリング168の付勢力により、射出部133から離間される戻り方向D5で付勢される。送り方向D3と戻り方向D5とは、互いに逆方向である。
【0092】
フィーダアーム162は、フィードピストン161に固定されている。フィーダ163は、フィーダアーム162の支持軸181を中心として所定角度の範囲内で作動可能である。フィーダ163は、送り爪177を有する。スプリング182が、フィーダアーム162とフィーダ163との間に設けられている。スプリング182は、フィーダ163を図23で時計回りに付勢する。
【0093】
ソレノイド164は、ボビン183、コイル184、プランジャ170及びスプリング171を有する。コイル184はボビン183内に設けられ、プランジャ170は、ボビン183に対して往復作動可能である。仮想線B2は、プランジャ170の作動方向を表す直線である。プランジャ170は、磁性材料製、例えば、鉄製である。図23において、仮想線B1と仮想線B2とは、略90度で交差して配置されている。ストッパ172がプランジャ170に固定され、スプリング171は、プランジャ170をフィードピストン161に近づける前進方向D6で付勢する。コイル184は、図20に示すスイッチ175を介して電源部114に接続されている。制御回路156は、スイッチ175をオン及びオフする。
【0094】
スイッチ175がオンされると、電源部114の電流がコイル184へ流れ、コイル184は磁気吸引力を発生する。すると、プランジャ170は、図25のように、スプリング171の力に抗してフィードピストン161から離間する後退方向D7で作動する。スイッチ175がオフされると、電源部114の電流はコイル184へ流れない。コイル184は磁気吸引力を解消し、プランジャ170は、スプリング171の力で前進方向D6に作動する。
【0095】
次に、供給機構119の作動を説明する。供給機構119は、打撃部112が上昇し、かつ、ドライバブレード129の先端が打撃領域138外へ移動した時点から、打撃部112が図21に示す上死点に至るまでの間に、1本の釘154を供給路167から打撃領域138へ送る。
【0096】
打撃部112が図17に示す待機位置で停止していると、ドライバブレード129の一部は、打撃領域138に位置する。また、制御回路156は、ソレノイド164に対する電流の供給を停止させている。このため、スプリング171により前進方向D6で付勢されるプランジャ170は、図23のようにストッパ172がフィードピストン161に接触した位置、つまり、前進位置で停止されている。さらに、図23において、フィードピストン161が補助蓄圧室169の圧力で受ける送り方向D3の付勢力は、スプリング168から受ける戻り方向D5の付勢力を超えている。このため、フィードピストン161は、フランジ174がストッパ172に接触した位置、つまり初期位置で停止されている。
【0097】
フィードピストン161が初期位置で停止されていると、フィーダ163は、ストッパ176から離間した位置で停止されている。フィーダ163の送り爪177は、送り方向D4で第1番目の釘154と、第2番目の釘154との間に位置する。送り方向D4で第1番目の釘154は、供給路167に位置しており、打撃領域138に釘154は存在していない。
【0098】
打撃部112が第2方向D2で作動すると、蓄圧室127の圧力及び補助蓄圧室169の圧力が上昇する。このため、フィードピストン161が受ける送り方向D3の付勢力が増加する。制御回路156は、打撃部112が待機位置から上昇されると、ソレノイド164に電流を供給させる。すると、プランジャ170は、スプリング171の付勢力に抗して後退方向D7で作動し、プランジャ170は、図24のようにボビン183に接触した位置、つまり、後退位置で停止する。すると、ストッパ172がフランジ174から解放され、フィードピストン161は、送り方向D3で作動する。このため、送り爪177により押された1本の釘154が、供給路167から打撃領域138へ送られる。フィードピストン161は、フィーダ163がストッパ176に接触した状態、つまり、作動位置で停止される。
【0099】
このように、フィードピストン161は、打撃部112が上死点に到達する前に作動位置で停止される。フィードピストン161が作動位置で停止されると、フランジ174は、ストッパ172の前方に位置する。制御回路156は、打撃部112が上死点に到達する前に、ソレノイド164に対する電流の供給を停止させる。プランジャ170は、スプリング171によって前進方向D6で付勢されているが、ストッパ172がフランジ174に接触する。このため、プランジャ170は、図24の後退位置で停止されている。
【0100】
打撃部112が、図21のように上死点に到達し、かつ、打撃部112が上死点から下死点に向けて下降されると、蓄圧室127の圧力及び補助蓄圧室169の圧力が低下する。そして、フィードピストン161に加わる戻り方向D5の付勢力が、送り方向D3の付勢力を超えると、フィードピストン161は、図25のように戻り方向D5で作動する。フィードピストン161が作動すると、フランジ174とストッパ172とが擦れる。また、フィーダ163はストッパ176から離間される。さらに、図25に示すように、フィーダ163は、送り爪177が釘154に押し付けられた反力により、支持軸181を中心として反時計方向に作動し、送り爪177は、釘154に乗り上げる。
【0101】
そして、送り爪177が釘154を乗り越えると、フィーダ163は、スプリング182の付勢力で支持軸181を支点として時計方向に作動し、かつ、停止される。このため、送り爪177は、図26のように、送り方向D4で第1番目の釘154と第2番目の釘154との間に進入する。また、フランジ174がストッパ172の前方から移動すると、プランジャ170は前進方向D6で作動する。ストッパ172がフィードピストン161に接触すると、プランジャ170は前進位置で停止される。さらに、フィードピストン161に付加される戻り方向D5の付勢力と、送り方向D3の付勢力とが略同じになると、フィードピストン161は仮位置で停止される。
【0102】
打撃部112が下死点に到達した後、打撃部112が下死点から上昇されると、蓄圧室127の圧力及び補助蓄圧室169の圧力が上昇する。すると、フィードピストン161が送り方向D3で作動する。そして、図23のように、フランジ174がストッパ172に接触されると、フィードピストン161は、初期位置で停止される。
【0103】
打込機110の状態を示すタイムチャートの一例が、図27に示されている。ソレノイド164への電力供給において、オンは、制御回路156がソレノイド164に電力を供給させることを意味し、オフは、制御回路156がソレノイド164に対する電力の供給を停止させることを意味する。
【0104】
打撃部112は、時刻T1よりも前に待機位置で停止されており、補助蓄圧室169の圧力は、待機圧である。また、フィードピストン161は、図23のように初期位置で停止されている。さらに、ソレノイド164への電力供給はオフである。
【0105】
打撃部112が待機位置から上死点に向けて作動されると、補助蓄圧室169の圧力が上昇される。打撃部112が上死点に到達するよりも前の時刻T1において、ソレノイド164への電力供給がオフからオンに切り替えられる。すると、フィードピストン161は初期位置から作動される。時刻T2よりも前に、ソレノイド164への電力供給がオンからオフに切り替えられる。しかし、図24のように、ストッパ172がフランジ174に接触するため、プランジャ170は後退位置に停止されている。
【0106】
フィードピストン161は、時刻T2で作動位置に到達し、かつ、作動位置で停止される。打撃部112が時刻T3で上死点に到達すると、補助蓄圧室169の圧力は最高圧になる。打撃部112が上死点から下死点に向けて作動されると、補助蓄圧室169の圧力は低下される。打撃部112が上死点から下死点に向けて作動される間、フィードピストン161は作動位置で停止されている。
【0107】
打撃部112が時刻T4で下死点に到達すると、補助蓄圧室169の圧力は最低圧になる。また、フィードピストン161は、時刻T4以降、図25のように作動位置から初期位置へ向けて作動される。フィードピストン161は、初期位置を通過し、かつ、戻り方向D5の付勢力と送り方向D3の付勢力とが略同じになると、フィードピストン161は、時刻T5で図26に示す仮位置で停止される。打撃部112が、時刻T6以降に下死点から上死点へ向けて作動すると、補助蓄圧室169の圧力が上昇され、フィードピストン161は、仮位置から初期位置へ向けて作動する。フランジ174がストッパ172に接触すると、フィードピストン161は時刻T7で初期位置で停止される。打撃部112は、時刻T8で待機位置へ到達して停止され、補助蓄圧室169の圧力は待機圧になる。
【0108】
本実施形態の打込機110は、電動モータ115が電源部114の電力で回転され、打撃部112が第2方向D2で作動され、蓄圧室127の圧力が上昇する。打撃部112は、蓄圧室127の圧力で第1方向D1で作動し、ドライバブレード129が釘154を打撃する。蓄圧室127の圧力は、補助蓄圧室169に伝達される。そして、供給機構119のうち、フィードピストン161、フィーダアーム162及びフィーダ163は、補助蓄圧室169の圧力で送り方向D3で作動する。つまり、フィードピストン161、フィーダアーム162及びフィーダ163が、送り方向D3で作動するにあたり、係合及び解放される要素は無い。したがって、フィードピストン161、フィーダアーム162及びフィーダ163の温度上昇を抑制できる。
【0109】
また、電動モータ115によって打撃部112を作動させて蓄圧室127の圧力を上昇させ、蓄圧室127の圧力が、フィードピストン161及びフィーダ163を作動させるエネルギとして利用される。したがって、フィードピストン161及びフィーダ163を作動させるために、電動モータ115の消費電力が増加することを抑制可能である。
【0110】
また、蓄圧容器118及び蓄圧室127は、補助蓄圧室169に圧力を伝達する機構の一部を兼ねている。したがって、フィードピストン161及びフィーダ163を作動させるために設ける専用の部品点数が増加することを抑制できる。このため、打込機110の構造の複雑化を回避でき、かつ、小型化を実現できる。釘154の供給部材としてモータやギヤ等を使用しないため、打込機110の小型化、及び打込機110の製造コストのアップを抑えることができる。
【0111】
さらに、制御回路156が、電源部114からソレノイド164に電力を供給するタイミングを制御することにより、フィードピストン161及びフィーダ163を、送り方向D3で作動させるタイミングを制御可能である。つまり、釘154を供給路167から打撃領域138へ送るタイミングを制御できる。例えば、打撃部112が待機位置から作動を開始した時点から、電源部114からソレノイド164に電力を供給するまでの所要時間を長くすると、打撃部112が待機位置から作動を開始した時点から、釘154が打撃領域138へ送られるまでの所要時間を長くなる。
【0112】
つまり、蓄圧室127の圧力及び補助蓄圧室169の圧力、打込機110を使用する環境の温度、フィードピストン161の寸法の個体差等の条件に関わり無く、釘154を供給路167から打撃領域138へ送るタイミングを安定させることが可能である。例えば、打撃部112が待機位置から上昇する場合に、釘154がドライバブレード129の先端に接触することを確実に回避できる。
【0113】
なお、打撃部112の待機位置は、下死点であってもよい。この場合、打撃部112が下死点から上昇し、かつ、ドライバブレード129の先端が打撃領域138から退出された時点から、打撃部112が上死点に到達するまでの間に、釘154が供給路167から打撃領域138へ送られるように、制御回路156は、ソレノイド164に対する電力の供給タイミングを制御する。すなわち、制御回路156は、打撃部112を中間位置で停止させない
【0114】
さらに、打込機110は、ソレノイド164及びスイッチ175を備えていなくてもよい。この場合、フィードピストン161は、スプリング168から受ける戻り方向D5の付勢力と、補助蓄圧室169の圧力で受ける送り方向D3の付勢力とが略同じであると、図23のように初期位置で停止される。また、フィードピストン161は、送り方向D3の付勢力が、戻り方向D5の付勢力を超えると、送り方向D3で作動する。さらに、フィードピストン161は、送り方向D3の付勢力が、戻り方向D5の付勢力未満である、戻り方向D5で作動する。つまり、フィードピストン161が送り方向D3で作動するタイミングは、スプリング168の強度、一例としてスプリング168のバネ定数によって決まる。スプリング168のバネ定数が大きいほど、打撃部112が待機位置から作動された時点から、釘154が打撃領域138へ送られるまでの所要時間が長くなる。
【0115】
本実施形態で開示した事項の技術的意味の一例は、次のとおりである。打込機110は、打込機の一例である。ドライバブレード129は、ブレードの一例である。射出部133は、ノーズの一例である。釘154は、止具の一例である。フィードピストン161、フィーダアーム162及びフィーダ163は、フィーダの一例である。打撃部112が下降することを表す第1方向D1は、第1方向の一例である。打撃部112が上昇することを表す第2方向D2は、第2方向の一例である。蓄圧室127は、気体室の一例である。
【0116】
電動モータ115は、電動モータの一例である。フィードピストン161、フィーダアーム162びフィーダ163は、作動部材の一例である。フランジ174は、突起部の一例である。送り方向D3は、第3方向の一例である。戻り方向D5は、第4方向の一例である。ストッパ172は、ストッパの一例である。図23のようにプランジャ170が前進位置で停止している状態におけるストッパ172の位置は、規制部材の第1位置の一例である。図24及び図25のようにプランジャ170が後退位置で停止している状態におけるストッパ172の位置は、規制部材の第2位置の一例である。ソレノイド164は、第2アクチュエータの一例である。蓄圧室127、通路178、185、186、打撃部127及びフィードピストン161は、付勢機構の一例である。
【0117】
制御回路156は、制御回路の一例である。スプリング168は、第1付勢部の一例である。スプリング171は、第2付勢部材の一例である。送り爪177は、爪部の一例である。補助蓄圧室169は、補助気体室の一例である。シリンダ126は、支持部材の一例である。通路178は、通路の一例である。マガジン152は、マガジンの一例である。電源部114は、電源部の一例である。
【0118】
打込機は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、供給部材は、単数の要素で構成されていてもよいし、複数の要素で構成されていてもよい。また、電動モータは、ブラシレスモータまたはブラシ付きモータの何れでもよい。電動モータに電力を供給する電源部は、直流電源または交流電源の何れでもよい。直流電源は、二次電池または一次電池の何れでもよい。交流電源は、装着部に設けられるのではなく、装着部と交流電源とが、電力ケーブルによって接続される。第1付勢部及び第2付勢部は、金属製のスプリングに代えて、合成ゴムであってもよい。止具は、軸形状の釘、アーチ形状のステープル、鋲の何れでもよい。
【0119】
さらに、規制部材を作動させるアクチュエータは、ソレノイドに代えて電動サーボモータであってもよい。電動サーボモータと規制部材とをラック・アンド・ピニオン機構で接続する。電源部から電動サーボモータに電力が供給されると、電動サーボモータが回転され、規制部材は第1位置から第2位置へ作動される。電動サーボモータに対する電力の供給が停止されると、規制部材は、第2付勢部の力で第2位置から第1位置へ作動して停止する。
【符号の説明】
【0120】
1A~1D…打込機、10…ハウジング、11…ケース、12…ハンドル、12a…グリップ部、12b…連結部、13…ノーズ部、14…射出路、14a…射出口、15…電源装着部、16…バッテリ、17…電動モータ、18…回転体(フライホイール)、19…制御部(コントローラ)、20…マガジン、21…連結止具(連結釘)、21a…止具(釘)、30…ブレード駆動機構、30a…ブレード、31…第1のアクチュエータ(第1ソレノイド)、32…押付ローラ、33…バネ(第1スプリング)、34…可動プレート、34a…第1連結ピン、34b…第2連結ピン、35…支持プレート、35a…第1長孔、36…連結プレート、36a…第2長孔、50…供給機構、60…フィーダ、60a…ピン、70…動力機構、71…可動部材、71a…押圧面、71b…第3長孔、72…第2のアクチュエータ(第2ソレノイド)、73…第1ローラ、74…第2ローラ、75…係合部、75a…前面、80…付勢部材、81…ストッパ、81a…スプリング、90…サーボモータ、90…第2の電動モータ
PL…プッシュレバ、TG…トリガ
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