(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】監視システム、監視方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240116BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240116BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240116BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G08B25/00 510M
G08B25/04 K
G08B21/02
H04N7/18 E
(21)【出願番号】P 2022104242
(22)【出願日】2022-06-29
(62)【分割の表示】P 2020028048の分割
【原出願日】2016-02-16
【審査請求日】2022-06-29
(31)【優先権主張番号】10201501222X
(32)【優先日】2015-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】谷 真宏
(72)【発明者】
【氏名】有熊 威
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-288843(JP,A)
【文献】特開2006-332754(JP,A)
【文献】特開2002-367065(JP,A)
【文献】特開2003-208682(JP,A)
【文献】特開2003-168179(JP,A)
【文献】特開2013-196655(JP,A)
【文献】特開平05-159179(JP,A)
【文献】特開2007-135000(JP,A)
【文献】特開2004-078393(JP,A)
【文献】特開2009-290501(JP,A)
【文献】特開2000-083243(JP,A)
【文献】特開2003-247238(JP,A)
【文献】特開2003-256964(JP,A)
【文献】特開2012-203595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G08B 25/00
G08B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサデータに基づいて事象を検出する検出手段と、
複数の関連する前記事象に基づいて、事象全体の大きさを推定する推定手段と、
前記複数の関連する前記事象と、前記事象全体の大きさとを区別可能な態様で地図に表示する手段と、
前記複数の関連する前記事象を、前記事象の大きさに基づいた態様で前記地図上にそれぞれ表示する手段と、
前記地図に表示した前記複数の関連する前記事象を囲う図形を、推定された前記事象全体の大きさとして、前記事象全体の大きさに基づいた態様で前記地図上に表示する手段と、
を備える監視システム。
【請求項2】
前記推定手段は、前記事象の時系列に基づいて、前記事象全体の大きさを推定する
請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記センサデータは異なる種類のセンサから取得したデータである
請求項1に記載の監視システム。
【請求項4】
推定された前記事象全体の大きさに基づいて、所定の宛先に警報を送信する送信手段、
をさらに備える請求項1に記載の監視システム。
【請求項5】
前記推定手段は、前記事象の種類に基づいて、前記事象全体の大きさを推定する
請求項1に記載の監視システム。
【請求項6】
推定された前記事象全体の大きさに基づいて、カメラの撮影範囲を制御する制御手段、
をさらに備える請求項1に記載の監視システム。
【請求項7】
前記推定手段は、検出された前記事象の事象関連情報に基づいて、検出された前記事象全体の地理的な大きさを推定し、
前記事象関連情報および検出された前記事象全体の推定された地理的な大きさに基づいて、カメラの撮像範囲を調節するように、カメラを制御する制御手段、
をさらに備える請求項1に記載の監視システム。
【請求項8】
コンピュータが、
センサデータに基づいて事象を検出し、
複数の関連する前記事象に基づいて、事象全体の大きさを推定し、
前記複数の関連する前記事象と、前記事象全体の大きさとを区別可能な態様で地図に表示し、
前記複数の関連する前記事象を、前記事象の大きさに基づいた態様で前記地図上にそれぞれ表示し、
前記地図に表示した前記複数の関連する前記事象を囲う図形を、推定された前記事象全体の大きさとして、前記事象全体の大きさに基づいた態様で前記地図上に表示する
監視方法。
【請求項9】
センサデータに基づいて事象を検出す
る処理と、
複数の関連する前記事象に基づいて、事象全体の大きさを推定す
る処理と、
前記複数の関連する前記事象と、前記事象全体の大きさとを区別可能な態様で地図に表示する処理と、
前記複数の関連する前記事象を、前記事象の大きさに基づいた態様で前記地図上にそれぞれ表示する処理と、
前記地図に表示した前記複数の関連する前記事象を囲う図形を、推定された前記事象全体の大きさとして、前記事象全体の大きさに基づいた態様で前記地図上に表示する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、監視システムに関する。より詳細には、この発明は、事象関連データを監視するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像監視システムなどである監視システムは、いくつかの領域での周期的な監視および事象の検出のために用いられてきた。例えばテロリズム、暴動、窃盗、喧嘩、火事、自動車事故等である異常事象は、そうした監視システムが捉えるものである。
【0003】
しかしながら、監視カメラは、状況によっては、異常事象を十分にカバーする適切な大きさで監視領域内の異常事象を撮影することができない。従って、監視カメラによる撮影が事象の全貌のうちの一部のみであるため、警備員や警察官を含む利用者は、事件を適切に理解することができない。
【0004】
そのため、必要とされていることおよびこの開示の目的は、異常事象に対して適切な大きさで監視領域内の異常事象を捉える、改善された監視システムを提供することである。また、他の望ましい特徴および特性は、添付の図面およびこの開示の背景とあわせて、後述の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになることとなる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様に係る事象監視システムは、カメラと、センサとを有するシステムであって、前記センサのセンサデータに基づいて異常事象を検出するセンサデータ分析部と、前記センサデータ分析部に接続されて、検出された前記異常事象に基づいた種類に応じて、前記カメラの制御を変更するように制御する駆動部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る事象監視方法は、センサのセンサデータに基づいて異常事象を検出し、検出された前記異常事象に基づいた種類に応じて、カメラの制御を変更する。
【0007】
本発明の一態様に係る事象監視プログラムは、コンピュータに、センサのセンサデータに基づいて異常事象を検出する検出処理、および、出された前記異常事象に基づいた種類に応じて、カメラの制御を変更する制御処理を実行させる。
【0008】
その別個の図にわたって同一または機能的に類似の要素は同様の参照符号とし、かつ、下記詳細な説明と共に明細書に組み込まれてその一部を形成する添付図面は、本実施形態に係る様々な実施形態の説明ならびに様々な原理および利点の説明に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施形態による映像監視システムのブロック図を示す。
【
図2】
図2は、第1の実施形態による音に基づく撮像範囲調節(ズームアウト)の例を示す。
【
図3】
図3は、第1の実施形態による音に基づく撮像範囲調節(ズームインおよびカメラ方向の制御)の例を示す。
【
図4】
図4は、第1の実施形態による、音事象の種類に基づく撮像範囲調節(ズームアウト)の例を示す。
【
図5】
図5は、第1の実施形態による臭気センサおよび赤外線センサを用いた撮像範囲調節(ズームアウト)の例を示す。
【
図6】
図6は、第1の実施形態による事象関連データの監視方法のフローチャートを示す。
【
図7】
図7は、第1の実施形態による、検出事象全体の推定された大きさを地図に示すディスプレイを示す。
【
図8】
図8は、第1の実施形態による警報通知システムのためのルックアップテーブルを示す。
【
図9】
図9は、第2の実施形態によるシステムのブロック図を示す。
【
図10】
図10は、第1および第2の実施形態による事象関連データ監視方法を実施するためのコンピュータシステムを示す。
【0010】
当業者は、図面中の要素は簡単かつ明瞭に示されており、必ずしも縮尺通りに示されていないということがわかるであろう。例えば、模式図内の要素やフローチャートのステップの一部の寸法は、本実施形態の理解の向上に役立つように、他の要素に対して大きく示すことがある。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次の詳細な説明は、事実上の例にすぎず、この発明またはこの発明の用途および使用を限定することを意図していない。また、前述の発明の背景または以下の詳細な説明において提示するいずれの理論によっても制限する意図はない。以下の実施形態は、改善された事象関連データ監視方法を提示することを意図している。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態による映像監視システム100のブロック図を示している。映像監視システム100は、センサデータ分析部104、事象サイズ推定部108およびカメラ制御部110を含む。センサデータ分析部104は、検知装置が捉えたセンサデータ102を受信して、監視領域内で、検出時間を含む関連情報を伴う異常事象を検出する。事象サイズ推定部108は、センサデータ分析部104に接続され、時系列の検出事象と、検知装置情報データベース106内に記憶される装置位置を含む検知装置情報とを用いて検出事象全体の大きさを推定する。カメラ制御部110は、検出事象全体の推定された大きさに基づいて、監視カメラを制御(例えば、ズームイン、ズームアウト、カメラ方向を変更)する。あるいは、ディスプレイ112が、検出事象全体の推定された大きさに基づく情報を示してもよい。また、警報通知システム114が、検出事象全体の推定された大きさに基づいて所定の宛先に警報を送信してもよい。ある例では、システム100は、次の所定の装置、カメラ制御部110、ディスプレイ112および警報通知システム114のうちの1つまたは複数を含みうる。
【0013】
事象サイズ推定部108が、検出事象全体の適切な大きさを有利に推定する。その後駆動部が、状況の理解を容易にするために所定の検知装置を駆動する。一例では、監視カメラが事象の全貌を捉えて、警備員に対して速やかな状況の理解をし易くする。あるいは、ディスプレイ装置が検出事象全体の推定された大きさを地図上に示して、警備員に対して速やかな状況の理解を助ける。利用者は、所定の状況の検出に応じて所定の方式で駆動するように、所定の装置をカスタマイズしてよい。
【0014】
また、検出事象全体の大きさの推定は、センサデータ分析部104により検出された事象の種類に基づく。例えば検出事象の種類が爆発であれば、検出事象全体の大きさは、大きいと考えられる。そのため駆動部は、検出事象全体の大きさが大きいことを考慮して所定の装置を駆動する。従って、監視カメラまたは他の装置は、自動的に事件(異常事象)の大きさに基づいて調節されて事象の全貌を捉えるため、警備員や警察官を含む利用者は、適切に事件を理解することができる。本実施形態は、利用者に対して、速やかに適切に事件に対処することができるようにする。利用者は、事象の種類に応じて事象の大きさをカスタマイズしてもよい。利用者はまた、事象後に適切なビデオ映像を用いて事件を調査することもできる。
【0015】
図2は、本実施形態による音に基づく撮像範囲調節(ズームアウト)200を示す。タイムライン202は、撮像範囲調節200に関する4つのステップ(AからD)を示す。ステップAでは、カメラおよびマイクロホンアレイ208の視野(Field of View)206が、初期撮像範囲204に設定されている。ステップBでは、カメラおよびマイクロホンアレイ208が、到達方向212からのガラスの破壊210の音を捉える。ステップCでは、カメラおよびマイクロホンアレイ208が、到達方向216からの叫び214の音をさらに捉える。ステップDでは、事象サイズ推定部108が、カメラおよびマイクロホンアレイ208におけるカメラ方向内と、所定の時間幅内とにおいて、視野の左右双方の最大角を計算することによって事象の大きさを推定する。その後、カメラ制御部110が、カメラの現在の設定を該最大角ならびにカメラおよびマイクロホンアレイ208の視野206で構成される事象の推定された大きさと比較することによって、カメラおよびマイクロホンアレイ208を調節撮像範囲218にズームアウトさせるようにカメラおよびマイクロホンアレイ208のカメラを制御する。
【0016】
図3は、音に基づく撮像範囲調節(ズームインおよびカメラ方向の制御)300を示す。タイムライン302は、撮像範囲調節300に関する3つのステップ(AからC)を示す。ステップAでは、カメラおよびマイクロホンアレイ308の視野306が、初期調節範囲304に設定されている。ステップBでは、カメラおよびマイクロホンアレイ308が、到達方向312からの喧嘩310の音を捉える。ステップCでは、事象サイズ推定部108が、カメラおよびマイクロホンアレイ308の方向内と、所定の時間幅内とにおいて、視野の左右双方の最大角を計算することによって事象の大きさを推定する。その後、カメラ制御部110が、カメラの現在の設定を該最大角で構成される事象の推定された大きさと比較することによって、カメラおよびマイクロホンアレイ308に対してカメラの方向および視野の制御を引き起こして調節撮像範囲314に回転およびズームインするように、カメラおよびマイクロホンアレイ308を制御する。
【0017】
図4は、音事象の種類に基づく撮像範囲調節(ズームアウト)400を示す。タイムライン402は、撮像範囲調節400に関する3つのステップ(AからC)を示す。ステップAでは、カメラおよびマイクロホンアレイ408の視野406が、初期調節範囲404に設定されている。ステップBでは、カメラおよびマイクロホンアレイ408が、到達方向412からの爆発410の音を捉える。ステップCでは、事象サイズ推定部108が、事象の種類で事象の大きさを推定する(例えば、センサデータ分析部104が、爆発410のような大規模な事象を検出するとき、事象サイズ推定部108が、事象の大きさは「大」であると決定する)。その後、カメラ制御部110が、受信した事象の大きさに応じて監視カメラ408を制御する。大きさが「大」である場合、カメラ制御部110が、カメラを所定の設定(最も幅広の設定)にズームアウトする。その後、カメラ制御部110が、調節撮像範囲414にズームアウトするようにカメラ408の方向および視野を制御する。センサデータ分析部104が、窃盗のような小規模の事象を検出するとき、事象サイズ推定部108は、事象の大きさは「小」であると決定することが可能である。また、センサデータ分析部104が、火事のような中規模の事象を検出するとき、事象サイズ推定部108は、事象の大きさは「中」であると決定することが可能である。
【0018】
図5は、臭気センサおよび赤外線センサを用いた撮像範囲調節(ズームアウト)500を示す。タイムライン502は、撮像範囲調節500に関する4つのステップ(AからD)を示す。ステップAでは、カメラおよびマイクロホンアレイ512の視野508が、初期調節範囲510に設定されている。センサデータ分析部104が、例えば臭気センサ504および赤外線センサ506などである任意の検知装置が捉えたセンサデータを受信して、異常事象を検出しうる。
【0019】
ステップBでは、異臭514が、検出時間内において臭気センサ504で検出される。ステップCでは、異常な人だかり516が赤外線センサ506で検出される。ステップDでは、事象サイズ推定部108が、センサの位置情報を用いて、カメラ方向内と、所定の時間幅内とにおいて、視野の左右双方の最大角を計算することによって事象の大きさを推定する。その後、カメラ制御部110が、カメラの現在の設定を、該最大角で構成される事象の推定された大きさと比較することによって監視カメラを制御する。カメラ制御部110が、その後、調節撮像範囲518にズームアウトするように、カメラおよびマイクロホンアレイ512を制御する。
【0020】
図6は、本実施形態による事象関連データ監視方法のフローチャート600を示す。センサデータ分析部が、センサデータに基づいて事象を検出する(S602)。該検出事象の事象関連データに基づいて、検出事象全体の大きさを推定する(S604)。その後、該検出事象全体の推定された大きさに基づいて所定の装置を駆動する(S606)。
【0021】
図7は、本実施形態による、検出事象全体の推定された大きさを地図上に示すディスプレイ700を示す。本実施形態においては、ガラスの破壊702の音が、例えばマイクロホンであるセンサによって検出される。次に、人だかり704が、例えば赤外線センサであるセンサによって検出される。その後、喧嘩706の音が、例えばマイクロホンであるセンサによって検出される。これら事象関連データに基づいて、検出事象全体708の地理的な大きさが、事象サイズ推定部108によって推定される。ディスプレイ700が、検出事象全体の推定された大きさを地図上に示すように駆動される。
【0022】
図8は、本実施形態による警報通知システム114のためのルックアップテーブル800を示す。本実施形態では、一事象または複数の事象を1つ又は複数のセンサによって検出する。該センサからの事象関連データに基づいて、検出事象全体の大きさが、事象サイズ推定部によって推定される。駆動部が、警報通知システム114が検出事象全体の推定された大きさに基づいて通知先を選択するように、警報通知システム114を駆動する。例えば、検出事象全体の推定された大きさが「小」であれば、警報通知システム114は、ルックアップテーブル800を参照して、通知先として「警察」を選択する。その後、警報通知システム114が「警察」に警報を送信する。あるいは、検出事象全体の推定された大きさが「中」または「大」であれば、警報通知システム114が、ルックアップテーブル800に基づいて通知先として「消防署」または「テロ対策行動グループ」を選択する。利用者は、ルックアップテーブル800で、通知先と検出事象全体の大きさとをカスタマイズすることができる。
【0023】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態によるシステム850のブロック図を示す。システム850は、センサデータ分析部860、事象分析部870および駆動部880を含む。センサデータ分析部860は、センサデータに基づいて事象を検出する。事象分析部870は、センサデータ分析部860に接続されて、センサデータ分析部860からの検出された事象の事象関連データに基づいて該検出事象全体の大きさを推定する。駆動部880は、センサデータ分析部860および事象分析部870に接続されて、検出事象全体の推定された大きさに基づいて所定の装置を駆動する。
【0024】
センサデータ分析部860は、第1の実施形態のセンサデータ分析部104を含む。事象分析部870および駆動部880は、第1の実施形態の事象サイズ推定部108を含む。
【0025】
上記した構成により、第2の実施形態によれば、異常事象に適した大きさで監視領域内の異常事象を捉えることができる改善されたシステムを提供することができる。
【0026】
記載される実施形態の方法およびシステムは、
図10に概略的に示される、コンピュータシステム900上で実施することができる。それは、コンピュータシステム900内で実行され、実施形態の方法を行うようにコンピュータシステム900を指示するコンピュータプログラムなどであるソフトウェアとして実施されうる。
【0027】
続く記載の一部は、コンピュータメモリ内のデータの演算のアルゴリズムおよび機能的もしくは記号的な表現で明確にまたは暗に提示される。これらアルゴリズムの記述および機能的または記号的な表現は、他の当業者に対して、データ処理技術の当業者による作業の実体を最も効果的に伝えるためにデータ処理技術の当業者によって用いられる手段である。アルゴリズムは、ここでは、概して所望の結果を導く首尾一貫した一連のステップであることが考えられている。該ステップは、記憶され、送信され、組み合わせられ、比較され、その他操作されることが可能である、例えば電気的、磁気的または光学的信号である物理量の物理的操作を要求する。
【0028】
特別に別の方法で示すものでなく、以下から明らかであれば、本明細書を通して、例えば「スキャンする(scanning)」、「計算する(calculating)」、「判断する(determining)」、「置換する(replacing)」、「生成する(generating)」、「初期化する(initializing)」、「出力する(outputting)」等の用語を用いる議論は、コンピュータシステム、または、コンピュータシステム内の物理量として表現されるデータを操作し、かつ、同様にコンピュータシステム内または他の情報記憶部内の物理量として表現される他のデータに変形する類似の電子デバイス、伝達もしくは表示装置の動作および処理を指すことが認識されるであろう。
【0029】
本明細書はまた、方法の動作を実行する装置を開示する。そうした装置は、要求される目的に対して特別に構成されてよく、または、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムにより選択的に有効にされるか、または再構成される、汎用コンピュータまたは他の装置を含んでよい。本明細書に提示されるアルゴリズムおよび表示は、本質的に何らかの特定のコンピュータまたは他の装置に関するものではない。本明細書における教示に応じて、様々な汎用機械がプログラムとともに用いられてよい。あるいは、要求される方法のステップを実行するためにより特化した装置の構成が適切でありうる。従来の汎用コンピュータの構造は、以下の記載から明らかになることとなる。
【0030】
さらに、本明細書はまた、コンピュータプログラムを暗に開示しており、本明細書で説明する方法の個々のステップは、コンピュータコードによって具体化されうるということが当業者には明らかであるだろう。該コンピュータプログラムは、何らかの特定のプログラミング言語およびその実行に限定されることを意図していない。本明細書に含まれる開示の教示を実施するために種々のプログラミング言語およびその符号化を用いることができるということが認識されるであろう。また、該コンピュータプログラムは、何らかの特定の制御フローに限定されることを意図していない。この発明の精神または範囲から逸脱することなく様々な制御フローを用いることが可能な、他の異なったコンピュータプログラムが多数存在する。
【0031】
また、コンピュータプログラムの1つまたは複数のステップは、順次でなく並行して実行されてよい。そうしたコンピュータプログラムは、任意のコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されうる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、汎用コンピュータとのインタフェースに好適な、例えば磁気もしくは光ディスク、メモリチップまたは他の記憶装置である記憶装置を含みうる。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、例えばインターネットシステムなどの有線媒体またはGSM(グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ)の携帯電話システムなどの無線媒体を含みうる。そうした汎用コンピュータ上でロードおよび実行されるとき、コンピュータプログラムが、事実上、結果として好ましい方法のステップを実施する装置になる。
【0032】
コンピュータシステム900は、コンピュータモジュール902、キーボード904およびマウス906などの入力モジュールならびにディスプレイ908およびプリンタ910などの複数の出力装置を含む。
【0033】
コンピュータモジュール902は、好適なトランシーバ装置914を介してコンピュータネットワーク912に接続され、例えばインターネットまたは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)などの他のネットワークシステムにアクセスすることが可能にされる。
【0034】
例えば、コンピュータモジュール902は、プロセッサ918、ランダムアクセスメモリ(RAM)920およびリードオンリメモリ(ROM)922を含む。コンピュータモジュール902はまた、いくつかの入力/出力(I/O)インタフェースを含み、例えばディスプレイ908とのI/Oインタフェース924およびキーボード904とのI/Oインタフェース926である。
【0035】
コンピュータモジュール902の構成要素は典型的に、相互接続バス928経由で、関連分野の当業者に公知の方式で通信する。
【0036】
アプリケーションプログラムはコンピュータシステム900の利用者に典型的に供給されて、CD(コンパクトディスク)-ROMまたはフラッシュメモリキャリアなどのデータ記憶媒体上で符号化され、データ記憶装置930の対応するデータ記憶媒体ドライブを利用して読み取られる。アプリケーションプログラムは、プロセッサ918により読み出されてその実行が制御される。プログラムデータの中間記憶装置は、RAM920を用いて達成されうる。
【0037】
プロセッサ918は、
図6で主張した方法を実行する指示セットを実行することができる。プロセッサ918は、
図1に示す検知装置が捉えたセンサデータ102を受信するように構成される。センサデータ102は、例えば遠隔監視領域に配置されているセンサ950が受信しうる。プロセッサ918は、事象および事象関連データを検出するためにセンサデータ102を分析するように構成される。プロセッサ918は、検出された事象の事象関連データに基づいて、検出事象全体の大きさを推定するように構成される。プロセッサ918は、1つまたは複数の駆動部954が例えばカメラ、ディスプレイおよび警報通知システムである1つまたは複数の所定の装置を駆動することができるように、駆動データ952を1つまたは複数の駆動部954に送信する。検出事象全体の推定された大きさに基づいて、1つまたは複数の所定の装置が駆動される。
【0038】
この発明の前述の詳細な説明において実施形態を提示したが、膨大な数のバリエーションが存在することを認識されたい。例えば、当業者には、本明細書の教示から、本技術はまた他の種類の化学センサの任意の部分に適用されうるということがわかるであろう。
【0039】
上記実施形態はほんの例であり、どのような方法であっても、この発明の範囲、適用性、動作または構成を限定することを意図していないことをさらに認識されたい。むしろ、前述の詳細な説明は、当業者に対して、この発明の実施形態を実施するための簡便な道筋を提供することとなる。様々な変更が、添付の特許請求の範囲に記載されるこの発明の範囲から逸脱することなく、ある実施形態において説明した要素の機能ならびに配置および動作方法に対してなされてよいということが理解される。
【0040】
上記の実施形態およびその変形例の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
【0041】
センサデータ分析部により、センサデータに基づいて事象を検出する処理と、
前記検出された事象の事象関連データに基づいて該検出事象全体の大きさを推定する処理と、
前記検出事象全体の該推定された大きさに基づいて所定の装置を駆動する処理とを、
コンピュータに実行させるプログラムを記録する、コンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体。
【0042】
この出願は、2015年2月17日に出願されたシンガポール出願10201501222Xを基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、例えば、ルーチンの監視のためにいくつかの領域において用いられる映像監視システムに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
100 映像監視システム
102 センサデータ
104 センサデータ分析部
106 検知装置情報データベース
108 事象サイズ推定部
110 カメラ制御部
112 ディスプレイ
114 警報通知システム
200 撮像範囲調節(ズームアウト)
202 タイムライン
204 初期撮像範囲
206 視野
208 カメラおよびマイクロホンアレイ
210 ガラスの破壊
212 到達方向
214 叫び
216 到達方向
218 調節撮像範囲
300 音に基づく撮像範囲調節(ズームインおよびカメラ方向制御)
302 タイムライン
304 初期調節範囲
306 視野
308 カメラおよびマイクロホンアレイ
310 喧嘩
312 到達方向
314 調節撮像範囲
400 音事象の種類に基づく撮像範囲調節(ズームアウト)
402 タイムライン
404 初期調節範囲
406 視野
408 カメラおよびマイクロホンアレイ
410 爆発
412 到達方向
414 調節撮像範囲
500 臭気センサおよび赤外線センサを用いた撮像範囲調節(ズームアウト)
502 タイムライン
504 臭気センサ
506 赤外線センサ
508 視野
510 初期調節範囲
512 カメラおよびマイクロホンアレイ
514 異臭
516 異常な人だかり
518 調節撮像範囲
600 事象関連データを監視するための方法のフローチャート
602 事象検出ステップ
604 検出事象全体の大きさを推定するステップ
606 推定された事象の大きさに基づいて所定の装置を駆動するステップ
700 ディスプレイ
702 ガラスの破壊
704 人だかり
706 喧嘩
708 検出事象全体の大きさ
800 ルックアップテーブル
900 コンピュータシステム
902 コンピュータモジュール
904 キーボード
906 マウス
908 ディスプレイ
910 プリンタ
912 コンピュータネットワーク
914 好適なトランシーバ装置
918 プロセッサ
920 ランダムアクセスメモリ(RAM)
922 リードオンリメモリ(ROM)
924 ディスプレイとのI/Oインタフェース
926 キーボードとのI/Oインタフェース
928 相互接続バス
930 データ記憶装置
950 センサ
952 駆動データ
954 駆動部