(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】認証システム
(51)【国際特許分類】
G06V 40/16 20220101AFI20240116BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240116BHJP
【FI】
G06V40/16 A
G06T7/00 510F
(21)【出願番号】P 2022142295
(22)【出願日】2022-09-07
(62)【分割の表示】P 2020124731の分割
【原出願日】2016-08-24
【審査請求日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】P 2015177813
(32)【優先日】2015-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】則松 香威
【審査官】▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-097760(JP,A)
【文献】特開2005-149370(JP,A)
【文献】特開2002-008070(JP,A)
【文献】特開2007-322521(JP,A)
【文献】特開2005-078589(JP,A)
【文献】特開平06-119433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/16
G06T 7/00 - 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の第1顔画像を取得する取得部と、
前記取得部が前記第1顔画像を取得した後に、認証装置の前に立つ前記対象を撮影する撮影部と、
前記第1顔画像
と前記撮影部が撮影した第2顔画像
とを比較することによって、前記第1顔画像と前記第2顔画像との相違点を検出する検出部と、
前記相違点に基づき、
前記対象が装着物を装着していることを検出した場合、前記対象への装着物を外すことを促すための第1ガイダンスを出力する出力部と、
前記第1ガイダンスを出力した後に前記撮影部が撮影した第3顔画像と、前記第1顔画像と、を用いて顔認証を行う顔認証部と、
前記顔認証部の認証結果に応じてゲートの開閉を制御する制御部と、
を備える認証システム。
【請求項2】
前記取得部は、パスポートまたはパスポートのICチップから、前記第1顔画像及び前記対象の属性データを取得し、
前記出力部は、前記属性データが示す属性に対応した前記第1ガイダンスを出力する、 請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記認証システムは、表示部を更に有し、
前記表示部は、前記出力部が前記第1ガイダンスを出力する場合、前記第1顔画像及び前記第2顔画像を表示する、
請求項1または2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記表示部は、前記相違点に基づき、前記第1顔画像及び前記第2顔画像の少なくとも一方の、前記相違点に対応する箇所を強調表示した画像を表示する、
請求項3に記載の認証システム。
【請求項5】
前記認証システムは、前記相違点ごとに対応する前記第1ガイダンスを記憶する記憶部を更に有し、
前記出力部は、前記相違点に対応する前記第1ガイダンスを前記記憶部から取得し、取得した前記第1ガイダンスを出力する、
請求項1から4の何れか一項に記載の認証システム。
【請求項6】
前記検出部は、前記第1顔画像及び前記第2顔画像の表情の相違を検出し、
前記出力部は、
前記対象の表情が無表情でないことを検出した場合、前記対象に表情を無表情にすることを促す前記第1ガイダンスを出力する、
請求項1から5の何れか一項に記載の認証システム。
【請求項7】
前記検出部は、前記第1顔画像及び前記第2顔画像のマスクの装着有無を検出し、
前記出力部は、前記対象にマスクを外すことを促す前記第1ガイダンスを出力する、
請求項1から6の何れか一項に記載の認証システム。
【請求項8】
前記検出部は、前記第2顔画像における前記対象の両目の間隔に基づき、前記対象と前記撮影部との間の距離を検出し、
前記出力部は、
前記対象と前記撮影部との距離が適切でないことを検出した場合、前記距離に対応する前記第1ガイダンスを出力する、
請求項1から7の何れか一項に記載の認証システム。
【請求項9】
前記出力部は、
前記撮影部の撮影条件が、適切でないことを検出した場合、前記撮影部の撮影条件を、前記第1顔画像の示す条件に合わせるように前記対象に促すための条件合わせ指示を含む前記第1ガイダンスを出力する、
請求項1から8の何れか一項に記載の認証システム。
【請求項10】
前記検出部は、前記相違点として前記第1顔画像と前記第2顔画像の顔の位置の相違を検出し、
前記出力部は、
前記位置の相違が、前記対象が移動する必要があることを示している場合、前記対象が移動する方向を示す前記第1ガイダンスを出力する、
請求項1から9の何れか一項に記載の認証システム。
【請求項11】
前記顔認証部は、前記第1顔画像及び前記第2顔画像を用いて顔認証を行い、
前記第1顔画像及び前記第2顔画像を用いた顔認証の結果、顔認証に成功した場合、前記制御部は前記ゲートを開くように前記ゲートを制御し、顔認証に失敗した場合、前記出力部は前記対象に
、前記対象が係員に連絡することを促す第2ガイダンスを出力し、顔認証がエラーとなった場合、前記出力部は前記第1ガイダンスを出力し、かつ、前記撮影部は前記第3顔画像を撮影する、
請求項1から10の何れか一項に記載の認証システム。
【請求項12】
前記顔認証部による顔認証が所定回数以上エラーになった場合、前記出力部は前記対象に
、前記対象が係員に連絡することを促す第2ガイダンスを出力する、
請求項1から11の何れか一項に記載の認証システム。
【請求項13】
パスポートまたはパスポートのICチップから第1顔画像を取得する取得部と、
前記パスポートがパスポートリーダに置かれた後に、対象を撮影する撮影部と、
前記第1顔画像と前記撮影部が撮影した第2顔画像とを比較することによって、前記第1顔画像と前記第2顔画像との相違点を検出する検出部と、
前記第2顔画像に基づきガイダンスを出力する出力部と、
前記撮影部が撮影した顔画像と、前記第1顔画像と、を用いて顔認証を行う顔認証部と、
前記顔認証部の認証結果に応じてゲートの開閉を制御する制御部と、
を備え、
前記出力部は、
前記相違点に基づき、前記対象が装着物を装着している
ことを検出した場合に、前記装着物を外すことを促すための第1ガイダンスを出力し、前記対象と前記第1顔画像とが異なる人物の場合に、前記第1ガイダンスと異なる第2ガイダンスを出力し、
前記顔認証部は、前記第1ガイダンスの出力後は前記撮影部により第1ガイダンスの出力後に撮影された第3顔画像と前記第1顔画像とを用いて前記顔認証を行い、前記第2ガイダンスの出力後は前記顔認証を実行しない、認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定エリアへの入退場管理などの本人確認の方法の1つに顔認証がある。顔認証では、認証対象者の顔画像を撮影し、予め撮影されている顔画像と比較することで本人か否かの判定を行う。
ここで、顔認証の精度を向上させるための技術が幾つか提案されている。例えば、特許文献1に記載の顔照合装置は、被撮影者の顔画像を撮影する撮影手段と、撮影手段の前方の最も明るい光の方向を検出する光方向検出手段と、検出された前記光の方向に基づいて、前記被撮影者を前記光の方向に立つように案内する案内手段とを備える。特許文献1では、これにより、顔照合装置が屋外や外光が射しこむ場所に設置された場合であっても、被撮影者を適切な撮影位置に案内して適切な顔画像を撮影することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顔認証を適切に行えない要因として、光の方向以外にもいろいろな要因が考えられ、要因によって対応方法が異なる。ところが、顔認証を行う装置の外部からは、要因が何であるかを知ることができず、適切な対応を行えない可能性がある。特に、認証対象者が、対応方法を把握できずにストレスを感じ、また、認証を受けるまでに時間を要してしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決することのできる認証システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、対象の第1顔画像を取得する取得部と、前記取得部が前記第1顔画像を取得した後に、認証装置の前に立つ前記対象を撮影する撮影部と、前記第1顔画像と前記撮影部が撮影した第2顔画像とを比較することによって、前記第1顔画像と前記第2顔画像との相違点を検出する検出部と、前記相違点に基づき、前記対象が装着物を装着していることを検出した場合、前記対象への装着物を外すことを促すための第1ガイダンスを出力する出力部と、前記第1ガイダンスを出力した後に前記撮影部が撮影した第3顔画像と、前記第1顔画像と、を用いて顔認証を行う顔認証部と、前記顔認証部の認証結果に応じてゲートの開閉を制御する制御部と、を備える認証システムを提供する。
【0007】
本発明はまた、パスポートまたはパスポートのICチップから第1顔画像を取得する取得部と、前記パスポートがパスポートリーダに置かれた後に、対象を撮影する撮影部と、前記第1顔画像と前記撮影部が撮影した第2顔画像とを比較することによって、前記第1顔画像と前記第2顔画像との相違点を検出する検出部と、前記第2顔画像に基づきガイダンスを出力する出力部と、前記撮影部が撮影した顔画像と、前記第1顔画像と、を用いて顔認証を行う顔認証部と、前記顔認証部の認証結果に応じてゲートの開閉を制御する制御部と、を備え、前記出力部は、前記相違点に基づき、前記対象が装着物を装着していることを検出した場合に、前記装着物を外すことを促すための第1ガイダンスを出力し、前記対象と前記第1顔画像とが異なる人物の場合に、前記第1ガイダンスと異なる第2ガイダンスを出力し、前記顔認証部は、前記第1ガイダンスの出力後は前記撮影部により第1ガイダンスの出力後に撮影された第3顔画像と前記第1顔画像とを用いて前記顔認証を行い、前記第2ガイダンスの出力後は前記顔認証を実行しない、認証システムも提供する。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、顔認証を行う装置が顔認証を適切に行えない場合に、認証対象者が対応方法を把握できる可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態における顔認証装置の機能構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】同実施形態の顔認証装置が顔認証を実行中の状態における表示部の表示画面画像の例を示す説明図である。
【
図3】同実施形態の顔認証装置の顔認証がエラーになった場合の表示部の表示画面画像の例を示す説明図である。
【
図4】同実施形態の対応関係情報記憶部が記憶する対応関係情報の例を示す説明図である。
【
図5】同実施形態において、被撮影者と撮影部との距離が遠い場合に、撮影部が撮影する画像の例を示す説明図である。
【
図6】同実施形態において、被撮影者の位置が横方向にずれている場合に、撮影部が撮影する画像の例を示す説明図である。
【
図7】同実施形態の顔認証装置が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明に係るガイダンス取得装置の最小構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態における顔認証装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、顔認証装置100は、データ取得部110と、撮影部120と、出力部130と、記憶部170と、制御部180とを備える。
出力部130は、表示部131と、音声出力部132とを備える。
記憶部170は、対応関係情報記憶部171を備える。
制御部180は、相違点検出部181と、ガイダンス取得部182と、顔認証部183と、出力制御部184とを備える。
【0011】
顔認証装置100は、顔認証にて本人確認を行う装置である。以下では、顔認証装置100が空港等での入国審査の際の本人確認を行う場合を例に説明する。
但し、顔認証装置100の適用場面は入国審査に限らない。例えば、顔認証装置100が、特定の施設への入退場権限の有無を顔認証にて確認する装置であってもよい。この場合、顔認証装置100が、認証対象者の有する身分証(例えばIDカード)から顔画像データを読み出して撮像画像と比較することで顔認証を行うようにしてもよい。あるいは、顔認証装置100が、入退場権限者の顔画像データを予め記憶しておくようにしてもよい。
【0012】
また、顔認証装置100は、ガイダンス取得装置の例に該当し、顔認証がエラーとなった場合にガイダンスを出力する。ここでいう顔認証のエラーは、顔認証の結果を得られないこと、すなわち、認証対象者が顔認証データに示される人物と同一人物か否かを顔認証装置100が判定できないことである。また、顔認証装置100が出力するガイダンスは、顔認証のエラーに対する認証対象者の対応方法を示す情報である。
顔認証装置100は、例えば、カメラ等を備えたコンピュータがプログラムを実行することで実現される。あるいは、顔認証装置100が、専用のハードウェアを用いて構成されていてもよい。
【0013】
データ取得部110は、顔画像データを取得する。具体的には、データ取得部110はパスポートリーダ装置を備え、パスポートに埋め込まれたIC(Integrated Circuit)チップから、当該ICチップに予め登録されている顔画像データを読み出す。
また、データ取得部110は、パスポートに埋め込まれたICチップから、顔画像データに加えて認証対象者(撮影部120による被撮影者(以下、単に被撮影者と称する))の国籍、性別及び年齢等の属性を示す属性データを取得する。ここでいう認証対象者の属性とは、認証対象者の生得的な性質(すなわち、生まれたときに決まっている性質)である。認証対象者の属性の例として、上述したように認証対象者の国籍、性別及び年齢を挙げられる。
【0014】
なお、データ取得部110がパスポート以外から顔画像データ及び属性データの少なくともいずれかを取得するようにしてもよい。
例えば、顔認証装置100が、特定の施設への入退場権限の有無を顔認証にて確認する装置である場合、データ取得部110が、認証対象者の有する身分証(例えばIDカード)から認証対象者の顔画像データ(認証対象者の顔画像を示す顔画像データ)及び認証対象者の属性データ(認証対象者の属性を示す属性データ)を読み出すようにしてもよい。
あるいは、記憶部170が予め(顔認証装置100が顔認証を行う前に)顔画像データ及び属性データを記憶しておき、データ取得部110が、記憶部170から認証対象者の顔画像データ及び認証対象者の属性データを読み出すようにしてもよい。
なお、データ取得部110が認証対象者の属性データを取得することは、必須の要件ではない。データ取得部110は、少なくとも顔画像データを取得すればよい。
【0015】
撮影部120は、カメラを備えて撮影を行う。特に、撮影部120は、認証対象者の顔画像を繰り返し撮影する。ここでいう繰り返し撮影は、顔画像を繰り返し得られる撮影であればよい。例えば、撮影部120が、動画像を撮影するようにしてもよいし、所定の時間毎(例えば1秒毎)に静止画像の撮影を繰り返すようにしてもよい。
【0016】
出力部130は、情報の出力を行う。特に、出力部130は、ガイダンスを出力する。
ここでいうガイダンスの出力は、ガイダンスを示す信号の出力であってもよい。あるいは、ここでいうガイダンスの出力は、ガイダンスの表示又はガイダンスの音声出力など、認証対象者がガイダンスを把握可能な態様でのガイダンスの提示であってもよい。
表示部131は、例えば液晶パネル又はLED(発光ダイオード)パネルなどの表示画面を有し、各種画像を表示する。特に、表示部131は、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像、及び、撮影部120が撮影した顔画像(撮影部120の撮影によって得られた顔画像)を表示する。また、表示部131は、ガイダンスを表示する。
表示部131によるガイダンスの表示は、ガイダンスの出力の例に該当する。
【0017】
図2は、顔認証装置100が顔認証を実行中の状態における表示部131の表示画面画像の例を示す説明図である。画像P11は、パスポートの顔画像(データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像)の例を示す。このパスポートの顔画像は、顔認証に用いられる画像である。表示部131がパスポートの顔画像を表示し、被撮影者(認証対象者)が、顔の表情や被撮影者自らの位置等をパスポートの顔画像撮影時の表情や位置等に合わせることで、顔認証がエラーとなる可能性を低減させることができる。
【0018】
また、画像P12は、撮影部120が撮影した画像を左右反転した画像の例を示す。表示部131が、撮影部120が撮影した最新の画像を左右反転した画像を表示することで、被撮影者は、被撮影者自らの位置が撮影部120の位置(撮影部120の撮影範囲)に対して横方向にずれている場合に、左右のどちらにずれているかを直感的に把握することができる。なお、画像P12は、撮影部120が撮影した最新の画像を左右反転させずにそのまま表示させても良い。
また、表示部131は、領域A11に「顔を撮影中です」とのメッセージを表示している。表示部131が当該メッセージを表示することで、被撮影者は、顔認証装置100が顔認証を実行中であることを把握し得る。
【0019】
図3は、顔認証装置100の顔認証がエラーになった場合の表示部131の表示画面画像の例を示す説明図である。画像P21は、パスポートの顔画像(データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像)の例を示す。また、画像P22は、撮影部120が撮影した画像のうち、顔認証装置100が顔認証に用いた画像の例を示す。画像P21、P22のいずれも、顔認証装置100が顔認証に用いた画像である。このように、表示部131が、顔認証に用いられた2つの画像を表示することで、認証対象者は、これら2つの画像を比較してエラーの原因を推定し得る。
【0020】
また、画像P23は、撮影部120が撮影した最新の画像を左右反転した画像の例を示す。表示部131が、パスポートの顔画像と、撮影部120が撮影した最新の画像とを表示し、認証対象者がこれら2つの画像の相違点を検出して相違を低減させる対応を行うことで、顔認証装置100が行う顔認証がエラーになる可能性を低減させることができる。
なお、画像P23は、撮影部120が撮影した最新の画像を左右反転させずにそのまま表示させても良い。
【0021】
また、表示部131は、領域A21に「近づいてください」とのメッセージを表示している。このメッセージは、ガイダンスの例に該当し、被撮影者が撮影部120のカメラに近づくという対応方法を示している。
また、表示部131は、矢印B21を表示している。この矢印B21もガイダンスの例に該当し、領域A21のメッセージと同じく、被撮影者が撮影部120のカメラに近づくという対応方法を示している。
【0022】
このように、表示部131が矢印等のアイコンの表示によってガイダンスを表示することで、使用言語が異なる色々な被撮影者がガイダンスを把握することができる。例えば、表示部131が、被撮影者の移動方向を矢印で表示することで、使用言語が異なる色々な被撮影者が移動方向を把握することができる。
【0023】
音声出力部132は、スピーカを備え、音を出力する。特に、音声出力部132は、ガイダンスを音声にて出力する。
なお、顔認証装置100がガイダンスを出力する方法は、ガイダンスの表示又は音声出力に限らない。例えば、出力部130が、顔認証装置100とは別の装置として構成され、顔認証装置100がガイダンスを示す信号を出力部130に出力(送信)するようにしてもよい。
【0024】
記憶部170は、顔認証装置100が備える記憶デバイスを用いて構成され、各種情報を記憶する。
対応関係情報記憶部171は、対応関係情報を記憶する。対応関係情報記憶部171が記憶する対応関係情報は、パスポートの顔画像(データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像)と撮影部120が撮影した顔画像との相違点と、当該相違点に関する被撮影者へのガイダンスとの対応関係を示す情報である。
【0025】
図4は、対応関係情報記憶部171が記憶する対応関係情報の例を示す説明図である。
同図に示す対応関係情報記憶部171は、表形式のデータ構造を有し、各行に相違点欄と対応方法欄とを含む。
相違点欄は、パスポートの顔画像と撮影部120が撮影した顔画像との相違点を示す情報を格納する欄である。また、対応方法欄は、相違点欄にて示される相違点に対する被撮影者(認証対象者)の対応方法を示す情報を格納する欄である。対応方法欄に格納される情報は、被撮影者へのガイダンスの例に該当する。
このように、対応関係情報では、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と撮影部120が撮影した顔画像との相違点と、当該相違点に関する被撮影者へのガイダンスとが行毎に対応付けられている。
【0026】
例えば、パスポートの顔画像と撮影部120が撮影した顔画像とで顔の表情が相違している場合、被撮影者の対応方法として、無表情にするなどパスポートの顔画像と同じ表情にすることが考えられる。そこで、
図4の対応関係情報は、相違点が「表情」である場合の対応方法として、「無表情にしてください」との対応方法を示している。
【0027】
また、
図4の対応関係情報は、パスポートの顔画像と撮影部120が撮影した顔画像との相違点を直ちに解消することが困難な場合の対応方法として、「係員にお知らせください」との対応方法を示している。
例えば、パスポートの顔画像ではヒゲが無いが、撮影部120が撮影した顔画像ではヒゲが生えている場合、その場でヒゲを剃るといった対応は困難と考えられる。そこで、
図4の対応関係情報は、相違点が「ヒゲ」である場合の対応方法として、「係員にお知らせください」との対応方法を示している。顔認証装置100がこの対応方法を出力(例えば表示)することで、認証対象者は、係員に連絡して対処方法を尋ねるという対応方法に気付くことができる。
【0028】
なお、対応関係情報記憶部171が記憶する対応関係情報は、被撮影者へのガイダンスとして被撮影者の対応方法を示す情報を格納するものに限らない。例えば、対応関係情報記憶部171が、被撮影者へのガイダンスとして、パスポートの顔画像と撮影部120が撮影した顔画像との相違点を示す情報を格納した対応関係情報を記憶するようにしてもよい。この場合、パスポートの顔画像と撮影部120が撮影した顔画像との相違点を示す情報がガイダンスの例に該当する。
例えば、表示部131が、パスポートの顔画像と、「顔の表情が違います」とのガイダンスとを表示するようにしてもよい。この場合、被撮影者は、パスポートの顔画像を見て、当該顔画像の場合と同様の表情をするといった対応方法を把握し実行することができる。
【0029】
制御部180は、顔認証装置100の各部を制御して各種処理を行う。制御部180は、例えば顔認証装置100が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、記憶部170からプログラムを読み出して実行することで実現される。
相違点検出部181は、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像、及び、撮影部120が撮影した顔画像の少なくともいずれかに基づいて、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影した顔画像との相違点又は相違点の候補を検出する。
【0030】
特に、相違点検出部181が、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像に基づいて、上記相違点の候補を検出するようにしてもよい。例えば、データ取得部110が取得したパスポートの顔画像がメガネ(眼鏡)を着用した顔画像である場合、相違点検出部181が、メガネ着用の有無を相違点の候補として検出するようにしてもよい。
相違点検出部181が当該候補を検出した場合、例えば表示部131がパスポートの顔画像をメガネを強調して表示することで、被撮影者は、メガネを着用すべきことに気付き得る。メガネを着用していなかった被撮影者がメガネを着用することで、顔認証装置100が行う顔認証がエラーになる可能性を低減させることができる。
また、この場合、相違点検出部181は、撮影部120が被撮影者の顔を撮影していない状態でも、相違点の候補を検出することができる。従って、表示部131は、例えば被撮影者が撮影部120の撮影範囲内に立つ前など早い段階で、メガネ着用の示唆を表示することができる。
【0031】
あるいは、相違点検出部181が、撮影部120が撮影した顔画像に基づいて、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影した顔画像との相違点又は相違点の候補を検出するようにしてもよい。例えば、撮影部120が撮影した顔画像がマスクを着用した顔画像である場合、相違点検出部181が、マスク着用の有無を相違点の候補として検出するようにしてもよい。相違点検出部181が当該候補を検出した場合、例えば表示部131が「マスクを外してください」といったメッセージを表示することで、被撮影者は、マスクを外すべきことに気付き得る。被撮影者がマスクを外すことで、顔認証装置100が行う顔認証がエラーになる可能性を低減させることができる。
また、この場合、相違点検出部181は、データ取得部110が顔画像のデータを取得していない状態でも、相違点の候補を検出することができる。従って、表示部131は、例えば被撮影者がパスポートリーダ装置にパスポートを置く前など早い段階で、マスクを外す示唆を表示することができる。
なお、相違点検出部181が、撮影部120が撮影した顔画像が横向きであることを検出するなど、マスク着用の有無以外の相違点の候補を検出するようにしてもよい。
【0032】
あるいは、相違点検出部181が、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影した顔画像との相違点を検出するようにしてもよい。特に、相違点検出部181は、顔認証部183が行う顔認証がエラーになった場合、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影した顔画像との相違点であって、顔認証エラーの原因となった相違点を検出する。相違点検出部181が検出する相違点について、
図5及び
図6を参照して説明する。
【0033】
図5は、被撮影者と撮影部120との距離が遠い場合に、撮影部120が撮影する画像の例を示す説明図である。同図は、表示部131の表示画面画像(表示部131が表示画面に表示する画像)の例を示している。画像P31は、パスポートの顔画像(データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像)の例を示す。また、画像P32は、撮影部120が撮影した画像を左右反転した画像の例を示す。
図5の例では、撮影部120は、被撮影者の顔画像(画像P33)を含む被撮影者の画像を撮影している。
【0034】
例えば、相違点検出部181は、撮影部120が撮影した画像における目の位置を検出し、また、撮影部120が撮影した画像のうち顔部分を抽出する。
そして、相違点検出部181は、左目と右目との間隔の大きさ(矢印B31の長さ)が間隔閾値より小さいか否か、及び、顔部分の大きさが顔部分閾値より小さいか否かを判定する。ここで、間隔閾値、顔部分閾値は、いずれも、被撮影者と撮影部120との距離が遠いか否かの判定閾値として設定された所定の閾値(例えば定数)である。なお、ここでの顔部分の大きさは、顔部分の画像の面積、顔部分の画像の縦の長さ、顔部分の画像の横幅のいずれか、又はこれらの組み合わせであってもよい。
左目と右目との間隔の大きさが間隔閾値より小さい、顔部分の大きさが顔部分閾値より小さいという2つの条件のうちいずれか1つ以上が成立すると判定した場合、相違点検出部181は、被撮影者と撮影部120との距離が遠いと判定(検出)する。
【0035】
なお、被撮影者と撮影部120との距離が遠いという相違点は、
図4の例における「距離(遠い)」という相違点に相当する。
なお、相違点検出部181が、被撮影者と撮影部120との距離が遠いという相違点を検出する方法は、上記の方法に限らない。例えば、相違点検出部181が、左目と右目との間隔の大きさ、及び、顔部分の大きさのうちいずれか一方のみに基づいて、被撮影者と撮影部120との距離が遠いという相違点を検出するようにしてもよい。
【0036】
図6は、被撮影者の位置が横方向にずれている場合に、撮影部120が撮影する画像の例を示す説明図である。同図は、表示部131の表示画面画像の例を示している。画像P41は、パスポートの顔画像(データ取得部110が取得した顔画像)の例を示す。また、画像P42は、撮影部120が撮影した画像を左右反転した画像の例を示す。
図6の例では、撮影部120は、被撮影者の顔画像(画像P43)を含む被撮影者の画像を撮影している。また、x軸は、画像P42における横方向の座標軸である。y軸は、画像P42における縦方向の座標軸である。
【0037】
例えば、相違点検出部181は、撮影部120が撮影した画像における目の位置を検出し、また、撮影部120が撮影した画像のうち顔部分を抽出する。
そして、相違点検出部181は、左目のx座標が左目座標右ずれ閾値より大きいか否か、右目のx座標が右目座標右ずれ閾値より大きいか否か、及び、顔部分のx座標(例えば、顔部分として抽出した領域の左端のx座標と右端のx座標との平均値)が顔部分座標右ずれ閾値より大きいか否かを判定する。
ここで、左目座標右ずれ閾値、右目座標右ずれ閾値、顔部分座標右ずれ閾値は、いずれも、被撮影者の位置が被撮影者から見て撮影部120に対して右にずれているか否かの判定閾値として設定された所定の閾値(例えば定数)である。
【0038】
左目のx座標が左目座標右ずれ閾値より大きい、右目のx座標が右目座標右ずれ閾値より大きい、顔部分のx座標が顔部分座標右ずれ閾値より大きいという3つの条件のうちいずれか1つ以上が成立すると判定した場合、相違点検出部181は、被撮影者の位置が被撮影者から見て撮影部120に対して右にずれていると判定(検出)する。
【0039】
同様に、左目のx座標が左目座標左ずれ閾値より小さい、右目のx座標が右目座標左ずれ閾値より小さい、顔部分のx座標が顔部分座標左ずれ閾値より小さいという3つの条件のうちいずれか1つ以上が成立すると判定した場合、相違点検出部181は、被撮影者の位置が被撮影者から見て撮影部120に対して左にずれていると判定(検出)する。
ここで、左目座標左ずれ閾値、右目座標左ずれ閾値、顔部分座標左ずれ閾値は、いずれも、被撮影者の位置が被撮影者から見て撮影部120に対して左にずれているか否かの判定閾値として設定された所定の閾値(例えば定数)である。
【0040】
なお、被撮影者の位置が被撮影者から見て撮影部120に対して右にずれているという相違点は、
図4の例における「位置ずれ(左右)」のうち、位置ずれ(右)に相当する。
この場合、出力部130は、「左に移動してください」との対応方法を出力(例えば、表示)する。
また、被撮影者の位置が被撮影者から見て撮影部120に対して左にずれているという相違点は、
図4の例における「位置ずれ(左右)」のうち、位置ずれ(左)に相当する。
この場合、出力部130は、「右に移動してください」との対応方法を出力(例えば、表示)する。
【0041】
なお、相違点検出部181が、被撮影者の位置が横方向にずれているという相違点を検出する方法は、上記の方法に限らない。
例えば、相違点検出部181が、左目のx座標、右目のx座標、及び、顔部分のx座標に代えて、あるいはこれらのうち1つ以上に加えて、左耳のx座標、右耳のx座標、鼻のx座標、口のx座標のうち1つ以上に基づいて、被撮影者の位置が横方向にずれている(左にずれている、又は、右にずれている)という相違点を検出するようにしてもよい。
なお、相違点検出部181が、顔の部分のx座標として、当該部分の中央のx座標を用いるようにしてもよいし、当該部分の左端のx座標を用いるようにしてもよいし、当該部分の右端のx座標を用いるようにしてもよい。
【0042】
ガイダンス取得部182は、相違点検出部181が検出した相違点又は相違点の候補に基づいてガイダンスを取得する。
例えば、上記のように相違点検出部181が、パスポートの顔画像がメガネを着用した顔画像であることを検出した場合、ガイダンス取得部182が、パスポートの顔画像をメガネを強調して表示するという処理を示す情報を取得するようにしてもよい。相違点検出部181が当該情報を取得するために、相違点検出部181または記憶部170が、パスポートの顔画像がメガネを着用した顔画像であるという相違点の候補(メガネの着用の有無という相違点の候補)と、パスポートの顔画像をメガネを強調して表示するという処理とを対応付けた情報を予め記憶しておく。
なお、パスポートの顔画像をメガネを強調して表示することは、被撮影者にメガネを着用することを示唆するガイダンスの例に該当する。
【0043】
あるいは、上記のように相違点検出部181が、撮影部120が撮影した顔画像がマスクを着用した顔画像であることを検出した場合、ガイダンス取得部182が、「マスクを外してください」というメッセージを取得するようにしてもよい。相違点検出部181が当該メッセージを取得するために、相違点検出部181または記憶部170が、撮影部120が撮影した顔画像がマスクを着用した顔画像であるという相違点の候補(メガネの着用の有無という相違点の候補)と、「マスクを外してください」というメッセージとを対応付けた情報を予め記憶しておく。
なお、「マスクを外してください」というメッセージは、被撮影者にマスクを外すことを示唆するガイダンスの例に該当する。
【0044】
あるいは、上記のように相違点検出部181が、撮影部120が撮影した顔画像が横向きの顔画像であることを検出した場合、ガイダンス取得部182が、「正面を向いてください」というメッセージを取得するようにしてもよい。あるいはこの場合、ガイダンス取得部182が、被撮影者にカメラの位置を示すといった処理を示す情報を取得するようにしてもよい。
【0045】
あるいは、ガイダンス取得部182は、相違点検出部181が検出した相違点に対応関係情報にて対応付けられているガイダンスを取得する。
例えば、対応関係情報記憶部171は、パスポートの画像と撮影部120が撮影する画像との相違点と、ガイダンスとしてのメッセージとを対応付けた対応関係情報を記憶しておく。そして、ガイダンス取得部182は、対応関係情報からガイダンスとしてのメッセージを読み出すことでガイダンスを取得する。
【0046】
あるいは、ガイダンス取得部182が、対応関係情報からガイダンスを読み出す以外の方法でガイダンスを取得するようにしてもよい。例えば、ガイダンス取得部182が、対応関係情報からメッセージを読み出し、当該メッセージを認証対象者の使用言語に翻訳することでガイダンスを取得するようにしてもよい。
さらに例えば、データ取得部110は、認証対象者の国籍を示す属性データをパスポートから読出し、読み出した国籍に応じた言語にメッセージを翻訳することで、当該国籍に応じた言語のガイダンスを取得するようにしてもよい。このように、ガイダンス取得部182が、データ取得部110が取得した属性データが示す属性に応じたガイダンスを取得するようにしてもよい。
【0047】
なお、対応関係情報記憶部171が、ガイダンスとしてのメッセージを複数の言語それぞれに対する対応関係情報を記憶しておき、ガイダンス取得部182が、データ取得部110が読み出した国籍に応じた言語のメッセージを対応関係情報から読み出すようにしてもよい。
【0048】
顔認証部183は、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影した顔画像とを用いて顔認証を行う。当該顔認証により、顔認証部183は、認証対象者の本人確認を行う。すなわち、顔認証部183は、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像の人物と、撮影部120が撮影した顔画像が示す人物とが同一人物か否かを判定する。
なお、顔認証部183が顔認証装置100の一部として構成されていてもよいし、顔認証装置100とは別の装置として構成されていてもよい。
出力制御部184は、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスを出力部130が出力するよう出力部130を制御する。
【0049】
なお、上記の例のように、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像がメガネを着用した画像である場合、出力制御部184が、被撮影者がメガネを着用するよう促すメガネ着用指示を出力部130が出力するよう出力部130を制御するようにしてもよい。被撮影者がメガネ着用指示に従ってメガネを着用することで、顔認証部183が行う顔認証がエラーになる可能性を低減させることができる。
【0050】
また、出力制御部184は、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像を表示部131に表示させる。さらに、出力制御部184は、撮影部120が顔画像を撮影する条件を、表示部131が表示する顔画像の示す条件に合せるよう被撮影者に促す条件合わせ指示を、出力部130が出力するよう出力部130を制御するようにしてもよい。
例えば、上記のメガネ着用指示の例において、出力制御部184が、パスポートの顔画像(データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像)を表示部131に表示させるようにしてもよい。
表示部131がパスポートの顔画像を表示することで、被撮影者は、当該顔画像を参照して条件合わせ指示の内容を確認することができる。
【0051】
また、出力制御部184が、相違点検出部181が検出した相違点を示す相違点情報を出力部130が出力するよう出力部130を制御するようにしてもよい。例えば、上述したように、表示部131が、「顔の表情が違います」とのガイダンスを表示するように、出力制御部184が表示部131を制御するようにしてもよい。
これにより、被撮影者は、パスポートの顔画像と、撮影部120が撮影した顔画像の相違点を把握することができる。被撮影者が、当該相違点を把握することで、相違点に対する対応方法(例えば、相違を低減させる対応方法)を把握できる可能性を高めることができる。
【0052】
また、出力制御部184は、パスポートの顔画像(データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像)と、撮影部120が撮影した顔画像とで異なる部分を、パスポートの顔画像、及び、撮影部120が撮影した顔画像のいずれか、又は両方に示す相違点情報を、表示部131に表示させるようにしてもよい。
例えば、パスポートの顔画像がメガネを着用しておらず、撮影部120が撮影した顔画像がメガネを着用している場合、表示部131が出力制御部184の制御に従って、パスポートの顔画像に破線でメガネを表示する、あるいは、撮影部120が撮影した顔画像のメガネを破線で囲う等の強調表示を行うようにしてもよい。
これにより、被撮影者は、パスポートの顔画像と撮影部120が撮影した顔画像との相違点をより確実に把握することができ、相違点に対する対応方法(例えば、相違を低減させる対応方法)を把握できる可能性を高めることができる。
【0053】
また、出力制御部184が、パスポートの顔画像(データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像)と、撮影部120が撮影した最新の顔画像と、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスの表示とを含む画像を表示部131に表示させるようにしてもよい。
図3の画像P21が、パスポートの顔画像の例に該当する。また、
図3の画像P23が、撮影部120が撮影した最新の顔画像の例に該当する。また、
図3の領域A21におけるメッセージの表示が、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスの表示の例に該当する。
【0054】
また、出力制御部184が、撮影部120が撮影し顔認証部183が顔認証に用いてエラーになった顔画像と、撮影部120が撮影した最新の顔画像と、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスの表示とを含む画像を表示部131に表示させるようにしてもよい。
図3の画像P22が、撮影部120が撮影し顔認証部183が顔認証に用いてエラーになった顔画像の例に該当する。また、
図3の画像P23が、撮影部120が撮影した最新の顔画像の例に該当する。また、
図3の領域A21におけるメッセージの表示が、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスの表示の例に該当する。
これにより、被撮影者は、撮影部120が撮影し顔認証部183が顔認証に用いてエラーになった顔画像におけるエラー原因が、撮影部120が撮影した最新の顔画像で解消されているか否かを確認することができる。
【0055】
また、出力制御部184が、パスポートの顔画像(データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像)と、撮影部120が撮影し顔認証部183が顔認証に用いてエラーになった顔画像と、撮影部120が撮影した最新の顔画像と、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスの表示とを含む画像を表示部131に表示させるようにしてもよい。
図3の画像P21が、パスポートの顔画像の例に該当する。また、
図3の画像P22が、撮影部120が撮影し顔認証部183が顔認証に用いてエラーになった顔画像の例に該当する。また、
図3の画像P23が、撮影部120が撮影した最新の顔画像の例に該当する。また、
図3の領域A21におけるメッセージの表示が、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスの表示の例に該当する。
【0056】
また、出力制御部184が、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスを文字情報にて表示部131に表示させるようにしてもよい。これにより、被撮影者は、文字情報によるガイダンスの表示を読んで、ガイダンスを把握することができる。
図3の領域A21におけるメッセージの表示が、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスの文字情報での表示の例に該当する。
【0057】
また、出力制御部184が、被撮影者へのガイダンスをアイコンで表示部131に表示させるようにしてもよい。
図3の矢印B21の表示が、被撮影者へのガイダンスのアイコン表示の例に該当する。
【0058】
また、対応関係情報記憶部171が、パスポートの顔画像(データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像)と撮影部120が撮影した顔画像とにおける顔の位置の相違と、当該顔の位置の相違を低減させるために被撮影者が顔を移動させる方向を示すガイダンスとが対応付けられた対応関係情報を記憶しておくようにしてもよい。そして、相違点検出部181が、パスポートの顔画像と撮影部120が撮影した顔画像とにおける顔の位置の相違を検出した場合、出力制御部184が、被撮影者が移動する(特に、顔を移動させる)方向を矢印で示すガイダンスを表示部131に表示させるようにしてもよい。
図3の矢印B21の表示が、被撮影者が顔を移動させる方向を矢印で示すガイダンスの表示の例に該当する。
【0059】
また、出力制御部184が、ガイダンスを少なくとも音声にて音声出力部132に出力させるようにしてもよい。
これにより、被撮影者は、表示部131の表示画面を見ていない場合や、視覚障害等により、表示部131の表示画面を見ることができない場合でも、ガイダンスを把握することができる。
【0060】
また、出力制御部184が、出力部130がガイダンスを出力することを示すアラームを当該出力部130に出力させるようにしてもよい。例えば、出力制御部184が、表示部131にガイダンスを表示させ、「ガイダンスを確認してください」とのメッセージを音声出力部132に音声出力させるようにしてもよい。これにより、被撮影者がガイダンスを把握し損なう可能性(例えば、ガイダンスの表示を見落とす可能性)を低減させることができる。
【0061】
次に、
図7を参照して、顔認証装置100の動作について説明する。
図7は、顔認証装置100が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。顔認証装置100は、例えば、データ取得部110のパスポートリーダ装置にパスポートが置かれると、同図の処理を開始する。
図7の処理にて、データ取得部110は、パスポートに埋め込まれたICチップからデータを読み出す(ステップS101)。特に、データ取得部110は、当該ICチップから、予め登録されている顔画像(パスポートの顔画像)の画像データを読み出す。
【0062】
また、撮影部120は、カメラで認証対象者(被撮影者)を撮影して顔画像を取得する(ステップS102)。
そして、顔認証部183は、データ取得部110が取得した画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影した顔画像とを用いて顔認証を行う(ステップS103)。
そして、顔認証部183は、顔認証の結果を得られたか、あるいは顔認証がエラーになったかを判定する(ステップS104)。
【0063】
顔認証の結果を得られたと判定した場合(ステップS104:YES)、顔認証装置100は、認証結果に基づく処理を行う(ステップS111)。
例えば、認証に成功した場合(すなわち、認証対象者がパスポートに記載の人物と同一であると判定した場合)、顔認証装置100は、入国可能であることを示すメッセージを表示する。また、顔認証装置100は、ゲートの扉(ドア)を開かせることで、認証対象者がゲートを通過できるようにする。一方、認証に失敗した場合(すなわち、認証対象者がパスポートに記載の人物と異なると判定した場合)、顔認証装置100は、認証対象者が係員に連絡するよう促すメッセージを表示する。
ステップS111の後、
図7の処理を終了する。
【0064】
一方、顔認証がエラーになったと判定した場合(ステップS104:NO)、相違点検出部181は、ステップS101でパスポートから得られた顔画像と、ステップS102で撮影部120が撮影した顔画像との相違点を検出する(ステップS121)。
そして、ガイダンス取得部182が、ステップS121で得られた相違点に対する対応方法を示すガイダンスを取得する(ステップS122)。例えば、上述したように、対応関係情報記憶部171が、顔画像の相違点と、当該相違点に対する対応方法を示すガイダンスとが対応付けられた対応関係情報を記憶しておく。そして、ガイダンス取得部182は、ステップS121で得られた相違点と対応付けられているガイダンスを対応関係情報から読み出す。
そして、出力部130は、ステップS122で得られたガイダンスを出力制御部184の制御に従って出力する(ステップS123)。
ステップS123の後、ステップS102へ戻る。
【0065】
なお、顔認証が所定回数以上エラーになった場合に、顔認証装置100が、例えば、認証対象者が係員に連絡するよう促すメッセージを表示するなど、所定の処理を行うようにしてもよい。
具体的には、顔認証部183が、ステップS104で顔認証がエラーになったと判定した回数をカウントし、当該回数が所定の回数以上になったか否かを判定する。ステップS104で顔認証がエラーになったと判定した回数が所定の回数以上になったと判定した場合、例えば、出力制御部184が、表示部131に、認証対象者が係員に連絡するよう促すメッセージを表示させる。
これにより、顔認証装置100は、顔認証のエラーの解消が困難な場合に対応することができる。
【0066】
以上のように、データ取得部110は、顔画像データを取得する。また、撮影部120は、認証対象者の顔画像を撮影する。また、対応関係情報記憶部171は、データ取得部110が取得する顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影する顔画像との相違点と、当該相違点に関する被撮影者へのガイダンスとの対応関係を示す対応関係情報を予め記憶しておく。
そして、相違点検出部181は、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影した顔画像との相違点を検出する。そして、ガイダンス取得部182は、相違点検出部181が検出した相違点に対応関係情報にて対応付けられているガイダンスを取得する。そして、出力制御部184は、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスを出力部130が出力するよう出力部130を制御する。
これにより、顔認証装置100が顔認証を適切に行えない場合に、認証対象者が対応方法を把握できる可能性を高めることができる。
【0067】
以下、上述した様々な例について、まとめて示す。
データ取得部110は、パスポートから顔画像データを取得する。
これにより、顔認証装置100の処理専用に顔画像データを用意する必要がなく、この点で、顔認証装置100の管理者の負担が小さくて済む。
また、記憶部170が顔画像データを予め記憶しておく必要がない。この点で、記憶部170の記憶容量が小さくて済み、顔認証装置100の製造コストが安くて済む。
【0068】
また、データ取得部110は、被撮影者の属性を示す属性データをパスポートから取得する。そして、ガイダンス取得部182は、データ取得部110が取得した属性データが示す属性に応じたガイダンスを取得する。
これにより、顔認証装置100は、被撮影者の属性に応じて適切なガイダンスを出力し得る。
【0069】
例えば、データ取得部110は、被撮影者の国籍を示す属性データをパスポートから取得する。そして、ガイダンス取得部182は、属性データが示す国籍に応じた言語のガイダンスを取得する。
これにより、顔認証装置100は、被撮影者が理解可能な言語でガイダンスを出力することができる。
【0070】
また、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像がメガネを着用した画像である場合、出力制御部184が、被撮影者がメガネを着用するよう促すメガネ着用指示を出力部130が出力するよう出力部130を制御する。
被撮影者がメガネ着用指示に従ってメガネを着用することで、データ取得部110が取得した顔画像データ示す顔画像と、撮影部120が撮影する顔画像との相違を低減させ、顔認証部183が行う認証がエラーとなる可能性を低減させることができる。
【0071】
なお、顔認証部183が顔認証を行う前に、出力制御部184が、被撮影者がメガネを着用するよう促すメガネ着用指示を出力部130に出力させるようにしてもよい。
あるいは、顔認証部183が顔認証を行い、当該顔認証がエラーになった場合に、出力制御部184が、被撮影者がメガネを着用するよう促すメガネ着用指示を出力部130に出力させるようにしてもよい。この場合のメガネ着用指示は、ガイダンスの例に該当する。
【0072】
また、出力制御部184は、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像を出力部130に表示させる。さらに、出力制御部184は、撮影部120が顔画像を撮影する条件を、表示部131が表示する顔画像の示す条件に合わせるよう被撮影者に促す条件合わせ指示を、出力部130が出力するよう出力部130を制御する。
被撮影者が、当該条件合わせ指示に従って、撮影部120が顔画像を撮影する条件を、表示部131が表示する顔画像の示す条件に合せる対応を行うことで、顔認証部183が行う顔認証がエラーになる可能性を低減させることができる。
【0073】
また、出力制御部184は、相違点検出部181が検出した相違点を示す相違点情報を出力部130が出力するよう出力部130を制御する。
これにより、被撮影者は、当該相違点情報を参照して、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影した顔画像の相違点を把握することができる。被撮影者は、当該相違点を把握することで、相違点に対する対応方法(例えば、相違を低減させる対応方法)を把握できる可能性を高めることができる。
【0074】
また、出力制御部184は、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と撮影部120が撮影した顔画像とで異なる部分を、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像、及び、撮影部120が撮影した顔画像のいずれか、又は両方に示す相違点情報を表示部131に表示させるようにしてもよい。例えば、パスポートの顔画像(データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像)がメガネを着用しておらず、撮影部120が撮影した顔画像がメガネを着用している場合、パスポートの顔画像に破線でメガネを表示する、あるいは、撮影部120が撮影した顔画像のメガネを破線で囲う等の強調表示を行うようにしてもよい。
これにより、被撮影者は、パスポートの顔画像と撮影部120が撮影した顔画像との相違点をより確実に把握することができる。被撮影者が、当該相違点を把握することで、相違点に対する対応方法(例えば、相違を低減させる対応方法)を把握できる可能性を高めることができる。
【0075】
また、相違点検出部181が、顔認証部183が行う顔認証がエラーになった場合、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影した顔画像との相違点であって、顔認証エラーの原因となった相違点を推定(検出)するようにしてもよい。
出力制御部184が、当該相違点に応じた対応方法を出力部130が出力するよう当該出力部を制御することで、被撮影者は、顔認証エラーの原因に対応した対応方法(例えば、顔認証エラーの原因となった相違を低減させる対応方法)と把握することができる。
【0076】
また、出力制御部184が、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影した最新の顔画像と、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスの表示とを含む画像を表示部131に表示させる。
表示部131がガイダンスを表示することで、被撮影者は、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影する顔画像との相違点に対する対応方法を把握することができる。また、表示部131が、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影した最新の顔画像とを表示することでも、被撮影者は、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影する顔画像との相違点を把握することができ、当該相違点に対する対応方法を把握できる可能性を高めることができる。
【0077】
また、出力制御部184は、撮影部120が撮影し前記顔認証部が顔認証に用いてエラーになった顔画像と、撮影部120が撮影した最新の顔画像と、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスの表示とを含む画像を表示部131に表示させる。
これにより、被撮影者は、撮影部120が撮影し顔認証部183が顔認証に用いてエラーになった顔画像におけるエラー原因が、撮影部120が撮影した最新の顔画像で解消されているか否かを確認することができる。
【0078】
また、出力制御部184は、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影し顔認証部183が顔認証に用いてエラーになった顔画像と、撮影部120が撮影した最新の顔画像と、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスの表示とを含む画像を前記出力部に表示させる。
表示部131が、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部120が撮影し顔認証部183が顔認証に用いてエラーになった顔画像とを表示することで、被撮影者は、これら2つの顔画像の相違点を確認することができる。被撮影者が、当該相違点を確認することで、表示部131が表示するガイダンスを正確に把握できると期待される。
【0079】
また、出力制御部184は、ガイダンス取得部182が取得したガイダンスを文字情報にて表示部131に表示させる。
これにより、被撮影者は、文字情報によるガイダンスの表示を読んで、ガイダンスを把握することができる。
【0080】
また、出力制御部184は、被撮影者へのガイダンスをアイコンで表示部131に表示させる。
このように、表示部131が矢印等のアイコンの表示によってガイダンスを表示することで、使用言語が異なる色々な被撮影者がガイダンスを把握することができる。
【0081】
また、対応関係情報記憶部171は、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と撮影部120が撮影した顔画像とにおける顔の位置の相違と、当該顔の位置の相違を低減させるために被撮影者が顔を移動させる方向を示すガイダンスとが対応付けられた対応関係情報を記憶する。そして、出力制御部184は、相違点検出部181が、データ取得部110が取得した顔画像データが示す顔画像と前記撮影部が撮影した顔画像とにおける顔の位置の相違を検出した場合、当該方向を矢印で示すガイダンスを表示部131に表示させる。
これにより、使用言語が異なる色々な被撮影者が移動方向を把握することができる。
【0082】
また、出力制御部184は、ガイダンスを少なくとも音声にて音声出力部132に出力させる。
これにより、被撮影者は、表示部131の表示画面を見ていない場合や、視覚障害等により、表示部131の表示画面を見ることができない場合でも、ガイダンスを把握することができる。
【0083】
また、出力制御部184は、出力部130がガイダンスを出力することを示すアラームを当該出力部130に出力させる。
これにより、被撮影者がガイダンスを把握し損なう可能性を低減させることができる。
【0084】
次に、
図8を参照して本発明の最小構成について説明する。
図8は、本発明に係るガイダンス取得装置の最小構成を示す概略ブロック図である。同図に示すガイダンス取得装置10は、データ取得部11と、撮影部12と、対応関係情報記憶部13と、相違点検出部14と、ガイダンス取得部15と、出力制御部16とを備える。
【0085】
かかる構成にて、データ取得部11は、顔画像データを取得する。また、撮影部12は、顔画像を撮影する。また、対応関係情報記憶部13は、データ取得部11が取得する顔画像データが示す顔画像と撮影部12が撮影する顔画像との相違点と、当該相違点に関する被撮影者へのガイダンスとの対応関係を示す対応関係情報を予め記憶する。そして、相違点検出部14は、データ取得部11が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部12が撮影した顔画像との相違点を検出する。そして、ガイダンス取得部15は、相違点検出部14が検出した相違点に対応関係情報にて対応付けられているガイダンスを取得する。そして、出力制御部16は、ガイダンス取得部15が取得したガイダンスを出力部が出力するよう出力部を制御する。
これにより、データ取得部11が取得した顔画像データが示す顔画像と、撮影部12が撮影した顔画像とを用いて顔認証を行う装置が、顔認証を適切に行えない場合に、認証対象者が対応方法を把握できる可能性を高めることができる。
【0086】
なお、上述した実施形態における制御部180、相違点検出部14、ガイダンス取得部15及び出力制御部16の全部又は一部の機能を、CPUがプログラムを読み出して実行することで実現することができる。
その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0087】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0088】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0089】
(付記1)顔画像データを取得するデータ取得部と、顔画像を撮影する撮影部と、前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像、及び、前記撮影部が撮影した顔画像の少なくともいずれかに基づいて、前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像と、前記撮影部が撮影した顔画像との相違点又は相違点の候補を検出する相違点検出部と、前記相違点検出部が検出した相違点又は相違点の候補に基づいてガイダンスを取得するガイダンス取得部と、前記ガイダンス取得部が取得したガイダンスを出力部が出力するよう当該出力部を制御する出力制御部と、を備えるガイダンス取得装置。
【0090】
(付記2)前記データ取得部が取得する顔画像データが示す顔画像と前記撮影部が撮影する顔画像との相違点と、当該相違点に関する被撮影者へのガイダンスとの対応関係を示す対応関係情報を予め記憶する対応関係情報記憶部を備え、前記相違点検出部は、前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像と、前記撮影部が撮影した顔画像との相違点を検出し、前記ガイダンス取得部は、前記相違点検出部が検出した相違点に前記対応関係情報にて対応付けられているガイダンスを取得する、付記1に記載のガイダンス取得装置。
【0091】
(付記3)前記データ取得部は、パスポートから顔画像データを取得する、付記1又は付記2に記載のガイダンス取得装置。
【0092】
(付記4)前記データ取得部は、被撮影者の属性を示す属性データを前記パスポートから取得し、前記ガイダンス取得部は、前記データ取得部が取得した属性データが示す属性に応じたガイダンスを取得する、付記3に記載のガイダンス取得装置。
【0093】
(付記5)前記データ取得部は、被撮影者の国籍を示す属性データを取得し、前記ガイダンス取得部は、前記国籍に応じた言語のガイダンスを取得する、付記4に記載のガイダンス取得装置。
【0094】
(付記6)前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像がメガネを着用した画像である場合、前記出力制御部は、被撮影者がメガネを着用するよう促すメガネ着用指示を前記出力部が出力するよう該出力部を制御する、付記1から5のいずれか一つに記載のガイダンス取得装置。
【0095】
(付記7)前記出力制御部は、前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像を前記出力部が表示するよう当該出力部を制御し、さらに、前記撮影部が顔画像を撮影する条件を、前記出力部が表示する顔画像の示す条件に合せるよう被撮影者に促す条件合わせ指示を前記出力部が出力するよう当該出力部を制御する、付記1から6のいずれか一つに記載のガイダンス取得装置。
【0096】
(付記8)前記出力制御部は、前記相違点検出部が検出した相違点を示す相違点情報を前記出力部が出力するよう当該出力部を制御する、付記1から7のいずれか一つに記載のガイダンス取得装置。
【0097】
(付記9)前記出力制御部は、前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像と前記撮影部が撮影した顔画像とで異なる部分を、前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像、及び、前記撮影部が撮影した顔画像の少なくともいずれかに示す相違点情報を前記出力部が表示するよう当該出力部を制御する、付記8に記載のガイダンス取得装置。
【0098】
(付記10)前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像と、前記撮影部が撮影した顔画像との顔認証を行う顔認証部を備え、前記相違点検出部は、前記顔認証部が行う顔認証がエラーになった場合、前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像と、前記撮影部が撮影した顔画像との相違点であって、顔認証エラーの原因となった相違点を検出する、付記1から9のいずれか一つに記載のガイダンス取得装置。
【0099】
(付記11)前記撮影部は、顔画像の撮影を繰り返し行い、前記出力制御部は、前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像と、前記撮影部が撮影した最新の顔画像と、前記ガイダンス取得部が取得したガイダンスの表示とを含む画像を前記出力部が表示するよう当該出力部を制御する、付記1から10のいずれか一つに記載のガイダンス取得装置。
【0100】
(付記12)前記撮影部は、顔画像の撮影を繰り返し行い、前記出力制御部は、前記撮影部が撮影し前記顔認証部が顔認証に用いてエラーになった顔画像と、前記撮影部が撮影した最新の顔画像と、前記ガイダンス取得部が取得したガイダンスの表示とを含む画像を前記出力部が表示するよう当該出力部を制御する、付記10に記載のガイダンス取得装置。
【0101】
(付記13)前記撮影部は、顔画像の撮影を繰り返し行い、前記出力制御部は、前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像と、前記撮影部が撮影し前記顔認証部が顔認証に用いてエラーになった顔画像と、前記撮影部が撮影した最新の顔画像と、前記ガイダンス取得部が取得したガイダンスの表示とを含む画像を前記出力部が表示するよう当該出力部を制御する、付記10に記載のガイダンス取得装置。
【0102】
(付記14)前記出力制御部は、前記ガイダンス取得部が取得したガイダンスを文字情報にて前記出力部が表示するよう当該出力部を制御する、付記1から13のいずれか一つに記載のガイダンス取得装置。
【0103】
(付記15)前記出力制御部は、被撮影者へのガイダンスをアイコンで前記出力部が表示するよう当該出力部を制御する、付記11から14のいずれか一つに記載のガイダンス取得装置。
【0104】
(付記16)前記対応関係情報記憶部は、前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像と前記撮影部が撮影した顔画像とにおける顔の位置の相違と、当該顔の位置の相違を低減させるために被撮影者が顔を移動させる方向を示すガイダンスとが対応付けられた対応関係情報を記憶し、前記出力制御部は、前記相違点検出部が、前記データ取得部が取得した顔画像データが示す顔画像と前記撮影部が撮影した顔画像とにおける顔の位置の相違を検出した場合、前記方向を矢印で示すガイダンスを前記出力部が表示するよう当該出力部を制御する、付記15に記載のガイダンス取得装置。
【0105】
(付記17)前記出力制御部は、前記ガイダンスを少なくとも音声にて前記出力部が出力するよう当該出力部を制御する、付記1から16のいずれか一つに記載のガイダンス取得装置。
【0106】
(付記18)前記出力制御部は、前記出力部がガイダンスを出力することを示すアラームを当該出力部が出力するよう制御する、付記1から17のいずれか一つに記載のガイダンス取得装置。
【0107】
(付記19)顔画像データが示す顔画像と撮影にて得られる顔画像との相違点と、当該相違点に関する被撮影者へのガイダンスとの対応関係を示す対応関係情報を予め記憶する対応関係情報記憶部を備えるガイダンス取得装置が行うガイダンス取得方法であって、前記顔画像データを取得するデータ取得ステップと、前記顔画像を撮影する撮影ステップと、前記データ取得ステップで取得した顔画像データが示す顔画像と、前記撮影ステップで撮影した顔画像との相違点を検出する相違点検出ステップと、前記相違点検出ステップで検出した相違点に前記対応関係情報にて対応付けられているガイダンスを示すガイダンスを取得するガイダンス取得ステップと、前記ガイダンス取得ステップで取得したガイダンスを出力部が出力するよう当該出力部を制御する出力制御ステップと、を含むガイダンス取得方法。
【0108】
(付記20)撮影部、及び、顔画像データが示す顔画像と撮影にて得られる顔画像との相違点と、当該相違点に関する被撮影者へのガイダンスとの対応関係を示す対応関係情報を予め記憶する対応関係情報記憶部を備えるコンピュータに、前記顔画像データを取得するデータ取得ステップと、前記撮影部にて顔画像を撮影する撮影ステップと、前記データ取得ステップで取得した顔画像データが示す顔画像と、前記撮影ステップで撮影した顔画像との相違点を検出する相違点検出ステップと、前記相違点検出ステップで検出した相違点に前記対応関係情報にて対応付けられているガイダンスを取得するガイダンス取得ステップと、前記ガイダンス取得ステップで取得したガイダンスを出力部が出力するよう当該出力部を制御する出力制御ステップと、を実行させるためのプログラム。
【0109】
この出願は、2015年9月9日に出願された日本出願特願2015-177813号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0110】
この発明によれば、顔認証を行う装置が顔認証を適切に行えない場合に、認証対象者が対応方法を把握できる可能性を高めることができる。
【符号の説明】
【0111】
10 ガイダンス取得装置
11、110 データ取得部
12、120 撮影部
13、171 対応関係情報記憶部
14、181 相違点検出部
15、182 ガイダンス取得部
16、184 出力制御部
100 顔認証装置
130 出力部
131 表示部
132 音声出力部
170 記憶部
180 制御部
183 顔認証部