(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】非接触給電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20240116BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240116BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20240116BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J7/00 301D
H02J50/12
(21)【出願番号】P 2022161338
(22)【出願日】2022-10-06
(62)【分割の表示】P 2020087198の分割
【原出願日】2020-05-19
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2019136680
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 将也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英介
(72)【発明者】
【氏名】角谷 勇人
(72)【発明者】
【氏名】山口 宜久
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-167031(JP,A)
【文献】特開2011-050140(JP,A)
【文献】特開2019-071719(JP,A)
【文献】国際公開第2012/111085(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0183967(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/90
H02J 7/00
H02J 50/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受電コイル(212)を有する受電装置(200)に非接触で電力を供給する非接触給電装置(100)であって、
交流電力を送電する送電回路(130)と、
送電コイル(112)と、送電共振コンデンサ(116)とから構成される送電共振回路(110)を有する送電共振部と、
を備え、
前記送電共振コンデンサは、前記送電コイルに対して前記受電コイルが対向している対向状態よりも、前記送電コイルに対して前記受電コイルが対向していない非対向状態のほうが、小さいキャパシタンスとなる、
非接触給電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触給電装置であって、
前記キャパシタンスが低下するコンデンサには、入力電圧に応じてキャパシタンスが変化する可変コンデンサ(116d)が用いられ、
前記送電コイルに流れる電流を検出するセンサ(322)あるいは前記送電コイルにより発生する磁界を検出するセンサ(322e)を備え、
前記センサの検出した値に応じて前記可変コンデンサのキャパシタンスが可変される、
非接触給電装置。
【請求項3】
請求項1に記載の非接触給電装置であって、
前記送電共振コンデンサは、キャパシタンスが低下するコンデンサであり、
前記送電共振コンデンサには、磁界に応じてキャパシタンスが変化する可変コンデンサ(116b)が用いられる、
非接触給電装置。
【請求項4】
請求項3に記載の非接触給電装置であって、
前記可変コンデンサは、前記送電コイルのコア(310)の周囲に巻かれたループ状の配線(312)の内周側で、前記コアの前記ループ状の配線に沿った面上に配置されている、
非接触給電装置。
【請求項5】
請求項1に記載の非接触給電装置であって、
前記キャパシタンスが低下するコンデンサは、前記送電コイルと前記受電コイルとの対向面積がゼロとなって非対向となった時点での前記キャパシタンスが予め定めた目標の最小値となる、
非接触給電装置。
【請求項6】
請求項1に記載の非接触給電装置であって、
前記キャパシタンスが低下するコンデンサは、前記送電コイルと前記受電コイルとの対向面積の減少に従って前記キャパシタンスが線形に減少する、
非接触給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非接触給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、高周波電源に並列に接続された複数の送電コイルと、移動体に搭載された受電コイルとを備えるワイヤレス給電システムが開示されている。高周波電源と各送電コイルとの間には、高周波電源から送電コイルに流れる電流が閾値未満のとき、インピーダンスが上昇し、高周波電源から送電コイルに流れる電流が閾値以上のとき、インピーダンスが低下する電流制御素子(例えば可飽和リアクトル)が配置されている。これにより、受電コイルと対向していない送電コイルに配置された電流制御素子のインピーダンスが上昇して、高周波電源から送電コイルへの電流供給が抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術の構成では、非接触給電のための送電共振回路を構成する送電コイル及び共振コンデンサとは別に、インピーダンスを変化させる電流制御素子を備える必要がある。また、電流制御素子として例示されている可飽和リアクトルは、インピーダンスを高くするためにはインダクタンスを大きくする必要があるため、電流制御素子として使用する可飽和リアクトルが大型化してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態によれば、受電コイル(212)を有する受電装置に非接触で電力を供給する非接触給電装置が提供される。この非接触給電装置(100)は、交流電力を送電する送電回路(130)と、送電コイル(112)と、送電共振コンデンサ(116)とから構成される送電共振回路(110)を有する送電共振部と、を備え、前記送電共振コンデンサは、前記送電コイルに対して前記受電コイルが対向している対向状態よりも、前記送電コイルに対して前記受電コイルが対向していない非対向状態のほうが、小さいキャパシタンスとなる。
この形態の非接触給電装置によれば、受電コイルに対向していない送電コイルを有する送電共振回路の入力インピーダンスが大きくなることで、受電コイルに対向していない送電コイルへの送電回路からの電流の供給を抑制することが可能である。これにより、従来技術の電流制御素子のような大型部品を用いることなく、電力を送電しない送電コイルでの損失、及び、漏洩磁束の低減を図ることができる。また、受電コ+イルに対向している送電コイルへのみ自動的に電流が供給されるため、受電コイルの位置を判断するための位置センサや、送電コイルへ電力を送電する場合と電力を送電しない場合を切り替える制御を省略することが可能である。
この形態の非接触給電装置によれば、受電コイルに対向していない送電コイルを有する送電共振回路の入力インピーダンスが大きくなることで、受電コイルに対向していない送電コイルへの送電回路からの電流の供給を抑制することが可能である。これにより、従来技術の電流制御素子のような大型部品を用いることなく、電力を送電しない送電コイルでの損失、及び、漏洩磁束の低減を図ることができる。また、受電コ+イルに対向している送電コイルへのみ自動的に電流が供給されるため、受電コイルの位置を判断するための位置センサや、送電コイルへ電力を送電する場合と電力を送電しない場合を切り替える制御を省略することが可能である。
本発明の他の一形態によれば、受電装置に非接触で電力を供給する非接触給電装置が提供される。この非接触給電装置(100)は、交流電力を送電する送電回路(130)と、送電コイル(112)と送電共振コンデンサ(116)とから構成される送電共振回路(110)と、前記送電回路と前記送電共振回路との間に配置され、フィルタ用コイル(124)とフィルタ用コンデンサ(122)とから構成されるフィルタ回路(120)と、を有する送電共振部と、を備え、前記送電コイルに対して前記受電装置が有する受電コイル(212)が対向している対向状態において、前記送電共振回路が共振状態となることによって前記送電共振回路の入力インピーダンスが小さくなるように設定され、前記送電コイルに対して前記受電コイルが対向していない非対向状態において、前記送電共振回路が前記共振状態からはずれることによって前記送電共振回路の入力インピーダンスが大きくなるように設定される、もしくは、前記対向状態において、少なくとも、前記フィルタ回路が共振状態となることによって前記フィルタ回路の入力インピーダンスが小さくなるように設定され、前記非対向状態において、少なくとも、前記フィルタ回路が共振状態からはずれることによって、前記フィルタ回路の入力インピーダンスが大きくなるように設定される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の非接触給電装置と受電装置とを示す説明図。
【
図2】送電コイルに対する受電コイルの配置関係を示す説明図。
【
図3】対向状態の非接触給電装置と受電装置の等価回路を示す説明図。
【
図4】非対向状態の非接触給電装置の等価回路を示す説明図。
【
図5】フィルタ回路が設けられた非接触給電装置及び受電装置を示す説明図。
【
図6】第2実施形態の送電共振回路の構成を示す説明図。
【
図8】第3実施形態の送電共振回路の構成を示す説明図。
【
図9】送電コイルのインダクタンスの一例を示す説明図。
【
図10】送電コイルのインダクタンスの変化の理由について示す説明図。
【
図11】第4実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図12】共振コンデンサのキャパシタンスと制御電圧の関係の一例を示す説明図。
【
図13】共振コンデンサのキャパシタンスと対向面積の関係の一例を示す説明図。
【
図14】共振コンデンサのキャパシタンスと対向面積の関係の他例を示す説明図。
【
図15】共振コンデンサのキャパシタンスと対向面積の関係の別例を示す説明図。
【
図16】第5実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図17】第6実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図18】第7実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図19】第8実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図23】第9実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図24】第10実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図25】第11実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図26】第12実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図27】第13実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図28】第14実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図29】第15実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図30】第16実施形態の非接触給電装置を示す説明図。
【
図31】第16実施形態の非接触給電装置の他の構成を示す説明図。
【
図32】第16実施形態の非接触給電装置の他の構成を示す説明図。
【
図33】第17実施形態の車両用非接触給電システムの概略構成図。
【
図34】第17実施形態の車両用非接触給電システムの他の概略構成図。
【
図35】第17実施形態の車両用非接触給電システムの他の概略構成図。
【
図36】車両走行路に敷設される送電コイルの寸法について示す説明図。
【
図37】車両走行路に敷設される送電コイルの寸法について示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.第1実施形態:
図1に示す非接触給電装置100は、非接触給電装置100の送電コイル112に対して受電装置200の受電コイル212が電磁気的に結合した状態となる対向状態で配置されている受電装置200に対して非接触で給電が可能な給電装置である。なお、
図1では、非接触給電装置100に対して受電装置200が対向状態の場合と非対向状態の場合とを比較して示している。受電装置200は、電子機器や電気自動車等のように、電力を利用して作動する種々の装置に搭載される。
【0008】
非接触給電装置100は、電源回路140と、送電回路130と、送電共振回路110と、を備えている。受電装置200は、受電共振回路210と、受電回路220と、バッテリ230と、を備えている。
【0009】
送電共振回路110は、直列に接続された送電コイル112と送電共振コンデンサ116とを有する共振回路である。受電共振回路210も、送電共振回路110と同様に、直列に接続された受電コイル212と受電共振コンデンサ216とを有する共振回路である。送電共振回路110は、送電コイル112に対して受電コイル212が対向している状態となって送電コイル112と受電コイル212とが電磁気的に結合して、送電共振回路110及び受電共振回路210が共振した場合に、受電装置200に対して非接触で交流電力を送電する装置である。受電共振回路210は、受電コイル212に誘導された交流電力を得る装置である。送電共振回路110及び受電共振回路210には、一次直列二次直列コンデンサによる共振方式(「SS方式」とも呼ばれる)が適用されている。また、送電側が単相の送電コイル112で構成され、受電側が単相の受電コイル212で構成された送電側単相-受電側単相の非接触給電方式が適用されている。なお、送電コイル112のインダクタンスはLt、送電共振コンデンサ116のキャパシタンスはCtで表されている。また、受電コイル212のインダクタンスはLr、受電共振コンデンサ216のキャパシタンスはCrで表されている。送電共振回路110及び受電共振回路210の各パラメータ、すなわち、コイルのインダクタンス及びコンデンサのキャパシタンスについては後述する。
【0010】
送電回路130は、電源回路140から供給される直流電力を高周波の交流電力に変換して、送電コイル112に供給する回路である。送電回路130は、例えば、インバータ回路として構成される。電源回路140は、例えば、外部電源の交流電圧を整流して直流電圧を出力するAC/DCコンバータ回路として構成される。
【0011】
受電回路220は、受電共振回路210で得られた交流電力を直流電力に変換し、負荷としてのバッテリ230に充電する回路である。バッテリ230に充電された電力は、不図示のモータ等を駆動するために利用される。
【0012】
ここで、
図2に示すように、送電コイル112に対して受電コイル212が対向している状態(以下、「対向状態」とも呼ぶ)には「正対状態」と「部分重複状態」とがある。また、送電コイル112に対して受電コイル212が対向していない状態(以下、「非対向状態」とも呼ぶ)には「境界状態」と「分離状態」と「隔離状態」とがある。
【0013】
「正対状態」は、送電コイル112のコイル面の中心と受電コイルのコイル面の中心とが一致している状態であり、送電コイル112のコイル面と受電コイル212のコイル面のいずれか一方が他方に全体的に重なっている状態である。この正対状態では、送電コイル112と受電コイル212の対向面積は最大となる。なお、「コイル面」は、ループ状の配線によって囲まれ、ループ状のコイルとして機能する面である。但し、送電コイルおよび受電コイルは、ループ状のコイルに限定されるものではなく、ソレノイドコイルであってもよい。「部分重複状態」は、送電コイル112のコイル面に対して受電コイル212のコイル面が相対的にずれて部分的に重なっている面がある状態であり、正対状態における送電コイル112と受電コイル212の対向面積に比べて、対向面積が減少している状態である。「境界状態」は、送電コイル112のコイル面に対して受電コイル212のコイル面が相対的に重なり無くずれて、送電コイル112のコイル面の端縁と受電コイル212のコイル面の端縁とが重なっている状態であり、対向面積が丁度無くなった時点の状態である。「分離状態」は、送電コイル112のコイル面に対して受電コイル212のコイル面が相対的に重なり無くずれて、送電コイル112のコイル面と受電コイル212のコイル面とが完全に分離された状態である。「隔離状態」は、送電コイル112と受電コイル212とが対向状態であっても、結合係数が非常に小さく、電磁気的に結合していないと扱うことが可能な距離以上に隔離された状態である。これに対して、上記の対向状態では、送電コイル112と受電コイル212との間隔は、正対状態において一定以上の大きさの結合係数の結合が発生するような一定の距離以下の間隔である。
【0014】
図1に示すように、受電コイル212が対向している状態の送電コイル112には、後述するように、送電回路130からの交流電力が供給される。そして、送電コイル112と受電コイル212とが電磁結合することによって、送電コイル112から受電コイル212に交流電力が送電される。受電コイル212に送電された交流電力は、受電回路220を介してバッテリ230に充電される。これに対して、受電コイル212が対向していない状態の送電コイル112には、後述するように、送電回路130からの交流電力の供給は行なわれない。
【0015】
ここで、送電共振回路110単体のインピーダンスZ110は下式(1)で表される。同様に受電共振回路210単体のインピーダンスZ210は下式(2)で表される。
【数1】
【数2】
【0016】
送電共振回路110の共振条件は、上式(1)の(ωLt-1/(ωct))=0を満足することである。受電共振回路210の共振条件も、上式(2)の(ωLr-1/(ωcr))=0を満足することである。そこで、送電コイル112と受電コイル212が対向して、送電共振回路110から受電共振回路210に電力が伝送される場合において、送電コイル112のインダクタンスLt及び送電共振コンデンサ116のキャパシタンスCtは、送電共振回路110の共振条件が成立し、共振周波数frtが交流電力の基本周波数fswに一致するように、設定される。同様に、受電コイル212のインダクタンスLr及び受電共振コンデンサ216のキャパシタンスCrも、受電共振回路210の共振条件が成立し、共振周波数frrが交流電力の基本周波数fswに一致するように、設定される。なお、以下では、共振条件を満足するインダクタンス及びキャパシタンスとして、送電コイル112のインダクタンスLtをL1、送電共振コンデンサ116のキャパシタンスCtをC1とする。また、受電コイル212のインダクタンスLrをL2、共振コンデンサのキャパシタンスCrをC2とする。なお、以下では、インダクタンスL1,L2を「共振インダクタンスL1,L2」とも呼び、キャパシタンスC1,C2を「共振キャパシタンスC1,C2」とも呼ぶ。また、送電共振回路110の共振周波数frtは下式(3a)で表され、受電共振回路210の共振周波数frrは下式(3b)で表される。
【数3】
【0017】
ここで、送電コイル112と受電コイル212が対向して、送電共振回路110から受電共振回路210に電力が伝送される状態(対向状態)において、非接触給電装置100と受電装置200とは(
図1の上段参照)、
図3に示す等価回路で表すことができる。なお、Lmは送電コイル112と受電コイル212の相互インダクタンス、rtは送電コイル112の抵抗、rrは受電コイル212の抵抗である。RLは受電回路220およびバッテリ230を等価的に示した負荷である。
【0018】
図3の等価回路において、送電共振回路110の入力インピーダンスZ1(=V1/I1)は、下式(4)で表される。
【数4】
【0019】
上記したように、送電共振回路110及び受電共振回路210の共振条件を満たす場合の入力インピーダンスZ1=Z1rは、上式(4)に、Lt=L1、Ct=C1、Lr=L2、Cr=C2を代入することにより、下式(5a)式で表される。なお、下式(5a)では、Lt=L1及びLr=L2に対応させて、rt=r1及びrr=r2として示している。
【数5】
【0020】
上式(5a)において、虚数項は共振により「0」となるので、入力インピーダンスZ1rは上式(5b)で表される。また、通常、r1<<RL,R2<<RLであるので、入力インピーダンスZ1rは上式(5c)で表される。従って、送電コイル112と受電コイル212が対向している状態において、送電回路130(
図3)は、上式(5b)あるいは式(5c)で表される入力インピーダンスZ1rに対応する交流の電力を送電共振回路110へ出力する。そして、送電共振回路110から受電共振回路210に交流の電力が伝送される。以下では、送電コイル112と受電コイル212が対向している状態における入力インピーダンスZ1=Z1rを「対向状態の入力インピーダンスZ1」とも呼ぶ。
【0021】
一方、非接触給電装置100のうち、送電コイル112と受電コイル212が対向しておらず、送電共振回路110から受電共振回路210に電力が伝送されない状態のセグメントは(
図3の下段参照)、
図5に示す等価回路で表すことができる。
図5の等価回路において、送電共振回路110の入力インピーダンスZ1(=V1/I1)=Z1nは、送電共振回路110単体のインピーダンスZ110と同様であり、下式(6)で表される。なお、以下では、送電コイル112と受電コイル212が対向していない状態における入力インピーダンスZ1=Z1nを「非対向状態の入力インピーダンスZ1」とも呼ぶ。
【数6】
【0022】
ここで、上式(6)で表される非対向状態の入力インピーダンスZ1=Z1nにおいて、Lt<L1あるいはLt>L1とCt<C1の少なくとも一方が成立した場合、送電共振回路110の共振状態(Z1n=Z110=0の状態である)が崩れる。この際、非対向状態の入力インピーダンスZ1を、Z1=Z1n=0からZ1=Z1n>0と大きくして、対向状態の入力インピーダンスZ1=Z1rに比べて大きくすることができる。これにより、対向状態の入力インピーダンスZ1=Z1rに供給される電流に比べて、非対向状態の入力インピーダンスZ1=Z1nに供給される電流を小さくすることができる。
【0023】
以上説明した構成では、送電共振回路110の送電コイル112に対して受電装置200の受電コイル212が対向している状態において、送電共振回路110の共振によって入力インピーダンスZ1がZ1=Z1rと小さくなるように設定される。また、送電コイル112に対して受電コイル212が対向していない状態において、送電共振回路110の非共振によって入力インピーダンスZ1がZ1=Z1n>Z1rと大きくなるように設定される。これにより、送電回路130は、送電コイル112と受電コイル212とが対向状態の場合、比較的小さい入力インピーダンスZ1=Z1rに対応した大きな電流を供給することができる。一方、送電回路130は、送電コイル112と受電コイル212とが非対向状態の場合、比較的大きな入力インピーダンスZ1=Z1nによって電流の供給を抑制することができる。これにより、従来技術の電流制御素子のような大型部品を用いずに、受電コイル212と対向していない送電コイル112での損失を低減できるとともに、受電コイル212が対向していない送電コイル112からの漏洩磁束の低減を図ることができる。また、対向状態と非対向状態とで、送電回路130から送電共振回路110の送電コイル112への電力の送電と非送電とを切り替えるための構成を省略することが可能である。
【0024】
なお、
図5に示すように、送電共振回路110と送電回路130との間にフィルタ回路120が設けられていてもよい。フィルタ回路120は、送電回路130から供給される交流電力に含まれるスイッチングノイズ等の高周波なノイズ成分を抑制するための回路である。フィルタ回路120としては、イミタンスフィルタ回路やローパスフィルタ回路、バンドパスフィルタ回路等の種々のフィルタ回路が用いられる。フィルタ回路の次数は、2次でも3次でもよく、4次以上であってもよい。除去すべきノイズを所望のレベルまで低減することができれば、フィルタ回路の次数に限定はない。なお、
図1に示したフィルタ回路を有しない構成の場合、送電共振回路110が「送電共振部」に相当し、
図5に示したフィルタ回路を有する構成の場合、フィルタ回路120及び送電共振回路110が「送電共振部」に相当する。なお、フィルタ回路を有する構成の場合の送電共振回路110は、フィルタ回路を有しない構成の場合と同様に扱うことができる。
【0025】
また、受電共振回路210と受電回路220との間にも、送電側のフィルタ回路120と同様に、高周波なノイズ成分を抑制するためのフィルタ回路215が設けられていてもよい。なお、受電側のフィルタ回路215は、送電側のフィルタ回路120が設けられない構成においても適用可能である。また、送電側のフィルタ回路120も、受電側のフィルタ回路215が設けられない構成においても適用可能である。
【0026】
B.第2実施形態:
第2実施形態では、第1実施形態で説明した、入力インピーダンスZ1を、対向状態ではZ1=Z1r(上式(5c)参照)として小さくし、非対向状態ではZ1=Z1n>Z1r(上式(6)参照)として大きくする構成(以下、「入力インピーダンスZ1を変化させる構成」とも呼ぶ)について説明する。第2実施形態は、入力インピーダンスZ1を変化させる構成として、
図6に示すように、キャパシタンスが可変となる可変コンデンサとしての送電共振コンデンサ116bを用いた構成を適用した形態である。
【0027】
可変コンデンサのキャパシタンスCtは、対向状態では、送電共振回路110が共振状態となるように、共振条件を満たす共振キャパシタンスC1に設定され、非対向状態では、送電共振回路110が共振状態から外れるように、共振キャパシタンスC1よりも小さいキャパシタンスに設定される。
【0028】
ここで、可変コンデンサとしては、送電コイル112に流れる電流の増加によって発生する磁束の増加に応じてキャパシタンスCtの容量を共振キャパシタンスC1よりも小さなキャパシタンスから共振キャパシタンスC1へと可変できるデバイスが利用可能である。例えば、電気磁気効果や、磁気誘導効果、磁気キャパシタンス効果などを利用したデバイス(以下、「電気磁気効果等を利用した可変コンデンサ」とも呼ぶ)が利用可能である。
【0029】
なお、電気磁気効果等を利用した可変コンデンサを用いた送電共振コンデンサ116bは、
図7に示すように配置される。すなわち、送電共振コンデンサ116bは、送電コイル112のコア310の周囲に巻かれたループ状の配線312の内周側で、ループ状の配線312に沿ったコイル面に対応するコア310の面上に配置される。このように送電共振コンデンサ116bを配置すれば、受電コイル212が送電コイル112に対して非対向状態から対向状態に変化した際の、送電コイル112によって発生する磁束の感度を増加でき、磁束の変化に応じて送電共振コンデンサ116bのキャパシタンスCtをCt<C1の状態からCt=C1の状態に変化させることができる。
【0030】
以上説明したように、第2実施形態の構成においても、送電共振回路110の入力インピーダンスZ1を、対向状態ではZ1=Z1r(上式(5c)参照)として小さくし、非対向状態ではZ1=Z1n>Z1r(上式(6)参照)として大きくすることができる。これにより、第2実施形態においても第1実施形態で説明した効果を得ることができる。
【0031】
C.第3実施形態:
第3実施形態は、第1実施形態で説明した入力インピーダンスZ1を変化させる構成として、
図8に示すように、インダクタンスが可変となる可変コイルとしての送電コイル112cを用いた構成を適用した形態である。
【0032】
送電コイルと送電コイルとの間のギャップ長が短い状態で実行される非接触給電の場合、送電コイルに対する受電コイルの位置関係に依存して、送電コイルのインダクタンスLtの値が大幅に変化する。例えば、
図9に示すように、正対位置におけるインダクタンスLtは共振条件を満たす共振インダクタンスL1であるのに対して、正対状態からずれるに従ってインダクタンスLtは減少し、非対向状態におけるインダクタンスLtは共振インダクタンスL1に比べて大幅に小さくなる、という特性を有する。このような特性の変化は以下の理由による。すなわち、
図10に示すように、対向状態では、送電コイル112から生じる磁束の一部(ループ状の実線)が、透磁率の高い受電コイル212の磁性体211を通るため、送電コイル112のインダクタンスが大きくなる。これに対して、非対向状態では、送電コイル112から生じる磁束の一部(ループ状の破線)が、透磁率の低い空気部分を通るため、送電コイル112のインダクタンスが小さくなる。なお、この特性は、送電コイルと受電コイルとの間の距離(間隔)が近く結合係数が大きいほど顕著となる。そこで、正対状態での結合係数kは、k≧0.1となるように設定することが好ましい。
【0033】
従って、送電コイル112(
図1,
図5参照)が上記の特性を有する状態で使用されることを前提とすれば、送電コイル112を、インダクタンスが可変となる可変コイルである送電コイル112cとすることができる。そして、対向状態では、送電コイル112cのインダクタンスLtは、送電共振回路110が共振状態となるように、共振インダクタンスL1に設定される。これにより、対向状態では、入力インピーダンスZ1をZ1=Z1rと(上式(5c)参照)して小さくすることができる。また、非対向状態では、送電コイル112cのインダクタンスLtは、送電共振回路110が共振状態から外れるように、共振インダクタンスL1よりも大幅に小さい値に設定される。これにより、非対向状態では、入力インピーダンスZ1をZ1=Z1n>Z1r(上式(6)参照)として大きくすることができる。この結果、第3実施形態においても第1実施形態で説明した効果を得ることができる。
【0034】
なお、上記の送電コイルのインダクタンスを可変とする構成と、第2実施形態の共振コンデンサのキャパシタンスを可変とする構成の両方を適用した構成としてもよい。このようにすれば、非対向状態において、送電コイルのインダクタンスを小さくするとともに、共振コンデンサのキャパシタンスを小さくすることで、非対向状態での入力インピーダンスZ1=Z1nをより大きくして、送電回路130から送電共振回路110に流れる電流を小さくすることができる。これにより、第1実施形態で説明した効果をより効果的に得ることができる。また、非対向状態での入力インピーダンスを目標値以上として、非対向状態において送電共振回路に流れる電流を目標値以下とするために要する共振コンデンサのキャパシタンスの変化の幅を小さくすることができるので、共振コンデンサのキャパシタンスの設定が容易となる。
【0035】
D.第4実施形態:
第4実施形態は、第1実施形態で説明した入力インピーダンスZ1を変化させる構成として、
図11に示すように、キャパシタンスが可変となる可変コンデンサによる送電共振コンデンサ116dを用いた構成を適用した形態である。共振コンデンサとして可変コンデンサを用いている点では第2実施形態と同じである。但し、第2実施形態の送電共振コンデンサ116bに用いた可変コンデンサは、電気磁気効果等を利用した可変コンデンサである。これに対して、第4実施形態の送電共振コンデンサ116dに用いる可変コンデンサは、与えられる制御入力、本例では、制御電圧Vcに応じてキャパシタンスCtが変化する一般的な可変コンデンサである。なお、フィルタ回路120は設けられていなくてもよい。
【0036】
また、
図11に示すように、第4実施形態の非接触給電装置100には、送電共振コンデンサ116dのキャパシタンスCtを制御する可変制御回路320が設けられている。可変制御回路320は、電流センサ322と、整流回路324と、ローパスフィルタ回路326(以下、「LPF回路326」とも呼ぶ)と、電圧変換回路328と、を備えている。
【0037】
電流センサ322は、フィルタ回路120と送電共振回路110とを接続する一方の配線に流れる電流、すなわち、送電コイル112に流れる電流を検出し、検出電圧として出力する。なお、電流センサ322は、他方の配線に流れる電流を検出するようにしてもよい。整流回路324は、検出電圧を整流する。LPF回路326は、検出電圧の高周波成分を除去する。電圧変換回路328は、差動増幅回路を用いて、基準電圧Vrcに対する検出電圧の差分の大きさに応じて、検出電圧を送電共振コンデンサ116のキャパシタンスCtを制御する制御電圧Vcに変換する。
【0038】
ここで、電流センサ322で検出される電流は、受電コイル212が送電コイル112に対して非対向状態である場合には非常に小さく、非対向状態から対向状態となって正対状態に近づくほど大きくなる。このため、電流センサ322の検出電圧はこの電流の変化に応じて変化する。
【0039】
また、送電共振コンデンサ116dのキャパシタンスCtは、
図12の右側のグラフに示すように、正対状態において共振キャパシタンスC1となり、非対向状態となる境界状態(
図2参照)において、あらかじめ設定した共振キャパシタンスC1よりも小さいキャパシタンスCnfに設定される。
【0040】
ここで、送電共振コンデンサ116dとして用いた可変コンデンサは、制御電圧Vcが大きいほど容量が小さくなる特性を有しているとする。この場合、
図12の右側のグラフに示すように、電圧変換回路328(
図11参照)から出力される制御電圧Vcは、正対状態に対応する検出電圧においてCt=C1に対応する電圧Vfとなり、境界状態に対応する検出電圧においてCt=Cnfに対応する電圧Vnf(Vnf>Vf)となるように制御される。このため、電圧変換回路328は、上記の制御電圧Vcの制御に合わせて、電流センサ322の検出電圧が大きくなるほど、出力する制御電圧Vcが小さくなるように、差動増幅回路の負入力に検出電圧を入力する構成(
図11参照)としている。なお、送電共振コンデンサ116dとして用いた可変コンデンサが逆の特性を有している場合には、電圧変換回路328の差動増幅回路の正入力に検出電圧を入力する構成とすればよい。
【0041】
なお、送電共振コンデンサ116dのキャパシタンスCnfは、
図12の左側に示すように、電流センサ322で検出される電流Icが予め定めた電流Infに対応するキャパシタンスCtに設定されることが好ましい。なお、予め定めた電流Infは、非対向状態において、送電コイル112に流れる電流により発生する損失の抑制及び漏洩磁束の抑制等の観点から設定されることが好ましい。
【0042】
可変制御回路320は、受電コイル212と送電コイル112の対向の状態に応じて送電共振コンデンサ116dのキャパシタンスCtを制御することができる。これにより、第4実施形態の構成においても、送電共振回路110の入力インピーダンスZ1を、対向状態ではZ1=Z1r(上式(5c)参照)として小さくし、非対向状態ではZ1=Z1n>Z1r(上式(6)参照)として大きくすることができる。従って、第4実施形態においても第1実施形態で説明した効果を得ることができる。
【0043】
なお、送電共振コンデンサ116dのキャパシタンスCtは、例えば
図13~
図15に示すように、受電コイル212が送電コイル112と対向する対向面積が、最も大きい正対状態の面積から、ゼロとなる境界状態の面積に減少する際に、線形に変形するように設定されることが好ましい。このようにすれば、入力インピーダンスZ1を徐々に増加させることができるため、急激なインピーダンスの増加によって送電コイル112に印加される電流や電圧にサージ電流やサージ電圧が発生することを抑制することができる。なお、キャパシタンスCtの変化は、
図13~
図15に示した特性に限定されるものではなく、最も大きい正対状態の面積から、ゼロとなる境界状態の面積に減少する際に、線形に変形するように設定されればよく、その変化の形状は種々の形状を適用することができる。
【0044】
なお、第4実施形態の構成において、第3実施形態の送電コイルを可変とする構成を適用した構成としてもよい。このようにすれば、非対向状態において、送電コイルのインダクタンスを小さくするとともに、共振コンデンサのキャパシタンスを小さくすることで、非対向状態での入力インピーダンスZ1=Z1nをより大きくできる。これにより、第1実施形態で説明した効果をより効果的に得ることができる。また、非対向状態での入力インピーダンスを目標値以上として、非対向状態において送電共振回路に流れる電流を目標値以下とするために要する共振コンデンサのキャパシタンスの変化の幅を小さくすることができるので、共振コンデンサのキャパシタンスの設定が容易となる。
【0045】
E.第5実施形態:
第5実施形態は、
図16に示すように、第4実施形態の構成(
図10参照)と同様の送電共振コンデンサ116dを用いた構成を適用した形態である。但し、第4実施形態の可変制御回路320に変えて、可変制御回路320eを備えている点が異なっている。可変制御回路320eは、可変制御回路320の電流センサ322に変えて磁界センサ322eを備えている点を除いて可変制御回路320と同じである。なお、フィルタ回路120は設けられていなくてもよい。
【0046】
磁界センサ322eは、第2実施形態で説明した電気磁気等を利用した送電共振コンデンサ116b(
図7参照)と同様に、送電コイル112のコア310の周囲に巻かれたループ状の配線312の内周側で、ループ状の配線312に沿ったコイル面に対応するコア310の面上に配置される。これにより、磁界センサ322eは、受電コイル212と送電コイル112との対向の状態に応じて送電コイル112によって発生する磁束の変化を検出し、電流センサ322と同様に検出電圧を出力することができる。
【0047】
第5実施形態の可変制御回路320eも、第4実施形態の可変制御回路320と同様に、受電コイル212と送電コイル112の対向の状態に応じて送電共振コンデンサ116dのキャパシタンスCtを制御することができる。これにより、第5実施形態の構成においても、送電共振回路110の入力インピーダンスZ1を、対向状態ではZ1=Z1r(上式(5c)参照)として小さくし、非対向状態ではZ1=Z1n>Z1r(上式(6)参照)として大きくすることができる。従って、第5実施形態においても第1実施形態で説明した効果を得ることができる。
【0048】
なお、第5実施形態の構成において、第3実施形態の送電コイルを可変とする構成を適用した構成としてもよい。このようにすれば、非対向状態において、送電コイルのインダクタンスを小さくするとともに、共振コンデンサのキャパシタンスを小さくすることで、非対向状態での入力インピーダンスZ1=Z1nをより大きくできる。これにより、第1実施形態で説明した効果をより効果的に得ることができる。また、非対向状態での入力インピーダンスを目標値以上として、非対向状態において送電共振回路に流れる電流を目標値以下とするために要する共振コンデンサのキャパシタンスの変化の幅を小さくすることができるので、共振コンデンサのキャパシタンスの設定が容易となる。
【0049】
F.第6実施形態:
第6実施形態は、第1実施形態で説明した入力インピーダンスZ1を変化させる構成として、
図17に示すように、インダクタンスが可変となる可変コイルによる送電コイル112fを用いた構成を適用した形態である。送電コイルとして可変コイルを用いている点では第3実施形態と同じである。但し、第3実施形態の送電コイル112cは、受電コイルと送電コイルとの対向の状態に応じてインダクタンスが変化する特性を利用したものである。これに対して、第6実施形態の送電コイル112fに用いる可変コイルは、与えられる制御入力、本例では、制御電圧Vlに応じてインダクタンスLtが変化する可変コイルである。可変コイルとしては、例えば、制御電圧Vlに応じてコイルの巻数を変化させることにより、インダクタンスを変化させる可変コイル等の種々の可変コイルが利用可能である。なお、フィルタ回路120は設けられていなくてもよい。
【0050】
また、
図17に示すように、第6実施形態の非接触給電装置100には、送電コイル112fのインダクタンスLtを制御する可変制御回路320fが設けられている。可変制御回路320fは、第4実施形態の可変制御回路320(
図11参照)と同じである。但し、電圧変換回路328に入力する基準電圧及び出力する制御電圧は、送電コイル112fのインダクタンスLtを制御するための電圧であるので、可変制御回路320における基準電圧Vrc及び制御電圧Vcと区別するため、基準電圧Vrl及び制御電圧Vlとされている。
【0051】
可変制御回路320fは、受電コイル212と送電コイル112の対向の状態に応じて送電コイル112fのインダクタンスLtを制御することができる。例えば、対向状態では、インダクタンスLtをLt=L1とし、非対向状態では、Lt>L1とする。これにより、第6実施形態の構成においても、送電共振回路110の入力インピーダンスZ1を、対向状態ではZ1=Z1r(上式(5c)参照)として小さくし、非対向状態ではZ1=Z1n>Z1r(上式(6)参照)として大きくすることができる。従って、第6実施形態においても第1実施形態で説明した効果を得ることができる。なお、上記のように、送電コイル112のインダクタンスLtの大きさを変化させることで、非対向状態の入力インピーダンスZ1を大きくする場合、送電コイル112の体格の増加が問題となる。これに対して、第4,第5実施形態のように、送電共振コンデンサ116のキャパシタンスCtの大きさを変化させることで、非対向状態の入力インピーダンスZ1を大きくする場合、送電共振コンデンサ116のキャパシタンスCtを小さくすればよい。このため、送電共振コンデンサ116の体格の増加を招くことなく、送電共振コンデンサ116のキャパシタンスCtの大きさを変化させることができる。
【0052】
なお、可変制御回路320fは、電流センサ322を用いた可変制御回路を例に説明したが、第5実施形態のように、磁界センサ322eを用いた可変制御回路を適用可能である。
【0053】
G.第7実施形態:
第7実施形態は、
図18に示すように、可変コンデンサによる送電共振コンデンサ116dを用いた第4実施形態の構成(
図11参照)と、可変コイルによる送電コイル112fを用いた第6実施形態の構成(
図17参照)の両方を適用した形態である。可変制御回路320gは、電流センサ322と、整流回路324と、LPF回路326と、電圧変換回路328c,328lと、を備えている。電圧変換回路328cは、第4実施形態の送電共振コンデンサ116dの制御電圧Vcを出力する電圧変換回路328と同じであり、電圧変換回路328lは、第6実施形態の送電コイル112fの制御電圧Vlを出力する電圧変換回路328と同じである。なお、フィルタ回路120は設けられていなくてもよい。
【0054】
可変制御回路320gは、受電コイル212と送電コイル112の対向の状態に応じて送電共振コンデンサ116dのキャパシタンスCt及び送電コイル112fのインダクタンスLtを制御することができる。これにより、第7実施形態の構成においても、送電共振回路110の入力インピーダンスZ1を、対向状態ではZ1=Z1r(上式(5c)参照)として小さくし、非対向状態ではZ1=Z1n>Z1r(上式(6)参照)として大きくすることができる。また、送電共振コンデンサ116dのキャパシタンスCt及び送電コイル112fのインダクタンスLtの両方を制御することにより、非対向状態での入力インピーダンスZ1=Z1nをより大きくできる。これにより、第4及び第6実施形態に比べてより効果的に第1実施形態で説明した効果を得ることができる。また、非対向状態での入力インピーダンスを目標値以上として、非対向状態において送電共振回路に流れる電流を目標値以下とするために要する共振コンデンサのキャパシタンスの変化の幅を小さくすることができるので、共振コンデンサのキャパシタンスの設定が容易となる。
【0055】
なお、可変制御回路320gは、電流センサ322を用いた可変制御回路を例に説明したが、第5実施形態(
図15参照)のように、磁界センサ322eを用いた可変制御回路を適用可能である。
【0056】
H.第8実施形態:
第8実施形態は、第1実施形態で説明した入力インピーダンスZ1を変化させる構成として、
図19に示すように、スイッチの切り替えによりキャパシタンスの大きさが可変される送電共振コンデンサ116hを用いた構成を適用した形態である。なお、
図19では、
図1あるいは
図5に示した非接触給電装置100の構成要素のうちの送電共振回路110のみを示すとともに、送電共振回路110の送電共振コンデンサ116hのキャパシタンスCtの大きさを可変するための可変制御回路320hを示しており、他の構成要素を省略している。
【0057】
図19に示すように、送電共振コンデンサ116hは、並列に配置された第1共振コンデンサ116haと、第2共振コンデンサ116hbと、を有している。但し、第2共振コンデンサ116hbは、直列に接続された双方向スイッチ117がオンの場合に第1共振コンデンサ116haに対して並列に接続され、双方向スイッチ117がオフの場合には解放される。従って、送電共振コンデンサ116hのキャパシタンスCtは、双方向スイッチ117がオフの場合には、第1共振コンデンサ116haのキャパシタンスChsとなり、双方向スイッチ117がオンの場合には、第1共振コンデンサ116haと第2共振コンデンサ116hbのキャパシタンスChs,Chlの和(Chs+Chl)となる。
【0058】
可変制御回路320hは、基本的には電流センサ322を備える第4実施形態の可変制御回路320(
図11参照)と同様である。また、磁界センサ322eを備える第5実施形態の可変制御回路320e(
図16参照)と同様としてもよい。但し、基準電圧Vrcに対する検出電圧の差分の大きさに応じた制御電圧Vcを出力する電圧変換回路328に換えて、閾値電圧Vthに対する検出電圧Vdの大小関係に応じた制御電圧Vsを出力するコンパレータを用いた電圧変換回路328hを備えている。なお、閾値電圧Vthとしては、非対向状態から対向状態に変化し、双方向スイッチ117をオンとする場合には、起動閾値Vth_onに設定され、対向状態から非対向状態に変化し、双方向スイッチ117をオフとする場合には、停止閾値Vth_offに設定されることが好ましい。
【0059】
電圧変換回路328hは、非対向状態で検出電圧Vdが閾値電圧Vthよりも小さい場合には、双方向スイッチ117をオフとする電圧の制御電圧Vsを出力し、対向状態で検出電圧Vdが閾値電圧Vthよりも大きくなった場合に、双方向スイッチ117をオンとする電圧の制御電圧Vsを出力する。これにより、送電共振コンデンサ116hのキャパシタンスCtは、非対向状態では第1共振コンデンサ116haのキャパシタンスChsとなり、対向状態では第1共振コンデンサ116haと第2共振コンデンサ116hbのキャパシタンスChs,Chlの和となる。なお、第1共振コンデンサ116haのキャパシタンスChs及び第2共振コンデンサ116hbのキャパシタンスChlは、対向状態のキャパシタンスCt=(Chs+Chl)が共振キャパシタンスC1で、非対向状態のキャパシタンスCt=Chsが共振キャパシタンスC1よりも小さくなるように、かつ、Chs<Chlとなるように設定すればよい。
【0060】
可変制御回路320hは、受電コイル212と送電コイル112が対向状態か非対向状態かに応じて送電共振コンデンサ116hのキャパシタンスCtの大きさを切り替えることができる。これにより、可変制御回路320hは、
図20に示すように、非接触給電装置100から受電装置200への給電を自動的に制御することができる。具体的には、可変制御回路320hは、検出電圧Vdが閾値電圧Vthである起動閾値Vth_on以上となって、非対向状態から対向状態となったことを検出した場合に(ステップS10:YES)、切替回路(双方向スイッチ117)をオンとして(ステップS20)、送電共振回路110の入力インピーダンスZ1をZ1=Z1r(上式(5c)参照)として小さくする。これにより、非接触給電装置100から受電装置200への給電を開始することができる。そして、可変制御回路320hは、検出電圧Vdが閾値電圧Vthである停止閾値Vth_off以下となって、対向状態から非対向状態になったことを検出した場合に(ステップS30:YES)、切替回路をオフとして(ステップS40)、送電共振回路110の入力インピーダンスZ1を、Z1=Z1n>Z1r(上式(6)参照)として大きくする。これにより、非接触給電装置100から受電装置200への給電を停止することができる。
【0061】
これにより、第8実施形態の構成においても、送電共振回路110の入力インピーダンスZ1を、対向状態ではZ1=Z1r(上式(5c)参照)として小さくし、非対向状態ではZ1=Z1n>Z1r(上式(6)参照)として大きくすることができる。従って、第8実施形態においても第1実施形態で説明した効果を得ることができる。また、送電共振コンデンサ116hのキャパシタンスCtの大きさを変化させることで、非対向状態の入力インピーダンスZ1を大きくする場合、送電共振コンデンサ116hのキャパシタンスCtを小さくすればよい。このため、送電共振コンデンサ116hの体格の増加を招くことなく、送電共振コンデンサ116hのキャパシタンスCtの大きさを変化させることができる。
【0062】
なお、双方向スイッチ117を切り替えるための可変制御回路の構成としては、
図19に示した電流センサ322を用いる構成や
図16に示した磁界センサ322eを用いる構成だけでなく、
図21に示した可変制御回路320iや
図22に示した可変制御回路320jを用いた構成とすることも可能である。
【0063】
可変制御回路320iは、送電コイル112に対向して配置されるサーチコイル118を備える構成である。可変制御回路320iは、受電コイル212と送電コイル112が対向状態か非対向状態かに応じてサーチコイル118の端子間に発生する交流電圧を検出電圧Vdとして検出し、閾値電圧Vthに対する検出電圧Vdの大小関係に応じて出力する制御電圧Vsによって双方向スイッチ117を切替制御する構成である。
【0064】
可変制御回路320jは、受電コイル212と送電コイル112が対向状態か非対向状態かに応じて送電コイル112の端子間に発生する交流電圧を検出電圧Vdとして検出し、閾値電圧Vthに対する検出電圧Vdの大小関係に応じて出力する制御電圧Vsによって双方向スイッチ117を切替制御する構成である。
【0065】
I.第9実施形態:
第9実施形態は、
図23に示すように、第8実施形態の送電共振コンデンサ116h(
図19参照)に換えて送電共振コンデンサ116kを用いた構成を適用した形態である。なお、
図23も
図19と同様に、非接触給電装置100の構成要素のうちの送電共振回路110のみを示すとともに、送電共振回路110の送電共振コンデンサ116kのキャパシタンスCtの大きさを可変するための可変制御回路320hを示しており、他の構成要素を省略している。
【0066】
図23に示すように、送電共振コンデンサ116kは、直列に配置された第1共振コンデンサ116kaと、第2共振コンデンサ116kbと、を有している。但し、第1共振コンデンサ116kaは、並列に接続された双方向スイッチ117がオフの場合に第2共振コンデンサ116kbに対して直列に接続され、双方向スイッチ117がオンの場合には短絡される。従って、送電共振コンデンサ116kのキャパシタンスCtは、対向状態において可変制御回路320hによって双方向スイッチ117がオンとされた場合に、第2共振コンデンサ116kbのキャパシタンスChlとなる。これに対して、送電共振コンデンサ116kのキャパシタンスCtは、非対向状態において可変制御回路320hによって双方向スイッチ117がオフとされた場合に、第1共振コンデンサ116kaのキャパシタンスChsの逆数と、第2共振コンデンサ116kbのキャパシタンスChlの逆数との和(Chs・Chl/(Chs+Chl))となる。なお、第1共振コンデンサ116kaのキャパシタンスChs及び第2共振コンデンサ116kbのキャパシタンスChlは、対向状態のキャパシタンスCt=Chlが共振キャパシタンスC1で、非対向状態のキャパシタンスCt=(Chs・Chl/(Chs+Chl))が共振キャパシタンスC1よりも小さくなるように、かつ、Chl>Chsとなるように設定すればよい。
【0067】
可変制御回路320hは、受電コイル212と送電コイル112が対向状態か非対向状態かに応じて送電共振コンデンサ116kのキャパシタンスCtの大きさを切り替えることができる。これにより、可変制御回路320hは、
図20に示すように、非接触給電装置100から受電装置200への給電を自動的に制御することができる。
【0068】
以上のように、第9実施形態の構成においても、送電共振回路110の入力インピーダンスZ1を、対向状態ではZ1=Z1r(上式(5c)参照)として小さくし、非対向状態ではZ1=Z1n>Z1r(上式(6)参照)として大きくすることができる。従って、第9実施形態においても第1実施形態で説明した効果を得ることができる。また、送電共振コンデンサ116kのキャパシタンスCtの大きさを変化させることで、非対向状態の入力インピーダンスZ1を大きくする場合、送電共振コンデンサ116kのキャパシタンスCtを小さくすればよい。このため、送電共振コンデンサ116kの体格の増加を招くことなく、送電共振コンデンサ116kのキャパシタンスCtの大きさを変化させることができる。
【0069】
なお、第8実施形態で説明したように、第9実施形態の可変制御回路の構成として、可変制御回路320hのような電流センサ322を用いる構成ではなく可変制御回路320e(
図16参照)と同様の磁界センサ322eを用いる構成としてもよい。また、
図21に示すように、サーチコイル118を用いる構成の可変制御回路320iや
図22に示す送電コイル112端子間電圧を検出する構成の可変制御回路320jとしても良い。
【0070】
J.第10実施形態:
図1に示した非接触給電装置100の送電共振回路110は直列に接続された送電コイル112と送電共振コンデンサ116とを有する直列共振回路であり、受電装置200の受電共振回路210も直列に接続された受電コイル212と受電共振コンデンサ216とを有する直列共振回路であった。これに対して、
図24に示すように、非接触給電装置100の送共振回路を、送電コイル112と送電共振コンデンサ116とが並列に接続された並列共振回路の送電共振回路110lとし、受電装置200の受電共振回路を、受電コイル212と受電共振コンデンサ216とが並列に接続された並列共振回路の受電共振回路210lとしてもよい。
【0071】
受電コイル212が送電コイル112に対して対向状態では、送電共振回路110lが並列共振するように、送電共振コンデンサ116のキャパシタンスCt及び送電コイル112のインダクタンスLtが設定されているものとする。この場合、対向状態では(
図24の上段参照)、送電共振回路110lが共振状態となって、送電共振回路110の入力インピーダンスZ1がZ1=Z1rと小さくなり、送電回路130から送電コイル112に交流電力が供給されて、受電コイル212を介して受電装置200に交流電力が供給される。
【0072】
一方、受電コイル212が送電コイル112に対して非対向状態となった場合(
図24の下段参照)、送電共振回路110lの共振状態が崩れて、入力インピーダンスZ1が無限大になるため、送電共振回路110lの入力電流I1をゼロに近づけることができる。このため、並列共振回路を用いた送電共振回路110lは、送電回路からの電流の抑制、すなわち、待機電力の抑制の点で、直列共振回路を用いた送電共振回路110に比べて効果が大きい。但し、並列共振回路を用いた送電共振回路110lの場合、送電共振コンデンサ116と送電コイル112との間に漏洩電流ILCが流れるため、送電コイル112で漏洩磁界が発生してしまう。このため、並列共振回路を用いた送電共振回路110lは、漏洩磁界抑制の点で、直列共振回路を用いた送電共振回路110に比べて不利である。
【0073】
K.第11実施形態:
第11実施形態は、第10実施形態で示した並列共振回路を用いた送電共振回路110lにおける漏洩磁界の課題を解決するために、
図25に示す送電共振回路110mおよび受電共振回路210を適用した形態である。送電共振回路110mは、送電コイル112に対して直列に接続された直列コンデンサ116sと、送電コイル112及び直列コンデンサ116sに対して並列に接続された並列コンデンサ116pとを有する並列直列共振回路である。受電共振回路210は、直列に接続された受電コイル212及び受電共振コンデンサ216を有する直列共振回路である。送電共振回路110mおよび受電共振回路210には、一次並列直列二次直列コンデンサによる共振方式(「PSS方式」とも呼ばれる)が適用されている。
【0074】
送電コイル112と受電コイル212の対向状態で、送電共振回路110mが並列共振し、受電共振回路210が直列共振するように、送電共振回路110mの並列コンデンサ116pのキャパシタンスCpt及び直列コンデンサ116sのキャパシタンスCstと、受電共振回路210の受電共振コンデンサ216のキャパシタンスCrとが設定される。具体的には、は、下式(7)~(9)を用いて設定される。なお、送電コイル112のインダクタンスLt及び受電コイル212のインダクタンスLrは、Lt=L1及びLr=L2に設定されているものとする。
【数7】
【数8】
【数9】
なお、kは送電コイル112と受電コイル212の結合係数である。
【0075】
そして、送電コイル112と受電コイル212の対向状態における入力インピーダンスZ1は、下式(10)で表される。
【数10】
なお、Lmは送電コイル112と受電コイル212の相互インダクタンス、RLは受電回路220およびバッテリ230を等価的に示した負荷である。
【0076】
送電コイル112と受電コイル212とが非対向状態から対向状態になった場合には、送電共振回路110mの入力インピーダンスZ1が上式(10)で表される入力インピーダンスとなって、送電回路から送電共振回路110mに電流が流れて、非接触給電装置100から受電装置200への給電が行なわれる。
【0077】
送電コイル112と受電コイル212とが対向状態から非対向状態になる場合、結合係数kが減少し、相互インダクタンスLmが減少してゼロになっていく。これにより、上式(10)の分母の値がゼロに向かって減少することになるので、入力インピーダンスZ1が増加することになる。この結果、送電共振回路110mの入力電流を抑制することができるので、送電回路からの電流の抑制、すなわち、待機電力を抑制することができる。
【0078】
但し、第10実施形態で説明したように、並列コンデンサ116pによる並列共振であるため、並列コンデンサ116pと送電コイル112との間に漏洩電流が流れるため、送電コイル112で漏洩磁界が発生してしまう。
【0079】
そこで、非対向状態においては、直列コンデンサ116sのキャパシタンスCstを、上式(8)により設定した値から低下させることが好ましい。これにより、下式(11)に示すコイル経路側のインピーダンスZsを大きくすることができるので、送電コイル112に流れる漏洩電流を抑制して、漏洩磁界の発生を抑制することができる。
【数11】
【0080】
また、非対向状態においては、並列コンデンサ116pのキャパシタンスCpを、上式(7)により設定した値から低下させることが好ましい。これにより、下式(12)に示す並列コンデンサ経路側のインピーダンスZpをさらに大きくすることができるので、送電共振回路110mの入力電流をさらに抑制することができるる。この結果、送電回路からの電流、すなわち、待機電力をより効果的に抑制することができる。
【数12】
【0081】
なお、キャパシタンスを変化させる手法としては、上記した第2,第4,第5,第8,第9実施形態で説明した手法が利用可能である。
【0082】
L.第12実施形態:
第12実施形態は、
図26に示すように、第1実施形態で示した直列共振回路を用いた送電共振回路110に中継共振回路が設けられた送電共振回路110nを適用した形態である、送電共振回路110nは、送電共振回路110と同様の送電コイル112及び送電共振コンデンサ116nを有する送電共振回路部分と、閉ループ回路を構成する中継コイル114及び中継共振コンデンサ119を有する中継共振回路部分を有している。中継コイル114は送電コイル112に対して一定の結合係数k1hを有する位置関係に設置される。
【0083】
送電コイル112と受電コイル212の対向状態で、送電共振回路部分、中継回路部分及び受電共振回路210が共振するように、送電共振回路110nの送電共振コンデンサ116nのキャパシタンスCt及び中継共振コンデンサ119のキャパシタンスChtと、受電共振回路210の受電共振コンデンサ216のキャパシタンスCrとが設定される。具体的には、下式(13)~(15)を用いて設定される。なお、送電コイル112のインダクタンスLtはLt=L1、中継コイルのインダクタンスはLht、受電コイル212のインダクタンスLrはLr=L2に設定されているものとする。
【数13】
【数14】
【数15】
k1hは送電コイル112と中継コイル114の結合係数、kh2は中継コイル114と受電コイル212の結合係数、K12は送電コイル112と受電コイル212の結合係数である。
【0084】
そして、送電コイル112と受電コイル212の対向状態における入力インピーダンスZ1は、下式(16)で表される。
【数16】
なお、RLは受電回路220およびバッテリ230を等価的に示した負荷である。
【0085】
送電コイル112と受電コイル212とが非対向状態から対向状態になった場合には、送電共振回路110nの入力インピーダンスZ1が上式(16)で表される入力インピーダンスとなって、送電回路から送電共振回路110nに電流が流れて、非接触給電装置100から受電装置200への給電が行なわれる。
【0086】
なお、中継コイル114側を流れる電流Ihtは、非対向状態の場合、下式(17)で表され、対向状態で送電共振回路部分、中継共振回路部分及び受電共振回路210が共振している場合、下式(18)で表される。
【数17】
【数18】
なお、Lmは送電コイル112と受電コイル212の相互インダクタンスであり、L1hは送電コイル112と中継コイル114の相互インダクタンスである。V1は、送電共振回路110mの入力電圧である。
【0087】
送電コイル112と受電コイル212とが対向状態から非対向状態になる場合、結合係数kh2が減少してゼロになっていく。これにより、上式(16)の分母の値がゼロに向かって減少することになるので、入力インピーダンスZ1が増加することになる。この結果、送電共振回路110nの入力電流を抑制することができるので、送電回路からの電流の抑制、すなわち、待機電力を抑制することができる。
【0088】
しかしながら、上式(17)で表される電流Ihtが中継コイル114に流れるため、中継コイル114で漏洩磁界が発生してしまう。
【0089】
そこで、非対向状態においては、送電共振回路部分の送電共振コンデンサ116nのキャパシタンスCtを、上式(13)により設定した値から低下させることが好ましい。これにより、入力インピーダンスZ1をより大きくすることにより、送電コイル112に掛かる電圧を小さくできる。具体的には、送電共振コンデンサ116nのキャパシタンスCtが小さくなることにより、上式(17)の分母が大きくなるので、中継コイル114に流れる電流Ihtを抑制することができ、中継コイル114で発生する漏洩磁界を抑制することができる。また、中継共振コンデンサ119のキャパシタンスChtも上式(14)により設定した値から低下させるようにしてよい。このようにしても、中継コイル114に流れる電流Ihtを抑制することができる。
【0090】
なお、キャパシタンスを変化させる手法としては、上記した第2,第4,第5,第8,第9実施形態で説明した手法が利用可能である。
【0091】
M.第13実施形態:
第1実施形態から第12実施形態では、送電共振回路の入力インピーダンスZ1を、受電コイル212と送電コイル112との対向の状態に応じて変化させる形態について説明した。これに対して、
図5のフィルタ回路120を構成するフィルタ用コンデンサ122のキャパシタンス及びフィルタ用コイル124のインダクタンスを変化させる構成として、対向状態でフィルタ回路120を共振状態とし、非対向状態でフィルタ回路120を共振状態からはずれるようにしてもよい。具体的には、
図27に示すように、可変制御回路320oによって、フィルタ回路120oを構成するフィルタ用コンデンサ122oのキャパシタンス及びフィルタ用コイル124oのインダクタンスを変化させる構成としてもよい。
【0092】
フィルタ回路120oは、直列に接続されたコンデンサ122oとコイル124oとで構成されるバンドパスフィルタ回路である。コンデンサ122oとコイル124oの順序は逆であってもよい。コンデンサ122oは、制御電圧Vcoに応じてキャパシタンスが可変となる可変コンデンサである。可変コンデンサとしては、種々の一般的な可変コンデンサが適用可能である。コイル124oは、制御電圧Vloに応じてインダクタンスが可変となる可変コイルである。可変コイルとしては、種々の一般的な可変コイルが適用可能である。
【0093】
可変制御回路320hの構成は、第7実施形態の可変制御回路320g(
図18参照)の電圧変換回路328c,328lに変えて、電圧変換回路328co,328loを備えている点を除いて、可変制御回路320gと同じである。また、電圧変換回路328coは、基準電圧Vrcoを基準として、コンデンサ122oのキャパシタンスを制御する制御電圧Vcoを出力する点を除いて、電圧変換回路328cと同じである。電圧変換回路328loは、基準電圧Vrloを基準として、コイル124oのインダクタンスを制御する制御電圧Vloを出力する点を除いて、電圧変換回路328lと同じである。
【0094】
可変制御回路320oは、受電コイル212と送電コイル112の対向の状態に応じて、フィルタ回路120oのコイル124oのインダクタンス及びコンデンサ122oのキャパシタンスを制御することができる。具体的には、非対向状態では、インダクタンスおよびキャパシタンスを小さくして、フィルタ回路120oの入力インピーダンスを大きくし、送電回路130からの電流を抑制する。これに対して、対向状態では、バンドパスフィルタとして機能するように、インダクタンス及びキャパシタンスを大きくする。これにより、第13実施形態においても第1実施形態で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0095】
なお、可変制御回路320oは、電流センサ322を用いた可変制御回路を例に説明したが、第5実施形態(
図15参照)のように、磁界センサ322eを用いた可変制御回路を適用可能である。
【0096】
なお、フィルタ回路120oのコイル124oのインダクタンス及びコンデンサ122oのキャパシタンスの両方を変化させるのではなく、いずれか一方のみを変化させる構成としても良い。また、フィルタ回路120oのコイル124oのインダクタンス及びコンデンサ122oのキャパシタンスの少なくとも一方を可変するだけでなく、送電共振回路110の送電コイル112のインダクタンス及び送電共振コンデンサ116のキャパシタンスの少なくとも一方を可変する構成としてもよい。
【0097】
また、第8,第9実施形態で説明したように、フィルタ用コンデンサを複数のコンデンサで構成し、複数のコンデンサの接続を切り替えることにより、フィルタ用コンデンサのキャパシタンスを変化させる構成を適用してもよい。また、フィルタ用インダクタンスも複数のインダクタンスで構成し、複数のインダクタンスの接続を切り替えることにより、フィルタ用インダクタンスのインダクタンスを変化させる構成を適用してもよい。
【0098】
N.第14実施形態:
第14実施形態は、
図28に示すように、第13実施形態のフィルタ回路120o(
図27参照)及びこれを制御する可変制御回路320oを、フィルタ回路120p及びこれを制御する可変制御回路320pに置き換えた構成である。
【0099】
フィルタ回路120pは、1つのフィルタ用コンデンサ122pと2つのフィルタ用コイル124p,124pとで構成されるイミタンスフィルタ回路である。コンデンサ122pは、制御電圧Vcpに応じてキャパシタンスが可変となる可変コンデンサである。可変コンデンサとしては、種々の一般的な可変コンデンサが適用可能である。コイル124pは、制御電圧Vlpに応じてインダクタンスが可変となる可変コイルである。可変コイルとしては、種々の一般的な可変コイルが適用可能である。
【0100】
可変制御回路320pは、第13実施形態の可変制御回路320o(
図27参照)の電圧変換回路328co,328loに変えて、電圧変換回路328cp,328lpを備えている点を除いて、可変制御回路320oと同じである。また、電圧変換回路328cpは、基準電圧Vrcpを基準として、コンデンサ122pのキャパシタンスを制御する制御電圧Vcpを出力する点を除いて、電圧変換回路328coと同じである。電圧変換回路328lpは、基準電圧Vrlpを基準として、コイル124pのインダクタンスを制御する制御電圧Vlpを出力する点を除いて、電圧変換回路328loと同じである。
【0101】
可変制御回路320pは、受電コイル212と送電コイル112の対向の状態に応じて、フィルタ回路120pのコイル124pのインダクタンス及びコンデンサ122pのキャパシタンスを制御することができる。具体的には、非対向状態では、インダクタンスおよびキャパシタンスを小さくして、フィルタ回路120pのインピーダンスを大きくし、送電回路130からの電流を抑制する。これに対して、対向状態では、イミタンスフィルタとして機能するように、インダクタンス及びキャパシタンスを大きくする。これにより、第14実施形態においても第1実施形態で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0102】
なお、可変制御回路320pは、電流センサ322を用いた可変制御回路を例に説明したが、第5実施形態(
図15参照)のように、磁界センサ322eを用いた可変制御回路を適用可能である。
【0103】
また、上記構成では、コンデンサ122pのキャパシタンス及びコイル124pのインダクタンスの両方を制御する構成を例に説明したが、いずれか一方を制御する構成としても良い。また、コンデンサ122pのキャパシタンス及びコイル124pのインダクタンスの少なくとも少なくとも一方を可変するだけでなく、送電共振回路110の送電コイル112のインダクタンス及び送電共振コンデンサ116のキャパシタンスの少なくとも一方を可変する構成としてもよい。
【0104】
また、第8,第9実施形態で説明したように、フィルタ用コンデンサを複数のコンデンサで構成し、複数のコンデンサの接続を切り替えることにより、フィルタ用コンデンサのキャパシタンスを変化させる構成を適用してもよい。また、フィルタ用インダクタンスも複数のインダクタンスで構成し、複数のインダクタンスの接続を切り替えることにより、フィルタ用インダクタンスのインダクタンスを変化させる構成を適用してもよい。
【0105】
また、第13実施形態ではフィルタ回路としてバンドパスフィルタ回路を適用し、第14実施形態ではフィルタ回路としてイミタンスフィルタ回路を適用した構成を例に説明したが、これに限定されるものではなく、他の種々のフィルタ回路を適用することも可能である。
【0106】
O.第15実施形態:
第15実施形態は、
図29に示すように、第13実施形態の直列共振型の送電共振回路110(
図27参照)を並列共振型の送電共振回路110l(
図24参照)に置き換えた構成である。この構成においても、第13実施形態と同様に、第1実施形態で説明した効果を得ることができる。なお、フィルタ回路120oを第14実施形態のフィルタ回路120p(
図28参照)等の他のフィルタ回路を用いた構成としてもよい。なお、送電共振回路を
図25に示した並列共振型の送電共振回路110mに置き換えても良い。
【0107】
P.第16実施形態:
上記各実施形態の非接触給電装置100は、1つの送電共振部を備える構成を例に説明したが、これに限定されるものではなく、
図30~
図32に示すように、1つの送電回路に対して複数の送電共振部を並列に備える構成であってもよい。
【0108】
図30は、送電回路130に対して送電共振部として
図1に示した送電共振回路110を複数並列に配置した構成を示している。
図31は、送電回路130と複数の送電共振回路110との間に1つのフィルタ回路120が配置される構成を示している。複数の送電共振回路110のうち、受電装置200の受電共振回路210の受電コイル212が対向する送電コイル112を有する送電共振回路110を、第1実施形態で説明した対向状態と同様に動作させ、他の送電共振回路110を、第1実施形態で説明した非対向状態と同様に動作させればよい。このようにすれば、第1実施形態で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0109】
図32は、送電回路130に対して送電共振部として
図5に示したフィルタ回路120および送電共振回路110を複数並列に配置した構成を示している。この構成においても、複数の送電共振回路110のうち、受電装置200の受電共振回路210の受電コイル212が対向する送電コイル112を有する送電共振回路110を、第1実施形態で説明した対向状態と同様に動作させ、他の送電共振回路110を、第1実施形態で説明した非対向状態と同様に動作させればよい。このようにすれば、第1実施形態で説明した効果と同様の効果を得ることができる。また、複数のフィルタ回路120のうち、受電装置200の受電共振回路210の受電コイル212が対向する送電コイル112を有するフィルタ回路120を、第13,第14実施形態で説明した対向状態のフィルタ回路(
図27,
図28参照)と同様に動作させ、その他のフィルタ回路120を第13,第14実施形態で説明した非対向状態のフィルタ回路と同様に動作させればよい。このようにすれば、第13,第14実施形態並びに第1実施形態で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0110】
なお、
図30~
図32に示した複数の送電共振部を備える非接触給電装置は、
図1,
図5に示した送電共振回路を例として示したものであるが、他の実施形態で示した送電共振回路部を適用することも可能である。また、
図32に示した複数の送電共振部を備える非接触給電装置は、
図27,
図28に示したフィルタ回路を例として図示したものであるが、他のフィルタ回路を例として適用することも可能である。
【0111】
Q.第17実施形態:
図30~
図32に示した複数の送電共振部を備える非接触給電装置100は、
図33~
図35に示すように、車両用非接触給電システムの非接触給電装置として適用可能である。
【0112】
図33~
図35に示す車両用非接触給電システムは、車両走行路RSの走路に沿って敷設された非接触給電装置100から受電装置200としての車両(以下、「車両200」とも呼ぶ)に対して電力を供給することが可能な給電システムである。車両200は、例えば、電気自動車」やハイブリッド車として構成される。
図33~
図35において、x軸方向は車両走行路RSの車線に沿った車両200の進行方向を示し、y軸方向は車両走行路RSの幅方向を示し、z軸方向は垂直上方向を示す。後述する他の図におけるx,y,z軸の方向も、
図33~
図35と同じ方向を示している。
【0113】
送電共振回路110は、車両走行路RSに敷設された送電コイル112及び不図示の送電共振コンデンサ116(
図30~
図32参照)を有している。各送電共振回路110の送電コイル112は、車両走行路RSの車線に沿った方向であるx方向に沿って配列されている。なお、
図33~
図35には、7つの送電共振回路110が示されている。但し、これに限定されるものではなく、x方向及びy方向に沿って送電コイル112が複数配列された構成としてもよい。
【0114】
受電共振回路210は、受電コイル212と、不図示の受電共振コンデンサ216(
図30~
図32参照)を有しており、少なくとも、受電コイル212は、車両200の底部に、送電共振回路110の送電コイル112に対向するように配置されている。
【0115】
受電共振回路210で得られた交流電力は、受電回路220によって直流電力に変換され、バッテリ230に充電されて、不図示のモータ等を駆動するためのエネルギーとして利用される。
【0116】
この車両用非接触給電システムの非接触給電装置においても、上記実施形態の非接触給電装置と同様の効果を得ることができる。
【0117】
ここで、車両走行路RSに敷設される送電コイル112の寸法は、以下で説明するように設定されることが好ましい。
【0118】
図36は、受電コイルと対向する部分がある送電コイル(ハッチングで示す送電コイル)の全てから受電コイルに対して給電を行なう設定の場合について示している。図の上段に示すように、送電コイル112の配列方向、すなわち、x方向に沿った送電コイル寸法DTxが受電コイル212のx方向に沿った受電コイル寸法DRx以上の場合、受電コイル212が対向していない部分の面積(以下、「非対向面積」とも呼ぶ)が多くなり、漏洩磁束が大きくなる場合がある。これに対して図の下段に示すように、送電コイル寸法DTxが受電コイル寸法DRxよりも小さい場合には、上段の場合と比較して、非対向面積を少なくすることができ、漏洩磁束を小さくすることができる。
【0119】
また、
図37は、受電コイルと送電コイルの対向面積50%以上の送電コイル(ハッチングで示す送電コイル)のみ受電コイルに対して給電を行なう設定の場合について示している。図の上段に示すように、送電コイル寸法DTxが受電コイル寸法DRx以上の場合、
図36で示した場合と同様に、非対向面積が多くなり、漏洩磁束が大きくなる場合がある。また、受電コイル212が送電コイル112と対向する部分の面積(対向面積)が少なくなり、受電コイル212が受電できる電力が減少する場合がある。これに対して図の下段に示すように、送電コイル寸法DTxが受電コイル寸法DRxよりも小さい場合には、上段の場合と比較して、非対向面積を少なくすることができ、漏洩磁束を小さくすることができる。また、上段の場合と比較して、対向面積を多くすることができ、受電コイル212が受電できる電力を増加させることができる。
【0120】
そこで、送電コイル112の寸法は、送電コイル寸法DTxが受電コイル寸法DRxよりも小さくすることが好ましい。
【0121】
R.他の実施形態:
(1)上記実施形態では、コンデンサのキャパシタンスやコイルのインダクタンスを変化させる物理量として電圧や磁界を利用する構成を例に説明したが、これに限定されるものではなく、光や温度、力等の物理量に応じてキャパシタンスが変化するコンデンサや、インダクタンスが変化するコイルを利用するようにしてもよい。この場合、送電コイルと受電コイルとの対向する状態に応じて、対応する物理量を出力する可変制御回路を利用するようにすればよい。
【0122】
(2)上記実施形態では、送電共振回路あるはいフィルタ回路のインピーダンスを変化させる場合について説明したが、送電共振回路およびフィルタ回路の両方のインピーダンスを変化させる構成としてもよい。
【0123】
(3)上記実施形態では、送電側の送電コイル112も受電側の受電コイル212も単相の場合を例に説明している。しかしながら、これに限定されるものではない。送電側を複数相の送電コイルの構成としてもよい。また、受電側を複数相の受電コイルの構成としてもよい。例えば、送電側は単相の送電コイルで受電側は2相あるいは3相以上の複数相の受電コイルの構成としてもよい。また、送電側は2相あるいは3相以上の複数相の送電コイルの構成で、受電側は単相、あるいは、複数相の受電コイルの構成であってもよい。
【0124】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0125】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0126】
100…非接触給電装置、110…送電共振回路、112…送電コイル、116…送電共振コンデンサ、120…フィルタ回路、122…フィルタ用コンデンサ、124…フィルタ用コイル、130…送電回路、140…電源回路、200…受電装置、210…受電共振回路、212…受電コイル、216…受電共振コンデンサ