(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】睡眠状態判定システム、及び睡眠状態判定方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/16 20060101AFI20240116BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A61B5/16 130
A61B5/11 100
(21)【出願番号】P 2022197818
(22)【出願日】2022-12-12
(62)【分割の表示】P 2018121106の分割
【原出願日】2018-06-26
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】木村 信之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直史
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 彩奈
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-209315(JP,A)
【文献】特開2016-059718(JP,A)
【文献】特開2004-005341(JP,A)
【文献】特開2010-088727(JP,A)
【文献】特開2008-023118(JP,A)
【文献】特開2008-142238(JP,A)
【文献】特開2006-263454(JP,A)
【文献】特開2010-178933(JP,A)
【文献】特開2005-237479(JP,A)
【文献】特開2016-030108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
A61B 5/06 - 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設にいるユーザの各々における生体情報を取得する測定結果取得部と、
前記測定結果取得部により取得された前記生体情報に基づいて、前記ユーザの各々の睡眠状態であって、前記ユーザの各々が離床しているか入床しているか、入床している場合には覚醒しているか入眠したかを含む睡眠状態を判定する状態判定部と、
前記状態判定部により判定された前記睡眠状態を出力する出力部と、
前記状態判定部により判定された前記睡眠状態に基づいて、離床または覚醒した状態が閾値時間以上継続したことを含むアラーム通知条件を前記睡眠状態が充足すると判定した場合にアラーム通知を行うアラーム通知部と、
を有する睡眠状態判定装置と、
前記睡眠状態判定装置から受信した前記ユーザの各々の前記睡眠状態に基づいて、前記ユーザの各々が離床しているか入床しているかの別、および入床している場合には覚醒しているか入眠したかの別を一覧にして表示する一覧表示と、前記アラーム通知部により前記アラーム通知が行われた履歴であるアラーム履歴とを隣接させて表示する管理者端末と、
を有し、
前記管理者端末は、前記アラーム通知条件と、睡眠状態を判定するための判定変数と、を設定するための管理画面であって、前記アラーム通知を行う時間帯であるアラーム設定時間帯を設定するための入力欄と、レコード数を設定するための入力欄と、を含む管理画面を表示し、前記入力欄に対応して入力された前記アラーム設定時間帯と、前記レコード数と、を前記睡眠状態判定装置の記憶部に記憶させ、
前記測定結果取得部は、前記生体情報の取得を、
所定の時間幅毎に前記レコード数に等しい回数にわたって
連続して実行し、
前記アラーム通知部は、前記睡眠状態判定装置の記憶部に記憶された前記アラーム設定時間帯において前記アラーム通知を行う、
睡眠状態判定システム。
【請求項2】
前記管理者端末は、前記アラーム履歴において、前記アラーム通知ごとに、前記アラーム通知に対応する前記睡眠状態判定装置が設置されている設置場所、前記アラーム通知のトリガを示すイベント、及び前記アラーム通知の発生時刻を表示する、
請求項1に記載の睡眠状態判定システム。
【請求項3】
前記測定結果取得部は、前記ユーザの動きを示す電気信号に基づいて算出された前記ユーザの睡眠の深さを示す情報を含む前記生体情報を取得し、
前記出力部は、前記生体情報を前記管理者端末に出力し、
前記管理者端末は、前記睡眠状態判定装置から受信した前記ユーザの各々の前記生体情報に基づいて、前記ユーザの各々が入眠した場合における睡眠の深さを前記一覧表示において表示する、
請求項1に記載の睡眠状態判定システム。
【請求項4】
前記睡眠状態判定装置は、前記睡眠状態を判定するための判定変数である第1期間、第2期間、第3期間、及び第4期間を記憶する記憶部を更に備え、
前記生体情報には、心拍数、及び体動の有無を示す情報が含まれ、
前記状態判定部は、前記第1期間に取得された前記生体情報における心拍数が閾値以上である場合に入床と判定し、入床と判定しない場合に離床と判定し、入床と判定した後の前記第2期間に取得された前記生体情報において体動ありが示される場合に覚醒と判定し、覚醒と判定しない場合に入眠と判定し、入眠したと判定した後の前記第3期間に取得された前記生体情報のうちの第4期間に取得された前記生体情報において継続して体動ありが示される場合に覚醒と判定する、
請求項1に記載の睡眠状態判定システム。
【請求項5】
前記記憶部には、前記判定変数としての第5期間、及び第6期間が記憶され、
前記状態判定部は、前記睡眠状態として寝返りの有無及び床ずれ対応が必要か否かを更に判定し、入眠と判定した後の前記第5期間に取得された前記生体情報において体動ありが含まれる場合に寝返りありと判定し、寝返りなしと判定した場合において入眠と判定した後の第6期間に取得された前記生体情報の全てにおいて体動なしが示される場合に床ずれ対応が必要と判定する、
請求項4に記載の睡眠状態判定システム。
【請求項6】
睡眠状態判定装置の測定結果取得部が、施設にいるユーザの各々における生体情報を取得し、
睡眠状態判定装置の状態判定部が、前記測定結果取得部により取得された前記生体情報に基づいて、前記ユーザの各々の睡眠状態であって、前記ユーザの各々が離床しているか入床しているか、入床している場合には覚醒しているか入眠したかを含む睡眠状態を判定し、
睡眠状態判定装置の出力部が、前記状態判定部により判定された前記睡眠状態を出力し、
睡眠状態判定装置のアラーム通知部が、前記状態判定部により判定された前記睡眠状態に基づいて、離床または覚醒した状態が閾値時間以上継続したことを含むアラーム通知条件を前記睡眠状態が充足すると判定した場合にアラーム通知を行い、
管理者端末が、前記睡眠状態判定装置から受信した前記ユーザの各々の前記睡眠状態に基づいて、前記ユーザの各々が離床しているか入床しているかの別、および入床している場合には覚醒しているか入眠したかの別を一覧にして表示する一覧表示と、前記アラーム通知部により前記アラーム通知が行われた履歴であるアラーム履歴とを隣接させて表示し、
前記管理者端末は、前記アラーム通知条件と、睡眠状態を判定するための判定変数と、を設定するための管理画面であって、前記アラーム通知を行う時間帯であるアラーム設定時間帯を設定するための入力欄と、レコード数を設定するための入力欄と、を含む管理画面を表示し、前記入力欄に対応して入力された前記アラーム設定時間帯と、前記レコード数と、を前記睡眠状態判定装置の記憶部に記憶させ、
前記測定結果取得部は、前記生体情報の取得を、
所定の時間幅毎に前記レコード数に等しい回数にわたって
連続して実行し、
前記アラーム通知部は、前記睡眠状態判定装置の記憶部に記憶された前記アラーム設定時間帯において前記アラーム通知を行う、
睡眠状態判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠状態判定システム、及び睡眠状態判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体から生体情報を取得して、睡眠状態の指標となる情報を取得する睡眠状態測定装置がある(例えば、特許文献1参照)。このような睡眠状態測定装置を用いることで、生体の心拍、呼吸等を把握することができる。さらに、生体情報は、レム睡眠やノンレム睡眠等の睡眠の質を推定するための情報として用いることもできる。
一方、ホテルや医療施設、及び介護施設など、ユーザの宿泊を伴う施設においては、ユーザが適切な睡眠をとれているか、夜間に定期的に確認する見守りを行っている。このような施設に特許文献1に記載の技術を用いれば、ユーザの睡眠の質を把握して、適切な睡眠をとれているか否かを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、夜間においては、ホテルや施設側の人員が少なくなるため、複数のユーザを見守ろうとした場合、見回りの間隔が長くなってしまう場合がある。見回りの間隔が長くなってしまうと、見回りと見回りの間にユーザが覚醒した場合、覚醒したユーザに直ちに対応することが難しくなってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、個々のユーザの睡眠に関する状態を把握することができる睡眠状態判定システム、及び睡眠状態判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、施設にいるユーザの各々における生体情報を取得する測定結果取得部と、前記測定結果取得部により取得された前記生体情報に基づいて、前記ユーザの各々の睡眠状態であって、前記ユーザの各々が離床しているか入床しているか、入床している場合には覚醒しているか入眠したかを含む睡眠状態を判定する状態判定部と、前記状態判定部により判定された前記睡眠状態を出力する出力部と、前記睡眠状態に基づいて、離床または覚醒した状態が閾値時間以上継続したことを含むアラーム通知条件を前記睡眠状態が充足すると判定した場合にアラーム通知を行うアラーム通知部と、を有する睡眠状態判定装置と、前記睡眠状態判定装置から受信した前記ユーザの各々の前記睡眠状態に基づいて、前記ユーザの各々が離床しているか入床しているかの別、および入床している場合には覚醒しているか入眠したかの別を一覧にして表示する一覧表示と、前記アラーム通知部により前記アラーム通知が行われた履歴であるアラーム履歴とを隣接させて表示する管理者端末と、を有し、前記管理者端末は、前記アラーム通知条件と、睡眠状態を判定するための判定変数と、を設定するための管理画面であって、前記アラーム通知を行う時間帯であるアラーム設定時間帯を設定するための入力欄と、レコード数を設定するための入力欄と、を含む管理画面を表示し、前記入力欄に対応して入力された前記アラーム設定時間帯と、前記レコード数と、を前記睡眠状態判定装置の記憶部に記憶させ、前記測定結果取得部は、前記生体情報の取得を、所定の時間幅毎に前記レコード数に等しい回数にわたって連続して実行し、前記アラーム通知部は、前記睡眠状態判定装置の記憶部に記憶された前記アラーム設定時間帯において前記アラーム通知を行う、睡眠状態判定システムである。
【0007】
また、本発明は、睡眠状態判定装置の測定結果取得部が、施設にいるユーザの各々における生体情報を取得し、睡眠状態判定装置の状態判定部が、前記測定結果取得部により取得された前記生体情報に基づいて、前記ユーザの各々の睡眠状態であって、前記ユーザの各々が離床しているか入床しているか、入床している場合には覚醒しているか入眠したかを含む睡眠状態を判定し、睡眠状態判定装置の出力部が、前記状態判定部により判定された前記睡眠状態を出力し、睡眠状態判定装置のアラーム通知部が、前記睡眠状態に基づいて、離床または覚醒した状態が閾値時間以上継続したことを含むアラーム通知条件を前記睡眠状態が充足すると判定した場合にアラーム通知を行い、管理者端末が、前記睡眠状態判定装置から受信した前記ユーザの各々の前記睡眠状態に基づいて、前記ユーザの各々が離床しているか入床しているかの別、および入床している場合には覚醒しているか入眠したかの別を一覧にして表示する一覧表示と、前記アラーム通知部により前記アラーム通知が行われた履歴であるアラーム履歴とを隣接させて表示し、前記管理者端末は、前記アラーム通知条件と、睡眠状態を判定するための判定変数と、を設定するための管理画面であって、前記アラーム通知を行う時間帯であるアラーム設定時間帯を設定するための入力欄と、レコード数を設定するための入力欄と、を含む管理画面を表示し、前記入力欄に対応して入力された前記アラーム設定時間帯と、前記レコード数と、を前記睡眠状態判定装置の記憶部に記憶させ、前記測定結果取得部は、前記生体情報の取得を、所定の時間幅毎に前記レコード数に等しい回数にわたって連続して実行し、前記アラーム通知部は、前記睡眠状態判定装置の記憶部に記憶された前記アラーム設定時間帯において前記アラーム通知を行う、睡眠状態判定方法である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、この発明によれば、ユーザの入床及び離床を判定し、ユーザが入床していると判定する場合には入眠したか覚醒しているかを判定するため、個々のユーザの睡眠に関する状態を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態の睡眠状態判定システム1の構成を示す構成図である。
【
図2】実施形態の睡眠状態の表示例を示す図である。
【
図3】実施形態の睡眠状態の表示例を示す図である。
【
図4】実施形態の睡眠状態の表示例を示す図である。
【
図5】実施形態の管理者端末60の管理画面の一例を示す図である。
【
図6】実施形態の管理者端末60の管理画面の一例を示す図である。
【
図7】実施形態の睡眠状態判定装置10の動作例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態の睡眠状態判定装置10の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態の変形例における睡眠状態判定システム1Aの構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による睡眠状態判定システム、及び睡眠状態判定装置について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、実施形態の睡眠状態判定システム1の構成を示す構成図である。
図1に示すように、睡眠状態判定システム1は、例えば、睡眠状態判定装置10、センサシート20、通信制御装置30、端末装置40、印刷装置50、管理者端末60及び通信ネットワーク70を備える。睡眠状態判定装置10、センサシート20、通信制御装置30、端末装置40、印刷装置50及び管理者端末60の各々は、通信ネットワーク70を介して通信可能に接続される。
【0012】
睡眠状態判定装置10は、通信制御装置30から、ユーザの生体情報を取得する。ここで、生体情報には、例えば、ベッドにいるユーザの心拍数や呼吸数、体動の有無及びユーザの睡眠の深さを示す情報が含まれる。ここでの睡眠の深さは、例えば、特許文献1に記載の技術を用いて心拍間隔の瞬時位相と呼吸パターンの瞬時位相との間の位相差に基づく位相コヒーレンスλを算出することにより導出されてよい。しかしながら、ユーザの睡眠の深さは、睡眠の深さを判定する指標となり得る情報に基づいて導出される情報であればよく、例えば、ユーザの自律神経のバランス、ストレス度合い、或いはリラックス度合い等を示す情報に基づいて導出されてよい。
【0013】
睡眠状態判定装置10は、取得したユーザの生体情報に基づいて、睡眠状態を判定する。睡眠状態は、睡眠の状態であって、例えば、ユーザが入床しているか離床しているか、入床している場合には覚醒しているか入眠したか等を示す情報である。ここで、睡眠状態には、入眠した後の状態(睡眠が継続中であるか、或いは覚醒したか)や、入眠した後の睡眠中の寝返りの有無や、床ずれに対する対応(以下、床ずれ対応という)が必要か否かを判定した情報が含まれる。
睡眠状態判定装置10は、受信したユーザの生体情報及び睡眠状態の判定結果を示す情報を、所定の送信先に送信する。ここでの送信先は、例えば、端末装置40や管理者端末60である。
【0014】
センサシート20は、シート型のセンサであって、例えば、膜厚方向に働く圧力を検知する圧電センサである。センサシート20は、例えば、ユーザが就寝するベッドのマットレスの下、或いはマットレスが二層構造である等、複数のマットレスが設けられている場合にはマットレスとマットレスとの間に設けられ、ベッドにユーザがいる場合におけるユーザの動きを検知する。センサシート20は、検知した結果を通信制御装置30に出力する。
【0015】
通信制御装置30は、センサシート20により検知された電気信号を取得する。通信制御装置30は、取得した電気信号を解析することにより、ユーザの生体情報を算出する。通信制御装置30は、例えば、取得した電気信号にフィルタ処理を行なうことにより、心拍や呼吸及び体動に対応する所定の周波数帯域の信号を抽出し、抽出した信号に基づいて単位時間あたりの心拍数や呼吸数及び体動の有無を算出する。また、通信制御装置30は、算出したユーザの心拍数等に基づいて、ユーザの睡眠の深さ(例えば、位相コヒーレンスλ)を算出する。通信制御装置30は、算出したユーザの生体情報を、睡眠状態判定装置10に送信する。
【0016】
端末装置40は、例えば、ユーザが就寝する部屋に設けられたタブレット端末、又はノート型或いはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等である。或いは、端末装置40は、ユーザが所有するスマートフォンやタブレット端末等であってもよい。例えば、睡眠状態判定システム1が介護施設や病院等に適用された場合、端末装置40は、ユーザの家族や、ユーザを担当する介護従事者や医療従事者等が所持するスマートフォン等であってもよい。
また、端末装置40には、睡眠状態判定装置10から送信される情報に基づいて、ユーザの生体情報及び睡眠状態の判定結果を表示するアプリケーションプログラムがインストールされている。端末装置40は、当該アプリケーションプログラムを起動させ、睡眠状態判定装置10から生体情報及び睡眠状態の判定結果を示す情報を受信する。端末装置40は、当該アプリケーションプログラムの動作により、受信した生体情報や睡眠状態の判定結果を示す情報を表示画面に表示する。或いは、端末装置40は、WEB(World Wide Web)ブラウザから、生体情報や睡眠状態を表示する個別のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスし、WEBアプリ上で生体情報や睡眠情報を見ることもできる。これにより、睡眠状態判定システム1が介護施設や病院等に適用された場合、端末装置40を所持する医療従事者等は、ユーザの睡眠状態を把握することができる。
なお、端末装置40は、生体情報、又は睡眠状態の判定結果を示す情報の一方のみを受信してもよい。この場合、端末装置40は、例えば、睡眠状態判定装置10により睡眠中のユーザが覚醒したと判定された場合に、その旨を電子メールの通知等により受信する。これにより、端末装置40を所持する医療従事者等は、睡眠中であったユーザが覚醒したことを把握することができる。
【0017】
管理者端末60は、睡眠状態判定装置10を管理する管理者の端末装置である。管理者端末60は、睡眠状態判定装置10からユーザの生体情報及び睡眠状態の判定結果を示す情報を受信する。管理者端末60は、受信したユーザの生体情報及び睡眠状態の判定結果を示す情報として、後述する「全ユーザの睡眠状態リアルタイム一覧画面」、「各ユーザの睡眠状態リアルタイム詳細画面」及び「バイタルレポート」(
図2から
図4参照)を表示画面に表示したり、印刷装置50に出力して印刷したりする。
例えば、睡眠状態判定システム1が介護施設や病院等に適用された場合、管理者端末60は、介護従事者や医療従事者が常駐する場所、例えばナースステーション等、に設けられる端末装置である。この場合、管理者端末60は、受信した生体情報及び睡眠状態を判定した結果を示す情報に基づいて、ユーザの睡眠状態、つまりユーザが入床しているか離床しているか、覚醒しているか睡眠中であるか等を把握することができる。これにより、消灯後にユーザが入床したか、夜中に目を覚ましていないか等を把握することができる。
【0018】
また、管理者端末60は、アラームを通知する条件であるアラーム通知条件を設定する。ここでの、アラームは、ユーザの睡眠状態が特定の条件を充足する場合に、端末装置40や管理者端末60を閲覧する管理者等に、通知するアラームである。管理者端末60は、アラーム通知条件を設定することにより、例えば、夜中に覚醒したユーザがいる場合などに、その旨の通知を受けることができ、ユーザの体調に変化が生じていないか様子を見に行く等、早期の対策を行うことが可能となる。
例えば、管理者端末60は、アラーム通知条件を設定する設定項目が表示された管理画面(
図5参照)を表示し、キーボードやマウス等の入力装置(不図示)から、管理者等の入力操作により設定項目に対して入力された設定値を取得し、取得した値を後述する睡眠状態判定装置10のアラーム条件記憶部107に記憶させる。
【0019】
また、管理者端末60は、睡眠状態の判定に用いられる各種パラメータ(以下、判定変数ともいう)を設定する。ここでの、判定変数は、例えば、入床や覚醒等を判定する際に用いられる変数である。管理者端末60は、判定変数を個別に設定することにより、施設の環境や、寝具の状態、及び施設におけるユーザの平均年齢などに応じて、入床や覚醒等と判定する条件を変更させることができ、より精度よく入床や覚醒等を判定することが可能となる。
例えば、管理者端末60は、各種パラメータの設定を行う設定項目が表示された管理画面(
図6参照)を表示し、キーボードやマウス等の入力装置から、管理者等の入力操作により設定項目に対して入力された設定値を取得し、取得した値を後述する睡眠状態判定装置10の判定閾値記憶部103に記憶させる。
【0020】
印刷装置50は、管理者端末60から出力された「全ユーザの睡眠状態リアルタイム一覧画面」、「各ユーザの睡眠状態リアルタイム詳細画面」及び「バイタルレポート」を印刷する。
通信ネットワーク70は、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局、専用回線などのうちの一部または全部を含む通信網である。
【0021】
また、
図1に示すように、睡眠状態判定装置10は、例えば、測定結果取得部101、状態判定部102、判定閾値記憶部103、アラーム通知部104、出力部105、生体情報記憶部106及びアラーム条件記憶部107を備える。
【0022】
測定結果取得部101は、測定されたユーザの生体情報を定期的(例えば、5秒毎)に取得する。測定結果取得部101は、センサシート20により検出された電気信号に基づき、通信制御装置30により測定されたユーザの生体情報を、通信制御装置30から取得する。測定結果取得部101は、取得したユーザの生体情報を生体情報記憶部106に記憶させる。
【0023】
状態判定部102は、生体情報に基づいて睡眠の状態を判定する。
状態判定部102は、例えば、生体情報に含まれる心拍数を示す情報に基づいて、ユーザが入床しているか離床しているかを判定する。具体的には、状態判定部102は、取得したユーザの心拍数が所定の閾値Th以上であり、尚且つ、所定の期間T1の間継続して検知された場合、ユーザが入床していると判定する。ここで入床の判定に用いられる入床変数(例えば、閾値Th、及び期間T1、等)は、判定変数の一例である。特に、期間T1は、「第1判定変数」の一例である。
入床変数は、例えば、判定閾値記憶部103に記憶される。この場合、状態判定部102は、判定閾値記憶部103を参照して取得した入床変数を用いて、ユーザが入床しているか否かの判定を行う。
一方、状態判定部102は、ユーザが入床していると判定しない場合に、ユーザが離床していると判定する。状態判定部102は、ユーザが入床しているか否かを示す情報を、アラーム通知部104及び出力部105に出力する。
【0024】
状態判定部102は、ユーザが入床していると判定した場合、生体情報に含まれる体動を示す情報に基づいて、ユーザが覚醒しているか入眠したかを判定する。具体的には、状態判定部102は、入床していると判定された生体情報よりも後に取得されたユーザの体動が、所定の期間T2の間継続して体動ありとして検知された場合、ユーザが覚醒していると判定する。ここで、入床後の覚醒の判定に用いられる入床後の覚醒変数(例えば、期間T2、等)は、判定変数の一例である。特に、期間T2は、「第2判定変数」の一例である。
入床後の覚醒変数は、例えば、判定閾値記憶部103に記憶される。この場合、状態判定部102は、判定閾値記憶部103を参照して取得した入床後の覚醒変数を用いて、入床しているユーザが覚醒しているか否かの判定を行う。
一方、状態判定部102は、ユーザが入床していると判定した場合において、ユーザが覚醒していると判定しない場合に、ユーザが入眠したと判定する。
状態判定部102は、ユーザが覚醒しているか入眠したかを示す情報を、アラーム通知部104及び出力部105に出力する。
【0025】
状態判定部102は、ユーザが入眠したと判定した場合、生体情報に含まれる体動を示す情報に基づいて、ユーザが睡眠を継続させている(睡眠中である)か、覚醒したかを判定する。具体的には、状態判定部102は、入眠したと判定された生体情報よりも後に所定の期間T3の間継続して取得されたユーザの体動が、所定の期間T4の間継続して体動ありとして検知された場合、入眠したユーザが覚醒したと判定する。ここで、入眠後の覚醒の判定に用いられる入眠後の覚醒変数(例えば、期間T3、T4等)は、判定変数の一例である。特に、期間T3は、「第3判定変数」の一例であり、期間T4は、「第4判定変数」の一例である。
入眠後の覚醒変数は、例えば、判定閾値記憶部103に記憶される。この場合、状態判定部102は、判定閾値記憶部103を参照して取得した入眠後の覚醒変数を用いて、入眠後のユーザが覚醒したか否かの判定を行う。
一方、状態判定部102は、ユーザが入眠したと判定した後において、ユーザが覚醒したと判定しない場合に、ユーザが睡眠を継続させている(睡眠中である)と判定する。状態判定部102は、入眠後のユーザが覚醒したか睡眠中であるかを示す情報を、アラーム通知部104及び出力部105に出力する。
【0026】
状態判定部102は、ユーザが入眠したと判定した場合、生体情報に含まれる体動を示す情報に基づいて、ユーザが寝返りをしたか否かを判定する。具体的には、状態判定部102は、入眠したと判定された生体情報よりも後に取得されたユーザの体動が、所定の期間T5の間継続して体動ありとして検知された場合、ユーザが寝返りをしたと判定する。ここで、寝返りの判定に用いられる寝返り変数(例えば、期間T5、等)は、判定変数の一例である。特に、期間T5は、「第5判定変数」の一例である。
寝返り変数は、任意に設定されてよいが、例えば、期間T5は、上述した入眠後における覚醒の判定に用いられる期間T4よりも短い期間に設定される。
寝返り変数は、例えば、判定閾値記憶部103に記憶される。この場合、状態判定部102は、判定閾値記憶部103を参照して取得した寝返り変数を用いて、ユーザが寝返りをしたか否かの判定を行う。
状態判定部102は、ユーザが寝返りをしたか否かを示す情報を、アラーム通知部104及び出力部105に出力する。
【0027】
状態判定部102は、ユーザが寝返りをしていないと判定した場合、生体情報に含まれる体動を示す情報に基づいて、床ずれ対応が必要か否かを判定するようにしてもよい。具体的には、状態判定部102は、入眠したと判定された生体情報よりも後に取得されたユーザの体動に基づいて所定の期間T6の間継続して寝返りなし判定する場合、ユーザに床ずれ対応が必要と判定する。ここで床ずれ対応の要否の判定に用いられる床ずれ変数(例えば、期間T6)は、判定変数の一例である。特に、期間T6は、「第6判定変数」の一例である。
床ずれ変数は、例えば、判定閾値記憶部103に記憶される。この場合、状態判定部102は、判定閾値記憶部103を参照して取得した床ずれ変数を用いて、ユーザに床ずれ対応が必要か否かの判定を行う。
状態判定部102は、ユーザに床ずれ対応が必要か否かを示す情報を、アラーム通知部104及び出力部105に出力する。
【0028】
判定閾値記憶部103は、例えば、睡眠状態を判定する際に用いられる判定変数(例えば、上述した閾値Th、期間T1~T5)を記憶する。睡眠状態判定装置10の制御部(不図示)は、例えば、予め設定された判定変数を判定閾値記憶部103に記憶させる。また、睡眠状態判定装置10の制御部は、管理者端末60の管理画面に表示された判定変数の設定項目に対して設定値が変更された場合、変更された判定変数における変更後の設定値を、判定閾値記憶部103に記憶させる。
【0029】
アラーム通知部104は、睡眠状態判定装置10により判定された睡眠状態が、所定のアラーム通知条件を充足する場合にアラームを通知する。アラーム通知部104は、例えば、管理者端末60の管理画面等を介して予め設定された電子メールアドレスに、アラームを通知する。これにより、端末装置40や管理者端末60が受信可能な電子メールアドレスが設定されている場合、端末装置40や管理者端末60を閲覧する管理者等にアラームを通知することができる。
【0030】
出力部105は、測定結果取得部101により取得された生体情報、及び状態判定部102により判定された睡眠状態を示す情報を出力する。出力部105は、例えば、生体情報や睡眠状態を示す情報を、端末装置40や管理者端末60に送信する。
【0031】
生体情報記憶部106は、測定結果取得部101により取得されたユーザの生体情報を記憶する。測定結果取得部101は、例えばユーザを識別する識別情報を対応付けてユーザの生体情報を記憶する。
【0032】
アラーム条件記憶部107は、アラーム通知条件を記憶する。睡眠状態判定装置10の制御部は、例えば、予め設定されたアラーム通知条件をアラーム条件記憶部107に記憶させる。また、睡眠状態判定装置10の制御部は、管理者端末60の管理画面に表示されたアラーム通知条件の設定項目に対し、設定値が変更された場合、変更されたアラーム通知条件における変更後の設定値をアラーム条件記憶部107に記憶させる。
【0033】
ここで、睡眠状態の表示について
図2から
図4を用いて説明する。
図2から
図4は、実施形態の睡眠状態の表示例を示す図である。
図2では「全ユーザの睡眠状態リアルタイム一覧画面」、
図3では「各ユーザの睡眠状態リアルタイム詳細画面」及び
図4では「バイタルレポート」の例が示されている。
図2に示すように、睡眠状態は、例えば、複数のユーザにおける睡眠状態を一覧にした「全ユーザの睡眠状態リアルタイム一覧画面」の状態で示される。画像600は、例えば、睡眠状態判定装置10から睡眠状態を受信した管理者端末60の表示画面に表示される画像である。この例では、介護施設を利用する複数のユーザにおける睡眠状態が一覧で示された場合の例を示している。画像600は、領域601~603により構成される。
【0034】
領域601には、睡眠状態判定システム1を導入した施設の名称、及び現在日時等の書誌的事項が掲載される。
領域602には、「一覧表示」というタイトルで、睡眠状態判定装置10が設置された設置場所ごとに、ユーザの氏名(利用者)、離入床、心拍数、呼吸数、睡眠状態及び設置期間がそれぞれ掲載される。この例では、領域602の下部の凡例に示すように、離入床が離床と入床の各々に対応させたアイコンの表示で示され、ユーザの睡眠の深さが、覚醒、睡眠1~睡眠4の各々の状態に対応させたアイコンの表示により示される。
また、領域602には、「詳細表示」と示された欄602A、「レポート表示」と示された欄602B、「データ出力」と示された欄602C、及び日付が設定可能な欄602Dがそれぞれ掲載される。管理者端末60の表示画面には、ユーザの全員における現在の状態を一覧で示す「全ユーザの睡眠状態リアルタイム一覧画面」が表示される。個別のユーザが選択された上で「詳細表示」の欄602Aがマウスのクリック操作等により選択されると、管理者端末60は、表示画面に、欄602Dに設定された日付における「各ユーザの睡眠状態リアルタイム詳細画面」を表示させる。なお、欄602Dに日付が設定されない状態で欄602Aがクリックされた場合には、現在の日付における「各ユーザの睡眠状態リアルタイム詳細画面」が表示される。
また、個別のユーザが選択された上で「レポート表示」の欄602Bが選択されると、管理者端末60は、表示画面に、欄602Dに設定された日付における「バイタルレポート」を表示させる。「バイタルレポート」には、個別のユーザの過去の日付における平均的なバイタルデータ(心拍数、呼吸数、睡眠時間、熟睡度等)が示されている。
また、「データ出力」欄602Cが選択されると、管理者端末60は、表示画面に表示された情報を印刷装置50に出力する。
【0035】
領域603には、「アラーム履歴」というタイトルで、アラーム通知ごとに、設置場所、ユーザの氏名(利用者)、イベント、及び発生時刻が、掲載される。ここでのイベントは、アラーム通知のトリガとなる睡眠状態を示している。この例では、アラーム通知のトリガとなったイベントとして、「覚醒」、「入床」、「離床」、「通信断」の各々が示されている。この例のように、睡眠状態判定装置10は、アラーム通知のトリガとして、睡眠状態判定装置10と通信制御装置30との間の通信状態を用いてもよい。この場合、例えば、通信制御装置30は、装置が正常に稼働していることを示すヘルスチェック信号を、定期的に睡眠状態判定装置10に送信する。そして、睡眠状態判定装置10は、通信制御装置30からヘルスチェック信号を受信しない期間が、所定の期間以上となった場合に、管理者端末60にアラーム通知を行う。
【0036】
図3に示すように、睡眠状態は、一人のユーザ(この例では、利用者A)における睡眠状態を、グラフ等を用いて詳細に示す「各ユーザの睡眠状態リアルタイム詳細画面」の状態で示されるようにしてもよい。画像610は、例えば、
図2の領域602に表示された「詳細表示」の欄602Aが選択されることにより、表示される画像である。画像610は、領域611~613により構成される。
【0037】
領域611には、施設の名称、ユーザの氏名(利用者)、及び現在日時等の書誌的事項が掲載される。
領域612には、「表示日」というタイトルで、閲覧を所望する日付の睡眠状態を設定する欄が掲載される。「表示内容」というタイトルで、閲覧を所望する内容を選択する欄に、「睡眠」、「心拍」、「呼吸」、「体動」、及び「離入床」を選択するラジオボタンが掲載される。この例では、表示内容として「睡眠」が選択された例を示している。
また、領域612には、「比較表示」というタイトルで、表示日と比較する睡眠状態の表示として、「(表示)なし」、「前日(の表示)」、及び「前々日(の表示)」を選択するラジオボタンが掲載される。この例では、比較表示として、「(表示)なし」が設定された例を示している。
領域612の下側の部分には、設定した「表示日」、及び「表示内容」に対応する睡眠状態(この例では、所定の日付における睡眠の深さ)の時系列の変化を示すグラフが掲載される。この例では、横軸に時刻、縦軸に睡眠の深さ(睡眠レベル)により睡眠の深さが掲載された例を示す。この例では、「比較表示」の表示は「なし」に設定されているため、先日又は前々日の睡眠の深さを示すグラフが、比較対象として表示されていない。
なお、この例では、睡眠の深さが、「覚醒」、「浅い」、「やや浅い」、「やや深い」及び「深い」の各段階で掲載されている。この睡眠の深さと、
図2の領域602に表示されたアイコン表示の睡眠の深さとは、同じ指標に基づいて判定されたものであってもよいし、異なる指標に基づいて判定されたものであってもよい。
【0038】
領域613には、「最新状態表示」というタイトルで、管理者端末60が睡眠状態判定装置10から受信した睡眠状態を示す情報のうち、最新の睡眠状態が掲載される。この例では、睡眠状態として、「離床・入床」、「入眠・覚醒」、「心拍数」及び「呼吸数」がそれぞれ掲載される例を示している。また、この例では、
図2の領域602と同様に、離床・入床、及び睡眠の深さがアイコンの表示により示される。
【0039】
図4に示すように、睡眠状態は、一人のユーザ(この例では、利用者A)における一日の睡眠状態の集計結果を示す「バイタルレポート」の状態で示されるようにしてもよい。画像615は、例えば、
図2の領域602に表示された「レポート表示」の欄602Bが選択されることにより、表示される画像である。画像615は、領域616~619により構成される。
【0040】
領域616には、施設の名称(この例では、「○○株式会社」)、及び現在日時等の書誌的事項が掲載される。
領域617には、「利用者」というタイトルでユーザを選択する欄が掲載される。「表示日」というタイトルで、閲覧を所望する日付の睡眠状態を設定する欄が掲載される。「表示日の状態」というタイトルで、選択されたユーザにおける設定された日の睡眠時間、心拍数平均、呼吸数平均、睡眠時の体動回数、離床時間合計、入床時間合計及び熟睡度がそれぞれ掲載される。
領域618には、領域617の「表示日」の欄に設定された日における離入床の時系列の変化を示すグラフが掲載される。この例では、横軸に時刻、縦軸に離床と入床とが示されている。
領域619には、領域617の「表示日」の欄に設定された日における睡眠の度合い(この例では、覚醒、浅い、やや浅い、やや深い、深い)の時系列の変化を示すグラフが掲載される。この例では、横軸に時刻、縦軸に睡眠の度合いが示されている。
【0041】
ここで、管理者端末60の管理画面について
図5及び
図6を用いて説明する。
図5及び
図6は、実施形態の管理者端末60の管理画面の一例を示す図である。
図5にはアラーム通知条件を設定する画面、
図6には判定変数を設定する画面の例がそれぞれ示されている。
【0042】
図5に示すように、アラーム通知条件は、例えば、管理者端末60の管理画面で設定される。アラーム通知条件を設定する画像620は、領域621、及び622により構成される。
領域621には、施設の名称、及び現在日時等の書誌的事項が掲載される。
領域622には、「システム設定」というタイトルで、アラーム通知条件を設定する欄(アラーム通知設定)が掲載される。アラーム通知設定には、対象イベント、閾値、イベント成立時間、アラーム設定時間帯及びメール通知の項目を備える。また、それぞれの項目がアラーム通知として設定された欄622A~622Gが掲載される。
対象イベントには、アラーム通知のトリガとなる睡眠状態として、離床や覚醒、心拍数の低下、或いは通信断、等のイベント名称と、そのイベントを選択するチェックボックスが掲載される。この例では、チェックボックスがチェックされたイベント名称が黒色で表示され、チェックされていないイベント名称が灰色で表示される。
閾値は、イベントとして心拍数等の数値を伴う睡眠状態が選択された場合に、イベントの発生とみなす閾値を設定する欄である。この場合、睡眠状態が閾値として設定された値以上(又は未満)となった場合にアラーム通知が行われる。
イベント成立時間は、イベントとして選択した睡眠状態の継続時間を設定する欄である。この場合、イベント成立時間として設定された時間の間、睡眠状態が継続した場合にアラーム通知が行われる。
アラーム設定時間帯は、アラーム通知を行う時間帯の開始時間と終了時間とを設定する欄である。この場合、アラーム設定時間帯にイベントが発生した場合にアラーム通知が行われる。
メール通知には、アラーム通知として電子メールによる通知を行うか否かを選択するチェックボックスが掲載される。また、この例では、「共通の通知先メールアドレス」と掲載された欄に、アラーム通知を行う電子メールのアドレスが表示される。
【0043】
領域622の欄622Aでは、アラーム通知設定として、アラーム設定時間帯(21:00~6:00)において、ユーザが離床していると判定された状態が5分開継続した場合との条件が設定されている。また、このアラーム通知の条件を満たした場合にメール通知が行われないように設定されている。
領域622の欄622Bでは、アラーム通知設定として、アラーム設定時間帯(21:00~6:00)において、ユーザが離床していると判定された状態が30分開継続した場合との条件が設定されている。また、このアラーム通知の条件を満たした場合にメール通知が行われるように設定されている。
領域622の欄622Cでは、アラーム通知設定として、アラーム設定時間帯(21:00~4:00)において、ユーザが覚醒していると判定された状態が10分開継続した場合との条件が設定されている。また、このアラーム通知の条件を満たした場合にメール通知が行われないように設定されている。
領域622の欄622Dでは、アラーム通知設定として、アラーム設定時間帯(設定なし)において、ユーザの心拍が20以下に低下していると判定された状態が3分開継続した場合との条件が設定されている。また、このアラーム通知の条件を満たした場合にメール通知が行われないように設定されている。
領域622の欄622Eでは、アラーム通知設定として、アラーム設定時間帯(設定なし)において、ユーザの心拍が0(ゼロ)に低下していると判定された状態が1分開継続した場合との条件が設定されている。また、このアラーム通知の条件を満たした場合にメール通知が行われるように設定されている。
領域622の欄622Fでは、アラーム通知設定として、アラーム設定時間帯(設定なし)において、ユーザの呼吸が0(ゼロ)に低下していると判定された状態が3分開継続した場合との条件が設定されているが、この条件を満たした場合に、アラーム通知及びメール通知が行われないように設定されている。
領域622の欄622Gでは、アラーム通知設定として、アラーム設定時間帯(設定なし)において、睡眠状態判定装置10が通信制御装置30からユーザの情報を受信できない状態が30分開継続した場合との条件が設定されている。また、このアラーム通知の条件を満たした場合にメール通知が行われるように設定されている。
【0044】
図6に示すように、判定変数は、例えば、管理者端末60の管理画面で設定される。判定変数を設定する画像630は、領域631、及び632により構成される。
領域631には、施設の名称、及び現在日時等の書誌的事項が掲載される。
領域632には、「システム設定」というタイトルで、判定変数を設定する欄(睡眠解析パラメータ)が掲載される。睡眠解析パラメータには、入床判定、離床判定、入眠判定、覚醒判定、寝返り判定、及び床ずれ対応判定の各項目を備える。
【0045】
各項目には、回数が設定される欄632A~632Gが設けられる。欄632A~632Gに設定される回数は、定期的に取得する心拍や体動等の生体情報を取得する回数を示している。例えば、5秒毎に生体情報が取得される場合、連続して6回取得された生体情報には(5×6=)30秒分の生体情報が含まれる。つまり、生体情報を取得する回数は、生体情報を取得する期間に対応している。つまり、生体情報を取得する回数は、判定変数の一例である。
【0046】
入床判定には、連続して心拍を検出する回数を設定する欄632Aが掲載される。この場合、心拍が欄632Aに設定された回数連続して検出された場合に、入床と判定される。
離床判定には、連続して心拍を検出しない回数を設定する欄632Bが掲載される。この場合、心拍が欄632Bに設定された回数連続して検出されない場合に、離床と判定される。なお、本実施形態では、上述した入床判定と離床判定のいずれか一方が用いられてよい。この場合、入床判定が用いられた場合には、入床と判定しない場合に離床と判定される。一方、離床判定が用いられた場合には、離床と判定しない場合に入床と判定される。
【0047】
入眠判定には、連続して心拍を検出する回数を設定する欄632C、及び連続して体動を検出する回数を設定する欄632Dが掲載される。この場合、心拍が欄632Cに設定された回数連続して検出され、尚且つ、体動なしが、欄632Dに設定された回数連続して検出された場合に、入眠したと判定される。
覚醒判定には、連続して体動を検出する回数を設定する欄632E、及び欄632Eに設定した体動を検出する回数のうち、体動ありを検出する回数を設定する欄632Fが掲載される。この場合、入眠後、欄632Eに設定された回数連続して取得した体動のうち、欄632Fに設定された回数の体動ありが検出された場合に、入眠後に覚醒したと判定される。
【0048】
寝返り判定には、連続して体動を検出する回数を設定する欄632Gが掲載される。この場合、入眠後、体動ありが欄632Gに設定された回数連続して検出された場合に、寝返りを行ったと判定される。
床ずれ対応判定には、連続して体動を検出する時間を設定する欄632Hが掲載される。この場合、入眠後、体動なしが欄632Hに設定された時間連続して検出された場合に、床ずれ対応が必要と判定される。
【0049】
ここで、睡眠状態判定装置10の動作について
図7及び
図8を用いて説明する。
図7及び
図8は、実施形態の睡眠状態判定装置10の動作例を示すフローチャートである。
図7には睡眠状態判定装置10が行う全体の処理の流れ、
図8には睡眠状態判定装置10が睡眠状態を判定する処理の流れをそれぞれ示している。
【0050】
図7に示すように、まず、睡眠状態判定装置10は、所定のレコード数の連続した生体情報を取得する(ステップS100)。レコード数は定期的に取得する生体情報の回数を示す。ここでのレコード数には、
図6に示す判定変数の設定画面において入床判定として欄632Aに設定された値(例えば、レコード数=6)が反映される。
睡眠状態判定装置10は、取得した生体情報の心拍数が全て所定の閾値Th以上であるか否かを判定する(ステップS101)。
睡眠状態判定装置10は、心拍数が全て閾値Th以上である場合、入床していると判定し(ステップS102)、睡眠状態を判定する処理(状態判定処理)を行う(ステップS103)。
一方、睡眠状態判定装置10は、取得した生体情報の心拍数が所定の閾値Th未満である場合、離床していると判定し(ステップS104)、ステップS100に示す処理に戻る。
【0051】
図8に示すように、状態判定処理において、まず、睡眠状態判定装置10は、所定のレコード数の連続した生体情報を取得する(ステップS200)。ここでのレコード数には、
図6に示す判定変数の設定画面において入眠判定として欄632Dに設定された値(例えば、レコード数=36)が反映される。
睡眠状態判定装置10は、取得した生体情報の体動が全て「体動あり」であるか否かを判定する(ステップS201)。
睡眠状態判定装置10は、体動が全て「体動あり」である場合、覚醒していると判定する(ステップS206)。この場合、睡眠状態判定装置10は、
図5に示すアラーム通知条件に応じてアラーム通知を行う。そして、睡眠状態判定装置10は、ステップS100に示す処理に戻る。
一方、睡眠状態判定装置10は、体動が全て「体動あり」ではない場合、入眠したと判定する(ステップS203)。この場合、睡眠状態判定装置10は、
図5に示すアラーム通知条件に応じてアラーム通知を行う。
【0052】
次に、睡眠状態判定装置10は、所定のレコード数の連続した生体情報を取得する(ステップS204)。ここでのレコード数には、
図6に示す判定変数の設定画面において覚醒判定として欄632Eに設定された値(例えば、レコード数=12)が反映される。
睡眠状態判定装置10は、取得した体動のうち所定のレコード数以上の連続した体動が「体動あり」であるか否かを判定する(ステップS205)。ここでのレコード数には、
図6に示す判定変数の設定画面において覚醒判定として欄632Fに設定された値(例えば、レコード数=6)が反映される。
睡眠状態判定装置10は、取得した体動のうち所定のレコード数以上の連続した体動が「体動あり」である場合、覚醒したと判定する(ステップS206)。この場合、睡眠状態判定装置10は、
図5に示すアラーム通知条件に応じてアラーム通知を行う。そして、睡眠状態判定装置10は、ステップS100に示す処理に戻る。
【0053】
また、睡眠状態判定装置10は、所定のレコード数の連続した生体情報を取得する(ステップS207)。ここでのレコード数には、
図6に示す判定変数の設定画面において寝返り判定として欄632Gに設定された値(例えば、レコード数=4)が反映される。
睡眠状態判定装置10は、取得した生体情報の体動が全て「体動あり」であるか否かを判定する(ステップS208)。
睡眠状態判定装置10は、体動が全て「体動あり」である場合、寝返りしたと判定する(ステップS209)。この場合、睡眠状態判定装置10は、
図5に示すアラーム通知条件に応じてアラーム通知を行う。そして、睡眠状態判定装置10は、ステップS203に示す処理に戻る。
一方、睡眠状態判定装置10は、体動が全て「体動あり」ではない場合、入眠してから所定の期間以上の間、体動なしが継続しているか否かを判定する(ステップS210)。ここでの所定の時間には、
図6に示す判定変数の設定画面において床ずれ対応判定として欄632Hに設定された値(例えば、3[時間])が反映される。
睡眠状態判定装置10は、入眠してから所定の期間以上の間、体動なしが継続している場合、床ずれ対策が必要と判定する(ステップS211)。この場合、睡眠状態判定装置10は、
図5に示すアラーム通知条件に応じてアラーム通知を行う。そして、睡眠状態判定装置10は、ステップS203に示す処理に戻る。
【0054】
以上説明したように、実施形態の睡眠状態判定装置10は、生体情報に基づいて、入床しているか離床しているかの判定を行い、入床していると判定する場合に、覚醒しているか入眠したかの判定を行うため、特別な知識を有していなくても、生体情報を基にして睡眠に関する状態を把握することができる。特に、介護施設などにおいては、寝たきりのユーザが多く、入床していても眠っているとは限らない。このため、入床後に入眠したか否か判定することで、ユーザの睡眠時間を正確に把握し、健康管理に役立てることができる。また、入床しているが覚醒しているユーザの存在を把握し、介護従事者がそのユーザの様子を見に行ったり、声掛けを行ったりすることができるため、行き届いた介護を行うことができる。
【0055】
例えば、ホテルや施設側の見回りにおいては、交代制勤務が多いため、担当者同士が複数のユーザの情報を、その詳細な内容まで引き継ぐことが困難である場合がある。
これに対し、本発明を活用すれば、複数のユーザについての情報、例えば個々のユーザにおける過去の心拍数、呼吸数、寝返り回数、睡眠状態等の情報が閲覧できるため、引継ぎがより容易により確実に実施することが可能である。さらに、見回りの際に、ユーザに変化があった場合には、当該ユーザにおける上記過去の情報に基づいて、その変化の原因を探ることが可能である。また、ユーザにおける上記過去の情報を用いて、施設から離れた遠隔地等にいるユーザの家族へ、ユーザの状況を知らせる資料に活用することも可能である。
【0056】
また、実施形態の睡眠状態判定装置10は、睡眠状態を判定した結果を出力することができるため、複数のユーザの睡眠状態を一覧にして表示させることで、管理者は一括して睡眠状態を把握することができる。また、個々のユーザの睡眠状態の履歴を出力することもできるため、ユーザやユーザの家族に対して、睡眠状態の履歴を閲覧して貰うことができ、介護従事者と家族の間でユーザの情報を共有することが可能である。
【0057】
また、実施形態の睡眠状態判定装置10は、入眠したと判定した場合、覚醒したか否か、寝返りをしたか否か、及び床ずれ対応が必要か否かをそれぞれ判定するため、入眠後のユーザの状態を把握することができる。このため、入眠したユーザが覚醒した場合に、徘徊等の問題行動が起きる前に介護従事者がそのユーザの様子を見に行くことができ、問題行動を未然に抑制することが可能となる。
また、実施形態の睡眠状態判定装置10は、覚醒やイベントが発生した場合に、所定の通知先にアラーム通知を行うことができるため、特に夜間など、介護従事者側の人手が少ない場合であっても、アラーム通知に応じて、覚醒しているユーザに対する見回りを優先的に行うことができるため、より確実に必要な介護を行うことが可能となる。
また、実施形態の睡眠状態判定システム1は、睡眠状態判定装置10と、睡眠状態判定装置10により判定された複数のユーザの睡眠状態の判定結果を、一覧にして表示する管理者端末60を有することにより、複数のユーザの睡眠状態を一括して把握することができ、何れのユーザが覚醒したか入眠したかを容易に認識できるため、見回りを効率よく、尚且つ適切なタイミングで行うことが可能となる。
【0058】
また、上述した睡眠状態判定システム1を、介護施設や病院などの施設に設けられるナースコールシステムと連携させるようにしてもよい。ナースコールシステムは、施設内に入院、或いは入居するユーザと、看護師や介護職員とが連絡を取り合うシステムである。このナースコールシステムにおいては、ユーザからの呼び出しを、看護師等が携帯する携帯端末(PHS等)へ転送する機能を備える場合もある。睡眠状態判定システム1を、このようなナースコールシステムと連携させることにより、既存のシステムを利用して、ユーザの睡眠状態やアラーム通知を、担当の看護師等に知らせることが可能となる。
そこで、上述した睡眠状態判定システム1をナースコールシステムと連携させた例について、実施形態の変形例として説明する。以下の説明においては、実施形態と異なる構成についてのみ説明し、同様の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
図9は、実施形態の変形例における睡眠状態判定システム1Aの構成を示す構成図である。
図9に示すように、睡眠状態判定システム1Aは、例えば、睡眠状態判定装置10A、インターフェースサーバ80及びナースコールシステム90を備える。端末装置40、印刷装置50、管理者端末60、インターフェースサーバ80及びナースコールシステム90の各々は、施設内LAN(Local Area Network)を介して通信可能に接続される。
【0060】
なお、この図の例では、インターフェースサーバ80が施設内LANに接続され、施設内に設けられた場合を例示しているが、インターフェースサーバ80は施設の外に設けられていてもよい。この場合、インターフェースサーバ80は、通信ネットワーク70に接続し、通信ネットワーク70及び施設内LANを介してナースコールシステム90と通信を行う。
【0061】
睡眠状態判定装置10Aは、受信したユーザの生体情報及び睡眠状態の判定結果を示す情報を、インターフェースサーバ80に出力する。睡眠状態判定装置10Aは、状態判定部102A、アラーム通知部104A及び出力部105Aを備える。
状態判定部102Aは、生体情報に基づいて睡眠の状態を判定し、判定した結果を、センサシート20の設置場所情報と共に、アラーム通知部104A及び出力部105Aに出力する。ここで、センサシート20の設置場所情報は、センサシート20の設置場所を示す情報であり、例えば、病室番号とベッド番号とを示すものであってもよいし、その病室におけるユーザの氏名などを含むものであってもよい。状態判定部102Aは、例えば、予めセンサシート20の識別番号と設置場所情報とを対応させた情報を図示しない記憶部に記憶させ、当該記憶部を参照することにより、センサシート20の設置場所情報を取得する。ここで、センサシート20の設置場所情報は、「ユーザがいる場所を示す場所情報」の一例である。
【0062】
アラーム通知部104Aは、状態判定部102Aにより判定された睡眠状態が、所定のアラーム通知条件を充足する場合に、センサシート20の設置場所情報と共に、インターフェースサーバ80にアラームを通知する。
出力部105Aは、状態判定部102Aにより判定された睡眠状態を、センサシート20の設置場所情報と共に、インターフェースサーバ80に通知する。
【0063】
インターフェースサーバ80は、睡眠状態判定装置10Aからのアラーム通知、及びユーザの睡眠状態の通知を取得し、取得した通知を、ナースコールシステム90におけるナースコール親機や、看護師等が携帯する携帯端末(PHS等)へ転送する。ここで、インターフェースサーバ80は、取得した通知のうち何れの通知をナースコールシステム90に通知するか、何れの通知を何れのナースコール親機、または何れの看護師等が携帯する携帯端末(PHS等)に送るのかを選択するようにしてもよい。ここで、インターフェースサーバ80は、「所定の通知先」の一例である。
【0064】
具体的には、インターフェースサーバ80は、睡眠状態判定装置10Aからの通知内容を示す電気信号を、ナースコールシステム90の仕様に応じたナースコール通信用の電気信号に変換し、変換した電気信号を、ナースコールシステム90の連携アダプター(不図示)へ送信する。
【0065】
ナースコールシステム90は、例えば、連携アダプター、ナースコール子機、ナースコール親機及び、PHS等の携帯端末を備える。連携アダプターは、ナースコールシステム90における、種々の通信(例えば、PHS等への発信、ナースコール子機からナースコール親機への受発信など)における制御部として機能する。ナースコール子機は、施設の入院患者や入居者が使用する通信端末である。ナースコール親機は、ナースステーション等、看護師や介護職員が待機する場所に設けられた通信基地局である。PHS等の携帯端末は、看護師等が勤務中に携帯する携帯端末である。
【0066】
以上説明したように、実施形態の変形例における睡眠状態判定装置10Aは、睡眠の状態に関するアラーム通知を、センサシート20の設置場所情報と共に、所定の通知先(例えば、インターフェースサーバ80)に通知する。これにより、実施形態の変形例における睡眠状態判定装置10Aにおいては、既存の通信システム(例えば、ナースコールシステム90)を利用してアラーム通知を行い、睡眠状態の確認が必要なユーザへの対応をより確実に行うことが可能となる。
【0067】
上述した実施形態における睡眠状態判定システム1(1A)、及び睡眠状態判定装置10(10A)の全部又は一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0068】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1、1A…睡眠状態判定システム
10、10A…睡眠状態判定装置
101…測定結果取得部
102…状態判定部
103…判定閾値記憶部
104…アラーム通知部
105…出力部
106…生体情報記憶部
107…アラーム条件記憶部
20…センサシート
30…通信制御装置
40…端末装置
50…印刷装置
60…管理者端末
70…通信ネットワーク
80…インターフェースサーバ
90…ナースコールシステム