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特許7420315アンテナ素子、電子機器及びアンテナ素子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】アンテナ素子、電子機器及びアンテナ素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/38 20060101AFI20240116BHJP
   H01Q 13/10 20060101ALI20240116BHJP
   H01P 11/00 20060101ALI20240116BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
H01Q1/38
H01Q13/10
H01P11/00
H05K3/46 Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023518641
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2022015284
(87)【国際公開番号】W WO2022234748
(87)【国際公開日】2022-11-10
【審査請求日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2021079044
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池本 伸郎
(72)【発明者】
【氏名】西尾 恒亮
(72)【発明者】
【氏名】須藤 薫
(72)【発明者】
【氏名】市川 敬一
(72)【発明者】
【氏名】天野 信之
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-011769(JP,A)
【文献】国際公開第2015/083216(WO,A1)
【文献】特開2021-044475(JP,A)
【文献】特開2006-108702(JP,A)
【文献】特開2006-100450(JP,A)
【文献】特開2001-308470(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0089053(US,A1)
【文献】特開2007-068037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/38
H01Q 13/10
H01P 11/00
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ素子であって、
上下方向に並ぶ第1主面及び第2主面を有している絶縁基材と、
前記絶縁基材の第1主面に設けられているアンテナ導体層と、
を備えており、
上下方向に見て環状の外縁を有する1以上の第1開口が、前記アンテナ導体層に設けられており、
1以上の第1絶縁基材非形成領域が、上下方向において前記絶縁基材と前記アンテナ導体層との間に位置しており、
前記1以上の第1絶縁基材非形成領域には、前記絶縁基材が存在せず、
前記1以上の第1開口の外縁のそれぞれは、上下方向に見て前記1以上の第1絶縁基材非形成領域と重なり、前記絶縁基材と接触しておらず、
前記アンテナ素子は、(A)又は(B)の構造を有してお
(A)前記1以上の第1絶縁基材非形成領域は、第1空孔である、
(B)前記1以上の第1絶縁基材非形成領域には、前記絶縁基材の材料の誘電率より低い誘電率を有する低誘電率材料又は前記絶縁基材の材料の誘電率より高い誘電率を有する高誘電率材料が設けられている、
アンテナ素子。
【請求項2】
複数の前記第1絶縁基材非形成領域が、上下方向において前記絶縁基材と前記アンテナ導体層との間に位置しており、
前記複数の第1絶縁基材非形成領域が繋がっていることにより、複数の第1柱状部が前記絶縁基材に設けられており、
前記複数の第1柱状部は、上下方向に延びており、かつ、上下方向に見て、前記複数の第1絶縁基材非形成領域により囲まれている、
請求項1に記載のアンテナ素子。
【請求項3】
前記1以上の第1開口は、上下方向に見て、第1方向に延びる帯形状を有しており、
前記アンテナ導体層は、スロットアンテナとして機能する、
請求項1又は請求項2のいずれかに記載のアンテナ素子。
【請求項4】
アンテナ素子であって、
上下方向に並ぶ第1主面及び第2主面を有している絶縁基材と、
前記絶縁基材の第1主面に設けられているアンテナ導体層と、
前記絶縁基材の第2主面に設けられているリファレンス導体層と、
を備えており、
前記リファレンス導体層は、上下方向に見て、前記アンテナ導体層と重なっており、
上下方向に見て環状の外縁を有する1以上の第2開口が、前記リファレンス導体層に設けられており、
1以上の第2絶縁基材非形成領域が、上下方向において前記絶縁基材と前記リファレンス導体層との間に位置しており、
前記1以上の第2絶縁基材非形成領域には、前記絶縁基材が存在せず、
前記1以上の第2開口の外縁のそれぞれは、上下方向に見て前記1以上の第2絶縁基材非形成領域と重なり、前記絶縁基材と接触しておらず、
(C)又は(D)の構造を有してお
(C)前記1以上の第2絶縁基材非形成領域は、第2空孔である、
(D)前記1以上の第2絶縁基材非形成領域には、前記絶縁基材の材料の誘電率より低い誘電率を有する低誘電率材料又は前記絶縁基材の材料の誘電率より高い誘電率を有する高誘電率材料が設けられている、
アンテナ素子。
【請求項5】
複数の前記第2開口が前記リファレンス導体層に設けられており、
複数の前記第絶縁基材非形成領域が、上下方向において前記絶縁基材と前記リファレンス導体層との間に位置しており、
前記複数の第2絶縁基材非形成領域が繋がっていることにより、複数の第2柱状部が前記絶縁基材に設けられており、
前記複数の第2柱状部は、上下方向に延びており、かつ、上下方向に見て、前記複数の第2絶縁基材非形成領域により囲まれている、
請求項4に記載のアンテナ素子。
【請求項6】
前記絶縁基材の材料は、熱可塑性樹脂である、
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のアンテナ素子。
【請求項7】
複数の前記第1開口が前記アンテナ導体層に設けられており、
隣り合う複数の前記第1開口の間隔は、前記アンテナ導体層が送受信する高周波信号の波長の1/4以下である、
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のアンテナ素子。
【請求項8】
前記アンテナ素子は、
前記絶縁基材の前記第1主面を覆う第1カバー層を、
更に備えている、
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のアンテナ素子。
【請求項9】
前記第1カバー層の誘電率は、前記絶縁基材の誘電率より大きい、
請求項8に記載のアンテナ素子。
【請求項10】
前記第1カバー層の誘電率は、前記絶縁基材の誘電率より小さい、
請求項8に記載のアンテナ素子。
【請求項11】
上下方向に見て、前記第1カバー層における前記1以上の第1開口と重なる部分に貫通孔が設けられている、
請求項8ないし請求項10のいずれかに記載のアンテナ素子。
【請求項12】
前記アンテナ素子は、
前記絶縁基材の前記第2主面を覆う第2カバー層を、
更に備えている、
請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のアンテナ素子。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のいずれかのアンテナ素子を、
備える、
電子機器。
【請求項14】
上下方向に見て環状の外縁を有する1以上の第1開口が設けられたアンテナ導体層を第1絶縁体層に形成するアンテナ導体層形成工程と、
前記第1絶縁体層を含む複数の絶縁体層を圧着することにより、絶縁基材を形成する圧着工程と、
前記アンテナ導体層をマスクとして前記第1絶縁体層にエッチングを施すことにより、上下方向に見て前記1以上の第1開口のそれぞれを包含する1以上の第1空孔を形成する第1空孔形成工程と、
を備えている、
アンテナ素子の製造方法。
【請求項15】
前記アンテナ素子の製造方法は、
前記絶縁基材の材料の誘電率より低い誘電率を有する低誘電率材料又は前記絶縁基材の材料の誘電率より高い誘電率を有する高誘電率材料を前記1以上の第1空孔に充填する第1充填工程を、
を更に備えている、
請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
上下方向に見て環状の外縁を有する1以上の第2開口が設けられたリファレンス導体層を第2絶縁体層に形成するリファレンス導体層形成工程と、
アンテナ導体層が設けられた第1絶縁体層及び前記第2絶縁体層を含む複数の絶縁体層を圧着することにより、絶縁基材を形成する圧着工程と、
前記リファレンス導体層をマスクとして前記第2絶縁体層にエッチングを施すことにより、上下方向に見て前記1以上の第2開口のそれぞれを包含する1以上の第2空孔を形成する第2空孔形成工程と、
を備えている、
アンテナ素子の製造方法。
【請求項17】
前記アンテナ素子の製造方法は、
前記絶縁基材の材料の誘電率より低い誘電率を有する低誘電率材料又は前記絶縁基材の材料の誘電率より高い誘電率を有する高誘電率材料を前記1以上の第2空孔に充填する充填工程を、
を更に備えている、
請求項16に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ導体層を備えるアンテナ素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアンテナ素子に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載のマイクロストリップアンテナが知られている。このマイクロストリップアンテナは、誘電体基板、方形状導体及び接地導体を備えている。誘電体基板は、上主面及び下主面を有している。方形状導体は、誘電体基板の上主面に設けられている。接地導体は、誘電体基板の下主面に設けられている。方形状導体は、上下方向に見て、接地導体と重なっている。このようなマイクロストリップアンテナでは、方形状導体がアンテナとして機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-096259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、マイクロストリップアンテナが送受信できる高周波信号の周波数の設計自由度の高い構造を得たいという要望がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、アンテナ素子が送受信できる高周波信号の周波数の設計自由度の高い構造を有するアンテナ素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係るアンテナ素子は、
アンテナ素子であって、
上下方向に並ぶ第1主面及び第2主面を有している絶縁基材と、
前記絶縁基材の第1主面に設けられているアンテナ導体層と、
を備えており、
上下方向に見て環状の外縁を有する1以上の第1開口が、前記アンテナ導体層に設けられており、
1以上の第1絶縁基材非形成領域が、上下方向において前記絶縁基材と前記アンテナ導体層との間に位置しており、
前記1以上の第1絶縁基材非形成領域には、前記絶縁基材が存在せず、
前記1以上の第1開口の外縁のそれぞれは、上下方向に見て前記1以上の第1絶縁基材非形成領域と重なり、前記絶縁基材と接触しておらず、
前記アンテナ素子は、(A)又は(B)の構造を有しており、(A)前記1以上の第1絶縁基材非形成領域は、第1空孔である、(B)前記1以上の第1絶縁基材非形成領域には、前記絶縁基材の材料の誘電率より低い誘電率を有する低誘電率材料又は前記絶縁基材の材料の誘電率より高い誘電率を有する高誘電率材料が設けられている。
【0007】
本発明の一形態に係るアンテナ素子は、
アンテナ素子であって、
上下方向に並ぶ第1主面及び第2主面を有している絶縁基材と、
前記絶縁基材の第1主面に設けられているアンテナ導体層と、
前記絶縁基材の第2主面に設けられているリファレンス導体層と、
を備えており、
前記リファレンス導体層は、上下方向に見て、前記アンテナ導体層と重なっており、
上下方向に見て環状の外縁を有する1以上の第2開口が、前記リファレンス導体層に設けられており、
1以上の第2絶縁基材非形成領域が、上下方向において前記絶縁基材と前記リファレンス導体層との間に位置しており、
前記1以上の第2絶縁基材非形成領域には、前記絶縁基材が存在せず、
前記1以上の第2開口の外縁のそれぞれは、上下方向に見て前記1以上の第2絶縁基材非形成領域と重なり、前記絶縁基材と接触しておらず、
(C)又は(D)の構造を有しており、(C)前記1以上の第2絶縁基材非形成領域は、第2空孔である、(D)前記1以上の第2絶縁基材非形成領域には、前記絶縁基材の材料の誘電率より低い誘電率を有する低誘電率材料又は前記絶縁基材の材料の誘電率より高い誘電率を有する高誘電率材料が設けられている。
【0008】
本発明の一形態に係るアンテナ素子の製造方法は、
上下方向に見て環状の外縁を有する1以上の第1開口が設けられたアンテナ導体層を第1絶縁体層に形成するアンテナ導体層形成工程と、
前記第1絶縁体層を含む複数の絶縁体層を圧着することにより、絶縁基材を形成する圧着工程と、
前記アンテナ導体層をマスクとして前記第1絶縁体層にエッチングを施すことにより、上下方向に見て前記1以上の第1開口のそれぞれを包含する1以上の第1空孔を形成する第1空孔形成工程と、
を備えている。
【0009】
本発明の一形態に係るアンテナ素子の製造方法は、
上下方向に見て環状の外縁を有する1以上の第2開口が設けられたリファレンス導体層を第2絶縁体層に形成するリファレンス導体層形成工程と、
アンテナ導体層が設けられた第1絶縁体層及び前記第2絶縁体層を含む複数の絶縁体層を圧着することにより、絶縁基材を形成する圧着工程と、
前記リファレンス導体層をマスクとして前記第2絶縁体層にエッチングを施すことにより、上下方向に見て前記1以上の第2開口のそれぞれを包含する1以上の第2空孔を形成する第2空孔形成工程と、
を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るアンテナ素子、電子機器及びアンテナ素子の製造方法によれば、アンテナ素子が送受信できる高周波信号の周波数の設計自由度の高い構造を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、アンテナ素子10の分解斜視図である。
図2図2は、図1のA-Aにおける断面図である。
図3図3は、アンテナ素子10の製造工程を示すフローチャートである。
図4図4は、アンテナ素子10aの断面図である。
図5図5は、アンテナ素子10bの絶縁体層16aの上面図である。
図6図6は、アンテナ素子10bの断面図である。
図7図7は、アンテナ素子10cの断面図である。
図8図8は、アンテナ素子10dの断面図である。
図9図9は、アンテナ素子10eの断面図である。
図10図10は、アンテナ素子10fの断面図である。
図11図11は、アンテナ素子10gの絶縁体層16aの上面図及び絶縁体層16eの下面図である。
図12図12は、アンテナ素子10hの分解斜視図である。
図13図13は、回路基板200の背面図である。
図14図14は、空孔Sp1aの断面図である。
図15図15は、空孔Sp1bの断面図である。
図16図16は、空孔Sp1cの断面図である。
図17図17は、空孔Sp1dの断面図である。
図18図18は、空孔Sp1eの断面図である。
図19図19は、空孔Sp1fの断面図である。
図20図20は、空孔Sp1gの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
[アンテナ素子の構造]
以下に、本発明の実施形態に係るアンテナ素子10の構造について図面を参照しながら説明する。図1は、アンテナ素子10の分解斜視図である。なお、図1では、複数の層間接続導体v1、複数の第1開口Op1、複数の第2開口Op2、複数の第1絶縁基材非形成領域A1、複数の第2絶縁基材非形成領域A2、複数の第1空孔Sp1及び複数の第2空孔Sp2の内の代表的な層間接続導体v1、第1開口Op1、第2開口Op2、第1絶縁基材非形成領域A1、第2絶縁基材非形成領域A2、第1空孔Sp1及び第2空孔Sp2にのみ参照符号を付した。図2は、アンテナ素子10を備える電子機器1の断面図である。図2は、図1のA-Aにおける断面図である。ただし、図2では、図1に示していない筐体100を示した。
【0013】
本明細書において、方向を以下のように定義する。アンテナ素子10の絶縁基材12の上主面及び下主面の法線が延びている方向を上下方向と定義する。上下方向は、絶縁基材12の積層方向と一致する。また、アンテナ素子10のアンテナ導体層20の長辺が延びる方向を左右方向と定義する。アンテナ素子10のアンテナ導体層20の短辺が延びる方向を前後方向と定義する。上下方向は、前後方向に直交する。左右方向は、上下方向及び前後方向に直交する。
【0014】
以下では、Xは、アンテナ素子10の部品又は部材である。本明細書において、特に断りのない場合には、Xの各部について以下のように定義する。Xの前部とは、Xの前半分を意味する。Xの後部とは、Xの後半分を意味する。Xの左部とは、Xの左半分を意味する。Xの右部とは、Xの右半分を意味する。Xの上部とは、Xの上半分を意味する。Xの下部とは、Xの下半分を意味する。Xの前端とは、Xの前方向の端を意味する。Xの後端とは、Xの後方向の端を意味する。Xの左端とは、Xの左方向の端を意味する。Xの右端とは、Xの右方向の端を意味する。Xの上端とは、Xの上方向の端を意味する。Xの下端とは、Xの下方向の端を意味する。Xの前端部とは、Xの前端及びその近傍を意味する。Xの後端部とは、Xの後端及びその近傍を意味する。Xの左端部とは、Xの左端及びその近傍を意味する。Xの右端部とは、Xの右端及びその近傍を意味する。Xの上端部とは、Xの上端及びその近傍を意味する。Xの下端部とは、Xの下端及びその近傍を意味する。
【0015】
まず、図1を参照しながら、アンテナ素子10の構造について説明する。アンテナ素子10は、図1に示すように、絶縁基材12、アンテナ導体層20、リファレンス導体層22,24,26、信号導体層28、複数の層間接続導体v1及び層間接続導体v2を備えている。
【0016】
絶縁基材12は、板形状を有している。従って、絶縁基材12は、上下方向に並ぶ上主面(第1主面)及び下主面(第2主面)を有している。絶縁基材12の上主面及び下主面は、左右方向に延びる長辺を有する長方形状を有している。従って、絶縁基材12の左右方向における長さは、絶縁基材12の前後方向における長さより長い。
【0017】
絶縁基材12は、図1に示すように、絶縁体層16a~16eを含んでいる。絶縁基材12は、絶縁体層16a~16eが上下方向に積層された構造を有している。絶縁体層16a~16eは、上から下へとこの順に並んでいる。絶縁体層16a~16eは、上下方向に見て、絶縁基材12と同じ長方形状を有している。絶縁体層16a~16eは、可撓性を有する誘電体シートである。絶縁基材12の材料は、例えば、熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂は、例えば、液晶ポリマー、PTFE(ポリテトラフロオロエチレン)等の熱可塑性樹脂である。絶縁基材12の材料は、ポリイミドであってもよい。絶縁基材12は、可撓性を有する。そのため、アンテナ素子10は、折り曲げられて用いられてもよい。「アンテナ素子10が折り曲げられる」とは、アンテナ素子10に外力が加えられることによりアンテナ素子10が変形して曲がっていることを意味する。変形は、弾性変形でもよいし、塑性変形でもよいし、弾性変形及び塑性変形でもよい。
【0018】
アンテナ導体層20は、絶縁基材12の上主面(第1主面)に設けられている。本実施形態では、アンテナ導体層20は、絶縁体層16aの上主面に設けられている。アンテナ導体層20は、上下方向に見て、左右方向に延びる長辺を有する長方形状を有している。アンテナ導体層20は、前後方向に延びる短辺及び左右方向に延びる長辺の両方で共振する。そこで、アンテナ導体層20の前後方向に延びる短辺及び左右方向に延びる長辺は、アンテナ導体層20が送受信する高周波信号の波長の約半分の長さである。アンテナ導体層20が送受信する高周波信号の波長の長さは、絶縁基材12の誘電率による波長短縮効果を考慮した波長である。アンテナ導体層20は、高周波信号を電磁波として放射する。
【0019】
また、アンテナ導体層20は、電磁波の高周波信号を受信する。
【0020】
信号導体層28は、絶縁基材12に設けられている。本実施形態では、信号導体層28は、絶縁体層16cの上主面に設けられている。信号導体層28は、左右方向に延びている線形状を有している。信号導体層28の右端部は、上下方向に見て、アンテナ導体層20と重なっている。信号導体層28は、高周波信号を伝送する。
【0021】
層間接続導体v2は、アンテナ導体層20と信号導体層28とを電気的に接続している。より詳細には、層間接続導体v2は、絶縁体層16a,16bを上下方向に貫通している。層間接続導体v2の上端は、アンテナ導体層20に接続されている。アンテナ導体層20において層間接続導体v2が接続されている位置は、高周波信号の給電点である。層間接続導体v2の下端は、信号導体層28の右端部に接続されている。
【0022】
リファレンス導体層22は、絶縁基材12の下主面(第2主面)に設けられている。これにより、リファレンス導体層22は、アンテナ導体層20の下に設けられている。本実施形態では、リファレンス導体層22は、絶縁体層16eの下主面に設けられている。リファレンス導体層22は、上下方向に見て、アンテナ導体層20と重なっている。リファレンス導体層22は、上下方向に見て、左右方向に延びる長辺を有する長方形状を有している。
【0023】
リファレンス導体層24は、絶縁基材12に設けられている。本実施形態では、リファレンス導体層24は、絶縁体層16aの上主面に設けられている。リファレンス導体層24は、上下方向に見て、長方形状の枠形状を有している。これにより、リファレンス導体層24は、上下方向に見て、アンテナ導体層20の周囲を囲んでいる。ただし、アンテナ導体層20とリファレンス導体層24とが短絡しないように、アンテナ導体層20とリファレンス導体層24とは離れている。また、リファレンス導体層24の外縁は、上下方向に見て、リファレンス導体層22の外縁と一致している。
【0024】
リファレンス導体層26は、絶縁基材12に設けられている。本実施形態では、リファレンス導体層26は、絶縁体層16cの上主面に設けられている。ただし、リファレンス導体層26の形状は、リファレンス導体層24と実質的に同じである。ただし、リファレンス導体層26と信号導体層28とが短絡しないように、リファレンス導体層26と信号導体層28とは離れている。
【0025】
複数の層間接続導体v1は、リファレンス導体層22とリファレンス導体層24とリファレンス導体層26とを電気的に接続している。より詳細には、複数の層間接続導体v1は、絶縁体層16a~16eを上下方向に貫通している。複数の層間接続導体v1の上端は、リファレンス導体層24に接続されている。複数の層間接続導体v1の中間部は、リファレンス導体層26に接続されている。複数の層間接続導体v1の下端は、リファレンス導体層22に接続されている。複数の層間接続導体v1は、上下方向に見て、リファレンス導体層24に沿って並んでいる。すなわち、複数の層間接続導体v1は、上下方向に見て、アンテナ導体層20を囲むように並んでいる。
【0026】
以上のようなアンテナ導体層20、リファレンス導体層22,24,26及び信号導体層28は、例えば、絶縁体層16a~16eの上主面又は下主面に設けられた金属箔にエッチングが施されることにより形成されている。金属箔は、例えば、銅箔である。また、層間接続導体v1,v2は、例えば、ビアホール導体である。ビアホール導体は、絶縁体層16a~16eに貫通孔を形成し、貫通孔に導電性ペーストを充填し、導電性ペーストを加熱により固化させることにより作製される。層間接続導体v1,v2は、例えば、スルーホール導体であってもよい。スルーホール導体は、絶縁体層16a~16eの一部又は全部を貫通する貫通孔を形成し、貫通孔にメッキを施すことにより作製される。
【0027】
次に、複数の第1開口Op1、複数の第1絶縁基材非形成領域A1及び複数の第1空孔Sp1について説明する。複数の第1開口Op1は、アンテナ導体層20に設けられている。複数の第1開口Op1は、上下方向に見て、行列状に配置されている。複数の第1開口Op1は、上下方向に見て環状の外縁E1を有している。本実施形態では、複数の第1開口Op1は、上下方向に見て、円形状の外縁E1を有している。ただし、環状は、円環に限らず、長方形状や三角形状も含む。従って、第1開口Op1は、切り欠きを含まない。切り欠きとは、環状を有していない外縁に囲まれた領域である。切り欠きの外縁は、アンテナ導体層20の外縁の一部である。第1開口Op1内には、アンテナ導体層20が存在しない。隣り合う複数の第1開口Op1の間隔は、例えば、アンテナ導体層20が送受信する高周波信号の波長の長さの1/4以下である。
【0028】
複数の第1絶縁基材非形成領域A1は、図2に示すように、絶縁基材12の上主面の一部分が下方向に窪むことにより形成されている。複数の第1絶縁基材非形成領域A1は、上下方向において絶縁基材12とアンテナ導体層20との間に位置している。複数の第1絶縁基材非形成領域A1には、絶縁基材12が存在しない。本実施形態では、複数の第1絶縁基材非形成領域A1は、第1空孔Sp1である。
【0029】
複数の第1絶縁基材非形成領域A1は、複数の第1開口Op1に対応するように、上下方向に見て、行列状に配置されている。複数の第1絶縁基材非形成領域A1は、上下方向に見て環状の外縁を有している。本実施形態では、複数の第1絶縁基材非形成領域A1は、上下方向に見て、円形状の外縁を有している。複数の第1絶縁基材非形成領域A1のそれぞれは、上下方向に見て複数の第1開口Op1のそれぞれを包含している。すなわち、複数の第1開口Op1のそれぞれは、上下方向に見て、複数の第1絶縁基材非形成領域A1からはみ出していない。そのため、第1絶縁基材非形成領域A1の直径は、第1開口Op1の直径より大きい。また、第1絶縁基材非形成領域A1は、半球形状を有している。第1絶縁基材非形成領域A1が上記の構造を有することにより、複数の第1開口Op1の外縁E1のそれぞれは、上下方向に見て複数の第1絶縁基材非形成領域A1と重なることにより、絶縁基材12と接触していない。すなわち、複数の第1開口Op1の外縁E1のそれぞれの下には、複数の第1絶縁基材非形成領域A1が位置している。
【0030】
次に、複数の第2開口Op2、複数の第2絶縁基材非形成領域A2及び複数の第2空孔Sp2について説明する。複数の第2開口Op2、複数の第2絶縁基材非形成領域A2及び複数の第2空孔Sp2は、複数の第1開口Op1、複数の第1絶縁基材非形成領域A1及び複数の第1空孔Sp1と上下対称な構造を有している。
【0031】
複数の第2開口Op2は、リファレンス導体層22に設けられている。複数の第2開口Op2は、上下方向に見て、行列状に配置されている。複数の第2開口Op2は、上下方向に見て環状の外縁E2を有している。本実施形態では、複数の第2開口Op2は、上下方向に見て、円形状の外縁E2を有している。ただし、環状は、円環に限らず、長方形状や三角形状も含む。第2開口Op2内には、リファレンス導体層22が存在しない。
【0032】
複数の第2絶縁基材非形成領域A2は、図2に示すように、絶縁基材12の下主面の一部分が上方向に窪むことにより形成されている。複数の第2絶縁基材非形成領域A2は、上下方向において絶縁基材12とリファレンス導体層22との間に位置している。複数の第2絶縁基材非形成領域A2には、絶縁基材12が存在しない。本実施形態では、複数の第2絶縁基材非形成領域A2は、第2空孔Sp2である。
【0033】
複数の第2絶縁基材非形成領域A2は、複数の第2開口Op2に対応するように、上下方向に見て、行列状に配置されている。複数の第2絶縁基材非形成領域A2は、上下方向に見て環状の外縁を有している。本実施形態では、複数の第2絶縁基材非形成領域A2は、上下方向に見て、円形状の外縁を有している。複数の第2絶縁基材非形成領域A2のそれぞれは、上下方向に見て複数の第2開口Op2のそれぞれを包含している。また、第2絶縁基材非形成領域A2は、半球形状を有している。第2絶縁基材非形成領域A2が上記の構造を有することにより、複数の第2開口Op2の外縁E2のそれぞれは、上下方向に見て複数の第2絶縁基材非形成領域A2と重なり、絶縁基材12と接触していない。すなわち、複数の第2開口Op2の外縁E2のそれぞれの下には、複数の第2絶縁基材非形成領域A2が位置している。
【0034】
電子機器1は、図2に示すように、アンテナ素子10及び筐体100を備えている。アンテナ素子10は、筐体100に収容される。電子機器1は、例えば、スマートフォン等の携帯型無線通信端末である。
【0035】
[アンテナ素子の製造方法]
以下に、アンテナ素子10の製造方法について図面を参照しながら説明する。図3は、アンテナ素子10の製造工程を示すフローチャートである。
【0036】
まず、上主面に金属箔が貼り付けられた絶縁体層16a~16cを準備する。同様に、下主面に金属箔が貼り付けられた絶縁体層16d,16eを準備する(ステップS1)。
【0037】
次に、金属箔にマスクを形成し、エッチング処理を施すことにより、アンテナ導体層20、リファレンス導体層22,24,26及び信号導体層28を形成する(ステップS2)。ステップS2では、上下方向に見て環状の外縁を有する複数の第1開口Op1が設けられたアンテナ導体層20を絶縁体層16a(第1絶縁体層)に形成する(アンテナ導体層形成工程)。また、ステップS2では、上下方向に見て環状の外縁を有する複数の第2開口Op2が設けられたリファレンス導体層22を絶縁体層16e(第2絶縁体層)に形成する(リファレンス導体層形成工程)。
【0038】
次に、絶縁体層16a~16eに複数の層間接続導体v1及び層間接続導体v2を形成する(ステップS3)。具体的には、絶縁体層16a~16eにレーザビームを照射して、複数の貫通孔を形成する。その後、複数の貫通孔に導電性ペーストを充填する。
【0039】
次に、絶縁体層16a~16eを圧着することにより、絶縁基材12を形成する(ステップS4・圧着工程)。絶縁体層16a(第1絶縁体層)には、アンテナ導体層20が設けられている。絶縁体層16e(第2絶縁体層)には、リファレンス導体層22が設けられている。圧着工程では、絶縁体層16a~16eを上下方向に加圧しながら加熱する。これにより、絶縁体層16a~16eが軟化し、絶縁体層16a~16eが一体化される。また、導電性ペーストが加熱により固化し、複数の層間接続導体v1及び層間接続導体v2が形成される。
【0040】
次に、複数の第1空孔Sp1及び複数の第2空孔Sp2のそれぞれを絶縁体層16a,16eに形成する(ステップS5)。具体的には、アンテナ導体層20をマスクとして絶縁体層16a(第1絶縁体層)にエッチングを施すことにより、上下方向に見て複数の第1開口Op1のそれぞれを包含する複数の第1空孔Sp1を形成する(第1空孔形成工程)。更に、リファレンス導体層22をマスクとして絶縁体層16e(第2絶縁体層)にエッチングを施すことにより、上下方向に見て複数の第2開口Op2のそれぞれを包含する複数の第2空孔Sp2を形成する(第2空孔形成工程)。以上の工程を経て、アンテナ素子10が完成する。
【0041】
[効果]
アンテナ素子10によれば、アンテナ素子10が送受信できる高周波信号の周波数の設計自由度の高い構造を得ることができる。より詳細には、複数の第1開口Op1の外縁E1のそれぞれは、上下方向に見て複数の第1絶縁基材非形成領域A1と重なり、絶縁基材12と接触していない。そして、複数の第1絶縁基材非形成領域A1は、第1空孔Sp1である。これにより、アンテナ導体層20近傍の誘電率が小さくなる。従って、アンテナ導体層20を伝送される高周波信号の波長が長くなる。その結果、アンテナ素子10が送受信できる高周波信号の周波数が低くなる。そして、第1空孔Sp1の数や大きさを調整することにより、アンテナ素子10が送受信できる高周波信号の周波数を調整することができる。以上より、アンテナ素子10によれば、アンテナ素子10が送受信できる高周波信号の周波数の設計自由度の高い構造を得ることができる。
【0042】
アンテナ素子10によれば、以下の理由によっても、アンテナ素子10が送受信できる高周波信号の周波数の設計自由度の高い構造を得ることができる。より詳細には、複数の第2開口Op2の外縁E2のそれぞれは、上下方向に見て複数の第2絶縁基材非形成領域A2と重なり、絶縁基材12と接触していない。そして、複数の第2絶縁基材非形成領域A2は、第2空孔Sp2である。これにより、アンテナ導体層20とリファレンス導体層22との間の誘電率が小さくなる。従って、アンテナ導体層20を伝送される高周波信号の波長が長くなる。その結果、アンテナ素子10が送受信できる高周波信号の周波数が低くなる。そして、第2空孔Sp2の数や大きさを調整することにより、アンテナ素子10が送受信できる高周波信号の周波数を調整することができる。以上より、アンテナ素子10によれば、アンテナ素子10が送受信できる高周波信号の周波数の設計自由度の高い構造を得ることができる。
【0043】
アンテナ素子10によれば、アンテナ素子10の薄型化を図ることができる。より詳細には、複数の第1絶縁基材非形成領域A1のそれぞれは、上下方向において絶縁基材12とアンテナ導体層20との間に位置している。複数の第2絶縁基材非形成領域A2のそれぞれは、上下方向において絶縁基材12とリファレンス導体層22との間に位置している。複数の第1絶縁基材非形成領域A1及び複数の第2絶縁基材非形成領域A2のそれぞれは、第1空孔Sp1及び第2空孔Sp2である。これにより、アンテナ導体層20とリファレンス導体層22との間の領域の誘電率が低下する。従って、設計値の容量をアンテナ導体層20とリファレンス導体層22との間に形成するためには、アンテナ導体層20とリファレンス導体層22との距離を短くすればよい。これにより、アンテナ素子10の薄型化が図られる。
【0044】
アンテナ素子10によれば、アンテナ素子10を容易に折り曲げることができる。より詳細には、アンテナ素子10では、複数の第1空孔Sp1及び複数の第2空孔Sp2が絶縁基材12に設けられている。これにより、アンテナ素子10が変形しやすくなる。また、前記の通りアンテナ素子10の薄型化が図られるので、アンテナ素子10が更に変形しやすくなる。その結果、アンテナ素子10によれば、アンテナ素子10を容易に折り曲げることができる。
【0045】
アンテナ素子10によれば、アンテナ素子10の放射効率を向上させることができる。より詳細には、前記の通り、アンテナ導体層20近傍の誘電率が小さくなるので、アンテナ導体層20を伝送される高周波信号の波長が長くなる。従って、アンテナ導体層20で高周波信号を共振させるために、アンテナ導体層20を大型化してもよい。アンテナ導体層20が大型化すると、アンテナ素子10の放射効率が向上する。なお、隣り合う複数の第1開口Op1の間隔が、アンテナ導体層20が送受信する高周波信号の波長の1/4である。これにより、アンテナ導体層20が送受信する高周波信号の周波数帯域で空孔間での共振を抑制し放射効率の低下を防ぐことができる。
【0046】
アンテナ素子10の製造方法によれば、複数の第1空孔Sp1及び複数の第2空孔Sp2を容易に形成できる。より詳細には、アンテナ導体層20をマスクとして絶縁体層16a(第1絶縁体層)にエッチングを施すことにより、上下方向に見て複数の第1開口Op1のそれぞれを包含する複数の第1空孔Sp1を形成する(第1空孔形成工程)。更に、リファレンス導体層22をマスクとして絶縁体層16e(第2絶縁体層)にエッチングを施すことにより、上下方向に見て複数の第2開口Op2のそれぞれを包含する複数の第2空孔Sp2を形成する(第2空孔形成工程)。このように、アンテナ導体層20及びリファレンス導体層22をマスクとして利用することにより、複数の第1空孔Sp1及び複数の第2空孔Sp2を形成するために、マスクを新たに形成する必要がない。その結果、アンテナ素子10の製造方法によれば、複数の第1空孔Sp1及び複数の第2空孔Sp2を容易に形成できる。
【0047】
絶縁基材12の材料が熱可塑性樹脂であるので、絶縁体層16a~16eの接合に熱可塑性樹脂とは異なる材料の接着剤層を用いる必要がない。これにより、熱圧着により絶縁基材12を容易に形成できる。また、絶縁基材12を容易に塑性変形させることができる。
【0048】
(第1変形例)
以下に、第1変形例に係るアンテナ素子10aについて図面を参照しながら説明する。図4は、アンテナ素子10aの断面図である。
【0049】
アンテナ素子10aは、以下の2点においてアンテナ素子10と相違する。
【0050】
・複数の第1絶縁基材非形成領域A1には、絶縁基材12の材料の誘電率より高い誘電率を有する高誘電率材料30が設けられている。
・複数の第2絶縁基材非形成領域A2には、絶縁基材12の材料の誘電率より高い誘電率を有する高誘電率材料32が設けられている。
【0051】
高誘電率材料30,32は、例えば、高誘電セラミックの粉末を樹脂に混合した材料である。高誘電率材料30,32は、絶縁基材12の一部ではない。アンテナ素子10aのその他の構造は、アンテナ素子10と同様であるので説明を省略する。
【0052】
また、アンテナ素子10aの製造方法では、図2のステップS6及びステップS7を更に備えている。より詳細には、絶縁基材12の材料の誘電率より高い誘電率を有する高誘電率材料30を複数の第1空孔Sp1に充填する(ステップS6・第1充填工程)。更に、絶縁基材12の材料の誘電率より高い誘電率を有する高誘電率材料32を複数の第2空孔Sp2に充填する(ステップS7・第2充填工程)。第1充填工程及び第2充填工程は、例えば、高誘電率材料30,32のペーストをスキージにより複数の第1空孔Sp1及び複数の第2空孔Sp2へと押し込むことにより実行される。ただし、アンテナ導体層20とリファレンス導体層24との間に位置する空孔には高誘電率材料を充填しない。
【0053】
以上のようなアンテナ素子10aによれば、アンテナ素子10aが送受信できる高周波信号の周波数の設計自由度の高い構造を得ることができる。より詳細には、複数の第1開口Op1の外縁E1のそれぞれは、上下方向に見て複数の第1絶縁基材非形成領域A1と重なり、絶縁基材12と接触していない。そして、複数の第1絶縁基材非形成領域A1には、絶縁基材12の材料の誘電率より高い誘電率を有する高誘電率材料30が設けられている。これにより、アンテナ導体層20近傍の誘電率が大きくなる。従って、アンテナ導体層20を伝送される高周波信号の波長が短くなる。その結果、アンテナ素子10aが送受信できる高周波信号の周波数が高くなる。そして、第1空孔Sp1の数や大きさを調整することにより、アンテナ素子10aが送受信できる高周波信号の周波数を調整することができる。以上より、アンテナ素子10aによれば、アンテナ素子10aが送受信できる高周波信号の周波数の設計自由度の高い構造を得ることができる。
【0054】
アンテナ素子10aによれば、以下の理由によっても、アンテナ素子10aが送受信できる高周波信号の周波数の設計自由度の高い構造を得ることができる。より詳細には、複数の第2開口Op2の外縁E2のそれぞれは、上下方向に見て複数の第2絶縁基材非形成領域A2と重なり、絶縁基材12と接触していない。そして、複数の第2絶縁基材非形成領域A2には、絶縁基材12の材料の誘電率より高い誘電率を有する高誘電率材料32が設けられている。これにより、アンテナ導体層20とリファレンス導体層22との間の誘電率が大きくなる。従って、アンテナ導体層20を伝送される高周波信号の波長が短くなる。その結果、アンテナ素子10aが送受信できる高周波信号の周波数が高くなる。そして、第2空孔Sp2の数や大きさを調整することにより、アンテナ素子10aが送受信できる高周波信号の周波数を調整することができる。以上より、アンテナ素子10aによれば、アンテナ素子10aが送受信できる高周波信号の周波数の設計自由度の高い構造を得ることができる。
【0055】
なお、アンテナ素子10aでは、アンテナ導体層20とリファレンス導体層24の間に位置する空孔部には高誘電率材料を充填されていない。これにより、アンテナ導体層20とリファレンス導体層24との電界結合が小さくなり、アンテナ導体層20の放射効率が向上する。更に、アンテナ導体層20が小型化される。
【0056】
また、第1絶縁基材非形成領域A1及び第2絶縁基材非形成領域A2に高誘電率材料が充填されることにより、第1開口Op1の外縁E1及び第2開口Op2の外縁E2の変形が抑制される。
【0057】
(第2変形例)
以下に、第2変形例に係るアンテナ素子10bについて図面を参照しながら説明する。図5は、アンテナ素子10bの絶縁体層16aの上面図である。図6は、アンテナ素子10bの断面図である。
【0058】
アンテナ素子10bは、第1開口Op1の数及び形状並びに第1絶縁基材非形成領域A1の数及び形状においてアンテナ素子10と相違する。より詳細には、アンテナ素子10bでは、第1開口Op1の数は1個である。第1絶縁基材非形成領域A1の数は1個である。また、第1開口Op1は、上下方向に見て、前後方向(第1方向)に延びる帯形状を有している。第1開口Op1の前後方向の長さは、アンテナ導体層20が送受信する高周波信号の波長の約半分の長さである。第1絶縁基材非形成領域A1は、上下方向に見て、前後方向(第1方向)に延びる帯形状を有している。信号導体層60は、左右方向に延びている。信号導体層60の右端部は、上下方向に見て、第1開口Op1の近傍に位置している。このようなアンテナ素子10bでは、アンテナ導体層20は、スロットアンテナとして機能する。アンテナ素子10bのその他の構造は、アンテナ素子10と同様であるので説明を省略する。アンテナ素子10bによれば、アンテナ素子10と同じ作用効果を奏することができる。
【0059】
(第3変形例)
以下に、第3変形例に係るアンテナ素子10cについて図面を参照しながら説明する。図7は、アンテナ素子10cの断面図である。
【0060】
アンテナ素子10cは、第2開口Op2及び第2絶縁基材非形成領域A2が存在しない点においてアンテナ素子10と相違する。アンテナ素子10cのその他の構造は、アンテナ素子10と同様であるので説明を省略する。アンテナ素子10cは、アンテナ素子10と同じ作用効果を奏することができる。
【0061】
(第4変形例)
以下に、第4変形例に係るアンテナ素子10dについて図面を参照しながら説明する。図8は、アンテナ素子10dの断面図である。
【0062】
アンテナ素子10dは、第1カバー層70a及び第2カバー層70bを更に備えている点において、アンテナ素子10aと相違する。第1カバー層70aは、絶縁基材12の上主面(第1主面)を覆っている。第1カバー層70aの誘電率は、絶縁基材12の誘電率より大きい。第2カバー層70bは、絶縁基材12の下主面(第2主面)を覆っている。第2カバー層70bの誘電率は、絶縁基材12の誘電率より大きい。アンテナ素子10dのその他の構造は、アンテナ素子10aと同じである。アンテナ素子10dは、アンテナ素子10aと同じ作用効果を奏することができる。
【0063】
また、第1カバー層70aは、絶縁基材12の上主面(第1主面)を覆っている。そのため、アンテナ導体層20が送受信する高周波信号の波長短縮効果が大きくなる。また、アンテナ導体層20が第1カバー層70aにより保護される。また、第1絶縁基材非形成領域A1及び第2絶縁基材非形成領域A2への材料の充填と第1カバー層70aの形成を同時に行うことが可能となる。
【0064】
(第5変形例)
以下に、第5変形例に係るアンテナ素子10eについて図面を参照しながら説明する。図9は、アンテナ素子10eの断面図である。
【0065】
アンテナ素子10eは、第1カバー層70aに複数の貫通孔h1が設けられている点及び第2カバー層70bに複数の貫通孔h2が設けられている点に備えている点において、アンテナ素子10dと相違する。上下方向に見て、第1カバー層70aにおける1以上の第1開口Op1のそれぞれと重なる部分に貫通孔h1が設けられている。貫通孔h1は、第1カバー層70aを上下方向に貫通している。貫通孔h1の直径は、第1開口Op1の直径より小さい。上下方向に見て、第2カバー層70bにおける1以上の第2開口Op2のそれぞれと重なる部分に貫通孔h2が設けられている。貫通孔h2の直径は、第2開口Op2の直径より小さい。アンテナ素子10eのその他の構造は、アンテナ素子10dと同様である。アンテナ素子10eは、アンテナ素子10dと同じ作用効果を奏することができる。
【0066】
第1カバー層70aに貫通孔h1が設けられているので、第1空孔Sp1内の空気が出入りできる。従って、リフロー等の温度変化により第1空孔Sp1内部の空気が膨張又は収縮しても、第1カバー層70が絶縁基材12から剥がれにくい。
【0067】
(第6変形例)
以下に、第6変形例に係るアンテナ素子10fについて図面を参照しながら説明する。図10は、アンテナ素子10fの断面図である。
【0068】
アンテナ素子10fは、第1カバー層70aを更に備えている点において、アンテナ素子10cと相違する。第1カバー層70aは、絶縁基材12の上主面(第1主面)を覆っている。第1カバー層70aの誘電率は、絶縁基材12の誘電率より大きい。また、アンテナ素子10fの第1カバー層70aの上下方向の厚みは、アンテナ素子10dの第1カバー層70aの上下方向の厚みより大きい。アンテナ素子10fのその他の構造は、アンテナ素子10cと同様である。アンテナ素子10fは、アンテナ素子10cと同じ作用効果を奏することができる。
【0069】
また、第1カバー層70aは、絶縁基材12の上主面(第1主面)を覆っている。そのため、アンテナ導体層20が送受信する高周波信号の波長短縮効果が大きくなる。また、アンテナ導体層20が第1カバー層70aにより保護される。また、第1絶縁基材非形成領域A1及び第2絶縁基材非形成領域A2への材料の充填と第1カバー層70aの形成を同時に行うことが可能となる。
【0070】
(第7変形例)
以下に、第7変形例に係るアンテナ素子10gについて図面を参照しながら説明する。図11は、アンテナ素子10gの絶縁体層16aの上面図及び絶縁体層16eの下面図である。
【0071】
アンテナ素子10gは、アンテナ導体層20及びリファレンス導体層22がメッシュ構造を有している点において、アンテナ素子10と相違する。より詳細には、複数の第1開口Op1がアンテナ導体層20に設けられている。複数の第1開口Op1は、正三角形状を有している。また、複数の第1絶縁基材非形成領域A1が絶縁基材12に設けられている。そして、複数の第1絶縁基材非形成領域A1が繋がっていることにより、複数の第1柱状部50が絶縁基材12に設けられている。複数の第1柱状部50は、上下方向に延びており、かつ、上下方向に見て、複数の第1絶縁基材非形成領域A1により囲まれている。
【0072】
複数の第2開口Op2がリファレンス導体層22に設けられている。複数の第2開口Op2は、正三角形状を有している。また、複数の第2絶縁基材非形成領域A2が絶縁基材12に設けられている。そして、複数の第2絶縁基材非形成領域A2が繋がっていることにより、複数の第2柱状部52が絶縁基材12に設けられている。複数の第2柱状部52は、上下方向に延びており、かつ、上下方向に見て、複数の第2絶縁基材非形成領域A2により囲まれている。アンテナ素子10gのその他の構造は、アンテナ素子10と同様であるので説明を省略する。アンテナ素子10gは、アンテナ素子10と同じ作用効果を奏する。
【0073】
(第8変形例)
以下に、第8変形例に係るアンテナ素子10hについて図面を参照しながら説明する。図12は、アンテナ素子10hの分解斜視図である。
【0074】
アンテナ素子10hは、アンテナ導体層20a,20bがダイポールアンテナである点においてアンテナ素子10と相違する。従って、アンテナ素子10hは、リファレンス導体層22を備えていない。アンテナ導体層20a,20bのそれぞれは、絶縁体層16aの上主面に設けられている。アンテナ導体層20a,20bは、前後方向に延びる帯形状を有している。アンテナ導体層20aには、信号導体層55aが接続されている。アンテナ導体層20bには、信号導体層55bが層間接続導体v11を介して接続されている。
【0075】
アンテナ導体層20a,20bのそれぞれには、複数の第1開口Op1が設けられている。また、絶縁体層16aには、複数の第1絶縁基材非形成領域A1が設けられている。アンテナ素子10hのその他の構造は、アンテナ素子10と同様であるので説明を省略する。アンテナ素子10hは、アンテナ素子10と同じ作用効果を奏することができる。
【0076】
(回路基板)
以下に、回路基板200について図面を参照しながら説明する。図13は、回路基板200の背面図である。
【0077】
回路基板200は、第1区間A11及び第2区間A12を有している。第1区間A11には、アンテナ導体層20が設けられている。すなわち、第1区間A11は、アンテナ素子10,10a~10hと同じ構造を有している。第2区間A12には、アンテナ導体層20が設けられていない。ただし、アンテナ導体層20に電気的に接続された信号導体層が設けられている。第1区間A11は、曲がっていない。第2区間A12は、曲がっている。ただし、第1区間A11は、曲がっていてもよい。この場合、第1区間A11の曲率半径は、第2区間A12の曲率半径より大きい。
【0078】
(その他の変形例)
以下にその他の変形例に係るアンテナ素子の空孔Spa~Spfについて図面を参照しながら説明する。図14ないし図20のそれぞれは、空孔Sp1a~Sp1gの断面図である。
【0079】
図14に示すように、空孔Sp1aの上下方向に直交する方向の最大幅を有する部分は、絶縁体層16aの上主面より下に位置してもよい。また、図15に示すように、空孔Sp1bは、上下が反転した円錐形状を有していてもよい。図16に示すように、空孔Sp1cは、上下が反転した円錐台形状を有していてもよい。また、図17に示すように、空孔Sp1dは、複数の絶縁体層16a,16bに形成されていてもよい。また、図18に示すように、空孔Sp1eは、絶縁体層16aの上主面と絶縁体層16dの下主面との間を上下方向に貫通していてもよい。
【0080】
また、図19に示すように、絶縁体層16aと絶縁体層16bとの間に絶縁体層116aが設けられていてもよい。絶縁体層116aの材料は、例えば、フッ素樹脂である。従って、絶縁体層116aは、絶縁体層16aよりエッチングにより除去されにくい。従って、空孔Sp1fは、絶縁体層16aのみを上下方向に貫通している。また、図20に示すように、絶縁体層116aに貫通孔H120が形成されていてもよい。この場合、空孔Sp1gは、絶縁体層16a及び絶縁体層16bに形成される。なお、図19及び図20の絶縁体層116aの代わりに、エッチングされない導電体層が設けられてもよい。
【0081】
(その他の実施形態)
本発明に係るアンテナ素子は、アンテナ素子10,10a~10gに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。なお、アンテナ素子10,10a~10gの構成を任意に組み合わせてもよい。
【0082】
本発明に係るアンテナ素子の製造方法は、アンテナ素子10,10a~10gの製造方法に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。なお、アンテナ素子10,10a~10gの製造方法の各工程を任意に組み合わせてもよい。
【0083】
アンテナ素子10aにおいて、複数の第1絶縁基材非形成領域A1には、絶縁基材12の材料の誘電率より低い誘電率を有する低誘電率材料が設けられてもよい。複数の第2絶縁基材非形成領域A2には、絶縁基材12の材料の誘電率より低い誘電率を有する低誘電率材料が設けられてもよい。
【0084】
アンテナ素子10,10a~10gにおいて、アンテナ導体層20の上に絶縁体層が設けられてもよい。この絶縁体層は、絶縁基材12の一部ではない。また、アンテナ素子10,10a~10gにおいて、リファレンス導体層22の下に絶縁体層が設けられてもよい。この絶縁体層は、絶縁基材12の一部ではない。
【0085】
アンテナ素子10,10a,10gにおいて、第1開口Op1の数、第2開口Op2の数、第1絶縁基材非形成領域A1の数、第2絶縁基材非形成領域A2の数、第1空孔Sp1の数及び第2空孔Sp2の数は、1以上であればよい。
【0086】
アンテナ素子10,10a~10gにおいて、リファレンス導体層22,24,26は、必須の構成ではない。
【0087】
アンテナ素子10,10a~10gにおいて、第1開口Op1、第1絶縁基材非形成領域A1の数及び第1空孔Sp1の数は、1以上であればよい。
【0088】
アンテナ素子10,10a~10gにおいて、第2開口Op2、第2絶縁基材非形成領域A2の数及び第2空孔Sp2の数は、1以上であればよい。
【0089】
アンテナ素子10,10a~10gにおいて、絶縁基材12は、可撓性を有していなくてもよい。絶縁基材12の材料は、熱可塑性樹脂以外の材料であってもよい。
【0090】
アンテナ素子10,10a~10gにおいて、絶縁体層16a~16eは、絶縁体層16a~16eとは異なる材料の接着剤層により接合されていてもよい。
【0091】
アンテナ素子10の製造方法において、圧着工程は、第1空孔形成工程及び第2空孔形成工程の後に行われてもよい。
【0092】
アンテナ素子10,10a~10gにおいて、アンテナ導体層20が設けられた部分が曲がっていてもよいし、線路部が曲がっていてもよい。
【0093】
なお、第1カバー層70aの誘電率及び第2カバー層70bの誘電率は、絶縁基材12の誘電率より小さくてもよい。
【0094】
なお、絶縁基材12の上主面の上に絶縁体層16a~16dと同じ材料の層が積層されていてもよい。この場合、この層は、絶縁基材12の一部ではない。すなわち、アンテナ導体層20が設けられている絶縁基材12の上主面より上に積層される層は、絶縁基材12の一部ではない。
【0095】
なお、アンテナ素子10dにおいて、第1絶縁基材非形成領域A1及び第2絶縁基材非形成領域A2に充填される材料は、第1カバー層70aの材料及び第2カバー層70bの材料と異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1:電子機器
10,10a~10g:アンテナ素子
12:絶縁基材
16a~16e:絶縁体層
20,20a,20b:アンテナ導体層
22,24,26:リファレンス導体層
28:信号導体層
30:高誘電率材料
32:高誘電率材料
50:第1柱状部
52:第2柱状部
70a:第1カバー層
70b:第2カバー層
100:筐体
200:回路基板
A1:第1絶縁基材非形成領域
A2:第2絶縁基材非形成領域
Op1:第1開口
Op2:第2開口
Sp1:第1空孔
Sp2:第2空孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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