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  • 特許-水中油型エマルション組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】水中油型エマルション組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20240116BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20240116BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240116BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20240116BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20240116BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20240116BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/19
A61K8/73
A61K8/92
A61Q1/10
A61Q1/12
A61Q17/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019194419
(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公開番号】P2021066702
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000226437
【氏名又は名称】日光ケミカルズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000228729
【氏名又は名称】日本サーファクタント工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】堀江 飛辰
(72)【発明者】
【氏名】村社 敬子
【審査官】▲高▼橋 明日香
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-048142(JP,A)
【文献】国際公開第2018/212223(WO,A1)
【文献】特開2016-074660(JP,A)
【文献】特開2010-138074(JP,A)
【文献】特開2014-169266(JP,A)
【文献】特開2010-168338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)~(D)を含む水中油型エマルション組成物であって、
下記成分(A)の含有量が前記水中油型エマルション組成物の全質量に対して0.03~2.0質量%であり、
下記成分(B)の含有量が前記水中油型エマルション組成物の全質量に対して0.1~50.0質量%であり、
下記成分(C)の含有量が前記水中油型エマルション組成物の全質量に対して0.01~50.0質量%であり、
前記水中油型エマルション組成物中に含まれる界面活性剤の含有量が1.0質量%以下であり、
油滴の平均粒子径が50μm以上である、水中油型エマルション組成物。
(A)平均繊維幅が1000nm以下であり、イオン性置換基を有する微細繊維状セルロース
(B)炭化水素油、エーテル油、動植物油、シリコーン油及びフッ素油から選択される少なくとも1種
(C)粉体
(D)水
【請求項2】
さらに成分(E)として増粘多糖類を含む、請求項1に記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項3】
前記微細繊維状セルロースが、リンオキソ酸基、カルボキシ基及びカルボキシメチル基から選択される少なくとも1種を有する、請求項1又は2に記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項4】
前記油滴の平均粒子径が5000μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項5】
前記増粘多糖類が、ヒドロキシエチルセルロース及びグアーガムから選択される少なくとも1種である、請求項2~4のいずれか1項に記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項6】
さらに成分(F)として分散剤を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項7】
前記分散剤の含有量が、前記水中油型エマルション組成物の全質量に対して0質量%超え2.0質量%以下である、請求項6に記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項8】
前記水中油型エマルション組成物における、(A)微細繊維状セルロースの含有率をaとし、(B)炭化水素油、エーテル油、動植物油、シリコーン油及びフッ素油から選択される少なくとも1種の含有率をbとし、(E)増粘多糖類の含有率をcとした場合、a:bで表される質量比率が、1:1~1:400であり、かつ、a:cで表される質量比率が、30:1~1:2である、請求項2~7のいずれか1項に記載の水中油型エマルション組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型エマルション組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
水中油型エマルションは、水に油を分散させたエマルションであり乳化物とも呼ばれる。水中油型エマルションとしては、油を可視サイズ(約50μm以上)で分散させた水中油型巨大エマルションも知られており、その特徴的な外観により化粧水や美容液などの化粧品に用いられる。しかし、一般的な水中油型エマルションに比べ、油滴の粒子サイズが大きい水中油型巨大エマルションでは、クリーミングや合一などの不安定化が起こりやすく、油滴の分散状態の安定化が課題である。
【0003】
水中油型巨大エマルションの調製には、平均粒子径が20μm以下の薄片化層状ケイ酸塩粉体に、疎水基をもつ第4級アンモニウムイオンを結合することにより、層状ケイ酸塩粉体の層間に疎水基を結合してなる有機変性層状ケイ酸塩粉体を用いる手法(特許文献1)が報告されている。また、シリカポーラスグラスを用いる手法(非特許文献1)、マイクロチャネルを用いる手法(非特許文献2)、固形油分と流動油分を用いて安定化する手法(非特許文献3)などを用いて水中油型巨大エマルションを調製することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-2275号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】粧技誌,31,149-157(1997)
【文献】J.Am.Oil Chem.Soc.,79,515-519(2002)
【文献】J.Soc.Cosmet.Chem.Japan Vol.39,No.4 2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シリカポーラスグラスやマイクロチャネル乳化を用いた手法では、少量の界面活性剤を用い、50μm程度までの比較的サイズの大きいエマルションを調製できる。しかしながら乳化粒子の安定性や量産性において課題があった。また界面活性剤を用いることから、界面活性剤由来のべたつきや皮膚刺激もまた課題であった。一方、固形油分と流動油分を用いて安定化する手法では、数mm程度の巨大エマルションを調製できるが、用いる流動油分の極性によって適切な固形油分の選択が必要であるため、安定な巨大エマルションを得るために煩雑な検討が必要であるという課題があった。また固形油分を用いるために肌へ塗布した後の使用感が重たいという課題があった。
【0007】
また、近年は、水中油型巨大エマルションに様々な機能を持たせることも検討されている。例えば、着色した油滴を有する水中油型巨大エマルションや、機能性粉体を含む油滴を有する水中油型巨大エマルションの開発が望まれている。
【0008】
本発明は、このような従来技術に鑑みてなされたものであり、粉体を含有した油相(油滴)を可視可能なサイズで分散した、安定性に優れた水中油型巨大エマルション組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、後述する成分(A)~(D)を必須成分として含むことで、粉体を含有した油相(油滴)を可視可能なサイズで分散することができ、かつ乳化粒子の安定性が高い水中油型巨大エマルション組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
【0010】
[1] 下記成分(A)~(D)を含む水中油型エマルション組成物であって、油滴の平均粒子径が50μm以上である、水中油型エマルション組成物。
(A)微細繊維状セルロース
(B)液状油及び半固形油から選択される少なくとも1種
(C)粉体
(D)水
[2] さらに成分(E)として増粘多糖類を含む、[1]に記載の水中油型エマルション組成物。
[3] 微細繊維状セルロースの平均繊維幅が1000nm以下である、[1]又は[2]に記載の水中油型エマルション組成物。
[4] 微細繊維状セルロースが、リンオキソ酸基、カルボキシ基及びカルボキシメチル基から選択される少なくとも1種を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の水中油型エマルション組成物。
[5] 油滴の平均粒子径が5000μm以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の水中油型エマルション組成物。
[6] 増粘多糖類が、ヒドロキシエチルセルロース及びグアーガムから選択される少なくとも1種である、[2]~[5]のいずれかに記載の水中油型エマルション組成物。
[7] さらに成分(F)として分散剤を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の水中油型エマルション組成物。
[8] 分散剤の含有量が、水中油型エマルション組成物の全質量に対して0質量%超え2.0質量%以下である、[7]に記載の水中油型エマルション組成物。
[9] 水中油型エマルション組成物における、(A)微細繊維状セルロースの含有率をaとし、(B)液状油及び半固形油から選択される少なくとも1種の含有率をbとし、(E)増粘多糖類の含有率をcとした場合、a:bで表される質量比率が、1:1~1:400であり、かつ、a:cで表される質量比率が、30:1~1:2である、[2]~[8]のいずれかに記載の水中油型エマルション組成物。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、粉体を含有した油相(油滴)を可視可能なサイズで分散することができ、かつ乳化粒子の安定性が高く、かつ、油相中に粉体を分散した水中油型巨大エマルション組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態である水中油型エマルション組成物の外観写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(水中油型エマルション組成物)
本発明は、下記成分(A)~(D)を含む水中油型エマルション組成物に関する。ここで、水中油型エマルション組成物中に含まれる油滴の平均粒子径は50μm以上である。
(A)微細繊維状セルロース
(B)液状油及び/又は半固形油から選択される少なくとも1種
(C)粉体
(D)水
本発明の水中油型エマルション組成物は、さらに(E)増粘多糖類及び/又は(F)分散剤を含んでもよい。
なお、本明細書において、油滴の平均粒子径が50μm以上の水中油型エマルション組成物を、水中油型巨大エマルション組成物ともいう。
【0014】
本発明において、水中油型エマルション組成物とは、乳化粒子を含む組成物であって、該乳化粒子の平均粒子径は50μm以上である。本発明の水中油型エマルション組成物は、水中に油滴が分散しているエマルションであるので、乳化粒子は、水中に分散する油滴である。すなわち、本発明の水中油型エマルション組成物における油滴の平均粒子径は50μm以上である。
【0015】
水中油型エマルション組成物において、油滴中には粉体が包含されている。すなわち、水中油型エマルション組成物は、微細繊維状セルロースと、粉体を包含する油滴と、水とを含む、なお、油滴は液状油及び/又は半固形油から選択される少なくとも1種から構成される。
【0016】
水中油型エマルション組成物における油滴の平均粒子径は、50~5000μmであることが好ましく、50~4000μmであることがより好ましく、50~3500μmであることがさらに好ましい。ここで、油滴の平均粒子径は、以下のようにして測定される値である。まず、水中油型エマルション組成物を50mLスクリュー管に入れ、定規と共に写真撮影する。撮影した画像を適切な倍率で拡大し、1画像に付き100個以上の粒子の粒子径を計測する。計測した値と拡大倍率により実際の粒子径を算出し、その平均値を平均粒子径とする。
【0017】
一般的な乳化粒子は、外観が不透明で白色(平均粒子径1~数10μm)であるか、もしくは青白色(平均粒子径0.1~1μm)である。一方で、本発明の水中油型エマルションにおいては、油滴の平均粒子径が50μm以上であり、かつ油滴中に後述する粉体が包含されるため、図1に示されるように、油滴を目視で確認することができ、微細な油滴が密集した特徴的な外観を呈する。
【0018】
本発明の水中油型エマルション組成物における界面活性剤の含有量は、水中油型エマルション組成物の全質量に対して1.0質量%以下であることが好ましい。本発明において、界面活性剤は粉体の分散剤として良好な発色を得るために用いられる場合があるが、用いる粉体の種類によっては、界面活性剤は実質的に配合されなくてもよい。
【0019】
((A)成分)
本発明の水中油型エマルション組成物は、(A)微細繊維状セルロースを含む。本明細書では、微細繊維状セルロースを(A)成分と呼ぶこともある。
【0020】
(A)成分の微細繊維状セルロースは、セルロースを含む繊維原料から製造される。セルロースを含む繊維原料としては、とくに限定されないが、入手しやすく安価である点からパルプを用いることが好ましい。パルプとしては、たとえば木材パルプ、非木材パルプ、および脱墨パルプが挙げられる。(A)成分の微細繊維状セルロースは、パルプ等を原料としており、持続可能資源である。
【0021】
微細繊維状セルロースは、たとえば繊維幅が1000nm以下である微細繊維状セルロースである。なお、微細繊維状セルロースの繊維幅は、たとえば電子顕微鏡観察などにより測定することが可能である。
【0022】
微細繊維状セルロースの平均繊維幅は、たとえば1000nm以下である。微細繊維状セルロースの平均繊維幅は、たとえば2nm以上1000nm以下であることが好ましく、2nm以上100nm以下であることがより好ましく、2nm以上50nm以下であることがさらに好ましく、2nm以上10nm以下であることがとくに好ましい。なお、微細繊維状セルロースは、たとえば単繊維状のセルロースである。
【0023】
微細繊維状セルロースの繊維長は、とくに限定されないが、たとえば0.1μm以上1000μm以下であることが好ましく、0.1μm以上800μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上600μm以下であることがさらに好ましい。繊維長を上記範囲内とすることにより、微細繊維状セルロースの結晶領域の破壊を抑制できる。また、微細繊維状セルロースのスラリー粘度を適切な範囲とすることも可能となる。なお、微細繊維状セルロースの繊維長は、たとえばTEM、SEM、AFMによる画像解析より求めることができる。
【0024】
微細繊維状セルロースの軸比(繊維長/繊維幅)は、とくに限定されないが、たとえば20以上10000以下であることが好ましく、50以上1000以下であることがより好ましい。
【0025】
本実施形態における微細繊維状セルロースは、たとえば結晶領域と非結晶領域をともに有していることが好ましい。結晶領域と非結晶領域をともに有し、かつ軸比が高い微細繊維状セルロースは、好ましく用いられる。なお、本実施形態における微細繊維状セルロースはI型結晶構造を有していることが好ましい。
【0026】
本実施形態における微細繊維状セルロースは、イオン性置換基を有していることが好ましく、イオン性置換基としてアニオン性基を有することがより好ましい。イオン性置換基としてのアニオン性基としては、たとえばリンオキソ酸基、カルボキシ基、カルボキシメチル基、スルホン基等を挙げることができる。中でも、微細繊維状セルロースは、リンオキソ酸基、カルボキシ基及びカルボキシメチル基から選択される少なくとも1種を有することが好ましく、リンオキソ酸基を有することが特に好ましい。なお、本明細書においては、リンオキソ酸基には、リンオキソ酸基に由来する置換基が含まれ、カルボキシ基には、カルボキシ基に由来する置換基が含まれる。リンオキソ酸基に由来する置換基としては、例えば、リンオキソ酸基の塩、リンオキソ酸エステル基などの置換基が含まれ、カルボキシ基に由来する置換基には、カルボキシ基の塩、カルボン酸エステル基などの置換基が含まれる。なお、リンオキソ酸基は、たとえば、亜リン酸基(ホスホン酸基)であってもよい。
【0027】
微細繊維状セルロースは、セルロースを含む繊維原料に対して解繊処理を行うことで得られるものであってもよい。また、微細繊維状セルロースとしては、市販品を用いることもできる。微細繊維状セルロースの市販品としては、アウロ・ヴィスコTM CS(王子ホールディングス社製、リン酸ナトリウム処理微細繊維状セルロース2質量%含有スラリー)、レオクリスタ(第一工業製薬社製、カルボン酸処理微細繊維状セルロース2質量%含有スラリー)、セレンピア(日本製紙社製、カルボキシメチル化処理微細繊維状セルロース88質量%以上含有スラリー)、BiNFi-s(スギノマシン社製、未処理微細繊維状セルロース2質量%含有スラリー)等を挙げることができる。
【0028】
本発明の水中油型エマルション組成物は、上述したような微細繊維状セルロースを含むため、粉体を分散した油滴(乳化粒子)の分散安定性を高めることができる。
【0029】
(A)成分の含有量は、水中油型エマルション組成物の全質量に対して、0.03~2.0質量%であることが好ましく、0.05~1.0質量%であることがより好ましい。(A)成分の含有量を上記範囲内とすることにより、水中油型エマルション組成物中の乳化粒子(油滴)の分散安定性をより効果的に高めることができる。
【0030】
((B)成分)
本発明の水中油型エマルション組成物は、(B)成分として、液状油及び半固形油から選択される少なくとも1種を含む。なお、本明細書において、半固形油とは、融点が45℃以下で、室温でペースト状の油剤である。
【0031】
液状油及び半固形油から選択される少なくとも1種は、45℃で液状の油剤であることが好ましい。液状油又は半固形油の具体例としては、スクワランや流動パラフィン等の炭化水素油、イソオクタン酸セチルやトリエチルヘキサノイン等のエステル油、ジイソノニルエーテルやジカプリリルエーテル等のエーテル油、オリーブ油やホホバ油、シア脂等の動植物油、ジフェニルジメチコンやジフェニルシロキシフェニルトリメチコン等のシリコーン油、ポリパーフルオロメチルイソプロピルエーテルなどのフッ素油、アスタキサンチンやリコピン等の油溶性有効成分、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルやオクトクリレン等の紫外線吸収剤、油溶性ビタミン類、精油、香料等があげられるが、好ましくは炭化水素油、植物油、シリコーン油、油溶性有効成分、油溶性ビタミン類、香料等を挙げることができる。これらは、1種または2種以上を組合せて用いることができる。
【0032】
本発明の水中油型エマルション組成物における、(B)成分の含有量は、水中油型エマルション組成物の全質量に対して、0.1~50.0質量%であることが好ましく、0.5~30.0質量%であることがより好ましい。(B)成分の含有量を上記範囲内とすることにより、水中油型エマルション組成物中の乳化粒子(油滴)の分散安定性をより効果的に高めることができる。
【0033】
((C)成分)
本発明の水中油型エマルション組成物は、(C)成分として、粉体を含む。粉体は表面未処理粉体もしくは表面処理粉体のいずれであってもよい。
【0034】
表面未処理粉体の具体例としては、酸化チタン、ベンガラ、黄酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化セリウム、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、紺青、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、タルク、カオリン、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミ キュライト、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、パール顔料、オキシ塩化ビスマス、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの無機顔料や、赤色3号、赤色10号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色405号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色205号、黄色401号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、橙色206号、橙色207号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号などの有機色素や、クロロフィルやβ-カロチンなどの天然色素や、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなどの金属石鹸や、ナイロンパウダー、セルロースパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、ポリスチレンパウダー、アクリルパウダー、シリコーンパウダー等の有機粉体が挙げられる。表面未処理粉体は化粧品用のものであることが好ましく、この場合、用いられる表面未処理粉体は特に限定されるものではない。
【0035】
表面処理粉体は、上述の表面未処理粉体を母粉体とし、シリコーン類、アルキルシラン類、アルキルチタネート類、フッ素化合物類、アミノ酸化合物類、脂肪酸化合物類などの化合物で処理されたものを言う。すなわち、表面処理粉体は、上述した化合物によって母粉体が被覆処理されてなる粉体である。また、表面処理粉体としては、従来公知の各種表面処理を施した粉体を用いることができる。また、その際の表面処理に上記の化合物以外の成分を用いることもできる。なお、表面処理粉体としては、複数の表面処理を組み合わせた粉体を用いることもできる。粉体としては、表面未処理粉体、表面処理粉体を問わず、1種または2種以上を組合せて用いることができる。
【0036】
粉体の一次平均粒子径は、5~1000μmであることが好ましく、10~500μmであることがより好ましい。粉体の一次平均粒子径を上記範囲内とすることにより、粉体を含有した油相(油滴)を可視可能なサイズで分散させやすくなり、かつ乳化粒子の安定性をより効果的に高めることができる。
【0037】
本発明の水中油型エマルション組成物における、(C)成分の含有量は、水中油型エマルション組成物の全質量に対して、0.01~50.0質量%であることが好ましく、0.5~35.0質量%であることがより好ましい。(C)成分の含有量を上記範囲内とすることにより、水中油型エマルション組成物中の乳化粒子(油滴)の分散安定性をより効果的に高めることができる。
【0038】
((D)成分)
本発明の水中油型エマルション組成物は、(D)成分として、水を含む。水は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属に由来するアルカリ金属イオンを含まないか、アルカリ金属イオン量ができるだけ少ないものが好ましく、イオン交換水、蒸留水、逆浸透膜によるろ過水等を用いることが好ましい。
【0039】
本発明の水中油型エマルション組成物における、(D)成分の含有量は、水中油型エマルション組成物の全質量に対して、40~99.9質量%であることが好ましく、60~99.0質量%であることがより好ましい。
【0040】
((E)成分)
本発明の水中油型エマルション組成物は、(E)成分として、増粘多糖類をさらに含んでもよい。
【0041】
本発明における増粘多糖類は、増粘性の多糖類であれば特に制限されず、増粘多糖類としては、例えば、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、グルコマンナン、ジェランガム、スクシノグリカン、ペクチン、アラビアガム、ペクチン、アルギン酸、プルラン、スクレロチウムガム、カチオン化でんぷん、カチオン化グアーガム、クインスシード、寒天、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。これらのうち、ヒドロキシエチルセルロース及びグアーガムから選択される少なくとも1種は増粘性、分散性の観点から好ましく用いられる。増粘多糖類は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0042】
本発明の水中油型エマルション組成物が増粘多糖類を含む場合、(E)成分の含有量は、水中油型エマルション組成物の全質量に対して、0.01~0.5質量%であることが好ましく、0.02~0.3質量%であることがより好ましい。
【0043】
((F)成分)
本発明の水中油型エマルション組成物は、(F)成分として分散剤をさらに含んでもよい。
【0044】
分散剤は、粉体を分散できる成分であれば特に制限されず、分散剤としては、例えば、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸グリセリン、モノイソステアリン酸ジグリセリン、ポリリシノレイン酸ポリグリセリルー6、ポリリシノレイン酸ポリグリセリルー10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリルー10、ペンタオレイン酸ポリグリセリルー10、ポリヒドロキシステアリン酸、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。分散剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いても良い。
【0045】
本発明の水中油型エマルション組成物が分散剤を含む場合、(F)成分の含有量は、水中油型エマルション組成物の全質量に対して、0質量%超え5質量%以下であることが好ましく、0質量%超え2質量%以下であることがより好ましい。
【0046】
(成分比率)
水中油型エマルション組成物における、(A)微細繊維状セルロースの含有率をaとし、(B)液状油及び半固形油から選択される少なくとも1種の含有率をbとし、(E)増粘多糖類の含有率をcとした場合、a:bで表される質量比率が、1:1~1:400であり、かつ、a:cで表される質量比率が、30:1~1:2であることが好ましい。
【0047】
(任意成分)
さらに、本発明の水中油型エマルション組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧料や皮膚外用剤に配合される公知の成分を含有することができる。公知の成分としては、ロウ類、保湿剤、増粘剤、色剤、高級アルコール、高級脂肪酸、糖、高分子化合物、生理活性成分、経皮吸収促進剤、溶媒、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、抗酸化剤等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0048】
(用途)
本発明の水中油型エマルション組成物は、スキンケア化粧料、ヘアケア化粧料、ボディ用化粧料、その他の化粧料、皮膚外用剤、入浴剤、メイクアップ化粧料等に用いることができ、これに限定されるものではない。
【0049】
(水中油型エマルション組成物の製造方法)
本発明の水中油型エマルション組成物は、成分(A)、(D)、(E)を混合して、第1相を得る工程と、成分(B)、(C)を混合して第2相を得る工程と、第1相と第2相を混合する工程とを含むことが好ましい。このような製造工程を経ることにより、粉体を含有した油相(油滴)を可視可能なサイズで分散した水中油型エマルション組成物を得ることができる。
【実施例
【0050】
以下に本発明の実施例を挙げて、本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の例において、配合量の記載は特に断りのない限り質量%を意味する。
【0051】
(実施例1-1、1-2及び比較例1-1、1-2:微細繊維状セルロースと増粘多糖類との比較評価
1.試料の調製
表1に示す第1相と第2相を構成する各成分をそれぞれ測りとり、第1相を構成する各成分を均一になるまで撹拌した。第2相を構成する各成分を撹拌し均一分散した。次に、第1相に第2相を添加し、パドルミキサーによって撹拌し、均質化して水中油型エマルション組成物を得た。表中の各成分の数値は質量%を示す。
【0052】
2.油滴の平均粒子径の測定方法
実施例1-1と1-2及び比較例1-1と1-2の水中油型エマルション組成物をそれぞれ50mLスクリュー管に入れ、定規とともに写真撮影した。撮影した画像を適切な倍率で拡大し、1画像につき100個以上の油滴の粒子径を計測した。計測した値と拡大倍率より実際の油滴の粒子径を算出し、算出した100個以上の値を平均したものを油滴の平均粒子径とした。
【0053】
3.安定性の評価方法
実施例1-1と1-2及び比較例1-1と1-2の水中油型エマルション組成物を45℃の恒温槽に3ヶ月間放置した。その後、室温へ戻したサンプルについて目視による外観観察を行った。外観観察は以下に示す評価基準により油滴粒子の均一性について評価した。
<評価基準:油滴粒子の均一性>
A:油滴粒子の合一やクリーミング、粉体の沈降は認められない
B:油滴粒子の合一やクリーミングは認められないが、わずかな粉体の沈降が認められる
C:油滴粒子の合一やクリーミングが認められる、もしくは粉体の沈降が認められる
-:調製翌日に分離または粉体が沈降したため評価未実施
【0054】
【表1】
※アウロ・ヴィスコCS:リン酸ナトリウム処理微細繊維状セルロース2質量%含有スラリー(王子ホールディングス社製)
【0055】
4.結果
実施例で得られた水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されていた。リン酸ナトリウム処理微細繊維状セルロースを0.3質量%含む実施例1-1では粉体を含有した油滴の分散安定性に優れていた。グアーガムを用いた実施例1-2では、リン酸ナトリウム処理繊維状セルロースの含有量が0.15質量%であっても、粉体を含有した油滴の分散安定性に優れていた。一方、グアーガムや(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを単独で用いた比較例1-1および比較例1-2では、調製直後の油滴の平均粒子径が大きく、翌日には分離が認められた。その結果、粉体を含む油滴は観察されなかった。なお、実施例1-1の外観写真を図1に示す。
【0056】
(実施例2-1~2-3:界面活性剤有無の評価)
1.試料の調製と評価方法
表2に示す各成分を使用して、実施例1-1と同様の方法で水中油型エマルション組成物を調製し、実施例1-1と同様の方法で評価を行った。表中の各成分の数値は質量%を示す。
【0057】
【表2】
※アウロ・ヴィスコCS:リン酸ナトリウム処理微細繊維状セルロース2質量%含有スラリー(王子ホールディングス社製)、
FPD-C-WHITE:ハイドロゲンジメチコン、タルク(東色ピグメント社製)、
FPD-C-Da-Yellow:酸化鉄、ハイドロゲンジメチコン、タルク(東色ピグメント社製)、
FPD-C-Da-Red:酸化鉄、ハイドロゲンジメチコン、タルク(東色ピグメント社製)、
FPD-C-Da-Black:酸化鉄、ハイドロゲンジメチコン、タルク(東色ピグメント社製)、
TAROX R-516P:酸化鉄(チタン工業社製)、
TAROX LL-100P:酸化鉄(チタン工業社製)、
TAROX BL-100P:酸化鉄(チタン工業社製)、
MP-1131:酸化チタン、水酸化Al(テイカ社製)
【0058】
2.結果
実施例で得られた水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されていた。また、いずれも安定性は良好であった。
【0059】
実施例3:ファンデーション
第1相 アウロ・ヴィスコCS 7.50(質量%)
グアーガム 0.05
プロパンジオール 3.00
防腐剤 適量
水 残部
第2相 アルミナ、シラン処理酸化チタン 1.73
シラン処理酸化鉄(黄色) 0.20
シラン処理酸化鉄(赤) 0.04
シラン処理酸化鉄(黒) 0.03
スクワラン 3.00
ポリヒドロキシステアリン酸 0.05
(合計) 100.00
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は997μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0060】
実施例4:化粧下地
第1相 アウロ・ヴィスコCS 2.500(質量%)
タマリンドガム 0.002
1,3-ブチレングリコール 3.000
防腐剤 適量
水 残部
第2相 シリコーン処理マイカ 5.000
シリコーン処理タルク 5.000
ジメチコン 10.000
(合計) 100.000
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は1087μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0061】
実施例5:日焼け止め
第1相 アウロ・ヴィスコCS 7.5(質量%)
グアーガム 0.3
ジプロピレングリコール 10.0
防腐剤 適量
水 残部
第2相 水酸化アルミニウム、脂肪酸処理微粒子酸化チタン 2.0
シリカ、脂肪酸処理微粒子酸化亜鉛 2.0
(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 4.0
ポリヒドロキシステアリン酸 0.3
(合計) 100.0
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は1020μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0062】
実施例6:化粧下地
第1相 アウロ・ヴィスコCS 7.50(質量%)
ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル 0.05
プロピレングリコール 7.00
防腐剤 適量
水 残部
第2相 水酸化アルミニウム処理酸化チタン 1.73
未処理酸化鉄(黄色) 0.20
未処理酸化鉄(赤) 0.04
未処理酸化鉄(黒) 0.03
マカデミアナッツ油 3.00
ポリヒドロキシステアリン酸 0.05
(合計) 100.00
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は1218μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0063】
実施例7:プライマー
第1相 アウロ・ヴィスコCS 7.50(質量%)
グアーガム 0.30
1,3-ブチレングリコール 15.00
防腐剤 適量
水 残部
第2相 酸化チタン、マイカ(パール剤) 0.15
エチルヘキサン酸セチル 1.00
(合計) 100.00
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は957μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0064】
実施例8:ファンデーション
第1相 セレンピア 0.20(質量%)
グアーガム 0.05
プロパンジオール 7.00
防腐剤 適量
水 残部
第2相 レシチン処理酸化チタン 1.73
レシチン処理酸化鉄(黄色) 0.20
レシチン処理酸化鉄(赤) 0.04
レシチン処理酸化鉄(黒) 0.03
パルミチン酸エチルヘキシル 3.00
ポリヒドロキシステアリン酸 0.05
(合計) 100.00
※セレンピア:カルボキシメチル化処理微細繊維状セルロース88質量%含有スラリー(日本製紙社製)
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は1063μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0065】
実施例9:ファンデーション
第1相 レオクリスタ 8.00(質量%)
グアーガム 0.05
ジプロピレングリコール 5.00
防腐剤 適量
水 残部
第2相 アミノ酸処理酸化チタン 1.73
アミノ酸処理酸化鉄(黄色) 0.20
アミノ酸処理酸化鉄(赤) 0.04
アミノ酸処理酸化鉄(黒) 0.03
パルミチン酸エチルヘキシル 3.00
ポリヒドロキシステアリン酸 0.05
(合計) 100.00
※レオクリスタ:カルボン酸処理微細繊維状セルロース2質量%含有スラリー(第一工業製薬社製)
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は1267μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0066】
実施例10:チーク
第1相 アウロ・ヴィスコCS 8.50(質量%)
グアーガム 0.10
ヘキサンジオール 3.00
ジグリセリン 5.00
防腐剤 適量
水 残部
第2相 酸化チタン 0.25
酸化鉄 1.50
赤202 0.12
黄4 4.00
イソステアリン酸ソルビタン 0.50
トリエチルヘキサノイン 10.00
(合計) 100.00
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は982μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0067】
実施例11:チーク
第1相 アウロ・ヴィスコCS 8.00(質量%)
ジェランガム 0.05
ペンチレングリコール 3.00
グリセリン 5.00
防腐剤 適量
水 残部
第2相 酸化チタン 2.50
酸化鉄 0.25
赤201 0.10
シクロペンタシロキサン 10.00
PEG-10ジメチコン 0.50
(合計) 100.00
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は1092μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0068】
実施例12:アイシャドウ
第1相 アウロ・ヴィスコCS 10.00(質量%)
キサンタンガム 0.05
プロピレングリコール 10.00
防腐剤 適量
水 残部
第2相 合成金雲母 5.00
マイカ、酸化チタン、コンジョウ(パール剤) 5.00
パルミチン酸エチルヘキシル 10.00
ポリヒドロキシステアリン酸 0.10
(合計) 100.00
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は1071μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0069】
実施例13:アイシャドウ
第1相 アウロ・ヴィスコCS 7.50(質量%)
キサンタンガム 0.07
ジプロピレングリコール 8.00
防腐剤 適量
水 残部
第2相 酸化鉄、酸化チタン、マイカ(パール剤) 7.00
マイカ、酸化チタン、カルミン(パール剤) 3.00
シア脂 1.00
パルミチン酸エチルヘキシル 12.00
(合計) 100.00
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は817μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0070】
実施例14:アイライナー
第1相 アウロ・ヴィスコCS 7.50(質量%)
ヒドロキシエチルセルロース 0.05
ヘキサンジオール 8.00
ポリビニルピロリドン 0.50
防腐剤 適量
水 残部
第2相 カーボンブラック 7.00
トリエチルヘキサノイン 4.00
イソステアリン酸 3.00
(合計) 100.00
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は817μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0071】
実施例15:アイライナー
第1相 アウロ・ヴィスコCS 8.00(質量%)
プロピレングリコール 7.00
防腐剤 適量
水 残部
第2相 リンゴ酸ジイソステアリル 7.00
赤226 0.30
(合計) 100.00
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は920μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【0072】
実施例16:ファンデーション
第1相 アウロ・ヴィスコCS 8.00(質量%)
ヒドロキシエチルセルロース 0.10
ジプロピレングリコール 3.00
防腐剤 適量
水 残部
第2相 フッ素処理酸化チタン 1.80
フッ素処理酸化鉄(黄色) 0.20
フッ素処理酸化鉄(赤) 0.05
フッ素処理酸化鉄(黒) 0.02
ポリパーフルオロイソプロピルエーテル 3.00
(合計) 100.00
調製方法:実施例1-1に同じ。
結果:油滴の平均粒子径は1020μmであった。水中油型エマルション組成物においては、油滴中に粉体が含有されており、45℃・3カ月保管後も油滴の分散安定性は良好であった。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明品の水中油型エマルション組成物は化粧料として利用することができる。
図1