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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】アンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 9/30 20060101AFI20240116BHJP
   H01Q 1/50 20060101ALI20240116BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20240116BHJP
   H01Q 9/16 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
H01Q9/30
H01Q1/50
H01Q1/22 Z
H01Q9/16
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019234007
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021103837
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】513299683
【氏名又は名称】芦塚 哲也
(73)【特許権者】
【識別番号】513299694
【氏名又は名称】飯田 孝一
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芦塚 哲也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 孝一
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-218106(JP,A)
【文献】実開昭52-106046(JP,U)
【文献】特開平06-139836(JP,A)
【文献】実開昭56-104800(JP,U)
【文献】実開昭63-059405(JP,U)
【文献】実開昭51-081980(JP,U)
【文献】実開昭58-110911(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/314167(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 9/30
H01Q 1/50
H01Q 1/22
H01Q 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸構造の外部導体を構成する第1の導体と、
第1の部分が前記同軸構造の内部導体を構成し、かつ、前記外部導体から突出した第2の部分がアンテナ素子を構成する第2の導体と、
前記外部導体内において前記内部導体を中空支持し、前記第1の導体にスライド可能に設けられる絶縁部品と、
を具備するアンテナ。
【請求項2】
前記絶縁部品は、前記第1の導体の加圧変形によって前記第1の導体に固定される、
請求項に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記絶縁部品は、2つ以上設けられた、
請求項1又は2に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記第1の導体及び前記第2の導体は耐熱金属であり、前記絶縁部品は耐熱性の石である、
請求項1に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記耐熱金属及び前記石は、300℃以上の耐熱温度を有する、
請求項に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記耐熱金属は、ステンレス鋼材である、
請求項に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記アンテナは、スリーブアンテナであり、
前記第1の導体において、第3の部分が前記外部導体を構成し、かつ、前記アンテナ素子側に位置する端部の第4の部分がスリーブを構成する、
請求項1からの何れかに記載のアンテナ。
【請求項8】
前記アンテナは、ダイポールアンテナであり、
前記第1の導体において、第3の部分が前記外部導体を構成し、かつ、前記アンテナ素子側に位置する第4の部分が他のアンテナ素子を構成する、
請求項1からの何れかに記載のアンテナ。
【請求項9】
前記第1の導体は、筒状である、
請求項1からの何れか1項に記載のアンテナ。
【請求項10】
前記第2の部分とは反対側に位置する前記第1の部分の端部に、前記各導体の表面摩擦係数よりも高い表面摩擦係数を有し、かつ、表面が前記第2の導体に接触して前記第1の導体を固定する固定部が設けられた、
請求項1から9の何れか1項に記載のアンテナ。
【請求項11】
前記固定部は、前記第1の部分の前記端部に巻き付けられたテープ部材である、
請求項10に記載のアンテナ。
【請求項12】
前記内部導体と前記外部導体との間の空間は、空気で満たされた、
請求項1から11の何れか1項に記載のアンテナ。
【請求項13】
2つの前記絶縁部品は、電気的に、それぞれに対応する容量成分と、前記絶縁部品間の距離と、によってフィルタ特性が定まるπ型のローパスフィルタを構成する、
請求項1から12の何れか1項に記載のアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナの一つに、同軸線路(又は同軸ケーブルとも呼ぶ)に接続されるアンテナがある(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-90383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使用環境に応じた特性が得られるアンテナ構成については検討の余地がある。
【0005】
本開示の一実施例は、使用環境に応じた特性が得られるアンテナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施例に係るアンテナは、同軸構造の外部導体を構成する第1の導体と、第1の部分が前記同軸構造の内部導体を構成し、かつ、前記外部導体から突出した第2の部分がアンテナ素子を構成する第2の導体と、前記外部導体内において前記内部導体を中空支持する絶縁部品と、を具備する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施例によれば、使用環境に応じた特性が得られるアンテナを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】アンテナの使用環境の一例を示す図
図2】アンテナの構成例を示す図
図3】アンテナの構成例を示す図
図4】絶縁石の容量及び線路長に応じたインピーダンス変化の一例を示す図
図5】アンテナにおけるインピーダンスの一例を示す図
図6】アンテナにおけるインピーダンスの調整例を示す図
図7】アンテナにおけるインピーダンスの調整例を示す図
図8】絶縁石のサイズの一例を示す図
図9】アンテナが有するローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
アンテナの使用環境の一例として、例えば、常温よりも高い300℃~900℃といった高温環境が想定される。例えば、アンテナの使用温度範囲として常温(例えば、20℃)~900℃が想定されることがある。このような広範囲な温度範囲において、アンテナ特性(例えば、アンテナ利得)を、期待される特性に維持できることが求められ得る。高温環境の非限定的な一例として溶練路、熱成炉といった炉内が挙げられる。図1には、アンテナが、例えば、炉内に設置された様子が例示される。アンテナは、例えば、固定用フランジ(図示せず)によって炉内に固定されてよい。例えば、情報処理装置(例えば、リーダ)は、アンテナを用いて、炉内に存在するRFID(Radio Frequency Identifier)タグといった記録媒体(図示せず)に記録されている情報を読み取ってよい。RFIDタグは、例えば熱成炉内で熱成形される製品あるいは部品に、製造管理のために取り付けられることがある。なお、アンテナの通信対象は、RFIDタグに限られない。例えば、炉内に存在する無線機能を有する「物」がアンテナの通信対象であり得る。
【0011】
ここで、炉内のような高温環境での使用に耐え得るアンテナ(便宜的に「耐熱アンテナ」と称してよい)の構成については十分に検討されていない。また、電波反射の影響を受けやすい環境(例えば、炉内のような閉鎖空間)での使用において、アンテナ特性(例えば、インピーダンス整合)が所期値又は期待値(例えば、設計値)からずれてしまう場合に、そのような「ずれ」を如何にして補正するか、についても検討の余地がある。
【0012】
例えば、図1のような、300℃~900℃といった高温環境において、同軸線路とアンテナ部との接続に、融点が200°付近である半田を用いた場合、半田の溶融により、所期のアンテナ特性が得られない、あるいはアンテナとして機能しない可能性がある。なお、「同軸線路」は、同軸構造を有する同軸部と言い換えてもよい。また、図1に示すように、同軸部とアンテナ部とが、例えば金属製のコネクタによって接続された場合、上述した高温環境では、熱による金属の変形(例えば、伸縮)によってコネクタの接続に緩みが生じる可能性がある。
【0013】
また、例えば、同軸構造を成す内部導体と外部導体との間に設けられる絶縁体には、樹脂材が用いられる。例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、又は、テフロン(登録商標)とも呼ばれる)、ポリ塩化ビニール(PVC)、又は、ビニールといった樹脂材を絶縁体に用いることができる。しかし、これらの材料は耐熱性に乏しいために、300℃~900℃といった高温環境においてアンテナが使用される場合、絶縁体の溶融によってアンテナが機能しない可能性がある。
【0014】
また、図1に示した炉内のような閉鎖空間(あるいは狭小空間)内にアンテナが設置される場合、アンテナは、例えば、炉外空間に設置される場合と比較して、炉内の壁面による電波反射の影響を受けやすい。例えば、電波反射により、アンテナの電流分布が崩れてインピーダンスが変化しやすい。そのため、アンテナ部と同軸部との接続部分での反射が増加してアンテナの放射効率(換言すると、アンテナ性能又はアンテナ特性)が低下しやすい。
【0015】
本開示の非限定的な一実施例では、例えば、常温よりも遥かに高い高温環境での使用に耐えることができ、また、電波反射の影響を受けやすい環境においても、所期のアンテナ特性を担保できる、アンテナの構成例について説明する。
【0016】
[アンテナの構成例]
図2は、本開示の一実施例に係るアンテナ1の構成例を示す図である。また、図3は、図2に示すアンテナ1の断面図の一例を示す図である。
【0017】
図2及び図3に示すアンテナ1は、例えば、同軸部2と、アンテナ部3と、コネクタ4と、固定部5とを有する。
【0018】
例えば、アンテナ1において、コネクタ4を介して接続された外部装置(例えば、情報処理装置)から入力される信号は、同軸部2を伝送され、アンテナ部3から放射(換言すると、送信)される。また、例えば、アンテナ1において、アンテナ部3において受信した信号は、同軸部2を伝送され、コネクタ4を介して接続された外部装置(例えば、情報処理装置)へ出力される。なお、アンテナ1が送受信する電波の周波数帯域は、例えば、920±8MHzでもよく、他の帯域でもよい。
【0019】
同軸部2は、例えば、同軸構造を有する長尺の部材であり、内部導体(例えば、芯線又は中心導体とも呼ばれる)21、絶縁体22、及び、外部導体23を有する。なお、同軸部2は、同軸線路2と称されてもよい。同軸部2において、例えば、内部導体21は周囲が絶縁体22に覆われ、絶縁体22は周囲が外部導体23に覆われる。内部導体21は、中空構造を有する筒状(パイプ状)でもよいし、中実構造である棒状であってもよい。内部導体21は、後述するように、導体aの一部であり、導体aのスリーブ31から突出した部分がアンテナ素子32の役割を果たす。高温環境での使用が想定される場合、アンテナ素子32は、中空構造を有する方が、熱による変形(例えば、重力による垂れ下がり)に対する耐性を高めることができる。
【0020】
また、アンテナ部3は、例えば、スリーブアンテナであり、スリーブ31及びアンテナ素子32を有する。
【0021】
図2及び図3に示すアンテナ1において、同軸部2の内部導体21、及び、アンテナ部3のアンテナ素子32は、1つの導体aによって構成される。別言すると、1つの導体aの軸方向の異なる部分が内部導体21とアンテナ素子32との役割を担う。また、図2及び図3に示すアンテナ1において、同軸部2の外部導体23、及び、アンテナ部3のスリーブ31は、1つの導体bによって構成されてよい。別言すると、1つの導体bは、外部導体23とスリーブ31との役割を担う。スリーブ31は、例えば、導体bのコネクタ4側とは反対に位置する端部(換言すると、導体bのアンテナ素子32側に位置する端部)が折り返し成形された構造を有してよい。
【0022】
以上のように、導体a及び導体bによって、同軸部2とアンテナ部3とは、一体的に構成されてよい。
【0023】
導体a及び導体bには、耐熱性に優れた材料(「耐熱材料」と略称してよい)が用いられてよく、互いに同じ耐熱材料が用いられてもよいし、互いに異なる耐熱材料が用いられてもよい。耐熱材料の非限定的な一例としては、ステンレス鋼材(SUS:Steel Use Stainless)が挙げられる。SUSは、300℃以上の耐熱温度を有する耐熱金属の一例である。なお、導体a及び導体bの耐熱温度の下限値は、300℃に限定されず、例えば、200℃~300℃の範囲内の何れかの温度でもよい。または、導体a及び導体bの耐熱温度の下限値は、はんだが溶けるような温度でもよい。
【0024】
アンテナ部3において、導体aのアンテナ素子32に相当する部分は、例えば、スリーブ31(導体b)から突出する。また、同軸部2において、導体aの内部導体21に相当する部分は、例えば、アンテナ部3と反対側の端部においてコネクタ4と接続される。
【0025】
また、同軸部2において、内部導体21と外部導体23との間に設けられる絶縁体22は、例えば、空気である。別言すると、内部導体21(導体a)と外部導体23(導体b)との間の空間には空気が満たされている。
【0026】
また、アンテナ1において、導体aは、少なくとも一つ(図2及び図3では2個)の絶縁性の石(例えば、鉱物)cによって、導体aと導体bとが、絶縁体22である空気を介して電気的に絶縁した状態で支持(「中空支持」と称してよい)される。なお、「絶縁性の石」は、「絶縁石」と略称してよく、「絶縁性の鉱物」は、「絶縁鉱物」と略称してよい。このような構成により、図2及び図3に示すように、導体aと導体bとは、絶縁石c及び絶縁体22によって電気的に絶縁される。なお、絶縁石cと絶縁体22とをまとめて「絶縁部」と称してもよい。導体aの導体b内における中空支持は、コネクタ4を含む2点支持(絶縁石1個)でもよいし、絶縁石の数を2個以上のN個に増やして、コネクタ4を含む(N+1)点支持でもよい。なお、絶縁石の数を増やすほど、後述するように、対応可能なインピーダンス整合の範囲を拡大できる。別言すると、絶縁石の数を増やすほど、どのようなインピーダンス整合のずれに対しても対応しやすくできる。
【0027】
絶縁石の一例である絶縁鉱物cには、例えば、300℃以上の耐熱温度を有する鉱物が用いられてよい。300℃以上の耐熱温度を有する鉱物の非限定的な一例としては、タイガーアイ又は石英が挙げられる。なお、絶縁石cの耐熱温度の下限値は、300℃に限定されず、例えば、200℃~300℃の範囲内の何れかの温度でもよい。または、絶縁石cの耐熱温度の下限値は、はんだが溶けるような温度でもよい。
【0028】
絶縁石cには、例えば、導体aが貫通する貫通孔が形成されてよい。導体aは、絶縁石cの外表面が導体bの内表面に接触することで導体b内において中空支持される。また、絶縁石cの貫通孔は、導体aに沿って絶縁石cがスライド可能なサイズを有してよい。この構成により、絶縁石cは、内部導体21にスライド可能に設けられる。後述するように、導体aにおける絶縁石cの位置を変えることで、アンテナインピーダンスを調整できる。導体aにおいて絶縁石cを特定の位置に固定する場合には、例えば、絶縁石cの両サイドに位置する導体aを部分的に「かしめ」ればよい(別言すると、加圧変形させればよい)。なお、導体aにおける絶縁石cの固定方法は「かしめ」(加圧変形)に限定されない。
【0029】
また、例えば、導体aの軸方向における絶縁石cの位置は、アンテナ1の使用環境に応じて決定(換言すると、調整)されてよい。絶縁石cの位置を決定する方法の一例については後述する。
【0030】
また、アンテナ1において、コネクタ4は、例えば、内部導体21に接続され、アンテナ1と外部装置(図示せず)とを電気的に接続する。
【0031】
また、アンテナ1において、固定部5は、例えば、導体b内に設けられて導体aを固定する。例えば、固定部5は、導体bと接触し、導体bとの間の表面摩擦力によって導体bに対して導体aを固定してよい。固定部5により、導体b内における導体aの回転及び移動を抑制できる。固定部5は、例えば、テフロンによって構成されてもよく、テフロンと異なる他の材料によって構成されてもよい。例えば、固定部5は、テフロンテープが導体aに巻き付けられることにより構成されてもよい。テフロンテープは、表面摩擦係数が、導体a及び導体bの表面摩擦係数よりも高いテープ部材の非限定的な一例である。
【0032】
このように、アンテナ1は、同軸構造の外部導体23を構成する導体bと、一部分が同軸構造の内部導体21を構成し、かつ、外部導体23から突出した他の部分がアンテナ素子32を構成する導体aと、外部導体23内において内部導体を中空保持する絶縁石c(絶縁性の石)と、を備える。
【0033】
このアンテナ1の構成により、内部導体21と外部導体23とが電気的に絶縁した同軸部2を構成できる。また、アンテナ1では、同軸部2における内部導体21と外部導体23との間の絶縁体22は空気である。よって、本実施の形態によれば、例えば、空気と異なる材料の絶縁体(換言すると誘電体)を用いるアンテナと比較して、アンテナ1の伝送損失を低減できる。よって、本実施の形態によれば、アンテナ1のアンテナ性能を向上できる。
【0034】
また、例えば、導体a、導体b、及び、絶縁石cが耐熱性を有することで、上述したように、300℃~900℃といった高温の環境でも、アンテナ1の使用が可能になる。また、例えば、図3に示すように、アンテナ1では、導体a及び導体bによって、同軸部2とアンテナ部3とが一体的に構成される。この構成により、アンテナ1では、例えば、同軸部2とアンテナ部3とを接続する部品(例えば、コネクタ)を用いなくてよいため、高温環境によって同軸部2とアンテナ部3との接続箇所の破損によるアンテナ性能の低下を抑制できる。
【0035】
また、上述したように、アンテナ1の同軸部2における絶縁体22は空気(及び絶縁鉱物c)である。このため、アンテナ1は、例えば、300℃~900℃といった高温環境での使用に耐えることができる。また、アンテナ1では、絶縁体22に耐熱材料(例えば、二酸化ケイ素(SiO2))を使用する場合と比較して、アンテナ1の製作コストを低減できる。
【0036】
また、例えば、導体a及び導体bに、熱抵抗が他の金属よりも高いSUSを用いることで、例えば、炉内においてアンテナ部3側が熱せられたとしても、コネクタ4側への熱伝導を妨げることができる。同様に、例えば、絶縁体22に、熱抵抗が他の絶縁物よりも高い空気を用いることで、例えば、炉内においてアンテナ部3側が熱せられたとしても、コネクタ4側への熱伝導を妨げることができる。このため、例えば、図3に示すように、固定部5の材料に、SUSと比較して耐熱性の低い材料(例えば、テフロン等)を使用しても、熱による当該材料の破損、溶融を抑制できる。したがって、導体aの回転や移動の抑止力が低下することによってコネクタ4の接続緩みが生じることを防止あるいは抑制できる。
【0037】
また、例えば、内部導体21にパイプ状の導体を用いることにより、例えば、高温環境において内部導体21(金属)が熱によって軟化した場合でも、自重によって内部導体21(例えば、アンテナ素子32に相当する部分)が垂れ下がることを抑制できる。
【0038】
以上より、本実施の形態によれば、例えば、炉内のような高温環境においてアンテナ1が物理的に変形あるいは損傷してアンテナ性能(例えば、インピーダンス整合のずれに起因したアンテナ特性)が低下することを抑制あるいは抑止できる。
【0039】
[インピーダンス調整(整合)方法]
次に、アンテナ1(導体a)における絶縁石cの位置を決定する方法(換言すると、インピーダンス調整(整合)方法)の一例について説明する。
【0040】
図3に示すように、絶縁石cは、導体a及び導体bのそれぞれに接触することによって、導体aを導体b内において中空支持する。この中空支持によって、導体aと導体bとが電気的に絶縁される。よって、絶縁石cは、図3に示すように、電気的には容量Cを有するキャパシタと等価であると考えてよい。例えば、図3に示すアンテナ1は、2個の絶縁石c1及びc2にそれぞれ対応するキャパシタ(例えば、容量C1及びC2)が並列に接続された等価回路によって表すことができる。
【0041】
絶縁石cの電気的な容量(C)成分は、絶縁石cのサイズ(別言すると、体積)を変えることで変更できる。例えば、絶縁石cの体積が大きいほど、絶縁石cの電気的な容量成分も大きくなる。ここで、絶縁石cの電気的な容量成分は、インピーダンスに容量性リアクタンスを並列接続(あるいは、容量性サセプタンスを直列接続)することに相当する。そのため、絶縁石cの電気的な容量成分に起因したインピーダンス変化は、図4に示すように、等コンダクタンス円上の変化に相当する。絶縁石cの体積が一定であれば、等コンダクタンス円上の変化も一定である。
【0042】
一方、絶縁石cの導体aにおける位置変化は、反射波の位相成分の変化に寄与するため、反射波の振幅成分(換言すると、反射係数の絶対値)が一定の円(以下、単に、「同一反射係数の円」と呼ぶ)上の変化に相当する。例えば、絶縁石cがアンテナ素子32から遠ざかるに応じて、インピーダンスは同一反射係数の円上を時計回りに変化する。
【0043】
したがって、等コンダクタンス円上の変化と同一反射係数の円上の変化との組み合わせによって、インピーダンス整合をとることができる。例えば、絶縁石cのサイズが一定の場合、絶縁石cの導体aにおける位置を調整することで、ずれたインピーダンス整合を補償できる。
【0044】
なお、各絶縁石cに対する線路長dは、例えば、導体aの軸方向において内部導体21のアンテナ素子32側の端部、又は、導体aの軸方向のアンテナ素子32側に隣り合う他の絶縁石cとの間の長さでよい。例えば、図3では、絶縁石c1に対する線路長は「d1」(例えば、図6参照。図3ではd1=0mmであるため図示せず)で表され、絶縁石c2に対する線路長は「d2」で表される。
【0045】
アンテナ1では、例えば、導体aの軸方向における絶縁石cの位置によって定まる線路長d、及び、絶縁石cの容量Cに基づいて、アンテナ1のインピーダンスZが決定(換言すると、調整)される。換言すると、アンテナ1では、例えば、容量C及び線路長dによるインピーダンスZの変動に応じて、導体aの軸方向における絶縁石cの位置が決定される。
【0046】
例えば、図4に示すように、容量Cと線路長dとの組み合わせにより、アンテナ1のインピーダンスZを所期値に調整できる。
【0047】
図5は、アンテナ1の導体aの軸方向における各位置P1,P2,P3及びP4からアンテナ素子32側を見た場合のスミスチャートにおけるインピーダンスZの一例を示す図である。なお、図5に示すスミスチャートの例は、インピーダンスZ=50Ωによって正規化された値を示す。
【0048】
また、図5では、一例として、絶縁石c1の容量C1及び絶縁石c2の容量C2は、何れも0.9pFである。また、図5では、一例として、絶縁石c1と絶縁石c2との間の線路長d2は65mm(=0.2λ)である。なお、λは、アンテナ1が送受信する電波の波長を表す。また、容量C1及びC2の値、及び、線路長d2の値は一例であり、他の値でもよい。
【0049】
図5に示す位置P1から見たインピーダンスZ1(換言すると、C1、d2及びC2を考慮しない場合のインピーダンス)は50Ω(例えば、Z1=1+j0とも表される)である。
【0050】
図5に示す位置P2から見たインピーダンスZ2(換言すると、C1を考慮した場合のインピーダンス)は、絶縁石c1(C1=0.9pF)によって、スミスチャート上を、Z1の位置から等コンダクタンス円(図示せず)上を時計回りに移動した位置になる。
【0051】
図5に示す位置P3から見たインピーダンスZ3(換言すると、C1及びd2を考慮した場合のインピーダンス)は、線路長d2によって、スミスチャート上を、Z2の位置から同一反射係数の円上を時計回りに移動した位置になる。
【0052】
図5に示す位置P4から見たインピーダンスZ4(換言すると、C1、d2及びC2を考慮した場合のインピーダンス)は、絶縁石c2(C2=0.9pF)によって、スミスチャート上を、Z3の位置から等コンダクタンス円(図示せず)上を時計回りに移動した位置である。ここで、図5では、Z4=50Ω(又は、Z4=1+j0)である。換言すると、Z4=Z1である。
【0053】
図5に示すように、導体aの軸方向における絶縁石c1及び絶縁石c2の位置は、例えば、容量C1、C2、及び線路長d2によるインピーダンスの変動(換言すると、スミスチャート上のインピーダンスZの移動)に基づいて決定されてよい。例えば、図5では、位置P4から見たインピーダンスZ4が位置P1から見たインピーダンスZ1と同等となる位置に絶縁石cの位置が決定されてよい。
【0054】
このインピーダンス調整(例えば、Z調整とも呼ぶ)により、例えば、アンテナ1において、絶縁石cによって導体aを支持する場合でも、絶縁石cの容量C及び絶縁石cの位置によって定まる線路長dによるインピーダンス変動の影響を抑制し、アンテナ1におけるインピーダンス整合を担保できる。
【0055】
次に、アンテナ1の使用環境によってインピーダンスが変動する場合について説明する。一例として、アンテナ1の設計において、図6に示すように、位置P1からアンテナ素子32側を見たインピーダンスZ0を50Ω(例えば、Z=1+j0)とする。また、図6に示すように、図1と同様、アンテナ1が炉内に設置される場合について説明する。
【0056】
なお、炉内の壁面は、一例として、金属製(別言すると、金属壁)であることを想定する。また、一例として、アンテナ1が設置される炉内の温度は、20℃~650℃の範囲でもよく、例えば、600℃付近の使用を想定してアンテナ1が設計されてよい。なお、アンテナ1の使用が想定される温度は、他の範囲でもよい。また、例えば、アンテナ1の
利得は、2.0dBiでもよく、他の値でもよい。また、アンテナ1が使用される周波数帯域は、例えば、920±8MHzでもよく、他の周波数帯でもよい。また、例えば、アンテナ1の公称インピーダンス(例えば、コネクタ4から見たインピーダンス)は50Ωでもよく、他の値でもよい。また、アンテナ1において、同軸部2及びアンテナ部3における電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)は1.5以下に設計されてよく、他の値に設計されてよい。
【0057】
図6に示すように、位置P1からアンテナ素子32側を見たインピーダンスが、例えば、炉内の電波反射の影響により、Z0からZ1へ変動したと仮定する。例えば、図6では、位置P1から見たインピーダンスZ1は、Z0=1+j0よりも抵抗値が低い方向に変動する。
【0058】
そこで、本実施の形態では、例えば、導体aの軸方向における絶縁石c1及び絶縁石c2の位置に応じて定まる線路長d1及びd2に基づいて、絶縁石c2よりもコネクタ4側からアンテナ素子32側を見たインピーダンスZ5がZ0=50Ω(例えば、Z0=1+j0)に調整されてよい。
【0059】
例えば、図6に示すように、位置P1から線路長d1(例えば、20mm)の位置に絶縁石c1(例えば、容量C1=0.9pF)を配置する。この場合、図6に示すように、線路長d1によって、インピーダンスZ2は、スミスチャート上において、Z1の位置から同一反射係数の円上を時計回りに移動した位置に相当する。また、図6に示すように、絶縁石c1の容量C1(例えば、0.9pF)によって、インピーダンスZ3は、スミスチャート上において、Z2の位置から等コンダクタンス円上を時計回りに移動した位置に相当する。
【0060】
また、例えば、図6に示すように、絶縁石c1の位置から線路長d2(例えば、20mm)の位置に絶縁石c2(例えば、容量C2=0.9pF)を配置する。この場合、図6に示すように、線路長d2によって、インピーダンスZ4は、スミスチャート上において、Z3の位置から同一反射係数の円上を時計回りに移動した位置に相当する。また、図6に示すように、絶縁石c2の容量C2(例えば、0.9pF)によって、インピーダンスZ5は、スミスチャート上において、Z4の位置から等コンダクタンス円上を時計回りに移動した位置に相当する。なお、図6では、Z5は、一例として、50Ω(又は、1+j0)である。換言すると、Z5=Z0である。
【0061】
このように、アンテナ1の使用環境によってインピーダンスZが変動する場合でも、例えば、図7に示すように、少なくとも一つの絶縁石cの容量C(例えば、C1及びC2)及び絶縁鉱物cの位置によって定まる線路長d(例えば、d1及びd2)に基づくインピーダンスの調整によって、インピーダンスZを適切な値(例えば、Z0の値)に設定できる。
【0062】
インピーダンスの調整により、例えば、アンテナ1の使用環境(例えば、電波反射の影響)に応じてアンテナインピーダンスが変化した場合でも、当該使用環境に適応してアンテナインピーダンスを調整できる。よって、本実施の形態によれば、アンテナ1の使用環境に応じて、アンテナ1のインピーダンス整合を適応的に担保でき、アンテナ1の使用環境によってアンテナ性能が低下することを抑制あるいは抑止できる。
【0063】
また、上述したように、電波反射の影響を受けやすい空間にアンテナが設置されると、アンテナ設計時のパラメータの値が変動し得る。例えば、アンテナパラメータの一つであるVSWRは、アンテナに反射波が到来しやすい空間(環境)であるほど増加し得る。そのため、例えば、本実施の形態に係る構成(例えば、図2及び図3)を有さないアンテナに対しては、反射波の影響によるVSWRの増加分を考慮して、VSWRに要求される値(例えば、2.0)よりも低い値(例えば、1.5未満)に設計されることが想定され得る。
【0064】
これに対して、本実施の形態に係るアンテナ1では、反射波の影響によるVSWRの増加(換言すると、インピーダンスの所期値からのずれ)を、絶縁石cの容量C及び位置(線路長d)によって抑制(換言すると、調整)できる。そのため、本実施の形態では、反射波の影響によるVSWRの増加分を考慮せずに、アンテナ1の設計が可能になる。
【0065】
ここで、絶縁石cの容量Cは、例えば、絶縁石cのサイズ(例えば、体積)、個数又は種類に応じて変更可能である。
【0066】
例えば、絶縁石cの体積によって容量Cが決定されてもよい。例えば、絶縁石cの体積が大きいほど、容量Cは大きい。例えば、図8に示すように、(2)の絶縁石cは(1)の絶縁石cよりも体積が大きく、(3)の絶縁石cは(2)の絶縁石cよりも体積が大きい。この場合、(2)の絶縁石cの容量C(例えば、0.9pF)は(1)の絶縁石cの容量C(例えば、0.5pF)よりも大きく、(3)の絶縁石cの容量C(例えば、1.2pF)は(2)の絶縁石cの容量Cよりも大きい。
【0067】
なお、図8において、絶縁石cは外表面を導体bの内表面に接触して導体aを中空支持するため、絶縁石cの径方向の長さ(例えば、直径)には制限がある。そのため、絶縁石cのサイズを導体aの軸方向に変えて絶縁石cの体積を変化させてよい。換言すると、絶縁石cの径方向の長さ(例えば、直径)は、例えば、外部導体23(導体b)の内径と同程度でもよい。これにより、絶縁石cによって導体aと導体bとを電気的に絶縁した状態で導体aを支持し、かつ、絶縁石cの容量Cを設定できる。
【0068】
または、図8に示す(4)の絶縁石cの個数によって容量Cが決定されてもよい。例えば、例えば互いに接触する絶縁石cの数を増やすことで容量Cを増加できる。例えば図8に示すように、(4)の互いに接触する2個の絶縁石cそれぞれが0.5pFの容量を有する場合、これら2個の絶縁石c全体の容量は、1.0pFである。
【0069】
または、絶縁石cの種類によって容量Cが決定されてもよい。
【0070】
例えば、上述したように、絶縁石cのサイズ、個数、及び、種類の少なくとも一つに応じて容量Cが定まってよい。図6に示す例では、容量C1及びC2は固定値である。そこで、例えば、位置P1におけるインピーダンスZ1、及び、絶縁石cの容量C(例えば、C1及びC2)によるインピーダンスZの変動幅に応じて、絶縁石cの位置(換言すると、線路長d1及びd2によるインピーダンスZの変動幅)が決定されてもよい。
【0071】
または、アンテナ1に配置される絶縁石cの位置(換言すると、線路長d)が固定の位置の場合には、例えば、位置P1におけるインピーダンスZ1、及び、線路長dによるインピーダンスZの変動幅に応じて、絶縁石cの容量C(換言すると、容量CによるインピーダンスZの変動幅)が決定されてもよい。
【0072】
または、位置P1におけるインピーダンスZ1に応じて、絶縁石cの位置及び容量Cが決定されてもよい。
【0073】
このように、アンテナ1は、絶縁石cの位置、サイズ、個数又は種類(換言すると、容量C及び線路長d)の変更によって、アンテナ1のインピーダンスを調整可能なインピーダンス変換回路を備える。
【0074】
以上、アンテナ1における絶縁石cの位置を設定する方法について説明した。
【0075】
[LPF構成について]
例えば、図9に示すように、導体aの軸方向における、絶縁石c1(容量C1)と、絶縁石c2(容量C2)と、線路長d2との線路と、は、電気的な等価回路として、π型のローパスフィルタ(LPF)と考えることができる。
【0076】
そのため、例えば、アンテナ1を通過する電波のうち、閾値(例えば、カットオフ周波数)より高い周波数成分はLPFによって減衰され、閾値以下の周波数成分が通過する。なお、閾値は、例えば、容量C1、C2及び線路長d2によって定まる。
【0077】
例えば、アンテナ1は、外部装置(図示せず)から入力される電波から、閾値より高い周波数成分(例えば、送信不要波)を抑制した周波数成分を空間へ放射できる。また、アンテナ1は、例えば、受信した電波から、閾値より高い周波数成分(例えば、受信妨害波)を抑制した周波数成分を、コネクタ4を介して外部装置(図示せず)へ出力できる。
【0078】
このLPFの構成により、アンテナ1のアンテナ性能を向上できる。
【0079】
なお、図9では、一例として、2つの絶縁石cによってπ型のLPFを構成する場合について説明したが、3個以上の絶縁石cによって多段接続されるLPFを構成してもよい。多段のLPFにより、例えば、高周波数成分をより低減できる。
【0080】
以上、本開示の一実施例について説明した。
【0081】
なお、上記実施の形態では、アンテナ1がスリーブアンテナである場合について説明したが、アンテナ1はスリーブ型に限定されない。例えば、アンテナ1は、ダイポールアンテナでもよい。ダイポールアンテナの場合、例えば、導体aは、内部導体21に相当する部分と、ダイポールアンテナにおける一方のアンテナ素子に相当する部分とで構成され、導体bは、外部導体23に相当する部分と、ダイポールアンテナにおける他方のアンテナ素子に相当する部分(例えば、上記一方のアンテナ素子側に位置する端部)とで構成されてよい。
【0082】
また、アンテナ1の形状は、図2及び図3に示すような直線状である場合に限らず、少なくとも一部に曲線を含む形状でもよい。
【0083】
また、上記実施の形態では、図2及び図3では、アンテナ1に含まれる絶縁石cの個数が2個の場合について説明したが、アンテナ1に含まれる絶縁石cの個数は1個又は3個以上でもよい。
【0084】
また、上記実施の形態において、導体a及び導体bに適用する金属は、SUSに限定されず、アルミ、鉄、又は、銅といった他の金属でもよい。
【0085】
また、上記実施の形態において、絶縁石cは、タイガーアイ又は石英といった石に限定されず、他の石でもよい。例えば、アンテナ1の想定される使用環境に応じた絶縁性あるいは耐熱性を有する石が、絶縁石cに選定されてよい。
【0086】
また、上記実施の形態では、一例として、高温環境(例えば、高温炉内)においてアンテナ1を使用する場合を想定したが、アンテナ1の使用環境は、これに限定されない。例えば、300℃未満の温度環境においてアンテナ1が使用されてもよい。この場合、例えば、導体a、導体b及び絶縁石cの少なくとも一つは、耐熱性を有さなくてもよい。また、上記実施の形態では、絶縁性の石(例えば、鉱物)cを使用する場合について説明したが、石に限定されず、例えば、絶縁性の石と異なる他の絶縁部品(例えば、ガラス)を用いてもよい。
【0087】
また、アンテナ1が設置される空間は、炉に限らず、他の空間(例えば、電波反射が発生しやすい空間を含む)でもよい。
【0088】
また、例えば、アンテナ1の使用環境に応じて、アンテナ1(例えば、同軸部2、スリーブ31、及び、アンテナ素子32の少なくとも1つ)の軸方向の長さ、及び、材料の少なくとも1つが決定されてもよい。例えば、アンテナ1が使用される空間の温度に基づいて、アンテナ1の材料及び軸方向の長さの少なくとも1つが決定されてもよい。例えば、熱抵抗のより高い材料が使用される場合には、アンテナ1の軸方向の長さはより短く設計されてよい。熱抵抗のより低い材料が使用される場合には、アンテナ1の軸方向の長さはより長く設計されてもよい。この設計により、導体aの軸方向において、アンテナ1のコネクタ4側の部品(例えば、固定部5)が加熱されにくくなり、破損(例えば、溶融)を抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本開示の一実施例は、アンテナを用いるシステムに好適である。
【符号の説明】
【0090】
1 アンテナ
2 同軸部
3 アンテナ部
4 コネクタ
5 固定部
21 内部導体
22 絶縁体
23 外部導体
31 スリーブ
32 アンテナ素子
a,b 導体
c(c1,c2) 絶縁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9