(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】包装システム
(51)【国際特許分類】
B65B 9/093 20120101AFI20240116BHJP
【FI】
B65B9/093
(21)【出願番号】P 2020047366
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】大島 雅志
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-047632(JP,A)
【文献】特開2013-237476(JP,A)
【文献】特開2017-043401(JP,A)
【文献】特開2018-027812(JP,A)
【文献】特開平06-115520(JP,A)
【文献】特開平11-239548(JP,A)
【文献】特表平04-505308(JP,A)
【文献】実公平06-037948(JP,Y2)
【文献】米国特許出願公開第2002/0152721(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0025476(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0313998(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0019571(US,A1)
【文献】米国特許第05699653(US,A)
【文献】米国特許第06047528(US,A)
【文献】国際公開第2000/064741(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムロールから繰り出される長尺フィルムを幅方向に折り重ねて、
折り重ねた当該長尺フィルムを長さ方向に沿って所定間隔で区画するサイドシール部を形成し、隣り合う当該サイドシール部間に上端開口部を有する袋部を形成するとともに、
当該袋部が連続する包装袋連包を前記長尺フィルムから形成する給袋装置と、
当該給袋装置から供給される前記包装袋連包を搬送経路に沿って第1グリップで反給袋装置側へ引っ張って搬送する搬送装置と、
を有し、
前記搬送経路上で、前記袋部の前記上端開口部を開いて被包装物を充填し、前記袋部内を所定の不活性ガスでガス置換してから、前記上端開口部を封止するようにした包装システムにおいて、
前記搬送経路と並行するガイドレールと、
前記各サイドシール部を把持する第2グリップを有し、ガイドレール上を走行する複数個のムーバーと、
前記ムーバーと前記ガイドレールの一方に永久磁石を取り付け、他方に電磁石を取り付けて、前記ムーバーをリニア駆動で各個独立して前記ガイドレール上を移動させる駆動手段と、
前記ガイドレール上における前記各ムーバーの位置をそれぞれ検知して所定位置に停止させるムーバー位置制御手段を備え、
当該ムーバー位置制御手段が、一の前記ムーバーと
、前記包装袋連包の搬送方向に沿って、一の前記ムーバーの上流側で隣り合う他の
前記ムーバーの停止位置を制御し、一の
前記サイドシール部と
、前記包装袋連包の搬送方向に沿って、一の前記サイドシール部の上流側で隣り合う他の
前記サイドシール部との間隔を調整
して、
前記袋部の前記上端開口部を開放又は閉鎖する袋口開閉装置を設けたことを特徴とする包装システム。
【請求項2】
前記搬送経路を直線状に構成すると共に、前記ガイドレールが、当該搬送経路と対向する直線部を含む周回軌道を有していることを特徴とする請求項1に記載の包装システム。
【請求項3】
前記周回軌道が、前記搬送経路に対して相対的に上下方向へ移動可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の包装システム。
【請求項4】
前記搬送経路の始端側に、前記包装袋連包を前記給袋装置から前記搬送方向に沿って送り出す始端側包装袋送り装置を設け、
前記搬送経路の終端側に、前記包装袋連包を前記搬送方向に沿って、前記搬送装置へ送り出す終端側包装袋送り装置を設けて、
前記搬送経路で前記包装袋連包の搬送を補助するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の
包装システム。
【請求項5】
前記搬送方向に沿った上流側から、
前記袋部の前記上端開口部を開く案内ヘラを備えた袋開口装置と、
当該袋開口装置が開いた前記上端開口部に差し込まれ、前記被包装物を送り込む充填ノズルを備え、前記袋部内へ前記被包装物を充填する充填装置と、
前記上端開口部に差し込まれ、前記不活性ガスを送り込むガスノズルを備え、前記袋部内をガス置換するガス置換装置と、
前記上端開口部をシールして前記
袋部を封止するシール装置とを、前記搬送経路に沿って設けたことを特徴とする請求項1に記載の包装システム。
【請求項6】
前記搬送装置の近傍に、
前記包装袋連包の前記サイドシール部の所定位置に、点線状の切り取り線を形成するミシンカッター装置と、
前記袋部の所定の数ごとに前記包装袋連包を切り離すカッターを備えた切断装置とを有することを特徴とする請求項1に記載の包装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋の開口部を開いて被包装物を充填し、当該包装袋内を所定の不活性ガスでガス置換してから、開口部を封止するようにした包装システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装袋に被包装物を充填した袋製品には、被包装物の酸化による劣化を防止するために、たとえば、窒素ガスのような不活性ガスによって袋内をガス置換するようにしたものが知られている。
特開2007-223673号公報に開示されている充填包装装置は、長尺フィルムに所定の間隔でシュートを挟み込みながら二つ折りにして、回転体に放射方向に取り付けられた区画シール装置でシュート間をヒートシールして区画シール部で区画された袋部を形成し、回転体の周方向に沿って搬送される間に、被包装物を袋部へ充填して、袋部内をガス置換して封止するように構成されている。区画シール装置はまた搬送される長尺フィルムを挟持するグリップを兼ねている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の充填包装装置の区画シール装置は、回転体に放射方向に取り付けられていることから、当該区画シール装置間の幅を調整するのが難しく、包装袋のサイズ切り替えが非常に困難である。
さらに、長尺フィルムをヒートシールする区画シール装置がグリップを兼ねているため、配線や構造が複雑になり、またヒートシールした後もしばらく長尺フィルムを挟持していなければならないため、排熱やフィルムの冷却の効率が悪くなるおそれがある。
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、包装工程を担う各種装置の構成やそれら装置のレイアウトを簡潔にすると共に、包装袋のサイズ切り替えを容易に行うことができるようにした包装システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の包装システムは、フィルムロールから繰り出される長尺フィルムを幅方向に折り重ねて、
折り重ねた当該長尺フィルムを長さ方向に沿って所定間隔で区画するサイドシール部を形成し、隣り合う当該サイドシール部間に上端開口部を有する袋部を形成するとともに、
当該袋部が連続する包装袋連包を前記長尺フィルムから形成する給袋装置と、
当該給袋装置から供給される前記包装袋連包を搬送経路に沿って第1グリップで反給袋装置側へ引っ張って搬送する搬送装置と、
を有し、
前記搬送経路上で、前記袋部の前記上端開口部を開いて被包装物を充填し、前記袋部内を所定の不活性ガスでガス置換してから、前記上端開口部を封止するようにした包装システムにおいて、
前記搬送経路と並行するガイドレールと、
前記各サイドシール部を把持する第2グリップを有し、ガイドレール上を走行する複数個のムーバーと、
前記ムーバーと前記ガイドレールの一方に永久磁石を取り付け、他方に電磁石を取り付けて、前記ムーバーをリニア駆動で各個独立して前記ガイドレール上を移動させる駆動手段と、
前記ガイドレール上における前記各ムーバーの位置をそれぞれ検知して所定位置に停止させるムーバー位置制御手段を備え、
当該ムーバー位置制御手段が、一の前記ムーバーと、前記包装袋連包の搬送方向に沿って、一の前記ムーバーの上流側で隣り合う他の前記ムーバーの停止位置を制御し、一の前記サイドシール部と、前記包装袋連包の搬送方向に沿って、一の前記サイドシール部の上流側で隣り合う他の前記サイドシール部との間隔を調整して、
前記袋部の前記上端開口部を開放又は閉鎖する袋口開閉装置を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の包装システムは、請求項1に記載の発明において、前記搬送経路を直線状に構成すると共に、前記ガイドレールが、当該搬送経路と対向する直線部を含む周回軌道を有していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の包装システムは、請求項2に記載の発明において、
前記周回軌道が、前記搬送経路に対して相対的に上下方向へ移動可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の包装システムは、請求項1に記載の発明において、
前記搬送経路の始端側に、前記包装袋連包を前記給袋装置から前記搬送方向に沿って送り出す始端側包装袋送り装置を設け、
前記搬送経路の終端側に、前記包装袋連包を前記搬送方向に沿って、前記搬送装置へ送り出す終端側包装袋送り装置を設けて、
前記搬送経路で前記包装袋連包の搬送を補助するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の包装システムは、請求項1に記載の発明において、前記搬送方向に沿った上流側から、
前記袋部の前記上端開口部を開く案内ヘラを備えた袋開口装置と、
当該袋開口装置が開いた前記上端開口部に差し込まれ、前記被包装物を送り込む充填ノズルを備え、前記袋部内へ前記被包装物を充填する充填装置と、
前記上端開口部に差し込まれ、前記不活性ガスを送り込むガスノズルを備え、前記袋部内をガス置換するガス置換装置と、
前記上端開口部をシールして前記袋部を封止するシール装置とを、前記搬送経路に沿って設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の包装システムは、請求項1に記載の発明において、前記搬送装置の近傍に、
前記包装袋連包の前記サイドシール部の所定位置に、点線上の切り取り線を形成するミシンカッター装置と、
前記袋部の所定の数ごとに前記包装袋連包を切り離すカッターを備えた切断装置とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装システムによれば、長尺フィルムからサイドシール部で区画された袋部が連続する包装袋連包を形成し、当該包装袋連包が搬送される搬送経路と並行してガイドレールを設け、当該ガイドレール上を、サイドシール部を把持するグリップを有するムーバーを走行させるようにして、リニア駆動で動作する当該ムーバーの位置を検知して、一のムーバーと、包装袋連包の搬送方向に沿って、一のムーバーの上流側で隣り合う他のムーバーの停止位置を制御して、一のサイドシール部と、包装袋連包の搬送方向に沿って、一のサイドシール部の上流側で隣り合う他のサイドシール部との間隔を調整することによって、袋部の上端開口部を開放又は閉鎖する袋口開閉装置を設けるようにした。当該袋口開閉装置が、ムーバーを各個独立して制御するので、一のムーバーと、包装袋連包の搬送方向に沿って、一のムーバーの上流側で隣り合う他のムーバーの停止位置を調整することによって、袋部の上端開口部を容易に開放又は閉鎖すると共に、搬送方向に沿った袋部幅の切り替えを容易に行うことができる。
また、好ましくはムーバーが走行するガイドレールを含む周回軌道を搬送経路に対して相対的に上下方向へ移動可能に構成した。これによって、包装袋連包の高さの切り替えを容易に行うことができる。
したがって、袋部の幅及び包装袋連包の高さの切り替えを共に容易に行うことができるように構成したので、用途に応じて、また被包装物の種類に合わせた種々の袋製品に係る包装袋のサイズへ容易に対応させることができる。
そして、袋部の上端開口部を開いて被包装物を充填し、袋部内を所定の不活性ガスでガス置換してから、上端開口部を封止する包装工程を行う搬送経路と平行にガイドレールを設けて、当該ガイドレール上で、サイドシール部を挟持するグリップを有するムーバーを走行させるようにした。そして、各包装工程に合わせて搬送経路上の所定位置で停止する一のムーバーと、包装袋連包の搬送方向に沿って、一のムーバーの上流側で隣り合う他のムーバーの間隔を調整するようにして、各包装工程に合わせて袋部の上端開口部を開放又は閉鎖するようにした。これによって、搬送経路に沿って行われる各包装工程を担当する装置と、袋部の上端開口部を開放又は閉鎖する袋口開閉装置を別個にすることで、システムを構成する装置を簡単にして、レイアウトしやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施例に係る包装システムの構成の概略を示すレイアウト図である。
【
図2】第1実施例に係る包装システムのサイドシールユニットの構成の概略を示す装置側面の説明図である。
【
図3】第1実施例に係る包装システムの搬送装置及びカッター装置の構成の概略を示す装置正面及び装置側面を含む説明図である。
【
図4】第1実施例に係る包装システムの袋口開閉装置の構成の概略を示す装置の一部正面及び装置側面を含む説明図である。
【
図5】第1実施例に係る包装システムの始端側包装袋送り装置の構成の概略を示す装置正面及び装置側面を含む説明図である。
【
図6】第1実施例に係る包装システムの充填装置の構成の概略を示す装置側面の説明図である。
【
図7】第1実施例に係る包装システムの充填ノズル近傍の構成の概略を示す部分拡大断面図である。
【
図8】第1実施例に係る包装システムのガス置換装置の構成の概略を示す装置側面の説明図である。
【
図9】第1実施例に係る包装システムの包装工程に係る全体構成の概略を示す説明図である。
【
図10】第1実施例に係る包装システムの包装工程を構成する各工程の構成の概略を示す説明図である。
【実施例1】
【0014】
本発明に係る包装システムの実施例を添付した図面にしたがって説明する。
図1は、本実施例に係る包装システムの構成の概略を示した説明図であり、
図2は、本実施例に係る包装システムを構成する包装工程の概略を示した説明図である。
【0015】
包装システム10は、
図1に示すように、包装袋を供給する給袋装置11と、包装袋を引っ張って搬送する搬送装置12を有し、給袋装置11と搬送装置12間に包装袋が搬送される搬送経路13が形成されている。直線状に構成された当該搬送経路13に沿って、包装袋の袋口を開閉する袋口開閉装置20が配置され、袋口開閉装置20と搬送経路13が並行している区間には、搬送経路13の上流側から、袋開口装置14、充填装置15、及びガス置換装置16が順に配置されている。
【0016】
給袋装置11は、
図1に示すように、フィルムローラー30、テンションローラー31、補助プレート32、折り重ねローラー33、サイドシールユニット34とからなり、搬送経路13の始端側に配置されている。
フィルムローラー30は、長尺フィルム1が巻かれたフィルムロール2を回動可能に軸支している。これによって、当該フィルムローラー30に軸支されたフィルムロール2から長尺フィルム1を繰り出すことができる。
テンションローラー31は、複数個のローラーからなり、繰り出された長尺フィルム1に所定のテンションをかけて、シワを伸ばし、補助プレート32に対して所定の範囲内で長尺フィルム1の幅方向にズレが生じないように当該長尺フィルム1を送り出すように構成されている。
補助プレート32は、
図9に示すように三角形状に形成されており、底辺が長尺フィルム1の幅方向に沿った底辺と、折り重ねローラー33間下方を指向して長尺フィルム1の搬送方向に対して斜め下方を向く頂点を有している。これによって、補助プレート32下面に沿って繰り出された長尺フィルム1は、対向配置された一対の折り重ねローラー33間を通ったとき、幅方向中心が補助プレート32によって押し下げられ、幅方向に谷折りで二つに折り重ねられる。
サイドシールユニット34は、
図2に示すように、シリンダー35と、一対のシーラー36a,36bと、当該シーラー36a,36bとシリンダー35をロッド38a,38b,38cを介して接続するリンクプレート37を有している。当該シーラー36a,36bは、シリンダー35に接続されたロッド38cが押し下げられたとき、リンクプレート37とロッド38aが一方のシーラー36aを引っ張り、リンクプレート37とロッド38bが他方のシーラー36bを押して、相対するシーラー36a,36bを開放するように構成されている。
そして、シリンダー35に接続されたロッド38cが引っ張り上げられたとき、リンクプレート37とロッド38aが一方のシーラー36aを押し、リンクプレート37とロッド38bが他方のシーラー36bを引っ張って、相対するシーラー36a,36bを閉鎖するように構成されている。シーラー36a,36bが閉鎖されたとき、当該シーラー36a,36bは、折り重ねローラー33を通過した長尺フィルム1を搬送方向に沿って所定の間隔で挟み込んでヒートシールするように形成されている。これによって、長尺フィルム1を所定の間隔で区画するサイドシール部3を順次形成することができる。
サイドシールユニット34は、
図1に示すように、長尺フィルム1の搬送方向に沿って設けられた第1ベースフレーム39に所定の間隔で等間隔に複数台を設置可能に構成されている。本実施例において、サイドシールユニット34は、所定の間隔で等間隔に4台配置されている。一のサイドシールユニット34と他のサイドシールユニット34との距離は自在に設定することができ、これによって、サイドシールユニット34を第1ベースフレーム39の長さに係る所定の範囲内において、所定の間隔で等間隔自在に配置することができる。
このように、長尺フィルム1は、シーラー36a,36bがヒートシール処理を施した隣り合うサイドシール部3,3間に上端開口部を有する袋部4が連続して形成される。すなわち、給袋装置11は、長尺フィルム1から、サイドシール部3を介して連続する袋部4を有する包装袋連包5を形成して、搬送経路13へ送り出すように構成されている。
【0017】
搬送経路13の終端側には、
図1に示すように、包装袋連包5を引っ張って搬送する搬送装置12が配置されている。
搬送装置12は、
図3に示すように、開閉自在な第1グリップ40を有し、搬送方向に沿って設けられた第2ベースフレーム41にサーボモータ(図示略)によって往復移動可能に取り付けられている。
第2ベースフレーム41の終端側下方には、
図3に示すように、湾曲した面を備え、包装袋連包5が滑り落ちる搬出滑り台42が設置されており、当該搬出滑り台42の上方には、包装袋連包5を振り分け可能に軸支された振り分け器43が設けられ、搬出滑り台42の下方には、包装袋連包5の袋部4を所定の数ごとに切り離してなる袋製品を搬出する搬出コンベア44が設置されている。
第1グリップ40は、包装袋連包5の上端近傍の所定位置を把持可能に構成されている。第1グリップ40が包装袋連包5の先端袋部4の上端を把持したとき、搬送装置12は、第2ベースフレーム41上を終端側に向って滑動する。これによって、包装袋連包5は、搬送方向に沿って引っ張られて搬送され、所定数の袋部4が振り分け器43上方に配される。そして、後述する切断カッター装置81がサイドシール部3を切断すると共に、第1グリップ40が包装袋連包5を放すと、当該包装袋連包から所定数の袋部4を切り離してなる袋製品が振り分け器43上に落下し、搬出滑り台42を滑り落ちて搬出コンベア44によって搬出される。
第1グリップ40が包装袋連包5を放した後、搬送装置12は、第2ベースフレーム41上を始端側に向って滑動し、初期位置に戻るように構成されている。これによって、第1グリップ40は、次の包装袋連包5の先端袋部4の上端を把持することができる。ここで、本実施例に係る搬送装置12は、第2ベースフレーム41を滑動する距離を調節制御することによって、袋製品に含まれる袋部4が一つの単包製品から、3つの3連包製品まで自在に設定することができる。
なお、上記した本実施例の搬送装置12に替えて、包装袋連包5を巻き取るドラムを備えた巻取装置を用いて、搬送経路13の終端側で包装袋連包5を引っ張って搬送しながら巻き取るようにしても良い。
さらに、搬出装置12の近傍には、
図3に示すように、包装袋連包5を所定数の袋部4毎にサイドシール部3を切り離す切断カッター装置81、及び、袋部4を容易に切り離すことができるようにサイドシール部3へ点線状のミシン目からなる切り取り線加工を施す複数台のミシン目カッター装置80が設置されているが、これらの各装置については後述する。
【0018】
搬出経路13近傍には、
図1に示すように、当該搬出経路13に沿って袋口開閉装置20が並行して配置されている。袋口開閉装置20は、ガイドレール21を有している。ガイドレール21は、一対の直線レールユニット21a,21bと、一対の半円レールユニット21c,21dとからなる周回軌道に構成されている。ガイドレール21上には、複数個のムーバー22が周回軌道に沿って走行自在に配置されている。
ここで、搬送経路13近傍に配されている一方の直線レールユニット21aを、ムーバー22が搬送方向に沿って走行する往路とする。往路21aの終端には一方の半円レールユニット21cの一端が接続され、当該半円レールユニット21cの他端は、往路21aと並行する他方の直線レールユニット21bからなる復路に接続されている。また、復路21bの終端には、往路21aの始端と接続された他方の半円レールユニット21dが接続されている。これによって、搬送経路13と並行する往路21a上で動作するムーバー22は、往路21a終端から一方の半円レールユニット21c、復路21b、他方の半円レールユニット21dと周回軌道に沿って走行して、往路21a始端へ帰還するように形成されている。
ガイドレール21は、
図4に示すように、基台23にブラケット24を介して取り付けられている。ガイドレール21は、ブラケット24に対して上下移動可能に構成されている。これによって、ガイドレール21は、搬送経路13に対して相対的に遠近自在に上下移動するように構成されている。そのため、包装袋連包5に係る長尺フィルム1の幅を変更して、包装袋連包5の高さを高くしたり、また低くした場合であっても、ガイドレール21を上下方向へ移動させて調整することによって、包装袋連包5に対してムーバー22の位置を容易に対応させることができる。
なお、本実施例においてはガイドレール21を上下移動可能に構成したが、これに限定されるものではなく、ブラケット24を基台23に対して上下移動可能に構成して、搬送経路13に対してガイドレール21を遠近自在にしても良い。
【0019】
ムーバー22は、
図4に示すように、開閉自在な第2グリップ25を有している。第2グリップ25は、往路21a上で、搬送経路13上を搬送される包装袋連包5のサイドシール部3を把持可能に構成されている。そして、当該第2グリップ25は、
図1に示すように、往路21a終端で包装袋連包5を放した後、
図1に示すように、一方の半円レールユニット21c上では相反するように倒伏して解放状態となる。そして、第2グリップ25は、復路上でムーバー22のベース22aにぶら下がり、復路21b終端から他方の半円レールユニット21d上で、一方の半円レールユニット21c上を走行していたときと同様に、相反して倒伏する解放状態となる。その後、第2グリップ25は、往路21a始端で起動して相対して立ち上がり、包装袋連包5のサイドシール部3を把持するように構成されている。
【0020】
袋口開閉装置20は、ムーバー22をガイドレール21に沿って走行させる駆動手段と、当該駆動手段を制御するムーバー位置制御手段を有している。
駆動手段は、ムーバー22を各個独立してリニア駆動するように構成されている。リニア駆動は、ガイドレール21とムーバー22の対向面の一方に電磁石を取り付け、他方に永久磁石を取り付けて、電磁石の極性を次々に所定のスイッチング動作で反転切り替えさせたとき、電磁石の磁極が、対向する永久磁石と同極となった場合に、ムーバー22を反発させ、対極となった場合に、ムーバー22を引っ張るようにして、ムーバー22をガイドレール21に沿って駆動させるものである。
なお、本実施例では、ガイドレール21に沿って周回軌道の全周に亘って複数個の電磁石が敷設され、ムーバーのベース22a底面に永久磁石が取り付けられている。ガイドレール21上の電磁石の磁極を切り替えることによって、ムーバー22を周回軌道上で自在に駆動させることができる。
【0021】
ムーバー位置制御手段は、センサ(図示略)を有し、駆動手段を制御してムーバー22を所定の位置に停止させるように形成されている。当該センサは、ガイドレール21上に配置されている個々のムーバー22の位置を検知可能に形成されている。検知したムーバー22の位置に基づいて、ムーバー位置制御手段は、当該ムーバー22をガイドレール21上の所定位置で停止させるか、又は駆動手段によってガイドレール21上を移動させるかを制御している。
これによって、一のムーバー22の停止位置と、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22の停止位置を制御して、一のムーバー22と、上流側で隣り合う他のムーバー22間の距離を制御することができる。すなわち、ムーバー22が有する第2グリップ25が包装袋連包5のサイドシール部3を把持しているので、一のサイドシール部3と、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のサイドシール部3間の距離を調整することができる。
【0022】
上記のように、給袋装置11と搬送装置12間に包装袋連包5の搬送経路13が形成される。そして、搬送経路13の始端側で給袋装置11の下流側には、始端側包装袋送り装置50が配置されている。
始端側包装袋送り装置50は、
図5に示すように、搬送方向に対して互い違いに配置された3本のローラー51a、51b、51cを有している。包装袋連包5は、
図5に示すように、互い違いに配置された当該ローラー51a,51b,51cの間を通過するように構成されている。これらのローラー51a,51b,51cを搬送方向に沿った同一直線上へ近づけるように移動させることによって、包装袋連包5により強くテンションがかかり、搬送方向に沿った同一直線上から離すことによって、包装袋連包5に係るテンションを緩めることができる。このようにローラーの位置を調整することによって、包装袋連包には適切なテンションがかけられると共に、ローラーが回転することによって、包装袋連包5を搬送方向に沿って送り出すことができる。
【0023】
一方、搬送経路13の終端側で搬送装置12の上流側には、終端側包装袋送り装置55が配置されている。
終端側包装袋送り装置55は、
図1に示すように、搬送方向に沿って両側から包装袋連包を挟み込む一対のローラーからなる。終端側包装袋送り装置55は、搬送装置12の第1グリップ40が包装袋連包5を放したとき、又は切断カッター装置81が包装袋連包5を切り離したとき、すなわち、搬送経路13終端で、包装袋連包5を引っ張るテンションが抜けたときに、包装袋連包5を保持すると共に、テンションが抜けた包装袋連包5へシワが寄ることを防止することができる。また、ローラーが包装袋連包5を挟み込んでいることから、終端側包装袋送り装置55と始端側包装袋送り装置50との間に張架されている包装袋連包5を、始端側包装袋送り装置50と協働して保持することができる。
【0024】
搬送方向に沿って搬送される包装袋連包5は、
図1又は
図4に示すように、各袋部4間に形成されたサイドシール部3が第2グリップ25でそれぞれ把持されている。そして、第2グリップ25に係るムーバー22間の距離を調整することによって、包装袋連包5が有する袋部4が搬送経路13の始端側から終端側に向って移動するとき、当該袋部4の上端開口部4aは、搬送経路13上の所定の箇所で開放又は閉鎖するように構成されている。
ここで、搬送経路13上の所定の箇所とは、袋部4に対して被包装物を充填して封止し、包装袋連包5に基づいて袋製品を形成する包装工程に係る処理が行われる箇所であって、当該包装工程に係る各種装置が設置されている箇所である。この各種装置は、搬送経路13の上流側から袋開口装置14、充填装置15、ガス置換装置16、シール装置17、カッター装置18である。
【0025】
袋開口装置14は、
図1に示すように、搬送経路13に沿って2台一組で移動可能なガイドユニットを有している。これによって、袋開口措置14は、包装袋連包5の袋部4の上端開口部4aを二つずつ開口することができる。
ガイドユニットは、先端部が接離自在に形成された一対の案内ヘラ60を有している。袋部4の上端開口部4aへ差し込まれた案内ヘラ60を相反して離隔させることによって、袋部4の上端開口部4aを開口させることができる。上端開口部4aを開口させるとき、当該上端開口部4aを開けやすくするため、搬送方向に沿って往路21aを移動する一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22間の距離は、袋開口装置14と並行する箇所では、包装袋連包5が給袋装置11から搬送経路13へ給袋された直後より短くなるように構成されている。
【0026】
袋開口装置14は、
図1に示すように、搬送経路13に沿った開口経路61aを含む所定の第1循環経路61を有している。第1循環経路61は、搬送方向に沿った上流側の初期位置からガイドユニットを降下させて、袋部4の上端開口部4aへ案内ヘラ60を差し込む経路と、搬送方向に沿って案内ヘラ60を移動させながら、当該案内ヘラの先端部を相反して離隔させる開口経路61aと、開口経路61a終端でガイドユニットを上昇させて上端開口部4aから案内ヘラ60を引き抜き、ガイドユニットを初期位置に戻す経路からなる。2台一組でガイドユニットを移動させることによって、包装袋連包5の袋部4を2つずつ開口させることができる。なお、本実施例に係る
図1では、2台一組のガイドユニットを二組分4台図示したがこれに限定されるものではなく、6台乃至8台設置するようにしても良い。これによって、ガイドユニットを第1循環経路61に沿って循環させて、袋部4の上端開口部4aを開口する開口工程を効率よく行うことができる。
【0027】
充填装置15は、
図1に示すように、搬送経路13と並行して2台並べて配置され、搬送方向に沿って移動してきた二つの袋部4に対して被包装物を充填するように形成されている。袋部4へ被包装物を充填させるとき、上端開口部4aを大きく開いて被包装物を充填しやすくするため、搬送方向に沿って往路21a上を移動する一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22間の距離は、充填装置15と並行する箇所では、袋開口装置14と並行する箇所よりも短くなるように構成されている。これによって、上端開口部4aを大きく開口させることができる。
【0028】
充填装置15は、
図6に示すように、袋部4へ被包装物を充填する充填ノズル65と、充填ノズル65に被包装物を供給する充填ジョウゴ66と、被包装物を充填した袋部4を脱気する脱気ユニット67とからなる。本実施例に係る被包装物は、たとえば、小麦粉、ペットフードのような粉粒体状のものであるが、これに限定されず、たとえば、削り節のようなものであっても良い。
充填装置15の上方には、
図6に示すように、被包装物が貯められたストッカー68が配置されている。ストッカー68は、被包装物を充填装置へ注ぐロングノズル68aを有している。ロングノズル68aは、上端から下端に向って漸次縮径するジョウゴを複数個連接させて形成されている。ロングノズル68aは、先端にシャッター68bが開閉可能に取り付けられ、当該先端下方には充填ジョウゴ65が配置されている。これによって、ロングノズル68a上方のストッカー68から供給された被包装物はロングノズル68aの内側を滑り落ちて、先端部へ集積される。
シャッター68bは、搬送方向に沿った袋部4の移動と同期した所定の周期で開閉するように形成されている。これによって、ストッカー68からロングノズル68aを介して袋部4へ収納する所定量の被包装物を充填ジョウゴ65へ供給することができる。
【0029】
充填ジョウゴ66は、
図6に示すように、上端から下端に向って漸次縮径するように形成されている。これによって、内側面を滑り落ちた被包装物を充填ノズル65へ供給することができる。充填ジョウゴ66の下端は、充填ノズル65上端に連接している。
【0030】
充填ノズル65は、
図6に示すように、充填ジョウゴ66に連接して縦方向に配置された筒体状のノズル本体65aを有している。当該ノズル本体65aは、側面部に筒体状の袖部65bが連通し、下端部近傍には、
図7に示すように、複数個の小さな穴66cが開けられている。充填ジョウゴ66と充填ノズル65は、
図6に示すように、上下動可能に構成されている。これによって、被包装物を袋部4へ充填するとき、当該ノズル本体65aの下端部近傍を、
図7の点線で示すように、当該袋部4内へ挿入することができる。袖部65b先端は、脱気ホース(図示略)の一端が接続され、当該脱気ホースの他端は脱気ポンプ(図示略)に接続されている。これによって、袖部65bを通じて充填ノズル65内と袋部4内を脱気する脱気工程を行うことができる。当該脱気工程は、次に記載する脱気ユニット67による脱気工程と共に行われる。
【0031】
脱気ユニット67は、脱気パイプと、脱気ポンプ(図示略)からなる。
脱気パイプは、
図7に示すように、アッパーパイプ67aと、当該アッパーパイプ67aと連通するロワーパイプ67bとからなり、ロワーパイプ67b下端は先細り形状のパイプ先端部67cが形成されている。パイプ先端部67cは、先端部近傍に複数個の小さな穴67dが開けられ、パイプ先端部67cは頂部が丸められた略円錐状に形成されている。脱気ユニット67は、
図6に示すように、脱気パイプが上下動可能に構成されている。これによって、被包装物を袋部4へ充填するとき、充填ノズル65のノズル本体65aの下端縁部を通過して、
図7の点線で示すように、脱気パイプのパイプ先端部67cを、袋部4内の底付近まで押し込むことができる。すなわち、袋部4内の底付近に複数個の小さな穴67dを有するパイプ先端部67cが配置され、袋部4の上端縁近傍に複数個の小さな穴65cを有するノズル本体65a下端部が配置されるように構成されている。さらに、袋部4内に充填した被包装物を、パイプ先端部67cで押し込むことも可能である。
アッパーパイプ67aの上端は、上記袖部65bと同様に、脱気ホース(図示略)の一端が接続され、当該脱気ホースの他端は脱気ポンプに接続されている。これによって、脱気パイプ67を通じて袋部4内を脱気する脱気工程を行うことができる。
【0032】
ガス置換装置16は、
図1に示すように、搬送方向に沿って充填装置15の下流側に2台一組で動作するように配置されている。袋部4内をガス置換装置16でガス置換するとき、上端開口部4aを絞り込んで不活性ガスが漏れ出ることを防止するため、搬送方向に沿って往路21a上を移動する一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22間の距離は、ガス置換装置16と並行する箇所では、充填装置15と並行する箇所よりも長く、上端開口部4aがやや閉鎖されるように構成されている。
【0033】
ガス置換装置16は、
図8に示したガスノズル70と、仮シールユニット74を有している。ガスノズル70は、先端部が袋部へ差し込み可能に形成され、基端部にガスパイプ70aの一端が接続されている。これによって、ガスノズル70は、袋部内へ不活性ガスを充填して、脱気後の袋部内を当該不活性ガスで満たすガス置換を行うことができる。ガスパイプ70aの他端は、
図8に示すように、ガス供給ユニット71に接続されている。
ガス供給ユニット71は、ガス置換装置16のそれぞれに設置されるガスバルブ71aと、当該ガスバルブ71aとフレキシブルチューブ72aで接続されるガス供給源72とからなる。ガスバルブ71aは逆止弁(図示略)を有している。ガス供給源72は、ガス置換装置16が循環する第2循環経路73の中心部近傍に設置され、ガス置換装置16の循環移動と同期して回転可能に形成されている。ガス供給源72から所定の圧力で不活性ガスを供給することによって、ガスバルブ71aを通じて、ガス置換装置16へ不活性ガスを供給することができる。本実施例に係る不活性ガスは、窒素ガス又は二酸化炭素ガスであるが、これに限定されず被包装物の酸化を防止可能な不活性ガスであれば適宜選択可能である。
第2循環経路73は、搬送経路13と並行する置換経路73aを含み、ガス置換装置16が2台一組で移動可能に形成されている。第2循環経路73は、ガス置換装置16の初期位置から、当該ガス置換装置16の降下と共にガスノズル70を袋部4内へ差し込んでセットする経路と、当該経路に始端が連接し、ガスノズル70から袋部4へ不活性ガスが送り込まれる置換経路73aと、当該置換経路73aの終端からガス置換装置16を上昇させて初期位置へ戻す経路とからなる。
第2循環経路73上を、
図1に示すように2台一組で複数組のガス置換装置16が循環移動している。このように複数台のガス置換装置16を用いることで、十分な時間をかけて袋部4内の空気を不活性ガスへガス置換することができ、袋部4内のガス置換効率を上げることができる。2台一組のガス置換装置16は、置換経路73aを搬送方向に沿った袋部4の移動と同調して移動するように構成されている。これによって、ガス置換装置16が有するガスノズル70は、袋部4の移動に合わせて、所定時間で袋部4内のガス置換を行うことができる。
置換経路73aの始端側には、
図1に示すように、仮シールユニット74が配置されている。仮シールユニット74は、袋部4の上端開口部4aの両端を搬送方向に沿って前後のサイドシール部3,3から所定範囲をヒートシールするように構成されている。これによって、上端開口部4aを狭めることができる。そのため、ガス置換装置16の上流側に設けられた充填装置15において、袋部4内を脱気した後、上端開口4aから余計な空気が入り込むことを防止することができ、また、ガス置換工程において余分な不活性ガスが上端開口部4aから漏れ出ることを防止することができる。
【0034】
置換経路73aの終端近傍には、
図1に示すように、シール装置17が配置されている。シール装置17は、対向配置された一対のシーラーを有し、包装袋連包5の上端縁部をヒートシール可能に構成されている。これによって、シール装置17は、包装袋連包5の上端縁部に含まれ、仮シールされた上端開口部4aをヒートシールすることができ、袋部4を封止することができる。シール装置17が包装袋連包5の上端縁部をヒートシールするとき、シワが寄ってシール不良となることを防止するため、シール装置17と搬送経路13が並行する箇所では、少なくとも包装袋連包5の上端縁部をピンと張ることができるように、搬送方向に沿って往路21a上を移動する一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22間の距離が、ガス置換装置16が搬送経路13と並行する箇所よりも長くなるなるように構成されている。
シール装置17が包装袋連包5の上端縁部をヒートシールした後、
図1に示すように、ムーバー22が有する第2グリップ25は相反して拡開し、サイドシール部3を離すように構成されている。ムーバー22から解放された包装袋連包5は、搬送装置12で搬送方向に沿って引っ張られる。
【0035】
搬送方向に沿って、シール装置17の下流側で搬送装置12の上流側には、
図1に示すように、カッター装置18が配置されている。カッター装置18は、
図3に示すように、ミシン目カッター装置80と切断カッター装置81とからなる。搬送方向に沿ってカッター装置18の上流側には、
図3に示すように、包装袋連包5のサイドシール部3を検知するマークセンサ82が設けられている。マークセンサ82がサイドシール部3,3間の距離を計測することによって、カッター装置18は、サイドシール部3に対して、ミシン目又は切断加工することができる。
【0036】
ミシン目カッター装置80は、
図3に示すように、鋸歯状のミシン目刃部83と、当該ミシン目刃部83に対向配置された刃当て部84を有している。ミシン目刃部83と刃当て部84は、搬送方向に沿って移動する包装袋連包5のサイドシール部3に対して互いに接離可能に構成されている。ミシン目刃部83と刃当て部84がサイドシール部3を挟んで当接したとき、サイドシール部3には点線状のミシン目を形成することができる。これによって、包装袋連包5から袋部4を一つずつ切り離しやすくすることができる。また、ミシン目カッター装置80がサイドシール部3にミシン目を形成するとき、ヒートシールした包装袋連包5の上端縁部のやや下方のサイドシール部3へ切れ込みを入れるようにしても良い。これによって、当該切れ込みは、袋部4を一つずつ切り離したとき、袋を開ける時にサイドシール部3を破るきっかけとすることができる。
ミシン目カッター装置80は、
図3に示すように、2台一組で動作し、搬送方向に沿って袋部4の前後サイドシール部3,3に対して同時にミシン目を設けるように構成されている。
【0037】
切断カッター装置81は、
図3に示すように、直刃状の切断刃部85と、当該切断刃部85に対向配置された刃当て部84を有している。切断刃部85と刃当て部84は、搬送方向に沿って移動する包装袋連包5のサイドシール部3に対して互いに接離可能に構成されている。切断刃部85と刃当て部84がサイドシール部3を挟んで当接したとき、サイドシール部3を切断することができる。これによって、連続した包装袋連包5から所定数の袋部4を有する袋製品を切り離し形成することができる。形成された袋製品は、下方に落下し、上記した搬出滑り台42を滑り落ちて、搬出コンベア44から搬出される。
【0038】
上記の構成を有する包装システム10の包装工程について、添付した図面にしたがって以下に説明する。
図9は本実施例に係る包装システム10による包装工程の構成の概略を示した説明図であり、
図10は本実施例に係る包装システム10による包装工程の各処理工程の概略を示した説明図である。
【0039】
包装システム10は、
図9に示すように、搬送方向に沿って上流から下流に向って搬送される長尺フィルム1に対して施す複数の処理工程を組み合わせてなる包装工程100を有している。当該包装工程100は、
図10に示すように、給袋工程101、印字・検査工程102、袋開口工程103、充填工程104、ガス置換工程105、シール工程106、ミシン目付工程107、切断工程108からなる。
【0040】
給袋工程101は、
図9及び
図10の(1)~(5)の処理工程からなる。(1)工程はフィルムロール2から長尺フィルム1が繰り出される繰り出し工程である。(2)工程では、搬送方向に対して長尺フィルムが正しく繰り出されているか調整する処理が行われる。続く(3)工程は、長尺フィルム1を幅方向に谷折りで二つ折りにする折り重ね工程である。
折り重ね工程は、長尺フィルム1の幅方向に沿った底辺と、折り重ねローラー33間の下方を指向する頂点を備えた三角形状の補助プレート32を用いて行われる。補助プレート32下面に沿って搬送された長尺フィルム1は、補助プレート32頂点の下流側に配された折り重ねローラー対33,33の間を通過したとき、幅方向に谷折りで二つに折り重ねられる。
折り重ね工程に続く(4)工程は、折り重ねた長尺フィルム1を所定の間隔で区画してサイドシール部3を形成すると共に、当該サイドシール部3,3間に袋部4を形成するサイドシール工程である。サイドシールユニット34が長尺フィルム1を挟み込んでヒートシールした後、サイドシール部2が形成された長尺フィルム1はサイドシールユニット34のシーラー36a,36bから解放され、冷却される。
このように、給袋工程101によって、長尺フィルム1からサイドシール部3で区画され連続した袋部4を有する包装袋連包5が形成される。
【0041】
印字・検査工程102は、包装袋連包5の袋部4に対して、たとえば、製造年月日、賞味期限、消費期限等を印字する処理を行う工程と、サイドシール部3の良・不良を検査する処理を行う検査工程からなる。印字・検査工程102を通過した包装袋連包5は、始端側包装袋送り装置50によって、搬送経路13に送り出される。
搬送経路13は、
図1に示すように、始端側包装袋送り装置50の下流側で袋口開閉装置20のガイドレール21と合流するように構成されており、
図9に示すように、順次送り出される包装袋連包5のサイドシール部3をそれぞれ相対するムーバー22が挟み込むので、始端側包装袋送り装置50を通過した包装袋連包5は、ムーバー22が備える第2グリップ25によってサイドシール部3が挟持される。以降の工程では、一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22との距離を調整することによって、袋部4の上端開口部4aが開放又は閉鎖され、上端開口部4aが開放されている場合であっても、処理工程に応じて上端開口部4aの開放度合いが調整される。
【0042】
袋開口工程103は、
図9及び
図10に示すように、袋部の上端開口部を開口する処理を行う工程である。袋開口工程103に差し掛かったとき、一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22との距離は、始端側包装袋送り装置50の直後にムーバー22がサイドシール部3へあてがわれた当初の距離よりも縮められ、上端開口部4aは開けやすくされている。次に、袋開口装置14の案内ヘラ60が上方から上端開口部4aへ差し込まれる。袋部4へ差し込まれた案内ヘラ60は、先端部が相反するように離隔され、上端開口部4aを押し広げる。このとき、一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22間の距離をさらに縮めるようにしても良い。これによって、上端開口部4aを大きく拡げることができる。
そして、案内ヘラ60は上昇して袋部4から抜かれ、第1循環経路
61に沿って初期位置へ戻される。一方、一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22は、上端開口部4aの開口状態を維持するようにサイドシール部3を保持し、次の充填工程104へ移動する。
【0043】
充填工程104は、
図9及び
図10に示すように、袋部4へ被包装物を充填する処理を行う工程である。一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22間の距離は、袋開口工程103で上端開口部4aを押し広げた開口状態で維持されている。次に、充填ノズル65が開口された上端開口部4aへ差し込まれ、ストッカー68のシャッター68bが開いて所定量の被包装物が袋部4内へ収納される。そして、充填ノズル65の上方から下方の袋部4に向って脱気ユニットのロワーパイプ67bが押し込まれる。パイプ先端部67cで被包装物を袋部4内へ押し込み充填した後、袋部4内がパイプ先端部67cの小穴67dと充填ノズル65の小穴65cから脱気される。脱気が終了して、ロワーパイプ67bと充填ノズル65が袋部4から引き抜かれると共に、一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22間の距離は拡げられて、上端開口部4aが閉鎖される。一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22は、上端開口部4aの閉鎖状態を維持するようにサイドシール部3を保持し、次のガス置換工程105へ移動する。
【0044】
ガス置換工程105は、
図9及び
図10に示すように、袋部4内の空気を不活性ガスへガス置換する処理を行う工程である。ガス置換工程105では、
図10の(5)工程に示すように、まず、一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22によって閉鎖状態が維持された上端開口部4aを仮シールする仮シール工程が行われる。仮シール工程は、一のムーバー22に係る袋部4前方のサイドシール部3と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22に係る袋部4後方のサイドシール部3の袋部4の前後両端から上端開口部4a中央に向って所定の範囲をヒートシールする工程である。これによって、上端開口部4aの中央近辺にシールされていない部分が残されるので、仮シール後に一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22間の距離を詰めると、上端開口部4a中央近辺に、ガスノズル70を差し込み可能な小さな穴を形成することができる。その後、図の(6)工程に示すように、当該穴にガスノズル70を差し込んで袋部4内を不活性ガスで置換するガス置換処理が行われる。仮シール工程によって、上端開口部4aを絞り込んで小さな穴を形成するようにしたので、ガス置換中に不活性ガスが袋部4内から漏れ出す量を抑制することができる。また、
図9に示すように、ガス置換工程105は、搬送経路13と並行する距離が他の処理工程と比べて比較的長く設定したので、他の処理工程よりも時間をかけて袋部4内をガス置換することができる。ガス置換が終了し、袋部4内からガスノズルが抜かれたとき、一のムーバー22と
、搬送方向に沿って、当該一のムーバー22の上流側で隣り合う他のムーバー22間の距離は離されて、上端開口部4aに形成された小さな穴は閉鎖される。この閉鎖状態を維持して袋部は次のシール工程106へ移動する。
【0045】
シール工程106は、
図9及び
図10に示すように、上端開口部4aをヒートシールして封止する処理を行う工程である。シール工程106が終了したとき、
図9に示すように、第2グリップ25はサイドシール部3を離すように構成されている。サイドシール部3を離した第2グリップ25に係るムーバー22は、
図9に示すように、ガイドレール21に沿って周回軌道上をリニア駆動で走行し、始端側包装袋送り装置50から送り出されたサイドシール部3を把持して、次の包装工程に加わるように構成されている。
また、
図10に示すように、シール工程106で上端開口部4aをヒートシールした後、続いて封止した袋部内のガス濃度を測定する検査工程が行われる。
図10に示すように、ガス濃度測定装置106aは、レーザー式ガス濃度測定装置であって、袋部4内の気体に対して所定帯域のレーザー光を照射して、当該レーザー光の吸光度に基づいて袋部4内の不活性ガスに混入している酸化ガスのガス濃度を測定するものである。これによって、ガス置換が正常に行われたか否かを検知測定することができる。シール工程106を終了した包装袋連包5は、搬送方向に沿って、次のミシン目付工程107へ移動する。
【0046】
ミシン目付工程107は、
図9及び
図10に示すように、サイドシール部3に点線状のミシン目からなる切り取り線を加工する処理を行う工程である。搬送方向に沿って終端側包装袋送り装置55から送り出された包装袋連包5のサイドシール部3が、ミシン目カッター装置80のミシン目刃部83と刃当て部84間に位置したとき、ミシン目刃部83と刃当て部84がサイドシール部3を挟み込み、サイドシール部3には、上端開口部4a側から袋部4下方に向って点線状の切り取り線が刻み込まれる。これによって、包装袋連包5から袋部4を一つずつ切り離しやすくすることができる。
【0047】
上記のミシン目付工程106後、包装袋連包5の先端部は、
図10に示すように、搬送装置12の第1グリップ40で把持され、搬送方向に沿って引っ張られて搬送される。
そして、切断工程108は、
図9及び
図10に示すように、搬送装置12が包装袋連包5の所定の箇所を引っ張って搬送した後、サイドシール部3を切断カッター装置81で切り離す処理を行う工程である。これによって、長尺フィルム1に基づいて連続する包装袋連包から所定の袋部4を切り離してなる袋製品を形成することができる。本実施例に係る袋製品は、たとえば、袋部4を一つ備えた単包、袋部を2つ備えた2連包、又は袋部を3つ備えた3連包といったものがある。包装袋連包5から切り離された単包乃至3連包の袋製品は、
図9又は
図1に示すように、搬出滑り台42と搬出コンベア44によって搬出される。このとき、サイドシール部3又は上端開口部4aのシール不良に係る袋製品、或いは先の検査工程で不活性ガスのガス濃度不良に係る袋製品は、振り分け器43で搬出滑り台42外へ廃棄されるように構成されている。
また、
図10に示した搬送装置12の第1グリップ40で包装袋連包5を引っ張って搬送するように構成するのではなく、たとえば、巻取芯を取り付けた回転ドラムを有する巻取装置を設け、包装袋連包5の先端部を巻取芯に巻き付けてから、回転ドラムで包装袋連包5を引っ張りながら巻き取るようにしても良い。所定数の袋部4を巻き取った後は、切断カッター装置81によってサイドシール部3を切り離すことで袋製品を形成することができる。
【0048】
本実施例に係る包装システム10によれば、袋口開閉装置20のムーバーを各個独立に制御して、ガイドレール21上をリニア駆動によって細かく位置を検知しながら停止と移動を行うようにした。これによって、搬送方向に沿って移動する包装袋連包の隣り合うサイドシール部3間の距離が変化した場合であっても容易に対処することができる。また、袋口開閉装置20のガイドレール21を上下方向に移動可能とした。これによって、長尺フィルム1の幅を変えて包装袋連包5の高さが変わった場合であっても、容易に対処することができる。すなわち、包装袋連包5と袋部4のサイズが変わっても容易に切り替えることができ、袋製品の安定した製品に寄与することができる。
【0049】
また、本実施例に係る包装システム10によれば、長尺フィルム1からなる連続した包装袋連包5が搬送される搬送経路13と並行して、袋部4の上端開口部4aを開放又は閉鎖するムーバー22を備えた袋口開閉装置を設けた。これによって、一枚ずつ給袋した包装袋の両端をグリップ対で把持して、グリップ対の間隔をそれぞれ変更させて袋口を開閉させながら被包装物を充填し、ガス置換する従来の包装機と比べて、システム全体の構成を簡易化することができる。これによって、機器の調整やメンテナンスを容易に行うことができ、また、袋製品の用途に応じて容易に対応することができる。
【符号の説明】
【0050】
1…長尺フィルム、2…フィルムロール、3…サイドシール部、4…袋部、4a…上端開口部、5…包装袋連包。
10…包装システム、11…給袋装置、12…搬送装置、13…搬送経路、
14…袋開口装置、15…充填装置、16…ガス置換装置、17…シール装置、18…カッター装置、
20…袋口開閉装置、21…ガイドレール、22…ムーバー、25…第2グリップ、
30…フィルムローラー、31…テンションローラー、32…補助プレート、33…折り重ねローラー、34…サイドシールユニット、
35…シリンダー、36a,36b…シーラー、37…リンクプレート、38a,38b,38c…ロッド、39…第1ベースフレーム、
40…第1グリップ、41…第2ベースフレーム、42…搬出滑り台、43…振り分け器、44…搬出コンベア、
50…始端側包装袋送り装置、55…終端側包装袋送り装置、
60…案内ヘラ、61…第1循環経路、61a…開口経路、
65…充填ノズル、65a…ノズル本体、65b…袖部、66…充填ジョウゴ、67…脱気ユニット、67a…アッパーパイプ、67b…ロワーパイプ、67c…パイプ先端部、65c,67d…小穴、68…ストッカー、68a…ロングノズル、68b…シャッター、
70…ガスノズル、70a…ガスパイプ、71…ガス供給ユニット、71a…ガスバルブ、72…ガス供給源、72a…フレキシブルチューブ、
73…第2循環経路、73a…置換経路、
74…仮シールユニット、
80…ミシン目カッター装置、81…切断カッター装置、
82…マークセンサ、83…ミシン目刃部、84…刃当て部、85…切断刃部。