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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】掲示具及び掲示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 15/00 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
G09F15/00 P
G09F15/00 T
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019183523
(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公開番号】P2021060476
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】596001852
【氏名又は名称】日本スクリーン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐原 登志雄
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-091355(JP,A)
【文献】実開平04-104691(JP,U)
【文献】実開平02-081584(JP,U)
【文献】特開2015-139923(JP,A)
【文献】特開2013-195515(JP,A)
【文献】特開2006-208913(JP,A)
【文献】特開2004-252390(JP,A)
【文献】実開平03-033478(JP,U)
【文献】登録実用新案第3130688(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が磁性材料の棒状部材からなり、掲示物を止めるための取付面である掲示面を備える掲示部材と、
前記磁性材料と引き合う磁石を有し、前記掲示面との間に掲示物を挟んで止めるための複数の留め具と
前記留め具をそれぞれ前記掲示部材に連結し、前記留め具を前記掲示部材から離れる方向に付勢する複数の弾性部材と、を備える、掲示具。
【請求項2】
前記磁石にヨークが取付けられており、
前記ヨークの端部は前記磁石の端面よりも突出しており、前記ヨークの端部が前記取付面と掲示物を介して接触する請求項1に記載の掲示具。
【請求項3】
前記弾性部材は板バネである請求項1または2に記載の掲示具。
【請求項4】
前記留め具は、前記磁石を収容する本体部を備え、
前記本体部には、作業者が前記留め具に指を掛けるための係止部が設けられている請求項1から3のいずれかに記載の掲示具。
【請求項5】
数の前記留め具は所定の間隔で前記掲示部材の長さ方向に配置されている請求項1から4のいずれかに記載の掲示具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の掲示具と、 前記掲示具を昇降させる昇降機構とを有する掲示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掲示具及び掲示装置に関し、詳しくは、磁石により掲示物を係止する掲示具及び掲示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、紙を掲示するための掲示具として、特許文献1に記載のものが提案されている。特許文献1に記載の掲示具は、強磁性材料で出来た細長い板からなる掲示板と磁石とを備え、掲示板を和室の鴨居や長押などに掛け、掲示板と磁石との間に書作品を挟み込むものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平03-33478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の掲示具においては、磁石は掲示板とは別体として設けられているため、掲示物の取付作業中に磁石が落下したり、磁石が失われたりすることがあり、作業効率が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した課題に着目してなされたものであり、磁石が掲示板から外れず、掲示物の着脱作業効率が良い掲示具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による掲示具は、掲示物を止めるための掲示面を備え、前記掲示面の少なくとも一部は磁性材料からなる取付面である掲示部材と、前記磁性材料と引き合う磁石を有し、前記掲示面との間に掲示物を挟んで止めるための留め具と、前記留め具を前記掲示部材に連結し、前記留め具を前記掲示部材から離れる方向に付勢する弾性部材とを備える。
【0007】
上記の構成によれば、磁石を備える留め具が弾性部材により掲示部材と連結されているため、掲示物を掲示具に止める際に、留め具が落下したり留め具が失われたりすることがなく、着脱作業効率が良い。
【0008】
また、弾性部材により留め具は掲示部材から離れる方向に付勢されているため、作業者が留め具を掲示面に近づけていくと、ある位置で磁石と掲示面との間の吸引力が弾性部材による付勢力に勝り、作業者が力を加えなくても吸引力により留め具が掲示面に吸着する。また、作業者が留め具を掲示部材から離していくと、ある位置で弾性部材の付勢力が磁石と掲示面との間の吸引力に勝り、作業者が力を加えなくても付勢力により留め具は掲示部材から離れる。留め具は、留め具の重量や弾性部材の付勢力に応じた位置で弾性部材に支持される。
【0009】
このように、作業者は最初に留め具に力を加えて留め具を掲示面に近づける動作、離す動作を行うと、ある位置からは作業者が力を加えなくても留め具は磁石と掲示面との間の吸引力により吸着し、また、弾性部材の付勢力に掲示面から離れていくため、作業者に余分な力が不要であり、作業が楽である。
【0010】
好ましい実施形態においては、前記磁石にヨークが取付けられており、前記ヨークの端部は前記磁石の端面よりも突出しており、前記ヨークの端部が前記取付面と掲示物を介して接触する。
【0011】
好ましい実施形態においては、弾性部材は板バネである。
【0012】
好ましい実施形態においては、前記留め具は、前記磁石を収容する本体部を備え、前記本体部には、作業者が前記留め具に指を掛けるための係止部が設けられている。
【0013】
棒状部材からなる前記掲示部材と、複数の前記留め具と、前記各留め具をそれぞれ前記掲示部材に連結する複数の前記弾性部材とを備え、前記複数の留め具は所定の間隔で前記掲示部材の長さ方向に配置されている。
【0014】
本発明による掲示装置は、上記のいずれかに記載の掲示具と、前記掲示具を昇降させる昇降機構とを有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、磁石を備える留め具が弾性部材により掲示部材と連結されているため、掲示物を掲示具に止める際に、留め具が落下したり留め具が失われたりすることがなく、着脱作業効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る掲示装置の全体の概略構成を示す正面図である。
図2】掲示具の一部分を拡大して示す正面図である。
図3図2のA-A線に沿う断面図である。
図4図2のB-B線に沿う断面図である。
図5】留め具の背面図である。
図6】ヨークが取付けられた磁石の斜視図である。
図7】留め具の開閉を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態を示しており、本発明の掲示具10が用いられる掲示装置1を示す。掲示装置1は、例えば体育館、ホールの舞台に設けられ、観衆に、ポスターや看板などの掲示物Pを掲示するものである。掲示装置1は、掲示具10と、掲示具10を昇降させる昇降機構2とを備える。
【0018】
昇降機構2は、舞台の天井に設けられており、ボックスケース3内に、長尺のシャフト4と、シャフト4の一端部に設けられシャフト4を回転させるモータ5と、シャフト4の両端及び両端の間の所定の複数箇所に設けられた複数のワイヤー巻取プーリー6とを備えている。ワイヤー巻取プーリー6に巻かれたワイヤー7の先端には、掲示具10が水平となるように取付けられている。モータ5によりシャフト4を正逆方向に回転させることで、ワイヤー巻取プーリー6がワイヤー7を巻き取って掲示具10を上昇させ、ワイヤー巻取プーリー6がワイヤー7を繰り出して掲示具10を下降させる。これにより、掲示具10の高さを調整する。なお、昇降機構2は本実施形態に限定されず、掲示具10を昇降させることができれば、例えば、ウインチやリニアモータ等により構成してもよい。
【0019】
掲示装置1を使用するには、まず、昇降機構2のモータ5を動作させて、掲示具10を作業者が作業しやすい高さに位置させる。作業者により掲示具10に掲示物Pを固定した後、再びモータ5を動作させて掲示具10を上昇させて所定の高さに位置させることで、掲示具10に掲示物Pが吊り下げられる。
【0020】
なお、掲示装置1は掲示具10を備えていればいずれの形態でもよく、例えば、昇降機構2を設けず、シャフト4にワイヤー7で掲示具10を吊り下げた構成であって掲示具10が昇降しない掲示装置1であってもよい。
【0021】
次に、掲示具10の詳細について説明する。掲示具10は、磁性材料から構成される取付面22を有する掲示部材20と、磁石31を有する留め具30と、留め具30と掲示部材20とを連結する弾性部材である板バネ11とを備えており、留め具30と掲示部材20の取付面22との間に吸引力を作用させて留め具30と掲示部材20との間に掲示物Pを留めるものである。なお、以下の説明では、留め具30が掲示部材20から離れる方向(図7に示す矢印Aの方向)を「開方向」といい、留め具30に掲示面21に近づく方向(矢印Aと反対の方向)を「閉方向」という。
【0022】
掲示部材20は1本の棒状部材からなり、複数の留め具30が所定の間隔で掲示部材20の長さ方向に配置されている。掲示部材20は、図3図4に示すように、断面が縦長の長方形の筒状の棒状部材であり、外周面のうちの一方の側面は、掲示物Pを挟んで止めるための掲示面21である。本実施形態においては、掲示部材20は、その全体が例えば鉄、ニッケル、コバルト、フェライト等の磁性材料から構成されており、掲示面21全体が磁石31との間で吸引力が発生する取付面22となっている。また、掲示部材20の上面23には、板バネ11を取付けるためのネジ孔24が形成されている。なお、以下の説明では、図2において留め具30が取付けられる掲示面21側を正面側または前側として説明する。留め具30は、掲示具10が舞台の天井から降下した時に、客席側から見えないように、掲示部材20の客席側とは反対側の面に設けられる。
【0023】
なお、掲示部材20の形状は本実施形態には限定されず、例えば、断面形状が略正方形であってもよく、多角形であってもよい。また、掲示部材20を非磁性材料により構成し、掲示面21のうちの少なくとも一部、すなわち、留め具30の磁石31に対応する領域を磁性材料により構成して取付面22としてもよい。さらに、掲示部材20は2本以上の棒状部材から構成され、棒状部材が長さ方向に配置されたものであってもよい。この場合、各棒状部材毎にワイヤー7が取付けられる。
【0024】
本実施形態では、掲示部材20の下面には、掲示部材20と略同じ長さのピクチャーレール12がネジ止めされており、ピクチャーレール12にワイヤーが付いたフックを係止して絵などの掲示物Pが取付けられるようになっている。なお、ピクチャーレール12の取付は任意である。
【0025】
留め具30は、磁石31と、磁石31が埋め込まれる本体部40とを備えている。磁石31は、図6に示すように直方体に形成されており、磁石31にはヨーク32が取付けられている。ヨーク32は継鉄とも呼ばれ、珪素鉄やステンレス鋼である軟質磁性材料からなる。ヨーク32は、底壁32A及び両側壁32B、32Bを有する断面コ字形状に形成されている。底壁32Aの2箇所にネジ孔32aが貫通して設けられており、ネジ孔32aには、本体部40にヨーク32を固定するための皿ネジ33が通され、図3に示すように、ネジ孔32aは皿ネジ33の頭部33aに対応する形状となっている。なお、ネジ孔32aの個数やネジの種類は本実施形態に限定されない。磁石31は、その正面31a、上面31b、下面31cに、それぞれ、ヨーク32の底壁32A及び両側壁32B、32Bが接触するように、ヨーク32の内部に接着剤等の接着手段で固定される。ヨーク32の両側壁32B、32Bの高さは磁石31の高さよりも高く設定されているため、図3図4図6に示すように、ヨーク32の両側壁32B、32Bの先端部32b、32bは磁石31の背面31d(端面)よりも後側に突出している。図3図4に示すように、ヨーク32の先端部32b、32bが取付面22と掲示物Pを介して接触することで、留め具30により掲示物Pを掲示面21に固定した状態とすることが可能になる。このようにヨーク32を設けることで、ヨーク32は、磁石31とともに磁気回路を構成し、ヨーク32の先端部32b、32bにおいて吸引力が発生し、ヨーク32を用いない場合に比べて留め具30の吸引力が向上する。なお、ヨーク32は、底壁32Aと4つの側壁を有する形状としてもよく、4つの側壁の先端部が磁石31の背面31dよりも後側に突出していてもよい。
【0026】
本体部40は、例えば合成樹脂から構成されており、磁石31が埋め込まれる第1の部材41と、第1の部材41の正面41d側に設けられる板状の第2の部材45と、第2の部材45の正面側に設けられる第3の部材46とから構成されている。なお、本体部40は合成樹脂に限らず例えばアルミニウムなどの金属素材から構成されていてもよい。
【0027】
図5は留め具30の背面図であり、第1の部材41は二つの等しい長さの平行線と二つの略半円形により囲まれる角円長方形状であって、長さ方向の両端部は面取りされた第1の丸み部41a、41aとなっている。図2図3に示すように、第1の部材41の掲示部材20の掲示面21と対向する背面41bには凹部42が形成され、凹部42には長さ方向の両端側の2箇所にヨーク32を取付けた磁石31が収容されている。
【0028】
図3に示すように、凹部42にヨーク32を取付けた磁石31が収容された状態で、凹部42の底部においてヨーク32の底壁32Aのネジ孔32aに対応する位置にネジ溝が設けられたネジ孔41cが貫通している。凹部42にヨーク32及び磁石31を収容するには、まず、凹部42にヨーク32を皿ネジ33で留める。このとき、皿ネジ33の頭部33aはヨーク32のネジ孔32a内に収容され、皿ネジ33のネジ部は第1の部材41のネジ孔41cと螺合する。そして、磁石31を接着剤等の接着手段によりヨーク32の底壁32A及び両側壁32B、32Bに固定する。なお、ヨーク32の本体部40への固定は皿ネジ33に限らず、ヨーク32が本体部40へ固定できればいずれの手段を用いてもよく、例えば、接着剤等の接着手段を用いても良い。また、磁石31のヨーク32への固定も接着剤等の接着手段に限定されず、磁石31がヨーク32へ固定できればいずれの手段を用いても良い。また、ヨーク32を用いずに磁石31が直接凹部42に嵌め込まれて固定されていてもよい。
【0029】
図3図4に示すように、第1の部材41の正面41dには、弾性部材を構成する板バネ11を取付けるためのネジ穴43bが形成されている。ネジ穴43bは、図2における横方向において、2箇所に設けられたネジ孔41cの間の中央に位置する。第1の部材41の正面41d側の上端部は、角部が面取りされた第2の丸み部43aとなっている。
【0030】
板バネ11は、矩形状の平板状のバネであり、長さ方向の両端部にネジ孔が形成されている。板バネ11の一端部は、第1の部材41の正面42d上の上端部に配置され、ネジ穴43bと板バネ11のネジ孔とにネジ13を螺合することで留め具30に固定されている。板バネ11の他端部は、板バネ11のネジ孔と掲示部材20の上面23に形成されたネジ孔24にネジ14を螺合することで固定されている。この板バネ11により、留め具30を掲示部材20から離れる方向(開方向)に付勢している。本実施形態では、留め具30の開閉時に板バネ11は第2の丸み部43aに沿うため、留め具30に第2の丸み部43aを設けず角部を残した状態と比べて、板バネ11が角部に当たることなく留め具30の開閉がスムーズに行われる。なお、板バネ11は、ネジにより第1の部材41と掲示部材20に固定されているが、ネジに限定されず、例えば溶接でもよく、板バネ11を第1の部材41と掲示部材20に固定することができればいずれの手段を用いても良い。
【0031】
なお、弾性部材は板バネ11に限定されず、留め具30を掲示部材20から離れる方向に付勢できるものであればよく、例えば、スプリングを有する蝶番であってもよい。
【0032】
第1の部材41の正面41dには、第2の部材45が接着剤等の接着手段により取付けられている。第2の部材45は、第1の部材41の正面41dにネジ13で止められた板バネ11の上にも被さるが、板バネ11の厚みは十分に小さいため、第2の部材45の取付けに影響を与えない。第2の部材45は、略矩形状の平板部材であって、第1の部材41よりも一回り大きく形成されており、第2の部材45の第1の部材41からはみ出た部分は作業者が指を引っ掛ける係止部45aを構成する。また、第2の部材45により、第1の部材41の正面41dに現われるヨーク32を取付けるためのネジ孔41cや、板バネ11を取付けるためのネジ穴43b及びネジ13を隠している。図4に示すように、第2の部材45の背面であって、第1の部材41の板バネ11を固定するネジ穴に対応する位置には、ネジ13のネジ頭を収容するための窪み部45bが形成されている。
【0033】
第2の部材45の正面には、第3の部材46が接着剤等の接着手段で固定されている。第3の部材46は、第2の部材45よりも一回り小さく形成され、第2の部材45よりも厚みが大きく、第1の部材41よりも厚みが小さく設定されている。第3の部材46は作業者が指を引っ掛ける係止部を構成し、第3の部材46の下面や上面に作業者が指を掛けて留め具30を開くことができる。第3の部材46は、作業者が指を引っ掛けて作業しやすい形状であればいずれの形状でもよい。
【0034】
なお、本体部40は磁石31を収容し、板バネ11などの弾性部材を取付けることができればよく、必ずしも第1の部材41、第2の部材45、第3の部材46から構成される必要はない。例えば、第2の部材45と第3の部材46とが一体形成されていてもよく、本体部40全体が一体形成されていてもよく、4つ以上の部材から構成されていてもよい。
【0035】
掲示具10は、初期状態において留め具30が掲示部材20に接触している。作業者は例えば留め具30の第2の部材45の係止部45aや第3の部材46の上面に指を係止して留め具30を開方向に移動させる。すると、ある位置で板バネ11の付勢力が磁石31と掲示面21との間の吸引力に勝り、作業者が力を加えなくても板バネ11の付勢力により留め具30は掲示部材20から離れていき、留め具30は、図7に示すように、留め具30の重量と弾性部材の付勢力とが釣り合う位置で板バネ11に支持される。
【0036】
そして、作業者は、掲示物Pを掲示部材20の掲示面21上に配置し、留め具30を閉方向に移動させる。ある位置で磁石31と掲示面21との間の吸引力が板バネ11による付勢力に勝り、作業者が力を加えなくても吸引力により留め具30が掲示面21に吸着する。
【0037】
上記の実施形態の掲示具10及び掲示装置1によれば、磁石31を備える留め具30が板バネ11により掲示部材20と連結されているため、掲示物Pを掲示具10に止める際に、留め具30が落下したり留め具30が失われたりすることがなく、着脱作業効率が良い。
【0038】
また、留め具30と掲示部材20は板バネ11などの弾性部材により連結されているため、作業者は留め具30を掲示面21に近づける動作、離す動作を行うと、ある位置からは作業者が力を加えなくても留め具30は磁石31と掲示面21との間の吸引力により吸着または弾性部材の付勢力により掲示面21から離れ、作業者に余分な力が不要であり、作業が楽である。
【0039】
また、磁石31にヨーク32を取付けているため、ヨーク32の先端部32b、32bにおいて吸引力が発生し、ヨーク32を用いない場合に比べて留め具30の吸引力を向上させることができる。
【0040】
また、板バネ11を用いることで、簡単に留め具30を掲示部材20に取付けることができる。
【0041】
さらに、留め具30の第3の部材46や第2の部材45の第1の部材41からはみ出た部分は、作業者が指を掛ける係止部を構成し、このような係止部が設けられていることで、作業者は留め具30を把持しやすく、留め具30の開閉の作業が行いやすくなる。
【0042】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 掲示装置
2 昇降機構
10 掲示具
11 板バネ(弾性部材)
20 掲示部材
21 掲示面
22 取付面
30 留め具
31 磁石
31d磁石の背面(端面)
32 ヨーク
32b、32b ヨークの先端部(端部)
40 本体部
P 掲示物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7