(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240116BHJP
F21V 21/35 20060101ALI20240116BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20240116BHJP
F21V 17/02 20060101ALI20240116BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20240116BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240116BHJP
【FI】
F21S2/00 355
F21S2/00 330
F21V21/35
F21V17/00 200
F21V17/02
F21V31/00 100
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019219921
(22)【出願日】2019-12-04
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】畠山 真由美
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-162497(JP,A)
【文献】特開2010-103404(JP,A)
【文献】特開2012-221769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 21/35
F21V 17/00
F21V 31/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部分を有する本体部と、
前記筒状部分内に配される光源部と、
前記光源部の表側と対向し且つ前記筒状部分の筒軸に沿って移動可能に支持される光学制御部と、
前記光学制御部と一体化され且つ前記筒状部分の外周面を覆う外筒部と
、
前記本体部の筒状部分内に設けられた対向部と
を備え、
前記本体部は、前記筒状部分であって前記外筒部により覆われる領域に前記光学制御部の移動をガイドするガイド溝を有し、
前記外筒部は、前記ガイド溝に挿入される突起部分を内周面に有
し、
前記対向部は、前記筒状部分内で前記ガイド溝と対向すると共に前記突起部分と係合する係合部分を有する
照明装置。
【請求項2】
前記ガイド溝と前記突起部分とは複数組あり、
前記筒軸の延伸方向から前記筒状部分の表側を見たときに、前記複数組の前記ガイド溝と前記突起部分は、前記筒軸を通る仮想線に対して対称となる位置に設けられている
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記ガイド溝は、前記光学制御部を前記筒軸に沿ってガイドする第1ガイド溝と第2ガイド溝と、前記第1ガイド溝と前記第2ガイド溝とを
前記筒状部分の周方向に沿って連結する切り替え溝とを有する
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1ガイド溝と前記第2ガイド溝は前記筒軸と平行に延伸し、
前記切り替え溝は前記筒状部分の周方向に延伸する
請求項
3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1ガイド溝の表側端と、前記第2ガイド溝の表側端は、前記筒軸
と平行な筒軸方向に同じ位置にあり、前記切り替え溝は前記第1ガイド溝の表側端と前記第2ガイド溝の表側端とを連結し、
前記筒状部分は、表側端から前記切り替え溝と接続し且つ前記突起部分を
前記ガイド溝に導入させるための導入溝を有し、
前記対向部は、前記切り替え溝に対して前記筒軸方向の表側から前記切り替え溝側に突出して前記突起部分が前記導入溝に移動するのを規制する規制部分を有している
請求項
4に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源部に対して光学制御部の位置を調整できる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源部と光学制御部との間隔を調整して照射光の配光角を可変とすることができる照明器具として、「照明器具1は、複数のLED21を有する発光部2と、各々のLED21に対向して設けられた複数のレンズ31を有する配光制御部3と、を備える。照明器具1は、更に、配光制御部3を保持して配光制御部3を照明器具1の軸線方向に移動させることで発光部2と配光制御部3との間隔D(
図3参照)を調整する調整部4と、発光部2及び調整部4を収容する筐体5と、を備える。調整部4は外周に軸線と直交する方向に突出した複数の突起部41を有し、筐体5は側面の各突起部41に対応する位置にそれぞれ軸線と平行に設けられた複数のスリット51を有する。調整部4は、各々の突起部41が各スリット51に係合された状態で筐体5に保持される。これにより、調整部4は、軸線方向にのみ移動可能となり、筐体5内において回転しない。」とする構成が提案されている(例えば特許文献1)。
なお、特許文献1における発光部及び配向制御部は本明細書の光源部及び光学制御部に相当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の照明装置では、筐体のスリットから内部に埃や水分が侵入しやすいという問題がある。
本発明は、埃や水分が侵入し難い照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る照明装置は、筒状部分を有する本体部と、前記筒状部分内に配される光源部と、前記光源部の表側と対向し且つ前記筒状部分の筒軸に沿って移動可能に支持される光学制御部と、前記光学制御部と一体化され且つ前記筒状部分の外周面を覆う外筒部とを備え、前記本体部は、前記筒状部分であって前記外筒部により覆われる領域に前記光学制御部の移動をガイドするガイド溝を有し、前記外筒部は、前記ガイド溝に挿入される突起部分を内周面に有する。
【発明の効果】
【0006】
上述の構成によれば、ガイド溝が外筒部により覆われるため、埃や水分が侵入し難くできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る照明装置の斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
【
図3】(a)は光源ユニットの分解状態の斜視図であり、(b)は光源ユニットの分解状態の断面斜視図である。
【
図4】(a)は光源部の分解斜視図であり、(b)は光学制御部の分解斜視図であり、(c)は対向部の斜視図である。
【
図5】光源ユニットのガイド溝周辺の断面状態の斜視図であり、(a)は完成した状態であり、(b)は光学制御部を外した状態であり、(c)は対向部を外した状態である。
【
図6】使用状態を説明する図であり、(a)は突起部分が第1ガイド溝に位置する状態であり、(b)は突起部分が第2ガイド溝に位置する状態であり、(c)は突起部分が切り替え溝に位置する状態である。
【
図7】突起部分の位置を説明する図であり、(a)は突起部分とガイド溝の組数が2組の場合の突起部分の位置を示し、(b)は突起部分とガイド溝の組数が3組の場合の突起部分の位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
実施形態の一態様に係る照明装置は、筒状部分を有する本体部と、前記筒状部分内に配される光源部と、前記光源部の表側と対向し且つ前記筒状部分の筒軸に沿って移動可能に支持される光学制御部と、前記光学制御部と一体化され且つ前記筒状部分の外周面を覆う外筒部とを備え、前記本体部は、前記筒状部分であって前記外筒部により覆われる領域に前記光学制御部の移動をガイドするガイド溝を有し、前記外筒部は、前記ガイド溝に挿入される突起部分を内周面に有する。これにより、簡単な構成で照射光の配光角を調整できる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記ガイド溝と前記突起部分とは複数組あり、前記筒軸の延伸方向から前記筒状部分の表側を見たときに、前記複数組の前記ガイド溝と前記突起部分は、前記筒軸を通る仮想線に対して対称となる位置に設けられている。これにより、使用者による外筒部の操作のガタ付きを低減できる。
【0009】
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記ガイド溝は、前記光学制御部を前記筒軸に沿ってガイドする第1ガイド溝と第2ガイド溝と、前記第1ガイド溝と前記第2ガイド溝とを周方向に沿って連結する切り替え溝とを有する。これにより、使用者が複数の光学制御部の移動のなかから好みの1つの移動を選択できる。また、切り替え溝を周方向に沿って備えているため、第1ガイド溝と第2ガイド溝との切り替え距離が短くなり、突起部分の位置を素早く切り替えることができる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記本体部の筒状部分内で前記ガイド溝と対向する対向部を備え、前記対向部は、前記突起部分と係合する係合部分を有する。これにより、突起部分の移動を規制できる。また、係合部分を一方のガイド溝に複数設けることで、一方のガイド溝において特定の配向角をスピーディに選択したり、他方のガイド溝において自由な配光角を選択したり、使用者の選択肢を増やすことができる。
【0010】
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記第1ガイド溝と前記第2ガイド溝は前記筒軸と平行に延伸し、前記切り替え溝は前記筒状部分の周方向に延伸する。これにより、外筒部の周方向の移動を最小にして、第1ガイド溝と第2ガイド溝とを切り替えることができる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記第1ガイド溝の表側端と、前記第2ガイド溝の表側端は、前記筒軸方向に同じ位置にあり、前記切り替え溝は前記第1ガイド溝の表側端と前記第2ガイド溝の表側端とを連結し、前記筒状部分は、表側端から前記切り替え溝と接続し且つ前記突起部分をガイド溝に導入させるための導入溝を有し、前記対向部は、前記切り替え溝に対して前記筒軸方向の表側から前記切り替え溝側に突出して前記突起部分が前記導入溝に移動するのを規制する規制部分を有している。これにより、第1ガイド溝と第2ガイド溝とを切り替える際に、突起部分が導入溝側に移動するのが規制部分により規制される。また、切り替え溝が第1ガイド溝と第2ガイド溝の表側端同士を連結しているため、ガイド溝の切り替えに際して、突起部分を各ガイド溝内であって表側にその移動が規制されるまで移動させることで容易に行うことができる。
【0011】
1.概要
本実施形態に係る照明装置1について主に
図1及び
図2を用いて説明する。
ここでの照明装置1は、ダクトレール(図示省略)に取り付けられてスポットライト的に使用される。この照明装置1は、例えば、店舗に陳列された商品を効果的に照射するのに利用される。照明装置1は、ダクトレールに取り付けられる電源ユニット2と、光源を有する光源ユニット4と、電源ユニット2と光源ユニット4とを連結する連結ユニット3とを備える。
なお、ダクトレールは、横断面形状が矩形状に近い形状をし、設置面と反対側の面に開口を有するT字状の固定溝を有し、照明装置1へ給電を行うための一対の給電片を固定溝の内部に長手方向に沿って有している。
以下、各部について説明する。
【0012】
2.各部
(1)電源ユニット
電源ユニット2は、
図2に示すように、光源ユニット4を点灯させるための点灯電力を生成するための点灯回路20を回路ケース21に収容する。
電源ユニット2は、
図1の(b)に示すように、設置面と直交する仮想線を軸として回転可能に構成された電極プラグ22と固定プラグ23と、ダクトレールの固定溝に挿入して位置決めする位置決め凸部24とを回路ケース21のダクトレール側の面に有している。
電極プラグ22及び固定プラグ23は、レバー221,231の操作によってプラグ22,23の係止片223,233がダクトレールの固定溝に係止する。これにより、電極プラグ22の端子片224がダクトレール内の給電片と接続(接触)する。
なお、点灯回路20と光源ユニット4とは、連結ユニット3内を通る電気ケーブル(図示省略)により接続される。
【0013】
(2)連結部
連結ユニット3は、
図1及び
図2に示すように、設置面と直交する仮想線に沿って延伸し且つ仮想線回りに回転可能に電源ユニット2に取り付けられた筒体31と、設置面と平行な方向に延伸し且つ筒体31の延伸先端部に固定された筒軸体32と、筒軸体32に回転可能に取り付けられた回転体33とを備える。
筒体31及び筒軸体32の内部は電気ケーブルを通すための空間となっている。回転体33はその外周側で光源ユニット4に固定される。これにより、光源ユニット4が筒軸体32の筒軸回りに回転可能となる。なお、回転体33は、筒軸体32の外周のねじ部に螺合するボルト34により回転可能に固定される。
【0014】
(3)光源ユニット
(3-1)概略
光源ユニット4は、
図2に示すように、筒状部分503を有する本体部5と、筒状部分503内に配される光源部6と、光源部6の表側と対向し且つ筒状部分503の筒軸に沿って移動可能に支持される光学制御部7と、光学制御部7と一体化され且つ筒状部分503の外周面を覆う外筒部8とを備え、
図2及び
図3に示すように、本体部5は、筒状部分503であって外筒部8により覆われる領域に光学制御部7の移動をガイドするガイド溝505を有し、外筒部8は、ガイド溝505に挿入される突起部分81を内周面に有する。
これにより、光源部6と光学制御部7との距離を変化させて、光源ユニット4の配向角を調整できる。なお、外筒部8は、配光角調整の操作部又はハンドル部ともいえる。
ここでの光源ユニット4は、上述の構成以外に、例えば、本体部5の筒状部分503内でガイド溝505と対向する対向部9を備える。
各部について説明する。
【0015】
(3-2)本体部
本体部5は、
図3に示すように、連結ユニット3の回転体33と連結される筒体50と、筒体50の裏側端に設けられた蓋体52とを有する。
筒体50は、横断面形状が円形状の筒状部501と、筒状部501の内部を表裏に区画する区画壁502とを有する。筒状部501の表側の筒状部分503が本発明の「筒状部分」の一例に相当する。
筒体50は筒状部分503にガイド溝505を有する。ガイド溝505は光学制御部7の移動をガイドする。ガイド溝505は、光学制御部7を筒軸に沿ってガイドする溝を複数本有する。ここでのガイド溝505は、第1ガイド溝505aと第2ガイド溝505bとの2本を有する他、第1ガイド溝505aと第2ガイド溝505bとを周方向に沿って連結する切り替え溝505cを有する。なお、ここで、「筒軸に沿って」とは、筒軸と平行な方向(以下、単に、「筒軸方向」ともいう)と、筒軸と平行な仮想線に対して45°以下の角度で傾斜する方向とを含む。同様に、「周方向に沿って」とは、周方向と平行な方向と、周方向と平行な仮想線に対して45°以下の角度で傾斜する方向とを含む。
【0016】
第1ガイド溝505aと第2ガイド溝505bは筒軸と平行に延伸し、切り替え溝505cは筒状部501の周方向に延伸する。第1ガイド溝505aの表側端と第2ガイド溝505bの表側端は筒軸方向に同じ位置にあり、切り替え溝505cは第1ガイド溝505aの表側端と第2ガイド溝505bの表側端とを連結する。つまり、第1ガイド溝505aの表側端を通り且つ周方向に延伸する仮想線上に、第2ガイド溝505bの表側端が位置し、当該仮想線上に切り替え溝505cが位置する。このように、ガイド溝505は、裏側が開放する「コ」字状をしている。
筒体50は、筒状部分503の表側端からガイド溝505に接続する導入溝506を有している。導入溝506は、突起部分81を筒状部分503の表側からガイド溝505に導入させるためのものである。導入溝506は、切り替え溝505cと接続する。導入溝506は、筒軸に沿って、ここでは、筒軸と平行な方向に延伸し、切り替え溝505cの周方向の中央と接続する。なお、導入溝506の表側端は表側拡がりの「V」字状をしている。これにより、外筒部8の突起部分81の位置が目視できなくても、突起部分81をガイド溝505へと導入できる。
【0017】
区画壁502は、
図2及び
図3に示すように、表側に突出する突出部分502aを表面の中央に有し、突出部分502aの周りにねじ孔502b,502cを有する。ねじ孔502bは光源部6を固定するねじ用であり、ねじ孔502cは対向部9を固定するねじ用である。
筒状部501の裏側部分507は、貫通孔507aと、貫通孔507aの周囲から内部へ筒状に延伸するボス部分508とを有する。ボス部分508には、連結ユニット3の回転体33が貫通孔507aから挿入された状態で、取り付けられる。
【0018】
蓋体52は、円盤状をし、周縁部側に貫通孔521を周方向に沿って複数個有する。蓋体52は、筒状部501の裏側端部の内周面の係合溝507bに係合する係合片523を周方向に間隔をおいて複数個有する。
【0019】
(3-3)光源部
光源部6は、
図2及び
図4の(a)に示すように、本体部5の区画壁502の突出部分502aに配される光源モジュール61と、光源モジュール61と突出部分502aとの間に配される絶縁シート63と、突出部分502aに配された絶縁シート63と光源モジュール61とを保持する光源保持体65とを備える。
光源モジュール61は、光源としてのLED素子と、LED素子を実装する基板611とを備える。
光源保持体65は、光源モジュール61を表側から覆い且つ貫通孔651aを蓋部分に有する有蓋筒状部651と、有蓋筒状部651の裏側端から径方向の外方へ張り出す張出部653とを有し、当該張出部653が区画壁502に固定される。固定は、ねじ(図示省略)が、張出部653の貫通孔653aを挿通して、区画壁502のねじ孔502bに螺合することで行われる。
【0020】
(3-4)光学制御部
光学制御部7は、
図2及び
図4の(b)に示すように、例えば集光機能を有するレンズを備える。光学制御部7は、レンズ体71と、レンズ体71を保持するレンズ保持体73とを備える。ここでのレンズ保持体73は、レンズ体71を本体部5の筒状部分503に対して筒軸方向に移動可能に取り付ける機能も有する。
レンズ体71は、
図2に示すように、表側拡がりの円錐台状をし、凸レンズ710を形成するための凹入部711,712を表裏方向の端面に有する。
レンズ保持体73は、
図4の(b)に示すように、円環状(筒軸方向の寸法が短い円筒状)をする。レンズ保持体73は、レンズ体71の表側端部の外鍔部714が嵌合する段差部731と、レンズ体71の外鍔部714に係合する係合片733と、本体部5の筒状部分503の内周面との密着性を向上させるためのパッキン75用の溝部735(
図2参照)とを有する。ここでのパッキン75は表裏方向に2本あり、溝部735もパッキン75に合わせて2本ある。レンズ保持体73の表側端には外筒部8が取り付けられている。
【0021】
外筒部8は、筒状体80により構成されている。外筒部8の表側端には光学制御部7のレンズ保持体73が取付けられている。外筒部8は、本体部5のガイド溝505内に配される突起部分81を内周面に有する。ここでは、突起部分81とガイド溝505とのセットを1組として複数組、例えば2組有し、周方向に等間隔をおいてある。つまり、筒軸の延伸方向から筒状部分503の表側を見たときに、
図7の(a)に示すように、2組のガイド溝505と突起部分81とは、筒軸を通る仮想線X1に対して対称となる位置に設けられている。これにより、光学制御部7の移動をスムーズに行える。
【0022】
(3-5)対向部
対向部9は、
図5に示すように、本体部5の筒状部分503の内側でガイド溝505と対向する状態で、筒状部501の区画壁502に固定されている。
対向部9は、
図4に示すように、薄肉の金属板を湾曲してなる金属体90により構成される。金属体90は、全体として「L」字状をしている。金属体90は、短辺部91と、短辺部91に直交する長辺部93とを有する。
【0023】
短辺部91は、
図4の(c)に示すように、貫通孔91aを有する。短辺部91は、当該貫通孔91aを挿通するねじ99(
図5の(b)参照)が筒状部501の区画壁502のねじ孔502cに螺合することで、長辺部93がガイド溝505に対向する状態で、区画壁502に固定される。
金属体90は、
図5の(b)及び(c)に示すように、短辺部91の貫通孔91b(
図4の(c)参照)に区画壁502の突起502dが嵌合し、長辺部93が区画壁502の支持板部分502fに当接し、位置決めされた状態で固定される。
【0024】
長辺部93は、第1ガイド溝505aに対向する部位に、第1ガイド溝505a内に配された突起部分81の凸部81aと係合する第1係合部分93aを有している。凸部81aは、突起部分81の先端面から出張っている部分である。なお、第1係合部分93aは、後述の第2係合部分93bと区別するために「第1」を付したものであり、数字自体に特段の意味はない。
第1係合部分93aは、第1ガイド溝505aの延伸方向に間隔をおいて複数個(ここでは3個)設けられている。これにより、光源部6と光学制御部7との距離を複数段(3段)で調整でき、複数種類(3種類)の特定の配光角をスピーディに選択することができる。また、複数の照明装置に対し特定の配光角で揃えて設定したい場合、本実施形態に係る照明装置1は、配光角の調整に不慣れなユーザでも簡単に作業を行うことができる。
第1係合部分93aは、ここでは、突起部分81の凸81a(
図5の(c)参照)が嵌合する凹みにより構成されている。凸81aが凹みである第1係合部分93aに係合していない状態、つまり、突起部分81が筒軸方向に隣接する第1係合部分93a間に位置している状態では、長辺部93が弾性変形し、凸81aが第1係合部分93aに係合することで長辺部93は復元する。また、凸部81aは、横断面において突起部分81よりも小さいため、第1係合部分93a(凹み)を小さくでき、第1ガイド溝505aに沿って複数設けることができる。
【0025】
長辺部93は、切り替え溝505cに対向する部位に、突起部分81が周方向に移動するのを規制する第2係合部分93bを有している。第2係合部分93bは、突起部分81が切り替え溝505c内の周方向の中央に位置する状態で、突起部分81に対して周方向の両側に位置する。突起部分81が第2係合部分93bを乗り越える際には、長辺部93が弾性変形する。
【0026】
金属体90は、突起部分81が導入溝506側に移動するのを規制する規制部分95を有してもよい。規制部分95は、切り替え溝505cに対して筒軸方向の表側に位置する。規制部分95は、長辺部93であって短辺部91と反対側端から短辺部91と反対側に「レ」字状に折り返された折返し部により構成されている。このような構成により、ユーザの間違った操作によって、外筒部8が本体部5から外れることを防いでいる。
【0027】
3.使用
配向角調整機能について、
図6を用いて説明する。
(1)第1ガイド溝
突起部分81は、同図の(a)に示すように、外筒部8の可動範囲内で、第1ガイド溝505a内を筒軸方向に移動可能である。対向部9は、第1ガイド溝505aに対応して、3つの第1係合部分93aを筒軸方向に間隔をおいて有している。これにより、使用者は、外筒部8を移動させることで、突起部分81の凸部81aが係合する第1係合部分93aを(つまり、特定の光源部6と光学制御部7との距離を)選択することができる。
具体的には、例えば、突起部分81が3つの第1係合部分93aに係合することにより、配向角が、15°、24°、36°と特定の配向角となる。
【0028】
(2)第2ガイド溝
突起部分81は、同図の(b)に示すように、外筒部8の可動範囲内で、第2ガイド溝505b内を筒軸方向に移動可能である。対向部9は、第1係合部分93aのような係合部を有していない。これにより、使用者は、外筒部8を自由に移動させることができ、光源部6と光学制御部7との距離を自由に選択することができる。
具体的には、例えば、外筒部8の移動量によって、配向角が、15°~36°の範囲内で自由に設定できる。
【0029】
(3)切り替え溝
突起部分81は、同図の(c)に示すように、外筒部8の可動範囲内で、切り替え溝505c内を周方向に移動可能である。対向部9は、切り替え溝505cの略中央に突起部分81が位置するように第2係合部分93bを有している。これにより、使用者は、配向角を変更する必要がない場合は、突起部分81が第1ガイド溝505aや第2ガイド溝505b側に移動するのを規制できる。
また、切り替え溝505cの周方向の両端で、第1ガイド溝505aや第2ガイド溝505bと接続しているため、使用者は、外筒部8を周方向に移動させるという簡単な操作により、第1ガイド溝505あと第2ガイド溝505bとを切り替えることができる。
【0030】
このように、照明装置1は、2つガイド溝505a,505bを有することで、例えば、突起部分81を第1ガイド溝505a内を移動させることにより特定の配向角をスピーディに選択したり、突起部分81を第2ガイド溝505b内を移動させることにより外筒部8の可動範囲内で自由な配向角を調整したり、使用者の選択肢を増やすことができる。
【0031】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0032】
<変形例>
1.照明装置
実施形態では、電源ユニット2に点灯回路20を収容していたが、例えば、点灯回路を光源ユニット4に収容してもよい。具体的には、本体部5の筒体50の裏側部分に収容してもよい。
実施形態では、スポットライト的な照明装置について説明したが、懐中電灯、ペンダントライト、電球型照明装置等の照明装置にも適用できる。懐中電灯の場合、実施形態の筒状部501の裏側部分にバッテリ等の電源部を配することで実施できる。ペンダントライトの場合、ペンダントライトのシェードを外筒部とし、連結ユニットを電気ケーブルとして直接光源ユニットを支持することで実施できる。電球型照明装置の場合、電球型照明装置のグローブ(透光性カバー)を外筒部とし、筒状部の裏側部分に点灯回路を収容することで実施できる。
【0033】
2.光学制御部
実施形態では、集光機能を有する凸レンズ710を備えていたが、拡散機能を有する凹レンズを備えてもよい。
光学制御部7は、筒状部分503の内周側で支持されていたが、例えば、筒状部分と外筒部8との間にパッキンを配することで、筒状部分503の外周側で支持するようにしてもよい。
実施形態では、1つの凸レンズ710を備えていたが、各光源素子に対して設けられたマイクロレンズを一体で有するレンズであってもよい。
【0034】
3.光源部
(1)筒状部分
実施形態では、複数ある第1係合部分93aのどの位置にある係合部に突起部分81が係合しているかを目視できないが、目視できるように、複数の第1係合部分93aに対応する目盛りを設けてもよい。例えば、筒状部分の外周であって外筒部8の裏側端よりも裏側部分に目盛りを設けてもよいし、筒状部分に目盛りを設け且つ外筒部8の対応する部分に開口を設けてもよい。
【0035】
(2)ガイド溝
実施形態では、ガイド溝505と突起部分81とのセットを2組有していたが、1組でもよいし、3組以上であってもよい。複数組設ける場合、筒軸の延伸方向から筒状部分の表側を見たときに、複数組のガイド溝505と突起部分81は、筒軸を通る仮想線に対して線対称となる位置に設けられるのが好ましい。例えば、3組の場合、
図7の(b)に示すように、仮想線X2に対して、2組のガイド溝と突起部分81が線対称の位置にある。これにより、外筒部8を筒軸に沿ってスムーズに移動させることができる。
実施形態の第1ガイド溝505aと第2ガイド溝505bは、筒軸方向と平行に延伸しているが、筒軸と平行でなく、筒軸に対して所定角度で傾斜してもよい。同様に、切り替え溝505cは周方向と平行に延伸しているが、周方向と平行でなく、周方向に対して所定角度傾斜してもよい。
実施形態の切り替え溝505cは、第1ガイド溝505aと第2ガイド溝505bの表側端を連結しているが、第1ガイド溝及び第2ガイド溝の延伸方向の中間で連結してもよい(この場合、ガイド溝は「H」字状となる)し、第1ガイド溝及び第2ガイド溝の裏側端を連結してもよい(この場合、ガイド溝は、実施形態のガイド溝505の「コ」字状と開口方向が逆な「コ」字状となる)。
【符号の説明】
【0036】
1 照明装置
2 電源ユニット
3 連結ユニット
4 光源ユニット
5 本体部
6 光源部
7 光学制御部
8 外筒部
9 対向部
50 筒体
81 突起部分
503 筒状部分
505 ガイド溝
413 凸レンズ