(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】非接触給電およびデータ通信装置、並びにこれを用いた回転駆動ライダーシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20240116BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20240116BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240116BHJP
H02J 50/30 20160101ALI20240116BHJP
【FI】
H02J50/80
H01F38/14
H02J50/10
H02J50/30
(21)【出願番号】P 2022568939
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2021005793
(87)【国際公開番号】W WO2021230587
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】10-2020-0055950
(32)【優先日】2020-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0026220
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521156860
【氏名又は名称】ライドロ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ミョン イル
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/213338(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0267168(US,A1)
【文献】特開2015-132600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/80
H01F 38/14
H02J 50/10
H02J 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部結合体および下部結合体からなる本体ハウジングと、
前記下部結合体によって支持されながら前記上部結合体を中央から連結して固定するメインシャフトと、
前記メインシャフトを中心に回転部を回転させるための回転動力を提供するモーターと、
前記メインシャフトの外周面に結束固定された送信部コア、および前記送信部コアと離隔される上端で回転する受信部コアからなり、電磁誘導によって電力を供給および受信する無線電力部と、
前記メインシャフトを中心に回転する回転基板の下面に配置される回転通信素子、および固定された固定基板の上面に配置される固定通信素子が一定距離離隔されて光信号を送受信する光通信部と、を備えることを特徴とする、非接触給電およびデータ通信装置。
【請求項2】
前記メインシャフトは、制御基板から引き込まれる信号と電力接続線とを内部に連結するために中央部が貫通されて一定半径の通路をなす貫通孔を形成することを特徴とする、請求項1に記載の非接触給電およびデータ通信装置。
【請求項3】
前記モーターは、メインシャフトを中心に固定子(Stator)であるモーター固定部が位置し、前記モーター固定部の外側に回転子(Rotor)で形成されるモーター回転部が位置するアウタローター(Outer Rotor)型ブラシレスDC(Brushless Direct Current:BLDC)モーターであることを特徴とする、請求項1に記載の非接触給電およびデータ通信装置。
【請求項4】
前記無線電力部の送信部コアおよび受信部コアとは、互いに対称構造として内面の空間に一定量のコイルが巻かれた巻線状に形成される受信部巻線および送信部巻線を含んでなされ、
前記送信部巻線は、メインシャフトの貫通孔を介して引き込まれる電力接続線に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の非接触給電およびデータ通信装置。
【請求項5】
前記無線電力部の受信部コアと前記光通信部の回転基板は、モーター回転部の回転力を伝達するための回転支持部材と結合することを特徴とする、請求項1に記載の非接触給電およびデータ通信装置。
【請求項6】
前記回転支持部材は、メインシャフトの外周面に沿って少なくとも1箇所以上に設けられる軸受と接触されながら回転することを特徴とする、請求項5に記載の非接触給電およびデータ通信装置。
【請求項7】
前記光通信部は、円形の固定基板と回転基板との間に、光拡散部材からなって送受信する光源の光を散乱および拡散作用を通じて均等に伝播させる機能を提供する円形の光拡散板と、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の非接触給電およびデータ通信装置。
【請求項8】
前記回転通信素子は、可視光ダイオードからなる複数の可視光送信モジュール、および赤外線受信センサからなる1つのIR受信モジュールを含んで構成され、
前記固定通信素子は、赤外線ダイオードからなる少なくとも1つ以上のIR送信モジュール、および可視光受信センサとからなる1つの可視光受信モジュールを含んで構成されることを特徴とする、請求項7に記載の非接触給電およびデータ通信装置 。
【請求項9】
前記光拡散板は、
前記回転通信素子と前記固定通信素子との間の光信号を伝達する光導波路をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の非接触給電およびデータ通信装置。
【請求項10】
請求項1に記載の非接触給電およびデータ通信装置を用いたライダーシステムであって、
上部結合体および下部結合体からなる本体ハウジングと、
前記下部結合体によって支持されながら前記上部結合体を中央から連結して固定するメインシャフトと、
前記メインシャフトを中心に回転部を回転させるための回転動力を提供するモーターと、
前記メインシャフトの外周面に結束固定された送信部コア、および前記送信部コアと離隔される上端で回転する受信部コアからなり、電磁誘導によって電力を供給および受信する無線電力部と、
前記メインシャフトを中心に上部の回転する回転基板に設けられる回転通信素子、および下部に固定された固定基板に設けられる固定通信素子が一定距離離れて光信号を送受信する光通信部と、
前記メインシャフトを中心に前記モーターの回転動力を伝達されて回転しながら、レーザー光を発信するレーザー送信ユニットと、ターゲットに反射して戻ってくるレーザー光を受信するためのレーザー受信ユニットとからなるレーザー送受信モジュールと、を備え、
前記レーザー送受信モジュールは、前記無線電力部の受信部巻線と回路で接続され、前記受信部巻線に誘導された電力を供給されてレーザー送受信動作を行い、前記光通信部を介して信号またはデータを送受信してターゲットの距離および形状を把握することを特徴とする、回転駆動ライダーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触給電およびデータ通信装置に関し、さらに非接触方式で固定部の電力を回転部に供給し、回転部と固定部との間で光通信ベースのデータ送受信を行う機械装置を提供する。これに連結して3次元イメージを獲得するライダーシステムに適用できる非接触電給電およびデータ通信装置、並びにこれを用いた回転駆動ライダーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、モーターや電動機の給電システムなどで有接点回路を採用した電力伝送装置が使用されている。接触式電力伝送装置は、比較的単純かつ安価な利点を有しているが、有線で接続されているため、回転構造や回転駆動ユニットを含む機械装置には使用しにくい。
【0003】
これを解決するために、他の従来技術では、ロータリージョイント、ロータリーコネクタなどとも呼ばれる電気/機械部品であるスリップリング(Slipring)を使用する。スリップリングは、回転する物体に電源または電気信号を供給するために使用される装置として、電力を受けて動作する装置が回転する物体の内部に設けられる場合、それを連結する電線にもつれが発生して回転動作が不可能になることを解消して電線のもつれなく電力を伝達できる一種の回転型コネクタである。
【0004】
しかし、スリップリングのような非接触電力伝送装置は、単純に電力を供給する目的で多く使用されており、黒鉛タイプの低価格型スリップリングが主となっている。ところで、 黒鉛タイプのスリップリングは、不良およびメンテナンスの難しさ、並びに微小信号の種類の増加が発生される問題と、複雑な構造、高いコストおよび高い技術要件を要求する問題とを有する。
【0005】
これによる従来技術では、韓国登録特許第10-1671352号公報(2016.10.26.)には、光信号伝達手段を設ける3軸スリップリングが公知されている。この従来技術は、圧力および電力と光信号を一つのスリップリングで供給できるように圧力を伝達する圧力伝達部と、電力を伝達する電力伝達部と、光信号を伝達する光信号伝達部とが一つの構成で形成されている3軸非接触スリップリングモーターを開示している。
【0006】
しかしながら、上記従来技術の非接触スリップリングモーターは、回転子部、回路基板部、コネクタ部およびスリップリングユニットを含む複雑な構造を有し、ワイヤレス光通信を提供するのではなく、貫通孔内の光ケーブルを通した光信号を伝達するように構成されている。したがって、上記従来技術は、光信号伝達のための貫通孔を設ける必要があるため、製造が困難であり、耐久性、信頼性および再現性を確保することが容易でない問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、メインシャフトの固定された軸を中心に回転部を結合して構成することにより、回転ユニット装置の振れを解消しながら、非接触給電(Non Contact Power Supply)で電力を安定して供給するための電磁誘導手段および光ベースのデータ通信環境を提供する、非接触給電およびデータ通信装置を提供することにある。
【0009】
なお、本発明の目的は、回転する基板および固定された基板に装着される光通信モジュールの送受信において、回転基板と固定基板との間に光拡散板を構成して送受信素子の位置に関係なく相互通信を可能にする構造を提供することにある。
【0010】
なお、本発明の他の目的は、非接触給電およびデータ通信装置を用いて回転部に装着されるレーザー送受信モジュールに非接触電力伝達方式で電力を供給して動作させ、光通信モジュールを介して信号またはデータを送受信する回転駆動ライダーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記技術的課題を解決するための本発明の一実施形態による非接触給電およびデータ通信装置は、上部結合体および下部結合体からなる本体ハウジングと、前記下部結合体によって支持されながら上部結合体を中央から連結して固定するメインシャフトと、前記メインシャフトを中心に回転部を回転させるための回転動力を提供するモーターと、前記メインシャフトの外周面に結束・固定された送信部コア、および前記送信部コアと離隔される上端で回転する受信部コアからなって電磁誘導により電力を供給して受信する無線(ワイヤレス)電力部と、前記メインシャフトを中心に回転する回転基板の下面に配置される回転通信素子、および固定された固定基板の上面に配置される固定通信素子が一定距離離れて光信号を送受信する光通信部と、を備える特徴を有する。
【0012】
なお、本発明のメインシャフトは、制御基板から引き込まれる信号と電力接続線とを内部に連結するために中心部が貫通されて一定半径の通路をなす貫通孔を形成することができる。
【0013】
なお、本発明の前記モーターは、メインシャフトを中心に固定子(Stator:ステータ)であるモーター固定部が位置し、前記モーター固定部の外側に回転子(Rotor:ローター)で形成されるモーター回転部が位置するアウタローター(Outer Rotor)型ブラシレスDC(Brushless Direct Current、BLDC)モーターであり得る。
【0014】
なお、本発明の前記無線電力部の送信部コアおよび受信部コアは、互いに対称構造として内面の空間に一定量のコイルが巻かれた巻線状に形成される受信部巻線および送信部巻線を含み、前記送信部巻線はメインシャフトの貫通孔を介して引き込まれる電力接続線と連結される。
【0015】
なお、本発明の前記無線電力部の受信部コアと前記光通信部の回転基板は、前記モーター回転部の回転力を伝達するための回転支持部と結合することができる。
【0016】
なお、本発明の前記回転支持部は、メインシャフトの外周面に沿って少なくとも1箇所以上に設けられた軸受(ベアリング)と接触されながら回転することができる。
【0017】
なお、本発明の前記光通信部は、円形の固定基板と回転基板との間に、光拡散材料からなり、送受信する光源の光を散乱および拡散作用を通じて均等に伝播させる機能を提供する円形の光拡散板と、をさらに備えることができる。
【0018】
なお、本発明の前記回転通信素子は、可視光ダイオード(LED)からなる複数の可視光送信モジュール、および赤外線受信センサからなる1つのIR受信モジュールを含む構成を有する。本発明の前記固定通信素子は、赤外線レーザーダイオード(LD)からなる少なくとも1つ以上のIR送信モジュール、および可視光受信センサからなる1つの可視光受信モジュールを含む構成を有する。
【0019】
なお、本発明の光拡散板は、前記回転通信素子と前記固定通信素子との間の光信号を伝達する光導波路をさらに含み得る。
【0020】
上記技術的課題を解決するための本発明の他の実施形態による非接触給電およびデータ通信装置を有する回転駆動ライダーシステムは、上部結合体および下部結合体からなる本体ハウジングと、前記下部結合体によって支持されながら上部結合体を中央から連結して固定するメインシャフトと、前記メインシャフトを中心に回転部を回転させるための回転動力を提供するモーターと、前記メインシャフトの外周面に結束・固定された送信部コア、および前記送信部コアと離隔される上端で回転する受信部コアからなって電磁誘導により電力を供給して受信する無線(ワイヤレス)電力部と、前記メインシャフトを中心に上部の回転する回転基板に設けられる回転通信素子、および下部で固定された固定基板に設けられる固定通信素子が一定距離離隔されて光信号を送受信する光通信部と、前記メインシャフトを中心にモーターの回転動力を伝達されて回転しながら、レーザー光を発信するレーザー送信ユニットおよびターゲットに反射されて戻ってくるレーザー光を受信するためのレーザー受信ユニットからなるレーザー送受信モジュールと、を備える。前記レーザー送受信モジュールは、無線電力部の受信部巻線と回路で接続されて前記受信部巻線に誘導された電力を供給されてレーザー送受信動作を遂行し、前記光通信部を介して信号またはデータを送受信してターゲットの距離および形状を把握することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
前述した非接触給電およびデータ通信装置は、単純な構成で固定部から回転する回転部に電力を供給して動作させることができるだけでなく、光通信モジュールを介して固定部と回転部との間の信号またはデータを送受信させることにより、多様なアプリケーションまたはシステムに効果的に変形して適用できる利点を有する。
【0022】
なお、本発明は、メインシャフトである固定軸を中心に回転部を結合して構成することにより、回転ユニット装置の振れを解消する効果を有する。
【0023】
なお、本発明は、光通信モジュールの送受信において、回転基板と固定基板との間に光拡散板を構成して送受信素子の位置にかかわらず相互通信が可能でありながら、通信の効率を高める効果を有する。
【0024】
なお、本発明の光通信部は、赤外線のみで両方向通信を行うのではなく、赤外線(IR)または可視光(Visible)の波長領域を選択的または包括的に適用できるように実装することで、異なる波長帯による通信クロストークを防止して効果的な両方向光通信を遂行できる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態による非接触給電およびデータ通信装置の概略的な正面図である。
【
図2】
図1の非接触給電およびデータ通信装置における無線電力部を拡大して示す例示図である。
【
図3】
図1の非接触給電およびデータ通信装置における光通信部を拡大して示す例示図である。
【
図4】本発明の一実施形態による
図3の光通信部において可視光送信モジュールおよび対応する可視光受信モジュールを示す例示図である。
【
図5】本発明の一実施形態による
図3の光通信部においてIR送信モジュール、および対応するIR受信モジュールを示す例示図である。
【
図6】本発明の一実施形態による非接触給電およびデータ通信装置を採用する回転駆動ライダーシステムの主な構成部に対する正面図である。
【
図7】
図6によって構成された回転駆動ライダーシステムの結合構造を示す例示図である。
【
図8】
図6によって結合された回転駆動ライダーシステムの内部例示図である。
【
図9】本発明による
図8の動作状態を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書および特許請求の範囲で使用されている用語または単語は、通常の意味または辞書的な意味に限定して解釈されるべきではなく、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に基づいて、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解釈されなければならない。
【0027】
したがって、本明細書に記載されている実施形態と図面に示される構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎないだけであり、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないため、本出願時点においてこれらを代替することができる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0028】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付の図面を参照して詳しく説明すると以下の通りである。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態による非接触給電およびデータ通信装置の概略的な正面図であり、
図2は、
図1の非接触給電およびデータ通信装置における無線電力部を拡大して示す例示図である。
図3は、
図1の非接触給電およびデータ通信装置における光通信部を拡大して示す例示図である。
【0030】
図1~
図3と同様に、本発明の非接触給電およびデータ通信装置1は、ハウジング内部で駆動モーターによって回転しながら作動する回転部と、前記回転部に電力を供給し、これを制御するために固定されて作動する固定部とに分けられる。そして、前記回転部と固定部のそれぞれで結合される電子機器および機械機構部を備え得る。
【0031】
よって、本明細書において、回転部は回転体または回転ユニットに対応し、固定部は固定体または固定ユニットのような用語に対応することができる。
【0032】
前記固定部は、ハウジング10本体の上部結合体11および下部結合体12を中央で垂直に連結するメインシャフト(Main-Shaft)20によって支持されながら連結される。このとき、前記上部結合体11および下部結合体12は、非接触給電およびデータ通信装置1の上端カバーおよび下端カバーに対応することができる。
【0033】
すなわち、前記メインシャフト20は、下部結合体12の中央部に装着・支持されながら上部結合体11の中央に連結される固定軸であり、モーター300の外周回転を支えるためにモーター300の中心軸が延長される構造と言える。
【0034】
また、メインシャフト20は、制御基板70から引き込まれる信号と電力接続線50を内部に連結するために中心部を貫通して一定半径の中空をなす貫通孔40を形成する。すなわち、貫通孔40は、下部結合体12の制御基板70から供給される電力を供給するための電力接続線50と、光通信部200を介したデータ送受信のための信号ラインとが引き込まれるようにする内部通路と言える。
【0035】
よって、本発明の非接触給電およびデータ通信装置は、メインシャフト20を中心軸とする回転部を回転させるための回転動力を提供するモーター300が制御基板70上に配置され、前記モーター300の回転動力で回転する回転部がメインシャフト20の外周面に位置する軸受30を介して回転するように配置され、駆動モーター300の上側に光信号の送受信のための光通信部200が配置され、メインシャフト20を軸として最も上側には電力接続線50の電力を受けながら回転部に電力を供給するための無線電力部100が配置して結合される構造を有する。
【0036】
本発明の前記制御基板70は、非接触給電およびデータ通信装置の下端に位置する下部結合体12に結合されて外部電力を供給され、モーター300の回転速度を制御したり回転部の電子機器を制御したりするための制御信号を生成し、回転部から生成されるデータを光通信部200を介して受信して処理するためのデータ処理手段を備えることができる。
【0037】
すなわち、前記制御基板70は、論理回路、プログラミングロジックコントローラ、マイコン、マイクロプロセッサなどから選択される少なくともいずれか1つの装置を含むことができ、イントラネット、インターネット、車両ネットワークなどを通じて外部装置と通信して信号またはデータを伝送することができる通信モジュールが装着され得る。
【0038】
これによって、前記制御基板70には、外部電力が印加される電源コネクタと、外部ネットワークとの連結のための通信コネクタとを備えることができ、実装に応じて電源コネクタおよび通信コネクタを兼ね備える統合コネクタを選択的または追加的に設けることができる。
【0039】
本発明の前記駆動モーター300は、固定子、すなわちステータ(Stator)がメインシャフト20を中心に外郭に形成されるモーター固定部310と、回転力を出す部分で回転子(Rotor)がモーター固定部310の外側に形成されるモーター回転部320とからなるアウタローター(Outer Rotor)型ブラシレスDC(Brushless Direct Current:BLDC)モーターである。すなわち、本発明は、アウタローター型モーターの構造を適用することにより、モーター外周面の回転力によって回転部が回転する装置を実現するように形成されることがわかる。
【0040】
また、前記回転部からなる光通信部200の回転基板210、無線電力部100の電力受信のための受信部コア110、並びに特定目的の機能のために装着される回転ユニットは、回転力を伝達されるための回転支持部材60と結合されてもよい。これにより、前記回転支持部材60は、モーター回転部320と結束されてモーターの回転力を回転部の構成ユニットに伝達するようにする構造を有し得る。
【0041】
また、前記回転支持部材60は、回転による摩擦の減少およびエネルギー損失や発熱を減らして円滑に回転するようにメインシャフト20の外周面に沿って少なくとも1箇所以上に設けられる軸受30と接触しながら回転するようになされる。
【0042】
前記無線電力部100は、
図2のようにメインシャフト20の外周面に結束されてなされる送信部コア120と、前記送信部コア120と離隔される上端で回転支持部材60によって結束されてメインシャフト20の外周面を回転しながら、前記送信部コア120からの非接触方式の伝送電力を受信して、レーザー送受信モジュールのような回転ユニットに電力を供給する受信部コア110とからなる。
【0043】
前記受信部コア110および送信部コア120は、互いに対称構造として内面の空間に一定量のコイルが巻かれた巻線状に形成される受信部巻線(Coil)111および送信部巻線121を含む。
【0044】
すなわち、受信部コア110および送信部コア120は、内側空間に挿入された前記受信部巻線111および送信部巻線121を支える巻線枠であり、透磁率が高く伝導性の低い特性を用いて変圧器や誘導子の芯などとして利用される強磁性素子のフェライトコアと称されうり、互いに一定距離離隔して配置される前記送信部巻線121および受信部巻線111は、一定コイル直径および一定ターン数で巻かれた送信コイルおよび受信コイルと称されうる。
【0045】
このとき、前記送信部巻線121は、貫通孔40を介して引き込まれる電力接続線50と連結され、固定されたまま制御基板70から伝達される電力を供給されて電磁気場を形成する機能を行う。これによって、送信部巻線121の電磁気場による電磁誘導を介して生成される誘導起電力が回転する前記受信部巻線111に非接触給電方式(Non Contact Power Supply)により電力が誘導されうる。
【0046】
前記受信部巻線111に電力を供給するための電源入力端子と接続して装着された回転ユニットに誘導された電力を供給するようになる。これにより、回転部で駆動する回転ユニットは、受信部巻線111によって電磁誘導による電力を供給されながら動作できるのである。
【0047】
これによって、本発明は、前記回転部にレーザーを送出・受信するレーザー送受信モジュール400のような特定の駆動ユニットを連結することにより、非接触で供給される電力でこれを動作させ得る。
【0048】
一般に、送信部巻線121および受信部巻線111に巻かれる巻線量の拡張と、受信部コア110および送信部コア120の離隔距離によって電磁誘導量および無線伝送エネルギー量が決定されうるため、巻線量を多く増やしたり離隔距離を小さくしたりすると電力伝送率が高くなり、収率が向上することができる。
【0049】
図3は、光通信部200の構造を示すための例示図で、
図3(a)は、光通信部200がモーター回転部320の外周面に延長される回転支持部材60に結束される状態を示す例示図であり、
図3(b)は、メインシャフト20に結束される光通信部を示す斜視図である。
【0050】
よって、本発明の光通信部200は、図示のように一定距離離隔された下部の固定基板230および上部の回転基板210が一つのペアで対応できるようになる。
【0051】
前記光通信部200は、前記回転基板210の下面に位置して下部方向に通信する回転通信素子211と、前記固定基板230の上面に配置されて上部方向に通信する固定通信素子231と、を設ける。なお、前記固定基板230と回転基板210との間に光の拡散を通じて通信効率を向上させるための光拡散板220と、をさらに設ける。
【0052】
前記回転基板210は、回転支持部材60によって結束されて回転する円形の回路基板(printed circuit board:PCB)である。このとき、回転基板210の下面に配置される回転通信素子211は、レーザー送受信モジュールのような回転ユニットから発生する多量のデータ信号を伝送するために、可視光ダイオード(LED)からなる複数の可視光送信モジュール212、および赤外線受信センサ(IRセンサ)からなる1つのIR受信モジュール213を含む。
【0053】
なお、前記固定基板230は、モーター固定部310の上側にボルト、ナットまたはその他の締結手段で結合され、前記回転基板210に対応するようにメインシャフト20の周りに沿って固定された回路基板と言える。このとき、固定基板230の上面に位置する固定通信素子231は、赤外線レーザーダイオード(LD)からなる少なくとも1つ以上のIR送信モジュール232、および固定基板230から送信される制御信号を受信するための可視光受信センサからなる1つの可視光受信モジュール233を含む。
【0054】
このとき、前記可視光送信モジュール212およびIR送信モジュール232は、少なくとも3つ以上からなることが好ましい。
【0055】
図4は、本発明の一実施形態による
図3の光通信部200において3つの可視光送信モジュール212と、対応する固定基板230の可視光受信モジュール233とを示す例示図である。
図5は、
図3の光通信部200において固定基板230に配置された3つのIR送信モジュール232と、対応する回転基板210のIR受信モジュール213との配置を示す例示図である。
【0056】
すなわち、
図4および
図5と同様に、回転通信素子211としての可視光送信モジュール212および固定通信素子231としてのIR送信モジュール232は、前記回転基板210および固定基板230で120°の角度をなす等間隔で3つが設けられる。
【0057】
これによって、本発明の光通信部200は、回転ユニットから発生する多量のデータ信号を効果的に伝送するために、回転基板210の可視光送信モジュール212の3つが同時に動作され、大量のデータを同時に伝送して固定基板230の可視光受信モジュール233で受信できるようにする。逆に、制御基板70から回転ユニットを制御するためのコマンド中心で伝送される制御信号は、3つのIR送信モジュール232によって伝送され、回転基板210のIR受信モジュール213によって受信され得る構造を有する。
【0058】
なお、前記光拡散板220は、固定基板230と回転基板210との間に固定されるように設けられるものであり、上側の回転基板210が回転すると、両側の光送受信素子の位置が互いに不一致になって光送受信が不可能になるか、または効率が低下する可能性がある。しかし、このような問題を解消するために、点光源あるいは線光源の光を散乱および拡散作用を通じて均等に伝播させる機能を提供する。したがって、光拡散板220は、ホットスポットのない面光源に変換できるように光を回折または拡散させうるフィルム状またはシート状の光拡散材料を使用することができる。
【0059】
それだけではなく、前記光拡散板220には、光導波路221がさらに含まれ得る。このように光拡散板220に光導波路221が含まれる場合には、前記回転通信素子211と前記固定通信素子231との間の光信号の伝達をより容易にすることができる。
【0060】
図6は、本発明の一実施形態による非接触給電およびデータ通信装置を採用する回転駆動ライダーシステムの主な構成部の正面図であり、
図7は、
図6に従って構成された回転駆動ライダーシステムの結合構造を示す例示図であり、
図8は、
図6によって結合された回転駆動ライダーシステムの内部例示図である。また、
図9は、本発明による
図8の動作状態を示す外観斜視図である。
【0061】
図6と同様に、本発明は、前に上述した非接触給電およびデータ通信装置1の回転部に少なくとも1つ以上のレーザー送受信モジュール400を結合して回転駆動するライダーシステム(LiDAR:light detection and ranging)2を構成することができる。
【0062】
図示のように本発明の非接触給電およびデータ通信装置1を採用する回転駆動ライダーシステム2は、上部結合体11と下部結合体12とが上下に結合されてなされる円筒状の本体ハウジングを有する形状からなることができる。上部結合体11および下部結合体12は、ライダーシステム2の上部/下部ケースの役割を果たすことができる。
【0063】
なお、回転駆動ライダーシステム2は、回転するレーザー送受信モジュール(Laser Module)400によるレーザー光が外部に送出され、外部物体等から反射されて戻るレーザー光の受信が容易になるように光透 過性材料からなるレーザー透過窓(Window)機能の外側ケース430で保護され得る。
【0064】
そして、前記上部結合体11には、ライダーシステム2の内側から発生する熱を外部に放出しやすくするため、熱伝導率に優れている放熱構造を有するヒートシンク(Heat sink)状の放熱板をさらに備えることができる。
【0065】
これによって、前記レーザー送受信モジュール400は、光通信部200の回転基板210上に位置し、メインシャフト20を中心軸にして結合される。
【0066】
これによって、前記レーザー送受信モジュール400は、無線電力部100の受信部巻線111と回路で接続され、前記受信部巻線111に誘導された電力によりレーザー送受信動作を可能にし、モーター300の回転速度の制御に応じて、その回転速度が制御されながら動作するようになる。
【0067】
これによって、本実施形態によるレーザー送受信モジュール400は、回転動作に合わせて、レーザー光を発信するレーザー送信ユニットと、これに相応してターゲットから反射されて戻ってくるレーザー光を受信するためのレーザー受信ユニットとからなることができる。図示では、本発明のレーザー送受信モジュール400は、レーザー送信レンズ410として現れるレーザー送信ユニットが中央に配置され、ペアで備えられるレーザー受信レンズ420からなるレーザー受信ユニットで構成されているが、レーザー送受信モジュールに関する具体的な構成は、多様に適用されてもよい。
【0068】
なお、本実施形態による非接触給電およびデータ通信装置を用いたライダーシステム2は、回転基板210の下面に位置する回転通信素子211、および固定基板230の上面に位置する固定通信素子231を介して障害物なしに光信号を双方向に送受信することができ、固定通信素子231に受信されたレーザー送受信モジュール400のイメージ信号およびデータを制御基板70の制御手段を介して信号処理を行うことができる。これは、前記レーザー送受信モジュールから放射されたレーザー光がターゲットに反射して受信された光信号を制御基板の信号処理により、ターゲットの距離および形状を把握することを意味する。
【0069】
なお、本実施形態による回転駆動ライダーシステム2は、回転部に結合されるレーザー送受信モジュール400に無線電力部100を介して非接触方式で電力を供給することにより、前記レーザー送受信モジュール400が回転しながらも効果的な作動を行うことができる。
【0070】
以上で見たように、本実施形態による回転駆動ライダーシステム2は、モーターによって回転するレーザー送受信モジュールが360°回転しながらレーザーを送受信可能にするライダー光学装置に前述した非接触給電およびデータ通信装置1を適用してなされるシステムと言える。
【0071】
なお、本発明の非接触給電およびデータ通信装置1は、レーザー距離測定器またはライダー(LiDAR)装置に適用できることは、前述したライダーシステムの実施形態を通じて確認することができ、回転部に結合される回転駆動ユニットが作動する多様なシステムに適用され、それ以外にも多様な構造の装置、アプリケーション装置またはシステムに効果的に変形して適用されうることは当然である。すなわち、本発明の非接触給電およびデータ通信装置は、ロボット、船舶、ヘリコプター、ドローンなどでも非接触給電およびデータ通信機能を適用することができ、併せて建物、柱、塔などの移動が制限される固定装置にも制限なく適用できることは自明である。
【0072】
前述したように、本発明の詳細な説明では好ましい実施形態について説明したが、本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更が可能であることは理解できよう。