(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】米飯塊形成装置
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20240116BHJP
【FI】
A23L7/10 E
(21)【出願番号】P 2023125713
(22)【出願日】2023-08-01
【審査請求日】2023-09-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236746
【氏名又は名称】不二精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】青木 太志
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-69921(JP,A)
【文献】実開平6-68482(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
米飯を所定量ずつ分けて米飯塊として送り出す米飯塊形成装置であって、
供給された米飯を一時的に貯留して所定形状に圧縮成形する米飯圧縮成形部を備え、
前記米飯圧縮成形部は、
米飯を一時的に貯留するケース部と、
前記ケース部内に設けられ、前記ケース部に供給された米飯に押圧作用して米飯を所定形態に成形する左右一対の押圧部材と、
前記左右一対の押圧部材の下方に開閉可能に設けられ、閉じた状態で米飯を支持して前記左右一対の押圧部材とともに前記米飯を成形し、成形した米飯を開いた状態となることで米飯を送り出し、再度閉じた状態となることで送り出した米飯を切り離して米飯塊とするシャッター機構と、
前記シャッター機構の下方に昇降可能に設けられ、前記シャッター機構から送り出される米飯を搬送面に受け、搬送面の高さによって前記米飯塊の厚みを調整する搬送部と、
を有する米飯塊形成装置。
【請求項2】
前記左右一対の押圧部材は、平面視で前記搬送部の搬送方向に直交する方向を回転軸方向とするとともに互いに近接配置された左右一対の回転押圧体であり、
前記一対の回転押圧体は、互いの間の空間を米飯の成形空間とし、互いの対向側を下側に移動させる向きに回転することで、前記成形空間に上方から供給された米飯に作用するように設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の米飯塊形成装置。
【請求項3】
前記回転押圧体は、
中心軸方向を回転軸方向とした円筒状の部分であって周縁部に複数の押圧壁面部を有する中央押圧部と、
前記中央押圧部の中心軸方向の両側に設けられ、中心軸方向について前記中央押圧部側から端部側にかけて徐々に拡径した円錐台状の部分であって周縁部に米飯を押圧する複数の周縁コグ部を有する周縁押圧部と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の米飯塊形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米飯を所定量ずつ分けて米飯塊として送り出す米飯塊形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、米飯を所定量ずつ分けて例えば一食分の米飯塊として送り出す米飯塊形成装置がある。この種の装置においては、米飯を一時的に貯留するホッパ等の貯留容器から供給された米飯が、所定量に分けられてベルトコンベア等の搬送部に乗せられ、搬送部によって米飯塊として後の工程等に送り出される。
【0003】
このような米飯塊形成装置は、ホッパに供給された米飯をほぐす解し装置と、解し装置でほぐされた米飯を所定の形状、大きさ、固さ等に調整する米飯計量分割部を備える。米飯計量分割部は、例えば、ホッパから供給される米飯を一時的に貯留するハウジング部を有する。そして、米飯塊形成装置においては、ボックス状のハウジング部に貯留された米飯を所定の形状、大きさ、固さ等に調整することを目的として米飯成形部が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、供給ホッパを有し米飯を一時的に貯留して供給する米飯供給部と、米飯供給部から供給された米飯の成形および密度の調整を行うボックス状のハウジング部を有する供給筒部とを備えた構成が開示されている。このような構成において、米飯供給部に投入された米飯は、米飯供給部にて一時的に貯留された後、供給筒部に落下投入されて、供給筒部内で一定の高さにまで堆積する。これにより、供給筒部内の下部に位置する米飯が堆積した他の米飯の重量により押圧されてその密度を調整している。すなわち、特許文献1に開示された構成では、供給筒部内に投入される米飯の重量に応じて、成形される米飯の密度が調整されている。
【0005】
特許文献2には、供給ホッパを有し米飯を一時的に貯留して供給する米飯供給部と、米飯供給部が有する搬送コンベアの下方に設けた左右一対の展延ローラとを備えた構成が記載されている。このような構成において、米飯供給部から左右一対の展延ローラ間に投入された米飯は、展延ローラ間において所定の厚み(密度)に圧縮され、搬送コンベアに供給される。すなわち、特許文献2に開示された構成においては、左右一対の展延ローラの間隔に応じて、成形される米飯の密度が調整されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-261240号公報
【文献】特開2007-74979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したような従来の供給筒部を備えた構成においては、米飯が供給筒内に一時的に充填されることで、供給筒内に充填された米飯の自重により米飯の密度を調整することができるものの、供給筒内に充填される米飯量を厳密に調整することが困難であり、形成される米飯塊の密度を一定にすることが困難であった。また、従来の構成においては、供給筒部の全高に応じて米飯塊の密度が決定されるため、米飯の密度を高めるために米飯塊形成装置の全高を高くすると、米飯供給部への米飯の投入位置が高位置となり米飯塊を形成するための作業性が悪くなる虞があった。
【0008】
また、従来の左右一対の展延ローラを備えた米飯塊形成装置では、左右一対の展延ローラ間を米飯粒が通過することで米飯シートを形成する構成のため、展延ローラ間を通過後の米飯粒をシート状とするためには、必要以上に米飯を左右から押圧する必要がある。このように、展延ローラを用いて米飯シートを成形すると、成形後の米飯シートの密度が高くなり、この米飯シートを用いて成形されたおにぎりの食感が悪くなる虞があった。また、展延ローラに供給される米飯は、一粒ごとにほぐされた状態の米飯粒であるため、成形した米飯シートの密度がばらつき、品質を一定に保つことが困難であった。
【0009】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、成形された米飯塊の米飯密度を一定にするとともに、米飯が本来有するふっくら感等の良好な食感を維持しつつ、米飯塊を形成する作業者の作業性を向上することができる米飯塊形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様は、米飯を所定量ずつ分けて米飯塊として送り出す米飯塊形成装置であって、供給された米飯を一時的に貯留して所定形状に圧縮成形する米飯圧縮成形部を備え、前記米飯圧縮成形部は、米飯を一時的に貯留するケース部と、前記ケース部内に設けられ、前記ケース部に供給された米飯に押圧作用して米飯を所定形態に成形する左右一対の押圧部材と、前記左右一対の押圧部材の下方に開閉可能に設けられ、閉じた状態で米飯を支持して前記左右一対の押圧部材とともに前記米飯を成形し、成形した米飯を開いた状態となることで米飯を送り出し、再度閉じた状態となることで送り出した米飯を切り離して米飯塊とするシャッター機構と、前記シャッター機構の下方に昇降可能に設けられ、前記シャッター機構から送り出される米飯を搬送面に受け、搬送面の高さによって前記米飯塊の厚みを調整する搬送部と、を有する米飯塊形成装置、である。
【0011】
本発明の第2の態様は、前記左右一対の押圧部材は、平面視で前記搬送部の搬送方向に直交する方向を回転軸方向とするとともに互いに近接配置された左右一対の回転押圧体であり、前記一対の回転押圧体は、互いの間の空間を米飯の成形空間とし、互いの対向側を下側に移動させる向きに回転することで、前記成形空間に上方から供給された米飯に作用するように設けられていることを特徴とする米飯塊形成装置、である。
【0012】
本発明の第3の態様は、前記回転押圧体は、中心軸方向を回転軸方向とした円筒状の部分であって周縁部に押圧壁面部を有する中央押圧部と、前記中央押圧部の中心軸方向の両側に設けられ、中心軸方向について前記中央押圧部側から端部側にかけて徐々に拡径した円錐台状の部分であって周縁部に米飯を押圧する複数の周縁コグ部を有する周縁押圧部と、を含むことを特徴とする米飯塊形成装置、である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、成形された米飯塊の米飯密度を一定にするとともに、米飯が本来有するふっくら感等の良好な食感を維持しつつ、米飯塊を成形する作業者の作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る米飯塊形成装置を示す前方斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る米飯塊形成装置を示す正面図である
【
図4】本発明の実施形態に係る米飯塊形成装置の米飯の移動を示す模式的な正面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る米飯塊形成装置の米飯塊形成部のケース部を示す側面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る米飯塊形成装置の米飯塊形成部のケース部を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る米飯塊形成装置の米飯塊形成部のケース部を示す平面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る回転押圧体を示す前方斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る回転押圧体を示す平面図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る米飯塊形成部を構成する回転押圧体と下側面部とシャッター機構を示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る米飯塊形成部を構成する回転押圧体と下側面部とシャッター機構を示す分解斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る米飯塊形成部により米飯塊を形成する手順を示す図であり、(a)はシャッター機構と回転押圧体とで米飯塊を形成する様子を示す図であり、(b)はシャッター機構を開放して米飯塊を搬送部に供給した状態を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る米飯塊形成部により米飯塊を形成する手順を示す模式的な正面図であり、(a)はシャッター機構を閉じて米飯塊を所定の厚みに形成した状態を示す図であり、(b)は切断された米飯塊を所定の方向に搬送する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、供給された米飯を所定の形態に成形する米飯圧縮成形部において、ホッパから供給された米飯を圧縮成形する押圧部材に対し、シャッター機構で一時的に支持された米飯に押圧作用して米飯を所定形態に成形する左右一対の回転押圧体を備えたことにより、成形した米飯塊の密度の均一化を図るとともに、米飯が本来有するふっくら感等の良好な食感を維持しつつ、米飯塊を成形する作業者の作業性を向上するものである。
【0016】
[米飯塊形成装置の全体構成]
まず、
図1から
図14を用いて、本実施形態に係る米飯塊形成装置1の全体的な構成について説明する。なお、米飯塊形成装置1においては、
図2の紙面に対して垂直な方向の手前方向および奥方向をそれぞれ前方および後方とし、
図2における左方および右方をそれぞれ左方および右方とする。
【0017】
図1および
図2に示すように、本実施形態に係る米飯塊形成装置1は、米飯2を所定量ずつ分けて米飯塊3(または米飯塊3X)として送り出すものであり、供給された米飯2を一時的に貯留して供給する米飯供給部4と、米飯供給部4から供給された米飯を所定量・所定密度の米飯塊3として送り出す米飯圧縮成形部5とを備える。また、米飯塊形成装置1は、米飯圧縮成形部5から送り出された米飯塊3を計量・成形しつつ搬出する搬出搬送部6を備える。米飯塊形成装置1は、床面7上に設置される。なお、米飯塊形成装置1は、米飯供給部4と米飯圧縮成形部5とが振り分け搬送部9により連結されている。
【0018】
米飯塊形成装置1は、米飯供給部4において供給された米飯2をほぐし、ほぐした米飯2を振り分け搬送部9を介して米飯圧縮成形部5に供給する。米飯塊形成装置1は、米飯圧縮成形部5において、米飯供給部4から供給された米飯2を受けて一時的に貯留しながら米飯2の密度を均一としつつ所定の形態に変態し、その後、所定の厚みに切断することで形成された米飯塊3を搬出搬送部6に供給する。米飯塊形成装置1は、搬出搬送部6において、米飯圧縮成形部5で所定の形態に変態した米飯塊3を計量し、所定の重量に満たない場合はその不足重量分を補填米飯2Xとして米飯塊3に補填し、補填米飯2Xを補填した後に米飯塊3の表面を押圧することで米飯塊3Xに成形し、後のおにぎり成形工程に所定の形態・密度に成形した米飯塊3Xを供給する。米飯塊3Xは、所定の形状を有する板状の米飯塊である。
【0019】
米飯塊形成装置1は、上記の各部を制御する制御部10(
図1参照)を備える。制御部10は、CPU、各種プログラムやデータなどを記憶したメモリ等を有し、米飯塊形成装置1が備える各種センサの出力等に基づいて、米飯塊形成装置1の各種動作部や各種駆動部などの駆動制御を含む全体的な制御を行う。
【0020】
米飯塊形成装置1は、外形的にボックス状に構成された筐体8を有する。筐体8の上側に米飯供給部4が設けられており、筐体8の前側に、米飯圧縮成形部5、搬出搬送部6、および振り分け搬送部9が設けられている。なお、搬出搬送部6および振り分け搬送部9は、筐体8の前方の位置から左右方向に延設されている。制御部10は、例えば、筐体8の外部に設けられている。ただし、制御部10は、筐体8の内部に設けられていてもよい。
【0021】
[米飯供給部の構成]
米飯供給部4の構成について、
図1から
図3を用いて説明する。米飯供給部4は、米飯2を一時的に貯留する貯留部としてのケース部11と、ケース部11内に設けられた搬送部としてのベルトコンベア12と、ケース部11に供給された米飯2をほぐすためのほぐし部材としてのほぐし用回転体13とを有する。
【0022】
ケース部11は、左右の側面部11aと、後面部11bと、底面部11cとを有し、これらの面部によって前側および上側を開放させた略ボックス状の部分として構成されている。ケース部11は、米飯2を貯留する貯留容器、いわゆるホッパとして機能する部分であり、上側の開放部から、炊き上がった米飯2の投入を受ける。
【0023】
ベルトコンベア12は、ケース部11に供給された米飯2を所定の方向に搬送してケース部11外に送り出すための構成である。ベルトコンベア12は、搬送方向を前後方向に沿わせ、後側から前側に向かう方向を搬送方向としている。
【0024】
ベルトコンベア12は、その搬送方向(以下「コンベア搬送方向」という。)の前後両端に設けられた支持ローラ14,15と、これらの支持ローラ14,15に対して巻回状態で設けられた無端状のコンベアベルト16とを有し、コンベアベルト16により略水平状の搬送面12aをなしている。ベルトコンベア12は、ケース部11内の下部に配設されており、平面視において、搬送面12aがケース部11内のスペースの略全体を占めるように設けられている。
【0025】
すなわち、ベルトコンベア12は、その搬送面12aの幅寸法を、ケース部11の左右の側面部11a間の間隔と略同じとするとともに、ベルトコンベア12の始端部をなす後側の支持ローラ15を、後面部11bの近傍に位置させ、ベルトコンベア12の終端部をなす前側の支持ローラ14を、底面部11cの前端位置の近傍に位置させている。なお、底面部11cの前端は、前後方向について、筐体8の前面部8aの近傍に位置している。ケース部11に投入された米飯2は、ベルトコンベア12の搬送面12a上に乗り、ベルトコンベア12により前方に向けて搬送される。
【0026】
ほぐし用回転体13は、ベルトコンベア12に対してコンベア搬送方向の前方に設けられ、ベルトコンベア12により搬送された米飯2にほぐし作用を与える部材である。ほぐし用回転体13は、平面視でコンベア搬送方向に直交する方向、すなわち左右方向を回転軸方向とする回転体である。
【0027】
ほぐし用回転体13は、ほぐし用回転体13の回転軸方向に延伸した回転軸部13aと、ほぐし用回転体13の回転軸部13aから一定距離離隔して回転軸部13aの左端部から右端部にかけて螺旋状に回転軸部13aを囲繞したスクリュー体13bとを含む。ほぐし用回転体13は、その回転軸部13aの中心軸を回転軸線に一致させ、左右の側面部11aの前部(延設部11d間)に架設された態様で回転可能に設けられている。ほぐし用回転体13は、回転軸部13aにより、左右の側面部11a間に支持されている。
【0028】
ほぐし用回転体13は、左右の側面部11aの間の略全体にわたる範囲で設けられている。ほぐし用回転体13は、米飯塊形成装置1の動作状態における回転方向を、左側面視において反時計方向(左回り方向)とする(
図3、矢印A1参照)。
【0029】
ほぐし用回転体13の回転軸部13aは、円形状の横断面形状をなす直線棒状の部分であり、細長い円柱面である外周面13cを有し、長手方向を左右方向に沿わせている。
【0030】
ほぐし用回転体13のスクリュー体13bは、ほぐし用回転体13の左端部から右端部にかけてほぐし用回転体13の外周面13cから、回転軸部13aの径方向に沿うように、つまり回転軸部13aの軸方向に垂直な平面に沿うように突設した支持部13dと、各支持部13dの先端部に連結した支持螺旋部13eと、支持螺旋部13eに沿うように支持螺旋部13eの径方向に突設した突起部13fとを有する。
【0031】
支持部13dは、ほぐし用回転体13の回転軸方向について、所定の間隔を隔てて複数本ずつ複数個所に設けられている。本実施形態では、回転軸部13aの左端から右端にかけて7箇所に2本ずつの支持部13dが設けられている。回転軸部13aの軸方向の各箇所における2本の支持部13dは、回転軸部13aの周方向について等間隔に設けられている。また、回転軸部13aの軸方向に隣り合う2本の支持部13d群同士は、回転軸部13aの中心軸方向視で、回転軸部13aの周方向について60°位相をずらしている。したがって、ほぐし用回転体13においては、回転軸方向視で、支持部13dが回転軸部13aの周方向について等間隔に6箇所に表れている。また、回転軸部13aの軸方向について、2本の支持部13dの位相を同じくする支持部13d群が交互に設けられている。
【0032】
ほぐし用回転体13は、ベルトコンベア12の前側の支持ローラ14の外径よりも大きめの外形を有する。本実施形態では、ほぐし用回転体13は、突起部13fを含む全体の外径を、ほぐし用回転体13の外径の大きさとしている。ただし、支持ローラ14に対するほぐし用回転体13の相対的な大きさは、本実施形態に限定されるものではない。
【0033】
ほぐし用回転体13は下端位置(突起部13fの回転軌跡の最下端の位置)を支持ローラ14の回動軸部14aと略同一水平面上に位置するように設けられ、突起部13fの先端とベルトコンベア12の搬送面12aとの間に米粒1粒程度の隙間を有するように設けられている。これにより、ほぐし用回転体13の突起部13f先端とベルトコンベア12の搬送面12aとの間で米飯2が圧潰する虞を低減している。
【0034】
ケース部11の前部には、ほぐし用回転体13の前方および上方を被覆する前部カバー部20が設けられている。前部カバー部20は、側面部11aの延設部11dの側面視形状に沿う面部を有する。
【0035】
具体的には、前部カバー部20は、鉛直状の面部である前面部20aと、傾斜状の面部である天面部20bとを有する。前部カバー部20は、前面部20aにより、ほぐし用回転体13の前方を覆っており、天面部20bにより、ほぐし用回転体13の上方を覆っている。前部カバー部20は、天面部20bの後端縁を、ベルトコンベア12の終端部、すなわち、前側の支持ローラ14の上方に位置させている。
【0036】
このように、ケース部11の左右の側面部11aの延設部11dと、前部カバー部20とにより、ほぐし用回転体13の収容空間21が形成されている。そして、収容空間21の下側に設けた開口部が、米飯供給部4から振り分け搬送部9に対する米飯2の供給口19となっている。
【0037】
以上のようにケース部11内にベルトコンベア12およびほぐし用回転体13を備えた米飯供給部4には、ベルトコンベア12により前方に搬送された米飯2をほぐし用回転体13に作用させるための米飯保持部材30を有する。米飯保持部材30は、ベルトコンベア12の上方であってほぐし用回転体13の後方に位置する。
【0038】
本実施形態の米飯塊形成装置1は、米飯保持部材30として、保持回転体31を有する。保持回転体31は、コンベア搬送方向の前側に設けられ、左右方向を回転軸方向とし、コンベア搬送方向に準じた方向に回転する。すなわち、保持回転体31は、左右方向を回転軸方向とし、ほぐし用回転体13と同一方向に回転する。
【0039】
保持回転体31は、保持回転体31の回転軸方向に延伸した回転軸部32と、保持回転体31の回転軸方向視で回転軸部32から保持回転体31の径方向の外側に向けて突設された複数の棒状のピン部33とを含む。保持回転体31は、その回転軸部32の中心軸を回転軸線に一致させ、左右の側面部11aの前部間(延設部11d間)に架設された態様で回転可能に設けられている。保持回転体31は、回転軸部32により、左右の側面部11a間に支持されている。
【0040】
保持回転体31は、ほぐし用回転体13等と同様に、左右方向について、左右の側面部11aの間の略全体にわたる範囲で設けられている。保持回転体31は、米飯塊形成装置1の動作状態における回転方向を、左側面視において反時計方向(左回り方向)とする(
図3、矢印A2参照)。つまり、保持回転体31は、ほぐし用回転体13と同じ方向に回転する。
【0041】
保持回転体31の回転軸部32は、円形状の横断面形状をなす直線棒状の部分であり、細長い円柱面である外周面32aを有し、長手方向を左右方向に沿わせている。
【0042】
保持回転体31のピン部33は、円形状の横断面形状をなす直線棒状の部分であり、回転軸部32の外周面32aから、回転軸部32の径方向に沿うように、つまり回転軸部32の軸方向に垂直な平面に沿うように突設されている。ピン部33の外径は、例えば、回転軸部32の外径の1/5から1/6程度である。
【0043】
ピン部33は、保持回転体31の回転軸方向について所定の間隔を隔てて複数本ずつ複数箇所に設けられている。本実施形態では、回転軸部32の左端から右端にかけて13箇所に4本ずつのピン部33が設けられている。回転軸部32の軸方向の各箇所における4本のピン部33は、回転軸部32の周方向について等間隔に設けられている。また、回転軸部32の軸方向に隣り合う4本のピン部33群同士は、回転軸部32の中心軸方向視で、回転軸部32の周方向について45°位相をずらしている。したがって、保持回転体31においては、回転軸方向視で、ピン部33が回転軸部32の周方向について等間隔に8箇所に表れている。また、回転軸部32の軸方向について、4本のピン部33の位相を同じくするピン部33群が交互に設けられている。
【0044】
保持回転体31は、ベルトコンベア12の前側の支持ローラ14の外径よりも小さい外形を有する。本実施形態では、保持回転体31は、ピン部33を含む全体の外径を、ほぐし用回転体13の外径よりも小さく形成している。ただし、ほぐし用回転体13、および支持ローラ14に対する保持回転体31の相対的な大きさは、本実施形態に限定されるものではない。
【0045】
保持回転体31の下端位置(ピン部33の回転軌跡における下端の位置)は、支持ローラ14の直上よりもやや後方であって、ベルトコンベア12の搬送面12aに対して隙間を隔てて設けられている。また、保持回転体31の上端位置は、ほぐし用回転体13の上端位置よりも低い位置であり、保持回転体31の回転軸線は、ほぐし用回転体13の回転軸線よりも高い位置に位置している。
【0046】
保持回転体31は、ベルトコンベア12の搬送面12aにおいて前方に移送中の米飯2に対して上側から作用し、搬送面12a上における米飯2の積層高さを制限しつつほぐし用回転体13に対して移送する。したがって、保持回転体31の回転方向は、ベルトコンベア12の搬送方向に準じて保持回転体31の回転軸方向視において時計回りの方向となる。
【0047】
保持回転体31は、搬送面12a上の米飯2に対し、ピン部33によってほぐし作用と積層高さの調整作用を与える。
【0048】
以上のように、米飯供給部4は、その前部において、ほぐし用回転体13および保持回転体31の2つの回転体を有する。これら2つの回転体は、モータ等の駆動源からの回転駆動力を、ギア等の動力伝達部材を介して受けることで回転駆動する。なお、2つの回転体は、それぞれが独立したモータ等の駆動源により、あるいはギアやチェーンおよびスプロケット等の動力伝達機構を介して回転体間で共用された駆動源により回転駆動する。2つの回転体を回転駆動させるためのモータ等の駆動源や動力伝達機構等は、例えば、筐体8内等に設けられている。
【0049】
米飯供給部4が有する2つの回転体の回転速度に関し、保持回転体31は、ベルトコンベア12の搬送速度に合わせた比較的遅い速度で回転する。つまり、保持回転体31は、ベルトコンベア12の支持ローラ14の回転速度と略同じ回転速度で回転する。これに対し、ほぐし用回転体13は、保持回転体31よりも速い速度で回転する。ほぐし用回転体13は、例えば、接触してきた米飯2を回転作用によって飛び散らせる程度に高速回転する。
【0050】
具体的には、保持回転体31の回転速度は、例えば、秒速数センチメートルである。これに対し、ほぐし用回転体13の回転速度は、例えば、2m/s程度である。ただし、これらの回転体の回転速度は可変であり、任意に設定される。
【0051】
[振り分け搬送部]
振り分け搬送部9の構成について、
図2から
図4を用いて説明する。振り分け搬送部9は、米飯供給部4の供給口19から落下供給された米飯2を、所定の形態に圧縮成形する米飯圧縮成形部5と、米飯圧縮成形部5で圧縮成形された米飯塊3の不足重量分を補填米飯2Xとして米飯塊3に補填する搬出搬送部6とのいずれかに振り分けるための米飯2の搬送振り分け部である。振り分け搬送部9は、米飯供給部4の供給口19に連結した米飯流通路90と、米飯流通路90の下端部に連結して米飯流通路90から落下供給された米飯2を米飯圧縮成形部5と搬出搬送部6の何れかに米飯2を振り分けるための振り分け搬送路91とを有する。
【0052】
米飯流通路90は、左右の側面部90aと、前面部90bと、後面部90cを有し、これらの面部によって上側および下側を開放させた略ボックス状の部分として構成されている。米飯流通路90は、米飯供給部4の供給口19から供給された米飯2を所定の場所まで搬送する部分である。
【0053】
米飯流通路90は、各面部について上方から下方に向かうに連れて漸次接近するように傾斜状に設けられている。左右の側面部90aは、左右端部の位置を、それぞれケース部11の左右の側面部11aに合わせ、各側面部11aの延設部11dの下側に設けられている。つまり、左右の側面部90aは、左右の側面部11aの前側の部分(延設部11d)を下方に向けて延長させた態様で設けられている。左右の側面部90aは、正面視略直角三角形状の壁状部分であり、傾斜面部を有する。
【0054】
前面部90bおよび後面部90cは、左側面部90aおよび右側面部90aの前側端面部間および後側端面部間に架設された面部であり、前後方向に対向して設けられている。前面部90bは、前部カバー部20の前面部20aの下端縁部の下側に設けられている。後面部90cは、ケース部11の底面部11cの前端縁部に連結するように設けられている。前面部90bおよび後面部90cは、いずれも側面視略直角三角形状の壁状部分であり、左右の側面部11aと同様に米飯2を転動落下させるための傾斜面部を有する。
【0055】
以上のように米飯流通路90は形成されており、各面部について下方に向かうに連れて漸次接近する傾斜状に設けられたことにより、供給口19から落下する米飯2に対して落下による衝撃を与えないようにしている。すなわち、供給口19から供給された米飯2は、米飯流通路90の各面部が有する各傾斜面部に沿って転動することにより、供給口19からの垂直落下による衝撃を受けることなく振り分け搬送路91に到達する。
【0056】
振り分け搬送路91は、米飯流通路90から供給される米飯2を搬出搬送部6または米飯圧縮成形部5のいずれかに振り分けるための米飯2の振り分け搬送機構である。振り分け搬送路91は、米飯圧縮成形部5に米飯2を搬送するための搬送路としてのハウジング部92と、ハウジング部92内に設けられた振り分け機構93と、同じくハウジング部92内に設けられた移送コンベア94と、同じくハウジング部92内に設けられ移送コンベア94の右端部近傍に設けた転圧回転体95および中間ほぐし用回転体96とを有する。
【0057】
ハウジング部92は、右側壁部92a、前壁部92b、および後壁部92cを有し、これらの壁部により、左側面部および上下面部を開放したボックス状に構成されている。ハウジング部92は、その上側の開口部を米飯流通路90の下部開口部に連結している。また、ハウジング部92は、開口した左側面部を閉塞するように振り分け機構93が設けられている。すなわち、ハウジング部92は、左側面部に設けた振り分け機構93により、米飯流通路90から供給された米飯2がハウジング部92の左側面部からハウジング部92の外部に排出されることを規制している。
【0058】
前壁部92bおよび後壁部92cは、正面視において略方形状に設けた面部であり、前後方向に対向して設けられている。前壁部92bは、前部カバー部20を構成する前面部20aの下側に設けられている。後壁部92cは、筐体8の前面部8aの前方に位置している。
【0059】
右側壁部92aは、前壁部92bおよび後壁部92cの右側端縁部間に架設された面部であり、ケース部11の右側面部11aよりも右側に設けられている。つまり、ハウジング部92の中心部は、ケース部11の供給口19の中心部から右側に偏心した位置に設けられており、ケース部11の右側面部11aの下方にハウジング部92から米飯圧縮成形部5に米飯2を供給する供給口が位置している。
【0060】
振り分け機構93は、米飯流通路90から供給される米飯2を米飯圧縮成形部5に搬送するための移送コンベア94、または搬出搬送部6の補填機構62に米飯2を供給するための補填コンベア97に振り分けるための米飯2の振り分け機構である。振り分け機構93は、前壁部92bおよび後壁部92cの左側端縁部近傍に回動可能に左右方向に傾斜状に設けられたフリッパ体93aからなる。フリッパ体93aは、米飯流通路90を構成する左側面部90aの傾斜面部と正面視における傾斜角度が略同一となるように構成しており、フリッパ体93aの回動前の状態において、左側面部90aの傾斜面部と略同一平面をなすように傾斜している。
【0061】
フリッパ体93aは、前後方向に伸延した回動軸部93bと、回動軸部93bを中心として左右方向に回動可能に設けたフリッパ部93cを有する。回動軸部93bは、後壁部92cから前方に伸延した円柱状の部材である。
【0062】
フリッパ部93cは、回動軸部93bに軸支している。フリッパ部93cは、正面視において、回動軸部93bに軸支した基端部側から先端部側にかけて漸次左右幅員が狭くなる略しずく状に形成されている。フリッパ部93cは、回動軸部93bの軸方向視において、回動軸部93bを中心として左右方向に回動可能に設けられている。フリッパ部93cは、左方向に対する回動限界を左側面部90aの傾斜面部とフリッパ部93cの傾斜面部とが面一となる位置とし、また、右側の回動限界を鉛直面とのなす角度が30度となる位置としている。このようにフリッパ部93cを回動軸部93bを中心として左右方向に回動可能とする構成により、左側面部90aの傾斜面部に沿って落下する米飯2が左側面部90aの傾斜面部とフリッパ部93cの上端部との間に挟まり、フリッパ部93cの前端部に残留する虞を可及的に低減している。また、フリッパ部93cは、
図2に示すように、回動軸部93bを中心として右側に回動した際には、ハウジング部92の左側壁部を開放して、左側面部90aの傾斜面部に沿って降下する米飯2を搬出搬送部6の補填機構62に米飯2を供給する補填コンベア97に振り分けることができる。
【0063】
移送コンベア94は、供給口19から落下供給された米飯2を米飯圧縮成形部5に搬送してハウジング部92外に送り出すための構成である。移送コンベア94は、搬送方向を左右方向に沿わせ、左側から右側に向かう方向(
図2における右方向)を搬送方向としている。
【0064】
移送コンベア94は、その搬送方向の前後両端に設けられた支持ローラ94a,94bと、これらの支持ローラ94a,94bに対して巻回状態で設けられた無端状のコンベアベルト94cを有し、コンベアベルト94cにより略水平状の搬送面94dをなしている。移送コンベア94は、ハウジング部92内の下部に配設されており、平面視において、搬送面94dがハウジング部92内のスペースの略全体を占めるように設けられている。
【0065】
すなわち、移送コンベア94は、その搬送面94dの幅寸法を、ハウジング部92の前壁部92bおよび後壁部92c間の間隔と略同じとするとともに、コンベアベルト94cの始端部をなす左側の支持ローラ94aを、前後面部の左端部の近傍に位置させている。移送コンベア94に投入された米飯2は、移送コンベア94の搬送面94d上に乗り、移送コンベア94により右方向に向けて搬送される。
【0066】
中間ほぐし用回転体96は、移送コンベア94に対してコンベア搬送方向の前方に設けられ、移送コンベア94により搬送された米飯2にほぐし作用を与える部材である。中間ほぐし用回転体96は、平面視で移送コンベア94の搬送方向に直交する方向、すなわち左右方向を回転方向とする回転体である。なお、
図4は、中間ほぐし用回転体96を省略して図示している。
【0067】
中間ほぐし用回転体96は、中間ほぐし用回転体96の回転軸方向に延伸した回転軸部96aと、中間ほぐし用回転体96の回転軸部96aから一定距離離隔して回転軸部96aの前端部から後端部にかけて螺旋状に囲繞したスクリュー体96bとを含む。中間ほぐし用回転体96は、その回転軸部96aの中心軸を回転軸線に一致させ、ハウジング部92の前壁部92bおよび後壁部92cに架設された態様で回転可能に設けられている。中間ほぐし用回転体96は、回転軸部96aにより、前壁部92bおよび後壁部92c間に支持されている。
【0068】
中間ほぐし用回転体96は、前後方向について、前壁部92bおよび後壁部92cの間の略全体にわたる範囲で設けられている。中間ほぐし用回転体96は、米飯塊形成装置1の動作状態における回転方向を、正面視において反時計方向(左回り方向)とする(
図4、矢印A3参照)。
【0069】
中間ほぐし用回転体96の回転軸部96aは、円形状の横断面形状をなす直線棒状の部分であり、長手方向を前後方向に沿わせている。
【0070】
中間ほぐし用回転体96のスクリュー体96bは、中間ほぐし用回転体96の後端部から前端部にかけて中間ほぐし用回転体96の外周面から、回転軸部96aの径方向に沿うように、すなわち、回転軸部96aの軸方向に垂直な平面に沿うように突設した支持部96cと、各支持部96cの先端部に連結した支持螺旋部96dと、支持螺旋部96dに沿うように支持螺旋部96dの径方向に突設した突起部96eを有する。
【0071】
支持部96cは、中間ほぐし用回転体96の回転軸方向について所定の間隔を隔てて複数本ずつ複数個所に設けられている。本実施形態では、回転軸部96aの後端から前端にかけて6箇所に2本ずつの支持部96cが設けられている。回転軸部96aの軸方向の各箇所における2本の支持部96cは、回転軸部96aの周方向について等間隔に設けられている。また、回転軸部96aの軸方向に隣り合う2本の支持部96c群同士は、回転軸部96aの回転軸方向視で、回転軸部96aが重なり合うように設けられている。すなわち、支持部96cは、
図4に示すように、軸方向視において、回転軸部96aの外周面から上下に2本の直線状に伸延している。また、回転軸部96aの軸方向について、2本の支持部96cの位相を同じくする支持部96c群が設けられている。すなわち、支持部96cは、正面視において、重畳して設けられている。
【0072】
中間ほぐし用回転体96は、移送コンベア94の前側の支持ローラ94bの外径よりも大径の外形を有する。本実施形態では、中間ほぐし用回転体96は、突起部96eを含む全体の外径を、ほぐし用回転体13の略1/2の外径としている。ただし、支持ローラ94bに対する中間ほぐし用回転体96の相対的な大きさは、本実施形態に限定されるものではない。
【0073】
中間ほぐし用回転体96は、下端位置(突起部96eの回転軌跡の下端の位置)を支持ローラ94bの回動軸部と略同一水平面に位置するように設けられている。中間ほぐし用回転体96は、突起部96eが搬送面94dに対して若干の隙間を有するように設けられている。
【0074】
本実施形態の振り分け搬送部9は、移送コンベア94の搬送面94d上に積層された米飯2の積層高さを制御するための転圧回転体95を有する。転圧回転体95は、移送コンベア94の米飯2の右端部近傍の上方に設けられ、前後方向を回転軸方向とし、移送コンベア94の搬送方向に準じた方向に回転する。すなわち、転圧回転体95は、前後方向を回転軸方向とし、前述の中間ほぐし用回転体96と同じ方向に回転する。
【0075】
転圧回転体95は、転圧回転体95の回転軸方向に延伸した回転軸部95aと、回転軸部95aに回動可能に支持された本体部95bを有する。転圧回転体95は、その回転軸部95aの中心軸を回転軸線に一致させ、前壁部92bおよび後壁部92cに架設された態様で回転可能に設けられている。転圧回転体95は、回転軸部95aにより、前壁部92bおよび後壁部92cの間に支持されている。
【0076】
転圧回転体95は、中間ほぐし用回転体96等と同様に、前後方向について、前壁部92bおよび後壁部92cの間の略全体にわたる範囲で設けられている。転圧回転体95は、米飯塊形成装置1の動作状態における回転方向を、回転軸部95aの軸方向視において、反時計方向(左回り方向)とする(
図4、矢印A4参照)。つまり、転圧回転体95は、中間ほぐし用回転体96と同じ方向に回転する。
【0077】
転圧回転体95は、本体部95bの外周面部に、移送コンベア94の搬送面94d上に積層した米飯2を解しつつ、搬送面94d上に積層した米飯2の積層高さを調整するための突起部を転圧回転体95の外周面部の全周にわたり設けている。
【0078】
転圧回転体95は、移送コンベア94の右側の支持ローラ94bと略同一の外径を有する。ただし、中間ほぐし用回転体96、支持ローラ94bに対する転圧回転体95の相対的な大きさは、本実施形態に限定されるものではない。
【0079】
転圧回転体95は、移送コンベア94の搬送面94dに載置されて移送中の米飯2に対して上側から作用し、搬送面94d上における米飯2の積層高さを制限しつつ移送する。したがって、転圧回転体95の回転方向は、移送コンベア94の搬送方向に準じて転圧回転体95の回転軸方向視において反時計回りの方向となる。
【0080】
転圧回転体95は、搬送面94d上の米飯2に対し、突起部によってほぐし作用と積層高さの調整作用を与える。
【0081】
以上のように、振り分け搬送部9は、移送コンベア94の搬送方向の前部において、中間ほぐし用回転体96および転圧回転体95の2つの回転体を有する。これら2つの回転体は、モータ等の駆動源からの回転駆動力を、ギア等の動力伝達部材を介して受けることで回転駆動する。なお、2つの回転体は、それぞれが独立したモータ等の駆動源により、あるいはギアやチェーンおよびスプロケット等の動力伝達機構を介して回転体間で共用された駆動源により回転駆動する。2つの回転体を回転駆動させるためのモータ等の駆動源や動力伝達機構等は、例えば、筐体8内等に設けられている。
【0082】
振り分け搬送部9が有する2つの回転体の回転速度に関し、転圧回転体95は、移送コンベア94の搬送速度に合わせた比較的遅い速度で回転する。つまり、転圧回転体95は、移送コンベア94の支持ローラ94a,94bの回転速度と略同じ回転速度で回転する。これに対し、中間ほぐし用回転体96は、転圧回転体95よりも速い速度で回転する。中間ほぐし用回転体96は、例えば、接触してきた米飯2を回転作用によって飛び散らせる程度に高速回転する。
【0083】
具体的には、転圧回転体95の回転速度は、例えば、秒速数センチメートルである。これに対し、中間ほぐし用回転体96の回転速度は、例えば、2m/s程度である。ただし、これらの回転体の回転速度は可変であり、任意に設定される。
【0084】
[米飯圧縮成形部5について]
米飯圧縮成形部5の構成について、
図4から
図12を用いて説明する。米飯圧縮成形部5は、振り分け搬送部9から供給された米飯2を所定の形態に圧縮して略一定の密度に成形された米飯塊3を製造するための部分である。米飯圧縮成形部5は、米飯2を一時的に貯留する米飯2の貯留部としてのケース部50と、ケース部50内に供給された米飯2を所定の形態に押圧成形する左右一対に設けた押圧部材としての回転押圧体51と、ケース部50内に供給された米飯2の支持と米飯2を所定の厚みに切断して米飯塊3とするシャッター機構52と、ケース部50の下方に設けられ形成される米飯塊3の厚みを調整するために昇降自在に構成した搬送部としての搬送コンベア53とを有する。
【0085】
ケース部50は、左右の側面部50aと、前面部50bと後面部50cとを有し、これらの面部によって上側および下側を開放させた略ボックス状の部分として構成されている。ケース部50は、米飯供給部4および振り分け搬送部9でほぐされながら搬送されてきた米飯2を所定の場所まで誘導する部分であり、振り分け搬送部9の供給口から米飯2の投入を受ける。
【0086】
ケース部50を構成する各面部は、平面視において、各面部の内側面において上下方向に沿う溝状の部分であって半円弧状の横断面形状をなす複数の凹部50dを有する。凹部50d群は、各面部において、前後または左右方向に一定の間隔で設けられている。凹部50dは、例えば、前面部50bおよび後面部50cでは左右方向に一定の間隔で設けられ、左右側面部50aでは、前後方向に一定の間隔で設けられている。凹部50dは、各面部において、ケース部50の上側から投入された米飯2が通過する面部にわたり形成されており、ケース部50内を通過する米飯2が各面部の壁面に接着することを防止している。すなわち、ケース部50は、米飯2が通過する面部に半円弧状の複数の凹部50dを形成することで、ケース部50の各面部においてケース部50内を通過する米飯2との接触面積が小さくなり、ケース部50内を通過する米飯2がケース部50の各面部の壁面に接着してケース部50内に残留する虞を可及的に低減している。なお、前面部50bおよび後面部50cに形成した凹部50dは、側面部50aに設けた凹部50dと平面視における形態が同一であるため、図示を省略する。
【0087】
前面部50bおよび後面部50cは、正面視において、略方形状に設けられた面部であり、前後方向に対向して設けられている。前面部50bは、移送コンベア94の前端部の下側に設けられている。後面部50cは、筐体8の前面部8aに支持固定されている。
【0088】
左側の側面部50aは、前面部50bおよび後面部50cの左側端縁部間に架設された面部であり、側面視において略方形状に形成した側面部本体50eと、側面部本体50eの上端部から対向する右側の側面部50aに向けて水平状に伸延した上側面部50fと、側面部本体50eの下端部から対向する右側面部50aに向けて水平状に伸延した下側面部50gとを有する。左側の側面部50aにおける上側面部50fと下側面部50gとは、平行状に対向して設けられている。
【0089】
上側面部50fは、側面部本体50eに連結した支持部50kと、支持部50kの先端に連結した先端部50mとを有する。上側面部50fは、平面視において、支持部50kと先端部50mにより略‘T’字状に形成されている。支持部50kは、略方形平板状に形成された面部である。先端部50mは、米飯2が通過する内壁面において、上下方向に沿うように半円弧状の凹部50dを有する。凹部50dは、内壁面の前後方向にわたり一定の間隔で設けられている。これにより、ケース部50内を通過する米飯2が内壁面に接着することを防止している。すなわち、上側面部50fは、米飯2が通過する内壁面に半円弧状の凹部50dを有することにより、通過する米飯2との接触面積が小さくなり、上側面部50fの内壁面を通過する米飯2が内壁面に付着してケース部50内に残留する虞を可及的に低減している。なお、凹部50dは、
図7の平面図に示すように、半円弧状に形成されている。
【0090】
下側面部50gは、平面視において略方形状に形成された板状の部分であり、前後端部近傍の中央部に設けた凹部50g1と、右端部に設けた内壁面部50g2とを有する。凹部50dは、回転押圧体51と干渉しないように回転押圧体51の外形に沿うように形成されている。内壁面部50g2は、米飯2が通過する内壁面において、上下方向に沿うように半円弧状の凹部50dを有する。凹部50dは、内壁面部50g2の前後方向にわたり一定の間隔で設けられており、ケース部50内を通過する米飯2が各面部の壁面に接着することを防止する。すなわち、下側面部50gは、米飯2が通過する内壁面部50g2に半円弧状の凹部50dを有する構成により、ケース部50内を通過する米飯2との接触面積を小さくして、下側面部50gの内壁面部50g2の近傍を落下する米飯2が内壁面部50g2に付着してケース部50内に残留する虞を可及的に低減している。
【0091】
このように形成した左側の側面部50aに対向するように右側の側面部50aが設けられている。右側の側面部50aは、前面部50bおよび後面部50cの右側端部間に架設された面部であり、側面視において略方形状に設けた側面部本体50eと、側面部本体50eの上端部から対向する左側の側面部50aに向けて水平状に伸延した上側面部50fと、側面部本体50eの下端部から対向する左側の側面部50aに向けて水平状に伸延した下側面部50gを有する。なお、各面部の具体的な態様は、上述した左側の側面部50aにおける上側面部50fおよび下側面部50gと対称に表れるため、詳細の説明を省略する。
【0092】
左右側の側面部50aにおける側面部本体50e、上側面部50f、および下側面部50gで囲われた空間には、ケース部50に投入された米飯2を押圧する押圧部材として左右一対の回転押圧体51を設けている。左右一対の回転押圧体51として、正面視において、ケース部50の右側に設けた第1の回転押圧体51Rと、左側に設けた第2の回転押圧体51Lとが設けられている。回転押圧体51は、回転押圧体51の回転軸方向に延伸した回転軸部51aと、回転押圧体51の前後略中央部に位置する中央押圧部51bと、中央押圧部51bの前後両側に設けられた周縁押圧部51cとを有する。
【0093】
回転押圧体51は、その回転軸部51aの中心軸を回転軸線に一致させ、ケース部50の前面部50bおよび後面部50c間に架設された態様で設けられている。回転押圧体51は、回転軸部51aにより、前面部50bおよび後面部50c間に回動自在に支持されている。
【0094】
回転押圧体51は、前後方向について、前面部50bおよび後面部50c間の略全体にわたる範囲で設けられている。第1の回転押圧体51Rは、米飯塊形成装置1の動作状態における回転方向を正面視で反時計方向(左回り方向)とする(
図4、矢印A5参照)。また、第2の回転押圧体51Lは、米飯塊形成装置1の動作状態における回転方向を正面視で時計方向(右回り方向)とする(
図4、矢印A6参照)。
【0095】
回転押圧体51の回転軸部51aは、横断面形状を円形状とする直線棒状の部分であり、長手方向を前後方向に沿わせた細長い円柱状に形成されている。
【0096】
回転押圧体51の中央押圧部51bは、横断面形状を略円形状とする前後方向を中心軸方向とした円筒状に形成されている。中央押圧部51bは、回転軸部51aと一体に形成され、外周面に沿うように複数の米飯成形用凹部51dを有する。米飯成形用凹部51dは、回転押圧体51の回転軸方向(前後方向)を長手方向とした長手状の凹部であり、回転押圧体51の外周面の周方向に連続するように同外周面の略全体にわたって一定の間隔で設けられている。
【0097】
米飯成形用凹部51dは、
図8から
図10に示すように、米飯成形用凹部51dの平面的な形状をなす平面部51gと、回転押圧体51の回動方向に対して後部側の縁部に沿った押圧面部51eとを有する。平面部51gは、中央押圧部51bの外形が沿う円筒面に対して、中央押圧部51bの周方向について回転押圧体51の回転方向の前側から後側にかけて下る斜面となっている。押圧面部51eは、中央押圧部51bの外形が沿う円筒面に対して平面部51gが下った分の段差面である。中央押圧部51bは、平面部51gおよび押圧面部51eにより形成された米飯成形用凹部51dを周方向について連続的に設けた構成により、横断面視において、外周部に刈払い機の刈刃のような凹凸形状を有する。
【0098】
平面部51gは、平面視において、略かまぼこ状に形成されており、回転押圧体51の回転方向における前側の縁部を前後方向に沿う直線状の前縁部51hとし、回転押圧体51の回転方向における後側の縁部を、前後方向に沿う直線状の部分およびその直線状の部分の両側の湾曲状の部分を有する後端部51kとしている。平面部51gおよび押圧面部51eによる凹凸形状において、前縁部51hが稜線部となり、後端部51kが谷線部となる。したがって、
図10に示す中央押圧部51bの横断面視において、前縁部51hは、平面部51gおよび押圧面部51eによる頂部となり、後端部51kは、平面部51gおよび押圧面部51eによる谷部となる。
【0099】
押圧壁面部51eは、平面部51gの後端部51kに沿って平面部51gから略垂直状に立ち上がるように形成されている。すなわち、押圧壁面部51eは、平面視において、かまぼこ形状の外周面に沿う形態に形成されている。押圧壁面部51eは、前後方向の中間部分である直線部51mと、直線部51mの前後端部からそれぞれ円弧状に伸延し、その先端部を、平面部51gの前端部51hの前後端部にそれぞれ繋げた円弧部51nとを有し、後端部51kの形状に沿った形状を有する。円弧部51nは、平面視において、略四半円状に形成されている。
【0100】
直線部51mは、前後長を中央押圧部51bの前後幅員と比較して、略2/3の長さに形成している。また、押圧壁面部51eは、直線部51mにおいて、平面部51gの後端部51kから米粒1粒の厚み(略2mm)と略同等の高さに形成している。この押圧壁面部51eの直線部51mにおける高さは、米飯成形用凹部51dの深さであり、
図10に示す中央押圧部51bの横断面視における押圧壁面部51eの長さとなる。直線部51mは、回転押圧体51の回動方向に対して扁平な方形状の平面をなしている。円弧部51nは、直線部51mの前後端部から平面部51gの前端部51hにかけて漸次押圧壁面部51eの高さが低くなるように形成している。このように形成した中央押圧部51bの前後端部には、周縁押圧部51cを連設している。
【0101】
周縁押圧部51cは、
図9に示すように、中央押圧部51bに連結した基端部から先端部にかけて漸次外径を拡径した円錐台状に形成している。したがって、回転押圧体51は、円筒状の外形を有する部分である中央押圧部51bと、その中心軸方向の両側に設けられた円錐台状の外形を有する部分である周縁押圧部51cにより、全体として鼓状の外形を有する。周縁押圧部51cは、円錐状の外周面に沿うように、回転押圧体51の中心軸方向視で放射状に伸延した多数の周縁コグ部51fを有する。周縁コグ部51fは、周縁押圧部51cの縮径側の端部から拡径側の端部にかけて延伸した直線状の突条部であり、周縁押圧部51cの周面の周方向について全周にわたって連続的に多数形成されている。周縁コグ部51fは、横断面視において略台形状であって、回転押圧体51の回転方向下手側の面を回転軸部51aの円周面に対して略直交する面とするように形成している。これにより、ケース部50に投入され後述するシャッター機構52で支持された米飯2を回転押圧体51の中央押圧部51bおよび周縁押圧部51cとで押圧して米飯2を一定の密度に形成することができる。
【0102】
上述した左側の回転押圧体51の右方には、ケース部50の左右中央部を通過する矢状面を中心として面対称に右側の回転押圧体51を設けている。左右の回転押圧体51は、その回転軸部51aを共通の水平面上に設けている。また、左側の回転押圧体51(51L)と右側の回転押圧体51(51R)とは、周縁押圧部51cの拡径側の端部同士を近接させた状態で一定距離離隔して設けられている。左右の回転押圧体51間には、
図9に示すように、平面視において、左右方向に互いに対向する回転軸部51aの外周面部と、回転軸部51aの中心軸方向の両側において左右方向に隣り合う中央押圧部51bの外周面部とにより、略六角形状の空間部が形成されており、この空間部が米飯2の成形空間58となる。この左右の回転押圧体51間の成形空間58の平面視形状は、米飯塊3の平面視外形に対応した形状となる。
【0103】
シャッター機構52は、回転押圧体51の下方であってケース部50の下端部近傍に設けられている。シャッター機構52は、左右スライド開閉タイプの開閉機構であり、その開閉動作によってケース部50の下端部に設けた排出口54を開閉する。シャッター機構52は、対向した左右のシャッター機構52が近接離反可能に設けられている。
【0104】
シャッター機構52は、ケース部50の後面部50cから前方に向けて水平状に伸延した移動支持部55と、移動支持部55の伸延方向に直交する向きに伸延したシャッター部56とを有する。
【0105】
移動支持部55は、ケース部50を構成する後面部50cの背面側、すなわち、筐体8内に設けた移動手段により、左右方向に移動可能に構成している。移動支持部55は、シャッター部56を支持するシャッター支持部55aと、シャッター支持部55aの先端部に突設した水平維持部55bを有する。
【0106】
シャッター支持部55aは、平面視において、ケース部50の後面部50cから前面部50bにわたり伸延しており、横断面視において、略方形状に形成されている。シャッター支持部55aは、他のシャッター支持部55aとの対向面にシャッター部56を連結している。水平維持部55bは、横断面視において略円形状に形成されている。水平維持部55bは、先端部を前面部50bの背面に設けた支持凹部に挿通している。すなわち、移動支持部55は、シャッター支持部55aの基端部を移動手段に連結し、先端部の水平維持部55bを前面部50bの支持凹部に挿通することにより、水平状態を維持しながら左右方向に移動可能に構成している。
【0107】
シャッター部56は、ケース部50内に落下投入された米飯2の一時的な支持と、左右の回転押圧体51で一定の密度に押圧成形された米飯2を所定の厚みに切断するための米飯2の支持切断部材である。
【0108】
シャッター部56は、ケース部50に落下投入された米飯2を一時的に支持する米飯支持部56aと、米飯支持部56aの先端部に連結した米飯2を一定の厚みの米飯塊3に切断するための切り離し部56bを有する。
【0109】
米飯支持部56aは、移動支持部55の伸延方向に沿って一定の間隔で複数設けられている。米飯支持部56aは、左右方向に沿うように水平状に伸延した円柱状の部材であり、隣接する米飯支持部56aとの間に櫛歯開口部56cを有する。櫛歯開口部56cは、平面視において、米飯支持部56aの前後幅員よりもその幅員を大きく設定している。つまり、櫛歯開口部56cは、対向配置したシャッター部56の米飯支持部56aが侵入した際に、一方の移動支持部55の米飯支持部56aと他方の移動支持部55の米飯支持部56aとの間に形成される隙間を1粒の米飯が通過することができない程度の隙間となるように構成している。これにより、左右のシャッター部56がケース部50の排出口54を閉塞した態様において、米飯2を下方に落下させることなくシャッター部56上に支持することができる。米飯支持部56aの先端部には、切り離し部56bを延設している。
【0110】
切り離し部56bは、米飯支持部56aに連結した基端部から先端部にかけて漸次外径が小さくなる略円錐台状に形成されており、その先端部を半球体状に形成している。これにより、切り離し部56bは、搬送コンベア53上に積層した米飯2を左右のシャッター機構52を接近して米飯2を切断する際に、シャッター部56の先端部で米飯2の粒が切断される虞を可及的に低減している。
【0111】
このように形成したシャッター部56は、ケース部50の矢状面を中心として左右対称に設けられている。左右のシャッター部56は、シャッター支持部55aを構成する移動支持部55にそれぞれ連結されており、移動支持部55がケース部50の中央部に移動した際に左右のシャッター部56が干渉することがないように米飯支持部56aが互い違いに設けられている。すなわち、一方の米飯支持部56aが有する櫛歯開口部56cに他方の米飯支持部56aが挿入され、また、他方の米飯支持部56aが有する櫛歯開口部56cに一方の米飯支持部56aが挿入できるように米飯支持部56aが設けられている。また、上述した通り、一方のシャッター部56を構成する米飯支持部56aの外径と他方のシャッター部56を構成する櫛歯開口部56cとを比較すると、櫛歯開口部56cが米飯支持部56aよりも若干大きく形成されている。つまり、他方のシャッター部56における櫛歯開口部56cに一方のシャッター部56における米飯支持部56aが挿通された状態において、一方の櫛歯開口部56cと他方の米飯支持部56aとの間に形成される隙間が米飯2の1粒の幅員よりも小さくなるように構成している。これにより、ケース部50の排出口54をシャッター機構52で閉塞した態様において、左右のシャッター部56により米飯2がケース部50内で支持される。
【0112】
このように構成したシャッター機構52の下方には、搬送コンベア53を設けている。
搬送コンベア53は、ケース部50内で所定の密度に押圧成形された米飯2を所定の厚みに分割して米飯塊3を形成し、形成した米飯塊3を搬出搬送部6に送り出すための米飯塊3の厚み調整搬送部である。搬送コンベア53は、搬送方向を左右方向に沿わせ、右側から左側に向かう方向を搬送方向としている。
【0113】
搬送コンベア53は、支持台座部53aと、コンベア搬送方向の左右両端に設けられ支持台座部53aに連結した左右の支持ローラ53d,53eと、これらの支持ローラ53d,53eに対して巻回状態で設けられた無端状のコンベアベルト53fとを有し、コンベアベルト53fにより略水平状の搬送面53gをなしている。
【0114】
支持台座部53aは、平面視において方形状の水平部53bと、水平部53bの後端部から上方に略90度屈曲して伸延した正面視において方形状の鉛直部53cとを有する(
図3参照)。支持台座部53aは、水平部53bと鉛直部53cとにより側面視において略“L”字状に形成している。水平部53bは、底面部の左右2か所に昇降ロッド57を連結している。昇降ロッド57は、下端部を昇降手段に連結し、昇降可能としている。支持台座部53aは、昇降ロッド57の昇降動作により搬送面53gの水平状態を維持しつつ搬送コンベア53を昇降自在としている。
【0115】
鉛直部53cの上端部近傍には、鉛直部53cの左右端部にわたり設けられた、図示しない、方形板状の支持体を連結している。左右の支持ローラ53d,53eは、鉛直部53cの上端部近傍に設けた支持体の前面から前方に向けて突設している。
【0116】
このように構成した搬送コンベア53は、昇降ロッド57により昇降自在に構成されており、搬送コンベア53が上昇した際のコンベアベルト53fの搬送面53gとケース部50の排出口54との間に形成されるスペースが成形される米飯塊3の厚みとなる。すなわち、搬送コンベア53を上昇して排出口54から米飯塊3の自重および左右一対の回転押圧体51(51R,51L)の回動により下方に落下供給された米飯2を搬送コンベア53の搬送面53gで支持し、搬送面53gに積層した米飯2を左右のシャッター機構52を近接して切断することにより所定の厚みおよび重量を有する米飯塊3を形成できる。
【0117】
このように形成した搬送コンベア53の搬送方向の後方側には、搬出搬送部6を設けている。搬出搬送部6は、米飯圧縮成形部5で成形された米飯塊3の重量を計量する計量部60と、計量部60で計量された米飯塊3が所定重量に満たない場合にその不足重量分の米飯2を補填して再度成形する補填成形部61とを有する。
【0118】
計量部60は、米飯塊3を所定方向に搬送するための計量コンベア60aと、計量コンベア60aに載置した米飯塊3を計量するためのロードセルを有する。計量コンベア60aは、その搬送方向の前後両端に設けられた支持ローラ60b,60cと、これらの支持ローラ60b,60cに対して巻回状態で設けられた無端状のコンベアベルト60dとを有し、コンベアベルト60dにより略水平状の搬送面60eをなしている。計量コンベア60aは、搬送方向における前後両端に設けられた支持ローラ60b,60cの基端部にコンベアベルト60dの搬送面60eに載置された米飯塊3を計量するための計量装置としてのロードセルを連結している。ロードセルにより検出された米飯塊3の荷重は、電気信号に変換されて出力される。ロードセルからの出力信号は、制御部10に入力される。搬送面60eにおいて、ロードセルにより得られた米飯2の重量についての情報は、補填成形部61の動作制御に用いられる。
【0119】
計量コンベア60aにて計量された米飯塊3は、搬送方向における前後両端に設けられた支持ローラ60b,60cを回動してコンベアベルト60dの搬送面60eを搬送方向に移動させることにより補填成形部61の成形コンベア61aに移送される。なお、計量コンベア60aの搬送面60eは、正面視において、成形コンベア61aの搬送面61eよりも上方に位置している。これにより、ロードセルで計量後の米飯塊3は、計量コンベア60aの終端部から成形コンベア61aに水平投射されるように供給される。したがって、米飯塊3は、計量コンベア60aと成形コンベア61aとの間に形成される隙間に落下することなく計量コンベア60aから成形コンベア61aに受け渡される。
【0120】
補填成形部61は、米飯塊3を所定箇所まで間欠的に移送する成形コンベア61aと、計量コンベア60aで計量した米飯塊3が所定重量に満たない場合にその不足重量分の米飯2を供給する補填機構62と、不足重量分の米飯2が補填された米飯塊3を所定形態の米飯塊3Xに成形するための成形機構63とを有する。
【0121】
成形コンベア61aは、搬送方向の前後両端部に設けられた支持ローラ61b,61cと、これらの支持ローラ61b,61cに対して巻回状態で設けられた無端状のコンベアベルト61dとを有し、コンベアベルト61dにより略水平状の搬送面61eをなしている。このように構成した成形コンベア61aの搬送方向の前側における上方には補填機構62を設けている。
【0122】
補填機構62は、
図4に示すように、筐体8の前方であって米飯圧縮成形部5の左方に設けられており、計量コンベア60aで計量された米飯塊3の不足重量分を補填する部分である。補填機構62は、ケース部11の供給口19から振り分け機構93を介して補填コンベア97に落下供給された米飯2をケース部62a内に一時的に貯留し、計量コンベア60aで計測した米飯塊3の不足重量分の米飯2を供給して米飯塊3を所定の重量とする。補填機構62は、制御部10と連動しており、計量コンベア60aから出力された米飯塊3の重量情報を取得し、計測した重量情報と予め設定された設定重量情報とを比較して、設定重量情報と計測した重量情報との差分重量に応じて補填機構62のケース部62a下部に設けた供給ローラ62bを回動することにより、差分重量分の補填米飯2Xが計量後の米飯塊3に供給される。
【0123】
成形機構63は、補填機構62で所定重量とした米飯塊3を所定形態の米飯塊3Xに成形するための部分である。成形機構63は、米飯塊3の外周側面を押圧する左右の側面押圧体63aと、米飯塊3の上面を上方から押圧する上面押圧体63bとを有する。成形機構63は、補填機構62で不足重量分の補填米飯2Xが補填された米飯塊3の外周側面を側面押圧体63aで押圧しつつ、補填米飯2Xが補填された米飯塊3の上面を上面押圧体63bで押圧することにより、米飯塊3に補填された補填米飯2Xと米飯塊3とが一体となり、米飯塊3の外周面部および上面が所定の形態をなす米飯塊3Xに成形できる。
【0124】
このように搬出搬送部6の計量部60および補填成形部61で所定重量、および所定形態に成形された米飯塊3Xは、後のおにぎり製造工程に搬送されて略三角形状のおにぎりに成形される。
【0125】
[米飯塊形成装置の動作説明]
以上のような構成を備えた米飯塊形成装置1の全体的な動作について説明する。米飯塊形成装置1の動作制御においては、米飯供給部4における米飯2のほぐし、米飯圧縮成形部5における米飯塊3の圧縮成形、搬出搬送部6における米飯塊3の補填・成形等が、一連の動作として連続的に行われるように、米飯塊形成装置1の制御部10により各部が制御される。
【0126】
まず、例えば炊き立ての米飯2が、米飯塊形成装置1が備える図示せぬ投入装置により自動で、あるいは作業者により手動で、米飯供給部4のケース部11内に投入される。ケース部11内に投入された米飯2は、ベルトコンベア12の搬送面12a上に乗り、ベルトコンベア12によって前方に向けて比較的ゆっくりとした速度で搬送される。
【0127】
ベルトコンベア12によって搬送される米飯2は、米飯保持部材30による積層高さの規制を受けながら、ほぐし用回転体13へと送られる。つまり、米飯2は、米飯保持部材30によりベルトコンベア12に積層した米飯2の積層高が制限されつつ、比較的高速で回転するほぐし用回転体13によるほぐし作用を受ける。
【0128】
ほぐし用回転体13によりほぐされた米飯2は、供給口19から落下して振り分け搬送部9の米飯流通路90に供給される。すなわち、米飯2は、ベルトコンベア12の搬送作用、米飯保持部材30による積層高さの制限作用、およびほぐし用回転体13のほぐし作用により順次ほぐされ供給口19へと落下する。
【0129】
米飯供給部4でほぐされて振り分け搬送部9に供給された米飯2は、振り分け搬送部9を流通する過程で補填機構62へと通ずる補填コンベア97と、米飯圧縮成形部5へと通ずる移送コンベア94に振り分けられる。なお、補填機構62への米飯2の振り分けは、補填機構62のケース部62aに設けた堆積残量センサが補填機構62の米飯貯留部に貯留した米飯2を検出できなくなった時点で振り分けるように構成している。つまり、振り分け搬送部9を流通する米飯2は、補填機構62のケース部62aに設けた堆積残量センサが補填米飯2Xを検出する間において、全て米飯圧縮成形部5に振り分けられる。
【0130】
米飯圧縮成形部5に振り分け搬送部9から落下供給された米飯2は、
図13(a)に示すように、ケース部50の下方に設けたシャッター機構52の米飯支持部56aに支持され、ケース部50内に積層状態で貯留される。シャッター機構52の米飯支持部56aに支持された米飯2は、ケース部50内で一定量積層した時点でケース部50内に設けた左右の回転押圧体51を米飯2の落下方向に向けて一定量回動させることにより、回転押圧体51の中央押圧部51bおよび前後の周縁押圧部51cで米飯2の周縁部が圧縮成形される。ここで、回転押圧体51は、回転にともなって、中央押圧部51bの押圧壁面部51eと、周縁押圧部51cの周縁コグ部51fとを米飯2に対して連続的に作用させることで、米飯2を圧縮する。これにより、シャッター機構52に積層された米飯2を一定密度に圧縮成形することができる。なお、回転押圧体51により周縁部を圧縮成形された米飯2の中央部は、ケース部50内に堆積した他の米飯2の重量によって押圧されている。すなわち、シャッター機構52上に堆積した米飯2は、回転押圧体51で周縁部が押圧され、中央部が他の米飯2の重量によって押圧されることにより、ケース部50の下部に堆積した米飯2が略均一の密度に圧縮成形されている。
【0131】
その後、搬送コンベア53の搬送面53gとシャッター機構52の米飯支持部56aとの間のスペースが米飯塊3の厚みとなる位置まで搬送コンベア53を上昇させ、シャッター機構52の左右の移動支持部55を互いに離反する方向に移動してケース部50の排出口54を開口して米飯2の塊を搬送コンベア53の搬送面53gに落下供給する(
図13(b)参照)。なお、この際、米飯塊3は、自重および左右一対の回転押圧体51(51R,51L)の回転動作により下方に落下する。
【0132】
搬送面53gに支持された米飯2の塊は、シャッター機構52を構成する左右の移動支持部55を互いに接近する方向に移動させることにより、シャッター機構52の切り離し部56bが米飯2の塊に左右方向から挿通され、米飯2の塊が所定の厚み分に切り離されて米飯塊3が形成される。この際、米飯塊3を米飯2の塊から切り離す過程において、搬送コンベア53を降下しつつ、左右のシャッター機構52のうち、いずれかのシャッター部56を移動支持部55を中心として下方に回動させることにより、米飯2の塊の下端部から米飯塊3の上面を確実に切り離すことができる(
図14(a)参照)。
【0133】
昇降ロッド57の下方変位にともない降下した搬送コンベア53は、コンベアベルト53fを巻回した前後の支持ローラ53d,53eを回動することにより、コンベアベルト53fの左方に位置する搬出搬送部6に米飯塊3を受け渡す(
図14(b)参照)。
【0134】
搬送コンベア53から供給された米飯塊3は、搬出搬送部6の計量コンベア60aに載置され、その重量がロードセルにより計量される。計量コンベア60aで計量された米飯塊3の重量情報は、ロードセルにより電気信号に変換されて制御部10に伝達される。
【0135】
計量コンベア60aで計量された米飯塊3は、計量コンベア60aのコンベアベルト60dを回動して成形コンベア61aに落下供給される。成形コンベア61aに落下供給された米飯塊3は、計量コンベア60aで計量された重量情報から所定の重量に満たない場合、補填機構62の供給ローラ62bを回動して不足重量分の米飯を補填米飯2Xとして米飯塊3の上面に落下供給する。
【0136】
補填米飯2Xを補填することで所定の重量となった米飯塊3は、成形機構63により外周側面部および上面部が押圧されて所定の形態、密度に成形されて米飯塊3Xに成形される。成形機構63で所定の形態、密度に成形された米飯塊3Xは、搬出搬送部6の左方に位置する搬送用コンベアCにより所定の場所まで搬送される。米飯塊3Xは、例えば、弁当用の米飯として用いられ、所定の供給装置により自動で、あるいは作業者により手動で、弁当箱に詰められる。または、米飯塊3Xは、おにぎり製造装置により自動で三角形状のおにぎりに成形され、所定の包装フィルムで包装され三角おにぎりとして番重に詰められる。
【0137】
以上のような構成を備えた本実施形態に係る米飯塊形成装置1によれば、米飯2に対して十分なほぐし作用を与えることができ、米飯2のダメージを低減することができるとともに、米飯塊3を所定の形態、密度、および重量に成形することができる。
【0138】
すなわち、本実施形態に係る米飯塊形成装置1は、米飯供給部4のベルトコンベア12とほぐし用回転体13との間において、ほぐし用回転体13に対して米飯2の積層高さを調整するための米飯保持部材30を有する。これにより、ベルトコンベア12で搬送されてきた米飯2は、米飯保持部材30でその積層高さが調整され、ベルトコンベア12で搬送される米飯2が確実にほぐし用回転体13に接触して、ほぐし用回転体13によるほぐし作用を十分に与えることができる。
【0139】
また、本実施形態に係る米飯塊形成装置1は、振り分け搬送部9において、転圧回転体95と中間ほぐし用回転体96とを有する。このような構成によれば、米飯供給部4の供給口19から振り分け搬送部9に落下投入された米飯2は、米飯流通路90の傾斜面に沿って転動しながら降下して落下衝撃を低減しつつ振り分け搬送路91に供給することができる。
【0140】
また、振り分け搬送路91においては、転圧回転体95と中間ほぐし用回転体96とを有する。このような構成によれば、転圧回転体95によって移送コンベア94に積層した米飯2の積層高さが制限され、移送コンベア94で搬送される米飯2を中間ほぐし用回転体96に確実に接触させることができる。これにより、移送コンベア94で搬送される米飯2は、中間ほぐし用回転体96によるほぐし作用が十分に付与される。
【0141】
また、本実施形態に係る米飯塊形成装置1は、米飯圧縮成形部5において、中央押圧部51bと周縁押圧部51cとを備えた回転押圧体51と、移動支持部55とシャッター部56を備えたシャッター機構52とを有する。このような構成によれば、回転押圧体51の回動作用によりシャッター機構52に支持された米飯2が押圧される。これにより、米飯2の周縁部が一定の密度に圧縮成形される。また、回転押圧体51とシャッター機構52により米飯2を圧縮成形することができるため、米飯塊形成装置1の全高を低くして装置全体をコンパクトとすることができる。また、米飯塊形成装置1の全高を低くできることで炊き上がった米飯2を投入する米飯供給部4の位置を低く設定でき、これにより作業者による米飯塊3の作業性を向上できる。
【0142】
また、本実施形態に係る米飯塊形成装置1は、米飯圧縮成形部5において、シャッター機構52の下方に昇降自在の搬送コンベア53を有する。このような構成によれば、搬送コンベア53の上昇位置に応じて米飯塊3の厚みを調整することができる。すなわち、例えば、ケース部50の排出口54に接近するように搬送コンベア53を上昇させることにより、米飯塊3の厚みを薄くすることができ、また、ケース部50の排出口54から一定距離離隔した位置まで搬送コンベア53を上昇させることにより、米飯塊3の厚みを厚くすることができる。これにより、成形される米飯塊3の厚みおよび重量を、搬送コンベア53の上昇位置に応じて容易に調整することができる。また、ケース部50の排出口54に搬送コンベア53の搬送面53gを接近させることにより、排出口54からの米飯2の落下距離が短くなり、米飯2への落下衝撃を低減して米飯2が潰れる虞を低減しつつ、圧縮された米飯2の密度を維持することができる。
【0143】
また、本実施形態に係る米飯塊形成装置1は、搬出搬送部6において、計量部60と補填成形部61とを有する。このような構成によれば、計量部60で計量された米飯塊3は、所定重量に対する不足重量分の米飯2が補填機構62で補填され、その後、成形機構63により再度成形されることで所定の形態、重量、密度の米飯塊3Xを成形することができる。
【0144】
本発明の一実施の形態を説明したが、上述した説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0145】
1 米飯塊形成装置
2 米飯
3 米飯塊
4 米飯供給部
5 米飯圧縮成形部
50 ケース部
51 回転押圧体
51b 中央押圧部
51c 周縁押圧部
51d 凹部
51e 押圧壁面部
51f 周縁コグ部
52 シャッター機構
53 搬送部
6 搬出搬送部
9 振り分け搬送部
【要約】
【課題】成形された米飯塊の米飯密度を一定にするとともに、米飯が本来有するふっくら感や良好な食感を維持することができる米飯塊形成装置を提供する。
【解決手段】この発明は、米飯2を一時的に貯留するケース部50と、ケース部50内に設けられ、ケース部50に供給された米飯2に押圧作用して米飯2を所定形態に成形する左右一対の押圧部材と、左右一対の押圧部材の下方に開閉可能に設けられ、閉じた状態で米飯2を支持して左右一対の押圧部材とともに米飯2を成形し、成形した米飯2を開いた状態となることで米飯を送り出し、再度閉じた状態となることで送り出した米飯2を切り離して米飯塊3とするシャッター機構52と、シャッター機構52の下方に昇降可能に設けられ、シャッター機構52から送り出される米飯2を搬送面53gに受け、搬送面53gの高さによって米飯塊3の厚みを調整する搬送部と、を有する米飯塊形成装置を提供する。
【選択図】
図2