(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】人の矯正レンズ処方を決定するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 3/036 20060101AFI20240116BHJP
A61B 3/028 20060101ALI20240116BHJP
A61B 3/11 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A61B3/036
A61B3/028
A61B3/11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021149122
(22)【出願日】2021-09-14
(62)【分割の表示】P 2019231690の分割
【原出願日】2014-03-03
【審査請求日】2021-10-11
(32)【優先日】2013-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517431436
【氏名又は名称】オプターネイティヴ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】リー, スティーブン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ダレック, アーロン
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-537331(JP,A)
【文献】特表2008-511377(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0116047(US,A1)
【文献】実開昭56-168101(JP,U)
【文献】特表2008-512142(JP,A)
【文献】特表2013-500834(JP,A)
【文献】特開2006-015083(JP,A)
【文献】特開2004-033637(JP,A)
【文献】特表2008-508006(JP,A)
【文献】特開2013-005853(JP,A)
【文献】特許第4057531(JP,B2)
【文献】国際公開第2004/034893(WO,A1)
【文献】特開平10-179518(JP,A)
【文献】米国特許第07384146(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2012/0212706(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコンピュータ制御スクリーンを含む患者端末と、第2のコンピュータ制御スクリーンを有するリモートデバイスとにより、患者の矯正レンズ処方を前記患者の各眼について別個に決定し、前記患者の好適なタイプの矯正レンズの矯正レンズ処方を前記患者に提供する方法であって、当該方法は、前記患者端末、サーバ及び前記リモートデバイスの作動方法であり、
前記リモートデバイスが、ハンドヘルド様式で前記患者端末と対話するための前記リモートデバイスのインターフェースを前記患者が立ち上げることができるようにするリンクを前記サーバから受信するステップであり、対話することが、前記サーバから命令を受信することと、ある距離から前記第1のコンピュータ制御スクリーンを制御するために通信インターフェース上で前記リモートデバイスを介して前記サーバへの少なくとも一つの入力を前記患者が行えるようにすることと、を含む、受信するステップと、
前記リモートデバイス、前記患者端末又は前記サーバが、前記第1のコンピュータ制御スクリーンに接続されたカメラを用いて、又は前記第1のコンピュータ制御スクリーンから離れたままでいるための指定距離を前記患者に与えることにより、前記第1のコンピュータ制御スクリーンからの前記患者の距離を求めるステップと、
前記患者端末が、前記第1のコンピュータ制御スクリーンに前記患者の球面処方を求めるために情報を表示するステップと、
を含み、
前記第1のコンピュータ制御スクリーンに前記情報を表示するステップが、
前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に図を提示することであって、前記図は、小さすぎて、前記患者が明瞭に見ることができないものである、提示することと、
前記図が前記患者によってかろうじて認識することができるようになるまで前記図のサイズを増大させるために少なくとも1つの入力を前記患者が行うことを可能にすることであり、前記入力が球面度数に対応する、可能にすることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記リモートデバイスが、スマートフォン、携帯電話又はタブレットコンピュータである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リンクが、SMSテキストメッセージを介して受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記インターフェースが、ブラウザを介して立ち上げ可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記通信インターフェースがインターネットである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記患者端末が、前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に別の図を提示するステップであって、前記別の図は、前記患者が明瞭に見えるほど十分に大きい、提示するステップと、
前記リモートデバイスが、前記別の図が前記患者によってかろうじて認識することができるようになるまで前記別の図のサイズを低減するために少なくとも1つの入力を前記患者が行うことを可能にするステップであり、前記入力が別の球面度数に対応する、可能にするステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記患者端末が、前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者の乱視処方を決定するステップであって、
前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に第1の図形を提示し、乱視軸角度に対応する少なくとも1つの入力を前記患者に選択させることを可能にすることと、
前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に第2の図形を提示し、乱視度数に対応する少なくとも1つの入力を前記患者に選択させることを可能にすることと、
により決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記患者端末が、前記
第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に色分け図形を提示することによって、前記患者が近視又は遠視であるかを判定するステップと、
前記リモートデバイスが、前記色分け図形の部分に対応する入力を前記患者に選択させることを可能にするステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1のコンピュータ制御スクリーンを含む患者端末と、第2のコンピュータ制御スクリーンを有するリモートデバイスとにより、患者の矯正レンズ処方を前記患者の各眼について別個に決定し、前記患者の好適なタイプの矯正レンズの矯正レンズ処方を前記患者に提供する方法であって、当該方法は、前記患者端末、サーバ及び前記リモートデバイスの作動方法であり、
前記リモートデバイスが、ハンドヘルド様式で前記患者端末と対話するための前記リモートデバイスのインターフェースを前記患者が立ち上げることができるようにするリンクを前記サーバから受信するステップであり、対話することが、前記サーバから命令を受信することと、ある距離から前記第1のコンピュータ制御スクリーンを制御するために通信インターフェース上で前記リモートデバイスを介して前記サーバへの少なくとも一つの入力を前記患者が行えるようにすることと、を含む、受信するステップと、
前記リモートデバイス、前記患者端末又は前記サーバが、前記第1のコンピュータ制御スクリーンに接続されたカメラを用いて、又は前記第1のコンピュータ制御スクリーンから離れたままでいるための指定距離を前記患者に与えることにより、前記第1のコンピュータ制御スクリーンからの前記距離に前記患者を居させるステップと、
前記患者端末が、前記第1のコンピュータ制御スクリーンに前記患者の球面処方を求めるために情報を表示するステップと、
前記患者端末が、前記矯正レンズ処方のために前記球面処方を使用するステップと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記第1のコンピュータ制御スクリーンに前記情報を表示するステップが、
前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に図を提示することであって、前記図は、小さすぎて、前記患者が明瞭に見ることができないものである、提示することと、
前記図が前記患者によってかろうじて認識することができるようになるまで前記図のサイズを増大させるために少なくとも1つの入力を前記患者が行うことを可能にすることであり、前記入力が球面度数に対応する、可能にすることと、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記患者端末が、前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に別の図を提示するステップであって、前記別の図は、前記患者が明瞭に見えるほど十分に大きい、提示するステップと、
前記リモートデバイスが、前記別の図が前記患者によってかろうじて認識することができるようになるまで前記別の図のサイズを低減するために少なくとも1つの入力を前記患者が行うことを可能にするステップであり、前記入力が別の球面度数に対応する、可能にするステップと、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記リモートデバイスが、スマートフォン、携帯電話又はタブレットコンピュータである、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記リンクが、SMSテキストメッセージを介して受信される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記インターフェースが、ブラウザを介して立ち上げ可能である、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記患者端末が、前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者の乱視処方を決定するステップであって、
前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に第1の図形を提示し、乱視軸角度に対応する少なくとも1つの入力を前記患者に選択させることを可能にすることと、
前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に第2の図形を提示し、乱視度数に対応する少なくとも1つの入力を前記患者に選択させることを可能にすることと、
により決定するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記患者端末が、前記
第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に色分け図形を提示することによって、前記患者が近視又は遠視であるかを判定するステップと、
前記リモートデバイスが、前記色分け図形の部分に対応する入力を前記患者に選択させることを可能にするステップと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
患者の矯正レンズ処方を前記患者の各眼について別個に決定し、前記患者の好適なタイプの矯正レンズの矯正レンズ処方を前記患者に提供するシステムであって、
第1のコンピュータ制御スクリーンを含む患者端末と、
第2のコンピュータ制御スクリーンを有するリモートデバイスであり、前記リモートデバイスが、ハンドヘルド様式で前記患者端末と対話するための前記リモートデバイスのインターフェースを前記患者が立ち上げることができるようにするリンクをサーバから受信するように構成されており、対話することが、前記サーバから命令を受信することと、前記第1のコンピュータ制御スクリーンを制御するために通信インターフェース上で前記リモートデバイスを介して前記サーバへの少なくとも一つの入力を前記患者が行えるようにすることと、を含む、リモートデバイスと、
を備えており、
前記患者端末が、前記第1のコンピュータ制御スクリーンに前記患者の球面処方を求めるために情報を表示するように構成されており、
前記第1のコンピュータ制御スクリーンに前記情報を表示することが、前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に図を提示することであって、前記図は、小さすぎて、前記患者が明瞭に見ることができないものである、提示することを含み、
前記リモートデバイスは、前記図が前記患者によってかろうじて認識することができるようになるまで前記図のサイズを増大させるために少なくとも1つの入力を前記患者が行うことを可能にし、前記入力が球面度数に対応する、システム。
【請求項18】
前記リモートデバイス、前記患者端末又は前記サーバが、前記第1のコンピュータ制御スクリーンに接続されたカメラを用いて、又は前記第1のコンピュータ制御スクリーンから離れたままでいるための指定距離を前記患者に与えることにより、前記第1のコンピュータ制御スクリーンからの前記距離に前記患者を居させるように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記リモートデバイスが、スマートフォン、携帯電話又はタブレットコンピュータである、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記リンクが、SMSテキストメッセージを介して受信される、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記患者端末は、ブラウザを介して前記第1のコンピュータ制御スクリーンと対話するための前記インターフェースを立ち上げるように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記患者端末は、前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に別の図を提示することであって、前記別の図は、前記患者が明瞭に見えるほど十分に大きい、提示することを行うようにさらに構成されており、
前記リモートデバイスは、前記別の図が前記患者によってかろうじて認識することができるようになるまで前記別の図のサイズを低減するために、前記患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にすることであり、前記入力が別の球面度数に対応する、可能にすることを行うように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
前記患者端末は、前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に第1の図形を提示するようにさらに構成されており、
前記リモートデバイスは、前記矯正レンズ処方についての乱視軸角度に対応する少なくとも1つの入力を前記患者に選択させることを可能にするように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項24】
前記患者端末は、前記第1のコンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に第2の図形を提示するようにさらに構成されており、
前記リモートデバイスは、前記矯正レンズ処方についての乱視度数に対応する少なくとも1つの入力を前記患者に選択させることを可能にするように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
[0001]本開示は、一般的に、矯正を要する屈折異常のある患者のための眼鏡及び/又はコンタクトの処方の決定に関する。多くの人々が、近視(一般的に近眼として知られている)又は遠視(一般的に遠眼として知られている)のいずれかになる眼の屈折異常を有する。近視とは、像が網膜の前方で合焦するようになる眼の光学特性の屈折欠陥(すなわち、屈折異常)を指すことを、当業者は理解しよう。近視の光学的欠陥は、一般的に、とりわけ、角膜の欠陥、眼構造の伸長、他の状態、又はそれらの状態の組合せによって引き起こされる。他方、遠視とは、像が網膜の後方で合焦するようになる眼の光学特性の屈折異常を指す。遠視の光学的欠陥は、眼の光学系が、眼の前後の長さについて十分に強くない結果である。近視及び遠視は、1つの構成要素、すなわち、球面度数(sphere measurement, SPH)を有し、球面度数は、光学的欠陥を矯正するのに必要な強度又は屈折力を示す。
【0002】
[0002]乱視とは、眼に入る光が1点ではなく2点で合焦するようになる屈折異常を指す。乱視は、角膜の屈折力が不均一であることによって引き起こされる。乱視は、2つの構成要素、すなわち、患者が見るあらゆる像が歪曲される角度を示す乱視軸角度(axis measurement, AXIS)、及び、歪曲の強度又は屈折力を示す乱視度数(cylinder measurement, CYL)を有する。近視、遠視、及び乱視は、患者に自身の視覚問題を矯正するための処置を探させる原理的な屈折異常である。
【0003】
[0003]顕性屈折分析は、眼科医及び検眼医によって使用される診断ツールであり、それによって、患者の屈折異常が検査されて、眼鏡又はコンタクトレンズによる矯正を受けることが患者の利益になるか否かが示される。その技法の一部として、患者がフォロプタを通じて見ながら、同時に眼科医又は検眼医が患者の両眼を評価する。患者の眼に存在する屈折異常の度合いを評価するために、網膜反射診断技法が使用されることが多い。患者からの主観的フィードバックが、顕性屈折を改良するのに使用され、この改良は、患者が異なる屈折力を有する複数の異なるレンズがフォロプタに滑り入れられるときに、像の質の間で選択を行うことを含む。これらの屈折異常は、レンズ、一般的には、眼鏡として知られているスペクタクルレンズ、又は眼に直に装着するコンタクトレンズを用いて矯正することができる。屈折異常は、様々なタイプの手術を用いても矯正することができる。顕性屈折分析の終わりに、眼科医又は検眼医は、眼鏡、コンタクトレンズ、及び/又は屈折矯正手術の処方を出し得る。
【0004】
[0004]患者の屈折異常を判定するための他の方法は、波面センサ、屈折計、及び当該技術分野において既知である他のデバイスのような、既知の診断デバイスを含む。これらの診断デバイスのうちのいくつかは、患者の屈折異常を判定するのを支援するためにコンピュータを使用する。たとえば、当該技術分野において既知である波面タイプの屈折器の一実施態様は、網膜に投影されて眼の光学系を通過する照明スポットから生成される光ビームの波面を測定するために「ハルトマン-シャック」センサを使用する。そのような波面タイプの屈折器では、レーザ又はスーパールミネッセントダイオードからのプローブビームが、眼の光学系を通じて網膜に投影される。網膜によって散乱された光が眼の光学系を通過し、眼の瞳孔を通って出てくる。出てくるビームの波面は、眼の光学系に関係する屈折情報を保持している。たとえば、眼が正視である(すなわち、眼の光学系に屈折異常がない)場合、出てくるビームの波面は平坦であるはずである。中継光学機器が、眼の瞳孔から出てくる波面をハルトマン-シャックセンサに中継する。ハルトマン-シャックセンサは、波面の歪曲を測定し、眼の光学系の異常に起因する眼の屈折異常を計算するために、その歪曲情報をコンピュータに与える。
【0005】
[0005]患者の屈折異常を判定するための上述した技法の各々は、そのような判定のための機械又は医師が存在し、判定を実施するために利用可能である場所へと移動することを必要とする。また、医師の診療所まで移動すると、患者はその後、医師の時間及びサービスへの対価を支払わなければならないが、この支払いは、患者の健康保険によって補償される場合もあれば、補償されない場合もある。この手間は患者にとって費用がかかり、不便でもある。
【0006】
[0006]コンタクトを所望する患者には、一般的に「フィッティング」のための第2の費用が適用される。ほとんどのコンタクト製造業者は1つ又は少数のベースカーブと直径との組合せを提供するに過ぎず、そのコンタクトにとって可能性のある「フィット」は1つ又は少数しかないことを意味するため、この費用は頻繁には不要である。患者が以前にコンタクトを装用したことがあり、以前のブランドに満足しているとき、「フィッティング」を実施する必要はない。必要ないにもかかわらず、医師の診療所によって、「フィッティング」は一般的に実施され、付随する料金が課される必要がある。健康保険がこの付随する料金を補償することはほとんどない。場合によっては、医師は、患者が「フィッティング」を受けるために、他の機会にまた診療所に来ることを必要とする場合がある。それゆえ、コンタクト処方を決定することは、は患者にとってさらにより費用がかかり、不便である可能性がある。
【0007】
[0007]加えて、上述した機械(フォロプタ、波面屈折器など)は、医療行為に携わっていない個人が所有することは禁止されており、そのため、患者には、医療行為の状況以外で自分自身の眼鏡又はコンタクトの処方を決定する選択肢はない。
【0008】
[0008]さらに、診療所内の主観的な乱視検査では、一般的に、10°以内の精度でしか患者の乱視軸の処方を判定しない。
【0009】
[0009]したがって、患者が眼鏡及びコンタクの処方を決定するための、より簡便で、より費用が安く、より正確な方法が必要とされている。
【概要】
【0010】
[0010]本開示は、一般的に、患者の屈折異常を判定するためのシステム及び方法に関し、より詳細には、コンピュータ制御スクリーン又は他の適切な視覚ツールを使用することによって患者の屈折異常を判定し、患者に、患者の好適なタイプの矯正レンズの矯正レンズ処方を提供することに関する。システム及び方法は、医師にかかる移動又は費用を必要とせず、簡便さ及び費用対効果について最適化されている。
【0011】
[0011]一般的な実施形態において、本開示は、患者の矯正レンズ処方を決定する方法を提供する。方法は、別個に、患者の各眼について、コンピュータ制御スクリーンを介して患者の乱視処方を決定するステップを含む。
【0012】
[0012]一実施形態において、コンピュータ制御スクリーンを介して患者の乱視処方を決定するステップは、コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第1の図形を提示するステップと、患者に少なくとも1つの入力を選択させることを可能にするステップとを含む。入力は、乱視軸角度に対応する。本方法は、コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第2の図形を提示するステップと、患者に少なくとも1つの入力を選択させることを可能にするステップとをさらに含む。入力は、乱視度数に対応する。
【0013】
[0013]さらなる実施形態において、第1の図形及び第2の図形は同じ図形である。代替的なさらなる実施形態において、第1の図形及び第2の図形は異なる図形である。
【0014】
[0014]別のさらなる実施形態において、第1の図形は回転可能な線である。またさらなる実施形態において、回転可能な線は、少なくとも2つの交互になった色から構成される。なおさらなる実施形態において、少なくとも2つの交互になった色は、それぞれ赤系統及び緑系統から成る群から選択される。
【0015】
[0015]一実施形態において、本方法はインターネットを介して提供される。
【0016】
[0016]一実施形態において、本方法は、決定された乱視処方を、再検討及び承認のために少なくとも1人の医師に送信することを含む。
【0017】
[0017]代替的な実施形態において、本開示は、患者の矯正レンズ処方を決定する方法を提供する。方法は、別個に、患者の各眼について、コンピュータ制御スクリーンを介して患者の乱視処方を決定するステップと、コンピュータ制御スクリーンを介して患者の矯正レンズ処方の屈折力を決定するステップとを含む。
【0018】
[0018]さらなる実施形態において、本方法はまた、別個に、患者の各眼について、以前のコンタクト処方からのベースカーブ、以前のコンタクトからの直径、以前のコンタクトのブランド名、及び以前のコンタクトの製造業者から成る群から選択される少なくとも1つのデータの入力を患者が行うことを可能にするステップをも含む。ベースカーブ及び直径は、少なくとも1つのデータから決定される。
【0019】
[0019]さらなる実施形態において、本方法はまた、別個に、患者の矯正されていない各眼について、コンピュータ制御スクリーンを介して患者に色分け図形を提示することによって、患者が近視又は遠視であるかを判定するステップと、色分け図形の部分に対応する入力を患者に選択させることを可能にするステップとをも含む。
【0020】
[0020]別のさらなる実施形態において、本方法はまた、別個に、患者の矯正された各眼について、コンピュータ制御スクリーンを介して患者に色分け図形を提示することによって、患者が過剰矯正又は矯正不足であるかを判定するステップと、色分け図形の部分に対応する入力を患者に選択させることを可能にするステップとをも含む。
【0021】
[0021]一実施形態において、コンピュータ制御スクリーンを介して患者の矯正レンズ処方の屈折力を決定するステップは、コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第1の図を提示するステップを含む。第1の図は小さすぎて、患者が明瞭に見ることができない。本方法は、第1の図が患者によってかろうじて認識することができるようになるまで第1の図のサイズを増大させるために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にするステップを含む。少なくとも1つの入力は、第1の球面度数に対応する。さらなる実施形態において、本方法は、コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第2の図を提示するステップを含む。第2の図は患者に明瞭に見えるほど十分に大きい。本方法は、第2の図が患者によってもはや認識することができなくなるまで、第2の図のサイズを低減するために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にする。少なくとも1つの入力は、第2の球面度数に対応する。別のさらなる実施形態において、本方法は、第1の球面度数及び第2の球面度数に少なくとも部分的に基づいて、最終的な球面度数を求めるステップを含む。
【0022】
[0022]さらなる実施形態において、第1の図及び第2の図は異なる図である。代替的なさらなる実施形態において、第1の図及び第2の図は同じ図である。
【0023】
[0023]別のさらなる実施形態において、第1の図及び第2の図は、文字及び数から成る群から選択される少なくとも1つの記号を含む。
【0024】
[0024]また別のさらなる実施形態において、第1の図及び第2の図を提示することと、患者が入力を行うことを可能にすることと、患者から入力を受信することとの少なくとも1セットが、少なくとも1回反復される。
【0025】
[0025]さらなる実施形態において、本方法は、決定された乱視処方及び屈折力処方を、再検討及び承認のために少なくとも1人の医師に送信することを含む。
【0026】
[0026]別の実施形態において、本開示は、非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。非一時的コンピュータ可読媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、少なくとも1つの表示デバイス、少なくとも1つのメモリデバイス、及び、少なくとも1つの入力デバイスとともに、患者の矯正レンズ処方を決定するよう動作させる複数の命令を含む。矯正レンズ処方は、乱視処方及び屈折力を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、患者の各眼について、患者の乱視処方を決定することによって眼鏡処方を決定する。非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第1の図形を提示し、患者に入力を選択させることを可能にすることによって、患者の乱視処方を決定する。患者によって選択される入力は、乱視軸角度に対応する。非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第2の図形を提示し、患者に少なくとも1つの入力を選択させることを可能にすることによって、患者の乱視処方をさらに決定する。患者によって選択される入力は、乱視度数に対応する。非一時的コンピュータ可読媒体は、患者の各眼について、患者の矯正レンズ処方の屈折力を決定することによって患者の矯正レンズ処方をさらに決定する。非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第1の図を提示することによって、処方の屈折力を決定する。第1の図は小さすぎて、患者が明瞭に見ることができない。非一時的コンピュータ可読媒体は、第1の図が患者によってかろうじて認識することができるようになるまで第1の図のサイズを増大させるために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にすることによって、処方の屈折力をさらに決定する。少なくとも1つの入力は、第1の球面度数に対応する。非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第2の図を提示することによって、処方の屈折力をさらに決定する。第2の図は患者に明瞭に見えるほど十分に大きい。非一時的コンピュータ可読媒体は、第2の図が患者によってもはや認識することができなくなるまで第2の図のサイズを低減するために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にすることによって、処方の屈折力をさらに決定する。少なくとも1つの入力は、第2の球面度数に対応する。非一時的コンピュータ可読媒体は、決定するための第1の球面度数及び第2の球面度数に少なくとも部分的に基づいて、最終的な球面度数を求める。
【0027】
[0027]本開示の利点は、患者が、眼鏡及び/又はコンタクトの処方をより簡便に決定し受け取ることを可能にすることである。
【0028】
[0028]本開示の利点は、患者に対する、眼鏡及び/又はコンタクトの処方を決定するための費用及び支出を低減することである。
【0029】
[0029]本開示の別の利点は、医師の診療所においてのみ実現可能な高価な機器を必要とすることなく、眼鏡及び/又はコンタクトの処方を決定することである。
【0030】
[0030]本開示の別の利点は、患者の眼の前にレンズを置くことなく、眼鏡及び/又はコンタクトの処方を決定することである。
【0031】
[0031]本開示のまた別の利点は、眼鏡及び/又はコンタクトの処方をより迅速に決定することである。
【0032】
[0032]本開示のさらなる利点は、患者の乱視軸角度及び乱視度数の処方をより正確に決定することである。
【0033】
[0033]さらなる特徴及び利点が本明細書に記載されており、以下の詳細な説明及び図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1A】[0034]
図1Aは、本開示のシステムの一実施形態を動作させる例示的な方法を示す流れ図である。
【0035】
【
図1B】[0035]
図1Bは、本開示のシステムの一実施形態を動作させる例示的な方法を示す流れ図である。
【0036】
【
図2A】[0036]
図2Aは、システムが、患者の以前の処方に関する情報を求める要求、患者が患者の以前の処方に関するデータを入力するための書き込み可能な書式、及び、患者が有し得る屈折異常の種類に関する情報を求める要求を表示している、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【
図2B】[0036]
図2Bは、システムが、患者の以前の処方に関する情報を求める要求、及び、患者が有し得る屈折異常の種類に関する情報を求める要求を表示している、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0037】
【
図3】[0037]
図3は、システムが、図形を表示しており、患者が入力を行うことを可能にしており、入力は患者の乱視軸角度に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0038】
【
図4A】[0038]
図4Aは、図形が、乱視のある矯正された眼、又は、乱視のない眼を模倣しているものとして示されている、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0039】
【
図4B】[0039]
図4Bは、図形が、所与の軸に沿った乱視のある矯正されていない眼を模倣しているものとして示されている、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【
図4C】[0039]
図4Cは、図形が、所与の軸に沿った乱視のある矯正されていない眼を模倣しているものとして示されている、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【
図4D】[0039]
図4Dは、図形が、所与の軸に沿った乱視のある矯正されていない眼を模倣しているものとして示されている、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【
図4E】[0039]
図4Eは、図形が、所与の軸に沿った乱視のある矯正されていない眼を模倣しているものとして示されている、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0040】
【
図5】[0040]
図5は、図形が、患者が少なくとも1つの入力を行った後の、乱視のある矯正された眼を模倣し、入力は患者の乱視度数に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0041】
【
図6】[0041]
図6は、システムが、コンピュータ制御スクリーンに取り付けられているカメラと患者との間の距離量を較正している、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0042】
【
図7A】[0042]
図7Aは、システムが、図を表示しており、図のサイズを変更するために、患者が入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は患者の球面度数に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【
図7B】[0042]
図7Bは、システムが、図を表示しており、図のサイズを変更するために、患者が入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は患者の球面度数に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0043】
【
図8A】[0043]
図8Aは、システムが、色分け図形を表示しており、図形の輪郭がより明確に見える部分を選択するために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、入力は、患者が、近視又は遠視(矯正レンズを装着していない場合)であること、過剰矯正又は矯正不足であるか(矯正レンズを装着している場合)であることなどの判定に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【
図8B】[0043]
図8Bは、システムが、色分け図形を表示しており、図形の輪郭がより明確に見える部分を選択するために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、入力は、患者が、近視又は遠視(矯正レンズを装着していない場合)であること、過剰矯正又は矯正不足であるか(矯正レンズを装着している場合)であることなどの判定に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【
図8C】[0043]
図8Cは、システムが、色分け図形を表示しており、図形の輪郭がより明確に見える部分を選択するために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、入力は、患者が、近視又は遠視(矯正レンズを装着していない場合)であること、過剰矯正又は矯正不足であるか(矯正レンズを装着している場合)であることなどの判定に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【
図8D】[0043]
図8Dは、システムが、色分け図形を表示しており、図形の輪郭がより明確に見える部分を選択するために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、入力は、患者が、近視又は遠視(矯正レンズを装着していない場合)であること、過剰矯正又は矯正不足であるか(矯正レンズを装着している場合)であることなどの判定に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0044】
【
図9A】[0044]
図9Aは、システムが、図を表示しており、図の回転に影響を与えるために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は患者の乱視軸角度に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0045】
【
図9B】[0045]
図9Bは、システムが、図を表示しており、図の様々な部分の間隔又はサイズに影響を与えるために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は患者の乱視度数に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0046】
【
図10A】[0046]
図10Aは、システムが表示しており、システムが、線図形を表示しており、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は患者の乱視度数に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0047】
【
図10B】[0047]
図10Bは、
図10Aの図が、患者の決定された乱視軸と整列するように回転可能である、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0048】
【
図11A】[0048]
図11Aは、システムが、
図12Bのスポーク図形のより小さい角度部分である微小スポーク図形を表示しており、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は微細な乱視軸角度に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0049】
【
図11B】[0049]
図11Bは、システムが、同心半円図形1105を表示しており、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は乱視軸角度及び/又は乱視度数に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0050】
【
図12A】[0050]
図12Aは、システムが、線図形を表示しており、患者が少なくとも2つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも2つの入力は乱視度数に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0051】
【
図12B】[0051]
図12Bは、システムが、スポーク図形1205を表示しており、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は患者の全体的な乱視軸角度に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0052】
【
図13】[0052]
図13は、システムが、線図形1304を表示しており、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は乱視度数に対応する、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0053】
【
図14A】[0053]
図14Aは、交互になった部分が異なるサイズ又は間隔のものであり得るが、依然として乱視重症度判定における同じ判定に対する検査であり得ることを示す、本開示のシステムの例示的な実施形態のスクリーンショットを示す図である。
【
図14B】[0053]
図14Bは、交互になった部分が異なるサイズ又は間隔のものであり得るが、依然として乱視重症度判定における同じ判定に対する検査であり得ることを示す、本開示のシステムの例示的な実施形態のスクリーンショットを示す図である。
【
図14C】[0053]
図14Cは、交互になった部分が異なるサイズ又は間隔のものであり得るが、依然として乱視重症度判定における同じ判定に対する検査であり得ることを示す、本開示のシステムの例示的な実施形態のスクリーンショットを示す図である。
【
図14D】[0053]
図14Dは、交互になった部分が異なるサイズ又は間隔のものであり得るが、依然として乱視重症度判定における同じ判定に対する検査であり得ることを示す、本開示のシステムの例示的な実施形態のスクリーンショットを示す図である。
【0054】
【
図15】[0054]
図15は、交互になった部分が異なるサイズ又は間隔のものであり得るが、依然として乱視軸判定における同じ判定に対する検査であり得ることを示す、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0055】
【
図16】[0055]
図16は、乱視軸全体判定図がサイズ及び形状を修正されている場合があり、微細に伸長されている場合があるが、患者の乱視軸の判定のためのシステムによって依然として使用可能であり得ることを示す、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【0056】
【
図17】[0056]
図17は、黄斑変性検査のための可能な構成を示す、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットを示す図である。
【詳細な説明】
【0057】
[0057]
図1A及び
図1Bは、本開示のシステムの一実施形態によるプロセス又は方法100の一例の流れ図を示す。様々な実施形態において、1つ又は複数のプロセッサが、プロセス100を実施するための命令セットを実行する。プロセス100は
図1A及び
図1Bに示す流れ図を参照して説明されるが、システムは、この示されているプロセスと関連付けられる動作を実施する多くの他のプロセスを利用してもよい。たとえば、システムは、図示されているブロックのいくつかの順序を変更してもよい。システムはまた、図示されているブロックのいくつかをオプションにすることもでき、システムは、図示されているブロックのいくつかを反復してもよく、及び/又は、システムは、図示されているブロックのいくつかを利用しなくてもよい。
【0058】
[0058]ブロック102に示すように、システムは、コンピュータ制御スクリーン上に、患者が以前の眼鏡又はコンタクト処方、コンタクブランド名、及び/又はコンタクト製造業者の少なくとも1つの入力を行うための書き込み可能な書式を表示する。
【0059】
[0059]本開示の一実施形態によるコンピュータ制御スクリーンは、限定ではなく、モニタ、テレビディスプレイ、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)に基づくディスプレイ、複数の有機発光ダイオード(OLED)に基づくディスプレイ、ポリマー発光ダイオード(PLED)に基づくディスプレイ、表面伝導型電子放出素子に基づくディスプレイ(SED)、又は、任意の他の適切な電子デバイス若しくは表示メカニズムを含む。特定の実施形態において、上述したように、コンピュータ制御スクリーンは、タッチスクリーンを含む。コンピュータ制御スクリーンは、任意の適切なサイズ、形状、及び構成であってもよいことが諒解されるべきである。
【0060】
[0060]コンピュータ制御スクリーンは、以前のコンタクト処方、以前のコンタクブランド名、及び/又は以前のコンタクト製造業者を含むデータを患者が有する場合に、患者がデータを入力するための書き込み可能な書式、書き込み可能なフィールド、又は、以前の眼鏡処方、他の通信手段を表示する。以前のコンタクト処方に関係するデータは、患者がまだ手元に有している場合がある、患者のコンタクトの箱からの情報であり得る。一実施形態において、コンピュータ制御スクリーンは、患者がシステム及びプロセスにアクセスするのに使用することができる患者端末の一部分である。
【0061】
[0061]別の例示的な実施形態において、書き込み可能な書式は、患者の現在の眼鏡又はコンタクトレンズに対する患者の満足度、及び、患者が眼鏡又はコンタクトレンズを装着する頻度に関して患者に問い合わせることができる。
【0062】
[0062]ブロック104に示すように、システムは、以前の眼鏡処方、以前のコンタクト処方、以前のコンタクブランド名、及び/又は以前のコンタクト製造業者の少なくとも1つの入力を受信する。システムは、患者によって入力された他のデータに基づいて、書式、フィールド、又は他の通信手段を自動的に埋めるか又はデータ投入することができることが諒解されるべきである。非限定的な一例として、患者は、以前のコンタクブランド名を入力してもよい。システムはその後、ルックアップテーブル又は他の方法を使用して、メモリから、以前の処方の対応するベースカーブ及び/又は直径の態様を取り出すことができる。これは特に、1つ又は少数の可能なベースカーブ及び/又は直径サイズしか提供していないコンタクブランド名又は製造業者に関して可能性がある。
【0063】
[0063]ブロック104に対する1つの可能な代替形態において、システムは、ブロック106によって示されるように、要求された以前の処方の情報を患者が有していないか、又は、入力することを望んでいないかのいずれかであるという入力を受信してもよい。可能な一実施形態において、ブロック106はプロセス100の一部分ではなく、患者は、次のブロックへと継続する前に以前の処方の情報を入力しなければならない。別の可能な一実施形態において、ブロック106はプロセス100の一部分であり、患者は、次のブロックへと継続する前に以前の処方の情報を何ら入力するよう要求されない。
【0064】
[0064]システムは、ブロック108に示すように、コンピュータ制御スクリーン上に、患者が近視又は遠視であるかに関する、患者に対する問い合わせを表示し、ブロック110に示すように、患者が近視又は遠視であるかに関する問い合わせに応答した患者からの少なくとも1つの入力を受信する。
【0065】
[0065]ブロック112において、システムは、患者の第1の眼(右又は左のいずれか)に向けて意図されている第1の図形を、コンピュータ制御スクリーン上で患者に表示する。患者は、矯正されていない第1の眼で第1の図形を見るべきである、すなわち、患者が眼鏡又はコンタクトを装着している場合、患者はそれを取り外して、眼鏡又はコンタクトの矯正なしに図形を見るべきであることが諒解されるべきである。
【0066】
[0066]システムは、ブロック114によって示すように、第1の図形が患者の第1の眼でどのように見えるかに関する入力を患者から受信し、患者からの入力は、乱視軸角度に対応する。乱視軸角度は、システムが第1の眼に向けて表示される他の図形及び図に適用することができるスキュー関数の少なくとも一部分として使用することができることが諒解されるべきである。一実施形態において、システムは、ブロック120によって示すように、患者から入力を受信し、入力は、患者の検査されている眼に乱視がないことを示す。この実施形態において、患者は、第1の眼でブロック122~130に進むことができるか、又は、第2の眼でブロック112を反復することができるかのいずれかである。
【0067】
[0067]患者がブロック114に従って乱視軸角度を示す入力を行った場合、システムは、ブロック116によって示すように、コンピュータ制御スクリーンに第2の図形を表示する。一実施形態において、第1の図形及び第2の図形は同じ図形である。別の実施形態において、第1の図形及び第2の図形は異なる図形である。一実施形態において、第2の図形は、ブロック114における患者の入力から求められる乱視軸角度からの部分的な歪みに基づいて歪曲されている。たとえば、第2の図形は、患者が識別した乱視軸に沿って何らかの単位だけ伸長又は延長される場合がある。別の実施形態において、第2の図形は最初は歪曲されない。
【0068】
[0068]システムは、ブロック118によって示すように、患者から少なくとも1つの入力を受信し、少なくとも1つの入力は、第1の眼の乱視度数に対応する。乱視度数は、システムが第1の眼に向けて表示される他の図形及び図に適用することができるスキュー関数の少なくとも一部分として使用することができることが諒解されるべきである。スキュー関数は、検査されている患者の眼にある場合がある任意の乱視を矯正するように意図されている。そのため、スキュー関数は、当該関数が適用される任意の図形又は図を、矯正されている眼には歪曲して見えるようにするが、矯正されている眼にはきれいに見えるようにする。
【0069】
[0069]ブロック112~120は、別個に、患者の第2の眼に対して反復されるべきであることが諒解されるべきである。ブロック112~120が第2の眼に対して反復された後、第2の眼の乱視軸角度及び乱視度数は、第1の眼に対して使用されているものとして説明されたのと同じ様式で、第2の眼に対して表示される他の図形及び図にシステムが適用することができるスキュー関数の部分として使用することができることがさらに諒解されるべきである。一実施形態において、第1の眼に対してブロック112~120が完了した直後に、患者は第2の眼に切り換えて、ブロック112~120に再び取り組んでもよいことがさらに諒解されるべきである。代替的な実施形態において、患者は、第2の眼でブロック112~120に戻る前に、第1の眼で他のブロック、たとえば、ブロック122~130に進んでもよい。
【0070】
[0070]ブロック122において、システムは、患者の第1の眼(右又は左のいずれか)に向けて意図されている第1の図を、コンピュータ制御スクリーン上で患者に表示する。第1の図は小さすぎて、患者が明瞭に見ることができないように表示される。患者は、矯正されていない第1の眼で第1の図を見るべきである、すなわち、患者が眼鏡又はコンタクトを装着している場合、患者はそれを取り外して、眼鏡又はコンタクトの矯正なしに図を見るべきであることが諒解されるべきである。例示的な一実施形態において、第1の図は、患者の第1の眼についてのブロック114及び118の患者入力を用いて求められたスキュー関数によって歪曲される。別の例示的な実施形態において、第1の図は、スキュー関数によって歪曲されない。
【0071】
[0071]システムは、ブロック124によって示すように、第1の図が患者の第1の眼でどのように見えるかに関する入力を患者から受信し、患者からの入力は、第1の球面度数に対応する。
【0072】
[0072]ブロック126によって示すように、システムは、コンピュータ制御スクリーンに第2の図を表示し、第2の図は、患者によって明瞭に見えるように十分に大きくなるように表示される。一実施形態において、第1の図及び第2の図は同じ図である。別の実施形態において、第1の図及び第2の図は異なる図である。一実施形態において、第2の図は歪曲されている。患者は、矯正されていない第1の眼で第2の図を見るべきである、すなわち、患者が眼鏡又はコンタクトを装着している場合、患者はそれを取り外して、眼鏡又はコンタクトの矯正なしに図を見るべきであることが諒解されるべきである。例示的な一実施形態において、第2の図は、患者の第1の眼についてのブロック114及び118の患者入力を用いて求められたスキュー関数によって歪曲される。別の例示的な実施形態において、第2の図は、スキュー関数によって歪曲されない。
【0073】
[0073]システムは、ブロック126によって示すように、第2の図が患者の第1の眼でどのように見えるかに関する入力を患者から受信し、患者からの入力は、第2の球面度数に対応する。システムは、ブロック130によって示すように、第1の乱視度数及び第2の乱視度数を平均して、最終的な球面度数を求めるシステムは、任意の適切な様式で最終的な乱視度数を求めることができ、最終的な乱視度数が単純平均の積である必要がないことが当業者には諒解されるべきである。たとえば、システムは、最後の入力の結果のみ、最初の入力の結果のみ、他の入力からの統計的分散に基づく何らかの加重平均を使用してもよく、又は、システムは、誤っている可能性が高い他の入力からのそのような大きい統計的分散のものであると考えられる入力を完全に無視してもよい。
【0074】
[0074]ブロック122~130は、別個に、患者の第2の眼に対して反復されるべきであることが諒解されるべきである。一実施形態において、患者第1の眼に対してブロック122~130が完了した直後に、患者は第2の眼に切り換えて、第2の眼に対して、ブロック112~130に再び取り組んでもよいことがさらに諒解されるべきである。代替的な実施形態において、患者は、第2の眼でブロック112~120をすでに完了している場合がある。
【0075】
[0075]システムは、ブロック122及び124のセットを任意の回数、任意の順序で反復してもよく、ブロック122及び124のセットに代えてブロック126及び128のセットを、任意の回数実行してもよいことがさらに諒解されるべきである。例示的な一実施形態において、システムは、患者の一方の眼に対してブロック122~128に取り組み、その後、同じ眼に対して、ブロック122及び124を再び反復した後、ブロック130に進む。この例示的な実施形態において、ブロック130において、3つの結果としての球面度数が平均されて、最終的な球面度数が求められる。別の例示的な実施形態において、システムは、ブロック122及び124に取り組み、その後、ブロック122及び124を反復し、その後、またブロック126及び128に2回取り組む。この例示的な実施形態において、ブロック130において、4つの結果としての球面度数が平均されて、最終的な球面度数が求められる。
【0076】
[0076]ブロック132によって示すように、システムは、コンピュータ制御スクリーンに、患者が眼鏡処方、コンタクト処方、又はそれらの両方を欲しているかに関する患者に対する問い合わせを表示する。ブロック134において、システムは、患者の所望する1つ又は複数の処方に関する患者からの入力を受信する。
【0077】
[0077]システムは、ブロック136によって示すように、患者に価格情報を表示し、好都合には、患者が支払い方法を選択し、決済情報を提供することを可能にする。患者が支払い方法を選択し、決済情報を提供することを可能にすることは、書き込み可能な書式、書き込み可能なフィールド、又は当該技術分野において既知であるような何らかの他の方法によって達成されてもよい。システムは、ブロック138によって示すように、患者が所望する支払い方法に関する患者からの少なくとも1つの入力を受信し、ブロック140によって示すように、患者が要求する有料の1つ又は複数の処方を患者に提供する。
【0078】
[0078]一実施形態において、患者が自身の処方を受信する前に、処方は、様々な判定された屈折異常測定値を承認するために、1人又は複数人の医師に送信される。たとえば、システムは、1人の医師によって承認されるべき乱視軸角度、別の医師によって承認されるべき乱視度数、第3の医師によって承認されるべき球面度数を送信してもよい。代替的な例において、システムは、3つすべての測定値を、承認のために同じ医師に送信してもよい。処方の任意の部分を将にする医師の任意の組合せが、費用及び時間の効率の考慮事項の任意の組合せに対して利用されてもよいことが諒解されるべきである。
【0079】
[0079]システムは、患者が、自身の選択された処方を受信した後に、当該処方をどのように又はどこに送信するかに関する入力を行うことを可能にすることができることが諒解されるべきである。一実施形態において、システムは、検眼医又は眼科医の診療所、中央眼鏡及び/又はコンタクト通販代行会社、眼鏡及び/又はコンタクト販売所(物理的又は仮想的)などに処方データを送信することができる。さらなる実施形態において、患者は、リスト、地図から選択すること、名前を入力すること、又は何らかの他の方法によって、処方を送信する場所を選択することができる。
【0080】
[0080]別の実施形態において、システムは、患者が眼鏡フレームを閲覧することを可能にすることができる。そのような実施形態において、システムは、患者の顔の上に模造眼鏡フレームが表示されている、患者の画像を表示することができ、たとえば、模造フレームのサイズ、形状、色、材質、質感などを変更することによって、患者がフレームの外観を変更することを可能にすることができる。別のさらなる実施形態において、システムは、既知の顔若しくは瞳孔認識システムを介して、又は、ユーザに提供され、ユーザによって装着される、システムが認識可能な物理的フレームを介してなど、任意の適切な様式で患者の顔の上の模造レンズの位置を決定することができる。別のさらなる実施形態において、システムは、患者が自身の所望するフレームをオンラインで、物理的な店頭ロケーションで購入するか、又はフレームが所望の場所に出荷されるようにするための命令を表示することができる。
【0081】
[0081]本出願人は、驚くべきことに、患者の屈折異常を判定する従来の方法とは反対の新規事項を発見し、本明細書に開示していることが、当業者には諒解されるべきである。従来の技法において、患者は図又は図形から遠く位置しており、様々な強度及び構成のレンズが患者の眼の前に配置されている。患者は、いずれのレンズがより良好な視覚品質をもたらすかについての主観的フィードバックを提供する。医師又は技術者は、患者からの主観的フィードバックが、与えられたレンズのうちの1つによって最良の視覚品質が達成されたことを示すまで、患者の目の前に配置されるレンズを変更することによって、処方を改良する。対照的に、本開示の実施形態は、レンズを一切必要としない。図形又は図自体が患者の入力によって調整され、したがって、患者とコンピュータ制御スクリーンとの間の距離、コンピュータ制御スクリーン上の図形又は図の元のサイズ、コンピュータ制御スクリーン上の図形又は図の患者が調整したサイズ、患者から受信した入力の数、各入力の増分効果の量、及び他の関連する要因のような要因から、必要な処方が全体的に又は部分的に決定され得ることが諒解されるべきである。
【0082】
[0082]本開示のいくつかの実施形態において、患者は、第2の人物に、どの入力が行われるべきかを指示することができることがさらに諒解されるべきである。それらの実施形態において、第2の人物は、患者の指示に基づいて、コンピュータ制御スクリーンに入力を実施することになる。第2の人物は、患者の友人、患者の家族構成員、医師、診療所の助手、診療所の技術者、又は任意の他の人物を含む、任意の適切な人物であってもよい。
【0083】
[0083]本開示は単一のコンピュータ制御スクリーンには限定されないことも諒解される。いくつかの実施形態において、患者は、1つ又は複数の患者端末上の、2つ以上のコンピュータ制御スクリーンを使用して、システムと対話してもよい。別の実施形態において、患者及び第2の人物は、同じ患者端末及び/又はコンピュータ制御スクリーンでシステムと対話してもよい。また別の実施形態において、患者及び第2の人物は、異なる患者端末及び/又はコンピュータ制御スクリーンでシステムと対話してもよい。
【0084】
[0084]別の実施形態において、システムは、患者が、現実のロケーションのような1つのロケーションにおいてプロセス及び方法を開始して、患者の家屋のような少なくとも1つの他のロケーションにおいてプロセス及び方法を継続又は完了することを可能にすることができる。そのような実施形態において、何らかの種類の固有の患者識別情報が、第1のロケーション及び追加のロケーション(複数の場合もあり)において同じ患者がシステムと対話していることを認証するために使用されることになる。そのような認証システムは当該技術分野において既知であり、下記に説明する。
【0085】
[0085]別の実施形態において、患者は、1つのコンピュータ制御スクリーンを使用して別のコンピュータ制御スクリーンを制御することができる。たとえば、システムは、スマートフォンを有するユーザが、システムと対話するために、スマートフォンをリモートデバイスとして使用して、キオスク、パーソナルコンピュータ、又はタブレットコンピュータのような、コンピュータ制御スクリーンを有する別の患者端末を制御することを可能にすることができる。そのような実施形態の一例において、システムは、患者に、電子メール又はSMSテキストメッセージを介してなどで、患者のリモートデバイスへのリンクを送信することになる。患者は、ブラウザを介してなどで、リンクにアクセスして、その後固有のハンドヘルド様式でシステムと対話するのに使用することができるインターフェースを立ち上げることを可能にされる。別の例示的な実施形態において、リモートデバイスは、一般的には「アプリ」として既知である、リモートデバイスに格納されているアプリケーションを通じてシステムと対話する。リモートデバイスは、命令を受信し、患者が、遠くからコンピュータ制御スクリーンを制御するために、インターネット、テキストメッセージング、電子メール、音声、又はデータのような少なくとも1つの通信インターフェースを介して少なくとも1つの入力を行うことを可能にするためにシステムとほぼ瞬間的に対話することが可能である、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートブック、又は他のリモートデバイスのような、任意の適切なデバイスであってもよい。患者が自分自身のスマートフォン又は他のリモートデバイスを用いて医療検診を受け、完全に検診を制御することを可能にすることを、システムが可能にするということにおいて、そのようなシステムが固有であることが、当業者には諒解されるべきである。
【0086】
[0086]別の実施形態において、システムは、音声認識システムを使用して、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にする。さらなる実施形態において、システムは、眼の検査、又は眼の検診の予備検診を実行するための音声認識システムを含む。そのような実施形態において、システムは、ユーザが、マイクロフォン及び従来の音声認識ソフトウェアを装備したシステムに発話することによって、入力を行うことを可能にする。当該技術分野において既知であるように、マイクロフォン及び音声認識ソフトウェアは、容易に市場で入手可能であり、システムが経時的により難解な言語に適合することを可能にするように、従来の自動学習システムを組み込む標準的な音声認識方式を使用する。システムは、患者から音声入力を受信して、従来の音声認識ソフトウェアを使用してそれらの音声入力を記録及び分析する。患者が自身の音声を介して入力を提供することを可能にすることによって、いくつかの利点がもたらされることが、当業者には諒解されるべきである。第1に、眼の検診のような検診の構成検査を受けている患者は、スクリーンの詳細を完全に明瞭に見る必要はなく、代わりに、聴取(発話される命令を通じて通信される)及び発話(システムに入力を提供し返すための)を利用することができ、これは、使用しやすく応答を入力するための追加のオプションを提供するため、よりユーザフレンドリである。発話は、患者が矯正されていない眼を使用しているか、コンピュータ制御スクリーンからいくらか離れているか、又はその両方であるシステムの部分に特に関連する。そのようなシステムの別の利点は、患者が、システムに入力を提供する以外の目的で自身の手を使用することを、システムが可能にすることである。たとえば、患者はこのとき、検査対象物を自由に保持し、又は、自身の眼を覆うことができる。さらに、患者に対して発話し、患者が、発話し返すことによって応答することを可能にするシステムの使用は、より一般的に医師の診療所ベースの主観的な眼の検診をシミュレートし、患者が本開示のシステムを受け入れるのを助けることができる。
【0087】
[0087]ここで、
図2A及び
図2Bを参照すると、本開示の一実施形態が示されている。
図2Aの例示的なシステムは、システムが上述したコンピュータ制御スクリーンに示す表示200を含む。表示200は、プログレスバー202、204、206、及び208を含む。プログレスバーは、任意の適切な進行メータであってもよいことが諒解されるべきである。
図2Aの実施形態において、プログレスバー202、204、206、及び208は区切られたプログレスバーであり、現在取り組まれている区画202が他の区画よりも暗い色であることによって示されている。区切られたタイプのプログレスバー、又は他のタイプの進行メータについて、取り組まれている区画の指示は、色、サイズ、フォント、テキストなどの任意の変化であってもよいことが諒解されるべきである。別の実施形態において、プログレスバーの区画は、患者が行きたいと思う進行の区画を選択することによって、患者がプロセス100を進むことができるように、患者によって選択可能である。異なる実施形態において、区画は、患者を様々な区画を通じて移動させるために患者によって選択可能ではない。
【0088】
[0088]
図2A及び
図2Bによって示す実施形態において、システムは、区画202にどのように取り組むかに関する患者に対する指示を提供し、音声指示制御要素210に明確に発話することによって、患者が制御すること、オフにすること、オンにすること、及び/又は調整することができる音声指示をさらに提供する。
【0089】
[0089]
図2A及び2Bに示す実施形態によって示されるように、システムは、患者が以前の眼鏡又はコンタクトの処方212を有するかに関して患者に問い合わせる。患者は、ラジオボタン214又は216のうちの一方を選択することによって、問い合わせに応答することを可能にされる。ドロップダウンリスト、書き込み可能なフィールド、及び/又はチェックボックスのような、患者から問い合わせに対する応答を受け入れるための任意の他の方法が、システムによって利用されてもよいことが諒解されるべきである。
【0090】
[0090]
図2Aの実施形態において、患者が「はい」214に対応するラジオボタンを選択すると、システムは、書き込み可能な書式218~264を与える。システムは、以前の眼鏡処方218及び/又は以前のコンタクト処方236の写真を患者がアップロードすることを可能にする。システムはまた、患者の以前の処方データを、従来の書き込み可能なフィールド220~234及び238~264に患者が入力することも可能にする。特に、書き込み可能な書式は、患者の右眼、すなわち「OD」の眼鏡処方のためのフィールド220、222、224、及び226を有する。「OD」は、「右眼」を意味するラテン語「oculus dextrus」の一般的な頭字語である。書き込み可能な書式はまた、患者の左眼、すなわち「OS」の眼鏡処方のためのフィールド228、230、232、及び234をも有する。「OS」は、「左眼」を意味するラテン語「oculus sinister」の一般的な頭字語である。より詳細には、書き込み可能なフィールド220及び228はそれぞれ、患者の右眼及び左眼の球面度数すなわち「SPH」又は屈折力(power, PWR)の測定値のためのものである。球面度数は、患者の近視又は遠視の度合いを表す。球面度数の単位はジオプタである。球面度数の前のプラス記号「+」は、患者の遠視の量を示し、一方で、球面度数の前のマイナス記号「-」は、患者の近視の量を示す。球面度数の正の値(遠視の人について)又は負の値(近視の人について)が大きくなるほど、屈折異常はより重症になり、したがって、その異常を矯正するために矯正レンズはより強力にならなければならない。
【0091】
[0091]それぞれ右眼及び左眼のための乱視度数すなわち「CYL」フィールド222及び230、並びに、それぞれ右眼及び左眼のための乱視軸角度フィールド224及び232は、患者の対応する眼に乱視があることを示す。乱視が存在しない場合、乱視度数及び乱視軸角度フィールドは従来通り空白のままである。乱視度数は、患者の眼の乱視の重症度をジオプタ単位で示す。乱視度数が大きくなるほど、患者の乱視はより重症になる。乱視軸角度は、0°~180°の数である。乱視軸角度の単位は度である。乱視軸角度は、角膜の湾曲が不完全であることに起因して患者の視覚が歪曲されている軸を示す。
【0092】
[0092]球面度数、乱視度数及び乱視軸角度の組合せが、従来の眼鏡及びコンタクトの処方の遠見視力部分を構成する。眼鏡処方の残りの部分は、処方の近見視力部分を対象とし、一般的に、読書用眼鏡又は遠近両用矯正レンズの読書用部分のためのものである。それぞれ患者の右眼及び左眼のためのADDフィールド226及び234は、患者に老眼がある場合に、患者が間近で読むことを可能にするために、球面度数に追加されるべき追加の屈折力をジオプタ単位で表す。患者が遠見視力について矯正を必要としない場合、ADD屈折力のみが、ほとんどのドラッグストア及び/又はコンビニエンスストアで入手可能な従来の読書用眼鏡に関する患者の処方になる。
【0093】
[0093]例示的な実施形態において、システムは、必要とする患者のADD屈折力を患者が決定することを可能にする。ADD屈折力のみを必要とする患者は、老眼正視者(遠視のために眼鏡矯正を必要としない者)と称され、そのような患者の老眼は一般的に、典型的には約40歳あたりで発生する老化の結果である。40歳代は、患者が一般的に読書用眼鏡を必要とし始める年齢期である。しかしながら、過去においては、正確な読書用眼鏡ADD数を決定するために、又は、適切な境界なし累進焦点型眼鏡又はコンタクトレンズを作成するために、患者は眼科医の診療所に行って適切な測定値を得る必要があった。しかしながら、本出願人らは、驚くべきことに、医師の診療所に行くか又は診療所におけるすべての長くかかる検診に耐える必要性を回避する、遠近両用レンズの上部及び下部の両方の屈折力を決定するためのシステムを見出した。システムは、(本明細書に開示している方法又はプロセスのいずれかを介して)年齢、矯正されていない眼で見ることが可能である図のサイズ、及び、矯正されることを所望する距離(すなわち、患者は、16インチの距離にある本と、21インチの距離にある他の物体の両方を見るための単一の眼鏡(又は上部及び下部の任意の他の組合せ)を所望する場合がある)に関して患者に問い合わせる。所望の距離は、本明細書に開示しているコンピュータ制御スクリーン(スマートフォンなど)、紙の長さによって推定することによる、単純な印刷可能な紙の測定補助具のような、任意の適切な方法によって決定することができることが諒解されるべきである。システムはまた、腕の長さ、腕の長さよりも遠い、又は腕の長さよりも近い、のような容易に推定可能な用語で、患者が最も頻繁に使用する距離範囲のような、患者が最も矯正されることを所望する距離範囲を患者が推定することも可能にする。システムは、そのような患者からの入力を利用して、推測するか、又は医師の診療所への移動及びその関連支出を必要とすることなしに、境界なし遠近両用眼鏡又は単一の読書用眼鏡のための特別の処方を決定する。
【0094】
[0094]
図2Aに示すように、コンタクト処方は、眼鏡処方と同じ多くの測定値フィールドを含む。特に、それぞれ右眼及び左眼のための、球面度数フィールド238及び252、乱視度数フィールド240及び254、乱視軸角度フィールド242及び256、並びに、追加の測定値フィールド244及び258が、コンタクト処方においても存在する。これらのフィールドは同じ名称及び略称を有するが、眼鏡のレンズは、コンタクトよりも眼の表面から遠いため、コンタクト処方と眼鏡処方とは部分的に異なり得る。
【0095】
[0095]加えて、システムは、ベースカーブすなわち「BC」のための追加の測定値フィールド246及び260、直径すなわち「DIAM」のための追加の測定値フィールド248及び262、並びに、コンタクトブランド及び/又は製造業者の名称のための追加の測定値フィールド250及び264を提供する。ガス透過性ハードコンタクトレンズしか入手可能でなかった時分には、ベースカーブ及び直径測定値は、剛直なレンズの快適性を保証するために必要であった。柔軟なソフトコンタクトレンズの進歩によって、多くのコンタクトレンズ製造業者は、自分たちのレンズに、1つ、2つ、又は少数の異なるベースカーブ又は直径のオプションしか与えなくなった。ベースカーブ及び直径測定値が以前の処方から分かり、患者が自身のレンズに満足していた場合、たとえ製造業者が異なる場合であっても、それらの同じ測定値を有する他のレンズも、患者にとって満足できる可能性が高い。製造業者が同じである場合、患者が同じ測定値を有するレンズに満足する可能性はさらにより高い。このように、以前にコンタクトを装用していた患者にとって、患者が自身の以前のレンズに満足している限り、コンタクトの「フィッティング」は一般的に不要であることが諒解されるべきである。一実施形態において、患者が識別する以前のコンタクト製造業者又はブランド名について、ベースカーブ及び直径測定値は、システムによってルックアップテーブル又は他のメモリデータベースにおいて検索することができる。別の実施形態において、システムは、任意の可能性のあるフィールド246、248、260、及び/又は262に、検索したベースカーブ及び直径測定値を自動的に埋めるか、又はデータ投入することができる。
【0096】
[0096]一実施形態において、システムは、以前の処方情報を、決定された現在の処方に対するチェックとして使用することができる。さらなる実施形態において、システムは、以前の処方の値と、決定された処方の対応する値との間に統計的に有意な差がある場合には、現在の処方を確認するために患者からのより多くの検査を必要とする可能性がある。
【0097】
[0097]一実施形態において、システムは、以前の眼鏡処方218及び/又は以前のコンタクト処方236のアップロードされた写真又はスキャンを読み取ることが可能である。さらなる実施形態において、システムは、任意の可能性のある書き込み可能なフィールドに、アップロードされた以前の眼鏡処方218及び/又は以前のコンタクト処方236から読み取られる情報を自動的に埋めるか、又はデータ投入することができる。別の実施形態において、患者は、以前のコンタクトの箱又は容器の写真又はスキャンをアップロードすることができ、システムは、任意の可能性のある書き込み可能なフィールドに、以前のコンタクトの箱又は容器のアップロードされた写真又はスキャンから読み取られる情報を埋めるか、又はデータ投入することができる。別の実施形態において、システムは、バーコード、QRコード(登録商標)、マトリックスコード、Aztecコード、又は他の既知のタイプの符号化情報のような、従来の符号化情報を認識することが可能である。さらなる実施形態において、システムは、以前の眼鏡若しくはコンタクト処方、及び/又は眼鏡若しくはコンタクトの箱若しくは容器から符号化情報をスキャンすることが可能である。またさらなる実施形態において、システムは、任意の可能性のある書き込み可能なフィールドに、スキャンされた以前の眼鏡若しくはコンタクトの処方、及び/又は以前の眼鏡若しくはコンタクトの箱若しくは容器から読み取られる情報を自動的に埋めるか、又はデータ投入することができる。
【0098】
[0098]患者が、以前の処方から利用可能な患者が有するデータを何であれ埋めた後、システムは、患者が矯正レンズを使用していないとき、いずれがよりぼやけて又は焦点が外れて見えるか268に関して患者に問い合わせる。ここでも、
図2Aの例示的な実施形態において、システムは、患者が回答を選択するためにラジオボタン270、272、及び274を与えるが、問い合わせに対する入力を可能にするための任意の適切な方法が許容可能である。患者がよりぼやけているものとして、遠く270を選択した場合、この選択は、患者が近視であり、患者にいくらかの乱視がある場合があることを示唆し得る。患者がよりぼやけているものとして、近く272を選択した場合、この選択は、患者が遠視であり、患者にいくらかの乱視がある場合があることを示唆し得る。患者が、両方とも等しくぼやけている274を選択した場合、患者は、近視又は遠視である場合があり、患者に乱視がある可能性がある。
【0099】
[0099]
図2Bの実施形態に示すように、患者が、以前の処方を有するかに関する問い合わせに「いいえ」で応答するとき、システムは、
図2Aにあるような書き込み可能な書式及びフィールド218~264を表示しない。代わりに、
図2Bの実施形態において、システムは、問い合わせ268の提示に直に移行して、ちょうど
図2Aにあるような、ラジオボタン270、272及び274を介して患者が応答することを可能にする。
【0100】
[0100]ここで、
図3を参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。このプロセス段階において、システムは表示200を提示し、プログレスバーは、患者が現在乱視軸角度区画204にあることを示している。アイトラッカ(eye tracker)302、304は、いずれの眼が検査されているかを示す。アイトラッカは、任意の適切な進行メータであってもよいことが諒解されるべきである。
図3の実施形態において、アイトラッカ302、304は区切られたアイトラッカであり、現在取り組まれている眼に対応する区画302が他方の眼に対応する他方の区画よりも暗い色であることによって示されている。区切られたタイプのアイトラッカ、又は他のタイプの進行メータについて、検査されている眼の指示は、色、サイズ、フォント、テキストなどの任意の変化であってもよいことが諒解されるべきである。別の例示的な実施形態において、アイトラッカの区画302、304は、他方の眼に対応する区画を選択することによって、患者が検査されている眼を変更することができるように、患者によって選択可能である。異なる実施形態において、区画は、検査されている眼を変更するために患者によって選択可能ではない。
【0101】
[0101]
図3を参照すれば分かるように、アイトラッカ302、304は、検査されている眼が、左眼区画302のより暗い陰影によって示されている左眼であることを示す。文面での指示306が、音声指示制御要素210を用いて患者が制御することができる音声指示とともに、患者に与えられる。
図3に示す例示的な実施形態において、文面での指示は「右眼を覆ってください。より暗い、より太い又はより目立つ線を選択してください。3本の線がより暗い、より太い又はより目立つ場合、真ん中の線を選択してください。2本の線がより暗い、より太い又はより目立つ場合、それらの線の間にある中間ボタンを選択してください。」と読める。指示306は、患者に、図形310を参照させる。図形310は、乱視軸の診断に関する既知の図形である。乱視のある患者には、自身の乱視軸周辺にある線が、図形の他の線よりも太いものとして、又はより良好に合焦して見える。選択される線が、乱視軸角度に対応する。この例示的な実施形態において、線は、15°の間隔をおいて均等に離間されている。任意の適切な角度間隔が図形310によって利用されてもよいことが諒解されるべきである。システムは、患者が図形を見たときにより目立つ線、又は、複数の線から成るグループの真ん中の部分を患者が入力することを可能にする。患者は、矯正されていない眼で図形を見ていることが諒解されるべきである。
【0102】
[0102]
図3に示す実施形態において、文字A~Sのボタン308及びより小さい組合せ文字のボタン310が、患者の乱視軸角度を示すために選択可能である。軸線選択可能アイコン308、310は文字である必要はなく、数字、角度測定値、絵図、記号、又は任意の他の適切なアイコンであってもよいことが諒解されるべきである。
図3に示すように、文字「A」308aは0°の軸に対応し、文字「G」308bは75°の軸に対応し、文字「J」308cは90°の軸に対応し、文字「O」308dは165°の軸に対応し、文字S308eは180°の軸に対応する。別の例示的な実施形態において、システムは、患者の検査されている眼に乱視がないことを示す、図形の線のいずれもより暗い、より太い又はより目立つように見えないことを患者が示すためのボタンを与える。さらなる例示的な実施形態において、患者が検査されている眼に乱視がないことを示す少なくとも1つの入力を患者が行うとき、システムは、他方の眼の乱視に関する検査に進む。別の実施形態において、患者が検査されている眼に乱視がないことを示す少なくとも1つの入力を患者が行うとき、システムは、その眼の乱視重症度を検査する区画を飛ばして、その同じ目の視力検査に進む。代替的な実施形態において、患者が検査されている眼に乱視がないことを示す少なくとも1つの入力を患者が行うとき、システムはなお、患者のその眼に乱視があることに対する二重チェックとして、その眼の任意の乱視の重症度を検査する。
【0103】
[0103]
図3に示すように、患者の左眼について、患者の乱視軸角度の1つ又は複数の線が選択された後、右眼304が検査されていることを示すようにアイトラッカ302、304を動かすこと、及び、現在右眼が検査されていることを反映するように文面での指示306を調整することによって、システムは、同じ図形310による同じ検査を、右眼について反復することができることが諒解されるべきである。別の実施形態において、患者は、引き続き左眼でプログレスバーの区画に取り組み、左眼についての乱視重症度検査206が完了した後、右眼について2つの乱視区画204及び206を反復した後、いずれかの眼についての視力検査208に進む。別の実施形態において、一方の眼、たとえば、左眼ですべての区画204、206、及び208に取り組んだ後、他方の眼、この例では右眼での各区画204、206、及び208の取り組みに戻る。いずれの眼の順序による、いずれの順序の検査も適切であることがさらに諒解されるべきである。患者が選択可能なプログレスバー区画204、206及び208、並びにアイトラッカ区画302及び304を与えることによって、患者は、自身が好むいずれの順序を選択してもよいことがさらに諒解されるべきである。
【0104】
[0104]ここで、
図4Aを参照すると、本開示の別の例示的な実施形態が示されている。このプロセス段階において、システムは表示200を提示し、プログレスバーは、患者が現在、乱視重症度区画206にあることを示している。アイトラッカ302、304は、左眼302が検査されていることを示す。文面での指示406は、「右眼を覆ってください。1.右眼を覆ったままにしてください。2.格子がすべて完全な正方形になるまで(+)をクリックしてください。」と読める。文面での指示は、いくつかのより小さい正方形に分割されている大きい正方形を示す図形408aを参照する。システムは、図形408aの格子のすべてが患者に完全な正方形であるように見えるまで図形を調整するための、患者が選択可能なアイコン410及び412を与える。図形408aの格子のすべてが患者に完全な正方形であるように見えたとき、患者は、患者が選択可能なアイコン414を選択する。システムが何らかの様態で正常に動作していない場合、システムは、機能不全に対する支援を要求するためのボタン418を与える。ボタン418はオプションであるが、図形変化のアニメーションが患者に見えない場合に有用であることが諒解されるべきである。
図4Aの図形408aは、乱視のない患者、又は、検査されている眼に矯正レンズを装着している乱視のある患者に対する見え方で示されていることがさらに諒解されるべきである。言い換えれば、図形408aのボックスは
図4Aにおいては正方形であるが、乱視のある矯正されていない眼には歪曲して見える。
【0105】
[0105]本出願人は、驚くべきことに、図形408aに示す格子を使用することを使用して、患者が図を自身の矯正されていない眼で正方形として見るために、患者の乱視軸に沿って歪曲する必要がある量を測定することによって、患者の乱視度数処方を決定することができることを見出した。
【0106】
[0106]ここで、
図4B、
図4C、
図4D及び
図4Eを参照すると、本開示の別の他の実施形態が示されている。これらの図の実施形態において、患者は、それぞれ
図3のアイコン308a、308b、308c、308d及び308eを選択している。したがって、これらの
図408b、408c、408d、及び408eの対応する図形はそれぞれ、その図に対して患者が選択した軸に沿って伸長されているものとして示されている。特に、
図4Bは、75°軸に沿って歪曲されている図形408bを示し、
図4Cは、90°軸に沿って歪曲されている図形408cを示し、
図4Dは、165°軸に沿って歪曲されている図形408dを示し、
図4Eは、180°軸に沿って歪曲されている図形408eを示す。患者が「+」412を選択した場合、図形は軸に沿って延長される。患者が「-」410を選択した場合、図形は軸に沿って収縮する。このように、ボックスが患者の矯正されていない眼に正方形に見えるまで、患者は図形を操作することができる。患者が図形を操作するとき、スケール416が、患者が図形408b、408c、408d、又は408eをどれだけ変化させたかの視覚表現を患者に提供する。
【0107】
[0107]システムは、図形を、任意の適切な方法、任意の適切な速度、及び任意の適切な増分で歪曲させることができることが諒解されるべきである。一実施形態において、システムは、患者が入力を行うことを可能にする前に、図形を自動的に歪曲させる。別の実施形態において、システムは、図形の歪曲を自動的に開始し、患者が歪曲を停止するための入力を行うまで、図形を歪曲させ続ける。さらなる実施形態において、患者は、少なくとも1つの入力を行うことによって、図形の歪曲をさらに調整することができる。別のさらなる実施形態において、患者は、任意の入力を行うことによって、図形の歪曲をさらに調整しなくてもよい。別の実施形態において、システムは、患者からの少なくとも1つの入力を受信する前に、図形を歪曲させない。
【0108】
[0108]ここで、
図5を参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。
図5に示すように、患者は、患者の矯正されていない眼にボックスが正方形に見えるように、図形408fを操作している。スケール416が、図形408fが操作されていることを示している。この時点において、患者は、図形408fのボックスが患者には正方形に見えていることを示すアイコン414を押すことができる。システムは、図形408fが操作された量から、患者の検査されている眼の乱視度数を求める。
【0109】
[0109]システムによって、患者の所与の眼の乱視軸角度及び乱視度数の組合せを使用して、その所与の眼に対して意図されているさらなる図及び図形に適用するためのスキュー関数を求めることができることが諒解されるべきである。このように、たとえば、視力検査に使用される図は乱視の影響を無効にするように修正されているため、乱視は、視力検査の結果に影響を与えない。
【0110】
[0110]ここで、
図6を参照すると、本開示の別の例示的な実施形態が示されている。このプロセス段階において、システムは表示200を提示し、プログレスバーは、患者が現在、視力検査区画206にあることを示している。特に、
図6の表示200は、コンピュータ制御スクリーンからの患者の距離を求めるためにコンピュータ制御スクリーンに取り付けられ得るカメラを較正することを対象とする。システムは、視力検査から球面度数を正確に計算するために、患者の距離を知っていなければならない。患者のコンピュータ制御スクリーンがカメラを有しない場合、システムは患者に、スクリーンから離れたままでいるための指定距離を与える。この指定距離は、「小-大」視力検査(
図1Aのブロック122及び124に記載)の各事例及び/又は「大-小」視力検査(
図1Aのブロック126及び128)の各事例について同じであってもよく、又は異なってもよい。
【0111】
[0111]
図6に示す例示的な実施形態の文面での指示606は、「1.磁気帯をカメラに向けた状態でクレジットカードを持ってください。2.カードをカメラから11インチのところに置いてください。3.紙片を使って11インチを測ってください。紙を長く巻いてください。一端をカメラ付近のスクリーンに触れさせ、他端をクレジットカードに触れさせてください。紙を取り外して、カードをその位置のままにしてください。較正ボタンを押してください。4.画像の磁気帯の上でクリックしてください。5.磁気帯が強調されたら、完了ボタンをクリックしてください。」と読める。カメラビューア(camera viewer)は、患者に、カメラが見ているものを示す。患者は、指示に従って、文面での指示に応じて較正ボタン612及び完了ボタン614をクリックすることができる。患者とコンピュータ制御スクリーンとの間の距離を較正する任意の他の適切な又は従来の方法が利用されてもよいことが諒解されるべきである。
【0112】
[0112]患者とコンピュータ制御スクリーンとの間の任意の適切な距離が使用されてもよいことが諒解されるべきである。一実施形態において、患者とスクリーンとの間の距離は、患者が近視又は遠視であるかに基づいて決定される。さらなる実施形態において、システムは、患者とスクリーンとの間の距離が、近視患者及び遠視患者について同じであると決定する。別の実施形態において、システムは、患者とスクリーンとの間の距離が、近視患者及び遠視患者について異なると決定する。一実施形態において、システムは、スクリーンの種類、タイプ、寸法、又は他の特性に応じて患者とスクリーンとの間の距離を決定してもよい。別の実施形態において、患者は、決定された入力を患者が使用するのが困難であるかに関する入力を行うことを可能にされてもよい。さらなる実施形態において、システムは、決定された入力を患者が使用するのが困難であるかに関する入力を行った後に、患者とスクリーンとの間の新たな距離を決定してもよい。
【0113】
[0113]別の例示的な実施形態において、システム又は患者端末は、投影技術、又はたとえば、検眼医の診療所において慣例であるように、患者とコンピュータ制御スクリーンとの間のより大きい又はより小さい距離をシミュレートするために鏡を利用してもよい。さらなる例示的な実施形態において、患者が動くことができ、鏡が同じシミュレートされる距離を維持するために患者の動きを計上するように調整することができるように、鏡は患者の位置に基づいて調整可能である。
【0114】
[0114]追加の例示的な実施形態において、システムは、患者に、患者の靴のサイズ及び性別について問い合わせることができ、その情報を使用して、患者に、踵から爪先までの測定値を介してコンピュータ制御スクリーンからの自身の距離を推定させ、その距離をシステムに入力させる。代替の例示的な実施形態において、システムは、患者に、コンピュータ制御スクリーンから決定された数の踵から爪先までの幅をとり、患者をコンピュータ制御スクリーンからかなり正確な距離に置くよう指示することができる。
【0115】
[0115]ここで、
図7Aを参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。このプロセス段階において、システムは表示200を提示し、プログレスバーは、患者が現在、視力検査区画206にあることを示している。アイトラッカ302、304は、左眼302が検査されていることを示す。カメラを有するシステムについて、システムは、カメラ/コンピュータ制御スクリーンからの患者の距離の推定値を有する較正ボックス708を与える。一実施形態において、システムは、カメラが測定する、スクリーンからの患者の距離を使用して、
図710の一部分として患者に表示するためのフォントサイズ及びアイコンサイズを決定する。
【0116】
[0116]文面での指示706は、「右眼を覆ってください。顔をスクリーンから28インチ動かしてください。その距離から文字がかろうじて認識できるときに、「見えます」をクリックしてください。はっきり見えるようになるまで待たないでください!+及び-を使用して、文字がかろうじて認識できることを確実にしてください。」と読める。文面での指示は、この実施形態においては文字列である
図710を参照する。文字、数、絵図などのような、任意の適切な種類及び数の視覚的刺激、記号、形状、又はアイコンが、
図710を構成することができることが諒解されるべきである。
図7Aに示すように、システムは、図の文字をかろうじて判読することが可能であるように患者に図が見えるまで図を調整するために、患者が選択可能なアイコン712及び716を提供する。患者に図が見えて、かろうじて文字を判読することができるとき、患者は、患者が選択可能なアイコン414を選択する。一実施形態において、
図710は、図が患者にはっきり見えないよう十分に小さいところから始まり、患者は、図がかろうじて判読することができるようになるまで図のサイズを増大させるために少なくとも1つの入力を行わなければならない。別の実施形態において、
図7Bに示すように、図は、患者にはっきり見えるよう十分に大きいところから始まり、患者は、図がもはや判読することができなくなるまで図のサイズを低減するために少なくとも1つの入力を行わなければならない。
【0117】
[0117]システムは、「小-大」視力検査からの少なくとも1つの入力から球面度数を求める。システムは、「大-小」視力検査からの少なくとも1つの入力から別の球面度数を求める。前述したように、「小-大」視力検査及び「大-小」視力検査は、各眼について、任意の回数、任意の順序で実施されてもよく、各視力検査の結果、患者の少なくとも1つの入力から求められる球面度数がもたらされる。一実施形態において、システムは、「小-大」視力検査のみを実施してもよく、「大-小」視力検査は実施しない。別の実施形態において、システムは、「大-小」視力検査のみを実施してもよく、「小-大」視力検査は実施しない。いずれか又は両方の視力検査が、患者の眼あたり1回又は複数回実施されてもよい。システムが両方の目に対するすべての事例の視力検査を提供すると、システムは、視力検査事例からの球面度数を平均して、最終的な球面度数を求める。システムは、所与の球面度数が、残りの結果の球面度数の平均から外れた統計的に有意な単位の測定値である場合には、この所与の球面度数を最終的な球面度数に使用しないよう決定することができることが諒解されるべきである。一実施形態において、システムは、結果の球面度数の平均を最終的な球面度数として採る。
【0118】
[0118]システムは、図のサイズを、任意の適切な方法、任意の適切な速度、及び任意の適切な増分で調整することができることが諒解されるべきである。一実施形態において、システムは、患者が入力を行うことを可能にする前に、図形を自動的に増大(「小-大」検査の場合)又は低減(「大-小」検査の場合)する。別の実施形態において、システムは、図の増大又は低減を自動的に開始し、患者が増大又は低減を停止するための入力を行うまで、図を増大又は低減し続ける。さらなる実施形態において、患者は、少なくとも1つの入力を行うことによって、図のサイズをさらに調整することができる。別のさらなる実施形態において、患者は、任意の入力を行うことによって、図のサイズをさらに調整しなくてもよい。別の実施形態において、システムは、患者からの少なくとも1つの入力を受信する前に、図形を増大又は低減ない。
【0119】
[0119]本開示の上述した実施形態は、限定ではないが、下記に説明するもののような様々な異なるタイプのシステムの1つ又は複数に従って、又はそれとともに実施されてもよいことが諒解されるべきである。
【0120】
[0120]ここで
図8A、
図8B、
図8C及び
図8Dを参照すると、本開示の別の実施形態が示されており、システムが、色分け図形800を表示しており、図形の輪郭がより明確に見える部分を選択するために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、入力は、患者が、近視又は遠視(矯正レンズを装着していない場合)であること、過剰矯正又は矯正不足であるか(矯正レンズを装着している場合)であることなどの判定に対応する。色分け図形800は、各眼について1回、2回、又は連続してそれ以上の回数提示されてもよい。色分け図形800は、患者に提示される毎に同じであってもよいし、又はわずかに異なってもよい。
図8A、
図8B、
図8C及び
図8Dに示す例において、色分け図形800はわずかに異なっている。
【0121】
[0121]色分け図形800は、部分802及び部分804として示す、少なくとも2つの部分を有する。
図8A~
図8Dに示す実施形態において、部分802及び804は、背景色を有する半円である。
図8A~
図8Dに示す例において、部分802はより鮮やかな背景色を有し、部分804はよりくすんだ背景色を有する。任意の適切なより鮮やかな色及びよりくすんだ色が、それぞれ部分802及び804の背景色として使用されてもよいことが、当業者には諒解されるべきである。一実施形態において、部分802は、緑系統色(暗い色から明るい色、鮮やかな色から暗い色、及び、他の色との混色、すなわち、黄緑色又は青緑色の、様々な緑色を含む)からの背景を有し、一方で、部分804は、赤系統色(暗い色から明るい色、鮮やかな色から暗い色、及び、他の色との混色、すなわち、赤紫色又は赤橙色の、様々な赤色を含む)からの背景を有する。別の実施形態において、部分802は、黄系統からの背景を有し、一方で804は、紫系統からの背景を有する。
【0122】
[0122]部分802及び804は、ともに近くに配置され、近い距離から見ると、矢じり形状に見える様々な長さの複数の線806をさらに含む。
図8A~
図8Dの各々において、矢の方向は互いから外方に向いており、水平な線又は垂直な線806から構成されている。任意の適切な集合形状を構成する、任意の適切な方向に配置された、任意の適切な数の線(任意の適切な密度の直線又は曲線)が使用されてもよいことが、当業者には諒解されるべきである。別のさらなる実施形態において、長さ806は、円、正方形、三角形、文字、数などのような、単色又は半単色形状に置き換えられてもよい。部分802及び804は、半正方形、半三角形などのような、半円以外の形状であってもよいことがさらに諒解されるべきである。
【0123】
[0123]上述したように、色分け図形800は、その1つ又は複数の構成において、矯正レンズを装着していない場合に患者が近視又は遠視であるかを判定するのに使用することができる。システムは、システムを使用する前に、眼鏡又はコンタクトのような任意の矯正レンズを取り外すよう指示することができる。システムは、患者の一方の眼に色分け図形を提示し、いずれの矢部分が患者の矯正されていない眼によりはっきりと見えるかに関する入力を患者が行うことを可能にする。一実施形態において、患者は、より鮮やかな背景を有する部分802がよりはっきりと(すなわち、よりくっきりと又は輪郭がより明確に)見えること、よりくすんだ背景を有する部分804がよりはっきりと見えること、又は、部分802及び804の上の矢がおおよそ等しい明瞭さであることを選択することができる。一般的に、より鮮やかな背景を有する部分802が、よりくすんだ背景を有する部分804よりもはっきりとしているという選択は、患者が遠視であることを示唆する。一般的に、よりくすんだ背景を有する部分804が、より鮮やかな背景を有する部分802よりもはっきりとしているという選択は、患者が近視であることを示唆する。異なる方向を指している矢印を有する色分け図形による、片眼あたり2回以上の検査を実施することで、患者からの任意の主観的な誤りを軽減することが支援されることが、当業者には諒解されるべきである。一実施形態において、患者は自身の第1の眼に対して、
図8A~
図8Dが第2の眼に対して任意の順序において提示される以外の任意の順序で、
図8A~
図8Dを提示される。システムは、1回、2回、3回、4回、又はそれ以上の色分け図形検査の結果を使用して、患者の近視又は遠視を判定する。
【0124】
[0124]
図8A~
図8Dにおける例によって示す検査はまた、矯正レンズを装着している間に実施される場合、患者が過剰矯正又は矯正不足であるかを判定するために使用されてもよいことが諒解されるべきである。例示的な一実施形態において、患者は、自身の矯正レンズを使用しながら、直前に説明した同じステップを各眼について個々に実施する。この例示的な実施形態において、より鮮やかな背景を有する部分802が、よりくすんだ背景を有する部分804よりもはっきりとしているという選択は、患者が、自身の現在の矯正レンズによって過剰矯正されていることを示唆し、よりくすんだ背景を有する部分804が、より鮮やかな背景を有する部分802よりもはっきりとしているという選択は、患者が、自身の現在の矯正レンズによって矯正不足であることを示唆する。
【0125】
[0125]ここで、
図9Aを参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。
図9Aは、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットであり、システムが、線図形900を表示しており、線図形の回転に影響を与えるために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は乱視軸角度に対応する。
図9Aに示す例示的な実施形態において、線図形900は、単色背景上の線又は細長い長方形である。長方形/線は、交互になった部分902及び904から構成されている。交互になった部分902及び904は色が異なっている。
図9Aの実施形態において、部分902はより鮮やかな背景色を有し、部分904はよりくすんだ色を有する。任意の適切なより鮮やかな色及びよりくすんだ色が、それぞれ部分902及び904の背景色として使用されてもよいことが、当業者には諒解されるべきである。一実施形態において、部分902は、緑系統色(暗い色から明るい色、鮮やかな色から暗い色、及び、他の色との混色、すなわち、黄緑色又は青緑色の、様々な緑色を含む)からの背景を有し、一方で、部分904は、赤系統色(暗い色から明るい色、鮮やかな色から暗い色、及び、他の色との混色、すなわち、赤紫色又は赤橙色の、様々な赤色を含む)からの背景を有する。別の実施形態において、部分902は、黄系統からの背景を有し、一方で904は、紫系統からの背景を有する。
【0126】
[0126]交互になった部分902及び904は、任意の適切な形状又はサイズであってもよい。たとえば、
図9Aにおいて、交互になった部分902及び904は、それらの部分の間に隙間が一切ない、線図形900の長方形/線を構成する正方形である。2つ以上の交互になった部分が使用されてもよいことが、当業者には諒解されるべきである。
【0127】
[0127]システムは、線図形900を患者に提示する。一実施形態において、システムは、図形900の、その図形の中心を中心として回転させ始める。別の実施形態においては、患者が、図形900の、その図形の中心を中心として回転させ始めるための入力を行う。回転は、患者が変化を識別することができるよう十分に遅い。一実施形態において、患者は、図形900の回転を加速又は減速させるための入力を行うことができる。別の実施形態において、図形900は自動的には回転せず、患者が、図形900の各回転に対応する入力を行わなければならない。
【0128】
[0128]本出願人は、驚くべきことに、線図形900のような線図形を使用して、患者の乱視軸角度を1°以内の精度で求めることができることを見出した。乱視の影響は患者の視覚を乱視軸に沿って歪曲又は伸長されることであるため、線図形900が患者の乱視軸の近くにあるか又は乱視軸にあるとき、交互になった部分902及び904はぼやけて1つになり、それらの部分の個々のいずれかではなく、1つの異なる色に見えるようになる。部分902が緑色であり、部分904が赤色である例示的な一実施形態において、線は、患者の乱視軸において又はその付近で黄色に見える。患者に乱視がない場合、線は色が変わるようには見えないことが、当業者には諒解されるべきである。
【0129】
[0129]線図形900の回転軸は、0度~360度に及ぶ角度から構成される。しかしながら、オプションの処方において、角度は0度~180度で記載される。したがって、角度0°及び180°は同じであり、170°及び350°は同じであり、100°及び280°は同じであるなど、他も同様であることが、当業者には諒解される。軸線は180°点より下に延伸し、これが、180°を上回る角度が180°下と対応する同値をも有する理由である。
【0130】
[0130]本開示のシステムの一実施形態において、システムは患者に、上述したようにシステム又は患者の指示によって回転することができる線図形900を提示する。1度に一方の矯正されていない眼で図形を見る患者は、線の色が変わって見えるときに対応する入力を行うことを可能にされる。一実施形態において、患者は、線の1回又は複数回の完全な回転が完了するまで、線の色が変わったという入力を行うことを妨げられる。別の実施形態において、線の色が変わって見えたことを示す入力を患者が行うと、患者は、色の変化が最も明確に(すなわち、最も強く、最も暗く、又は最も明瞭に)見えた角度に対応する別の入力を患者が行うまで、線がより小さく回転するようにする微調整入力をさらに行うことを可能にされる。一実施形態において、微調整入力は1°の回転を引き起こす。2°、5°、又は10°のような他の微調整増分が使用されてもよいことが、当業者には諒解されるべきである。従来の主観的な乱視軸判定技法は10°の増分を使用するため、また、乱視は(任意の角度にある)いずれの軸にも沿う可能性があるため、10°を下回る任意の増分が、診療所でアイケアの専門家によって使用されるフォロプタシステムよりも正確な判定をもたらすはずである。色が最も明確に変わって見える角度に対応する入力によって選択される角度が、患者の乱視軸処方である。その後、システムは、患者の他方の矯正されていない眼に対してプロセスを反復する。
【0131】
[0131]一実施形態において、システムは、線の色が変わるように見えなかったことを反映する入力を患者が行うことを可能にする。そのような入力は、患者の検査されている眼に乱視がないことを示唆することが、当業者には諒解されるべきである。さらなる実施形態において、システムは、
図3に示すもののような、検査されている眼に対する追加の乱視軸検査を患者に与える。異なるさらなる実施形態において、システムは、患者が乱視度数検査を飛ばして、他方の眼に対する乱視軸検査、又は、屈折力検査のような別の種類の検査にすぐに進むことを可能にする。
【0132】
[0132]ここで、
図9Bを参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。
図9Bは、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットであり、システムが、線図形906を表示しており、線図形906の様々な部分の間隔又はサイズに影響を与えるために、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は患者の乱視度数に対応する。
【0133】
[0133]本出願人は、驚くべきことに、線図形906のような線図形を使用して、患者の乱視度数処方を正確に決定することができることを見出した。乱視の影響は患者の視覚を乱視軸に沿って歪曲又は伸長させることであるため、交互になった部分が伸長して患者の乱視の重症度に対応すると、患者の眼は再び、交互になった部分をそれらの部分の実際の色で見分けることが可能になる。患者に乱視がない場合、線は交互になった部分がそれらの部分の実際の色に見えるだけであることが、当業者には諒解されるべきである。
【0134】
[0134]
図9Bの例示的な実施形態に示す線図形906は、その線図形が、患者の乱視の重症度を判定するのに使用されるという点において、
図9Aとは異なっている。患者が乱視軸を有すると以前に判定された場合、
図9Bの検査は、この個人の乱視の程度を判定するための、次の検査である。線図形906は最初に、
図9Aを参照して説明した乱視軸判定検査において判定された乱視角度で示され、図を参照して上述したものと同様の交互になった部分902及び904を有する。
図9Aを参照して説明した検査中にすでに確認したように、線図形906は、交互になった部分902及び904とは異なる色に見えるはずである。交互になった部分902及び904がそれぞれ緑色及び赤色である例において、検査されている患者の乱視軸にある線図形906は、患者には黄色に見えるはずである。
【0135】
[0135]システムは、1度に患者の一方の矯正されていない眼に線図形906を提示する。一実施形態において、システムは、患者が交互になった部分の色を再び見ることができたことを示す入力を患者が行うまで、交互になった部分902及び904のサイズ(すなわち、長さ及び/又は幅)を自動的に増大させる。患者は、自身が交互になった色を最初に見ることができるサイズまで、交互になった部分のサイズを変更するための微調整入力を行うことを可能にされる。たとえ部分902及び904がそれぞれ緑色及び赤色であったとしても、線図形906が患者に最初は黄色に見える一実施形態において、患者は、緑色の部分902及び赤色の部分904が再び見え始めるときに入力を行うことになる。別の実施形態において、システムは、交互になった部分のサイズを自動的には変更せず、患者が、すべてのサイズ変化に対応する入力を行うことを可能にする。
【0136】
[0136]別の実施形態において、システムは、患者が交互になった部分の色を再び見ることができたことを示す入力を患者が行うまで、交互になった部分902及び904の間に隙間を挿入することによって開始する。患者は、自身が交互になった色を最初に見ることができるサイズまで、交互になった部分の間隔を変更するための微調整入力を行うことを可能にされる。別の実施形態において、システムは、交互になった部分の間隔を自動的には変更せず、患者が、すべての間隔変化に対応する入力を行うことを可能にする。
【0137】
[0137]サイズ及び間隔の変更は、同じ検査において、同時に、又は任意の順序で連続的に行われてもよいことが、当業者には諒解されるべきである。例示的な一実施形態において、交互になった部分902及び904のサイズは、患者が入力を行うまで変化し、その時点において、システムは、交互になった部分のサイズ、間隔、又は両方に影響を与える微調整入力を患者が行うことを可能にする。別の例示的な実施形態において、交互になった部分902及び904の間隔は、患者が入力を行うまで変化し、その時点において、システムは、交互になった部分の間隔、サイズ、又は両方に影響を与える微調整入力を患者が行うことを可能にする。システムは、交互になった部分の最終的なサイズ及び/又は間隔から、患者の乱視の重症度、すなわち乱視度数の処方を決定する。その後、システムは、患者の他方の矯正されていない眼に対してプロセスを反復する。
【0138】
[0138]ここで、
図10A及び
図10Bを参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。
図10Aは、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットであり、システムが、線図形1101を表示しており、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は乱視度数に対応する。
図10Bは、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットであり、
図10Aの図が、患者の決定された乱視軸と整列するように回転可能である。
【0139】
[0139]
図10A及び
図10Bに示す例示的な実施形態において、線図形1001/1004は、単色背景上の一連の線又は細長い長方形である。一連の線は、異なるサイズの線を含む。
図10Aに示す例示的な実施形態において、線は、図形1001の上から図形1001の下へと見ていくにつれてサイズが増大する。長方形/線は、交互になった部分1002及び1003から構成されている。交互になった部分1002及び1003は上述した交互になった部分902及び904と同様に色が異なり、一方がより鮮やかになっており、他方がよりくすんでいる。
図10Aの実施形態において、部分1003はより鮮やかな背景色を有し、部分1002はよりくすんだ色を有する。
【0140】
[0140]線又は交互になった部分のサイズ、及び、線又は交互になった部分の間隔は、任意の適切な量であってよいことが、当業者には諒解されるべきである。たとえば、
図10A及び
図10Bは、隙間によって分離されている線を示しているが、各線の交互になった部分は直に隣接していてもよい。別の例示的な実施形態において、交互になった部分は、それらの間に隙間を有してもよく、線は、直に隣接していてもよい。
【0141】
[0141]システムは、1度に患者の一方の矯正されていない眼に線図形1001又は1104を提示する。患者は、残りの線とは色が異なって見える1つ又は複数の線を選択するために少なくとも1つの入力を行うことを可能にされる。部分1003が緑色であり、部分1002が赤色である例示的な一実施形態において、交互になった部分の線は、乱視度数、すなわち、患者の乱視の乱視重症度よりも下では黄色に見える。選択は、線、又はボタン1000のような、線を表すボタンを選択しクリックすることによってなど、任意の適切な方法で達成されてもよい。
【0142】
[0142]本出願人は、驚くべきことに、線図形1001及び1004のような線図形を使用して、患者の乱視度数処方を正確に決定することができることを見出した。乱視の影響は患者の視覚を乱視軸に沿って歪曲又は伸長させることであるため、交互になった部分が伸長して患者の乱視の重症度に対応すると、患者の眼は再び、交互になった部分をそれらの部分の実際の色で見分けることが可能になる。患者に乱視がない場合、線は交互になった部分がそれらの部分の実際の色に見えるだけであることが、当業者には諒解されるべきである。
【0143】
[0143]ここで、
図11Bを参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。
図11Bは、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットであり、システムが、同心半円図形1105を表示しており、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は乱視軸角度及び/又は乱視度数に対応する。
【0144】
[0144]
図11Bに示す例示的な実施形態において、半円図形1105は、単色背景上の半円である。半円は、同心半円になるように配置されている交互になった部分1107及び1108から構成されている。交互になった部分1107及び1108は上述した交互になった部分902及び904と同様に色が異なり、一方がより鮮やかになっており、他方がよりくすんでいる。
図11Bの実施形態において、部分1108はより鮮やかな背景色を有し、部分1107はよりくすんだ背景色を有する。
【0145】
[0145]交互になった部分1107及び1108は、それらの間に任意の適切な間隔がある、任意の適切な形状又はサイズであってもよい。たとえば、
図11Bにおいて、交互になった部分1107及び1108は、それらの部分の間に隙間が一切ない、図形1105の半円を構成する、同心の湾曲した矩形スライスである。2つ以上の交互になった部分が使用されてもよいことが、当業者には諒解されるべきである。
図11Bの例示的な実施形態において、半円図形1105は、半径線1009によって複数のくさび形部分に分割される。半径線は互いから、1度、2度、5度、10度、若しくは30度、又は他の角度増分のような、任意の適切な角度距離をおいて配置されてもよいことが諒解されるべきである。角度距離は180度を均等に割り切れることが好ましい。
図11Bに示すように、半径線1009は、20度間隔で配置されている。
【0146】
[0146]システムは、1度に患者の一方の矯正されていない眼に半円図形1105を提示する。患者は、残りのくさび形部分とは色が異なって見える1つ又は複数のくさび形部分を選択するために少なくとも1つの入力を行うことを可能にされる。選択は、くさび形部分、又はボタン1106のような、くさび形部分を表すボタンを選択しクリックすることによってなど、任意の適切な方法で達成されてもよい。
【0147】
[0147]本出願人は、驚くべきことに、半円図形1105のような半円図形を使用して、患者の乱視軸角度処方を決定することができることを見出した。乱視の影響は患者の視覚を乱視軸に沿って歪曲又は伸長させることであるため、半円図形の、患者の乱視軸の近傍にある部分において、交互になった部分1107及び1108はぼやけて1つになり、それらの部分の個々のいずれかではなく、1つの異なる色に見えるようになる。部分1108が緑色であり、部分1107が赤色である例示的な一実施形態において、くさび形部分の一部分は、患者の乱視軸において又はその付近で黄色に見える。円図形の中心から離れたところで色がより大きくぼやけていることは、より重症の乱視度数を示していることが、当業者には諒解されるべきである。患者に乱視がない場合、くさび形部分のいずれの部分も色が変わるようには見えないことが、当業者には諒解されるべきである。
【0148】
[0148]ここで、
図12Bを参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。
図12Bは、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットであり、システムが、スポーク図形1205を表示しており、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は患者の全体的な乱視軸角度に対応する。
【0149】
[0149]
図12Bに示す例示的な実施形態において、スポーク図形1205は、半円暗色背景1209上の半径線として配置されている、単色背景上の一連の線又は細長い長方形である。
図12Bに示す例示的な実施形態において、線はほぼ同じサイズである。長方形/線は、交互になった部分1207及び1208から構成されている。交互になった部分1207及び1208は上述した交互になった部分902及び904と同様に色が異なり、一方がより鮮やかになっており、他方がよりくすんでいる。
図12Bの実施形態において、部分1207はより鮮やかな背景色を有し、部分1208はよりくすんだ背景色を有する。
【0150】
[0150]システムは、1度に患者の一方の矯正されていない眼にスポーク図形1205を提示する。患者は、残りの線とは色が異なって見える1つ又は複数の線を選択するために少なくとも1つの入力を行うことを可能にされる。部分1207が緑色であり、部分1208が赤色である例示的な一実施形態において、交互になった部分の線は、患者の乱視軸において又はその付近で黄色に見える。選択は、線、又はボタン1206のような、線を表すボタンを選択しクリックすることによってなど、任意の適切な方法で達成されてもよい。
【0151】
[0151]ここで、
図11Aを参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。
図11Aは、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットであり、システムが、
図12Bのスポーク図形1205のより小さい角度部分である微小スポーク図形1002を表示しており、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は微細な乱視軸角度に対応する。
【0152】
[0152]
図11Aに示す例示的な実施形態において、スポーク図形1102は、半円暗色背景上の半径線として配置されている、単色背景上の一連の線又は細長い長方形である。
図11Aに示す例示的な実施形態において、線はほぼ同じサイズである。長方形/線は、交互になった部分1103及び1104から構成されている。交互になった部分1103及び1104は上述した交互になった部分902及び904と同様に色が異なり、一方がより鮮やかになっており、他方がよりくすんでいる。
図11Aの実施形態において、部分1104はより鮮やかな背景色を有し、部分1103はよりくすんだ背景色を有する。
【0153】
[0153]システムは、1度に患者の一方の矯正されていない眼にスポーク図形1102を提示する。患者は、残りの線とは色が異なって見える1つ又は複数の線を選択するために少なくとも1つの入力を行うことを可能にされる。部分1104が緑色であり、部分1103が赤色である例示的な一実施形態において、交互になった部分の線は、患者の乱視軸において又はその付近で黄色に見える。選択は、線、又はボタン1101のような、線を表すボタンを選択しクリックすることによってなど、任意の適切な方法で達成されてもよい。微小スポーク
図1102は、全体スポーク
図1205の、患者が以前に図形の他の部分と色が異なって見えるとして選択した部分を表すことが、当業者には諒解されるべきである。微小スポーク
図1102は、より正確な乱視軸角度をもたらすために半径線の間のより小さい角度増分を使用することがさらに諒解されるべきである。別の例示的な実施形態において、患者は最初に、半円図形1105からくさび形部分を選択し、その後、微小軸図形1102を使用して、乱視軸角度を微調整することができる。そのような例において、図形1102において使用される角度部分は、1105において残りのくさび形部分とは色が異なって見えるものとして患者によって選択される1つ又は複数のくさび形部分に対応する。
【0154】
[0154]本出願人は、驚くべきことに、スポーク図形1102及び1205のようなスポーク図形を使用して、患者の乱視軸角度処方を正確に決定することができることを見出した。乱視の影響は患者の視覚を乱視軸に沿って歪曲又は伸長させることであるため、スポーク図形の、患者の乱視軸の近傍にある部分において、図形1102の交互になった部分1103及び1104、並びに図形1205の部分1207及び1208はぼやけて1つになり、それらの部分の個々のいずれかではなく、1つの異なる色に見えるようになる。患者に乱視がない場合、いずれの線も色が変わるようには見えないことが、当業者には諒解されるべきである。交互になった部分の任意の適切なサイジング、間隔又は形状が、様々な軸に沿っている限り使用されてもよいことがさらに諒解されるべきである。
【0155】
[0155]ここで、
図12Aを参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。
図12Aは、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットであり、システムが、線図形1201を表示しており、患者が少なくとも2つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも2つの入力は乱視度数に対応する。
【0156】
[0156]
図12Aに示す例示的な実施形態において、線図形1201は、単色の暗色背景上の線又は細長い長方形である。長方形/線は、交互になった部分1202及び1203から構成されている。交互になった部分1202及び1203は上述した交互になった部分902及び904と同様に色が異なり、一方がより鮮やかになっており、他方がよりくすんでいる。
図12Aの実施形態において、部分1202はより鮮やかな背景色を有し、部分1203はよりくすんだ背景色を有する。
【0157】
[0157]本出願人は、驚くべきことに、乱視のある患者が1201のような図形を見ると、患者には、図形に提示されている単一の線ではなく、二重線、又は2本の線が見えることを見出した。本出願人は、さらに驚くべきことに、見かけ上の2本の線の間の距離量が、患者の乱視度数に対応することを見出した。乱視のない患者には単一の線が見えるだけであることが諒解されるべきである。
【0158】
[0158]システムは、1度に患者の一方の矯正されていない眼に線図形1201を表示する。患者は、
図12Aの矢印1200及び1204によって示すように、見かけ上の第1の線の端部を選択し、見かけ上の第2の線の端部を選択するための少なくとも2つの入力を行うことを可能にされる。このように、患者は見かけ上の2本の線の間の距離を識別している。患者は、患者に乱視がないこと、又は、交互になった部分のサイズが自身の乱視軸角度を上回っていることを示す、1本の線が見えているだけであることを選択することも可能にされる。そのような例において、システムは、より小さい交互になった部分を有する図形1201を再提示することができる。見かけ上の2本の線の開始点及び終端点の選択は、任意の適切な方法で達成されてもよい。
【0159】
[0159]ここで、
図13を参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。
図13は、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットであり、システムが、線図形1304を表示しており、患者が少なくとも1つの入力を行うことを可能にしており、少なくとも1つの入力は乱視度数に対応する。
【0160】
[0160]
図13に示す例示的な実施形態において、線図形1304は、単色の暗色背景上の線又は細長い長方形であり、線の幅及び高さは左から右へと見ていくにつれて増大する。長方形/線は、交互になった部分1301及び1302から構成されている。交互になった部分1301及び1302は上述した交互になった部分902及び904と同様に色が異なり、一方がより鮮やかになっており、他方がよりくすんでいる。
図13の実施形態において、部分1302はより鮮やかな背景色を有し、部分1301はよりくすんだ背景色を有する。サイズの異なる線のいかなる適切な配置も適当であることが諒解されるべきである。たとえば、線の幅及び高さは左から右へと低減してもよく、又は、線は、水平とは反対に垂直(又は水平に対して任意の角度をつけて)方向付けられてもよい。別の例において、サイズの異なる線分の間には隙間があってもよい。
図13に示す例示的な実施形態において、サイズの異なる線分の間に隙間はない。
【0161】
[0161]システムは、1度に患者の一方の矯正されていない眼に線図形1304を表示する。患者は、残りの線とは色が異なって見える1つ又は複数の線分を選択するために少なくとも1つの入力を行うことを可能にされる。部分1302が緑色であり、部分1301が赤色である例示的な一実施形態において、交互になった部分の線分は、乱視度数、すなわち、患者の乱視の乱視重症度よりも下では黄色に見える。選択は、線分、又はボタン1303のような、線分を表すボタンを選択しクリックすることによってなど、任意の適切な方法で達成されてもよい。
【0162】
[0162]本出願人は、驚くべきことに、線図形1304のような線図形を使用して、患者の乱視度数処方を正確に決定することができることを見出した。乱視の影響は患者の視覚を乱視軸に沿って歪曲又は伸長させることであるため、交互になった部分が伸長して患者の乱視の重症度に対応すると、患者の眼は再び、交互になった部分をそれらの部分の実際の色で見分けることが可能になる。患者に乱視がない場合、線は交互になった部分がそれらの部分の実際の色に見えるだけであることが、当業者には諒解されるべきである。
【0163】
[0163]ここで、
図14A~
図14Dを参照すると、本開示の他の実施形態が示されている。
図14A~
図14Dは、交互になった部分が異なるサイズ又は間隔のものであり得るが、依然として乱視重症度判定における同じ判定に対する検査であり得ることを示す、本開示のシステムの例示的な実施形態のスクリーンショットである。
図14Aから
図14Dへと、交互になった部分の間隔が増大している。しかしながら、サイジング及び間隔が分かっている限り、
図14A~
図14Dの各々がシステムによって使用可能である。
【0164】
[0164]ここで、
図15を参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。
図15は、交互になった部分が異なるサイズ又は間隔のものであり得るが、依然として乱視軸判定における同じ判定に対する検査であり得ることを示す、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットである。たとえば、
図12Bを、交互になった部分がより大きい
図15と対照されたい。しかしながら、サイジング及び間隔が分かっている限り、
図12B及び
図15の各々がシステムによって使用可能である。
【0165】
[0165]ここで、
図16を参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。
図16は、乱視軸全体判定図がサイズ及び形状を修正されている場合があり、微細に伸長されている場合があるが、患者の乱視軸の判定のためのシステムによって依然として使用可能であり得ることを示す、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットである。たとえば、
図16は、
図11Bの完全に半円の図と比較して水平方向にわずかに伸長していることを示す。
図16はまた、
図11Bとは対照的に、半円図の中心点と一致しない、図のくさび形部分の交互になった部分がより小さくなっており、数がより多くなっていることを示す。
【0166】
[0166]別の例示的な実施形態において、システムは、特定の軸のみを表示することによって、患者の乱視軸を検査又は確認してもよい。たとえば、システムは、上述したように、色が交互になった(鮮やかな色及びくすんだ色)線で埋められている形状(円など)のセットを表示してもよい。この例示的な実施形態において、所与の1つの円内のすべての線が同じ軸上にあり、残りの円内の線が他の軸上にあり得る。システムは、患者が、個々に検査される自身の矯正されていない眼の各々にぼやけて見える円を選択するために少なくとも1つの入力を行うことを可能にする。たとえば、鮮やかな色が緑系統から選択され、くすんだ色が赤系統から選択される事例において、患者は、黄色に見える円を選択してもよい。患者からの少なくとも1つの入力に基づいて、システムは、患者の乱視軸処方を決定又は確認することができる。たとえば、検査が処方を確認するために与えられている状況において、システムは、患者の選択する1つ又は複数の円の軸を、システムが以前に判定した軸と比較することによって処方が確認されるかを判定する。乱視軸角度が一致するか又は近い場合、処方は確認される。患者の乱視軸角度処方を最初に検査するか又は確認するために、任意の適切な数の形状、任意の適切な数の乱視軸、及び、任意の適切な検査の反復回数がシステムによって利用されてもよいことが諒解されるべきである。
【0167】
[0167]別の例示的な実施形態において、システムは、離間された形状を表示することによって、患者の乱視軸を検査又は確認してもよい。本出願人は、驚くべきことに、患者の乱視軸に沿って配置され、患者の乱視度数(又はより高い)に対応して離間されている、離間された形状が、患者の矯正されていない眼(各眼について個別)には触れているように見えることを見出した。たとえば、システムは、2つ以上の点を、格子又は任意の他の適切なパターンで表示し得、これらの点のうちの少なくとも2つは、患者の乱視軸に沿って離間されている。システムは、患者が、個々に検査される自身の矯正されていない眼の各々に、触れているように見える点を選択するか又は他の様態で識別するために少なくとも1つの入力を行うことを可能にする。患者からの少なくとも1つの入力に基づいて、システムは、患者の乱視度数を求めるか又は確認することができ、患者の矯正されていない眼には触れているように見える点の間の実際の距離が、乱視度数に対応する。たとえば、検査が処方を確認するために与えられている状況において、システムは、患者の選択する点の乱視度数を、システムが以前に判定した乱視度数と比較することによって処方が確認されるかを判定する。乱視度数が一致するか又は近い場合、処方は確認される。患者の乱視度数処方を最初に検査するか又は確認するために、任意の適切な数の形状、任意の適切な数の乱視軸、任意の適切な色、及び、任意の適切な検査の反復回数がシステムによって利用されてもよいことが諒解されるべきである。離間される形状は、異なる間隔で離間されてもよいこと、又は、乱視度数判定を微調整するために2つ以上の表示(形状の間の間隔が変化している)が使用されてもよいことがさらに諒解されるべきである。
【0168】
[0168]
図9A~
図16を参照して説明したすべての乱視判定検査が、限定ではないが、図面に描かれている正方形及び長方形を含む任意の適切な形状、及び、任意の適切な色系統における交互になった色の適切な数又は組合せにおいて、交互になった部分から構成されることができる。患者が、表示されている他の図形に対する色変化を見ることができないときはいつでも、このことが以下の問題のうちの1つのためであり得ることがさらに諒解されるべきである。(1)患者に乱視がない、(2)表示される交互になった部分のサイズが、患者にある乱視よりも高い異常に対応する、及び/又は(3)図形が患者の乱視軸上にない。状況(1)に対処するために、システムは、患者に乱視がないことを示す入力を患者が行うことを可能にすることができる。状況(2)に対処するために、システムは、交互になった部分のサイズを低減し、図形を再表示し、何らかの色変化が知覚されるかに関して再び患者に問い合わせることができる。状況(3)に対処するために、システムは、患者に同じ又は異なる乱視軸検査を提示することによって、乱視軸を再判定することができる。
【0169】
[0169]ここで、
図17を参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。
図17は、黄斑変性検査のための可能な構成を示す、本開示のシステムの一実施形態の一例のスクリーンショットである。そのような検査を使用することによって、システムは、患者が視覚の部分量又は全量を失った位置の試験を実行することを可能にする。当該技術分野において既知であるように、検眼医が、中心をマークされている紙上の単純な格子(左右及び上下の線)を使用して、この位置を検査することは標準的技法である。患者は、1度に一方の眼で中心を凝視し、歪曲している、欠けている、又は他の様態で残りの部分と異なるように見える任意の領域を鉛筆で描くように言われる。検眼医は、患者の診療記録に、患者の網膜のいずれの部分が損傷を受けているかを記入する。そのような検査は、患者が中心における視覚を失う黄斑変性、及び、視覚の特定の部分が欠けるか若しくはぼやける糖尿病性網膜症のような他の網膜の問題に有用である。この従来技術のシステムとは対照的に、本開示のシステムはより進歩している。システムは、曲線セットを含む図を表示する。
図17に示す実施形態において、
図1700は、右に向かって開いている、概して半円形に湾曲した線1702と、中心領域1704を有する。システムは、患者に、1度に単一の矯正されていない眼で中心領域に焦点を合わせるよう指示し、ぼやけた又は欠けた部分があるように見える任意の線を患者に選択させることを可能にする。代替的に、システムは、ぼやけているか又は欠けているように見える線の部分を患者に選択させることを可能にする。その後、システムは、同様の曲線セットを表示するが、このとき、開口は、左のような、何らかの他の方向に向いている。一実施形態において、第1の図とは反対側に開口しているものとしての第2の図が表示される。曲線の向きは、形状又は実際の頂角が異なってもよく、任意の適切な形状又は頂角であってもよいことが諒解されるべきである。システムは、ユーザが選択した線又は線部分の彩度を増大させ、彩度の増大に基づいて、選択された領域で患者の視覚が改善しているかについての少なくとも1つの入力を患者が行うことを可能にする。少なくとも1つの入力は、患者の視覚の選択された領域の倍率に対応し、選択された領域は、患者の網膜の、少なくともいくらかの視覚損失を受けた特定の位置に対応することが、当業者には諒解されるべきである。システムはその後、決定された倍率をレンズ作成に使用して、患者が自身の視野全体を通じて見る全体的な能力を補助するために、特定の位置における正確な追加の倍率を有する特定のカスタマイズされたレンズを作成することができる。一実施形態において、システムは、家庭内で黄斑変性(又は他の変性視覚疾患)の経過を追い、視覚変化の進行に従って変化を監視するのに使用することができる。突然の変化又は閾値レベルの変化が有害である可能性があり、医師による評価が直ちに必要とである場合があるため、そのような日常の検査は、視覚問題又はその危険のある患者には重要であることが、当業者には諒解されるべきである。
【0170】
[0170]視覚損失検査の別の例示的な実施形態において、システムは、
図17を参照して上述した曲線の代わりに直線を使用する。そのような例示的な一実施形態において、表示される第1の図は垂直線を含み、システムは、歪曲しているか又は欠けた部分があるように見える1つ若しくは複数の線、又は、線の部分を選択するために少なくとも1つの入力を患者が行うことを可能にする。システムは、その後、水平線を表示し、システムは、歪曲しているか又は欠けた部分があるように見える1つ若しくは複数の線、又は、線の部分を選択するために少なくとも1つの入力を患者が行うことを可能にする。欠けた又は正常に機能していない視覚に相関する患者の網膜上の区画(複数の場合もあり)の座標を、患者が識別することが可能であり、したがってシステムが求めることが可能である限り、線は、任意の角度又は形式、任意の太さ又は色であってもよく、また、直線と曲線との組合せ、又は、任意の適切な組合せにおける半直線と修正された線との組合せで利用されてもよいことが、当業者には諒解されるべきである。患者が識別した線は、円形歪み又は円形視覚損失のタイプのものである場合、上述したもののようなシステムは、そのタイプを容易に識別することができ、したがって、元の領域とは異なる視覚損失の任意の将来の変化を分離することができることがさらに諒解されるべきである。視覚損失のそのような一例は、糖尿病性病変を有する患者、又は、進行した黄斑変性を有する患者において発生する。従来の視覚試験は、一般的に、これらの病変を6ヶ月~1年毎にモニタリングするに過ぎず、着実な進行解析が行われることを可能にしない。本開示によって説明されるシステムにおいて、検査及び解析は、いかなる変化もより正確に時間を限られた中で検出することができるように、より高い頻度で容易に、簡便に行うことができる。さらに、そのような検査結果は、汎用データベースに記憶及び蓄積することができ、それによって、システムは、個人の右眼データ点と左眼データ点との間の視覚損失を、集団全体のものの右眼及び左眼の間隔の視覚損失、又は、システムのデータベースに記憶されている患者のデータセットに対して解析することによって、特定の患者の視覚損失データを、一般集団の視覚損失データと比較することができることが企図されている。
【0171】
[0171]一実施形態において、システムは、患者のプログレッシブレンズのスキュー、したがって品質の決定を含む。プログレッシブ付加レンズ(PAL)、累進屈折力レンズ、累進処方レンズ、及び可変焦点又は多焦点レンズとも呼ばれるプログレッシブレンズは、老眼及び他の障害を矯正するための眼鏡に使用される矯正レンズである。プログレッシブレンズは、レンズの複数の異なる部分における少なくとも2つの異なる処方と、それらの処方の間の勾配とを含む。一般的に、レンズの上部付近の患者の距離処方で始まり、レンズの下部付近の付加(又は読書用眼鏡)屈折力処方へと漸進的に変化する。勾配は、患者の快適性の必要に応じて平滑又は長いものであり得る。しかしながら、これらのプログレッシブレンズの処方の累進は、光軸から外れた収差の領域を発生させ、レンズの品質に関連して変化するぼけ又はスキューを生じる。レンズの品質が高くなるほど、ぼけは小さくなり、一方でレンズの品質が低くなるほど、ぼけは大きくなる。したがって、プログレッシブレンズに内在するぼけ、その原因、並びに、ぼけを低減して明瞭性を増大させるためのオプションについて患者に通知することが有利である。例示的な一実施形態において、システムは図を表示する。さらなる例示的な実施形態において、表示される図は
図4Aの参照符号408aで示すもの、又は、検眼医ベースの従来技術の黄斑変性検査を参照して上述したものと同様の、線の格子である。システムは、そのような格子でコンピュータ制御スクリーン全体又はコンピュータ制御スクリーンの一部分を埋めてもよいことが諒解されるべきである。システムは、1度に一方の矯正された眼(プログレッシブレンズを装着している)で表示されている図を見るよう患者に指示する。システムは、歪曲又はぼけのある領域を識別するための少なくとも1つの入力を患者が行うことを可能にする。カーソルでなぞる若しくは描く、単純にポイントアンドクリックで選択する、タッチスクリーンを介する、リモートコントローラを介する、音声制御による、又は、他の既知の入力デバイス及び方法によるなどの、任意の適切なユーザ入力方法が可能にされてもよいことが諒解されるべきである。システムはその後、単純な百分率によってレンズに存在する歪曲の量を記述し(すなわち、患者が5パーセントのブロックを歪曲又はぼけとして選択した場合、レンズには5%の歪曲があることになる)、より高い品質のレンズによって歪曲のレベルをどの程度低減できるかを患者に勧告する。
【0172】
[0172]上記の段落で説明した視覚損失検査及びプログレッシブレンズチェック検査の両方を、システムが、上下及び左右に延伸する線を有する単純なアムスラーグリッド画像を表示し、任意の適切な入力選択手段を介してぼけ又は欠けの見える領域を患者に選択させることを可能にすることによって利用することができることがさらに諒解されるべきである。白色背景上の黒色線(白色上の黒色)、黄色上の青色、赤色上の青色、赤色上の白色、又は任意の他の適切な色組合せのような、任意の適切な色組合せにおいて使用されてもよいことがさらに諒解されるべきである。
【0173】
[0173]本開示の別の例示的な実施形態において、システムは視野検査を含む。一般的に、患者は、医師にかかって、診療所に位置する特定の機械を使用して自身の視野を検査する。従来の視野検査機械は、以下のように動作する。すなわち、患者が、自身の頭部を機械にもたせかけて又は機械の中に配置して、ビューファインダを覗きこむ。機械は、各眼を個々に(たとえば、検査されていない眼の視界を塞ぐことによって)検査し、患者の眼の焦点を中心の点に合わせ、患者がビューファインダを通じて自身の視野に投影されている点を見ることができるときを選択するために、自身の手でボタン(又は他の入力デバイス)をクリックするよう患者に指示する。機械は相対的に素早く点を点滅させ、患者が点を見たという入力を行わない場合、機械は、その点と関連付けられる場所を何らかの視覚損失があるものとしてマークする。多くの場合、機械はマークされた領域を後に再検査することになり、患者を検査するためのプロセスを長引かせる。医師の診療所で実施されるとき、試験は患者が行うには困難で、心地良くないことが多い。多くの患者は、そのような長期間にわたって集中することに困難を感じており、高齢の患者は、検査を受けている間に結局寝てしまうことが多い。それにもかかわらず、視野検査は、患者の緑内障、脳腫瘍、糖尿病、及び多くの他の症状を判定し、定期的に経過観察するに使用される重要な診断ツールである。したがって、患者の家庭のような、医師の診療所から離れた、患者にとって便利な場所で実行することができる視野検査を提供することが有利である。加えて、離れた場所において、患者はじっくり時間をかけて検査し、気が散った又は疲れた場合には休憩することができ、したがって、より正確な結果がもたらされる。本開示の例示的な実施形態において、システムは、医師の診療所から離れた場所で患者が行うことを可能にされる視野検査を含む。そのようなシステムにおいて、患者は、従来通り中央の点(又は他の形状)に焦点を合わせるよう指示され得るか、又は、コンピュータ制御スクリーン上に存在するカーソルに焦点を合わせるよう指示され得る。一般的にそうであるように、システムは、1箇所に焦点を合わせながら1度に患者の一方の眼を検査する。淡い点(又は他の適切な形状若しくは図)がスクリーンに、患者の視野の一部分に対応する領域内で表示され、患者は、点が見えたことを示すために少なくとも1つの入力を行うことを可能にされる。点が見えたその領域の上まで患者がマウスを動かしてその領域をクリックすることを可能にすること、(タッチスクリーンデバイスを使用する場合)その領域に触れること、ボタンを選択すること、音声制御、又は他の適切な方法のような、任意の適切な入力方法がシステムによって利用されてもよい。患者が遅すぎて少なくとも1つの入力を行うことができない場合、別の点をコンピュータ制御スクリーン上で点滅させ、その領域を再検査のために又は何らかの視覚損失があるものとしてフラグ立てする。点をコンピュータ制御スクリーンに表示する時間間隔は一般的に速く、0.2秒のような任意の適切な時間量であってもよい。システムは、点の表示が(より長く又はより短く)調整されるようにするための少なくとも1つの入力を患者が行うことを可能にする。システムが少なくとも患者の視野のその場所を十分に検査して、患者から任意の関連する入力を受信すると、システムは、それらの記録された入力、及び、記録された入力の任意の欠如に基づいて患者の視野を判定する。システムは、表示される形状若しくは図の光強度をさらに調整することができ、又は、任意の適切な色又は色の組合せで形状若しくは図を表示することができる。
【0174】
[0174]そのようなシステムに伴う1つの可能性のある問題は、患者が検査の間に(たとえ動かないように指示されている場合であっても)動く場合があり、それによって、スクリーン上の点の位置が、患者の眼の上の新たな位置と関連付けられるようになってしまうことである。したがって、システムは、患者が検査中に動いたかを判定する方法を含むことができる。1つの可能な方法は、患者の盲点の位置を求め、定期的にチェックすることである。当該技術分野において既知であるように、各人の各眼には、網膜の視神経乳頭に光を検出する光受容細胞がないために視神経がその視神経乳頭を通過する生理学的な盲点がある。盲点の位置は、2つの形状又は図を分かっている距離だけ離して表示して、ユーザに、一方の眼を覆い、覆った眼と反対の眼で形状又は図を見て、形状又は図が見えなくなるまで眼をスクリーンから近づける又は遠ざけるように動かすよう指示することのような、当該技術分野において既知の方法によって求められてもよい。他方の盲点は、反対の効果が生じる場合によって求められる。システムはまた、患者の盲点に点を定期的に表示することもできる。患者が自身の盲点にあったはずの点が見えることを示す少なくとも1つの入力を患者が行った場合、システムは、検査が不正確になっていると判定し、患者の新たな位置に基づいて再検査する。上述した方法に加えて又はそれに代えて、患者が動いたかを判定する任意の適切な方法がシステムによって利用されてもよいことが諒解されるべきである。
【0175】
[0175]そのようなシステムに伴う別の可能性のある問題は、患者が、自身の眼をスクリーンからどれだけ遠くに置くべきかを知る必要があることである。したがって、システムは、患者がどれだけ離れている必要があるかを判定する方法を含むことができる。1つの可能な方法は、従来通り、また上述したように、患者の求められた盲点の位置を使用することである。代替的に、システムは、当該技術分野で既知であるか又は本明細書において説明されているもののような、任意の適切な距離計算方法を使用してもよい。
【0176】
[0176]動的に変化する画像ベースシステムとは対照的に、静的な質問ベースのシステムが、システムによって利用されてもよいことが、当業者には諒解されるべきである。静的な質問ベースのシステムの例示的な実施形態において、システムは、3つは同一で1つは異なる4つの図を表示することができる。システムは、異なる図を識別するための少なくとも1つの入力を患者が行うことを可能にする。そのようなシステムにおいて、図は、相対的に大きいサイズから開始し得、患者が異なる図を正しく選択すると、システムは、患者が異なる図を正確に選択することができなくなるまで、表示される図のサイズを徐々に低減する。開始サイズ、サイズを低減する割合、及び、正しい入力の数が分かっている場合、システムは、患者の処方のための適切な球面度数を計算することができることが、当業者には諒解されるべきである。文字、数字又は形状のような任意の種類の図が使用されてもよいこと、2、3、4又はそれ以上のような、1よりも大きい任意の適切な数を使用することができること、及び、任意の適切な数の同様の又は異なる図が使用されてもよいことがさらに諒解されるべきである。たとえば、システムは、3つの同一の図及び2つの異なる図の5つの図を表示してもよい。カーソル、マウス、若しくはトラックパッドを介してクリックする、タッチスクリーンを介する、リモートコントローラを介する、音声制御による、又は、他の既知の入力デバイス及び方法によるなどの、任意の適切な入力デバイスが使用されてもよいことも諒解されるべきである。
【0177】
[0177]別の実施形態において、システムは、患者の角膜表面の測定を含む。そのようなシステムにおいて、患者の眼は、各環の間に既知の距離を有する、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上のような任意の適切な数の一連の同心環によって照明される。例示的な一実施形態において、環は各々、同じ既知の距離だけ離間されている。別の例示的な実施形態において、少なくとも1つの環はその隣接する環から異なる既知の距離だけ離間されている。患者の眼の照明は、投影によるなどの任意の適切な方法で行われてもよい。患者の眼が照明された後、システムは、同心環を用いて照明された患者の眼の写真を撮影する。代替的な実施形態において、システムは、患者(又は患者の助手)が、システムを使用して、又は、システムが使用されている患者端末の別のモードを使用して写真を撮影することを可能にする。別の代替的な実施形態において、システムは、デジタルカメラ、カメラフォン、カメラ使用可能コンピュータ若しくはタブレット、又は任意の他の適切なカメラデバイスに見られ得るもののような、別個のカメラデバイスを使用して患者(又は患者の助手)に写真を撮影するよう指示する。本出願人は、驚くべきことに、患者の眼に照明されて見える同心環の間の間隔の歪みが、患者の角膜のトポロジに対応することを見出した。特に、本出願人は、驚くべきことに、照明された同心環がともにより近くに見えるほど、角膜構造はより急峻であり、一方で、照明された同心環がより離れて見える場合、角膜構造はより平坦であることを見出した。したがって、システムは、同心環の間の元の既知の分離と比較した、照明された同心環の間の分離距離に基づいて、正確な角膜の急峻さを求めることが可能である。システムは、患者の眼の上での照明された同心環の見え方に基づいて、患者の角膜に、円錐角膜又は損傷のような変形した表面があるかを検出することも可能である。
【0178】
[0178]別の実施形態において、システムは、瞳孔間距離測定モジュールを含む。個人が成熟年齢(一般的に18歳以上であると考えられる)である限り、すべての文化、人種、及び性別において、最も内側の眼角間距離(内眼角間距離)及び最も外側の眼角間距離(外眼角間距離)は概ね、約3cm辺りの小さい範囲内にあることが、当業者には諒解されるべきである。本出願人は、驚くべきことに、この既知の範囲から、システムが、画像のスケールを求め、したがって、患者の瞳孔間距離のような、追加の所望の距離を計算することができることを見出した。システムが、画像のスケール及び既知の眼角間距離に部分的に基づいて患者の画像から患者の瞳孔間距離を求めると、システムは、患者が、自身の顔の画像及び自身の求められた瞳孔間距離にフィットするようなサイズにされた様々な眼鏡フレームを仮想的に見ることを可能にすることができる。そのような実施形態において、システムは、患者の顔の上に模造眼鏡フレームが表示されている、患者の画像を表示することができ、たとえば、模造フレームのサイズ、形状、色、材質、質感などを変更することによって、患者がフレームの外観を変更することを可能にすることができる。システムによって、既知の眼角間距離に基づいて他の所望の顔測定値が求められてもよいこと、及び、本明細書に開示している方法を介して任意の他の所望の衣類又は装身具が仮想的に「フィッティング」されてもよいことが、当業者には諒解されるべきである。本明細書に開示している方法は、顔構造の文脈外で、人間、又は、標準的な若しくはおおよそ標準的なサイズを有することが知られている動物の任意の部分に適用されてもよく、したがって、基礎となる画像のサイズに一致する、任意の適切なタイプの衣類又は装身具を仮想的に閲覧して「フィッティング」するのに使用されてもよいことが、さらに当業者には諒解されるべきである。
【0179】
[0179]上述した瞳孔間距離モジュールは、個人を一意に識別するのに使用することができる他の顔特性又は生体データを計算するのに使用することができることが、当業者にはさらに諒解されるべきである。たとえば、システムは、既知の眼角間距離を使用して、カメラに対して正面、又は全体若しくは部分的な横顔のように、任意の適切な方法で位置付けられた患者の顔の幅及び/又は高さを計算することができる。システムによって計算される生体データ(瞳孔間距離又は他の顔寸法など)を、カメラ使用可能デバイスによって使用して、デバイスによって既知の生体データと、デバイスのカメラによって検知される人の生体データとの間の比較に基づいてデバイス上の様々なアプリケーション(又はデバイス自体)へのアクセスをロック又はロック解除することができることが諒解されるべきである。既知の生体データと検知された生体データとが十分に高い度合いで類似している(同じ、統計的に有意でない程度に異なっている、又は、信頼できる範囲内で同じに近い)場合、デバイスは、検知された人を既知の人として識別し、検知された人のアクセスを許可する。そのような生体ベースのシステムは、特定の顔特性及び測定値が個人に特有であるために機能することが諒解されるべきである。そのようなシステムに伴う可能性のある問題は、システムにとって未知の人が、システムをごまかして既知の人の写真又はビデオを認証させようとするおそれがあることである。このとき、システムは、写真又はビデオの生体データを認識してしまい、既知の人が実際の存在していない状況でアクセスを許可してしまうことになる。これらの偽装問題を回避するために、システムは、アクセスを所望する人に、まばたき(又はランダムな若しくは所定の組合せ若しくはパターンにおいて片眼若しくは両眼でまばたき)するよう指示することができる。任意の適切でシステムが認識可能な顔の表情又は顔の表情の組合せ(たとえば、笑顔でウィンクする、舌を突き出すなど)が使用されてもよいことが、当業者には諒解されるべきである。カメラ使用可能デバイスがフラッシュも使用可能にされる場合、システムはフラッシュを起動して、実際の人(記録又は写真とは対照的に)が存在するかを判定することができる。フラッシュを起動する際、人はカメラセンサにとって依然として可視であるが、写真又はビデオは不鮮明になり、検知するのが困難になる。システムはまた、顔に落ちる影(又は影が変化するか)を検知又は検出して、現実の人が存在することを確認することもできる。
【0180】
[0180]さらなる実施形態において、瞳孔間距離測定システム/生体アクセスシステムは、既知の人が、デバイス上の様々なアプリケーション(又はデバイス自体)に対するアクセスをロック又はロック解除することを可能にすることができる。このさらなる実施形態において、複数の異なる適切でシステムが認識可能な顔の表情又は顔の表情の組合せを使用して、複数の異なるアプリケーション(又はデバイス自体)にアクセス又は終了することができる。たとえば、患者は、自身の舌を突き出してデバイスにアクセスすることができ、右眼、次いで左眼でウィンクしてメールボックスのような1つのアプリケーションにアクセスすることができ、その後、左眼、その後右眼でウィンクして第2のアプリケーションにアクセスすることができる。適切でシステムが認識可能な顔の表情のこれらの組合せをショートカットとして使用して、アプリケーション内部の動作を実施するとともに、アプリケーション又はデバイス自体へのアクセス(又は完了)を可能にすることができることが諒解されるべきである。
【0181】
[0181]別の実施形態において、システムは、気圧眼圧計検査を含む。そのような気圧眼圧計検査は、当該技術分野において既知の方法によって微小な開口を通じて空気の力を吐出する小型で単純な取り付け可能反射デバイスを利用することなどによって、携帯デバイス向けに、独立したロケーションにおいて、キオスクタイプの設定において、又は任意の適切なロケーションにおいて実装されてもよい。人間又は人間以外の眼の眼圧を測定するために、人間又は人間以外の眼の角膜に対して一吹きの空気が押し出されることが、当業者には諒解されるべきである。そのような取り付け可能な反射デバイスは、一吹きの空気に応答して角膜がどれだけ平らにされたかをカメラが判定することを可能にする高倍率の写真レンズシステムを含むことができる。代替の実施形態において、システムは、空気が患者の角膜に吹きつけられた後に、センサに押し返される又は戻される空気を測定するためのセンサを含む。センサは、強度と遅延の両方において空気の戻りの量を測定することが可能であることが、当業者には諒解されるべきである。そのような実施形態において、システムは、センサ測定値に基づいて患者の眼圧を求める。システムは、精度を保証するために、測定にとどまらない形態及び/又は2回以上の測定の反復を利用してもよいことがさらに諒解されるべきである。そのような取り付け可能な反射デバイスを使用する際、患者は、患者にとって最も簡便で快適な様式で自身の眼圧を測定することを可能にされる。
【0182】
[0182]別の実施形態において、システムは、患者が眼鏡フレームのデータベースに問い合わせることを可能にする機能を含む。そのようなシステムの例示的な一実施形態において、システムは、患者が、自身が好む、又は自身がすでに所有している眼鏡フレームを写真撮影し、画像をシステムに入力することを可能にする。さらなる実施形態において、システムは、患者に、患者がフレームを装着しているか又はしていないかのいずれかの間に、フレームの正面及びフレームの1つ又は2つの側面ビューの写真を撮影するよう指示してもよい。システムは、システムは、1つ又は複数の写真を利用して、患者が好む可能性がある一致する又は類似するフレームを求めてシステムにとって既知のフレームのデータベースに問い合わせるために、サイズ、形状、サイズ、色、質感、材質、又は任意の他の適切な特性のようなフレーム特性を判定する。システムは、患者の顔上のフレームのクイックワイヤーフレーム解析のような、任意の適切な方法で写真撮影されたフレームの特性を判定することができる。本明細書に開示しているように、システムは、患者に表示するための一致する又は類似するフレーム選択を正確に判定するために、患者の顔の必要な寸法を求めることを可能にされる。そのようなシステムの例示的な一実施形態において、患者は、自身の地域の眼鏡販売店でフレームを見て回り、自身の好むフレームの写真を撮影して、その後、開示されているオンラインの携帯電話アプリケーション又はキオスクベースのシステムを使用して、形状、サイズ、色、又は任意の他の特性が近いフレーム対を購入することができる。別の例示的な実施形態において、システムは、患者によって提供される、システムにとって未知の誰かの写真、又は、雑誌のような刊行物からの写真のような、患者以外の誰かの写真に基づいてデータベースに問い合わせてもよい。
【0183】
[0183]別の実施形態において、システムは、患者の眼圧を求めるための音波振動眼圧センサを含む。そのようなシステムは、物体が音波に応答して振動するという既知の事実に基づくことが、当業者には諒解されるべきである。本出願人は、驚くべきことに、様々なタイプ及び周波数の音波が、眼圧に基づいて角膜に生じる関連する振動に直接相関すること、並びに、これらの関連する振動は、カメラからの光反射の変化を捕捉するカメラセンサ、又は、マイクロフォン、若しくは、振動させられた眼から反射し戻される音の周波数を捕捉する他の適切なセンサによって測定可能であることを見出した。システムは、患者の角膜構造に対して任意の適切な標準又は可変周波数で音波を振動させ、その後、角膜の振動を測定して、角膜内部の圧力を求める。本出願人は、驚くべきことに、カメラからの光反射、又は、振動させられた眼から反射される音の測定周波数が、眼圧に基づいて角膜の振動と相関付けられることを見出した。出願人はさらに、驚くべきことに、そのようなシステムは超音波、超低周波音波及び/又は音響波を用いて機能することを見出した。例示的な一実施形態において、低周波音波及び音響波の組合せが様々な時間間隔並びに強度及び音響/デシベルレベルで振動させられ、患者の角膜が、様々なレベル及び角膜の内圧に従って振動する。携帯電話、タブレット、又はパーソナルコンピュータ上の標準的なスピーカのような、任意の適切なスピーカ又はデバイスが、音波を生成してもよいことが、当業者には諒解されるべきである。
【0184】
[0184]別の実施形態において、システムは、遠視及び遠視処方を分離するための高倍率の正レンズを含む。このレンズは、パーソナルコンピュータアプリケーション、携帯電話アプリケーション、又はキオスクベースのアプリケーションのような、任意の適切なアプリケーションに含まれるか、又はシミュレートされてもよい。高倍率の正レンズは、システムが、潜在遠視を矯正するとともに、患者が、自身の眼筋の天然の調節機能を使用して、わずかに誤った処方を通じて合焦することをしないようにし、したがって、システムがより正確な処方を与えることを可能にすることが、当業者には諒解されるべきである。
【0185】
[0185]別の実施形態において、システムは、患者と患者端末のコンピュータ制御スクリーンとの間の距離、又は、瞳孔間距離のような他の所望の距離を求める追加の方法を含む。システムは、成人患者の既知の眼角間距離及び追加のデータ点に依拠して、端末又はカメラと患者との間の距離を計算する。追加のデータ点は、患者の身長(端末又はカメラが患者の身長全体を見ることができる場合)、又は、特定のデバイス若しくは患者端末の既知のカメラ仕様のような、任意の適切なデータ点であってもよい。システムは、この既知の情報を使用して、患者からのカメラ又は端末の間の距離を求める。例示的な一実施形態において、システムは、患者の眼角間距離が約3cmであると分かっている場合があり、既知のカメラデバイスからの(既知の製造業者のカメラなどからの)患者の画像上で、眼角間距離が特定ピクセル数で表されると判定することができ、このとき、システムは、これらの既知の点から、患者の画像のスケール、したがって、端末又は患者の間の距離を識別することができる。代替的な実施形態において、システムは、既知の距離だけ垂直又は水平に分離されている2つのカメラデバイスを使用して(又は、患者に2つのカメラデバイスのうちの1つ又は複数を使用するよう指示して)所望の距離(患者とカメラデバイスとの間の距離、又は、何らかの他の所望の距離)を測定する。そのようなシステムを使用して、瞳孔間距離を求めることもできることが、当業者には諒解されるべきである。
【0186】
[0186]上記開示の各々は、眼及び屈折系の様々な部分を評価するための完全な眼の試験を可能にするために、単一で、個々に、又はいくつかのキオスクと組み合わせてのいずれかで、キオスクタイプのシステムにおいて実装されてもよい。そのようなシステムに組み込むことができる様々なタイプの既知のシステムの例としては、眼圧測定システム、眼の表及び/又は裏を写真撮影するための写真撮影システム、屈折システム、及び、眼の試験のすべての補助検査を測定するためのシステムが挙げられる。例示的な一実施形態において、システムは、患者が自身の眼をスクリーンから外方に動かす距離を求めるための距離計を含み、患者が、各個々の眼で画像が鮮鋭になっているのに最初に気づく距離において入力を行うことを可能にする。そのような実施形態において、検査は、各眼で独立して、1回、2回、3回、又はそれ以上のような任意の適切な回数行われることが諒解されるべきである。システムは、これらの1回又は複数回の検査に基づいて、また、眼の初期近接焦点が1/距離、距離はメートル単位、であるという点において、眼の焦点が眼の屈折力誤差に対応するという原理に部分的に基づいて、患者のための処方の一部分を決定する。そのようなシステムは、患者が自身の立っている位置を自身の現在の位置から離れて動かすことを必要とすることなく動作することが諒解されるべきである。
【0187】
[0187]別のさらなる実施形態において、システムは、上述したように患者の処方を決定し、当該技術分野において既知であるように、眼鏡フレーム並びにレンズのタイプ、色及びコーティングを患者に選択させることを可能にするオールインワン矯正レンズ製造デバイスである。システムはその後、3Dプリンタ又は他の既知の方法で、患者が待っている間にフレームを作成し、患者が待っている間にレンズを作成しレンズを硬化させるゲル型システムを用いて、又は、当該技術分野において既知である任意の他のレンズの作成のための方法によって、レンズを作成する。システムがオールインワン矯正レンズ製造デバイスである本実施形態による全体的なシステムは、有利には、眼鏡を仕上げるために必要な3つの構成要素、すなわち、処方、フレーム、及びレンズを含むため、患者に簡便性をもたらす。
【0188】
[0188]患者からの入力を必要としない、又は、本質的に主観的でない本開示の様々なモジュール又は部分にとって、患者は任意の適切な患者であってもよいことが、当業者には諒解されるべきである。たとえば、患者は、ペット又は野生動物のように、人間でなくてもよい。別の例において、患者は、子ども又は発達遅延のある人のような、コミュニケーションが困難な年齢又は技能レベルであってもよい。そのような患者のために、システムは、患者付きの助手に、適切な位置付け及び任意の必要な入力について指示することができることがさらに諒解されるべきである。
【0189】
[0189]別の実施形態において、システムは、処方箋を患者によって書き込み可能な書式にコピーすることを必要とすることなく、患者の前の眼鏡処方(近視、遠視、乱視、又はそれらの任意の組合せ)を決定する。システムは、カメラ、コンピュータ制御スクリーン、及び一対の眼鏡レンズしか必要としない。患者は、コンピュータモニタから既知の距離にカメラレンズを配置する。例示的な一実施形態において、既知の距離を設定又は決定する容易な方法は、標準的な紙片(8.5インチ×11インチ)を使用して、カメラデバイス及び/又はコンピュータ制御スクリーンの配置を選択することである。一実施形態において、システムは患者に、カメラのコンピュータ制御スクリーンから11インチ(又は何らかの他の距離)のところに配置するよう指示する。別の例示的な実施形態において、患者が、カメラデバイスとコンピュータ制御スクリーンとの間の距離を選択し、システムが、選択した距離を患者が入力することを可能にする。カメラデバイスがコンピュータ制御スクリーンから既知の距離に配置されると、患者は、コンピュータ制御スクリーンの対照写真を撮影し、その後、片方の眼鏡レンズをカメラレンズに対して配置し、コンピュータ制御スクリーンの第2の写真を撮影する。患者はその後、他方の眼鏡レンズをカメラレンズに対して配置し、コンピュータ制御スクリーンの第3の写真を撮影する。コンピュータ制御スクリーンは、格子又は離間された点のような、任意の適切な高コントラスト図を表示することができる。システムは、有線接続(usb、ファイヤーワイヤー(firewire;登録商標)、サンダーボルト(thunderbolt)など)、ワイヤレス接続(ブルートゥース(bluetooth;登録商標)など)を通じて、又は、セルラデータ若しくはインターネット接続を介してなどの、当該技術分野において既知であるデータ転送のための方法を介して、カメラデバイスから対照写真、第1のレンズの写真、及び第2のレンズの写真を受信する。カメラレンズの上に眼鏡レンズを配置すると、システムによってコンピュータ制御スクリーンに表示される図の視覚的外観が歪むか、又は変化することになることが、当業者には諒解されるべきである。本出願人は、驚くべきことに、既知の距離を超える対照写真から第1の写真及び第2の写真の歪曲の量及び方向を測定することによって、システムは、処方箋なしに第1の眼鏡レンズ及び第2の眼鏡レンズの処方を決定することが可能であることを見出した。
【0190】
[0190]別の例示的な実施形態において、システムはスクリーンを利用し、当該スクリーンは、2つ以上の方向及び空間内の様々な点に光線を合焦させることが可能であり、それによって、スクリーンは、より最適な視点を生み出すために指定された小さい空間の中に特定的に光線を合焦させることが可能である。このディスプレイは、光線を患者に向け、光線及びユーザに対する光線の位置をリアルタイムで調整することができるため、この表示ユニットはそれゆえ、患者の視覚矯正にかかわりなく、焦点の合った画像を患者が見ることを可能にする。
【0191】
[0191]さらなる実施形態において、システムは、スクリーン上の単一の図を使用することによって、1度に各眼について、患者の屈折誤差の乱視度数と乱視軸角度の両方を判定する。患者は、(1度に一方の矯正されていない眼を使用して)図を見ることを可能にされ、任意の二重化又は重なり効果を患者が知覚する範囲及び広がりを、システムに入力することを可能にする。拡大された若しくは同心円状の追加の図によって、又は、知覚される二重化又は重なり効果の外側境界に患者がマーカを配置することを可能にすることによってなどで、二重化又は重なり効果を測定又は入力する任意の適切な方法を利用することができることが、当業者には諒解されるべきである。単純な形状、記号、アイコンのような任意の適切な図が、システムによって利用されてもよいことがさらに諒解されるべきである。本出願人は、驚くべきことに、知覚される二重化又は重なり効果が患者の乱視軸角度(乱視が歪曲を引き起こす角度を実証することによる)及び乱視度数(乱視歪曲の程度を実証することによる)に対応することを見出した。
【0192】
[0192]別の実施形態において、システムは、回転する記号を表示し、患者が、1度に一方の矯正されていない眼で回転する図を見て、残留する二重化又は重なり効果がなく図が単一の図に見えるときに入力を行うことを可能にすることによって、乱視度数又は乱視軸角度のいずれかを判定することができる。単純な形状、記号、アイコンのような任意の適切な図が、システムによって利用されてもよいことが諒解されるべきである。本出願人は、驚くべきことに、乱視によって引き起こされる二重化又は重なり効果の消失が患者の乱視軸角度(乱視が歪曲を引き起こす角度を実証することによる)及び乱視度数(乱視歪曲の程度を実証することによる)に対応することを見出した。
【0193】
[0193]別のさらなる実施形態において、システムは、患者が、患者の最初の試験の後に、追加のいくつかの試験を受けることを可能にしてもよい。例示的な一実施形態において、追加の試験の少なくとも1つは、患者が自身の最初の試験においてシステムによって決定された処方に基づいて自身の矯正される眼を使用することによって実施される。システムは、追加のいくつかの試験を使用して、システムによって実施された検査の矯正を、患者の処方の最も正確な測定値まで改良することができる。
【0194】
[0194]一実施形態において、システムは、患者の全視野を通じて患者の視覚が喪失又は低減する任意の特定の領域を判定することを含む。例示的な一実施形態において、システムは図を表示する。さらなる例示的な実施形態において、表示される図は
図4Aの参照符号408aで示すものと同様の、線の格子である。システムは、1度に一方の矯正されていない眼で表示されている図を見、図の中心点に対して、又は中心点に目を向けるよう患者に指示する。図の中心点は、マークされるか、又は他の様態で識別され得る。システムはその後、図内で、歪曲して見える、欠けて見える、又は他の様態で残りの部分から異なって見える領域を選択するための少なくとも1つの入力を患者が行うことを可能にする。システムは、この少なくとも1つの入力を使用して、患者が視覚の改善に気づくことができるかを判定するために、視覚損失の特定のスポットを拡大すること、又は、その点の形状又は彩度を変更することのいずれかによって、視覚損失の領域をさらに検査する。システムが、各識別された視覚損失の領域の形状、彩度、色、又は他の適切な特性の少なくとも1つを調整している間、患者は図の中心に対して又は中心に目を向け続ける。システムは、患者が、以下の(i)~(iv)の1つ又は複数を示すための、すでに識別した視覚損失の領域あたり少なくとも1つの入力を患者が行うことを可能にする。(i)調整が、領域がより明瞭に/歪みが少なくなるのに役立った、(ii)調整が、領域がより明瞭に/歪みが少なくなるのに役立たなかった、(iii)調整が、領域をより明瞭にし、歪みをなくした、及び(iv)調整したにもかかわらず、領域が依然として欠けている、ぼやけている、又は歪んでいる。システムはその後、各識別された視覚損失の領域の形状、彩度、色、又は他の適切な特性の少なくとも1つを反復して調整し、再び、4つの上記に示した入力の1つ又は複数を患者が行うことを可能にすることができる。この反復プロセスは、各識別された領域が、患者の矯正されていない目に明瞭に、歪みがないように見えるように調整されるまで継続することができ、各領域のサイズ、彩度、又は他の特性に対する調整は、眼鏡レンズの特定の箇所の拡大に対応する。例示的な一実施形態において、調整は、その特定の箇所におけるレンズのベースカーブに相関する。一例として、患者に距離処方がないことが分かったが、システムが2増大レベル(ジオプタ)で拡大を増大する必要がある2つの視覚損失領域を識別した場合、例示的なベースカーブ修正は、レンズのバックカーブに対して-4ジオプタ、フロントに対して+4ジオプタであるが、2拡大レベルが必要な領域に対しては+6のカーブになる。これは、レンズが装着者の視覚に影響を与える2つの曲面、すなわち、正面及び裏面を有するためである。レンズの矯正力は、フロントカーブをバックカーブに加算することによって求められる。これは、F1+F2=FTotalの式によって表される。本出願人は、驚くべきことに、特定の領域における視覚損失を矯正するための図の調整が、眼鏡レンズの対応する箇所のベースカーブ測定値に相関することを見出した。上述したシステムの可能性のある用途は、黄斑変性、緑内障、糖尿病性網膜症、又は、特定の箇所におけるいくらか又はすべての視覚の損失を引き起こす他の網膜疾患を有する患者を補助することを含む。
【0195】
[0195]さらなる実施形態において、システムは、本明細書に説明されている検査の結果及び処方に基づいてカスタムレンズを研削又はレーザ切断することを含む。当該技術分野において既知であるように、眼鏡レンズは、軽量ポリカーボネートプラスチック、CR-39プラスチック、又は高屈折率プラスチックレンズのようなガラス又はプラスチックから作成されてもよい。レンズは一般的に、すでに適切なベースカーブ/屈折力になるように切断されているおり、各患者の処方に合わせて微調整するだけでよい「ブランク」として着手される。これらの「ブランク」レンズはその後従来通り、研削及び研磨、又はレーザ切断、縁摺り、並びにコーティングによって処理される。一実施形態において、システムは、特に狭い又は広い乱視軸角度を有する患者向けにレンズを研削する。別の実施形態において、システムは、黄斑変性、緑内障、糖尿病性網膜症、又は、他の網膜疾患のような疾患から特定の領域にある視覚損失を矯正するために、異なる箇所に異なるベースカーブ(ジオプタ)値を有するレンズを研削する。そのようなレンズは、患者の視界のいくつかの部分を拡大又は縮小して、患者の視界の部分における脆弱性を調整する。さらなる実施形態において、ベースカーブ変化のないだの遷移は平滑である(境界なし遠近両用レンズにおける遷移の場合)。
【0196】
[0196]本開示は、各々が複数の異なる特徴、属性、又は特性の1つ又は複数を有する様々な異なるシステムを企図している。「システム」は、本明細書において使用される場合、(a)1つ又は複数の中央サーバ、中央コントローラ、若しくはリモートホスト、並びに/又は(b)デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ若しくはコンピューティングデバイス、携帯情報端末(PDA)、スマートフォンのような携帯電話、キオスクデバイス、及び他の携帯若しくは固定コンピューティングデバイスから成る様々な構成を指す。
【0197】
[0197]簡潔で明瞭にするために、別途特に記載しない限り、「患者端末」は、本明細書において使用される場合、1つの患者端末又は複数の患者端末を表し、「中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホスト」は、本明細書において使用される場合、1つの中央サーバ、中央コントローラ、若しくはリモートホスト、又は、複数の中央サーバ、中央コントローラ、若しくはリモートホストを表す。
【0198】
[0198]上述したように、様々な実施形態において、システムは、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストと組み合わさった患者端末を含む。そのような実施形態において、患者端末は、データネットワーク又はリモート通信リンクを通じて中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストと通信するように構成されている。
【0199】
[0199]システムが中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストと組み合わさった患者端末を含む特定の実施形態において、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストは、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリデバイス又は記憶デバイスを含む任意の適切なコンピューティングデバイス(サーバなど)である。さらに下記に説明するように、患者端末は、患者端末と、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストとの間で、イベント、メッセージ、コマンド、又は任意の他の適切な情報を表すデータ又は信号を送受信するように構成されている少なくとも1つのプロセッサを含む。その患者端末の少なくとも1つのプロセッサは、患者端末の動作と併せて、そのようなデータ又は信号によって表されるイベント、メッセージ、又はコマンドを実行するように構成されている。その上、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストの少なくとも1つのプロセッサは、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストと患者端末との間で、イベント、メッセージ、コマンド、又は任意の他の適切な情報を表すデータ又は信号を送受信するように構成されている。中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストの少なくとも1つのプロセッサは、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストの動作と併せて、そのようなデータ又は信号によって表されるイベント、メッセージ、又はコマンドを実行するように構成されている。中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストの機能の1つ、複数、又は各々は、患者端末の少なくとも1つのプロセッサによって実施されてもよいことが諒解されるべきである。患者端末の少なくとも1つのプロセッサの機能の1つ、複数、又は各々は、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストの少なくとも1つのプロセッサによって実施されてもよいことがさらに諒解されるべきである。
【0200】
[0200]特定のそのような実施形態において、患者端末によって表示される任意のスクリーン、ディスプレイ、又はインターフェースを制御するためのコンピュータ制御命令は、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストによって実行される。そのような「シンクライアント」実施形態においては、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストが、患者端末によって表示されるスクリーン、ディスプレイ、又はインターフェースを遠隔制御し、患者端末が、そのようなスクリーン、ディスプレイ、又はインターフェースを表示し、1つ又は複数の入力又はコマンドを受信するのに利用される。他のそのような実施形態において、患者端末によって表示されるスクリーン、ディスプレイ、又はインターフェースを制御するためのコンピュータ制御命令は、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストから患者端末に通信され、患者端末の少なくとも1つのメモリデバイスに記憶される。そのような「シッククライアント」実施形態においては、患者端末の少なくとも1つのプロセッサが、患者端末によって表示されるスクリーン、ディスプレイ、又はインターフェースを制御するためのコンピュータ制御命令を実行する。
【0201】
[0201]データネットワークを通じて中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストと通信するように構成されている患者端末をシステムが含む特定の実施形態において、データネットワークは、患者端末が中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストに実質的に近接して位置するローカルエリアネットワーク(LAN)である。一例において、患者端末及び中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストは、眼鏡及び/又はコンタクト販売所に位置する。別の例において、患者端末及び中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストは、検眼医又は眼科医の診療所に位置する。
【0202】
[0202]データネットワークを通じて中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストと通信するように構成されている患者端末をシステムが含む他の実施形態において、データネットワークは、患者端末が中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストに実質的に必ずしも近接して位置していない広域ネットワーク(WAN)である。たとえば、顧客端末は、(a)眼鏡及び/若しくはコンタクト販売所の、中央サーバ、中央コントローラ、若しくはリモートホストが位置する領域とは異なる、同じ眼鏡及び/若しくはコンタクト販売所の領域、又は、b)中央サーバ、中央コントローラ、若しくはリモートホストが位置する眼鏡及び/若しくはコンタクト販売所とは異なる、眼鏡及び/若しくはコンタクト販売所、に位置する。別の例において、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストは、患者端末が位置する眼鏡及び/又はコンタクト販売所には位置しない。たとえば、顧客端末は、(a)検眼医若しくは眼科医の診療所の、中央サーバ、中央コントローラ、若しくはリモートホストが位置する領域とは異なる、同じ検眼医若しくは眼科医の診療所の領域、又は、b)中央サーバ、中央コントローラ、若しくはリモートホストが位置する検眼医若しくは眼科医の診療所とは異なる、検眼医若しくは眼科医の診療所、に位置する。別の例において、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストは、患者端末が位置する検眼医又は眼科医の診療所には位置しない。データネットワークがWANである特定の実施形態において、システムは、各々が、同じ市又は同じ州のような同じ地理的地域にある異なる眼鏡及び/又はコンタクト販売所に位置する、中央サーバ、中央コントローラ、若しくはリモートホストと、顧客端末とを含むことが諒解されるべきである。データネットワークがWANであるシステムは、データネットワークがLANであるシステムと実質的に同一であるが、それらのようなシステム内の患者端末の品質は互いに対して異なる場合があることが諒解されるべきである。
【0203】
[0203]データネットワークを通じて中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストと通信するように構成されている患者端末をシステムが含むさらなる実施形態において、データネットワークは、インターネット又はイントラネットである。特定のそのような実施形態において、コンピュータ端末のインターネットブラウザが、インターネット接続が利用可能である任意の場所からインターネットページにアクセスするために使用可能である。そのような一実施形態において、インターネットページがアクセスされた後、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストは、プレーヤが任意のデータを入力するか又は任意の検査に参加する前に、患者を識別する。一例において、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストは、患者に割り当てられた固有のユーザ名及びパスワードの組合せの入力を介して患者の患者アカウントがログインされることを必要とすることによって、患者を識別する。しかしながら、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストは、患者と関連付けられた患者追跡識別番号を検証することによって、中央サーバ、中央コントローラ、若しくはリモートホストによって患者と関連付けられた固有の患者識別番号を検証することによって、又は、インターネットファシリテータのMACアドレス又はIPアドレスを識別することによってなどで患者端末を識別することによってなど、任意の他の適切な方法で患者を識別してもよいことが諒解されるべきである。様々な実施形態において、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストが患者を識別すると、中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホストは、任意の患者データの入力及び任意の検査への参加を可能にし、患者端末のインターネットブラウザを介して、それらの検査並びにスクリーン、ディスプレイ及びインターフェースを表示する。
【0204】
[0204]本発明のシステムは、任意のコンピュータ可読媒体のような、任意の適切な方法を介して実装されてもよいことが諒解されるべきである。一実施形態において、コンピュータ可読媒体は、ウェブサイトに組み込まれているソフトウェアである。別の実施形態において、コンピュータ可読媒体は、CD-ROM、患者端末のローカルメモリ内のストレージなどのような、非一時的媒体上のソフトウェアである。別の実施形態において、システムは、第三者に、第三者のウェブサイト又は他の媒体内に含むために個々にライセンスを供与され得るアプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)において提供される。
【0205】
[0205]中央サーバ、中央コントローラ、又はリモートホスト及び患者端末は、任意の適切な方法でデータネットワーク又はリモート通信リンクに接続するように構成されている。様々な実施形態においてそのような接続は、従来の電話回線若しくは他のデータ通信回線、デジタル加入者回線(DSL)、T1回線、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ワイヤレス若しくは有線配線デバイス、移動体通信ネットワーク接続(セルラネットワーク若しくは移動体インターネットネットワークなど)、又は任意の他の適切な媒体を介して達成される。近年のコンピューティングデバイスの数量並びにインターネット接続の数量及び速度の拡大によって、ますます数量が増大しているリモートサイトから眼の検査に参加するために患者が様々な患者端末を使用する機会が増大していることが諒解されるべきである。デジタルワイヤレス通信の帯域幅が増強されることによって、そのような技術を、特に通信が暗号化される場合に、いくつかの又はすべての通信に適したものにすることができることも諒解されるべきである。データ伝送速度をより高くすることが、表示及びプレーヤとの対話の高度化及び応答を促進するのに有用であり得る。
【0206】
[0206]図面を参照して上述した、静止した(すなわち、動的でない)図及び図形は、紙、ポスター、プラスチック、又は他の印刷された形態のような物理媒体の形態で使用されることも可能であることが、当業者には諒解されるべきである。そのような実施形態において、物理媒体は、患者の家庭、診療所、又は矯正レンズ小売店のような任意の適切な場所で患者に示されてもよい。物理媒体は、患者1人に見られてもよく、又は、助手若しくは医師のような1人若しくは複数の人の助けを借りて見られてもよい。さらに、そのような実施形態において、適切な処方測定値を決定するために、結果が上述したように端末に入力されてもよい。
【0207】
[0207]本明細書に開示している現在好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が当業者に明らかになることが理解されるべきである。本発明の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、また、本発明の主題の意図される利点を減少させることなく、そのような変更及び修正を行うことができる。それゆえ、そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図されている。
[発明の項目]
[項目1]
患者の矯正レンズ処方を決定する方法であって、別個に、前記患者の各眼について、
コンピュータ制御スクリーンを介して前記患者の乱視処方を決定するステップを含む、方法。
[項目2]
前記コンピュータ制御スクリーンを介して前記患者の前記乱視処方を決定するステップが、
(i)前記コンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に第1の図形を提示するステップと、
(ii)前記患者に、乱視軸角度に対応する少なくとも1つの入力を選択させることを可能にするステップと、
(iii)前記コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第2の図形を提示するステップと、
(iv)前記患者に、乱視度数に対応する少なくとも1つの入力を選択させることを可能にするステップと、
を含む、項目1に記載の方法。
[項目3]
当該方法がインターネットを介して提供される、項目1に記載の方法。
[項目4]
前記第1の図形及び前記第2の図形が異なる図形である、項目2に記載の方法。
[項目5]
前記患者の瞳孔間距離測定値を求めるステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
[項目6]
前記決定された乱視処方を、再検討及び承認のために少なくとも1人の医師に送信するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
[項目7]
患者の矯正レンズ処方を決定する方法であって、別個に、前記患者の各眼について、
(a)コンピュータ制御スクリーンを介して前記患者の乱視処方を決定するステップと、
(b)前記コンピュータ制御スクリーンを介して前記患者の前記矯正レンズ処方の屈折力を決定するステップと
を含む、方法。
[項目8]
前記患者の瞳孔間距離測定値を求めるステップをさらに含む、項目7に記載の方法。
[項目9]
前記コンピュータ制御スクリーンを介して前記患者の前記乱視処方を決定するステップが、
(i)前記コンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に第1の図形を提示するステップと、
(ii)前記患者に、乱視軸角度に対応する入力を選択させることを可能にするステップと、
(iii)前記コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第2の図形を提示するステップと、
(iv)前記患者に、乱視度数に対応する少なくとも1つの入力を選択させることを可能にするステップと
を含む、項目7に記載の方法。
[項目10]
前記第1の図形及び前記第2の図形が異なる図形である、項目9に記載の方法。
[項目11]
前記決定された乱視処方及び屈折力処方を、再検討及び承認のために少なくとも1人の医師に送信するステップをさらに含む、項目9に記載の方法。
[項目12]
前記コンピュータ制御スクリーンを介して前記患者の前記矯正レンズ処方の前記屈折力を決定するステップが、
(i)前記コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第1の図を提示するステップであって、前記第1の図が小さすぎて前記患者に明瞭に見えない、提示するステップと、
(ii)前記患者に少なくとも1つの入力を行わせて、前記第1の図が前記患者によってかろうじて認識することができるようになるまで前記第1の図のサイズを増大させることを可能にするステップであって、前記少なくとも1つの入力が第1の球面度数に対応する、可能にするステップと、
を含む、項目9に記載の方法。
[項目13]
前記コンピュータ制御スクリーンを介して前記患者の前記矯正レンズ処方の前記屈折力を決定するステップが、
(iii)前記コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第2の図を提示するステップであって、前記第2の図が前記患者に明瞭に見えるように十分に大きい、提示するステップと、
(iv)前記患者に少なくとも1つの入力を行わせて、前記第2の図が前記患者によってもはや認識することができなくなるまで前記第2の図のサイズを低減することを可能にするステップであって、前記少なくとも1つの入力が第2の球面度数に対応する、可能にするステップと、
を含む、項目12に記載の方法。
[項目14]
最終的な球面度数が、前記第1の球面度数及び前記第2の球面度数に少なくとも部分的に基づく、項目13に記載の方法。
[項目15]
前記コンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に色分け図形を提示することによって、前記患者が近視又は遠視であるかを判定するステップと、
前記色分け図形の部分に対応する入力を前記患者に選択させることを可能にするステップと、
をさらに含む、項目9に記載の方法。
[項目16]
前記判定が、矯正された眼に基づき、前記判定が、前記患者が過剰矯正又は矯正不足であるかを判定する、項目15に記載の方法。
[項目17]
前記コンピュータ制御スクリーンが、2つ以上のコンピュータ制御スクリーンを含む、項目9に記載の方法。
[項目18]
ステップ(i)及び(ii)、又はステップ(iii)及び(iv)の少なくとも1つが少なくとも1回反復される、項目12に記載の方法。
[項目19]
前記患者の前記矯正レンズ処方の決定が、前記患者の以前の矯正レンズ処方に少なくとも部分的に基づく、項目9に記載の方法。
[項目20]
複数の命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記複数の命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの表示デバイス及び少なくとも1つの入力デバイスとともに、患者の矯正レンズ処方を決定するように前記少なくとも1つのプロセッサを動作させ、前記矯正レンズ処方の決定が、患者の各眼について、
(a)前記患者の乱視処方を、
(i)コンピュータ制御スクリーンを介して前記患者に第1の図形を提示するステップと、
(ii)前記患者に、乱視軸角度に対応する入力を選択させることを可能にするステップと、
(iii)前記コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第2の図形を提示するステップと、
(iv)前記患者が、乱視度数に対応する少なくとも1つの入力を選択させることを可能にするステップと、
を実行することによって、決定するステップと、
(b)前記患者の屈折力処方を、
(i)前記コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第1の図を提示するステップであって、前記第1の図が小さすぎて前記患者に明瞭に見えない、提示するステップと、
(ii)前記患者に少なくとも1つの入力を行わせて、前記第1の図が前記患者によってかろうじて認識することができるようになるまで前記第1の図のサイズを増大させることを可能にするステップであって、前記少なくとも1つの入力が第1の球面度数に対応する、可能にするステップと、
(iii)前記コンピュータ制御スクリーンを介して患者に第2の図を提示するステップであって、前記第2の図が前記患者に明瞭に見えるように十分に大きい、提示するステップと、
(iv)前記患者に少なくとも1つの入力を行わせて、前記第2の図が前記患者によってもはや認識することができなくなるまで前記第2の図のサイズを低減することを可能にするステップであって、前記少なくとも1つの入力が第2の球面度数に対応する、可能にするステップと、
を実行することによって、決定するステップと、
を含み、
最終的な球面度数が、前記第1の球面度数及び前記第2の球面度数に少なくとも部分的に基づく、非一時的コンピュータ可読媒体。
[発明の条項]
[条項1]
屈折器レンズアセンブリの使用なしに視覚検査を実行することにより人の矯正レンズ処方を決定するためのシステムであって、前記システムが、
前記人の視覚情報を記憶するメモリデバイスであり、前記視覚情報が、前記人の年齢又は前記人の以前の矯正レンズ処方のうちの少なくとも一つを含む、メモリデバイスと、
前記メモリデバイスに通信可能に接続されるサーバと、
ハンドヘルド携帯型の第1の電子デバイスと、
コンピュータ制御スクリーンに関連付けられている第2の電子デバイスと、
を備えており、
前記サーバは、
前記第1の電子デバイス又は前記第2の電子デバイスの少なくとも1つに、前記コンピュータ制御スクリーンから前記人が離れて位置している距離を特定させること、
ウェブページを介して提供される固有の識別子を調べるために前記サーバに関連するウェブページに前記第2の電子デバイスを使用して前記人がアクセスすることを前記第1の電子デバイスに促させることにより、前記第1の電子デバイスを使用する前記人が前記視覚検査を実行するための前記第2の電子デバイスと対話できるようにすること、
前記第2の電子デバイスによって表示される前記固有の識別子を、前記第1の電子デバイスに前記人が入力することを前記第1の電子デバイスに促させることであって、前記第1の電子デバイスおよび前記第2の電子デバイスは、互いに別個であり、それぞれが別個に通信可能に前記サーバに接続される、促させること、
前記第2の電子デバイスの前記コンピュータ制御スクリーンに少なくとも部分的に表示される前記視覚検査に応答して、前記第1の電子デバイスを使用して前記人により提出される入力に対応するデータを受けること、
(i)前記データと(ii)前記人の以前の矯正レンズ処方とのうち各々に少なくとも部分的に基づき前記人の各眼について乱視軸角度の処方、乱視度数の処方および球面度数の処方を決定すること、
前記人の各眼について決定された前記乱視軸角度、乱視度数および球面度数の処方に少なくとも部分的に基づき前記人の矯正レンズ処方を提供すること
を実行するように構成されている、システム。
[条項2]
前記サーバが、
前記人のアカウントに関連付けられているアカウント資格情報を受けること、
前記デバイスからの前記アカウント資格情報の受信に少なくとも部分的に基づき前記アカウントに前記第1の電子デバイス又は前記第2の電子デバイスのうちの少なくとも1つを関連付けること
を実行するように構成されている、条項1に記載のシステム。
[条項3]
前記人の各眼について前記乱視軸角度の処方を決定することが、
前記人の各眼について別個に、前記第2の電子デバイスの前記コンピュータ制御スクリーンに1つ又は複数の乱視軸角度の図を表示すること、および、前記第1の電子デバイスを使用して前記人が少なくとも1つの乱視軸角度の図についての入力を提供することを可能にすること、
前記1つ又は複数の乱視軸角度の図の各々に応答して提供される前記少なくとも1つの乱視軸角度の図についての入力のうちの少なくとも1つを使用すること
を含み、
前記人の各眼について前記球面度数の処方を決定することが、
前記人の各眼について別個に、前記第2の電子デバイスの前記コンピュータ制御スクリーンに1つ又は複数の球面度数の図を表示すること、および、前記第1の電子デバイスを使用して前記人が少なくとも1つの球面度数の図についての入力を提供することを可能にすること、
表示された前記1つ又は複数の球面度数の図のうちの少なくとも1つ、前記少なくとも1つの球面度数の図についての入力のうちの少なくとも1つ、および前記コンピュータ制御スクリーンからの前記人の距離、に関連する情報を使用すること
を含み、
前記人の各眼について前記乱視度数の処方を決定することが、
前記少なくとも1つの乱視軸角度の図についての入力のうちの少なくとも1つ又は前記少なくとも1つの球面度数の図についての入力のうちの少なくとも1つと、前記人の以前の矯正レンズ処方とを使用すること、
を含む、条項1に記載のシステム。
[条項4]
前記1つ又は複数の乱視軸角度の図は、度数表現で180の因数である等角度間隔で離間された実質的に放射状の線分を有するファンチャートを含む、条項3に記載のシステム。
[条項5]
前記乱視軸角度の処方を決定することが、
前記1つ又は複数の乱視軸角度の図を一連の乱視軸角度の図として表示することであって、前記一連の乱視軸角度の図で表示される1つ又は複数の乱視軸角度の図が、その前の図とは異なる角度方向で表示される、表示すること
をさらに含む、条項3に記載のシステム。
[条項6]
前記人の各眼について前記球面度数の処方を決定することが、
前記1つ又は複数の球面度数の図を、様々なサイズからなる一連の球面度数の図として表示することであって、前記一連の球面度数の図を含む球面度数の図の前記サイズが、前記一連の経過にわたって変化する、表示すること
をさらに含み、
前記1つ又は複数の球面度数の図に応答して提供される前記少なくとも1つの球面度数の図についての入力は、前記1つ又は複数の球面度数の図のうちの少なくとも1つの一部部分が、その球面度数の図のうちの他部分と異なっていることを識別することに関連する、
条項3に記載のシステム。
[条項7]
前記1つ又は複数の乱視軸角度の図若しくは1つ又は複数の球面度数の図のうちの少なくとも1つが、1つ又は複数の隙間を有する形状を有し、前記形状の角度方向に依存して、前記形状の複数の部分が、遠視の眼を使用する前記人によって見られたときに、前記1つ又は複数の隙間にわたって接触するように見え得るものであり、
前記乱視度数の処方を決定することが、
前記第1の電子デバイスを使用して前記人が前記1つ又は複数の隙間に関連する少なくとも1つの入力を提供することを可能にすること
を含む、条項3に記載のシステム。
[条項8]
前記人の各眼について前記乱視度数の処方を決定することが、
(a)前記1つ又は複数の乱視軸角度の図に応答して前記第1の電子デバイスを使用して提供される前記少なくとも1つの乱視軸角度の図についての入力、
(b)前記コンピュータ制御スクリーンからの前記人の特定された距離、
(c)前記1つ又は複数の球面度数の図に応答して前記人によりなされた前記少なくとも1つの球面度数の図についての入力、
(d)決定された前記球面度数の処方、及び
(e)決定された前記乱視軸角度の処方
を使用すること
をさらに含む、条項3に記載のシステム。
[条項9]
前記サーバは、
前記第1の電子デバイス、前記第2の電子デバイス又は前記コンピュータ制御スクリーンについての特性又はパラメータに関する情報を、前記サーバ、前記第1の電子デバイス又は前記第2の電子デバイスのいずれに提供するための較正ステップを、前記第1の電子デバイス又は前記第2の電子デバイスにより前記人に実行させ、
前記較正ステップは、クレジットカード又は既知の寸法を有する別の参照物体を使用することを含む、
条項1に記載のシステム。
[条項10]
前記サーバは、
前記第1の電子デバイス又は前記第2の電子デバイスにより、前記コンピュータ制御スクリーンからの特定された前記距離に位置するように前記人に動くよう指示すること、
前記コンピュータ制御スクリーンからの前記人の第1の距離を決定すること、
前記第1の電子デバイス又は前記第2の電子デバイスのいずれかに、前記コンピュータ制御スクリーンからの前記人の決定された前記距離の推定値を表示させること、
を実行するように構成されている、条項1に記載のシステム。
[条項11]
前記サーバは、前記人が動いたかどうかを判定することを実行するように構成されている、条項10に記載のシステム。
[条項12]
前記サーバは、
前記第1の電子デバイス又は前記第2の電子デバイスに、前記コンピュータ制御スクリーンからの前記人についての第2の距離を表示させること、
前記第1の電子デバイス又は前記第2の電子デバイスに、前記コンピュータ制御スクリーンからの前記人の前記距離の推定値を表示させること、
前記人が動いたかどうかを判定するためにチェックすること
を実行するように構成されている、条項11に記載のシステム。
[条項13]
前記人の第1の距離の決定は、前記第1の電子デバイスと前記電子デバイスの他方に関連して取り付けられたカメラとに関連付けられている第2のコンピュータ制御スクリーン又は前記コンピュータ制御スクリーンのうちの少なくとも1つを、参照用コンピュータ制御スクリーンとして使用することにより実行され、
前記サーバは、
前記参照用コンピュータ制御スクリーンに高コントラストの図を表示させること、
前記参照用コンピュータ制御スクリーンから離れて立つ前記人の特定された前記距離を、前記第1の電子デバイス又は前記第2の電子デバイスに表示させること、
前記参照用コンピュータ制御スクリーンからの前記人の決定された現在の距離を、前記第1の電子デバイス又は前記第2の電子デバイスに表示させること、
前記参照用コンピュータ制御スクリーンからの前記人の決定された現在の距離と、前記参照用コンピュータ制御スクリーンからの前記人の特定された距離との間の差に応じて、前記人が同じ場所にとどまるように、或いは、前記人が前記参照用コンピュータ制御スクリーンからの前記人の決定された現在の距離を増大させるか又は減少させるように、前記第1の電子デバイス又は前記第2の電子デバイスに指示させること
を実行するように構成されている、条項10に記載のシステム。
[条項14]
前記第1の電子デバイス又は前記第2の電子デバイスのうち少なくとも1つを使用して前記人に文面の指示及び可聴の指示の両方を提供することをさらに含む、条項1に記載のシステム。
[条項15]
前記人が、前記サーバを使用する前記第2の電子デバイスと対話するために前記第1の電子デバイスを使用可能であり、
前記第1の電子デバイスを使用する前記人により提供される入力が、前記コンピュータ制御スクリーンに表示される前記視覚検査を進行させる、条項1に記載のシステム。
[条項16]
前記第1の電子デバイスが、ハンドヘルド携帯型のコンピュータ制御スクリーンをさらに備える、条項15に記載のシステム。
[条項17]
前記第1の電子デバイスがスマートフォンである、条項1に記載のシステム。
[条項18]
屈折器レンズアセンブリの使用なしに視覚検査を実行することにより人の矯正レンズ処方を決定するための視覚検査用の装置であって、前記装置が、ハンドヘルド携帯型の第1の電子デバイスと、コンピュータ制御スクリーンに関連付けられている別個の第2の電子デバイスとに通信可能に接続されており、
前記装置は、
前記人に関連付けられている視覚情報を受けることであり、前記視覚情報が、前記人の年齢又は前記人の以前の矯正レンズ処方のうちの少なくとも一つを含む、受けること、
ウェブページを介して提供される固有の識別子を調べるためにサーバに関連するウェブページに前記第2の電子デバイスを使用して前記人がアクセスすることを前記第1の電子デバイスに促させることにより、前記第1の電子デバイスを使用する前記人が前記視覚検査を実行するための前記第2の電子デバイスと対話できるようにすること、
前記第2の電子デバイスによって表示される前記固有の識別子を、前記第1の電子デバイスに前記人が入力することを前記第1の電子デバイスに促させることであって、前記第1の電子デバイスおよび前記第2の電子デバイスは、互いに別個であり、それぞれが別個に通信可能に前記サーバに接続される、促させること、
前記第2の電子デバイスの前記コンピュータ制御スクリーンに少なくとも部分的に表示される前記視覚検査に応答して、前記第1の電子デバイスを使用して前記人により提出される入力に対応するデータを受けること、
(i)前記データと(ii)前記人の以前の矯正レンズ処方とのうち各々に少なくとも部分的に基づき前記人の各眼について乱視軸角度の処方、乱視度数の処方および球面度数の処方を決定すること、
前記人の各眼について決定された前記乱視軸角度、乱視度数および球面度数の処方に少なくとも部分的に基づき前記人の矯正レンズ処方を提供すること
を実行するように構成されており、
前記人の各眼について前記乱視軸角度の処方を決定することが、
前記人の各眼について別個に、前記第2の電子デバイスの前記コンピュータ制御スクリーンに1つ又は複数の乱視軸角度の図を表示すること、および、前記第1の電子デバイスを使用して前記人が少なくとも1つの乱視軸角度の図についての入力を提供することを可能にすること、
前記1つ又は複数の乱視軸角度の図の各々に応答して提供される前記少なくとも1つの乱視軸角度の図についての入力のうちの少なくとも1つを使用すること
を含み、
前記人の各眼について前記球面度数の処方を決定することが、
前記人の各眼について別個に、前記第2の電子デバイスの前記コンピュータ制御スクリーンに1つ又は複数の球面度数の図を表示すること、および、前記第1の電子デバイスを使用して前記人が少なくとも1つの球面度数の図についての入力を提供することを可能にすること、
表示された前記1つ又は複数の球面度数の図のうちの少なくとも1つ、前記少なくとも1つの球面度数の図についての入力のうちの少なくとも1つ、および前記コンピュータ制御スクリーンからの前記人の距離、に関連する情報を使用すること
を含み、
前記人の各眼について前記乱視度数の処方を決定することが、
前記少なくとも1つの乱視軸角度の図についての入力のうちの少なくとも1つ又は前記少なくとも1つの球面度数の図についての入力のうちの少なくとも1つと、前記人の以前の矯正レンズ処方とを使用すること、
を含む、装置。
[条項19]
屈折器レンズアセンブリの使用なしに視覚検査を実行することにより人の矯正レンズ処方を決定するための視覚検査用の装置であって、前記装置が、ハンドヘルド携帯型の第1の電子デバイスと、コンピュータ制御スクリーンに関連付けられている別個の第2の電子デバイスとに通信可能に接続されており、
前記装置は、
前記人に関連付けられている視覚情報を受けることであり、前記視覚情報が、前記人の年齢又は前記人の以前の矯正レンズ処方のうちの少なくとも一つを含む、受けること、
ウェブページを介して提供される固有の識別子を調べるためにサーバに関連するウェブページに前記第2の電子デバイスを使用して前記人がアクセスすることを前記第1の電子デバイスに促させることにより、前記第1の電子デバイスを使用する前記人が前記視覚検査を実行するための前記第2の電子デバイスと対話できるようにすること、
前記第2の電子デバイスによって表示される前記固有の識別子を、前記第1の電子デバイスに前記人が入力することを前記第1の電子デバイスに促させることであって、前記第1の電子デバイスおよび前記第2の電子デバイスは、互いに別個であり、それぞれが別個に通信可能に前記サーバに接続される、促させること、
前記第2の電子デバイスの前記コンピュータ制御スクリーンに少なくとも部分的に表示される前記視覚検査に応答して、前記第1の電子デバイスを使用して前記人により提出される入力に対応するデータを受けること、
(i)前記データと(ii)前記人の以前の矯正レンズ処方とのうち各々に少なくとも部分的に基づき前記人の各眼について乱視軸角度の処方、乱視度数の処方および球面度数の処方を決定すること、
前記人の各眼について決定された前記乱視軸角度、乱視度数および球面度数の処方に少なくとも部分的に基づき前記人の矯正レンズ処方を提供すること
を実行するように構成されており、
前記人の各眼について前記乱視軸角度の処方を決定することが、
前記人の各眼について別個に、前記コンピュータ制御スクリーンに一連の1つ又は複数の乱視軸角度の図を表示することであり、各乱視軸角度の図が、等角度間隔で離間された実質的に放射状の線分を含むファンチャートを含み、前記角度間隔の大きさが度数表現で180の因数である、表示すること、および、前記第1の電子デバイスを使用して前記人が、前記放射状の線分が最もはっきり見える角度方向をもしあれば示す少なくとも1つの乱視軸角度の図についての入力を提供することを可能にすること、
前記一連における乱視軸角度の図の1つ又は複数を、前記一連における乱視軸角度の図の他の1つ又は複数とは異なる角度方向で表示すること、
前記一連における乱視軸角度の図の各々に応答して提供される前記少なくとも1つの乱視軸角度の図についての入力のうちの少なくとも1つを使用すること
を含み、
前記人の各眼について前記球面度数の処方を決定することが、
前記人の各眼について別個に、前記コンピュータ制御スクリーンに、様々なサイズからなる図を含む一連の1つ又は複数の球面度数の図を表示することであり、前記一連における1つ又は複数の球面度数の図の各々が、前記一連における第1の球面度数の図の後に、前記一連における前の球面度数の図のサイズ以下のサイズを有する、表示すること、
前記一連における球面度数の図の各々について、前記第1の電子デバイスを使用して前記人が少なくとも1つの球面度数の図についての入力を提供することを可能にすることであり、前記1つ又は複数の球面度数の図に応答して提供される前記少なくとも1つの球面度数の図についての入力が、前記球面度数の図のうちの1つの一部分がその球面度数の図の他部分と異なることを識別することに関連する、可能にすること、
表示された前記1つ又は複数の球面度数の図、前記少なくとも1つの球面度数の図についての入力のうちの少なくとも1つ、および前記コンピュータ制御スクリーンからの前記人の距離、に関連する情報を使用すること
を含み、
前記人の各眼について前記乱視度数の処方を決定することが、
前記人の各眼について別個に、前記少なくとも1つの乱視軸角度の図についての入力と前記人の以前の矯正レンズ処方とのうちの少なくとも1つを使用すること、
1つ又は複数の隙間を有する形状を有する1つ又は複数の図を前記コンピュータ制御スクリーンに表示することであり、表示される図の複数の部分が、前記人の遠視の眼を使用して見られたときに、前記1つ又は複数の隙間にわたって接触するように見え得るものである、表示すること、および、前記第1の電子デバイスを使用して前記人が表示された前記図に関連する少なくとも1つの入力を提供することを可能にすること、
表示された前記1つ又は複数の図に関連する前記少なくとも1つの入力、前記コンピュータ制御スクリーンからの前記人の距離、前記少なくとも1つの乱視軸角度の図についての入力の少なくとも1つ、決定された前記球面度数の処方、または決定された前記乱視軸角度の処方のうちの少なくとも1つを使用すること
を含み、
前記矯正レンズ処方を決定することが、
前記人の各眼について別個に、赤色の色分け図及び緑色の色分け図を含む図形を表示すること、および、1つの図が他方よりはっきり見えるかどうか及びはっきり見えるならどの図かを識別する1つ又は複数の色分け図についての入力を前記人が提供することを可能にすること、
(a)前記人の処方が過剰矯正か又は矯正不足かどうか若しくは(b)前記人が近視であるか又は遠視であるかを判定するために、前記図形に応答して前記人によりなされた前記1つ又は複数の色分け図についての入力のうちの少なくとも1つを使用すること
をさらに含む、装置。
[条項20]
前記1つ又は複数の乱視軸角度の図、前記1つ又は複数の球面度数の図、および1つ又は複数の隙間を有する形状を有する前記1つ又は複数の図、からなる群から選択される少なくとも2つが同じ図であり、
前記第1の電子デバイスを使用する前記人により提供される入力が、前記コンピュータ制御スクリーンに表示される前記視覚検査を進行させる、条項19に記載の装置。