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特許7420483インフレータ用の推薬ケージ、このような推薬ケージを備えるインフレータ、インフレータの作動方法、およびインフレータの衝撃波を案内する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】インフレータ用の推薬ケージ、このような推薬ケージを備えるインフレータ、インフレータの作動方法、およびインフレータの衝撃波を案内する方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/264 20060101AFI20240116BHJP
   B01J 7/00 20060101ALI20240116BHJP
   F42B 3/12 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B60R21/264
B01J7/00 A
F42B3/12
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019092770
(22)【出願日】2019-05-16
(65)【公開番号】P2019214358
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】10 2018 112 010.9
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503049737
【氏名又は名称】ティーアールダブリュー・エアバッグ・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ヒルマン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ユング
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツ・ザイドル
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルグ・タウチュニグ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング・テングラー
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-523919(JP,A)
【文献】特表2009-506924(JP,A)
【文献】特開2002-321587(JP,A)
【文献】特開2017-094998(JP,A)
【文献】特開2001-151071(JP,A)
【文献】特開2006-297988(JP,A)
【文献】国際公開第2008/140441(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/264
B01J 7/00
F42B 3/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インフレータを構成する管状ハウジング(31)の内側に配置され、前記管状ハウジング(31)との間に推薬体を保持する推薬室(17)を形成する管状の基部(11)を備える推薬ケージ(10)であって、
前記基部(11)が、その長手方向軸線(L)に沿って、一方では、ガス入口側の第1開口(12a)、他方では、ガス出口開口(12c)を有し、
前記基部(11)の周壁(12)には、少なくとも1つの側面ガス流開口(13)が形成されており、
前記基部(11)が、前記ガス出口開口(12c)側の端部から半径方向外向きに裏返されるように形成されたカラー(11c)を含み、
前記カラー(11c)が、前記ガス出口開口(12c)側の端部に、前記推薬室(17)に連なる少なくとも1つの前方ガス流開口(14)を有する、ことを特徴とする推薬ケージ(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の推薬ケージ(10)であって、前記基部(11)が、前記第1開口(12a)を備えた中空円筒部(11a)と、前記中空円筒部(11a)に隣接して、実質的に、前記ガス出口開口(12c)の方に広がる漏斗状部(11b)を含み、前記少なくとも1つの側面ガス流開口(13)が、前記漏斗状部(11b)及び前記中空円筒部(11a)のうちの少なくとも一方に配置されることを特徴とする推薬ケージ(10)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の推薬ケージ(10)であって、前記少なくとも1つの側面ガス流開口(13)および前記少なくとも1つの前方ガス流開口(14)の一部又は全部が、円形、スロット状、またはえら型に形成されていることを特徴とする推薬ケージ(10)。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の推薬ケージ(10)であって、前記少なくとも1つの側面ガス流開口(13)が、前記基部(11)の前記周壁(12)の半径方向内向きの成形部分(15)によってえら型に形成されることを特徴とする推薬ケージ(10)。
【請求項5】
請求項4に記載の推薬ケージ(10)であって、前記周壁(12)の前記成形部分(15)が、軸方向の点火ガス流の一部分を外側に偏向させることができる流れ案内要素を形成することを特徴とする推薬ケージ(10)。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の推薬ケージ(10)であって、前記周壁(12)が、一緒に穴パターンを形成する複数の側面ガス流開口(13)を備えることを特徴とする推薬ケージ(10)。
【請求項7】
請求項6に記載の推薬ケージ(10)であって、前記穴パターンの前記複数の側面ガス流開口(13)が、円形、スロット状およびえら型のうち2以上を含む異なる形状に構成され、前記側面ガス流開口(13)が、前記基部(11)の周方向および長手方向の少なくとも一方に、規則的または不規則に分布されるように配置されることを特徴とする推薬ケージ(10)。
【請求項8】
請求項2、及び請求項2を引用先に含む請求項3~7のいずれかに記載の推薬ケージ(10)であって、前記中空円筒部(11a)が前記漏斗状部(11b)に結合して一体的になるように、前記基部(11)が形成され、前記少なくとも1つの側面ガス流開口(13)が、前記中空円筒部(11a)および前記漏斗状部(11b)の両方に跨るように存在することを特徴とする推薬ケージ(10)。
【請求項9】
前記管状ハウジング(31)と、前記管状ハウジング(31)の内側に配置された、請求項1~8のいずれか一項に記載の推薬ケージ(10)とを備える、エアバッグモジュール用のインフレータであって、前記管状ハウジング(31)と前記推薬ケージ(10)とにより、ガス発生推薬体を含む推薬室(17)が区切られている、インフレータ。
【請求項10】
請求項9に記載のインフレータであって、前記少なくとも1つの側面ガス流開口(13)が、前記推薬室(17)のガス入口を形成し、前記少なくとも1つの前方ガス流開口(14)が、前記推薬室(17)のガス出口を形成することを特徴とするインフレータ。
【請求項11】
請求項9または10に記載のインフレータであって、前記管状ハウジング(31)に、点火器ユニット(20)が配置され、前記点火器ユニット(20)が、前記第1開口(12a)に挿入され、前記点火器ユニット(20)は、点火器(29)と、前記点火器(29)との間に点火室(23)を形成する入口側破裂ダイアフラム(24)を含むことを特徴とするインフレータ。
【請求項12】
請求項9~11のいずれか一項に記載のインフレータであって、前記管状ハウジング(31)が、付勢された圧縮ガスで満たされた圧縮ガスタンク(30)を形成し、前記推薬ケージ(10)の前記カラー(11c)が、前記管状ハウジング(31)の周方向のテーパ部(32)に、密閉するように隣接することを特徴とするインフレータ。
【請求項13】
固定ユニットによって車両に取り付けられるエアバッグモジュールであって、
請求項9~12のいずれか一項に記載のインフレータと、
前記インフレータによって膨張させることができるエアバッグと、
を備える、エアバッグモジュール。
【請求項14】
請求項9~12のいずれか一項に記載のインフレータと、エアバッグモジュールの一部分としての前記インフレータによって膨張させることができるエアバッグと、誘発状況が与えられると前記インフレータを作動させることができる電子制御ユニットとを備える、
車両の乗員または歩行者を含む人を保護するための車両安全システム
【請求項15】
請求項9~12のいずれか一項に記載のインフレータを作動させる方法であって、
点火室(23)内で点火ガスを発生させるために点火器ユニット(20)を作動させるステップと、
推薬ケージ(10)によって管状に取り囲まれた流路(12b)内に前記点火ガスを軸方向に導入するステップと、
前記推薬ケージ(10)の側面ガス流開口(13)を通して、前記管状ハウジング(31)と前記推薬ケージ(10)によって区切られた推薬室(17)内に前記点火ガスの一部分を吐出するステップと、
前記推薬室(17)に吐出された点火ガスによって推薬室(17)内で推薬体点火し、推薬ガスを発生させるステップと、
前記推薬ガスを前記推薬室(17)から前記推薬ケージ(10)の前方ガス流開口(14)を通過させるステップと
を含む方法。
【請求項16】
請求項9~12のいずれか一項に記載のインフレータ内の衝撃波を案内する方法であって、
点火室(23)内に過大な圧力を発生させるために点火器ユニット(20)を作動させるステップと、
推薬ケージ(10)の管状基部(11)のガス入口の領域に配置された入口側破裂ダイアフラム(24)を前記過大な圧力によって破裂させることによって衝撃波を発生させるステップと、
前記衝撃波を前記基部(11)の漏斗状に広がる部分(11b)に沿って半径方向に広げながら案内するステップと
を含む方法。
【請求項17】
請求項1~8のいずれか一項に記載の推薬ケージ(10)であって、
前記インフレータは、エアバッグを膨張させる管状インフレータである、推薬ケージ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部によるインフレータ用の推薬ケージに関する。さらに、本発明は、このような推薬ケージを備えるインフレータに関する。本発明はさらに、このタイプのインフレータを含むエアバッグモジュールを扱う。加えて、本発明はまた、インフレータの作動方法、およびインフレータ内の衝撃波を案内する方法を示す。
【背景技術】
【0002】
請求項1の前提部の特徴を備える推薬ケージは、例えば、欧州特許第2471692(B1)号から知られている。
【0003】
一般に、インフレータの推薬ケージは複数の機能を果たす。推薬ケージは、取り付けられた状態では、特に、火工推薬体が配置された推薬室を区切る。推薬体は、例えば、欧州特許第2471692(B1)号に示されたような推薬ペレットを備えることがある。これに関して、推薬ケージは、インフレータ内部に推薬体を配置する役をする。同時に、推薬ケージの目的は、点火器ユニットから点火ガスを推薬室に流入させて、意図するように点火ガスによって推薬を点火させることを可能にし、その結果、推薬が、特定の燃焼によって、例えば、インフレータによってエアバッグを満たすことができる推薬ガスを発生することができるようにすることである。このために、周知の推薬ケージは、一方では、その長手方向軸線に沿って、点火器ユニットを向く管状基部部材の軸方向端部に配置されたガス入口開口を有する。まず、点火器ユニットから噴出された点火ガスは、ガス入口開口を通って、推薬ケージの内部に流入することができる。さらに、周知の推薬ケージでは、半径方向に配置された貫通穴が設けられ、流入点火ガスの一部分は貫通穴を通って推薬ケージの外側に、具体的には、推薬ケージの周りに形成された推薬室内に流れることができる。このようにして、点火ガスは、推薬室内に推薬床として配置された推薬体と接触する。推薬体は、高温の点火ガスによって点火され、推薬ガスを放出する。周知の推薬ケージでは、推薬ガスは、点火ガスが推薬室に入る際に通るガス流開口と同じ開口を通って再び推薬ケージの内部に流入し、次いで、ガス入口開口の軸方向反対側にあるガス出口開口を通って推薬ケージから出るように案内される。
【0004】
推薬ケージの別の機能は、ガス入口開口の領域で発生した衝撃波を送出することである。衝撃波は、点火器ユニットが点火されたときに点火室内に生じる過大な圧力によって形成される。点火室は、破裂ダイアフラムによって長手方向を軸方向に区切られるので、点火器ユニットが作動するとまず、点火室内部で圧力が上昇する。所定の圧力を超えるとすぐに、破裂ダイアフラムが破裂し、加圧された点火ガスが推薬ケージに流入する。破裂ダイアフラムの突然の破裂、言い換えれば、点火室内で上昇した圧力レベルと、破裂ダイアフラムの流れ方向下流に配置された圧力室の圧力との間の圧力差によって衝撃波が形成され、長手方向軸線の方向に推薬ケージを通るように案内される。
【0005】
前述の機能は、欧州特許第2471692(B1)号による周知の推薬ケージによって実質的に果たされる。しかしながら、このような設計では、推薬ケージの半径方向の流れ開口は、一方では、点火ガスを推薬室に導入し、他方では、推薬ガスを推薬室から吐出するということが欠点となり得る。このように、例えば、推薬室内に連続して来て流入する点火ガスが、すでに形成された推薬ガスが推薬室を出ることを妨げるということが起こり得る。これに関して、インフレータの作動と推薬ガスでのエアバッグの充填との間の時間間隔を延ばすことがある推薬ガス送出の時間遅延が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】欧州特許第2471692(B1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この背景に対して、ガス導入、特に、点火ガス導入を改善して、推薬体の燃焼の時間遅延を最短化する、言い換えれば、推薬体の燃焼を最適化することができるインフレータ用の推薬ケージを述べることが本発明の目的である。さらに、このタイプの推薬ケージを備えたインフレータを述べることが本発明の目的である。さらに、インフレータを備えるエアバッグモジュールおよび車両安全システム、ならびにインフレータを作動させる方法およびインフレータ内の衝撃波を案内する方法を述べることが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、推薬ケージに関しては請求項1の主題によって、インフレータに関しては請求項9の主題によって、エアバッグモジュールに関しては請求項13の主題によって、車両安全システムに関しては請求項14の主題によって、作動方法およびインフレータ内の衝撃波を案内する方法に関しては請求項15および16の主題によって達成される。
【0009】
したがって、本発明は、インフレータ用、特にエアバッグモジュールの管状インフレータ用の推薬ケージで、その長手方向軸線に沿って、一方では、ガス入口開口を形成し、他方では、ガス出口開口を形成する実質的に管状基部を有する推薬ケージを述べる考えに基づく。基部の周壁には、少なくとも1つの側面ガス流開口が形成される。さらに、基部は、ガス出口開口の領域に少なくとも1つの前方ガス流開口を有する半径方向外向きに延在したカラーを含む。完全な説明のために、用語「外向き」に関しては、この文脈では、基部の長手方向軸線から離れる方向を意味することに留意されたい。
【0010】
本発明による推薬ケージは、推薬室への点火ガスの流入の機能を、推薬室からの推薬ガスの流出の機能から分離する。言い換えれば、本発明による推薬ケージは、推薬室に対するガス流入とガス流出を同時であるが場所的に分離することを可能にする。本発明による推薬室はまた、点火ガスが、推薬室からの推薬ガスの軸方向の流出方向とは異なる、すなわちそれに実質的に直交する、実質的に半径方向に推薬室に流入することを可能にする。少なくとも1つの前方ガス流開口が設けられるので、本発明による推薬ケージは、発生した推薬ガスを、推薬ケージによって区切られた推薬室から吐出させることができる、一方、同時に点火ガスは側面ガス流開口を通って推薬室に流入する。したがって、流体の態様で考えると、発生した推薬ガスの推薬室からの流出は、推薬室への点火ガスの流入によって妨げられない、または制限されない。したがって、何ら大きな時間遅延なく推薬ガスを放出することができる。したがって、本発明による推薬ケージを備えるインフレータの作動と、接続されたエアバッグの充填との間の時間間隔は短縮される。本発明によれば、点火ガスという用語はまた、高温の点火粒子、言い換えれば、高温の点火プルームを含み、純粋な気体物質には限定されない。
【0011】
本発明は、側面ガス流開口と前方ガス流開口の向きが異なるという特定の利点を有する。側面ガス流開口が推薬ケージの周壁に配置される一方、前方ガス流開口は周壁から半径方向外向きに延在するカラーに設けられる。したがって、推薬ケージによって区切られた推薬室で発生した推薬ガスは、推薬ケージの中央を通って流れてガス出口開口を通って推薬ケージを出る点火ガスの部分の流れ方向に平行な実質的に軸方向に推薬室を出ることができる。上記軸方向の平行な方向はまた、ガスの主流方向、言い換えれば、本発明による推薬ケージを取り付けることができるインフレータ内部で誘発される衝撃波の伝播方向に概ね一致し、上記方向は、前面の点火器ユニットを始点として軸方向前方の反対側の推薬ガス用のインフレータの出口開口まで延びる。したがって、発生した推薬ガスはインフレータ内でさらに偏向することが避けられ、その結果、推薬室で発生した推薬ガスは、本発明による推薬ケージのカラーの前方のガス流開口を通って、さらにインフレータを通って滞りなく揃って流れることができる。これは、一方では、インフレータを作動させる過程を加速させ、言い換えれば、エアバッグを満たすための推薬ガスの供給時間を短縮する。これは、他方では、点火器ユニットの破裂ダイアフラムで放出された衝撃波を弱めることがある領域での流れの乱れを防ぐ助けとなる。
【0012】
説明のため、特に管状インフレータで意図されたように放出された衝撃波は、管状インフレータの出口端部に配置されたさらなる破裂ダイアフラムを破断または開放するように働き、その結果、管状インフレータに供給および/または形成されたガスは接続されたエアバッグに流入することができる。ここまで、均一で安定した衝撃波を形成することがこのような管状インフレータの機能に特に関係がある。衝撃波の安定性と均質性が、さらなる破裂ダイアフラムまでインフレータ内の全行程に沿って保持されることが特に必要である。本発明では、推薬室で発生した推薬ガスは、推薬ケージの長手方向軸線に平行に延在し、推薬ケージのカラーに配置された前方ガス流開口を通って案内されるので、推薬ガスが衝撃波の案内路に対して半径方向に導入されない、または衝撃波の伝播方向に対して半径方向に導入されないという事実によって、衝撃波の干渉または弱化が防がれる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態では、推薬ケージの基部は実質的に漏斗状部を含む。漏斗状部は、特にガス出口開口の方に広がる。少なくとも1つの側面ガス流開口は、漏斗状部に配置されてもよい。その代わりとして、少なくとも1つの側面ガス流開口はまた、ガス入口開口を備えた基部の中空円筒部に配置されてもよい。漏斗状部によって、特に、上記部分がガス出口開口の方に広がる場合、特に、発生した衝撃波の適切な安定性が得られることが示された。衝撃波は、推薬ケージの内部で長手方向軸線の方向に極めて均質に伝播し、漏斗状部によって衝撃波は安定する。したがって、漏斗状部に沿って広がる衝撃波は特にしっかりとしている。さらに、驚いたことに、衝撃波の安定性は、推薬ケージを出るときでさえ保たれることが分かった。したがって、ガス出口開口の方に広がる漏斗状部は、衝撃波がインフレータの出口側破裂ダイアフラムに衝突するまで、インフレータ内、特に管状インフレータ内のさらなる行程でさえ、特に安定してしっかりとする程度に衝撃波を安定させる助けとなる。これによって、このようなインフレータの作動安全性が向上する。
【0014】
漏斗状部を備えた推薬ケージの基部は、全体として、実質的にラッパ状にすることができる。したがって、本発明の範囲内では、用語「漏斗状」は、必ずしも滑らかな周面を有する円錐台状を意味するものではない。むしろ、漏斗状部の周壁は、長手方向軸線の方向に湾曲してもよい。安定した衝撃波にするために、周壁が長手方向軸線の方向に湾曲していても、少なくとも、漏斗状部が基部のガス出口開口の方に広がっていることは有利である。したがって、基部の内径は、ガス入口開口からガス出口開口の方へ増大する。基部の内径が連続的に、言い換えれば、段なしで少なくとも漏斗状部に増大することは有利である。半径方向外向きに延在するカラーは、漏斗状部に直接隣接してもよい。カラー部分は、特に、基部を裏返した部分として形成されてもよい。全体として、基部のラッパの形はこのようにして生じる。
【0015】
推薬ケージの別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの側面ガス流開口は、円形および/またはスロット状および/またはえら型の設計を有するように設けられる。これに代えて、またはこれに加えて、少なくとも1つの前方ガス流開口は、円形および/またはスロット状および/またはえら型の設計を有してもよい。一般に、側面ガス流開口および/または前方ガス流開口に対して異なる形状が可能である。特に、側面ガス流開口は、管状基部の長手方向軸線に対して実質的に半径方向に延在してもよい。しかしながら、側面ガス流開口が管状基部の長手方向軸線に対してある角度で配置されるときは特に有利であることが分かった。点火ガスの一部分を推薬ケージの外側の領域に吐出するためには、特に、えら型の側面ガス流開口が特に有利であることが分かった。えら型の側面ガス流開口は特に、推薬ケージを取り囲む推薬床内に点火ガスの一部分を効率的に吐出させる。したがって、最初は推薬ケージの内側に供給された点火ガスを、えら型の側面ガス流開口を通して推薬ケージの外側環境、例えば推薬体を備える推薬室に案内することは特に有利である。
【0016】
特にえら型の、少なくとも1つの側面ガス流開口が、基部の周壁の半径方向内向きに形成された部分によって形成されることが好ましい。言い換えれば、基部の周壁の一部分は、基部の長手方向軸線の方向に押し込まれて、基本的に、基部の長手方向軸線に対して実質的に平行な軸方向の入口領域を有する側面ガス流開口が生じる。したがって、基部を通って流れる点火ガスを、長手方向軸線の方向に側面ガス流開口に導入することができる。したがって、周壁の半径方向内向きに形成された部分は、軸方向の点火ガス流の一部分を外向きに偏向させることができる流れ案内要素を形成することができる。側面ガス流開口のこのようなえら型の設計によって、点火ガスの分割または分配の点で、推薬ケージの効率が向上する。一方、点火ガスの一部分、好ましくは点火ガスの主要な部分は、推薬ケージの基部を通って長手方向軸線の方向に案内される。しかしながら、点火ガスの別の部分、好ましくはより少ない部分は、こうして周壁に形成された部分によって、側面ガス流開口を通って外側に偏向され、ガスの流れに関するわずかな乱れを伴ってガスの導入を達成する。これに関して、特に衝撃波の形成、言い換えれば、衝撃波の送出または伝播は、えら型の側面ガス流開口によってほとんど損なわれない。
【0017】
一般に、単一の側面ガス流開口および/または単一の前方ガス流開口だけではないことは、本発明による推薬ケージに当てはまる。むしろ、基部の周壁、特に、漏斗状部および/または中空円筒部は複数の側面ガス流開口を備えて、一緒になって穴パターンを形成することができる。これに代えて、またはこれに加えて、カラーの周方向に規則的および/または不規則な間隔で配置することができる複数の前方ガス貫通穴も設けることができる。複数の側面ガス流開口の使用および適切な穴パターンの選択は、本発明による推薬ケージの効率をさらに向上させる助けとなり得る。特に、複数の側面ガス流入口によって、推薬ケージを取り囲む推薬床の推薬体の均一な点火を達成することができる。
【0018】
穴パターンの側面ガス流開口は幾何形状的に異なることが好ましい。特に、穴パターンの側面ガス流開口のそれぞれは、円形および/またはスロット状および/またはえら型にすることができる。個々の側面ガス流開口の形状および位置は、推薬ケージの周りに配置された推薬体の点火および燃焼挙動に影響する。これに関して、推薬体のそれぞれの所望の点火または燃焼特性に対して異なる穴パターンを使用することができる。穴パターンは、異なる形状の側面ガス流開口を含んでもよい。この場合、円形、スロット状、およびえら型の形状を自由に互いに組み合わせることができる。
【0019】
穴パターンの側面ガス流開口は、周方向および/または長手方向に規則的または不規則に分配されるように配置することができる。側面ガス流開口の位置は、推薬ケージの外側の推薬体の点火および燃焼挙動に影響するので、当業者は、必要に応じて側面ガス流開口のそれぞれの好ましい位置を選択する。
【0020】
前述のことは、実質的に、前方ガス流開口にも同様に当てはまる。カラーの前方ガス流開口も同様に異なる形状であってもよく、異なる形状の前方ガス流開口はお互いに組み合わされてもよい。前方ガス流開口は同様に、カラーに不規則および/または規則的に分配されるように配置することができる。
【0021】
ガス入口開口を備える中空円筒部を基部が含む、上記でさらに言及した本発明による推薬ケージの好ましい実施形態では、中空円筒部に側面ガス流開口が配置されない場合もあり得る。側面ガス流開口が中空円筒部に設けられているかどうかに関係なく、中空円筒部は漏斗状部に結合することができる。中空円筒部は、点火器ユニットに接続されるように、言い換えれば、少なくとも、開いている点火器ユニットの端面と中空円筒部の内部との間で流体連通が形成されるように点火器ユニットに対して配置されるように構成されることが好ましい。中空円筒部の形状は、点火器ユニットに対する特に適切なシールを確実にする。上記シールは気密である必要はないが、シールによって点火エネルギーがほとんど失われない利点を伴うべきである。さらに、中空円筒部は、後続の基部の漏斗状部で安定な衝撃波を形成することに寄与する。
【0022】
側面ガス流開口および/または穴パターンは、中空円筒部内および/または漏斗状部内に延在することができる。このようにして、側面ガス流開口の流れ断面積、言い換えれば、複数の側面ガス流開口の流れ断面積を増大することができる。この結果、推薬ケージを取り囲む推薬室内の推薬体の点火効率が高くなる。
【0023】
本発明の別の好ましい変形は、一体的に形成された推薬ケージの基部、および漏斗状部に結合する中空円筒部を提供する。特に、中空円筒部、漏斗状部、およびカラーは一緒に一体的に形成される。基部は、点火ガスの高温に耐えることができるように金属製にすることができる。
【0024】
本発明の独立した態様は、エアバッグモジュール用のインフレータ、特に管状インフレータに関する。インフレータは、管状ハウジングおよび推薬ケージを含み、推薬ケージは、本発明による推薬ケージに関する前述の事項に従って構成することができる。推薬ケージは、管状ハウジングの内側に配置され、管状ハウジングによってガス発生推薬体を含む推薬室が区切られる。推薬室は、特に中空の円筒状とすることができる。推薬体は、圧縮推薬ペレットとして存在することができることが好ましいが、また、押出成形体として、および/または単一の成形体の形態、または軸方向に並べられた円盤または輪の形態で存在してもよい。
【0025】
推薬ケージの少なくとも1つの側面ガス流開口は、推薬室のガス入口、言い換えれば、推薬室のためのガス入口を形成することができる。したがって、点火煙および/または高温の点火粒子も含むことがある点火ガスは、ガス入口、言い換えれば、少なくとも1つの側面ガス流開口を通って、推薬室内に流れることができる。少なくとも1つの前方ガス流開口は、推薬室のガス出口をさらに形成することができる。推薬体の燃焼によって推薬室内で発生した推薬ガスは、ガス出口、言い換えれば、前方ガス流開口を通って推薬室を出ることができる。
【0026】
したがって、点火ガス、言い換えれば、利用できる全点火ガスの一部分は、ガス入口を通って、推薬ケージの長手方向軸線に対して半径方向に、しかし、必ずしも長手方向軸線に対して垂直ではないが、推薬室に流入することができる。推薬室で発生した推薬ガスは、実質的に、推薬ケージの長手方向軸線に平行にガス出口を通って推薬室を出ることができる。ガス出口は、点火ガスまたは点火ガスの一部分が推薬ケージを軸方向に通過するのと同じ流れ方向に推薬ガスが推薬室を出ることができるように構成されることが好ましい。したがって、実質的に、利用することができる全点火ガスは、内部を通る、すなわち、軸方向に推薬ケージを通過する点火ガスと、推薬体を点火させるために、ガス入口を経て側面ガス流開口を通って推薬室内に半径方向に吐出されるそれぞれ残りの部分とに疑似分割される。
【0027】
本発明によるインフレータの好ましい実施形態では、推薬ケージのカラーは、インフレータのハウジングの周方向のテーパ部に、特に密閉して当接するように設けられる。具体的には、インフレータのハウジングは、テーパ部、特に、好ましくは、完全に半径方向に円周であるように設計された内向きのテーパ部を有することができる。したがって、テーパ部は、ハウジングの内周に、推薬ケージのカラーが当接することができる環状のビーディング部を形成する。特に、この場合、カラーは密閉するように当接することができ、このような当接は必ずしも気密ではなく、推薬粒子が推薬ケージのカラーとインフレータのハウジングのテーパ部との間を通過しないようなものでも十分である。このようにして、推薬ケージは、ハウジング内に長手方向軸線の方向に固定される。
【0028】
さらに、管状ハウジングには、推薬ケージのガス入口開口と流体連通する点火器ユニットを配置することができ、点火器ユニットは、特に、ガス入口開口に挿入され、好ましくは、ガス入口開口を閉じるために入口側破裂ダイアフラムを含む。この場合、用語「流体連通する」は、点火器ユニット、特に、入口側破裂ダイアフラムと、推薬ケージのガス入口開口との間で流体を遮るような障害物がないことを意味する。言い換えれば、少なくとも点火器ユニットの領域、すなわち、インフレータが作動した場合に開放される入口側破裂ダイアフラムは、作動時、点火ガスが点火器ユニットからガス入口開口に、言い換えれば、推薬ケージの隣接した流路に直接流入することができるように、ガス入口開口と連通する。したがって、特に、点火器ユニットは推薬ケージの軸方向端部に挿入されてもよい。そのようにする際、点火ガス、言い換えれば、点火器ユニットから流れる高温の点火粒子または点火煙が推薬ケージのみに流入するように、点火器ユニットと推薬ケージとの間を実質的に密閉接続することが好ましい。
【0029】
言い換えれば、点火器ユニットの入口側破裂ダイアフラムは、推薬ケージの基部のガス入口開口とガス出口との間に形成された推薬ケージの流路から点火室を隔離する。流れ開口は、基部の周壁によって周方向に区切られる。
【0030】
好ましい実施形態では、推薬ケージは、圧縮ガス領域のインフレータの内部に配置されるように設けられる。特に、また、推薬室は、圧縮ガス領域に配置することができる。したがって、インフレータのハウジングの内部の圧縮ガスはまた、推薬体を取り囲むことがある。これに関して、点火器ユニットの入口側破裂ダイアフラムは、インフレータの圧縮ガス室から点火室を隔離する。上記インフレータの作動状態では、室温での圧縮ガスの圧力値を25~80MPa(250~800バール)の範囲、特に55MPa(550バール)にすることができる。ここで、圧縮ガスは、単一のガスでもよいし、アルゴン、酸素、窒素、またはヘリウムなどの複数のガスの混合物でもよい。
【0031】
すでに上記で示したように、ガス発生推薬体は推薬室に配置されることが好ましい。ガス発生推薬体は、特に、いわゆる推薬床として圧縮推薬ペレットまたは押出成形推薬体によってゆるく構成されてもよい。点火器ユニットからの点火ガスによって点火された後、推薬体は、燃焼中、エアバッグを膨張させる、またはその膨張を助ける推薬ガスを発生する。
【0032】
インフレータのハウジングは、付勢された圧縮ガスで満たされた圧縮ガスタンクを形成することが有利である。インフレータの作動後、推薬ガスに加えて圧縮ガスを放出することができ、それをエアバッグに導入することができる。このようにして、圧縮ガスはエアバッグを膨張させる助けになる。
【0033】
本発明の別の独立した態様は、インフレータと、インフレータによって膨張させることができるエアバッグと、エアバッグモジュールを車両に取り付けるための固定手段とを備えるエアバッグモジュールに関する。インフレータは、前述のように設計されることが好ましい。
【0034】
さらに、本出願の範囲内で、特に、車両の乗員または歩行者などの人を保護するための車両安全システムが開示され、特許請求される。本発明による車両安全システムは、インフレータと、エアバッグモジュールの一部分としてのインフレータによって膨張させることができるエアバッグと、誘発状況の事象でインフレータを作動させることができる電子制御ユニットとを備える。本発明による車両安全システムでは、インフレータは前述の態様に従って設計されることが好ましい。
【0035】
本発明の別の独立した態様は、インフレータ、特に管状火工インフレータを作動させる方法に関する。インフレータは、特に、前述の態様に従って設計することができる。本発明による作動方法は以下のステップを備える。
- 点火室内で点火ガスを発生させるために点火ユニットを作動させるステップ
- 推薬ケージによって管状に取り囲まれた流路に点火ガスを軸方向に導入するステップ
- 推薬ケージの側面ガス流開口を通して、推薬ケージによって半径方向内側に区切られた推薬室内に点火ガスの一部分を吐出するステップ
- 点火ガスの吐出された部分によって推薬室内で推薬体、特に推薬ペレットを点火し、推薬ガスを発生させるステップ
- 推薬ガスを推薬室から推薬ケージの前方ガス流開口を通過させるステップ
【0036】
さらに、本発明は、好ましくは、前述の態様に従って設計されたインフレータ内、特に管状火工インフレータ内の衝撃波を案内する方法に関する。衝撃波を案内する方法は、以下のステップを含むことが好ましい。
- 点火室内に過大な圧力を発生させるために点火ユニットを作動させるステップ
- 過大な圧力によって入口側破裂ダイアフラムを破裂させることによって衝撃波を発生させるステップで、破裂ダイアフラムは、推薬ケージの管状基部のガス入口開口の領域に配置される、ステップ
- 衝撃波を基部に沿って案内するステップ
- 衝撃波を基部の漏斗状に広がる部分に沿って半径方向に広げるステップ
以下に、添付の概略図を参照して、例示的な実施形態によって本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明による推薬ケージを備える管状インフレータの長手方向断面図である。
図2図2aは、図1による推薬ケージの側面図である。図2bは、図2aによる推薬ケージの正面図である。
図3図3aは、別の好ましい例示的な実施形態で示した本発明による推薬ケージの長手方向断面図である。図3bは、図3aによる推薬ケージの正面図である。
図4図4aは、側面ガス流開口の穴パターンが異なる、好ましい例示的な実施形態で示した本発明による推薬ケージの側面図である。図4bは、側面ガス流開口の穴パターンが異なる、好ましい例示的な実施形態で示した本発明による推薬ケージの側面図である。図4cは、側面ガス流開口の穴パターンが異なる、好ましい例示的な実施形態で示した本発明による推薬ケージの側面図である。図4dは、側面ガス流開口の穴パターンが異なる、好ましい例示的な実施形態で示した本発明による推薬ケージの側面図である。図4eは、側面ガス流開口の穴パターンが異なる、好ましい例示的な実施形態で示した本発明による推薬ケージの側面図である。図4fは、側面ガス流開口の穴パターンが異なる、好ましい例示的な実施形態で示した本発明による推薬ケージの側面図である。図4gは、側面ガス流開口の穴パターンが異なる、好ましい例示的な実施形態で示した本発明による推薬ケージの側面図である。図4hは、側面ガス流開口の穴パターンが異なる、好ましい例示的な実施形態で示した本発明による推薬ケージの側面図である。
図5図5aは、別の好ましい例示的な実施形態で示した本発明による推薬ケージの長手方向断面図で、側面ガス流開口が外側に開いたバイパスチャネルを形成する。図5bは、図5aによる推薬ケージの正面図である。図5cは、図5aによる推薬ケージの側面図である。
図6図6aは、別の好ましい例示的な実施形態による推薬ケージの長手方向断面図で、側面ガス流開口が長手方向軸線の方向にテーパ状になったバイパスチャネルを形成する。図6bは、図6aによる推薬ケージの背面図である。図6cは、図6aによる推薬ケージの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1はインフレータの長手方向断面を示し、本図によって、本発明による推薬ケージ10の取付状態を示す。インフレータは、管状インフレータの形態であり、インフレータのハウジング31を形成する圧縮ガスタンク30を備える。圧縮ガスタンク30は実質的に管状の形状を採る。ハウジング31のテーパ部32は、例えば、クリンプ部またはロール部とすることができ、圧縮ガスタンク30を点火器ユニット20および推薬ケージ10が配置された第1の部分に分ける。圧縮ガスタンク30の第2の部分は、実質的に内蔵部品がなく、実質的に、付勢された圧縮ガスを受け入れる役割を果たす。圧縮ガスは、例えば、室温において55MPa(550バール)の圧力で、圧縮ガスタンク30内に入れることができる。
【0039】
圧縮ガスタンク30の出口側端部、言い換えれば、ハウジング31の出口側端部には、出口側破裂ダイアフラム34が配置される。出口側破裂ダイアフラム34は、気密になるように圧縮ガスタンク30を閉止する。フィルタスクリーン35は、ガス流れ方向において出口側破裂ダイアフラム34の上流に配置される。フィルタスクリーン35は、インフレータに接続されたエアバッグ内に燃えた粒子が入らないようにそれらを濾過して取り除く。
【0040】
さらに、圧縮ガスタンク30の出口側端部にはディフューザ33が配置される。ディフューザ33には、例えば、クリンピング、ローリング、または溶接によってインフレータのハウジング31に接続されたディフューザキャップ36が含まれる。ディフューザキャップ36は、実質的に半径方向外向きに延在する出口開口37を備える。推進ガスおよび/または付勢された圧縮ガスなどの放出ガスは、出口側破裂ダイアフラム34が開いた後、出口開口37を通って、接続されたエアバッグに流入することができる。
【0041】
圧縮ガスタンク30の入口側端部、言い換えれば、ハウジング31の入口側端部には、点火器ユニット20が配置される。具体的には、点火器ユニット20は、テーパ部32によって圧縮ガスタンク30の第2の部分から分離された圧縮ガスタンク30の第1の部分に挿入される。点火器ユニット20は、一種の係止片として圧縮ガスタンク30の入口端部を閉止する金属製の点火器キャリア21を備え、半径方向周囲で圧縮ガスタンク30の軸方向端部に溶接される。さらに、点火器ユニット20は、好ましくは、火工式電気点火器として形成される点火器29を含み、したがって、電子制御ユニットに接続するための電気端子、言い換えれば、端子接点を含む。電子制御ユニットは、インフレータが取り付けられた車両に設けられることが好ましく、インフレータを所定の状況で作動させることができる。点火器29は、電橋線の形態が望ましい点火素子(図示せず)をさらに備え、点火素子に点火器火工品が隣接し、点火素子を加熱することによって誘発状況が生じたときに作動させることができ、言い換えれば、点火させることができ、点火器に通電することによって高温の点火エネルギー、点火粒子、および/または点火ガスを放出することができる。説明を明瞭にするために、図1は、点火器29を周囲の輪郭のみで示し、前述の内部構成部品を含めて示していない。点火器29は、点火器キャリア21に挿入される、言い換えれば、摩擦留め、および/または嵌合留めされる。
【0042】
点火器室キャップ22は点火器キャリア21に取り付けられ、特に、点火器キャリア21を向くフランジタイプの構成によって耐圧になるように点火器キャリアに半径方向周囲で溶接される。この場合、点火器室キャップ22は、点火器ユニット20の構成部品として理解すべきであり、点火器29が突出する点火室23の範囲を定める。
【0043】
点火器キャリア21とは反対側の点火器室キャップ22の端部には、入口側破裂ダイアフラム24が設けられる。ここで、入口側破裂ダイアフラム24は、一方では、例えば、点火器室キャップ22と一体に形成されて、それが延在する領域では点火器室キャップ22の残りの部分より薄い材料にすることによって、かつ/あるいは、点火器室キャップ22内で内部圧が上昇したときに破裂ダイアフラム24を開放することができる所定の破断点または破断線を付けることによって、点火器室キャップ22の一体部品にすることができる。入口側破裂ダイアフラム24は、他方では、これもまた所定の破断点を設けることは必要であるが、点火器室キャップ22の先端部に、好ましくはその中央開口に、特に溶接によって、付着的に留めることができる別個の構成部品にすることができる。入口側破裂ダイアフラム24は、点火室23を圧縮ガスタンク30のガスが充填された内部から隔離する。インフレータを作動させ、点火室23で点火器29を作動させる、言い換えれば点火させると、点火器火工品の燃焼によって高温の燃焼ガスおよび/または燃焼粒子が形成され、したがって、過大な圧力が形成されて、最終的には、入口側破裂ダイアフラム24を開放および破裂(rapturing and/or bursting)させる。点火室23で形成された点火ガス、言い換えれば、点火粒子は、出口側破裂ダイアフラム34の方向に点火室23を出ることができる。
【0044】
推薬ケージ10は、点火器室キャップ22に取り付けられて示されており、言い換えれば、インフレータの製造時に、前方に配置された点火器室キャップ22を有する点火器ユニット20の完全な組立体は、テーパ部32によって軸方向に予め配置された推薬ケージ10内に挿入される。推薬ケージ10は、挿入される点火器室キャップ22の外径値よりわずかに大きい内径値を有する管状基部11を含む。挿入された点火器室キャップ22およびそれを取り囲む管状基部11のそれぞれの接触面は、入口側破裂ダイアフラム24の開放後、少なくとも、点火ガス、言い換えれば、点火粒子が点火器室キャップ22と管状基部11との間を点火器キャリア21の方に漏れることを防ぐように軸方向に重なる。特に、基部11は、点火器室キャップ22に直接取り付く中空円筒部11aを備える。漏斗状部11bは中空円筒部11aに隣接する。漏斗状部11bは、点火ガスの流れ方向、すなわち、出口側破裂ダイアフラム34の方向に広がる。具体的には、漏斗状部11bの断面の直径は、中空円筒部11aに面する側の方が、中空円筒部11aから離れた領域よりも小さい。言い換えれば、漏斗状部11bの直径は、推薬ケージ10のガス入口開口12aからの距離とともに連続的に大きくなる。
【0045】
漏斗状部11bはさらにカラー11cに結合して、実質的に半径方向外向きに延在する。具体的には、カラー11cは、裏返されて、少なくとも部分的に半径方向外向きに延在するように設けられる。カラー11cはまた、推薬ケージ10のフランジタイプの先端部であると考えられることができる。中空円筒部11a、漏斗状部11b、およびカラー11cによって、基部11は実質的にラッパ形状になる。
【0046】
推薬ケージ10を取り付けた状態では、カラー11cは、インフレータの圧縮ガスタンク30のテーパ部32に隣接し、作動した場合に推薬粒子または燃焼生成物が通らないようにする特定のシールを形成することができる。したがって、推薬ケージ10は、ハウジング31内で長手方向軸線の方向に固定される。推薬ケージ10、特に、推薬ケージ10の周壁12とインフレータのハウジング31との間には、特に環状の、または中空の円筒推薬室17が形成される。推薬室17は、前方ディスク26によって点火器キャリア21に向かう軸方向にさらに区切られ、前方ディスク26は、ばね充填体25によって軸方向に付勢され、前方ディスク26を、ばね充填体25に強く、特に付着的に接続することができ、ばね充填体25と一体的に形成することすらできる。推薬室17は、推薬体、特に推薬ペレットで満たされる。説明を明瞭にするために、図1の推薬室17には上記推薬体を示していない。インフレータが働いていない状態、すなわち、インフレータが作動する前は、通常、実質的に、推薬室17全体は、すなわち、推薬ケージ10のカラー11cから前方ディスク26までの軸方向延在部を見たとき、上記推薬体で満たされている。前方ディスク26はまた、図1に示した位置から幾分ずれた軸方向位置、すなわち、流れ方向に見て、点火サポート21の方向に側面流れ開口13のすぐ前方の位置から、点火器キャリアに留められた点火器室キャップ22のフランジタイプの構造体の近くまでの位置にすることもでき、前方ディスク26が後者の位置では、推薬室17の容積をできるだけ大きくし、したがって、推薬体の充填量を最大にすることが容易になる。ばね充填体25によってばね付勢された前方ディスク26によって、インフレータの製造中、推薬室17に推薬体を圧密すること、および/または、推薬室17に推薬体を充填するときに量をバランスさせる機能が達成される。
【0047】
推薬室17は、ガス入口およびガス出口を含む。具体的には、点火ガスは、ガス入口を通って推薬室17に流入して、そこにある推薬体を点火することができる。推薬体の燃焼によって形成した推薬ガスは、ガス入口ではなく、特に、ガス入口から間隔を空けて配置されたガス出口を通って推薬室17を出る。
【0048】
推薬室17のガス入口およびガス出口は、本発明によるインフレータの推薬ケージ10の適切なガス流開口によって形成される。このために、推薬ケージ10は、周壁12に、少なくとも1つの、好ましくは複数の側面ガス流開口13を含む。側面ガス流開口13は、推薬室17へのガス入口を形成する。側面ガス流開口13は、少なくとも基部11の漏斗状部11bに配置されることが好ましい。しかしながら、側面ガス流開口13はまた、中空円筒部11a内にさらに延在してもよい。複数の側面ガス流開口13のうちのいくつかを中空円筒部11aに設けることもまた可能である。側面ガス流開口13は、異なる形状に設計されてもよく、基部11の領域の異なる位置に配置されてもよい。特に、複数の側面ガス流開口13は異なる穴パターンを形成してもよい。このことは、さらに下記でいくつかの例示的な実施形態によって詳細に説明される。
【0049】
しかしながら、推薬室17のガス出口が、推薬ケージ10にある少なくとも1つの、好ましくは複数の前方ガス流開口14によって形成されることは、すべての例示的な実施形態に適用可能である。前方ガス流開口14は、基部11のカラー11cに配置される。特に、前方ガス流開口14によって、ガスは、圧縮ガスタンク30の長手方向軸線に対して実質的に平行に推薬室17から流出することができる。その一方で、複数の前方ガス流開口14が、異なる形状および異なる位置を有しても良い。その一方で、複数の前方ガス流開口14が、一緒に穴パターンを形成し、複数の異なる穴パターンが実現されてもよい。推薬室へのガス出口の機能は、考えることができるあらゆる穴パターンによって達成される。
【0050】
図1による例示的な実施形態によって、以下にその機能を詳細に説明する。インフレータが作動すると、まず、点火器29が作動され、したがって点火室23内部で点火され、点火器火工品の点火生成物および燃焼生成物が形成される。その結果、圧力が上昇し、それによって、入口側破裂ダイアフラム24が破裂する。これには2つの効果がある。一方では、高温の点火ガスは、点火室23から推薬ケージ10の内部に案内される。他方では、入口側破裂ダイアフラム24の破裂時に生じる突然の圧力差によって衝撃波が生じ、衝撃波は圧縮ガスタンク30内を長手方向軸線の方向に移動する、言い換えれば、伝播する。点火器29の作動時にはすでに衝撃波の形成を誘発することができ、それを意図する。なぜなら、衝撃波は、出口側破裂ダイアフラム34に衝突したとき、接続されたエアバッグとの流体連通を確立することができるように、出口側破裂ダイアフラム34を開かせ、言い換えれば、破裂させるからである。具体的には、出口側破裂ダイアフラム34が開いた後、圧縮ガスは圧縮ガスタンク30からディフューザ33およびその出口開口37を通ってエアバッグに流入することができる。このとき、推薬体の燃焼から生じた推薬ガスも同様に、付勢された圧縮ガスと同時に出口側破裂ダイアフラム34から流出することが可能である。
【0051】
信頼性をもって、特に所定の時点で、出口側破裂ダイアフラム34を確実に破裂させるために、信頼性をもって、インフレータのそれぞれの延在部全体に沿って発生させることができる安定した衝撃波が役立つ。驚いたことに、流れ方向に広がる流路12bを形成する漏斗状部11bが衝撃波を安定させることが分かった。したがって、推薬ケージ10のラッパ状の設計によって、出口側破裂ダイアフラム34の破裂を間違いなく保証することができるように、しっかりとした衝撃波が確実に形成される。
【0052】
衝撃波の形成とは別に、入口側破裂ダイアフラム24が破裂する、言い換えれば、開くことによって、高温の点火ガスは推薬ケージ10の内部に、特にその流路12bに流入する。点火ガスは、ガス入口開口12aを通って流路12b内に入り、流路12bを通ってガス出口開口12cに案内される。しかしながら、高温の点火ガスの一部分は、推薬ケージ10の周壁12に設けられた側面ガス流開口13を通って推薬室17内に案内される。高温の点火ガスは、推薬室17内で推薬体を発火させ、推薬体は、燃焼中に推薬ガスを放出する。次に、推薬ガスは、前方ガス流開口14を通って推薬室17を出ることができ、特に、それと同時に、点火ガスは推薬室17にさらに流入する。したがって、推薬ガスは、推薬ケージ10の内部を通って長手方向軸線の方向に案内された点火ガスの部分と同じ流れ方向で圧縮ガスタンク30に流入するので、望ましくないガス流の乱れ、および/またはそれに対応したエネルギー損失が避けられる。このようにして、推薬ガスの放出の効率は高くなる。具体的には、流れの乱れによって生じるおそれのある損失はこのように避けられる。
【0053】
前方ガス流開口14を通って圧縮ガスタンク30の主要な領域に流入した推薬ガスは、そのさらなる流れで、言い換えれば、インフレータ機能のさらなる過程で、圧縮ガスタンク30内にある圧縮ガスと一緒にディフューザ33を通ってインフレータを出て、エアバッグに流入する。
【0054】
図2aおよび2bは、図1によるインフレータに挿入された推薬ケージ10を詳細に示す。本発明のこの好ましい例示的な実施形態では、複数の側面ガス流開口13が、基部11の漏斗状部11bに配置されるように設けられる。側面ガス流開口13はえら型である、またはえら型ガス流開口13cを形成する。えら型ガス流開口13cは、特に、基部11の内部の方向に、特に、周壁12を成形することによって形成される。具体的には、周壁12は、成形部分15が形成されるように、部分的に内側にへこまされる。側面ガス流開口13は、例えば、まず、例えば、ミリング又はレーザ加工によって材料を削除することによって基部11の壁厚さを貫通して延在する適切な切り口または切れ目を入れ、次いで、適切にへこませることによって製造することができる。しかしながら、特に、前述の切り口および/または切れ目を実現するように構成された鋭い切断部分を有し、基部の壁を押してえら型ガス流開口13cを単一のステップで生成するように適切な工具によって、上記の2つの製造ステップを単一のステップで実行することも同様に可能である。成形部分15は、実質的に、軸方向に点火ガスの一部分を受け入れ、推薬室17内に斜め外向きに案内する分流器を形成する。点火ガスの一部分の流れを上記のように偏向させることは非常に低い損失の方式であり、これによって、特に、ガスは効率的に案内される。
【0055】
図2aに明瞭に示されているように、複数のえら型の側面ガス流開口13、13cを基部11の周方向に一定の間隔で配置することができる。さらに、さらなる側面ガス流開口13を長手方向軸線の方向にずらして設けてもよい。言い換えれば、特にえら型の側面ガス流開口13、13cは、図2aおよび2bの例示的な実施形態では穴パターンを形成し、側面ガス流開口13の2つの周方向列18が形成される。第1の周方向列18aは、複数の側面ガス流開口13を周方向に一定の間隔で備える。第1の周方向列18aに対して推薬ケージ10の長手方向軸線の方向および半径方向にずらされた第2の周方向列18bは、同じ数の側面ガス流開口13を備える。2つの周方向列18a、18bのそれぞれが、えら型ガス流開口13cの形態の4つの側面ガス流開口13を備えることが好ましい。第1の周方向列18aの側面ガス流開口13は、言わば、側面ガス流開口13の周囲のパターンを形成するように、第2の周方向列18bの側面ガス流開口13に対して周方向にずらされる、言い換えれば、回転されるように配置される。これは、図2bによる正面図で明瞭に分かる。
【0056】
図2aに明瞭に示されているように、側面ガス流開口13のうちの少なくとも第1の周方向列18aは、中空円筒部11aに面した漏斗状部11bのまさに端部に配置される。特に、第1の周方向列18aは、中空円筒部11aと漏斗状部11bとの間の移行領域に配置される。第2の周方向列18bは、図1に示すように、推薬ケージ10を取り付けた状態に対しては、第1の周方向列18aに対して流れ方向の軸方向下流にずらされて配置される。えら型ガス流開口13cは、点火ガスがえら型ガス流開口13に軸方向に流入することができ、ガス案内面19に沿って、特に、推薬室17内に外向きに案内されるように特に構成される。ガス案内面19は、特に、流れが、点火ガスの流れ方向からほとんど偏向しないように、推薬ケージ10の長手方向軸線に対して平角を有する。言い換えれば、えら型ガス流開口13cは、点火ガスが流れの方向にえら型ガス流開口13cに流入することができるように、点火器ユニット20の方を向いて開いている(図1による取付状態)。
【0057】
一方、図2bは、流路12b内に突出した漏斗状部11bにあるえら型ガス流開口13を示す。この図から、流路12bを通る点火ガスが、側面ガス流開口13を形成する周壁12の成形部分15によって分けられることはこれから明らかである。このようにして、流れが分けられ、点火ガス流の一部分は、推薬ケージ10の内部を長手方向軸線の方向に流れる。一方、別の部分は、側面ガス流開口13を通って推薬室17内に吐出される。
【0058】
さらに、カラー11cが複数の前方ガス流開口14を含んでいることは図2bで明瞭に分かる。図示の例示的な実施形態では、前方ガス流開口14は円形ガス流開口14の形態である。具体的には、図示の例示的な実施形態では、カラー11cには20個の円形ガス流開口14が設けられる。上記前方ガス流開口14は、お互いに一定の間隔になるように配置され、共通円上に配置される。
【0059】
一般に、概して、前方ガス流開口14は、図2bに示すように、基本的には、同様に、えら型、スロット状、または円形とすることができる。説明を簡単にするために、図3a~5cによる推薬ケージ10のさらなる例示的な実施形態では、前方ガス流開口14の描写を省く。しかしながら、前方ガス流開口14がカラー11cに配置されることは、すべての実施形態に当てはまる。
【0060】
図3aおよび3bに、本発明による推薬ケージ10の別の例示的な実施形態を示す。図3a、3bによる推薬ケージ10の基部11は、図2a、2bによる推薬ケージの基部11と実質的に同一である。図3a、3bによる推薬ケージは、えら型の側面ガス流開口13の配置がそれとは異なる。図3a、3bによる例示的な実施形態では、側面ガス流開口13は、中空円筒部11aから間隔を空けるように、言い換えれば、図2a、2bよりもさらに間隔を空けるように配置される。具体的には、側面ガス流開口13は、中空円筒部11aよりも基部11のガス流開口12cに接近させて配置される。具体的には、えら型ガス流開口13cの形態の4つの側面ガス流開口13は、漏斗状部11bの周囲に沿って一定の間隔で分布するように配置される。図3aは、えら型ガス流開口13cが、周壁12を部分的に成形することによって半径方向内向きに形成されていることを明瞭に示す。(図1による取付状態では)成形部分15は、推薬ケージ10内側のガス案内面19に当たって流れる流れガスまたはガスを推薬室17内に斜め外向きに案内するガス案内面19を有する分流器を形成する。当然のことながら、異なる数の側面ガス流開口13も可能である。
【0061】
図4a~4hに、推薬ケージ10の側面ガス流開口13の異なる穴パターンを示す。図示の例示的な実施形態は、単に、本発明による推薬ケージ10の穴パターンを設計することができる方法に関するオプションの選択を構成しているに過ぎない。実質的に、図4a~4hによるすべての例示的な実施形態は同一の基部11を含む。具体的には、図示の推薬ケージ10のそれぞれの基部11は、中空円筒部11aと、漏斗状部11bと、カラー11cとを含む。基部11は一体的に形成され、漏斗状部11bは中空円筒部11aとカラー11cとの間を延在する。具体的には、漏斗状部11bは、中空円筒部11aをカラー11cに接続する。
【0062】
カラー11cは裏返されて、周壁12が実質的に半径方向外向きに返されて、同軸でさらに延在する。
【0063】
図4aは、側面ガス流開口13が円形ガス流開口13aとして構成された穴パターンを示す。円形ガス流開口13aの複数の周方向列18が設けられる。具体的には、図4aによる例示的な実施形態は、それぞれ8つの側面ガス流開口13を含む5つの周方向列を示している。周方向列18、および各周方向列18内の側面ガス流開口13の両方とも、お互いに一定の間隔を空けるように配置される。5つの周方向列18のうちの2つの周方向列18は中空円筒部11aに配置され、3つの周方向列18は漏斗状部11bに配置される。
【0064】
図4bは、2つの周方向列18を有する穴パターンを示し、各周方向列18は、円形ガス流開口13aの形態の4つの側面ガス流開口13を含む。側面ガス流開口13は、それぞれの周方向列18に沿って一定の間隔で配置される。周方向列18のうちの1つは中空円筒部11aに配置されるが、さらなる周方向列18は漏斗状部11bに配置される。
【0065】
図4cは、側面ガス流開口13がスロット状ガス流開口13bである穴パターンを示す。具体的には、それぞれスロット状ガス流開口13bを形成する側面ガス流開口13の2つの周方向列18が設けられる。スロット状ガス流開口13bは、推薬ケージ10の長手方向軸線に対して斜めに延在する。スロット状ガス流開口13bの形状は実質的に矩形である。2つの周方向列18のそれぞれは、4つのスロット状ガス流開口13bを備える。隣接した周方向列18の側面ガス流開口13は、お互いに対して周方向にずらされて、言い換えれば、回転されて配置される。図4cによる例示的な実施形態では、1つの周方向列18は中空円筒部11aの領域に配置されるが、別の周方向列18は漏斗状部11bに配置される。
【0066】
図4dは同様に、スロット状ガス流開口13bの形態の側面ガス流開口13を有する穴パターンを示す。側面ガス流開口13の周方向列18が全部で4つ設けられ、3つの周方向列18は中空円筒部11aの領域に設けられ、1つの周方向列18は漏斗状部11bの領域に設けられる。図4dによる例示的な実施形態では、中空円筒部11aに配置された側面ガス流開口13は、漏斗状部11bに配置された側面ガス流開口13と配列の仕方が異なる。漏斗状部11bでは、スロット状ガス流開口13bの形態の側面ガス流開口13の向きは、推薬ケージ10の長手方向軸線に対して実質的に平行である。漏斗状部11bの側面ガス流開口13の周方向列18は、8~10、特に9つのスロット状ガス流開口13bを備える。しかしながら、中空円筒部11aの側面ガス流開口13は、基部11の周方向にスロットをあけるような向きである。言い換えれば、スロット状ガス流開口13bは、漏斗状部11bのスロット状ガス流開口13bと直角に中空円筒部11aに延在する。中空円筒部11aのスロット状ガス流開口13bの3つの周方向列18のそれぞれは、4つの側面ガス流開口13を備える。中空円筒部11aの隣接した周方向列18の側面ガス流開口13は、お互いに対して周方向にずらされた、言い換えれば、回転された向きにある。
【0067】
図4eは、図4dによる穴パターンとは実質的に逆の穴パターンを示す。具体的には、この場合も、側面ガス流開口13の周方向列18が4つ設けられ、中空円筒部11aには、推薬ケージ10の長手方向軸線に対して実質的に平行に延在するスロット状ガス流開口13bの周方向列18が形成される。一方、漏斗状部11bの領域には、スロット状ガス流開口13bを形成する側面ガス流開口13の周方向列18で、中空円筒部11aのガス流開口13に対して直角の向きの周方向列18が3つ設けられる。3つの周方向列18のそれぞれは、4つの側面ガス流開口13を備え、直接隣接した周方向列18の側面ガス流開口13は、お互いに対して基部11の周方向にずらされて、言い換えれば、回転されて配置される。中空円筒部11aにある唯一の側面ガス流開口13の周方向列18は、8~10、好ましくは9つのスロット状ガス流開口13bを備える。
【0068】
本発明による推薬ケージ10の図4fによる例示的な実施形態では、側面ガス流開口13の2つの周方向列18が設けられる。1つの周方向列18は、中空円筒部11aの周りに延在し、えら型ガス流開口13cを備える。別の周方向列18は、漏斗状部11bに配置され、推薬ケージ10の長手方向軸線に対して実質的に平行に延在するスロット状ガス流開口13bを備える。具体的には、漏斗状部11bには、6つのスロット状ガス流開口13bが設けられる。図4fによる例示的な実施形態では、中空円筒部11aには、4つのえら型ガス流開口13cが、周方向に一定の間隔で設けられる。
【0069】
図4gによる例示的な実施形態は、実質的に図2aによる例示的な実施形態に基づく。図4gによる実施形態の推薬ケージ10は、図2aによる例示的な実施形態の基部11に類似して形成された基部11を有する。さらに、図2aによる例示的な実施形態のえら型ガス流開口13cは、図4gによる実施形態と全く同じように構成されており、これに関しては、図2aによる例示的な実施形態を参照されたい。しかしながら、図4gによる例示的な実施形態では、これに加えて、漏斗状部11bにさらなる側面ガス流開口13を配置するように設けられ、このさらなる側面ガス流開口13は円形ガス流開口13aの形態である。特に、漏斗状部11bには2つのさらなる周方向列18が設けられ、それぞれ、お互いから均等に周方向に離間した複数の円形ガス流開口13aを有する。特に、さらなる周方向列18のそれぞれは、4つの円形ガス流開口13aを含む。したがって、2つの周方向列18の円形ガス流開口13aは、お互いに対して周方向にずらされて、言い換えれば、回転されて配置される。
【0070】
図4hは、本発明による推薬ケージ10の例示的な実施形態を示し、ここでは、側面ガス流開口13の単一の周方向列18が設けられる。この例示的な実施形態の側面ガス流開口13は、推薬ケージ10の長手方向軸線に対して実質的に平行に延在するスロット状ガス流開口13bとして構成される。スロット状ガス流開口13bは、漏斗状部11bと中空円筒部11aの両方を通るように延在する。言い換えれば、側面ガス流開口13は、中空円筒部11aから漏斗状部11b内に延在する。図4hによる例示的な実施形態では、全部で8つのスロット状ガス流開口13bが設けられ、周方向に一定の間隔で配置される。スロット状ガス流開口13bのそれぞれは同じ長さである。しかしながら、側面ガス流開口13は、特に、スロット状ガス流開口13bの形態では、異なる大きさ、特に異なる長さにすることも考えられる。後者は、すべての例示的な実施形態に当てはまる。
【0071】
本発明による推薬ケージの別の例示的な実施形態を図5a~5cに示す。推薬ケージの基本構造は、前述の例示的な実施形態に一致する。具体的には、推薬ケージは、中空円筒部11aと、漏斗状部11bと、カラー11cとを備える基部11を有する。漏斗状部11bは側面ガス流開口13を含む。図5cによる例示的な実施形態の特別な特徴は、側面ガス流開口13が実質的に半径方向外向きに開いたバイパスチャネル16として構成されるという事実にある。図5bから明らかなように、周方向に一定の間隔で配置された合計4つのバイパスチャネル16が設けられる。特に、バイパスチャネル16は、漏斗状部11bの12時の位置、3時の位置、6時の位置、および9時の位置に配置される。実質的に、バイパスチャネル16は、漏斗状部11bに半径方向内向きに下げられた溝を形成し、溝は中空円筒部11aに向かって開く(図5a、5c)。カラー11cの前方ガス流開口14は、説明を明瞭にするために示されていないが、バイパスチャネル16間のカラーの領域に配置されることが好ましい。これに代えて、前方ガス流開口14を実質的にカラー11cのバイパスチャネル16と位置合わせすることも可能である。このようにして、(図1による推薬ケージ10が取り付けられた状態では)バイパスチャネル16に到達した点火ガスは、流路12bを通って流れる点火ガスに対して完全に並行に案内されることができ、推薬室17内の推薬体を点火させることができる。バイパスチャネル16は半径方向外向きに開いているので、推薬室17と流体連通する。
【0072】
バイパスチャネル16の形態の側面ガス流開口13を有する同様な例示的な実施形態を図6a~6cに示す。この実施形態では、バイパスチャネル16は、溝を有する溝形のバイパスチャネル16、言い換えれば、中空円筒部11aからカラー11cに向かってテーパ状になるバイパスチャネル16である。概して、周方向にお互いから均等に離間した4つのバイパスチャネル16が設けられる。バイパスチャネル16は、12時の位置、3時の位置、6時の位置、および9時の位置に配置される(図6b)。カラー11cは、バイパスチャネル16間に周方向に前方ガス流開口14を含む。具体的には、カラー11cは、実質的にえら型、または溝形ガス流開口13cの前方ガス流開口14を形成する。具体的には、カラー11cのガス流開口13cは、カラー11cの外周の凹部として設計される。基部11のラッパ状の設計により、凹部もまた、漏斗状部11b内に延在するが、本出願によるカラー11cの前方ガス流開口14と考えられる。図6a~6cによる例示的な実施形態では、全部で8つの前方ガス流開口14が設けられ、基部11の周方向に一定の間隔で配置される。
【0073】
本発明による推薬ケージ10のための様々な例示的な実施形態を比較すると、特に、側
面ガス流開口13が漏斗状部11bにえら型ガス流開口13cとして構成されたこれらの
例示的な実施形態が、インフレータを作動させるのに特に有利な効果を生じることが分か
った。具体的には、周壁12の成形部分15によって形成されたこれらの側面ガス流開口
13は、例えば、真円のガス流開口13aに対して有利である。驚いたことに、推薬ケー
ジ10の成形部分15を形成することによって、上記えら型の側面ガス流開口13cの場
合に、最適な流れ案内要素が生成されることが分かった。えら型ガス流開口13cは、実
質的に、点火ガスの一部分を受け取り、それを推薬室17内に吐出する固定翼の原理に従
って働く。
<付記>
[形態1]
インフレータ用、特にエアバッグモジュールの管状インフレータ用の、実質的に管状基部(11)を備える推薬ケージ(10)であって、前記基部(11)が、その長手方向軸線(L)に沿って、一方では、ガス入口開口(12a)、他方では、ガス出口開口(12c)を形成し、少なくとも1つの側面ガス流開口(13)が前記基部(11)の周壁(12)に形成されており、
前記基部(11)が、前記ガス出口開口(12c)の領域に少なくとも1つの前方ガス流開口(14)を有する半径方向外向きに延在したカラー(11c)を含むことを特徴とする推薬ケージ(10)。
[形態2]
形態1に記載の推薬ケージ(10)において、前記基部(11)が、実質的に、前記ガス出口開口(12c)の方に広がる漏斗状部(11b)を含み、前記少なくとも1つの側面ガス流開口(13)が、前記漏斗状部(11b)に配置されるか、または、前記少なくとも1つの側面ガス流開口(13)が、前記ガス入口開口(12a)を備えた前記基部(11)の中空円筒部(11a)に配置されることを特徴とする推薬ケージ(10)。
[形態3]
形態1または2に記載の推薬ケージ(10)において、前記少なくとも1つの側面ガス流開口(13)および/または前記少なくとも1つの前方ガス流開口(14)が、円形および/またはスロット状および/またはえら型に設計されることを特徴とする推薬ケージ(10)。
[形態4]
形態1~3のいずれか一項に記載の推薬ケージ(10)において、特にえら型の前記少なくとも1つの側面ガス流開口(13)が、前記基部(11)の前記周壁(12)の半径方向内向きの成形部分(15)によって形成されることを特徴とする推薬ケージ(10)。
[形態5]
形態4に記載の推薬ケージ(10)において、前記周壁(12)の前記成形部分(15)が、軸方向の点火ガス流の一部分を外側に偏向させることができる流れ案内要素を形成することを特徴とする推薬ケージ(10)。
[形態6]
形態1~5のいずれか一項に記載の推薬ケージ(10)において、前記周壁(12)、特に前記漏斗状部(11b)および/または前記中空円筒部(11a)が、一緒に穴パターンを形成する複数の側面ガス流開口(13)を備えることを特徴とする推薬ケージ(10)。
[形態7]
形態6に記載の推薬ケージ(10)において、前記穴パターンの前記側面ガス流開口(13)が、異なる形状、特に円形および/またはスロット状および/またはえら型に構成され、好ましくは、前記側面ガス流開口(13)が、前記基部(11)の周方向に、および/または長手方向に、規則的または不規則に分布されるように配置されることを特徴とする推薬ケージ(10)。
[形態8]
形態1~7のいずれか一項に記載の推薬ケージ(10)において、前記基部(11)が一体的に形成され、前記中空円筒部(11a)が前記漏斗状部(11b)に結合し、特に前記側面ガス流開口(13)および/または前記穴パターンが、前記中空円筒部(11a)および/または前記漏斗状部(11b)内に延在することを特徴とする推薬ケージ(10)。
[形態9]
管状ハウジング(31)と、前記管状ハウジング(31)の内側に配置された、形態1~8のいずれか一項に記載の推薬ケージ(10)とを備える、エアバッグモジュール用のインフレータ、特に管状インフレータであって、前記管状ハウジング(31)が、ガス発生推薬体を含む推薬室(17)を区切る、インフレータ。
[形態10]
形態9に記載のインフレータにおいて、前記少なくとも1つの側面ガス流開口(13)が、前記推薬室(17)のガス入口を形成し、前記少なくとも1つの前面ガス流開口(14)が、前記推薬室(17)のガス出口を形成することを特徴とするインフレータ。
[形態11]
形態9または10に記載のインフレータにおいて、前記管状ハウジング(31)に、前記推薬ケージ(10)の前記ガス入口開口(12a)と流体連通する点火器ユニット(20)が配置され、前記点火器ユニット(20)が、特に、前記ガス入口開口(12a)に挿入され、好ましくは、前記ガス入口開口(12a)を閉止する入口側破裂ダイアフラム(24)を含むことを特徴とするインフレータ。
[形態12]
形態9~11のいずれか一項に記載のインフレータにおいて、前記ハウジング(31)が、付勢された圧縮ガスで満たされた圧縮ガスタンク(30)を形成し、前記推薬ケージ(10)の前記カラー(11c)が、好ましくは、前記ハウジング(31)の周方向のテーパ部(32)に、特に密閉するように隣接することを特徴とするインフレータ。
[形態13]
インフレータと、前記インフレータによって膨張させることができるエアバッグと、前記エアバッグモジュールを車両に取り付けるための固定ユニットとを備えるエアバッグモジュールであって、前記インフレータが、形態9~12の少なくとも一項に従って構成されることを特徴とする、エアバッグモジュール。
[形態14]
インフレータと、エアバッグモジュールの一部分としての前記インフレータによって膨張させることができるエアバッグと、誘発状況が与えられると前記インフレータを作動させることができる電子制御ユニットとを備える、特に、人、例えば、車両の乗員または歩行者を保護するための車両安全システムであって、前記インフレータが、形態9~12の少なくとも一項に従って構成されることを特徴とする、車両安全システム。
[形態15]
好ましくは形態9~12のいずれか一項に記載のインフレータ、特に管状火工インフレータを作動させる方法であって、
点火室(23)内で点火ガスを発生させるために点火器ユニット(20)を作動させるステップと、
推薬ケージ(10)によって管状に取り囲まれた流路(12b)内に前記点火ガスを軸方向に導入するステップと、
前記推薬ケージ(10)の側面ガス流開口(13)を通して、前記推薬ケージ(10)によって半径方向内側に区切られた推薬室(17)内に前記点火ガスの一部分を吐出するステップと、
前記点火ガスの前記吐出された部分によって推薬室(17)内で推薬体、特に推薬ペレットを点火し、推薬ガスを発生させるステップと、
前記推薬ガスを前記推薬室(17)から前記推薬ケージ(10)の前方ガス流開口(14)を通過させるステップと
を含む方法。
[形態16]
好ましくは形態9~12のいずれか一項に記載のインフレータ内、特に管状火工インフレータ内の衝撃波を案内する方法であって、
点火室(23)内に過大な圧力を発生させるために点火器ユニット(20)を作動させるステップと、
前記過大な圧力によって入口側破裂ダイアフラム(24)を破裂させることによって衝撃波を発生させるステップであって、前記破裂ダイアフラムが、推薬ケージ(10)の管状基部(11)のガス入口開口(12a)の領域に配置された、ステップと、
前記衝撃波を前記基部(11)に沿って案内するステップと、
前記衝撃波を前記基部(11)の漏斗状に広がる部分(11b)に沿って半径方向に広げるステップと
を含む方法。
【符号の説明】
【0074】
10 推薬ケージ
11 基部
11a 中空円筒部
11b 漏斗状部
11c カラー
12 周壁
12a ガス入口開口
12b 流路
12c ガス出口開口
13 側面ガス流開口
13a 円形ガス流開口
13b スロット状ガス流開口
13c えら型ガス流開口
14 前方ガス流開口
15 成形部分
16 バイパスチャネル
17 推薬室
18 周方向列
18a 第1の周方向列
18b 第2の周方向列
19 ガス案内面
20 点火器ユニット
21 点火器キャリア
22 点火器室キャップ
23 点火室
24 入口側破裂ダイアフラム
25 ばね充填体
26 前方ディスク
27 凹部
29 点火器
30 圧縮ガスタンク
31 ハウジング
32 テーパ部
33 ディフューザ
34 出口側破裂ダイアフラム
35 フィルタスクリーン
36 ディフューザキャップ
37 出口開口
L 長手方向軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6