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特許7420497RGBG形式の画像データ表示方法、RGBG形式画像データの色変換方法、表示装置およびプログラム
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  • 特許-RGBG形式の画像データ表示方法、RGBG形式画像データの色変換方法、表示装置およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】RGBG形式の画像データ表示方法、RGBG形式画像データの色変換方法、表示装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20240116BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240116BHJP
   H04N 9/64 20230101ALI20240116BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G09G3/20 642K
G06T1/00 510
H04N9/64 F
G09G5/02 B
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019127706
(22)【出願日】2019-07-09
(65)【公開番号】P2020008859
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】62/695,578
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/179,816
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】チルマライ ビザヤラックハバン
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-532083(JP,A)
【文献】特表2017-536730(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0096667(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 5/42
G06T 1/00
H04N 9/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置駆動部から、RG BG 形式の元の表示装置用画像から色変換されたCoCg形式の入力画像データを受信することと、
再構成されたRG BG 形式の表示装置用画像を生成するために、前記受信した入力画像データに逆色変換を適用して復号することと、
前記再構成されたRG BG 形式の表示装置用画像を表示装置に提供することと、を含み、
前記復号することは、
、Y、Co、Cgを使用してR値を決定することと、
、Y、およびCgとCoの一方を使用してG値を決定することと、
、Y、Co、Cgを使用してB値を決定することと、
、Y、およびCgとCoの他方を使用してG値を決定することと、
を含み、
値は、第1緑色値であり、
値は、第2緑色値であり、
値は、2重ルマ値の一方である第1ルマ値であり、
値は、2重ルマ値の他方である第2ルマ値であり、
Co値は、クロマオレンジ色値であり、
Cg値は、クロマ緑色値である、
RGBG形式の画像データ表示方法。
【請求項2】
前記復号することは以下のように行われる、請求項1に記載の表示方法。
【数1】
【請求項3】
表示装置駆動部から、RG BG 形式の元の表示装置用画像から色変換されたCbCr形式の入力画像データを受信することと、
再構成された表示装置用画像を生成するために、前記受信した入力画像データに以下のように逆色変換を適用して復号することと、
前記再構成された表示装置用画像を表示装置に提供することと、
を含み、
値は、第1緑色値であり、
値は、第2緑色値であり、
値は、2重ルマ値の一方である第1ルマ値であり、
値は、2重ルマ値の他方である第2ルマ値であり、
Cbは、クロマ青色値であり、
Crは、クロマ赤色値である、
RGBG形式の画像データ表示方法。
【数2】
【請求項4】
表示装置駆動部でRG BG 形式の入力画像データを受信することと、
前記RG BG 形式の入力画像データからY 2重ルマ形式データを生成することと、
2重ルマ形式データを、再構成され、RG BG 画素配置を有する表示装置で表示されるように転送することと、を含み、
前記Y 2重ルマ形式データを生成することは、
R、B、およびGとGとの一方に基づいて第1ルマ値 を決定することと、
R、B、およびGとGとの他方に基づいて前記第1ルマ値とは異なる第2ルマ値 を決定することと、
R、Bに基づいて、オレンジ色に対する第1クロマ値Coを決定することと、
R、B、およびG とG に基づいて、緑色に対する第2クロマ値Cgを決定することと、を含み、
R値は、赤色値であり、
B値は、青色値であり、
値は、第1緑色値であり、
値は、第2緑色値である、
RGBG形式画像データの色変換方法。
【請求項5】
前記第1ルマ値Y、前記第2ルマ値Y、前記第1クロマ値Co、および前記第2クロマ値Cgは以下のように決定される、請求項4に記載の色変換方法。
【数3】
【請求項6】
前記第1ルマ値、前記第2ルマ値、前記第1クロマ値および前記第2クロマ値は、RG BG 形式の基本単位に適用される、請求項4に記載の色変換方法。
【請求項7】
以下のような逆変換を行うことをさらに含む、請求項4に記載の色変換方法。
【数4】
【請求項8】
表示装置駆動部でRG BG 形式の入力画像データを受信することと、
前記RG BG 形式の入力画像データからY 2重ルマ形式データを生成することと、
2重ルマ形式データを、再構成され、RG BG 画素配置を有する表示装置で表示されるように転送することと、を含み、
前記Y 2重ルマ形式データを生成することは、
R、B、およびG とG との一方に基づいて第1ルマ値Y を決定することと、
R、B、およびG とG との他方に基づいて前記第1ルマ値とは異なる第2ルマ値Y を決定することと、
Rではなく、G 、BおよびG に基づいて、青色に対する第1クロマ値Cbを決定することと、
Bではなく、R、G およびG に基づいて、赤色に対する第2クロマ値Crを決定することと、を含み、
R値は、赤色値であり、
B値は、青色値であり、
値は、第1緑色値であり、
値は、第2緑色値である、
RGBG形式画像データの色変換方法。
【請求項9】
前記第1ルマ値Y、前記第2ルマ値Y、前記第1クロマ値Cbおよび前記第2クロマ値Crは以下のように決定される、請求項に記載の色変換方法。
【数5】
【請求項10】
以下のような逆変換を行うことをさらに含み、
数6で定義された逆変換は、数5を求めた後で適用される、
請求項に記載の色変換方法。
【数6】
(αは換算係数)
【請求項11】
RG BG 形式の元の表示装置用画像から色変換されたCoCg形式画像データを表示装置駆動部から受信し、前記Y CoCg形式画像データを臨時保存するメモリと、
前記YCoCg形式画像データを再構成されたRGBG形式画像データに変換するデコーダと、
前記再構成されたRG BG 形式画像データを表示する表示パネルと、
を含み、
値は、第1緑色値であり、
値は、第2緑色値であり、
値は、2重ルマ値の一方である第1ルマ値であり、
値は、2重ルマ値の他方である第2ルマ値であり、
Co値は、クロマオレンジ色値であり、
Cg値は、クロマ緑色値であり、
前記デコーダは、
、Y、Co、Cgを用いてR値を決定し、
、Y、およびCgとCoの一方を使用してG値を決定し、
、Y、Co、Cgを使用してB値を決定し、
、Y、およびCgとCoとの他方を使用してG値を決定する、
表示装置。
【請求項12】
前記デコーダは、以下のように前記YCoCg形式画像データをRGBG形式画像データに変換する、請求項11に記載の表示装置。
【数7】
【請求項13】
前記YCoCg形式画像データは、以下のように符号化される、請求項11に記載の表示装置。
【数8】
【請求項14】
RG BG 形式の元の表示装置用画像から色変換されたCbCr形式画像データを表示装置駆動器から受信し、前記Y CbCr形式画像データを臨時保存するメモリと、
再構成されたRG BG 形式画像を生成するために以下のように前記YCbCr形式画像データをRGBG形式画像データに変換するデコーダと、
前記再構成されたRG BG 形式画像データを表示する表示パネルと、
を含み、
値は、第1緑色値であり、
値は、第2緑色値であり、
値は、2重ルマ値の一方である第1ルマ値であり、
値は、2重ルマ値の他方である第2ルマ値であり、
Cb値は、クロマ青色値であり、
Cr値は、クロマ赤色値である、
表示装置。
【数9】
【請求項15】
前記 CbCr形式画像データは、以下のように符号化される、請求項14に記載の表示装置。
【数10】
(αは換算係数)
【請求項16】
表示装置駆動部からRG BG 形式の元の表示装置用画像から色変換されたCoCg形式画像データを受信し、
値は、第1緑色値であり、
値は、第2緑色値であり、
値は、2重ルマ値の一方である第1ルマ値であり、
値は、2重ルマ値の他方である第2ルマ値であり、
Coは、クロマオレンジ色値であり、
Crは、クロマ緑色値であり、
再構成された表示装置用画像を生成するために、前記受信したY CoCg形式画像データを以下のようにRGBG形式画像データに変換し、前記再構成されたRG BG 形式の表示装置用画像を表示パネル表示に提供することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【数11】
【請求項17】
表示装置駆動部からRG BG 形式の元の表示装置用画像から色変換されたCbCr形式画像データを受信し、
値は、第1緑色値であり、
値は、第2緑色値であり、
値は、2重ルマ値の一方である第1ルマ値であり、
値は、2重ルマ値の他方である第2ルマ値であり、
Cbは、クロマ青色値であり、
Crは、クロマ赤色値であり、
再構成された表示装置用画像を生成するために、前記受信したY CbCr形式画像データを以下のようにRGBG形式画像データに変換し、前記再構成されたRG BG 形式の表示装置用画像を表示パネルに提供することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【数12】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RGBG形式の色変換を実現する方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(liquid crystal display:LCD)、有機発光ダイオード表示装置(organic light-emitting diode display:OLED)のような表示装置は多様なところに適用されており、大きさも多様である。大部分の表示装置は画像を表示する画素を含み、画素は一般に赤色(R)サブ画素、緑色(G)サブ画素および青色(B)サブ画素を含む。サブ画素は様々の多様な方式で配置される。一般的な配置のうちの一つは、図1に示したように、同一の数のR、G、Bサブ画素を順次に繰り返して配置するRGB配列である。他の配列方式としては、“ペンタイル(Pentile)RGBG”ともいう配列であって、図2に示したように、Gサブ画素の数がRまたはBサブ画素の数の2倍であるRGBG配列がある。人間の視覚システムが赤色や青色よりは緑色に敏感であるため、RGBG配列を好む場合がある。
【0003】
RGB配列では、図3Aに示したように、二つの画素情報に6個のサブ画素(RGBRGB)が使用される。これとは異なり、RGBG配列では、二つの画素情報に4個のサブ画素(RGBG)のみ使用される(図3B参照)。同一の画像を表示するのに使用する画素の数が、RGBG配列である場合がRGB配列である場合より1/3少なく、2/3でよいため、電力効率面で従来のRGB配列よりRGBG配列が有利である。
【0004】
RGBG方式でも他のサブ画素配列形態がある。例えば、図4Aおよび図4Bに示したように、赤色および青色サブ画素が上下方向に交互に配列される場合とそうでない場合がある。
【0005】
表示装置は、R、G、Bソース(source)画像データを受信する。ソース画像データは、表示パネルに表示される(rendered)画像を示す。サブ画素表示部(sub-pixel rendering unit)は表示装置の部分であって、ソース画像データが示す画像を表示パネルに表示する。表示プロセスは色変換(color transform)または色空間変換(color space conversion)を含む場合が多く、これは一つの色空間から他の色空間に変換することを意味する。色変換を通じて、色成分(color components)(R、G、およびB)が画像データと特定装置のサブ画素配列の間で、例えば効率的な圧縮を通じて相互に関連付けられる。
【0006】
RGB配列の場合、色変換は一般にYCbCrおよびYCoCgを含む。
Y=ルマ(luma)
Cb=クロマ青色(chroma blue)
Cr=クロマ赤色(chroma red)
Co=クロマオレンジ色(chroma orange)
Cg=クロマ緑色(chroma green)
【0007】
以下に示すYCoCg色変換は、一般にYCbCr変換に比べて計算が簡単である。[YCbCrは、浮動小数点演算(floating point calculation)が必要である。]
【0008】
【数1】
【0009】
従来に知られた大部分の色変換はRGB形式にのみ適用することができる。RGBG形式には前述のような利点があるため、RGBG形式に適用できる色変換方法を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、RGBG形式に適用できる色変換方法および装置を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態によるRGBG形式の画像データ表示方法は、Y01CoCg形式の入力画像データを受信することと、前記受信した入力画像データに逆色変換を適用して復号することと、前記復号することは、Y0、Y1、Co、Cgを使用してR値を決定することと、Y0、Y1、およびCgとおよびCoとのいずれか一つを使用してG0値を決定することと、Y0、Y1、Co、Cgを使用してB値を決定することと、Y0、Y1、およびCgとCoとのいずれかを使用してG1値を決定することと、を含む。
【0012】
本発明の一実施形態によるRGBG形式画像データの色変換方法は、R、B、およびG0とG1とのいずれか一つに基づいて第1ルマ(luma)値を決定することと、R、B、およびG0とG1とのいずれか一つに基づいて第2ルマ(luma)値を決定することと、第1クロマ(chroma)値を決定することと、第2クロマ(chroma)値を決定することと、を含む。
【0013】
本発明の一実施形態は、上記の方法を行う表示装置を提示する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、同一の画像を少ないビット数で表現することによって圧縮効率を改善する。ここで説明した方法は浮動小数点演算を必要としないのでハードウェアに対して親和的である。また、前述のRGBG-RGB中間段階変換を省略することによって待機または遅延が減る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】同一の数のR、G、Bサブ画素を含む従来のRGB配列を示す。
図2】Gサブ画素の数がRまたはBサブ画素の数の2倍である従来のRGBG配列を示す。
図3A】従来のRGB配列における二つの画素を示す。
図3B】従来のRGBG配列における二つの画素を示す。
図4A】RGBG配列の2種類配置を示す。
図4B】RGBG配列の2種類配置を示す。
図5】色変換を伴う圧縮の一例を示す
図6】RGBG形式における基本単位の一例を示す。
図7A】色変換が適用されるRGBG形式の例を示す。
図7B】色変換が適用されるRGBG形式の例を示す。
図8】従来の表示装置の例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
RGBG形式に適用できる色変換方法について説明する。特に、二重-ルマ(luma)Y01CoCg色変換およびRGBG形式Y01CbCrについて説明する。本発明はRGBGに適用できる直接変換(direct transform)を含む。直接変換は、二段変換(two-step transform)、即ち、RGBGをRGB形式のような中間形式に先ず変換してから、YCoCgまたはYCbCrのような色変換を適用する変換とは区別される。二段変換で、RGBG-RGB変換は、知られていないサブ画素を0に設定するか補間法で計算することによって行われる。RGBG-RGB変換は画素の数を1/3だけ増加させ、これによりRGBGよりRGBでの画素数が多いため圧縮効率に悪影響を及ぼす。このような二段変換はまた、高価で不必要な計算を伴い、中間段階であるRGBG-RGB形式変換による待機または遅延が発生する。ここで提示するRGBG直接色変換はこのような二段変換の短所を解決することができ、RGBG色変換を根本的に変えて色変換効率を非常に改善する。また、ここで提示するRGBG直接色変換は、基本単位が形成されたRGBG形式/配置であれば何れにも適用することができる。
【0017】
ここで説明する技術は、中間段階であるRGBG-RGB変換を必要としない。ここで説明するY01CoCg直接色変換は、浮動小数点(floating-point)演算が必要でないため、従来の変換に比べて容易に行われる。除算演算(divisionoperation)がないため、本発明による変換はハードウェアに対して親和的である。
【0018】
図5は、表示装置駆動部が行う色変換の圧縮順序の一例を示している。図5を参照すれば、本実施形態による圧縮順序は、色変換52、符号化(または圧縮)54(エンコーダ)、復号(または伸張)56(デコーダ)、逆色変換58である。ここで、“色変換”または“色空間変換(color space conversion)”は一つの色空間から他の色空間に画像(image)を変換することを意味する。説明で、色変換52は例えばRGBG→Y01CoCg変換またはRGBG→Y01CbCr変換を想定して説明する。赤緑青(RGB)または赤緑青緑(RGBG)などの形式には、R、G、Bチャンネルの間に相互依存性がある。RGBGの色変換52は符号化54の前に行われ、これは、このような相互関係によってRGBG圧縮自体が適正でなく、また一つの成分を他の成分から予測する予測符号化(predictive coding)を適用することによって発生する複雑な復号過程を防止するためである。色変換52のプロセスは、R、G、Bチャンネルの間に存在する依存関係を除去する。色変換52を行った後に各チャンネルに対して独立して符号化54を行い、このようにすれば、復号56のプロセスが簡単になる。
【0019】
一実施形態によれば、色変換および復号された画像データを受信した表示装置内で復号56および逆色変換58が行われる。入力画像データは膨大なことがある。表示装置が高解像度であり高いビット深度と結合すれば、(例えば、4Kまたは8K表示パネルが成分当り10または12ビット深度と結合すれば、)帯域幅制限によって実現し難い高いビット伝送速度で画像データが入力される。このような場合に、データを圧縮すれば、データが入力される速度を低め電力消耗を減らすことができる。発明を実現するのに適した表示装置駆動部構造は知られている。
【0020】
01CoCg、Y01CbCr、YCoCg、またはYCbCrにある各成分を独立して圧縮することができるように符号化54の前に色変換52を行う。図5に示した例で、例えば、RGBG入力画像のR、G、およびBなど相互関連した成分を圧縮に効率的な他の空間に(色変換を通じて)マッピングする方式でRGBG入力画像の色変換を行う。色変換されたデータは、符号化および/または復号される。入力画像データの圧縮表現は表示装置に到達し、復号は符号化されたデータを受信した表示装置内またはその付近で行われるのが一般的である。復号されたデータは逆色変換されてRGBG/RGB形式に戻って再構成された表示装置用画像が生成される。
【0021】
RGB配列で、一般に色変換はYCbCrおよびYCoCgを含む。
Y=ルマ(luma)
Cb=クロマ青色(chroma blue)
Cr=クロマ赤色(chroma red)
Co=クロマオレンジ色(chroma orange)
Cg=クロマ緑色(chroma green)
【0022】
以下に示したYCoCg色変換は一般にYCbCr変換に比べて計算が簡単である。
【0023】
【数2】
【0024】
本発明によれば、Y01CoCg色変換は、RGBG形式の基本単位それぞれに直接、即ち、RGB形式に変換せず直接適用することを提示する。Y01CoCg色変換は、それぞれの基本単位に適用される。RGBG形式の基本単位は、二つのG、一つのR、および一つのBのサブ画素を含む。図6は、RGBG形式の基本単位の一例を示す。一つの基本単位内に二つの緑色サブ画素があるため、二つのYルマ(luma)値が計算される。
【0025】
RGBG正変換(forward transform)は、以下の通りである。
【0026】
【数3】
【0027】
ここで、αは換算係数(scaling factor)または定数(constant)であって1または2である。前述のように、第1ルマ(luma)値Y0はR、G0およびBのサブ画素に依存する。第2ルマ(luma)値Y1はR、BおよびG1のサブ画素に依存する。クロマオレンジ色(Chroma orange)CoはRおよびBのサブ画素に依存し、クロマ緑色(chroma green)CgはR、G0、BおよびG1のサブ画素に依存する。
【0028】
色変換は数学的に無損失(lossless)過程であってもよく、これは色変換によって再構成イメージにアーチファクト(artifacts)が導入されることを避けるためである。これが無損失過程であり、逆変換は以下の通りである。
【0029】
【数4】
【0030】
図7Aおよび図7Bは、上記の色変換が適用されるRGBG形式の他の例を示している。前述のように、画像データ(この例ではRGBGであるが、他の色空間であってもよい)は符号化(または圧縮)される前に色変換される。次いで、復号(または伸張)を行った後に、逆色変換して再構成画像を得る。
【0031】
本発明による二重ルマ(luma)Y01CoCg色変換は、自分をYCoCg圧縮と区分する。YCoCgデータ圧縮では、ルマ(luma)(Y)よりクロマ(chroma)(Co、Cg)の圧縮にさらに努力を傾けることが一般的であり、これは人間の視覚がクロマ(chroma)よりルマ(luma)にさらに敏感であるためである。これと同様に、Y01CoCgデータ圧縮では、クロマ(chroma)チャンネル(Co、Cg)よりは二つのルマ(luma)チャンネルに焦点をさらに合わせる。
【0032】
ここに使用される技術は、全ての種類の逆色変換(Reversible Color Transform:RCT)、例えば、Y01CbCr変換にも適用できる。Y01CbCr正変換は以下の通りである。
【0033】
【数5】
【0034】
ここで、αは定数である。
【0035】
これは無損失過程であるため、逆変換は以下の通りである。
【0036】
【数6】
【0037】
前述のY01CoCg変換と同様に、Y01CbCr変換で、Y0はR、G0、Bに依存し、Y1はR、B、G1に依存する。CbはG0、B、G1に依存するが、Rに依存しなく、CrはR、G0、G1に依存するが、Bに依存しない。
【0038】
図8は、従来の表示装置(例:TFT LCD)のブロック図である。表示装置10は液晶(liquid crystal:LC)表示パネル(panel)など表示パネル16を含み、表示パネル16は複数の列電極(column electrode)と複数の共通行電極(common row electrode)を含む。表示パネル16にあるそれぞれの画素は、列電極と行電極の間に連結された点滅可能な(switchable)キャパシタであってもよい。表示装置10はまた、列電極を並列に駆動する列駆動部(column driver bank)14、そして行電極を順次に選択することによって駆動する行駆動部(row driver array)15をさらに含む。表示装置10とマイクロコントローラー(図示せず)の間にはインターフェース12が連結されている。インターフェース12機能は表示装置タイミング制御器(display timing controller)13の入力側に実現されることが一般的である。列駆動部14は一連の列駆動機配列を含む。列駆動部14の列駆動機それぞれは表示パネル16の列電極にアナログ出力信号を供給する。列駆動部14はそれぞれの出力バッファーを含むことができる。行駆動部15は一連の行駆動機配列を含む。表示パネル16はパッシブマトリックス(passive matrix)液晶表示装置であるが、本発明はこれに限定されない。
【0039】
図8に示したように、タイミング制御器13と列駆動部14の間にはバッファー17が連結されている。バッファー17は、例えばRAMであって、本発明によって圧縮される画像データを臨時保存することができる。表示パネル16に表示される画像を示す画像データはタイミング制御器13からバッファー17を経て列駆動部14に並列に伝達される。
バッファー17の出力は、復号された後に、列駆動部14内にある列駆動機に伝達され得る。データは、列駆動機の出力に転送されて表示パネル16を駆動する。
【0040】
ここで説明した本発明は、同一の画像を少ないビット数で表現することによって圧縮効率を改善する。ここで説明した方法は、浮動小数点演算を必要としないのでハードウェアに対して親和的である。また、前述のRGBG-RGB中間段階変換を省略することによって待機または遅延が減る。
【0041】
ここでは方法または技術として実施形態を説明したが、コンピュータ読み取り可能な記録媒体にインストラクションの形態(プログラム)で保存されたものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は例えば、コンピュータ読み取り可能なコードを保存する半導体、磁気、光磁気、光学または他の形態の媒体であり得る。また、本発明はここで説明する実施形態を実現した装置を含むことができる。このような装置は、本発明の実施形態を実現する動作を行う専用またはプログラム可能な回路を含むことができる。
【0042】
このような装置の例としては適切にプログラムされる汎用コンピュータおよび/または専用演算装置(dedicated computing device)を含み、本発明の実施形態を実現する多様な動作を行うコンピュータ/演算装置および専用/プログラム可能なハードウェア回路(電気、機械および/または光学回路)の組み合わせを含むことができる。
【0043】
本発明は、ここに記載した趣旨と範囲内で変更および修正できる。また、本発明は、DSCまたはVDC-Mなどここに明示的に言及していないコーデック(codec)を使用して圧縮を行う場合にも適用できる。本明細書の説明は、本発明を明細書に記載された形態そのままに限定しようとするのではない。
【0044】
本出願は、2018年7月9日に米国特許庁に出願した米国特許出願番号第62/695,578号を優先権主張し、ここに引用することによってこの出願の全体内容を本願に含む。
【符号の説明】
【0045】
10 表示装置
12 インターフェース
13 表示装置タイミング制御器
14 列駆動部
15 行駆動部
16 表示パネル
17 バッファー
52 色変換
54 符号化
56 復号
58 逆色変換
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8