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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】基板への発光ダイオードの実装方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/18 20060101AFI20240116BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240116BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20240116BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
H05K1/18 P
H01L33/62
H05K3/34 504A
H01L23/12 F
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019129977
(22)【出願日】2019-07-12
(65)【公開番号】P2021015898
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三輪 高仁
【審査官】原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-037095(JP,A)
【文献】特開平09-116246(JP,A)
【文献】特開2020-170810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/18
H01L 33/62
H05K 3/34
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板への発光ダイオードの実装方法であって、
前記基板は、
端面と、
前記端面に設けられた第1端子と、
前記端面に前記第1端子と並んで設けられた第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子との間に位置し、平面視で前記端面から内側に凹み、かつ前記第1端子と前記第2端子とを電気的に分離するように形成された凹部と、
を備え、
前記第1端子及び前記第2端子は、メッキ処理されたスルーホールによって形成され、
前記凹部は、平面視で前記端面の中央から外れた位置に形成され、
前記基板への前記発光ダイオードの実装方法は、
前記基板を用意し、
前記凹部に接着剤を配置し、
前記第1端子及び前記第2端子にはんだを配置し、
前記発光ダイオードを前記接着剤で前記凹部に仮固定し、
前記はんだを溶融する、
基板への発光ダイオードの実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の構造、基板への実装部品の実装方法、及び基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板は、様々な電気製品に使用されている。プリント基板は、電子部品が実装され、電子回路として機能する。
【0003】
例えば、特許文献1には、チップLED搭載プリント基板が提案されている。特許文献1に記載の発明においては、チップ型発光ダイオードをプリント基板の端面に実装することにより、光の視認性を良好にしている。
【0004】
特許文献2には、プリント配線板の端面に部品を実装するプリント配線板が提案されている。特許文献2に記載の発明においては、プリント配線板の内層銅箔を露出し、銅メッキを施したところに部品実装用パッドを形成している。
【0005】
特許文献3には、発光ダイオードを用いたディスプレイ表示ユニットが提案されている。特許文献3に記載の発明においては、回路基板の端面に電極パッドを複数形成し、LEDランプを搭載することにより、LEDランプの光線の透過を表示ユニットで阻止しない例を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-229722号公報
【文献】特開平4-271188号公報
【文献】特許第6211097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
基板に部品を実装する場合、複数の端子が必要な場合がある。先行技術は、複数の端子をそれぞれ別のスルーホール又は電極パッドで形成する。従って、先行技術は、端子の数が増えるほど、スルーホール又は電極パッドを形成する工程も増える。
【0008】
そこで、本発明の目的は、複数の端子を基板の端面に効率よく製造できる基板、基板への実装部品の実装方法、及び基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の基板は、端面と、前記端面に設けられた第1端子と、前記端面に前記第1端子と並んで設けられた第2端子と、前記第1端子と前記第2端子との間に位置し、平面視で前記端面から内側に凹み、かつ前記第1端子と前記第2端子とを電気的に分離するように形成された凹部と、を備え、前記第1端子及び前記第2端子は、メッキ処理されたスルーホールによって形成されることを特徴とする。
【0010】
この構成では、スルーホールに凹部を形成して、当該スルーホールを電気的に分離することにより第1端子及び第2端子を得る。このため、本発明の構成は、第1端子及び第2端子をそれぞれ別のスルーホール又は端子パッド等で形成する場合と比べて、製造工程を減らすことができる。従って、本発明に係る基板は、複数の端子を基板の端面に効率よく製造できる。
【0011】
また、前記凹部は、平面視で前記端面の中央から外れた位置に形成されてもよい。
【0012】
一般に、端子は、電子部品の放熱板としても機能する。そのため、端子の面積を大きくすれば、放熱性が向上する。電子部品は、放熱性を向上させるために、一部の端子の面積を大きくしたものがある。本発明に係る基板は、端面の中央から外れた位置に凹部を形成するため、第1端子又は第2端子のいずれか一方に一部の端子の面積を大きくした電子部品を実装できる。
【0013】
この発明の基板への実装部品の実装方法は、前記基板を用意し、前記凹部に前記接着剤を配置し、前記第1端子及び前記第2端子にはんだを配置し、実装部品を前記接着剤で前記凹部に仮固定し、前記はんだを溶融することを特徴とする。
【0014】
この構成では、実装部品は、はんだが溶融される前に接着剤によって凹部に仮固定される。従って、本発明に係る基板への実装部品の実装方法は、精度よく実装部品を基板の端面に実装することができる。
【0015】
この発明の基板の製造方法は、マザー基板を用意し、前記マザー基板にスルーホールを形成し、前記スルーホールにメッキ処理を施し、平面視で前記スルーホールから前記マザー基板の内側に凹み、かつ前記スルーホールを第1端子と第2端子とに電気的に分離するための凹部を形成し、前記マザー基板から前記第1端子および前記第2端子を含む箇所を基板として切り出すことを特徴とする。
【0016】
この構成では、スルーホールに凹部を形成して、当該スルーホールを電気的に分離することにより第1端子及び第2端子を得る。このため、本発明の構成は、第1端子及び第2端子をそれぞれ別のスルーホール又は端子パッド等で形成する場合と比べて、製造工程を減らすことができる。従って、本発明に係る基板の製造方法は、複数の端子を基板の端面に効率よく製造できる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、複数の端子を基板の端面に効率よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1(A)は、第1実施形態に係る表示機器1の斜視図である。図1(B)は、表示機器1を図1(A)に示す矢印91方向からみた側面図であり、図1(C)は、表示機器1を図1(A)に示す矢印92方向からみた側面図である。
図2図2は、表示機器1を図1(A)のI-Iで切断した一部断面図である。
図3図3(A)は、第1実施形態に係る基板20の斜視図であり、図3(B)は、発光ダイオード15を実装した基板20の斜視図である。
図4図4(A)~図4(C)は、第1実施形態に係る基板20の製造方法を説明するための図である。
図5図5は、基板20の製造方法を示すフローチャートである。
図6図6(A)~図6(D)は、実装部品の基板20への実装方法を説明するための模式的な断面図である。図6(E)は、図6(D)のII-IIで切断した断面図である。
図7図7は、発光ダイオード15の基板20への実装方法を示すフローチャートである。
図8図8は、第2実施形態に係る表示機器2の斜視図である。
図9図9は、表示機器2の分解斜視図である。
図10図10(A)は、表示機器2を図8のIII-IIIで切断した一部断面図であり、図10(B)は、表示機器2を図10(A)のIV-IVで切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1(A)は、第1実施形態に係る表示機器1の斜視図である。図1(B)は、表示機器1を図1(A)に示す矢印91方向からみた側面図であり、図1(C)は、表示機器1を図1(A)に示す矢印92方向からみた側面図である。図2は、表示機器1を図1(A)のI-Iで切断した一部断面図である。なお、図1(C)は、基板20の一部を透過して破線で示している。
【0020】
図1(A)~図1(C)、及び図2に示すように、表示機器1は、保持部10と、基板20と、発光ダイオード15と、を備える。保持部10は、概ね円筒状の形状である。保持部10は、側面部13と、第1端101と、第2端102と、を有する。側面部13は、第1端101から第2端102まで形成されている。保持部10は、基板20を保持部10の内部空間に保持している。なお、保持部10の形状は、円筒状には限定されず、直方体、三角柱等、他の形状であってもよい。
【0021】
保持部10は、軸線方向901の第1端101に表示面11を構成する。表示面11は、発光ダイオード15の光を表示機器1から出射する面である。表示面11は、第1端101に形成された連通孔12と、該連通孔12を塞ぐ不図示のパネルによって構成されている。連通孔12は、保持部10の内部と外部とを連通する。なお、表示面11は、透光性を有すればよく、パネル等がはめ込まれていることは必須ではない。
【0022】
保持部10における軸線方向901の第2端102は、外部に一部開放されている。保持部10は、側面部13の一部に、外部に連通する連通孔14を備える。
【0023】
基板20は、平板状に形成されている。基板20は、第1端面21及び第2端面22を有する。第1端面21は、保持部10の第1端101側に配置されている。これにより、第1端面21は、表示面11と対向する位置になる。第2端面22は保持部10の第2端102側に配置され、第1端面21の反対側に位置する。第2端面22は、第2端102の外部に一部開放されている連通孔から保持部10の外部に露出している。
【0024】
基板20は、保持部10の軸線方向901に、基板20の主面25が平行となるように配置されている。また、基板20は、保持部10の中心軸を通るように、保持部10の中央に配置されている。図1(C)に示すように、表示面11を平面視した時、基板20は、表示面11の中心Cに位置するように配置されている。これにより、表示面11を平面視した時、基板20が表示面11の中心C以外の位置に配置される場合と比べて、基板20の長さを最も長く設計することができる。すなわち、表示機器1は、基板20の収納効率を最もよくすることができる。
【0025】
基板20は、第2端面22に配置された第1電極16を備える。第1電極16は、発光ダイオード15と電気的に接続されている。第2端面22は、第2端102から保持部10の外部に露出している。このため、第1電極16も第2端102から保持部10の外部に露出する。表示機器1がソケットに嵌め込まれると、第1電極16は、ソケット側の電極に接続される。これにより、発光ダイオード15は、第1電極16を介して外部の部品に電気的に接続される。
【0026】
基板20は、第1端面21と第2端面22との間にある側面23を有する。側面23の一部は、連通孔14から保持部10の外部に露出している。基板20は、側面23の少なくとも一部に配置された第2電極17を備える。側面23の少なくとも一部は、連通孔14から保持部10の外部に露出している部分である。第2電極17は、側面23の一部がメッキ処理されたものである。なお、図1(A)~図1(C)、及び図2は、保持部10の断面だけでなく、第2電極17もハッチングで示す。本実施形態において、第2電極17は、図1(A)に示すように、側面23の平らな部分及び湾曲する部分を含んでいるが、保持部10の外部に露出している部分であればよく、例えば、側面23の平らな部分のみであってもよい。第2電極17の側面23に形成される位置は、ソケット等の部品との接触位置に応じて第1端面21と第2端面22との間で、適宜変更することができる。また、第2電極17は、2つ以上であってもよい。
【0027】
第2電極17は、側面部13に形成された連通孔14から表示機器1の外部に露出している。第2電極17は、発光ダイオード15と電気的に接続されている。また、表示機器1は、第2電極17を介して表示機器1の外部の部品に電気的に接続される。例えば、表示機器1は、第2電極17でソケット等の部品に接触させることができる。このため、表示機器1は、第2電極17とソケット等の部品とを接続するための部品が不要となる。従って、表示機器1は、必要な部品数を少なくできる。
【0028】
図3(A)は、基板20の斜視図であり、図3(B)は、発光ダイオード15を実装した基板20の斜視図である。なお、図3(A)及び図3(B)は、基板20の第1端面21側のみ表し、後は省略する。図3(A)及び図3(B)に示すように、基板20は、第1端面21に発光ダイオード15を実装している。発光ダイオード15は、第1端面21に設けられた発光ダイオード用電極19を介して、基板20に接続されている。発光ダイオード15は、表示面11の中心に配置される。発光ダイオード15から照射された光は、表示面11の中心に向けて照射できる。
【0029】
発光ダイオード用電極19は、第1端子31と、第2端子32と、凹部33と、を備える。第1端子31及び第2端子32は、第1端面21に並んで設けられている。第1端子31及び第2端子32は、メッキ処理されている。凹部33は、第1端子31と第2端子32との間に位置する。凹部33は、基板20を平面視で第1端面21から基板20の内側に凹んでいる。凹部33は、メッキ処理されていない。これにより、凹部33は、第1端子31と第2端子32とを電気的に分離する。第1端子31は例えばプラス極性の端子であり、第2端子32はマイナス極性の端子である。又は、第1端子31はマイナス極性の端子であり、第2端子32はプラス極性の端子であってもよい。なお、凹部33は、第1端子31と第2端子32とを電気的に分離するものであればよく、凹部33の形状は平面視で半円状でもよく、四角又は三角形状であってもよい。
【0030】
第1端子31は、第1電極16と電気的に接続されている。第2端子32は、第2電極17と電気的に接続されている。発光ダイオード15が発光ダイオード用電極19に実装されると、発光ダイオード15は、第1端子31及び第2端子32を介して、それぞれ第1電極16と第2電極17と電気的に接続される。
【0031】
凹部33は、平面視で第1端面21の中央から外れた位置に形成されている。本実施形態において、第1端子31の面積は、第2端子32の面積より大きい。このため、発光ダイオード用電極19に発光ダイオード15を実装する場合、発光ダイオード15の中心は第1端子31に接する。発光ダイオード15は、第1端子31及び第2端子32の面積に合わせて、第1端子31に接続される面積の大きい電極と、第2端子32に接続される面積の小さい電極と、を有する構成とすることができる。これにより、発光ダイオード15を図1(A)に示す矢印92方向からみた場合、発光ダイオード15側の片方の面積の大きい側の電極は、発光ダイオード15の中央に配置される。これにより、発光ダイオード15は、発光ダイオード15の中央に形成された面積の大きい側の電極を介して、効率よく放熱できる。
【0032】
図4(A)~図4(C)は、基板20の製造方法を説明するための図である。図4(A)~図4(C)は、基板20のうち代表して発光ダイオード用電極19を含む箇所のみ(以下、基板200とする。)を説明している。また、図4(A)~図4(C)は、メッキ処理を施した箇所をハッチングで示す。図5は、基板20の製造方法を示すフローチャートである。以下、図4(A)~図4(C)及び図5を参照しながら基板200の製造方法について説明する。
【0033】
図5に示すように、初めに製造者はマザー基板41を用意する(S1)。製造者は、図4(A)に示すように、用意したマザー基板41にドリル又はレーザー等により、孔40を形成する(S2)。孔40は、平面視して直線部分を有する、長孔の形状である。長孔の形状の孔40を形成することにより、マザー基板41の断面に平面視して直線状の部分が形成される。
【0034】
製造者は、形成した孔40にメッキ処理を施す(S3)ことによりスルーホール42が形成される。製造者は、メッキ処理を施されているスルーホール42のうち平面視して直線部分にドリル又はレーザー等により、凹部33を形成する(S4)。凹部33は、スルーホール42の平面視して直線状の面を電気的に二つに分離する。これにより、スルーホール42のうち分離された2つの断面が、それぞれ第1端子31及び第2端子32となる。
【0035】
図4(B)に示すように、製造者は、マザー基板41から基板200を切り出す。基板200は、第1端子31及び第2端子32を含む箇所である。これにより、図4(C)に示すように、第1端子31及び第2端子32が形成された基板200が得られる。ここで、仮に、第1端子31及び第2端子32をそれぞれ別のスルーホール又は電極パッド等で形成する場合、2つのスルーホール又は電極パッドをそれぞれ形成する必要がある。しかし、本実施形態に係る製造方法は、スルーホール42を形成する工程が一つであっても、2つの端子を形成することができる。このため、本実施形態に係る基板の製造方法は、製造工程を減らすことができる。従って、本発明に係る基板の製造方法は、端面に複数の端子を形成する場合であっても、効率よく製造できる。
【0036】
図6(A)~図6(D)は、実装部品の基板20への実装方法を説明するための図であり、基板20の主面25に平行な面で切断した模式的な断面図である。図6(E)は、図6(D)のII-IIで切断した基板20の断面図である。なお、図6(A)~図6(E)は、基板20における第1端子31及び第2端子32の周辺のみ示す。また、図6(A)~図6(E)では、実装部品として発光ダイオード15を挙げる。図7は、発光ダイオード15の基板20への実装方法を示すフローチャートである。以下、図6(A)~図6(E)及び図7を参照しながら基板20への発光ダイオード15の実装方法について説明する。
【0037】
図7に示すように、製造者は、基板20を用意する(S11)。図6(A)に示すように、製造者は、ディスペンサーを用いて凹部33に接着剤61を充填する(S12)。図6(B)に示すように、製造者は、はんだ印刷機を用いて、第1端子31及び第2端子32にはんだ62を印刷する(S13)。図6(C)に示すように、製造者は、チップマウンターを用いて、発光ダイオード15を基板20の端面に接触させ、接着剤61で凹部33に仮固定する(S14)。本実施形態では、発光ダイオード15の実装面は、基板20の端面であり、基板20の主面25に実装する場合に比べて部品を固定することが難しい。しかし、本実施形態の実装方法によれば、凹部33に接着剤61が充填されているため、チップマウンターによる自動実装であっても、容易かつ確実に仮固定することができる。
【0038】
発光ダイオード15が凹部33に仮固定された後に、製造者は、リフロー炉を用いて、はんだ62を溶融する(S15)。はんだ62が溶融して液状化していても、発光ダイオード15は、接着剤61で仮固定されるため、その後の工程で回転又は脱落のような移動が防止される。特に、接着剤61が熱硬化性の接着剤であり、はんだ62の溶融温度よりも低い温度で硬化する場合、発光ダイオード15は、はんだ62が溶融する前に、接着剤61により基板20の端面に完全に固定される。従って、本実施形態の実装方法は、発光ダイオード15の様な実装部品を基板20の端面に機械で実装する場合でも、高い精度かつ安定して実装することができる。また、はんだ62が溶融して濡れ広がる場合であっても、はんだ62は接着剤61が存在する場所に流れ込まない。このため、凹部33は、接着剤61を充填することにより、第1端子31と第2端子32とを電気的に確実に分離することができる。
【0039】
最後に、図6(D)及び図6(E)に示すように、発光ダイオード15は、はんだ62が固化することにより基板20に固定される。このように、本実施形態に係る基板20への発光ダイオード15の実装方法は、精度よく発光ダイオード15を基板20の第1端子31及び第2端子32に実装することができる。なお、図6(D)及び図6(E)に示すように、はんだ62が溶融すると、基板20の端面64及び主面25まではんだ62がはみ出る場合がある。これにより、第1端子31及び第2端子32は、基板20の端面64及び主面25にも形成される。従って、主面25にはみ出したはんだ62は、主面25に形成された電極と接続することができる。また、本実施形態に係る基板20への発光ダイオード15の実装方法は、上述のように発光ダイオード15の移動を防止でき、全て機械で自動的に製造できる。
【0040】
次に、第2実施形態に係る表示機器2について説明する。図8は、第2実施形態に係る表示機器2の斜視図である。図9は、表示機器2の分解斜視図である。図10(A)は、表示機器2を図8のIII-IIIで切断した一部断面図であり、図10(B)は、表示機器2を図10(A)のIV-IVで切断した断面図である。表示機器2の説明については、表示機器1と異なるところについてのみ説明を行い、後は省略する。
【0041】
図8図9図10(A)、及び図10(B)に示すように、表示機器2は、保持部80と、接続金具81と、口金82と、基板83と、を備える。口金82は、保持部80と同様に、筒状の形状である。口金82は、金属からなる。すなわち、口金82は、周方向のいずれの場所も導電性を有する。
【0042】
基板83は、保持部80の内部空間に嵌め込まれる。保持部80の一部及び基板83は、さらに口金82の内部空間に嵌め込まれる。保持部80の一部とは、保持部80の第2端102側である。これにより、口金82は、保持部80の第2端102側を覆う。ただし、基板83における保持部80の第2端102側の端部は口金82によって覆われず、外部に露出し、基板83の端面に第1電極16を備える。また、保持部80の第1端101側は、口金82によって覆われず、外部に露出している。外部に露出している保持部80の第1端101側は、表示面11を構成する。
【0043】
接続金具81は、クリップ状である。接続金具81は、金属からなる挟持部84及び支持部85を有する。接続金具81は、二つの挟持部84の両端が支持部85で接続するように一体的に形成されている。支持部85は、二つの挟持部84を互いに対向するように支持する。接続金具81が基板83に装着されていない場合、支持部85は、2枚の挟持部84を基板83の厚みよりわずかに狭い幅に隔てるように支持する。保持部80は、接続金具81を嵌め込み可能な、嵌め込み部86を有する。嵌め込み部86は、挟持部84に対応する部分の保持部80の外側面を開口することで形成されている。ただし、嵌め込み部86のうち、支持部85に対応する位置は、開口せず、保持部80の外側面により構成された梁部90が存在する。梁部90は、保持部80の外側面のうち支持部85に沿った位置である。接続金具81が嵌め込み部86に嵌め込まれると、挟持部84の端部は、嵌め込み部86を貫通し、保持部80の内部空間まで到達する。このとき、支持部85は梁部90によって堰き止められ、保持部80の外部側に位置する。
【0044】
基板83が保持部80の内部空間に嵌め込まれた状態で、接続金具81が嵌め込み部86に嵌め込まれると、挟持部84は、基板83を挟み込む。2枚の挟持部84の間隔は、基板83を挟み込む際に、わずかに拡がる。これにより、2枚の挟持部84は、板バネとして機能する。従って、2枚の挟持部84は、基板83の両主面を強固に挟み込む。また、保持部80は、支持部85及び2枚の挟持部84で、梁部90を挟み込む。これにより、接続金具81は、基板83を保持部80に固定することができる。また、接続金具81が嵌め込み部86に嵌め込まれる時、支持部85は、保持部80の表面に露出している。このため、支持部85は、保持部80の外周全体を覆う口金82と接触する。
【0045】
基板83は、主面87に配置された第3電極88を備える。第3電極88は、発光ダイオード15と電気的に接続されている。第3電極88は、接続金具81の挟持部84と接触する位置に形成されている。これにより、第3電極88は、接続金具81と電気的に接続できる。
【0046】
また、接続金具81は、保持部80の表面に露出している支持部85の基板83から離れた側で、口金82の内側と接触する。口金82はいずれの場所も導電性を有するため、接続金具81は、第3電極88から口金82までを電気的に接続する。口金82がソケットに嵌め込まれると、口金82の外周はソケットの内壁に接触する。ソケットの内壁の一部には、電極が配置されている。口金82の外周は、ソケットの内壁の電極に接触する。これにより、表示機器2は、第3電極88と、口金82と接触するソケット等の表示機器2の外部の部品とを電気的に接続できる。ここで、口金82は、保持部80の外周全体を覆っている。このため、表示機器2は、基板83の第3電極88の位置をソケット等の電極位置に合わせなくても、接続金具81及び口金82を介して容易にソケット等に電気的に接続することができる。
【0047】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0048】
1,2…表示機器
10,80…保持部
11…表示面
15…発光ダイオード
16…第1電極
17…第2電極
19…発光ダイオード用電極
20,83,200…基板
21…第1端面
22…第2端面
23…側面
31…第1端子
32…第2端子
33…凹部
41…マザー基板
42…スルーホール
61…接着剤
81…接続金具
82…口金
84…挟持部
85…支持部
87…主面
88…第3電極
901…軸線方向
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