(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】間欠塗工装置と間欠バルブ
(51)【国際特許分類】
B05C 5/02 20060101AFI20240116BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20240116BHJP
F16K 31/04 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B05C5/02
B05C11/10
F16K31/04 K
(21)【出願番号】P 2019233302
(22)【出願日】2019-12-24
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000240341
【氏名又は名称】株式会社ヒラノテクシード
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸口 文生
(72)【発明者】
【氏名】戸倉 康裕
(72)【発明者】
【氏名】廉本 寧
【審査官】山本 晋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-063780(JP,A)
【文献】特開2019-098203(JP,A)
【文献】特開2009-095752(JP,A)
【文献】特開2015-062853(JP,A)
【文献】特開2012-086144(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0255607(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C
F16K
H01M
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行するウエブに、塗工液が塗工される塗工部と前記塗工液が塗工されない未塗工部とを交互に形成して間欠塗工を行うダイと、
前記塗工液を溜めるタンクと、
前記タンク内の前記塗工液を供給するポンプと、
第1流入口と第1吐出口とを有し、前記第1流入口に前記ポンプが接続され、前記第1吐出口から前記塗工液を間欠して吐出する第1バルブと、
前記ダイに設けられた前記塗工液の供給口と前記第1吐出口の間に接続されたサックバック装置と、
前記サックバック装置を制御する制御部と、
を有し、
前記サックバック装置は、
シリンダと、
前記シリンダの外周面に開口した前記塗工液の入口と、
前記シリンダの前端部に開口した前記塗工液の出口と、
前記シリンダ内を往復移動するピストンと、
を有し、前記入口が前記第1吐出口に接続され、前記出口が前記供給口に接続され、
前記制御部は、
前記塗工部の終了位置で前記ピストンを前記出口側から離れる方向に移動させて、前記ダイ内の前記塗工液を前記出口から吸引し、
前記塗工部の開始位置で前記ピストンを前記出口側へ近づける方向に移動させて、前記ダイ内に前記塗工液を前記出口から押し出す、
間欠塗工装置。
【請求項2】
前記サックバック装置は、
モータと、
前記モータの回転軸に設けられた偏心カムと、
前記ピストンの後端部に接続されたロッドと、
を有し、前記ロッドと前記偏心カムが接続されている、
請求項1に記載の間欠塗工装置。
【請求項3】
前記サックバック装置の前記モータは、サーボモータである、
請求項2に記載の間欠塗工装置。
【請求項4】
前記第1バルブは、
円筒型の第1弁箱と、
前記第1弁箱の外周面に開口した前記第1流入口と、
前記第1弁箱の外周面に開口した前記第1吐出口と、
前記第1弁箱内で回転する第1回転体と、
前記第1回転体を回転させる第1駆動部と、
前記第1回転体の外周面に設けられ、前記第1吐出口を閉塞する第1弁体と、
を有し、
前記制御部は、前記第1駆動部で前記第1回転体を回転させて、前記第1弁体を前記第1吐出口の位置に配して前記第1吐出口を閉塞し前記ウエブに前記未塗工部を形成するか、又は、前記第1弁体を前記第1吐出口以外の位置に配して前記第1吐出口を開口し前記ウエブに前記塗工部を形成する、
請求項1に記載の間欠塗工装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1弁体を前記第1吐出口の位置に回転させて、前記第1吐出口を完全な開口状態から完全に閉塞するまでの間は、前記サックバック装置の前記ピストンを前記出口側から離れる方向に移動させて前記ダイ内の前記塗工液を前記出口から吸引し、
前記第1弁体を前記第1吐出口以外の位置に回転させて、前記第1吐出口を完全な閉塞状態から完全に開するまでの間は、前記ピストンを前記出口側へ近づける方向に移動させて前記ダイ内に前記塗工液を前記出口から押し出す、
請求項4に記載の間欠塗工装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記サックバック装置の前記ピストンを前記出口側から離れる方向に移動させるときは、前記ピストンを第1吸引速度で移動させた後に、前記第1吸引速度より遅い第2吸引速度で移動させ、
前記サックバック装置の前記ピストンを前記出口側へ近づける方向に移動させるときは、前記ピストンを第1押出し速度で移動させた後に、前記第1押出し速度より遅い第2押出し速度で移動させる、
請求項5に記載の間欠塗工装置。
【請求項7】
前記第1バルブは、直動式のバルブである、
請求項1に記載の間欠塗工装置。
【請求項8】
第2バルブをさらに有し、前記第2バルブは、
円筒型の第2弁箱と、
前記第2弁箱の外周面に開口し、前記ポンプからの前記塗工液が供給される第2流入口と、
前記第2弁箱の外周面に開口し、前記タンクに前記塗工液を循環させる第2吐出口と、
前記第2弁箱内で回転する第2回転体と、
前記第2回転体を回転させる第2駆動部と、
前記第2回転体の外周面に設けられ、前記第2吐出口を閉塞する第2弁体と、
を有し、
前記制御部は、前記第2駆動部で前記第2回転体を回転させて、前記第2弁体を前記第2吐出口の位置に配して前記第2吐出口を閉塞し前記塗工液を前記タンクに循環させないか、又は、前記第2弁体を前記第2吐出口以外の位置に配して前記第2吐出口を開口し前記塗工液を前記タンクに循環させ、
前記第1弁体が前記第1吐出口を開口しているときは、前記第2弁体が前記第2吐出口を閉塞し、
前記第1弁体が前記第1吐出口を閉塞しているときは、前記第2弁体が前記第2吐出口を開口している、
請求項4に記載の間欠塗工装置。
【請求項9】
前記第1回転体の回転軸が水平になるように前記第1バルブが配され、
前記第1弁箱の外周面の最下部に第1接続口が開口し、
前記第2回転体の回転軸が水平になるように前記第2バルブが配され、
前記第2弁箱の外周面の最上部に第2接続口が開口し、
前記第1バルブの下方に前記第2バルブが配され、
前記第1接続口と前記第2接続口が接続されている、
請求項8に記載の間欠塗工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間欠塗工装置と、それに用いられる間欠バルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フィルム、紙、金属箔などのウエブに、走行方向に沿って塗工部と未塗工部をダイによって間欠塗工する間欠塗工装置がある。間欠塗工をするときは、ダイに塗工液を供給する間欠バルブを開閉し、塗工部と未塗工部とを交互に形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような間欠塗工装置において、間欠バルブの吐出口の閉状態のときに塗工液の液バックが発生し、また、吐出口の開状態のときに塗工液の押出し不足により、塗工部の開始部分と終了部分とがなだらかな斜面形状になるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、間欠塗工において塗工部の開始部分と終了部分とが崖状になる間欠塗工装置と、それに用いられる間欠バルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、走行するウエブに、塗工液が塗工される塗工部と前記塗工液が塗工されない未塗工部とを交互に形成して間欠塗工を行うダイと、前記塗工液を溜めるタンクと、前記タンク内の前記塗工液を供給するポンプと、第1流入口と第1吐出口とを有し、前記第1流入口に前記ポンプが接続され、前記第1吐出口から前記塗工液を間欠して吐出する第1バルブと、前記ダイに設けられた前記塗工液の供給口と前記第1吐出口の間に接続されたサックバック装置と、前記サックバック装置を制御する制御部と、を有し、前記サックバック装置は、シリンダと、前記シリンダの外周面に開口した前記塗工液の入口と、前記シリンダの前端部に開口した前記塗工液の出口と、前記シリンダ内を往復移動するピストンと、を有し、前記入口が前記第1吐出口に接続され、前記出口が前記供給口に接続され、前記制御部は、前記塗工部の終了位置で前記ピストンを前記出口側から離れる方向に移動させて、前記ダイ内の前記塗工液を前記出口から吸引し、前記塗工部の開始位置で前記ピストンを前記出口側へ近づける方向に移動させて、前記ダイ内に前記塗工液を前記出口から押し出す、間欠塗工装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、塗工部の塗工を終了するときに、サクション装置のピストンを出口側から離れる方向に移動させて、ダイ内部の塗工液をシリンダへ吸引するため、塗工部の終了部分は崖状になる。また、塗工部の塗工を開始するときに、ピストンを出口側へ近づける方向に移動させて、ダイ内部に塗工液をシリンダから押し出すため、塗工部の開始部分が崖状になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態1を示す間欠塗工装置の説明図である。
【
図3】塗工部を塗工しているときの第1バルブと第2バルブの概略説明図である。
【
図4】未塗工部を形成しているときの第1バルブと第2バルブの概略説明図である。
【
図8】第1弁体と第1吐出口の位置関係を示す縦断面説明図である。
【
図9】第1弁体が第1吐出口の位置関係を示す平面説明図である。
【
図11】第2バルブの側面から見た縦断面図である。
【
図13】第2弁体と第2吐出口の位置関係を示す縦断面説明図である。
【
図14】第2弁体と第2吐出口の位置関係を示す平面説明図である。
【
図16】サックバック装置の一部欠載横断面図である。
【
図17】(a)はピストンの移動長と時間の関係を示すグラフであり、(b)は第1バルブの第1吐出口の開度と時間との関係を示すグラフであり、(c)はウエブに形成された塗工部と未塗工部の関係を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態の回転式の第1バルブ100、第2バルブ200及びそれを用いた間欠塗工装置1について
図1から
図17を参照して説明する。本実施形態の間欠塗工装置1は、ウエブWに対し走行方向に沿って塗工部44と未塗工部46とを交互に塗工するものであり、ウエブWとしては例えば、フィルム、紙、金属箔、金属網などである。なお、本明細書において「円筒型」とは、「円環型」、「リング型」を含む概念である。本実施形態の間欠塗工装置1について
図1~
図17を参照して説明する。
【0011】
(1)間欠塗工装置1
間欠塗工装置1について
図1と
図2を参照して説明する。間欠塗工装置1は、バックアップロール12、ダイ14、タンク28、ポンプ30、第1バルブ100、第2バルブ200、サックバック装置300を有する。
【0012】
ウエブWは、
図1に示すように、バックアップロール12の右周面を下から上に走行している。バックアップロール12の右側には、塗工液を塗工するためのダイ14が設けられている。ダイ14は、上本体16と下本体18とこれらに挟まれた不図示のシムよりなり、上本体16の左側は先端にいくほど狭く三角形に形成されている。下本体18も左側に行くほど狭く三角形に形成されている。下本体18の上周面には液溜め部20が形成されている。この液溜め部20からダイ14の先端に向かって、液通路22が形成されている。すなわち、液通路22は、上本体16の下面と下本体18の上面との間に形成されている。この液通路22の先端には吐出口24が形成されている。この吐出口24は、ウエブWの幅方向に沿ってスリット状である。液溜め部20から下本体18の下面に向かって供給口26が形成されている。
【0013】
タンク28には、塗工液が溜められている。このタンク28に溜められた塗工液はポンプ30によって単位時間当たり一定量で圧送される。ポンプ30から圧送された塗工液は分岐部32を経て第1分岐管34と第2分岐管36に流れる。
【0014】
第1分岐管34に供給された塗工液は、間欠バルブである第1バルブ100に至る。第1バルブ100は、ウエブWに塗工部44を形成する場合には開状態となり、未塗工部46を形成する場合には閉状態になる。
【0015】
第1バルブ100から吐出された塗工液は、サックバック装置300に流れる。このサックバック装置300は、ウエブWに塗工部44を終了する場合に塗工液の液バックを吸引し、また、塗工部44の塗工を開始する場合には、吸引した塗工液を押し出す。
【0016】
第2分岐管36に供給された塗工液は、第2バルブ200に至る。第2バルブ200は、ウエブWに塗工部44を形成する場合には閉状態となり、未塗工部46を形成する場合には開状態となってタンク28に塗工液を循環させる。
【0017】
間欠塗工装置1は、コンピュータよりなる制御部50を有し、この制御部50には、バックアップロール12を回転させるロールモータ42、ポンプ30、第1バルブ100を駆動する第1モータ130、第2バルブ200を駆動する第2モータ230、後から説明するサックバック装置300のサックバックモータ310が接続されている。
【0018】
(2)第1バルブ100
回転式の第1バルブ100について
図3~
図8を参照して説明する。第1バルブ100は、
図5に示すように、円筒型の第1弁箱102を有している。円筒型の第1弁箱102の表面には円板型の第1表板104が設けられて閉塞され、第1弁箱102の裏面には円板型の第1裏板106が設けられて閉塞されている。
【0019】
第1弁箱102の外周面の上部には円管よりなる第1吐出管108が突出し、供給管68を介してサックバック装置300の入口306と接続されている。この第1吐出管108の底面は円形に開口している。
【0020】
第1弁箱102の内周面であって、第1吐出管108の部分には、
図6と
図7に示すように、直方体よりなる第1弁座118が設けられている。この第1弁座118は、第1弁箱102の厚さよりも厚く形成され、第1弁箱102の内周面よりも第1弁座118の内周面がM1だけが突出している(
図8(c)参照)。
図8、
図9に示すように、第1弁座118の軸方向には、スリット状の第1吐出口120が形成されている。
【0021】
図5に示すように、第1弁箱102の外周面の側部には、円形の第1流入口122が開口している。第1弁箱102の軸方向を水平に配し、かつ、第1吐出口120を最上部に配した場合に、
図7に示すように、この第1流入口122の位置は、第1回転軸112と同じ高さに開口している。
図3と
図4に示すように、この第1流入口122には、第1分岐管34が接続されている。これにより、ポンプ30から圧送された塗工液は分岐部32で分岐され、第1バルブ100の第1弁箱102に供給される。
【0022】
第1裏板106の中心部には、第1軸孔124が貫通している。この第1軸孔124の内周部には、円筒型の第1ダイナリップシール126が設けられている(
図6参照)。
【0023】
第1弁箱102の内部には、第1回転体110が配されている。
図5に示すように、この第1回転体110は円板型であって、中心部に円筒型の第1回転軸112が突出している。第1回転体110の外周面と第1回転軸112の間には4個の扇形の第1扇開口部114が設けられている。
図5と
図7に示すように、この第1扇開口部114の外周面と内周部に挟まれた径方向の一辺には、厚みが次第に薄くなる第1羽根116が形成されている。これにより、第1回転体110は、インペラの役割を果たしている。
【0024】
図5に示すように、第1回転体110の外周面には、第1弁体140が取り付けられている。この第1弁体140は、
図7に示すように正面から見て円弧状であり、
図9に示すように、上方から見て長方形であって、第1弁箱102の軸方向に延びている。第1弁箱102の内周の半径をR1(
図7参照)、第1弁座118の突出寸法をM1(
図8(c)参照)、第1回転体110の半径をR2(
図7参照)とした場合に、第1弁体140の径方向の長さM2は、M2=R1-R2-M1となる。また、第1弁体140の軸方向の長さM3は、スリット状の第1吐出口120を完全に閉塞できる寸法に設定されている(
図9(a)、(c)参照)。
【0025】
第1弁体140の外周面であって、軸方向には、
図5、
図7~
図9に示すように凹部142が形成されている。この凹部142の軸方向の長さM4は、スリット状の第1吐出口120の長さNよりもやや大きく形成されている(
図9(a)、(c)参照)。
【0026】
図3と
図4に示すように、第1弁体140の周方向の長さ、すなわち第1回転軸112を中心とした第1弁体140の第1円弧開き角θ1は、第1回転体110の第1回転速度ω1と第1吐出口120を閉塞する閉塞時間によって求められる。これについては後から詳しく説明する。
【0027】
図6に示すように、第1裏板106の外方であって第1軸孔124の位置には円筒型の第1支持部128が設けられている。この円筒型の第1支持部128には、
図6に示すように、サーボモータよりなる第1モータ130が取り付けられている。また、円筒型の第1支持部128の内周には第1ベアリング134,136が配され、第1モータ130の回転する第1駆動軸132を回転自在に支持している。第1モータ130の第1駆動軸132は、第1支持部128を貫通し、第1軸孔124の第1ダイナリップシール126を貫通し、第1回転体110の第1回転軸112に固定されている。
図6に示すように、第1回転体110は、第1モータ130の第1駆動軸132が回転することにより回転する。
【0028】
第1弁箱102の外周面であって最下部には、第1接続口138が設けられている。
【0029】
(3)第2バルブ200
次に、回転式の第2バルブ200について
図3、
図4、
図10~
図14を参照して説明する。第2バルブ200は、
図10に示すように、円筒型の第2弁箱202を有している。円筒型の第2弁箱202の表面には円板型の第2表板204が設けられて閉塞され、第2弁箱202の裏面には円板型の第2裏板206が設けられ閉塞されている。
【0030】
第2弁箱202の外周面の下部には円管よりなる第2吐出管208が突出し、この第2吐出管208には、タンク28に通じる循環用の管40が接続されている。
【0031】
第2弁箱202の内周面であって、第2吐出管208の部分には、
図11と
図12に示すように、直方体よりなる第2弁座218が設けられている。この第2弁座218は、第2弁箱202の厚さよりも厚く形成され、第2弁箱202の内周面よりも第2弁座218の内周面がm1だけが突出している(
図13(a)参照)。
図13、
図14に示すように、第2弁座218の軸方向には、スリット状の第2吐出口220が形成されている。
【0032】
図10に示すように、第2弁箱202の外周面の側部には、円形の第2流入口222が開口している。第2弁箱202の軸方向を水平に配し、かつ、第2吐出口220を最下部に配した場合に、
図12に示すように、この第2流入口222の位置は、第2回転軸212と同じ高さに開口している。
図3と
図4に示すように、この第2流入口222には、第2分岐管36が接続されている。これにより、ポンプ30から圧送された塗工液は分岐部32で分岐され、第2バルブ200の第2弁箱202に供給される。
【0033】
第2裏板206の中心部には、第2軸孔224が貫通している。この第2軸孔224の内周部には、円筒型の第2ダイナリップシール226が設けられている(
図11参照)。
【0034】
第2弁箱202の内部には、第2回転体210が配されている。
図10に示すように、この第2回転体210は円板型であって、中心部に円筒型の第2回転軸212が突出している。第2回転体210の外周面と第2回転軸212の間には4個の扇形の第2扇開口部214が設けられている。
図11と
図12に示すように、この第2扇開口部214の外周面と内周部に挟まれた径方向の一辺には、厚みが次第に薄くなる第2羽根216が形成されている。これにより、第2回転体210は、インペラの役割を果たしている。
【0035】
第2回転体210の外周面には、
図10、
図12に示すように、円筒型の第2弁体240が設けられている。この円筒型の第2弁体240の一部には軸方向に切欠き部242が形成されている。この切欠き部242が形成されている第2回転体210の外周面は
図12、
図13に示すように円形に切り欠かれ、通過口244を形成している。
【0036】
第2弁箱202の内周の半径をr1(
図12参照)、第2弁座218の突出寸法をm1(
図13(a)参照)、第2回転体210の半径をr2(
図12参照)とした場合に、第2弁体240の径方向の長さm2は、m2=r1-r2-m1となる。また、第2弁体240の切欠き部242の幅方向の長さm3は、スリット状の第2吐出口220を完全に開口できる寸法に設定され、第2弁体240の切欠き部242の軸方向の長さm4は、スリット状の第2吐出口220の長さnを完全に開口できる寸法に設定されている(
図14(a)、(c)参照)。
【0037】
図3と
図4に示すように、第2弁体240の周方向の長さ、すなわち第2回転軸212を中心とした第2弁体240の第2円弧開き角θ2は、第2回転体210の第2回転速度ω2と第2吐出口220を閉塞する閉塞時間によって求められる。これについては後から詳しく説明する。
【0038】
図11に示すように、第2裏板206の外方であって第2軸孔224の位置には円筒型の第2支持部228が設けられている。この円筒型の第2支持部228には、
図11に示すように、サーボモータよりなる第2モータ230が取り付けられている。また、円筒型の第2支持部228の内周には第2ベアリング234,236が配され、第2モータ230の回転する第2駆動軸232を回転自在に支持している。第2モータ230の第2駆動軸232は、第2支持部228を貫通し、第2軸孔224の第2ダイナリップシール226を貫通し、第2回転体210の第2回転軸212に固定されている。
図11に示すように、第2回転体210は、第2モータ230の第2駆動軸232が回転することにより回転する。
【0039】
第2弁箱202の外周面の最上部には、第2接続口238が設けられている。この第2接続口238は、第1バルブ100の最下部に設けられた第1接続口138と接続管250によって接続されている。
【0040】
(4)サックバック装置300
次に、サックバック装置300について
図15と
図16を参照して説明する。サックバック装置300は、シリンダ302を有し、シリンダ302の前端部には塗工液の出口304が開口している。シリンダ302の外周面一側部には、塗工液の入口306が開口している。
【0041】
シリンダ302は、L字状に屈曲された金属板よりなる支持板308に取り付けられている。この支持板308の後端部であって、シリンダ302の出口304とは反対側の位置にサックバックモータ310が取り付けられている。このサックバックモータ310の回転軸は支持板308を貫通し、偏心カム312が取り付けられている。
【0042】
シリンダ302の後部の内部には、直線上に移動自在なピストン314が配されている。ピストン314の後端部にある連結部材322と偏心カム312とはロッド316で接続されている。サックバックモータ310が回転すると偏心カム312も回転し、それに伴いロッド316と連結部材322が往復移動し、ピストン314が、シリンダ302内部で往復移動する。そして、ピストン314が、出口304から離れる方向に移動すると、出口304から塗工液が吸引される。また逆に、ピストン314が出口304に近づける方向に移動させると、シリンダ302内の塗工液が押出される。
【0043】
ピストン314の外周には液漏れ防止のためのオムニシール318が設けられ、またシリンダ302の内周であって、ピストン314が移動する部分にもオムニシール320が設けられている。
【0044】
制御部50は、このサックバックモータ310の回転方向によってピストン314が出口304に近づく方向か離れる方向かに制御し、回転角度によってピストン314の移動距離を制御し、回転速度によってピストン314の移動速度を制御する。
【0045】
(5)第1バルブ100と第2バルブ200の関係
次に、第1バルブ100と第2バルブ200との関係について
図2~
図4を参照して説明する。なお、第1バルブ100と第2バルブ200は、軸方向が水平にした状態で上下方向に並んで配され、第1吐出口120が最上部、第2吐出口220が最上部にくるように、間欠塗工装置1の不図示のフレームに取り付けられている。
【0046】
図2は、ウエブWの平面図であり、塗工部44と未塗工部46とを交互に走行方向に沿って形成したものである。塗工部44の長さをL1、未塗工部46の長さをL2とする。ダイ14では、塗工部44を形成するときは第1バルブ100から塗工液が圧送され、未塗工部46を形成するときは塗工液が第1バルブ100から圧送されないようにする必要がある。
【0047】
図3は、塗工部44を形成しているときの第1バルブ100と第2バルブ200の概略説明図であり、
図4は未塗工部46を形成しているときの第1バルブ100と第2バルブ200の概略説明図である。
【0048】
図3と
図4に示すように、塗工部44を形成するときは、第1弁体140は、第1吐出口120以外に位置し、第2弁体240は第2吐出口220を閉塞しておく必要がある。これにより、塗工液は第1バルブ100からダイ14にのみ送られ、第2バルブ200からタンク28には循環しない。一方、未塗工部46を形成するときは、第1弁体140は、第1吐出口120を閉塞し、ダイ14に塗工液が流れないようにする。また、第2弁体240の切欠き部242が第2吐出口220の位置に回転し、第2吐出口220を開口し、塗工液がタンク28に循環する。
【0049】
ウエブWの走行速度Vと回転速度(角速度)ωとの関係について説明する。なお、第1回転体110の回転速度ω1=第2回転体210の回転速度ω2=ωとする。
【0050】
第1回転体110と第2回転体210とが、回転速度ωでθ2°回転している間は、第1吐出口120は開口し、第2吐出口220は閉塞し、塗工液がダイ14から供給され、塗工部44が形成される。塗工部44の長さがL1であるため、
第1吐出口120の開口時間=第2吐出口220の閉塞時間
=塗工時間t1=L1/V ・・・(1)
となる。そして、この塗工時間t1の間に、第1回転体110と第2回転体210とが、θ2°回転するため、
回転速度ω=θ2/t1 ・・・(2)
となる。(1)式と(2)式より、
L1=θ2×V/ω ・・・(3)
一方、第1回転体110と第2回転体210とが、θ1°回転している間は、第1吐出口120は閉塞し、第2吐出口220は開口し、塗工液がダイ14から供給されず、未塗工部46が形成される。未塗工部46の長さがL2であるため、
第1吐出口120の閉塞時間=第2吐出口220の開口時間
=未塗工時間t2=L2/V ・・・(4)
となる。そして、この未塗工時間t2の間に、第1回転体110と第2回転体210とが、θ1°回転するため、
回転速度ω=θ1/t2 ・・・(5)
(3)式と(4)式より、
L2=θ1×V/ω ・・・(6)
となる。また、
θ2°=360°-θ1° ・・・(7)
である。これら(1)式~(7)式により、
L2=(360×V/ω)-L1 ・・・(8)
θ1/θ2=L2/L1 ・・・(9)
となる。ウエブWの走行速度Vが一定であり、第1回転体110と第2回転体210の回転速度ωを上げれば上げるほど、(3)式、(6)式より、L1、L2が比例して短くできる。また、第1円弧開き角θ1と第2円弧開き角θ2は、(9)式により塗工部44の長さL1と未塗工部46の長さL2によって決まる。
【0051】
(6)第1弁体140の役割
第1弁体140について
図7~
図9を参照して説明する。第1弁体140は、ほぼ直方体であり、軸方向に長く形成されている。そして、外周面には凹部142が軸方向に沿って設けられている。一方、第1吐出口120は、第1弁座118に軸方向にスリット状に貫通している。
【0052】
第1弁座118は、
図8(c)に示すように、第1弁箱102の内周よりもM1だけ突出しているため、
図8(a)(e)に示すように、第1弁体140の外周面と、第1弁箱102の内周面とは接触せずスムーズに回転できる。
【0053】
また、第1弁体140は軸方向に長く、第1吐出口120を閉塞する方向に回転するため、
図8(b)(c)、
図9(b)(c)に示すように、スリット状の第1吐出口120を迅速に閉塞、開口できる。そのため、ダイ14からの塗工液の吐出を迅速に停止できる。また、ダイ14から戻ろうとする塗工液があっても、第1弁体140の外周面には凹部142が形成されているため、この液バックによる塗工液を吸引でき、塗工部44の端部が盛り上がりにくい。
【0054】
第1回転体110には、
図7に示すように、第1扇開口部114が設けられ、第1羽根116が4枚形成されている。そのため、回転している第1回転体110の遠心力により外周側に移動しようとする塗工液を、第1羽根116により内周側に案内し、第1弁箱102内の塗工液をかき混ぜることができる。
【0055】
また、第1流入口122は、
図7に示すように、第1表板104の下部に設けられているため、塗工液に空気が流入していても、第1バルブ100内にある空気は、第1吐出口120から抜けやすい。
【0056】
なお、第1バルブ100の第1弁体140の初期位置を設定するために、板部材をスリット状の第1吐出口120から挿入して、第1回転体110を回転させる。そして、その板部材に第1弁体140が当接し、それ以上回転しない位置を初期位置とする。
【0057】
(7)第2弁体240の役割
次に、第2回転体210について
図12~
図14を参照して説明する。第2回転体210の第2弁体240は殆ど円筒型であり、
図13(a)(e)に示すように、第2弁座218にある第2吐出口220を殆ど閉塞している。また、第2弁座218は、
図13(c)に示すように、第2弁箱202の内周面からm1だけ突出しているため、第2弁体240の外周面が第2弁箱202の内周面と接触せず回転できる。
【0058】
第2弁体240の切欠き部242が、
図13(c)に示すように、第2吐出口220に位置したときには、第2吐出口220が開口し塗工液をタンク28に循環できる。このとき、切欠き部242にある第2回転体210の外周面には円形の通過口244が設けられているため、この第2回転体210が障害にならず塗工液を第2吐出口220に流すことができる。一方、第2吐出口220は、
図13(a)~(e)、
図14(a)~(e)に示すように、軸方向に延びるスリット状であるため、第2弁体240の端部で迅速に開口でき、また、閉塞できる。そのため、塗工液の液切れを迅速に行うことができる。
【0059】
第2回転体210には、
図12に示すように、第2扇開口部214が設けられ、第2羽根216が4枚形成されている。そのため、回転している第2回転体210の遠心力により外周側に移動しようとする塗工液を、第2羽根216により内周側に案内し、第2弁箱202内の塗工液をかき混ぜることができる。
【0060】
また、第2流入口222は、
図12に示すように、第2表板204の下部に設けられているため、塗工液に空気が流入しても、第2バルブ200内の空気は、第2吐出口220から抜けやすい。
【0061】
なお、第2バルブ200の第2弁体240の初期位置を設定するために、板部材をスリット状の第2吐出口220から挿入して、第2回転体210を回転させる。そして、その板部材に第2弁体240が当接し、それ以上回転しない位置を初期位置とする。
【0062】
(8)サックバック装置300の役割
サックバック装置300は、塗工部44の終了部分で、ピストン314を出口304から離れる方向に移動させることにより、液バックによる塗工液の吸引を行う。これによって塗工部44の終了部分が崖状になる。また、未塗工部46の終了部分で、ピストン314を出口304側に近づける方向に移動させることにより、塗工液がピストン314によってダイ14に押出され、塗工部44の開始部分が崖状となる。この制御方法を
図15から
図17に基づいて説明する。
【0063】
図17(a)のグラフの縦軸は、サックバック装置300におけるピストン314の移動長さであって、上に行くほど出口304から離れる位置となり、横軸は時間tである。
【0064】
図17(b)のグラフの縦軸は、第1バルブ100の第1吐出口120の開度を示し、横軸は時間tである。
【0065】
図17(c)は、ウエブWにおける塗工部44と未塗工部46の形成状態を示したものである。
【0066】
この制御において、制御部50は、ピストン314の移動速度を、第1吸引速度v1と第2吸引速度v2(但し、v1>v2である)の2段階で制御している。また、ピストン314の押出し速度も、第1押出し速度w1と第2押出し速度w2(但し、w1>w2である)で制御している。
【0067】
塗工部44が形成されている場合には、第1バルブ100の第1吐出口120は完全な開状態となっている。
【0068】
次に、塗工部44の終了近くである時間t0になると、第1吐出口120が第1弁体140によって閉状態になり始めると同時に、サックバック装置300もピストン314によって、ダイ14内部の塗工液を吸引し始める。この場合に最初は第1吸引速度v1、次に第2吸引速度v2で吸引し、第1吐出口120が完全な閉状態となる時間t1にピストン314を予め定めた移動長Lを移動させる(
図16の実線の状態)。これによって、塗工部44の終了部分の塗工状態が崖状となる。この理由は、サックバック装置300が無ければ、液バックによる塗工液で塗工部44の終了部分が斜め形状となる。しかし、この斜め形状を形成している塗工液をサックバック装置300で吸引することにより、塗工部44の終了部分が崖状となる。
【0069】
次に、未塗工部46を形成している場合には、第1バルブ100の第1吐出口120は、完全な閉状態である。また、サックバック装置300は動作させない。
【0070】
次に、未塗工部46の終了近くになる時間t3になると、第1吐出口120が完全な閉状態から開き始めると同時に、ピストン314を出口304側に第1押出し速度w1、次に第2押出し速度w2で押出し、第1吐出口120が完全な開状態になる時間t4と同時にピストン314による押出しを停止する(
図16の二点鎖線の状態)。これによって、塗工部44の開始部分の形状が崖状となる。この理由は、サックバック装置300が無ければ、ダイ14からゆっくりと塗工液が押出されて塗工部44の開始部分が斜め形状となる。しかし、この斜め形状になろうとしている部分に、サックバック装置300で押出された塗工液が積層されて塗工部44の開始部分が崖状となる。
【0071】
また、ピストン314の吸引開始時間t1には幅α1、吸引終了時間t2には幅α2、押出し開始時間t3には幅βを設け、塗工液の粘度に応じて制御部50がこれら時間を制御する。また、ピストン314の移動長Lは、塗工液の液バックの量を実験によって確かめ、予め定めておく(
図16参照)。
【0072】
(9)接続管250の役割
上記したように、第1バルブ100と第2バルブ200とは上下方向に配され、第1バルブ100の最下部にある第1接続口138と、第2バルブ200の最上部にある第2接続口238が接続管250で接続されている。この接続管250の役割について説明する。
【0073】
まず、ポンプ30から塗工液が第1バルブ100と第2バルブ200に供給されると、接続管250内部にも塗工液が溜まる。
【0074】
次に、
図3に示すように、ウエブWに塗工部44を塗工している場合には、第2バルブ200の第2吐出口220が閉状態となっているため、第2流入口222から流入した塗工液の一部は接続管250を通じて第1バルブ100に流入する。第1バルブ100においては上記したように第1流入口122から流入した塗工液が、第1吐出口120から吐出され、ウエブWに塗工部44が形成される。
【0075】
次に、
図4に示すように、第1吐出口120が第1弁体140に閉状態になろうとしているときに、第2バルブ200の第2吐出口220は、第2弁体240によって開状態になろうとする。そのため、塗工液に重力が働き、第2吐出口220から塗工液が流れ落ち、第2流入口222から塗工液が流入され続けても、接続管250内部にある塗工液も重力によって流れ落ちることとなる。そのため、第1バルブ100の第1吐出口120においても、第1流入口122から塗工液の流入があっても、第1吐出口120にある塗工液が流れ落ち、ダイ14に吐出されようとしている塗工液が吸引される。これにより、塗工部44の終了部分が崖状によりなり易い。
【0076】
次に、
図3に示すように、未塗工部46の終了部分では、第2バルブ200の第2弁体240によって第2吐出口220が閉状態になり、第1バルブ100の第1吐出口120が第1弁体140により開状態となる。上記したように今までは重力によって塗工液が第1バルブ100、接続管250、第2バルブ200を経て第2吐出口220に流れ落ちていたが、この第2吐出口220が閉状態になることによって、第1バルブ100、接続管250、第2バルブ200内部の塗工液が上に押し出される状態となり、第1吐出口120からダイ14に向かって押出し状態となる。そのため、塗工部44の開始部分が崖状によりなり易い。
【0077】
(10)効果
本実施形態によれば、サックバック装置300を用いることにより、ウエブWに塗工部44と未塗工部46を形成する場合に、塗工部44の開始部分と終了部分を崖状に形成できる。
【0078】
また、第1バルブ100と第2バルブ200と上下方向に並べ、接続管250によって接続することにより、塗工部44の終了部分をより崖状にでき、逆に塗工部44の開始部分をより崖状にできる。
【0079】
また、第1バルブ100第1回転体110と第2バルブ200の第2回転体210を回転させて第1吐出口120と第2吐出口220を交互に開閉することにより、ウエブWに塗工部44と未塗工部46とを交互に形成できる。
【0080】
また、第1回転体110と第2回転体210の回転速度を上げることにより、未塗工部46の長さL2を短くできる。
【0081】
また、第1吐出口120が軸方向に延びたスリット状であるため、第1弁体140で迅速に開閉できる。また、第1弁体140には凹部142が形成されているため、ダイ14からの液バックによる塗工液の吸引ができ、塗工部44の端部に盛り上がり部分が形成されにくい。
【0082】
また、第2吐出口220が軸方向に延びたスリット状であるため、第2弁体240で迅速に開閉できる。
【0083】
また、第1バルブ100の第1弁座118が第1弁箱102の内周面から突出しているため、回転している第1弁体140が第1弁箱102の内周面と接触しない。また、第2バルブ200の第2弁座218が第2弁箱202の内周面から突出しているため、回転している第2弁体240が第2弁箱202の内周面と接触しない。
【変更例】
【0084】
(1)変更例1
上記実施形態では、間欠バルブとして、回転式のバルブを用いたが、これに限らず直動式のバルブを用いてもよい。すなわち、ボイスコイルモータなどによって、弁体が先端に取り付けられたピストンを直線上に往復移動させ、前記弁体の弁座にある塗工液の吐出口を開閉させるバルブであってもよい。
【0085】
(2)変更例2
上記実施形態では、サックバック装置300と接続管250の両方で、塗工液の吸引と押出しを行ったが、サックバック装置300のみ、又は、接続管250のみで塗工液の吸引と押出しを行ってもよい。
【0086】
(3)その他
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
10・・・間欠塗工装置、14・・・ダイ、28・・・タンク、30・・・ポンプ、50・・・制御部、100・・・第1バルブ、102・・・第1弁箱、110・・・第1回転体、120・・・第1吐出口、122・・・第1流入口、130・・・第1モータ、140・・・第1弁体、200・・・第2バルブ、202・・・第2弁箱、210・・・第2回転体、220・・・第2吐出口、222・・・第2流入口、230・・・第2モータ、240・・・第2弁体、250・・・接続管、300・・・サックバック装置、302・・・シリンダ、304・・・出口、306・・・入口、308・・・支持板、310・・・サックバックモータ、312・・・偏心カム、314・・・ピストン、316・・・ロッド