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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】陳列什器
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
A47F5/00 Z
A47F5/00 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020019834
(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公開番号】P2021122647
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】横田 勝彦
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-150953(JP,A)
【文献】特開2008-206770(JP,A)
【文献】登録実用新案第3169920(JP,U)
【文献】実開昭63-045635(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00 - 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
離間した一対の支柱部材と、前記支柱部材に連結され前記支柱部材と略直交方向かつ前方に延びる一対の基部と、該基部に対し前後方向に摺動可能に支持される一対の可動部材と、を備え、
前記一対の可動部材の後端側には、下方に延びる垂下部材がそれぞれ形成され、該垂下部材の下部に当該垂下部材間を横架する横架部材が配設されており、
記横架部材には、物品を保持可能な吊下げアームを有する保持部材が複数取り付けられており、
該吊下げアームは前記基部より下方で前方に延びていることを特徴とする陳列什器。
【請求項2】
前記可動部材の後端部には前記基部に上方から当接可能な滑子が配設されており、前記基部の前端部には前記可動部材に下方から当接可能な滑子が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の陳列什器。
【請求項3】
前記滑子は、軸と車輪から成るローラ部材から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の陳列什器。
【請求項4】
前記可動部材の前端側には、前記可動部材を前記基部に対して前後方向に摺動させる操作部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の陳列什器。
【請求項5】
前記基部の下方には、長手方向に延びるスリットが形成されており、前記垂下部材が移動可能に配設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の陳列什器。
【請求項6】
前記一対の支柱には、上下方向に複数の係止孔が形成されており、前記基部の後端側には、前記係止孔と係止可能なブラケットが配設されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の陳列什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を保持して陳列させる陳列什器に関する。
【0002】
スーパーやコンビニエンスストア等においては、商品陳列什器に商品を様々な形態で陳列して提供している。例えば、棒状の保持部材に、商品に形成された孔や鉤状フックを係止させて商品を吊り下げて保持させる陳列の形態が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に示されるような吊下げ陳列什器は、略水平方向に突出する保持部材が左右方向及び上下方向に複数配設されており、個々の保持部材の前後方向に商品を複数個陳列させることできるようになっている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-173281号公報(第2頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スーパーやコンビニエンスストア等においては、商品の在庫を確認しつつ必要な数の商品を適時補充することで陳列された商品が欠品しないようにしている。吊下げ陳列什器に商品を補充する際には、商品や包装袋等に形成された孔を保持部材に挿通させて、什器の奥側へ向けて順に商品を押し入れることとなる。その際、古い商品から前方に並ぶよう商品を補充することが行われており、具体的には、既に保持部に保持された商品を保持部材から取り外し、新たな商品を保持部材に保持させた後、取り外しておいた古い商品を新たな商品の前方に保持させている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に示されるような吊下げ陳列什器は、任意の保持部材から商品を取り出す際、または商品を補充する際において、商品を把持する者の手が、上方の保持部材に保持されている商品や、下方の保持部材に保持されているに商品に干渉してしまい、補充作業が煩雑になっていた。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、商品の補充作業を行い易い、陳列什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の陳列什器は、
離間した一対の支柱部材と、前記支柱部材に連結され前記支柱部材と略直交方向かつ前方に延びる一対の基部と、該基部に対し前後方向に摺動可能に支持される一対の可動部材と、を備え、
前記一対の可動部材の後端側には、下方に延びる垂下部材がそれぞれ形成され、該垂下部材の下部に当該垂下部材間を横架する横架部材が配設されており、
記横架部材には、物品を保持可能な吊下げアームを有する保持部材が複数取り付けられており、
該吊下げアームは前記基部より下方で前方に延びていることを特徴としている。
この特徴によれば、商品の補充をしたい保持部材に配設されている可動部材を手前側に引き出すことで、横架部材が手前側に移動され、上下に配設された保持部材よりも手前側に引き出すことができるので、商品の補充を行い易い。
【0009】
前記可動部材の後端部には前記基部に上方から当接可能な滑子が配設されており、前記基部の前端部には前記可動部材に下方から当接可能な滑子が配設されていることを特徴としている。
この特徴によると、滑子によりスムーズに可動部材を移動させることができる。
【0010】
前記滑子は、軸と車輪から成るローラ部材から構成されていることを特徴としている。
この特徴によると、可動部材をよりスムーズに摺動させることができる。
【0011】
前記可動部材の前端側には、前記可動部材を前記基部に対して前後方向に摺動させる操作部が形成され、前記可動部材の後端側には、前記横架部材が配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、操作しやすい手前側に配設されている可動部材の操作部を手前側に引くことで、後端側の横架部材に配設されている保持部材を簡便に手前側に引き出すことができる。
【0012】
前記可動部材には、下方に延びる垂下部材がそれぞれ形成され、該垂下部材の下端に前記横架部材が配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、保持部材に支持させた商品の上端位置はあまり高くならないので、商品の上端や側部が可動部材や基部に接触しにくくなり、横架部材の左右端部側まで保持部材を配設させることができることから、収納効率が向上する。
【0013】
前記基部の下方には、長手方向に延びるスリットが形成されており、前記垂下部材が移動可能に配設されていることを特徴としている。
この特徴によると、垂下部材が基部の下面に形成されているスリット内に配設されるので、垂下部材に配設される横架部材を長くすることができ、多くの商品を陳列できる。
【0014】
前記一対の支柱には、上下方向に複数の係止孔が形成されており、前記基部の後端側には、前記係止孔と係止可能なブラケットが配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、保持部材に支持させる商品の上下寸法に応じて、基部の高さを適宜変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1における中段の保持部材が手前側に引き出された陳列什器を示す斜視図である。
図2】陳列什器の要部分解斜視図である。
図3】陳列什器の可動部材を基部に対して最奥まで移動させた態様(陳列状態)を基部の一部を切り欠いて示す側面図である。
図4】陳列什器の可動部材を基部に対して手前側に移動させる途中の態様を基部の一部を切り欠いて示す側面図である。
図5】陳列什器の可動部材を基部に対して手前側に移動させ、可動部材が最も手前側まで移動された態様を基部の一部を切り欠いて示す側面図である。
図6】(a)は図3に示されるA-A矢視図であり、(b)は、図4に示されるB-B矢視図である。
図7】保持部材の変形例の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る陳列什器を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0017】
実施例1に係る陳列什器につき、図1から図6を参照して説明する。以下、図1の紙面右下側及び図3の紙面右側を陳列什器の正面側(手前側)とし、その前方側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
【0018】
図1に示されるように、実施例1に係る陳列什器1は、上下に延びる左右一対の支柱10a,10aに上下一対の横杆10b,10bが連結固定されており、支柱10a,10aの下端部には、前方に延びる左右一対の脚部材10f,10fが備えられ、陳列什器1が安定して自立可能となっている。支柱10a,10aには、左右一対の基部2,2が3組取り付けられており、該基部2,2にそれぞれ取り付けられる可動部材3,3と、該可動部材3,3を連結する横架部材4と、該横架部材4に取り付けられる複数のフック部材5,…とが、高さの異なる位置に3組取り付けられている。
【0019】
左右一対の支柱10a,10aの前面には、被係止孔10c,10c…,が形成されており、基部2,2の後端に形成された係止片20a,20aを係止させることで、基部2,2が支柱10a,10aに取り付けられるようになっている。
【0020】
可動部材3,3は、基部2,2に対し、長手方向に摺動可能に取り付けられている。後述するが、可動部材3,3には、下方に向けて垂下する垂下部材としての垂下板30がそれぞれ形成されており、左右の垂下板30,30の下端に横架部材4の両端が溶着されることで、可動部材3,3と、横架部材4と、該横架部材4に取り付けられた保持部材としてのフック部材5,…とが一体的に構成されている。
【0021】
図2を参考し、支柱10a,10a(図1参照)にそれぞれ取り付けられる基部2と、該基部2に取り付けられる可動部材3とを詳しく説明する。尚、一対の基部2,2は、左右対称の略同一構造のため一方側の基部2のみ説明する。また、一対の可動部材3,3についても左右対称の略同一構造のため一方側の可動部材3のみ説明する。
【0022】
図2に示されるように基部2は、係止片20aを後端に備え左右方向を向きかつ前後に延びる板状の外側面板2aと、該外側面板2aの上端から対向する基部2側へ向けて略水平に延出された上面板2bと、該上面板2bの端部が折曲され下方に向けて延出された内側面板2cと、該内側面板2cから外側面板2a側に向けて折り返された折り返し部2dと、を有し、外側面板2aと折り返し部2dとの間には、下方に向けて開口され前後方向に延びるスリットS1が形成されている。外側面板2aから延出する上面板2bと、内側面板2cと、折り返し部2dと、は、外側面板2aの前後方向における前端部F及び後端部Bを除く略中央部に亘り形成されている。尚、係止片20aを後端に備える外側面板2aはいわゆるブラケットを成している。
【0023】
外側面板2aの前端部Fは、外側面板2aの下端から支柱10a,10aの内方側へ向けて略水平に延出された下面板2eと、該下面板2eの端部が折曲され上方に向けて延出された内側面板2fと、を有している。内側面板2fの略中央部には、貫通孔が形成され該貫通孔には、軸部材21aが挿通され軸部材21aには車輪21bが軸支されており、軸部材21aと車輪21bからなる滑子としてのローラ21が回転可能に配設されている。また、ローラ21と外側面板2aの内方側との間には前後方向に延びるスリットS2が形成されている。
【0024】
上面板2bと内側面板2cと折り返し部2dとは、前後方向の寸法が、略同じに形成されている。基部2は、板状に形成された外側面板2aから、同様に板状に形成された上面板2bと内側面板2cと折り返し部2dとが延出されていることから、基部2の内方側は中空となっており、前後に亘って空間Zが形成され、スリットS1と連通されている。
【0025】
次に、可動部材3について説明する。可動部材3は、左右方向を向きかつ前後に延びる板状の外側面板3aと、該外側面板3aの上端から支柱10a,10aの内方側へ向けて略水平に延出された上面板3bと、により略逆L字状に形成されており、外側面板3aの後端は直交するように折り曲げられて奥端片3dが形成されている。また、上面板3bの後方側には、上面板3bの対向する可動部材3側から下方に向けて折曲された内側片3cが形成されている。内側片3cは、外側面板3aと略平行に対向して配置されており、略中央部には貫通孔が形成されている。該貫通孔には、軸部材31aが挿通され軸部材31aには車輪31bが軸支されており、軸部材31aと車輪31bからなる滑子としてのローラ31が支柱10a,10aの内方側から回転可能に取り付けられている。
【0026】
また、上面板3bの前端は、上方に向けて折り返された操作部3eが形成されている。後述するが、この操作部3eを操作者が把持して手前側に引き出すことで、基部2に対し可動部材3が前方向に移動される。
【0027】
外側面板3aには、上述したように下方に垂下する垂下板30が延出されている。垂下板30は、前後に延びる外側面板3aの略中央部よりも後方側かつ後端よりも略中央部側にのみ形成されており、外側面板3aと同様に板状に形成されている。垂下板30の下端には、中空の金属材から成る横架部材4の端部が溶着されており、一対の可動部材3,3と横架部材4とが連結されるようになっている。
【0028】
横架部材4は、断面視略矩形状に形成されている。横架部材4には、金属板を折り曲げて形成され下向きに開口する断面コ字状の取付部材9を介してフック部材5が取り付けられる。フック部材5は、取付部材9と該取付部材9の上板部9aに溶接固定された金属棒からなり、該金属棒を屈曲させて形成され、商品を保持させる吊下げアーム5bと、該吊下げアーム5bの上方にプライスホルダ等を取り付ける上部アーム5aとを有し、上板部9aにその後端が配置され、溶接固定されている。横架部材4には、一定間隔離間させてフック部材5が複数配設されている。
【0029】
基部2と可動部材3とを組み付ける際には、可動部材3の操作部3eが形成されている先端側を、基部2の空間Zに向けて基部2の後方側から挿入させる。挿入時において可動部材3の垂下板30は、図6(a)に示されるようにスリットS1に遊嵌され、可動部材3の外側面板3aは、図6(b)に示されるようにスリットS2に遊嵌されるように組み付ける。組み付けが完了すると、基部2に配設されているローラ21には、上方から可動部材3の上面板3bの下面3b’が当接され、可動部材3に配設されているローラ31が基部2の折り返し部2dの上面2d’と当接されるようになっている。また、図6(a)に示されるように、スリットS1内に垂下板30が配設されることから、垂下板30に配設される横架部材4の左右幅を長くすることができ、多くのフック部材5を配設し多くの商品を陳列できるようになっている。
【0030】
図3に示される陳列状態から、操作者が可動部材3の操作部3eを手前側に引き出すと、可動部材3の上面板3bの下面3b’はローラ21と摺動し、かつ可動部材3の後方に取り付けられたローラ31が基部2の折り返し部2dの上面2d’と摺動し、可動部材3がスムーズに手前側に移動されるようになっている。
【0031】
基部2の後端部Bには、上方側から振れ防止杆8が嵌合される。具体的には、振れ防止杆8は平板状で長尺に形成されており、長手方向端部8aと短手方向端部8bとがそれぞれ下方に折り返されている。振れ防止杆8の長手方向における両端部近傍には、長手方向端部8aと短手方向端部8bとにより区画され下方に向けて開口された取付溝8cがそれぞれ形成されており、基部2の後端部Bにおける外側面板2aの上端面2a’に上方側から嵌合可能となっている。基部2と可動部材3との組み付けが完了した後、振れ防止杆8の取付溝8c,8cを基部2,2にそれぞれ嵌合させることで、基部2,2の左右方向への振れが抑制され、互いの平行状態が保たれるので、横架部材4および可動部材3,3を基部2,2に対してスムーズに移動させることができるようになっている。
【0032】
次に、陳列什器1の使用方法について説明する。商品を補充する際には、図3に示される陳列状態から可動部材3の操作部3eを把持し手前側に移動させ、図4を経て図5に示される引き出し位置まで可動部材3を移動させる。この引き出し位置では、垂下板30の前端面30aは、基部2における前端部Fの下面板2eに当接し、可動部材3が基部2の前端から抜け出しが防止されるようになっている。
【0033】
また、操作部3eは、陳列什器1の手前側に形成されているので、操作者が視認しやすく把持しやすいようになっている。尚、フック部材5に重量のある商品が吊持されているような場合であっても基部2に対し可動部材3を手前側に引くにつれて可動部材3が前傾しても、可動部材3の上面板3bが基部2の上面板2bの下面2b’に支持されるので、可動部材3をスムーズに引き出すことができるようになっている。
【0034】
次いで、図5および図1の中段に示されるように、横架部材4とともにフック部材5を手前側に移動させた状態で、商品の補充を行う。具体的な交換手順は、まず、吊下げアーム5bに吊り下げられた古いすべての商品を吊下げアーム5bから一端取り外し、次いで吊下げアーム5bに必要な数の新しい商品を吊り下げ、最後に、吊下げアーム5bに一端取り外した古い商品を吊り下げる。
【0035】
このようにして、商品を吊持させる吊下げアーム5bから古い商品を取り出す際や、新しい商品を吊下げアーム5bの奥側から手前に向けて陳列させる際に、上下に支持されている商品と干渉しにくくなるので、商品の補充作業が行い易い。
【0036】
補充作業が完了した後、可動部材3の操作部3eを支柱10a側に押し込み、可動部材3の奥端片3dを振れ防止杆8の短手方向端部8bに当接されるまで押し込み、図3に示される状態となる。このように、可動部材3の奥端片3dと振れ防止杆8の短手方向端部8bとが当接することにより、可動部材3の後方側への移動が規制されており、可動部材3が基部2から落下することを防止されている。図1の上段および図3に示されるように、可動部材3を奥側に移動させた状態で商品を陳列販売するので、通路側に可動部材3の先端やフック部材5の先端が突出することなく、通路を広く確保できるようになっている。
【0037】
また、図3図5に示されるように、垂下板30の下端に横架部材4が配設されていることから、フック部材5に吊持させた商品の上端は基部2よりも下方となるので、商品の上端や側部が可動部材3や基部2に接触しにくくなる。このことから、横架部材4の左右端部側まで取付部材9及びフック部材5を配設させることができ、収納効率が向上するようになっている。
【0038】
このように、離間した一対の支柱10a,10aと、該支柱10a,10aに連結され支柱10a,10aと略直交方向かつ前方に延びる一対の基部2,2と、該基部2,2に対し前後方向に摺動可能に支持される一対の可動部材3,3と、を備え、可動部材3には、一対の可動部材3,3を横架する横架部材4が配設されており、横架部材4には、商品を吊持可能なフック部材5が複数取り付けられていることから、商品の補充をしたいフック部材5に配設されている可動部材3を手前側に引き出すことで、横架部材4が手前側に移動され、上下に配設されたフック部材5よりも手前側に引き出すことができるので、商品の補充を行い易い。
【0039】
基部2の前端部には、可動部材3に下方から当接可能な滑子としてのローラ21が配設されていることを特徴としていることから、ローラ21によりスムーズに可動部材を移動させることができる。
【0040】
また、滑子としてのローラ21は、軸部材21aと車輪21bから構成されていることから、可動部材3をよりスムーズに摺動させることができる。
【0041】
また、可動部材3の前端側には、可動部材3を基部2に対して前後方向に摺動させる操作部3eが形成され、可動部材3の後端側には、横架部材4が配設されていることから、操作しやすい手前側に配設されている可動部材3の操作部3eを手前側に引くことで、後端側の横架部材4に配設されているフック部材5を簡便に手前側に引き出すことができる。
【0042】
また、可動部材3には、下方に延びる垂下板30がそれぞれ形成され、該垂下板30の下端に横架部材4が配設されていることから、フック部材5に吊持させた商品の上端位置はあまり高くならないので、商品の上端や側部が可動部材や基部に接触しにくくなり、横架部材4の左右端部側までフック部材5を配設させることができることから、収納効率が向上する。
【0043】
また、基部2の下方には、長手方向に延びるスリットS1が形成されており、垂下板30が移動可能に配設されていることから、垂下板30が基部2の下面に形成されているスリットS1内に配設されるので、垂下板30に配設される横架部材4の左右幅を長くすることができ、多くの商品を陳列できる。
【0044】
また、一対の支柱10a,10aには、上下方向に複数の被係止孔10c,10c,…が形成されており、基部2の後端側には、被係止孔10c,10c,…と係止可能な係止片20a,20aが配設されていることから、フック部材5に吊持させる商品の上下寸法に応じて、基部2の高さを適宜変更できる。
【0045】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0046】
前記実施例において、基部2は係止片20aを備え、支柱10aの被係止孔10cに取り付けられることとして説明したが、これに限られず、板状体または壁に被係止孔を形成させ基部2が係止されることとしてもよいし、係止片を省略し、支柱または板状体、壁などに直接基部2を取り付ける構造であってもよい。
【0047】
また、前記実施例において、基部2は、板状体を折り曲げ加工することで形成されていると説明したがこの限りではなく、係止片20aと左右方向を向く外側面板2aからなる汎用的なブラケットに、上面板2bと、内側面板2cと、折り返し部2dと、下面板2eと、内側面板2fとを、後から取り付けることとしてもよい。
【0048】
また、前記実施例において、滑子は軸部材と車輪からなるローラとして説明したが、これに限られず、ローラ等の回転体を用いることなく摩擦係数の小さい摺動体が配設させたものであってもよい。
【0049】
また、前記実施例において、操作部3eは可動部材3の上面板3bにおける前端部を上方側へ折曲させることで形成されていると説明したが、この限りではなく、可動部材3の上面板3bにおける前端部に別部材と取り付けることで操作部としてもよい。
【0050】
また、垂下板30は、板状に形成されていると説明したが、この限りではなく、スリットS1に遊嵌可能であれば、円柱状や角柱状としてもよい。また、垂下板30は可動部材3と一体的に形成されていると説明したが、この限りではなく、別体の垂下板を可動部材の外側面板3aに取り付けることとしてもよい。
【0051】
また、フック部材5は、金属棒を屈曲させて形成され、商品を吊持させる吊下げアーム5bと、該吊下げアーム5bの上方にプライスホルダ等を取り付ける上部アーム5aとを有していると説明したがこの限りではなく、上部アーム5aを省略し、吊下げアーム5bのみとしてもよい。
【0052】
また、保持部材として商品を吊持させる形態のフック部材5を例に説明したが、これに限らず、商品を保持するものであればよい。例えば、図7に示されるように、1本の金属棒が折り曲げ形成され、手前側に傾斜されて手前側端部が上方側へ折曲され、更に後方へ向けて折り返される保持部材としての載置部材50を横架部材4に取り付け、商品(図7中破線で示す)を載置支持させて陳列させるものであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 陳列什器
2 基部
2a 外側面板
2b 上面板
2c 内側面板
2d 折り返し部
3 可動部材
3a 外側面板
3b 上面板
3c 内側片
3e 操作部
3d 奥端片
4 横架部材
5 フック部材(保持部材)
8 振れ防止杆
10a 支柱
10c 被係止孔
20a 係止片(ブラケット)
21 ローラ(滑子)
30 垂下板(垂下部材)
31 ローラ(滑子)
S1 スリット
S2 スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7