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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】自動車用ガラスラン
(51)【国際特許分類】
   B60J 10/76 20160101AFI20240116BHJP
   B60J 10/24 20160101ALI20240116BHJP
   B60J 10/50 20160101ALI20240116BHJP
【FI】
B60J10/76
B60J10/24
B60J10/50
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020020505
(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公開番号】P2021123314
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】596002767
【氏名又は名称】トヨタ自動車九州株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000196107
【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】船越 健司
(72)【発明者】
【氏名】神谷 佳彦
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-085084(JP,U)
【文献】実開昭60-142115(JP,U)
【文献】特開2005-219585(JP,A)
【文献】特開2007-296898(JP,A)
【文献】特開2015-229356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/76
B60J 10/24
B60J 10/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用ドアのドアフレームの内周側に取り付けられ、前記自動車用ドアに昇降可能に設けられたドアガラスの昇降を案内する縦案内部を有する自動車用ガラスランであって、
前記縦案内部は、
前記ドアフレームに嵌着される基部と、
前記基部の車内側から延設された車内側側壁部と、
前記基部の車外側から延設され、前記基部及び前記車内側側壁部とともに溝形状の横断面形状をなす車外側側壁部と、
前記車内側側壁部からドアガラス側に斜めに延設されたインナーリップと、
前記車外側側壁部のドアガラス側に設けられ、前記基部からの前記車外側側壁部の延設方向に沿う方向について前記車外側側壁部の中間部に形成され、前記縦案内部の横断面視で前記車外側側壁部とともに中空部を形成する閉断面形状をなすアウターリップ部とを有し、
前記アウターリップ部は、前記中空部の横断面形状を前記延設方向に沿う方向を長手方向とするように形成されている
ことを特徴とする自動車用ガラスラン。
【請求項2】
前記アウターリップ部は、
前記車外側側壁部からドアガラス側に斜めに延設されたアウターリップ本体部と、
前記車外側側壁部に突設され、前記アウターリップ本体部の先端縁部を係止させる係止部と、を含み、
前記アウターリップ本体部を前記係止部に係止させることで、前記縦案内部の横断面視で前記車外側側壁部とともに閉断面形状をなす
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ガラスラン。
【請求項3】
前記インナーリップは、
前記車内側側壁部に対する付根部分である基部と、
前記縦案内部の横断面視での延設形状の中間部分をなし前記基部よりも厚く形成された中間部と、
前記中間部に対して前記縦案内部の横断面視で先端側に形成され前記中間部よりも薄く形成された先端側肉薄部と、
前記縦案内部の横断面視での先端部分をなし前記先端側肉薄部よりも厚く形成された先端部と、を含む
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動車用ガラスラン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ドアのドアフレームの内周に取付けられ、車両用のドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランに関する。詳細には、本発明は、車両ドアフレームの縦フレーム部に装着され、ドアガラスを縦方向に案内する縦案内部を有する自動車用ガラスランに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用ドアを構成するフレームである車両ドアフレームにおいて、フレームの内周に沿ってガラスランが設けられている。このガラスランは、ゴム等の弾性材料により車両ドアフレームに沿うように延伸状に形成された部材であり、溝形断面のドアフレームに嵌合され、ドアガラスの周縁部を内外から保持しつつもドアガラスの昇降に支障がないように構成されている。また、ガラスランは、ドアガラスの縁部を内外のシールリップによって挟持した態様で設けられ、車内に対して車外の音を遮断する機能を有する。
【0003】
このようなガラスランに関する従来の技術として、例えば、特許文献1に開示されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-192933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、ドアガラスの両側を内外から保持するシールリップを複数設けることでシール性能を向上した車両のガラスラン構造について記載されている。
【0006】
ガラスランによるドアガラスの支持構造において、例えば車両の高速走行時など、ドアガラスの内外の気流の速度差が大きくなり、その気流の速度差により、ドアガラスに対し、ドアガラスを車両の外側に吸い出す力が働く。このような力がドアガラスに作用することで、ドアガラスは、ガラスランに支持された状態で車両の外側に向けて移動する。これにより、ドアガラスとガラスランの内側のシールリップ(インナーリップ)との間に隙間が生じる。
【0007】
ドアガラスとインナーリップとの間に隙間が生じると、ドアガラスとガラスランとの間において、ドアガラスに接触した状態のシールリップが主に外側のシールリップ(アウターリップ)のみとなり、ドアガラスに接触した状態のシールリップの枚数が減ってしまう。シールリップは、ドアガラスに接触した状態で車外と車内空間とを遮蔽する機能を有するものであるため、ドアガラスに接触した状態のシールリップの枚数が減ると、ガラスランによるドアガラスの挟持部分において遮音性が低下し、車外の音に対して車内における静粛性を得ることが困難となる。
【0008】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、車両の高速走行時等においてもドアガラスとの間の遮音性の低下を抑制することができ、車外の音に対する車内の静粛性を向上することができる自動車用ガラスランを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る自動車用ガラスランは、自動車用ドアのドアフレームの内周側に取り付けられ、前記自動車用ドアに昇降可能に設けられたドアガラスの昇降を案内する縦案内部を有する自動車用ガラスランであって、前記縦案内部は、前記ドアフレームに嵌着される基部と、前記基部の車内側から延設された車内側側壁部と、前記基部の車外側から延設され、前記基部及び前記車内側側壁部とともに溝形状の横断面形状をなす車外側側壁部と、前記車内側側壁部からドアガラス側に斜めに延設されたインナーリップと、前記車外側側壁部のドアガラス側に設けられ、前記縦案内部の横断面視で前記車外側側壁部とともに閉断面形状をなす中空状のアウターリップ部とを有するものである。
【0010】
また、本発明の他の態様に係る自動車用ガラスランは、前記自動車用ガラスランにおいて、前記アウターリップ部は、前記車外側側壁部からドアガラス側に斜めに延設されたアウターリップ本体部と、前記車外側側壁部に突設され、前記アウターリップ本体部の先端縁部を係止させる係止部と、を含み、前記アウターリップ本体部を前記係止部に係止させることで、前記縦案内部の横断面視で前記車外側側壁部とともに閉断面形状をなすものである。
【0011】
また、本発明の他の態様に係る自動車用ガラスランは、前記自動車用ガラスランにおいて、前記インナーリップは、前記車内側側壁部に対する付根部分である基部と、前記縦案内部の横断面視での延設形状の中間部分をなし前記基部よりも厚く形成された中間部と、前記中間部に対して前記縦案内部の横断面視で先端側に形成され前記中間部よりも薄く形成された先端側肉薄部と、前記縦案内部の横断面視での先端部分をなし前記先端側肉薄部よりも厚く形成された先端部とを含むものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車両の高速走行時等においてもドアガラスとの間の遮音性の低下を抑制することができ、車外の音に対する車内の静粛性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る自動車用ガラスランを備えた車両ドアを示す正面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る自動車用ガラスランのドアガラスを除いた状態の要部を模式的に示す図1のA-A端面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る自動車用ガラスランの要部を模式的に示す図1のA-A端面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る自動車用ガラスランによる作用についての説明図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る自動車用ガラスランのドアガラスを除いた状態の要部を模式的に示す端面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る自動車用ガラスランの要部を模式的に示す端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、自動車のドアにおいてドアフレームとドアガラスとの間にドアガラスの縁部を挟持した態様で設けられる自動車用ガラスランにおいて、ドアガラスに対する接触部となるリップ部分(シールリップ)の形状を工夫することにより、車外の音に対する車内の静粛性の向上を図ろうとするものである。以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。以下の図面において、同一または類似の部分には同一の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各部寸法比率などは現実のものとは必ずしも一致しない。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や異なる部分が含まれることは勿論である。
【0015】
<第1実施形態>
図1乃至図3は、本発明の第1実施形態に係る自動車用ガラスラン(以下単に「ガラスラン」とする。)20の構成例を示す図である。図1に示すように、ガラスラン20は、自動車用ドアである車両ドア1のドアフレーム10の内周側に嵌合した態様で取り付けられ、車両ドア1に昇降可能に設けられた車両ドアガラス(以下単に「ドアガラス」とする。)Gの昇降を案内するものである。
【0016】
車両ドア1は、自動車の車体に取り付けられる部分となるドア本体部1aと、ドア本体部1aの上側に形成された窓枠部1bとを有する。窓枠部1bは、前側、上側、および後側の各縁部により略台形状に沿う縁部形状をなし、ドア本体部1aの上縁部とともに、ガラス板により形成されたドアガラスGにより覆われる窓用開口部を形成する。ドアガラスGは、ドア本体部1aの上縁の開口部から出没するようにドア本体部1aに対してモータ等を駆動源とした昇降機構により昇降可能に設けられている。
【0017】
ドアフレーム10は、その前後において、上下方向に延設された縦フレーム部11を有する。縦フレーム部11は、横断面視において所定の屈曲形状をなすように板状の部材により形成されている。縦フレーム部11は、図2に示すように、横断面視(平面断面視)において、略車幅方向に延伸して縦フレーム部11の基部をなす基壁12と、基壁12の内側(車幅方向内側)の端部から車両の前方に向けて延設された内片13と、基壁12の外側(車幅方向外側)の端部から車両の前方に向けて延設された外片16とを有する。
【0018】
縦フレーム部11は、延伸方向について略一定の横断面形状を有し、横断面視において、基壁12と内片13と外片16とにより、ドアガラスG側を開放側とした略「コ」字状をなす。図2に示す縦フレーム部11は、ドアフレーム10の後側の縦フレーム部11であり、前側を開放側としている。これに対し、ドアフレーム10の前側の縦フレーム部11の場合、平面断面視の形状は、図2に示す態様と略前後対称(図面上は略左右対称)の形状となる。なお、図2において、「OUT」で示す上側が車幅方向外側であり、その反対側が車幅方向内側であり、「FR」で示す左側が車両の前側であり、その反対側が車両の後側である。
【0019】
内片13は、基壁12から前方へ延設され、ガラスラン20と係合する係合凹部14、15を備えている。係合凹部14、15は、車幅方向内側に対して膨出した形状をなすことで、ガラスラン20が嵌め込まれる縦フレーム部11の内側に対して、縦フレーム部11の延設方向に沿う溝部をなす部分として形成されている。内片13は、前後方向に間隔を開けて形成された2箇所の係合凹部14、15を有する。内片13において、後側の係合凹部14は、基壁12側(後側)に形成されており、前側の係合凹部15は、後側の係合凹部14よりも前側の部位において係合凹部14よりも深い溝をなすように形成されている。
【0020】
外片16は、車両ドア1に沿って基壁12から前方へドアパネルPの端部近傍まで延設され、前側の縁部において車幅方向内側に折り返された嵌合部17を形成している。嵌合部17は、全体として横断面視において前後方向に沿うように略平面状に形成された外片16の前側の過半部を形成している。本実施形態では、外片16は、前後方向について、内片13の略半分の寸法を有する。
【0021】
ガラスラン20は、ゴム等の弾性材料によりドアフレーム10に沿うように延伸状に形成された一体成形の部材であり、溝形断面のドアフレーム10に嵌合され、ドアガラスGの周縁部を内外から保持しつつもドアガラスGの昇降に支障がないように構成されている。ガラスラン20は、延伸方向について略一定の横断面形状を有する。また、ガラスラン20は、ドアガラスGの縁部を内外のシールリップによって挟持した態様で設けられ、車内に対して車外の音を遮断する機能を有する。
【0022】
ガラスラン20は、ドアフレーム10の縦フレーム部11に嵌合装着され、ドアガラスGを縦方向に案内する縦案内部21を有している。縦案内部21は、ドアフレーム10の縦フレーム部11に嵌着される基部30と、基部30の車内側(車幅方向内側)から前方へ向けて延設された車内側側壁部40と、基部30の車外側(車幅方向外側)から前方へ向けて延設され、基部30及び車内側側壁部40とともに溝形状の横断面形状をなす車外側側壁部60とを有する。
【0023】
すなわち、ガラスラン20の縦案内部21は、横断面視において、基部30と車内側側壁部40と車外側側壁部60とにより、ドアガラスG側を開放側とした略「コ」字状をなす。図2に示す縦案内部21は、ドアフレーム10の後側の縦案内部21であり、前側を開放側としている。これに対し、ドアフレーム10の前側の縦案内部21の場合、平面断面視の形状は、図2に示す態様と略前後対称(図面上は略左右対称)の形状となる。
【0024】
そして、縦案内部21は、その略「コ」字状の横断面形状を、縦フレーム部11の横断面形状に沿わせるようにして、ドアフレーム10の縦フレーム部11に嵌着されている。すなわち、縦案内部21は、縦フレーム部11に嵌着された状態において、基部30、車内側側壁部40及び車外側側壁部60を、それぞれ縦フレーム部11の基壁12、内片13及び外片16に沿わせた状態となっている。
【0025】
なお、本実施形態では、図1から図3に示すように、ガラスラン20の説明に関し、ドアフレーム10の後側の部分についての縦フレーム部11及び縦案内部21の平面断面視形状を用いて説明しているが、ドアフレーム10の前側の部分は、平面断面視でドアフレーム10の後側の部分と略前後対称(図面上は略左右対称)の形状となる。また、ドアフレーム10は、前後の縦フレーム部11の上端部同士を繋ぐ上フレーム部を有し、この上フレーム部においても、ガラスラン20が、縦フレーム部11と同様の態様で設けられている。ガラスラン20は、前後の縦フレーム部11に対応する縦案内部21においては、ドアガラスGを挟持した状態を保持しながらドアガラスGの昇降動作による摺動作用を受け、ドアフレーム10の上フレーム部に対応する上辺部分においては、ドアガラスGの挿脱を受ける部分としてドアガラスGの昇降動作による摺動作用を受けることになる。
【0026】
ガラスラン20は、シールリップとして、車内側側壁部40からドアガラスG側に斜めに延設されたインナーリップ90を有する。インナーリップ90は、車内側側壁部40から基部30に向けて斜めに延設している。つまり、インナーリップ90は、車内側側壁部40の車幅方向外側の面から、略後斜め外側方向に向けて延設された板状の部分である。本実施形態では、1本のインナーリップ90が設けられており、そのインナーリップ90は、車内側側壁部40の前縁部から延設されている。
【0027】
インナーリップ90は、基部91から先端部92にかけて厚みが変化するように構成している。インナーリップ90は、車内側側壁部40と連結する基部91を肉薄部とし、中間部93を肉厚部とし、先端部92を肉厚部とするとともに、中間部93と先端部92との間に先端側肉薄部94を有する構成としている。インナーリップ90は、比較的肉薄の基部91を折曲起点として全体的に変形しやすい形態に構成している。
【0028】
すなわち、インナーリップ90は、車内側側壁部40に対する付根部分である基部91と、縦案内部21の横断面視での延設形状の中間部分をなし基部91よりも厚く形成された中間部93と、中間部93に対して縦案内部21の横断面視で先端側に形成され中間部93よりも薄く形成された先端側肉薄部94と、縦案内部21の横断面視での先端部分をなし先端側肉薄部94よりも厚く形成された先端部92とを含む。そして、縦案内部21は、主にインナーリップ90の先端部92を、ドアガラスGに面接触させるように構成されている。
【0029】
中間部93は、横断面視において、中央部分から基部91側及び先端側肉薄部94側にかけて徐々に板厚を薄くしている。先端部92は、横断面視において、先端側肉薄部94から先端側にかけて徐々に板厚を厚くした部分であり、インナーリップ90の先端部において瘤状の部分をなしている。
【0030】
ガラスラン20は、シールリップとして、車外側側壁部60のドアガラスG側(車幅方向内側)に設けられ、縦案内部21の横断面視で車外側側壁部60とともに閉断面形状をなす中空状のアウターリップ部80を有する。
【0031】
アウターリップ部80は、前後方向について、車外側側壁部60の中間部に形成されている。アウターリップ部80は、前後両縁部を車外側側壁部60に繋げるとともに内側に凸の湾曲形状をなす板状の部分であるリップ面部82を有し、リップ面部82により、車外側側壁部60とともに中空部81を形成している。すなわち、アウターリップ部80の形成部位においては、車外側側壁部60の前後方向の中間部とリップ面部82とにより、縦案内部21の延設方向を筒軸方向とするとともに車外側側壁部60の車幅方向内側に膨出した筒状の部分が形成されている。リップ面部82は、中空部81の横断面形状を、前後方向を長手方向とする略楕円形状(略長孔形状)とするように形成されている。
【0032】
リップ面部82は、横断面視において、車外側側壁部60に対する付根部分を裾広がり形状としている。すなわち、リップ面部82は、横断面視において、その前後両側の基部において、中間部分から車外側側壁部60側にかけて徐々に厚さを厚くした形状を有する。
【0033】
また、車内側側壁部40は、車幅方向内側において、引掛け片41、42を車内側の車両前方に向けて突設している。引掛け片41、42は、車内側側壁部40に連結した基部43から先端部44にかけて先細り状に構成している。すなわち、引掛け片41、42は、それぞれ基部43、43を肉厚とし、先端部44、44を肉薄とすることで、変形しにくい形態としている。
【0034】
引掛け片41、42は、それぞれ縦フレーム部11の係合凹部14、15に対して係合する突条部分であり、各係合凹部14、15に対応して前後方向に間隔を開けて2箇所に形成されている。すなわち、後側の引掛け片41は、基部30側(後側)に形成されており、前側の引掛け片42は、後側の引掛け片41よりも前側の部位において引掛け片41よりも高い突条部分をなすように形成されている。そして、後側の引掛け片41が、後側の係合凹部14内に位置し、係合凹部14に対する係止部分となり、前側の引掛け片42が、前側の係合凹部15内に位置し、係合凹部15に対する係止部分となる。
【0035】
引掛け片41、42は、ドアフレーム10とガラスラン20との嵌合状態を生起しつつ、車内側側壁部40から車両前方に向けて斜め方向に突設する構成とすることで返しとして機能し、ガラスラン20がドアフレーム10から外れにくい構成としている。すなわち、引掛け片41、42は、それぞれ係合凹部14、15の前側の部分に対して当接する部分となり、ドアフレーム10に対し、ガラスラン20がドアフレーム10から外れる方向のガラスラン20の移動を規制する係止部分として機能する。
【0036】
また、ガラスラン20においては、車内側側壁部40の前縁部に、被覆面部45が形成されている。被覆面部45は、横断面視において、車内側側壁部40の前縁部から車幅方向内側に向けて前側を凸側とした湾曲形状をなす板状の部分である。被覆面部45は、横断面視において、インナーリップ90とともに、車内側側壁部40の前縁部から車幅方向内側・外側に延出した前側に凸の一体的な湾曲形状をなす傘状の部分を形成している。被覆面部45及びインナーリップ90は、前面同士を連続させ、前側を凸側とした湾曲面45aを形成している。被覆面部45は、車内側側壁部40の前側から車幅方向内側に延出し、車内側側壁部40の車幅方向側において、ドアフレーム10の構成部材とガラスラン20との間の隙間等を前側から被覆する部分となる。
【0037】
また、車外側側壁部60は、車幅方向外側において、車外側に向けて複数の位置決め突起61、62を突設し、また、先端部に水止め片63を延設している。
【0038】
位置決め突起61は、車外側側壁部60の前後方向の中間部に形成された突条部分であり、車外側側壁部60の外側に沿う嵌合部17の先端縁部に対する係止部分となる。車外側側壁部60の車幅方向外側において、位置決め突起61は、車外側側壁部60の後部において位置決め突起61と前後方向に対向するように形成された突条部61aとともに、嵌合部17が嵌合する凹部を形成している。
【0039】
位置決め突起61の前方に、突条部分である位置決め突起62が形成されている。車外側側壁部60の車幅方向外側における前後の位置決め突起61,62の間の部位に、ドアパネルPの先端縁部(前端縁部)が当接している。
【0040】
位置決め突起61,62は、ドアフレーム10を構成する嵌合部17及びドアパネルPの前端縁と接触することで、ガラスラン20の前後方向(図3における左右方向)への移動を規制している。すなわち、ドアパネルPの前端縁と位置決め突起61が接触することで、ガラスラン20の前方への移動が規制される。また、ドアパネルPの先端部と位置決め突起62が接触すること及び嵌合部17と位置決め突起61が接触することで、ガラスラン20の後方への移動が規制される。
【0041】
また、ガラスラン20は、車外側側壁部60の先端縁部に水止め片63を延設している。水止め片63は、車外側側壁部60の前側を延設した板状の部分であり、略前後方向に沿う車外側側壁部60の本体部分に対して車幅方向内側に斜めに屈曲状に延出している。水止め片63は、車外側側壁部60の本体部分側から先端縁部にかけて先細りするように形成されている。すなわち、水止め片63は、基部64を比較的肉厚としながら先端部65を比較的肉薄とすることで基部64側から先端部65側にかけて徐々に板厚を薄くし、横断面視においてテーパ状をなすように形成されている。このような形状により、水止め片63は、基部64側において比較的高い剛性を得ながら、先端部65側において柔軟性を得ている。
【0042】
水止め片63は、その先端縁部を、ドアガラスGの車幅方向外側の面に対する接触部とする。このように水止め片63を有することにより、ガラスラン20は、車側側壁部0の前側の縁部をドアガラスGの表面に確実に接触させることができ、車外からの塵埃及び水が車内側に侵入することが可及的に低減される。
【0043】
また、ガラスラン20の横断面視における基部30両端部、すなわち、車内側側壁部40と基部30とによる角部分、及び車外側側壁部60と基部30とによる角部分の内側には、平面視で略円形状に沿う凹部31、32が形成されている。凹部31、32は、ガラスラン20の延設方向に沿う溝状の部分となる。ガラスラン20は、凹部31、32を有することで、ドアフレーム10に嵌入される際、車内側側壁部40及び車外側側壁部60が基部30に対して内側に折曲しやすくなり、容易に嵌入できる形態に変形できるように構成されている。
【0044】
以上のような構成を備えた本実施形態のガラスラン20によれば、車両の高速走行時等においてもドアガラスGとガラスラン20の間の遮音性の低下を抑制することができ、車外の音に対する車内の静粛性を向上することができる。
【0045】
図3に示すように、平面断面視において略「コ」字状をなすガラスラン20がドアフレーム10内においてドアガラスGの縁部を挟持した態様でドアガラスGの縁部を嵌入させた構成において、車外の音は、ドアガラスGの外側からドアガラスGとガラスラン20との間を回り込み、ドアガラスGの内側から車内に到達する。すなわち、図4において矢印A1で示すように、車外の音は、ドアガラスGの外側面と車側側壁部0との間、ドアガラスGの縁端部と基部30との間、及びドアガラスGの内側面と車側側壁部0との間を通過する経路をたどり、車内に侵入する。
【0046】
また、ガラスラン20によるドアガラスGの支持構造において、例えば車両の高速走行時など、ドアガラスGの内外の気流の速度差が大きくなり、ドアガラスGに対し車両外側に吸い出す力が働く。このような力がドアガラスGに作用することで、ドアガラスGとインナーリップ90との間に隙間が生じ、ドアガラスGに接触した状態のシールリップの枚数が減ってしまい、ガラスラン20によるドアガラスGの挟持部分において遮音性が低下し、車外の音に対して車内における静粛性を得ることが困難となる。
【0047】
そこで、本実施形態に係るガラスラン20によれば、車両外側のシールリップとして、車外側側壁部60とともに閉断面をなす中空状のアウターリップ部80を有することから、シールリップによるドアガラスGに対する反力として、車両外側の反力を増加させることができる。これにより、車両の高速走行時などにおいて、ドアガラスGの車両外側への吸い出され量を低減させることができ、ドアガラスGとインナーリップ90との間のシール性を確保することができる。結果として、ガラスラン20によるドアガラスGの挟持部分における遮音性の低下を抑制することができ、車内における静粛性を向上させることができる。
【0048】
また、アウターリップ部80は、図2に示すような自然状態から、図3に示すようにドアガラスGの挿入を受けることで、ドアガラスGにより押し潰された形態となり、横断面形状において、中空部81の形状を前後方向に細長い長孔状に変形させ、ドアガラスGに対してリップ部82の中間部分の略全体を接触させることで、ドアガラスGに対する面接触状態を生起している。このような接触態様をなすアウターリップ部80により、ドアガラスGが車両外側へ吸い出されるほど、ドアガラスGに対するアウターリップ部80の接触面積が増えることになる。さらに、ドアガラスGに対するアウターリップ部80の接触部分の前後両側の部分、つまりリップ部82の前後両側の部分が、ドアガラスGと車外側側壁部60との間において2枚壁の態様で存在することになる。これらのことから、ドアガラスGの外側面と車外側側壁部60との間において音を通過させにくくすることができ、遮音性を向上させることができ、車内における静粛性を効果的に向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態のガラスラン20によれば、ドアガラスGに対するインナーリップ90の接触及びアウターリップ部80の面接触により、ドアガラスGを車内外から確実に保持することができる。特に、アウターリップ80部は、インナーリップ90のようなヒレ型のシールリップと比べて大きな反力を生起する部分となるため、高速走行時などでドアガラスGが車両外方に変位した際にもドアガラスGの左右揺動に追従して変形しドアガラスGを確実に保持できる。
【0050】
また、図3に示すように、ガラスラン20の車内側側壁部40の引掛け片41、42がドアフレーム10の内片13の嵌合部14,15に掛合し、ガラスラン20の車外側側壁部60の位置決め突起61,62がドアフレーム10の外片16の嵌合部17及びドアパネルPの端縁部に掛合することで、ガラスラン20をドアフレーム10に確実に位置決めして嵌合させることができる。
【0051】
ガラスラン20の嵌合状態において、ドアガラスGは、内側からインナーリップ90により弾撥的に押圧され、外側からアウターリップ部80の横断面視におけるリップ面部82の中間部分により弾撥的に押圧される。これにより、車両走行時にドアガラスGが左右揺動しても内外それぞれに設けたシールリップ(インナーリップ90、アウターリップ部80)がドアガラスGから離反することが抑制され、ドアガラスGが内外にがたつくことなく保持され、ドアガラスGとガラスラン20とが常時接触する状態を生起することができる。結果として、縦案内部21内においてドアガラスGとシールリップとの間に隙間が形成されることを抑制することができ、車内の静粛性を維持ないし向上することができ、しかも車外からの塵埃及び水の侵入を防止することができる。また、ガラスラン20の車外側側壁部60の水止め片63がドアガラスGに弾接して塵埃や水の侵入を防ぐとともに、ドアガラスGとガラスラン20が常に接触した状態を維持できるため高い遮音性が得られる。
【0052】
また、インナーリップ90及びアウターリップ部80は、車両走行時の速度変化によって車内と車外との気圧差が変動し、ドアガラスGが車両内外に揺動する際にもドアガラスGとの接触状態を維持するため、ドアガラスGのガタツキを抑制できるとともに、インナーリップ90及びアウターリップ部80とドアガラスGとの間でのバタつき音を抑制できる。特に、車内外の気圧差によってドアガラスGが外方に吸引された場合においても、アウターリップ部80が、ドアガラスGの車外側への変位に抗し、ドアガラスGのガタツキが抑制される。このように、本実施形態のガラスラン20によれば、アウターリップ部80の反力によってドアガラスGを外側から支持することができるとともに、多少の変位はインナーリップ90が吸収するため、ドアガラスGががたつくことなく確実にドアガラスGを保持することができる。
【0053】
また、本実施形態のインナーリップ90は、比較的肉薄の基部91と、比較的肉厚の中間部93と、中間部93に対して肉薄の先端側肉薄部94と、比較的肉厚の先端部92とを有する。このような構成によれば、インナーリップ90の根元部分においては柔軟性を得ながら、横断面視におけるシールリップの延設方向の中間部分においては比較的高い剛性を得ることができるとともに、インナーリップ90の先端縁部の剛性を向上させることができ、比較的肉厚の先端部92を車外の音の侵入経路において障壁として作用させることができる。これにより、シールリップによる遮音性を向上させることができ、車内における静粛性を効果的に向上させることができる。
【0054】
さらに、インナーリップ90は、その先端縁部に、比較的肉厚の先端部92を有する。このような構成によれば、インナーリップ90の先端縁部の剛性及び強度を向上させることができる。これにより、ドアガラスGの昇降動作による摺動作用を受けるインナーリップ90において、その先端縁部が擦り切れることを抑制することができ、インナーリップ90の劣化を抑制することができる。
【0055】
また、ガラスラン20の内周面、すなわち、ガラスラン20のドアガラスGとの接触部分にはドアガラスGとの摩擦抵抗を低減するためのシリコン等を含む塗布剤を塗布してもよい。ガラスラン20の内周面に塗布剤を塗布することで、インナーリップ90及びアウターリップ部80による押圧作用を受けながら、縦案内部21においてドアガラスGをより滑らかに昇降作動させることができる。
【0056】
なお、ガラスラン20は基部30に車両前方に向けてドアガラス支持部を突設してもよい。ドアガラス支持部は、平面視略方形状でドアガラスGの後端部G1と接触して車両走行時にドアガラスGに生起される前後方向の揺動を抑制できる。
【0057】
<第2実施形態>
図5及び図6は、本発明の第2実施形態に係るガラスラン20の構成例を示す図である。本実施形態の説明において、上述した実施形態と共通する内容については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態は、上述した第1実施形態との対比において、アウターリップ部の構成の点で異なっている。
【0058】
図5及び図6に示すように、本実施形態に係るアウターリップ部100は、車外側側壁部60からドアガラスG側に斜めに延設されたアウターリップ本体部110と、車外側側壁部60に突設され、アウターリップ本体部110の先端縁部を係止させる係止部としての係止突部106とを含む。そして、アウターリップ部100は、アウターリップ本体部110を係止突部106に係止させることで、縦案内部21の横断面視で車外側側壁部60とともに閉断面形状をなす。
【0059】
アウターリップ本体部110は、車外側側壁部60から基部30に向けて斜めに延設されている。アウターリップ本体部110は、車外側側壁部60に対する根元部分である基部101から先端部103にかけて厚みを略一定とし、横断面視において基部101と先端部103との中央部分を変曲部102とし、全体として車幅方向内側を凸側として湾曲した形状を有する。アウターリップ本体部110は、基部101から変曲部102までの立ち上り片104と、変曲部102から先端部103までの係合片105とを有し、横断面視において、車外側側壁部60と立ち上り片104とがなす角を鋭角とし、立ち上り片104と係合片105とがなす角を鈍角としている。
【0060】
係止突部106は、車外側側壁部60の前後方向の略中央部からドアガラスG側にアウターリップ本体部110の受け部として突設されている。係止突部106は、縦案内部21の延設方向に沿う突条部分であり、その前側、つまりアウターリップ本体部110側において、車外側側壁部60とともに、アウターリップ本体部110の先端部103を嵌合させる溝部(凹部)を形成している。
【0061】
アウターリップ部100は、アウターリップ本体部110の先端部103を係止突部106に掛合することで、車外側側壁部60とともに中空部107を形成している。すなわち、アウターリップ部100の形成部位においては、車外側側壁部60の前後方向の中間部と、先端部103を係止突部106に係止させたアウターリップ本体部110とにより、縦案内部21の延設方向を筒軸方向とするとともに車外側側壁部60の車幅方向内側に膨出した筒状の部分が形成される。アウターリップ本体部110は、中空部107の横断面形状を、ドアガラスG側を頂部側とする山形状とするように形成されている。
【0062】
アウターリップ部100は、ガラスラン20にドアガラスGが差し込まれることで、アウターリップ本体部110を係止突部106に係止させ、中空部107(図6参照)を形成する。さらに、アウターリップ部100は、ドアガラスGによって押圧されることで中空部107の横断面形状を変形させ、アウターリップ本体部110によるドアガラスGとの面接触状態を生起している。
【0063】
また、ガラスラン20の車内側側壁部40からは、第1実施形態と同様に、インナーリップ90が基部30に向けて斜めに延設され、インナーリップ90の先端部92がドアガラスGに弾接している。ドアガラスGは、車内側からインナーリップ90の先端部92により弾撥的に押圧され、内外にがたつくことなく保持されている。
【0064】
以上のような構成を備えた本実施形態のガラスラン20によれば、第1実施形態の構成と同様に、ドアガラスGとガラスラン20の間の遮音性の低下を抑制することができ、車外の音に対する車内の静粛性を向上することができる。すなわち、車外側側壁部60とともに閉断面をなすアウターリップ部100を有することから、ドアガラスGに車両外側の反力を増加させることができるので、車両の内外の流速差によるドアガラスGの車両外側への吸い出され量を低減させることができ、ドアガラスGとインナーリップ90との間のシール性を確保することができる。これにより、ガラスラン20によるドアガラスGの挟持部分における遮音性の低下を抑制することができ、車内における静粛性を向上させることができる。
【0065】
また、アウターリップ部100は、図5に示すような自然状態から、図6に示すようにドアガラスGの挿入を受けることで、ドアガラスGにより押圧されるとともにアウターリップ本体部110を係止突部106に係止させ、中空部107を形成した状態となり、横断面形状において、ドアガラスGに対してアウターリップ本体部110の中間部分を接触させることで、ドアガラスGに対する面接触状態を生起している。このような接触態様をなすアウターリップ部100により、ドアガラスGが車両外側へ吸い出されるほど、ドアガラスGに対するアウターリップ部100の接触面積が増えることになる。これにより、ドアガラスGの外側面と車外側側壁部60との間において音を通過させにくくすることができ、遮音性を向上させることができ、車内における静粛性を効果的に向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態のガラスラン20によれば、ヒレ状のアウターリップ本体部110を係止突部106に係止させることで中空部107を形成する構成であることから、第1実施形態のアウターリップ部80のようにガラスラン20の成形状態(自然状態)において横断面視で車外側側壁部60とともに中空部81をなす構成と比べて、アウターリップ部100について良好な成形性が得られる。すなわち、第1実施形態のリップ部82のように車外側側壁部60とともに閉断面をなす部分よりも、本実施形態のアウターリップ本体部110のように、横断面視で車外側側壁部60に対して一端側を分離させた形状部分の方が、成形について高い自由度が得られる。これにより、例えば、車種やガラスラン20における部位等に応じて、アウターリップ本体部110の形状(例えば板厚等)の調整を容易に行うことが可能となり、高い汎用性を得ることができる。
【0067】
また、本実施形態のガラスラン20によれば、第1実施形態のアウターリップ部80と比べて、ガラスラン20の製造過程の冷却工程において、アウターリップ部100を冷却しやすいという利点がある。すなわち、ガラスラン20の製造過程は、ゴム等の弾性材料を加熱して成形した後、冷却工程において冷却水により冷却するものであるが、アウターリップ本体部110は、ヒレ状の部分であることから、リップ部82により車外側側壁部60とともに閉じた形状をなすアウターリップ部80と比べて冷却水による冷却作用を得やすい。
【0068】
上述した本発明の各実施形態は一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0069】
上述した各実施形態では、ガラスラン20は、車幅方向内側のシールリップとして、1本のインナーリップ90を有するが、インナーリップの本数は特に限定されない。例えば、ガラスラン20は、インナーリップ90を2本以上設けた構成のものであってもよい。
【符号の説明】
【0070】
G ドアガラス
P ドアパネル
1 車両ドア
10 ドアフレーム
11 縦フレーム部
12 基壁
13 内片
14、15 係合凹部
16 外片
17 嵌合部
20 ガラスラン
21 縦案内部
30 基部
31、32 嵌入用凹部
40 車内側側壁部
41,42 引掛け片
43 基部
44 先端部
60 車外側側壁部
61,62 位置決め突起
63 水止め片
80 アウターリップ部
81 中空部
82 リップ部
90 インナーリップ
91 基部
92 先端部
93 中間部
94 先端側肉薄部
100 アウターリップ部
101 基部
102 変曲部
103 先端部
104 立ち上り片
105 係合片
106 係止突部(係止部)
107 中空部
110 アウターリップ本体部
図1
図2
図3
図4
図5
図6