(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】補強複合材配置システム
(51)【国際特許分類】
B29C 70/38 20060101AFI20240116BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20240116BHJP
B23P 21/00 20060101ALI20240116BHJP
B64F 5/10 20170101ALN20240116BHJP
【FI】
B29C70/38
B25J5/00 A
B23P21/00 303Z
B64F5/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020074803
(22)【出願日】2020-04-20
【審査請求日】2023-02-08
(32)【優先日】2019-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン ヤング アーン
(72)【発明者】
【氏名】デイビス トラン
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-144187(JP,A)
【文献】特開2018-104874(JP,A)
【文献】特開2013-138703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/38
B25J 5/00
B23P 21/00
B64F 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1取付ポイント及び第2取付ポイントを有する長手エンドエフェクタと、
前記第1取付ポイントに接続するように構成された第1コネクタを有する第1回転アームと、
製造環境において前記第1回転アームを移動させるように構成された第1移動システムと、
前記第2取付ポイントに接続するように構成された第2コネクタを有する第2回転アームと、
製造環境において前記第2回転アームを移動させるように構成された第2移動システムと、を含む、補強複合材配置システム。
【請求項2】
前記第1回転アームの回転ポイントは、前記第1移動システムに取り付けられており、前記第2回転アームの回転ポイントは、前記第2移動システムに取り付けられている、請求項1に記載の補強複合材配置システム。
【請求項3】
前記第1回転アームは、当該第1回転アームの前記回転ポイントに対して伸縮可能であり、前記第2回転アームは、当該第2回転アームの前記回転ポイントに対して伸縮可能である、請求項2に記載の補強複合材配置システム。
【請求項4】
前記長手エンドエフェクタは、当該長手エンドエフェクタの長さ方向に沿って分散配置された複数の真空カップを含む、請求項1~3のいずれか1つに記載の補強複合材配置システム。
【請求項5】
前記長手エンドエフェクタは、製造フロアに対する前記複数の真空カップの配向を変更するように構成された所定数の移動システムをさらに含む、請求項4に記載の補強複合材配置システム。
【請求項6】
前記長手エンドエフェクタは、補強複合材に対して前記長手エンドエフェクタを配置するように構成された、所定数のセンサを有する配設システムをさらに含む、請求項1~5のいずれか1つに記載の補強複合材配置システム。
【請求項7】
マンドレルのキャビティに補強複合材を配置する方法であって、
第1回転アーム及び第2回転アームが、前記補強複合材を保持する長手エンドエフェクタに接続された状態で、当該第1回転アーム及び当該第2回転アームを回転させることにより、前記マンドレルに対して前記長手エンドエフェクタを移動させることと、
前記第1回転アーム及び前記第2回転アームを後退させることにより、前記マンドレルの前記キャビティ内に前記補強複合材を配置することと、を含む、方法。
【請求項8】
前記第1回転アーム及び前記第2回転アームが静止した状態で、前記キャビティに対して垂直に前記長手エンドエフェクタのコンポーネントを移動させることによって、前記キャビティに前記補強複合材を押し込むことをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記長手エンドエフェクタへ向かって前記第1回転アームを伸長させることと、
前記長手エンドエフェクタへ向かって前記第2回転アームを伸長させることと、
前記長手エンドエフェクタの第1取付ポイントに対して前記第1回転アームの第1コネクタを接続することと、
前記長手エンドエフェクタの第2取付ポイントに対して前記第2回転アームの第2コネクタを接続することと、をさらに含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記マンドレルを支持する支持ツールに対して、前記第1回転アームを含む第1回転システムをドッキングすることと、
前記マンドレルを支持する支持ツールに対して、前記第2回転アームを含む第2回転システムをドッキングすることと、をさらに含む、請求項7~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
補強材搭載領域において、前記補強複合材を収容した補強材トレイを配置することと、
前記長手エンドエフェクタの真空システムを介して真空流を加えることにより、前記補強材トレイから前記補強複合材を持ち上げることと、をさらに含む、請求項7~10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記マンドレルを支持する支持ツールへ向かって、前記第1回転アームを保持する第1移動システムを含む第1回転システムを移動させることと、
前記支持ツールへ向かって、前記第2回転アームを保持する第2移動システムを含む第2回転システムを移動させることと、
前記支持ツールに前記第1回転システム及び前記第2回転システムを接続することと、をさらに含む、請求項7~11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
エンドエフェクタ取付領域に前記長手エンドエフェクタを配置することと、
前記長手エンドエフェクタが前記エンドエフェクタ取付領域に配置された状態で、前記長手エンドエフェクタから前記第1回転アーム及び前記第2回転アームを切り離すことと、をさらに含む、請求項7~12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記長手エンドエフェクタから前記第1回転アームを切り離した後、前記マンドレルを支持する支持ツールから、前記第1回転アームを保持する第1移動システムを含む第1回転システムを離すことと、
前記長手エンドエフェクタから前記第2回転アームを切り離した後、前記支持ツールから、前記第2回転アームを保持する第2移動システムを含む第2回転システムを離すことと、をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記キャビティ内に前記補強複合材を配置した後、前記第1回転アーム及び前記第2回転アームが前記長手エンドエフェクタに接続された状態で、当該第1回転アーム及び当該第2回転アームを回転させることにより、補強材搭載領域へ向かって、且つ、前記マンドレルに対して、前記長手エンドエフェクタを移動させることと、
前記補強材搭載領域において第2補強材トレイから第2補強複合材を持ち上げることと、
前記回転アーム及び前記第2回転アームを後退させることにより、前記マンドレルの第2キャビティ内に前記第2補強複合材を配置することと、をさらに含む、請求項7~14のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して複合材の製造に関し、より具体的には、レイアップマンドレルに対する長手複合材(longitudinal composite charges)の配置に関する。より具体的には、本開示は、強化複合材構造体を形成するための、未硬化の長手複合材の配置に関する。
【背景技術】
【0002】
強化複合材構造体は、複合材スキンに接続又は接合された複数の補強複合材を有する。補強複合材は、複合材スキンの硬化前又は後に、当該複合材スキンに接続又は接合することができる。
【0003】
いくつかの処理においては、レイアップマンドレルに複数の複合材プライをレイアップする前に、当該レイアップマンドレルに対して未硬化の補強複合材が配置される。補強複合材のコンポーネントは、層毎に、レイアップマンドレルに対して順次直接レイアップされる。
【0004】
レイアップマンドレルに対して補強複合材用の複合素材を手作業でレイアップすると、時間や労力がかかり過ぎる。手作業による処理及び配置中に複合素材の構成を維持することは、非常に困難になりうる。さらに、レイアップマンドレルに複合素材を正確且つ一貫して配置することは、複合材構造体の品質に影響を及ぼす。したがって、上述した問題のうちの少なくともいくつかと、他の起こりうる問題を考慮に入れた方法及び装置を有することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0005】
本開示の例示的な実施形態においては、補強複合材配置システムが提供される。前記補強複合材配置システムは、第1取付ポイント及び第2取付ポイントを有する長手エンドエフェクタと、前記第1取付ポイントに接続するように構成された第1コネクタを有する第1回転アームと、製造環境において前記第1回転アームを移動させるように構成された第1移動システムと、前記第2取付ポイントに接続するように構成された第2コネクタを有する第2回転アームと、前記製造環境において前記第2回転アームを移動させるように構成された第2移動システムと、を含む。
【0006】
本開示の他の例示的な実施形態においては、補強複合材配置システムが提供される。前記補強複合材配置システムは、第1回転システムと、第2回転システムと、長手エンドエフェクタと、を含み、前記第1回転システムは、第1移動システムに取り付けられた第1回転アームを含むとともに、製造環境において前記第1回転アームを再配置するように構成されており、前記第2回転システムは、第2移動システムに取り付けられた第2回転アームを含むとともに、製造環境において前記第2回転アームを再配置するように構成されており、前記長手エンドエフェクタは、前記第1回転アーム及び前記第2回転アームに接続される。
【0007】
本開示のさらに他の例示的な実施形態においては、マンドレルのキャビティに補強複合材を配置する方法が提供される。第1回転アーム及び第2回転アームが、前記補強複合材を保持する長手エンドエフェクタに接続された状態で、当該第1回転アーム及び当該第2回転アームを回転させることにより、前記マンドレルに対して前記長手エンドエフェクタを移動させる。前記第1回転アーム及び前記第2回転アームを後退させることにより、前記マンドレルの前記キャビティ内に前記補強複合材が配置される。
【0008】
上記特徴及び機能は、本開示の様々な実施形態において個別に達成可能であり、また、他の実施形態との組み合わせも可能である。この詳細については、以下の記載と図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
例示的な実施形態に特有のものと考えられる新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態、並びに、好ましい使用形態、更にその目的及び利点は、添付の図面と共に本開示の例示的な実施形態の詳細な説明を参照することにより最もよく理解されるであろう。
【0010】
【
図1】例示的な実施形態による、補強複合材配置システムが動作する製造環境を示すブロック図である。
【
図2】例示的な実施形態による、製造環境における補強複合材配置システムを示す上面図である。
【
図3】例示的な実施形態による、製造環境におけるマンドレル及び補強複合材配置システムのコンポーネントを示す等角図である。
【
図4】例示的な実施形態による、製造環境におけるマンドレル及び補強複合材配置システムのコンポーネントを示す等角図である。
【
図5】例示的な実施形態による、製造環境におけるマンドレル及び補強複合材配置システムのコンポーネントを示す側面図である。
【
図6】例示的な実施形態による、製造環境におけるマンドレル及び補強複合材配置システムのコンポーネントを示す等角図である。
【
図7】例示的な実施形態による、製造環境におけるマンドレル及び補強複合材配置システムのコンポーネントを示す側面図である。
【
図8】例示的な実施形態による、補強材トレイ内の複合材の上方にある長手エンドエフェクタを示す等角図である。
【
図9】例示的な実施形態による、補強材トレイ内の複合材に接触する長手エンドエフェクタを示す等角図である。
【
図10】例示的な実施形態による、補強材トレイから複合材を持ち上げる長手エンドエフェクタを示す等角図である。
【
図11】例示的な実施形態に従って、複合材を保持する長手エンドエフェクタを、マンドレルに対して移動させる回転アームを示す等角図である。
【
図12】例示的な実施形態に従って、マンドレルにおける所望のキャビティに対して位置決めされた複合材を保持する長手エンドエフェクタを示す等角図である。
【
図13】例示的な実施形態に従って、マンドレルにおける所望のキャビティへ向かって、複合材を保持する長手エンドエフェクタを移動させる回転アームを示す等角図である。
【
図14A-14B】例示的な実施形態に従って、マンドレルに対して補強複合材を配置する方法を示すフローチャートである。
【
図15】例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守方法を示すブロック図である。
【
図16】例示的な実施形態を実施可能な航空機を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な実施形態において、1つ以上の異なる事項が認識及び考慮されている。例示的な実施形態において、補強複合材のための従来のピックアンドプレースシステムは、持ち上げ動作(pick access)のためにガントリ及び/又はクレーンを使用することが認識及び考慮されている。例示的な実施形態において、従来のクレーンシステム及び/又はガントリシステムは、永久的な土台を構築するために多額の投資を要することが認識及び考慮されている。さらに、ガントリを支持するためのピラー(pillars)により、マンドレルの挿入/取り外し、及びストリンガの供給が制限される場合がある。
【0012】
また、例示的な実施形態において、従来のガントリは、半バレル型マンドレル(half barrel mandrel)上の全ての位置に補強複合材を設置できない場合があることが認識及び考慮されている。ガントリは、半バレル型マンドレルの頂部(上部)領域に限って補強複合材を設置可能である。残りの補強複合材の設置には、側方設置されたガントリを備える第2ピックアンドプレースステーションが使用される。
【0013】
例示的な実施形態において、補強複合材を配置するために、半バレル型マンドレルを回転させるための湾曲型のガントリ又は湾曲型の固定構造物を使用する場合があることが認識及び考慮されている。しかしながら、湾曲型のガントリ又は湾曲型の固定構造物の設計、製造、及び設置は、非常に困難であったり、或いは非常に高価になったりする可能性がある。
【0014】
例示的な実施形態においては、さらに、ガントリによりマンドレルに補強材が配置される前に、製造環境におけるマンドレルの位置が決定されることが認識及び考慮されている。製造環境におけるマンドレルの位置は、マンドレルに対してガントリを位置合わせするために利用される。従来における位置合わせは、レーザシステムを使用して行われうる。例示的な実施形態において、位置合わせの工程は、製造処理において時間又は費用の少なくとも一方が追加的に生じることが認識及び考慮されている。位置合わせの工程は、ガントリツール毎に実行されうる。
【0015】
例示的な実施形態において、半バレル型マンドレルの任意のキャビティ内に補強複合材を配置可能な補強複合材配置システムを有することが望ましいということが認識及び考慮されている。また、例示的な実施形態において、製造コスト又は製造時間のうちの少なくともいずれか一方を削減するのが望ましいということが認識及び考慮されている。
【0016】
例示的な実施形態において、マンドレルのキャビティ内に補強複合材を配置するために、マンドレルツールの周囲に集合配置することができる移動式の分離型装置が提供される。キャビティ内に補強複合材を配置する前に、マンドレルツールの周囲で装置のコンポーネントが組み立てられる。補強複合材を配置した後、装置はコンポーネントに分解され、製造環境内で移動される。
【0017】
例示的な実施形態においては、補強複合材配置システムが提供される。補強複合材配置システムは、マンドレルの周囲で長手エンドエフェクタを移動させるように構成された2つの伸縮式回転アームを有する。2つの伸縮式回転アームは、長手エンドエフェクタを使用して、半バレル型マンドレル上の任意の位置に補強複合材を配置することが可能である。
【0018】
ここで
図1を参照すると、例示的な実施形態による、補強複合材配置システムが動作する製造環境のブロック図が示されている。製造環境100は、補強複合材配置システム102を含み、当該システムは、マンドレル110の表面108におけるキャビティ106内に補強複合材104を配置するように構成されている。マンドレル110は、支持ツール112によって支持される。
【0019】
いくつかの例において、マンドレル110は、半バレル型マンドレルである。マンドレル110が半バレル型マンドレルである場合、当該マンドレル110は、航空機の胴体の半分を製造する際に使用される。
【0020】
補強複合材配置システム102は、製造環境100内の支持ツール112上のマンドレル110の移動を妨げることなく、当該製造環境100内に配置される。いくつかの例において、マンドレル110は、支持ツール112上に支持された状態にて、製造環境100の製造フロア116におけるマンドレル移動レール114に沿って移動する。これらの例において、補強複合材配置システム102が使用されていないとき、補強複合材配置システム102のコンポーネントは、マンドレル移動レール114の邪魔にならないように移動される。補強複合材配置システム102における少なくとも1つのコンポーネントは、製造フロア116の全域を移動可能である。
【0021】
補強複合材配置システム102は、第1取付ポイント120及び第2取付ポイント122を有する長手エンドエフェクタ118と、第1取付ポイント120に接続するように構成された第1コネクタ126を有する第1回転アーム124と、第2取付ポイント122に接続するように構成された第2コネクタ130を有する第2回転アーム128とを含む。長手エンドエフェクタ118は、第1回転アーム124及び第2回転アーム128に接続される。
【0022】
補強複合材配置システム102はまた、製造環境100において第1回転アーム124を移動させるように構成された第1移動システム132と、製造環境100において第2回転アーム128を移動させるように構成された第2移動システム134とを含む。第1回転アーム124の回転ポイント136は、第1移動システム132に取り付けられている。第2回転アーム128の回転ポイント138は、第2移動システム134に取り付けられている。
【0023】
第1移動システム132は、任意の望ましい形態をとる。第1移動システム132は、第1回転アーム124がマンドレル110の移動を妨げないように、製造環境100において当該第1回転アーム124を移動させるように構成される。第1移動システム132は、製造フロア116に沿って第1回転アーム124を移動させるように構成される。いくつかの例において、第1移動システム132は、自動搬送ビークル(automated guided vehicle)である。いくつかの例において、第1移動システム132は、レール又は軌条(track)を含む。いくつかの例において、第1移動システム132は、伸縮式アームを含む。
【0024】
第2移動システム134は、任意の望ましい形態をとる。第2移動システム134は、第2回転アーム128がマンドレル110の移動を妨げないように、製造環境100において当該第2回転アーム128を移動させるように構成される。第2移動システム134は、製造フロア116に沿って第2回転アーム128を移動させるように構成される。いくつかの例において、第2移動システム134は、自動搬送ビークルである。いくつかの例において、第2移動システム134は、レール又は軌条を含む。いくつかの例において、第2移動システム134は、伸縮式アームを含む。
【0025】
第1回転アーム124は、当該第1回転アーム124の回転ポイント136に対して伸縮可能140である。第2回転アーム128は、当該第2回転アーム128の回転ポイント138に対して伸縮可能142である。
【0026】
第1回転システム144は、第1移動システム132に取り付けられた第1回転アーム124を含むとともに、製造環境100において第1回転アーム124を再配置するように構成されている。第1回転システム144が、製造環境100において第1回転アーム124を再配置した後、第1回転アーム124は、第1取付ポイント120に第1コネクタ126を接続するために伸長される。
【0027】
第2回転システム146は、第2移動システム134に取り付けられた第2回転アーム128を含むとともに、製造環境100において第2回転アーム128を再配置するように構成されている。第2回転システム146が、製造環境100において第2回転アーム128を再配置した後、第2回転アーム128は、第2取付ポイント122に第2コネクタ130を接続するために伸長される。
【0028】
第1回転システム144及び第2回転システム146は、マンドレル110を支持するように構成された支持ツール112に対して位置決め及び接続される。第1移動システム132は、第1組の機械式位置決め部(mechanical indices)148を有し、当該位置決め部は、マンドレル110を支持するように構成された支持ツール112の第1組のドッキングポイント152と接触するように構成されている。本明細書において、「一組」の要素は、1つ以上の要素を含む。例えば、第1組の機械式位置決め部148は、1つ以上の機械式位置決め部を含む。第2移動システム134は、第2組の機械式位置決め部150を有し、当該位置決め部は、支持ツール112の第2組のドッキングポイント154と接触するように構成されている。第1組の機械式位置決め部148及び第2組の機械式位置決め部150は、第1組のドッキングポイント152及び第2組のドッキングポイント154と接触及び接続するための任意の望ましい形態をとる。
【0029】
第1組のドッキングポイント152に第1組の機械式位置決め部148を接続することにより、第1回転システム144が支持ツール112に対して位置決めされる。第2組のドッキングポイント154に第2組の機械式位置決め部150を接続することにより、第2回転システム146が支持ツール112に対して位置決めされる。
【0030】
支持ツール112に対して第1回転システム144を位置決めすることにより、マンドレル110に対する第1回転アーム124の位置を知ることができる。また、支持ツール112に対して第1回転システム144を位置決めすることにより、別の位置合わせステップが不要となる。
【0031】
支持ツール112に対して第2回転システム146を位置決めすることにより、マンドレル110に対する第2回転アーム128の位置を知ることができる。また、支持ツール112に対して第2回転システム146を位置決めすることにより、別の位置合わせステップが不要となる。
【0032】
第1回転システム144及び第2回転システム146のドッキングが完了すると、第1回転アーム124及び第2回転アーム128が長手エンドエフェクタ118に接続される。長手エンドエフェクタ118に対して第1回転アーム124及び第2回転アーム128を接続する前、長手エンドエフェクタ118がエンドエフェクタ取付領域155に配置される。エンドエフェクタ取付領域155は、長手エンドエフェクタ118がマンドレル移動レール114上の支持ツール112及びマンドレル110の移動を妨げないように、製造フロア116に配置される。第1回転システム144及び第2回転システム146のドッキングが完了すると、第1回転アーム124及び第2回転アーム128の各々が伸長されて長手エンドエフェクタ118に接続される。
【0033】
長手エンドエフェクタ118は、補強複合材を持ち上げるための真空流を印加するように構成された真空システム156を有する。長手エンドエフェクタ118は、長手エンドエフェクタ118の長さ方向160に沿って分散配置された複数の真空カップ158を含む。いくつかの例において、真空システム156は、高流量マニホールドシステムを含む。これらの例において、複数の真空カップ158は、高流量マニホールドシステムの構成要素である。複数の真空カップ158は、真空システム156の構成要素である。補強複合材を持ち上げるために、複数の真空カップ158が補強複合材に接触した状態で、複数の真空カップ158を介して真空が印加される。
【0034】
長手エンドエフェクタ118は、製造フロア116に対する複数の真空カップ158の配向を変更するように構成された所定数の移動システム162をさらに含む。本明細書において、「所定数」の要素は、1つ以上の要素を含む。例えば、所定数の移動システム162は、1つ以上の移動システムを含む。
【0035】
長手エンドエフェクタ118は、第1回転アーム124及び第2回転アーム128とは独立して長手エンドエフェクタ118を移動させるように構成された所定数の移動システム162を含む。所定数の移動システム162は、所望のキャビティに対して補強複合材を配向するために使用される。
【0036】
キャビティ164は、マンドレル110の表面108における複数のキャビティ106のうちの1つである。長手エンドエフェクタ118は、キャビティ164内に複数の補強複合材104のうちの補強複合材166を配置するために、複数の真空カップ158に真空を印加して補強複合材166を持ち上げる。長手エンドエフェクタ118が補強複合材166を持ち上げた後、第1回転アーム124及び第2回転アーム128は、長手エンドエフェクタ118がキャビティ164の近くに配置されるまで、マンドレル110の周囲で当該長手エンドエフェクタ118を回転させる。所定数の移動システム162は、キャビティ164内に補強複合材166が配置されるように、第1回転アーム124及び第2回転アーム128に対して長手エンドエフェクタ118を回転させる。所定数の移動システム162は、複数の真空カップ158がキャビティ164に対して垂直になるように、第1回転アーム124及び第2回転アーム128に対して長手エンドエフェクタ118を回転させる。
【0037】
長手エンドエフェクタ118は、補強複合材に対して長手エンドエフェクタ118を配置するように構成された、所定数のセンサ170を有する配設システム168をさらに含む。長手エンドエフェクタ118は、補強複合材166を持ち上げる前に、配設システム168を使用して補強複合材166に対して当該長手エンドエフェクタ118を位置決めする。
【0038】
所定数のセンサ170は、光学センサ172又はレーザセンサ174のうちの少なくとも一方を含む。いくつかの例においては、所定数のセンサ170からの結果を用いて、粗調整176又は微調整178のうちの少なくとも一方が実行される。粗調整176は、長手エンドエフェクタ118の大きな移動を含む。微調整178は、長手エンドエフェクタ118の小さな移動を含む。いくつかの例において、光学センサ172は、粗調整176に使用される。いくつかの例において、レーザセンサ174は、微調整178に使用される。いくつかの例において、光学センサ172は、補強複合材166の長さ方向に沿って長手エンドエフェクタ118を配置するために使用される。いくつかの例において、レーザセンサ174は、補強複合材166の断面形状182に対する長手エンドエフェクタ118の角部を位置決めするために使用される。
【0039】
補強複合材166は、断面形状182を有する長手複合材180である。断面形状182は、補強材トレイ184を使用して補強複合材166に成形される。いくつかの例において、補強複合材166は、製造環境100において補強材トレイ184に入れて搬送される。
【0040】
長手エンドエフェクタ118は、補強材搭載領域186において補強材トレイ184から補強複合材166を持ち上げる。補強複合材166は、任意の所望の態様で補強材搭載領域186に運ばれる。いくつかの例において、補強材トレイ184内の補強複合材166は、オペレータにより補強材搭載領域186内に配置される。いくつかの例において、補強材トレイ184内の補強複合材166は、補強材トレイライン188により補強材搭載領域186に運ばれる。補強材トレイライン188は、任意の望ましい形態をとる。いくつかの例において、補強材トレイライン188は、コンベヤベルト、軌条、ローラ搬送システム、又は他の所望のタイプの搬送手段のうちの少なくとも1つである。
【0041】
長手エンドエフェクタ118がキャビティ164に対して位置決めされると、第1回転アーム124及び第2回転アーム128が後退して、キャビティ164内に補強複合材166を配置する。いくつかの例において、所定数の移動システム162は、キャビティ164へ向かって長手エンドエフェクタ118の少なくとも一部を移動させて、補強複合材166に対して押圧力190を付与する。第1回転アーム124及び第2回転アーム128が静止した状態で、キャビティ164に対して垂直に長手エンドエフェクタ118のコンポーネントを移動させることにより、補強複合材166がキャビティ164に押し込まれる。いくつかの例において、キャビティ164に対して垂直に移動される長手エンドエフェクタ118のコンポーネントは、複数の真空カップ158を含む。
【0042】
いくつかの代替例においては、第1回転アーム124及び第2回転アーム128をさらに後退させて、補強複合材166に対して押圧力190を付与する。これらの例において、第1回転アーム124及び第2回転アーム128は、キャビティ164に長手エンドエフェクタ118を移動させるために後退して、補強複合材166に対して押圧力190を加える。これらの例においては、第1回転アーム124及び第2回転アーム128を後退させて、キャビティ164に対して垂直に長手エンドエフェクタ118を移動させることにより、補強複合材166がキャビティ164に押し込まれる。
【0043】
いくつかの例において、製造フロア116にはマンドレル位置決め構造体192が配置されている。これらの例において、マンドレル位置決め構造体192は、製造環境100において支持ツール112及びマンドレル110を所望位置に配置するように構成されている。これらの例において、マンドレル位置決め構造体192は、エンドエフェクタ取付領域155に対して支持ツール112及びマンドレル110を所望位置に配置するように構成されている。
【0044】
補強複合材配置システム102は、ガントリを使用せずに、マンドレル110に対して補強複合材104を配置することができる。補強複合材配置システム102は、製造環境100に永久的な土台やピラーを設置することなく、マンドレル110に対して補強複合材104を配置することができる。
【0045】
図1に示す製造環境100は、例示的な実施形態が実現される態様について物理的又は構造的な限定を示唆するものではない。図示されたコンポーネントに加えて、或いはこれらのコンポーネントに代えて、他のコンポーネントを使用することも可能である。いくつかのコンポーネントは、必要としない場合もある。また、図中のブロックは、機能コンポーネントを示す。これらのブロックのうち1つ又は複数は、例示的な実施形態において実施する際には、組み合わせたり、分割したり、組み合わせてから異なるブロックに分割したりすることができる。
【0046】
例えば、いくつかの実施形態においては、補強材トレイライン188を設けなくてもよい。他の例示的な実施形態においては、マンドレル位置決め構造体192を設けなくてもよい。
【0047】
他の例として、第1組の機械式位置決め部148及び第2組の機械式位置決め部150について説明を行ったが、第1回転システム144及び第2回転システム146は、任意の望ましい形態で支持ツール112に対して位置決めされてもよい。第1回転システム144及び第2回転システム146は、任意の望ましい位置決め/位置合わせシステムを有する。いくつかの例において、第1回転システム144及び第2回転システム146は、支持ツール112に対して当該第1回転システム144及び当該第2回転システム146の各々を位置合わせするための光学位置合わせシステムを有する。
【0048】
次に
図2を参照すると、例示的な実施形態による、製造環境における補強複合材配置システムの上面図が示されている。製造環境200は、
図1に示す製造環境100の物理的な実施形態である。ビュー202において、製造環境200にマンドレル204及び補強複合材配置システム206が配置されている。補強複合材配置システム206は、第1回転システム208と、第2回転システム210と、長手エンドエフェクタ212とを含む。第1回転システム208は、第1移動システム216に取り付けられた第1回転アーム214を含むとともに、製造環境200において第1回転アーム214を再配置するように構成されている。第1移動システム216は、製造環境200において第1回転アーム214を移動させるように構成されている。第1回転アーム214の回転ポイント217は、第1移動システム216に取り付けられている。
【0049】
第2回転システム210は、第2移動システム220に取り付けられた第2回転アーム218を含むとともに、製造環境200において第2回転アーム218を再配置するように構成されている。第2移動システム220は、製造環境200において第2回転アーム218を移動させるように構成されている。第2回転アーム218の回転ポイント219は、第2移動システム220に取り付けられている。
【0050】
長手エンドエフェクタ212は、第1回転アーム214及び第2回転アーム218に接続される。長手エンドエフェクタ212は、第1取付ポイント221と、第2取付ポイント222とを有する。第1回転アーム214は、第1取付ポイント221に接続するように構成された第1コネクタ224を有する。第2回転アーム218は、第2取付ポイント222に接続するように構成された第2コネクタ226を有する。
【0051】
第1回転システム208及び第2回転システム210は、マンドレル204を支持するように構成された支持ツール228に対して位置決め及び接続される。第1移動システム216は、支持ツール228の第1組のドッキングポイントと接触するように構成された第1組の機械式位置決め部を有する。第2移動システム220は、支持ツール228の第2組のドッキングポイントと接触するように構成された第2組の機械式位置決め部を有する。
【0052】
第1組の機械式位置決め部及び第2組の機械式位置決め部について説明を行ったが、第1移動システム216及び第2移動システム220は、任意の望ましい形態で支持ツール228に対して位置決めされてもよい。第1移動システム216及び第2移動システム220は、任意の望ましい位置決め/位置合わせシステムを有する。いくつかの例において、第1移動システム216及び第2移動システム220は、支持ツール228に対して当該第1移動システム216及び当該第2移動システム220の各々を位置合わせするための光学位置合わせシステムを有する。
【0053】
支持ツール228に対して第1移動システム216及び第2移動システム220を接続することにより、第1回転アーム214及び第2回転アーム218に対するマンドレル204の位置合わせを自動的に行うことができる。このため、位置合わせステップを別途行う必要はない。機械式位置決め部を使用してマンドレル204と補強複合材配置システム206とを自動的に位置合わせすることにより、視覚的照合の必要性を低減又は排除することができる。
【0054】
第1回転アーム214及び第2回転アーム218は、マンドレル204の周囲で長手エンドエフェクタ212を持ち上げて回転させるように構成されている。長手エンドエフェクタ212は、第1回転アーム214及び第2回転アーム218とは独立して長手エンドエフェクタ212を移動させるように構成された所定数の移動システムを含む。
【0055】
第1回転アーム214は、当該第1回転アーム214の回転ポイント217に対して伸縮可能である。第2回転アーム218は、当該第2回転アーム218の回転ポイント219に対して伸縮可能である。
【0056】
支持ツール228上のマンドレル204は、製造環境200内でマンドレル移動レール230上を移動する。補強複合材配置システム206のコンポーネントは、製造環境200内において支持ツール228上のマンドレル204の移動を妨げるものではない。第1移動システム216及び第2移動システム220は、マンドレル移動レール230から第1回転アーム214及び第2回転アーム218を離すように構成されている。エリア232は、第1回転システム208を仮置きすることが可能な場所である。エリア234は、第2回転システム210を仮置きすることが可能な場所である。
【0057】
エリア232及びエリア234の各々は、支持ツール228及びマンドレル204が、マンドレル移動レール230に沿って自由に移動できるように配置される。エリア232及びエリア234の各々の位置は、第1移動システム216及び第2移動システム220が補強材トレイライン236上に配置されないように決定される。補強材トレイライン236は、補強材トレイ内の補強複合材のための送給システムである。補強材トレイライン236は、任意の望ましい形態をとる。いくつかの例において、補強材トレイライン236は、レール、軌条、又はコンベヤである。
【0058】
動作中、支持ツール228及びマンドレル204は、マンドレル移動レール230に沿って位置238に搬送される。いくつかの例において、製造フロア240の位置238に支持ツール228を配置するための位置決め手段が、製造フロア240に設けられている。位置238は、支持ツール228が補強複合材配置システム206から複合材を受け取るのに適した位置である。
【0059】
支持ツール228が位置238で停止した後、製造環境200において補強複合材配置システム206の一部が移動される。第1回転システム208は、エリア232から移動されて、マンドレル移動レール230上に配置される。第2回転システム210は、エリア234から移動されて、マンドレル移動レール230上に配置される。
【0060】
第1回転システム208は、マンドレル204を支持する支持ツール228にドッキングされる。第2回転システム210は、マンドレル204を支持する支持ツール228にドッキングされる。
【0061】
第1回転システム208及び第2回転システム210のドッキングが完了すると、第1回転アーム214及び第2回転アーム218が長手エンドエフェクタ212へ向かって伸長される。第1回転アーム214の第1コネクタ224は、長手エンドエフェクタ212の第1取付ポイント221に接続する。第2回転アーム218の第2コネクタ226は、長手エンドエフェクタ212の第2取付ポイント222に接続する。
【0062】
第1回転アーム214及び第2回転アーム218が長手エンドエフェクタ212に接続された後、長手エンドエフェクタ212は真空システムを使用して複合材を持ち上げる。長手エンドエフェクタ212によって複合材が保持されると、第1回転アーム214及び第2回転アーム218が、マンドレル204の周囲で長手エンドエフェクタ212を持ち上げて回転させる。第1回転アーム214及び第2回転アーム218は、マンドレル204の所望のキャビティに対して長手エンドエフェクタ212を配置する。キャビティに対して複合材を所望の配向に配置するために、長手エンドエフェクタ212の移動システムを使用して、第1回転アーム214及び第2回転アーム218とは独立して、長手エンドエフェクタ212の少なくとも一部が回転される。次に、キャビティ内に複合材を配置するために、第1回転アーム214及び第2回転アーム218が後退する。
【0063】
所望のキャビティ内に複合材が配置された後、第1回転アーム214及び第2回転アーム218が伸長して、マンドレル204の周囲で補強材トレイライン236へ向かって長手エンドエフェクタ212を回転させる。その後、長手エンドエフェクタ212が、補強材トレイライン236に送給される次の複合材を持ち上げて、第1回転アーム214及び第2回転アーム218を使用した回転及び配置のプロセスが繰り返される。
【0064】
全ての複合材がマンドレル204に配置された後、第1回転アーム214及び第2回転アーム218は、補強材トレイライン236の位置242に長手エンドエフェクタ212を配置する。次に、第1回転アーム214及び第2回転アーム218は、長手エンドエフェクタ212から切り離されて後退する。第1回転アーム214及び第2回転アーム218を後退させた後、第1回転システム208が、マンドレル移動レール230から離される。第1回転システム208は、エリア232に移動させてもよい。また、第2回転システム210が、マンドレル移動レール230から離される。第2回転システム210は、エリア234に移動させてもよい。
【0065】
マンドレル移動レール230から第1回転システム208及び第2回転システム210を移動させた後、支持ツール228上のマンドレル204が、製造環境200におけるマンドレル移動レール230上で移動される。例えば、支持ツール228上のマンドレル204は、マンドレル移動レール230上を移動して、製造環境200内の別のステーションに配置される。
【0066】
いくつかの例において、支持ツール228上のマンドレル204を移動させた後、第2支持ツール上の第2マンドレルが製造環境内のマンドレル移動レール230に沿って移動される。これらの例において、第2マンドレル及び第2支持ツールは、位置238で停止され、長手エンドエフェクタ212、第1回転アーム214、及び第2回転アーム218を使用して、第2マンドレルに複合材が配置される。
【0067】
次に
図3を参照すると、例示的な実施形態による、製造環境におけるマンドレル及び補強複合材配置システムのコンポーネントの等角図が示されている。ビュー300は、製造環境303における補強複合材配置システム302のコンポーネントを示す。補強複合材配置システム302は、第1取付ポイント306を有する長手エンドエフェクタ304と、第1取付ポイント306に接続するように構成された第1コネクタ310を有する第1回転アーム308とを含む。補強複合材配置システム302は、製造環境303において第1回転アーム308を移動させるように構成された第1移動システム312をさらに含む。第1回転アーム308の回転ポイント314は、第1移動システム312に取り付けられている。第1回転アーム308は、第1回転アーム308の回転ポイント314に対して伸縮可能である。第1回転アーム308及び第1移動システム312は、第1回転システム315を形成している。
【0068】
支持ツール316は、キャビティ320を有するマンドレル318を支持するように構成されている。図示のように、マンドレル318は、航空機の胴体の半分を製造するために使用される半バレル型マンドレルである。
【0069】
支持ツール316及びマンドレル318は、製造環境303内でマンドレル移動レール321上を移動する。支持ツール316がマンドレル移動レール321上を移動するとき、第1移動システム312は、マンドレル移動レール321上に配置されていない。第1移動システム312は、支持ツール316に対して当該第1回転アーム308を位置決めして複合材を配置するために、製造環境303内で移動可能である。第1移動システム312は、マンドレル移動レール321から当該第1移動システム312を離すために、製造環境303内で移動可能である。
【0070】
支持ツール316は、第1組のドッキングポイント322を有する。第1移動システム312は、支持ツール316の第1組のドッキングポイント322と接触するように構成された第1組の機械式位置決め部324を有する。いくつかの例において、支持ツール316の製造時に第1組のドッキングポイント322も形成される。他の例において、第1組のドッキングポイント322は、支持ツール316の製造後に後付けされる。いくつかの例においては、ドッキングポイントを後付けすることにより、既存の支持ツールを補強複合材配置システム302と共に使用することができる。
【0071】
第1組の機械式位置決め部324及び第1組のドッキングポイント322により、マンドレル318と補強複合材配置システム302との間の位置決めを行うことができる。マンドレル318及び補強複合材配置システム302の位置を決定することにより、追加的な位置合わせステップの工程数を減らしたり、これらのステップを排除したりすることができる。例えば、手作業でマンドレル318及び補強複合材配置システム302を位置決めすることにより、製造環境303におけるマンドレル318の位置の検査を行わなくてもよい。
【0072】
いくつかの例において、製造環境303には追加の位置決め手段が配置されている。例えば、製造フロア326に支持ツール316を配置するために、当該製造フロア326に位置決め手段を設けてもよい。
【0073】
次に
図4を参照すると、例示的な実施形態による、製造環境におけるマンドレル及び補強複合材配置システムのコンポーネントの等角図が示されている。ビュー400は、第1回転システム315が支持ツール316とドッキングした後の補強複合材配置システム302を示す。支持ツール316に第1回転システム315をドッキングさせるために、第1移動システム312は、ビュー400に示す位置と
図3におけるビュー300に示す位置との間で方向402に移動する。
【0074】
次に
図5を参照すると、例示的な実施形態による、製造環境におけるマンドレル及び補強複合材配置システムのコンポーネントの側面図が示されている。ビュー500は、
図4の側面図である。図示のように、第1移動システム312は、自動搬送ビークル502の形態をとる。
【0075】
ビュー500には、長手エンドエフェクタ304の追加的なコンポーネントが示されている。長手エンドエフェクタ304は、複数の真空カップ504を有する。複数の真空カップ504は、補強複合材を持ち上げるための真空流を印加するように構成された長手エンドエフェクタ304の真空システムの一部である。真空システムからの真空流により、複数の真空カップ504に対して補強複合材を保持することができる。長手エンドエフェクタ304を介して真空を印加することにより、真空流が停止するまで複数の真空カップ504に対して補強複合材を保持することができる。
【0076】
長手エンドエフェクタ304はまた、補強複合材に対して長手エンドエフェクタ304を配置するように構成された所定数のセンサ506を有する。いくつかの例において、所定数のセンサ506は、光学センサ又はレーザセンサのうちの少なくとも一方を含む。図示のように、所定数のセンサ506のうちのセンサ508は光学センサである。
【0077】
ビュー500において、第1回転アーム308は、長手エンドエフェクタ304に接続されていない。ビュー500において、第1回転アーム308は、完全に後退しており、長さ509を有する。
【0078】
ビュー500において、長手エンドエフェクタ304は、エンドエフェクタ取付領域512において支持構造体510に取り付けられている。エンドエフェクタ取付領域512は、製造フロア326に配置されており、支持ツール316及びマンドレル318などの支持ツール及びマンドレルはエンドエフェクタ取付領域512を通り過ぎることができる。エンドエフェクタ取付領域512は、製造フロア326において支持ツール316及びマンドレル318の移動を妨げるものではない。
【0079】
次に
図6を参照すると、例示的な実施形態による、製造環境におけるマンドレル及び補強複合材配置システムのコンポーネントの等角図が示されている。ビュー400とビュー600とを比較すると、第1回転アーム308は、長手エンドエフェクタ304へ向かって伸長している。ビュー400とビュー600とを比較すると、第1回転アーム308は、方向602に伸長している。第1回転アーム308の第1コネクタ310は、長手エンドエフェクタ304の第1取付ポイント306に接続している。
【0080】
図6には示されていないが、補強複合材配置システム302は、さらに、第2回転アームを有しており、当該第2回転アームは、長手エンドエフェクタ304の第2取付ポイントに接続するように構成された第2コネクタを有する。第1回転アーム308及び第2回転アームが長手エンドエフェクタ304に接続されると、長手エンドエフェクタ304を使用して、補強複合材の持ち上げ及び配置が行われる。
【0081】
次に
図7を参照すると、例示的な実施形態による、製造環境におけるマンドレル及び補強複合材配置システムのコンポーネントの側面図が示されている。ビュー700は、
図6の側面図である。
【0082】
ビュー700において、第1回転アーム308の長さ702は、
図5に示す第1回転アーム308の長さ509よりも長い。補強複合材配置システム302の動作において、第1回転アーム308は、
図5に示す長さ509と長さ702との間で長さを変更することができる。いくつかの例において、マンドレル318を中心として長手エンドエフェクタ304を回転させるために、第1回転アーム308は、長さ702よりも長く伸長するようにしてもよい。いくつかの例において、第1回転アーム308は、回転ポイント314を中心として約180度回転して、マンドレル318上の任意の位置に設けられた所望のキャビティ内に所望の補強複合材を配置する。
【0083】
図3~8に示す補強複合材配置システム302、支持ツール316、及びマンドレル318は、例示的な実施形態が実現される態様について物理的又は構造的な限定を示唆するものではない。図示されたコンポーネントに加えて、或いはこれらのコンポーネントに代えて、他のコンポーネントを使用することも可能である。いくつかのコンポーネントは、必要としない場合もある。
【0084】
例えば、第1移動システム312は、自動搬送ビークル502の形態をとらなくてもよい。他の図示していない例においては、第1移動システム312は、製造フロア326に対して第1回転アーム308を移動させるように構成された任意の望ましいタイプの移動システムを含みうる。他の例において、第1移動システムは、軌条及びキャリッジ(carriage)を含みうる。他の例において、第1移動システムは、伸縮セクションを含みうる。第1移動システム312は、補強複合材配置システム302が複合材の配置を行っていないときに、マンドレル移動レール321の妨げにならないように構成されている。第1移動システム312は、補強複合材配置システム302が複合材の配置を行っていないときに、マンドレル移動レール321から第1回転アーム308を離すように構成されている。
【0085】
他の例として、マンドレル318は、半バレル型マンドレルではない場合がある。マンドレル318は、第1回転アーム308の180度の回転によって到達可能な任意の望ましい形状を有しうる。さらに、マンドレル318は、任意の望ましいサイズを有する。第1回転アーム308の長さは変更可能であるため、当該第1回転アーム308は、マンドレル318よりも小さい直径又は大きい直径を有するマンドレルに対して使用することも可能である。さらに別の例として、支持ツール316は、第1組のドッキングポイント322とは異なるタイプのドッキング機構を有していてもよい。
【0086】
次に
図8を参照すると、例示的な実施形態による、補強材トレイ内の複合材の上方にある長手エンドエフェクタの等角図が示されている。長手エンドエフェクタ800は、
図1に示す長手エンドエフェクタ118の物理的な実施形態である。長手エンドエフェクタ800は、当該長手エンドエフェクタ800の長さ方向804に沿って分散配置された複数の真空カップ802を含む。長手エンドエフェクタ800はまた、製造フロアに対する複数の真空カップ802の配向を変更するように構成された所定数の移動システム806を含む。
【0087】
長手エンドエフェクタ800は、補強複合材808に対して当該長手エンドエフェクタ800を配置するように構成された、所定数のセンサを有する配設システム(図示略)をさらに含む。いくつかの例において、所定数のセンサは、光学センサ又はレーザセンサのうちの少なくとも一方を含む。
【0088】
図示のように、補強複合材808は、補強材トレイ810に収容されている。補強材トレイ810は、製造環境において補強複合材808を成形及び/又は搬送するために使用される。補強材トレイ810は、製造環境において、任意の望ましい態様で搬送される。いくつかの例において、補強材トレイ810は、コンベヤベルト又は軌条などの補強材トレイラインで搬送される。いくつかの例において、補強材トレイラインは、エンドエフェクタ取付領域の下方に延在している。いくつかの例において、補強材トレイ810は、長手エンドエフェクタ800の下方に配置されている。
【0089】
次に
図9を参照すると、例示的な実施形態による、補強材トレイ内の複合材に接触する長手エンドエフェクタの等角図が示されている。長手エンドエフェクタ800のビュー900において、複数の真空カップ802は、方向902に移動されている。複数の真空カップ802は、所定数の移動システム806を使用して移動される。ビュー900において、複数の真空カップ802は、補強材トレイ810内の補強複合材808と接触している。
【0090】
次に
図10を参照すると、例示的な実施形態による、補強材トレイから複合材を持ち上げる長手エンドエフェクタの等角図が示されている。ビュー1000において、複数の真空カップ802は、補強複合材808と接触している。図示のように、複数の真空カップ802は、補強複合材808の上面に対して垂直である。
【0091】
ビュー1000において、長手エンドエフェクタ800は、当該長手エンドエフェクタ800の真空システムを介して真空流を加えることにより、補強材トレイ810から補強複合材808を持ち上げている。真空システムは、複数の真空カップ802を含む。真空システムからの真空流により、複数の真空カップ802に対して補強複合材808を保持することができる。長手エンドエフェクタ800を介して真空を印加することにより、真空流が停止するまで複数の真空カップ802に対して補強複合材808を保持することができる。
【0092】
図11~13は、長手エンドエフェクタが補強複合材を持ち上げた後の補強複合材配置システムの動作を示す。いくつかの例において、
図11~13は、ビュー1000の後の、長手エンドエフェクタ800を伴う補強複合材配置システムの動作を示す。
【0093】
次に
図11を参照すると、例示的な実施形態に従って、複合材を保持する長手エンドエフェクタを、マンドレルに対して移動させる回転アームの等角図が示されている。補強複合材配置システム1100は、
図1に示す補強複合材配置システム102の物理的な実施形態である。補強複合材配置システム1100は、
図2~7に示す補強複合材配置システム206と同じであってもよい。いくつかの例において、
図8~10に示す長手エンドエフェクタ800は、補強複合材配置システム1100のコンポーネントである。
【0094】
ビュー1102において、補強複合材配置システム1100は、第1回転アーム1108及び第2回転アーム1110が、補強複合材を保持する長手エンドエフェクタ1104に接続された状態で、当該第1回転アーム1108及び当該第2回転アーム1110を回転させることにより、マンドレル1106に対して長手エンドエフェクタ1104を移動させている。図示のように、伸長位置1114における第1回転アーム1108の長さ1112により、長手エンドエフェクタ1104は、マンドレル1106の全周を回転することが可能となる。
【0095】
長手エンドエフェクタ1104はまた、製造フロア1118に対する長手エンドエフェクタ1104の複数の真空カップの配向を変更するように構成された所定数の移動システム1116を有する。いくつかの例において、長手エンドエフェクタ1104がマンドレル1106に対して移動すると、所定数の移動システム1116は、第1回転アーム1108及び第2回転アーム1110に対して長手エンドエフェクタ1104の一部を回転させる。いくつかの例において、所定数の移動システム1116は、所望のキャビティに対して補強複合材を配置するために、長手エンドエフェクタ1104の一部を回転させる。いくつかの例において、所定数の移動システム1116は、所望のキャビティに対して複数の真空カップを垂直に配置するために、長手エンドエフェクタ1104の一部を回転させる。
【0096】
次に
図12を参照すると、例示的な実施形態に従って、マンドレルにおける所望のキャビティに対して位置決めされた複合材を保持する長手エンドエフェクタの等角図が示されている。ビュー1200において、長手エンドエフェクタ1104は、マンドレル1106に対して位置決めされている。ビュー1200において、長手エンドエフェクタ1104は、マンドレル1106のキャビティ1202に対して位置決めされている。
【0097】
ビュー1200において、補強複合材1204は、長手エンドエフェクタ1104の複数の真空カップ1206によって保持されている。長手エンドエフェクタ1104の配置は、補強複合材1204がキャビティ1202に対して垂直に保持されるように行われる。
【0098】
次に
図13を参照すると、例示的な実施形態に従って、マンドレルにおける所望のキャビティへ向かって、複合材を保持する長手エンドエフェクタを移動させる回転アームの等角図が示されている。ビュー1200とビュー1300とを比較すると、補強複合材配置システム1100は、第1回転アーム1108及び第2回転アーム1110を後退させることにより、マンドレル1106のキャビティ1202内に補強複合材1204を配置している。ビュー1300において、補強複合材1204は、マンドレル1106のキャビティ1202内に配置されている。
【0099】
第1回転アーム1108及び第2回転アーム1110が静止した状態で、キャビティ1202に対して垂直に長手エンドエフェクタ1104のコンポーネントを移動させることによって、補強複合材1204がキャビティ1202に押し込まれる。補強複合材1204がキャビティ1202に押し込まれた後、長手エンドエフェクタ1104がマンドレル1106から離される。マンドレル1106から長手エンドエフェクタ1104を離すために、第1回転アーム1108及び第2回転アーム1110が伸長される。マンドレル1106から長手エンドエフェクタ1104を離す前に、複数の真空カップ1206から真空が解除される。複数の真空カップ1206から真空を解除することにより、長手エンドエフェクタ1104は、補強複合材1204を解放する。
【0100】
次に
図14A及び14Bを参照すると、例示的な実施形態に従って、マンドレルに対して補強の複合材を配置する方法のフローチャートが示されている。方法1400は、
図1に示す製造環境100における補強複合材配置システム102を使用して実行することが可能である。方法1400は、
図2に示す製造環境200における補強複合材配置システム206を使用して実行することが可能である。方法1400は、
図3~7に示す補強複合材配置システム302を使用して実行することが可能である。方法1400は、
図8~10に示す長手エンドエフェクタ800を使用して実行することが可能である。方法1400は、
図11~13に示す補強複合材配置システム1100を使用して実行することが可能である。
【0101】
方法1400において、第1回転アーム及び第2回転アームが、補強複合材を保持する長手エンドエフェクタに接続された状態で、当該第1回転アーム及び当該第2回転アームを回転させることにより、マンドレルに対して長手エンドエフェクタを移動させる(工程1402)。方法1400において、第1回転アーム及び第2回転アームを後退させることにより、マンドレルのキャビティ内に補強複合材を配置する(工程1404)。第1回転アーム及び第2回転アームを後退させることにより、マンドレルに長手エンドエフェクタが近づけられる。その後、方法1400は終了する。
【0102】
いくつかの例において、方法1400は、第1回転アーム及び第2回転アームが静止した状態で、キャビティに対して垂直に長手エンドエフェクタのコンポーネントを移動させることにより、当該キャビティに補強複合材を押し込む(工程1406)。キャビティに対して垂直に長手エンドエフェクタのコンポーネントを移動させることにより、長手エンドエフェクタによる圧力が補強複合材に加えられる。
【0103】
長手エンドエフェクタは、第1回転アーム及び第2回転アームから取り外すことが可能である。いくつかの例において、長手エンドエフェクタは、第1回転アーム及び第2回転アームが当該長手エンドエフェクタに接続された状態で、エンドエフェクタ取付領域で保持される。いくつかの例において、方法1400は、長手エンドエフェクタへ向かって第1回転アームを伸長させ(工程1408)、長手エンドエフェクタへ向かって第2回転アームを伸長させ(工程1410)、長手エンドエフェクタの第1取付ポイントに第1回転アームの第1コネクタを接続し(工程1412)、長手エンドエフェクタの第2取付ポイントに第2回転アームの第2コネクタを接続する(工程1414)。
【0104】
いくつかの例において、第1回転アーム及び第2回転アームは、製造環境内で再配置される。マンドレルを配置する前に、マンドレル移動レールから第1回転アーム及び第2回転アームを離して配置してもよい。
【0105】
いくつかの例において、方法1400は、マンドレルを支持する支持ツールに対して、第1回転アームを含む第1回転システムをドッキングする(工程1416)。これらの例において、方法1400は、マンドレルを支持する支持ツールに対して、第2回転アームを含む第2回転システムをドッキングする(工程1418)。支持ツールに対して第1回転システム及び第2回転システムをドッキングすることにより、位置決めステップの工程数を減らすことができる。支持ツールに対して第1回転システム及び第2回転システムをドッキングすることにより、マンドレルに対する第1回転システム及び第2回転システムの位置を知ることができる。
【0106】
いくつかの例において、方法1400は、補強材搭載領域に、補強複合材を収容した補強材トレイを配置する(工程1420)。補強材搭載領域は、長手エンドエフェクタが補強複合材に到達できるように配置される。いくつかの例において、方法1400は、長手エンドエフェクタの真空システムを介して真空流を加えることにより、補強材トレイから補強複合材を持ち上げる(工程1422)。真空システムからの真空流により、長手エンドエフェクタのコンポーネントに対して補強複合材を保持することができる。いくつかの例において、真空システムからの真空流により、複数の真空カップに対して補強複合材を保持することができる。長手エンドエフェクタを介して真空を印加することにより、真空流が停止するまで複数の真空カップに対して補強複合材を保持することができる。
【0107】
いくつかの例において、方法1400は、マンドレルを支持する支持ツールへ向かって、第1回転アームを保持する第1移動システムを含む第1回転システムを移動させ(工程1424)、支持ツールへ向かって、第2回転アームを保持する第2移動システムを含む第2回転システムを移動させ(工程1426)、支持ツールに対して第1回転システム及び第2回転システムを接続する(工程1428)。これらの例において、第1回転システム及び第2回転システムは、支持ツールに対して物理的に位置決めされている。
【0108】
いくつかの例において、方法1400は、エンドエフェクタ取付領域に長手エンドエフェクタを配置し(工程1430)、長手エンドエフェクタがエンドエフェクタ取付領域に配置された状態で、長手エンドエフェクタから第1回転アーム及び第2回転アームを切り離す(工程1432)。いくつかの例において、工程1430及び工程1432は、マンドレルのそれぞれのキャビティ内に各補強複合材が配置された後に実行される。
【0109】
いくつかの例において、方法1400は、長手エンドエフェクタから第1回転アームを切り離した後、マンドレルを支持する支持ツールから、第1回転アームを保持する第1移動システムを含む第1回転システムを移動させ(工程1434)、長手エンドエフェクタから第2回転アームを切り離した後、支持ツールから、第2回転アームを保持する第2移動システムを含む第2回転システムを移動させる(工程1436)。支持ツールから第1回転システム及び第2回転システムを離した後、製造環境において支持ツール及びマンドレルを移動させてもよい。
【0110】
いくつかの例において、方法1400は、キャビティ内に補強複合材を配置した後、第1回転アーム及び第2回転アームが長手エンドエフェクタに接続された状態で当該第1回転アーム及び当該第2回転アームを回転させることにより、補強材搭載領域へ向かって、且つ、マンドレルに対して、長手エンドエフェクタを移動させる(工程1438)。長手エンドエフェクタは、第1回転アーム及び第2回転アームを回転させることにより、補強複合材を繰り返し持ち上げて配置するために使用することができる。長手エンドエフェクタは、工程1438の後、次の補強複合材を持ち上げて配置してもよい。
【0111】
いくつかの例において、方法1400は、補強材搭載領域において第2補強材トレイから第2補強複合材を持ち上げて(工程1440)、第1回転アーム及び第2回転アームを後退させることにより、マンドレルの第2キャビティ内に第2補強複合材を配置する(工程1442)。
【0112】
さらに、本開示は、以下に列挙する付記に記載の例を含む。
【0113】
A1.第1取付ポイント(120)及び第2取付ポイント(122)を有する長手エンドエフェクタ(118)と、前記第1取付ポイント(120)に接続するように構成された第1コネクタ(126)を有する第1回転アーム(124)と、製造環境(100)において前記第1回転アーム(124)を移動させるように構成された第1移動システム(132)と、前記第2取付ポイント(122)に接続するように構成された第2コネクタ(130)を有する第2回転アーム(128)と、製造環境(100)において前記第2回転アーム(128)を移動させるように構成された第2移動システム(134)と、を含む、補強複合材配置システム(102)。
【0114】
A2.前記第1回転アーム(124)の回転ポイント(136)は、前記第1移動システム(132)に取り付けられており、前記第2回転アーム(128)の回転ポイント(138)は、前記第2移動システム(134)に取り付けられている、付記A1に記載の補強複合材配置システム(102)。
【0115】
A3.前記第1回転アーム(124)は、当該第1回転アーム(124)の前記回転ポイント(136)に対して伸縮可能であり、前記第2回転アーム(128)は、当該第2回転アーム(128)の前記回転ポイント(138)に対して伸縮可能である、付記A2に記載の補強複合材配置システム(102)。
【0116】
A4.前記長手エンドエフェクタ(118)は、当該長手エンドエフェクタ(118)の長さ方向(160)に沿って分散配置された複数の真空カップ(158)を含む、付記A1~A3のいずれか1つに記載の補強複合材配置システム(102)。
【0117】
A5.前記長手エンドエフェクタ(118)は、製造フロア(116)に対する前記複数の真空カップ(158)の配向を変更するように構成された所定数の移動システム(162)をさらに含む、付記A4に記載の補強複合材配置システム(102)。
【0118】
A6.前記長手エンドエフェクタ(118)は、補強複合材(166)に対して前記長手エンドエフェクタ(118)を配置するように構成された、所定数のセンサ(170)を有する配設システム(168)をさらに含む、付記A1~A5のいずれか1つに記載の補強複合材配置システム(102)。
【0119】
A7.前記所定数のセンサ(170)は、光学センサ(172)又はレーザセンサ(174)のうちの少なくとも一方を含む、付記A6に記載の補強複合材配置システム(102)。
【0120】
B1.第1回転システム(144)と、第2回転システム(146)と、長手エンドエフェクタ(118)とを含む補強複合材配置システム(102)であって、前記第1回転システム(124)は、第1移動システム(132)に取り付けられた第1回転アーム(124)を含むとともに、製造環境(100)において前記第1回転アームを再配置するように構成されており、前記第2回転システム(146)は、第2移動システム(134)に取り付けられた第2回転アーム(128)を含むとともに、製造環境(100)において前記第2回転アームを再配置するように構成されており、前記長手エンドエフェクタは、前記第1回転アーム(124)及び前記第2回転アーム(128)に接続されるように構成されている、補強複合材配置システム。
【0121】
B2.前記第1回転システム(144)及び前記第2回転システム(146)は、マンドレル(110)を支持するように構成された支持ツール(112)に対して位置決め及び接続される、付記B1に記載の補強複合材配置システム(102)。
【0122】
B3.前記第1移動システム(132)は、第1組の機械式位置決め部(148)を有し、当該機械式位置決め部は、マンドレル(110)を支持するように構成された支持ツール(112)の第1組のドッキングポイント(152)と接触するように構成されており、前記第2移動システム(134)は、前記支持ツール(112)の第2組のドッキングポイント(154)と接触するように構成された第2組の機械式位置決め部(150)を有する、付記B1又はB2に記載の補強複合材配置システム(102)。
【0123】
B4.前記長手エンドエフェクタ(118)は、所定数の移動システム(162)を含み、当該移動システムは、前記第1回転アーム(124)及び前記第2回転アーム(128)とは独立して前記長手エンドエフェクタ(118)を移動させるように構成されている、付記B1~B3のいずれか1つに記載の補強複合材配置システム(102)。
【0124】
C1.マンドレル(110)のキャビティ(164)に補強複合材(166)を配置する方法(1400)であって、第1回転アーム(124)及び第2回転アーム(128)が、前記補強複合材(166)を保持する長手エンドエフェクタ(118)に接続された状態で、当該第1回転アーム(124)及び当該第2回転アーム(128)を回転させることにより、前記マンドレル(110)に対して前記長手エンドエフェクタ(118)を移動させることと(1402)、前記第1回転アーム(124)及び前記第2回転アーム(128)を後退させることにより、前記マンドレル(110)の前記キャビティ(164)内に前記補強複合材(166)を配置することと(1404)、を含む、方法(1400)。
【0125】
C2.前記第1回転アーム(124)及び前記第2回転アーム(128)が静止した状態で、前記キャビティ(164)に対して垂直に前記長手エンドエフェクタ(118)のコンポーネントを移動させることによって、前記キャビティ(164)に前記補強複合材(166)を押し込むこと(1406)をさらに含む、付記C1に記載の方法(1400)。
【0126】
C3.前記長手エンドエフェクタ(118)へ向かって前記第1回転アーム(124)を伸長させることと(1408)、前記長手エンドエフェクタ(118)へ向かって前記第2回転アーム(128)を伸長させることと(1410)、前記長手エンドエフェクタ(118)の第1取付ポイント(120)に対して前記第1回転アーム(124)の第1コネクタ(126)を接続することと(1412)、前記長手エンドエフェクタ(118)の第2取付ポイント(122)に対して前記第2回転アーム(128)の第2コネクタ(130)を接続することと(1414)、をさらに含む、付記C1又はC2に記載の方法(1400)。
【0127】
C4.前記マンドレル(110)を支持する支持ツール(112)に第1回転システム(144)をドッキングすることと(1416)、前記マンドレル(110)を支持する支持ツール(112)に第2回転システム(146)をドッキングすることと(1418)、をさらに含み、前記第1回転システム(144)は、前記第1回転アーム(124)を含み、前記第2回転システム(146)は、前記第2回転アーム(128)を含む、付記C1~C3のいずれか1つに記載の方法(1400)。
【0128】
C5.補強材搭載領域(186)において、前記補強複合材(166)を収容した補強材トレイ(184)を配置することと(1420)、前記長手エンドエフェクタ(118)の真空システム(156)を介して真空流を加えることにより、前記補強材トレイ(184)から前記補強複合材(166)を持ち上げることと(1422)、をさらに含む、付記C1~C4のいずれか1つに記載の方法(1400)。
【0129】
C6.前記マンドレル(110)を支持する支持ツール(112)へ向かって、前記第1回転アーム(124)を保持する第1移動システム(132)を含む第1回転システム(144)を移動させることと(1424)、前記支持ツール(112)へ向かって、前記第2回転アーム(128)を保持する第2移動システム(134)を含む第2回転システム(146)を移動させることと(1426)、前記支持ツール(112)に前記第1回転システム(144)及び前記第2回転システム(146)を接続することと(1428)、をさらに含む、付記C1~C5のいずれか1つに記載の方法(1400)。
【0130】
C7.エンドエフェクタ取付領域(155)に前記長手エンドエフェクタ(118)を配置することと(1430)、前記長手エンドエフェクタ(118)が前記エンドエフェクタ取付領域(155)に配置された状態で、前記長手エンドエフェクタ(118)から前記第1回転アーム(124)及び前記第2回転アーム(128)を切り離すことと(1432)、をさらに含む、付記C1~C6のいずれか1つに記載の方法(1400)。
【0131】
C8.前記長手エンドエフェクタ(118)から前記第1回転アーム(124)を切り離した後、前記マンドレル(110)を支持する支持ツール(112)から、前記第1回転アーム(124)を保持する第1移動システム(132)を含む第1回転システム(144)を離すことと(1434)、前記長手エンドエフェクタ(118)から前記第2回転アーム(124)を切り離した後、前記支持ツール(112)から、前記第2回転アーム(128)を保持する第2移動システム(134)を含む第2回転システム(146)を離すことと(1436)、をさらに含む、付記C7に記載の方法(1400)。
【0132】
C9.前記キャビティ(164)内に前記補強複合材(166)を配置した後、前記第1回転アーム(124)及び前記第2回転アーム(128)が前記長手エンドエフェクタ(118)に接続された状態で、当該第1回転アーム(124)及び当該第2回転アーム(128)を回転させることにより、補強材搭載領域(185)へ向かって、且つ、前記マンドレル(110)に対して、前記長手エンドエフェクタ(118)を移動させることと(1438)、前記補強材搭載領域(186)において第2補強材トレイから第2補強複合材を持ち上げることと(1440)、前記回転アーム(124)及び前記第2回転アーム(128)を後退させることにより、前記マンドレル(110)の第2キャビティ内に前記第2補強複合材を配置することと(1442)、をさらに含む、付記C1~C8のいずれか1つに記載の方法(1400)。
【0133】
本明細書において、「少なくとも1つの」という語句が、要素の列挙と共に用いられる場合、列挙された要素のうちの1つ以上を様々な組み合わせで使用する場合もあるし、列挙された要素のうちの1つのみを必要とする場合もあることを意味する。すなわち、「少なくとも1つの」は、列挙された要素を任意の組み合わせで任意の数だけ使用してもよいが、列挙された要素の全てを必要としない場合もあることを意味する。要素は、特定の対象、物、又はカテゴリであってもよい。
【0134】
例えば、「要素A、要素B、及び要素Cのうちの少なくとも1つ」は、限定するものではないが、要素A;要素Aと要素B;又は要素Bを含みうる。また、この例では、要素Aと要素Bと要素C、又は要素Bと要素Cを含む場合もある。もちろん、これらの要素のあらゆる組み合わせが存在しうる。場合によっては、「少なくとも1つ」は、限定するものではないが、2個の要素Aと、1個の要素Bと、10個の要素C;4個の要素Bと7個の要素C;又は、他の適切な組み合わせであってもよい。
【0135】
図示された様々な実施形態のフローチャート及びブロック図は、例示的な実施形態における装置及び方法のいくつかの考えられる実施態様の構造、機能、及び動作を示すものである。この点では、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、及び/又は、動作若しくはステップを表す。
【0136】
例示的な実施形態のいくつかの代替の態様において、ブロックで述べられている1つ以上の機能は、図で述べられている順序とは異なる順序で実行してもよい。例えば、いくつかのケースにおいては、関連する機能に応じて、連続して示されている2つのブロックは実質的に同時に実行されてもよいし、逆の順序で実行されてもよい。また、フローチャート又はブロック図に示されたブロックに対して、さらに他のブロックを追加してもよい。いくつかのブロックは、任意であってもよい。例えば、
図14A及び14Bの工程1404~1442は任意であってもよい。
【0137】
本開示の例示的な実施形態は、
図15に示すように航空機の製造及び保守方法1500に関連させ、また、
図16に示すように航空機1600に関連させて説明することができる。まず、
図15を参照すると、例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守方法が示されている。生産開始前において、航空機の製造及び保守方法1500は、
図16に示す航空機1600の仕様決定及び設計1502と、材料調達1504とを含む。
【0138】
生産中には、航空機1600の部品及びサブアセンブリの製造1506、並びに、システムインテグレーション1508が行われる。その後、航空機1600は、認証及び納品1510の工程を経て、就航期間1512に入る。顧客による就航期間1512中は、航空機1600は、定例の整備及び保守1514に組み込まれる。これは、改良、再構成、改修、又は他の整備及び保守を含みうる。
【0139】
航空機の製造及び保守方法1500の各工程は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータによって実行又は実施することができる。これらの例において、オペレータは顧客であってもよい。なお、システムインテグレータは、限定するものではないが、航空機メーカ及び主要システム下請業者をいくつ含んでいてもよい。第三者は、限定するものではないが、売主、下請業者、及び供給業者をいくつ含んでいてもよい。オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス組織等であってもよい。
【0140】
次に
図16を参照すると、例示的な実施形態を実施可能な航空機が示されている。この例において、航空機1600は、
図15に示す航空機の製造及び保守方法1500によって生産され、複数のシステム1604及び内装1606を備えた機体1602を含みうる。システム1604の例としては、推進系1608、電気系1610、油圧系1612、及び環境系1614のうちの1つ以上が挙げられる。また、その他のシステムをいくつ含んでもよい。また、航空宇宙産業に用いた場合を例として示しているが、種々の例示的な実施形態を、例えば自動車産業等の他の産業に適用してもよい。
【0141】
本明細書において具現化される装置及び方法は、航空機の製造及び保守方法1500における少なくとも1つの段階において、採用することができる。1つ以上の例示的な実施形態は、
図15に示す部品及びサブアセンブリの製造1506、システムインテグレーション1508、又は整備及び保守1514のうちの少なくとも1つの工程において採用することができる。例えば、
図1に示す補強複合材配置システム102は、機体1602を形成するために部品及びサブアセンブリの製造1506において使用してもよい。一例として、方法1400は、機体1602を形成するために部品及びサブアセンブリの製造1506において使用してもよい。他の例において、補強複合材配置システム102は、整備及び保守1514で使用するためのコンポーネントを製造するために使用してもよい。いくつかの例において、方法1400は、内装1606の一部などの、航空機1600の一部を製造するために使用してもよい。
【0142】
例示的な実施形態によれば、補強複合材を持ち上げてマンドレルのキャビティ内に配置するように構成された補強複合材システムが提供される。また、例示的な実施形態によれば、半バレル型マンドレルの外面の任意の位置に長手複合材を配置することが可能な補強複合材システムが提供される。
【0143】
補強複合材配置システムは、長いビーム状エンドエフェクタを支持する2つの大型回転アームを有する。2つの回転アームは、胴体のハーフマンドレルの表面のあらゆる位置に到達できるように設計されている。回転アーム及びエンドエフェクタは、上記ハーフマンドレルに全てのストリンガを設置可能である。補強複合材配置システムは、複合材を配置するために今まで2つの従来型のガントリシステム及び/又はクレーンシステムを使用することが必要であった形状を有する胴体ハーフマンドレルに補強複合材を配置することが可能である。上述した例示的な実施形態により、配置システムの数を減らすことが可能である。補強複合材配置システムのコンポーネントは、地上のレール/軌条や移動AGVユニットに取り付けることが可能である。
【0144】
動作中、補強複合材配置システムに胴体ハーフマンドレルが搬送される。2つの回転アームを含む2つの回転システムが所定位置に移動される。ビーム状エンドエフェクタ、すなわち長手エンドエフェクタは、予備硬化された(precured)補強複合材を把持する。2つの回転アームは、所望のキャビティに対して所定位置まで回転する。回転アームは、マンドレルの所望のキャビティに補強複合材を押し込む。
【0145】
補強複合材配置システムは、ガントリや常設プラットフォームを使用せずに、半バレル型マンドレルの外面における全てのキャビティに到達することができる。補強複合材配置システムの片側に補強複合材を搬送することにより、作業空間(work envelope)を最小化するとともに、作業員及び装置を特定範囲に限定することができる。
【0146】
例示的な実施形態により、製造環境におけるガントリの使用頻度を減らすことができる。いくつかの例においては、ガントリシステム用のピラー及びレールを減らすことができる。製造環境においてガントリのピラー及びレールを減らすことにより、製造環境における移動経路を増やすことができる。また、製造環境においてガントリのピラー及びレールを減らすことにより、工場の流れ作業を改善することができる。
【0147】
例示的な実施形態により、補強材の設置処理のためのツールの初期費用を削減することができる。また、例示的な実施形態により、製造環境における土台や支持体の数を減らすことができる。さらに、例示的な実施形態により、マンドレルに対する位置決めの時間を削減することができる。また、例示的な実施形態により、完成までの部品移動を少なくすることができる。さらに、例示的な実施形態により、補強材の人手による取付作業を軽減することができる。いくつかの例においては、補強複合材配置システムのレイアウトにより、マンドレルを再加工したりラインから取り外したりする場合に、より迅速に対応することができる。
【0148】
様々な例示的な実施形態の説明は、例示及び説明のために提示したものであり、全てを網羅することや、開示した形態での実施に限定することを意図するものではない。多くの改変及び変形が当業者には明らかであろう。また、様々な例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態と比べて、互いに異なる特徴を有しうる。選択した実施形態は、実施形態の原理及び実際の用途を最も的確に説明するために、且つ、当業者が、想定した特定の用途に適した種々の改変を加えた様々な実施形態のための開示を理解できるようにするために、選択且つ記載したものである。