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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/241 20180101AFI20240116BHJP
   F21S 41/147 20180101ALI20240116BHJP
   F21S 41/24 20180101ALI20240116BHJP
   F21S 41/365 20180101ALI20240116BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20240116BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240116BHJP
   F21S 43/237 20180101ALI20240116BHJP
   F21S 43/245 20180101ALI20240116BHJP
   F21S 43/249 20180101ALI20240116BHJP
   F21S 43/31 20180101ALI20240116BHJP
   F21W 102/10 20180101ALN20240116BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20240116BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20240116BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20240116BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20240116BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20240116BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240116BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240116BHJP
【FI】
F21S43/241
F21S41/147
F21S41/24
F21S41/365
F21S41/19
F21S43/14
F21S43/237
F21S43/245
F21S43/249
F21S43/31
F21W102:10
F21W103:00
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:55
F21Y115:10
F21Y115:30
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020075340
(22)【出願日】2020-04-21
(65)【公開番号】P2021174602
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100011
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 省三
(72)【発明者】
【氏名】武智 大輔
(72)【発明者】
【氏名】堀内 愛
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-207476(JP,A)
【文献】特開2015-191707(JP,A)
【文献】実開平03-106605(JP,U)
【文献】特開2013-101815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/241
F21S 41/147
F21S 41/24
F21S 41/365
F21S 41/19
F21S 43/14
F21S 43/237
F21S 43/245
F21S 43/249
F21S 43/31
F21W 102/10
F21W 103/00
F21W 103/10
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 103/55
F21Y 115/10
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方に光を照射する車両用灯具であって、
車幅方向に延在し車両中心から車両側部へ向うに従って車両後方へ湾曲する線状発光部と、
前記線状発光部の車両前方側を覆う第1のインナレンズと、
車両後方側に設けられ前記線状発光部からの光を入射するためのレンズカット入射面、及び車両前方側に設けられ光を出射するためのレンズカット出射面を有し、前記線状発光部からの光をさらに車両中心側に屈折させて出射する第2のインナレンズと
を具備し、
前記第1のインナレンズには、正面視において前記線状発光部と重なる位置に、前記線状発光部から出射した光が透過するクリア部を備え、
前記第2のインナレンズは、前記線状発光部の延在方向の一部、かつ前記クリア部の下方または上方に位置して前記線状発光部の延在方向に延在しており、
前記第2のインナレンズの車両上下方向の幅は、車両の正面視において前記第1のインナレンズの上下方向幅に比較して小さく、
前記レンズカット出射面の出射基準線の傾きは、前記レンズカット入射面の入射基準線の傾きと異なり、
前記レンズカット入射面は、入射した光を狭角屈折するように形成された入射面を有するプリズムアレイで構成され、
前記レンズカット出射面は、出射した光を広角屈折するように形成された出射面を有するプリズムアレイで構成されている、
車両用灯具。
【請求項2】
前記第2のインナレンズは、正面視において前記線状発光部と部分的に重ならない位置に設けられ、前記第2のインナレンズの出射面車両前方へ突出している請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
車両後方に光を照射する車両用灯具であって、
車幅方向に延在し車両中心から車両側部へ向うに従って車両前方へ湾曲する線状発光部と、
前記線状発光部の車両後方側を覆う第1のインナレンズと、
車両前方側に設けられ前記線状発光部からの光を入射するためのレンズカット入射面、及び車両後方側に設けられ光を出射するためのレンズカット出射面を有し、前記線状発光部からの光をさらに車両中心側に屈折させて出射する第2のインナレンズと
を具備し、
前記第1のインナレンズには、正面視において前記線状発光部と重なる位置に、前記線状発光部から出射した光が透過するクリア部を備え、
前記第2のインナレンズは、前記線状発光部の延在方向の一部、かつ前記クリア部の下方または上方に位置して前記線状発光部の延在方向に延在しており、
前記第2のインナレンズの車両上下方向の幅は、車両の正面視において前記第1のインナレンズの上下方向幅に比較して小さく、
前記レンズカット出射面の出射基準線の傾きは、前記レンズカット入射面の入射基準線の傾きと異なり、
前記レンズカット入射面は、入射した光を狭角屈折するように形成された入射面を有するプリズムアレイで構成され、
前記レンズカット出射面は、出射した光を広角屈折するように形成された出射面を有するプリズムアレイで構成されている、
車両用灯具。
【請求項4】
前記第2のインナレンズは、正面視において前記線状発光部と部分的に重ならない位置に設けられ、前記第2のインナレンズの出射面車両後方へ突出している請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記レンズカット入射面及び前記レンズカット出射面は車両上下方向に沿った三角プリズムアレイによって構成される請求項1又は3に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記第2のインナレンズは前記レンズカット出射面に隣接した第1、第2の平面出射面を有する請求項1又は3に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記レンズカット入射面は車両上下方向で前記線状発光部から離れる方向に傾斜し、
前記レンズカット出射面は車両上下方向に平行である請求項1又は3に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記第2のインナレンズは前記第1のインナレンズと一体的に構成される請求項1又は3に記載の車両用灯具。
【請求項9】
前記線状発光部は導光棒及び該導光棒の少なくとも1つの端部に設けられた発光素子を具備する請求項1又は3に記載の車両用灯具。
【請求項10】
前記線状発光部は線状に配列された複数の発光素子を具備する請求項1又は3に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は線状発光部を有する車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具としてターンランプ、昼間走行ランプ(DRL)等においては、導光棒をリフレクタに取付ける構造を採用する。すなわち、車両前方に光を照射する車両用灯具は、車幅方向に延在する透明樹脂よりなる導光棒と、導光棒を支持するリフレクタと、導光棒の両端に設けられた白色発光ダイオード(LED)素子を有するLED基板と、LED素子からの光を導光棒を介して車両前方に出射するインナレンズとによって構成される。従来、インナレンズからの出射光の視認範囲を車両中央側に広げるために、インナレンズの導光棒(発光部)に対向する部分に略蒲鉾状、球面状又は非球面状のレンズカット面を設ける。このように、導光棒(発光部)とインナレンズのレンズカット面とを対向して設けると、車両中央側の光度が大きくなる(参照:特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-130264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来の車両用灯具においては、車両前方から見て導光棒(発光部)とインナレンズのレンズカット面とが重なっており、従って、インナレンズに設けられたレンズカット面は導光棒の大きさとほぼ同一となるので、デザイン性に影響してデザイン性が劣るという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するために、本発明に係る車両前方又は車両後方に光を照射する車両用灯具は、車幅方向に延在し車両中心から車両側部へ向うに従って車両後方又は車両前方へ湾曲する線状発光部と、線状発光部の車両前方側又は車両後方側を覆う第1のインナレンズと、車両後方側又は車両前方側に設けられ線状発光部からの光を入射するためのレンズカット入射面、及び車両前方側又は車両後方側に設けられ光を出射するためのレンズカット出射面を有し、線状発光部からの光をさらに車両中心側に屈折させて出射する第2のインナレンズとを具備し、第1のインナレンズには、正面視において線状発光部と重なる位置に、線状発光部から出射した光が透過するクリア部を備え、第2のインナレンズは、線状発光部の延在方向の一部、かつクリア部の下方または上方に位置して線状発光部の延在方向に延在しており、第2のインナレンズの車両上下方向の幅は、車両の正面視において第1のインナレンズの上下方向幅に比較して小さく、レンズカット出射面の出射基準線の傾きは、レンズカット入射面の入射基準線の傾きと異なり、レンズカット入射面は、入射した光を狭角屈折するように形成された入射面を有するプリズムアレイで構成され、レンズカット出射面は、出射した光を広角屈折するように形成された出射面を有するプリズムアレイで構成されているものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、インナレンズ全体において占める第2のインナレンズの割合は小さいので、デザイン性に影響がなく、従って、デザイン性の阻害は少ない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る車両用灯具の第1の実施の形態を示し、(A)は分解斜視図、(B)はインナレンズ拡大斜視図である。
図2図1の車両用灯具の組立部分斜視図である。
図3図2の第1、第2のインナレンズによる垂直断面における配光制御を説明するための図2のA-A線断面図である。
図4図2のB-B線に関する図であって、(A)はB-B線断面図、(B)は(A)のインナンレンズ拡大斜視図である。
図5図2の第2のインナレンズによる水平断面における配光制御を説明するための図であって、(A)は第2のインナレンズの入射基準線及び出射基準線を示す図、(B)は第2のインナレンズの出射面から出射光の照射角度を示す図である。
図6図2の導光棒からの光線追跡結果を説明するための図であって、(A)は導光棒から光線追跡結果を示し、(B)は車両用灯具の配光特性規格を示す。
図7図2の第2のインナンレンズのデザイン性を説明するための図である。
図8】本発明に係る車両用灯具の第2の実施の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は本発明に係る車両用灯具の第1の実施の形態を示し、(A)は分解斜視図、(B)はインナレンズ拡大斜視図である。
【0009】
図1の(A)において、車両の前部左側に設けられ、車幅方向に延在する車両用灯具は、ポリカーボネート樹脂等の透明樹脂よりなる導光棒1と、ポリカーボネート等の不透明樹脂にAl等を蒸着した鏡面を有するリフレクタ2と、ねじによってリフレクタ2の側方に固定された白色発光ダイオード(LED)素子を有するLED基板3-1、3-2と、導光棒1を介して得られるLED基板3―1、3-2からの光を車両前方に出射する第1のインナレンズ4、第2のインナレンズ5及びアウタレンズ6(図3参照)とによって構成される。尚、導光棒1及びLED基板3-1、3-2は線状発光部を構成する。また、図1の車両用灯具においては、灯具端T1と灯具端T2の間が実質的に有効な照明を行う。さらに、車両の前部右側に設けられる車両用灯具は図1の車両用灯具と左右対称である。さらにまた、LED基板3-1、3-2はいずれか一方でもよい。
【0010】
図1の(A)に示すように、導光棒1は車幅方向に延在し、車両中心(車両右方)から車両側方(車両左方)へ向うに従って車両後方へ湾曲(スラント)している。第1のインナレンズ4は導光棒1の車両前方側を覆う。第2のインナレンズ5は第1のインナレンズ4内の車両右側(車両中心側)寄りかつ第1のインナレンズ4の下側に延在する。
【0011】
図1の(B)に示すように、第2のインナレンズ5は、車両後方側つまり導光棒1側に内側レンズカット面5-1を有する。内側レンズカット面5-1は車両上下方向に沿った複数対の傾斜面よりなる三角プリズムアレイで構成され、各対の傾斜面の車両左方向に対向する1つが入射面5-1aとして作用する。また、第2のインナレンズ5は車両前方側つまりアウタレンズ6側に外側レンズカット面5-2を有する。外側レンズカット面5-2は車両上下方向に沿った複数対の傾斜面よりなる三角プリズムアレイで構成され、各対の傾斜面の車両左方向に対向する1つが出射面5-2aとして作用する。さらに、第2のインナレンズ5は外側レンズカット面5-2の両側に平面出射面5-3、5-4を有する。この場合、外側レンズカット面5-2及び平面出射面5-3、5-4は車両前方へ“へ”の字状に突出している。
【0012】
図2図1の車両用灯具の組立部分斜視図であり、図3図2の第1、第2のインナレンズによる垂直断面における配光制御を説明するためのA-A線断面図であり、図4図2のB-B線に関する図であって、(A)はB-B線断面図、(B)は(A)のインナンレンズ拡大斜視図である。図2図3図4において、6はアウタレンズ、7はハウジング(図示せず)に固定された仕切壁としてのエクステンション、8はハウジング、9はフロントグリルである。
【0013】
図3に示すごとく、第2のインナレンズ5の内側レンズカット面5-1の入射面5-1aは導光棒1から離れる方向に傾斜し、第2のインナレンズ5の外側レンズカット面5-2の出射面5-2aは垂直となっている、つまり上下方向に平行となっている。導光棒1から直接配光に寄与する光L1は第1のインナレンズ4の特にクリア部4aを透過し、導光棒1から車両中央寄り配光に寄与する光L2は傾斜入射面5-1a及び垂直出射面5-2aによりなる第2のインナレンズ5を透過する。この場合、図3図4の(A)に示すごとく、第2のインナレンズ5は第1のインナレンズ4の下部を車両前後方向に延伸させた構造となっており、従って、第2のインナレンズ5の車両上下方向の幅は小さい。この結果、車両の正面視では、第2のインナレンズ5の上下方向幅は第1のインナレンズ4の上下方向幅に比較して小さく、たとえばインナレンズ4、5の全体の上下方向幅の1/3以下である。従って、第2のインナレンズ5によるデザイン性の阻害は少ない。
【0014】
図4の(B)に示すごとく、第2のインナレンズ5において、入射面の内側レンズカット面5-1は入射した光を狭角屈折するように形成された入射面5-1aを有し、出射面の外側レンズカット面5-2は出射した光を広角屈折するように形成された出射面5-2aを有する。この結果、導光棒1から内側レンズカット面5-1に入射して外側レンズカット面5-2から出射する光の照射角度θ1を45°とすることができる。他方、導光棒1から内側レンズカット面5-1に入射して平面出射面5-3、5-4から出射する光の照射角度θ2、θ3は30°以上45°未満つまり、30°≦θ2(θ3)<45°となっている。
【0015】
次に、図5を参照して第2のインナレンズ5による水平断面における配光制御を詳細に説明する。
【0016】
図5の(A)に示すごとく、外側レンズカット面5-2の出射基準線OL1の傾きは内側レンズカット面5-1の入射基準線ILの傾きより小さい。従って、図5の(B)に示すごとく、外側レンズカット面5-2の出射面5-2aの角度は内側レンズカット面5-1の入射面5-1aの角度に比べて小さく設定されている。この結果、外側レンズカット面5-2から出射された光の照射角度は、導光棒1から出射された光の出射角度より大きくなり、外側レンズカット面5-2の照射角度θ1は視認角を拡げるのに必要なたとえば45°とすることができる。
【0017】
図5の(A)に示すごとく、平面出射面5-3の出射基準線OL2の傾きは内側レンズカット面5-1の入射基準線ILの傾きより大きい。従って、図5の(B)に示すごとく、平面出射面5-3の角度は内側レンズカット面5-1の入射面5-1aの角度に比べて大きい。従って、平面出射面5-3の照射角度θ2は、導光棒1から出射された光の出射角度たとえば30°と外側レンズカット面5-2の出射角度たとえば45°との間、つまり、30°≦θ2<45°とすることができる。このように、平面出射面5-3の存在により光度分布の均一化を図ることができる。
【0018】
図5の(A)に示すように、平面出射面5-4の出射基準線OL3の傾きは内側レンズカット面5-1の入射基準線ILの傾きより小さくかつ平面出射面5-3の出射基準線OL2の傾きより小さい。この場合も、図5の(B)に示すごとく、平面出射面5-4の角度は内側レンズカット面5-1の入射面5-1aの角度に比べて大きい。この結果、平面出射面5-4の照射角度θ3は導光棒1から出射された光の出射角度たとえば30°と平面出射面5-3の出射角度θ2との間、つまり、30°<θ3<θ2とすることができる。このように、平面出射面5-4の存在により外側
レンズカット面5-2からの出射光が灯具端T1及びフロントグリル9に当たるのを防ぎ、光取り効率を向上させることができる。
【0019】
図6図2の導光棒1から光線追跡結果を説明するための図であって、(A)は導光棒1からの光線追跡結果を示し、(B)は車両灯具の配光特性規格を示す。
【0020】
図6の(B)の車両外側の80°配光特性は、図6の(A)に示すように、導光棒1の車両中心(車両右方)から車両外側(車両左方)へ向かうに従って湾曲(スラント)していることによって実現できる。他方、図6の(B)の車両内側の45°配光特性は、本発明に係る第2のインナレンズ5によって実現できる。
【0021】
図7図2の第2のインナレンズのデザイン性を説明するための断面図である。
【0022】
図7に示すように、正面視において、導光棒1の導光棒幅W1はレンズカットが施された第2のインナレンズ5のレンズカット幅W2に比較して大きい。また、第2のインナレンズ5は導光棒1の導光棒幅W1に正面視で重ならないように、第1インナレンズの上又は下に設けられる。たとえば、比W2/(W1+W2)は1/3程度である。従って、第2のインナレンズ5は車両用灯具のデザイン性に影響が少なく、デザイン性が劣ることにはならない。
【0023】
図8は本発明に係る車両用灯具の第2の実施の形態を示す断面図である。
【0024】
図8においては、図1の導光棒1及びLED基板3-1、3-2の代りに、線状発光部として複数のLED素子3aを線状に配置したLED基板3を設ける。尚、リフレクタ2’はLED基板3からの光が第1のインナレンズ4及び第2のインナレンズ5に直接照射しないようにするためのもので、遮光部として作用する。
【0025】
図8においても、図1図5におけるインナレンズによる垂直断面及び水平断面における配光制御が行われる。
【0026】
上述の実施の形態においては、第1のインナレンズ4の下方に第2のインナレンズ5を設けているが、第1のインナレンズ4の上方に第2のインナレンズ5を設けることもできる。たとえば、図3の第1のインナレンズ4のクリア部4aの上部に設ける。
【0027】
また、上述の実施の形態において、第1のインナレンズ4及び第2のインナレンズ5は、別個に形成して接着剤で合体してもよく、第1のインナレンズ4の一部に板厚よりも突出する突出部を形成し、この突出部の先端に内側レンズカット面又は外側レンズカット面を一体成形してもよい。
【0028】
さらに、上述の実施の形態では、本発明に係る車両用灯具は車両前部に光を照射するが、本発明に係る車両用灯具は車両後部に光を照射することもできる。この場合には、線状発光部は車両前方へ湾曲し、第1のインナレンズは線状発光部の車両後方側を覆い、第2のインナレンズの入射面は車両前方側からの光を入射し、第2のインナレンズの出射面は車両後方側へ光を出射する。
【0029】
さらにまた、発光素子としてLED素子を用いたが、他の発光素子たとえばレーザダイオード(LD)素子を用いてもよい。
【0030】
さらに、本発明は上述の実施の形態の自明の範囲内のいかなる変更にも適用し得る。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、線状発光部を有する種々の車両用灯具たとえばフロントランプ、リアランプにおける前照灯、車幅灯、ターンランプ、DRL、ストップランプ、テールランプ等の車両用灯具に利用できる。また、本発明は車両用以外でも線状発光部を有する一般用途の照明にも利用できる。
【符号の説明】
【0032】
1:導光棒
2:リフレクタ
3-1、3-2、3:LED基板
4:第1のインナレンズ
5:第2のインナレンズ
5-1:内側レンズカット面
5-1a:反射面
5-2:外側レンズカット面
5-2a:反射面
5-3、5-4:平面出射面
6:アウタレンズ
7:エクステンション
8:ハウジング
9:フロントグリル
T1、T2:灯具端
W1:導光棒幅
W2:第2のインナレンズ幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8