(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】動画再生装置および動画再生方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/93 20060101AFI20240116BHJP
H04N 21/433 20110101ALI20240116BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20240116BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20240116BHJP
【FI】
H04N5/93
H04N21/433
H04N21/431
G06F3/04842
(21)【出願番号】P 2020086921
(22)【出願日】2020-05-18
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】518288420
【氏名又は名称】RUN.EDGE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小口 淳
(72)【発明者】
【氏名】阪口 学
(72)【発明者】
【氏名】川上 裕生
(72)【発明者】
【氏名】桑原 荘馬
(72)【発明者】
【氏名】立岩 美紗子
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-200956(JP,A)
【文献】特開2013-214192(JP,A)
【文献】特開2012-252582(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0349930(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/91 - 5/956
H04N 21/00 - 21/858
G06F 3/04842
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1動画データ、または、前記第1動画データの一部である第2動画データを選択的に表示手段に再生可能な動画再生手段と、
前記第1動画データまたは前記第2動画データの再生をユーザが選択するための再生動画選択手段と、
前記第1動画データの再生が選択された場合に、前記第1動画データの再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第1操作部を前記表示手段に表示させ、前記第2動画データの再生が選択された場合に、前記第2動画データの再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第2操作部を前記表示手段に表示させる、操作部表示制御手段と、を備え、
前記第2操作部の再生開始時点と再生終了時点との間の第2時間が、前記第1操作部の再生開始時点と再生終了時点との間の第1時間よりも短く、前記第1操作部において、前記第1操作部の基準となる時点から、前記第1動画データの再生位置の時点までの物理的な第1長さと、前記第2操作部において、前記第2操作部の基準となる時点から、前記第2動画データの再生位置の時点までの物理的な第2長さが同じ場合に、前記物理的な第2長さで指定された時間の長さとなる第2操作単位を、前記物理的な第1長さで指定された時間の長さとなる第1操作単位よりも短くして、再生位置を細かく指定できるように構成される、動画再生装置。
【請求項2】
前記第2動画データの再生をユーザが選択するための再生動画選択手段として、サムネイルを前記表示手段に表示させる、請求項1に記載の動画再生装置。
【請求項3】
第1動画データ、または、前記第1動画データの一部である第2動画データの再生をユーザが選択するための再生動画選択手段を提供し、表示手段に再生させる動画データの選択を受け付ける再生動画受付ステップと、
前記第1動画データの再生が選択された場合に、前記第1動画データの再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第1操作部を前記表示手段に表示させ、前記第2動画データの再生が選択された場合に、前記第2動画データの再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第2操作部を前記表示手段に表示させる、操作部表示ステップと、を含み、
前記第2操作部の再生開始時点と再生終了時点との間の第2時間が、前記第1操作部の再生開始時点と再生終了時点との間の第1時間よりも短く、前記第1操作部において、前記第1操作部の基準となる時点から、前記第1動画データの再生位置の時点までの物理的な第1長さと、前記第2操作部において、前記第2操作部の基準となる時点から、前記第2動画データの再生位置の時点までの物理的な第2長さが同じ場合に、前記物理的な第2長さで指定された時間の長さとなる第2操作単位を、前記物理的な第1長さで指定された時間の長さとなる第1操作単位よりも短くして、再生位置を細かく指定できるように構成される、動画再生方法。
【請求項4】
前記第2動画データの再生をユーザが選択するための再生動画選択手段として、サムネイルを前記表示手段に表示させる、請求項3に記載の動画再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが見たいシーンを容易に検索して再生できる動画再生装置および動画再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、細かな再生位置の調整を容易に行う方法として、例えば特許文献1には、シークバーを長押しすることで、“秒”設定用、“分”設定用、“時”設定用の調整サークル(円形形状のGUI)が表示され、この調整サークルが用いられることで、シークバーが用いられるよりも細かな再生位置の調整が容易に行えることが開示されている。
【0003】
細かな再生位置の調整を容易に行う別な方法として、例えば特許文献2には、シークバーモードで動画の早送り再生処理または早戻し再生処理を行うもので、シークバーを備え、ユーザがシークバーの上にカーソルを移動させてマウスをクリックすると、シークバーの画面上方に拡大操作領域が表示され、ユーザが再生ポインタをマウスでドラッグ等して移動させることにより、シークバーにおける再生ポインタを移動させる場合と比べて、より細かく、動画の再生位置を変更し、任意の位置から再生を開始できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2016/035369号
【文献】特開2014-107661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、動画を再生中にシークバー上が長押しされたと判定されたときに調整サークル表示処理が行われるので、まずは再生中の動画の中で見たいシーンに対応する再生位置を、シークバーを使用して見つけなければならない。このときシークバーは再生中の全体動画に対応するシークバーであるので、細かな再生位置を見つけることが難しく、すなわち全体動画の中から所望の動画の再生位置を容易に見つけることができない問題がある。
【0006】
特許文献2では、ユーザが操作領域の上にカーソルを移動させてマウスをクリックすると、操作領域の画面上方に拡大操作領域を表示するものであるので、まずは再生中の動画の中で、見たいシーンに対応する再生位置を、操作領域としてのシークバーを使用して見つけなければならない。このときシークバーは再生中の全体動画に対応するシークバーであるので、細かな再生位置を見つけることが難しく、すなわち全体動画の中から所望の動画の再生位置を容易に見つけることができない問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザが見たいシーンの検索と細かな再生位置の調整とを容易に行うことができる動画再生装置および動画再生方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はかかる課題を解決するため、第1動画データ、または、前記第1動画データの一部である第2動画データを選択的に表示手段に再生可能な動画再生手段と、前記第1動画データまたは前記第2動画データの再生をユーザが選択するための再生動画選択手段と、前記第1動画データの再生が選択された場合に、前記第1動画データの再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第1操作部を前記表示手段に表示させ、前記第2動画データの再生が選択された場合に、前記第2動画データの再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第2操作部を前記表示手段に表示させる、操作部表示制御手段と、を備え、前記第2操作部の再生開始時点と再生終了時点との間の第2時間が、前記第1操作部の再生開始時点と再生終了時点との間の第1時間よりも短く、前記第1操作部において、前記第1操作部の基準となる時点から、前記第1動画データの再生位置の時点までの物理的な第1長さと、前記第2操作部において、前記第2操作部の基準となる時点から、前記第2動画データの再生位置の時点までの物理的な第2長さが同じ場合に、前記物理的な第2長さで指定された時間の長さとなる第2操作単位を、前記物理的な第1長さで指定された時間の長さとなる第1操作単位よりも短くして、再生位置を細かく指定できるように構成される、動画再生装置を提供する。
【0009】
前記動画再生装置では、前記第2動画データの再生をユーザが選択するための再生動画選択手段として、サムネイルを前記表示手段に表示させることができる。
【0010】
また、本発明は、第1動画データ、または、前記第1動画データの一部である第2動画データの再生をユーザが選択するための再生動画選択手段を提供し、表示手段に再生させる動画データの選択を受け付ける再生動画受付ステップと、前記第1動画データの再生が選択された場合に、前記第1動画データの再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第1操作部を前記表示手段に表示させ、前記第2動画データの再生が選択された場合に、前記第2動画データの再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第2操作部を前記表示手段に表示させる、操作部表示ステップと、を含み、前記第2操作部の再生開始時点と再生終了時点との間の第2時間が、前記第1操作部の再生開始時点と再生終了時点との間の第1時間よりも短く、前記第1操作部において、前記第1操作部の基準となる時点から、前記第1動画データの再生位置の時点までの物理的な第1長さと、前記第2操作部において、前記第2操作部の基準となる時点から、前記第2動画データの再生位置の時点までの物理的な第2長さが同じ場合に、前記物理的な第2長さで指定された時間の長さとなる第2操作単位を、前記物理的な第1長さで指定された時間の長さとなる第1操作単位よりも短くして、再生位置を細かく指定できるように構成される、動画再生方法を提供する。
【0011】
前記動画再生方法では、前記第2動画データの再生をユーザが選択するための再生動画選択手段として、サムネイルを前記表示手段に表示させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の動画再生装置および動画再生方法によれば、ユーザが見たいシーンの検索と細かな再生位置の調整とを容易に行うことができ、指定された所定の再生位置から動画を再生させることで、ユーザは見たいシーンからシームレスに動画を視聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の動画再生装置を含む動画再生システムの全体構成の好適な一実施形態を示すブロック図である。
【
図2】本発明の動画再生装置が表示手段に表示させる表示画面において、全体動画(第1動画データ)が再生されている様子を示す好適な一実施形態を示す概略図である。
【
図3】本発明の動画再生装置が表示手段に表示させる表示画面において、全体動画の一部の部分動画(第2動画データ)が再生されている様子を示す好適な一実施形態を示す概略図である。
【
図4】本発明の動画再生方法において、処理の流れの好適な一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の動画再生装置および動画再生方法の好ましい実施形態について説明する。
【0015】
図1は本実施形態の動画再生装置2を含む動画再生システム1の全体構成を示すブロック図である。
【0016】
本実施形態の動画再生システム1を実現するための構成として、動画再生装置2、サーバ3および通信網4が含まれる。図中、動画再生装置2は1つであるが、複数の動画再生装置2を含むこともできる。動画再生システム1は、サーバ3上の動画データ321を例えば動画再生装置2でストリーミング再生する場合の構成である。動画再生装置2は、動画再生装置記憶手段22に記憶される再生動画データ222を再生させてもよいし、DVD等の記録媒体(図示せず)に記録された動画データを再生させてもよい。
【0017】
動画再生装置2は、本実施形態では、主要な構成要素として、制御手段21と、動画再生記憶装置記憶手段22と、入力手段23と、通信手段24と、表示手段25とを備える。制御手段21は、具体的には後述する方法で、サーバ3のサーバ記憶手段32に記憶された動画データ321や、動画再生装置2の動画再生装置記憶手段22に記憶された再生動画データ222を再生させるための各手段を含む。尚、表示手段25は、動画再生装置2の外部に設けられてもよい。
【0018】
動画再生装置記憶手段22は、例えばインストールにより記憶されるプログラム221を含む。動画再生装置記憶手段22はまた、サーバ記憶手段32に記憶された動画データ321をダウンロードしたり、動画再生装置記憶装置2のインターフェース(図示せず)を介して取り込まれた再生動画データ222を記憶したりする。
【0019】
制御手段21は、動画再生手段211と、再生動画選択手段212と、操作部表示制御手段213とを含む。制御手段21は、動画再生装置記憶手段22からプログラム221を読み取り、プログラム221は、コンピュータである制御手段21に、動画再生手段211と、再生動画選択手段212と、操作部表示制御手段213とを実行させる。
【0020】
入力手段23は、ユーザからの再生動画選択手段212としての一手段であるサムネイル55(
図2を参照)による入力を受け付けるためのものであり、例えばサムネイル55がユーザにより押されたことを制御手段21に伝達する。入力手段23は、例えばタッチパネル画面に表示されたサムネイル55と連携して、ユーザによりタッチパネル画面をタップする等の操作が行われると、制御手段21がプログラム221を読み取ることにより、その操作に対応する機能を制御手段21に実行させる入力指示を行う。例えば
図2において、ユーザが表示手段25の表示画面51に表示された複数のサムネイル55(55A,55B,55C,55D,…)のうち、一つのサムネイル55Aを押した場合、入力手段23によりサムネイル55Aが押されたことが制御手段21に伝達され、制御手段21は、プログラム221の指令により、サムネイル55Aが選択されたことを動画再生手段211に認識させる。
【0021】
制御手段21は、通信手段24を制御することにより、通信網4を介してサーバ3との通信を可能にする。
【0022】
制御手段21は、表示手段25を制御することにより、表示手段25の表示画面51(
図2および
図3を参照)に、プログラム221で生成されたアプリ画面やソフトウェア画面等を表示させる。プログラム221の指示により、表示画面51には、動画データ321または再生動画データ222を再生した動画再生画面52や、再生位置を調整する第1操作部53および第2操作部63、全体動画(第1動画データ)56の一部である部分動画(第2動画データ)66のサムネイル55等が表示される。表示手段25および入力手段23は、前述のタッチパネル画面を構成しており、表示手段25の表示画面51上に透明電極による入力手段23が配設される。タッチパネル画面では、表示手段25に表示されたサムネイル55等の上で入力手段23をタッチ操作すると、それに応じた操作信号が入力手段23から制御手段21に送出される構成となっている。尚、動画データ321および再生動画データ222には、第1動画データ56および第2動画データ66が含まれる。
【0023】
制御手段21に含まれる動画再生手段211は、第1動画データ56、または、第1動画データ56の一部である第2動画データ66を選択的に表示手段25に再生させることができる。例えば、第1動画データ56が90分のサッカーの一試合分の動画であり、第2動画データ66が第1動画データ56を90秒毎に分割した複数の動画とすることができるが、これに限定されない。第2動画データ66の再生は例えば、
図2の表示画面51中、左側に、上から再生時間順に配置されたサムネイル55A,55B,55C,55D,…のいずれかをユーザが押すことで、動画再生手段221が各サムネイル55A,55B,55C,55D,…に対応する第2動画データ66を動画再生画面52に再生させるように構成することができる。
【0024】
制御手段21に含まれる再生動画選択手段212は、第1動画データ5または第2動画データ66の再生をユーザが選択するためのものである。第1動画データ56の再生をユーザに選択させる手段の一例として、
図2に示す全体再生ボタン54を表示画面51に表示させることができる。ユーザが全体再生ボタン54を押したことが入力手段23から制御手段21に伝達されると、第2動画データ66の再生中であっても、動画再生手段221が第1動画データ56を動画再生画面52に再生させる。この場合、再生中の第2動画データ66の再生位置から第1動画データ56を再生させることで、ユーザはシームレスに動画を視聴することができる。第2動画データ66の再生をユーザに選択させる手段の一例として、上述のサムネイル55を表示手段25の表示画面51に表示させることができる。
【0025】
制御手段21に含まれる操作部表示制御手段213は、再生動画選択手段212により第1動画データ56の再生が選択された場合に、第1動画データ56の再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第1操作部53を表示手段25の表示画面51に表示させ、再生動画選択手段212により第2動画データ66の再生が選択された場合に、第2動画データ66の再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第2操作部63を表示手段25の表示画面51に表示させることができる。第1操作部53および第2操作部63の構成および機能については後述する。
【0026】
動画再生装置2は、通信手段24を備え、プログラム221の実行によりアプリやソフトウェアを起動可能なデバイスであり、例えば、スマートフォンやタブレット端末、モバイルコンピュータ等の携帯型情報端末装置を使用することができ、またデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等を使用することもできる。
【0027】
サーバ3は、動画再生装置2が動画をストリーミング再生する際の構成要素であり、本実施形態では、主要な構成要素として、制御手段31と、サーバ記憶手段32と、通信手段33とを備える。制御手段31は、サーバ記憶手段32に記憶される動画データ321を動画再生装置2からの要求により、その要求を受けた動画再生装置2に配信する動画配信手段311を含む。制御手段31は、通信手段33を制御することにより、通信網4を介して動画再生装置2との通信を可能にする。通信手段33は、本実施形態では主に、動画再生装置2からの動画配信の要求を受信したり、動画データ321を動画再生装置2に送信したりする目的で使用される。
【0028】
サーバ3のハードウェア構成は、いわゆる一般的なものであって、コンピュータである制御手段31が中央演算処理装置(CPU)を備え、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等のサーバ記憶手段32に記憶されたプログラム(図示せず)を実行する。プログラムは、コンピュータである制御手段31に、動画配信手段311を実行させる。
【0029】
通信網4はインターネット等の通信インフラである。
【0030】
本実施形態の動画再生装置2の動画再生の構成および機能について、
図2および
図3を参照しながら説明する。
【0031】
図2は、本発明の動画再生装置2が表示手段25に表示させる表示画面51において、全体動画(第1動画データ)56が再生されている様子を示す好適な一実施形態を示す概略図である。
図3は、本発明の動画再生装置2が表示手段25に表示させる表示画面51において、全体動画の一部の部分動画(第2動画データ)66が再生されている様子を示す好適な一実施形態を示す概略図である。
【0032】
図2および
図3に示す表示画面51には、第1動画データ56および第2動画データ66が再生表示される動画再生画面52と、第1動画データ56の再生を選択するための全体再生ボタン54と、第2動画データ66の再生を選択するための複数のサムネイル55(55A,55B,55C,55D,55E,55F,55G,55H,…)とが表示される。
【0033】
図2の動画再生画面52には、例えば全体の長さが90分の第1動画データ56が再生表示されている。動画再生画面52の左側には、第2動画データ66のサムネイル55A,55B,55C,55D,…が、上から再生順に配置されている。第2動画データ66は第1動画データ56を分割したものであり、例えば全体の長さが90秒とすることができる。
【0034】
図2では、サムネイル55Bが太枠で囲まれており、サムネイル55Bに対応する時間帯の動画が動画再生画面52に再生されていることを示している。ユーザがサムネイル55Bを押すことでサムネイル55Bに対応する第2動画データ66が動画再生画面52に再生されるが、ユーザが現在再生されている第1動画データ56の近辺のより細かな再生位置の調整を行いたい場合に、現在再生中の動画に対応するサムネイル55Bを、他のサムネイル55A,55C,55D,…よりも太枠に表示することで、サムネイル55Bを強調表示し、現在再生されている第1動画データ56のシーンから第2動画データ66への切り替えを容易に行うことができる。サムネイル55は、静止画であってもよいし、どのようなシーンの動画か分かりやすいようにするために、少なくとも数フレームを表示する動画であってもよい。また、現在再生中の動画に対応するサムネイル55をユーザに視認させるために、再生動画選択手段212が太枠以外の別な協調表示を表示手段25に行わせてもよい。
【0035】
サムネイル55がユーザに押された場合、第2動画データ66は、第2動画データ66の最初の位置から再生を開始されてもよいし、再生中の第1動画データ56の再生位置に対応する第2動画データ66の再生位置から再生を開始されてもよい。後者の場合、ユーザはシームレスに動画を確認することができるので、所望のシーンを探しやすくなる。
【0036】
図2において、動画再生画面52の下方に、第1動画データ56の再生が選択された場合に、第1動画データ56の再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第1操作部53が表示されている。第1操作部53はいわゆるシークバーであり、本実施形態では横長の棒状の形状を有する。第1操作部53の左端57は第1動画データ56の最初のフレームの先頭であり、第1操作部53の右端58は第1動画データ56の最後のフレームの終端である。
図2では、第1操作部53の左端57が第1動画データ56の0分の位置であり、第1操作部53の右端58が第1動画データ56の90分の位置である。
【0037】
符号59はスライダであり、スライダ59の位置は第1動画データ56の再生位置を示している。第1操作部53の左端57からスライダ59までの間と、スライダ59から第1操作部53の右端58までの間とで、第1操作部53の色を異なるようにすることで、ユーザが再生位置を認識しやすいようにすることができる。ユーザは、第1操作部53の任意の位置をタッチしたり、スライダ59を第1操作部53の任意の位置に移動させたりすることで、これを入力手段23からの操作信号により制御手段21で受け付けて、第1動画データ56の再生位置を調整することができる。
【0038】
図3では、ユーザがサムネイル55Gを押すことで、サムネイル55Gが太枠表示され、サムネイル55Gに対応する第2動画データ66が動画再生画面52に再生表示されている。当該太枠表示は強調表示であり、強調の方法はこれに限られない。
【0039】
図3において、動画再生画面52の下方に、第2動画データ66の再生が選択された場合に、第2動画データ66の再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第2操作部63が表示されている。第2操作部63は第1操作部53と同様の構成のいわゆるシークバーであり、本実施形態では横長の棒状の形状を有する。第2操作部63の左端67は第2動画データ66の最初のフレームの先頭であり、第2操作部63の右端68は第2動画データ66の最後のフレームの終端である。
図3では、第2操作部63の左端67が第2動画データ66の0秒の位置であり、同時に第1動画データ56の30分00秒の位置である。そして、第2操作部63の右端68が第2動画データ66の90秒の位置であり、同時に第1動画データ56の31分30秒の位置である。
【0040】
符号69はスライダであり、スライダ69の位置は第2動画データ66の再生位置を示している。第2操作部63の左端67からスライダ69までの間と、スライダ69から第1操作部63の右端68までの間とで、第2操作部63の色を異なるようにすることで、ユーザが再生位置を認識しやすいようにすることができる。ユーザは、第2操作部63の任意の位置をタッチしたり、スライダ69を第2操作部63の任意の位置に移動させたりすることで、これを入力手段23からの操作信号により制御手段21で受け付けて、第2動画データ66の再生位置を調整することができる。
【0041】
操作部表示制御手段213により、表示手段25の表示画面51で実現できる構成として、前記第2操作部63の再生開始時点と再生終了時点との間の第2時間は、第1操作部53の再生開始時点と再生終了時点との間の第1時間よりも短い。本実施形態では、第1時間は90分であり、第2時間は90秒である。そして、第2操作部63は第1操作部53よりも操作単位を短くして、つまり第1操作部53において、第1操作部53の基準となる例えば再生開始時点から、第1動画データ56の再生位置の時点までの物理的な第1長さと、第2操作部63において、第2操作部63の基準となる例えば再生開始時点から、第2操作部63への操作により指定される第2動画データ66の再生位置の時点までの物理的な第2長さが同じ場合に、第2操作部63の物理的な第2長さで指定された時間の長さとなる第2操作単位を、第1操作部53の物理的な第1長さで指定された時間の長さとなる第1操作単位よりも短くして、再生位置を細かく指定できるように構成されることができる。この場合、第2操作部63への操作により第2動画データ66の再生位置を調整できる最小の時間単位は、第1操作部53への操作により第1動画データ56の再生位置を調整できる最小の時間単位よりも短くなる。
【0042】
ここで操作単位とは、所定のシークバーの物理的な長さにおいて、指定される時間の長さである。例えば本実施形態では、第1操作部53の再生開始時点を示す左端57から、第1操作部53の全体の物理的な長さの1/10の箇所に、第1動画データ56の再生位置の時点を示すスライダ59がある場合、第1操作部53の左端57から第1操作部53の全体の物理的な長さの1/10の箇所までの第1長さで指定される時間の長さは9分である。すなわち、第1操作部53の全体の物理的な長さに対して、1/10の第1長さで指定された時間の長さ当たりの第1操作単位は、9分である。
【0043】
一方、第2操作部63の再生開始時点を示す左端67から、第2操作部63の全体の物理的な長さの1/10の箇所に、第2動画データ66の再生位置の時点を示すスライダ69がある場合、第2操作部63の左端67から第2操作部63の全体の物理的な長さの1/10の箇所までの第2長さで指定される時間の長さは9秒である。すなわち、第2操作部63の全体の物理的な長さに対して、1/10の第2長さで指定された時間の長さ当たりの第2操作単位は、9秒である。
【0044】
したがって、第1操作部53による物理的な第1長さと、第2操作部63による物理的な第2長さが同じであれば、同じ物理的な長さで指定される時間の長さとしての操作単位は、第2操作部63による第2操作単位よりも第1操作部53による第1操作単位の方が短く、ユーザはより短い時間間隔の位置を第2操作部63で操作することができ、再生位置を細かく指定することができるようになる。
【0045】
第2動画データ66の再生中に、第2操作部63の例えば下方に配置される全体再生ボタン54をユーザが押すと、動画再生手段211は、第2動画データ66の再生位置に対応する第1動画データ56の位置から、第1動画データ56を表示手段25に再生させる。こうすることで、ユーザはシームレスに動画を視聴することができる。第2動画データ66が最後のフレームまで再生終了した場合には、第2動画データ66の再生終了した再生位置に対応する第1動画データ56の位置から、第1動画データ56を表示手段25に再生させるようにすることができる。或いは、第2動画データ66が最後のフレームまで再生終了した後に続けて次の第2動画データ66を連続して再生させるようにしてもよい。
【0046】
本実施形態の動画再生装置2が実行する動画再生方法の流れについて、
図4の本発明の動画再生方法の好適な一実施形態を示すフローチャートを用いて説明する。
【0047】
図4を参照すると、最初に、動画再生装置2の制御手段21が入力手段23からの操作信号を受けて表示手段25を制御し、ユーザに表示手段25に再生させる動画データを選択させる(ステップS1)。再生動画選択手段213は、表示手段25に再生させる動画データの選択を受け付ける(ステップS2)。動画再生手段211は、選択された第1動画データ56または第2動画データ66を表示手段25に再生させる。操作部表示制御手段213は、選択された第1動画データ56または第2動画データ66に対応して第1操作部53または第2操作部63を表示手段25に表示させる(ステップS3)。選択された第1動画データ56または第2動画データ66の最初の再生開始位置は、切り替え前の動画の再生位置からシームレスに再生されるように決定されることができる。動画再生手段211は、ユーザが第1操作部53または第2操作部63を操作して決定された再生位置から、第1動画データ56または第2動画データ66を表示手段25に再生させる(ステップS4)。
【0048】
以上のように、本実施形態の動画再生装置2は、第1動画データ56、または、第1動画データ56の一部である第2動画データ66を選択的に表示手段25に再生可能な動画再生手段211と、第1動画データ56または第2動画データ66の再生をユーザが選択するための再生動画選択手段212と、第1動画データ56の再生が選択された場合に、第1動画データ56の再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第1操作部53を表示手段25に表示させ、第2動画データ66の再生が選択された場合に、第2動画データ66の再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第2操作部63を表示手段25に表示させる、操作部表示制御手段213と、を備え、第2操作部63の再生開始時点と再生終了時点との間の第2時間が、第1操作部53の再生開始時点と再生終了時点との間の第1時間よりも短く、第1操作部53において、第1操作部53の基準となる例えば再生開始時点から、第1動画データ56の再生位置の時点までの物理的な第1長さと、第2操作部63において、第2操作部63の基準となる例えば再生開始時点から、第2操作部63への操作により指定される第2動画データ66の再生位置の時点までの物理的な第2長さが同じ場合に、第2操作部63の物理的な第2長さで指定された時間の長さとなる第2操作単位を、第1操作部53の物理的な第1長さで指定された時間の長さとなる第1操作単位よりも短くして、再生位置を細かく指定できるように構成される。
【0049】
本実施形態の動画再生方法は、第1動画データ56、または、第1動画データ56の一部である第2動画データ66の再生をユーザが選択するための再生動画選択手段211を提供し、表示手段25に再生させる動画データ56,66の選択を受け付ける再生動画受付ステップと、第1動画データ56の再生が選択された場合に、第1動画データ56の再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第1操作部53を表示手段25に表示させ、第2動画データ66の再生が選択された場合に、第2動画データ66の再生位置を表示し再生位置の指定が可能な第2操作部63を表示手段25に表示させる、操作部表示ステップと、を含み、第2操作部63の再生開始時点と再生終了時点との間の第2時間が、第1操作部53の再生開始時点と再生終了時点との間の第1時間よりも短く、第1操作部53において、第1操作部53の基準となる例えば再生開始時点から、第1動画データ56の再生位置の時点までの物理的な第1長さと、第2操作部63において、第2操作部63の基準となる例えば再生開始時点から、第2操作部63への操作により指定される第2動画データ66の再生位置の時点までの物理的な第2長さが同じ場合に、第2操作部63の物理的な第2長さで指定された時間の長さとなる第2操作単位を、第1操作部53の物理的な第1長さで指定された時間の長さとなる第1操作単位よりも短くして、再生位置を細かく指定できるように構成される。
【0050】
これらの場合、ユーザが見たいシーンの検索と細かな再生位置の調整とを容易に行うことができる。
【0051】
本実施形態の動画再生装置2では、第2動画データ66の再生をユーザが選択するための再生動画選択手段212として、サムネイル55を表示手段25に表示させることができる。
【0052】
本実施形態の動画再生方法では、第2動画データ66の再生をユーザが選択するための再生動画選択手段212として、サムネイル55を表示手段25に表示させることができる。
【0053】
これらの場合、サムネイル55により所望のシーンを検索しやすくし、指定された再生位置から動画を再生させることで、ユーザはより細かな再生位置の調整を行い、見たいシーンからシームレスに動画を視聴することができる。
【0054】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は種々の変形実施をすることができる。例えば、上記の実施形態や図面に記載されるサッカーの映像の例はあくもでも一例であり、本発明はその他種々の用途に活用可能である。また、第1操作部53および第2操作部63の形状は横長の棒状に限られず種々の形状とすることができる。図面に示すスライダ59,69は円形の形状を有するが、その他の種々の形状とすることができ、スライダ59,69を配置しないようにすることもできる。
【符号の説明】
【0055】
1 動画生成システム
2 動画再生装置
21 制御手段
211 動画再生手段
212 再生動画選択手段
213 操作部表示制御手段
22 動画再生装置記憶手段
221 プログラム
222 再生動画データ
23 入力手段
24 通信手段24
25 表示手段
3 サーバ
31 制御手段
32 サーバ記憶手段
321 動画データ
51 表示画面
52 動画再生画面
53 第1操作部(シークバー)
54 全体再生ボタン
55 サムネイル
56 第1動画データ(全体動画)
63 第2操作部(シークバー)
66 第2動画データ(部分動画)