(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
A63F5/04 682
(21)【出願番号】P 2020110675
(22)【出願日】2020-06-26
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】根木 優
【審査官】高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-231952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置されている遊技機の総数を設置台数として集計する設置台数集計手段と、
前記遊技機の営業区分を、遊技者が遊技可能である営業状態及び遊技者が遊技可能でない非営業状態のうち何れであるかを任意に設定可能な営業区分設定手段と、
前記営業区分設定手段により設定された遊技機の営業区分を判定する営業区分判定手段と、
前記営業区分判定手段により営業状態であると判定された遊技機の総数を営業台数として集計する営業台数集計手段と、を備えた遊技場用システム。
【請求項2】
遊技機側から送信される遊技信号を個別台データとして集計する個別台データ集計手段と、
前記営業区分判定手段により営業状態であると判定された遊技機に対応する前記個別台データを営業データとして集計する営業データ集計手段と、を備えた請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
遊技機に対応して設けられ、前記個別台データ集計手段により集計された個別台データを遊技情報として表示可能な情報表示装置を備えた請求項2に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機が設置される遊技場において遊技を行う際、遊技者はパチンコ遊技機のハンドルやスロットマシンのスタートレバー及びストップ釦に触れて遊技する。これらのハンドル、スタートレバー及びストップ釦は不特定多数の遊技者が触れるため衛生的に清潔とは言い難く、流行病や感染症の拡大に繋がる虞がある。そのため、遊技場の従業員が遊技機を消毒することが推奨されていると共に、遊技者同士の密着を避けるように適度な距離を確保することが推奨されている。
【0003】
遊技者同士の密着を避けることとして、遊技者同士が隣り合わないように営業時間内で一部の遊技機のみを稼動させる一方で残りの遊技機の稼動を停止させることで、所謂間引き営業を行う遊技場もある。ここで、営業時間外で遊技機を調整したり遊技機や設備の入れ替えによるテスト打ちしたりすると、稼動させる遊技機から遊技情報が収集されるだけでなく、稼動を停止させる遊技機からも遊技情報が収集される場合がある。この場合、稼動させる遊技機から収集される遊技情報は営業データとして管理するが、稼動を停止させる遊技機から収集される遊技情報は営業データとして管理せずに営業データの集計対象から除外する必要がある。
【0004】
遊技機から収集される遊技情報を管理する構成として、例えば特許文献1には、遊技機から収集した遊技情報の累積値を予め設定された基準値と比較し、遊技情報の累積値が基準値以上であれば、営業データとして管理する一方、遊技情報の累積値が基準値未満であれば、営業データとして管理せずに非営業データとして管理する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、間引き営業を行う際には営業時間内で一部の遊技機のみを稼動させる一方で残りの遊技機の稼動を停止させるので、その稼動を停止させた遊技機からは遊技情報を収集することができず、遊技情報の累積値を基準値と比較することができず、営業データを適切に管理することができない。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、所謂間引き営業を行う際に営業データを適切に管理することができる遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の遊技場用システムによれば、遊技場に設置されている遊技機の総数を設置台数として集計する一方、遊技機の営業区分を、遊技者が遊技可能である営業状態及び遊技者が遊技可能でない非営業状態のうち何れであるかを任意に設定可能とし、営業状態であると判定した遊技機の総数を営業台数として集計するようにした。遊技場に設置されている遊技機を、営業状態及び非営業状態のうち何れであるかにより設置台数と営業台数として区別して管理することで、間引き営業において営業中の遊技機のみを営業台数として管理することができる。これにより、所謂間引き営業を行う際に営業データを適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図8】営業区分と設置台数及び営業台数との関係を示す図
【
図10】営業区分と個別台データ及び営業データとの関係を示す図
【
図14】営業データ集計対象判定処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場用システム1が設けられている遊技場内には、例えばスロットマシンやパチンコ遊技機等の複数の遊技機が設置されている。各遊技機2には、貸出装置3及び情報表示装置4が付設されている。これら遊技機2、貸出装置3及び情報表示装置4は、2台ずつ中継装置5に接続されている。中継装置5は、LAN6を介して管理装置7に接続されており、遊技機2や貸出装置3等の遊技機2側の機器から送信された遊技信号を受信すると、その受信した遊技信号を管理装置7に送信(中継)する。
【0011】
管理装置7は、例えば遊技場内の事務所等に設置されており、遊技機2の遊技情報を管理している。管理装置7が管理する遊技情報は、例えばモニタ8等に表示出力される。管理装置7は、設置台数集計手段、営業区分設定手段、営業区分判定手段、営業台数集計手段、個別台データ集計手段、営業データ集計手段に相当する。
【0012】
このような遊技場内には、例えば数百台の遊技機2が設置されており、管理装置7の管理対象となっている。尚、遊技場内には、景品を交換するPOS(図示せず)や一般カードや会員カードに記録されている残高を精算する精算装置(図示せず)も設置されており、これらPOSや精算装置もLAN6を介して管理装置7に接続されている。
【0013】
本実施形態では、遊技機2としてスロットマシンを想定している。遊技機2は、その正面に表示窓9が設けられており、遊技者は表示窓9を通じて内部に設けられたリール10の図柄を視認可能となっている。
図2に示すように、各図柄は、左リール、中リール、右リールの円周面に描かれており、各リールが停止した状態では、表示窓9の上段、中段、下段に対応して表示される。即ち、表示窓9には、各リールの各々について3図柄ずつ合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。
【0014】
図3に示すように、遊技機2には、ボーナス役、小役、リプレイ役の3種類の役が設定されている。ボーナス役としてはBB(ビッグボーナス)役及びRB(レギュラーボーナス)役の2種類、小役としては15枚役、1枚役A、1枚役B及び2枚役の4種類が設定されている。遊技機2では、1回のゲームにおけるメダルの使用数(投入数であるBET数)は、通常状態では3枚(3BET)に設定されており、ボーナス状態では2枚(2BET)に設定されている。
【0015】
図4に示すように、表示窓9には、中段に対応した横方向の1本(同図の「1」で示す実線)、上段、中段、下段に対応した斜め方向の2本(同図の「2」、「3」で示す実線)、上段と下段に対応した横方向の2本(同図の「4」と「5」で示す実線)の合計5本の入賞ラインが設定されており、入賞図柄が何れかの入賞ライン上に揃ったときに対応する入賞が発生する。
【0016】
表示窓9の下方には、クレジットメダルの投入を行うMAXBET釦11、クレジットメダルの精算を行うクレジット精算釦12、メダルを投入するメダル投入口13が設けられており、これらの下方にはスタートレバー14、3つのストップ釦15が設けられている。クレジット数が1以上の状態でクレジット精算釦12が操作されると、そのクレジット数分のメダルが払出される。遊技機2には、最下部に受皿16が設けられ、最上部にランプ部17が設けられている。尚、遊技機2では、例えば「1」~「6」の6段階で役の内部当選確率を設定するための設定値が設けられており、その何れかの設定値を有効化する。設定値は、その値が高いほど遊技者にとって有利な設定であり、その値が低いほど遊技者にとって不利な設定である。設定値により遊技機2の出率等が調整される。
【0017】
遊技機2は以下のように動作する。
(1)メダルが投入された状態でのスタートレバー14の操作によりゲームが開始されると、例えば0~65535の間で発生する乱数のうち1つを抽出し、その抽出した乱数と図示しない当選乱数テーブルと照合し、内部当選役を決定する。具体的には、
図5に示すように、例えば設定値1であれば、通常状態では、単独BB役に11個の抽選用乱数が割振られており、その理論上の内部当選確率は、11/65536である。同様に、単独RB役に11個、1枚役Aに1301個、15枚役+1枚役Bに5384個、単独2枚役に128個、BB役+2枚役に5個、RB役+2枚役に5個、リプレイ役は8978個の抽選用乱数が割振られている。又、BB又はRB状態では、単独15枚役に65535個の抽選用乱数が割振られており、単独15枚役が内部当選役となる確率が高くなるように設定されている。
【0018】
(2)内部当選役を決定すると共にリール10を始動させた後、遊技者による各ストップ釦15の操作と内部当選役に応じて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御を実行する。引込制御は、各ストップ釦15の操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を前記入賞ライン上に引込んで停止させることが可能な制御である。そして、役に対応した図柄が入賞ライン上に停止することで入賞が発生する。
【0019】
(3)通常状態において小役(15枚役、1枚役A、1枚役B、2枚役)が入賞した場合に、対応する数のメダルの払出しが行われる。又、リプレイ役が入賞した場合、新たにメダルを投入することなく再度ゲームを実行可能となる。ボーナス状態では、上記したようにBET数が2BETに削減されると共に、単独15枚役が内部当選役となる確率が高められ、多量のメダルの獲得が可能となる。ボーナス状態のうちBB状態は例えば315枚を越えるメダルの払出しにより終了し、RB状態は例えば105枚を越えるメダルの払出しにより終了し、ボーナス状態の終了により通常状態に移行する。
【0020】
(4)所謂AT状態(AT)を発生可能であり、ATでは15枚役+1枚役B(以下、AT役)の内部当選時にストップ釦15の操作順をナビする。ナビ通り操作すれば15枚役が入賞する一方、ナビ通り操作しないと1枚役Bの引込制御を行い、1枚役Bが引込範囲内にあれば1枚役が入賞する一方、引込範囲内になければ非入賞となる。ATの発生条件等を上記した設定値により異なるようにしても勿論良いが、本実施形態では設定値による差をBB役等の内部当選率を異なる値とすることで調整している。
【0021】
遊技機2からは遊技者による遊技の進行にしたがって以下に示す遊技信号が送信される。
アウト信号=遊技機2から送信される信号である。開始操作に応じベット状態のメダルを消費したとしてベット状態のメダル数(3枚)分がパルス出力されるので、アウト信号数×1がアウト(消費価値、使用媒体数、遊技に応じて消費した遊技価値の大きさを示す遊技情報)となる。尚、リプレイ時にも対応分が送信される。
【0022】
セーフ信号=遊技機2から送信される信号である。メダルが1枚付与(払出)される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1がセーフ(入賞付与価値、払出媒体数、遊技に応じて遊技者に付与された遊技価値の大きさを示す遊技情報)となる。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分が送信される。
【0023】
BB又はRB信号=遊技機2から送信される信号である。対応するボーナス状態(BB、RB)中にレベル出力されるので、信号受信期間をボーナス状態として特定する。
AT信号=遊技機2から送信される信号である。AT中にレベル出力されるので、信号受信期間をAT状態として特定する。
【0024】
上記した構成は所謂AT機の一般的な構成の例示であり、どのようなスペックの遊技機であっても良いし、図示しない玉を遊技価値とするパチンコ遊技機等も対象となる。
【0025】
貸出装置3は、遊技者が貨幣を入金するための貨幣挿入口18、遊技者がカードを挿入するためのカード挿入口19、メダルを払出すための貸出釦20、カードを発行するための返却釦21、各種情報を表示するタッチパネル式の液晶表示部22、従業員が携帯する従業員リモコン23から送信されたリモコン信号を受信するリモコン受光部24、メダルを遊技機2の受皿16に払出す払出ノズル25、投入口26等を備える。
【0026】
貸出装置3は以下のように動作する。
(1)貨幣が貨幣投入口20に入金されると、貨幣を受付け(貨幣受付処理)、その残高を液晶表示部22に表示し、貸出釦20が押下(貸出操作、付与操作)されると、貸出1単位(例えば1000円分)の貸出メダル(対価付与価値)を払出ノズル25から払出し(対価付与処理)、その対価分を残高から引落とす。この場合、貨幣は複数回分の貸出処理の対応分(例えば1万円まで)を受付可能である。
【0027】
(2)所謂各台計数機能を備えており、投入口26へのメダルの投入により遊技者が獲得したメダルを受付可能であり、投入口26に投入されたメダルを、自装置3に内蔵された計数部で計数し、その計数値を持玉(計数メダル数)として記憶部に記憶する。これにより、持玉を対価とした払戻処理(価値付与処理)も可能とし、払戻した場合には、その対価分(払戻したメダルと同数)を持玉より減算する。持玉や残高が残存する状態で返却釦21が押下(発行操作)されると、持玉や残高を特定可能なカードをカード挿入口19から発行する。尚、カードを受付けた場合は、その持玉や残高を引継ぐ。
【0028】
(3)中継装置5を介したシリアル通信による売上信号により管理装置7にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額及びカードの受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。
【0029】
情報表示装置4は、遊技機2から中継装置5を経由して受信した各種の遊技情報を表示したり管理装置7から受信した各種の遊技情報を表示したりする。
図6に示すように、情報表示装置4は、LED表示部27、液晶表示部28、従業員を呼出すための呼出釦や液晶表示部28に表示される遊技情報の種類等を切替えるための切替釦を含む操作スイッチ群29、従業員リモコン23から送信されたリモコン信号を受信するリモコン受光部30を備える。
【0030】
液晶表示部28は、操作スイッチ群29の操作に応じて各種の遊技情報を表示可能であり、テロップ表示エリア28a、情報表示エリア28b、第1データ表示エリア28c、第2データ表示エリア28d、第3データ表示エリア28e、第4データ表示エリア28f、第5データ表示エリア28gに区分されている。
図6の例示では、テロップ表示エリア28aに機種名が表示され、情報表示エリア28bにBBとRBとの合計発生回数が表示され、第1データ表示エリア28cにBBの発生回数が表示され、第2データ表示エリア28dにRBの発生回数が表示されており、これらのBBとRBとの合計発生回数、BBの発生回数及びRBの発生回数はそれぞれ当日、1日前、2日前について営業日単位で表示されている。第3データ表示エリア28eに営業開始や特別状態の終了等による初期化条件成立後からのゲームの実行回数であるスタート回数が表示されている。第4データ表示エリア28fに最高獲得枚数が表示され、第5データ表示エリア28gにボーナス単位のゲーム数をグラフ化したスタート履歴グラフが表示されている。
【0031】
前述した[発明が解決しようとする課題]で説明した通り、所謂間引き営業を行う際に営業データを適切に管理することが求められており、この点に関し、本実施形態では、以下に示す構成を採用している。
【0032】
管理装置7は、
図7に示すように、営業区分設定画面において遊技場における遊技機2の営業区分を「営業」、「営業外」及び「未使用」のうち何れかに区分して日単位で設定可能である。即ち、管理装置7は、営業区分設定画面における営業の項目においてデフォルトで「営業」が設定されている状態から管理者が「営業外」を選択すると、対応する台番の遊技機2を「営業外」に設定し、「未使用」を選択すると、対応する台番の遊技機2を「未使用」に設定する。
図7の例示では、3番台の遊技機2が「営業外」に設定されており、その他の遊技機2が「営業」に設定されている態様を例示している。ここで、「営業外」は、各種データの入力対象になるが、営業データの集計対象にならない遊技機2に対して設定され、「未使用」は、各種データの入力対象にならず且つ営業データの集計対象にもならない遊技機2に対して設定される。「未使用」が設定されている遊技機2の台数は、遊技場に設置されている遊技機2の総数に含まれない。「営業」が設定されている遊技機2は、遊技者が遊技可能である営業状態の遊技機であり、「営業外」が設定されている遊技機2は、遊技者が遊技可能でない非営業状態の遊技機である。
【0033】
図8に示すように、営業状態の遊技機2の総数と非営業状態の遊技機2の総数との台数が設置台数であり、営業状態の遊技機2の総数、即ち、設置台数から非営業状態の遊技機2の総数を除外した台数が営業台数である。換言すれば、営業状態の遊技機2は、設置台数及び営業台数の集計対象として管理される遊技機であり、非営業状態の遊技機2は、設置台数の集計対象として管理されるが営業台数の集計対象として管理されない遊技機である。
【0034】
管理装置7は、遊技機が営業状態及び非営業状態の何れに設定されていても、遊技機2から送信される遊技信号を個別台データとして集計する。遊技機2が非営業状態に設定されている場合に、その遊技機2の電源を切断し忘れており、その遊技機2で遊技者が遊技してしまっても、営業状態に設定されている遊技機2と同様に、その遊技機2から送信される遊技信号を個別台データとして集計する。即ち、管理装置7は、
図9に示すように、個別台データを集計することで、その集計結果を個別台データ画面として表示する。
【0035】
管理装置7は、このように営業状態の遊技機2から送信される遊技信号を個別台データとして集計するだけでなく、非営業状態の遊技機2から送信される遊技信号も個別台データとして集計するが、非営業状態の遊技機2から送信される遊技信号の個別台データを営業データとして集計せずに営業データの集計対象から除外し、営業状態の遊技機2から送信される遊技信号の個別台データのみを営業データとして集計する。
【0036】
図10に示すように、営業状態の遊技機2は、個別台データ及び営業データの集計対象として管理される遊技機であり、非営業状態の遊技機は、個別台データの集計対象として管理されるが営業データの集計対象として管理されない遊技機である。尚、営業状態の遊技機2に対応する情報表示装置4に、その営業状態の遊技機2の遊技情報が表示されるだけでなく、非営業状態の遊技機2に対応する情報表示装置4にも、その非営業状態の遊技機2の遊技情報が表示される。
【0037】
管理装置7は、
図11に示すように、全台データ画面を表示する。全台データとは遊技場に設置されている遊技機2において遊技機毎の遊技情報を個別台データとして集計したデータである。
図11では、1番台~20番台の遊技機2の全台データを例示している。全台データ画面において、横軸に示すアウト、セーフ、差、出玉率、BB、RB、ATは、選択可能な各遊技情報の項目であり、管理者により任意に選択可能である。合計は、遊技場に設置されている遊技機2のうち営業状態の遊技機2の台数の値である。平均は、合計の値を営業状態の遊技機2の台数で除した値である。
【0038】
図11では、例えば1番台~20番台のうち2,4,6,7,8,10,12,13,15,19番台の10台の遊技機2を非営業状態として設定している場合でも、個別台データが全台データ画面の一覧に表示される。前述した通り、非営業状態の遊技機2からの個別台データは営業データの集計対象として管理されないが、非営業状態の遊技機2も設置台数の集計対象として管理される。例えば遊技場にパチンコ遊技機が300台、スロットマシンが300台設置されており、そのうち100台のパチンコ遊技機、50台のスロットマシンを非営業状態として設定した場合には、営業状態である200台のパチンコ遊技機、250台のスロットマシンからの個別台データが営業データとして集計され、300台のパチンコ遊技機、300台のスロットマシンが設置台数として集計される。即ち、管理装置7は、
図12に示すように、営業データ画面の「現稼動数/台数」の項目において、パチンコ遊技機について分母を設置台数である「300」とし、スロットマシンについて分母を設置台数である「300」とする。
【0039】
次に、上記した構成の作用について
図13から
図14を参照して説明する。管理装置7は、営業区分判定処理及び営業データ集計対象判定処理を行う。
(1)営業区分判定処理
営業区分判定処理について
図13を参照して説明する。管理装置7は、営業区分判定処理を開始すると、遊技場に設置されている遊技機2の総数を設置台数として集計する(S1)。管理装置7は、その設置台数の集計対象となった遊技機2について営業区分が営業状態であるか否かを判定する(S2)。管理装置7は、遊技機2の営業区分が「営業」であり、営業区分が営業状態であると判定すると(S2:YES)、その営業区分が営業状態である遊技機2の台数を営業台数として集計し(S3)、営業区分判定処理を終了する。
【0040】
(2)営業データ集計対象判定処理
営業データ集計対象判定処理について
図14を参照して説明する。管理装置7は、営業データ集計対象判定処理を開始すると、遊技場に設置されている営業区分が「営業」又は「営業外」に設定されている遊技機2の個別台データを集計する(S11)。管理装置7は、その個別台データの集計対象となった遊技機2について営業区分が営業状態であるか否かを判定する(S12)。管理装置7は、遊技機2の営業区分が「営業」であり、営業区分が営業状態であると判定すると(S12:YES)、その営業区分が営業状態である遊技機2の個別台データを営業データとして集計し(S13)、営業データ集計対象判定処理を終了する。
【0041】
以上に説明した本実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
遊技場用システム1において、遊技場に設置されている遊技機2の総数を設置台数として集計する一方、遊技機2の営業区分を、遊技者が遊技可能である営業状態及び遊技者が遊技可能でない非営業状態のうち何れであるかを任意に設定可能とし、営業状態であると判定した遊技機2の総数を営業台数として集計するようにした。遊技場に設置されている遊技機2を、営業状態及び非営業状態のうち何れであるかにより設置台数と営業台数として区別して管理することで、間引き営業において営業中の遊技機2のみを営業台数として管理することができる。これにより、所謂間引き営業を行う際に営業データを適切に管理することができる。
【0042】
営業状態の遊技機2に対応する個別台データを営業データとして集計するようにした。遊技場に設置されている遊技機2の遊技情報を個別台データとして管理することができ、更に営業状態の遊技機2の個別台データのみを営業データとして集計することができ、営業データをより適切に管理することができる。
【0043】
営業状態として遊技可能であるにも関わらず誤って営業状態でないと設定してしまった場合、情報表示装置4において遊技情報が正しく表示されないと遊技者に不満を与えてしまうことになるが、営業データの集計対象ではない遊技機2に対応する情報表示装置4においても遊技情報を表示することで、正しい情報を遊技者に与えることができ、遊技者に不満を与えてしまう事態を未然に回避することができる。
【0044】
本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張することができる。又、例示した構成は変形例も含め、どのように組み合わせても良いし、適宜採用しない構成としても良い。
【0045】
非営業状態の遊技機が営業データの集計対象として管理されない構成を例示したが、非営業状態の遊技機が営業データの集計対象として管理される場合と管理されない場合とを選択可能な構成としても良い。
【0046】
遊技機2の営業区分を日単位で設定する構成を例示したが、遊技機2の営業区分を時間単位で設定する構成としても良い。例えば一日の営業の中で午前中のみ稼動させて午後からは稼動停止させるといった運用を行う際に、午前と午後とで営業区分を別々に設定可能としても良い。
【0047】
図7において、「未使用」が設定されている遊技機2の台数が、遊技場に設置されている遊技機2の総数に含まれない場合を例示したが、遊技場に設置されている遊技機2の総数に含まれても良い。即ち、「営業外」又は「未使用」が設定されている遊技機2を非営業状態の遊技機としても良い。
【0048】
対象となる遊技機としてスロットマシンを例示したが、パチンコ遊技機等にも採用することができる。又、遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式のスロットマシンやパチンコ遊技機等にも採用することができる。尚、所謂封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
【0049】
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置7の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。尚、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。又、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
【0050】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。又、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信によるデータ信号のような他の信号入力としても良い。
【0051】
情報表示装置4が行う情報処理の一部を中継装置5や管理装置7にて行っても良いし、同様に、管理装置7が行う情報処理の一部を情報表示装置4や中継装置5にて行っても良い。
【符号の説明】
【0052】
図面中、1は遊技場用システム、2は遊技機、4は情報表示装置、7は管理装置(設置台数集計手段、営業区分設定手段、営業区分判定手段、営業台数集計手段、個別台データ集計手段、営業データ集計手段)である。