(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】発光装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240116BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240116BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20240116BHJP
H01L 25/16 20230101ALI20240116BHJP
H01L 23/28 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G09F9/30 349C
G09F9/33
G09F9/30 338
G09F9/30 349Z
H01L33/58
H01L25/16 A
H01L23/28 D
(21)【出願番号】P 2020539364
(86)(22)【出願日】2019-08-19
(86)【国際出願番号】 JP2019032280
(87)【国際公開番号】W WO2020045147
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】P 2018163023
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 利仁
(72)【発明者】
【氏名】中村 卓矢
(72)【発明者】
【氏名】小川 直樹
(72)【発明者】
【氏名】柏原 博之
(72)【発明者】
【氏名】小林 剣人
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 利昭
(72)【発明者】
【氏名】水間 保宏
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-161634(JP,A)
【文献】特開2012-108407(JP,A)
【文献】特開2012-078720(JP,A)
【文献】特開2018-058738(JP,A)
【文献】米国特許第5990802(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G09G 3/00 - 5/42
H01L 33/00 - 33/48
H01L 33/58
H01L 25/16
H01L 23/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた発光素子と、
前記基板上に設けられ、前記基板側から多層配線層および半導体層をこの順に有し、かつ、前記発光素子からの光の入射を抑える遮光部を有する半導体素子と
、
前記基板上に設けられ、前記発光素子および前記半導体素子を覆う保護層と、
前記保護層を間にして前記基板に対向し、かつ、前記発光素子に対向する位置に開口を有する遮光膜とを備え、
前記遮光部は、
前記半導体層を間にして前記基板に対向する第1遮光面と、
前記第1遮光面と前記多層配線層との間に、前記第1遮光面に交差する方向に配置された第2遮光面とを含
み、
前記保護層は、前記半導体素子に対向する厚膜部と、前記発光素子に対向するとともに、前記厚膜部よりも厚みの小さい薄膜部とを有する
発光装置。
【請求項2】
前記遮光部は、前記半導体素子の周縁よりも内側に設けられている
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第2遮光面は、前記半導体素子のうち、少なくとも前記発光素子に臨む位置に設けられている
請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2遮光面は、前記半導体素子の全周にわたって設けられている
請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
複数の前記第2遮光面を有する
請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
複数の前記第2遮光面は、互いに接して配置されている
請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記半導体層は溝を有し、
前記溝内に、前記第2遮光面が配置されている
請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第2遮光面は前記第1遮光面に接している
請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記遮光部は、更に、前記第2遮光面を間にして前記第1遮光面に対向する第3遮光面を有する
請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
更に、前記発光素子と前記半導体素子との間に設けられ、前記発光素子から前記半導体素子への光の入射を抑える遮光部材を有する
請求項1に記載の発光装置。
【請求項11】
前記遮光膜は、前記発光素子と前記半導体素子との間の前記保護層の厚み方向に埋設されている
請求項1に記載の発光装置。
【請求項12】
前記遮光膜は、前記薄膜部と前記厚膜部との間の段差を覆っている
請求項1に記載の発光装置。
【請求項13】
前記保護層の表面には、複数の凹凸が設けられている
請求項1に記載の発光装置。
【請求項14】
前記保護層は、前記基板側から順に、低屈折率膜および高屈折率膜を含む
請求項1に記載の発光装置。
【請求項15】
前記遮光部は、金属材料または樹脂材料を含む
請求項1に記載の発光装置。
【請求項16】
前記遮光部は、無機絶縁材料を含む
請求項1に記載の発光装置。
【請求項17】
前記遮光部の少なくとも一部は、厚み500nm以上を有する
請求項16に記載の発光装置。
【請求項18】
前記保護層は、前記薄膜部の表面に凸レンズ形状を有する
請求項1に記載の発光装置。
【請求項19】
前記保護層の前記薄膜部は、前記厚膜部との境界近傍に掘込部を有し、
前記掘込部には前記遮光膜が埋め込まれている
請求項1に記載の発光装置。
【請求項20】
発光装置を備え、
前記発光装置は、
基板と、
前記基板上に設けられた発光素子と、
前記基板上に設けられ、前記基板側から多層配線層および半導体層をこの順に有し、かつ、前記発光素子からの光の入射を抑える遮光部を有する半導体素子と
、
前記基板上に設けられ、前記発光素子および前記半導体素子を覆う保護層と、
前記保護層を間にして前記基板に対向し、かつ、前記発光素子に対向する位置に開口を有する遮光膜とを備え、
前記遮光部は、
前記半導体層を間にして前記基板に対向する第1遮光面と、
前記第1遮光面と前記多層配線層との間に、前記第1遮光面に交差する方向に配置された第2遮光面とを含
み、
前記保護層は、前記半導体素子に対向する厚膜部と、前記発光素子に対向するとともに、前記厚膜部よりも厚みの小さい薄膜部とを有する
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、基板上に発光素子および半導体素子を有する発光装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子は、様々な装置に適用されている(例えば、特許文献1参照)。このような装置では、例えば、基板上に、複数の発光素子とともに、複数の半導体素子が設けられている。半導体素子は、例えば、IC(Integrated Circuit)チップ等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
このような発光素子および半導体素子を有する発光装置では、信頼性の低下を抑えることが望まれている。
【0005】
したがって、信頼性の低下を抑えることが可能な発光装置、およびこの発光装置を備えた表示装置を提供することが望ましい。
【0006】
本技術の一実施の形態に係る発光装置は、基板と、基板上に設けられた発光素子と、基板上に設けられ、基板側から多層配線層および半導体層をこの順に有し、かつ、発光素子からの光の入射を抑える遮光部を有する半導体素子と、基板上に設けられ、発光素子および半導体素子を覆う保護層と、保護層を間にして基板に対向し、かつ、発光素子に対向する位置に開口を有する遮光膜とを備えたものであり、遮光部は、半導体層を間にして基板に対向する第1遮光面と、第1遮光面と多層配線層との間に、第1遮光面に交差する方向に配置された第2遮光面とを含み、保護層は、半導体素子に対向する厚膜部と、発光素子に対向するとともに、厚膜部よりも厚みの小さい薄膜部とを有する。
【0007】
本技術の一実施の形態に係る表示装置は、上記本技術の一実施の形態に係る発光装置を備えたものである。
【0008】
本技術の一実施の形態に係る発光装置または表示装置では、半導体素子に、発光素子からの光の入射を抑える遮光部が設けられているので、発光素子から半導体素子への光の入射が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本技術の第1の実施の形態に係る表示装置の要部の構成を表す断面模式図である。
【
図2】
図1に示した表示装置の全体の回路構成の一例を表す図である。
【
図3】
図1に示した駆動ICを拡大して表す断面模式図である。
【
図4A】
図3に示した駆動ICの端子領域の構成を表す断面模式図である。
【
図4B】
図3に示した駆動ICと基板とを接続するバンプの構成を表す断面模式図である。
【
図5】
図3に示した第1遮光面の構成を表す平面模式図である。
【
図6】
図3に示した溝の構成を表す平面模式図である。
【
図7】
図6に示した溝の平面構成の他の例(1)を表す模式図である。
【
図8】
図6に示した溝の平面構成の他の例(2)を表す模式図である。
【
図9A】
図3に示した溝の断面構成の他の例(1)を表す模式図である。
【
図9B】
図3に示した溝の断面構成の他の例(2)を表す模式図である。
【
図9C】
図3に示した溝の断面構成の他の例(3)を表す模式図である。
【
図10】
図3に示した遮光部の断面構成の他の例(1)を表す模式図である。
【
図11】
図3に示した遮光部の断面構成の他の例(2)を表す模式図である。
【
図12A】
図3に示した遮光部の断面構成の他の例(3)を表す模式図である。
【
図12B】
図3に示した遮光部の断面構成の他の例(4)を表す模式図である。
【
図13A】
図3に示した駆動ICの製造方法の一工程を表す断面模式図である。
【
図14】比較例に係る表示装置の要部の構成を表す断面模式図である。
【
図15】
図1に示した発光素子から出射される光の経路の一例について説明するための断面模式図である。
【
図16】変形例1に係る駆動ICの構成を表す断面模式図である。
【
図17】変形例2に係る駆動ICの構成を表す断面模式図である。
【
図18】
図17に示した駆動ICの構成の他の例を表す断面模式図である。
【
図19】
図18に示した遮光部の厚みと半導体層への光の透過率との関係を表す図である。
【
図20】
図17等に示した駆動ICの製造方法の一工程を表す断面模式図である。
【
図21】
図20に示した駆動ICの製造方法の他の例を表す断面模式図である。
【
図22】本技術の第2の実施の形態に係る表示装置の要部の構成を表す断面模式図である。
【
図23】
図22に示した表示装置の他の例を表す断面模式図である。
【
図24A】
図22に示した表示装置の製造方法の一工程を表す断面模式図である。
【
図25】変形例3に係る表示装置の構成を表す断面模式図である。
【
図26】変形例4に係る表示装置の構成を表す断面模式図である。
【
図27】
図25に示した表示装置の他の例を表す断面模式図である。
【
図28】
図26に示した表示装置の他の例を表す断面模式図である。
【
図29】本技術の第3の実施の形態に係る表示装置の要部の構成を表す断面模式図である。
【
図30】
図29に示した表示装置の他の例を表す断面模式図である。
【
図32】
図29等に示した溝の断面構成の他の例(1)を表す模式図である。
【
図33】
図29等に示した溝の断面構成の他の例(2)を表す模式図である。
【
図34A】
図29等に示した表示装置が反射防止膜を有する例を表す断面模式図である。
【
図35A】
図29に示した表示装置の製造方法の一工程を表す断面模式図である。
【
図36】変形例5に係る表示装置の構成を表す断面模式図である。
【
図37】
図36に示した表示装置の他の例を表す断面模式図である。
【
図38】本技術の第4の実施の形態に係る表示装置の要部の構成を表す断面模式図である。
【
図39】
図38に示した表示装置の他の例を表す断面模式図である。
【
図40A】
図38に示した表示装置の製造方法の一工程を表す断面模式図である。
【
図42A】
図38に示した表示装置の製造方法の他の例(2)を表す断面模式図である。
【
図43A】
図38に示した表示装置の製造方法の他の例(3)を表す断面模式図である。
【
図44】本技術の第5の実施の形態に係る表示装置の要部の構成を表す断面模式図である。
【
図45】
図44に示した表示装置の他の例(1)を表す断面模式図である。
【
図46】
図44に示した表示装置の他の例(2)を表す断面模式図である。
【
図47】本技術の第6の実施の形態に係る表示装置の要部の構成を表す断面模式図である。
【
図48】
図47に示した表示装置の他の例を表す断面模式図である。
【
図49】
図47等に示した遮光部材の断面構成の他の例を表す模式図である。
【
図50A】
図47等に示した遮光部材の平面構成の一例を表す模式図である。
【
図50B】
図50Aに示した遮光部材の平面構成の他の例(1)を表す模式図である。
【
図50C】
図50Aに示した遮光部材の平面構成の他の例(2)を表す模式図である。
【
図51A】
図50Aに示した遮光部材の平面構成の他の例(3)を表す模式図である。
【
図51B】
図50Aに示した遮光部材の平面構成の他の例(4)を表す模式図である。
【
図52A】
図47等に示した表示装置の製造方法の一工程を表す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本技術の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(遮光部を有する半導体素子を含む表示装置)
2.変形例1(遮光部が、第1遮光面および第2遮光面に加えて第3遮光面を有する例)
3.変形例2(遮光部が無機絶縁材料により構成されている例)
4.第2の実施の形態(厚膜部および薄膜部が設けられた保護層を有する表示装置)
5.変形例3(薄膜部の表面がレンズ形状を有する例)
6.変形例4(薄膜部内に掘込部を有する例)
7.第3の実施の形態(保護層の溝に埋設された遮光膜を有する表示装置)
8.変形例5(遮光膜が保護層の開口に埋設されている例)
9.第4の実施の形態(表面に複数の凹凸が設けられた保護層を有する表示装置)
10.第5の実施の形態(低屈折率膜および高屈折率膜を含む保護層を有する表示装置)
11.第6の実施の形態(発光素子と半導体素子との間に遮光部材を有する表示装置)
【0011】
<第1の実施の形態>
(表示装置1の全体構成)
図1は、本技術の第1の実施の形態に係る表示装置(表示装置1)の要部の断面構成を模式的に表したものである。この表示装置1は、例えば、基板11上に、パッケージ12および駆動IC13を有している。パッケージ12は、例えば、3つの発光素子(発光素子12R,12G,12B)と、この発光素子12R,12G,12Bを被覆する保護体Pを含んでいる。表示装置1は、更に、基板11上に、パッケージ12および駆動IC13を覆う保護層14と、この保護層14上の遮光膜15とを有している。遮光膜15には、パッケージ12に対向する領域に開口15Aが設けられている。ここでは、駆動IC13が、本技術の半導体素子の一具体例であり、表示装置1が、本技術の発光装置の一具体例である。
【0012】
図2は、表示装置1の全体の回路構成の一例を表している。表示装置1には、例えば、複数の画素10が行列状に配置されている。この複数の画素10各々が、パッケージ12および駆動IC13を含んでいる。
【0013】
表示装置1は、例えば列方向に延在する複数の信号線(データ線Sig)と、例えば行方向に延在する複数の選択線(ゲート線Gate)とを有している。データ線Sigおよびゲート線Gateは、例えば銅によって形成されている。
【0014】
例えば、表示装置1は、更に、複数ののこぎり電圧線Sawと、複数の電源線VDD1,VDD2と、複数の参照電圧線Ref1,Ref2と、複数のグラウンド線GNDとを有している。各のこぎり電圧線Sawは、例えば、行方向に延在している。各電源線VDD1、各電源線VDD2、各参照電圧線Ref1、各参照電圧線Ref2および各グラウンド線GNDは、それぞれ、例えば、列方向に延在している。のこぎり電圧線Saw、電源線VDD1,VDD2、参照電圧線Ref1,Ref2およびグラウンド線GNDの少なくとも1つについては、駆動方式によっては省略され得る。のこぎり電圧線Saw、電源線VDD1,VDD2、参照電圧線Ref1,Ref2およびグラウンド線GNDは、例えば、銅によって形成されている。
【0015】
各データ線Sigは、映像信号に応じた信号が制御回路(図示せず)によって入力される配線である。映像信号に応じた信号は、例えば、発光素子12R,12G,12Bの発光輝度を制御するものである。複数のデータ線Sigは、例えば、パッケージ12の発光色数に対応した種類の配線からなる。パッケージ12が、例えば3色(R,G,B)の発光色を有する場合には、複数のデータ線Sigは、例えば、複数のデータ線SigRと、複数のデータ線SigGと、複数のデータ線SigBとを含む。各データ線SigRは、赤色の映像信号に応じた信号が制御回路によって入力される配線である。各データ線SigGは、緑色の映像信号に応じた信号が制御回路によって入力される配線である。各データ線SigBは、青色の映像信号に応じた信号が制御回路によって入力される配線である。
【0016】
パッケージ12の発光色は、3色(R,G,B)に限られず、4色以上(R,G,B,W)であってもよい。複数のデータ線Sigが、複数のデータ線SigRと、複数のデータ線SigGと、複数のデータ線SigBとを含む場合には、1つのデータ線SigR、1つのデータ線SigGおよび1つのデータ線SigBからなる一組のデータ線Sigが、例えば、1画素列ごとに割り当てられる。駆動方式によっては、上記の一組のデータ線Sigは、複数画素列ごとに割り当てられる。また、駆動方式によっては、上記の一組のデータ線Sigは、単一のデータ線Sigに置き換えられ得る。
【0017】
各ゲート線Gateは、パッケージ12を選択する信号が制御回路によって入力される配線である。パッケージ12を選択する信号は、例えば、データ線Sigに入力された信号のサンプリングを開始するとともに、サンプリングされた信号をパッケージ12に入力させ、パッケージ12の発光を開始させる信号である。1つのゲート線Gateが、例えば、1画素行ごとに割り当てられる。
【0018】
各のこぎり電圧線Sawは、例えば、のこぎり状の波形を有する信号が制御回路によって入力される配線である。のこぎり状の波形を有する信号は、サンプリングされた信号と対比され、例えば、のこぎり状の波形を有する信号の波高値が、サンプリングされた信号の波高値よりも高くなっている期間だけ、サンプリングされた信号がパッケージ12に入力される。1つののこぎり電圧線Sawが、例えば、2画素行ごとに割り当てられる。
【0019】
各電源線VDD2は、パッケージ12に対して供給される駆動電流が制御回路によって入力される配線である。1つの電源線VDD2が、例えば、2画素列ごとに割り当てられる。各電源線VDD1、各参照電圧線Ref1、各参照電圧線Ref2および各グラウンド線GNDは、固定の電圧が制御回路によって入力される配線である。
【0020】
各グラウンド線GNDには、グラウンド電位が入力される。1つの電源線VDD1が、例えば、2画素列ごとに割り当てられる。1つの参照電圧線Ref1が、例えば、2画素列ごとに割り当てられている。1つの参照電圧線Ref2が、例えば、2画素列ごとに割り当てられている。1つのグラウンド線GNDが、例えば、2画素列ごとに割り当てられる。
【0021】
(表示装置1の各部の構成)
以下では、
図1および
図2を用いて、表示装置1の各部について具体的に説明する。
【0022】
基板11(
図1)は、複数のパッケージ12および複数の駆動IC13を実装するためのものであり、例えばガラス基板または樹脂基板等により構成されている。プリント基板により基板11が構成されていてもよい。基板11には、上記回路を構成する配線が設けられていてもよい。
【0023】
パッケージ12の発光素子12R,12G,12B(
図1)は、例えば、互いに異なる波長域の光を出射する発光素子であり、無機半導体材料を含んでいる。例えば、発光素子12Rは赤色波長域の光を出射するLEDチップであり、発光素子12Gは緑色波長域の光を出射するLEDチップであり、発光素子12Bは青色波長域の光を出射するLEDチップである。この発光素子12R,12G,12Bは、例えば、n型半導体層、p型半導体層、n型電極およびp型電極を含んでいる。発光素子12R,12G,12Bを覆う保護体Pは、例えば樹脂材料等により構成されている。
【0024】
各画素10では、パッケージ12が駆動IC13に電気的に接続されている(
図2)。発光素子12R,12G,12B各々の一方の電極(例えば、n型電極)は、例えばパッド電極(図示せず)を介して駆動IC13に電気的に接続されている。発光素子12R,12G,12B各々の他方の電極(例えば、p型電極)は、例えばパッド電極(図示せず)を介してグラウンド線GNDに電気的に接続されている。
【0025】
パッケージ12に電気的に接続された駆動IC13は、発光素子12R,12G,12Bの発光を制御するためのものである。この駆動IC13は、パッケージ12に電気的に接続されるとともに、データ線Sig、電源線VDD1およびゲート線Gateに電気的に接続されている(
図2)。駆動IC13の具体的な構成については、後述する。
【0026】
保護層14は、複数のパッケージ12および複数の駆動IC13を覆うように、例えば、基板11の全面にわたって設けられている(
図1)。この保護層14は、パッケージ12および駆動IC13を保護するためのものであり、絶縁性の有機材料または絶縁性の無機材料等により構成されている。絶縁性の有機材料としては、例えば、シリコーン等が挙げられる。絶縁性の無機材料としては、例えば、酸化シリコン(SiO)および窒化シリコン(SiN)等が挙げられる。
【0027】
遮光膜15は、保護層14を間にして基板11に対向している。この遮光膜15は、いわゆるブラックマスクである。遮光膜15に設けられた開口15Aは、各々のパッケージ12(発光素子12R,12G,12B)から出射された光を取り出すためのものであり、各々のパッケージ12に対向する領域に配置されている。この開口15Aの大きさは、発光素子12R,12G,12Bから出射された光を十分に取り出すことができる程度の大きさである。遮光膜15は、例えば、例えば、カーボンブラックを含有する樹脂材料等により構成されている。遮光膜15は、例えば、チタン(Ti),クロム(Cr),ニッケル(Ni),タングステン(W)およびモリブデン(Mo)等の金属材料により構成されていてもよい。
【0028】
(駆動IC13の構成)
次に、駆動IC13の具体的な構成について説明する。
【0029】
図3は、
図1に示した駆動IC13を基板11とともに、拡大して表したものである。駆動IC13は、例えば、基板11側から、多層配線層131、半導体層132、無機絶縁層133および有機絶縁層134をこの順に有している。駆動IC13は、例えば、200μm四方程度の大きさを有している。
【0030】
多層配線層131は、例えば、複数の配線131Wおよび層間絶縁膜131Zを含んでいる。複数の配線131Wは、互いに層間絶縁膜131Zにより分離されている。この多層配線層131の配線131Wが、例えば、上記データ線SigG,SigR,SigB等に電気的に接続されている。例えば、駆動IC13は、多層配線層131により基板11に電気的に接続されている。
【0031】
図4A,
図4Bは、基板11に電気的に接続された駆動IC13の構成の一例を表している。駆動IC13は、
図4Aに示した多層配線層131の端子領域131WAにより基板11に電気的に接続されていてもよい。端子領域131WAでは、例えば、配線131Wの一部が、層間絶縁膜131Zから露出されている。駆動IC13は、
図4Bに示したように、バンプ136により基板11に電気的に接続されていてもよい。バンプ136は、例えば、多層配線層131と基板11との間に配置されている。
【0032】
多層配線層131と無機絶縁層133との間に設けられた半導体層132は、例えばシリコン(Si)等により構成されている。無機絶縁層133は、例えば、酸化シリコン(SiO)等により構成され、有機絶縁層134は、例えば、樹脂材料等により構成されている。
【0033】
本実施の形態では、この駆動IC13が、更に、遮光部135を有している。この遮光部135は、発光素子12R,12G,12B各々から出射された光が、当該駆動IC13に入射するのを抑えるためのものである。詳細は後述するが、これにより、発光素子12R,12G,12Bから駆動IC13に入射する光に起因した駆動IC13の特性変動の発生を抑えることができる。
【0034】
遮光部135は、例えば、半導体層132を間にして基板11に対向する第1遮光面S1と、第1遮光面S1に交差する方向に配置された第2遮光面S2を含んでいる。第2遮光面S2は、第1遮光面S1と多層配線層131との間に設けられている。
【0035】
図5は、第1遮光面S1の平面(
図3のXY平面)構成の一例を表している。
【0036】
第1遮光面S1は、例えば、半導体層132と有機絶縁層134との間に、基板11に略平行に設けられている(
図3)。この第1遮光面S1は、無機絶縁層133に埋め込まれており、第1遮光面S1と半導体層132との間、および、第1遮光面S1と有機絶縁層134との間に無機絶縁層133が設けられている。第1遮光面S1は、例えば、四角形の平面形状を有している(
図5)。第1遮光面S1は、駆動IC13の周縁13Eよりも内側に設けられている。周縁13Eは、例えば、駆動IC13を形成する際のチップ分離(後述の
図13Fの分離溝G)によって露出された面である。
【0037】
第2遮光面S2は、例えば、第1遮光面S1に略垂直に設けられている(
図3)。この第2遮光面S2は、無機絶縁層133から半導体層132にわたって設けられた溝132gに埋設されている。溝132gには、例えば、無機絶縁層133を介して第2遮光面S2が設けられている。溝132gは、例えば、無機絶縁層133から、多層配線層131と半導体層132との界面近傍まで設けられている。溝132gは、例えば、無機絶縁層133から多層配線層131に向かうに連れて徐々に細くなっている。即ち、溝132gに埋設された遮光材料の厚みは、無機絶縁層133から多層配線層131に向かうに連れて徐々に薄くなっている。第2遮光面S2の一端(
図3の上側の端)は、例えば、第1遮光面S1に接しており、他端(
図3の下側の端)は、多層配線層131と半導体層132との界面近傍に設けられていることが好ましい。これにより、遮光部135が当該駆動IC13を十分に遮光することが可能となる。
【0038】
図6は、溝132gの平面(
図3のXY平面)構成の一例を表している。
【0039】
溝132gは、例えば、第1遮光面S1の周囲に沿って設けられ、四角形の平面形状を有している。溝132gは、駆動IC13の全周にわたって設けられ、周縁13Eよりも内側に配置されている。例えば、この溝132gに4つの第2遮光面S2(第2遮光面S2A,S2B,S2C,S2D)が設けられている。換言すれば、この第2遮光面S2A,S2B,S2C,S2Dは、駆動IC13の全周にわたって設けられている。
【0040】
第2遮光面S2A,S2Bは、互いに略平行に設けられている。第2遮光面S2C,S2Dは、第2遮光面S2Aと第2遮光面S2Bとの間に設けられ、第2遮光面S2A,S2Bに接している。第2遮光面S2C,S2Dは、互いに略平行に設けられている。即ち、複数の第2遮光面S2(第2遮光面S2A,S2B,S2C,S2D)は、互いに接している。これにより、駆動IC13の全周にわたって第2遮光面S2A,S2B,S2C,S2Dが隙間なく設けられるので、当該駆動IC13が十分に遮光される。
【0041】
図5および
図6に示したIII-III’線に沿った断面構成が
図3に対応している。
【0042】
図7および
図8は、溝132gの平面構成の他の例を表している。
【0043】
図7に示したように、溝132gは、駆動IC13の全周にわたって設けられていなくてもよい。例えば、略四角形の平面形状を有する駆動IC13の3辺にわたって溝132gが設けられ、この溝132gに3つの第2遮光面S2(第2遮光面S2B,S2C,S2D)が設けられていてもよい。このとき、第2遮光面S2B,S2C,S2D(または溝132g)は、駆動IC13の周囲のうち、パッケージ12に臨む位置(
図7の右側)に設けられていることが好ましい。これにより、第2遮光面S2B,S2C,S2Dが、パッケージ12(発光素子12R,12G,12B)からの光を効果的に遮光することができる。
【0044】
図8に示したように、溝132gは、連続して設けられていなくてもよい。互いに分断された複数の溝132g各々に第2遮光面S2A,S2B,S2C,S2Dが設けられていてもよい。
【0045】
【0046】
図9Aに示したように、溝132g(第2遮光面S2)は、無機絶縁層133から半導体層132を貫通して多層配線層131に達していてもよい。あるいは、
図9Bに示したように、溝132g(第2遮光面S2)は、無機絶縁層133から半導体層132と多層配線層131との間の界面近傍まで延在していなくてもよい。換言すれば、半導体層132の厚み方向の少なくとも一部に沿って、第2遮光面S2が設けられていればよい。
【0047】
図9Cに示したように、溝132gは、無機絶縁層133から多層配線層131に向かうに連れて徐々に太くなっていてもよい。即ち、溝132gに埋設された遮光材料の厚みは、無機絶縁層133から多層配線層131に向かうに連れて徐々に厚くなっていてもよい。溝132gの形成方向によって、テーパの向きを変えることができる(後述)。
【0048】
【0049】
図10に示したように、第1遮光面S1と第2遮光面S2とが離れ、これらの間に隙間が生じていてもよい。上記のように、第1遮光面S1と第2遮光面S2とが接していることにより、遮光部135は当該駆動IC13を十分に遮光することが可能となる。しかし、駆動IC13への光の入射量によっては、第1遮光面S1と第2遮光面S2との間に隙間が生じていても、十分な遮光が可能となる。
【0050】
図11に示したように、第1遮光面S1は、駆動IC13の上面に露出されていてもよい。換言すれば、第1遮光面S1を覆う無機絶縁層133および有機絶縁層134が設けられていなくてもよい。
【0051】
図12Aに示したように、第1遮光面S1が駆動IC13の周縁13Eに露出されていてもよい。あるいは、
図12Bに示したように、第2遮光面S2が駆動IC13の周縁13Eに露出されていてもよい。しかし、駆動IC13の周縁13Eの内側に遮光部135(第1遮光面S1および第2遮光面S2)を設けることにより、駆動IC13の製造が容易となる(後述)。
【0052】
このような第1遮光面S1および第2遮光面S2を含む遮光部135は、発光素子12R,12G,12Bから出射される波長域の光(例えば、可視領域の波長の光)に対して遮光性を有する材料により構成されている。例えば、遮光部135は、タングステン(W),チタン(Ti),タンタル(Ta),アルミニウム(Al)および銅(Cu)等の金属材料により構成されている。あるいは、遮光部135は、カーボンブラック等を含む樹脂材料等により構成されていてもよい。
【0053】
(駆動IC13の製造方法)
このような遮光部135を有する駆動IC13は、例えば、以下のような方法で製造することができる(
図13A~
図13F)。
【0054】
まず、
図13Aに示したように、例えば、シリコン(Si)からなる半導体層132上に多層配線層131を形成する。
【0055】
図示は省略するが、多層配線層131を形成する前に、多層配線層131を形成する側の面から半導体層132に溝132gを形成するようにしてもよい。これにより、多層配線層131に向かうに連れて徐々に太くなる溝132g(
図9C)が形成される。
【0056】
半導体層132上に多層配線層131を形成した後、
図13Bに示したように、例えば、接着剤52を用いて、多層配線層131および半導体層132の積層体を仮基板51に貼り合わせる。仮基板51は、例えば、石英基板により構成されている。このとき、多層配線層131を間にして仮基板51に半導体層132が対向するように貼り合わせる。次いで、半導体層132を所望の厚みまで薄くする。
【0057】
続いて、
図13Cに示したように、無機絶縁層133および遮光部135を形成する。具体的には、半導体層132に溝132gを形成した後、半導体層132の全面に、例えば、酸化シリコン(SiO)およびタングステン(W)をこの順に成膜する。これにより、酸化シリコンおよびタングステンは、半導体層132上に成膜されるとともに、溝132gに埋め込まれる。半導体層132上に成膜されたタングステンにより第1遮光面S1が形成され、溝132gに埋め込まれた遮光材料により第2遮光面S2が形成される。酸化シリコンにより、半導体層132と第1遮光面S1との間、および溝132g内に無機絶縁層133が形成される。
【0058】
遮光部135を形成した後、
図13Dに示したように、更に、第1遮光面S1を覆う無機絶縁層133を形成する。このとき、第1遮光面S1を所望の大きさにエッチングしておき、第1遮光面S1の端部を無機絶縁層133で覆うようにする。無機絶縁層133の表面には、例えばCMP(Chemical Mechanical Planarization)等の平坦化処理を施しておく。
【0059】
第1遮光面S1を覆う無機絶縁層133を形成した後、
図13Eに示したように、多層配線層131、半導体層132および無機絶縁層133の積層体を反転させて、別の仮基板(仮基板51A)に貼り合わせる。このとき、無機絶縁層133および半導体層132を間にして、多層配線層131が仮基板51Aに対向している。積層体は、例えば、接着剤52Aにより、仮基板51Aに貼り合わされる。
【0060】
積層体を仮基板51Aに貼り合わせた後、
図13Fに示したように、分離溝Gにより、チップ分離を行う。チップ分離は、例えば、ドライエッチングを用いて行う。このとき、分離溝Gは例えば、溝132gの外側に形成する。これにより、駆動IC13の周縁13Eの内側に遮光部135が形成される(
図3等)。分離溝Gを溝132gの外側に形成することにより、遮光部135を構成する金属材料等がエッチングされないので、容易にチップ分離を行うことができる。製造条件によっては、分離溝Gに第1遮光面S1および第2遮光面S2が重なってもよい(
図12A,
図12B参照)。例えば、金属加工によって発生する2次生成物および処理時間の長さ等の点を考慮すればよい。あるいは、レーザ加工または機械加工等を用いて分離溝Gを形成する場合には、分離溝Gに第1遮光面S1および第2遮光面S2が重なってもよい。
【0061】
例えば、チップ分離を行った後に、分離溝Gに遮光材料を成膜することも考えうる。この場合には、例えばタングステン(W)等の遮光材料が仮基板51Aに接するため、駆動IC13を基板11に実装(ピックアップ)する際に、不具合が生じやすい。したがって、チップ分離の前に遮光部135を形成しておくことが好ましい。
【0062】
例えば、このようにして
図3等に示した駆動IC13を形成することができる。
【0063】
(表示装置1の動作)
表示装置1では、例えば、駆動IC13を介して各々の発光素子12R,12G,12Bに駆動信号が入力されると、発光素子12Rからは赤色波長域の光、発光素子12Gからは緑色波長域の光、発光素子12Bからは青色波長域の光が各々出射される。この光は、遮光膜15の開口15Aを介して取り出される。即ち、表示装置1では、遮光膜15側が、表示面となる。
【0064】
(表示装置1の作用・効果)
本実施の形態の表示装置1では、駆動IC13に、発光素子12R,12G,12Bからの光の入射を抑える遮光部135が設けられているので、発光素子12R,12G,12Bから駆動IC13への光の入射が抑えられる。これにより、発光素子12R,12G,12Bから駆動IC13に入射する光に起因した駆動IC13の特性変動の発生を抑えることができる。以下、この作用および効果について説明する。
【0065】
図14は比較例に係る表示装置(表示装置100)の要部の模式的な断面構成を表したものである。この表示装置100は、基板11上に、パッケージ12および駆動IC(駆動IC113)を有している。この駆動IC113は、基板11側から、多層配線層131、半導体層132および無機絶縁層133をこの順に有している。この駆動IC113は、遮光部(
図3の遮光部135)を有していない。この点において、表示装置100の駆動IC113は、表示装置1の駆動IC13と異なっている。表示装置100は、基板11上に、パッケージ12および駆動IC113を覆う保護層14と、保護層14上の遮光膜15とを有している。遮光膜15には、パッケージ12に対向する位置に開口15Aが設けられている。
【0066】
発光素子12R,12G、12Bから出射された光のほとんど(光L1)は、遮光膜15の開口15Aから取り出される。一方、発光素子12R,12G、12Bから出射された光の一部(光L2)は、横方向への漏れ光となり、駆動IC113に向かって伝搬される。表示装置100では、駆動IC113に遮光部が設けられていないので、この光L2が駆動IC113に入射しやすい。この駆動IC113に入射した光L2は、駆動IC113の特性変動を引き起こすおそれがある。
【0067】
駆動IC113を、遮光性の保護体によりパッケージングする方法も考えうる。しかし、例えば、200μm四方程度の駆動IC113は非常に小さい。また、表示装置100では、基板11に実装する駆動IC113の数も多い。この小さい駆動IC113各々をパッケージングして、基板11に多数実装することは、実装難易度が高い。更に、この製造工程では、コストがかかる。
【0068】
これに対し、表示装置1では、
図15に示したように、駆動IC13が遮光部135を有しているので、発光素子12R,12G,12Bから駆動IC13への光L2の入射が抑えられる。これにより、光L2に起因した駆動IC13の特性変動の発生が抑えられる。
【0069】
また、駆動IC13各々を、遮光性の保護体によりパッケージングする必要がないので、基板11への実装も容易となる。更に、製造に要するコストも抑えることができる。
【0070】
このように本実施の形態では、駆動IC13に、発光素子12R,12G,12Bからの光(光L2)の入射を抑える遮光部135を設けるようにしたので、発光素子12R,12G,12Bから駆動IC13に入射する光に起因した駆動IC13の特性変動の発生を抑えることができる。よって、信頼性の低下を抑えることが可能となる。
【0071】
また、遮光部135は、半導体層132を間にして基板11に対向する第1遮光面S1と、第1遮光面S1に交差する方向に配置された第2遮光面S2とを有している。これにより、多方向で駆動IC13への光の入射が抑えられる。したがって、より効果的に駆動IC13の特性変動の発生を抑えることができる。
【0072】
更に、駆動IC13の周縁13Eよりも内側に遮光部135を設けることにより、駆動IC13を形成する際のチップ分離の工程(
図13F)が容易となる。よって、駆動IC13を容易に製造することができる。
【0073】
以下、上記第1の実施の形態の変形例および他の実施の形態について説明するが、以降の説明において上記第1の実施の形態と同一構成部分については同一符号を付してその説明は適宜省略する。
【0074】
上記第1の実施の形態に係る表示装置1は、駆動IC13に代えて、以下の変形例(変形例1,2)に係る駆動IC(駆動IC13A,13B)を有していてもよい。
【0075】
<変形例1>
図16は、変形例1に係る駆動IC13Aの模式的な断面構成を表している。駆動IC13Aの遮光部135は、第1遮光面S1および第2遮光面S2に加えて、第3遮光面S3を有している。
【0076】
第3遮光面S3は、例えば、多層配線層131に設けられている。この第3遮光面S3は、第2遮光面S2を間にして第1遮光面S1に対向しており、第2遮光面S2に接している。
【0077】
遮光部135が、第1遮光面S1および第2遮光面S2に加えて、第3遮光面S3を有することにより、より効果的に発光素子12R,12G,12Bから当該駆動IC13への光の入射が抑えられる。
【0078】
<変形例2>
図17は、変形例2に係る駆動IC13Bの模式的な断面構成を表している。駆動IC13Bの遮光部135は、例えば酸化シリコン(SiO)等の無機絶縁材料により構成されている。
【0079】
この遮光部135は、例えば、第1遮光面S1および第2遮光面S2を有している。第1遮光面S1は、半導体層132を間にして基板11に対向している。この第1遮光面S1は、駆動IC13の上面に露出されている。第2遮光面S2は、例えば、多層配線層131と第1遮光面S1との間に、第1遮光面S1にほぼ垂直に配置されている。この第2遮光面S2は、例えば、駆動IC13Bの周縁13Eに露出されている。即ち、駆動IC13Bの上面から側面を覆うように遮光部135が設けられている。多層配線層131および半導体層132の側面には、テーパが設けられていてもよい。これにより、第2遮光面S2を形成しやすくなる。
【0080】
図18は、駆動IC13Bの他の例を表している。駆動IC13Bの遮光部135は、第1遮光面S1により構成されていてもよい。換言すれば、遮光部135は、第2遮光面(
図17の第2遮光面S2)を有していなくてもよい。
【0081】
遮光部135を構成する無機絶縁材料は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN),酸窒化シリコン(SiN)およびSOG(Spin On Glass)等である。遮光部135は、複数の無機絶縁材料を含んでいてもよい。
【0082】
遮光部135のうち、少なくとも第1遮光面S1を構成する無機絶縁材料の厚みは、500nm以上であることが好ましい。
【0083】
図19は、第1遮光面S1を構成する酸化シリコンの厚みと、半導体層132への光の透過率との関係を表すシミュレーション結果である。このシミュレーションは、駆動IC13Bの上面に75°~89°の入射角で光が入射する場合を想定している。この結果より、第1遮光面S1を構成する無機絶縁材料の厚みが500nm以上であるとき、半導体層132への光の透過率が0.5%と小さくなることがわかった。
【0084】
図20は、駆動IC13Bの製造方法の一工程を表している。仮基板51に、多層配線層131および半導体層132の積層体を貼り合わせた後(
図13Bの工程の後)、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、半導体層132上に無機絶縁材料を成膜する。これにより、遮光部135が形成される。この後は、上記第1の実施の形態で説明したのと同様の方法で駆動IC13Bを形成することができる。
【0085】
図21は、駆動IC13Bの製造方法の他の例を表している。遮光部135は、基板11に多層配線層131および半導体層132の積層体を実装した後(
図21の工程の後)、形成するようにしてもよい。遮光部135は、例えば、スパッタ法,インクジェット印刷法またはスクリーン印刷法等により形成することができる。チップ分離の工程(
図13F参照)で、半導体層132および多層配線層131の側面にテーパを形成しておくことにより、この遮光部135の形成工程で第2遮光面S2が形成され易くなる。
【0086】
駆動IC13Bでは、遮光部135が無機絶縁材料により形成されているので、金属材料等により遮光部135を形成する駆動IC13に比べて、製造工程を簡便にすることが可能となる。
【0087】
<第2の実施の形態>
図22および
図23は、本技術の第2の実施の形態に係る表示装置(表示装置2)の要部の模式的な断面構成を表している。この表示装置2では、駆動IC13,113に対向する部分の保護層14の厚みと、パッケージ12(発光素子12R,12G,12B)に対向する部分の保護層14の厚みとが異なっている。表示装置2は、駆動IC113(
図14参照)を有していてもよく(
図22)、駆動IC13(
図1参照)を有していてもよい(
図23)。この点を除き、表示装置2は上記第1の実施の形態の表示装置1と同様の構成および効果を有している。
【0088】
保護層14は、パッケージ12および駆動IC13,113を覆うように、例えば、基板11の全面にわたって設けられている。表示装置2では、この保護層14が、駆動IC13,113およびその周囲を覆う厚膜部14Sと、パッケージ12およびその周囲を覆う薄膜部14Rとを有している。換言すれば、厚膜部14Sは、駆動IC13,113に対向して設けられ、薄膜部14Rは、パッケージ12(発光素子12R,12G,12B)に対向して設けられている。
【0089】
厚膜部14Sは、駆動IC13,113上に、厚みTSを有している。薄膜部14Rは、パッケージ12上に、厚みTSより小さい厚みTRを有している(TR<TS)。厚みTSは例えば2μm~10μmであり、厚みTRは例えば0.5μm~3μmである。このように、パッケージ12(発光素子12R,12G,12B)の直上の保護層14の厚みTRを小さくすることにより、発光素子12R,12G,12Bから出射されて保護層14内に拡散される光を少なくすることができる。よって、保護層14を伝搬する光(
図14の光L2)に起因した駆動IC13の特性変動の発生が抑えられる。
【0090】
遮光膜15は、保護層14を間にして基板11に対向している。この遮光膜15は、パッケージ12に対向する位置に開口15Aを有している。例えば、平面(
図22,
図23のXY平面)視での開口15Aの大きさは、平面視での薄膜部14Rの大きさよりも小さくなっている。換言すれば、遮光膜15は、厚膜部14Sから薄膜部14Rの一部を覆うように設けられている。即ち、遮光膜15は、厚膜部14Sと薄膜部14Rとの間の段差を覆っている。これにより、発光素子12R,12G,12Bから出射され、開口15Aを介して取り出された光(例えば、
図14の光L1)が、保護層14内に戻りにくくなる。よって、より効果的に駆動IC13の特性変動の発生が抑えられる。
【0091】
例えば、表示装置2は以下のようにして製造することができる(
図24A,
図24B)。
【0092】
まず、
図24Aに示したように、基板11上にパッケージ12および駆動IC113(または、駆動IC13)を実装した後、保護層14を形成する。例えば、パッケージ12はバンプ121により基板11に実装され、駆動IC113はバンプ136により基板11に実装される。保護層14は、例えば、基板11の全面にわたって略均一な厚みで形成する。
【0093】
次いで、
図24Bに示したように、保護層14のうち、パッケージ12およびその周囲を覆う部分を選択的にエッチングする。これにより、パッケージ12およびその周囲を覆う部分の保護層14の厚みが小さくなり、薄膜部14Rおよび厚膜部14Sが形成される。この保護層14のエッチングの際には、パッケージ12の上面が露出されてもよい。
【0094】
薄膜部14Rおよび厚膜部14Sを形成した後、保護層14上に遮光膜15を形成する。この後、この遮光膜15に開口15Aを形成する。例えば、このようにして
図22,
図23に示した表示装置2を形成することができる。
【0095】
本実施の形態では、保護層14が、パッケージ12(発光素子12R,12G,12B)に対向する薄膜部14Rを有しているので、発光素子12R,12G,12Bから駆動IC13に入射する光に起因した駆動IC13の特性変動の発生を抑えることができる。よって、信頼性の低下を抑えることが可能となる。
【0096】
また、厚膜部14Sと薄膜部14Rとの段差を覆うように、遮光膜15を設けることにより、より効果的に駆動IC13の特性変動の発生を抑えることができる。
【0097】
<変形例3>
図25は、上記第2の実施の形態の変形例(変形例3)に係る表示装置(表示装置2A)の要部の模式的な断面構成を表している。このように、保護層14の薄膜部14Rの表面が凸レンズ形状を有していてもよい。これにより、発光素子12R,12G,12Bから出射された光が、保護層14(薄膜部14R)の表面で全反射しにくくなる。したがって、発光素子12R,12G,12Bから出射され、保護層14内に拡散される光を更に、少なくすることができる。
【0098】
<変形例4>
図26は、上記第2の実施の形態の変形例(変形例4)に係る表示装置(表示装置2B)の要部の模式的な断面構成を表している。このように、薄膜部14R内に掘込部14Hが設けられていてもよい。
【0099】
掘込部14Hは、例えば、薄膜部14Rのうち、厚膜部14Sとの境界近傍に配置されている。即ち、掘込部14Hは、薄膜部14Rの縁に配置されている。この掘込部14Hでは、薄膜部14Rの一部が溝状に掘りこまれている。掘込部14Hは、遮光膜15の平坦性を維持可能な範囲で深く設けることが好ましい。掘込部14Hには、例えば、厚膜部14Sから延在する遮光膜15が埋め込まれている。
【0100】
このような掘込部14Hを薄膜部14Rの縁に設けることにより、パッケージ12の上層で生じた反射光が、掘込部14Hに埋め込まれた遮光膜15に吸収される。パッケージ12の上層で生じる反射光は、例えば、パッケージ12(保護体P)と保護層14との界面で反射される光、および、保護層14の表面で反射される光等である。したがって、掘込部14Hを設けることにより、発光素子12R,12G,12Bから出射されて保護層14内に拡散される光を更に、少なくすることができる。薄膜部14Rの表面をレンズ形状にし(
図25)、かつ、掘込部14Hを設けるようにしてもよい。
【0101】
図27は表示装置2Aの他の例を表し、
図28は表示装置2Bの他の例を表している。このように、基板11の全面にわたって保護層14の厚みを小さくするようにしてもよい。この保護層14のうち、パッケージ12に対向する部分の表面をレンズ形状にし(
図27)、あるいは、パッケージ12の周囲に掘込部14Hを設けるようにしてもよい(
図28)。
【0102】
このような保護層14は、例えば、基板11の全面に保護層14の構成材料を成膜した後、この膜をエッチバック等の方法により薄膜化して形成する。このような保護層14の形成工程では、選択的に薄膜部(
図25および
図26の薄膜部14R)を形成するためのパターニング工程が不要となる。よって、製造工程が簡便となり、生産性を向上させることができる。
【0103】
<第3の実施の形態>
図29および
図30は、本技術の第3の実施の形態に係る表示装置(表示装置3)の要部の模式的な断面構成を表している。この表示装置3では、保護層14の厚み方向(
図29,
図30のZ方向)に遮光膜15が埋め込まれている。表示装置3は、駆動IC113(
図14参照)を有していてもよく(
図29)、駆動IC13(
図1参照)を有していてもよい(
図30)。この点を除き、表示装置3は上記第1の実施の形態の表示装置1と同様の構成および効果を有している。
【0104】
保護層14は、例えば、パッケージ12(発光素子12R,12G,12B)と駆動IC13,113との間に溝14Gを有している。この溝14Gに遮光膜15が埋め込まれている。遮光膜15は、例えば、保護層14上から溝14Gの底まで連続して設けられている。
【0105】
溝14Gは、例えば、保護層14の表面から、保護層14と基板11との界面近傍にわたって設けられている。この溝14Gの断面形状は、保護層14の表面から基板11に向かうに連れて徐々に細くなっている。即ち、溝14Gは楔形の断面形状を有している。楔型の断面形状を有する溝14Gを設けることにより、一定の太さの溝14G(例えば、後述の
図33)を設ける場合に比べて、保護層14上の遮光膜15の平坦性を維持し易くなる。よって、遮光膜15の平坦性の悪化に起因した表示ムラの発生を抑え、画質を向上させることができる。
【0106】
図31A,
図31Bは、溝14Gの平面(
図29,
図30のXY平面)構成の一例を表している。溝14Gは、例えば、
図31Aに示したように、駆動IC13,113を囲むように設けられている。あるいは、
図31Bに示したように、パッケージ12を囲むように、溝14Gを設けるようにしてもよい。
【0107】
図32および
図33は、溝14Gの断面形状の他の例を表している。
図32に示したように、溝14Gは、保護層14の厚み方向の全部にわたって設けられていなくてもよい。溝14Gは、保護層14の厚み方向の一部に設けられていてもよい。
図33に示したように、溝14Gの深さ方向の太さが一定であってもよい。溝14Gは、例えば矩形の断面形状を有している。
【0108】
このような保護層14の溝14Gに遮光膜15が埋め込まれることにより、パッケージ12(発光素子12R,12G,12B)と駆動IC13,113との間に遮光膜15が設けられる。したがって、発光素子12R,12G,12Bから出射され、保護層14を伝搬する光が溝14Gに埋め込まれた遮光膜15に吸収される。よって、保護層14を伝搬する光(
図14の光L2)に起因した駆動IC13の特性変動の発生が抑えられる。
【0109】
図34A,
図34Bは、保護層14の溝14Gに、遮光膜15とともに反射防止膜(反射防止膜16)を有する表示装置3の断面構成を表している。
【0110】
反射防止膜16は、例えば、保護層14と遮光膜15との間に設けられており、保護層14上から溝14Gの底まで連続して設けられている。反射防止膜16は、例えば、遮光膜15と同じ平面形状を有しており、遮光膜15の開口15Aに対応する開口を有している(
図34A)。あるいは、反射防止膜16は、基板11の全面にわたって設けられていてもよい(
図34B)。
【0111】
反射防止膜16は、例えば、保護層14の屈折率とは異なる屈折率を有する材料により構成されている。反射防止膜16は、例えば、シリコン酸化膜,ITO(Indium Tin Oxide)膜,IZO(Indium Zinc Oxide)膜,シリコン窒化膜またはアクリル系透明樹脂膜等により構成されている。保護層14と遮光膜15との間に、このような反射防止膜16を設けることにより、保護層14を伝搬する光を更に少なくすることができる。したがって、より効果的に駆動IC13の特性変動の発生が抑えられる。
【0112】
例えば、表示装置3は以下のようにして製造することができる(
図35A,
図35B)。
【0113】
まず、基板11上にパッケージ12および駆動IC113(または、駆動IC13)を実装した後、保護層14を形成する(
図24A)。
【0114】
次いで、
図35Aに示したように、例えば、駆動IC113の周囲の保護層14に溝14Gを形成する。溝14Gの形成は、例えば、レーザ光LLを用いて行う。レーザ光LLを用いることにより、溝14Gを短時間、かつ、容易に形成することができる。
【0115】
保護層14に溝14Gを形成した後、
図35Bに示したように、保護層14上から溝14Gを埋め込むように遮光膜15を形成する。この後、遮光膜15に開口15Aを形成する。例えば、このようにして
図29,
図30に示した表示装置3を形成することができる。
【0116】
本実施の形態では、保護層14の溝14Gに遮光膜15が埋め込まれているので、発光素子12R,12G,12Bから駆動IC13に入射する光に起因した駆動IC13の特性変動の発生を抑えることができる。よって、信頼性の低下を抑えることが可能となる。
【0117】
また、溝14Gを保護層14の厚み方向の略全部にわたって設けることにより、より効果的に駆動IC13の特性変動の発生を抑えることができる。
【0118】
<変形例5>
図36は、上記第3の実施の形態の変形例(変形例5)に係る表示装置(表示装置3A)の要部の模式的な断面構成を表している。この表示装置3Aでは、保護層14の除去領域(除去領域14A)に遮光膜15が埋め込まれている。このように、遮光膜15を保護層14の厚み方向に埋め込むようにしてもよい。
【0119】
除去領域14Aは、保護層14が除去された領域である。この除去領域14Aは、駆動IC113(または駆動IC13)およびその周辺に対向する領域に設けられている。換言すれば、除去領域14Aに駆動IC113が設けられ、この駆動IC113の周囲が遮光膜15で覆われている。遮光膜15は、例えば、駆動IC113の上面および側面に接している。
【0120】
図37は、表示装置3Aの他の例を表している。除去領域14Aでは、保護層14が全て除去されていなくてもよい。例えば、保護層14が厚み方向に一部残っていてもよい。
【0121】
<第4の実施の形態>
図38および
図39は、本技術の第4の実施の形態に係る表示装置(表示装置4)の要部の模式的な断面構成を表している。この表示装置4では、保護層14の表面(遮光膜15側の面)に複数の凹凸14Bが設けられている。表示装置4は、駆動IC113(
図14参照)を有していてもよく(
図39)、駆動IC13(
図1参照)を有していてもよい(
図38)。この点を除き、表示装置4は上記第1の実施の形態の表示装置1と同様の構成および効果を有している。
【0122】
保護層14の表面に設けられた凹凸14Bは、例えば、保護層14の表面全面に設けられている。凹凸14Bは、例えば、略四角形の断面形状を有している。凹凸14Bは、例えば、略半円形等の曲線を含む断面形状を有していてもよい(後述の
図43B参照)。凹凸14Bこの複数の凹凸14Bは、例えば、200nm程度のピッチ(例えば、
図38,
図39のX方向およびY方向の大きさ)で設けられており、凹凸14Bの高さ(例えば、
図38,
図39のZ方向の大きさ)は200nm程度である。この凹凸14Bを覆うように遮光膜15が設けられている。
【0123】
保護層14の表面に複数の微小な凹凸14Bを設けることにより、保護層14の表面での屈折率の変化が緩やかになる。これにより、パッケージ12(発光素子12R,12G,12B)から出射された光の保護層14の表面での反射が抑えられる。即ち、保護層14の表面に設けられた複数の凹凸14Bによりモスアイ構造と同様の効果が得られる。よって、保護層14を伝搬する光(
図14の光L2)に起因した駆動IC13の特性変動の発生が抑えられる。
【0124】
例えば、表示装置4は以下のようにして製造することができる(
図40A,
図40B)。
【0125】
まず、基板11上にパッケージ12および駆動IC113(または、駆動IC13)を実装した後、保護層14を形成する(
図24A)。
【0126】
次いで、
図40Aに示したように、保護層14の表面にレジストパターン61を形成する。このレジストパターン61は、複数の凹凸14Bを形成するためのものであり、凹凸14Bの形状に対応している。レジストパターン61は、例えば、保護層14の表面にレジスト材料を成膜した後、これを所定の形状にパターニングすることにより形成することができる。
【0127】
レジストパターン61を形成した後、
図40Bに示したように、保護層14の表面に複数の凹凸14Bを形成する。複数の凹凸14Bは、例えば、レジストパターン61を用いたドライエッチングにより形成する。複数の凹凸14Bを形成した後、レジストパターン61を除去する。続いて、保護層14の表面に遮光膜15を形成する。この後、遮光膜15に開口15Aを形成する。例えば、このようにして
図38,
図39に示した表示装置4を形成することができる。
【0128】
【0129】
図41に示したように、保護層14を形成した後、保護層14の表面にアッシング処理を施すことにより複数の凹凸14Bを形成するようにしてもよい。
【0130】
図42A~
図43Bに示したように、保護層14を形成した後、保護層14の表面にナノインプリント用のモールド62を押し当てることにより、複数の凹凸14Bを形成するようにしてもよい。角型のモールド62を用いるようにしてもよく(
図42A,
図42B)、丸形のモールド62を用いるようにしてもよい(
図43A,
図43B)。
【0131】
本実施の形態では、保護層14の表面に複数の微小な凹凸14Bが設けられているので、発光素子12R,12G,12Bから駆動IC13に入射する光に起因した駆動IC13の特性変動の発生を抑えることができる。よって、信頼性の低下を抑えることが可能となる。
【0132】
<第5の実施の形態>
図44および
図45は、本技術の第5の実施の形態に係る表示装置(表示装置5)の要部の模式的な断面構成を表している。この表示装置5の保護層14は、低屈折率膜141および高屈折率膜142を含んでいる。表示装置5は、駆動IC113(
図14参照)を有していてもよく(
図45)、駆動IC13(
図1参照)を有していてもよい(
図44)。この点を除き、表示装置5は上記第1の実施の形態の表示装置1と同様の構成および効果を有している。
【0133】
例えば、基板11側から低屈折率膜141および高屈折率膜142がこの順に積層されている。低屈折率膜141の厚みは、例えば、高屈折率膜142の厚みよりも大きくなっている。この低屈折率膜141により、基板11上のパッケージ12および駆動IC13,113が覆われている。低屈折率膜141は、例えば、樹脂材料等により構成されている。この低屈折率膜141の屈折率は、例えば、1.5程度である。
【0134】
高屈折率膜142は、低屈折率膜141の屈折率よりも高い屈折率を有している。高屈折率膜142は、例えば、窒化シリコン(SiN)等により構成されている。この高屈折率膜142の屈折率は、例えば、2.0程度である。高屈折率膜142は、低屈折率膜141と遮光膜15との間に設けられている。
【0135】
保護層14が、このような低屈折率膜141および高屈折率膜142の積層構造を有することにより、パッケージ12(発光素子12R,12G,12B)から出射された光の保護層14の表面近傍での反射が抑えられる。よって、保護層14を伝搬する光(
図14の光L2)に起因した駆動IC13の特性変動の発生が抑えられる。
【0136】
図46は、表示装置5の他の例を表している。表示装置5では、高屈折率膜142の表面に複数の微小な凹凸14Bを設けるようにしてもよい。これにより、より効果的に保護層14の表面近傍での反射が抑えられる。
【0137】
例えば、表示装置5は以下のようにして製造することができる。
【0138】
まず、基板11上にパッケージ12および駆動IC113(または、駆動IC13)を実装した後、基板11の全面にわたって低屈折率膜141を形成する。次いで、低屈折率膜141上に高屈折率膜142を形成する。これにより、保護層14が形成される。続いて、保護層14の表面に遮光膜15を形成する。この後、遮光膜15に開口15Aを形成する。例えば、このようにして
図44,
図45に示した表示装置5を形成することができる。
【0139】
本実施の形態では、保護層14が低屈折率膜141および高屈折率膜142の積層構造を有しているので、発光素子12R,12G,12Bから駆動IC13に入射する光に起因した駆動IC13の特性変動の発生を抑えることができる。よって、信頼性の低下を抑えることが可能となる。
【0140】
<第6の実施の形態>
図47および
図48は、本技術の第6の実施の形態に係る表示装置(表示装置6)の要部の模式的な断面構成を表している。この表示装置6は、駆動IC13,113とパッケージ12との間に遮光部材(遮光部材17)を有している。表示装置6は、駆動IC113(
図14参照)を有していてもよく(
図47)、駆動IC13(
図1参照)を有していてもよい(
図48)。この点を除き、表示装置6は上記第1の実施の形態の表示装置1と同様の構成および効果を有している。
【0141】
この遮光部材17は、例えば、保護層14の厚み方向に沿って延在しており、遮光部材17の下面が基板11に接し、遮光部材17の上面が遮光膜15に接している。遮光部材17にかかるように遮光膜15が設けられていることが好ましい
【0142】
図49は、遮光部材17の断面構成の他の例を表している。遮光部材17は、保護層14の厚み方向の全部にわたって延在していなくてもよく、例えば、保護層14の表面側の一部に延在していてもよい。
【0143】
図50A,
図50B,
図50Cは、遮光部材17の平面(
図47,
図48のXY平面)構成の一例を表している。遮光部材17は、例えば、駆動IC13(または駆動IC113)とパッケージ12との間を仕切るように、壁状に設けられている。
図50Aに示したように、遮光部材17を格子状に設けるようにしてもよい。あるいは、
図50B,
図50Cに示したように、駆動IC13またはパッケージ12のどちらか一方を囲むように、遮光部材17を設けるようにしてもよい。
【0144】
図51A,
図51Bは、遮光部材17の平面構成の他の例を表している。遮光部材17は、例えば、柱状であってもよい。駆動IC13(または駆動IC113)とパッケージ12との間に、複数の柱状の遮光部材17が設けられている。
図51Aに示したように、遮光部材17は円柱状であってもよい。あるいは、
図51Bに示したように、遮光部材17は角柱状であってもよい。
【0145】
遮光部材17は、発光素子12R,12G,12Bから出射される波長域の光(例えば、可視領域の波長の光)に対して遮光性を有する材料により構成されている。例えば、遮光部材17は、タングステン(W),チタン(Ti),タンタル(Ta),アルミニウム(Al)および銅(Cu)等の金属材料により構成されている。あるいは、遮光部材17は、カーボンブラック等を含む有機材料等により構成されていてもよく、無機材料により構成されていてもよい。
【0146】
このような遮光部材17を、駆動IC13,113とパッケージ12(発光素子12R、2G,12B)との間に設けることにより、発光素子12R,12G,12Bから出射され、保護層14を伝搬する光が遮光部材17に吸収される。よって、保護層14を伝搬する光(
図14の光L2)に起因した駆動IC13の特性変動の発生が抑えられる。
【0147】
例えば、表示装置6は以下のようにして製造することができる(
図52A~
図52E)。
【0148】
【0149】
次いで、
図52Bに示したように、フォトリソグラフィ法を用いて、基板11上にレジストパターン64を形成する。このレジストパターン64は、遮光部材17に対応するパターンを有している。
【0150】
次いで、
図52Cに示したように、レジストパターン64上に、遮光材料17Aを成膜する。続いて、
図52Dに示したように、例えばエッチングにより不要な遮光材料17Aを除去する。これにより、遮光部材17が形成される。
【0151】
次に、
図52Eに示したように、レジストパターン64を除去する。続いて、この遮光部材17が設けられた基板11上に、駆動IC13,113およびパッケージ12を実装する。次に、保護層14および遮光膜15をこの順に形成する。この後、遮光膜15に開口15Aを形成する。例えば、このようにして
図47,
図48に示した表示装置6を形成することができる。
【0152】
【0153】
まず、基板11上にパッケージ12および駆動IC113(または、駆動IC13)を実装した後、保護層14を形成する(
図24A)。
【0154】
次に、
図53Aに示したように、保護層14上にレジストパターン65を形成する。このレジストパターン64は、遮光部材17に対応するパターンを有している。続いて、
図53Bに示したように、このレジストパターン64を用いて、保護層14に溝Mを形成する。
【0155】
保護層14に溝Mを形成した後、
図53Cに示したように、レジストパターン65上から溝Mを埋め込むように遮光材料17Aを成膜する。続いて、例えばエッチングにより不要な遮光材料17Aおよびレジストパターン65を除去する。これにより、遮光部材17が形成される。次に、遮光部材17および保護層14を覆うように遮光膜15を形成する。この後、遮光膜15に開口15Aを形成する。例えば、このような方法でも
図47,
図48に示した表示装置6を形成することができる。
【0156】
この方法では、保護層14の溝Mに遮光材料17Aを埋め込んで遮光部材17を形成しているので、複数の遮光部材17の高さ(例えば、
図47,
図48のZ方向の大きさ)を揃えるためには、保護層14の平坦化および溝Mの深さが重要となる。したがって、加工難易度が高い。一方、基板11にパッケージ12および駆動IC13,113を実装する前に、遮光部材17を形成する場合(
図52A~
図52E)には、容易に遮光部材17の高さを調整し、複数の遮光部材17の高さを揃えやすい。
【0157】
本実施の形態では、駆動IC13,113とパッケージ12(発光素子12R,12G,12B)との間に遮光部材17を設けるようにしたので、発光素子12R,12G,12Bから駆動IC13に入射する光に起因した駆動IC13の特性変動の発生を抑えることができる。よって、信頼性の低下を抑えることが可能となる。
【0158】
上記第1~第6の実施の形態等において説明した表示装置1,2,2A,2B,3,3A,4,5,6(以下、略して表示装置1とする)は、複数の基板11がタイル状に敷き詰められた表示装置、いわゆる、タイリングディスプレイであってもよい。
【0159】
<適用例>
上記第1~第6の実施の形態等において説明した表示装置1は、例えば、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0160】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれら実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態等において説明した各部の材料および厚みなどは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよい。
【0161】
また、上記実施の形態等では、本技術の半導体素子の一具体例として、駆動IC13を挙げて本技術を説明したが、本技術の半導体素子はこれに限られない。
【0162】
また、上記実施の形態等では、パッケージ12が3つの発光素子(発光素子12R,12G,12B)を含む場合について説明したが、パッケージ12に含まれる発光素子の数は、例えば、1つであってもよく、あるいは、4つ以上であってもよい。
【0163】
また、上記実施の形態等では、画素10毎に駆動IC13が設けられている場合について説明したが(
図2)、複数の画素10で駆動IC13が共有されていてもよい。
【0164】
また、上記実施の形態等では、本技術の発光装置を表示装置に適用する場合について説明したが、本技術は例えば、照明装置等の他のデバイスに適用することも可能である。
【0165】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であってこれに限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0166】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。以下の構成の本技術によれば、半導体素子に、発光素子からの光の入射を抑える遮光部を設けるようにしたので、発光素子から半導体素子に入射する光に起因した半導体素子の特性変動の発生を抑えることができる。よって、信頼性の低下を抑えることが可能となる。
(1)
基板と、
前記基板上に設けられた発光素子と、
前記基板上に設けられ、前記基板側から多層配線層および半導体層をこの順に有し、かつ、前記発光素子からの光の入射を抑える遮光部を有する半導体素子と、
前記基板上に設けられ、前記発光素子および前記半導体素子を覆う保護層と、
前記保護層を間にして前記基板に対向し、かつ、前記発光素子に対向する位置に開口を有する遮光膜とを備え、
前記遮光部は、
前記半導体層を間にして前記基板に対向する第1遮光面と、
前記第1遮光面と前記多層配線層との間に、前記第1遮光面に交差する方向に配置された第2遮光面とを含み、
前記保護層は、前記半導体素子に対向する厚膜部と、前記発光素子に対向するとともに、前記厚膜部よりも厚みの小さい薄膜部とを有する
発光装置。
(2)
前記遮光部は、前記半導体素子の周縁よりも内側に設けられている
前記(1)に記載の発光装置。
(3)
前記第2遮光面は、前記半導体素子のうち、少なくとも前記発光素子に臨む位置に設けられている
前記(1)または(2)に記載の発光装置。
(4)
前記第2遮光面は、前記半導体素子の全周にわたって設けられている
前記(1)ないし(3)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(5)
複数の前記第2遮光面を有する
前記(1)ないし(4)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(6)
複数の前記第2遮光面は、互いに接して配置されている
前記(5)に記載の発光装置。
(7)
前記半導体層は溝を有し、
前記溝内に、前記第2遮光面が配置されている
前記(1)ないし(6)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(8)
前記第2遮光面は前記第1遮光面に接している
前記(1)ないし(7)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(9)
前記遮光部は、更に、前記第2遮光面を間にして前記第1遮光面に対向する第3遮光面を有する
前記(1)ないし(8)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(10)
更に、前記発光素子と前記半導体素子との間に設けられ、前記発光素子から前記半導体素子への光の入射を抑える遮光部材を有する
前記(1)ないし(9)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(11)
前記遮光膜は、前記発光素子と前記半導体素子との間の前記保護層の厚み方向に埋設されている
前記(1)ないし(10)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(12)
前記遮光膜は、前記薄膜部と前記厚膜部との間の段差を覆っている
前記(1)ないし(11)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(13)
前記保護層の表面には、複数の凹凸が設けられている
前記(1)ないし(12)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(14)
前記保護層は、前記基板側から順に、低屈折率膜および高屈折率膜を含む
前記(1)ないし(13)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(15)
前記遮光部は、金属材料または樹脂材料を含む
前記(1)ないし(14)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(16)
前記遮光部は、無機絶縁材料を含む
前記(1)ないし(15)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(17)
前記遮光部の少なくとも一部は、厚み500nm以上を有する
前記(16)に記載の発光装置。
(18)
前記保護層は、前記薄膜部の表面に凸レンズ形状を有する
前記(1)ないし(17)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(19)
前記保護層の前記薄膜部は、前記厚膜部との境界近傍に掘込部を有し、
前記掘込部には前記遮光膜が埋め込まれている
前記(1)ないし(18)のうちいずれか1つに記載の発光装置。
(20)
発光装置を備え、
前記発光装置は、
基板と、
前記基板上に設けられた発光素子と、
前記基板上に設けられ、前記基板側から多層配線層および半導体層をこの順に有し、かつ、前記発光素子からの光の入射を抑える遮光部を有する半導体素子と、
前記基板上に設けられ、前記発光素子および前記半導体素子を覆う保護層と、
前記保護層を間にして前記基板に対向し、かつ、前記発光素子に対向する位置に開口を有する遮光膜とを備え、
前記遮光部は、
前記半導体層を間にして前記基板に対向する第1遮光面と、
前記第1遮光面と前記多層配線層との間に、前記第1遮光面に交差する方向に配置された第2遮光面とを含み、
前記保護層は、前記半導体素子に対向する厚膜部と、前記発光素子に対向するとともに、前記厚膜部よりも厚みの小さい薄膜部とを有する
表示装置。
(21)
基板と、
前記基板上に設けられた発光素子と、
前記基板上に設けられ、前記基板側から多層配線層および半導体層をこの順に有する半導体素子と、
前記発光素子と前記半導体素子との間に設けられ、前記発光素子から前記半導体素子への光の入射を抑える遮光部材と
を備えた発光装置。
(22)
基板と、
前記基板上に設けられた発光素子と、
前記基板上に設けられ、前記基板側から多層配線層および半導体層をこの順に有する半導体素子と、
前記基板上に設けられ、前記発光素子および前記半導体素子を覆う保護層と、
前記保護層を間にして前記基板に対向し、かつ、前記発光素子に対向する位置に開口を有する遮光膜とを備え、
前記遮光膜は、前記発光素子と前記半導体素子との間の前記保護層の厚み方向に埋設されている
発光装置。
(23)
基板と、
前記基板上に設けられた発光素子と、
前記基板上に設けられ、前記基板側から多層配線層および半導体層をこの順に有する半導体素子と、
前記基板上に設けられ、前記発光素子および前記半導体素子を覆う保護層と、
前記保護層を間にして前記基板に対向し、かつ、前記発光素子に対向する位置に開口を有する遮光膜とを備え、
前記保護層は、前記半導体素子に対向する厚膜部と、前記発光素子に対向するとともに、前記厚膜部よりも厚みの小さい薄膜部とを有する
発光装置。
(24)
基板と、
前記基板上に設けられた発光素子と、
前記基板上に設けられ、前記基板側から多層配線層および半導体層をこの順に有する半導体素子と、
前記基板上に設けられ、前記発光素子および前記半導体素子を覆う保護層と、
前記保護層を間にして前記基板に対向し、かつ、前記発光素子に対向する位置に開口を有する遮光膜とを備え、
前記保護層の表面には、複数の凹凸が設けられている
発光装置。
(25)
基板と、
前記基板上に設けられた発光素子と、
前記基板上に設けられ、前記基板側から多層配線層および半導体層をこの順に有する半導体素子と、
前記基板上に設けられ、前記発光素子および前記半導体素子を覆う保護層と、
前記保護層を間にして前記基板に対向し、かつ、前記発光素子に対向する位置に開口を有する遮光膜とを備え、
前記保護層は、前記基板側から順に、低屈折率膜および高屈折率膜を含む
発光装置。
【0167】
本出願は、日本国特許庁において2018年8月31日に出願された日本特許出願番号第2018-163023号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願の全ての内容を参照によって本出願に援用する。
【0168】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。