(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240116BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240116BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240116BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20240116BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240116BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240116BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20240116BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240116BHJP
【FI】
G06F3/041 490
G02F1/1333
G02F1/1335 500
G02F1/1345
G06F3/041 430
G06F3/041 450
G09F9/00 366A
G09F9/30 338
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
H05B33/02
H05B33/14 A
(21)【出願番号】P 2020558590
(86)(22)【出願日】2019-08-01
(86)【国際出願番号】 CN2019098791
(87)【国際公開番号】W WO2020025011
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】201810872952.0
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ 彬峰
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 永▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲飛▼
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-092162(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0001823(US,A1)
【文献】特開2009-053660(JP,A)
【文献】特開2003-177427(JP,A)
【文献】特開2005-077636(JP,A)
【文献】特開2005-062619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G02F 1/1333
G02F 1/1335
G02F 1/1345
G09F 9/00
G09F 9/30
H05B 33/02
H05B 33/14
H10K 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域及び前記表示領域を囲む非表示領域を含む表示パネルであって、前記表示領域に位置する複数の信号線と、前記非表示領域に位置する複数の信号線リード線と、をさらに含み、前記信号線リード線が前記信号線と電気的に接続される表示パネルと、
前記表示パネルの出光側に位置し、前記表示パネルへの正射影が前記非表示領域内に位置する遮光パターンであって、前記複数の信号線リード線で反射された光が前記出光側から出射するのを遮断するように配置された遮光パターンと、を含
み、
前記遮光パターンの各部分は、不均一な光透過率を有し、
前記複数の信号線リード線の領域は、第1のリード線領域と第2のリード線領域とを有し、前記第1のリード線領域の光反射能力が前記第2のリード線領域の光反射能力よりも高く、
前記遮光パターンは、前記第1のリード線領域からの反射光を遮断するための第1のパターンと、前記第2のリード線領域からの反射光を遮断するための第2のパターンと、を含み、前記第1のパターンの光透過率は前記第2のパターンの光透過率よりも低い、表示装置。
【請求項2】
前記複数の信号線は、複数のデータ線を含み、
前記複数の信号線リード線は、複数のデータ線リード線を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルの出光側に位置し、前記表示パネルへの正射影が前記非表示領域に位置するフレームパターンを有し、
前記遮光パターンの前記表示パネルへの正射影と、前記フレームパターンの前記表示パネルへの正射影とが少なくとも部分的に重なっている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルの出光側に位置し、前記表示パネルへの正射影が前記非表示領域内に位置するフレームパターンを有し、
前記遮光パターンの前記表示パネルへの正射影の少なくとも一部が、前記表示パネルの表示領域と前記フレームパターンの前記表示パネルへの正射影領域との間の中央領域の内にある、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記遮光パターンの前記表示パネルへの垂直距離は、前記フレームパターンの前記表示パネルへの垂直距離よりも小さい、請求項3または4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルの出光側にあるタッチ電極層を有し、
前記遮光パターンは前記タッチ電極層上に配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルの出光側に位置し、前記遮光パターンが取り付けられた層構造をさらに備え、
前記層構造は、封止層、偏光子、タッチ電極層、および光学接着剤層の少なくとも1つを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示パネルの上にあるカバープレートをさらに有し、
前記フレームパターンは、前記カバープレートに形成されている、請求項3または4に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1のリード線領域における信号線リード線の配線密度は、前記第2のリード線領域における信号線リード線の配線密度よりも高い、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記遮光パターンは中空パターンを含み、
前記第1のパターンの中空部分の比例は、前記第2のパターンの中空部分の比例よりも小さい、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記遮光パターンは、複数のグリッドバーを含み、
前記第1のパターンのグリッドバーの密度は、前記第2のパターンのグリッドバーの密度よりも大きい、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記遮光パターンを形成する材料は、インクを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記遮光パターンの前記遮光パターンに最も近い表示領域のエッジと垂直な方向での幅は、0.5mmから1mmである、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月2日にて中国特許庁出願の中国特許出願第201810872952.0号の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
【0002】
本発明は、表示技術分野に関し、特に表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術の高速発展に従い、各々の表示装置が現れており、例えば、液晶表示装置(Liquid Crystal Display,LCDと略称)、有機エレクトロルミネセンス表示装置(Organic Light‐Emitting Display,OLEDと略称)などがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態は、表示パネルと遮光パターンを含む表示装置を提供する。表示パネルは、表示領域及び前記表示領域を囲む非表示領域を含み、前記表示パネルは、前記表示領域に位置する複数の信号線と、前記非表示領域に位置する複数の信号線リード線と、をさらに含み、前記信号線リード線は前記信号線と電気的に接続される。遮光パターンは、前記表示パネルの出光側に位置し、前記遮光パターンの前記表示パネルへの正射影が前記非表示領域内に位置し、前記複数の信号線リード線で反射された光が前記出光側から出射するのを遮断するように配置される。
【0005】
ある実施形態において、前記複数の信号線は、複数のデータ線を含み、前記複数の信号線リード線は、複数のデータ線リード線を含む。
【0006】
ある実施形態において、前記表示パネルの出光側に位置し、前記表示パネルへの正射影が前記非表示領域に位置するフレームパターンを有し、前記遮光パターンの前記表示パネルへの正射影と、前記フレームパターンの前記表示パネルへの正射影とが少なくとも部分的に重なっている。
【0007】
ある実施形態において、前記表示パネルの出光側に位置し、前記表示パネルへの正射影が前記非表示領域内に位置するフレームパターンを有し、前記遮光パターンの前記表示パネルへの正射影の少なくとも一部が、前記表示パネルの表示領域と前記フレームパターンの前記表示パネルへの正射影領域との間の中央領域の内にある。
【0008】
ある実施形態において、前記遮光パターンの前記表示パネルへの垂直距離は、前記フレームパターンの前記表示パネルへの垂直距離よりも小さい。
【0009】
ある実施形態において、前記表示パネルの出光側にあるタッチ電極層を有し、前記遮光パターンは前記タッチ電極層上に配置されている。
【0010】
ある実施形態において、前記表示パネルの出光側に位置し、前記遮光パターンが接続された層構造をさらに備え、前記層構造は、封止層、偏光板、タッチ電極層、および光学接着剤層の少なくとも1つを有する。
【0011】
ある実施形態において、前記表示パネルの上にあるカバープレートをさらに有し、前記フレームパターンは、前記カバープレートに形成されている。
【0012】
ある実施形態において、前記遮光パターンの各部分は、不均一な光透過率を有する。
【0013】
ある実施形態において、前記複数の信号線リード線の領域は第1のリード線領域と第2のリード線領域とを有し、前記第1のリード線領域の光反射能力が前記第2のリード線領域の光反射能力よりも高く、前記遮光パターンは、前記第1のリード線領域からの反射光を遮断する第1のパターンと、前記第2のリード線領域からの反射光を遮断する第2のパターンと、を含み、前記第1のパターンの光透過率は前記第2のパターンの光透過率よりも低い。
【0014】
ある実施形態において、前記第1のリード線領域における信号線リード線の配線密度は、前記第2のリード線領域における信号線リード線の配線密度よりも高い。
【0015】
ある実施形態において、前記遮光パターンは中空パターンを含み、前記第1のパターンの中空部分の比例は前記第2のパターンの中空部分の比例よりも小さい。
【0016】
ある実施形態において、前記遮光パターンは、複数のグリッドバーを含み、前記第1のパターンのグリッドバーの密度は前記第2のパターンのグリッドバーの密度よりも大きい。
【0017】
ある実施形態において、前記遮光パターンを形成する材料は、インクを含む。
【0018】
ある実施形態において、前記遮光パターンの前記遮光パターンに最も近い表示領域のエッジと垂直な方向での幅は、0.5mmから1mmである。
【0019】
本開示の実施形態の技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施形態記述に使われる図面を簡単に説明する。
【0020】
以下での記述における図面は、本開示の実施形態の一部に対するものにすぎず、進歩性に値する労働をしない前提において、これらの図面から他の図面を取得できることは、当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】本開示実施形態による表示装置の模式的な平面図である。
【
図3】
図2のA-A方向での断面図及び信号線リード線からの反射光の光的ルートの模式図である。
【
図4】
図3の例に対する遮光パターンの不設置に際して信号線リード線からの反射光の光的ルートを表す図である。
【
図5】本開示実施形態による表示装置における「ファンアウト領域」の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本図面を参照して本開示実施形態における技術案をより明瞭、充分に記述する。記述する実施形態は、本開示の実施形態の一部であり、すべての実施形態ではないことが明らかである。本開示の実施形態によると、進歩性に値する労働をしない前提において当業者でなされた他の実施形態のすべては、本願の保護請求する範囲に含まれる。
【0023】
特に定義がない限り、本明細書で使用される技術用語または科学用語は、当業者によって理解される通常の意味を有するものとする。本明細書で使用されている「第1」、「第2」および類似する表現は、何らかの順序、数量、または重要性を示すものではなく、各構成部分の区別に使われる。「含む」または「からなる」および類似する表現は、同表現の前に記載の素子や部品が同表現の後に挙げられる素子や部品及び同等物をカバーし、他の素子や部品を除外しないことに意味する。
【0024】
図1は、相関技術における表示装置の透視図の例を模式的に表す。
図1に示されるよう、表示装置は、表示領域01と非表示領域02を含む。表示領域01内の金属線は、非表示領域02に設けられるリート線を介して非表示領域02に設けられるIC(集積回路)に電気的に接続される。これらのリード線は、ICに結合される前に、非表示領域02のある領域に集められる。たとえば、上記の金属線はデート線であることが可能であり、この場合、リード線はデータ線リード線であり、データ線リード線の非表示領域02での集合領域は、通常、ファンアウト領域と呼ばれる。ファンアウト領域のリード線の一端はICに接続され、他端は表示領域01の信号線(データ線)に接続されている。ファンアウト領域03は
図1に模式的に示されている。リード線のファンアウト領域03での配線密度がリード線の非表示領域02の他の領域での配線密度よりも大きいことが理解される。これらのリード線は通常、反射特性を有し、表示装置に入る周囲光または表示装置の内部の光を反射することができる。ファンアウト領域03内のリード線の配線密度の方が大きいため、非表示領域02のファンアウト領域03に位置するリード線によって反射される光の強度は、非表示領域02の他の領域によって反射される光の強度よりも大きい。また、ファンアウトエリア03にあるリード線に使用される材料は完全に同じではない場合があり、異なる材料によって光反射能力が異なっており、ファンアウトエリア03内のリード線の配線密度でも均一ではないため、ファンアウトエリア03によって反射される光の強さは不均一性がある程度存在する。ファンアウト領域とファンアウト領域を除く非表示領域の他の領域とでの光反射特性に差異があることと、ファンアウト領域内部の反射特性の不一致とにより、異なる視覚的明るさをユーザに感知させ、明らかな「光漏れ」の現象を招来する。
【0025】
本開示の一実施形態は、表示パネルと遮光パターンを含む表示装置を提供する。表示パネルは、表示領域及び前記表示領域を囲む非表示領域を含み、前記表示パネルは、前記表示領域に位置する複数の信号線と、前記非表示領域に位置する複数の信号線リード線と、をさらに含み、前記信号線リード線は前記信号線と電気的に接続される。遮光パターンは、前記表示パネルの出光側に位置し、前記遮光パターンの前記表示パネルへの正射影が前記非表示領域内に位置し、前記複数の信号線リード線で反射された光が前記出光側から出射するのを遮断するように配置された。
【0026】
本明細書で言及する「表示パネル」は、表示装置の構成要素であり、表示パネルは、ベース基板と、ベース基板上に形成される、適切な条件下で発光することができるピクセル素子(例えば、OLEDまたは液晶層)とを含む。液晶表示装置について、表示パネルは、アレイ基板、カラーフィルム基板、および両方の間の液晶層を含んで良い。有機エレクトロルミネセンス表示装置について、表示パネルは、発光ピクセルおよびそれの駆動回路が形成されるベース基板。
【0027】
以下、
図2および
図3と併せて、本開示実施形態による表示装置の例を説明する。
図2に示されるよう、表示パネルの表示領域01は、
図2に示す点線で囲まれた領域である。表示領域01以外の領域は、非表示領域02である。本明細書で言及される「表示領域」とは、表示パネルが駆動されるときに発光可能なピクセル領域である。
図1の例と類似するよう、
図2に示す表示装置の表示パネルは、表示領域に位置する複数の信号線および非表示領域に位置する複数の信号線リード線を含み、前記信号線リード線は前記信号線と電気的に接続されている(
図2は表示装置の平面図であり、信号線および信号線リード線は示されていない)。
図3は、
図2における線A-Aに沿ってなされた部分断面図である。
図3に示されるように、表示装置は、表示パネル10を含み、
図3は信号線リード線11をさらに模式的に示される。表示装置は、表示パネルの出光側に位置される遮光パターン30をさらに含み、遮光パターン30の前記表示パネルでの正射影は、非表示領域02内に位置され、遮光パターン30は、信号線リード線11により反射される光が前記出光側から出射することを遮断するよう配置される。
【0028】
上記の説明からわかるよう、本開示の実施形態による表示装置内の遮光パターンは、表示パネルの信号線リード線に対して設けられるものであり、表示パネルの非ディスプレイ領域内に配置され、表示装置の通常の表示に影響を及ばすことはない。その反面、遮光パターンは、信号線リード線からの反射光が表示パネルの出光側から出射されることを阻害するだけである。したがって、ユーザが感知している表示パネルの非表示領域(上記の「ファンアウト領域」を含む)から反射される光の強さは、少なくとも顕著に低減され、上記の「光漏れ」現象を緩和または軽減することができる。
【0029】
本開示のある実施形態によれば、上記の信号線はデータ線であってもよいし、この場合、上記の信号線リード線はデータ線リード線を含んでも良い。
【0030】
図3の表示装置の例は、表示装置のフレームパターン21を模式的に示している。フレームパターンは、表示パネル10の出光側に位置され、フレームパターン21の表示パネル10での正射影は非表示領域02内に位置され、遮蔽パターン30の表示パネル10での正射影と、フレームパターン21の表示パネル10での正射影とは、少なくとも部分的に重なっている。ここで言及する「少なくとも部分的に重なっている」とは、遮光パターン30の表示パネル10での正射影がフレームパターン21の表示パネル10での正射影内に落ち込まれることと、フレームパターン21の表示パネル10での正射影が遮光パターン30の表示パネル10での正射影内に落ち込まれることと、または、遮光パターン30の表示パネル10での正射影とフレームパターン21の表示パネル10での正射影とが部分的に重ねていることとのいずれかを意味している。
【0031】
図3の例において、遮光パターン30から表示パネル10までの垂直距離は、フレームパターン21から表示パネル10までの垂直距離よりも小さい。フレームパターン21は、表示パネル10の上にあるカバープレート20上に形成されている。
【0032】
本開示のある実施形態によれば、
図2または3に示されるよう、表示パネルの非表示領域02は、エッジ非表示領域04および中央非表示領域05を含む。エッジ非表示領域04とは、非表示領域のうち上記のフレームパターンに対応する領域であり、中央非表示領域05は、非表示領域のうちエッジ非表示領域04を除く領域であり、中央非表示領域05内ではフレームパターンが含まれていない。つまり、
図2の例では、表示装置のフレームパターンで囲まれた窓領域(黒く塗りの領域の内輪郭線で囲まれた領域)は、表示装置の表示領域01よりも大きい。このようにすれば、接合のばらつきやプロセスの不足によりフレームパターンが表示装置の表示領域を遮蔽することを回避できる。
【0033】
ある実施形態において、遮光パターン30の表示パネルでの正射影の少なくとも一部は、表示パネルの表示領域とフレームパターンの前記表示パネルの正射影領域との間の中間領域内に位置する。つまり、
図3の例では、一部の遮光パターン30の表示パネル10での正射影は、中央非表示領域05内に位置している。ある実施形態では、遮光パターン30の表示パネル10での正射影が中央非表示領域05の表示パネル10での正射影内に落ち込まれていることと、中央非表示領域05の表示パネル10での正射影が遮光パターン30の表示パネル10での正射影内に落ち込まれていることと、遮光パターン30の表示パネル10での正射影と中央非表示領域05の表示パネル10での正射影内とが重なっている部分があることとのいずれかが可能である。
【0034】
ある実施形態では、遮光パターン30の表示パネル10上の正射影は、エッジ非表示領域04の表示パネル10上の正射影と中央非表示領域05の表示パネル10での正射影とのいずれかと重なっている。例えば、ある実施形態では、遮光パターン30の表示パネル10での正射影が非表示領域02の表示パネル10での正射影と重なっていることと、遮光パターン30の表示パネル10での正射影の一部がエッジ非表示領域04の表示パネル10での正射影内に落ち込まれ、他の部分が中央非表示領域05の表示パネル10での正射影内に落ち込まれることとのいずれかである。
【0035】
図3に示す表示装置は、自発光式表示装置の例であって、例えば、OLED表示装置である。
図3は、カバープレート20、封止層40、偏光子50、タッチ電極層60、および光学接着剤層70をさらに模式的に示している。封止層40は、封止カバープレートまたは封止フィルムを含んでもよい。
図3には遮光パターン30がタッチ電極層60および光学接着剤層70上に配置されることが示されているが、本開示の実施形態による遮光パターンの配置はこれに限定されず、遮光パターンは、単一の層構造に配置されてもよく、複数の層構造に配置されてもよい。これについては、以下でさらに説明する。
【0036】
以下、
図2、
図3、および
図4と併せて、本開示の実施形態による表示装置によって達成可能な上記の「光漏れ」現象の低減に関わる効果をさらに説明する。
【0037】
図2に示す表示装置には本明細書に言及する「遮蔽パターン」が設けられていないことを仮定し、この場合、
図2の線A-Aに沿った部分断面図は
図4に示される。
図4は信号線リード線からの反射光の光的ルートを模式的に示している。
図4を参照すると、非表示領域02の中央表示領域05にはフレームパターンが存在せず、非表示領域02にある信号線リード線11によって外部周囲光または表示装置が発する光を反射してから、ほとんどの光は表示装置の表示面から直接に出射されてユーザに感知され、
図3の左側寄りの信号線リード線11によって反射された光の経路に示されるようになる。エッジ非表示領域04にはフレームパターン21が存在するが、ある視角では、エッジ非表示領域04内の信号線リード線11からの反射光の一部がユーザに感知され、
図3の右側寄りの信号線リード線11の反射光の経路に示されるようになった。したがって、
図4の例では、非表示領域02に位置する信号線リード線11によって反射された光がユーザに感知され、上記の「光漏れ」現象を招来しやすく、表示装置のユーザによる使用体験に影響を与える。
【0038】
図3を参照すると、
図3は、本開示の実施形態による表示装置内の信号線リード線11からの反射光の光的経路を模式に示している。類似するよう、
図3の例では、表示パネル10は、表示領域01および非表示領域02を含む。非表示領域02は、エッジ非表示領域04および中央非表示領域05を含む。中央非表示領域05は、表示領域01とエッジ非表示領域04との間に位置され、表示パネルのファンアウト領域03が非表示領域02に配置されている。
図3からよく理解できるよう、信号線リード線11によって反射された光は、遮光パターン30を通過してから、強度が顕著に減少することになる。つまり、遮光パターン30は、少なくとも信号線リード線11によって反射される光の強度を低減することができ、その結果、ユーザの信号線リード線11によって反射される光に対する感度を低減することができ、上記する「光漏れ」現象を緩和することができる。
【0039】
上記のように、本開示の実施形態は、遮光パターンがどの層構造に配置されるかを特に限定しない。
図3の例では、遮光パターン30は、封止層40、偏光子50、タッチ電極層60、光学的接着剤層70などの層構造のいずれかまたは複数の層構造に配置可能であり、さらに、遮光パターン30を配置するための新たなフィルム層を
図3の表示装置に追加することも可能である。一実施形態では、遮光パターンは、表示装置の単層構造に取り付けられ、例えば、遮光パターンは、タッチ電極層60にのみ配置されることが可能である。遮光パターン30を形成する材料はインクを含むが、これに限定されない。ある実施形態では、遮光パターン30の光透過率は、遮光パターン30の材料および形成された遮光パターンの厚さなどの要素によって調整可能であり、その結果、信号線によって反射される光が遮光パターンにより異なる程度で遮断される。
【0040】
図3は、異なる信号線リード線11からの反射光の光的経路を模式的に示しているが、
図3は、信号線リード線11によって反射された光のすべての光的経路を表していないことに留意されたい。例えば、
図3において、中央非表示領域05から出射された反射光は、エッジ非表示領域04の信号線リード線による反射でなされ、または、中央非表示領域05にある信号線リード線による反射でなされることが可能である。そして、ここでの反射は、鏡面反射でも乱反射でも可能である。
【0041】
本開示のある実施形態によれば、前記遮光パターンの各部分は、不均一な光透過率を有する。たとえば、前記複数の信号線リード線の領域には、第1のリード線領域と第2のリード線領域とが含まれ、前記第1のリード線領域の光反射能力は前記第2のリード線領域の光反射能力よりも高く、前記遮光パターンには、前記第1の配線領域からの反射光を遮断するための第1のパターンおよび前記第2のリード線領域からの反射光を遮断するための第2のパターンが含まれ、前記第1のパターンの光透過率は前記第2のパターンの光透過率よりも低い。つまり、この実施形態では、光透過率があちこちで完全に同じではない遮光パターン30によって、信号線からの反射光が異なる程度で遮断または吸収されることになる。
【0042】
以下、本開示の実施形態を一例として詳細に説明する。
図5は、本開示の実施形態による「ファンアウト領域03」及び「ファンアウト領域03」における信号線リード線(例えば、データ線リード線)の例を模式的に示す。
図5に示すように、ファンアウト領域03は、第1のサブファンアウト領域031および第2のサブファンアウト領域032を含み、第1のサブファンアウト領域031における信号線リード線11は、第2のサブファンアウト領域032における信号線リード線11よりも高い光反射率を有するため、この例において、第1のサブファンアウト領域031は、上記の実施形態の第1のリード線領域に対応可能であり、第2のサブファンアウト領域032は、上記の実施形態における第2のリード線領域に対応可能であり。このとき、遮光パターンは、異なる信号線リード線領域からの反射光を遮断するための第1パターンと第2パターンを含み、第1パターンの光透過率は第2パターンの光透過率よりも低くなるため、高い光反射能力を有する第1のリード線領域で反射された光は、第1のパターンでより効果的に遮断され、第2のパターンによる第2のリード線領域で反射された光に対する遮断程度が比較的に低いため、これにより、第1の配線領域(例えば、第1のサブファンアウト領域031)からの第1の反射光と第2の配線領域(例えば、第2のサブファンアウト領域032)からの第2の反射光との差異を縮減可能であり、ユーザの信号線リード線で反射された光に対する感度を低下させ、上記の「光漏れ」現象を改善する。本明細書は、第1のサブファンアウト領域031と第2のファンアウト領域032との相対的な位置関係が限定されておらず、
図5に示される第1のサブファンアウト領域031と第2のファンアウト領域032との位置関係は、単に一例だけであり、そして、第1のサブファンアウト領域031は複数の独立した領域を含んでもよく、第2のサブファンアウト領域032でも複数の独立した領域を含んでもよい。
【0043】
ある実施形態において、第1のサブファンアウト領域031における信号線リード線11と自発光表示パネルの有機エレクトロルミネセンスデバイスのアノードとは、同じ材料で形成され、同じパターニング化プロセスによって形成される。つまり、第1のファンアウト領域031の信号線リード線11と有機エレクトロルミネセントデバイスのアノードは、同じパターニング化プロセス(同じマスクを使用)によって形成される。アノードを形成する材料は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide,インジウムスズオキシド)、Ag(銀)などが含まれてもよい。
【0044】
信号線リード線の光反射能力は主にその材料の特性に関係する一方、複数の信号線リード線11が配列されると、ファンアウト領域における信号線リード線11の光反射能力は、さらに信号線リード線11の配列密度に関係する。ある実施形態では、前記第1のリード線領域における信号線リード線の配線密度は、前記第2のリード線領域における信号線リード線の配線密度よりも大きい。例えば、
図5の例では、第1のサブファンアウト領域031における信号線リード線11の配列密度は、第2のサブファンアウト領域032における信号線リード線11の配列密度よりも大きい。したがって、第1のサブファンアウト領域031における反射光の強度は、第2のサブファンアウト領域032における反射光の強度よりも高くなることが可能である。他の実施形態では、第1のサブファンアウト領域031の信号線リード線11の材料による反射率は、第2のサブファンアウト領域031の信号線リード線11の材料による反射率と異なり、これと同様に、各リード線領域は異なる光反射能力を有することを招来する。
【0045】
したがって、信号線リード線が異なる光反射能力を有する複数のリード線領域を含む場合について、遮光パターンの各部分は不均一な光透過性を有する。
図6は、
図5の線B-Bに沿って取られた
図5の部分断面図である。
図6に示すように、遮光パターン30は、第1のサブファンアウト領域031に対応する第1のパターン31および第2のサブファンアウト領域032に対応する第2のパターン32を含み、第1のパターン31の光透過率は第2パターンの光透過率32よりも低い。
図6の例では、第1のサブファンアウト領域031における信号線リード線11の光反射能力は、第2のサブファンアウト領域032の信号線リード線の光反射能力よりも高く、第2のサブファンアウト領域032における信号線リード線の光反射能力は、非表示領域02のうちファンアウト領域03を除いた領域の信号線リード線の光反射率よりも高い。光透過率が比較的低い第1のパターンは、第1のサブファンアウト領域031からの第1の反射光を遮断することで、第1の反射光の強度は大幅に減少される。光透過率が比較的高い第2のパターンによって第2のサブファンアウト領域032からの第2の反射光を遮断することで、第2の反射光の強度は小さい幅で減少される。これにより、信号線リード線の各領域から反射される光同士の強度の差異を縮小することができ、表示装置を使用するときのユーザの快適さに有益である。
【0046】
図6に示すように、ある実施形態では、遮光パターンは中空パターンを含み、第1のパターン31の中空部分の割合は、第2のパターン32の中空部分の割合よりも小さい。他の実施形態では、遮光パターンは複数のグリッドバーを含み、前記第1のパターンのグリッドバーの密度は、前記第2のパターンのグリッドバーの密度よりも大きい。これにより、第1のパターンと第2のパターンとに異なる光透過率を有させることが可能である。ここで、中空パターンの具体的な形状は限定されず、遮光パターンが複数の中空パターンを含む場合、複数の中空パターンの形状は完全に同様でなくてもよい。例えば、遮光パターン30に複数の小穴を形成することができ、小穴の形成密度や大きさなどのパラメータを調整することにより、遮光パターン30の光透過率を調整することができる。遮光パターン30が複数のグリッドバーを含む場合、グリッドバー間の間隔を調整することにより、遮光パターン30の光透過率を調整することができる。
【0047】
ある実施形態において、遮光パターンは、表示パネル上のある層構造にインクをコーティングすることで形成されてもよい。ある実施形態では、遮光パターンの前記遮光パターンに最も近い表示領域のエッジと垂直な方向での幅は、0.5mmから1mmまでである。例えば、
図3に示される遮光パターン30の幅は、0.5mmから1mmまでであればよい。
上記のように、ある実施形態では、遮光パターンは、表示パネルの上の複数の異なる層構造上に分布さればよい。この場合、異なる層構造の遮光パターンのサイズが異なってもよい。遮光パターンのサイズは、遮光パターンと信号線リード線との距離に応じて決定されてもよく、これにより、前記複数の信号線リード線で反射された光が前記出光側から出射されることが遮光パターンで遮断されたり、異なる遮光パターンが異なるリード線領域からの反射光に対する異なる程度での遮断を実現したりする。さらに、本開示の実施形態を実施する場合、遮光パターン30は、層構造の表示パネルから離れた側に設置されてもよく、層構造の表示パネルに近い側に設置されてもよい。
【0048】
本明細書は、表示装置の具体的な態様を制限するものではなく、本明細書の表示装置は、具体的に、OLEDディスプレイ、TV、デジタルフォトフレーム、携帯電話、タブレットコンピュータ、ナビゲーター、およびその他の表示機能を備えた製品または部品である。
【0049】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。たとえば、本開示の実施形態の組み合わせから生じた発明も本発明の範囲内のものである。