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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】空気供給システム
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/00 20060101AFI20240116BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B60T17/00 B
B01D53/26 230
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020562472
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(86)【国際出願番号】 JP2019051357
(87)【国際公開番号】W WO2020138391
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2018246455
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】510063502
【氏名又は名称】ナブテスコオートモーティブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106781
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 稔也
(72)【発明者】
【氏名】杉尾 卓也
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-316626(JP,A)
【文献】特開2018-100057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 15/00-17/22
B01D 53/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサから供給される圧縮空気を、フィルタと逆止弁とを有するエアドライヤを介して、上流から下流に流す供給動作を行う空気供給システムであって、
前記逆止弁の下流における空気圧を検出する圧力センサと、
前記供給動作と、非供給動作とを切り替え、前記非供給動作中に前記フィルタを再生する再生動作を行う制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記圧力センサによって検出された検出空気圧との比較に基づいて前記供給動作を開始させる供給開始値と、前記供給開始値よりも高い供給停止値であって、前記検出空気圧との比較に基づいて前記非供給動作を開始させる前記供給停止値とを備え、
前記制御装置はさらに、前記再生動作を行っていないことと、前記検出空気圧が前記供給開始値よりも高く前記供給停止値よりも低いことと、前記コンプレッサを駆動させるエンジンが無負荷運転中であることと、を含む条件が成立する場合、前記供給動作を回生供給により実行
前記エンジンの無負荷運転には、前記エンジンの燃料無噴射時を含む、
空気供給システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記回生供給を10秒間以上継続する、
請求項1に記載の空気供給システム。
【請求項3】
前記条件は、さらに、前記検出空気圧が所定の空気圧以下であることを含む、
請求項1又は2に記載の空気供給システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記再生動作が行われているときは前記回生供給を開始しない、
請求項1~のいずれか一項に記載の空気供給システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記エンジンが無負荷運転中であることを車両の制御装置から取得する
請求項1~のいずれか一項に記載の空気供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器に圧縮空気を供給する空気供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トラック、バス、建機等の車両においては、コンプレッサから送られる圧縮空気を利用して、ブレーキ及びサスペンション等を含む、空気圧システムが制御されている。この圧縮空気には、大気中に含まれる水分及びコンプレッサ内を潤滑する油分等、液状の不純物が含まれている。水分及び油分を多く含む圧縮空気が空気圧システム内に入ると、錆の発生及びゴム部材の膨潤等を招き、作動不良の原因となる。このため、コンプレッサの下流には、圧縮空気中の水分及び油分等の不純物を除去するエアドライヤが設けられている。
【0003】
エアドライヤは、圧縮空気から油分及び水分を除去する除湿動作と、乾燥剤に吸着された油分及び水分を乾燥剤から取り除き、ドレンとして放出する再生動作とを行う。例えば、エアドライヤが再生動作を行うための技術が特許文献1に記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の空気供給システムは、エアコンプレッサによって圧縮された空気をエアタンクに貯留する。空気供給システムは、エアタンク内の空気圧が第1圧力以下であるとき、空気圧が上昇して第2圧力に到達するまで、エアコンプレッサを駆動して圧縮空気をエアタンクに供給する。空気供給システムは、空気圧が第2圧力に到達したとき、エアコンプレッサによる圧縮空気のエアタンクへの供給を停止するとともに、排出弁(パージバルブ)を開弁する。空気供給システムは、その後、空気圧が第3圧力に低下するまでこの開弁状態を維持することによってエアタンク内の圧縮空気をエアドライヤに通過させて大気に排出する、再生動作を行う。空気供給システムは、エアタンク内の空気圧が第3圧力に到達したとき、排出弁を閉弁する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-229127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の空気供給システムでは、エアタンク内の圧縮空気によってエアドライヤの再生動作が行われる。
近年、コンプレッサの駆動に係るエンジン負荷を低減させるため、エンジンの回転が走行に使われていないタイミングであるエンジンの燃料無噴射時等の無負荷運転時に、このエンジンの回転でコンプレッサを駆動させる回生供給の技術が知られている。ところで、回生供給の開始条件は車両状態に関係する一方、上述の再生動作の開始条件は空気圧に関係する。そのため、両方の開始条件が成立するようなことがある。両方の開始条件が成立するとなると、再生動作と回生供給とが同時に行われることとなる。その場合、回生供給した圧縮空気が排出されてしまい、エンジン負荷を低減させる効果が失われるおそれや、エアドライヤの再生時間が所定値に達しないことにより充分な再生が行われず、エアドライヤの再生不良が生じるおそれがある。すなわち、再生動作と回生供給との実行タイミングの調整には改善の余地がある。
【0007】
本発明の目的は、コンプレッサの駆動に係る燃費の向上を図ることのできる空気供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する空気供給システムは、コンプレッサから供給される圧縮空気を、フィルタと逆止弁とを有するエアドライヤを介して、上流から下流に流す供給動作を行う空気供給システムであって、前記逆止弁の下流における空気圧を検出する圧力センサと、前記供給動作と、非供給動作とを切り替え、前記非供給動作中に前記フィルタを再生する再生動作を行う制御装置とを備え、前記制御装置は、前記圧力センサによって検出された検出空気圧との比較に基づいて前記供給動作を開始させる供給開始値と、前記供給開始値よりも高い供給停止値であって、前記検出空気圧との比較に基づいて前記非供給動作を開始させる前記供給停止値とを備え、前記制御装置はさらに、前記再生動作を行っていないことと、前記検出空気圧が前記供給開始値よりも高く前記供給停止値よりも低いことと、前記コンプレッサを駆動させるエンジンが無負荷運転中であることと、を含む条件が成立する場合、前記供給動作を回生供給により実行する。
【0009】
この場合、例えば、車両が減速中等で車輪の回転にエンジンが従動しているような無負荷運転中であるとき、このエンジンの回転によりコンプレッサを駆動することによって圧縮空気を供給する、回生供給が実行される。回生供給は、通常の供給動作による圧縮空気の供給に先立って行われ、通常の供給動作による圧縮空気の供給を補うことになる。また、この回生供給中において、エンジンではコンプレッサを駆動させるための燃料消費が生じないことから、エンジンの燃費の向上が図られるようになる。よって、コンプレッサの駆動に係る燃費の向上を図ることができる。
【0010】
一実施形態では、前記エンジンの無負荷運転には、前記エンジンの燃料無噴射時を含んでよい。
この場合、エンジンが燃料無噴射時であるときにエンジンの回転が空気供給に有効利用されるようになる。
【0011】
一実施形態では、前記制御装置は、前記回生供給を10秒間以上継続してよい。
この場合、コンプレッサが無負荷運転から負荷運転に切り替わるとき、圧縮空気の供給遅れによって圧縮空気が供給されていないタイミングの発生を避けることができる。
【0012】
一実施形態では、前記条件は、さらに、前記検出空気圧が所定の空気圧以下であることを含んでよい。
この場合、コンプレッサが無負荷運転から負荷運転に切り替わるとき、圧縮空気の供給遅れによって圧縮空気が供給されていないタイミングの発生を抑制することができる。
【0013】
一実施形態では、前記制御装置は、前記再生動作が行われているときは前記回生供給を開始しないでよい。
この場合、再生動作が回生供給のせいで無駄になることはない。また、回生供給によって再生動作が中断するせいで再生性能が低下することもない。
【0014】
一実施形態では、前記制御装置は、前記エンジンが無負荷運転中であることを車両の制御装置から取得してよい。
この場合、車両の制御装置からエンジンが無負荷運転中であることを取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】エアブレーキシステムに用いられている空気供給システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図。
図2】同実施形態における空気供給システムの概略構成を示す構成図。
図3】同実施形態におけるエアドライヤの動作モードを示す図であって、(a)は供給動作を示す図、(b)はパージ動作を示す図、(c)は再生動作を示す図。
図4】同実施形態における回生動作等を行うタイミングを示すグラフ。
図5】同実施形態における回生動作を行う手順を示すフローチャート。
図6】同実施形態における回生動作を行う手順を示すフローチャート。
図7】同実施形態における回生動作を行う手順を示すフローチャート。
図8】同実施形態における回生動作を行う手順を示すフローチャート。
図9】同実施形態における回生動作を行う手順を示すフローチャート。
図10】同実施形態における回生動作を行う手順を示すフローチャート。
図11】同実施形態における回生動作を行う手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図4を参照して、空気圧システムに含まれる空気供給システムの一実施形態について説明する。空気供給システムは、トラック、バス、建機等の自動車に搭載されている。
【0017】
図1を参照して、空気圧システムの概要について説明する。
空気圧システムでは、コンプレッサ4、エアドライヤ11、保護バルブ12、エアタンク13、ブレーキバルブ14、及びブレーキチャンバー15が、順次、空気供給路4E,11E,12E,13E,14Eを介して接続されている。このうち、コンプレッサ4、エアドライヤ11、及び保護バルブ12が、空気供給システム10を構成する。
【0018】
コンプレッサ4は、自動車のエンジン(図示略)の動力によって駆動され、空気を圧縮して、空気供給システム10に圧縮空気を供給する。コンプレッサ4は空気供給路4Eを介してエアドライヤ11に接続されている。
【0019】
エアドライヤ11では、コンプレッサ4から送られた空気がフィルタ17(図2参照)を通過することによって、空気中の不純物が捕捉され、空気が清浄化される。このように清浄化された空気は、空気供給路11E、保護バルブ12及び空気供給路12Eを介して、エアドライヤ11からエアタンク13に供給される。
【0020】
エアタンク13は、空気供給路13Eを介して、運転者によって操作されるブレーキバルブ14に接続されている。ブレーキバルブ14は、空気供給路14Eを介してブレーキチャンバー15に接続されている。よって、ブレーキバルブ14の操作に応じて、空気がブレーキチャンバー15に供給され、それによってサービスブレーキが作動する。
【0021】
また、空気供給システム10は、制御装置としてのECU80を備えている。ECU80は、配線E62,E63を介してエアドライヤ11に電気的に接続されている。また、ECU80は、配線E65を介して圧力センサ65に電気的に接続されている。ECU80は、圧力センサ65によって保護バルブ12における空気圧を検出する。圧力センサ65の検出信号から、エアタンク13の空気圧に相当する検出空気圧が得られる。また、ECU80は、配線E66を介して温湿度センサ66に接続されている。ECU80は、温湿度センサ66によってエアタンク13の圧縮空気の湿度を検出する。さらに、ECU80は、空気供給システム10を搭載する車両の各種信号を取得可能であるように、車両ECU100に電気的に接続されている。
【0022】
ECU80は、図示しない演算部、揮発性記憶部、不揮発性記憶部を備えており、不揮発性記憶部に格納されているプログラムに従って、エアドライヤ11に各種動作を指定する信号等を与える。また、ECU80は、再生動作に係る期間の計測に用いられるタイマを有する。
【0023】
図2を参照して空気供給システム10について説明する。
エアドライヤ11は、メンテナンス用ポートP12を有している。メンテナンス用ポートP12は、メンテナンスの際にエアドライヤ11のフィルタ17の上流に空気を供給するためのポートである。
【0024】
ECU80は、配線E63を介してエアドライヤ11の再生制御弁21に電気的に接続され、配線E62を介してエアドライヤ11のガバナ26に電気的に接続される。
図3を参照すると、エアドライヤ11は、内部空間11Aにフィルタ17を備えている。フィルタ17は、上流にあるコンプレッサ4からの空気供給路4Eと下流にある保護バルブ12につながる空気供給路11Eとを接続する空気供給通路18の途中に設けられている。
【0025】
フィルタ17は、乾燥剤を収容するとともに、濾過部を備える。フィルタ17は、空気を乾燥剤に通過させることによって空気に含まれる水分を空気から除去して空気を乾燥させるとともに、空気に含まれる油分を濾過部によって除去して空気を清浄化する。フィルタ17を通過した空気は、フィルタ17に対して下流への空気の流れのみを許容する逆止弁としてのチェックバルブ19を介して、保護バルブ12へ供給される。つまり、チェックバルブ19は、フィルタ17を上流、保護バルブ12を下流としたとき、上流から下流への空気の流れのみを許容する。
【0026】
戻って図2を参照すると、チェックバルブ19には、チェックバルブ19を迂回(バイパス)するバイパス流路20がチェックバルブ19と並列に設けられている。バイパス流路20には、再生制御弁21が接続されている。
【0027】
再生制御弁21は、ECU80によって制御される電磁弁である。ECU80は、配線E63を介して再生制御弁21の電源の入り切り(駆動/非駆動)を制御することによって、再生制御弁21の動作を切り替える。再生制御弁21は、電源が切れた状態において閉弁してバイパス流路20を封止し、電源が入った状態において開弁してバイパス流路20を連通させる。例えば、再生制御弁21は、検出空気圧の値が供給停止値を越えたとき駆動される。
【0028】
バイパス流路20には、再生制御弁21とフィルタ17との間にオリフィス22が設けられている。再生制御弁21が通電されると、エアタンク13の圧縮空気が、保護バルブ12を通じバイパス流路20を介して、オリフィス22によって流量を規制された状態で、フィルタ17に送られる。フィルタ17に送られた圧縮空気は、フィルタ17を下流から上流に向けて逆流する。このような処理は、フィルタ17を再生させる処理であり、エアドライヤの再生処理という。このとき、エアタンク13内の乾燥及び清浄化された圧縮空気がフィルタ17を逆流することによって、フィルタ17に捕捉された水分及び油分がフィルタ17から除去される。例えば、再生制御弁21は、所定の期間だけ開弁するように制御される。この所定の期間は、フィルタ17を再生することのできる期間であって、論理的、実験的又は経験的に設定される。
【0029】
コンプレッサ4とフィルタ17との間の部分から、分岐通路16が分岐している。分岐通路16にはドレン排出弁25が設けられており、分岐通路16の末端にはドレン排出口27が接続されている。
【0030】
フィルタ17から除去された水分及び油分を含むドレンは、圧縮空気とともにドレン排出弁25に送られる。ドレン排出弁25は、空気圧により駆動される空気圧駆動式の弁であって、分岐通路16において、フィルタ17とドレン排出口27との間に設けられている。ドレン排出弁25は、閉弁位置及び開弁位置の間で位置を変更する2ポート2位置弁である。ドレン排出弁25が開弁位置にあるとき、ドレンはドレン排出口27へ送られる。ドレン排出口27から排出されたドレンは、図示しないオイルセパレータによって回収されてもよい。
【0031】
ドレン排出弁25は、ガバナ26によって制御される。ガバナ26は、ECU80によって制御される電磁弁である。ECU80は、配線E62を介してガバナ26の電源の入り切り(駆動/非駆動)を制御することによって、ガバナ26の動作を切り替える。ガバナ26は、電源が入れられると、ドレン排出弁25に所定の空気圧のアンロード信号を入力することによって、ドレン排出弁25を開弁させる。また、ガバナ26は、電源が切られると、ドレン排出弁25にアンロード信号を入力せずにドレン排出弁25のポートを大気圧に開放することによって、ドレン排出弁25を閉弁させる。
【0032】
ドレン排出弁25は、ガバナ26からアンロード信号が入力されていない状態で閉弁位置に維持され、ガバナ26からアンロード信号が入力されると開弁位置に切り替わる。また、ドレン排出弁25においてコンプレッサ4に接続されている入力ポートが上限値を超えて高圧になった場合、ドレン排出弁25が強制的に開弁位置に切り替えられる。
【0033】
コンプレッサ4は、圧縮空気を供給する負荷運転と、圧縮空気を供給しない無負荷運転と行う。ガバナ26は、コンプレッサ4の負荷運転と無負荷運転との間の切り替えを制御する。ガバナ26は、電源が入れられると、コンプレッサ4にアンロード信号を送ることによって、コンプレッサ4に無負荷運転を行わせる。また、ガバナ26は、電源が切られると、コンプレッサ4にアンロード信号を入力せず、コンプレッサ4のポートを大気に開放することによって、コンプレッサ4に負荷運転を行わせる。
【0034】
ECU80は、圧力センサ65の検出空気圧に基づいてガバナ26の電源を入れる(駆動する)ことによって、ガバナ26を、アンロード信号を出力する供給位置に切り替える。また、ECU80は、圧力センサ65の検出空気圧に基づいてガバナ26の電源を切る(非駆動にする)ことによって、ガバナ26を、アンロード信号を出力しない非供給位置に切り替える。
【0035】
再び図3を参照して、エアドライヤ11の供給動作、パージ動作及び再生動作について説明する。供給動作は、圧縮空気をエアタンク13に供給する動作である。パージ動作は、パージ処理等のためにコンプレッサを停止させている動作である。再生動作は、フィルタ17を再生処理する動作である。再生動作とパージ動作は、非供給動作を構成する。
【0036】
図3(a)を参照して、供給動作では、ECU80が再生制御弁21及びガバナ26をそれぞれ閉弁する(図において「CLOSE」と記載)。このとき、再生制御弁21及びガバナ26にはそれぞれ、ECU80からの駆動信号(電源)が供給されない。よって、ガバナ26は下流に接続されるコンプレッサ4のポート及びドレン排出弁25のポートをそれぞれ大気開放する。供給動作では、コンプレッサ4が圧縮空気を供給する(図において「ON」と記載)。エアドライヤ11に対し供給された圧縮空気(図において「IN」と記載)は、水分及び油分がフィルタ17によって除去されてから、保護バルブ12を介してエアタンク13に供給される(図において「OUT」と記載)。
【0037】
図3(b)を参照して、パージ動作では、ECU80が再生制御弁21を閉弁し、ガバナ26を開弁する(図において「OPEN」と記載)。このとき、ガバナ26は、ECU80からの駆動信号(電源)が供給されることによって開弁して、下流に接続されるコンプレッサ4のポート及びドレン排出弁25のポートをそれぞれ上流(保護バルブ12)に接続する。パージ動作では、ガバナ26からのアンロード信号(図において「CONT」と記載)によってコンプレッサ4が無負荷運転状態である(図において「OFF」と記載)とともに、フィルタ17及び空気供給通路18にある圧縮空気が水分及び油分等とともにドレン排出口27から排出される。
【0038】
図3(c)を参照して、再生動作では、ECU80が再生制御弁21及びガバナ26をそれぞれ開弁する。このとき、再生制御弁21及びガバナ26にはECU80からの駆動信号(電源)が供給される。再生動作では、ガバナ26からのアンロード信号によってコンプレッサ4が無負荷運転状態である。また、再生動作では、再生制御弁21とドレン排出弁25とが開弁されることによって、フィルタ17に対して保護バルブ12側にある圧縮空気がフィルタ17(収容されている乾燥剤)を下流から上流に向けて逆流して、フィルタ17の再生処理が行われる。
【0039】
図4を参照して、空気供給システム10の動作について説明する。
ECU80には、コンプレッサ4による空気供給を開始させる空気圧に対応する値である供給開始値CIと、コンプレッサ4による空気供給を停止させる空気圧に対応する値である供給停止値COとが設けられている。また、ECU80には、供給停止値CO未満、かつ、供給開始値CIよりも高い値である回生閾値Cthが設けられている。例えば、供給停止値CO、供給開始値CI、及び回生閾値Cthは、ECU80の不揮発性記憶部等に記憶されてよい。また、ECU80は、タイマを用いて回生動作の期間を計測することができる。
【0040】
図4において、車速が低下しているタイミングでは、エンジンが燃料無噴射時等の無負荷運転中であると判定される可能性がある。また、ブレーキ開度が大きいタイミングでも、エンジンが燃料無噴射時等の無負荷運転中であると判定される可能性がある。コンプレッサ4の状態は、エアドライヤ11の動作とも関連している。コンプレッサ4の状態が「停止」のとき、エアドライヤ11はパージ動作を行い、コンプレッサ4の状態が「再生」のとき、エアドライヤ11は再生動作を行い、コンプレッサ4の状態が「通常」のとき、エアドライヤ11は供給動作を行い、コンプレッサ4の状態が「回生」のときも、エアドライヤ11は供給動作を行う。なお通常、供給動作は、空気圧が供給開始値CI以下であることを条件に開始される。空気圧が供給開始値CIより高いとき、所定の条件が成立することを条件に開始される動作を特に回生動作とする。ここで、所定の条件は、エアドライヤ11が再生動作を行っていないこと、かつ、検出空気圧が、供給開始値CIよりも高く供給停止値COよりも低い回生閾値Cth以下であること、かつ、コンプレッサ4を駆動させるエンジンが無負荷運転中であることである。このうち、エンジンが無負荷運転中であることは、エンジンの燃料無噴射時を含む。
【0041】
ECU80は、圧力センサ65の検出した空気圧である検出空気圧を供給開始値CIと比較する。ECU80は、検出空気圧が供給開始値CI以下(時間t0)になると、エアタンク13に圧縮空気を供給するため、エアドライヤ11を供給動作に切り替える。これにより、エアドライヤ11のガバナ26が閉弁されてアンロード信号の出力が停止される。コンプレッサ4は、アンロード信号の停止に応じて負荷運転を行う。エアドライヤ11の供給動作の継続により、エアタンク13に対する検出空気圧が上昇する(時間t0から時間t1まで)。
【0042】
ECU80は、圧縮空気の供給によって検出空気圧が供給停止値CO以上(時間t1)になると、エアドライヤ11を再生動作に切り替える。これにより、エアドライヤ11ではガバナ26が開弁されてアンロード信号が出力される。コンプレッサ4は、アンロード信号の入力に応じて無負荷運転を行う。また、エアドライヤ11ではガバナ26がドレン排出弁25にアンロード信号を出力する。ドレン排出弁25は、アンロード信号の入力により開弁して、エアドライヤ11のフィルタ17内の空気は、再生方向に流される。再生方向は、下流から上流の方向であり、空気を清浄化するときの空気の流れである供給方向とは逆の方向である。その結果、所定の期間、フィルタ17に捕捉された不純物が、再生方向に流れる空気とともにドレンとしてドレン排出弁25から排出され、フィルタ17が再生される(時間t1から時間t2まで)。
【0043】
また、このようにフィルタ17が再生されるとき、コンプレッサ4はアンロード信号の入力によって無負荷運転を行なっているため、圧縮した空気が無駄に消費されない。
再生動作中には、圧縮空気が再生動作とブレーキチャンバー15とで消費されることに応じて、空気圧が低下する(時間t1から時間t2まで)。再生動作が終了すると、ECU80は、エアドライヤ11をパージ動作に切り替える。これによって、圧縮空気はフィルタ17には流通しなくなる一方、ブレーキチャンバー15で消費されることに応じて、エアタンク13の空気圧が低下する(時間t2から時間t3まで)。
【0044】
本実施形態では、非供給動作中、ECU80は、回生動作開始条件が成立していることに基づいて、回生動作を開始する(時間t3)。回生動作開始条件は、エアドライヤ11が再生動作を行っていないこと、かつ、検出空気圧が回生閾値Cth以下であること、かつ、コンプレッサ4を駆動させるエンジンが無負荷運転中であることが検出されることを含む。例えば、時間t3では、車速が低下しているのでエンジンの無負荷運転が検出される。
【0045】
ECU80は、回生動作を所定の期間継続する(時間t3から時間t4まで)。回生動作の継続される所定の期間では、短時間での負荷運転と無負荷運転との切り替えを避けることにより、コンプレッサに高負荷を与えることを避けることができる。所定の期間は、例えば、10秒の期間である。よって、回生動作が開始されてから所定の期間は、その期間の途中でエンジンが負荷運転に切り替わったとしても回生動作が継続される。そして、ECU80は、所定の期間継続後、エンジンが負荷運転中であること等に応じて回生運転を停止する(時間t4)。
【0046】
回生動作が終了すると、再生動作が終了したときと同様に、ECU80は、エアドライヤ11をパージ動作に切り替える。これによって、圧縮空気はフィルタ17には流通しなくなる一方、ブレーキチャンバー15で消費されることに応じて、エアタンク13の空気圧が低下する(時間t4から時間t5まで)。
【0047】
時間t5になると、ECU80は、検出空気圧が供給開始値CI以下であることを検出して、供給動作を行う(時間t5から時間t6まで)。また、ECU80は、検出空気圧が供給停止値COになることに応じて、供給動作を停止するとともに再生動作を開始する(時間t6)。再生動作中には、圧縮空気が再生動作とブレーキチャンバー15とで消費されることに応じて、空気圧が低下する(時間t6から時間t7まで)。時間t6から時間t7までは、車速が低下中であり、エンジンが無負荷運転中であるが、エアドライヤ11は再生動作中である。そのため、空気圧が再生閾値Cth以下になったとしても再生動作が継続されている(時間t7まで)。
【0048】
ECU80は、再生動作が終了したとき(時間t7)、回生動作開始条件が成立していることに基づいて、回生動作を開始する。このとき、ECU80は、所定の期間継続後も回生動作開始条件が成立していることに基づいて、回生動作を継続する。ECU80は、エンジンが負荷運転に切り替わることに応じて、回生運転を停止する(時間t8)。回生運転が終了すると、ECU80は、エアドライヤ11をパージ動作に切り替える。これによって、圧縮空気がブレーキチャンバー15等で消費されることに応じて、エアタンク13の空気圧が低下する(時間t8以降)。
【0049】
図5図11を参照して、回生動作を行うためにECU80によって行われる各種の判定処理について詳述する。
図5に示すように、ECU80は、所定の間隔で、回生動作の判定処理を繰り返し行う。回生動作の判定処理では、動作判定処理(ステップS10)、適合判定処理(ステップS11)、信号判定処理(ステップS12)、要求判定処理(ステップS13)、及び実行判定処理(ステップS14)が順次行われる。
【0050】
図6に示すように、ECU80は、動作判定処理(図5のステップS10)で、回生動作が可能であるか否か(すなわち、回生動作を開始することが可能であるか否か)を判定する(図6のステップS20)。ECU80は、例えば、車両の走行状態が走行中である(車速が「0」よりも大きい)こと、かつ、空気圧が供給開始値CIより高いこと、かつ、エアドライヤ11が供給動作中でないことが成立する場合、回生動作が可能であると判定する。逆に、ECU80は、車両の走行状態が停止である(車速が「0」)こと、及び、空気圧が再生閾値以Cth上であること、及び、エアドライヤ11が供給動作中であることの少なくとも1つが成立する場合、回生動作が可能でないと判定する。そして、ECU80は、「回生動作が可能である」と判定した場合(図6のステップS20でYES)、動作フラグを「TRUE」に設定して(図6のステップS21)、動作判定処理を終了する。一方、ECU80は、「回生動作が可能でない」と判定した場合(図6のステップS20でNO)、動作フラグを「FALSE」に設定して(図6のステップS22)、動作判定処理を終了する。
【0051】
図7に示すように、ECU80は、適合判定処理(図5のステップS11)で、回生動作に対する適合性を判定する。ECU80は、エンジンが稼働中であるか否かを判定する(図7のステップS30)。例えば、ECU80は、エンジンが稼働中であることを、車両ECU100から取得された信号に基づいて判定する。具体的には、ECU80は、車両が走行中であることを示す信号、車両が停止中であることを示す信号等に基づいて、エンジンが稼働中であると判定する。逆に、ECU80は、車両が駐車中であることを示す信号に基づいて、エンジンが稼働中でないと判定する。
【0052】
また、ECU80は、エンジンが燃料無噴射中であるか否かを判定する(ステップS31)。例えば、ECU80は、車両ECU100からの信号に基づいて以下の第1条件及び第2条件が成立するか否かを判定し、第1条件及び第2条件のうちの少なくとも一方が成立することに基づいて、エンジンが燃料無噴射中であると判定する。第1条件は、燃料噴射量に関係し、シフト動作状態がシフト未動作であること、かつ、燃料噴射量が噴射量閾値以下であること、かつ、エンジン回転数が回転数閾値以上であることを含む。第2条件は、燃料噴射量に関係せず、シフト動作状態がシフト未動作であること、かつ、アクセルペダル開度がペダル開度閾値以下であること、かつ、エンジントルク出力がトルク出力閾値以下であること、かつ、エンジン回転数が回転数閾値以上であることを含む。ここで、回転数閾値は、車両走行状態を検出するために用いられる閾値であり、例えば、700rpmである。ペダル開度閾値は、エンジンの無負荷状態を検出するために用いられる閾値であり、例えば、0%である。トルク出力閾値は、エンジンの無負荷状態を検出するために用いられる閾値であり、例えば、0Nmである。
【0053】
また、ECU80は、車両(速度)が減速中(車速が低下中)であるか否かを判定する(ステップS32)。例えば、ECU80は、車両ECU100からの信号に基づいて、エキゾーストブレーキ出力がエキゾーストブレーキ出力閾値より大きいことと、リターダブレーキ出力がリターダブレーキ出力閾値より大きいこととのうちの少なくとも一方が成立することに基づいて、車速が減速中であることを判定する。ここで、エキゾーストブレーキ出力閾値は、ブレーキ作動状態を検出するために用いられる閾値であり、有意なブレーキ動作を検出できる値、例えば、1~2%である。リターダブレーキ出力閾値は、ブレーキ作動状態を検出するために用いられる閾値であり、有意なブレーキ動作を検出できる値、例えば、1~2%である。
【0054】
また、ECU80は、車速が回生可能速度閾値以上であるか否かを判定する(ステップS33)。例えば、ECU80は、車速が回生可能速度閾値以上であるか否かを、車両ECU100からの信号に対応する値を回生可能速度閾値と比較することに基づいて判定する。ここで、回生可能速度閾値は、車両走行状態を検出するために用いられる閾値であり、例えば、5km/hである。
【0055】
また、ECU80は、圧縮空気の空気圧が回生適合圧力閾値以上であるか否かを判定する(ステップS34)。例えば、ECU80は、圧縮空気の空気圧が回生適合圧力閾値以上であるか否かを、圧力センサ65の検出空気圧を回生適合圧力閾値と比較することにより判定する。ここで、回生適合圧力閾値は、所定の最低限の回生供給時間を継続するのに必要な圧力の値であり、例えば、供給開始値CIより高く、回生閾値Cthより低い。ECU80は、ステップS30~S34の全ての条件が成立する場合(ステップS34でYES)、適合フラグを「TRUE」に設定して(ステップS35)、適合判定処理を終了する。一方、ECU80は、5つのステップS30~S34のいずれかが成立しないと判定した場合(ステップS30~S34のいずれかでNO)、適合フラグを「FALSE」に設定して(ステップS36)、適合判定処理を終了する。
【0056】
なお、適合判定処理は、図7のステップS31~ステップS34のうちの1つ以上の判定による処理であってもよい。
図8に示すように、ECU80は、信号判定処理(図5のステップS12)で、回生動作に関連する信号に基づいて設定を行う。ECU80は、回生動作中であるか否かを判定する(図8のステップS40)。ECU80は、回生動作中であると判定した場合(ステップS40でYES)、回生供給継続タイマをカウントする(ステップS41)。ECU80は、回生動作中でないと判定した場合(ステップS40でNO)、回生供給継続タイマをリセットする(ステップS42)。
【0057】
また、ECU80は、回生供給継続タイマが所定の継続時間以上であるか否かを判定する(ステップS43)。所定の継続時間は、回生供給動作の継続時間であって、例えば10秒に設定されている。ECU80は、回生供給継続タイマが所定の継続時間以上であると判定した場合(ステップS43でYES)、受付フラグを「TRUE」とし(ステップS44)、信号判定処理を終了する。一方、ECU80は、回生供給継続タイマが所定の継続時間以上でないと判定した場合(ステップS43でNO)、受付フラグを「FALSE」とし(ステップS45)、信号判定処理を終了する。
【0058】
図9に示すように、ECU80は、要求判定処理(図5のステップS13)で、回生動作の開始要求判定に関する開始フラグを設定する。ECU80は、回生動作の開始要求があるか否かを判定する(図9のステップS50)。例えば、圧力センサ65の検出空気圧が供給停止値CO未満であり、かつ、受付フラグが「TRUE」であり、かつ、適合フラグが「TRUE」である条件が成立すると開始要求があると判定される。ECU80は、開始要求がある場合(ステップS50でYES)、開始フラグを「TRUE」に設定する(ステップS51)。ECU80は、開始要求がない場合(ステップS50でNO)、開始フラグを「FALSE」に設定する(ステップS52)。
【0059】
また、ECU80は、停止要求があるか否かを判定する(ステップS53)。例えば、ECU80は、開始フラグが「FALSE」であり、かつ、動作フラグが「FALSE」である場合、停止要求があると判定する。ECU80は、停止要求があると判定した場合(ステップS53でYES)、停止フラグを「TRUE」とし(ステップS54)、要求判定処理を終了する。一方、ECU80は、停止要求がないと判定した場合(ステップS53でNO)、停止フラグを「FALSE」とし(ステップS55)、要求判定処理を終了する。
【0060】
図10に示すように、ECU80は、回生供給動作が未実行であるとき、実行判定処理(図5のステップS14)で、回生供給動作を実行するか否かを判定する(ステップS60)。ECU80は、圧力センサ65の検出空気圧が供給開始値CI以下であることと、開始フラグが「TRUE」であることとのうちの少なくとも一方が成立することに基づいて、回生供給動作を実行すると判定する。ECU80は、回生供給動作を実行すると判定した場合(ステップS60でYES)、回生供給動作を実行し(ステップS61)、実行判定処理を終了する。一方、ECU80は、回生供給動作を実行しないと判定した場合(ステップS60でNO)、回生供給動作を実行せず(ステップS62)、実行判定処理を終了する。
【0061】
図11に示すように、ECU80は、回生供給動作が実行中であるとき、停止判定処理を行う。停止判定処理では、回生供給を停止するか否かが判定される(ステップS70)。ECU80は、圧力センサ65の検出空気圧が供給停止値COよりも低いことと、停止フラグが「TRUE」であることとの両方が成立することに基づいて、回生供給を停止すると判定する。ECU80は、回生供給を停止すると判定した場合(ステップS70でYES)、回生供給を停止し(ステップS71)、停止判定処理を終了する。一方、ECU80は、回生供給を停止しないと判定した場合(ステップS70でNO)、回生供給を停止せず(図11のステップS72)、停止判定処理を終了する。
【0062】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)例えば、車両が減速中等で車輪の回転にエンジンが従動しているような無負荷運転中であるとき、このエンジンの回転によりコンプレッサ4を駆動することによって圧縮空気を供給する、回生供給が実行される。回生供給は、通常の供給動作による圧縮空気の供給に先立って行われ、通常の供給動作による圧縮空気の供給を補うことになる。また、この回生供給中において、エンジンではコンプレッサ4を駆動させるための燃料消費が生じないことから、エンジンの燃費の向上が図られるようになる。
【0063】
(2)エンジンが燃料無噴射時であるときにエンジンの回転が空気供給に有効利用されるようになる。
(3)回生供給を10秒以上継続させることで、コンプレッサ4が無負荷運転から負荷運転に切り替わるとき、圧縮空気の供給遅れによって圧縮空気が供給されていないタイミングの発生を避けることができる。
【0064】
(4)回生閾値Cth以下であることを条件に回生供給が実行されるので、回生供給の最中に検出空気圧が供給停止値COに到達してしまうことを抑制することができる。
(5)車両の制御装置からエンジンが無負荷運転中であることを取得することができる。
【0065】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・エアタンク13は、ブレーキバルブ14以外の圧縮空気を消費する機器、例えばパーキングブレーキ等に圧縮空気を供給してもよい。
【0066】
・圧力センサ65は、エアタンク13の空気圧に相当する空気圧を検出することができるのであれば、チェックバルブ19よりも下流の任意の位置における空気圧を検出してもよい。例えば、圧力センサは、エアタンク内の空気圧を検出してもよい。これにより、エアタンク内の検出空気圧に基づいて、供給動作、非供給動作、再生動作、回生動作を制御することができてもよい。
【0067】
・上記実施形態では、フィルタ17は、乾燥剤及び濾過部の両方を有するが、フィルタ17は、それらのいずれか一方のみを有してもよい。
・上記実施形態では、フィルタ17が設けられる場合について例示したが、これに限らず、フィルタ17の上流にオイルミストセパレータが設けられてもよい。
【0068】
該オイルミストセパレータは、圧縮空気との衝突により気液分離を行うフィルタを備え、コンプレッサ4から送られる圧縮空気に含まれる油分を捕捉する。フィルタは、金属材を圧縮成形したものでもよいし、スポンジなどの多孔質材でもよい。このオイルミストセパレータが設けられることで圧縮空気の清浄性能をより高めることができる。
【0069】
・再生動作が行われているときに回生供給を開始しないようにしてもよい。このようにすれば、再生動作が回生供給のせいで無駄になることはない。また、再生動作のせいで回生供給が無駄になることもない。
【0070】
・回生供給が行われているときに再生動作を開始しないようにしてもよい。例えば、回生供給が所定の期間継続されているとき、空気圧が供給停止値COに達したとしても、回生供給の所定期間が終了するまで再生動作を開始しないようにしてもよい。このようにすれば、回生供給が再生動作のせいで無駄になることはない。また、回生供給によって再生動作が中断するせいで再生性能が低下することもない。
【0071】
・上記実施形態では、空気供給システム10は、トラック、バス、建機等の自動車に搭載されるものとして説明した。これ以外の態様として、空気供給システムは、乗用車、鉄道車両等、他の車両に搭載されてもよい。
【符号の説明】
【0072】
4…コンプレッサ、10…空気供給システム、11…エアドライヤ、11A…内部空間、12…保護バルブ、13…エアタンク、14…ブレーキバルブ、4E,11E,12E,13E,14E…空気供給路、15…ブレーキチャンバー、16…分岐通路、17…フィルタ、18…空気供給通路、19…チェックバルブ、20…バイパス流路、21…再生制御弁、22…オリフィス、25…ドレン排出弁、26…ガバナ、27…ドレン排出口、65…圧力センサ、66…温湿度センサ、80…ECU、100…車両ECU、E62,E63,E65,E66…配線、P12…メンテナンス用ポート。
図1
図2
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図4
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図10
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