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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】電源制御装置および半導体故障検出方法
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/00 20060101AFI20240116BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20240116BHJP
   H03K 17/12 20060101ALI20240116BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
H03K17/00 B
H02J1/00 301D
H03K17/12
H03K17/687 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021112930
(22)【出願日】2021-07-07
(65)【公開番号】P2023009548
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】花岡 弘真
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-511768(JP,A)
【文献】特開2018-38035(JP,A)
【文献】特開2013-99087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J1/00-1/16
H02J7/00
H03K17/00
H03K17/10
H03K17/12
H03K17/687-17/695
G01R31/26-31/27
G01R31/327-31/333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体スイッチ素子が互いに逆極性で直列に接続された半導体直列回路を有し、
複数の前記半導体直列回路が互いに並列に接続されたスイッチング回路において、前記半導体スイッチ素子の故障を検知するための電源制御装置であって、
基準状態における前記スイッチング回路の入力と出力との間の合成抵抗値の情報を、前記半導体スイッチ素子の全てが導通しているオンの状態における前記スイッチング回路の入力側と出力側との間の回路全体における合成抵抗値の基準抵抗値として予め保持する基準抵抗値保持部と、
前記スイッチング回路の全体を流れる電流の大きさを通電電流として検出する通電電流検出部と、
前記スイッチング回路の入力と出力との間の電位差を入出力電位差として検出する電位差検出部と、
前記基準抵抗値と、前記通電電流検出部が検出した前記通電電流とに基づいて、想定電圧降下を算出する電圧降下算出部と、
前記電位差検出部が検出した前記入出力電位差と、前記電圧降下算出部が算出した前記想定電圧降下とを比較する電圧比較部と、
前記電圧比較部の比較結果に基づいて前記半導体スイッチ素子の故障の有無を識別する故障識別部と、
を備える電源制御装置。
【請求項2】
前記スイッチング回路の近傍における温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部が検出した温度に基づいて前記基準抵抗値を補正する温度補正部と、
を更に備える、
請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項3】
前記電位差検出部が検出した前記入出力電位差に基づいて前記基準抵抗値を補正する電圧補正部、を更に備える、
請求項1又は請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項4】
前記故障識別部は、前記半導体スイッチ素子の故障有を検知した場合に、所定の外部機器に対する異常検知通知、及び前記スイッチング回路の動作抑制の少なくとも一方を含むフェール制御を実施する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電源制御装置。
【請求項5】
複数の半導体スイッチ素子が互いに逆極性で直列に接続された半導体直列回路を有し、
複数の前記半導体直列回路が互いに並列に接続されたスイッチング回路において、前記半導体スイッチ素子の故障を検知するための半導体故障検出方法であって、
基準状態における前記スイッチング回路の入力と出力との間の合成抵抗値を、前記半導体スイッチ素子の全てが導通しているオンの状態における前記スイッチング回路の入力側と出力側との間の回路全体における合成抵抗値の基準抵抗値として事前に把握し、
前記スイッチング回路の全体を流れる電流の大きさを通電電流として検出し、
前記スイッチング回路の入力と出力との間の電位差を入出力電位差として検出し、
前記基準抵抗値と、検出した前記通電電流とに基づいて、想定電圧降下を算出し、
検出した前記入出力電位差と、前記想定電圧降下とを比較した結果に基づいて前記半導体スイッチ素子の故障の有無を識別する、
半導体故障検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源制御装置および半導体故障検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電気モータのような負荷に対して電源から電力を供給する場合には、負荷の動作のオンオフを切り替えたり、負荷の動作量を調整するために電源と負荷との間にオンオフ制御可能な半導体スイッチ素子を接続するのが一般的である。また、半導体スイッチ素子としてはパワーMOSFETが用いられる場合が多い。
【0003】
半導体スイッチ素子を採用した様々な装置においては、半導体スイッチ素子の故障に起因して動作不良になる可能性がある。したがって、半導体スイッチ素子の故障を検知するための技術が必要になる。
【0004】
例えば、特許文献1は半導体装置の故障に繋がるような特性劣化を検出するための技術を開示している。特許文献1において、半導体装置(IPD)1は、IPD1の初期特性値に基づく設定値を記憶する設定値記憶部3と、所定のタイミングにおけるIPD1の特性値と設定値記憶部3に記憶された設定値とに基づき、IPD1の特性劣化を検出する検出回路4とを備える。また、特許文献1の特性劣化検出方法においては、初期特性値に基づき定められた設定値を記憶し、所定のタイミングにおけるIPD1の特性値と記憶された設定値とに基づき、IPD1の特性劣化を検出する。
【0005】
また、特許文献2はシステムの電源冗長性を向上させながらも、半導体素子の部品点数を削減することができるパワー半導体モジュール、及びそのパワー半導体デバイスを備える車両用電源供給システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-71174号公報
【文献】特開2019-135819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は単一の半導体デバイス(IPD:Intelligent Power Device)の内部回路に含まれる半導体に発生する故障を検知することを目的としており、複数の半導体スイッチ素子を組み合わせた回路の故障を検知する場合は利用できない。
【0008】
例えば、車両に搭載される電子機器の場合には、車両側から供給される電源の極性が逆になった状態で誤って配線、或いは車載バッテリが接続される可能性が考えられる。また、例えば12[V]の電源電圧を供給すべき電子機器に対して24[V]などの高い電圧の電源が誤って接続される可能性がある。
【0009】
上記のような誤接続の場合に故障が発生するのを避けるために、車両に搭載される電子機器の場合には回路を保護する機能を搭載する場合が多い。具体例としては、逆極性の電圧印加により異常な電流が流れるのを阻止するために、半導体スイッチ素子と直列にダイオードが接続される。また、このようなダイオードは比較的電力損失が大きく、それを配置するために必要な空間も比較的大きくなる。そこで、ダイオードの代わりに半導体スイッチ素子と同等の別の半導体素子を逆極性で直列に接続する場合がある。
【0010】
また、非常に大きい電流のスイッチングを必要とする回路においては、1つの半導体スイッチ素子を使うだけでは十分な電流スイッチング能力が得られなかったり、十分な信頼性を確保できない可能性がある。
【0011】
したがって、例えば特許文献2の図1等に示されているシステムのように、複数の半導体スイッチ素子を逆極性で直列に接続し、更に複数の半導体スイッチ素子を並列に接続するように構成する場合がある。
【0012】
しかし、上記のように互いに逆極性で複数の半導体スイッチ素子を直列に接続したり、複数の半導体スイッチ素子を並列に接続した場合には、いずれか1つの半導体スイッチ素子に故障が発生した場合の故障検出が困難であった。
【0013】
例えば、並列に接続された複数の半導体スイッチ素子を介して負荷側に電源電力を供給する場合に、いずれか1つの半導体スイッチ素子が故障して非導通(オフ)の状態に固定されたとしても、残りの半導体スイッチ素子を経由して負荷側に電流が流れるので、負荷に流れる電流の有無や出力電圧の高/低を検出するだけでは半導体スイッチ素子の故障を識別できない。
【0014】
また、複数の半導体スイッチ素子が並列に接続された回路において、いずれか1つの半導体スイッチ素子がオフ状態で故障すると、故障した1つの半導体スイッチ素子の影響で残りの正常な半導体スイッチ素子に異常に大きな電流が集中的に流れ、電流及び熱の過大なストレスにより正常な半導体スイッチ素子も故障する可能性が高くなる。したがって、複数の半導体スイッチ素子が接続されている回路内で1つの半導体スイッチ素子が故障した状態をそのまま放置してしまうと、装置全体の機能が停止する可能性が高くなる。
【0015】
例えば、自動運転機能を搭載した自動車などに搭載される電子機器の場合には、非常に高い信頼性が要求されるので、それぞれの電子機器の機能が完全に停止するような状況が生じないように構成する必要がある。
【0016】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の半導体スイッチ素子が直列および並列に接続されている回路において、一部の半導体スイッチ素子だけが故障した状態でも、故障の有無を正しく識別することが可能な電源制御装置および半導体故障検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電源制御装置は、下記を特徴としている。
複数の半導体スイッチ素子が互いに逆極性で直列に接続された半導体直列回路を有し、
複数の前記半導体直列回路が互いに並列に接続されたスイッチング回路において、前記半導体スイッチ素子の故障を検知するための電源制御装置であって、
基準状態における前記スイッチング回路の入力と出力との間の合成抵抗値の情報を、前記半導体スイッチ素子の全てが導通しているオンの状態における前記スイッチング回路の入力側と出力側との間の回路全体における合成抵抗値の基準抵抗値として予め保持する基準抵抗値保持部と、
前記スイッチング回路の全体を流れる電流の大きさを通電電流として検出する通電電流検出部と、
前記スイッチング回路の入力と出力との間の電位差を入出力電位差として検出する電位差検出部と、
前記基準抵抗値と、前記通電電流検出部が検出した前記通電電流とに基づいて、想定電圧降下を算出する電圧降下算出部と、
前記電位差検出部が検出した前記入出力電位差と、前記電圧降下算出部が算出した前記想定電圧降下とを比較する電圧比較部と、
前記電圧比較部の比較結果に基づいて前記半導体スイッチ素子の故障の有無を識別する故障識別部と、
を備える電源制御装置。
【0018】
また、前述した目的を達成するために、本発明に係る半導体故障検出方法は、下記を特徴としている。
複数の半導体スイッチ素子が互いに逆極性で直列に接続された半導体直列回路を有し、
複数の前記半導体直列回路が互いに並列に接続されたスイッチング回路において、前記半導体スイッチ素子の故障を検知するための半導体故障検出方法であって、
基準状態における前記スイッチング回路の入力と出力との間の合成抵抗値を、前記半導体スイッチ素子の全てが導通しているオンの状態における前記スイッチング回路の入力側と出力側との間の回路全体における合成抵抗値の基準抵抗値として事前に把握し、
前記スイッチング回路の全体を流れる電流の大きさを通電電流として検出し、
前記スイッチング回路の入力と出力との間の電位差を入出力電位差として検出し、
前記基準抵抗値と、検出した前記通電電流とに基づいて、想定電圧降下を算出し、
検出した前記入出力電位差と、前記想定電圧降下とを比較した結果に基づいて前記半導体スイッチ素子の故障の有無を識別する、
半導体故障検出方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電源制御装置および半導体故障検出方法によれば、複数の半導体スイッチ素子が直列および並列に接続されている回路において、一部の半導体スイッチ素子だけが故障した状態でも、故障の有無を正しく識別することが可能になる。
【0020】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の実施形態における半導体故障検出装置の構成例を示す電気回路図である。
図2図2は、本発明の実施形態における故障判定処理の例を示すフローチャートである。
図3図3は、オン故障発生時のスイッチング回路例を示す電気回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。以下の説明では、本発明の電源制御装置を、車両に搭載される半導体故障検出装置に適用した例を示すが、本発明はこの例に限定されず、例えばDC/DCコンバータ―等といった、スイッチング機能を有する種々の電源制御装置に適用可能である。
【0023】
<半導体故障検出装置の構成>
本発明の実施形態における半導体故障検出装置100(電源制御装置)の構成例を図1に示す。
【0024】
図1に示した半導体故障検出装置100は、スイッチング回路10に内蔵されている半導体スイッチ素子の故障を検出する機能を有している。このスイッチング回路10は、車両に搭載され、車載電源からの電源電力を負荷である車載機器(各種電装品)に供給するために利用される。
【0025】
半導体故障検出装置100の入力端子21が車載電源の出力と接続される。また、出力端子22が図示しない車載機器の電源入力端子と接続される。スイッチング回路10は車載用であるため、電源の誤接続により逆極性の電源電力が入力されたり、過大な電源電圧が入力される可能性がある。そのような誤接続の場合でも故障が生じないようにスイッチング回路10は設計してある。また、信頼性を高めるために冗長機能がスイッチング回路10に含まれている。
【0026】
具体的には、6個の半導体スイッチ素子FET1~FET6がスイッチング回路10に含まれている。半導体スイッチ素子FET1~FET6のそれぞれは、MOS型の電界効果トランジスタ(FET)デバイスである。
なお、図1中に示した「FET1-ON」~「FET6-ON」は、半導体スイッチ素子FET1~FET6のそれぞれがオン(導通)状態であることを意味している。
【0027】
図1中のスイッチング回路10において、半導体スイッチ素子FET1、FET4は互いに逆極性で直列に接続されている。すなわち、半導体スイッチ素子FET1のドレイン端子(D)が入力端子21と接続され、半導体スイッチ素子FET1のソース端子(S)と半導体スイッチ素子FET4のソース端子が通電経路12を介して互いに接続され、半導体スイッチ素子FET4のドレイン端子が出力端子22側に接続されている。つまり、2個の半導体スイッチ素子FET1、FET4が1つの直列回路を形成している。
【0028】
上記と同様に、2個の半導体スイッチ素子FET2、FET5が1つの直列回路を形成している。更に、2個の半導体スイッチ素子FET3、FET6が1つの直列回路を形成している。
【0029】
また、半導体スイッチ素子FET1、FET4の直列回路と、半導体スイッチ素子FET2、FET5の直列回路と、半導体スイッチ素子FET3、FET6の直列回路とが互いに並列に接続されている。
【0030】
また、半導体スイッチ素子FET1、FET4のゲート端子(G)は抵抗器15を介して共通制御線11と接続され、半導体スイッチ素子FET2、FET5のゲート端子は抵抗器16を介して共通制御線11と接続され、半導体スイッチ素子FET3、FET6のゲート端子は抵抗器17を介して共通制御線11と接続されている。
【0031】
したがって、共通制御線11に印加する制御信号SG1を制御することで、半導体スイッチ素子FET1~FET6を同時にオンオフすることができる。
半導体スイッチ素子FET1、FET4の直列回路がオンの時には、入力端子21から半導体スイッチ素子FET1、通電経路12、半導体スイッチ素子FET4を通って出力端子22側に電流が流れるように通電経路が形成される。また、この直列回路がオフの時には、上記の通電経路に電流は流れない。
【0032】
上記と同様に、半導体スイッチ素子FET2、FET5の直列回路がオンの時には、入力端子21から半導体スイッチ素子FET2、通電経路13、半導体スイッチ素子FET5を通って出力端子22側に電流が流れるように通電経路が形成される。また、この直列回路がオフの時には、上記の通電経路に電流は流れない。
【0033】
上記と同様に、半導体スイッチ素子FET3、FET6の直列回路がオンの時には、入力端子21から半導体スイッチ素子FET3、通電経路14、半導体スイッチ素子FET6を通って出力端子22側に電流が流れるように通電経路が形成される。また、この直列回路がオフの時には、上記の通電経路に電流は流れない。
【0034】
上記3つの直列回路の制御入力はいずれも共通制御線11に接続されているので、3つの直列回路は通常は制御信号SG1に従い同時に同じオンオフ状態になるように状態が切り替わる。
【0035】
そのため、入力端子21からスイッチング回路10を通って出力端子22側に流れる通電電流Iは、スイッチング回路10の内部で分流して上記3つの直列回路をそれぞれ流れ、下流側で合流して出力端子22に至る経路を通る。
【0036】
ところで、スイッチング回路10において半導体スイッチ素子FET1~FET6のいずれかが故障する可能性が考えられる。図1中に示した半導体スイッチ素子FET2の「OFF(オフ)故障」は、半導体スイッチ素子FET2が故障のためオフの状態に固定され、オンに切り替わらない故障が発生した状態を意味している。
【0037】
図1のように半導体スイッチ素子FET2が「オフ故障」の場合には、制御信号SG1をオンに切り替えた時に、通電経路12、14に電流が流れるが、通電経路13には電流が流れない故障状態になる。しかし、この故障状態であっても通電経路12、14を通って通電電流Iが流れるので、出力端子22に接続する負荷の機能は正常に維持することができる。
【0038】
但し、通電経路13に電流が流れない分だけ、他の経路12、14の半導体スイッチ素子FET1、FET3、FET4、及びFET6に通常よりも多くの電流が集中的に流れることになる。その結果、過大な電流及び熱の影響によるストレスが半導体スイッチ素子FET1、FET3、FET4、及びFET6に加わり、通常に比べて故障が発生しやすい状態になる。
【0039】
したがって、まだ故障していない半導体スイッチ素子FET1、FET3、FET4、及びFET6が故障してスイッチング回路10の機能が完全に停止する前に、スイッチング回路10の内部で故障が発生していることを検知する必要がある。
【0040】
しかし、図1に示したスイッチング回路10においては1対の半導体スイッチ素子が互いに逆極性で直列に接続され、更に3つの直列回路が並列に接続されているので、一般的な方法では故障の発生を検知できない。例えば、直列回路が1つだけの場合であれば、通電経路13の電圧の高/低と制御信号SG1の高/低とを比較するだけで正常か否かを容易に識別できる。しかし、3つの直列回路が並列に接続されているので、通電経路13の電圧は故障していない場合とあまり差がない状態になり、故障を検知できない。
【0041】
そのため、図1に示した半導体故障検出装置100においては、マイクロコンピュータ(マイコン)40が後述する特別な処理を実施することで半導体スイッチ素子FET2等の「オフ故障」を検知する。
【0042】
図1に示すように、スイッチング回路10の出力と出力端子22との間に電流検出用の抵抗器Riが接続してある。この抵抗器Riは、通電電流Iにほとんど影響を及ぼさない程度に非常に小さい抵抗値を有している。また、この抵抗値と通電電流Iとの積で表される電圧降下が抵抗器Riの端子間に発生する。
【0043】
一方、電流検出回路31の2つの入力が、抵抗器Riの2つの端子とそれぞれ接続されている。したがって、電流検出回路31は抵抗器Riの端子間の電位差を増幅した電圧を電流信号SGiとして出力できる。つまり、電流信号SGiの電圧が表す情報は通電電流Iに相当する。
【0044】
また、電位差検出回路32の2つの入力が、スイッチング回路10の入力側およびスイッチング回路10の出力側とそれぞれ接続されている。したがって、電位差検出回路32はスイッチング回路10の入出力間の電位差を表す信号を増幅し、電圧信号SGvとして出力することができる。
【0045】
一方、温度検出回路33は、スイッチング回路10の近傍の温度を検出する温度センサを備えている。例えば、半導体スイッチ素子FET1~FET6等の放熱を促進するヒートシンクに温度検出回路33の温度センサを設置することで、スイッチング回路10の近傍の温度を検出することができる。温度センサとしては例えばサーミスタを利用できる。温度検出回路33は、スイッチング回路10の近傍の温度を表す温度信号SGtを出力する。
【0046】
マイクロコンピュータ40は、アナログ入力ボートP1、P2、P3、出力ポートP4、及び通信ポートP5を有している。マイクロコンピュータ40のアナログ入力ボートP1は、温度検出回路33の出力と接続されている。また、マイクロコンピュータ40のアナログ入力ボートP2は電流検出回路31の出力と接続され、アナログ入力ボートP3は電位差検出回路32の出力と接続されている。また、マイクロコンピュータ40の出力ポートP4はゲートドライバ24の入力と接続されている。通信ポートP5は、通信線を介して外部機器50と接続されている。
【0047】
マイクロコンピュータ40は、半導体故障検出装置100の機能を実現するために必要な制御用のプログラムを予め保持している。また、不揮発性メモリ41がマイクロコンピュータ40に内蔵されている。この不揮発性メモリ41は、故障検出のために必要とされる定数データを予め保持している。
【0048】
マイクロコンピュータ40は、各アナログ入力ボートP1~P3に入力される信号のアナログレベル(電圧)を逐次サンプリングしてデジタル信号に変換することができる。したがって、温度信号SGtのアナログレベルに相当する温度情報と、電流信号SGiのアナログレベルに相当する通電電流Iの情報と、電圧信号SGvのアナログレベルに相当する電位差の情報とをマイクロコンピュータ40がそれぞれ取得できる。
【0049】
また、マイクロコンピュータ40は二値信号である制御信号SG1を出力ポートP4から出力できる。この制御信号SG1は、ゲートドライバ24を介してスイッチング回路10の制御入力端子23に供給される。したがって、マイクロコンピュータ40が制御信号SG1のオンオフを切り替えることで、スイッチング回路10のオン(導通)/オフ(非導通)を切り替えることができる。
【0050】
また、マイクロコンピュータ40は通信ポートP5を利用して外部機器50との間で通信を行い、様々な情報の入出力を行うことができる。例えば、スイッチング回路10の内部でデバイスの故障が発生した場合に、その故障を表す情報を外部機器50に通知することができる。
【0051】
<故障判定処理>
本発明の実施形態における故障判定処理の例を図2に示す。すなわち、図1に示したマイクロコンピュータ40が図2に示した故障判定処理のプログラムを実行することで、スイッチング回路10の各半導体スイッチ素子FET1~FET6における「オフ故障」を検知することができる。なお、図2に示した処理は周期的に繰り返し実行される。図2の故障判定処理について以下に説明する。
【0052】
マイクロコンピュータ40は、電流信号SGiをサンプリングして最新の通電電流Iの情報を取得する(S11)。
【0053】
マイクロコンピュータ40は、温度信号SGtをサンプリングして最新の温度T1の情報を取得する(S12)。
【0054】
マイクロコンピュータ40は、電圧信号SGvをサンプリングして最新の電位差ΔVの情報を取得する(S13)。この電位差ΔVは、スイッチング回路10の入力側の電圧Vin[V]と、出力側の電圧Vout[V]との差分である。
【0055】
一方、マイクロコンピュータ40内の不揮発性メモリ41は、図2に示した合成抵抗値テーブルTB1を有している。合成抵抗値テーブルTB1に保持される各データは、半導体スイッチ素子FET1~FET6の全てが導通しているオンの状態におけるスイッチング回路10の入力側(入力端子21)と出力側との間の回路全体における合成抵抗値の基準値(基準抵抗値Rref)を表す。これらのデータは半導体スイッチ素子FET1~FET6の全てが正常に機能している標準状態で例えば実測して得られた値、又はそれと同等の値に相当する。また、スイッチング回路10における温度T1の様々な変化のそれぞれに対応した合成抵抗値、及び電位差ΔVの様々な変化のそれぞれに対応した合成抵抗値が事前に決定され合成抵抗値テーブルTB1に登録されている。
【0056】
マイクロコンピュータ40は、S12で取得した温度T1およびS13で取得した電位差ΔVの情報を合成抵抗値テーブルTB1に与えて、そのT1、ΔVに対応付けられた適切な基準抵抗値Rrefを取得する(S14)。
【0057】
マイクロコンピュータ40は、スイッチング回路10内の半導体スイッチ素子FET1~FET6が正常に機能している(全てが導通状態)場合に想定されるスイッチング回路10の入出力端子間の電位差を、想定電圧降下Vdropとして算出する(S15)。この想定電圧降下Vdropは次式により算出される。
Vdrop=Rref×I ・・・(1)
【0058】
また、マイクロコンピュータ40は電圧誤差Veを次式により算出し(S16)、この電圧誤差Veと電圧閾値Vthとを比較する(S17)。この電圧閾値Vthについては、事前に決めた定数を不揮発性メモリ41に登録しておき利用する。
Ve=ΔV-Vdrop ・・・(2)
【0059】
また、マイクロコンピュータ40は、「Ve≦Vth」の場合はS17からS18に進み、「Ve>Vth」の場合はS17からS19に進む。
【0060】
すなわち、S13で実際に検出した電位差ΔVが基準抵抗値Rrefに基づいて算出した想定電圧降下Vdropと同等(Ve≦Vth)であれば、スイッチング回路10の入出力間の合成抵抗値が標準状態と同等である。よって、この場合、半導体スイッチ素子FET1~FET6の全てが正常である、とマイクロコンピュータ40が識別する(S18)。
【0061】
また、S13で実際に検出した電位差ΔVが想定電圧降下Vdropに比べて大きすぎる(Ve>Vth)場合には、半導体スイッチ素子FET1~FET6のいずれかに「オフ故障」が生じている、とマイクロコンピュータ40が識別する(S19)。その場合は更に、故障の対処を容易にするために所定のフェール制御をマイクロコンピュータ40が実施する(S20)。
【0062】
具体的なフェール制御として、マイクロコンピュータ40は制御信号SG1を制御し、図1に示すようにスイッチング回路10の導通を遮断するか、又はオンオフ制御からPWM(Pulse Width Modulation)制御等に切り替えて、スイッチング回路10の通電電流Iを抑制する。また、マイクロコンピュータ40はスイッチング回路10に故障が発生していることを通信信号SG2の通信により外部機器50に報知する。
【0063】
仮にスイッチング回路10の内部に故障があっても、冗長機能によりスイッチング回路10自体はまだ正常に機能する。しかし、例えば半導体スイッチ素子FET2が「オフ故障」している状態をそのまま放置すると、残りの正常な半導体スイッチ素子FET1、FET3、FET4、及びFET6に余分なストレスが加わる。そしていずれはスイッチング回路10が完全に機能停止する可能性が高くなる。
【0064】
そこで、フェール制御によりスイッチング回路10の通電を遮断するか、又はPWM制御等により通電電流Iを抑制する。この制御により、正常な残りの半導体スイッチ素子に加わるストレスを減らし、スイッチング回路10が機能停止するまでの時間を延ばすことが可能になる。また、フェール制御により故障発生を外部機器50等に通知することで、スイッチング回路10の故障を早めに修理して安全を確保するように車両のユーザ等に促すことができる。
【0065】
<オン故障発生の検出>
オン故障発生時のスイッチング回路10の例を図3に示す。図3に示した例では、半導体スイッチ素子FET2に「オン故障」が発生し、他の半導体スイッチ素子FET1、FET3、FET4、FET5、及びFET6は正常な状態を想定している。「オン故障」は、常時導通状態でオフに切り替わらなくなった状態を意味している。
【0066】
共通の制御入力端子23に印加する制御信号SG1がオフになると、本来であれば半導体スイッチ素子FET1~FET6が全てオフになるので、この回路全体が遮断されて通電電流Iが0になるはずである。しかし、図3の例では半導体スイッチ素子FET2が「オン故障」しているので、制御信号SG1がオフであっても通電経路13を通過する電流により通電電流Iが流れる。
【0067】
したがって、図3に示した例のような「オン故障」については、それを容易に検出できる。例えば、各通電経路12~14の電圧をマイクロコンピュータ40で監視し、これらの電圧の高/低と制御信号SG1のオンオフとを比較するだけで正常か否かを識別できる。すなわち、図3の例では、制御信号SG1のオフの状態で、通電経路12、13、及び14の電圧がそれぞれ「低」、「高」、及び「低」になるので、半導体スイッチ素子FET2が「オン故障」していることを認識できる。
【0068】
<半導体故障検出装置の変形例>
図2に示した故障判定の処理においては、実際の温度T1及び電位差ΔVのそれぞれの影響を考慮した補正後の多数の基準抵抗値Rrefを予め合成抵抗値テーブルTB1が保持している場合を想定しているが、計算により補正を実施しても良い。例えば、温度T1を変数とする所定の関数により求められる温度補正値と、電位差ΔVを変数とする別の関数により求められる電位差補正値とを用いて、1つの基準抵抗値Rrefを実際のスイッチング回路10における合成抵抗値の特性に合わせて適切に補正することが可能である。
【0069】
<半導体故障検出装置の利点>
図1に示した半導体故障検出装置100においては、互いに逆極性で接続した複数の半導体スイッチ素子の直列回路を有し、この直列回路が複数並列に接続されているスイッチング回路10において、「オフ故障」が発生した半導体スイッチ素子の有無を容易に識別できる。図1の例においては、FET2に「オフ故障」が発生していることが識別される。
【0070】
また、図2に示した故障判定を実施する場合には、実際の温度T1、及び電位差ΔVに応じて補正された基準抵抗値Rrefを用いて想定電圧降下Vdropを算出するので、故障判定の精度を上げることが容易になる。
【0071】
また、半導体スイッチ素子の「オフ故障」を検知した場合に、S20でフェール制御を実施することにより、正常な半導体スイッチ素子に加わる過大なストレスを低減し、スイッチング回路10の更なる故障の進行を抑制することが可能になる。また、早めに故障を修理して安全を確保するようにユーザに促すことができる。
【0072】
<補足説明>
ここで、上述した本発明に係る電源制御装置および半導体故障検出方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
【0073】
[1] 複数の半導体スイッチ素子(FET1~FET6)が互いに逆極性で直列に接続された半導体直列回路を有し、複数の前記半導体直列回路が互いに並列に接続されたスイッチング回路(10)において、前記半導体スイッチ素子の故障を検知するための電源制御装置(半導体故障検出装置100)であって、
基準状態における前記スイッチング回路の入力と出力との間の合成抵抗値の情報を基準抵抗値(Rref)として予め保持する基準抵抗値保持部(合成抵抗値テーブルTB1)と、
前記スイッチング回路の全体を流れる電流の大きさを通電電流(I)として検出する通電電流検出部(マイクロコンピュータ40、S11)と、
前記スイッチング回路の入力と出力との間の電位差を入出力電位差として検出する電位差検出部(マイクロコンピュータ40、S13)と、
前記基準抵抗値と、前記通電電流検出部が検出した前記通電電流とに基づいて、想定電圧降下(Vdrop)を算出する電圧降下算出部(マイクロコンピュータ40、S15)と、
前記電位差検出部が検出した前記入出力電位差と、前記電圧降下算出部が算出した前記想定電圧降下とを比較する電圧比較部(マイクロコンピュータ40、S16、S17)と、
前記電圧比較部の比較結果に基づいて前記半導体スイッチ素子の故障の有無を識別する故障識別部(マイクロコンピュータ40、S18、S19)と、
を備える電源制御装置(半導体故障検出装置100)。
【0074】
上記[1]の構成の電源制御装置によれば、前記基準抵抗値を既知情報として前記基準抵抗値保持部から取得できる。したがって、前記電圧降下算出部は、前記基準状態、すなわち正常な状態で前記スイッチング回路の入力と出力との間に発生すると予想される前記想定電圧降下を、前記基準抵抗値と検出した前記通電電流とに基づいて算出できる。また、実際の測定により前記電位差検出部が検出した前記入出力電位差と、計算により求めた前記想定電圧降下とを前記電圧比較部で比較した結果に大きな違いがある場合には、前記基準状態とは異なっているので、1つ以上の前記半導体スイッチ素子に異常が生じているとみなすことができる。したがって、前記故障識別部は前記電圧比較部の比較結果に基づいて前記半導体スイッチ素子の故障の有無を識別できる。
【0075】
[2] 前記スイッチング回路の近傍における温度(T1)を検出する温度検出部(温度検出回路33)と、
前記温度検出部が検出した温度に基づいて前記基準抵抗値を補正する温度補正部(マイクロコンピュータ40、S14)と、
を更に備える、
上記[1]に記載の電源制御装置。
【0076】
上記[2]の構成の電源制御装置によれば、温度変化の影響を補正してから故障検出できるのでより精度の高い故障検出が可能になる。すなわち、半導体スイッチ素子の入出力端子間の抵抗値は環境温度の影響で変動するので、前記基準状態において特定した半導体スイッチ素子の前記基準抵抗値と、実際の抵抗値との間に温度変化に応じた差異が発生する。この差異の影響を補正することで、正しい故障検出ができる。
【0077】
[3] 前記電位差検出部が検出した前記入出力電位差(ΔV)に基づいて前記基準抵抗値を補正する電圧補正部(マイクロコンピュータ40、S14)、を更に備える、
上記[1]又は[2]に記載の電源制御装置。
【0078】
上記[3]の構成の電源制御装置によれば、前記入出力電位差の変化の影響を補正してから故障検出できるのでより精度の高い故障検出が可能になる。すなわち、半導体スイッチ素子の入出力端子間の抵抗値は、入出力端子間の電位差に応じて変動するので、前記基準状態において特定した半導体スイッチ素子の前記基準抵抗値と、実際の抵抗値との間に電位差の違いに応じた差異が発生する。この差異の影響を補正することで、正しい故障検出ができる。
【0079】
[4] 前記故障識別部は、前記半導体スイッチ素子の故障有を検知した場合に、所定の外部機器に対する異常検知通知、及び前記スイッチング回路の動作抑制の少なくとも一方を含むフェール制御を実施する(S20)、
[1]乃至[3]のいずれかに記載の電源制御装置。
【0080】
上記[4]の構成の電源制御装置によれば、前記半導体スイッチ素子に故障が発生した場合に前記フェール制御により異常検知通知が実施されるので、更に深刻な故障が発生する前に故障を修理するようにユーザに対して注意を促すことができる。また、前記フェール制御により前記スイッチング回路の動作が抑制されるので、まだ故障していない残りの半導体スイッチ素子に加わる過大な電流や熱のストレスを減らし、完全な機器全体の故障に至るまでの時間の余裕を増やすことができる。
【0081】
[5] 複数の半導体スイッチ素子(FET1~FET6)が互いに逆極性で直列に接続された半導体直列回路を有し、複数の前記半導体直列回路が互いに並列に接続されたスイッチング回路(10)において、前記半導体スイッチ素子の故障を検知するための半導体故障検出方法であって、
基準状態における前記スイッチング回路の入力と出力との間の合成抵抗値を基準抵抗値(Rref)として事前に把握し(合成抵抗値テーブルTB1)、
前記スイッチング回路の全体を流れる電流の大きさを通電電流(I)として検出し(S11)、
前記スイッチング回路の入力と出力との間の電位差を入出力電位差(ΔV)として検出し(S13)、
前記基準抵抗値と、検出した前記通電電流とに基づいて、想定電圧降下(Vdrop)を算出し(S15)、
検出した前記入出力電位差と、前記想定電圧降下とを比較した結果に基づいて前記半導体スイッチ素子の故障の有無を識別する(S16~S19)、
半導体故障検出方法。
【0082】
上記[5]の手順の半導体故障検出方法によれば、前記基準抵抗値を事前に把握するので、これを既知情報として扱うことができる。したがって、前記基準状態、すなわち正常な状態で前記スイッチング回路の入力と出力との間に発生すると予想される前記想定電圧降下は、前記基準抵抗値と検出した前記通電電流とに基づいて算出できる。また、実際の測定により検出した前記入出力電位差と、計算により求めた前記想定電圧降下とを比較した結果に大きな違いがある場合には、前記基準状態とは異なっているので、1つ以上の前記半導体スイッチ素子に異常が生じているとみなすことができる。
【符号の説明】
【0083】
10 スイッチング回路
11 共通制御線
12,13,14 通電経路
15,16,17 抵抗器
21 入力端子
22 出力端子
23 制御入力端子
24 ゲートドライバ
31 電流検出回路
32 電位差検出回路
33 温度検出回路
40 マイクロコンピュータ
41 不揮発性メモリ
50 外部機器
100 半導体故障検出装置(電源制御装置)
FET,FET1,FET2,FET3,FET4 半導体スイッチ素子
P1,P2,P3 アナログ入力ボート
P4 出力ポート
P5 通信ポート
Ri 電流検出用の抵抗器
SG1 制御信号
SG2 通信信号
SGi 電流信号
SGv 電圧信号
SGt 温度信号
T1 温度
TB1 合成抵抗値テーブル
Vin 入力電圧
Vout 出力電圧
Rref 基準抵抗値
Vdrop 想定電圧降下
Ve 電圧誤差
Vth 電圧閾値
ΔV 電位差
図1
図2
図3